(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】導電性ラップ付きフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 39/20 20060101AFI20240227BHJP
B01D 29/11 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B01D39/20 B
B01D29/10 510E
B01D29/10 530A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022116414
(22)【出願日】2022-07-21
【審査請求日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ケイサン, カイル アール.
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-514652(JP,A)
【文献】特開2016-007605(JP,A)
【文献】特開2018-069228(JP,A)
【文献】特表2000-502606(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3964276(EP,A1)
【文献】国際公開第2018/235030(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-37/04
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流から微粒子を濾過するためのフィルタであって、
第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸線に沿って延びる
非導電性のフィルタエレメントであって、内部通路を画定する内面と、外面領域を画定する外面とを有し、
非導電性材料から作製されたフィルタメディアを含むフィルタエレメントと、
前記フィルタエレメントの前記第1の端部及び前記第2の端部にそれぞれ固定されて前記第1の端部と前記第2の端部との間に液密シールを形成する第1のエンドキャップ及び第2のエンドキャップであって、該第1のエンドキャップ及び該第2のエンドキャップの少なくとも一方がそのエンドキャップを通って前記フィルタエレメントの前記内部通路と流体連通する開口部を画定する、第1のエンドキャップ及び第2のエンドキャップと、
少なくとも前記フィルタエレメントに固定されたラップであって、該ラップは、ラップ長及びラップ幅を有するストリップを備え、前記ラップ長が前記ラップ幅よりも大きく、該ラップは、導電性材料を含む導電層
と、前記導電性材料とは異なる材料から作製されたキャリア層とを備え、
前記導電層が前記キャリア層に固定され、前記導電層が導電層幅を有し、前記キャリア層がキャリア層幅を有し、前記導電層幅が前記キャリア層幅以下であり、前記導電層が前記キャリア層内に横方向に配置されるように、又は前記キャリア層と整列するように、前記キャリア層に固定される、ラップとを備え、
前記ラップは、前記外面領域の少なくとも40%が前記導電層によって覆われるように前記フィルタエレメントの周りに
螺旋状に巻き付けられ
て前記長手方向軸線に沿って複数の螺旋状巻回部を形成し、
前記螺旋状巻回部が、互いに離間した関係にあって、隣り合う螺旋状巻回部間にギャップを画定し、
前記ラップが、螺旋角に沿って前記フィルタエレメントの周りに螺旋状に巻き付けられ、前記螺旋角が、前記長手方向軸線に垂直な横断面に非平行であり、前記ギャップが、前記螺旋角に垂直な軸線に沿って測定されるギャップ幅を有し、前記導電層幅が、前記導電層幅と前記ギャップ幅との和の40パーセントよりも大きい、フィルタ。
【請求項2】
前記導電層が50kΩ/sq未満のシート抵抗を有する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記導電層が前記ラップ長に沿って少なくとも90Nのグラブ引張強度を有する、請求項
2に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記導電層の前記導電性材料が、炭素及び導電性高分子のうちの少なくとも1つで含浸された浸透性不織布ナイロンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記導電層の前記導電性材料が導電性金属を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記導電層幅が、(1)前記キャリア層幅の半分と、(2)前記キャリア層幅との間の範囲にある、請求項
1~3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項7】
前記キャリア層が前記フィルタエレメントに接続されて前記フィルタエレメントの半径方向外向きの膨張に抵抗し、前記キャリア層が前記ラップ長に沿って少なくとも90Nのグラブ引張強度を有する、請求項
1~
3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項8】
前記キャリア層の前記材料が浸透性不織布ポリエステルを含む、請求項
1~
3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項9】
前記導電層の前記導電性材料が、炭素及び導電性高分子のうちの少なくとも1つで含浸された浸透性スパンボンドナイロンを含む、請求項
1~
3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項10】
前記フィルタメディアが少なくとも99重量パーセントのガラス繊維を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項11】
前記フィルタメディアが少なくとも3gpsfの坪量及び少なくとも4m
2/ft
2の比表面積を有する、請求項1~
3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項12】
前記フィルタメディアが第1の側及び第2の側を有し、前記フィルタエレメントが、前記フィルタメディアの前記第1の側に配置された第1のドレイネージ層と、前記フィルタメディアの前記第2の側に配置された第2のドレイネージ層とを含み、前記第1のドレイネージ層及び前記第2のドレイネージ層のうちの少なくとも一方が高分子メッシュを備える、請求項1~
3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項13】
流体流から微粒子を濾過するための流体フィルタアセンブリであって、
第1のポート、第2のポート及びフィルタチャンバを画定するハウジングであって、流体流路が前記フィルタチャンバを通って前記第1のポートと前記第2のポートとの間に画定されるように前記第1のポート及び前記第2のポートが前記フィルタチャンバと連通する、ハウジングと、
請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタと
を備え
、
前記フィルタが前記流体流路に沿って前記第1のポートと前記第2のポートとの間に介在し、前記フィルタエレメントが前記ハウジングに電気的に接続されるように、前記フィルタが前記ハウジングの前記フィルタチャンバ内に配置される、流体フィルタアセンブリ。
【請求項14】
流体流から微粒子を濾過する方法であって、
