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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】自律カートロボット用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20240227BHJP
   B60P 1/00 20060101ALI20240227BHJP
   B62D 57/028 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B25J5/00 C
B60P1/00 Z
B62D57/028 P
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022032062
(22)【出願日】2022-03-02
(62)【分割の表示】P 2020552333の分割
【原出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2022082550
(43)【公開日】2022-06-02
【審査請求日】2022-04-01
(31)【優先権主張番号】15/940,377
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518102470
【氏名又は名称】トヨタ リサーチ インスティテュート,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100120499
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 淳
(72)【発明者】
【氏名】サウラブ アール.パラン
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル アフマダ
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/017102(WO,A1)
【文献】特開2006-315587(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0263948(US,A1)
【文献】特開平07-032928(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19514912(DE,A1)
【文献】特開2017-109294(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0369801(US,A1)
【文献】米国特許第09573610(US,B1)
【文献】特開昭56-154370(JP,A)
【文献】特開平02-003577(JP,A)
【文献】中国実用新案第206088927(CN,U)
【文献】特開2015-214380(JP,A)
【文献】実開昭57-062787(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0208613(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0349077(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0320732(US,A1)
【文献】特開2006-155039(JP,A)
【文献】特開2009-095933(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0346757(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0052680(US,A1)
【文献】米国特許第09395723(US,B2)
【文献】英国特許出願公開第02483955(GB,A)
【文献】米国特許第06976696(US,B2)
【文献】特開平04-101791(JP,A)
【文献】特開昭63-275486(JP,A)
【文献】米国特許第04738583(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0149176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/00 - 5/08
B62B 11/00
G05D 1/00 - 1/87
B25J 1/00 - 21/02
B62D 57/00 - 57/04
B60P 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
ロボットを収容する収容領域、及び
ロボットを前記収容領域から出すため前記収容領域から伸長するよう構成されるガイドレール、
を備える車両と、
前記収容領域に収容可能なロボットであって、
載置面と基盤とを備える支持部、
前記載置面の複数の非平行な境界、
前記複数の非平行な境界の間の前記載置面上で前記載置面よりも小さい範囲に位置し、前記載置面に対して直交する向きに移動するように構成され、上面を傾斜できる昇降機、
複数の下降可能な車輪、及び
各々がテレスコピック部及びフレキシブル継手を有し、各々が前記支持部を前記複数の下降可能な車輪の1つに接続させる複数の脚、を備えるロボットと
を備え、
前記昇降機の前記上面を水平に保つために、前記昇降機の傾斜は前記複数の脚と調整され得るシステム。
【請求項2】
前記ロボットが前記収容領域を退出する際、前記下降可能な車輪は前記基盤下の格納位置から作動して、地上レベルに降りるよう構成され、
前記複数の脚と前記複数の下降可能な車輪は前記基盤内に折り畳まれるよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ロボットは、前記載置面を傾きなく水平に保ちながら、前記ガイドレールを用いて前記収容領域に出入りするよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記収容領域への出入りの間、前記ガイドレールは着脱可能に前記ロボットに接続される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の脚は、要求された高さ又は物体の検出された高さに基づいて、前記載置面の高さを調節するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記載置面は、前記車両の前記収容領域の床として構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の脚の各々は、下降可能な車輪と前記基盤との間に、
前記テレスコピック部、及び
前記フレキシブル継手、
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ロボットは、人認識又は物体認識に関して前記ロボットを補助するよう構成される一以上のセンサを更に備え、前記一以上のセンサを用いて人を追尾する又は障害物を回避するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ロボットは、前記載置面の前記複数の非平行な境界において複数の分離した境界支持体を備え、前記分離した境界支持体は前記載置面の前記境界で折り畳み可能であり、前記複数の分離した境界支持体のうちの少なくとも2つは非平行である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
物体収容に関する入力があると、前記ロボットの前記脚は、前記載置面の高さを調節するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ロボットは階段を昇降するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ロボットは、スピーカと収容可能なディスプレイとの少なくとも1つを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ガイドレールを伸長し、ロボットを収容する車両の収容領域内から、前記車両の外側に突出させることと、
前記収容領域の床として機能する載置面と、前記載置面上で前記載置面よりも小さい範囲に位置し、前記載置面に対して直交する向きに移動するように構成され、上面を傾斜できる昇降機とを有する前記ロボットを前記ガイドレール上に移動することと、
前記ロボットが前記収容領域から退出すると、各々がテレスコピック部及びフレキシブル継手を有する複数の脚を介して、前記ロボットから車輪を下降させることと、
前記ガイドレールと前記ロボットとを分離することと、
前記ガイドレールを前記収容領域に戻して収容することと、
前記載置面を水平から角距離閾値内にあるように維持することと、
前記載置面の境界の境界支持体を開くことと、
ユーザが提供する視覚合図又は口頭の合図に基づいて、人が購入を意図する物体を特定することと、
を含み、前記境界支持体は前記載置面の境界で折り畳み可能であり、
前記昇降機の前記上面を水平に保つために、前記昇降機の傾斜は前記複数の脚と調整され得る、方法。
【請求項14】
前記ロボットを前記車両に接近させることと、
前記ガイドレールを前記収容領域から伸長することと、
前記ロボットを前記ガイドレールに係合させることと、
前記ロボットを前記収容領域に移動させることと、
