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特許7443440無線通信システム、無線通信方法、無線給電システム、及び無線給電方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】無線通信システム、無線通信方法、無線給電システム、及び無線給電方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/28 20090101AFI20240227BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20240227BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20240227BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20240227BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W84/10
G06T7/70 B
H02J50/90
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022139174
(22)【出願日】2022-09-01
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 弘道
(72)【発明者】
【氏名】林 英誉
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-050919(JP,A)
【文献】特開2009-177637(JP,A)
【文献】特開2009-055572(JP,A)
【文献】特開2021-136778(JP,A)
【文献】特開2017-153827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
G06T 7/70
H02J 50/90
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性の無線通信を実行する無線通信システムであって、
移動可能であって、撮像部及び無線通信部を有する第1装置と、
少なくとも3つのマーカを含むマーカ部であって、第1マーカが配置された第1の面と、第2マーカが配置された、前記第1の面の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第2の面と、第3マーカが配置された、前記第1の面の前記第2の面とは逆の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第3の面とを有するマーカ部及び無線通信部を有する第2装置と
を備え、
前記第1装置は、
前記撮像部によって撮像された前記マーカ部の前記少なくとも前記第1マーカ、前記第2マーカ、及び前記第3マーカの3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定部と、
前記姿勢関係特定部によって特定された前記姿勢関係に基づいて、前記第1装置の前記無線通信部の中心軸と前記第2装置の前記無線通信部の中心軸とを合わせるように、前記第1装置の位置及び姿勢を制御する制御部と
を有する、
無線通信システム。
【請求項2】
前記第1の面が、前記第2装置の正面に位置し、
前記第2の面が、前記第1の面から前記第2装置の側に傾いており、
前記第3の面が、前記第1の面から前記第2装置の側に傾いており、
前記姿勢関係特定部は、前記撮像部によって前記第1マーカ及び前記第2マーカが撮像されている場合、前記第1装置が前記第2装置の前記第2の面側に位置すると推定し、前記撮像部によって前記第1マーカ及び前記第3マーカが撮像されている場合、前記第1装置が前記第2装置の前記第3の面側に位置すると推定して、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第2マーカと前記第3マーカとは、形状及び色の少なくともいずれかが異なる、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記マーカ部は、前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面の色とは異なる色で縁取られている、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記第1装置は、
カメラと前記マーカ部との姿勢関係と前記カメラによって撮像された前記マーカ部の撮像画像とを学習データとして生成された、入力を前記マーカ部の撮像画像とし、出力を前記カメラと前記マーカ部との姿勢関係とする学習モデルを記憶する学習モデル記憶部
を更に有し、
前記姿勢関係特定部は、前記撮像部によって撮像された前記マーカ部の前記撮像画像を前記学習モデルに入力することによって、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記第1装置は、少なくとも3つのマーカを含むマーカ部をさらに有し、
前記第2装置は、
撮像部と、
前記第2装置の前記撮像部によって撮像された前記第1装置の前記マーカ部の前記少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組み合わせに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定部と、
前記第2装置の前記姿勢関係特定部によって特定された前記姿勢関係に基づいて、前記第2装置の前記無線通信部の通信方向を調整する方向調整部と
を有する、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項7】
移動可能であって、撮像部及び無線通信部を有する第1装置が、前記撮像部によって、少なくとも3つのマーカを含むマーカ部であって、第1マーカが配置された第1の面と、第2マーカが配置された、前記第1の面の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第2の面と、第3マーカが配置された、前記第1の面の前記第2の面とは逆の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第3の面とを有するマーカ部及び無線通信部を有する第2装置の前記マーカ部を撮像する撮像段階と、
前記第1装置が、前記撮像段階において撮像した前記マーカ部の前記少なくとも前記第1マーカ、前記第2マーカ、及び前記第3マーカの3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定段階と、
前記姿勢関係特定段階において特定した前記姿勢関係に基づいて、前記第1装置の前記無線通信部の中心軸と前記第2装置の前記無線通信部の中心軸とを合わせるように、前記第1装置の位置及び姿勢を制御する制御段階と
を備える無線通信方法。
【請求項8】
指向性の無線給電を実行する無線給電システムであって、
移動可能であって、撮像部及び無線受電部を有する第1装置と、
少なくとも3つのマーカを含むマーカ部であって、第1マーカが配置された第1の面と、第2マーカが配置された、前記第1の面の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第2の面と、第3マーカが配置された、前記第1の面の前記第2の面とは逆の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第3の面とを有するマーカ部及び無線送電部を有する第2装置と
を備え、
前記第1装置は、
