(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法および関連装置
(51)【国際特許分類】
H04W 28/16 20090101AFI20240227BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240227BHJP
H04W 72/1273 20230101ALI20240227BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20240227BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20240227BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20240227BHJP
【FI】
H04W28/16
H04W84/12
H04W72/1273
H04W28/04 110
H04W72/1268
H04W92/20 110
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022143955
(22)【出願日】2022-09-09
(62)【分割の表示】P 2020542749の分割
【原出願日】2018-09-25
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】201810133190.2
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】郭 宇宸
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02840857(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0197655(US,A1)
【文献】特開2013-191908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法であって、
第1のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームを生成するステップであって、前記第1の無線フレームが、第2のアクセスポイントAPによって送信される第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される指示情報を含む、ステップと、
前記第1のアクセスポイントAPが、前記第2のアクセスポイントAPに前記第1の無線フレームを送信するステップと、
前記第1のアクセスポイントAPが、前記第1のアクセスポイントAPと関連付けられた第1の局STAに第3の無線フレームを送信するステップであって、前記第2の無線フレームの
前記伝送時間は、前記第3の無線フレームの
伝送時間と重なり合う、ステップと
、
前記第1のアクセスポイントAPが、前記第1の局STAから第3の受信確認フレームを受信するステップであって、前記第3の受信確認フレームの伝送時間は、前記第2のアクセスポイントAPに関連付けられた第2の局STAから前記第2のアクセスポイントAPに送信される第2の受信確認フレームの伝送時間と重なり合う、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記指示情報が、前記第2の無線フレームの送信時刻および終了時刻を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3の無線フレームの送信時刻が前記第2の無線フレームの前記送信時刻と同じである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の無線フレームの送信時刻が前記第2の無線フレームの送信時刻の前である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記指示情報が前記第2のアクセスポイントAPの識別子情報を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の無線フレームが、
前記第2のアクセスポイントAPの送信電力情報、前記第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報、前記第1の局STAの識別子情報、前記第1の局STAの送信電力情報、および前記第1のアクセスポイントAPの送信電力情報
のうちの1つまたは複数をさらに搬送する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第3の無線フレームの伝送時間が前記第2の無線フレームの前記伝送時間と同じである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法であって、
第2のアクセスポイントAPが、第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信するステップであって、前記第1の無線フレームが、第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される指示情報を含む、ステップと、
前記第2のアクセスポイントAPが、前記第2のアクセスポイントAPと関連付けられた第2の局STAに前記第2の無線フレームを送信するステップであって、前記第2の無線フレームの
前記伝送時間は、前記第1のアクセスポイントAPによる前記第1のアクセスポイントAPに関連付けられた第1の局STAへ
の第3の無線フレームの
伝送時間と重なり合う、ステップと
、
前記第2のアクセスポイントAPが、前記第2の局STAから第2の受信確認フレームを受信するステップであって、前記第2の受信確認フレームの伝送時間は、前記第1の局STAから前記第1のアクセスポイントAPに送信される第3の受信確認フレームの伝送時間と重なり合う、ステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記指示情報が、前記第2の無線フレームの送信時刻および終了時刻を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の無線フレームの前記送信時刻が前記第3の無線フレームの送信時刻と同じである、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記第
3の無線フレーム
の送信時刻が前記第
2の無線フレームの
前記送信時刻の前である、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記指示情報が前記第2のアクセスポイントAPの識別子情報を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の無線フレームが、
前記第2のアクセスポイントAPの送信電力情報、前記第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報、前記第1の局STAの識別子情報、前記第1の局STAの送信電力情報、および前記第1のアクセスポイントAPの送信電力情報
のうちの1つまたは複数をさらに搬送する、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の無線フレームの前記伝送時間が前記第3の無線フレームの伝送時間と同じである、請求項8から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置であって、前記装置が第1のアクセスポイントAP側に適用され、前記装置が、
第1の無線フレームを生成するように構成されたプロセッサであって、前記第1の無線フレームが、第2のアクセスポイントAPによって送信される第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される指示情報を含む、プロセッサと、
前記第1の無線フレームを前記第2のアクセスポイントAPに送信するように構成された送受信機であって、
前記送受信機が、前記第1のアクセスポイントAPと関連付けられた第1の局STAに第3の無線フレームを送信し、前記第2の無線フレームの
前記伝送時間は、前記第3の無線フレームの
伝送時間と重なり合う、ようにさらに構成さ
れ、
前記送受信機が、前記第1の局STAから第3の受信確認フレームを受信し、前記第3の受信確認フレームの伝送時間は、前記第2のアクセスポイントAPに関連付けられた第2の局STAから前記第2のアクセスポイントAPに送信される第2の受信確認フレームの伝送時間と重なり合う、ようにさらに構成される、送受信機と
を含む、装置。
【請求項16】
前記指示情報が前記第2の無線フレームの送信時刻および終了時刻を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第3の無線フレームの送信時刻が前記第2の無線フレームの前記送信時刻と同じである、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記第3の無線フレームの送信時刻が前記第2の無線フレームの前記送信時刻の前である、請求項15または16に記載の装置。
【請求項19】
前記指示情報が前記第2のアクセスポイントAPの識別子情報を含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の無線フレームが、
前記第2のアクセスポイントAPの送信電力情報、前記第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報、前記第1の局STAの識別子情報、前記第1の局STAの送信電力情報、および前記第1のアクセスポイントAPの送信電力情報
のうちの1つまたは複数をさらに搬送する、請求項15から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記第3の無線フレームの伝送時間が前記第2の無線フレームの前記伝送時間と同じである、請求項15から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置であって、前記装置が第2のアクセスポイントAP側に適用され、
第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信するように構成された送受信機であって、前記第1の無線フレームが、第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される指示情報を含む、送受信機を含み、
前記送受信機が、前記第2のアクセスポイントAPと関連付けられた第2の局STAに前記第2の無線フレームを送信し、前記第2の無線フレームの
前記伝送時間は、前記第1のアクセスポイントAPによる前記第1のアクセスポイントAPと関連付けられた第1の局STAへの第3の無線フレームの
伝送時間と重なり合う、ようにさらに構成さ
れ、
前記送受信機が、前記第2の局STAから第2の受信確認フレームを受信し、前記第2の受信確認フレームの伝送時間は、前記第1の局STAから前記第1のアクセスポイントAPに送信される第3の受信確認フレームの伝送時間と重なり合う、ようにさらに構成される、
装置。
【請求項23】
前記指示情報が前記第2の無線フレームの送信時刻および終了時刻を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第2の無線フレームの前記送信時刻が前記第3の無線フレームの送信時刻と同じである、請求項
23に記載の装置。
【請求項25】
前記第
3の無線フレーム
の送信時刻が前記第
2の無線フレームの
前記送信時刻の前である、請求項
23に記載の装置。
【請求項26】
前記指示情報が前記第2のアクセスポイントAPの識別子情報を含む、請求項22から25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記第1の無線フレームが、
前記第2のアクセスポイントAPの送信電力情報、前記第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報、前記第1の局STAの識別子情報、前記第1の局STAの送信電力情報、および前記第1のアクセスポイントAPの送信電力情報
のうちの1つまたは複数をさらに搬送する、請求項22から26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記第2の無線フレームの前記伝送時間が前記第3の無線フレームの伝送時間と同じである、請求項22から27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
命令を格納するように構成されたメモリであって、
プロセッサによって実行されると、前記メモリに格納された前記命令が、前記プロセッサが請求項1から14のいずれか一項に記載の方法における対応する機能を行うことを可能にする、メモリ
を含む、装置。
【請求項30】
命令であって、コンピュータ上で実行されると、前記コンピュータが請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を行うことを可能にする、命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項31】
命令であって、コンピュータ上で実行されると、前記コンピュータが請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を行うことを可能にする、命令を含む、コンピュータプログラ
ム。
【請求項32】
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法を行うように構成された、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2018年2月8日に中国特許庁に出願された、「METHOD FOR COORDINATED MULTI-ACCESS POINT AP TRANSMISSION AND RELATED APPARATUS」という名称の中国特許出願第201810133190.2号の優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、通信分野に関し、特に、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法および関連装置に関する。
【背景技術】
【0003】
無線ネットワークの発展および無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)技術の漸進的な普及と共に、WLAN機器の密度がますます高くなっている。無線アクセスポイント(access point、AP)は簡単に配置できるので、APの密度が高くなるとセル間干渉も増加する。どのようにしてAP間の協調を通じてセル間干渉を低減し、ユーザのサービス品質を向上させるかも、次世代Wi-Fi技術で考慮される必要がある問題になる。
【0004】
先行技術では、協調ビームフォーミング(coordinated beamforming、co-BF)技術を使用することにより、セル間干渉が低減され得る。co-BF技術に基づき、実効チャネル間の比較的低い相関が維持されることができる。例えば、
図1aは、先行技術におけるco-BF技術の概略図の一例である。この図では、AP1が局(station、STA)1と関連付けられており、AP2がSTA2と関連付けられている。AP1がSTA1とデータを伝送し、AP2がSTA2とデータを伝送する前に、AP1は、AP1とSTA1との間の下りチャネルのチャネル状態情報(channel state information、CSI)を取得し、CSIに基づくジョイントビームフォーミングを行って、STA1にビームが発射されるときに、STA2への干渉を回避するように、STA2の方向が迂回されるようにする必要がある。加えて、同じことがAP2でも当てはまる。したがって、co-BFが使用されるシナリオでは、2つのAPの同時伝送が実施されることができ、2つのAPの伝送間の干渉が回避されることができ、全体のスループットが効果的に増大されることができる。
【0005】
しかしながら、CSI取得プロセスは比較的複雑であり、若干のチャネルリソースを占有する。比較的多数のユーザが存在し、チャネル変化が高速である場合、CSIフィードバックにより高いオーバーヘッドが課せられる。
【発明の概要】
【0006】
本出願の実施形態は、CSIを取得するために比較的多数のチャネルリソースが占有されるという先行技術の問題を解決するために、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法および関連装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願の実施形態の第1の態様は、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法を提供し、本方法は、第1のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームを生成するステップであって、第1の無線フレームが指示情報を含み、指示情報が第2のアクセスポイントAPによって第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される、ステップと、第1のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームを生成した後で、第2のアクセスポイントAPに第1の無線フレームを送信するステップと、第2の無線フレームの送信期間において、第1のアクセスポイントAPが、第1のアクセスポイントAPと関連付けられた第1の局STAに第3の無線フレームを送信するステップと、を含む。本出願の本実施形態では、第1のアクセスポイントAPが第2のアクセスポイントAPに第1の無線フレームを送信するので、少なくとも1つの第2のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームに基づいて第2の局STAに同じ伝送時間で第2の無線フレームを同時に送信し得る。制御情報を送信することによって複数のアクセスポイントAPが同期され、それによって、CSIを取得するために比較的多数のチャネルリソースが占有されるという先行技術の問題を解決する。