前記載置面を前記収容領域の前記床にすることと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ロボットは、
前記ロボットの経路内の障害物を回避することと、
人の閾値内に留まって前記人を追尾することと、
前記載置面の高さを特定された物体の高さ閾値内で調節することと、
の少なくとも一つを実行する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ロボットの一以上の脚の伸長可能な高さに基づいて、前記載置面の高さを調節することを更に含み、少なくとも1つの脚は、下降可能な車輪と基盤との間に、
テレスコピック部、及び
フレキシブル継手、
の少なくとも一つを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記特定することは、前記ユーザの眼の動きを更に含む前記視覚合図に基づく、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2018年3月29日に出願された米国特許出願シリアル番号15/940,377の利益を主張し、その全内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本願は、概して自律ロボット工学に関し、より詳細には、車両のトランクに物体を積み下ろしする人の補助なしに、自動的に車両のトランクにカートロボットをドッキングすることが可能な自律カートロボットに関する。
【背景技術】
【0003】
食料品及びその他の物は人が手動で車両のトランクに積み下ろししなくてはならない。これは、特に、より重い物体を持ち上げられない高齢者には困難なこととなり得る。また、食料品の袋を1つずつ積みあげたり、降ろしたりすることが多いため、このような積み下ろしは時間がかかり面倒なことがある。
【0004】
そこで、人が物体を取得し、これらの物体を車両に積み下ろしするのを補助するロボットが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
システムは、収容領域と、収容領域から伸長するよう構成されるガイドレールとを有する車両を含み得る。本システムは、載置面と基盤とを含む支持部を有するロボットを更に含み得る。本ロボットは、複数の下降可能な車輪を更に含み得る。本ロボットは、各々が支持部を複数の下降可能な車輪の1つと接続させる複数の脚を更に含み得る。
【0006】
別の実施形態では、方法は、車両の収容領域内から車両の外側に突出するようガイドレールを伸長することを含み得る。本方法は、載置面を収容領域の床として機能させるロボットをガイドレール上に動かすことを更に含み得る。本方法は、ロボットが収容領域を退出すると、ロボットから車輪を下降させることを更に含み得る。本方法は、ガイドレールとロボットとを分離させることも含み得る。本方法は、収容領域にガイドレールを収容することと、載置面を水平から角距離閾値内に維持することとを追加的に含み得る。
【0007】
本明細書中に記載される実施形態により提供されるこれらの特徴及び追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細の説明に鑑みることでより充分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面に記載された実施形態は例示と説明を本質とし、特許請求の範囲によって定義される主題を制限することを意図しない。例示的実施形態の以下の詳細の説明は、添付図面と併せて読まれることで理解され得る。同様の構成は同様の数字で示される。
【0009】
図1図1は、本明細書中に示され記載される一以上の実施形態に係わる、各種システム及び工程を実施するための一以上の装置で用いられるコンピューティングハードウェアを示すブロック図である。
図2図2は、本明細書中に示され記載される一以上の実施形態に係わる、各種システム及び工程を実施するための一以上のロボットで用いられるハードウェアのブロック図である。
図3A図3Aは、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、収容領域が閉じられた車両の背面図を示す。
図3B図3Bは、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、ロボットの載置面が見えるように露出させた、収容領域が開けられた車両の背面図を示す。
図4図4は、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、車両の収容領域から退出するロボットの側面図を示す。
図5A図5Aは、本明細書中に示され記載される一以上の実施形態に係わるロボットの上面図を示す。
図5B図5Bは、本明細書中に示され記載される一以上の実施形態に係わるロボットの底面図を示す。
図6A図6Aは、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、階段付近のロボットの側面図を示す。
図6B図6Bは、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、図6Aの側面図に描写されたロボットが階段を通過する斜面図を示す。
図6C図6Cは、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、階段を通過するロボットの側面図を示す。
図6D図6Dは、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、図6Cの側面図の斜視図を示す。
図7図7は、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、人を追尾し、障害物を認識するロボットの斜視図を示す。
図8A図8Aは、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、スピーカと収容可能なディスプレイとを特徴とするロボットの斜視図を示す。
図8B図8Bは、本明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、スピーカと収容されたディスプレイとを特徴とする図8Aの斜視図に描写されたロボットの斜視図を示す。
図9図9は、明細書中で説明及び例示される一以上の実施形態に係わる、階段付近のロボットの別の実施形態の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態は、車両の収容領域に物体を積み下ろしする人の補助なしに、自動的に車両の収容領域にカートロボットをドッキングすることが可能な自律カートロボットに関する。より具体的には、ロボットがトランクに収容された際に、トランクの荷台として機能できるように、ロボットは車両と一体化し得る。一旦車両の外側に出ると、ロボットはユーザを追尾するショッピングカートとして機能し得る。自律カートロボット、及び、自律カートロボットと車両とを含むシステムの各種実施形態を以下に詳述する。
【0011】
図1を参照すると、本開示の実施形態を例えばロボットとして実装し得る、コンピューティングデバイス100の一例がブロック図に示される。本明細書に記載されたコンピューティングデバイス100は、適切なコンピューティングデバイスの一例であり、提示される任意の実施形態の範囲に対する何らの制限も示唆しない。コンピューティングデバイス100に関する説明及び例示はいずれも必要であると解釈されるべきではなく、任意の要素又は複数の要素に関して何らかの依存があると解釈されるべきではない。各種実施形態では、コンピューティングデバイス100は、データの受信、送信、処理のいずれか又はその全てが実行できるデスクトップ、ラップトップ、サーバ、クライアント、タブレット、スマートフォン、その他任意の形式の装置を含み得るが、これらに限る必要はない。ある実施形態では、コンピューティングデバイス100は、少なくとも1つのプロセッサ102とメモリ(不揮発性メモリ108、揮発性メモリ110のいずれか、又はその両方)とを含む。コンピューティングデバイス100は、例えば、モニター、スピーカ、ヘッドフォン、プロジェクタ、ウェアラブルディスプレイ、ホログラムディスプレイ、プリンタのいずれか又は全てなど、一以上のディスプレイ、出力装置104のいずれか、又はその両方を含み得る。コンピューティングデバイス100は、例として、任意の形式のマウス、キーボード、ディスク/メディアドライブ、メモリスティック/サムドライブ、メモリカード、ペン、タッチ入力装置、バイオメトリックスキャナ、音声/聴覚入力装置、モーションディテクター、カメラ、秤などを含み得る一以上の入力装置106を更に含むことがある。
【0012】