前記撮像部によって撮像された前記マーカ部の前記少なくとも前記第1マーカ、前記第2マーカ、及び前記第3マーカの3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定部と、
前記姿勢関係特定部によって特定された前記姿勢関係に基づいて、前記第1装置の前記無線受電部の中心軸と前記第2装置の前記無線送電部の中心軸とを合わせるように、前記第1装置の位置及び姿勢を制御する制御部と
を有する、
無線給電システム。
【請求項9】
移動可能であって、撮像部及び無線受電部を有する第1装置が、前記撮像部によって、少なくとも3つのマーカを含むマーカ部であって、第1マーカが配置された第1の面と、第2マーカが配置された、前記第1の面の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第2の面と、第3マーカが配置された、前記第1の面の前記第2の面とは逆の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第3の面とを有するマーカ部及び無線送電部を有する第2装置の前記マーカ部を撮像する撮像段階と、
前記第1装置が、前記撮像段階において撮像した前記マーカ部の前記少なくとも前記第1マーカ、前記第2マーカ、及び前記第3マーカの3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定段階と、
前記姿勢関係特定段階において特定した前記姿勢関係に基づいて、前記第1装置の前記無線受電部の中心軸と前記第2装置の前記無線送電部の中心軸とを合わせるように、前記第1装置の位置及び姿勢を制御する制御段階と
を備える無線給電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、無線通信方法、無線給電システム、及び無線給電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光無線装置および光ファイバ位置決め方法に関し、特に、光無線装置用の光ファイバの先端部の位置を決定する技術について記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2022-73629号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、指向性の無線通信を実行する無線通信システムが提供される。前記無線通信システムは、移動可能であって、撮像部及び無線通信部を有する第1装置と、少なくとも3つのマーカを含むマーカ部及び無線通信部を有する第2装置とを備えてよい。前記第1装置は、前記撮像部によって撮像された前記マーカ部の前記少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定部を備えてよい。前記第1装置は、前記姿勢関係特定部によって特定された前記姿勢関係に基づいて、前記第1装置の前記無線通信部の中心軸と前記第2装置の前記無線通信部の中心軸とを合わせるように、前記第1装置の位置及び姿勢を制御する制御部を備えてよい。
【0004】
前記無線通信システムにおいて、前記マーカ部は、第1マーカが配置された第1の面と、第2マーカが配置された、前記第1の面の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第2の面と、第3マーカが配置された、前記第1の面の前記第2の面とは逆の横方向に位置して前記第1の面に対して傾いている第3の面とを有してよく、前記姿勢関係特定部は、前記撮像部によって撮像された前記第1マーカ、前記第2マーカ、及び前記第3マーカのうちの少なくとも2つの組合せに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定してよい。前記第1の面が、前記第2装置の正面に位置し、前記第2の面が、前記第1の面から前記第2装置の側に傾いており、前記第3の面が、前記第1の面から前記第2装置の側に傾いていてよく、前記姿勢関係特定部は、前記撮像部によって前記第1マーカ及び前記第2マーカが撮像されている場合、前記第2装置が前記第1装置の前記第2の面側に位置すると推定し、前記撮像部によって前記第1マーカ及び前記第3マーカが撮像されている場合、前記第2装置が前記第1装置の前記第3の面側に位置すると推定して、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定してよい。
【0005】
前記いずれかの無線通信システムにおいて、前記第2マーカと前記第3マーカとは、形状及び色の少なくともいずれかが異なってよい。
【0006】
前記いずれかの無線通信システムにおいて、前記マーカ部は、前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面の色とは異なる色で縁取られていてよい。
【0007】
前記いずれかの無線通信システムにおいて、前記第1装置は、カメラと前記マーカ部との姿勢関係と前記カメラによって撮像された前記マーカ部の撮像画像とを学習データとして生成された、入力を前記マーカ部の撮像画像とし、出力を前記カメラと前記マーカ部との姿勢関係とする学習モデルを記憶する学習モデル記憶部を更に有してよく、前記姿勢関係特定部は、前記撮像部によって撮像された前記マーカ部の前記撮像画像を前記学習モデルに入力することによって、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定してよい。前記学習モデル記憶部は、前記学習データを用いて機械学習を実行することによって生成された前記学習モデルを記憶してよい。
【0008】
前記いずれかの無線通信システムにおいて、前記第1装置は、少なくとも3つのマーカを含むマーカ部をさらに有し、前記第2装置は、撮像部と、前記第2装置の前記撮像部によって撮像された前記第1の装置の前記マーカ部の前記少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組み合わせに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定部と、前記第2の装置の前記姿勢関係特定部によって特定された前記姿勢関係に基づいて、前記第2装置の前記無線通信部の方向を調整する方向調整部とを有してよい。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、無線通信方法が提供される。無線通信方法は、無線通信システムにおいて実行される方法であってよい。前記無線通信方法は、移動可能であって、撮像部及び無線通信部を有する第1装置が、前記撮像部によって、少なくとも3つのマーカを含むマーカ部及び無線通信部を有する第2装置の前記マーカ部を撮像する撮像段階を備えてよい。前記無線通信方法は、前記第1装置が、前記撮像段階において撮像した前記マーカ部の前記少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定段階を備えてよい。前記無線通信方法は、前記姿勢関係特定段階において特定した前記姿勢関係に基づいて、前記第1装置の前記無線通信部の中心軸と前記第2装置の前記無線通信部の中心軸とを合わせるように、前記第1装置の位置及び姿勢を制御する制御段階とを備えてよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、指向性の無線給電を実行する無線給電システムが提供される。前記無線給電システムは、移動可能であって、撮像部及び無線受電部を有する第1装置と、少なくとも3つのマーカを含むマーカ部及び無線送電部を有する第2装置とを備えてよい。