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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】端末及び通信ノード
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/14 20090101AFI20240227BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20240227BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20240227BHJP
【FI】
H04W28/14
H04W24/10
H04W92/20
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021532626
(86)(22)【出願日】2019-07-17
(86)【国際出願番号】 JP2019028159
(87)【国際公開番号】W WO2021009883
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】村田 直也
(72)【発明者】
【氏名】花木 明人
(72)【発明者】
【氏名】内野 徹
(72)【発明者】
【氏名】王 寛
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0018293(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0293896(US,A1)
【文献】特表2016-502381(JP,A)
【文献】特表2012-516664(JP,A)
【文献】特開2014-165542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末であって、
前記端末と複数の通信ノードとの間において設定された複数の無線ベアラを用いて通信される上りリンクデータ及び下りリンクデータを蓄えるバッファに滞留する全データの滞留状態を示す情報を、前記複数の通信ノードのそれぞれに送信する送信部と、
特定のトリガに基づいて、前記滞留状態を示す情報を前記送信部に送信させる制御部と、
を備え、
前記バッファにおいて、下りリンクデータが滞留可能なデータ量は、前記バッファに滞留している上りリンクデータ及び下りリンクデータの全データ量に応じて変動する端末。
【請求項2】
前記制御部は、一定時間毎に、前記滞留状態を示す情報を前記送信部に送信させる請求項1に記載の端末。
【請求項3】
通信ノードであって、
端末と前記通信ノードとの間において設定された無線ベアラを用いて通信される上りリンクデータ及び下りリンクデータを蓄える前記端末のバッファに滞留するデータの滞留状態を示す第1の情報を、他の通信ノードに送信する送信部と、
前記端末と他の通信ノードとの間において設定された無線ベアラを用いて通信される上りリンクデータ及び下りリンクデータを蓄える前記端末のバッファに滞留するデータの滞留状態を示す第2の情報を、前記他の通信ノードから受信する受信部と、
前記第1の情報及び前記第2の情報に基づいて、新規の下りリンクデータの送信制御を行う制御部と、
を備え
前記端末のバッファにおいて、下りリンクデータが滞留可能なデータ量は、前記端末のバッファに滞留している上りリンクデータ及び下りリンクデータの全データ量に応じて変動する通信ノード。
【請求項4】
前記制御部は、一定時間毎に、前記第1の情報を前記送信部に送信させる請求項3に記載の通信ノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信プロトコルのレイヤ2レベルにおける処理を行う端末及び通信ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、Long Term Evolution(LTE)を仕様化し、LTEのさらなる高速化を目的としてLTE-Advanced(以下、LTE-Advancedを含めてLTEという)を仕様化している。また、3GPPでは、さらに、5GまたはNew Radio(NR)などと呼ばれるLTEの後継システムの仕様が検討されている。
【0003】
NRでは、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP)レイヤ及び無線リンク制御(RLC)レイヤを含むレイヤ2レベルのバッファ(以下、レイヤ2バッファという)が、端末に設けられている(非特許文献1参照)。
【0004】
レイヤ2バッファには、端末と通信ノードとの間で設定された無線ベアラを用いて、当該通信ノードから送信された下りリンクデータ(DLデータ)と、当該通信ノードに送信する上りリンクデータ(ULデータ)とが一時的に蓄えられる。
【0005】
通信ノードは、端末に送信したDLデータのうち、送達確認を受信していないDLデータのデータ量に基づいて、当該端末のレイヤ2バッファ内に滞留しているDLデータの滞留量を推定する。
【0006】
通信ノードは、端末から送信されたバッファ・ステータス・レポート(BSR)に基づいて、当該端末のレイヤ2バッファ内に滞留しているULデータの滞留量を推定する。
【0007】
通信ノードは、端末側におけるDLデータ及びULデータの滞留量(以下、滞留データ量という)に基づいて、端末のレイヤ2バッファでオーバーフローが生じる可能性があると判断する場合、新規データの送信を停止する。
【0008】
更に、NRでは、端末が、複数の通信ノードによって提供される無線リソースを用いて通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)が規定されている。
【0009】
DCにおいて、各通信ノードは、上述した手法により、端末と当該通信ノードとの間で設定された無線ベアラにおける滞留データ量を推定できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【文献】TS38.306 V15.6.0 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; User Equipment (UE) radio access capabilities (Release 15), 3GPP, 2019年6月
【発明の概要】
【0011】
しかしながら、DCにおいて、各通信ノードは、端末と他の通信ノードとの間で設定された無線ベアラにおける滞留データ量を把握することができない。
【0012】
このように、通信ノードは、DCに用いられる全ての無線ベアラにおける全滞留データ量を把握することができないため、大量の新規データを端末に送信する可能性がある。
【0013】
この場合、端末のレイヤ2バッファでオーバーフローが生じる可能性がある。
【0014】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、端末が複数の通信ノードによって提供される無線リソースを用いて通信を行う場合に、端末のレイヤ2レベルのバッファにおいて、オーバーフローの発生を確実に防止し得る端末及び通信ノードを提供することを目的とする。
【0015】
本発明の一態様に係る端末(200)は、前記端末(200)と複数の通信ノード(100a, 100b)との間において設定された複数の無線ベアラ(1, 2)を用いて通信される上りリンクデータ及び下りリンクデータを蓄えるバッファ(240)に滞留する全データの滞留状態を示す情報を、前記複数の通信ノード(100a, 100b)のそれぞれに送信する送信部(210)と、特定のトリガに基づいて、前記滞留状態を示す情報を前記送信部(210)に送信させる制御部(250)と、を備える。
【0016】
本発明の一態様に係る通信ノード(100a)は、端末(200)と前記通信ノード(100a)との間において設定された無線ベアラ(1)を用いて通信される上りリンクデータ及び下りリンクデータを蓄える前記端末(200)のバッファ(240)に滞留するデータの滞留状態を示す情報を、他の通信ノード(100b)に送信する送信部(110)と、特定のトリガに基づいて、前記滞留状態を示す情報を前記送信部(110)に送信させる制御部(150)と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
図2A図2Aは、通信ノード100aと端末200との間で設定される無線ベアラを説明する図である。
図2B図2Bは、通信ノード100bと端末200との間で設定される無線ベアラを説明する図である。