請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタが備えるフィルタエレメントに前記流体流を流通させるステップであって、前記流体流が50pS/m未満の導電率を有し、前記フィルタエレメントが第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸線に沿って延び、前記フィルタエレメントが、内部通路を画定する内面と、外面領域を画定する外面とを有する、流通させるステップと、
ラップをグランドに電気的に接続するステップであって、前記ラップが、少なくとも前記フィルタエレメントに固定され、ラップ長及びラップ幅を有するストリップを備え、前記ラップ長が前記ラップ幅よりも大きく、前記ラップが、導電性材料を含む導電層を備え、前記外面領域の少なくとも40%が前記導電層によって覆われるように前記フィルタエレメントの周りに巻き付けられる、電気的に接続するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]フィルタカートリッジは、流体流から微粒子を濾過するためのフィルタエレメントを有する。半径方向内向き(外側から内側へ)の流体の流れを受けるフィルタエレメントは、典型的には、内部コア及び外部ケージを有する。半径方向外向き(内側から外側へ)の流体の流れを受けるフィルタエレメントは、内部コアを必要としない場合がある。いくつかのフィルタカートリッジは、フィルタエレメントをフィルタに固定し、重量及びコストを削減するために、ケージではなく螺旋状ラップを使用する。
【0002】
[0002]フィルタカートリッジに使用される従来の多孔質メディアは、典型的には非導電性である。フィルタカートリッジに収容されたフィルタメディアなどの多孔質メディアの使用による、非導電性流体、例えばガソリンなどの非極性炭化水素の処理が知られている。このような流体処理は、摩擦電荷の蓄積の結果として困難又は面倒になる可能性がある。静電荷は、メディアに蓄積する傾向がある。蓄積した電荷が適切に放電されない場合、スパークが形成され、流体を点火し、オペレータ及び特性に有害な状態を作り出す可能性がある。
【0003】
[0003]この問題は、多くの分野、例えば小麦粉などの食品材料の加工、石炭粉又はガソリンの圧送、及び織物のコーティング、並びに濾過産業において認識されている。例えば、米国特許第3,933,643号、第5,527,569号、及び第5,229,200号明細書を参照されたい。経済的な理由から高いプロセス速度が望まれるため、静電荷蓄積から生じる問題は、高い流体速度において、及びプロセスを実行する際に小さな孔径の多孔質メディアが利用される場合に顕著であり得る。
【0004】
[0004]従来、摩擦帯電は、導電性フィルタメディア又は複雑な接地システムを介して対処される。このようなリスクを低減するために、例えば、金属布、繊維、又は粉末から作製される多孔質メディアを用いる試みがなされている。しかしながら、これらのメディアの多くの濾過効率及び孔径は限定的である。これらのメディアはまた、製造コストが高い。当技術分野では、静電荷又は摩擦電気電荷の蓄積を低減する条件下で流体の濾過を向上させるための追加の溶液を提供することが引き続き必要とされている。
【0005】
[0005]この背景の説明は、読者を支援するために本発明者によって作成されたものであり、示された問題のいずれかがそれ自体当該技術分野で認識されたことを示すものと解釈されるべきではないことが理解されよう。記載された原理は、いくつかの態様及び実施形態では、他のシステムに固有の問題を軽減することができるが、保護された技術革新の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義され、本明細書に記載された特定の問題を解決する任意の開示された特徴の能力によって定義されないことが理解されよう。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示は、一態様では、フィルタの実施形態に関する。実施形態では、フィルタを使用して、50pS/m未満の導電率を有する流体流から微粒子を濾過することができる。
【0007】
[0007]一実施形態では、流体流から微粒子を濾過するためのフィルタは、フィルタエレメントと、第1のエンドキャップと、第2のエンドキャップと、ラップとを含む。フィルタエレメントは、第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸線に沿って延びる。フィルタエレメントは、内部通路を画定する内面と、外面領域を画定する外面とを有する。フィルタエレメントは、フィルタメディアを含む。
【0008】
[0008]第1のエンドキャップ及び第2のエンドキャップは、フィルタエレメントの第1の端部及び第2の端部にそれぞれ固定され、端部間に液密シールを形成する。第1のエンドキャップ及び第2のエンドキャップの少なくとも一方は、当該エンドキャップを通ってフィルタエレメントの内部通路と流体連通する開口部を画定する。
【0009】
[0009]ラップは、少なくともフィルタエレメントに固定される。ラップは、ラップ長及びラップ幅を有するストリップを備える。ラップ長はラップ幅よりも大きい。ラップは、導電性材料を含む導電層を備える。ラップは、外面領域の少なくとも40%が導電層によって覆われるようにフィルタエレメントの周りに巻き付けられる。
【0010】
[0010]別の態様では、本開示は、流体フィルタアセンブリの実施形態に関する。一実施形態では、流体流から微粒子を濾過するための流体フィルタアセンブリは、ハウジングとフィルタとを含む。
【0011】
[0011]ハウジングは、第1のポート、第2のポート及びフィルタチャンバを画定する。第1のポート及び第2のポートは、流体流路がフィルタチャンバを通って第1のポートと第2のポートとの間に画定されるように、フィルタチャンバと連通している。
【0012】
[0012]フィルタは、フィルタエレメントと、第1のエンドキャップと、第2の端部と、ラップとを含む。フィルタエレメントは、第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸線に沿って延びる。フィルタエレメントは、内部通路を画定する内面と、外面領域を画定する外面とを有する。フィルタエレメントは、フィルタメディアを含む。
【0013】
[0013]第1のエンドキャップ及び第2のエンドキャップは、フィルタエレメントの第1の端部及び第2の端部にそれぞれ固定され、端部間に液密シールを形成する。第1のエンドキャップ及び第2のエンドキャップの少なくとも一方は、当該エンドキャップを通ってフィルタエレメントの内部通路と流体連通する開口部を画定する。
【0014】
[0014]ラップは、少なくともフィルタエレメントに固定される。ラップは、ラップ長及びラップ幅を有するストリップを備える。ラップ長はラップ幅よりも大きい。ラップは、導電性材料を含む導電層を備える。ラップは、外面領域の少なくとも40%が導電層によって覆われるようにフィルタエレメントの周りに巻き付けられる。
【0015】
[0015]フィルタは、フィルタが流体流路に沿って第1のポートと第2のポートとの間に介在し、フィルタエレメントがハウジングに電気的に接続されるように、ハウジングのフィルタチャンバ内に配置される。
【0016】
[0016]さらに別の態様では、本開示は、フィルタを使用する方法の実施形態に関する。一実施形態では、流体流から微粒子を濾過する方法は、フィルタエレメントに流体流を流通させるステップを含み、流体流は50pS/m未満の導電率を有する。
【0017】
[0017]フィルタエレメントは、第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸線に沿って延びる。フィルタエレメントは、内部通路を画定する内面と、外面領域を画定する外面とを有する。
【0018】