コンピューティングデバイス100は、不揮発性メモリ108(ROM、フラッシュメモリなど)、揮発性メモリ110(RAMなど)、又はその組み合わせを含み得る。ネットワークインタフェース112は、回線、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、パーソナルエリアネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワークなどを介したネットワーク114上の通信を容易にすることができる。適切なローカルエリアネットワークは、有線イーサネット(登録商標)、例えばワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)などの無線技術のいずれか又はその両方を含み得る。適切なパーソナルエリアネットワークは、例えば、IrDA、ブルートゥース(登録商標)、ワイヤレスUSB、Z-Wave、Zigbee(登録商標)、その他の近距離通信プロトコルのいずれか、又はその全てなどの無線技術を含み得る。同様に、適切なパーソナルエリアネットワークは、例えば、USB及びFireWire(登録商標)などの有線コンピュータバスを含み得る。適切なセルラーネットワークは、LTE、WiMAX、UMTS、CDMA、GSM(登録商標)などの技術を含むが、これらに限定されない。ネットワークインタフェース112は、ネットワーク114を介してデータの送信、受信のいずれか、又はその両方を実施可能な任意の装置に通信可能に接続することができる。したがって、ネットワークインタフェース112のハードウェアは、任意の有線又は無線通信の送信、受信のいずれか、又はその両方を実施するための通信用送受信機を含み得る。例えば、ネットワークインタフェースハードウェアは、アンテナ、モデム、LANポート、Wi-Fiカード、WiMaxカード、モバイル通信ハードウェア、近距離通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア、他のネットワーク若しくは装置若しくはその両方と通信するための任意の有線若しくは無線ハードウェアのいずれか、又はその全てを含み得る。
【0013】
コンピュータ可読記憶媒体116は、各々がコンピュータ可読記憶媒体又はコンピュータ可読信号媒体のいずれかであり得る複数のコンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体116は、例えば、入力装置106、不揮発性メモリ108、揮発性メモリ110、又はそれらの任意の組み合わせの中に存在し得る。コンピュータ可読記憶媒体は、装置若しくはシステムに関連付けられた命令、又は、装置若しくはシステムによって用いられる命令を記憶可能な有形媒体を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、非制限的例として、RAM、ROM、キャッシュ、光ファイバ、EPROM/フラッシュメモリ、CD/DVD/BD-ROM、ハードディスクドライブ、ソリッドステートストレージ、光学若しくは磁気ストレージデバイス、ディスケット、回線を有する電気接続、又はそれらの任意の組み合わせを含む。また、コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気、光学、半導体、若しくは電子形式のシステム又は装置を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体とコンピュータ可読信号媒体は相互排他的である。
【0014】
コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではない任意の形式のコンピュータ可読媒体を含むことがあり、例えば、光学、電磁、又はその組み合わせなど任意の数の形式をとる伝播信号を含み得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読コードを例えば搬送波に含む伝播データ信号を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体とコンピュータ可読信号媒体は相互排他的である。
【0015】
コンピューティングデバイス100は、例えば、クライアント装置、サーバ装置のいずれか又はその両方を含み得る一以上の遠隔装置との通信を容易にする一以上のネットワークインタフェース112を含むことがある。ネットワークインタフェース112は、通信モジュールとも記載されることがあり、これら用語は交換可能に用いられ得る。
【0016】
図2を参照すると、ロボット200の一実施形態の例示的構成要素が概略的に描写されている。ロボット200は、ハウジング210、通信路228、プロセッサ230、メモリモジュール232、慣性測定部236、入力装置238、音声出力装置240(例えば、スピーカ)、マイクロフォン242、カメラ244、ネットワークインタフェースハードウェア246、触覚フィードバック装置248、位置センサ250、照明252、近接センサ254、温度センサ256、電動式車輪組立体258、バッテリ260、充電ポート262を含む。ハウジング210以外のロボット200の構成要素は、ハウジング210内部に収容されるか、又は、ハウジング210に搭載され得る。ロボット200の各種構成要素、及びそれらの相互作用を以下に詳述する。
【0017】
引き続き図2を参照すると、通信路228は、例えば、導電線、導電性トレース、光導波路又は同種のものなどの、信号を伝達可能な任意の媒体によって形成され得る。さらに、通信路228は、信号を伝達可能な媒体の組み合わせによって形成されることもある。一実施形態では、通信路228は導電性トレース、導電線、コネクタ、及びバスの組み合わせを含み、これらが連携して、プロセッサ、メモリ、センサ、入力装置、出力装置、通信装置などの構成要素への電気データ信号の送信を可能にする。したがって、通信路228はバスを含み得る。加えて、「信号」という用語は、DC、AC、正弦波、三角波、方形波、振動などの、媒体を介して伝達可能な波形(例えば、電気、光学、磁気、機械又は電磁)を意味し得ることに留意されたい。通信路228は、ロボット200の各種構成要素を通信可能に接続させる。本明細書で用いられる「通信可能に接続する」という文言は、接続された構成要素が、例えば、導電性媒体を介する電気信号、空気を介する電磁信号、光導波路を介する光信号などのデータ信号を互いに交換できることを意味する。
【0018】
ロボット200のプロセッサ230は、機械可読命令を実行可能な任意の装置でよい。したがって、プロセッサ230は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、又はその他任意のコンピューティングデバイスであり得る。プロセッサ230は、通信路228によってロボット200のその他の構成要素に通信可能に接続され得る。したがって、通信路228は、任意の数のプロセッサを互いに通信可能に接続し、通信路228に接続する構成要素が、分散されたコンピューティング環境で動作するのを可能にし得る。具体的には、構成要素の各々はデータの送信、受信のいずれか、又はその両方を実施するノードとして動作し得る。図2に描写される実施形態はプロセッサ230を単体で含むが、他の実施形態では2つ以上のプロセッサを含み得る。
【0019】
引き続き図2を参照すると、ロボット200のメモリモジュール232は通信路228に接続し、プロセッサ230に通信可能に接続し得る。メモリモジュール232は、機械可読命令がプロセッサ230によってアクセスされ、実行され得るように、機械可読命令を格納できるRAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、又は任意の非一時的なメモリデバイスを含むことがある。機械可読命令は、例えば、プロセッサによって直接実行され得る機械語、又は、機械可読命令にコンパイル又はアセンブルされ、メモリモジュール232に格納され得るアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコードなど、任意の世代の任意のプログラミング言語(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL、又は5GL)で記述されたロジック又はアルゴリズムを含み得る。あるいは、機械可読命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成又は特定用途向け集積回路(ASIC)、又はそれらの同等物のいずれかによって実装されるロジックなどのハードウェア記述言語(HDL)で記述されることがある。したがって、本明細書に記載の機能は任意の従来のコンピュータプログラミング言語によって、予めプログラムされたハードウェア要素として、又はハードウェア及びソフトウェア構成要素の組み合わせとして実装され得る。図2に描写された実施形態はメモリモジュール232を単体で含むが、他の実施形態は2以上のメモリモジュールを含み得る。
【0020】
2つのセンサ234(視覚、重量、触覚、レーダー、ライダー、赤外線、飛行時間など)がロボット200上に描写されるが、任意の適切な数(センサがない場合も含む)が用いられることがあり、プロセッサ、メモリ、有線/無線通信、電源構成要素のいずれか、又はその全てなどの任意の適切なハードウェアを含む。センサ234は、同じ種類、同じ型のいずれか、又はその両方であってもよいが、その必要性はない。センサ234は、他のセンサ234の配置に関わらず、ロボット200の任意の適切な部分に搭載され得る。慣性測定部236は、提供された場合、通信路228に接続され、プロセッサ230と通信可能に接続し得る。慣性測定部236は、一以上の加速度計及び一以上のジャイロスコープを含み得る。慣性測定部236は、ロボット200の感知した物理的動作を、ロボット200の向き、回転、速度、又は加速度を示す信号に変換させる。ロボット200の動作はロボット200の向きに依存することがある(例えば、ロボット200が水平か、傾いているかなど)。ロボット200の一部の実施形態は、例えば、加速度計を含むがジャイロスコープは含まない実施形態、ジャイロスコープを含むが加速度計は含まない実施形態、又は、加速度計もジャイロスコープも含まない実施形態など、慣性測定部236を含まないことがある。