図3図3は、レイヤ2バッファ240を説明する図である。
図4図4は、通信ノード100a, 100bの機能ブロック構成図である。
図5図5は、端末200の機能ブロック構成図である。
図6図6は、通信ノード100a, 100bと端末200による滞留情報の送信手続のシーケンスの一例を示す図である。
図7図7は、端末200による滞留情報の送信処理の動作フローの一例を示す図である。
図8図8は、通信ノード100a, 100bによる滞留情報の送信手続のシーケンスの一例を示す図である。
図9図9は、通信ノード100aによる滞留情報の送信処理の動作フローの一例を示す図である。
図10図10は、滞留情報の変形例を説明する図である。
図11図11は、通信ノード100a, 100b及び端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0019】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1に示すように、無線通信システム10は、Next Generation-Radio Access Network 20(以下、NG-RAN20)及び端末200を含む。なお、端末は、ユーザ装置(UE)とも呼称される。
【0020】
NG-RAN20は、通信ノード100a, 100bを含む。なお、通信ノード及び端末の数を含む無線通信システム10の具体的な構成は、図1に示した例に限定されない。
【0021】
NG-RAN20は、実際には複数のNG-RAN Node、具体的には、gNB(又はng-eNB)を含み、NRに従ったコアネットワーク(5GC、不図示)と接続される。なお、NG-RAN20及び5GCは、単に「ネットワーク」と表現されてもよい。
【0022】
通信ノード100a, 100bの各々は、gNB又はng-eNBである。通信ノード100a, 100bは、通信ノード100a, 100bと端末200との間においてNRに従った無線通信を実行する。
【0023】
通信ノード100a, 100b及び端末200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームを生成するMassive MIMO、複数のコンポーネントキャリア(CC)を用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及び複数のNG-RAN Nodeと端末との間においてCCを同時送信するデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。なお、CCはキャリアとも呼称される。
【0024】
無線通信システム10は、NG-RAN20の代わりに、Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN)を含んでもよい。この場合、E-UTRANは、複数のE-UTRAN Node、具体的には、eNB(又はen-gNB)を含み、LTEに従ったコアネットワーク(EPC)と接続される。この場合、通信ノード100a, 100bの各々は、eNB又はen-gNBである。
【0025】
NRにおいて、サービングセルは、次のように分類される。なお、サービングセルは、端末とセルとの間において無線リンクが確立されているセルである。
【0026】
コアネットワークと接続された制御プレーンを提供する通信ノード(マスターノード、MN)に関連付けられたサービングセルのグループは、マスターセルグループ(MCG)と呼ばれる。MCGは、プライマリセル(以下、PCell)及び1つ以上のセカンダリセル(以下、SCell)から構成される。PCellは、端末がMNとの初期接続を開始するために使用されるセルである。なお、MCGは、PCellのみで構成されてもよい。
【0027】
コアネットワークと接続された制御プレーンを提供せず、端末に対して、付加的なリソースを提供する通信ノード(セカンダリノード、SN)に関連付けられたサービングセルのグループは、セカンダリセルグループ(SCG)と呼ばれる。SCGは、プライマリSCell(以下、PSCell)及び1つ以上のSCellから構成される。PSCellは、端末がSNとの初期接続を開始するために使用されるセルである。なお、SCGは、PSCellのみで構成されてもよい。
【0028】
なお、PCellは、MCGにおける特別セル(SpCell)とも呼ばれる。また、PSCellは、SCGにおけるSpCellとも呼ばれる。
【0029】
本実施形態では、通信ノード100aはMNであり、通信ノード100bはSNである。なお、通信ノード100bがMNであり、通信ノード100aがSNであってもよい。
【0030】
NRでは、端末200が通信ノード100a, 100bによって提供される無線リソースを用いて通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)が規定されている。
【0031】
図2Aは、DCにおいて、通信ノード100aと端末200との間で設定される無線ベアラを説明する図である。図2Aに示すように、通信ノード100aと端末200との間には、無線ベアラ1が確立されている。無線ベアラ1は、例えば、制御プレーン用のシグナリング無線ベアラ(SRB)である。なお、無線通信システム10がE-UTRANを含む場合、無線ベアラ1は、Voice over LTE(VoLTE)用の無線ベアラであってもよい。
【0032】
制御プレーン用のプロトコルスタックは、上位レイヤ(無線リソース制御(RRC)レイヤ)、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、メディアアクセス制御(MAC)レイヤ、及び物理(PHY)レイヤから構成される(図2A参照)。
【0033】
無線ベアラ1において、データは、通信ノード100a(MN)の無線リソースを用いて伝送される。なお、無線ベアラ1は、ユーザプレーン用のデータ無線ベアラ(DRB)であってもよい。
【0034】
図2Bは、DCにおいて、通信ノード100bと端末200との間で設定される無線ベアラを説明する図である。図2Bに示すように、通信ノード100bと端末200との間には、無線ベアラ2が確立されている。
【0035】
本実施形態において、無線ベアラ2はスプリットベアラを構成している。具体的には、PDCPレイヤより下位のレイヤ(RLCレイヤ、MACレイヤ及びPHYレイヤ)において、データは、通信ノード100a(MN)の無線リソースと、通信ノード100b(SN)の無線リソースとを用いて伝送される。
【0036】
無線ベアラ2は、通信ノード100bの無線リソースを用いてデータを伝送するプライマリパス2aと、通信ノード100aの無線リソースを用いてデータを伝送するセカンダリパス2bとを含む。
【0037】
プライマリパス2a及びセカンダリパス2bは、通信ノード100bのPDCPレイヤで分岐している。このため、端末200は、無線ベアラ2を、端末200と通信ノード100bとの間で設定された無線ベアラとして管理する。
【0038】
なお、プライマリパス2a及びセカンダリパス2bは、通信ノード100aのPDCPレイヤで分岐してもよい。この場合、端末200は、無線ベアラ2を、端末200と通信ノード100aとの間で設定された無線ベアラとして管理する。
【0039】
ユーザプレーン用のプロトコルスタックは、上位レイヤ(サービス・データ・アダプテーション・プロトコル(SDAP))、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、及びPHYレイヤから構成される(図2B参照)。
【0040】
制御プレーン用のプロトコルスタック及びユーザプレーン用のプロトコルスタックの各々は、レイヤ1~3に分類される。レイヤ1は、PHYレイヤを含み、下位レイヤとも呼称される。レイヤ2はMACレイヤ、RLCレイヤ及びPDCPレイヤを含む。レイヤ3は、RRCレイヤ又はSDAPレイヤを含み、上位レイヤとも呼称される。
【0041】
なお、プロトコルスタックの分類は、これに限定されない。例えば、レイヤ2は、RLCレイヤ及びPDCPレイヤのみを含んでいてもよい。また、対象のレイヤを基準として、上位に位置するレイヤを上位レイヤと呼称し、下位に位置するレイヤを下位レイヤと呼称してもよい。
【0042】
端末200は、後述するように、レイヤ2バッファ240を備える。レイヤ2バッファ240は、レイヤ2におけるバッファであり、端末200がレイヤ2レベルの処理を行うために使用される。
【0043】
図3は、レイヤ2バッファ240を説明する図である。図3に示すように、レイヤ2バッファ240は、上りリンク(UL)データ格納部241及び下りリンク(DL)データ格納部243に論理的に分割されている。