[0018]ラップは、グランドに電気的に接続される。ラップは、少なくともフィルタエレメントに固定される。ラップは、ラップ長及びラップ幅を有するストリップを備える。ラップ長はラップ幅よりも大きい。ラップは、導電性材料を含む導電層を備える。ラップは、外面領域の少なくとも40%が導電層によって覆われるようにフィルタエレメントの周りに巻き付けられる。
【0019】
[0019]開示された原理のさらなる及び代替の態様及び特徴は、以下の詳細な説明及び添付の図面から理解されるであろう。理解されるように、本明細書に開示されるフィルタは、他の異なる実施形態で実施及び使用することができ、様々な点で修正することができる。したがって、前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の原理に従って構成されたフィルタの一実施形態の側面図である。
【
図2】本開示の原理に従って構成されたフィルタの別の実施形態の斜視図であり、フィルタの内部を示すためにエンドキャップの1つが部分的に切り取られている。
【
図3】本開示の原理に従って構成され、本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態での使用に適した、多層ラップの一実施形態の平面図である。
【
図5】本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態での使用に適したラップの2つの隣り合う巻回部の平面図であり、ラップのレイアウトの好ましい例示的な実施形態を示す。
【
図6】本開示の原理に従って構成され、本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態での使用に適した、単層ラップの一実施形態の平面図である。
【
図8】本開示の原理に従って構成された、流体流から微粒子を濾過するための流体フィルタアセンブリの一実施形態の部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0028]図面は必ずしも縮尺通りではなく、開示された実施形態は図式的に部分図で示されていることを理解されたい。場合によっては、本開示の理解に必要でない詳細、又は他の詳細を知覚するのを困難にする詳細は省略されている場合がある。本開示は、本明細書に示される特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。
【0022】
[0029]本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態は、流体流から微粒子を濾過するために本開示の原理に従って構成されたフィルタアセンブリの実施形態と共に使用されるように適合されている。本開示の原理に従って構成されたフィルタアセンブリの実施形態は、本開示の原理に従ってフィルタを使用する方法の実施形態で使用することができる。
【0023】
[0030]本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態は、バイオ医薬品環境で使用することができるが、異なる流体、溶液、試薬及び/又は化学物質が使用される他の産業用途で使用することができる。本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態を使用して、50pS/m未満の導電率を有する流体流から微粒子を濾過することができる。本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態を使用して、静電気放電を引き起こす摩擦帯電を発生させやすい油圧又は潤滑油用途で使用される流体流から微粒子を濾過することができる。
【0024】
[0031]本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態は、静電放電の発生を低減するために摩擦帯電を散逸させるように構成される。本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態では、フィルタは、接合された導電性螺旋状ラップを有するフィルタエレメントを含むことができる。螺旋状ラップは、単一の導電層を含むか、又は少なくとも1つの導電層及び少なくとも1つのキャリア層を含む多層構造を有することができる。
【0025】
[0032]本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態では、フィルタは、非導電性のフィルタメディアを有するフィルタエレメントを含むことができる。実施形態では、フィルタメディアは、導電性フィルタメディアを実質的に含まなくてもよい。実施形態では、フィルタメディアは、既知の導電性フィルタメディアのゲル抵抗及び/又は汚れ容量より大きいゲル抵抗及び/又は汚れ容量を有することができる。
【0026】
[0033]この詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を提供することが理解されよう。本発明の他の実施形態は、この詳細な説明の実施形態とは詳細に異なり得るので、詳細な説明は、当該時点で論じられている特定の実施形態を参照することを意図しており、本発明の範囲に関してより一般的に限定することを意図するものではない。
【0027】
[0034]ここで図を参照すると、本開示の原理に従って構成されたフィルタ10の一実施形態が
図1に示されている。フィルタ10は、流体流から微粒子を濾過するように構成され、フィルタエレメント20と、第1のエンドキャップ21と、第2のエンドキャップ22と、ラップ25とを含む。
【0028】
[0035]フィルタエレメント20は円筒形であり、フィルタエレメント20を通る流体の流れに応答して材料を濾過するように適合されている。第1及び第2のエンドキャップ21、22(「アダプタ」とも呼ばれる)は、フィルタエレメント20の第1の軸線方向端部27及び第2の軸線方向端部28にそれぞれ固定されて、端部間に液密シールを形成する。エンドキャップ21、22は、フィルタエレメント20の端部27、28をそれぞれ封止する。実施形態では、第1のエンドキャップ21及び第2のエンドキャップ22の少なくとも一方は、当該エンドキャップを通ってフィルタエレメント20の内部通路31(
図2参照)と流体連通する開口部30を画定する。ラップ25は、フィルタエレメント20の外面32の周りに螺旋状に巻き付けられる。ラップ25は、摩擦帯電を散逸させるのを助け、静電気放電の発生を低減するように構成された導電性材料を含む導電層35を含む。フィルタ10は、非導電性であると考えられる50pS/m未満の導電率を有する流体流から微粒子を濾過するために使用することができる。
【0029】
[0036]フィルタエレメント20(「円筒形パック」とも呼ばれる)は、第1の端部27と第2の端部28との間で長手方向軸線LAに沿って延びる。フィルタエレメント20は、内部通路31を画定する内面37を有する。フィルタエレメント20の外面32は、外側円筒状表面領域38を画定する。他の実施形態では、フィルタエレメント20は、例えば、楕円形、正方形、三角形、六角形などの非円形の外周を有する断面を有する非円筒形を含む異なる形状を有することができることが当業者には理解されよう。
【0030】
[0037]実施形態では、フィルタエレメント20は、複数の長手方向に湾曲したプリーツ41又は半径方向のプリーツ(図示せず)を含む。当業者は、ラップ25が、例えば中空円筒状繊維塊などのプリーツのないフィルタエレメントを含むフィルタの他の実施形態で使用できることを理解するであろう。
【0031】
[0038]