【0021】
引き続き図2を参照すると、一以上の入力装置238は通信路228に接続し、通信可能にプロセッサ230に接続する。入力装置238は、例えば、ボタン、スイッチ、ノブ、マイクロフォン又は同種のものなど、ユーザの接触を通信路228上で送信可能なデータ信号に変換できる任意の装置であり得る。一部の実施形態では、入力装置238は電源ボタン、音量ボタン、起動ボタン、スクロールボタン、又は同種のものを含む。メニューの操作、選択、好みの設定、及び、本明細書に記載されるその他の機能を実施するため、ユーザがロボット200と対話し得るように、一以上の入力装置238が提供され得る。一部の実施形態では、入力装置238は、圧力センサ、タッチセンシティブ領域、圧力ストリップ、又は同種のものを含む。一部の実施形態は入力装置238を含まないこともあることを理解されたい。以下に更に詳述するように、ロボット200の実施形態はハウジング210の任意の面に配置された複数の入力装置を含み得る。一部の実施形態では、一以上の入力装置238がロボットのロックを解除する指紋センサとして構成される。例えば、登録した指紋を持つユーザのみがロボット200のロックを解除し、使用し得る。
【0022】
スピーカ240(すなわち、音声出力装置)は通信路228に接続され、プロセッサ230に通信可能に接続され得る。スピーカ240は、ロボット200のプロセッサ230からの音声メッセージデータを、音を作り出す機械的振動に変換する。例えば、スピーカ240は、メニュー操作情報、設定情報、状態情報、一以上のカメラ244からの画像データによって検出された環境に関する情報などをユーザに提供し得る。しかしながら、他の実施形態では、ロボット200はスピーカ240を含まないことがあることを理解されたい。
【0023】
マイクロフォン242は通信路228に接続され、プロセッサ230に通信可能に接続され得る。マイクロフォン242は、音に関連する機械振動を、音を示す電気信号に変換できる任意の装置でよい。マイクロフォン242は、メニューの操作、設定及びパラメータの入力、その他のタスクなど、タスクを実施する入力装置238として用いられ得る。一部の実施形態では、マイクロフォン242を含まないことがあることを理解されたい。
【0024】
引き続き図2を参照すると、カメラ244は通信路228に接続され、プロセッサ230に通信可能に接続され得る。カメラ244は、紫外線波長帯、可視光波長帯、又は赤外線波長帯の放射を検出可能なセンシングデバイス(例えば、画素)のアレイを有する任意の装置でよい。カメラ244の解像度は任意でよい。カメラ244は全天球カメラ又はパノラマカメラのことがある。一部の実施形態では、鏡、魚眼レンズ、又はその他の種類のレンズなど一以上の光学構成要素が光学的にカメラ244に接続され得る。詳細を後述するように、カメラ244は、画像データを取得するためにハウジング210の上に隆起して動作し得るイメージングアセンブリ222の構成要素である。
【0025】
ネットワークインタフェースハードウェア246は、通信路228に接続され、プロセッサ230に通信可能に接続され得る。ネットワークインタフェースハードウェア246は、ネットワーク270を介してデータの送信、受信のいずれか、又はその両方が実施できる任意の装置でよい。したがって、ネットワークインタフェースハードウェア246は、任意の有線又は無線通信の送信、受信のいずれか、又はその両方を実施するための通信用送受信機として構成される無線通信モジュールを含み得る。例えば、ネットワークインタフェースハードウェア246は、アンテナ、モデム、LANポート、Wi-Fiカード、WiMaxカード、モバイル通信ハードウェア、近距離通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア、他のネットワーク若しくは装置若しくはその両方と通信するための任意の有線若しくは無線ハードウェアのいずれか、又はその全てを含み得る。一実施形態では、ネットワークインタフェースハードウェア246は、ブルートゥース(登録商標)無線通信プロトコルに従って動作するよう構成されるハードウェアを含む。別の実施形態では、ネットワークインタフェースハードウェア246は、携帯電子機器280とブルートゥース(登録商標)通信を送受信するためのブルートゥース(登録商標)送受信モジュールを含み得る。ネットワークインタフェースハードウェア246は、RFIDタグを取り出し、読みとるよう構成される無線周波数識別(“RFID”)リーダーも含み得る。
【0026】
一部の実施形態では、ロボット200はネットワーク270を介して携帯電子機器280に通信可能に接続され得る。一部の実施形態では、ネットワーク270はブルートゥース(登録商標)技術を用いてロボット200と携帯電子機器280とを通信可能に接続するパーソナルエリアネットワークである。他の実施形態では、ネットワーク270は、一以上のコンピュータネットワーク(例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、又は広域ネットワーク)、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、全地球測位システムのいずれか又はその全て、及びその組み合わせを含み得る。したがって、ロボット200は、有線、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、パーソナルエリアネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク又は同種のものを介して、ネットワーク270と通信可能に接続し得る。適切なローカルエリアネットワークは、有線イーサネット(登録商標)技術、例えば、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)などの無線技術のいずれか、又はその両方を含み得る。適切なパーソナルエリアネットワークは、例えば、IrDA、ブルートゥース(登録商標)、ワイヤレスUSB、Z-Wave、ZigBee(登録商標)、その他の近距離通信プロトコルのいずれか、又はその全てなどの無線技術を含み得る。同様に、適切なパーソナルエリアネットワークは、例えば、USBやFireWire(登録商標)などの有線コンピュータバスを含むことがある。適切なセルラーネットワークはLTE、WiMAX、UMTS、CDMA及びGSM(登録商標)などの技術を含むがこれらに限られない。
【0027】
引き続き図2を参照して、上述したように、ネットワーク270は、ロボット200を携帯電子機器280に通信可能に接続するために用いられることがある。携帯電子機器280は、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、カメラ、専用モバイルメディアプレーヤー、モバイルパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ロボット200と通信可能に接続できる任意のその他の携帯電子機器のいずれか、又はその全てを含み得る。携帯電子機器280は、一以上のプロセッサと一以上のメモリとを含み得る。一以上のプロセッサは、ロボット200と通信するためにロジックを実行し得る。携帯電子機器280は、ロボット200と通信するために有線、無線のいずれか又はその両方の通信機能を有するよう構成され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載された機能をロボット200と携帯電子機器280との間に分散させる実施形態などにおいて、携帯電子機器280は本明細書中に記載された機能の一以上の要素を実行し得る。
【0028】
位置センサ250は、通信路228に接続され、プロセッサ230に通信可能に接続され得る。位置センサ250は、位置を示す出力を生成可能な任意の装置でよい。一部の実施形態では、位置センサ250は全地球測位システム(GPS)センサを含むが、実施形態はこれに限られない。ロボット200がロボット200の位置を決定しない実施形態、又は他の方法で位置が決定される実施形態など、一部の実施形態では位置センサ250を含まないことがある(例えば、カメラ244、マイクロフォン242、ネットワークインタフェースハードウェア246、近接センサ254、慣性測定部236又は同種のものから受信する情報に基づく)。位置センサ250は、一以上の無線信号アンテナから受信した無線信号によって、ロボット200及びユーザの位置を三角測量することが可能な無線信号センサとしても構成され得る。
【0029】
電動式車輪組立体258は、通信路228に接続され、プロセッサ230に通信可能に接続され得る。一部の実施形態の車輪組立体は後述する車輪318に対応する。詳細を後述するように、電動式車輪組立体258は、一以上のモータ(図示せず)によって駆動される電動車輪(図示せず)を含む。プロセッサ230は、ユーザが環境情報を取得したい位置など(例えば、所望の位置内又は所望の位置付近の特定の物体の位置)の所望の位置までロボット200が移動するように電動車輪を作動させるため、一以上の駆動信号を電動式車輪組立体258に提供し得る。
【0030】
引き続き図2を参照すると、照明252は、通信路228に接続され、プロセッサ230に通信可能に接続され得る。照明252は光出力ダイオード、白熱灯、蛍光灯又は同種のものを含むがこれらに限られない、光を出力可能な任意の装置でよい。一部の実施形態は、ロボット200の電源がオンになったときに点灯する電源表示灯を含む。一部の実施形態は、ロボット200が作動中又はデータ処理中に点灯する作動表示灯を含む。一部の実施形態は、ロボット200が位置する環境を照らす照明灯を含む。一部の実施形態は、照明252を含まないことがある。