【0008】
1つの可能な実施態様では、指示情報は、第2の無線フレームの送信時刻および終了時刻を含む。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPが第2のアクセスポイントAPに第2の無線フレームの送信時刻および終了時刻を指示するので、第2のアクセスポイントAPはこの指示によって第2の無線フレームの伝送時間を決定することができる。
【0009】
1つの可能な実施態様では、第3の無線フレームの送信時刻は第2の無線フレームの送信時刻と同じである。この実施態様では、第3の無線フレームと第2の無線フレームとが同じ送信時刻に送信され、それによって、第1のアクセスポイントAPと第2のアクセスポイントAPとの間の干渉を低減する。
【0010】
1つの可能な実施態様では、第3の無線フレームの送信時刻は第2の無線フレームの送信時刻の前である。この実施態様では、第3の無線フレームの送信時刻が第2の無線フレームの送信時刻より前であってもよく、第1の局STAおよび第2の局STAについて、第2の無線フレームおよび第3の無線フレームにおける終了時刻が遅い方の無線フレームの伝送が終了した後に、第1の局STAは、第3の無線フレームに応答して受信確認フレームをさらに送信してもよく、第2の局STAは、第2の無線フレームに応答して受信確認フレームをさらに送信してもよく、それによって、あるアクセスポイントAPが送信を行う間に別のアクセスポイントAPが受信を行う事例を回避し、第1のAPと第2のAPとの間の干渉の値を低減する。
【0011】
1つの可能な実施態様では、指示情報は、第2のアクセスポイントAPの識別子情報を含む。この実施態様では、第1の無線フレームは、複数の第2のAPが、識別子情報に基づいて、第1のアクセスポイントAPとの協調伝送に参加すべきかどうかを判断するのを支援するために、第2のアクセスポイントAPの識別子情報をさらに含み得る。
【0012】
1つの可能な実施態様では、第1の無線フレームは、第2のアクセスポイントAPの送信電力情報、第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報、第1の局STAの識別子情報、第1の局STAの送信電力情報、および第1のアクセスポイントAPの送信電力情報、のうちの1つまたは複数をさらに搬送する。この実施態様では、第1の無線フレームは、マルチAPジョイントリソース管理機能を付加するために、複数の他のタイプの指示情報をさらに搬送し得る。第2のアクセスポイントAPの送信電力と第1のアクセスポイントの送信電力情報とが、第2の局STAに対する第1のアクセスポイントAPの干渉と第1の局STAに対する第2のアクセスポイントAPの干渉とを効果的に制御するように調整され得る。第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報が第2のアクセスポイントAPに指示されるので、第2のアクセスポイントAPは、第2の局STAの送信電力を制御して、第1のアクセスポイントAPに対する第2の局STAの干渉の値が、第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報を超えるのを防止する。第1の局STAの識別子情報と第1の局STAの送信電力情報とが第2のアクセスポイントAPに指示されるので、第2のアクセスポイントAPは、第2のアクセスポイントAPに対する第1の局STAの干渉の値を予測することができ、第2のアクセスポイントAPに対する第1の局STAの干渉は効果的に制御されることができる。
【0013】
1つの可能な実施態様では、第3の無線フレームの伝送時間は第2の無線フレームの伝送時間と同じである。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPが、第2の無線フレームの伝送時間を、第3の無線フレームの伝送時間と同じになるように構成するので、第2の無線フレームの終了時刻は第3の無線フレームの終了時刻と整列されることができ、それによって、第1のアクセスポイントAPと第2のアクセスポイントAPとの間の干渉を低減する。
【0014】
1つの可能な実施態様では、第1のアクセスポイントAPが、第2のアクセスポイントAPに第1の無線フレームを送信するステップの前に、本方法は、第1のアクセスポイントAPが、第2のアクセスポイントAPを決定するステップと、第1のアクセスポイントAPが、第2のアクセスポイントAPにリソーススケジューリング情報を割り振るステップであって、リソーススケジューリング情報が、第2のアクセスポイントAPによって第2の無線フレームを送信するために使用されるチャネルリソースを指示するために使用される、ステップと、をさらに含む。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPは、第2のアクセスポイントAPに、第2のアクセスポイントAPによって第2の無線フレームを送信するために使用されるチャネルリソースを割り振り、それによって、第2のアクセスポイントAPが第2の無線フレームを送信する効率を改善する。
【0015】
1つの可能な実施態様では、第1のアクセスポイントAPが、第2のアクセスポイントAPに第1の無線フレームを送信するステップの前に、本方法は、第1のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームを伝送するために、競合を通じてチャネルを首尾よく取得するステップ、または第1のアクセスポイントAPが、競合を通じてチャネルを首尾よく取得するアクセスポイントAPによって送信された要求フレームを受信するステップであって、要求フレームが、第1のアクセスポイントAPにそのチャネルを使用して第1の無線フレームを送信するよう要求するために使用される、ステップ、をさらに含む。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームを伝送するチャネルを競合し得るか、または別のAPによって競合を通じて取得されたチャネルを使用して第1の無線フレームを伝送し得ることにより、第1のアクセスポイントAPが第1の無線フレームを伝送する柔軟性を改善する。
【0016】
本出願の実施形態の第2の態様は、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法を提供し、本方法は、第2のアクセスポイントAPが、第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信するステップであって、第1の無線フレームが、第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される指示情報を含む、ステップと、第1の無線フレームを受信した後、第1のアクセスポイントAPが第1のアクセスポイントAPと関連付けられた第1の局STAに第3の無線フレームを送信する送信期間において、第2のアクセスポイントAPが、第2のアクセスポイントAPと関連付けられた第2の局STAに第2の無線フレームを送信するステップと、を含む。本出願の本実施形態では、第2のアクセスポイントAPが第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信するので、少なくとも1つの第2のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームに基づいて第2の局STAに同じ伝送時間で第2の無線フレームを同時に送信し得る。制御情報を送信することによって複数のアクセスポイントAPが同期され、それによって、CSIを取得するために比較的多数のチャネルリソースが占有されるという先行技術の問題を解決する。
【0017】
1つの可能な実施態様では、指示情報は、第2の無線フレームの送信時刻および終了時刻を含む。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームを使用して第2のアクセスポイントAPに第2の無線フレームの送信時刻および終了時刻を指示するので、第2のアクセスポイントAPはこの指示によって第2の無線フレームの伝送時間を決定することができる。
【0018】
1つの可能な実施態様では、第2の無線フレームの送信時刻は、第3の無線フレームの送信時刻と同じであり、第3の無線フレームは、第2の無線フレームの送信期間において、第1のアクセスポイントAPによって第1のアクセスポイントAPと関連付けられた第1の局STAに送信され、第3の無線フレームの伝送時間は第2の無線フレームの伝送時間と同じである。この実施態様では、第3の無線フレームと第2の無線フレームとが同じ送信時刻に送信されることを指示し、それによって、第1のアクセスポイントAPと第2のアクセスポイントAPとの間の干渉を低減する。
【0019】
1つの可能な実施態様では、第2の無線フレームの送信時刻は第3の無線フレームの送信時刻の前である。この実施態様では、第2の無線フレームの送信時刻が第3の無線フレームの送信時刻より前であってもよく、第1の局STAおよび第2の局STAについて、第2の無線フレームおよび第3の無線フレームにおける終了時刻が遅い方の無線フレームの伝送が終了した後に、第1の局STAは、第3の無線フレームに応答して受信確認フレームをさらに送信してもよく、第2の局STAは、第2の無線フレームに応答して受信確認フレームをさらに送信してもよく、それによって、あるアクセスポイントAPが送信を行う間に別のアクセスポイントAPが受信を行う事例を回避し、第1のAPと第2のAPとの間の干渉の値を低減する。
【0020】
1つの可能な実施態様では、指示情報は、第2のアクセスポイントAPの識別子情報を含む。この実施態様では、第1の無線フレームは、複数の第2のAPが、識別子情報に基づいて、第1のアクセスポイントAPとの協調伝送に参加すべきかどうかを判断するのを支援するために、第2のアクセスポイントAPの識別子情報をさらに含み得る。
【0021】
1つの可能な実施態様では、第1の無線フレームは、第2のアクセスポイントAPの送信電力情報、第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報、第1の局STAの識別子情報、第1の局STAの送信電力情報、および第1のアクセスポイントAPの送信電力情報、のうちの1つまたは複数をさらに搬送する。この実施態様では、第1の無線フレームは、マルチAPジョイントリソース管理機能を付加するために、複数の他のタイプの指示情報をさらに搬送し得る。第2のアクセスポイントAPの送信電力と第1のアクセスポイントの送信電力情報とが、第2の局STAに対する第1のアクセスポイントAPの干渉と第1の局STAに対する第2のアクセスポイントAPの干渉とを効果的に制御するように調整され得る。第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報が第2のアクセスポイントAPに指示されるので、第2のアクセスポイントAPは、第2の局STAの送信電力を制御して、第1のアクセスポイントAPに対する第2の局STAの干渉の値が、第1のアクセスポイントAPの最大許容干渉閾値に関する情報を超えるのを防止する。第1の局STAの識別子情報と第1の局STAの送信電力情報とが第2のアクセスポイントAPに指示されるので、第2のアクセスポイントAPは、第2のアクセスポイントAPに対する第1の局STAの干渉の値を予測することができ、第2のアクセスポイントAPに対する第1の局STAの干渉は効果的に制御されることができる。
【0022】
1つの可能な実施態様では、第2の無線フレームの伝送時間は第3の無線フレームの伝送時間と同じである。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPが、第2の無線フレームの伝送時間を、第3の無線フレームの伝送時間と同じになるように構成するので、第2の無線フレームの終了時刻は第3の無線フレームの終了時刻と整列されることができ、それによって、第1のアクセスポイントAPと第2のアクセスポイントAPとの間の干渉を低減する。
【0023】
1つの可能な実施態様では、第2のアクセスポイントが、第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信するステップの前に、本方法は、第2のアクセスポイントAPが競合を通じてチャネルを首尾よく取得した場合、第2のアクセスポイントAPが、第1のアクセスポイントAPに要求フレームを送信するステップであって、要求フレームが、第1のアクセスポイントAPにそのチャネルを使用して第1の無線フレームを送信するよう要求するために使用される、ステップ、をさらに含む。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPがチャネルにアクセスする方法が提供されるので、第1のアクセスポイントAPは、第2のアクセスポイントAPによって競合を通じて取得されたチャネルに基づいて第1の無線フレームを伝送することができる。
【0024】
1つの可能な実施態様では、指示情報は、リソーススケジューリング情報をさらに含み、リソーススケジューリング情報は、第2のアクセスポイントAPによって第2の無線フレームを送信するために使用されるチャネルリソースを指示するために使用される。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPが、第2のアクセスポイントAPに、第2の無線フレームを送信するために使用されるチャネルリソースを割り振り、それによって、第2のアクセスポイントAPが第2の無線フレームを送信する効率を改善する。
【0025】
本出願の実施形態の第3の態様は、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法を提供し、本方法は、第1のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームを生成するステップと、第1の無線フレームを生成した後、第1のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームを第2のアクセスポイントAPに送信するステップであって、第1の無線フレームが、第2のアクセスポイントAPをトリガして、第2のアクセスポイントAPと関連付けられた第2の局STAに第2の無線フレームを送信させるために使用され、第2のアクセスポイントAPが、第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定するように、第1の無線フレームが第1の指示情報を含む、ステップと、を含む。本出願の本実施形態では、第1のアクセスポイントAPが第2のアクセスポイントAPに第1の無線フレームを送信し、第2のアクセスポイントAPをトリガして、第2の局STAに第2の無線フレームを送信させ、第2のアクセスポイントAPが第1の無線フレーム内の第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定し得るので、複数の第2のアクセスポイントAPが同時に伝送を終了することができ、具体的には、あるAPが送信を行う間に別のAPが受信を行う事例が回避され、それによって、AP間およびSTA間の干渉を低減する。
【0026】
本出願の実施形態の第4の態様は、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法を提供し、本方法は、第2のアクセスポイントAPが、第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信するステップであって、第1の無線フレームが第1の指示情報を搬送する、ステップと、第2のアクセスポイントAPが、第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定するステップと、第2のアクセスポイントAPが、第2のアクセスポイントAPと関連付けられた第2の局STAに第2の無線フレームを送信するステップと、を含む。本出願の本実施形態では、第2のアクセスポイントAPが、第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信し、第1の無線フレーム内の第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定するので、複数の第2のアクセスポイントAPが同時に伝送を終了することができ、具体的には、あるAPが送信を行う間に別のAPが受信を行う事例が回避され、それによって、AP間およびSTA間の干渉を低減する。
【0027】