【0044】
ULデータ格納部241は、端末200から通信ノード100a, 100bに送信されるULデータを一時的に蓄える。ULデータ格納部241に一時的に蓄えられるULデータとして、例えば、次のデータが挙げられる。
【0045】
・PDCPレイヤにおいて送信処理が行われる前のULデータ
・PDCPレイヤにおいて送信処理が行われているULデータ
・PDCPレイヤにおいて送信処理が行われた後で、RLCレイヤから肯定応答(ACK)を受信していないため、RLCレイヤ側でPDCPシーケンス番号(PDCP SN)が正しい順番であることを確認されていないULデータ
本実施形態では、ULデータ格納部241は、無線ベアラ毎に、ULデータを格納している。具体的には、無線ベアラ1で通信されるULデータは領域241aに格納される。無線ベアラ2で通信されるULデータは領域241bに格納される。
【0046】
なお、ULデータ格納部241において、ULデータが、当該ULデータが伝送される無線ベアラと関連付けられていれば、無線ベアラ毎にULデータを格納しなくてもよい。
【0047】
このような構成により、端末200は、無線ベアラ毎に、レイヤ2バッファ240に蓄えられているULデータの滞留状態を取得することができる。
【0048】
端末200は、バッファ・ステータス・レポート(BSR)を通信ノードに送信する前に、端末200と当該通信ノードとの間で設定された無線ベアラに対応するULデータ格納部241内の領域に蓄えられているULデータの滞留量を取得する。端末200は、取得したULデータの滞留量を、BSRを用いて通信ノードに送信する。
【0049】
通信ノードは、端末200からBSRを受信すると、UL許可(UL grant)を端末200に送信して、ULデータ送信用の無線リソースを割り当てる。端末200は、UL grantを受信すると、割り当てられた無線リソースを用いて、ULデータを通信ノードに送信することができる。このため、grant割当によるULデータ送信の場合、PDCPレイヤにおいて送信処理が行われる前のULデータの格納は必須である。
【0050】
DLデータ格納部243は、通信ノード100a, 100bから端末200に送信されたDLデータを一時的に蓄える。DLデータ格納部に一時的に蓄えられるDLデータとして、例えば、次のデータが挙げられる。
【0051】
・MACレイヤから受信し、かつ、RLCレイヤにおいて受信処理が行われる前のDLデータ
・MACレイヤから受信し、かつ、RLCレイヤにおいて受信処理が行われているDLデータ
・MACレイヤから受信し、かつ、RLCレイヤにおいて受信処理が行われた後で、PDCPレイヤにおいて受信処理が行われる前のDLデータ
・MACレイヤから受信し、かつ、RLCレイヤにおいて受信処理が行われた後で、PDCPレイヤにおいて受信処理(順序変更処理(Reordering処理)を含む)が行われているDLデータ
本実施形態では、DLデータ格納部243は、無線ベアラ毎に、DLデータを格納している。具体的には、無線ベアラ1で通信されるDLデータは領域243aに格納される。無線ベアラ2で通信されるDLデータは領域243bに格納される。
【0052】
なお、DLデータ格納部243において、DLデータが、当該DLデータが伝送される無線ベアラと関連付けられていれば、無線ベアラ毎にDLデータを格納しなくてもよい。
【0053】
このような構成により、端末200は、無線ベアラ毎に、レイヤ2バッファ240に蓄えられているDLデータの滞留状態を取得することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、ULデータ格納部241内の領域241a, 241b及びDLデータ格納部243の領域243a, 243bのサイズは、固定されておらず、各無線ベアラで通信されるULデータ及びDLデータの滞留量に応じて動的に変動し得る。
【0055】
従って、本実施形態では、通信ノード100aは、無線ベアラ1で通信されるULデータ及びDLデータが格納される領域241a, 243aに滞留するデータの滞留量ではなく、レイヤ2バッファ240に滞留するデータの全滞留量に基づいて送信制御を行う。同様に、通信ノード100bは、無線ベアラ2で通信されるULデータ及びDLデータが格納される領域241b, 243bに滞留するデータの滞留量ではなく、レイヤ2バッファ240に滞留するデータの全滞留量に基づいて送信制御を行う。
【0056】
端末200は、レイヤ2バッファ240でオーバーフローが発生すると、例えば、次のような動作を行う。
【0057】
・レイヤ2バッファに滞留しているデータの全てを破棄する
・レイヤ2バッファでのオーバーフローが解消される程度に、レイヤ2バッファに滞留しているデータを破棄する
・ULデータをレイヤ2バッファには転送せず、上位レイヤのバッファに格納する
通信ノード100a, 100bの各々は、後述するように、DCに用いられる無線ベアラ1, 2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に一時的に蓄えられている状態を把握して、端末200に対して送信制御を行う。
【0058】
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、通信ノード100a, 100b及び端末200の機能ブロック構成について説明する。以下、本実施形態における特徴に関連する部分についてのみ説明する。したがって、通信ノード100a, 100b及び端末200は、本実施形態における特徴に直接関係しない他の機能ブロックを備えることは勿論である。
【0059】
図4は、通信ノード100a, 100bの機能ブロック構成図である。なお、通信ノード100a, 100bは同じ構成を有するため、通信ノード100bの説明は省略する。図4に示すように、通信ノード100aは、送信部110、受信部120、タイマ130、管理部140及び制御部150を備える。
【0060】
送信部110は、通信ノード100aと端末200との間で設定された無線ベアラ1を用いて、DLデータを送信する。例えば、送信部110は、制御部150による送信制御に基づいて、新規のDLデータを端末200に送信する。
【0061】
通信ノード100aの送信部110は、後述する「通信ノード100a, 100b間での滞留情報の送信手順」(図8参照)において、無線ベアラ1で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を、通信ノード100bに送信する。なお、同様に、通信ノード100bの送信部110は、後述する「通信ノード100a, 100b間での滞留情報の送信手順」(図8参照)において、無線ベアラ2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を、通信ノード100aに送信する。
【0062】
受信部120は、通信ノード100aと端末200との間で設定された無線ベアラ1を用いて、ULデータを受信する。例えば、受信部120は、端末200からBSRを受信する。
【0063】
受信部120は、後述する「通信ノード100aと端末200との間での滞留情報の送信手続」(図6参照)において、無線ベアラ1, 2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を、端末200から受信する。
【0064】
受信部120は、後述する「通信ノード100a, 100b間での滞留情報の送信手順」(図8参照)において、無線ベアラ2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を、通信ノード100bから受信する。
【0065】
タイマ130は、滞留情報を周期的に送信する場合に、滞留情報の送信を行うか否かを判断するのに用いられる。
【0066】
管理部140は、後述する「通信ノード100aと端末200との間での滞留情報の送信手続」(図6参照)において、端末200から受信した滞留情報を、無線ベアラ1, 2と関連付けて管理する。
【0067】
管理部140は、後述する「通信ノード100a, 100b間での滞留情報の送信手順」(図8参照)において、通信ノード100aが推定した滞留情報を、無線ベアラ1と関連付けて管理し、かつ、通信ノード100bから受信した滞留情報を、無線ベアラ2と関連付けて管理する。
【0068】
制御部150は、レイヤ2レベルにおける処理を行う。
【0069】
制御部150は、後述する「通信ノード100aと端末200との間での滞留情報の送信手続」(図6参照)において、端末200から取得した滞留情報に基づいて、新規のDLデータの送信制御を行う。