【0031】
近接センサ254は、通信路228に接続され、プロセッサ230に通信可能に接続され得る。近接センサ254は、ロボット200の他の物体への近接度を示す近接信号を出力可能な任意の装置でよい。一部の実施形態では、近接センサ254は、レーザースキャナ、容量性変位センサ、ドップラー効果センサ、渦電流センサ、超音波センサ、磁気センサ、光学センサ、レーダーセンサ、ライダーセンサ、ソナーセンサ又は同種のものを含み得る。ロボット200の物体への近接度が他のセンサ(例えば、カメラ244、スピーカ240など)が提供する入力によって決定される実施形態、または、ロボット200の物体、障害物、人などへの近接度を決定しない実施形態など、一部の実施形態は、近接センサ254を含まないことがある。
【0032】
温度センサ256は、通信路228に接続され、プロセッサ230に通信可能に接続され得る。温度センサ256は、温度センサ256が感知した温度を示す温度信号を出力可能な任意の装置でよい。一部の実施形態では、温度センサ256は、熱電対、抵抗温度デバイス、赤外線センサ、バイメタルデバイス、状態変化センサ、温度計、シリコンダイオードセンサ又は同種のものを含み得る。ロボット200の一部の実施形態は、温度センサ256を含まないことがある。
【0033】
引き続き図2を参照すると、ロボット200はバッテリ260によって電力を供給され得る。バッテリ260は、ロボット200の各種電装部品に電気的に接続し得る。バッテリ260は、ロボット200が後から使用するための電力を蓄えることが可能な任意の装置でよい。一部の実施形態では、バッテリ260は、リチウムイオンバッテリ又はニッケルカドミウムバッテリなどの充電式バッテリである。バッテリ260が充電式バッテリの実施形態では、ロボット200は充電ポート262を含むことがあり、充電ポート262はバッテリ260の充電に用いられることがある。電力網、太陽エネルギー、又は環境から収集されたエネルギーによってロボット200に電力が供給される実施形態など、一部の実施形態はバッテリ260を含まないことがある。装置が電力として使い捨てバッテリを用いる実施形態など、一部の実施形態は充電ポート262を含まないことがある。
【0034】
図3Aを参照すると、収容領域304が閉じられた車両302の背景図が提示されている。車両302は、1以上の搭乗者を輸送可能な任意のものを含み、自動車、トラック、オートバイ、自転車又はその他任意の種類の搭乗者を動力源とする車両、航空機、宇宙船、船舶、潜水艦、又は収容領域304を有することが可能なその他任意の種類の車両を含むがこれらに限られない。車両302は、運転者、パイロット、機長などの操作者によって操縦され得る。他の実施形態では、車両302は部分的に自律していることがあり、例えば、車両を駐車する、又は路線に維持するなど、車両302が運転者のタスクを一部補完する。さらに他の実施形態では、車両302は完全に自律していることがあり、例えば、車両302は搭乗者の入力なし、又は最小限の入力(目的地情報又は経路選択の提供など)で動作する。一部の実施形態では、収容領域が車両の一部ではないことがある。
【0035】
車両302は一以上の収容領域304を有することがある。収容領域304は、車両302の一部、又は車両302に取り付けられる任意の領域であり得、開閉可能とされる。この実施形態では、収容領域304は車両302のトランクである。収容領域304は加圧/非加圧、透明/半透明/不透明、ロック可能、照明、断熱、静音、防音、一以上のタイマーの対象、換気、気密(液体又は気体が収容領域に流出入しないようにするため)のいずれか又はその全てがなされていることがある。各種実施形態では、車両の仕切り客室が収容領域304のことがある。
【0036】
図3Bを参照すると、収容領域304が開いていて、ロボット200の載置面306が見える形で露出している車両302の背景図が提示される。この実施形態では、載置面306は収容領域304の床として機能する。この実施形態では、一以上の載置面境界308内の載置面306の平面部に、物体(食料品又はその他任意の適切な物体の種類)が載置できるようになっている。他の実施形態では、載置面306は、凹部又は凸部上に物体を更に収容できるように、溝又はディンプルのような一以上の凹部又は凸部を有する凸凹面を有することがある。
【0037】
図4を参照すると、車両302の収容領域304(図4ではトランクとして描写される)を退出するロボット200の側面図が提示される。ロボット200の載置面306は、ロボット200の支持部312の一面を形成する。この実施形態では、支持部312は、支持部312の載置面306の反対側である下部に基盤314を有する。他の実施形態では、基盤314及び載置面306は真反対である必要はない。ロボット200は脚315も含むことがあり、本明細書中では支持部312から伸縮するよう描写されるが、他の実施形態では、脚315は固定され、動かないことがある。脚315は、載置面境界308で又はロボット200の支持部312のその他任意の適切な部分で、基盤314に接続され得る。図4では、同じ大きさ、同じ長さのいずれか又はその両方である4本の脚315が描写されるが、他の実施形態では任意の適切な数の脚が用いられ得る。そして、複数の脚315を用いる実施形態では、脚315は同じ又は同種の伸縮性(伸縮性がある場合)、折り畳まれ方、(完全に伸ばした場合、完全に収容した場合などの)大きさ、長さのいずれか、又はその全てを有する必要はない。この実施形態では、各脚315は支持部312の基盤314に完全に収容され得るが、脚315は部分的にのみ収容されてもよい。図5Bを参照して後述するように、脚315の伸縮性は、長さの変化(テレスコピック(伸縮による)長さの変化など)、脚315の折り畳み/伸長のいずれか、又はその両方に関わることがある。図6A及び図6Bに関して後述するように、各種実施形態で、脚は一以上のフレキシブル(可とう)継手322を有することがある。
【0038】
一部の実施形態では、車両302は収容領域304に一以上のガイドレール310を有することがある。図4に示されるように、ロボット200を収容領域304から出すため、ガイドレール310は車両302から外に伸長するよう作動し得る。一部の実施形態では、ガイドレール310は車両302の他の部分に伸長するよう作動することがあり、これによって、ガイドレール310は車両302の外側に伸長することもあるが、しないこともある。ガイドレール310は、テレスコピック(伸縮による)拡張、(車両302又は収容領域304内のローター/車輪などによる)横方向のスライド、磁気運動/浮揚など、任意の適切な機構によって伸縮し得る。収容領域304の開放などのトリガーイベントによって、ガイドレール310は収容領域304の外に伸長する。各種実施形態では、ロボット200の出入りの際に、載置面306の上に置かれた物体がロボット200から落ちないように、又は、載置面306上で倒れないように、ロボット200は載置面306を水平に保つ。これには、載置面306を傾きなく常に水平に保つことに関わることがある。あるいは、他の実施形態では、許容される傾斜量に制限を設けることに関わることがあり、一部の実施形態では傾斜量が特定されることがある。収容領域304への出入りの際に、ガイドレール310は着脱可能にロボット200に接続されてもよい。
【0039】
一部の実施形態では、トリガーイベントは、車両302、ロボット200のいずれか、又はその両方によって受信されるユーザ入力を含む(以下、用いられる場合には、音声コマンド、ジェスチャーコマンド、ロボット200自体又はロボット200と通信可能な別の装置上でユーザが提供したタイプ/タッチスクリーン入力を含み得る)。人が車両302に出入りする、車両302が特定の場所/ゾーンに到着する、特定の時間又は時間範囲など、任意の適切な種類のトリガーイベントが用いられ得る。ロボット200は、ガイドレール310が完全に伸長したとき、又は部分的に伸長したときに、現れてもよい。あるいは、ガイドレール310が収容領域304の外に伸長するのに連れてガイドレール310と共に現れてもよい。この実施形態では、ガイドレール310はロボット200の一部である車輪318に対して一以上の通路又は溝を提供する。他の実施形態では、ガイドレール310は支持部312などのロボット200の他の部分と相互作用することがあり、その際、クランプ、スライド、ロック、磁気などで、ロボット200が収容領域304から現れるのがサポートされる。また、ロボット200は、載置面306を傾斜させることなく又は傾斜量の閾値内で水平に保ちながら収容領域に出入りするためにガイドレール310を用いることがある。
【0040】