1つの可能な実施態様では、第1の指示情報は、第1の無線フレームの伝送終了時刻または第1の無線フレームの伝送時間を指示するために使用され、第1の無線フレームの伝送終了時刻は第2の無線フレームの伝送終了時刻と同じである。第2のアクセスポイントAPが、第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定するステップは、第2のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームの伝送終了時刻を第2の無線フレームの伝送終了時刻として決定するステップ、または第2のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームの伝送終了時刻を、第1の無線フレームの伝送時間と第1の無線フレームの伝送開始時刻とに基づいて決定するステップであって、第1の無線フレームの伝送終了時刻が第2の無線フレームの伝送終了時刻と等しい、ステップ、を含む。この実施態様では、第2のアクセスポイントAPによって送信される第2の無線フレームの伝送終了時刻が、第1のアクセスポイントAPによって送信される第1の無線フレームの伝送終了時刻と同じであるので、あるアクセスポイントが送信を行う間に別のアクセスポイントが受信を行う事例が回避され、これに対応して、ある局がデータを受信する間に別の局が受信確認フレームを送信する事例も回避され、それによって、アクセスポイント間の干渉および局間の干渉を回避する。
【0028】
本出願の実施形態の第5の態様は、チャネル情報予測方法を提供し、本方法は、第1の局STAが、第1のアクセスポイントAPからブロードキャストフレームを受信するステップであって、ブロードキャストフレームが第2のアクセスポイントAPの識別子情報を含み、ブロードキャストフレームが、第1の局STAをトリガして、第2のアクセスポイントAPと第1の局STAとの間のチャネルを検出させるために使用され、第1の局STAが第1のアクセスポイントAPと関連付けられている、ステップと、第1の局STAが、ターゲットAPによって送信された受信した無線フレームに基づいてターゲットチャネルのチャネル品質情報を決定するステップであって、ターゲットチャネルがターゲットAPと第1の局STAとの間のチャネルであり、ターゲットAPが第2のアクセスポイントAPに含まれる、ステップと、第1の局STAが、第1のアクセスポイントAPにフィードバックフレームを送信するステップであって、フィードバックフレームがターゲットチャネルのチャネル品質情報を含む、ステップと、を含む。本出願の本実施形態では、伝送のために第1の局STAをスケジュールするときに、第1のアクセスポイントAPは、伝送速度とパケット損失率との間のバランスを得るために、第1の局STAによってフィードバックされたターゲットチャネルのチャネル品質情報に基づいて適切なMCSを選択することができる。
【0029】
1つの可能な実施態様では、ブロードキャストフレームは順序指示情報をさらに含んでいてもよく、順序指示情報は、第2のアクセスポイントAPに、ヌルデータパケットNDPを順次にブロードキャストするよう命令するために使用される。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPが第2のアクセスポイントAPにNDPを順次に送信するよう命令し得るので、第1の局STAは、複数の第2のアクセスポイントAPによって順次に送信されたNDPに基づいてチャネル情報を測定する。第1の局STAが、異なる期間後に複数の第2のアクセスポイントAPによって送信されたビーコンフレームを受信することによってチャネル情報を測定する方法と比較して、これはより秩序だっており、効率的である。
【0030】
1つの可能な実施態様では、ターゲットAPによって送信される無線フレームはNDPであってもよく、第1の局STAがターゲットAPによって送信された無線フレームを受信するステップの後、第1の局STAが、第1のアクセスポイントAPにフィードバックフレームを送信するステップの前に、本方法は、第1の局STAが順序指示情報に基づき、ターゲットAPであるAPを決定するステップ、をさらに含む。この実施態様では、無線フレームを受信した後、第1の局STAが、順序指示情報に基づき、無線フレームを送信するAPを決定する必要があるので、第1の局STAが第1のアクセスポイントAPにフィードバックを提供するとき、第1のアクセスポイントAPはアクセスポイントを知ることができ、第1の局STAとアクセスポイントとの間のチャネルが検出される。
【0031】
1つの可能な実施態様では、第1の局STAが、第1のアクセスポイントAPにフィードバックフレームを送信するステップの前に、本方法は、第1の局STAが、第1のアクセスポイントAPによって送信されたトリガフレームを受信するステップであって、トリガフレームが、第1の局STAをトリガしてフィードバックフレームを送信させるために使用され、トリガフレームがリソーススケジューリング情報を含み、リソーススケジューリング情報が、第1の局STAによってフィードバックフレームを送信するために使用されるチャネルリソースを指示するために使用される、ステップ、または第1の局STAが、競合を通じてチャネルを首尾よく取得するステップであって、チャネルがフィードバックフレームを送信するために使用される、ステップ、をさらに含む。この実施態様では、第1の局STAがフィードバックフレームを送信する2つの方法が提供され、2つの方法は、フィードバックフレームが第1のアクセスポイントAPによって割り振られたチャネルリソースを使用して送信される方法、またはフィードバックフレームが競合を通じて取得されたチャネルを使用して送信される方法を含む。フィードバックフレームが第1のアクセスポイントAPによって割り振られたチャネルリソースを使用して送信される場合、第1のSTAがチャネルを競合する必要がない可能性もあり、それによって、第1の局STAがフィードバックフレームを送信する効率を改善する。
【0032】
本出願の実施形態の第6の態様は、チャネル情報予測方法を提供し、本方法は、第1のアクセスポイントAPが、第1のアクセスポイントAPと関連付けられた第1の局STAにブロードキャストフレームを送信するステップであって、ブロードキャストフレームが第2のアクセスポイントAPの識別子情報を搬送し、ブロードキャストフレームが、第1の局STAをトリガして、第2のアクセスポイントAPと第1の局STAとの間のチャネルを検出させるために使用される、ステップと、第1のアクセスポイントAPが、第1の局STAによって送信されたフィードバックフレームを受信するステップであって、フィードバックフレームが第1の局STAによって検出されたターゲットチャネルのチャネル品質情報を搬送し、ターゲットチャネルがターゲットAPと第1の局STAとの間のチャネルであり、ターゲットAPが第1の局STAと通信するためのAPであり、ターゲットAPが第2のアクセスポイントAPに含まれる、ステップと、を含む。本出願の本実施形態では、第1のアクセスポイントAPが、ブロードキャストフレームを使用して、第1の局STAをトリガして、第2のアクセスポイントAPと第1の局STAとの間のチャネルを検出させ、第1の局STAによってフィードバックされる、第2のアクセスポイントAPによって検出されることができるターゲットチャネルのチャネル品質情報を受信するので、第1のアクセスポイントAPは、ターゲットチャネルのチャネル品質情報に基づいて第1の局STAの信号対干渉比を予測することができ、さらに、伝送のために第1の局STAをスケジュールするときに、第1のアクセスポイントAPは、伝送速度とパケット損失率との間のバランスを得るために、適切なMCSを選択することができる。
【0033】
1つの可能な実施態様では、第1のアクセスポイントAPが、第1の局STAによって送信されたフィードバックフレームを受信するステップの後に、本方法は、第1のアクセスポイントAPが、ターゲットAPのチャネル品質情報に基づいて第1の局STAの信号対干渉比SIRを決定するステップ、をさらに含む。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPが第1の局STAのSIRを決定するので、伝送のために第1の局STAをスケジュールするときに、第1のアクセスポイントAPは、伝送データとパケット損失率との間のバランスを得るために、適切なMCSを選択することができる。
【0034】
1つの可能な実施態様では、第1のアクセスポイントAPが、第1の局STAによって送信されたフィードバックフレームを受信するステップの前に、本方法は、第1のアクセスポイントAPが、第1の局STAにトリガフレームを送信するステップであって、トリガフレームが、第1の局STAをトリガしてフィードバックフレームを送信させるために使用され、トリガフレームがリソーススケジューリング情報を搬送し、リソーススケジューリング情報が、第1の局STAによってフィードバックフレームを送信するために使用されるチャネルリソースを指示するために使用される、ステップをさらに含む。この実施態様では、第1の局STAがフィードバックフレームを送信する方法が提供され、この方法は、フィードバックフレームが、第1のアクセスポイントAPによって割り振られたチャネルリソースを使用して送信される方法を含み、それによって、第1の局STAがフィードバックフレームを送信する効率を改善する。
【0035】
1つの可能な実施態様では、ブロードキャストフレームが順序指示情報をさらに搬送し、順序指示情報が、第2のアクセスポイントAPがヌルデータパケットNDPを送信する順序を指示するために使用されるので、第1の局STAは、受信したNDPに基づいて、第2のアクセスポイントAPと第1の局STAとの間のチャネルで信号品質検出を行う。この実施態様では、第1のアクセスポイントAPが第2のアクセスポイントAPにNDPを順次に送信するよう命令し得るので、第1の局STAは、複数の第2のアクセスポイントAPによって順次に送信されたNDPに基づいてチャネル情報を測定する。第1の局STAが、異なる期間後に複数の第2のアクセスポイントAPによって送信されたビーコンフレームを受信することによってチャネル情報を測定する方法と比較して、これはより秩序だっており、効率的である。
【0036】
本出願の実施形態の第7の態様は、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置を提供する。本装置は、第1のアクセスポイントAP側に適用され、第1の無線フレームを生成するように構成されたプロセッサであって、第1の無線フレームが、第2のアクセスポイントAPによって送信される第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される指示情報を含む、プロセッサと、第2のアクセスポイントAPに第1の無線フレームを送信するように構成された送受信機であって、送受信機が、第2の無線フレームの送信期間において、第1のアクセスポイントAPと関連付けられた第1の局STAに第3の無線フレームを送信するようにさらに構成される、送受信機と、を含む。本出願の本実施形態では、送受信機が第2のアクセスポイントAPに第1の無線フレームを送信するので、少なくとも1つの第2のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームに基づいて第2の局STAに同じ伝送時間で第2の無線フレームを同時に送信し得る。制御情報を送信することによって複数のアクセスポイントAPが同期され、それによって、CSIを取得するために比較的多数のチャネルリソースが占有されるという先行技術の問題を解決する。
【0037】
本出願の実施形態の第8の態様は、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置を提供する。本装置は、第2のアクセスポイントAP側に適用され、第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信するように構成された送受信機であって、第1の無線フレームが第2の無線フレームの伝送時間についての指示情報を含み、送受信機が、第1のアクセスポイントAPが第1のアクセスポイントと関連付けられた第1の局STAに第3の無線フレームを送信する送信期間において、第2のアクセスポイントAPと関連付けられた第2の局STAに第2の無線フレームを送信する、ようにさらに構成される、送受信機、を含む。本出願の本実施形態では、送受信機は、第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信し、第1の無線フレームに基づいて第2の局STAに同じ伝送時間で第2の無線フレームを同時に送信する。制御情報を送信することによって複数のアクセスポイントAPが同期され、それによって、CSIを取得するために比較的多数のチャネルリソースが占有されるという先行技術の問題を解決する。
【0038】
本出願の実施形態の第9の態様は、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置を提供する。本装置は、第1のアクセスポイントAP側に適用され、第1の無線フレームを生成するように構成された、プロセッサと、第1の無線フレームを第2のアクセスポイントAPに送信するように構成された、送受信機とを含み、第1の無線フレームは、第2のアクセスポイントAPをトリガして、第2のアクセスポイントAPと関連付けられた第2の局STAに第2の無線フレームを送信させるために使用され、第1の無線フレームは第1の指示情報を含み、第1の指示情報は、第2のアクセスポイントAPによって第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定するために使用される。本出願の本実施形態では、送受信機が第2のアクセスポイントAPに第1の無線フレームを送信して、第2のアクセスポイントAPをトリガして、第2の局STAに第2の無線フレームを送信させるので、第2のアクセスポイントAPは、第1の無線フレーム内の第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定することができ、複数の第2のアクセスポイントAPが同時に伝送を終了することができ、具体的には、あるAPが送信を行う間に別のAPが受信を行う事例が回避され、それによって、AP間およびSTA間の干渉を低減する。
【0039】
本出願の実施形態の第10の態様は、協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置を提供する。本装置は、第2のアクセスポイントAP側に適用され、第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信するように構成された送受信機であって、第1の無線フレームが第1の指示情報を搬送する、送受信機と、第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定するように構成された、決定部と、を含み、送受信機は、第2のアクセスポイントAPと関連付けられた第2の局STAに第2の無線フレームを送信するようにさらに構成される。本出願の本実施形態では、送受信機が第1のアクセスポイントAPによって送信された第1の無線フレームを受信し、さらに、決定部が第1の無線フレーム内の第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定するので、複数の第2のアクセスポイントAPが同時に伝送を終了することができ、具体的には、あるAPが送信を行う間に別のAPが受信を行う事例が回避され、それによって、AP間およびSTA間の干渉を低減する。
【0040】
本出願の実施形態の第11の態様は、チャネル情報検出装置を提供する。本装置は、第1の局STA側に適用され、第1のアクセスポイントAPによって送信されたブロードキャストフレームを受信するように構成された送受信機であって、ブロードキャストフレームが第2のアクセスポイントAPの識別子情報を含み、ブロードキャストフレームが、第1の局STAをトリガして、第2のアクセスポイントAPと第1の局STAとの間のチャネルを検出させるために使用され、第1の局STAが第1のアクセスポイントAPと関連付けられている、送受信機と、ターゲットAPによって送信された受信無線フレームに基づいてターゲットチャネルのチャネル品質情報を決定するように構成された決定部であって、ターゲットチャネルがターゲットAPと第1の局STAとの間のチャネルであり、ターゲットAPが第2のアクセスポイントAPに含まれる、決定部と、を含み、送受信機は第1のアクセスポイントAPにフィードバックフレームを送信するようにさらに構成され、フィードバックフレームはターゲットチャネルのチャネル品質情報を含む。本出願の本実施形態では、伝送のために第1の局STAをスケジュールするときに、第1のアクセスポイントAPは、伝送速度とパケット損失率との間のバランスを得るために、第1の局STAによってフィードバックされたターゲットチャネルのチャネル品質情報に基づいて適切なMCSを選択することができる。
【0041】
本出願の実施形態の第12の態様は、チャネル情報検出装置を提供する。本装置は、第1のアクセスポイントAP側に適用され、第1のアクセスポイントAPと関連付けられた第1の局STAにブロードキャストフレームを送信し、ブロードキャストフレームが第2のアクセスポイントAPの識別子情報を搬送し、ブロードキャストフレームが、第1の局STAをトリガして、第2のアクセスポイントAPと第1の局STAとの間のチャネルを検出させるために使用され、第1の局STAによって送信されたフィードバックフレームを受信し、フィードバックフレームが第1の局STAによって検出されたターゲットチャネルのチャネル品質情報を搬送し、ターゲットチャネルがターゲットAPと第1の局STAとの間のチャネルであり、ターゲットAPが第2のアクセスポイントAPに含まれる、ように構成された、送受信機、を含む。本出願の本実施形態では、送受信機が、ブロードキャストフレームを使用して、第1の局STAをトリガして、第2のアクセスポイントAPと第1の局STAとの間のチャネルを検出させ、第1の局STAによってフィードバックされる、第2のアクセスポイントAPによって検出されることができるターゲットチャネルのチャネル品質情報を受信するので、第1のアクセスポイントAPは、ターゲットチャネルのチャネル品質情報に基づいて第1の局STAの信号対干渉比を予測することができ、さらに、伝送のために第1の局STAをスケジュールするときに、第1のアクセスポイントAPは、伝送速度とパケット損失率との間のバランスを得るために、適切なMCSを選択することができる。