【0070】
制御部150は、後述する「通信ノード100a, 100b間での滞留情報の送信手順」(図8参照)において、無線ベアラ1で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を推定する。制御部150は、特定のトリガに基づいて、推定した滞留情報を通信ノード100bに送信するように、送信部110に指示する。
【0071】
制御部150は、後述する「通信ノード100a, 100b間での滞留情報の送信手順」(図8参照)において、制御部150が推定した滞留情報と、通信ノード100bから取得した滞留情報とに基づいて、新規のDLデータの送信制御を行う。
【0072】
制御部150は、タイマ130を用いて、滞留情報の送信から所定時間が経過したと判定する場合、新規の滞留情報を通信ノード100bに送信するように、送信部110に指示する。
【0073】
制御部150は、送信制御を行う場合に、管理部140から各無線ベアラに関連付けられた滞留情報を取得する。
【0074】
図5は、端末200の機能ブロック構成図である。図5に示すように、端末200は、送信部210、受信部220、タイマ230、レイヤ2バッファ240及び制御部250を備える。
【0075】
送信部210は、通信ノード100aと端末200との間で設定された無線ベアラ1を用いて、ULデータを送信する。送信部210は、通信ノード100bと端末200との間で設定された無線ベアラ2を用いて、ULデータを送信する。例えば、送信部210は、通信ノード100a, 100bにBSRを信する。
【0076】
送信部210は、後述する「通信ノード100aと端末200との間での滞留情報の送信手続」(図6参照)において、無線ベアラ1, 2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を、通信ノード100a, 100bに送信する。
【0077】
受信部220は、通信ノード100aと端末200との間で設定された無線ベアラ1を用いて、DLデータを受信する。送信部210は、通信ノード100bと端末200との間で設定された無線ベアラ2を用いて、DLデータを受信する。例えば、受信部220は、通信ノード100a, 100bによる送信制御に基づいて、新規のDLデータを通信ノード100a, 100bから受信する。
【0078】
タイマ230は、滞留情報を周期的に送信する場合に、滞留情報の送信を行うか否かを判断するのに用いられる。
【0079】
レイヤ2バッファ240は、上述したように、無線ベアラ毎にULデータ及びDLデータを一時的に蓄えている。
【0080】
制御部250は、レイヤ2レベルにおける処理を行う。
【0081】
制御部250は、後述する「通信ノード100aと端末200との間での滞留情報の送信手続」(図6参照)において、無線ベアラ1, 2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を取得する。制御部250は、特定のトリガに基づいて、取得した滞留情報を通信ノード100a, 100bに送信するように、送信部210に指示する。
【0082】
制御部250は、無線ベアラ1で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を、BSRを用いて通信ノード100aに送信するように、送信部210に指示する。同様に、制御部250は、無線ベアラ2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を、BSRを用いて通信ノード100bに送信するように、送信部210に指示する。
【0083】
制御部250は、タイマ230を用いて、滞留情報の送信から所定時間が経過したと判定する場合、新規の滞留情報を通信ノード100a, 100bに送信するように、送信部210に指示する。
【0084】
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。上述したように、DCにおいて、端末200のレイヤ2バッファ240には、無線ベアラ1, 2で通信されるデータが一時的に蓄えられている。この状態は、無線ベアラ1, 2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している、とも表現される。
【0085】
本実施形態では、無線通信システム10の動作として、DCにおいて、通信ノード100a, 100bの各々が、無線ベアラ1, 2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を把握して、端末200に対して送信制御を行う動作を説明する。
【0086】
(3.1)端末と通信ノードとの間における滞留情報の報告
最初に、端末200が、通信ノード100a, 100bの各々に対して、無線ベアラ1, 2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を報告するケースを説明する。
【0087】
(3.1.1)滞留情報
レイヤ2バッファ240は、上述したように、ULデータ格納部241及びDLデータ格納部243に論理的に分割されている(図3参照)。本ケースでは、滞留情報として、例えば、次の情報が挙げられる。
【0088】
・ULデータ格納部241に滞留しているULデータの総データ量と、DLデータ格納部243に滞留しているDLデータの総データ量との合計(以下、全滞留データ量という)
・ULデータ格納部241及びDLデータ格納部243に格納可能なデータの総容量(以下、全バッファサイズという)に対して、全滞留データ量が占める割合
・ULデータ格納部241及びDLデータ格納部243の空き容量(以下、全バッファの空き容量という)
・全滞留データ量及び全バッファサイズ
・端末200が新規データを受信可能であるか否かを示すフラグ
このように、本ケースでは、端末200は、DCに用いられる全ての無線ベアラ1, 2において、レイヤ2バッファ240に滞留している全データの滞留状態を示す滞留情報を、各通信ノードに送信する。
【0089】
(3.1.2)滞留情報の送信手続
次に、通信ノード100a, 100bと端末200との間における滞留情報の送信手続を説明する。図6は、通信ノード100a, 100bと端末200による滞留情報の送信手続のシーケンスの一例を示す図である。
【0090】
図6に示すように、端末200は、特定のトリガを検出する場合(S11)、DCに用いられる全ての無線ベアラにおいて、レイヤ2バッファ240に滞留しているデータの滞留状態を示す滞留情報を取得する(S13)。
【0091】
S11における特定のトリガとして、例えば、次のイベントが挙げられる。
【0092】
・ネットワーク(例えば、通信ノード100a, 100b)から、滞留情報の報告指示メッセージを受信した場合
・前回の滞留情報の送信から所定時間が経過した場合
・全滞留データ量が閾値を超えた場合
・全滞留データ量が閾値を超えた状態が所定時間継続した場合
・全バッファの空き容量が閾値を下回った場合
・全バッファの空き容量が閾値を下回った状態が所定時間継続した場合
・端末200が在圏するセルが変更した場合
・端末とネットワーク(例えば、通信ノード100a, 100b)との間で設定された無線ベアラを終端する当該ネットワーク側のPDCPレイヤが変更した場合
・新規データの受信により、レイヤ2バッファでオーバーフローが発生する可能性がある場合
上述した滞留情報の報告指示メッセージは、RRCメッセージ、MAC制御エレメント(CE)又はレイヤ1(L1)信号に含まれてもよい。上述した所定時間及び閾値は、ネットワーク(例えば、通信ノード100a, 100b)から予め設定されてもよい。
【0093】
また、S11における特定のトリガとして、次のイベントも挙げられる。
【0094】
・RRCコネクション設定(RRC connection setup)
・RRCコネクション再開(RRC connection resume)
・RRCコネクション保留(RRC connection suspend)
・RRCコネクション再確立(RRC connection re-establishment)
・UE capabilityの問い合わせ(UE capability enquiry)
・リソースブロックの設定(RB setup)
・リソースブロックの変更(RB modification)
・リソースブロックの解放(RB release)
・PDCP確立(PDCP establishment)
・PDCP再確立(PDCP re-establishment)