車両302は、また、一以上のガイドレール310が収容領域304に収容されるのに備えることがあり、これによって、ロボット200が収容領域304に戻る進入に備えることがある。各種実施形態では、ロボット200は外に現れた方法の逆の順序で収容領域304に再進入するが、他の実施形態では、ロボット200の再進入はロボット200が収容領域304を退出した方法の単なる逆ではないことがある。さらに、脚315の収容は、脚315の伸長の単なる逆手順である必要はない。ロボット200、人のいずれか、又はその両方が車両302に出入りする、ロボット200、人のいずれか、又はその両方が車両302の特定の場所/区域又は閾値距離に到着する、特定の時間又は時間範囲など、任意の適切な種類のトリガーイベントが用いられ得る。一部の実施形態では、トリガーイベントは、車両302、ロボット200のいずれか、又はその両方が受信した音声コマンド、ジェスチャーコマンドのいずれか、又はその両方を含み得る。一部の実施形態では、ガイドレール310は、次に、ロボット200の支持部312に係合し得る。他の実施形態では、ガイドレール310がロボット200の支持部312の下にくると、脚315と車輪318が支持部312の基盤314に接続する、又は、収容される、又はその両方が行われることがあり、これによって車輪318がガイドレール310に係合する。この実施形態では、一部又は全ての車輪318が下降可能であり得るが、他の実施形態では下降可能でないことがある。一部の実施形態では、脚315、車輪318のいずれか、又はその両方が基盤314に折り畳まれ得る。上述したように、ロボット200をガイドレール310に固定するために任意の適切な種類の接続機構が用いられ得る。ロボット200がガイドレール310に接続されると、ガイドレール310が完全に収容された場合、又は部分的に収容された場合に、ロボット200は収容領域304に移動し得る。あるいは、ロボット200は、ガイドレール310が収容領域304に収容される前に、収容領域304に移動し得る。一部の実施形態では、ロボット200が収容領域304を退出する際に、車輪318は基盤314下の格納位置から作動し、地上レベルに降ろされるように構成される。
【0041】
図5Aを参照すると、ロボット200の上面図が提供される。この実施形態では、ロボット200は車両302の収容領域304の底面に置かれ、載置面306が収容領域304の床の少なくとも一部を形成する。この実施形態は、ロボット200の載置面306に対して水平に横たわる境界支持体320を描写しているが、全ての実施形態で境界支持体320が用いられるわけではない。この実施形態では、境界支持体320は金属格子を有するが、他の実施形態では任意の適切な材料、構造のいずれか、又はその両方が用いられ得る。この実施形態の境界支持体320は、載置面306の周囲に沿って載置面境界308にヒンジ式に接続され、境界支持体320は載置面境界308で折り畳み可能であってもよい。他の実施形態では、境界支持体320は任意の適切な種類の接続(クランプ、磁気、溶接など)によってロボット200の任意の部分に接続され得る。境界支持体320には、任意の量、種類、形状、材料のいずれか、又はその全てが適用されることがあり、任意の境界支持体は何らかの点において別の境界支持体320とは異なり得る。一部の実施形態では、境界支持体320を用いて載置面306の全周囲より少ない部分を覆う。一部の実施形態では、境界支持体は載置面境界308を部分的に覆う。一部の実施形態では、丸みのある載置面306が用いられ、単一の載置面境界308に沿った単一の境界支持体320を有することがある。一部の実施形態は、載置面306を横切る境界支持体320を特徴とすることがあり、載置面306を細分することがある。
【0042】
更に詳細を後述するように、境界支持体320は載置面306上の水平平面位置から載置面306に対して垂直になるように、上方向に開かれることがあるが、開かれた境界支持体320は載置面306に対して任意の適切な角度を特徴とすることがある。載置面境界308は、直立しているとき、載置面306上に載置された物体に安定性を提供し得る。この実施形態では、ロボット200が収容領域304を退出すると境界支持体320は自動的に開かれ直立する、又は、ロボット200が収容領域304に進入すると自動的に下向きに折り畳まれて載置面306に対して平らに寝かせられる、又はその両方が実施され得る。他の実施形態では、上向き、下向きのいずれか、又はその両方向への折り畳みは人又は別の装置などによって手動で実施されることがある。各種実施形態では、上向き、下向きのいずれか、又はその両方向への折り畳みは、音声コマンド、ジェスチャーコマンドのいずれか、又はその両方などの上述した一以上のトリガーイベントに応じて開始されることがある。
【0043】
図5Bを参照すると、ロボット200の底面図500Bが提示される。この実施形態では、脚315と車輪318とが収納された状態の支持部312の基盤314が示される。他の実施形態では、脚315、車輪318のいずれか、又はその両方は基盤314内に収納される必要はない。一部の実施形態の車輪318は電動車輪組立体258に相当することがあるが、任意の適切な量、種類、材料、大きさ、構成のいずれか又はその全ての車輪318が用いられ得る。複数の車輪318が用いられる場合、一部は他とは異なることがある。一部の実施形態では、脚315は基盤314と車輪318との間に配置されたフレキシブル継手322を有することがあり、脚315の異なる部分は、車輪318と共に基盤314内に上向きに折り畳まれ得る。
【0044】
図6Aを参照すると、階段326付近のロボット200の側面図が提示される。この実施形態では、ロボット200は各脚315の受けテレスコピック(伸縮)部317と入れ込みテレスコピック部316とを特徴とする。この実施形態では、入れ込みテレスコピック部316は受けテレスコピック部317から伸長し、受けテレスコピック部317に収容されるよう構成される。各種実施形態では、任意の脚315は1つの、複数の、若しくは0個の受けテレスコピック部317と入れ込みテレスコピック部316のいずれか、又はその両方を特徴とし得る。この実施形態では、受けテレスコピック部317及び入れ込みテレスコピック部316は、ロボット200の高さ、各脚315の長さのいずれか、又はその両方を調節するために用いられ得る。例えば、入れ込みテレスコピック部316が受けテレスコピック部317内に更に入り込むことによって、脚315の長さは短くなり得る。同様に、入れ込みテレスコピック部316が受けテレスコピック部317から出ることによって、脚315の長さは長くなり得る。各種実施形態では、ロボット200の高さを調節するために、フレキシブル継手322(存在する場合)と調整して、又は調整せずに、受けテレスコピック部317及び入れ込みテレスコピック部316が用いられることがある。例えば、入れ込みテレスコピック部316の受けテレスコピック部317からの滑り出し部分と、フレキシブル継手322を真っすぐ伸長することを組み合わせて、載置面306の高さが伸長し得る。別の実施例では、フレキシブル継手322の現在の配置に関わらず、載置面306の高さは入れ込みテレスコピック部316の受けテレスコピック部317からの滑り出し部分によって増加し得る。
【0045】
ロボット200が階段を昇降するには、任意の適切な数の脚315、脚315毎のフレキシブル継手322、脚315毎の受けテレスコピック部317、脚毎の入れ込みテレスコピック部316、脚315毎の車輪318のいずれか、又はその全てが用いられ得る(任意の脚315にはフレキシブル継手322、受けテレスコピック部317、入れ込みテレスコピック部316、車輪318のいずれか、又はそのいずれもがない場合を含む)。一部の実施形態では、各脚315は異なるように構成され得る。一部の実施形態では、ロボット200が階段を上る際、又は、任意の他の適切な動作中に、車輪が(手動又は自動で)ロックされることがある。各種実施形態では、ロボット200は載置面306を水平、又は実質的に水平に保つために脚315を制御することがあり、一部の実施形態では常に制御され得る。他の実施形態では、一以上の物体が載置面306上に載置/検出されているかによって、ロボットは傾斜を防ぎ、載置面306を水平に保つことがある。一部の実施形態では、物体が存在しない場合、ロボット200は載置面306のより変化に富んだ回転動作を可能にすることがある。各種実施形態では、これは重量センサ、ユーザ入力、物体認識などに基づくことがある。一部の実施形態では、載置面306上に載置された物体の種類によって傾斜許容度が決められる。安定性の低い物体では載置面306に許容される回転動作が小さくなる。
【0046】
この実施形態では、ロボット200は視覚センサ(例えば、カメラ)である2つのセンサ328を含むが、他の実施形態は任意の適切な量(ない場合も含める)のセンサ328を含み得る。任意の適切な種類のセンサ(視覚、重量、触覚、レーダー、ライダー、赤外線、飛行時間など)は、ロボット200の任意の適切な部分に搭載されることがある。非制限的実施例として、この実施形態のロボット200は視覚センサである2つのセンサ328を用いて階段326を分析し、関連する高さを決める。引き続きこの非制限的実施例では、ロボット200は、物体の物体認識、人の識別/認証のための顔認識のいずれか、又はその両方を実施するために視覚センサ328を用い得る。加えて、潜在的危険又は障害物を検出して回避する、又は、人を追尾する、又はその両方のためにセンサ328が用いられ得る。
【0047】
図6Bを参照すると、図6Aに側面図が描写されるロボット200の斜視図が提示され、ロボット200は階段326を通過中である。
【0048】