図2に示すように、実施形態では、フィルタエレメント20は、内部通路31内に同軸に配置された円筒形コア43を含む。コア43は、コア43の軸線方向中心孔47から半径方向外向きに、又はコア43の外側から中心孔47へ半径方向内向きに、のいずれかの流体流の流通を可能にするために、規則的なパターンで互いに離間した関係で配置された複数の開口部45を画定する。実施形態では、コア43は、当業者には理解されるように、従来の設計であること、意図された用途に十分な強度を有し、濾過されるように意図された流体と相溶性のある任意の材料で作製されることを含む、任意の適切な構造を有することができる。
【0032】
[0039]フィルタエレメント20が半径方向内向きの流体の流れを受ける場合、コア43は、フィルタエレメント20の構成を維持するために半径方向の力に抗してフィルタエレメント20の内周を支持し、またフィルタ10に曲げに対する強度及び剛性を与えるのに役立つので、コア43の存在が通常望ましい。あるいは、フィルタエレメント20が半径方向外向き(内側から外側へ)の流体の流れを受ける場合、コア43を省略することができ、フィルタの重量及びコストを低減することができる。
【0033】
[0040]
図1を参照すると、本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態では、フィルタ10は、フィルタエレメント20の軸線方向端部27、28の一方又は両方にエンドキャップ21、22を備える。エンドキャップ21、22は、ブラインド又はオープンエンドキャップのいずれかとすることができ、フィルタ条件に適した材料、及びエンドキャップ21、22が接合されるフィルタ構成要素の他の材料で作製されることができる。実施形態では、エンドキャップ21、22はフィルタエレメント20に取り付けられる。従来の技術を使用して、例えば、ポリキャップ又はスピン溶接によって、又はエポキシを使用することによって、エンドキャップ21、22をフィルタエレメント20に取り付けることができる。
【0034】
[0041]
図2を参照すると、フィルタエレメント20は、フィルタエレメント20の円筒形状を画定するように互いに密着して配置された複数のプリーツ41(
図2では、複数のプリーツ41のうちのいくつかのみが示されている)を含む。フィルタエレメント20のプリーツ41の各々は一対の脚部41aを有し、一対の脚部41aは、(1)フィルタエレメント20の外周のクラウン又は頂点41bで互いに接合され、及び(2)フィルタエレメント20の内周の根元41cで隣り合うプリーツ41の脚部41aに接合される。各脚部41aは内面41dを有し、内面41dは、同じプリーツ41において他方の脚部41aの内面41dに対向する。各脚部41aはまた外面41eを有し、外面41eは、隣り合うプリーツ41の脚部41aの外面41eに対向する。
【0035】
[0042]各プリーツ41の脚部41aの対向する内面41dは、脚部41a及びプリーツ41の実質的に全高にわたって、かつ長手方向軸線LAに沿ってフィルタエレメント20の軸線方向長さの少なくとも大部分にわたって延びる連続領域にわたって互いに接触する。さらに、隣り合うプリーツ41の脚部41aの対向する外面41eは、隣り合うプリーツ41及び脚部41aの実質的に全高にわたって、かつ長手方向軸線LAに沿ってフィルタエレメント20の軸線方向長さの少なくとも大部分にわたって延びる連続領域にわたって互いに接触する。プリーツ41及び脚部41aの高さは、脚部41aの表面に沿った方向に測定され、フィルタエレメント20の内周から外周まで延びる。
【0036】
[0043]流体がフィルタエレメント20を通って半径方向内向きに流れるようにフィルタエレメント20が使用されているとき、外面41eはフィルタエレメント20の上流面を形成し、脚部41aの内面41dはフィルタエレメント20の下流面を形成する。フィルタエレメント20が半径方向外向きの流体の流れを受けるとき、脚部41aの内面41dはフィルタエレメント20の上流面を形成し、外面41eはフィルタエレメント20の下流面を形成する。
【0037】
[0044]
図1~
図2に示す湾曲プリーツ構成は、均一なプリーツ支持を可能にし、集中荷重をフィルタエレメント20全体に均等に分配するように作用し、それによってプリーツの動きを減少させ、プリーツが脈動する流れシステム内の粒子を保持する能力を高める。当業者であれば、実施形態では、フィルタエレメント20は、湾曲プリーツ若しくはレイドオーバープリーツ(
図2に示すように)又は従来のラジアルプリーツ(図示せず)を備えることができることを理解するであろう。実施形態では、プリーツ脚部41aは等しい長さの脚部を有する。他の実施形態では、特にフィルタエレメント20が多層複合材から形成される場合、プリーツ脚部41aは、わずかに異なる長さ又は等しくない長さの脚部を有することができる。
【0038】
[0045]
図2を参照すると、実施形態では、当業者には理解されるように、フィルタエレメント20は、フィルタメディア50と、フィルタメディア50の少なくとも一方の側、好ましくは意図された上流側、より好ましくは上流側と下流側の両方に配置されたドレイネージ手段とを含む。実施形態では、湾曲プリーツ41の対向する表面は、互いに接触するように押圧される。これにより、プリーツ41の各脚部41aのドレイネージメッシュのストランドが、プリーツ41の隣り合う脚部41aのドレイネージメッシュのストランドに押し付けられる。ドレイネージ手段は、湾曲プリーツ41がフィルタエレメントに使用されるとき、フィルタメディア50の対向する表面が互いに接触するのを防止し、流体がフィルタメディア50の表面の実質的にすべての部分に、又は実質的にすべての部分から均等に流れることを可能にする。したがって、フィルタメディア50の実質的に全表面積が濾過に効果的に使用され得る。ラジアルプリーツがフィルタエレメント20に使用されるとき、流体がフィルタメディア50の表面の実質的にすべての部分に均等に流れることができるように、プリーツ脚部の上流側と下流側との間に十分な空間が通常存在する。
【0039】
[0046]
図2の実施形態では、フィルタエレメント20は、フィルタメディア50と、フィルタメディア50の外側に配置された第1のドレイネージ層51の形態のドレイネージ手段と、フィルタメディア50の内側に配置された第2のドレイネージ層52の形態のドレイネージ手段との3層複合体を含む。ここで、フィルタメディアの外面及び内面とは、それぞれ、フィルタ10が半径方向内向きの流体の流れを受けるときの上流面及び下流面を指す。フィルタ10が半径方向外向きの流体の流れを受けるとき、上流面と下流面とが反転する。フィルタエレメント20を形成する層は、波形化の前又は波形化と同時に、従来のフィルタ製造技術によって複合材に形成することができる。
【0040】
[0047]ドレイネージ層51、52は、当業者に知られているような任意の適切な材料を含むことができる。実施形態では、第1のドレイネージ層51及び第2のドレイネージ層52の少なくとも一方は、高分子メッシュ又は押出又は織られた高分子メッシュを含んでもよい。
【0041】
[0048]実施形態では、本開示の原理に従って構成されたフィルタに任意の適切なフィルタメディアを使用することができ、濾過されるように意図された流体及び所望の濾過特性に従って選択することができる。フィルタメディア50は、液体、気体、又は液体及び気体の混合物などの様々な流体流を濾過するために使用することができる。
【0042】