【0042】
本出願の実施形態の第13の態様は通信装置を提供する。本通信装置は、前述の方法設計における第1のアクセスポイントAPの挙動または第2のアクセスポイントAPの挙動を実施する機能を有する。これらの機能は、ハードウェアによって実施され得るか、またはハードウェアが対応するソフトウェアを実行することによって実施され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは機能に対応する1つまたは複数のモジュールを含む。モジュールはソフトウェアおよび/またはハードウェアであり得る。
【0043】
1つの可能な実施態様では、本通信装置は、記憶部と、処理部と、通信部とを含む。
【0044】
記憶部は、通信装置によって必要とされるプログラムコードおよびデータを格納するように構成される。処理部は、プログラムコードを呼び出して、通信装置の動作を制御および管理するように構成される。通信部は、通信装置が別のデバイスと通信するのを支援するように構成される。
【0045】
1つの可能な実施態様では、通信装置の構造が、プロセッサと、メモリと、ベースバンド回路と、無線周波数回路と、アンテナと、バスとを含む。プロセッサと、メモリと、ベースバンド回路と、無線周波数回路と、アンテナとは、バスを使用して互いに接続される。メモリは、対応する動作命令を格納する。プロセッサは、第1のアクセスポイントAPまたは第2のアクセスポイントAPが前述の方法において対応する機能を行うのを支援するために、動作命令を実行して、無線周波数回路、ベースバンド回路、およびアンテナを制御する。
【0046】
本出願の実施形態の別の態様は、局を提供する。本局は、前述の方法実施形態における局を実施する機能を有する。これらの機能は、ハードウェアによって実施され得るか、またはハードウェアが対応するソフトウェアを実行することによって実施され得る。ハードウェアまたはソフトウェアは機能に対応する1つまたは複数のモジュールを含む。
【0047】
本出願の実施形態の別の態様は、プロセッサと、メモリと、バスと、送信機と、受信機とを含む、局を提供する。メモリは、コンピュータ実行可能命令を格納するように構成される。プロセッサは、バスを使用してメモリに接続される。局が動作すると、プロセッサがメモリに格納されたコンピュータ実行可能命令を実行して、局は、第5の態様によるチャネル情報予測方法を行う。
【0048】
本出願の実施形態の別の態様は、装置を提供する。本装置は、メモリを含む。メモリは、命令を格納するように構成される。プロセッサによって実行されると、メモリに格納された命令は、プロセッサが、前述の方法において第1のアクセスポイントAP、第2のアクセスポイントAP、または第1の局STAによって行われる対応する機能、例えば、前述の方法におけるデータおよび/または情報の送信または処理を実施することを可能にする。本装置はチップを含み得るか、またはチップと別のディスクリートコンポーネントとを含み得る。
【0049】
本出願の実施形態の別の態様は、システムを提供する。本システムは、第1の態様による第1のアクセスポイントAPと、第2の態様による第2のアクセスポイントAPとを含むか、または第3の態様による第1のアクセスポイントAPと、第4の態様による第2のアクセスポイントAPとを含むか、または第5の態様による第1の局STAと、第6の態様による第1のアクセスポイントAPとを含むか、または第7の態様による第1のアクセスポイントAPと、第8の態様による第2のアクセスポイントAPとを含むか、または第9の態様による第1のアクセスポイントAPと、第10の態様による第2のアクセスポイントAPとを含むか、または第11の態様による第1のアクセスポイントAPと、第12の態様による第2のアクセスポイントAPとを含む。
【0050】
本出願の実施形態の別の態様は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。本コンピュータ可読記憶媒体は命令を格納し、コンピュータ上で実行されると、命令は、コンピュータが前述の態様による方法を行うことを可能にする。
【0051】
本出願の実施形態の別の態様は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータ上で実行されると、命令は、コンピュータが前述の態様による方法を行うことを可能にする。
【0052】
前述の技術的解決策から、本出願の実施形態では、第1のアクセスポイントAPが第2のアクセスポイントAPに第1の無線フレームを送信するので、少なくとも1つの第2のアクセスポイントAPが、第1の無線フレームに基づいて第2の局STAに同じ伝送時間で第2の無線フレームを同時に送信し得ることが分かる。制御情報を送信することによって複数のアクセスポイントAPが同期され、具体的には、あるAPが送信を行う間に別のAPが受信を行う事例が回避され、それによって、AP間およびSTA間の干渉を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1a】先行技術におけるco-BF技術の概略図の一例である。
【
図1b】本出願の一実施形態によるシステムのアーキテクチャ図の一例である。
【
図2a】本出願の一実施形態による協調マルチアクセスポイントAP伝送のための方法のフローチャートの一例である。
【
図2b】本出願の一実施形態による第1の無線フレームのフレームフォーマットの概略図の一例である。
【
図2c】本出願の一実施形態による第1の無線フレームのフレームフォーマットの概略図の別の例である。
【
図2d】本出願の一実施形態による同期整列伝送の概略図の一例である。
【
図2e】本出願の一実施形態による同期整列伝送の概略図の別の例である。
【
図2f-1】本出願の一実施形態による伝送の概略図の一例である。
【
図2f-2】本出願の一実施形態による伝送の概略図の一例である。
【
図3a】本出願の一実施形態による協調マルチAP伝送のための方法のフローチャートの一例である。
【
図3b】本出願の一実施形態による同期整列伝送の概略図の別の例である。
【
図3c】本出願の一実施形態による同期整列伝送の概略図の別の例である。
【
図4a】本出願の一実施形態による協調マルチAP伝送のための方法のフローチャートの一例である。
【
図4b】本出願の一実施形態による下り整列伝送の概略図の一例である。
【
図4c】本出願の一実施形態による下り整列伝送の概略図の別の例である。
【
図4d】本出願の一実施形態による下り整列伝送の概略図の別の例である。
【
図5a】本出願の一実施形態による情報予測方法のフローチャートの一例である。
【
図5b】本出願の一実施形態による伝送の概略図の一例である。
【
図5c】規格で規定されたTriggerフレームのフレーム構造の図の一例である。
【
図5d】トリガフレームTrigger内の共通情報フィールドCommon info部分に含まれる情報の一例の概略図である。
【
図5e】Triggerフレーム内のユーザ情報フィールドUser Info部分に含まれ得る情報の概略図である。
【
図5f】本出願の一実施形態によるブロードキャストフレームのフレーム構造の概略図の一例である。
【
図5g】本出願の一実施形態によるフィードバックフレームのフレーム構造の概略図の一例である。
【
図5h】本出願の一実施形態によるフィードバックフレームのフレーム構造の概略図の別の例である。
【
図5i】本出願の一実施形態によるフィードバックフレームのフレーム構造の概略図の別の例である。
【
図6】本出願の一実施形態による協調マルチAP伝送のための装置の概略的構造図の一例である。
【
図7】本出願の一実施形態による協調マルチAP伝送のための装置の概略的構造図の別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本出願の実施形態は、CSIを取得するために比較的多数のチャネルリソースが占有されるという先行技術の問題を解決するために、協調マルチAP伝送のための方法および関連装置を提供する。
【0055】
以下で、本出願の実施形態における添付の図面に関連して、本出願の実施形態における技術的解決策を明確かつ十分に説明する。明らかに、説明される実施形態は本出願の実施形態の全部ではなく一部にすぎない。
【0056】
本出願の一実施形態は、協調マルチAP伝送のための方法を提供する。本方法は、無線ローカルエリアネットワークに適用され得る。
図1bは、本出願の一実施形態によるシステムのアーキテクチャ図の一例である。システムは、少なくとも2つの無線アクセスポイント、AP1およびAP2と、2つの局、STA1およびSTA2とを含む。STA1はAP1と関連付けられた局であり、STA2はAP2と関連付けられた局である。本出願の本実施形態では、第1のAP1は、APが関連付けられたSTAとの伝送を行うときに伝送の協調を実施するために、第2のAP2と制御情報を交換してもよく、それによって、CSIを取得するために比較的多数のチャネルリソースが占有されるという先行技術の問題を解決し、伝送干渉を低減する。
【0057】
WLAN通信システム内のAPの数およびSTAの数は例にすぎず、本出願の本実施形態に対する限定を構成するものではないことが理解されよう。本出願の本実施形態におけるAPは、無線通信ネットワークに配置され、局に無線通信機能を提供する装置であり、WLANのハブとして使用され得ることを当業者は理解できよう。例えば、APは、基地局、ルータ、ゲートウェイ、またはリピータであり得る。基地局は、様々な形のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継ノードなどを含み得る。これに対応して、本出願の本実施形態におけるSTAは、無線リンクを介して分散ネットワークに接続された適切な装置であり得る。例えば、STAは、ユーザ端末、ユーザ装置、アクセス装置、移動局、ユーザ機器、または別の名称であり得る。ユーザ端末には、無線通信機能を有する様々なハンドヘルドデバイス、車載機器、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチやスマートバンドなど)、コンピューティングデバイス、または無線モデムに接続された別の処理装置と、様々な形のユーザ機器(user equipment、UE)、移動局(mobile station、MS)、端末(terminal)、端末機器(terminal equipment)、ポータブル通信機器(セルラーGPRS電話など)、ハンドセット、ポータブルコンピューティングデバイス、娯楽機器、ゲーム機器もしくはシステム、全地球測位システム機器、超広帯域(ultra wideband、UWB)装置、無線装置、または無線媒体を介してネットワーク通信を行うように構成された任意の他の適切な機器とが含まれ得る。
【0058】
本出願の実施形態では、様々なシナリオについて、協調マルチAP伝送のための複数の方法があり得る。本出願の実施形態における協調マルチAP伝送は、2つ以上のAPが制御情報を交換することにより互いに協調して、無線リソースをスケジュールすることを意味する。協調マルチAP伝送のための方法は、以下の方法を含む。
方法A:下り伝送時の複数のAPの同期整列伝送の実施、
方法B:上り伝送時の複数のSTAの同期整列伝送の実施、および
方法C:下り伝送時の複数のAPの整列伝送の実施。
【0059】
本出願の実施形態における同期伝送とは、複数の送受信装置がそれぞれの無線フレームを同時に伝送し始め、複数の送受信装置のクロックが同期されることとして理解され得ることに留意されたい。例えば、複数の送受信装置は、AP01およびAP02を含み、AP01とAP02とのクロックが同期される。AP01とAP02との間の同期伝送とは、AP01が無線フレーム01を時点Aに送信し始め、AP02も無線フレーム02を時点Aに送信し始めることを意味する。
【0060】
本出願の実施形態における整列伝送とは、複数の送受信装置がそれぞれの無線フレームの伝送を同時に終了し、複数の送受信装置のクロックが同期されることとして理解され得る例えば、複数の送受信装置は、AP03およびAP04を含み、AP03とAP04とのクロックが同期される。AP03とAP04との間の整列伝送とは、AP03が無線フレーム03の送信を時点Bに終了し、AP04も無線フレーム04の送信を時点Bに終了することを意味する。
【0061】
同期整列伝送とは、複数の送受信装置が、それぞれの無線フレームを同時に送信し始め、それぞれの無線フレームの送信を同時に終了することを意味することが理解されよう。例えば、複数の送受信装置は、AP01およびAP02を含み、AP01とAP02とのクロックが同期される。AP01とAP02との間の同期伝送とは、AP01が無線フレーム01を時点Cに送信し始め、無線フレーム01の送信を時点Dに終了し、AP02も無線フレーム02を時点Cに送信し始め、無線フレーム02の送信を時点Dに終了することを意味する。
【0062】
前述の方法を、以下で具体的な実施形態を参照して説明する。
【0063】
図2aを参照すると、本出願の実施形態における方法Aを使用して協調マルチAP伝送が行われる方法実施形態が記載されている。理解を容易にするために、本実施形態は、
図1bに示されるシステムフレームワーク図を参照して簡単に説明され得る。本方法は以下を含み得る。
【0064】
AP1がAP2に制御情報を送信する。制御情報を受信した後、AP2は、特定の時間、例えば4ms後にSTA2にデータを送信する。AP2が複数のAPを含む場合、あるAP2による制御情報の受信からそのAP2によるデータの送信までの時間は、別のAP2による制御情報の受信からそのAP2によるデータの送信までの時間と同じであり、送信されたデータの伝送時間も同じであることに留意されたい。具体的には、下り伝送時に複数のAPの同期整列伝送を実施するために、複数のAPはデータを同時に送信し始め、送信されたデータの伝送時間も同じであり、したがって、データ送信も同時に終了する。AP1も複数のAP2と同期され得る。
【0065】
以下で具体的なステップに基づいて説明が提供される。
【0066】
201.第1のAPがチャネルにアクセスする。
【0067】
本実施形態では、マルチAP協調を開始するAPが第1のAPと呼ばれ、第1のAPと制御情報を交換するAPが第2のAPと呼ばれる。Wi-Fi周波数帯域がライセンス不要周波数帯域であるので、複数のAPは、無線フレームを送信するために、競合を通じてチャネルにアクセスするはずである。以下の2つの事例が説明に使用され得る。事例1では、APが第1のAPとして選択される。事例2では、任意のAPが第1のAPであり得る。
【0068】
事例1の一例では、選択されたAP、すなわち第1のAPは、競合を通じてチャネルを首尾よく取得し、そのチャネルを介して第1の無線フレームを送信し、第1の無線フレームは協調マルチAP伝送を開始するために使用され得る。別の例では、第1のAPはチャネルの競合に負け、競合を通じてチャネルを首尾よく取得するAPが第1のAPに要求フレームを送信し、要求フレームはチャネルにアクセスするよう第1のAPに要求するために使用され、チャネルを介して第1の無線フレームを送信する。
【0069】
事例2の一例では、どのAPもチャネルアクセス方法を使用してチャネルを競合することができ、競合に成功するAPが第1のAPであり、第1の無線フレームを送信することになり、それによって協調マルチAP伝送をトリガする。競合を通じてチャネルを取得するAPは、第1のAPとして第1の無線フレームを送信するために使用されることが理解されよう。
【0070】
本出願の本実施形態では、APは、複数の方法でチャネルを競合し得る。一例では、搬送波感知多重アクセス/衝突回避(carrier sense multiple access with collision avoidance、CSMA/CA)を用いたチャネルアクセス方法に基づいてチャネルが競合される。別の例では、APは、送信要求/送信許可(request to send/clear to send、RTS/CTS)チャネルアクセス機構に基づいて、またはポイント協調モード(point coordination function、PCF)に基づいてチャネルを競合し得る。これについてはここでは特に限定されない。
【0071】
202.第1のAPが第2のAPを決定する。
【0072】
セル間干渉が複数のAP間の協調により低減される必要がある場合、第1のAPは協調に参加する第2のAPを決定する。本実施形態では、第1のAPが第2のAPを決定するための複数のベースがある。一例では、第1のAPは、隣接するAPの受信信号強度表示(received signal strength indication、RSSI)を取得し、第2のAPとして、第1の値範囲内に含まれる値を有するRSSIに対応するAPを決定する。隣接するAPは、第1のAPと通信できるAPとして理解され得る。別の例では、第1のAPが第1のAPと隣接するAPの各々との間の物理的距離を決定し、隣接するAPの中から第2のAPを選択するので、第1のAPと第2のAPとの間の物理的距離の値は第2の値範囲内である。さらに別の例では、第1のAPは、第2のAPとして隣接するAP内のフィット(fit)APを決定し得る。フィットAPとは、本実施形態において無線コントローラによって管理、稼働、および制御される必要があるAPとして理解され、すなわち、フィットAPは独立して動作することができず、無線コントローラと協働して使用される必要がある。さらに別の例では、第1のAPは、第2のAPをサービス要件情報に基づいて決定し得る。したがって、第1のAPが第2のAPを決定する方法は、本明細書では特に限定されない。第2のAPは、1つまたは複数のAPであり得ることが理解されよう。