前記第1装置は、前記撮像部によって撮像された前記マーカ部の前記少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定部を有してよい。前記第1装置は、前記姿勢関係特定部によって特定された前記姿勢関係に基づいて、前記第1装置の前記無線受電部の中心軸と前記第2装置の前記無線送電部の中心軸とを合わせるように、前記第1装置の位置及び姿勢を制御する制御部を有してよい。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、無線給電方法が提供される。無線給電方法は、無線給電システムにおいて実行される方法であってよい。前記無線給電方法は、移動可能であって、撮像部及び無線受電部を有する第1装置が、前記撮像部によって、少なくとも3つのマーカを含むマーカ部及び無線送電部を有する第2装置の前記マーカ部を撮像する撮像段階を備えてよい。前記無線給電方法は、前記第1装置が、前記撮像段階において撮像した前記マーカ部の前記少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、前記第1装置と前記第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定段階を備えてよい。前記無線給電方法は、前記姿勢関係特定段階において特定した前記姿勢関係に基づいて、前記第1装置の前記無線受電部の中心軸と前記第2装置の前記無線送電部の中心軸とを合わせるように、前記第1装置の位置及び姿勢を制御する制御段階を備えてよい。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】無線通信システム10の一例を概略的に示す。
図2】マーカ部300の一例を概略的に示す。
図3】マーカ部300の一例を概略的に示す。
図4】マーカ部300の一例を概略的に示す。
図5】マーカ部300の一例を概略的に示す。
図6】無線通信システム10における無線通信処理の流れの一例を概略的に示す。
図7】無線通信システム10における無線通信処理の流れの一例を概略的に示す。
図8】通信装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図9】通信装置200の機能構成の一例を概略的に示す。
図10】学習データテーブル500の一例を概略的に示す。
図11】無線給電システム20の一例を概略的に示す。
図12】受電装置180の機能構成の一例を概略的に示す。
図13】送電装置280の機能構成の一例を概略的に示す。
図14】通信装置100、通信装置200、受電装置180、又は送電装置280として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例えば、従来のトラッキング光無線通信及びトラッキング無線給電等では、お互いの装置が相手を画像認識等で認識し、光軸が合うように装置の向きを自動的に調整させている。この場合に、装置そのものを画像認識等で認識する必要があり、背景が複雑な場合等に、認識困難になる可能性がある。それに対して、トラッキング対象物体に、視認性の高いマーカを取り付けることによって、背景との区別が容易となり、画像認識及びLiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)等における対象装置の認識率を向上させることが可能である。このときに、単純なマーカを用いた場合、角度によっては、画像認識やLiDARにおける認識率が低下するというデメリットが考えられる。トラッキング対象の装置同士は、必ずしもトラッキング開始時に正面で向かい合っているわけではないため横向きでも認識できるようにすることが望ましい。また、相手のマーカが横を向いておりこちらを認識できていない場合、光軸を合わせるために相手の正面に回り込むような制御が必要になる。本実施形態に係る無線通信システム及び無線給電システムにおいては、画像認識やLiDARによる認識率向上のために利用するマーカを改良することによって、これらの課題解決に貢献する。具体例として、本実施形態に係る無線通信システム及び無線給電システムにおいては、マーカに両翼を取り付ける。これにより、横向きの状態でも左翼又は右翼を視認可能にでき、画像認識やLiDARによる認識率向上に貢献できる。また、左翼及び右翼のマークの向きや形状からマーカの角度を画像認識によって推定することを可能にできる。本実施形態に係る無線通信システム及び無線給電システムにおいては、さらに、相手が正面を向いていないと判定した場合に、光軸を合わせるために回り込むような制御を実行する。
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、無線通信システム10の一例を概略的に示す。無線通信システム10は、通信装置100、及び通信装置200を備える。
【0017】
通信装置100及び通信装置200は、少なくとも通信装置100が移動可能であって、互いに指向性の無線通信を実行可能であれば、それぞれどのような装置であってもよい。図1では、通信装置100が無人航空機であり、通信装置200が鉄塔800に設置された固定通信装置である場合を例示している。
【0018】
図1に示す例において、通信装置100は、撮像部102、無線通信部110、及びマーカ部300を備える。マーカ部300は、少なくとも3つのマーカを有する。無線通信部110は、指向性の無線通信を実行する。無線通信部110は、例えば、光無線通信を実行する。無線通信部110は、例えば、ミリ波無線通信を実行する。
【0019】
図1に示す例において、通信装置200は、撮像部202、無線通信部210、及びマーカ部300を備える。無線通信部210は、無線通信部110と同様に、指向性の無線通信を実行する。無線通信部210は、例えば、光無線通信を実行する。無線通信部210は、例えば、ミリ波無線通信を実行する。
【0020】
通信装置100は、撮像部102によって通信装置200のマーカ部300を撮像することによって、通信装置100と通信装置200との相対的な姿勢関係を特定する。通信装置100は、通信装置200のマーカ部300の少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組み合わせに基づいて、通信装置100と通信装置200との相対的な姿勢関係を特定してよい。通信装置100は、特定した姿勢関係に基づいて、通信装置100の無線通信部110の中心軸と、通信装置200の無線通信部210の中心軸とを合わせるように、位置や姿勢を調整する。
【0021】
通信装置200の無線通信部210は、通信方向が固定されていても、通信方向を調整可能であってもよい。通信方向を調整可能である場合、通信装置200自体が方向を調整可能に構成されていてよく、また、通信装置200の無線通信部210が、ジンバル等によって、方向調整可能に構成されていてもよい。
【0022】
無線通信部210の通信方向が調整可能である場合、通信装置200は、撮像部202によって通信装置100のマーカ部300を撮像することによって、通信装置100と通信装置200との相対的な姿勢関係を特定してよい。通信装置200は、通信装置100のマーカ部300の少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組み合わせに基づいて、通信装置100と通信装置200との相対的な姿勢関係を特定してよい。通信装置200は、特定した姿勢関係に基づいて、通信装置100の無線通信部110の中心軸と、通信装置200の無線通信部210の中心軸とを合わせるように、無線通信部210の通信方向を調整してよい。
【0023】