図6Cを参照すると、階段326を通過中のロボット200の側面図が提示される。この実施形態では、載置面306に昇降機324が配置され、具体的には載置面306の上部に載置面306と並行して配置され、載置面306に対して直交する上向きに移動するように構成される。他の実施形態では、任意の適切な数の昇降機324が用いられ得るが、全く用いられないこともある。この実施形態では、ユーザ入力、物体認識などによって提供された物体の格納に関連する高さの値に基づいて、脚315は載置面306の高さを調節するよう構成される。一部の実施形態では、複数の脚315は、要求された高さ又は物体の検出された高さに基づいて載置面306の高さを調節するように構成される。一実施例では、受けテレスコピック部317及び入れ込みテレスコピック部316の作動と、脚315のフレキシブル継手322の屈曲量に基づいて、載置面の高さが調節され得る。一部の実施形態の昇降機324は上面を傾斜できることがあり、これは、例えば、載置面306の何らかの傾斜を相殺するために用いられ得る。このような実施形態では、昇降機324の上部を水平又は実質的に水平に保つために、昇降機324の傾斜/動きは脚315と調整され得る。この実施形態では、昇降機324の高さは、脚315によって提供される高さと昇降機324によって提供される高さとの間で調整されることがある。物体が置かれた棚の高さ範囲内などユーザに都合のよい高さに到達するため、ロボット200は、脚315、昇降機324の上部のいずれか、又はその両方を昇降させて所望の高さに到達するよう、脚315、昇降機324のいずれか、又はその両方を調整することがある。例えば、ロボット200は、買い物客が欲しい物体が置かれている棚と同じ高さに昇降機324の上部を垂直方向に位置決めすることができ、これによって買い物客は、物体を自身で上げ下げしなくともより容易に物体を昇降機324上に動かすことができる。この実施形態では、昇降機324の上部は、最も低い位置にあるとき、載置面306と同じ高さにあり、実質的に連続した面を形成する。他の実施形態では、昇降機324の最も低い位置の高さは、載置面306とは異なることもある。この実施形態では、昇降機324に追加して物体を置けるよう昇降機324上に空間を作るため、昇降機324が最も低い位置に移動している際に、ユーザは昇降機から載置面306に物体を滑らせ得る又は移動させ得る。この実施形態では、ロボット200は視覚センサである2つのセンサ234を含むが、他の実施形態では任意の適切な量の(ない場合も含める)センサ234を含むことがある。
【0049】
図6Dを参照すると、図6Cの側面図の斜視図が提示される。
【0050】
図7を参照すると、人を追尾し、障害物を認知するロボットの斜視図が提示される。この実施形態では、人702に属する車両(図示せず)の収容領域から出てきたロボット200が人702を店の中まで追尾している。この非制限的実施例では視覚センサであるセンサ234を用いて、特定の追尾距離に基づいてロボット200は人702を追尾する。特定の追尾距離は、人702又は他所から入力値として受信した任意の適切な値又は範囲となり得る。他の実施形態では、人702の手の届く範囲内に留まるために、又は、概して物体を検出するために、又はその両方のために、ロボットは近接センサ254を用いることがある。ロボットは、この実施例では床が濡れているサインなど、危険を含む障害物706を検出することもできる。人702は、物体704を棚からとり、ロボット200上に置いている。人702が物体704をロボット200から回収するのに都合がよく容易であるように、人702の腰の高さ付近であるロボット200の載置面306上に物体704が置かれる。この実施形態では、センサ234は、人が見ている場所、物体に対して手を伸ばした場所のいずれか、又はその両方を検出する。この場合、人702が物体704をロボット200に置くのをより便利にするため、ロボット200は高さを棚に対応する高さに、又はロボットが届く最大の高さに調節し得る。例えば、フレキシブル継手322の屈曲量、受けテレスコピック部317及び入れ込みテレスコピック部316の作動量のいずれか、又はその両方に基づき得るロボットの一以上の脚315の伸長可能な高さ、及び、載置面306と直交して上方に伸長する昇降機324の伸長可能な高さに基づいて、ロボット200は載置面306の高さを調節し得る。更に他の実施形態では、載置面306の高さは特定された物体704の閾値高さ内に調節されることがある。各種実施形態では、昇降機324は斜め上方に伸長することがある。この実施形態では、載置面306上に置かれた物体704に安定性を提供するよう4つの境界支持体320が隆起している。
【0051】
この実施形態では、人702が一以上の店での買い物後に車両(図示せず)に戻る際に、ロボット200がそれに応じて人702を追尾し得る。図4を参照して上述したように、一以上のガイドレールは、次に、人702、ロボット200のいずれか、又はその両方の接近に基づいて、自動的に車両の収容領域から伸長し得る。この実施形態では、ロボット200は、次に、非制限的な実施例として、自動的にガイドレールに係合し、買い物中に取得した一以上の物体704と共に車両の収容領域に再進入する。収容領域に入ると、境界支持体320の一部又は全部は直立になったまま、又は、低くなり載置面に対して平らに寝かせられることがある。一部の実施形態では、載置面306で重さが検出される場合、境界支持体320は低くならないことがある。他の実施形態では、ロボット200が車両の収容領域に進入する際に、境界支持体320は自動的に低くなることがある。更に別の実施形態では、人702又は別の装置によって境界支持体320が手動で操作(上げ下げなど)され得る。
【0052】
これらの実施形態で、ロボット200が車両の収容領域に入ると、載置面306に置かれた各種物体704の輸送、保管のいずれか、又はその両方に関して安定性が提供され得る。図4を参照して上述したように、ロボット200は物体704がロボット200の周りを滑らないように、又は、ロボット200から落ちないように、又はその両方を防ぐために、載置面306を水平に維持することがある。加えて、境界支持体320は、載置面306が水平でない場合にもこのような物体704がロボット200から落ちるのを防ぐため、載置面306に載置された物体704に対して保護層を提供し得る。このように、ロボット200は、一以上の物体704を車両の収容スペースに自動的に積み込むことで、人702に利便性と安定性を提供し得る。これは、一方では、人702が物体を収容スペースから手動で積み込む(そして降ろす)必要性を排除することがあり、これによって、重い物体を上げ下げすることで人702が怪我をする可能性を減少させることができ、さらに、暑い又は寒い天候など望ましくない条件でこれら行為を行う必要がなくなる利便性も与える。
【0053】
図8Aを参照すると、ロボット200Aの斜視図が提示される。この実施形態では、ロボットは、ディスプレイ802、スピーカ804、ディスプレイ機構806、バッテリ(図示せず)、センサ(図示せず)、配線(図示せず)のいずれか又はその全てを特徴とする。この実施形態では、ロボット200Aは一以上のディスプレイ802を特徴とし得る、又はディスプレイがないことを特徴とし得る。LED、LCD、OLED、タブレット、プラズマディスプレイ、CRT、ホログラムディスプレイ、3Dディスプレイなどの任意の適切な種類のディスプレイが用いられ得る。一部の実施形態では、外部のヒューマンマシンインタフェースの一部としてディスプレイを用いることがある。この実施形態では、ロボット200Aは一以上のスピーカ804を特徴とし得る、又はスピーカがないことを特徴とし得る。任意の適切な種類の音声出力装置がスピーカ804として用いられ得る。任意の適切な種類の音声出力装置がスピーカ804として用いられ得る。この実施形態では、ディスプレイ802はディスプレイ機構806の一部であってもよく、又はディスプレイ機構806を用いてもよい。この実施形態では、ディスプレイ機構806はロボット200Aに収容可能である。各種実施形態では、任意の収容可能な構成要素が、ロボット200Aの任意の適切な部分に収容され得る。任意の適切な種類の収容機構が用いられ得る。図8Aに示されるように、ロボットによって用いられるセンサ324は、例えば、一以上のマイクロフォン、カメラのいずれか、又はその両方を含み得る。センサ324は、例えば、音声コマンド、音声認識/認証のいずれか、又はその両方を受信するために用いられるマイクロフォンでもよい。センサ324はカメラであってもよく、視線検出、姿勢推定、物体認識などの任意の適切な目的のために用いられ得る。例えば、センサ324は、人702がどこを見ているかを追跡するために視線検出を実施することがある(図7)。これは、一方で、移動、物体704の載置/取り出しの補助のいずれか、又はその両方に役立つことがある。センサ324は、人702のジェスチャ、顔の表情のいずれか、又はその両方の検出に用いられることがある。
【0054】
ロボット200Aは、カメラ244を用いて人702、物体704又は障害物706の向きを決定することがある。これは、自律移動や物体管理に用いられることがある。カメラ244は、物体認識及びバーコード/QRコード(登録商標)スキャンなど、物体704の走査に用いられることがある。センサ328は、レーダーセンサ、ソナーセンサのいずれか、又はその両方であってもよく、任意の種類の環境で物体検出及び移動の目的に用いられることがある。センサ328は、任意の種類の媒体(ガス、液体、固体など)を介した検出に用いられることがある。一部の実施形態では、ロボット200Aは、GPS又はセルラーネットワークなどの位置ベースのサービスを用いて移動し得る。ロボット200Aは、人702の装置(スマートフォン、タブレットなど)からの位置データを用いることがある。ロボット200Aは、移動を補助するために屋内地図を用いることがある。例えば、ロボット200Aは移動のために店の間取り図の地図をダウンロードすることがある。ロボット200Aは、自動的チェックアウトのために載置面306に載置された物体704を探知することがある。例えば、ロボット200Aが店を退出する際に自動的に購入するのを容易にするように、載置面306上の物体704にRFIDを用い得る。ロボット200Aは、載置面306に載置された物体704に対して支払うため、任意の適切な支払い形式(クレジットカード、暗号通貨など)を用い得る。