[0049]実施形態では、フィルタメディア50は、膜、多孔質フィルム又は繊維シート若しくは塊を含むことができ、均一又は傾斜した細孔構造及び任意の適切な有効細孔径を有し得る。フィルタメディア50は、天然又は合成高分子、ガラス、又は金属などの任意の適切な材料から形成することができる。フィルタメディア50は単一層を含んでもよく、又はフィルタメディア50は所望の厚さになるように互いに重ねて配置された同じメディアの複数の層を含んでもよい。さらに、フィルタメディア50は、異なるフィルタ特性を有する2つ以上の層を含むことが可能であり、例えば、1つの層が第2の層のためのプレフィルタとして機能する。別の実施形態では、フィルタエレメント20は、フィルタメディアとして機能する細孔の中心領域と、ドレイネージ層として機能する粗孔の上流及び/又は下流領域とを有する単一の一体型多孔質シートを含むいくつかの一体領域を含むことができる。
【0043】
[0050]実施形態では、第1及び第2のドレイネージ層51、52は、フィルタメディア50から分離した別個の層である。第1及び第2のドレイネージ層51、52は、同じ又は異なる構造であってもよい。第1及び第2のドレイネージ層51、52は、適切なエッジワイズ流特性、すなわち、層の表面に平行な方向に層を通る流体の流れに対する適切な抵抗を有する任意の材料で作製されることができる。ドレイネージ層51、52の各々のエッジワイズ流抵抗は、好ましくは、ドレイネージ層51、52内の圧力降下がフィルタメディア50にわたる圧力降下よりも小さく、それによってフィルタメディア50の表面に沿った流体の均一な分布を提供する程度に十分低い。実施形態では、ドレイネージ層51、52は、メッシュ若しくはスクリーン又は多孔質織布若しくは不織布シートの形態であり得る。
【0044】
[0051]メッシュは、フィルタメディア50が繊維質レイダウンメディアである場合、ドレイネージ層として特に適している。一方、フィルタメディア50が膜である場合、織物は通常メッシュよりも滑らかであり、フィルタ複合体の隣り合う層の摩耗が少ないため、織布又は不織布がドレイネージ層51、52としての使用により適し得る。
【0045】
[0052]実施形態では、フィルタエレメント20を形成するフィルタ複合材は、フィルタメディア50及びドレイネージ層51、52に加えて他の層を含むことができる。例えば、フィルタ10が設置された流体系の圧力変動中にプリーツが伸縮した場合に、フィルタメディア50がドレイネージ層51、52と擦れ接触して摩耗することを防止するために、フィルタメディア50とドレイネージ層51、52の一方又は両方との間に緩衝層を配置することができる。緩衝層は、ドレイネージ層51、52よりも平滑であり、フィルタメディア50よりも耐摩耗性が高い材料から作製されることが好ましい。例えば、ドレイネージ層51、52が押出ナイロンメッシュから作製される場合、適切な緩衝層の例はポリエステル不織布である。
【0046】
[0053]有利には、フィルタメディア50は、非導電性であり、非導電性流体流から微粒子を濾過するために使用されるように構成することができる。ラップ25は、摩擦電荷の蓄積を低減するために使用することができる。実施形態では、フィルタメディア50は、任意の適切な非導電性材料から作製される。実施形態では、フィルタメディア50は親水性材料を含むことができる。実施形態では、フィルタメディア50は、例えばガラス、セラミックポリエステル、セルロース、レーヨン、及びポリプロピレンなどの適切な材料で作製された非導電性繊維を含むことができる。例えば、実施形態では、フィルタメディア50は、少なくとも99重量%のガラス繊維を含み、さらに他の実施形態ではガラス繊維から本質的になる。
【0047】
[0054]実施形態では、フィルタメディア50は、従来の導電性メディアと比較して比較的高い坪量を有するように構成される。高坪量のメディアは、メディア1平方フィート当たりの高い汚れ容量を達成するのに役立つ高い比表面積(メディア1平方フィート当たりの平方メートル表面)を有する。例えば、実施形態では、フィルタメディア50は、少なくとも3グラム/平方フィート(gpsf)の坪量を有する。他の実施形態では、フィルタメディア50は、少なくとも3.5gpsfの坪量を有し、さらに他の実施形態では少なくとも4gpsfの坪量を有する。
【0048】
[0055]実施形態では、フィルタメディア50は、少なくとも4m2/ft2の比表面積を有する。実施形態では、フィルタメディア50は、少なくとも5m2/ft2の比表面積を有し、さらに他の実施形態では少なくとも6m2/ft2の比表面積を有する。
【0049】
[0056]
図1を参照すると、ラップ25は、導電性材料を含む導電層35を含む。実施形態では、ラップ25の導電層35は、任意の適切な導電性材料から作製されることができる。例えば、実施形態では、導電層35の導電性材料は、炭素及び導電性高分子の少なくとも一方で含浸された浸透性不織布ナイロンを含む。他の実施形態では、導電層35の導電性材料は導電性金属を含む。
【0050】
[0057]ラップ25は、平行な側面71、72と、ラップ長L(側面71、72に平行な軸線に沿って測定される)と、ラップ長Lがラップ幅Wよりも大きいラップ幅W(側面71、72を横切る軸線に沿って横方向に測定される)とを有するストリップを含む。図示のラップ25は、複数の巻回部でフィルタエレメント20の周りに螺旋状に巻き付けられる可撓性材料の平行な側面のストリップを含む。ラップ25がフィルタエレメント20の外周を完全に包む実施形態では、ラップ25は好ましくは浸透性である。フィルタエレメント20は好ましくはプリーツを含むが、ラップ25は、他の実施形態では、例えば繊維の中空円筒状塊などのプリーツのないフィルタパックと共に使用することができる。
【0051】
[0058]実施形態では、ラップ25は多孔質材料から作製される。実施形態では、ラップ25は、濾過される流体と相溶性のある適切な材料で作製されることができる。実施形態では、ラップ25は、半径方向外向きの力に対して十分な支持を提供し、内側から外側への流れから生じる応力に抵抗するのに十分に強い材料で作製される。ラップ25の張力は、予想される濾過条件に従って選択することができる。
【0052】
[0059]実施形態では、ラップ25は、少なくともフィルタエレメント20に固定される。実施形態では、当業者によって理解されるように、ラップ25は、任意の適切な技術によってフィルタエレメント20に固定することができる。実施形態では、ラップ25は、ラップ25がフィルタエレメント20と接触配置され、所定の位置に固定されるように、接着剤又は機械的結合を介してフィルタエレメント20に結合される。ラップ25は、好ましくは、フィルタエレメント20から巻き戻されないように固定される。実施形態では、ラップは、エンドキャップ21、22の少なくとも一方に取り付けられ、フィルタエレメントにわたる圧力降下によって発生する半径方向外向きの力に抵抗するように構成することができる。
【0053】
[0060]実施形態では、ラップ25は、ラップ25の長手方向に延びる両側面71、72にホットメルト接着剤のビーズを塗布することによってフィルタエレメント20の外面32に取り付けられてもよい。各側面71、72において、ホットメルト接着剤は多孔質側面71、72に流入してもよい。
【0054】
[0061]実施形態では、ラップ25は、ラップ25の端部でエンドキャップ21、22のそれぞれに取り付けられる。ラップ25がエンドキャップ21、22の少なくとも一方に取り付けられる実施形態では、ラップ25は、関連するエンドキャップ21、22内に少なくとも1000分の50インチ、より好ましくはエンドキャップ21、22内に少なくとも1000分の100インチ挿入されることが好ましい。実施形態では、ラップ25がエンドキャップ21、22に取り付けられる前に、ラップ25の軸線方向端部は、切断端部の実質的に全体がエンドキャップ21、22に挿入されてそれに接合され得るように角度を付けて切断される。
【0055】