図2は、マーカ部300の一例を概略的に示す。マーカ部300は、面302、面304、面306を有する。面304は、面302の横方向に位置し、面306は、面302の面304とは逆の横方向に位置する。面302にマーカ312が配置されており、面304にマーカ314が配置されており、面306にマーカ316が配置されている。
【0024】
面302は第1の面の一例であってよく、マーカ312は第1マーカの一例であってよい。面304は第2の面の一例であってよく、マーカ314は第2マーカの一例であってよい。面306は第3の面の一例であってよく、マーカ316は第3マーカの一例であってよい。
【0025】
マーカ部300が、面302及びマーカ312のみを有する場合と比較して、面304及びマーカ314と、面306及びマーカ316とを有することによって、マーカ部300の認識精度を向上することができ、かつ、マーカ部300を撮像した撮像部と、マーカ部300との姿勢関係の認識精度を向上することができる。
【0026】
図2に示す例において、マーカ314とマーカ316とは、同一形状で異なる向きで配置されているが、これに限らない。マーカ314とマーカ316とは、異なる形状を有してもよい。これにより、マーカ314とマーカ316の識別精度を高めることができる。
【0027】
図2では、マーカ312、マーカ314、及びマーカ316が図形である場合を例示しているが、これに限られない。マーカ312、マーカ314、及びマーカ316の少なくともいずれかは文字であってもよい。この場合、マーカ312、マーカ314、及びマーカ316は同じ文字であってよく、互いに異なる文字であってもよい。特に、マーカ314とマーカ316を異なる文字とすることによって、マーカ314とマーカ316の識別精度を高めることができる。
【0028】
マーカ312、マーカ314、及びマーカ316は、同じ色を有してよく、互いに異なる色を有してもよい。特に、マーカ314とマーカ316を異なる色とすることによって、マーカ314とマーカ316の識別精度を高めることができる。
【0029】
面302、面304、及び面306は、無色であってよく、色付けされていてもよい。この場合、面302、面304、及び面306は、同じ色であってよい。例えば、面302、面304、及び面306は、エメラルドグリーンのような、明度の高い、背景との区別がつきやすい色を有してよい。面302、面304、及び面306は、互いに異なる色であってもよい。
【0030】
図2に示すように、マーカ部300は、面302、面304、面306の色とは異なる色で縁取られていてよい。マーカ部300は、例えば、黒枠で縁取られていてよい。これにより、背景とマーカ部300との区別をしやすくすることができる。また、面302、面304、面306の境界を認識しやすくすることができる。
【0031】
図3~5は、マーカ部300の一例を概略的に示す。ここでは、図2と異なる点を主に説明する。
【0032】
図3~5に示すマーカ部300は、面304及び面306が、面302に対して傾いている。図3~5に示す例では、面304及び面306が、面302に対して奥側に向かって傾いている。すなわち、例えば、マーカ部300が通信装置200に設置された場合に、面302が通信装置200の正面に位置し、面304が、面302から通信装置200の側に傾いており、面306が、面302から通信装置200の側に傾いている。
【0033】
図3は、正面側から見たマーカ部300を示しており、図4は、正面の左側から見たマーカ部300を示しており、図5は、正面の右側から見たマーカ部300を示している。このように、面304及び面306を面302に対して傾けることによって、マーカ部300を左側から見た場合と、右側から見た場合における、マーカ部300の視認性を向上することができ、マーカ部300の認識精度を向上することができる。
【0034】
また、マーカ312、マーカ314、及びマーカ316の向きや形状から、マーカ部300の角度を画像認識によって推定することが可能となる。例えば、通信装置100は、撮像部102が撮像した通信装置200のマーカ部300の撮像画像を解析し、マーカ312、マーカ314、及びマーカ316のうちの少なくとも2つの向きから、マーカ部300の角度を推定してよい。
【0035】
面302は、2面によって構成されてもよい。例えば、面302は、上側の斜面と下側の斜面とを有する、突き出した形状を有してもよい。この場合、面302の上側の斜面と、面302の下側の斜面との両方にマーカが配置されてよい。これにより、上下方向の角度のずれに対して、認識精度を高めることができる。同様に、面304も、2面によって構成されてよい。同様に、面306も、2面によって構成されてよい。
【0036】
マーカ部300は、面302の上下方向のそれぞれに更に面を備えてもよい。この場合、上下方向の面のそれぞれにマーカが配置されてよい。これにより、上下方向の角度のずれに対して、認識精度を高めることができる。
【0037】
図6は、無線通信システム10における無線通信処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、通信装置100と通信装置200とが、無線通信をしていない状態から、無線通信を開始するまでの処理内容を説明する。通信装置100及び通信装置200のそれぞれが、連続的、定期的、又は不定期に、撮像部102、撮像部202によって撮像を実行しているものとする。
【0038】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、通信装置100が、予め記憶された通信装置200の位置情報を基に、通信装置200の付近まで移動する。S104では、通信装置100が、通信装置200のマーカ部300を検知する。
【0039】
S106では、通信装置100が、S104で検知したマーカ部300を基に、通信装置100と通信装置200との相対的な位置姿勢関係を特定する。位置姿勢関係については後述する。S108では、通信装置100が、S106で特定した相対な位置姿勢関係を基に、通信装置200をトラッキングしながら、通信装置200が向いている方向に移動すべく、通信装置100の位置及び姿勢を制御する。この結果、通信装置200が、通信装置100のマーカ部300を検知する(S202)。
【0040】
S110では、通信装置100が、位置及び姿勢の制御によって、通信装置200のマーカ部300が正面を向いていることを確認する。S112では、通信装置100が、通信装置100の無線通信部110の中心軸と、通信装置200の無線通信部210の中心軸とを合わせるように、位置及び姿勢を制御する。S114では、通信装置100と通信装置200とが、指向性の無線通信を開始する。
【0041】
通信装置200が無線通信部210の通信方向を調整可能である場合、通信装置100及び通信装置200は、無線通信を開始した後に、相互に調整を実行してよい。例えば、まず、通信装置100が、撮像部102によって撮像した通信装置200のマーカ部300に基づいて、通信装置100の位置及び姿勢を制御する。通信装置100は、制御完了後、通知データを通信装置200に送信する。通知データを受信するまで、通信装置200は、無線通信部210の通信方向の調整を行わない。通知データを受信した通信装置200は、撮像部202によって撮像した通信装置100のマーカ部300に基づいて、無線通信部210の通信方向を調整する。通信装置200は、調整後、通知データを通信装置100に送信する。通知データを受信するまで、通信装置100は、無線通信部110と無線通信部210との中心軸を合わせるための位置及び姿勢の制御を行わない。このように、互いに通知データを送信しながら、交互に調整を行うことによって、一方が調整中に他方が調整してしまうことによって、ずれが生じてしまうことを防止できる。
【0042】