【0073】
実際の適用に際しては、このステップは任意選択のステップであることに留意されたい。具体的には、第1のAPは、すべての隣接するAPが協調に参加することを可能にし得る。
【0074】
203.第1のAPが第1の無線フレームを生成する。
【0075】
第1のAPは第1の無線フレームを生成する。第1の無線フレームは、協調マルチAP伝送を開始するために使用される。下り伝送時の複数のAPの同期整列伝送を実施するために、第1の無線フレームは、少なくとも第1の指示情報を含み、第1の指示情報は、第2のAPに第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用されることに留意されたい。
【0076】
本出願の本実施形態では、伝送時間とは、送受信装置による無線フレームの送信開始から無線フレームの送信完了までの時間として理解されてもよく、伝送時間は無線フレームのサイズに関連することに留意されたい。実際の適用に際しては、伝送時間は、代替として別の名称、例えば伝送遅延を有する場合もある。これについてはここでは特に限定されない。伝送時間は、期間によって直接指示され得るか、または無線フレームの送信時刻および終了時刻によって指示され得る。これについてはここでは限定されない。
【0077】
本実施形態では、第1のAPが第1の無線フレームを生成するので、第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、複数のAPの同期を実施するために、第1の時間後に、第2のAPと関連付けられた第2のSTAに第2の無線フレームを送信する。第1の時間は、既定の短いフレーム間間隔(short inter-frame space、SIFS)であり得るか、または第1のAPによって定義され得る。第1の時間が第1のAPによって定義される場合、第1の無線フレームは、第1の時間についての指示情報をさらに含み得る。
【0078】
任意選択で、第1のAPによって開始された協調伝送に参加する第2のAPを指示するために、第1の無線フレームは第2の指示情報をさらに含んでいてもよく、第2の指示情報は第2のAPの識別子情報を指示するために使用されるので、第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、第2の指示情報に従って、第2のAPが協調マルチAP伝送に参加する必要があるかどうかを判断する。本実施形態では、第2のAPの識別子情報について複数の事例があり得ることに留意されたい。一例では、第2のAPの識別子情報は、第2のAPの媒体アクセス制御(media access control、MAC)アドレスであり得る。別の例では、第2のAPの識別子情報は、第2のAPのMACアドレスの一部であり得る。さらに別の例では、第1のAPが第2のAPにアドレスを割り当て得るか、もしくは第2のAPがアドレスを決定し、そのアドレスを第1のAPに指示して、第1のAPがそのアドレスを第1の無線フレームに付加するか、または、第2のAPの識別子情報が、第2のAPとの結合関係を有する(STAもしくはAPであり得る)デバイスの識別子情報であるので、第1のAPによって第2のAPに送信されたフレームを受信した後、デバイスはそのフレームを、デバイスと第2のAPとの間の内部インターフェースを介して第2のAPに転送する。したがって、第2のAPの識別子情報はここでは特に限定されない。
【0079】
任意選択で、第1のAPは第2のAPに、第2のAPが第1の無線フレームを受信した後第1の時間内にチャネルを感知するようさらに命令し得る。第2のAPが第1の無線フレームを受信した後、第2のAPが第1の時間内に感知によって、第2のAPと第2のSTAとの間のチャネルがアイドル状態にあることを取得した場合、第2のAPは関連付けられた第2のSTAに第2の無線フレームを送信し得る。そうではなく、第2のAPと第2のSTAとの間のチャネルが占有状態にある場合、第2のAPは第2の無線フレームを送信しない。したがって、第1の無線フレームは第3の指示情報をさらに含んでいてもよく、第3の指示情報は、第2のAPが第2のSTAに第2の無線フレームを送信する前に第2のAPと第2のSTAとの間のチャネルを感知する必要があるかどうかを指示するために使用される。一例では、第1の無線フレームにおいて1bitのチャネル感知(channel sensing、CS)指示フィールドが設定され得る。例えば、CS指示フィールドが1に設定される場合、これは、第2のAPがチャネルを感知する必要があり、第2のAPと第2のSTAとの間のチャネルがアイドル状態であるときにのみ第2のSTAに第2の無線フレームを送信することを指示する。CS指示フィールドが0に設定される場合、これは、第2のAPがチャネルを感知する必要がなく、具体的には、第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、第2のAPと第2のSTAとの間のチャネルがアイドル状態であるかどうかにかかわらず、第1の時間後に第2のSTAに第2の無線フレームを送信することを指示する。
【0080】
任意選択で、共同リソース管理機能を実施するために、第1の無線フレームは、若干の制御情報をさらに搬送して、第2のAPが無線リソース管理を行うのを支援し得る。以下で一例が説明される。
【0081】
第1のAPによる伝送と第2のAPによる伝送とが同じチャネルで行われるので、第1のAPと関連付けられた第1のSTAに対する第2のAPの干渉を低減するために、第1の無線フレームは第4の指示情報を搬送してもよく、第4の指示情報が各第2のAPの送信電力情報を指示するために使用され、送信電力情報が最大送信電力または第1のAPによって第2のAPのために構成された送信電力であり得るので、第1のSTAに対する第2のAPの干渉の値は第3の値範囲内である。第3の値範囲は事前に定義され得る。
【0082】
任意選択で、第2のAPが、第2の無線フレームを送信する前に、第2のSTAに対する第1のAPの干渉の値を予測することを可能にするために、第1の無線フレームは第5の指示情報をさらに搬送してもよく、第5の指示情報は、第1のAPの送信電力情報を指示するために使用される。
【0083】
任意選択で、第1のAPに対する第2のSTAの干渉を低減するために、第1の無線フレームは第6の指示情報を搬送してもよく、第6の指示情報が第1のAPの最大許容干渉閾値に関する情報を指示するために使用されるので、第2のAPは、第6の指示情報に基づいて各関連付けられた第2のSTAの電力指示情報を決定する。電力指示情報は、各第2のSTAによって最大送信電力を決定するために使用され得る。加えて、電力指示情報は、第2のAPによって第2のSTAに送信される第2の無線フレームにも含まれ得る。1つの可能な実施態様では、最大許容干渉閾値に関する情報は、空間再利用パラメータ(spatial reuse parameter、SRP)の値であり得る。SRPは、第2のAPによって空間再利用伝送時に送信電力を調整するために使用され得る。したがって、第2のAPは、SRPの値に基づいて関連付けられた第2のSTAの伝送パラメータを設定し得る。これに対応して、第2のAPが、第2の無線フレームを送信する前に、第2のAPが第2のSTAによって送信された無線フレームを受信するときの第2のAPに対する第1のSTAの干渉の値を予測することを可能にするために、第1の無線フレームは、第7の指示情報および第8の指示情報を搬送してもよく、第7の指示情報は、第1のSTAの識別子情報を指示するために使用され、第8の指示情報は、第1のSTAの送信電力情報を指示するために使用される。
【0084】
任意選択で、第1の無線フレームを受信した後に第2のAPにデータ伝送を準備するのに十分な時間があるようにするために、第1の無線フレームが拡張され得るので、復号により第1の無線フレームに含まれる各指示情報を取得した後、第2のAPには、第1の無線フレームの伝送が終了した後にデータを準備するための特定の時間がある。一例では、第1の無線フレームにパディング(padding)フィールドが付加され、パディングフィールドに無用な情報がパディングされるので、第1の無線フレームは、パディングフィールドの長さを指示するための第9の指示情報を含み得る。理解を容易にするために、
図2bは、本出願の一実施形態による第1の無線フレームのフレームフォーマットの概略図の一例である。各AP情報フィールド(AP info field)は、AP IDフィールドと、AP IDフィールドの後のその他の情報(other information)フィールドとを含み得る。一例では、AP info fieldは、パディングフィールドとして使用され得る。パディングフィールド内のAP IDは、パディングフィールドの開始を指示するための特殊なAP IDフィールド、例えば、すべて1かすべて0として設定され得る。特殊なAP IDフィールドを検出すると、第2のAPは、後に続くother informationフィールドが無用な情報でパディングされていると判断し得るので、第2のAPは、パディングフィールドを受信する時間内にデータを準備することができる。
図2cは、本実施形態による第1の無線フレームのフレームフォーマットの概略図の一例である。図では、フレームチェックシーケンス(frame check sequence、FCS)に隣接したAP info fieldがパディングフィールドとして理解され得る。AP info field内のAP ID=special valueであり、AP情報フィールドでAP IDフィールドの後に続くその他の情報(Other information)フィールドは、無用な(useless)情報を有するその他の情報フィールドを含む。
【0085】
任意選択で、無線リソース管理をより適切に行うために、第1のAPは、第2のAPの伝送パラメータを決定するために、集中スケジューリングをさらに行ってもよく、具体的には、第1のAPは第2のAPにリソーススケジューリング情報を割り振り、指示する。したがって、第1の無線フレームは第10の指示情報をさらに搬送してもよく、第10の指示情報がリソーススケジューリング情報を指示するために使用されるので、第2のAPは、リソーススケジューリング情報に基づいて、第2の無線フレームを送信するために使用されるチャネルリソースを決定する。リソーススケジューリング情報は、各第2のAPのリソースブロック(resource unit、RU)割り振り情報、第2のAPによってスケジュールされた局の識別子情報(すなわち、第2のSTAの識別子情報)、各局によって使用される変調符号化方式(modulation and coding scheme、MCS)、または各局によって使用される空間ストリーム、の各情報のうちの1つまたは複数の組み合わせを含み得るがこれに限定されない。
【0086】
任意選択で、実際の適用に際しては異なる適用シナリオ、例えば、上り伝送や下り伝送があるので、本出願の本実施形態では、第1の無線フレームは第11の指示情報を含んでいてもよく、第11の指示情報は上り伝送または下り伝送を行うよう命令するために使用される。一例では、第1の無線フレームにおいて1bitの上り/下り指示フィールドが設定され得る。例えば、上り/下り指示フィールドが0に設定される場合、これは、上り伝送が行われる必要があること、具体的には、第2のAPが第2のSTAをトリガして、第2のAPに無線フレームを送信させることを指示する。上り/下り指示フィールドが1に設定される場合、これは、下り伝送が行われる必要があること、具体的には、第2のAPが第2のSTAに無線フレームを送信する必要があることを指示する。本実施形態では、第11の指示情報は、下り伝送を行うよう命令するために使用されることに留意されたい。
【0087】
任意選択で、本出願が複数の協調伝送モード、例えば、同期伝送、整列伝送、および同期整列伝送をさらに提供することを考慮して、第1のAPは、第2のAPが協調伝送に参加する前に、第2のAPに特定の伝送モードを指示し得る。第1のAPは、以下を含む指示方法を有しうる。
【0088】
第1の無線フレームは第12の指示情報を含み、第12の指示情報は、同期伝送が必要とされるかどうかを指示するために使用される。本実施形態では、第12の指示情報は、同期伝送が必要とされることを指示するために使用される。第12の指示情報が、複数のAPが同期伝送を行う必要がないこと、具体的には、第2のAPが伝送を同時に開始する必要がないことを指示する場合、第2のAPは、伝送開始時刻を独立して決定してもよく、第2のAPは、整列伝送を行う場合もあり、または整列伝送を行わない場合もあることに留意されたい。
【0089】
任意選択で、第1の無線フレームは第13の指示情報をさらに含んでいてもよく、第13の指示情報は整列伝送が必要とされるかどうかを指示するために使用される。第13の指示情報が、複数のAPが整列伝送を行う必要がないこと、具体的には、第2のAPが伝送を同時に終了する必要がないことを指示する場合、第2のAPは伝送終了時刻を独立して決定し得る。
【0090】
いくつかの特定のシナリオでは、AP間に比較的長い距離があり、STA間にも比較的長い距離がある場合、非同期伝送および非整列伝送の事例が許容され得る。本実施形態では、第2のAPに、非同期伝送および非整列伝送の事例を指示するために、第1のAPは、第1の無線フレームに第12の指示情報と第13の指示情報の両方を付加し得る。第12の指示情報は、複数のAPが同期伝送を行う必要がないことを指示するために使用され、第13の指示情報は、複数のAPが整列伝送を行う必要がないことを指示するために使用される。
【0091】
任意選択で、第1の無線フレームは第14の指示情報を含み、第14の指示情報は、協調マルチAP伝送のモードを指示するために使用される。一例では、第1の無線フレームにおいて2bitの伝送指示フィールドが設定され得る。例えば、伝送指示フィールドが01である場合、これは、同期伝送が必要であることを指示する。伝送指示フィールドが10である場合、これは、整列伝送が必要であることを指示する。伝送指示フィールドが00である場合、これは、非同期伝送および非整列伝送を指示する。伝送指示フィールドが11である場合、これは同期整列伝送を指示する。したがって、本出願では特定の指示方法が限定されない。
【0092】
任意選択で、第1のAPが非同期伝送および非整列伝送を決定する場合、第1のAPは、第2のAPが第2のSTAに第2の無線フレームを送信するときに受信確認ポリシー(ACK policy)がブロック受信確認(block ACK、BA)に設定されるよう命令し得るので、第2の無線フレームを受信した後、第2のSTAはBAフレームに即時に応答せず、第2のAPによって送信されたブロック受信確認要求(block ACK request、BAR)フレームを受信した後にBAフレームに応答し、それによって、第2のAPがデータフレームを送信する間に第2のSTAがBAフレームを送信する可能な事例によって引き起こされる干渉を低減する。例えば、第1のAPは第2のAPに、第2のSTAに第2の無線フレームを送信するよう命令し、第2の無線フレームの送信期間において、第1のAPは第1のAPと関連付けられた第1のSTAに第3の無線フレームを送信する、言い換えると、第2の無線フレームの送信時刻は第3の無線フレームの送信時刻と異なっていてもよく、第2の無線フレームの終了時刻は第3の無線フレームの終了時刻と異なっていてもよいが、第2の無線フレームの送信期間と第3の無線フレームの送信期間との共通部分があり得る。本出願の本実施形態では、送信期間は、送受信装置による無線フレームの送信の開始から無線フレームの送信の完了までの対応する時間セグメントとして理解され得る。例えば、送受信装置は、時点Aに無線フレームを送信し始め、時点Bに無線フレームの送信を終了するので、無線フレームの送信期間は時点Aから時点Bまでである。したがって、理解を容易にするために、第2の無線フレームの送信期間は[時点1,時点2]に設定され、第3の無線フレームの送信期間は[時点3,時点4]に設定され、時点3は時点1よりも早く、時点4は時点2と等しくない場合がある。したがって、第2の無線フレームの送信期間と第3の無線フレームの送信期間とに共通部分があり得る。あるAPが無線フレームを送信する間に別のアクセスポイントが受信確認フレームを受信する事例を回避するために、第1のAPは第2のAPにACK policyを設定するよう命令するので、第2のSTAは、第2の無線フレームを受信した後に受信確認フレームで即時に応答せず、代わりに、第2のSTAは、第1の無線フレームの送信と第2の無線フレームの送信の両方が終了した後に第2のAPが第2のSTAに受信確認フレーム要求を送信した後に、第2のAPに受信確認フレームを送信する。
【0093】
したがって、第1の無線フレームは、第15の指示情報をさらに搬送してもよく、第15の指示情報は、第2の無線フレームにACK policyを付加するよう命令するために使用される。
【0094】
結論として、第1の指示情報に加えて、第1の無線フレームは、複数の指示情報をさらに搬送し得る。表1に詳細が示され得る。
【0095】
【0096】