[0062]実施形態では、ラップ25は、摩擦電荷を散逸させるために濾過される流体流と効率的に相互作用するために導電層35によって提供される十分な導電性表面積を提供するように、フィルタエレメント20の周りに巻き付けられる。実施形態では、ラップ25は、外側円筒状表面領域38の少なくとも40%が導電層35によって覆われるように、フィルタエレメント20の周りに巻き付けられる。他の実施形態では、ラップ25は、外側円筒状表面領域38の少なくとも50%が導電層35によって覆われるように、フィルタエレメント20の周りに巻き付けられる。
【0056】
[0063]図示の実施形態では、ラップ25は、フィルタエレメント20の周りに螺旋状に巻き付けられて、長手方向軸線LAに沿って複数の螺旋状巻回部を形成する。螺旋状巻回部は、互いに離間した関係にあり、隣り合う螺旋状巻回部間にギャップGを画定する。ラップ25は、螺旋角γに沿ってフィルタエレメント20の周りに螺旋状に巻き付けられる。実施形態では、螺旋角γは、長手方向軸線LAに垂直な横断面Tに非平行である。実施形態では、ラップ25は、フィルタエレメント20の周りに螺旋状に巻き付けられて、フィルタエレメント20を円筒形の構成に保持するのを助けるために張力下で複数の隣り合う巻回部を形成する。
【0057】
[0064]実施形態では、ラップ25は、ラップ25の隣り合う巻回部間の重なりの有無にかかわらず、フィルタエレメント20の周りに巻き付けることができる。例えば、浸透性ラップ25の隣り合う巻回部は、実質的に重なり合わずに互いに当接することができ、又は重なりを使用することによって、浸透性ラップ25の複数の層をフィルタエレメント20の周りに巻き付けることが可能である。実施形態では、ラップ25は、浸透性を高めるために、ラップ25を貫通する開口部を画定することができる。
【0058】
[0065]
図2を参照すると、実施形態では、導電層35は、摩擦電荷を効率的に散逸させるための電流経路を提供するように構成される。導電層35を設けることにより、フィルタ10は、比較的高い比表面積を有する非導電性フィルタメディア50を有するフィルタエレメント20を介して50pS/m未満の導電率を有する流体流を濾過することができる。高い比表面積は、典型的には、より多くの電荷蓄積及び最終的には静電気放電をもたらすと予想されるため、摩擦帯電を伴う用途では望ましくない。実施形態では、導電層35は、50kΩ/sq(オーム/スクエア)未満のシート抵抗を有する。他の実施形態では、導電層35は、45kΩ/sq未満のシート抵抗を有し、さらに他の実施形態では、40kΩ/sq未満のシート抵抗を有する。
【0059】
[0066]実施形態では、ラップ25は、導電層35を含むか、本質的に導電層35からなるか、又は導電層35からなることができる。実施形態では、ラップ25は多層構造を有することができる。
【0060】
[0067]例えば、
図1及び
図2に示す実施形態では、ラップ25は、導電層35及びキャリア層75を含む。ラップ25は、導電層35がフィルタエレメント2の外面32に向かって配置され、キャリア層が導電層35に対して外側に配置されるように、フィルタエレメント20に固定することができる。
【0061】
[0068]実施形態では、キャリア層75は、フィルタエレメント20の半径方向外向きの膨張に抵抗するようにフィルタエレメント20に接続される。実施形態では、キャリア層75は、ラップ長Lに沿って少なくとも90Nのグラブ引張強度を有する。
【0062】
[0069]
図3及び
図4を参照すると、
図1及び
図2のフィルタ10に使用されるラップ25が示されている。ラップ25は、本開示の原理に従って構成されたラップの一実施形態を含む。ラップ25は、本開示の原理に従って構成されたフィルタ10の実施形態での使用に適している。
【0063】
[0070]実施形態では、導電層35はキャリア層75に固定される。実施形態では、導電層35をキャリア層75に固定するために、任意の適切な技術を使用することができる。例えば、実施形態では、導電層35は、超音波、熱、又は接着によってキャリア層75に固定される。実施形態では、導電層35は、導電層35とキャリア層75との間に貼付された両面接着テープを貼付することによって、導電層35とキャリア層75との間に例えばポリアミドホットメルト又はEVAホットメルトなどのホットメルト接着剤を塗布することによって、又は導電層35とキャリア層75とを超音波スポット溶接することによって、キャリア層75に固定される。
【0064】
[0071]図示の実施形態では、導電層35は導電層幅COWを有し、キャリア層75は導電層幅COWよりも大きいキャリア層幅CAWを有する。実施形態では、導電層幅COWはキャリア層幅CAW以下である。
【0065】
[0072]実施形態では、導電層35は、導電層35がキャリア層内に横方向に配置されるか、又はキャリア層と整列するように、キャリア層75に固定される。実施形態では、導電層幅COWは、(1)キャリア層幅CAWの半分と(2)キャリア層幅CAWとの間の範囲内にある。図示の実施形態では、導電層35はキャリア層75よりも狭く、キャリア層75内で横方向に配置される。
【0066】
[0073]実施形態では、キャリア層75は、任意の適切な材料から作製されることができる。例えば、実施形態では、キャリア層75は、濾過される流体と相溶性があり、ホットメルト接着剤などの接着剤に容易に結合する適切なスパンボンド熱可塑性材料から形成されてもよい。キャリア層75は、好ましくは多孔質であり、ホットメルト接着剤がキャリア層75内に浸透してより強い結合を形成することを可能にする。実施形態では、キャリア層75は、その浸透性を高めるために穿孔される。
【0067】
[0074]実施形態では、キャリア層75は、非導電性材料を含むか、本質的に非導電性材料からなるか、又は非導電性材料からなることができる。例えば、実施形態では、キャリア層75の材料は、浸透性不織布ポリエステル若しくはナイロンを含むか、本質的に浸透性不織布ポリエステル若しくはナイロンからなるか、又は浸透性不織布ポリエステル若しくはナイロンからなる。
【0068】
[0075]実施形態では、キャリア層75は、導電層35の導電性材料とは異なる材料を含む。例えば、実施形態では、導電層35は、例えばNystat(商標)50導電性ナイロン材料など、フロリダ州Cantoment所在のCerex Advanced Fabrics,Inc.から入手可能な市販の導電性材料を含み、キャリア層75は、以下のうちの少なくとも1つなどの異なる市販の材料を含む:例えばテネシー州Old Hickory所在のFiberweb,Inc.からReemay(登録商標)の商標で入手可能なGrade2016、2024、又は2033などの市販のポリエステル材料、及び例えばフロリダ州Cantoment所在のCerex Advanced Fabrics,Inc.から入手可能なCerex(登録商標)Grade70、85、100、又は150などの市販のナイロン。
【0069】
[0076]多層ラップ25は、当業者によって理解されるように、任意の適切な技術を使用して作製されることができる。例えば、実施形態では、多層ラップ25は、50kΩ/sq未満のシート抵抗を有する含浸ナイロンから作製された導電性スクリムの形態の導電層35を、機械方向に少なくとも90Nのグラブ引張強度を有するポリエステルスパンボンドから作製された適切なキャリア層75に超音波点接合によって接合することによって作製される。
【0070】
[0077]実施形態では、導電層35は、他のストリップ状構成を有することができる。例えば、他の実施形態では、2層ラップ25は、ステンレス鋼又は銅などの金属繊維及びバインダを湿式敷設して導電層35をキャリア層75上に形成することによって作製することができる。さらに他の実施形態では、2層ラップ25は、ワイヤ又はワイヤメッシュの形態の導電層35を接着剤でキャリア層75に接着することによって作製される。さらに他の実施形態では、2層ラップ25は、キャリア層75と共に導電性繊維のマットの形態の導電層35をニードルパンチすることによって作製される。