図7は、無線通信システム10における無線通信処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、図6と異なる点を主に説明する。図7では、通信装置200が無線通信部210の通信方向を調整可能である場合の処理の一例について説明する。
【0043】
S202では、通信装置100が、予め記憶された通信装置200の位置情報を基に、通信装置200の付近まで移動する。S204では、通信装置100が、通信装置200のマーカ部300を検知する。S206では、通信装置100が、S204で検知したマーカ部300を基に、通信装置100と通信装置200との相対的な位置姿勢関係を特定する。S208では、通信装置100が、S206で特定した相対な位置姿勢関係を基に、通信装置200をトラッキングしながら、通信装置200が向いている方向に移動すべく、通信装置100の位置及び姿勢を制御する。
【0044】
S210では、通信装置200が、通信装置100のマーカ部300を検知する。S212では、通信装置200が、S210で検知したマーカ部300を基に、通信装置100と通信装置200との相対的な位置姿勢関係を特定する。S214では、通信装置200が、S206で特定した相対な位置姿勢関係を基に、トラッキング制御により、無線通信部210の通信方向が通信装置100の方向を向くように、無線通信部210の通信方向を調整する。
【0045】
S216では、通信装置100が、位置及び姿勢の制御によって、通信装置200のマーカ部300が正面を向いていることを確認する。S218では、通信装置100が、通信装置100の無線通信部110の中心軸と、通信装置200の無線通信部210の中心軸とを合わせるように、位置及び姿勢を制御する。通信装置100及び通信装置200は、無線通信部110の中心軸と、無線通信部210の中心軸とが、通信可能なレベルにまで整合するまで、通信装置100の位置及び姿勢の制御と、無線通信部210の通信方向の調整とをそれぞれが継続してよい。S220では、通信装置100と通信装置200とが、指向性の無線通信を開始する。
【0046】
通信装置100及び通信装置200は、無線通信を開始した後に、相互に調整を継続してよい。通信装置100及び通信装置200は、相互に通知データを送信することによって、交互に調整を実行してよい。例えば、まず、通信装置100が位置及び姿勢の制御を実行し、制御完了後、通知データを通信装置200に送信する。通知データを受信するまで、通信装置200は、無線通信部210の通信方向の調整を行わない。通知データを受信した通信装置200は、無線通信部210の通信方向を調整する。通信装置200は、調整後、通知データを通信装置100に送信する。通知データを受信するまで、通信装置100は、無線通信部110と無線通信部210との中心軸を合わせるための位置及び姿勢の制御を行わない。
【0047】
通信装置100及び通信装置200が、例えば、無指向性の電波通信等の、指向性の無線通信以外の通信手段を有している場合、S220における無線通信の開始前に、当該通信手段によって相互に通知データを送信することによって、交互に調整を実行するようにしてもよい。例えば、通信装置100は、S208において通信装置100の位置及び姿勢を制御した後、通信装置200に対して通知データを送信する。通信装置200は、通信装置100のマーカ部300を検知したとしても、通信装置100から通知データを受信するまで、無線通信部210の通信方向の調整を行わない。通知データを受信した通信装置200は、無線通信部210の通信方向を調整する。通信装置200は、調整後、通知データを通信装置100に送信する。通知データを受信するまで、通信装置100は、無線通信部110と無線通信部210との中心軸を合わせるための位置及び姿勢の制御を行わない。S220において、指向性の無線通信を開始した後は、通知データの送信は、指向性の無線通信以外の通信手段を用いてもよく、指向性の無線通信を用いてもよい。例えば、通信装置100及び通信装置200は、指向性の無線通信が維持されている間は、指向性の無線通信によって通知データを送信し、指向性の無線通信が切断された場合に、指向性の無線通信以外の通信手段によって通知データを送信する。
【0048】
図8は、通信装置100の機能構成の一例を概略的に示す。通信装置100は、記憶部101、撮像部102、制御部104、姿勢関係特定部106、無線通信部110、及び学習モデル記憶部112を備える。
【0049】
記憶部101は、各種情報を記憶する。記憶部101は、例えば、通信装置100の目的地の位置情報を記憶する。記憶部101は、例えば、通信装置100の通信相手の位置情報を記憶する。記憶部101は、例えば、通信装置100の通信相手の形状と、通信相手におけるマーカ部300及び無線通信部の配置とを記憶する。記憶部101は、例えば、マーカ部300の情報を記憶する。マーカ部300の情報は、マーカ部300の形状、マーカ部300の色、マーカ312、マーカ314、及びマーカ316の形状などを含む。記憶部101は、例えば、撮像部102によって撮像された撮像画像を記憶する。
【0050】
制御部104は、通信装置100の移動や、通信装置100の通信を制御する。制御部104は、例えば、記憶部101に記憶された通信装置100の目的地又は通信相手の位置情報に向けて移動すべく、動力部120を制御する。通信装置100が無人航空機である場合、動力部120は、プロペラ等であってよい。
【0051】
姿勢関係特定部106は、撮像部102によって撮像された撮像画像に基づいて、通信装置100の通信相手を検出する。姿勢関係特定部106は、通信相手が有するマーカ部300を検出してよい。姿勢関係特定部106は、撮像画像に含まれるマーカ部300を解析することによって、通信装置100と通信相手との相対的な姿勢関係を特定する。姿勢関係特定部106は、撮像部102によって撮像されたマーカ部300の少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、通信装置100と通信相手との相対的な姿勢関係を特定する。
【0052】
通信装置100と通信相手との相対的な姿勢関係とは、撮像部102の撮像方向を基準とした、通信相手の角度を示してよく、具体的には、撮像部102の撮像方向を基準とした、通信相手のヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の角度を示してよい。姿勢関係特定部106は、記憶部101に記憶されているマーカ部300の情報を用いて、撮像画像に含まれるマーカ部300を解析することによって、マーカ部300の姿勢を、通信相手の姿勢として特定してよい。
【0053】
姿勢関係特定部106は、記憶部101に記憶された通信相手の位置情報と、撮像部102によって撮像された撮像画像とに基づいて、通信装置100と通信相手との位置姿勢関係を特定してもよい。通信装置100と通信相手との位置姿勢関係とは、通信装置100と通信相手との位置関係と、通信装置100と通信相手との姿勢関係との両方を含む。
【0054】
ここでは、通信相手が通信装置200である場合を主に例に挙げて説明する。例えば、姿勢関係特定部106は、撮像部102によって、通信装置200のマーカ部300のうち、マーカ312及びマーカ314のみが撮像されている場合、通信装置100が、通信装置200の面304側、すなわち、通信装置200の向かって左側に位置すると推定して、通信装置100と通信装置200との相対的な姿勢関係を特定する。また、例えば、姿勢関係特定部106は、撮像部102によって、通信装置200のマーカ部300のうち、マーカ312及びマーカ316のみが撮像されている場合、通信装置100が、通信装置200の面306側、すなわち、通信装置200の向かって右側に位置すると推定して、通信装置100と通信装置200との相対的な姿勢関係を特定する。