説明を容易にするために、本実施形態では、第1のAPによって第2のAPに指示される必要がある情報を指示されるべき情報と呼ぶ。指示されるべき情報は、少なくとも第1の指示情報を含み、指示されるべき情報は、これに限定されないが、表1に示される指示情報のうちの1つまたは複数の組み合わせをさらに含み得る。すべての指示されるべき情報は第1の無線フレームに含まれ得ることに留意されたい。例えば、指示されるべき情報が第1の指示情報から第4の指示情報を含む場合、第1の無線フレームは第1の指示情報から第4の指示情報を含む。一例では、指示されるべき情報内の第1の指示情報以外のすべての情報が第1の無線フレームに含まれない場合もある。例えば、指示されるべき情報が第1の指示情報から第4の指示情報を含む場合、協調伝送に参加する第2のAPを決定した後、第1のAPは第2のAPに制御フレームを送信する。制御フレームは、第2の指示情報および第3の指示情報を含む。競合を通じてチャネルを取得した後、第1のAPは、マルチAP伝送をトリガするために第2のAPに第1の無線フレームを送信する。第1の無線フレームは第1の指示情報および第4の指示情報を含む。したがって、第1のAPが第2のAPに指示されるべき情報を送信する方法はここでは限定されない。
【0097】
本実施形態では、第1のAPは、ステップ201を使用してチャネルにアクセスし、ステップ202およびステップ203を使用して第2のAPを決定し、第1の無線フレームを生成することに留意されたい。これらのステップは2つのプロセスにおける特定の順序に限定されず、ステップ201が最初に行われ得るか、またはステップ202およびステップ203が最初に行われ得るか、またはこれらのステップが同時に行われる。これについてはここでは特に限定されない。
【0098】
204.第2のAPが第1のAPによって送信された第1の無線フレームを受信する。
【0099】
チャネルにアクセスした後、第1のAPが、協調マルチAP伝送を開始するために、決定された第2のAPに生成された第1の無線フレームを送信するので、第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、第1の時間後、第2のAPと関連付けられた第2のSTAに第2の無線フレームを送信する。第2の無線フレームの伝送時間は、第1の指示情報によって指示される伝送時間である。加えて、第1の時間は、第1のAPによって定義された時間であってもよく、または事前設定時間であってもよい。
【0100】
データ伝送効率を高めビット誤り率を下げるために、実際の適用に際しては、送信端、すなわち、本実施形態の第1のAPは、第1の無線フレームに対して符号化、変調、フレームへのマッピング、逆高速フーリエ変換、サイクリックプレフィックス(cyclic prefix、CP)の追加などの操作を連続して行ってもよく、次いで第1の無線フレームを、チャネルを介して受信端、すなわち、本出願の第2のAPに送信することに留意されたい。これに対応して、第1のAPによって送信された第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、受信した第1の無線フレームに対してCP除去、高速フーリエ変換、データ抽出、チャネル推定、均衡化、復調、および復号処理を連続して行う。本出願では、既存の技術手段により符号化された第1の無線フレームに対して復号操作が行われ得る。本出願では詳細は記載されない。
【0101】
加えて、ステップ203に記載されるように、第1の無線フレームは、複数のタイプの指示情報を含んでいてもよく、第2のAPは、第1の無線フレーム内の各指示情報に従って協調マルチAP伝送に参加する。詳細は以下のとおりである。
【0102】
第2のAPは、第1の指示情報に従って、第2のSTAに送信される第2の無線フレームの伝送時間を決定する。
【0103】
任意選択で、第1の無線フレームが第2の指示情報を含む場合、第2のAPは、第2の指示情報に従って、第1のAPによって開始された協調マルチAP伝送に参加することを決定する。
【0104】
任意選択で、第1の無線フレームが第3の指示情報を含む場合、第2のAPは、第3の指示情報に従って、第2のAPが、第2の無線フレームを送信する前に第2のAPと第2のSTAとの間のチャネルを感知する必要があるかどうかを判断する。第3の指示情報が、チャネルを感知する必要があることを指示する場合、第2のAPは、感知により得られるチャネルの状況に基づいて第2の無線フレームを送信するかどうかを判断し、具体的には、チャネルが使用中の場合は第2の無線フレームを送信せず、そうでない場合は第2の無線フレームを送信する。第3の指示情報が、チャネルは感知される必要がないことを指示する場合、第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、第1の時間後に第2のSTAに第2の無線フレームを直接送信する。
【0105】
任意選択で、第1の無線フレームが第4の指示情報を含む場合、第2のAPは、第4の指示情報に従って第2のAPの送信電力情報を決定する。送信電力情報は、最大送信電力または第1のAPによって構成された送信電力であり得る。したがって、本実施形態では、第2のAPが第2の無線フレームを送信するとき、使用される送信電力は最大送信電力を超えないか、または使用される送信電力は第1のAPによって構成された送信電力である。
【0106】
任意選択で、第1の無線フレームが第5の指示情報を含む場合、第2のAPが、第5の指示情報に従って第1のAPの送信電力情報を取得するので、第2のAPは、第1のAPの送信電力情報に基づいて関連付けられた第2のSTAに対する第1のAPの干渉の値を予測する。実際の適用に際しては、予測に以下の式が使用され得る:第2のSTAに対する第1のAPの干渉の値=第1のAPの送信電力-第2のSTAに対する第1のAPからの伝搬損の値。実際の適用に際しては、別の方法が予測に使用されてもよいことが理解されよう。これについてはここでは特に限定されない。
【0107】
任意選択で、第1の無線フレームが第6の指示情報を含む場合、第2のAPは、第6の指示情報に従って第1のAPの最大許容干渉閾値に関する情報を取得し、最大干渉閾値に関する情報に基づいて各第2のSTAの電力指示情報を決定するので、各第2のSTAは、電力指示情報に従って第2のSTAの最大送信電力を決定し、具体的には、各第2のSTAの送信電力が制御されるので、第1のAPに対する第2のSTAの干渉の値は第4の値範囲内である。したがって、本実施形態では、第2のSTAが第2の無線フレームに応答してBAを送信するときに使用される送信電力は、第2のSTAの最大送信電力を超えることができない。一例では、第2のAPは、最大干渉閾値に関する情報に基づいて第1のAPに対する各第2のSTAの干渉の平均値を決定し得る。例えば、第1のAPの最大許容干渉閾値に関する情報の値は5mwであり、第2のAPは5つの第2のSTAと関連付けられるので、第2のAPは、第1のAPに対する各第2のSTAの干渉の平均値が5mw/5=1mvより大きいことはあり得ないと想定してもよく、次いで第2のAPは、第1のAPに対する各第2のSTAの干渉の平均値に基づいて第2のSTAの最大送信電力を決定することができる。本出願では、任意選択の方法で、第2のAPは、第2のSTAの最大送信電力を直接予測し、第2のSTAに最大送信電力を指示し得ることに留意されたい。別の任意選択の方法では、第2のAPは、第2のSTAに、電力指示情報、例えば、第1のAPに対する第2のSTAの干渉の最大値を指示し得るので、第2のSTAは、電力指示情報に従って第2のSTAの最大送信電力を決定する。具体的には、第2のSTAは、第2のAPによって送信された電力指示情報を使用して第2のSTAの最大送信電力を直接取得し得るか、または電力指示情報に従って第2のSTAの最大送信電力をさらに計算し得る。
【0108】
任意選択で、第1の無線フレームが第7の指示情報および第8の指示情報を含む場合、第2のAPは、第7の指示情報内の第1のSTAの識別子情報と、第8の指示情報内の第1のSTAの送信電力とに基づいて第2のAPに対する各第1のSTAの干渉の値を決定する。
【0109】
任意選択で、第1の無線フレームが第9の指示情報を含む場合、第2のAPは、第9の指示情報を使用して、無用な情報をパディングするためのパディングフィールドの長さを決定する。具体的には、第2のAPは、パディングフィールドの長さ内で、第2のSTAに送信されるべきデータを準備し得る。別の例では、第1の無線フレームは、パディングフィールドの開始を指示するための特殊なAP IDフィールドをさらに含み得る第2のAPが特殊なAP IDフィールドを検出すると、第2のAPは、パディングフィールドの時間内で、第2のSTAに送信されるべきデータを準備し得る。
【0110】
任意選択で、第1の無線フレームが第10の指示情報を含む場合、第2のAPは、第10の指示情報によって指示されるリソーススケジューリング情報を使用して、第2の無線フレームを送信するために使用されるチャネルリソースを決定する。リソーススケジューリング情報は、各第2のAPのリソースブロック(resource unit、RU)割り振り情報、第2のAPによってスケジュールされた局の識別子情報(すなわち、第2のSTAの識別子情報)、各局によって使用されるMCS、または各局によって使用される空間ストリーム、の各情報のうちの1つまたは複数の組み合わせを含み得るがこれに限定されない。
【0111】
任意選択で、第1の無線フレームが第11の指示情報を含む場合、第2のAPは、第11の指示情報を使用して、上り伝送または下り伝送を行うことを決定する。本実施形態では、第11の指示情報は、下り伝送を行うよう命令する、具体的には、第2のAPをトリガして第2のSTAに第2の無線フレームを送信させるために使用される。第2の無線フレームは、データフレームまたは制御フレームであり得る。
【0112】
任意選択で、第1の無線フレームが第12の指示情報を含む場合、第2のAPは、第12の指示情報を使用して、同期伝送が必要であるかどうかを判断する。本実施形態では、第12の指示情報は、同期伝送が行われる必要があることを指示するために使用される。具体的には、第1の無線フレームを受信した後、各第2のAPは、事前設定時間後に第2のSTAに第2の無線フレームを送信し、それによって、複数のAPの同期伝送を実施する。
【0113】
任意選択で、第1の無線フレームが第13の指示情報を含む場合、第2のAPは、第12の指示情報を使用して、整列伝送が必要であるかどうかを判断する。本実施形態では、第13の指示情報は、整列伝送が行われる必要があることを指示するために使用される。
【0114】
任意選択で、第1の無線フレームが第14の指示情報を含む場合、第2のAPは、第14の指示情報を使用して協調マルチAP伝送のためのモードを決定し得る。本実施形態では、第14の指示情報は、同期整列伝送を行うよう命令するために使用される。
【0115】
任意選択で、第13の指示情報が、整列伝送が不要であることを指示するか、または第14の指示情報が、非同期伝送および非整列伝送を指示する場合、第1の無線フレームは第15の指示情報をさらに含んでいてもよく、第2のAPが第15の指示情報を使用して第2の無線フレームにACK policyを付加するので、第2の無線フレームを受信した後、第2のSTAはBAフレームに即時に応答せず、代わりに、第2のAPによって送信されたBARフレームを受信した後にBAフレームに応答する。
【0116】
任意選択で、第1のAPによって送信された第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、第1の無線フレームに応答して第1のAPに第1の受信確認フレームをさらに送信する。複数の第2のAPがある場合、複数の対応する第1の受信確認フレームもあることに留意されたい。したがって、複数の第1の受信確認フレームの同期整列伝送を実施するために、第1の無線フレームは、第1の受信確認フレームの伝送時間をさらに含み得るので、第1の無線フレームを受信した後、複数の第2のAPは、同じ時間後に第1のAPに第1の受信確認フレームを送信する。
【0117】
205.第2のAPが第2のSTAに第2の無線フレームを送信する。
【0118】
本実施形態では、第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、第1の時間後に第2のSTAに第2の無線フレームを送信する。
【0119】
第2のAPが、第1の無線フレームに含まれる各指示情報に基づいて第2のSTAに第2の無線フレームを送信する方法については、ステップ204の説明を参照されたい。ここでは詳細は再び説明されない。
【0120】
206.第1のAPが第1のSTAに第3の無線フレームを送信する。
【0121】
第2のAPに第1の無線フレームを送信した後、第1のAPは、第2の無線フレームの送信期間において、第1のAPと関連付けられた第1のSTAに第3の無線フレームを送信する。加えて、複数のAPによる下りフレームの送信を整列させるために、第3の無線フレームの伝送時間は第2の無線フレームの伝送時間と等しい。本実施形態では、複数のAPによる下りフレームの送信を同期させるために、第1の無線フレームを送信した後、第1のAPは、第1の時間後に第1のSTAに第3の無線フレームも送信する、言い換えると、第2の無線フレームと第3の無線フレームとを同期させるために、第3の無線フレームの送信時刻は第2の無線フレームの送信時刻と同じである。
【0122】
任意選択で、第3の無線フレームはACK policyも含み得るので、第2の無線フレームを受信した後、第1のSTAは、BAとして理解され得る第3の受信確認フレームに即時に応答せず、代わりに、第1のAPによって送信されたBARフレームを受信した後に第3の受信確認フレームに応答する。
【0123】
本実施形態では、このステップは任意選択のステップであることに留意されたい。具体的には、第1のAPは、第1のSTAに第3の無線フレームを送信せず、単に複数の第2のAPをトリガして、第2のSTAに第2の無線フレームを送信させ、それによって、複数の第2のAPの同期整列伝送を実施する。
【0124】
理解を容易にするために、以下で図に基づいて2つの事例が別々に説明される。
【0125】
1.第1のAPが第1のSTAに第3の無線フレームを送信する。
【0126】
図2dは、本実施形態による同期伝送の概略図である。
図2dでは、第2のAPに第1の無線フレーム、すなわち図のSYNCフレームを送信した後、第1のAPはTms後に第1のSTAに第3の無線フレーム、すなわち図のData1を送信する。任意選択で、第1のAPは次いで、第1のSTAによって送信され、第3の無線フレームに応答するために使用される第3の受信確認フレーム、すなわち図のBA1を受信する。SYNCフレームを受信した後、第2のAPは、Tms後に第2のSTAに第2の無線フレーム、すなわち図のData2を送信し、第2のSTAによって送信され、第2の無線フレームに応答するために使用される第2の受信確認フレーム、すなわち図のBA2を受信する。Data1とData2とが同じ伝送開始時刻を有し、Data1とData2とが同じ伝送時間を有するので、Data1とData2も同じ伝送終了時刻を有し、それによって、複数のAPの同期整列伝送を実施することが理解されよう。
【0127】
2.第1のAPが第1のSTAに第3の無線フレームを送信しない。
【0128】
図2eは、本実施形態による同期伝送の別の概略図である。
図2eでは、第2のAPに第1の無線フレーム、すなわち図のSYNCフレームを送信した後、第1のAPは無線フレームを送信しない。SYNCフレームを受信した後、第2のAP(1)は、Tms後に第2のSTA(1)に第2の無線フレーム、すなわち図のData1を送信し、第2のSTA(1)によって送信された第2の受信確認フレーム、すなわち図のBA1を受信する。SYNCフレームを受信した後、第2のAP(2)もTms後に第2のSTA(2)にData2を送信し、第2のSTA(2)によって送信されたBA2を受信する。Data1とData2とが同じ伝送開始時刻を有し、Data1とData2とが同じ伝送時間を有するので、Data1とData2も同じ伝送終了時刻を有し、それによって、複数のAPの同期整列伝送を実施することが理解されよう。
【0129】
207.第2のSTAが第2のAPに第2の受信確認フレームを送信する。
【0130】
第2のAPによって送信された第2の無線フレームを受信した後、第2のSTAは、第2の無線フレームに応答して第2のAPに第2の受信確認フレームを送信する。
【0131】
任意選択で、第2の無線フレームが第2のSTAの電力指示情報を含む場合、第2のSTAは、電力指示情報に従って第2のSTAの最大送信電力を決定し、第2のSTAが第2の受信確認フレームを送信するときに使用される送信電力が最大送信電力より大きいことはあり得ない。
【0132】
任意選択で、第2の無線フレームがACK policyを含む場合、第2のSTAは、第2のAPによって送信されたBARフレームを受信した後に初めて第2のAPに第2の受信確認フレームを送信する。
【0133】
実際の適用に際しては、このステップは任意選択のステップであることに留意されたい。具体的には、第2のSTAが第2の無線フレームを受信した後に第2の受信確認フレームを送信しない場合もある。
【0134】
208.第1のSTAが第1のAPに第3の受信確認フレームを送信する。
【0135】
任意選択で、第1のAPによって送信された第3の無線フレームを受信した後、第1のSTAは第3の無線フレームに応答して第1のAPに第3の受信確認フレームを送信する。
【0136】
任意選択で、第3の無線フレームがACK policyを含む場合、第1のSTAは、第1のAPによって送信されたBARフレームを受信した後に初めて第1のAPに第3の受信確認フレームを送信する。
【0137】
本実施形態では、下り無線フレームの同期整列伝送を実施することに加えて、上り受信確認フレームの同期整列伝送をさらに実施できることに留意されたい。例えば、第2の受信確認フレームと第3の受信確認フレームとの同期整列伝送が実施される。別の例では、第1のAPが第3の無線フレームを送信しない場合、または第1のAPが第3の無線フレームを送信するが、第1のSTAが第3の受信確認フレームを送信しない場合、複数の第2の受信確認フレームの同期整列伝送が実施される。詳細は以下のとおりである。
【0138】