【0071】
[0078]
図5を参照すると、実施形態では、ラップ25は、フィルタエレメント20の周りに螺旋状に巻き付けられて、長手方向軸線LAに沿って複数の螺旋状巻回部81、82を形成する。螺旋状巻回部81、82は、互いに離間した関係にあり、隣り合う螺旋状巻回部81、82間にギャップGを画定する。ラップ25は、長手方向軸線LAに垂直な横断面Tに非平行な螺旋角γに沿ってフィルタエレメント20の周りに螺旋状に巻き付けられる。ラップ25の隣り合う巻回部81、82は、螺旋角γに垂直な軸線に沿って測定されたギャップ幅Gを有する。実施形態では、導電層幅COWは、導電層幅CAWとギャップ幅Gとの合計の40%よりも大きい。実施形態では、ラップ25の隣り合う巻回部81、82間のピッチは、導電層35の導電層幅COWが、キャリア層75のキャリア層幅CAWの少なくとも40%に、隣り合う巻回部81、82間のギャップGを加えたものである(COW≧0.4×(CAW+G))ように構成される。
【0072】
[0079]実施形態では、多層ラップ25は、Nystat(商標)50導電性ナイロンを含み1インチの導電層幅COWを有する導電層35と、非導電性Reemay(登録商標)2033ポリエステルを含み1.35インチのキャリア層幅CAWを有するキャリア層75とを含む。導電層35は、導電層35がキャリア層75内の横方向の中心に位置するように、キャリア層75に取り付けることができる。2つの層35、75は、2つの層35、75の幅にわたって長さ0.125インチの熱溶接部と一緒に溶接することができ、溶接部は、長さLに沿って6~12インチ離れて離間した関係で繰り返される。ラップ25は、隣り合う巻回部間のギャップGが0.75インチになるように、フィルタエレメント20の周りに螺旋状に巻き付けることができ、それにより、外側円筒状表面領域38にわたる導電層35の被覆率は47.6%である(COW/(CAW+G)=1/(1.35+0.75)=0.476)。
【0073】
[0080]
図6及び
図7を参照すると、本開示の原理に従って構成されたラップ125の一実施形態が示されている。ラップ125は、本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態での使用に適している。ラップ125は、導電層135からなる。実施形態では、導電層35は、ラップ長L’に沿って少なくとも90Nのグラブ引張強度を有する。実施形態では、導電層135からなるラップ125は、任意の適切な材料から作製することができる。例えば、実施形態では、導電層135は、約55g/m
2の坪量を有する炭素含浸ナイロンスパンボンドから作製することができる。
【0074】
[0081]実施形態では、導電層135からなるラップ125は、フィルタエレメントの周りに螺旋状に巻き付けることができる。実施形態では、ラップ125の巻回部間のピッチは、ラップ幅W’が、ラップ幅W’と巻回部間のギャップGとの合計の40%よりも大きくなるようなものである。
【0075】
[0082]本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態での使用に適したフィルタエレメント20は、様々な技術によって製造することができる。1つの技術では、適切なフィルタメディア、支持体、及びドレイネージを含むフィルタ複合材は、最初に波形シートを形成するために波形化され、適切な長さ又は適切な数のプリーツに切断され、次いで円筒形状に形成される。次いで、波形シートの長手方向縁部を従来の手段によって互いにシールしてフィルタパックを形成する。例えば、波形フィルタパックの2つの端部は、超音波シール溶接システムを使用してシールすることができる。
【0076】
[0083]ラップ25は、フィルタパックの長さの周りに螺旋状に巻き付けることができる。ラップ25に加えられる張力は、フィルタパックのプリーツ41を押しつぶしたり閉じたりすることなく、プリーツ41間のプリーツ41の移動又はラップ25内のリプルを防止するのに十分であり得る。実施形態では、フィルタエレメントの外側表面積の少なくとも40%が導電層35によって覆われるように、螺旋状ラップ25の隣り合う巻回部間にギャップが形成される。フィルタパックは、所望の長さ(例えば、42~44インチ)で製造することができ、ラップ25を全長に適用することができる。実施形態では、ラップは、互いに規則的な離間関係にあるバンド(フィルタパックの長手方向軸線を横切る平面に平行)で円周方向に適用することができる。
【0077】
[0084]ラップ25は、フィルタパックに直接取り付けることができる。実施形態では、ラップ25は、フィルタエレメント20に巻き付けられるときにラップ25に塗布されるホットメルト接着剤などの接着剤によってフィルタエレメント20に取り付けられる。接着剤は、ラップ25の縁部に平行にフィルタエレメント20の周りを螺旋状に延びる連続的又は断続的なビーズの形態でラップ25に塗布することができる。他の実施形態では、ラップ25は、フィルタエレメント20が回転するときにフィルタエレメント20の長さに沿って移動する高温ホイールによってフィルタエレメント20に融着結合される。
【0078】
[0085]実施形態では、フィルタエレメント20を包むために2層ラップ25が使用される。ラップ25の層は互いに結合され、それぞれ幅が1.35インチである。ラップ25は、隣り合う巻回部間に0.75インチのギャップを有してフィルタエレメントの周りに螺旋状に巻き付けられる。ラップ25は、ホットメルト接着剤を介してフィルタエレメント20に接着される。
【0079】
[0086]実施形態では、キャリア層75は導電層35よりも広いことが理解されよう。したがって、ラップ25がエンドキャップ21、22に接合されると、キャリア層75は、導電層35がエンドキャップ21、22及びフィルタパックから分離するのを防ぐのを助けることができる。キャリア層75は、フィルタエレメントの製造に使用される接着剤及びポッティング材料への接着を強化することができる材料から作製することができる。より広いキャリア層75は、製造プロセス中により良好な取り扱い及び性能を提供し、導電層35の導電特性を維持しながら、導電層56とエンドキャップ21、22及びフィルタパックとの間の分離の発生を低減するように構成することができる。より広いキャリア層75はまた、接着剤の広がりをラップ25の周囲内に維持し、接着剤がラップ周囲の外側に広がる場合に起こり得る望ましくない混乱を低減することができる。
【0080】
[0087]その後、ラップとフィルタパックを組み合わせて所望の長さに切断することができる。実施形態では、ラップとフィルタパックの組合せは、例えば、40インチ、20インチ、13インチ、8インチ、又は4インチの長さに切断することができる。
【0081】
[0088]組み合わされたフィルタパック及びラップが所望の長さに切断された後、フィルタエレメント20を形成するためにエンドキャップすることができる。実施形態では、組み合わされたフィルタパック及びラップは、フィルタパックの一端にある開放アダプタ及び他端にある閉鎖アダプタでキャップされる。
【0082】
[0089]エンドキャップ21、22は、例えばエポキシ、ポリウレタン、又はホットメルト接着剤を含む適切なポッティング化合物を使用して適用することができる。エンドキャップ21、22は、金属又は高分子から作製することができる。実施形態では、高分子エンドキャップの一部を溶融し、フィルタエレメント20の端部をエンドキャップ21、22の溶融部分に挿入することによって、高分子エンドキャップをフィルタエレメント20の端部に適用することができる。いずれの場合も、フィルタエレメント20の端部は、ラップ25がエンドキャップ21、22でフィルタエレメントに適切に接着されることを確実にするために、好ましくは少なくとも1000分の50インチ、より好ましくは約1000分の100インチ、ポッティングコンパウンド又は溶融プラスチックに挿入されるべきである。