【0055】
制御部104は、姿勢関係特定部106によって特定された通信装置100と通信装置200との姿勢関係に基づいて、通信装置100の無線通信部110の中心軸と、通信装置200の無線通信部210の中心軸とを合わせるように、動力部120によって通信装置100の位置及び姿勢を制御する。制御部104は、例えば、姿勢関係特定部106によって特定された姿勢関係と、記憶部101に記憶されている通信装置200の位置情報及びマーカ部300及び無線通信部210の配置とを用いて、通信装置100の無線通信部110の中心軸と、通信装置200の無線通信部210の中心軸とを合わせるように、動力部120によって通信装置100の位置及び姿勢を制御する。
【0056】
学習モデル記憶部112は、カメラとマーカ部300との姿勢関係とカメラによって撮像されたマーカ部の撮像画像とを学習データとして生成された、入力をマーカ部300の撮像画像とし、出力をカメラとマーカ部300との姿勢関係とする学習モデルを記憶する。学習モデルの生成は、任意の他の装置によって行われてよく、従来周知の任意の学習手法によって学習されてよい。学習アルゴリズムとして、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)が用いられてよい。学習モデル記憶部112は、他の装置によって生成された学習モデルを記憶してよい。なお、通信装置100が学習モデルを生成してもよい。この場合、通信装置100は、カメラとマーカ部300との姿勢関係とカメラによって撮像されたマーカ部の撮像画像とを学習データとして収集し、収集した複数の学習データを用いた学習を実行することによって、学習モデルを生成する。
【0057】
姿勢関係特定部106は、撮像部102によって撮像されたマーカ部300の撮像画像を、学習モデル記憶部112に記憶されている学習モデルに入力することによって、通信装置100と通信装置200との相対的な姿勢関係を特定してもよい。
【0058】
図9は、通信装置200の機能構成の一例を概略的に示す。ここでは、無線通信部210の通信方向が調整可能に構成されている場合について、説明する。通信装置200は、記憶部201、撮像部202、姿勢関係特定部206、方向調整部208、無線通信部210、及び学習モデル記憶部212を備える。
【0059】
記憶部201は、各種情報を記憶する。記憶部201は、例えば、通信装置200の通信相手の形状と、通信相手におけるマーカ部300及び無線通信部の配置とを記憶する。記憶部201は、例えば、マーカ部300の情報を記憶する。記憶部201は、例えば、撮像部202によって撮像された撮像画像を記憶する。
【0060】
姿勢関係特定部206は、撮像部202によって撮像された撮像画像に基づいて、通信装置200の通信相手を検出する。姿勢関係特定部206は、通信相手が有するマーカ部300を検出してよい。姿勢関係特定部206は、撮像画像に含まれるマーカ部300を解析することによって、通信装置200と通信相手との相対的な姿勢関係を特定する。姿勢関係特定部206は、撮像部202によって撮像されたマーカ部300の少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、通信装置200と通信相手との相対的な姿勢関係を特定する。
【0061】
通信装置200と通信相手との相対的な姿勢関係とは、撮像部202の撮像方向を基準とした、通信相手の角度を示してよく、具体的には、撮像部202の撮像方向を基準とした、通信相手のヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の角度を示してよい。姿勢関係特定部206は、記憶部201に記憶されているマーカ部300の情報を用いて、撮像画像に含まれるマーカ部300を解析することによって、マーカ部300の姿勢を、通信相手の姿勢として特定してよい。
【0062】
ここでは、通信相手が通信装置100である場合を主に例に挙げて説明する。例えば、姿勢関係特定部206は、撮像部202によって、通信装置100のマーカ部300のうち、マーカ312及びマーカ314のみが撮像されている場合、通信装置200が、通信装置100の面304側、すなわち、通信装置100の向かって左側に位置すると推定して、通信装置200と通信装置100との相対的な姿勢関係を特定する。また、例えば、姿勢関係特定部206は、撮像部202によって、通信装置100のマーカ部300のうち、マーカ312及びマーカ316のみが撮像されている場合、通信装置200が、通信装置100の面306側、すなわち、通信装置100の向かって右側に位置すると推定して、通信装置200と通信装置100との相対的な姿勢関係を特定する。
【0063】
方向調整部208は、姿勢関係特定部206によって特定された通信装置100と通信装置200との姿勢関係に基づいて、無線通信部210の通信方向を調整する。方向調整部208は、例えば、無線通信部210の中心軸を、通信装置100の無線通信部110の中心軸に合わせるように、動力部220によって、無線通信部210の通信方向を調整する。動力部220は、例えば、通信装置200を搭載したジンバル、又は、無線通信部210を搭載したジンバルであってよい。
【0064】
学習モデル記憶部212は、カメラとマーカ部300との姿勢関係とカメラによって撮像されたマーカ部の撮像画像とを学習データとして生成された、入力をマーカ部300の撮像画像とし、出力をカメラとマーカ部300との姿勢関係とする学習モデルを記憶する。学習モデルの生成は、任意の他の装置によって行われてよく、従来周知の任意の学習手法によって学習されてよい。学習アルゴリズムとして、例えば、CNNが用いられてよい。学習モデル記憶部212は、他の装置によって生成された学習モデルを記憶してよい。学習モデル記憶部212が記憶する学習モデルは、学習モデル記憶部112が記憶する学習モデルと同一であってもよい。なお、通信装置200が学習モデルを生成してもよい。この場合、通信装置200は、カメラとマーカ部300との姿勢関係とカメラによって撮像されたマーカ部の撮像画像とを学習データとして収集し、収集した複数の学習データを用いた学習を実行することによって、学習モデルを生成する。
【0065】
姿勢関係特定部206は、撮像部202によって撮像されたマーカ部300の撮像画像を、学習モデル記憶部212に記憶されている学習モデルに入力することによって、通信装置200と通信装置100との相対的な姿勢関係を特定してもよい。
【0066】
図10は、学習データテーブル500の一例を概略的に示す。学習データテーブル500には、マーカ部300を含む画像の画像ファイル名と、マーカ部300の3軸回転軸であるヨー軸の角度、ピッチ軸の角度、及びロール軸の角度とが対応付けて登録されている。
【0067】
マーカ部300を含む画像は、実際にカメラによって、様々な角度からマーカ部300が撮像された画像であってよい。この場合、カメラの位置及び撮像方向を基準とした、マーカ部300のヨー軸の角度、ピッチ軸の角度、及びロール軸の角度が登録されてよい。なお、当該画像は、不特定多数のカメラによって撮像されたものであってもよい。
【0068】
マーカ部300を含む画像は、3Dモデリングによって生成された、様々な角度から仮想的にマーカ部300を撮像した疑似画像であってもよい。この場合、仮想的なカメラの位置及び撮像方向を基準とした、マーカ部300のヨー軸の角度、ピッチ軸の角度、及びロール軸の角度が登録されてよい。疑似画像を用いることによって、学習データの数を容易に増やすことができる。
【0069】
画像は、マーカ部300の画像そのものを含むのではなく、マーカ部300から特徴点のみを抽出した処理画像であってもよい。
【0070】