第1の無線フレームは、第2の受信確認フレームの伝送時間をさらに含み得るので、第2の受信確認フレームの伝送時間を取得した後、第2のAPは、第2の無線フレームを使用して第2のSTAに第2の受信確認フレームの伝送時間を指示してもよく、第2の無線フレームを受信した後、第2のSTAは、第2の時間後に第2のAPに第2の受信確認フレームを送信する。第1の時間と同様に、第2の時間も事前設定されるかまたは第1のAPによって定義され得ることに留意されたい。したがって、第2の時間は第1の時間と同じかまたは異なり得る。これについてはここでは特に限定されない。
【0139】
任意選択で、第1のAPが第3の無線フレームを送信するとき、第3の無線フレームは第3の受信確認フレームの伝送時間を含み得るので、第3の無線フレームを受信した後、第1のSTAは、第2の時間の後に第1のAPに第3の受信確認フレームを送信する。加えて、第3の受信確認フレームの伝送時間は第2の受信確認フレームの伝送時間と等しいことに留意されたい。
【0140】
結論として、本実施形態では、受信確認フレームの同期整列伝送が実施されることができ、あるSTAが受信確認フレームを送信する間に別のSTAがAPによって送信されたデータフレームまたは制御フレームを受信する事例が回避され、それによって、STAとAPとの間の干渉を低減する。
【0141】
本出願の本実施形態では、無線フレームを一度送信し、無線フレームに応答して受信確認フレームを受信することが1つの伝送と呼ばれ得ることに留意されたい。加えて、本実施形態では、第1の無線フレームは、1つの同期整列伝送のみならず、複数の同期整列伝送もトリガすることができる。
図2f-1および
図2f-2は、本実施形態による伝送の概略図の一例である。第1の無線フレームを使用して複数の同期整列伝送が実施される。各伝送によって占有される時間は時間セグメント(TS、time segment)と呼ばれ、第1の無線フレームは時間セグメントごとの指示情報を含み得る。時間セグメントごとの指示情報は、第1の指示情報と、第2の指示情報から第16の指示情報のうちの1つまたは複数の組み合わせとを含み得ることが理解されよう。一例では、各時間セグメントの指示情報は異なり得る。例えば、time segment 1内のData11の伝送時間はtime segment 2内のData21の伝送時間と異なる。あるいは、各時間セグメントの指示情報は同じであり得る。例えば、第1の無線フレームは期間指示情報を含み得るので、複数のAPが1つ1つのtime segmentごとに同じ指示情報を使用して同期整列伝送を行う。
【0142】
本出願の本実施形態では、複数のAPが、協調マルチAP並列同期下り伝送を実施するために、スケジュールされた送信手順およびシグナリングを調整し、それによって、干渉を低減し、スループットを増加させる。
【0143】
下り同期伝送は上記
図2aに記載されている。
図3aを参照すると、本出願の上り同期整列伝送を実施する方法Bを使用してマルチAP協調が行われる方法実施形態が記載されている。理解を容易にするために、本実施形態は、
図1bに示されるシステムフレームワーク図を参照して簡単に説明され得る。本方法は以下を含み得る。
【0144】
AP1がAP2に制御情報を送信する。制御情報を受信した後、AP2は時間Aの後にSTA2にトリガ情報を送信する。トリガ情報を受信した後、STA2は時間Bの後にAP2にデータを送信する。AP2が複数のAPを含む場合、複数の関連付けられたSTA2もあり得ることに留意されたい。各AP2による制御情報の受信からトリガ情報の送信までの時間が時間Aであり、AP2によって送信されたトリガ情報も同じ伝送時間を有する。したがって、各STA2もまたトリガ情報を同時に受信する。加えて、各STA2によるトリガ情報の受信からデータの送信までの時間が時間Bであり、STA2によって送信されたデータも同じ伝送時間を有する。したがって、各STA2もまたデータの送信を同時に終了する。したがって、複数のSTA2が、上り伝送時に複数のSTAの同期伝送を実施するために、同時にデータを送信し始め、データの送信を同時に終了する。STA1は、代替として、複数のAP2と同期するために、AP1からトリガ情報を受信してもよい。
【0145】
以下で具体的なステップに基づいて説明が提供される。
【0146】
301.第1のAPがチャネルにアクセスする。
【0147】
302.第1のAPが第2のAPを決定する。
【0148】
本実施形態では、ステップ301およびステップ302は、
図2aに示されるステップ201およびステップ202と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0149】
303.第1のAPが第1の無線フレームを生成する。
【0150】
本実施形態では、上りデータの同期伝送を実施するために、第1のAPが第1の無線フレームを生成するので、第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、第1の時間後に第2のSTAに第2の無線フレームを送信する。第2の無線フレームは第2のSTAをトリガして、第2の無線フレームを受信した後、第2の時間後に第2のAPに第3の無線フレームを送信させる。本実施形態では、第2の無線フレームはトリガ(trigger)フレームであり、第3の無線フレームは第2のSTAによって送信されたデータフレームであり得る。第1の時間と第2の時間とはどちらも事前設定されるか、またはどちらも第1のAPによって定義され得ることに留意されたい。第1の時間および第2の時間が第1のAPによって定義される場合、第1の無線フレームは第1の時間の指示情報および第2の時間の指示情報をさらに含み得る。したがって、第2の時間は第1の時間と同じかまたは異なり得る。これについてはここでは特に限定されない。
【0151】
複数のAPの上り同期整列伝送を調整するために、第1の無線フレームは、少なくとも第1の指示情報と第16の指示情報とを含み、第1の指示情報は第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用され、第1の指示情報は、
図2aの第1の無線フレームに含まれる第1の指示情報と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。加えて、第16の指示情報は、第2のSTAによって送信される第3の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される。第2のSTAに第3の無線フレームの伝送時間を指示するために、第2のAPによって第2のSTAに送信される第2の無線フレームは、第3の無線フレームの伝送時間も含み得ることが理解されよう。
【0152】
図2aに示されるステップ203で生成される第1の無線フレームと同様に、本実施形態では、ステップ303を使用して生成される第1の無線フレームも、これに限定されないが、表2に示される指示情報のうちの1つまたは複数の組み合わせを含み得る。
【0153】
【0154】
第2の指示情報から第8の指示情報は、
図2aの第1の無線フレームに含まれる第2の指示情報から第8の指示情報と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0155】
第11の指示情報は、第2のAPに上り伝送を行うよう命令するために使用され、具体的には、第2のSTAは、第2のAPに第3の無線フレームを送信するようトリガされる必要がある。
【0156】
第12の指示情報から第14の指示情報は、
図2aの第1の無線フレームに含まれる第12の指示情報から第14の指示情報と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0157】
第1のAPが非同期伝送および非整列伝送を決定する場合、第15の指示情報がACK policyを指示するために使用され、具体的には、第2のAPは、第3の無線フレームを受信した後に受信確認フレームに即時に応答せず、第2のSTAによって送信されたBARフレームを受信した後に受信確認フレームに応答する。
【0158】
本実施形態では、第1のAPは、ステップ301を使用してチャネルにアクセスし、ステップ302およびステップ303を使用して第2のAPを決定し、第1の無線フレームを生成することに留意されたい。これらのステップは2つのプロセスにおける特定の順序に限定されず、ステップ301が最初に行われ得るか、またはステップ302およびステップ303が最初に行われ得るか、またはこれらのステップが同時に行われる。これについてはここでは特に限定されない。
【0159】
304.第2のAPが第1のAPによって送信された第1の無線フレームを受信する。
【0160】
本実施形態では、ステップ304は
図2aに示される実施形態のステップ204と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0161】
305.第2のAPが第2のSTAに第2の無線フレームを送信する。
【0162】
本実施形態では、ステップ305は
図2aに示される実施形態のステップ205と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0163】
本実施形態では、第2の無線フレームは、第2のSTAをトリガして第2のAPに第3の無線フレームを送信させるために使用され、第2の無線フレームは、第3の無線フレームの伝送時間を含み得ることに留意されたい。
図2aに示される実施形態では、第2のSTAは、第2のAPによって第2のSTAに送信されたデータフレームであり得る。
【0164】
306.第2のSTAが第2のAPに第3の無線フレームを送信する。
【0165】
第2のAPによって送信された第2の無線フレームを受信した後、第2のSTAは、第2の時間後に第2のAPに第3の無線フレームを送信する。第2の時間はSIFSであり得る。
【0166】
任意選択で、第2の無線フレームが第2のSTAの電力指示情報を含む場合、第2のSTAは、電力指示情報に従って第2のSTAの最大送信電力を決定し、第2のSTAが第3の無線フレームを送信するときに使用される電力が、最大送信電力より大きいことはあり得ない。
【0167】
307.第2のAPが第2のSTAに第3の受信確認フレームを送信する。
【0168】
第2のSTAによって送信された第3の無線フレームを受信した後、第2のAPは、第3の無線フレームに応答して第2のSTAに第3の受信確認フレームを送信する。
【0169】
任意選択で、第1の無線フレームがACK policyを含む場合、第2のAPは、第2のSTAによって送信されたBARフレームを受信した後に初めて第2のSTAに第3の受信確認フレームを送信する。
【0170】
任意選択で、第1の無線フレームが第2のAPの送信電力情報を指示するための第5の指示情報を含む場合、送信電力情報は、最大送信電力または第1のAPによって構成された送信電力であってもよく、第2のAPが第3の受信確認フレームを送信するとき、使用される電力は第2のAPの最大送信電力を超えることができないか、または使用される電力は第1のAPによって構成された送信電力である。
【0171】
このステップは任意選択のステップであることに留意すべきである。具体的には、実際の適用に際しては、第2のSTAによって送信された第3の無線フレームを受信した後、第2のAPが第3の無線フレームに応答して第2のSTAに第3の受信確認フレームを送信しない場合がある。
【0172】
308.第1のAPが第1のSTAに第4の無線フレームを送信する。
【0173】
第2のAPに第1の無線フレームを送信した後、第1のAPは、第2の無線フレームの送信期間において、第1のAPと関連付けられた第1のSTAに第4の無線フレームを送信する。第4の無線フレームは、第1のSTAをトリガして、第4の無線フレームを受信した後、第2の時間後に第1のAPに第5の無線フレームを送信させるために使用され、第4の無線フレームは、第5の無線フレームの伝送時間を含む必要がある。加えて、複数のSTAによる上りフレームの送信を整列させるために、第4の無線フレームの伝送時間は第2の無線フレームの伝送時間と等しく、第5の無線フレームの伝送時間は第3の無線フレームの伝送時間と等しい。
【0174】
本実施形態では、第4の無線フレームと第2の無線フレームとを同期させるために、第1のAPは、第2の無線フレームの送信期間において第1のSTAに第4の無線フレームを送信し、具体的には、第1の無線フレームを送信した後、第1のAPは第1の時間後に第1のSTAに第4の無線フレームも送信するので、第4の無線フレームの送信時刻は第2の無線フレームの送信時刻と同じであることに留意されたい。
【0175】
このステップは
図2aに示されるステップ206と同様であることに留意されたい。ここでは詳細は再び説明されない。
【0176】
理解を容易にするために、以下で図に基づいて2つの事例が別々に説明される。
【0177】
1.第1のAPが第1のSTAに第4の無線フレームを送信する。
【0178】
図3bは、本実施形態による同期整列伝送の別の概略図である。
図3bでは、第2のAPに第1の無線フレーム、すなわち図のSYNCフレームを送信した後、第1のAPは、Tms後に第1のSTAに第4の無線フレーム、すなわち図のTrigger1を送信し、Pms後に第1のSTAによって送信される第5の無線フレーム、すなわち図のData1を受信する。SYNCフレームを受信した後、第2のAPは、Tms後に第2のSTAに第2の無線フレーム、すなわち図のTrigger2を送信し、Pms後に第2のSTAによって送信された第3の無線フレーム、すなわち図のData2を受信する。Data1とData2とが同じ伝送開始時刻を有し、Data1とData2とが同じ伝送時間を有するので、Data1とData2も同じ伝送終了時刻を有し、それによって、上りデータの同期伝送を実施することが理解されよう。
【0179】
2.第1のAPが第1のSTAに第4の無線フレームを送信しない。
【0180】
図3cは、本実施形態による同期整列伝送の概略図の別の例である。
図3cでは、第2のAPに第1の無線フレーム、すなわち図のSYNCフレームを送信した後、第1のAPは無線フレームを送信しない。SYNCフレームを受信した後、第2のAP(1)は、Tms後に第2のSTA(1)に第2の無線フレーム、すなわち図のTrigger1を送信し、Pms後に第2のSTA(1)によって送信された第3の無線フレーム、すなわち図のData1を受信する。SYNCフレームを受信した後、第2のAP(2)もTms後に第2のSTA(2)にTrigger2を送信し、Pms後に第2のSTA(2)によって送信されたData1を受信する。Data1とData2とが同じ伝送開始時刻を有し、Data1とData2とが同じ伝送時間を有するので、Data1とData2も同じ伝送終了時刻を有し、それによって、上りデータの同期整列伝送を実施することが理解されよう。
【0181】
309.第1のSTAが第1のAPに第5の無線フレームを送信する。
【0182】
任意選択で、第1のAPによって送信された第4の無線フレームを受信した後、第1のSTAは、第2の時間後に第2のAPに第5の無線フレームを送信する。
【0183】
310.第1のAPが第1のSTAに第5の受信確認フレームを送信する。
【0184】
任意選択で、第1のSTAによって送信された第5の無線フレームを受信した後、第1のAPは第5の無線フレームに応答して第1のSTAに第5の受信確認フレームを送信し得る。
【0185】
任意選択で、第1のAPがACK policyを設定し得るので、第1のAPは、第1のSTAによって送信されたBARフレームを受信した後に初めて第1のSTAに第5の受信確認フレームを送信する。
【0186】
本実施形態では、上り無線フレームの同期整列伝送を実施することに加えて、下り受信確認フレームの同期整列伝送がさらに実施されることができ、具体的には、第3の受信確認フレームと第5の受信確認フレームとの同期整列伝送または複数の第3の受信確認フレームの同期整列伝送が実施されることに留意されたい。詳細は以下のとおりである。
【0187】
第1の無線フレームは第15の指示情報をさらに含んでいてもよく、第15の指示情報は、第3の受信確認フレームの伝送時間を指示するために使用されるので、第3の無線フレームを受信した後、第2のAPは第3の時間後に第2のSTAに第3の受信確認フレームを送信する。第3の時間は事前設定時間であり得るか、または第1のAPによって定義され得ることに留意されたい。第3の時間が第1のAPによって定義される場合、第1の無線フレームは、第3の時間についての指示情報をさらに含み得る。
【0188】
任意選択で、第5の無線フレームを受信した後、第1のAPは、第3の時間後に第1のSTAに第5の受信確認フレームも送信する。加えて、第5の受信確認フレームの伝送時間は第3の受信確認フレームの伝送時間と等しいことに留意されたい。
【0189】
結論として、本実施形態では、第1のAPおよび第2のAPの受信確認フレームの同期整列伝送を実施することができ、あるAPが受信確認フレームを送信する間に別のAPがSTAによって送信されたデータフレームを受信する事例が回避され、それによって、APとSTAとの干渉を低減する。
【0190】
図2aに示される実施形態における第1の無線フレームと同様に、本実施形態の第1の無線フレームも、複数の同期伝送をトリガしてもよく、トリガ方法は、
図2aに示される実施形態における第1の無線フレームのトリガ方法と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0191】
本出願の本実施形態では、複数のAPが、上りデータの同期伝送を実施するために、スケジュールされた送信手順およびシグナリングを調整し、それによって、干渉を低減し、スループットを増加する。