【0083】
[0090]
図8を参照すると、本開示の原理に従って構成された流体流から微粒子を濾過するための流体フィルタアセンブリ80の実施形態が示されている。流体フィルタアセンブリ80は、ハウジング82と、本開示の原理に従って構成されたフィルタ85の一実施形態とを含む。実施形態では、本開示の原理に従って構成された流体流から微粒子を濾過するための流体フィルタアセンブリ80は、本開示の原理に従って構成されたフィルタの任意の実施形態を含むことができる。
【0084】
[0091]実施形態では、ハウジング82は、第1のポート87、第2のポート88及びフィルタチャンバ89を画定する。第1のポート87及び第2のポート88は、流体流路90がフィルタチャンバ89を通って第1のポート87と第2のポート88との間に画定されるように、フィルタチャンバ89と連通している。図示の実施形態では、フィルタ85は、
図1及び
図2に示す実施形態と構造が同様である。他の実施形態では、本開示の原理に従って構成されたフィルタの別の実施形態を使用することができる。
【0085】
[0092]フィルタ85は、フィルタエレメント220と、第1のエンドキャップ221と、第2のエンドキャップ222と、ラップ225とを含む。実施形態では、フィルタエレメント220は、非導電性材料から作製されたフィルタメディアを含む。
【0086】
[0093]第1のエンドキャップ221及び第2のエンドキャップ222は、フィルタエレメント220の第1の端部及び第2の端部にそれぞれ固定され、端部間に液密シールを形成する。実施形態では、第1のエンドキャップ221及び第2のエンドキャップ222の少なくとも一方は、当該エンドキャップを通ってフィルタエレメントの内部通路と流体連通する開口部230を画定する。
【0087】
[0094]ラップ225は、少なくともフィルタエレメント220に固定される。ラップ225は、導電性材料を含む導電層を備える。ラップ225は、フィルタエレメント220の外側表面領域の少なくとも40%が導電層によって覆われるように、フィルタエレメント220の周りに巻き付けられる。実施形態では、ラップ225は、他の点で、上述のような導電層を含むラップの他の実施形態と同様であり得る。
【0088】
[0095]フィルタ85は、フィルタ85が流体流路に沿って第1のポート87と第2のポート88との間に介在し、フィルタエレメント220がハウジング82に電気的に接続されるように、ハウジング82のフィルタチャンバ89内に配置される。フィルタ85は、ハウジング82及びハウジング82への配管の接続によってグランドに電気的に接続することができる。実施形態では、電気グランドはアースグランドを含むが、他の実施形態では、当業者によって理解されるように、フローティンググランド又はシャーシグランドを含むことができる。実施形態では、第1のエンドキャップ221及びコア243は導電性材料から作製されることができる。図示の実施形態では、フィルタエレメント220のコア243(なお、
図8では、図示の簡略化のため、開口部の図示を省略している)及びラップ229は、第1のエンドキャップ221を介してハウジング82内の座部92と電気的に接触している。
【0089】
[0096]フィルタ85がコアを含まない実施形態では、ハウジング82は固定コア片を含むことができる。コアレスフィルタのフィルタエレメントのラップは、導電性材料から作られた少なくとも一方のエンドキャップなどの任意の適切な技術によってフィルタ85を接地するために、ハウジング82のコア片と電気的に接触して配置することができる。
【0090】
[0097]本開示の原理に従って構成されたフィルタの実施形態を使用して、上述の本開示の原理に従って流体流から微粒子を濾過する方法を実行することができる。実施形態では、本開示の原理に従うフィルタを使用する方法は、本明細書で説明される原理に従って構成されたフィルタの任意の実施形態で使用することができる。
【0091】
[0098]実施形態では、流体流から微粒子を濾過する方法は、流体流が50pS/m未満の導電率を有するフィルタエレメントに流体流を流通させることを含む。フィルタエレメントは円筒形であり、第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸線に沿って延びる。フィルタエレメントは、内部通路を画定する内面と、外側円筒状表面領域を画定する外面とを有する。
【0092】
[0099]ラップは、グランドに電気的に接続される。ラップは、少なくともフィルタエレメントに固定される。ラップは、ラップ長及びラップ幅を有するストリップを備える。ラップ長はラップ幅よりも大きい。ラップは、導電性材料を含む導電層を備える。ラップは、外側円筒状表面領域の少なくとも40%が導電層によって覆われるようにフィルタエレメントの周りに巻き付けられる。
【0093】
[0100]本明細書で引用される刊行物、特許出願、及び特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
[0101]本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」及び「an」及び「the」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」という用語は、特に明記しない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むが限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内に含まれる各別個の値を個別に参照する簡略方法として役立つことを意図しているにすぎず、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、特に請求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言語も、特許請求されていない要素を本発明の実施に必須であると示すと解釈されるべきではない。
【0095】
[0102]本発明を実施するための本発明者らに知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。これらの好ましい実施形態の変形形態は、前述の説明を読めば当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正及び均等物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組合せが本発明に包含される。
【符号の説明】
【0096】
10…フィルタ、20…フィルタエレメント、21…第1のエンドキャップ、22…第2のエンドキャップ、25…ラップ、30…開口部、31…内部通路、32…外面、35…導電層、37…内面、38…外側円筒状表面領域、41…プリーツ、41a…脚部、41d…内面、41e…外面、43…コア、45…開口部、47…中心孔、50…フィルタメディア、51…第1のドレイネージ層、52…第2の ドレイネージ層、56…導電層、71…側面、75…キャリア層、80…フィルタアセンブリ、81…巻回部、82…ハウジング、85…フィルタ、87…第1のポート、88…第2の ポート、89…フィルタチャンバ、90…流体流路、92…座部、125…ラップ、135…導電層、220…フィルタエレメント、221…第1のエンドキャップ、222…第2のエンドキャップ、225…ラップ、230…開口部、243…コア。