【0055】
一部の実施形態では、ロボット200Aは場面を認識することがある。例えば、障害物706の回避に関して上述したように、ロボット200Aは特定されて、位置決めされて、回避することが可能な障害物706を提示する警告標識を認識することがある。別の実施形態では、ロボット200Aは全体的な流れとどの歩行者に通行権があるかを決定するため歩行者、車両、及び自転車の動きを確かめることがある。このように、ロボット200Aは操縦の目的のために、道の通行すべき側を決定し得る。一部の実施形態では、ロボット200Aは状況を把握することがある。例えば、ロボット200Aは人702が探している食料品などの物体704を特定し得る。これは、人702によって提供された合図に基づくことがある(例えば、目の動きやジェスチャなど視覚合図、口頭の合図、文字入力など)。また、これは、ロボット200A又は人702の現在位置に基づくことがある。ロボット200Aは、要求に応じて人702に買い物リストを提供することがあり、他の人々に声をかけ得ることがある。ロボット200Aは、人702に対して買い物リストの表示/読み上げを提供することがある。ロボット200Aは人702に電話やビデオチャットなどで他の人々と連絡をとらせることがある。一部の実施例では、ロボット200Aは人702の顔の表情(困惑している、不満があるなど)又は人702の音声合図(「うーん」)を分析し得る。このように、ロボット200Aは人702が必要なものについて状況的把握をし、人702に補助を提供することがある。
【0056】
ロボット200Aは、人702が要求するであろうことに適応するなど、個人化もサポートし得る。これは、購入傾向など、人702の好みを学ぶことに基づくことがある。これらの好みは、人702の購入頻度及び人口統計などの適切な要素に基づくことがある。例として、購入頻度は傷みやすい食品に関連することがある。好みは、個人化されたお勧めを提供するため、日にち/場所など他の種類の情報と組み合わさることもある。一部の実施形態では、ロボット200Aは、人の車両、スマートフォン、又は他のプラットフォームによって提供されたデジタルアシスタントを介して、人702が装置/サービスを利用して購入する能力に備えることがある。
【0057】
図8Bを参照すると、ロボット200Aの斜視図が提示される。この実施形態では、ディスプレイがロボット200A内部に格納されるようにディスプレイ機構806がロボット200Aに収容されている。任意の適切な構成要素、任意の適切なロボット構成要素の組み合わせのいずれか、又はその両方がロボット200Aに収容可能、又は、内部に完全に収まる、又は、外部に完全に露出している、又はその全てであり得る。
【0058】
図9を参照すると、階段326付近のロボット200Bの側面図が提示される。この実施形態では、支持部312及びロボットの載置面306の高さをテレスコピック部なしで調節するために、ロボットはフレキシブル継手322を特徴とする。
【0059】
本明細書において、特定の特性を具現化するために、又は特定の様式で機能させるために特定の方法で「構成される」又は「プログラムされた」本開示の構成要素についての言及は、構造的な言及であって、意図された用途に言及しているのではないことに留意されたい。より具体的には、本明細書において、ある構成要素が「構成される」又は「プログラムされた」様式に対する言及は、構成要素の既存の物理的状態を示し、この構成要素の構造的特徴への明確な言及と見なされる。
【0060】
本明細書中で例示及び説明された本開示の実施例における実行の順序又は操作の実施は、別段特定されない限り、不可欠なものではない。つまり、別段特定されない限り、操作は任意の順序で実施され得る。そして、本開示の実施例は本明細書中に開示された操作よりも多くの又は少ない操作を含むことがある。例えば、特定の操作を他の操作の前、同時、後に実行又は実施することは本開示の局面の範囲内にあると考えられる。
【0061】
「実質的に」及び「約」及び「およそ」という用語は、任意の定量的比較、値、測定、又はその他の表現に帰することがある特有の不確実性の程度を表すために本明細書で用いられ得ることに留意されたい。これらの用語はまた、問題の主題の基本的な機能を変化させることなく、定量的表現が規定の基準から変化し得る度合を表すために本明細書で用いられる。
【0062】
本明細書では特定の実施形態が例示及び説明されているが、特許請求される主題の精神及び範囲から逸脱することなく、その他様々な変更及び修正がなされ得ることを理解されたい。さらに、特許請求される主題の様々な局面が本明細書に記載されるが、このような局面は組み合わせて用いられる必要はない。したがって、付属の特許請求の範囲は、特許請求される主題の範囲内にあるそのような変更及び修正の全てを網羅することが意図される。本開示は、以下に示す態様を含む。
例1
車両であって、
収容領域、及び
前記収容領域から伸長するよう構成されるガイドレール、
を備える車両と、
ロボットであって、
載置面と基盤とを備える支持部、
複数の下降可能な車輪、及び
各々が前記支持部を前記複数の下降可能な車輪の1つに接続させる複数の脚、を備えるロボットと
を備えるシステム。
例2
前記ロボットが前記収容領域を退出する際、前記下降可能な車輪は前記基盤下の格納位置から作動して、地上レベルに降りるよう構成される、例1に記載のシステム。
例3
前記複数の脚と前記複数の下降可能な車輪は前記基盤内に折り畳まれるよう構成される、例1に記載のシステム。
例4
前記ロボットは、前記載置面を傾きなく水平に保ちながら、前記ガイドレールを用いて前記収容領域に出入りするよう構成される、例1に記載のシステム。
例5
前記収容領域への出入りの間、前記ガイドレールは着脱可能に前記ロボットに接続される、例4に記載のシステム。
例6
前記複数の脚は、要求された高さ又は物体の検出された高さに基づいて、前記載置面の高さを調節するよう構成される、例1に記載のシステム。
例7
前記載置面は、前記車両の前記収容領域の床として構成される、例1に記載のシステム。
例8
前記複数の脚の少なくとも1つは、下降可能な車輪と前記基盤との間に、
テレスコピック部、及び
フレキシブル継手、
の少なくとも1つを備える、例1に記載のシステム。
例9
前記ロボットは、人認識又は物体認識に関して前記ロボットを補助するよう構成される一以上のセンサを更に備える、例1に記載のシステム。
例10
前記ロボットは、前記一以上のセンサを用いて人を追尾する又は障害物を回避するように構成される、例9に記載のシステム。
例11
前記ロボットは、前記載置面の上方に平行に配置された昇降機を更に備え、前記昇降機は前記載置面に対して直交移動するよう構成される、例1に記載のシステム。
例12
物体収容に関する入力があると、前記ロボットの前記脚は、前記載置面の高さを調節するよう構成される、例1に記載のシステム。
例13
前記ロボットは、前記載置面の境界に境界支持体を更に備え、前記境界支持体は前記載置面の前記境界で折り畳み可能である、例1に記載のシステム。
例14
前記ロボットは階段を昇降するよう構成される、例1に記載のシステム。
例15
前記ロボットは、スピーカと収容可能なディスプレイとの少なくとも1つを更に備える、例1に記載のシステム。
例16
ガイドレールを伸長し、車両の収容領域内から、前記車両の外側に突出させることと、
載置面を前記収容領域の床として機能させるロボットを前記ガイドレール上に移動することと、
前記ロボットが前記収容領域から退出すると、前記ロボットから車輪を下降させることと、
前記ガイドレールと前記ロボットとを分離することと、
前記ガイドレールを前記収容領域に戻して収容することと、
前記載置面を水平から角距離閾値内にあるように維持することと、
を含む、方法。
例17
前記ロボットを前記車両に接近させることと、
前記ガイドレールを前記収容領域から伸長することと、
前記ロボットを前記ガイドレールに係合させることと、
前記ロボットを前記収容領域に移動させることと、
前記載置面を前記収容領域の前記床にすることと、
を更に含む、例16に記載の方法。
例18
前記ロボットは、
前記ロボットの経路内の障害物を回避することと、
人の閾値内に留まって前記人を追尾することと、
前記載置面の高さを特定された物体の高さ閾値内で調節することと、
の少なくとも一つを実行する、例16に記載の方法。
例19
前記ロボットの一以上の脚の伸長可能な高さに基づいて、前記載置面の高さを調節することを更に含み、少なくとも1つの脚は、下降可能な車輪と前記基盤との間に、
テレスコピック部、及び
フレキシブル継手、
の少なくとも一つを備える、例16に記載の方法。
例20
店を出る前記人に基づいて、自動的チェックアウトを容易にすることと、
前記人の以前の購入履歴に基づいて、前記人にお勧めを提供することと、又は、
前記ユーザが提供する視覚合図又は口頭の合図に基づいて、前記人が購入を意図する物体を特定することと、
を更に含む、例16に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図9