・PDCPデータ回復(PDCP data recovery)
・PDCP・オン・ディスカード(PDCPOnDiscard)
・PDCP解放(PDCP release)
・PDCPステータスレポート(PDCP status report)
・RLC確立(RLC establishment)
・RLC再確立(RLC re-establishment)
・RLC解放(RLC release)
・論理チャネル(LCH)確立(LCH establishment)
・LCH解放(LCH release)
・MACリセット(MAC reset)
・ハンドオーバ、SCG変更、セル変更などの手続におけるreconfigurationWithsync
・ベアラタイプの変更
・CA又はマルチ無線(MR)DCの設定
・CA又はMR-DCの削除
ネットワーク(例えば、通信ノード100a, 100b)は、上述した複数のイベントのうち、1つ以上のイベントを、無線べアラ単位、RLCベアラ単位、RLCチャネル単位、LCH単位、クォリティ・オブ・サービス(QoS)単位、又はこれらの単位のうちいくつかの単位をグループ化した単位で、端末200に予め設定してもよい。この場合、端末200は、予め設定されたイベントのうち、少なくとも1つのイベントを検出した場合に、通信ノード100a, 100bに対して、取得した滞留情報を送信してもよい。
【0095】
ネットワーク(例えば、通信ノード100a, 100b)は、上述した複数のイベントのうち、2つ以上のイベントを、無線べアラ単位、RLCベアラ単位、RLCチャネル単位、LCH単位、クォリティ・オブ・サービス(QoS)単位、又はこれらの単位のうちいくつかの単位をグループ化した単位で、端末200に予め設定してもよい。この場合、端末200は、予め設定されたイベントの全てを検出した場合に、通信ノード100a, 100bに対して、取得した滞留情報を送信してもよい。
【0096】
端末200は、特定のトリガの検出に基づいて滞留情報を取得すると、通信ノード100a, 100bに対して、取得した滞留情報を送信する(S15)。端末200は、当該滞留情報を、RRCメッセージ、MAC CE又はL1信号に含めて、通信ノード100a, 100bに送信してもよい。端末200は、当該滞留情報を、PDCPステータスレポートなどのPDCP・制御(control)・プロトコル・データ・ユニット(PDU)に含めて、通信ノード100a, 100bに送信してもよい。
【0097】
端末200は、無線ベアラ単位、RLCベアラ単位、RLCチャネル単位、LCH単位、クォリティ・オブ・サービス(QoS)単位、又はこれらの単位のうちいくつかの単位をグループ化した単位で、滞留情報を送信してもよい。
【0098】
通信ノード100a, 100bの各々は、端末200から滞留情報を受信すると、端末200に対して送信制御を行う(S17)。具体的には、通信ノード100a, 100bの各々は、端末200から受信した滞留情報に基づいて、新規のDLデータを送信した場合に、端末200のレイヤ2バッファ240でオーバーフローが生じる可能性があるか否かを決定する。
【0099】
オーバーフローが生じる可能性がない場合には、通信ノード100a, 100bの各々は、新規のDLデータを端末200に送信する。一方、オーバーフローが生じる可能性がある場合には、通信ノード100a, 100bの各々は、端末200に対して、新規のDLデータの送信を停止する。
【0100】
例えば、受信した全滞留データ量、又は受信した全バッファサイズに対して全滞留データ量が占める割合が閾値を超える場合、通信ノード100a, 100bの各々は、端末200に対して、新規のDLデータの送信を停止する。また、受信した全バッファの空き容量が閾値を下回る場合、通信ノード100a, 100bの各々は、端末200に対して、新規のDLデータの送信を停止する。更に、受信したフラグが新規データの受信が不可であることを示す場合、通信ノード100a, 100bの各々は、端末200に対して、新規のDLデータの送信を停止する。
【0101】
(3.1.3)滞留情報の送信処理
次に、端末200による滞留情報の送信処理の一例を説明する。図7は、端末200による滞留情報の送信処理の動作フローの一例を示す図である。
【0102】
図7に示すように、端末200は、特定のトリガの検出に基づいて滞留情報を取得すると、通信ノード100a, 100bに対して、滞留情報の送信を行う(S21)。端末200は、滞留情報の送信後、滞留情報の送信から所定時間が経過したか否かを決定する(S23)。
【0103】
端末200は、所定時間が経過したと決定する場合、新規の滞留情報を取得して、通信ノード100a, 100bに対して、新規の滞留情報を送信する(S25)。一方、端末200は、所定時間が経過していないと決定する場合、所定時間が経過するまで待機する。
【0104】
端末200は、新規の滞留情報を送信すると、滞留情報の送信を終了するか否かを決定する(S27)。滞留情報の送信を終了しない場合、端末200の動作はS23に戻る。一方、滞留情報の送信を終了する場合、端末200は、滞留情報の送信を終了する。
【0105】
このように、端末200は、所定時間毎に、滞留情報を通信ノード100a, 100bに送信する。
【0106】
(3.2)通信ノード間における滞留情報の報告
次に、通信ノード100aが、無線ベアラ1で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を推定して、推定された滞留情報を通信ノード100bに報告するケースを説明する。なお、本ケースでは、説明を省略するが、通信ノード100bも同様に、無線ベアラ2で通信されるデータがレイヤ2バッファ240に滞留している状態を示す滞留情報を推定して、推定された滞留情報を通信ノード100aに報告する。
【0107】
(3.2.1)滞留情報
本ケースでは、通信ノード100aが通信ノード100bに報告する滞留情報として、例えば、次の情報が挙げられる。
【0108】
・ULデータ格納部241の領域241aに滞留しているULデータのデータ量と、DLデータ格納部243の領域243aに滞留しているDLデータのデータ量との合計(以下、滞留データ量という)
・ULデータ格納部241の領域241a及びDLデータ格納部243の領域243aに格納可能なデータ容量(以下、バッファサイズという)に対して、滞留データ量が占める割合
・ULデータ格納部241の領域241a及びDLデータ格納部243の領域243aの空き容量(以下、バッファの空き容量という)
・滞留データ量及びバッファサイズ
・端末200が新規データを受信可能であるか否かを示すフラグ
(3.2.3)各通信ノードにおける滞留情報の推定
次に、通信ノード100aにおける滞留情報の推定手法を説明する。
【0109】
通信ノード100aは、Reordering処理を行うPDCPレイヤにおいて、端末200から送信されたBSRに基づいて、ULデータ格納部241の領域241aに滞留しているULデータのデータ量(以下、滞留ULデータ量という)を推定する。
【0110】
なお、端末200は、無線ベアラ2において、滞留ULデータ量が閾値(例えば、RRCメッセージで通知されるul-DataSplitThreshold)未満である場合、BSRを用いて、プライマリパス2aが設定されている通信ノード100bに対して、滞留ULデータ量を送信する。一方、端末200は、BSRを用いて、セカンダリパス2bが設定されている通信ノード100aに対して、値0を送信する。
【0111】
通信ノード100aは、Reordering処理を行うPDCPレイヤにおいて、端末200に送信したDLデータのうち、正しい順序で送達確認を受信していないDLデータのデータ量に基づいて、DLデータ格納部243の領域243aに滞留しているDLデータのデータ量(以下、滞留DLデータ量)を推定する。
【0112】
通信ノード100aは、滞留ULデータ量及び滞留DLデータ量に基づいて滞留情報を推定する。例えば、通信ノード100aは、滞留ULデータ量と滞留DLデータ量とを加算して、滞留データ量を推定する。
【0113】
このような手法により、通信ノード100aは、端末200と通信ノード100aとの間で設定された無線ベアラ1における滞留情報を推定できる。なお、本ケースでは、通信ノード100aは、端末200と通信ノード100bとの間で設定された無線ベアラにおける滞留情報を推定できない。
【0114】
(3.2.4)滞留情報の送信手続
次に、通信ノード100a, 100b間における滞留情報の送信手順を説明する。図8は、通信ノード100a, 100bによる滞留情報の送信手続のシーケンスの一例を示す図である。なお、図8では、通信ノード100aが、滞留情報を通信ノード100bに送信する。