通信装置100、通信装置200、又は他の装置が、学習データテーブル500を参照して、複数のマーカ部300の画像と、学習データテーブル500のヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸とを学習データとして、学習モデルを生成してよい。
【0071】
なお、学習データテーブル500には、マーカ部300とカメラとの距離が更に登録されてもよい。通信装置100、通信装置200、又は他の装置が、当該距離を更に含む学習データテーブル500を参照して学習を実行することによって、マーカ部300の撮像画像を入力とし、マーカ部300と撮像元との位置関係及び姿勢関係を出力とする学習モデルを生成することが出来る。姿勢関係特定部106は、当該学習モデルを用いることによって、通信装置100と通信装置200との位置姿勢関係を特定してよい。姿勢関係特定部206は、当該学習モデルを用いることによって、通信装置100と通信装置200との位置姿勢関係を特定してよい。
【0072】
上記実施形態では、指向性の無線通信を実行する場合に、マーカ部300を用いる例を説明したが、これに限らず、マーカ部300は、指向性の無線給電を実行する場合に用いられてもよい。
【0073】
図11は、無線給電システム20の一例を概略的に示す。無線給電システム20は、マーカ部300を用いる点において、無線通信システム10と共通する部分が多くあるので、無線通信システム10と異なる点を主に説明する。
【0074】
無線給電システム20は、受電装置180及び送電装置280を備える。受電装置180及び送電装置280は、少なくとも通信装置100が移動可能であって、指向性の無線給電を実行可能であれば、それぞれどのような装置であってもよい。図11では、受電装置180が無人航空機であり、送電装置280が鉄塔800に設置された装置である場合を例示している。
【0075】
図11に示す例において、受電装置180は、撮像部102、無線受電部130、及びマーカ部300を備える。送電装置280は、撮像部202、無線送電部230、及びマーカ部300を備える。無線受電部130は、無線送電部230によって無線送電された電力を受電する。
【0076】
受電装置180は、撮像部102によって送電装置280のマーカ部300を撮像することによって、受電装置180と送電装置280との相対的な姿勢関係を特定する。受電装置180は、送電装置280のマーカ部300の少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組み合わせに基づいて、受電装置180と送電装置280との相対的な姿勢関係を特定してよい。受電装置180は、特定した姿勢関係に基づいて、受電装置180の無線受電部130の中心軸と、送電装置280の無線送電部230の中心軸とを合わせるように、位置や姿勢を調整する。
【0077】
送電装置280の無線送電部230は、送電方向が固定されていても、送電方向を調整可能であってもよい。送電装置280自体が方向を調整可能に構成されていてよい。また、送電装置280の無線送電部230が、ジンバル等によって、方向調整可能に構成されていてもよい。
【0078】
無線送電部230の送電方向が調整可能である場合、送電装置280は、撮像部202によって受電装置180のマーカ部300を撮像することによって、送電装置280と受電装置180との相対的な姿勢関係を特定する。送電装置280は、受電装置180のマーカ部300の少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組み合わせに基づいて、送電装置280と受電装置180との相対的な姿勢関係を特定してよい。送電装置280は、特定した姿勢関係に基づいて、送電装置280の無線送電部230の中心軸と、受電装置180の無線受電部130の中心軸とを合わせるように、無線送電部230の送電方向を調整する。
【0079】
図12は、受電装置180の機能構成の一例を概略的に示す。受電装置180は、記憶部101、撮像部102、制御部104、姿勢関係特定部106、無線受電部130、及び学習モデル記憶部112を備える。
【0080】
記憶部101は、各種情報を記憶する。記憶部101は、例えば、送電装置280の位置情報を記憶する。記憶部101は、例えば、送電装置280の形状と、送電装置280におけるマーカ部300及び無線送電部230の配置とを記憶する。記憶部201は、例えば、マーカ部300の情報を記憶する。記憶部101は、例えば、撮像部102によって撮像された撮像画像を記憶する。
【0081】
制御部104は、受電装置180の移動や、受電装置180の受電を制御する。制御部104は、例えば、記憶部101に記憶された送電装置280の位置情報に向けて移動すべく、動力部120を制御する。
【0082】
姿勢関係特定部106は、撮像部102によって撮像された撮像画像に基づいて、送電装置280を検出する。姿勢関係特定部106は、送電装置280が有するマーカ部300を検出してよい。姿勢関係特定部106は、撮像画像に含まれるマーカ部300を解析することによって、受電装置180と送電装置280との相対的な姿勢関係を特定する。姿勢関係特定部106は、撮像部102によって撮像されたマーカ部300の少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、受電装置180と送電装置280との相対的な姿勢関係を特定する。
【0083】
姿勢関係特定部106は、記憶部101に記憶された送電装置280の位置情報と、撮像部102によって撮像された撮像画像とに基づいて、受電装置180と送電装置280との位置姿勢関係を特定してもよい。
【0084】
例えば、姿勢関係特定部106は、撮像部102によって、送電装置280のマーカ部300のうち、マーカ312及びマーカ314のみが撮像されている場合、受電装置180が、送電装置280の面304側、すなわち、送電装置280の向かって左側に位置すると推定して、受電装置180と送電装置280との相対的な姿勢関係を特定する。また、例えば、姿勢関係特定部106は、撮像部102によって、送電装置280のマーカ部300のうち、マーカ312及びマーカ316のみが撮像されている場合、受電装置180が、送電装置280の面306側、すなわち、送電装置280の向かって右側に位置すると推定して、受電装置180と送電装置280との相対的な姿勢関係を特定する。
【0085】
制御部104は、姿勢関係特定部106によって特定された受電装置180と送電装置280との姿勢関係に基づいて、無線受電部130の中心軸と、無線送電部230の中心軸とを合わせるように、動力部120によって受電装置180の位置及び姿勢を制御する。 制御部104は、例えば、姿勢関係特定部106によって特定された姿勢関係と、記憶部101に記憶されている送電装置280の位置情報及びマーカ部300及び無線送電部230の配置とを用いて、無線受電部130の中心軸と、無線送電部230の中心軸とを合わせるように、動力部120によって受電装置180の位置及び姿勢を制御する。
【0086】
姿勢関係特定部106は、撮像部102によって撮像されたマーカ部300の撮像画像を、学習モデル記憶部112に記憶されている学習モデルに入力することによって、受電装置180と送電装置280との相対的な姿勢関係を特定してもよい。
【0087】
図13は、送電装置280の機能構成の一例を概略的に示す。ここでは、無線送電部230の送電方向が調整可能に構成されている場合について、説明する。送電装置280は、記憶部201、撮像部202、姿勢関係特定部206、方向調整部208、無線送電部230、及び学習モデル記憶部212を備える。
【0088】