【0115】
図8に示すように、通信ノード100aは、特定のトリガを検出する場合(S31)、DCに用いられる無線ベアラ1, 2のうち、無線ベアラ1において、レイヤ2バッファ240に滞留しているデータの滞留状態を示す滞留情報を推定する(S33)。
【0116】
S31における特定のトリガとして、例えば、次のイベントが挙げられる。
【0117】
・通信ノード100bから、滞留情報の報告指示メッセージを受信した場合
・前回の滞留情報の送信から所定時間が経過した場合
・滞留データ量が閾値を超えた場合
・滞留データ量が閾値を超えた状態が所定時間継続した場合
・バッファの空き容量が閾値を下回った場合
・バッファの空き容量が閾値を下回った状態が所定時間継続した場合
・端末200に対して、新たな通信ノードが設定された場合
・端末200から、新規データの受信不可を示す情報を受信した場合
上述した滞留情報の報告指示メッセージはXn信号に含まれてもよい。なお、無線通信システム10がE-UTRANを含む場合、上述した滞留情報の報告指示メッセージはX2信号に含まれてもよい。上述した所定時間及び閾値は、ネットワーク(例えば、通信ノード100b)から予め設定されてもよい。
【0118】
ネットワーク(例えば、通信ノード100b)は、上述した複数のイベントのうち、1つ以上のイベントを、通信ノード100aに予め設定してもよい。この場合、通信ノード100aは、予め設定されたイベントのうち、少なくとも1つのイベントを検出した場合に、通信ノード100bに対して、推定した滞留情報を送信してもよい。
【0119】
ネットワーク(例えば、通信ノード100b)は、上述した複数のイベントのうち、2つ以上のイベントを、通信ノード100aに予め設定してもよい。この場合、通信ノード100aは、予め設定されたイベントの全てを検出した場合に、通信ノード100bに対して、推定した滞留情報を送信してもよい。
【0120】
通信ノード100aは、特定のトリガの検出に基づいて滞留情報を推定すると、通信ノード100bに対して、取得した滞留情報を送信する(S35)。通信ノード100aは、データ配信状況メッセージ(DDDS)に含めて、通信ノード100bに送信してもよい。通信ノード100aは、滞留情報と一緒に、無線ベアラ1の品質情報(例えば、測定報告、チャネル状態情報(CSI)、パワーヘッドルーム(PHR)など)の値、UEカテゴリなどの端末200のUE能力などを報告してもよい。
【0121】
なお、通信ノード100aは、滞留ULデータ量に基づいて推定したUL用滞留情報と、滞留DLデータ量に基づいて推定したDL用滞留情報とを、独立に通信ノード100bに送信してもよい。この場合、例えば、通信ノード100bは、UL用滞留情報の報告指示メッセージと、DL用滞留情報の報告メッセージとを独立に送信してもよい。
【0122】
通信ノード100bは、通信ノード100aから滞留情報を受信すると、端末200に対して送信制御を行う(S37)。具体的には、通信ノード100bは、通信ノード100aから受信した無線ベアラ1における滞留情報と、通信ノード100bが推定した無線ベアラ2における滞留情報とに基づいて、新規のDLデータを送信した場合に、端末200のレイヤ2バッファ240でオーバーフローが生じる可能性があるか否かを決定する。
【0123】
オーバーフローが生じる可能性がない場合には、通信ノード100bは、新規のDLデータを端末200に送信する。一方、オーバーフローが生じる可能性がある場合には、通信ノード100bは、端末200に対して、新規のDLデータの送信を停止する。
【0124】
具体的な決定方法は、上述の「(3.1.2)滞留情報の送信手続」で説明した決定方法と同じである。
【0125】
(3.2.5)滞留情報の送信処理
次に、通信ノード100aによる滞留情報の送信処理の一例を説明する。図9は、通信ノード100aによる滞留情報の送信処理の動作フローの一例を示す図である。
【0126】
図9に示すように、通信ノード100aは、特定のトリガの検出に基づいて滞留情報を推定すると、通信ノード100bに対して、滞留情報の送信を行う(S41)。通信ノード100aは、滞留情報の送信後、滞留情報の送信から所定時間が経過したか否かを決定する(S43)。
【0127】
通信ノード100aは、所定時間が経過したと決定する場合、新規の滞留情報を推測して、通信ノード100bに対して、新規の滞留情報を送信する(S45)。一方、通信ノード100aは、所定時間が経過していないと決定する場合、所定時間が経過するまで待機する。
【0128】
通信ノード100aは、新規の滞留情報を送信すると、滞留情報の送信を終了するか否かを決定する(S47)。滞留情報の送信を終了しない場合、通信ノード100aの動作はS43に戻る。一方、滞留情報の送信を終了する場合、通信ノード100aは、滞留情報の送信を終了する。
【0129】
このように、通信ノード100aは、所定時間毎に、滞留情報を通信ノード100bに送信する。
【0130】
(3.4)その他
次に変形例について、以下に説明する。
【0131】
上述の「(3.1)端末と通信ノードとの間における滞留情報の報告」で用いられる滞留情報として、データ量の代わりに、PDCPレイヤ又はRLCレイヤの状態変数を用いてもよい。この場合、端末200は、滞留情報として、PDCPレイヤの状態変数及びRLCレイヤの状態変数のうち、どの状態変数を用いるのか、ネットワーク(例えば、通信ノード100a, 100b)から通知されてもよい。
【0132】
図10は、滞留情報の変形例を説明する図である。図10に示すように、端末200は、レイヤ2バッファ240、具体的には、DLデータ格納部243の領域243aに、4つのパケットが滞留している。
【0133】
パケットはカウント値を含む。カウント値は、ハイパーフレーム番号(HFN)及びPDCP-シーケンス番号(SN)を有する。PDCP-SNは、送信側において、PDCPレイヤからRLCレイヤにパケットが送出される毎にインクリメントされる。HFNは、送信側において、PDCP-SNが周回する毎にインクリメントされる。
【0134】
レイヤ2バッファ240に滞留している4つのパケットのPDCP-SNには、値1~4が付与されている。最後に上位レイヤに送出したパケットのPDCP-SNには、値0が付与されている。PDCPレイヤは、設定されたRX_DELIVを用いて、上位レイヤにPDCPパケットを送出する。次にレイヤ2バッファ240への送出が期待されるパケットのPDCP-SNには、値5が付与されている。PDCPレイヤは、設定されたRX_NEXTを用いて、パケットを受信する。
【0135】
このような滞留状態において、端末200は、特定のトリガを検出すると、滞留情報として、最後の上位レイヤに送出されたパケットのPDCP-SNと、レイヤ2バッファ240に滞留しているパケットのPDCP-SNのうち、最も大きい値とを通知する。具体的には、端末200は、滞留情報として、PDCP-SNの値0, 4を通信ノード100aに送信する。通信ノード100aは、受信したPDCP-SNの値0, 4に基づいて、レイヤ2バッファ240には、4つのPDCPパケットが滞留していることを推測する。
【0136】
端末200は、特定のトリガを検出すると、滞留情報として、レイヤ2バッファ240に滞留しているパケットのPDCP-SNのうち、最も小さい値と、次にレイヤ2バッファ240への送出が期待されるパケットのPDCP-SNとを通知してもよい。最も小さい値のPDCP-SNを有するパケットは、次に上位レイヤに送出される。具体的には、端末200は、滞留情報として、PDCP-SNの値1, 5を通信ノード100aに送信してもよい。
【0137】
上述のパケットは、例えば、PDCPレイヤ又はRLCレイヤにおける、サービス・データ・ユニット(SDU)又はパケット・データ・ユニット(PDU)であってもよい。端末200は、PDCP-SN代わりに、PDCP-SN及びHFN、カウント値などを用いてもよい。
【0138】
更に、端末200は、滞留情報として、レイヤ2バッファに滞留しているPDCP SDU, PDCP PDU, RLC SDU, RLC PDU, SDPA SDU又はSDPA PDUの個数、平均データサイズ、最大データサイズ、最小データサイズ、統計情報などを、通信ノード100a, 100bに送信してもよい。
【0139】
同様に、上述の「(3.2)通信ノード間における滞留情報の報告」で用いられる滞留情報として、データ量の代わりに、上述のPDCPレイヤ又はRLCレイヤの状態変数を用いてもよい。この場合、各通信ノードは、例えば、滞留情報として、パケットのPDCP-SN、PDCP-SN及びHFN、カウント値などを他の通信ノードに送信する。
【0140】
上述の「(3.1)端末と通信ノードとの間における滞留情報の報告」及び「(3.2)通信ノード間における滞留情報の報告」で用いられる滞留情報の内容は、ネットワークから設定されてもよい。
【0141】
上述の「(3.1)端末と通信ノードとの間における滞留情報の報告」及び「(3.2)通信ノード間における滞留情報の報告」で用いられる滞留情報は、UL用の滞留情報及びDL用の滞留情報に分けて、個別に送信されてもよい。
【0142】
上述の「(3.1)端末と通信ノードとの間における滞留情報の報告」及び「(3.2)通信ノード間における滞留情報の報告」で用いられる滞留情報は、QoS毎に分けて、個別に送信されてもよい。
【0143】
「(3.2)通信ノード間における滞留情報の報告」で用いられる滞留情報として、次の情報も挙げられる。
【0144】
・QoS毎のターゲットとなる無線ベアラにおける滞留データ量
・QoS毎のターゲットとなる無線ベアラにおけるバッファの空き容量
・QoS毎のターゲットとなる無線ベアラにおける滞留データ量がバッファサイズに対して占める割合
【0145】
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、端末200は、端末200と通信ノード100a, 100bとの間において設定された無線ベアラ1, 2を用いて通信されるULデータ及びDLデータを蓄えるレイヤ2バッファ240に滞留する全データの滞留状態を示す情報を、特定のトリガに基づいて、通信ノード100a, 100bに送信する。
【0146】
このような構成により、通信ノード100a, 100bは、無線ベアラ1, 2における全滞留データ量を把握することができるため、適切な送信制御を行うことができる。従って、端末200は、レイヤ2バッファ240におけるオーバーフローの発生を確実に防止し得る。
【0147】
上述したように、レイヤ2バッファ240でオーバーフローが生じた場合、データの破棄、具体的には、パケットの破棄が発生する。パケットの破棄が発生する場合、以下の問題が懸念される。
【0148】
・ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)通信おける、パケット損失による通信品質の劣化
・送信制御プロトコル(TCP)通信における、TCP再送による通信遅延の増加
・TCP通信における、輻輳ウィンドウの縮小によるスループットの低下
・パケットの一部を破棄する場合、Reordering処理が終了せず、タイマ(t-Reorderingタイマ)が満了するまで通信遅延が発生する
しかしながら、上述した構成により、端末200は、レイヤ2バッファ240において、オーバーフローの発生を確実に防止し得るため、無線通信システム10において、通信品質の劣化、通信遅延の発生及び増加、及びスループットの低下を回避することができる。
【0149】
上述した実施形態によれば、端末200は、一定時間毎に、滞留状態を示す情報を通信ノード100a, 100bに送信する。
【0150】
このような構成により、通信ノード100a, 100bは、周期的に、レイヤ2バッファ240に滞留するデータの滞留状態を把握することができるため、より適切な送信制御を行うことができる。従って、端末200は、レイヤ2バッファ240におけるオーバーフローの発生をより確実に防止し得る。
【0151】
上述した実施形態によれば、通信ノード100aは、端末200と通信ノード100aとの間において設定された無線ベアラ1を用いて通信されるULデータ及びDLデータを蓄える端末200のレイヤ2バッファ240に滞留するデータの滞留状態を示す情報を、特定のトリガに基づいて、通信ノード100bに送信する。
【0152】
このような構成により、通信ノード100bは、通信ノード100aと端末200との間で設定された無線ベアラ1における滞留データ量を把握することができる。
【0153】
同様に、通信ノード100bは、端末200と通信ノード100bとの間において設定された無線ベアラ2を用いて通信されるULデータ及びDLデータを蓄える端末200のレイヤ2バッファ240に滞留するデータの滞留状態を示す情報を、特定のトリガに基づいて、通信ノード100aに送信する。
【0154】
このような構成により、通信ノード100aは、通信ノード100bと端末200との間で設定された無線ベアラ2における滞留データ量を把握することができる。
【0155】
このように、通信ノード100a, 100bは、無線ベアラ1, 2における全滞留データ量を把握することができるため、適切な送信制御を行うことができる。従って、通信ノード100a, 100bは、端末200のレイヤ2バッファ240におけるオーバーフローの発生を確実に防止し得る。
【0156】
上述した実施形態によれば、通信ノード100aは、一定時間毎に、滞留状態を示す情報を通信ノード100bに送信する。同様に、通信ノード100bは、一定時間毎に、滞留状態を示す情報を通信ノード100aに送信する。
【0157】
このような構成により、通信ノード100a, 100bは、周期的に、レイヤ2バッファ240に滞留するデータの滞留状態を把握することができるため、より適切な送信制御を行うことができる。従って、通信ノード100a, 100bは、端末200のレイヤ2バッファ240におけるオーバーフローの発生をより確実に防止し得る。
【0158】
(5)その他の実施形態
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0159】
上述した実施形態では、端末200には、ULデータ格納部241とDLデータ格納部243とを含むレイヤ2バッファ240が設けられているが、レイヤ2バッファの構成は、これに限定されない。例えば、レイヤ2バッファ240の代わりに、ULデータ用のレイヤ2バッファとDLデータ用のレイヤ2バッファとを個別に設けてもよい。
【0160】
この場合、通信ノード100a, 100bの各々は、DCに用いられる全ての無線ベアラ1, 2で通信されるDLデータがDLデータ用のレイヤ2バッファに一時的に蓄えられている状態を把握して、端末200に対して送信制御を行ってもよい。
【0161】
上述した実施形態では、端末200は、通信ノード100a, 100bによって提供される無線リソースを用いて通信を行っているが、通信ノードの数は、これに限定されない。例えば、端末200は、3つ以上の通信ノードによって提供される無線リソースを用いて通信を行ってもよい。
【0162】
この場合、通信ノード間における滞留情報の報告では、各通信ノードは、他の2つの通信ノードに滞留情報を送信する。
【0163】
上述した実施形態では、通信ノード100a, 100bの間で滞留情報を報告しているが、通信ノード間における滞留情報の報告は、これに限定されない。例えば、通信ノードが、集約ノード(CU)と分散ノード(DU)とに機能分離している場合、F1インターフェースを介してCUとDUとの間で滞留情報を報告してもよい。
【0164】
通信ノードのCUが、制御プレーンを終端するCU-CPと、ユーザプレーンを終端するCU-UPとに機能分離している場合、E1インターフェースを介してCU-CPとCU-UPとの間で滞留情報を報告してもよい。
【0165】
上述した実施形態において、端末200は、複数の通信ノードによって提供される無線リソースを用いて通信を行う場合、滞留情報は、複数の通信ノードのうち、何れかの通信ノードに集められてもよい。
【0166】
上述した実施形態において、端末200は、各レイヤの滞留情報を個別に送信してもよい。また、端末200は、複数レイヤの滞留情報をまとめて送信してもよい。送信対象となるレイヤは、バッファ機能を有するレイヤ(例えば、PDCPレイヤ及びRLCレイヤ)に限定されてもよい。
【0167】
上述した実施形態において、端末200が、レイヤ2バッファに加えて、他のバッファ(例えば、MACバッファ)を実装している場合には、他のバッファの滞留データ量を、レイヤ2バッファの全滞留データ量に加えてもよいし、加えなくてもよい。この場合、端末200が、通信ノード100a, 100bに対して、レイヤ2バッファの全滞留データ量に他のバッファの滞留データ量を加えるか否かについて通知してもよい。
【0168】
上述した実施形態において、端末200による滞留情報の送信における、データの粒度及び精度(例えば、バイト、キロバイト、メガバイト、又はデータ量を示すインディケータ)は、送信対象となるレイヤ毎に異なっていてもよい。この場合、当該データの粒度及び精度は、ネットワークから指定されてもよい。