記憶部201は、各種情報を記憶する。記憶部201は、例えば、受電装置180の形状と、受電装置180におけるマーカ部300及び無線受電部130の配置とを記憶する。記憶部201は、例えば、マーカ部300の情報を記憶する。記憶部201は、例えば、撮像部202によって撮像された撮像画像を記憶する。
【0089】
姿勢関係特定部206は、撮像部202によって撮像された撮像画像に基づいて、受電装置180を検出する。姿勢関係特定部206は、受電装置180が有するマーカ部300を検出してよい。姿勢関係特定部206は、撮像画像に含まれるマーカ部300を解析することによって、送電装置280と受電装置180との相対的な姿勢関係を特定する。姿勢関係特定部206は、撮像部202によって撮像されたマーカ部300の少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、送電装置280と受電装置180との相対的な姿勢関係を特定する。
【0090】
例えば、姿勢関係特定部206は、撮像部202によって、受電装置180のマーカ部300のうち、マーカ312及びマーカ314のみが撮像されている場合、送電装置280が、送電装置280の面304側、すなわち、受電装置180の向かって左側に位置すると推定して、送電装置280と送電装置280との相対的な姿勢関係を特定する。また、例えば、姿勢関係特定部206は、撮像部202によって、受電装置180のマーカ部300のうち、マーカ312及びマーカ316のみが撮像されている場合、送電装置280が、受電装置180の面306側、すなわち、受電装置180の向かって右側に位置すると推定して、送電装置280と受電装置180との相対的な姿勢関係を特定する。
【0091】
方向調整部208は、姿勢関係特定部206によって特定された送電装置280と受電装置180との姿勢関係に基づいて、無線送電部230の送電方向を調整する。方向調整部208は、例えば、無線送電部230の中心軸を、無線受電部130の中心軸に合わせるように、動力部220によって、無線送電部230の送電方向を調整する。動力部220は、例えば、送電装置280を搭載したジンバル、又は、無線送電部230を搭載したジンバルであってよい。
【0092】
姿勢関係特定部206は、撮像部202によって撮像されたマーカ部300の撮像画像を、学習モデル記憶部212に記憶されている学習モデルに入力することによって、送電装置280と無線受電部130との相対的な姿勢関係を特定してもよい。姿勢関係特定部206は、撮像部202によって撮像されたマーカ部300の撮像画像を、学習モデル記憶部212に記憶されている学習モデルに入力することによって、送電装置280と無線受電部130との相対的な位置姿勢関係を特定してもよい。
【0093】
図14は、通信装置100、通信装置200、受電装置180、又は送電装置280として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0094】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に記憶されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0095】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを記憶する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0096】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを記憶する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0097】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0098】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に記憶された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0099】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に記憶されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0100】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に記憶され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に記憶される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に記憶された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0101】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0102】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0103】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を記憶可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに記憶される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピーディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0104】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0105】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0106】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0107】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0108】
10 無線通信システム、20 無線給電システム、100 通信装置、101 記憶部、102 撮像部、104 制御部、106 姿勢関係特定部、110 無線通信部、112 学習モデル記憶部、120 動力部、130 無線受電部、200 通信装置、202 撮像部、206 姿勢関係特定部、208 方向調整部、210 無線通信部、220 動力部、230 無線送電部、300 マーカ部、302、304、306 面、312、314、316 マーカ、500 学習データテーブル、800 鉄塔、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
【要約】      (修正有)
【課題】指向性の無線通信を実行する無線通信システムを提供する。
【解決手段】指向性の無線通信を実行する無線通信システムであって、移動可能であって、撮像部及び無線通信部を有する第1装置と、少なくとも3つのマーカを含むマーカ部及び無線通信部を有する第2装置とを備え、第1装置は、撮像部によって撮像されたマーカ部の少なくとも3つのマーカのうちの少なくとも2つのマーカの組合せに基づいて、第1装置と第2装置との相対的な姿勢関係を特定する姿勢関係特定部と、姿勢関係特定部によって特定された姿勢関係に基づいて、第1装置の無線通信部の中心軸と第2装置の無線通信部の中心軸とを合わせるように、第1装置の位置及び姿勢を制御する制御部とを有する無線通信システム。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14