【0169】
上述した実施形態において、ネットワーク(例えば、通信ノード100a, 100b)は、端末200が、以下の能力を有するか否かについての情報を保持していてもよい。また、端末200が、以下の能力を有するか否かについての情報を、ネットワーク(例えば、通信ノード100a, 100b)に報告してもよい。
【0170】
・滞留情報を報告する能力
・特定のトリガを設定する能力
滞留情報を報告する能力は、報告に用いられるメッセージ種別を含んでいてもよい。メッセージ種別として、例えば、RRCメッセージ、PDCPステータスレポートなどのPDCP control PDU、MAC CE、L1信号が挙げられる。
【0171】
滞留情報を報告する能力は、報告可能な情報種別、報告可能な粒度、滞留情報を報告する方法などを含んでいてもよい。報告可能な粒度として、レイヤ毎の報告可否、レイヤ毎及びレイヤ間での報告可否、データの粒度及び精度(例えば、バイト、キロバイト、又はメガバイト)、UL及びDL毎の報告可否、QoS毎の報告の可否などが挙げられる。
【0172】
特定のトリガを設定可能である能力は、設定可能なトリガの数、設定可能なトリガの種別などを含んでいてもよい。
【0173】
上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(図4,5)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0174】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0175】
さらに、上述した通信ノード100a, 100b及び端末200は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図11は、当該通信ノード及び当該端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図11に示すように、当該通信ノード及び当該端末は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0176】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0177】
当該装置の各機能ブロックは、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0178】
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0179】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0180】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0181】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0182】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0183】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0184】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0185】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0186】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間毎に異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0187】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0188】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0189】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0190】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0191】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0192】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0193】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0194】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0195】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0196】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0197】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0198】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0199】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0200】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0201】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0202】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0203】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0204】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0205】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0206】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0207】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0208】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0209】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0210】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0211】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0212】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0213】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0214】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0215】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0216】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0217】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0218】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0219】
上述した端末によれば、端末が複数の通信ノードによって提供される無線リソースを用いて通信を行う場合に、端末のレイヤ2レベルのバッファにおいて、オーバーフローの発生を確実に防止し得るため有用である。
【符号の説明】
【0220】
10 無線通信システム
100a, 100b 通信ノード
110 送信部
120 受信部
130 タイマ
140 管理部
150 制御部
200 端末
210 送信部
220 受信部
230 タイマ
240 レイヤ2バッファ
250 制御部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11