【0192】
上記の
図2aおよび
図3aでは同期整列伝送が説明された。
図4aを参照すると、本出願の下り整列伝送を実施する方法Cを使用してマルチAP協調が行われる方法実施形態が記載されている。理解を容易にするために、本実施形態は、
図1bに示されるシステムフレームワーク図を参照して簡単に説明され得る。この方法は以下を含む。
【0193】
AP1がAP2に制御情報を送信する。制御情報を受信した後、AP2はSTA2にデータを送信し、時点Cにデータの送信を終了する。AP2が複数のAPを含む場合、AP2が関連付けられたSTA2へのデータ送信を終了する時点はすべて時点Cであることに留意されたい。具体的には、複数のAPが、下り伝送時に複数のAPの整列伝送を実施するために、データ送信を同時に終了し得る。AP1もAP2と整列され得る。
【0194】
以下で具体的なステップに基づいて説明が提供される。
【0195】
401.第1のAPがチャネルにアクセスする。
【0196】
402.第1のAPが第2のAPを決定する。
【0197】
本実施形態では、ステップ401およびステップ402は、
図2aに示されるステップ201およびステップ202と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0198】
403.第1のAPが第1の無線フレームを生成する。
【0199】
第1のAPは第1の無線フレームを生成する。第1の無線フレームは、協調マルチAPスケジューリングを実施するために、第2のAPをトリガして、第2のAPと関連付けられた第2のSTAに第2の無線フレームを送信させるために使用される。下り伝送時に複数のAPを整列させるために、第1の無線フレームは、少なくとも第1の指示情報を含み、第1の指示情報は、第2のAPによって第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定するために使用されることに留意されたい。
【0200】
第1のAPによって送信される無線フレームが異なる場合、第1の無線フレームは異なる第1の指示情報も含み得ることに留意されたい。以下で別々に説明が提供される。
【0201】
シナリオ1:第1のAPが第2のAPおよび第1のSTAに第1の無線フレームを送信する。
【0202】
理解を容易にするために、
図4bは、本実施形態によるシナリオ1に基づく下り整列伝送の概略図の一例である。図では、第1のAPは、第1のSTAに第1の無線フレーム、すなわち図のData1を送信する。Data1は第1の指示情報を搬送し、第1の指示情報は、Data1の伝送時間またはData1の伝送終了時刻を指示するために使用され得る。したがって、第2のAPがData1の伝送終了時刻を決定するために、Data1から第1の指示情報を取得し、第2のSTAに第2の無線フレーム、すなわち図のData2を送信するので、下りデータ伝送を整列させるように、Data2の伝送終了時刻はData1の伝送終了時刻と同じである。任意選択で、第1のAPによって送信されたData1を受信した後、第1のSTAは第1のAPにBAフレーム1を送信する。第2のAPによって送信されたData2を受信した後、第2のSTAは第1のAPにBAフレーム2を送信する。
【0203】
したがって、このシナリオでは、第1の指示情報が第1の無線フレームの伝送時間または第1の無線フレームの伝送終了時刻を指示するために使用されるので、第2のAPは、第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定し、第2の無線フレームの伝送終了時刻は第1の無線フレームの伝送終了時刻と同じである。
【0204】
シナリオ2:第1のAPが第2のAPに第1の無線フレームを送信し、次いで関連付けられた第1のSTAに第3の無線フレームを送信する。
【0205】
理解を容易にするために、
図4cは、本実施形態によるシナリオ2に基づく下り整列伝送の概略図の一例である。図では、第1のAPは、第2のAPに第1の無線フレーム、すなわち図のSYNCフレームを送信し、第1のSTAに第3の無線フレーム、すなわち図のData1を送信する。SYNCフレームは第1の指示情報を搬送し、第1の指示情報は、Data1の伝送時間またはData1の伝送終了時刻を指示するために使用され得る。したがって、第2のAPが、第1の指示情報に従ってData1の伝送終了時刻を決定し、第2のSTAに第2の無線フレーム、すなわち図のData2を送信するので、下りデータ伝送を整列させるように、Data2の伝送終了時刻はData1の伝送終了時刻と同じである。任意選択で、第1のAPによって送信されたData1を受信した後、第1のSTAは第1のAPにBAフレーム1を送信する。第2のAPによって送信されたData2を受信した後、第2のSTAは第1のAPにBAフレーム2を送信する。
【0206】
したがって、このシナリオでは、第1の指示情報が第3の無線フレームの伝送時間または第3の無線フレームの伝送終了時刻を指示するために使用されるので、第2のAPは、第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定し、第2の無線フレームの伝送終了時刻は第3の無線フレームの伝送終了時刻と同じである。
【0207】
シナリオ3:第1のAPが第2のAPに第1の無線フレームを送信する。
【0208】
理解を容易にするために、
図4dは、本実施形態によるシナリオ3に基づく下り整列伝送の概略図の一例である。図では、第1のAPは、複数の第2のAPをトリガして、第2の無線フレーム、すなわち図のデータを送信させるために、例えば、第2のAP(1)をトリガしてData1を送信させ、第2のAP(2)をトリガしてData2を送信させるために、第2のAPに第1の無線フレーム、すなわち図のSYNCフレームを送信する。第1の無線フレームは第1の指示情報を搬送し、第1の指示情報は、各第2のAPによって送信されたデータの伝送終了時刻を指示するために使用され得る。下りデータ伝送を整列させるために、第2のAPによって送信されるデータは同じ伝送終了時刻を有することに留意されたい。任意選択で、第2のAP(1)によって送信されたData1を受信した後、第2のSTA(1)は第2のAP(1)にBAフレーム1を送信する。第2のAP(2)によって送信されたData2を受信した後、第2のSTA(2)は第2のAP(2)にBAフレーム2を送信する。
【0209】
したがって、このシナリオでは、第1の指示情報が第2の無線フレームの伝送終了時刻を指示するために使用されるので、複数の第2のAPが第1の指示情報に従って各第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定し、各第2の無線フレームは同じ伝送終了時刻を有する。
【0210】
図2aに示されるステップ203で生成される第1の無線フレームと同様に、本実施形態では、ステップ403を使用して生成される第1の無線フレームも、これに限定されないが、表3に示される指示情報のうちの1つまたは複数の組み合わせを含み得る。
【0211】
【0212】
第2の指示情報から第11の指示情報および第15の指示情報は、
図2aの第1の無線フレームに含まれる第2の指示情報から第11の指示情報および第15の指示情報と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0213】
第12の指示情報は、第2のAPが同期伝送を行う必要がないこと、具体的には、同じ伝送終了時刻が保証されることができるという条件で、複数のAPが独立して伝送開始時刻を決定し得ることを指示するために使用される。
【0214】
第13の指示情報は、整列伝送が必要であること、具体的には、複数のAPが同じ伝送終了時刻を有する必要があることを指示するために使用される。
【0215】
第14の指示情報は、同期伝送が不要であり、同期および整列が必要であることを指示するために使用される。
【0216】
本実施形態では、第1のAPは、ステップ401を使用してチャネルにアクセスし、ステップ402およびステップ403を使用して第2のAPを決定し、第1の無線フレームを生成することに留意されたい。これらのステップは2つのプロセスにおける特定の順序に限定されず、ステップ401が最初に行われ得るか、またはステップ402およびステップ403が最初に行われ得るか、またはこれらのステップが同時に行われる。これについてはここでは特に限定されない。
【0217】
404.第2のAPが第1のAPによって送信された第1の無線フレームを受信する。
【0218】
本実施形態のステップ403に記載されるシナリオ1では、第1の無線フレーム内の第1の指示情報は、第1の無線フレームの伝送時間または第1の無線フレームの伝送終了時刻を指示するために使用される。第1の指示情報が第1の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される場合、第2のAPは、第1の無線フレームの伝送開始時刻と第1の無線フレームの伝送時間とに基づいて第1の無線フレームの伝送終了時刻を決定し、第1の無線フレームの伝送終了時刻を、第2のSTAに送信される第2の無線フレームの伝送終了時刻として決定する。第1の指示情報が第1の無線フレームの伝送終了時刻を指示するために使用される場合、第2のAPは、第1の無線フレームの伝送終了時刻を、第2のSTAに送信される第2の無線フレームの伝送終了時刻として直接使用する。
【0219】
第2のAPが第1の無線フレーム内の指示情報を迅速に検出するのを支援するために、指示情報は、第1の無線フレームが位置する物理層プロトコルデータユニット内の物理層プリアンブルで搬送され得ることに留意されたい。
【0220】
本実施形態のステップ403に記載されるシナリオ2では、第1の指示情報が第3の無線フレームの伝送時間または第3の無線フレームの伝送終了時刻を指示するために使用される。第2のAPが第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定する方法は、シナリオ1の第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定する方法と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0221】
本実施形態のステップ403に記載されるシナリオ3では、第1の指示情報が第2の無線フレームの伝送終了時刻を指示するために使用され、第2のAPが、第1の指示情報に従って第2の無線フレームの伝送終了時刻を直接取得する。
【0222】
任意選択で、第1の無線フレームが、これに限定されないが、表3の第2の指示情報から第15の指示情報のうちの1つまたは複数の組み合わせをさらに含む場合、第2のAPが第1の無線フレームを受信および処理する方法は、
図2aに示されるステップ204の方法と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0223】
任意選択で、本実施形態では、第1のAPによって送信された第1の無線フレームを受信した後、第2のAPは、第1の無線フレームに応答して第1のAPに第1の受信確認フレームをさらに送信する。加えて、複数の第2のAPがある場合、複数の対応する第1の受信確認フレームもある。したがって、複数の第1の受信確認フレームの整列伝送を実施するために、第1の無線フレームが第1の受信確認フレームの伝送終了時刻をさらに含み得るので、第1の無線フレームを受信した後、複数の第2のAPは第1のAPに、同じ伝送終了時刻で複数の第1の受信確認フレームを送信する。
【0224】
405.第2のAPが第2のSTAに第2の無線フレームを送信する。
【0225】
本実施形態では、ステップ405は
図2aのステップ205と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0226】
本実施形態では、第2のAPが、送信される第2の無線フレームの伝送終了時刻を決定することに留意されたい。
図2aに示されるステップ205では、第2のAPは、第2の無線フレームの伝送開始時刻をさらに決定する。
【0227】
406.第1のAPが第1のSTAに第4の無線フレームを送信する。
【0228】
ステップ403のシナリオ1からシナリオ3に記載されるように、このステップは任意選択のステップである。このステップは3つのシナリオに基づいて別々に説明される。
【0229】
シナリオ1:第1のAPが第1のSTAに第1の無線フレームを送信する、言い換えると、第4の無線フレームが第1の無線フレームである。
【0230】
第1の無線フレームを生成した後、第1のAPは関連付けられた第1のSTAに第1の無線フレームを送信し、第2のAPに下り伝送を整列させるよう命令するために、第1の無線フレームも第2のAPに送信される必要がある。第1の無線フレームの伝送終了時刻は第2の無線フレームの伝送終了時刻と同じである。
【0231】
任意選択で、第1の無線フレーム内の指示情報は第1の無線フレームの物理層プリアンブルで搬送され得る。
【0232】
シナリオ2:第1のAPが第1のSTAに第3の無線フレームを送信する、言い換えると、第4の無線フレームが第3の無線フレームである。
【0233】
第2のAPに第1の無線フレームを送信した後、第1のAPは関連付けられた第1のSTAに第3の無線フレームを送信し、第1の無線フレーム内の第1の指示情報が第3の無線フレームの伝送時間または伝送終了時刻を指示するために使用されるので、第2のAPによって送信される第2の無線フレームの伝送終了時刻は、第3の無線フレームの伝送終了時刻と同じである。
【0234】
シナリオ3:第1のAPが第1のSTAに無線フレームを送信しない。
【0235】
このシナリオでは、第1のAPは、第1のSTAに無線フレームを送信せず、複数の第2の無線フレームの整列伝送を実施するために、単に複数の第2のAPをトリガして第2の無線フレームを送信させる。
【0236】
407.第2のSTAが第2のAPに第2の受信確認フレームを送信する。
【0237】
408.第1のSTAが第1のAPに第4の受信確認フレームを送信する。
【0238】
本実施形態では、ステップ407およびステップ408は、
図2aに示されるステップ207およびステップ408と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0239】
本実施形態では、下り無線フレームの整列伝送を実施することに加えて、上り受信確認フレームの整列伝送がさらに実施されることができることに留意されたい。例えば、第2の受信確認フレームと第4の受信確認フレームとの整列伝送が実施されるか、または複数の第2の受信確認フレームの整列伝送が実施される。詳細は以下のとおりである。
【0240】
第1の無線フレームが第2の受信確認フレームの伝送終了時刻をさらに含み得るので、第2の受信確認フレームの伝送終了時刻を取得した後、第2のAPは、第2の無線フレームを使用して第2のSTAに第2の受信確認フレームの伝送終了時刻を指示してもよく、第2の無線フレームを受信した後、第2のSTAは第2のAPに第2の受信確認フレームを送信する。加えて、第2の受信確認フレームの伝送終了時刻は、第1の無線フレームによって指示される。
【0241】
任意選択で、第1のAPが第1のSTAに第4の無線フレームを送信した後、第4の無線フレームは、第4の受信確認フレームの伝送終了時刻を含み得る。第4の受信確認フレームの伝送終了時刻は、第2の受信確認フレームの伝送終了時刻と同じである。
【0242】
結論として、本実施形態では、受信確認フレームの整列伝送が実施されることができ、あるSTAが受信確認フレームを送信する間に別のSTAがデータフレームまたは制御フレームを受信する事例が回避されるので、それによって、STA間の干渉およびAP間の干渉を低減する。
【0243】
図2aに示される実施形態における第1の無線フレームと同様に、本実施形態の第1の無線フレームも、複数の整列伝送をトリガしてもよく、トリガ方法は、
図2aに示される実施形態における第1の無線フレームのトリガ方法と同様である。ここでは詳細は再び説明されない。
【0244】
本出願の本実施形態では、協調マルチAP並列整列下り伝送を実施するために、複数のAPがスケジュールされた送信手順およびシグナリングを調整し、それによって、干渉を低減し、スループットを増加する。
【0245】
所与の信号対干渉比(signal to interference ratio、SIR)で、送信端が過度に高いMCSを選択した場合、受信端におけるSIRが高いMCSに必要とされるSIRに到達できないので、パケット損失が発生することを理解されたい。送信端が過度に低いMCSを選択した場合、パケット損失の確率は非常に低いが、低いMCSによりデータ伝送速度が比較的低くなり、チャネルは十分に使用されることができない。したがって、複数のAPが協調スケジューリングを行うのを支援するために、各APは、伝送を行うためにSTAをスケジュールするときにAPが適切なMCSを選択するように、複数のAPの並列伝送時にAPと関連付けられたSTAが取得できるSIRがどの程度の高さかを知る必要がある。
【0246】
したがって、本出願の一実施形態は、適切なMCSを割り振るために、協調マルチAPスケジューリング中に局のSIRを予測するために使用される、チャネル情報予測方法を提供し、それによって、伝送速度とパケット損失率とのバランスを得る。詳細については、本出願の一実施形態による情報予測方法のフローチャートの一例である
図5aを参照されたい。この方法は以下のステップを含む。
【0247】
501.第1のAPがブロードキャストフレームを送信する。
【0248】
第1のAPは第1のAPと関連付けられたすべてのSTAにブロードキャストフレームを送信する。ブロードキャストフレームは、第1のAPと関連付けられたSTAに、信号品質検出が行われる必要がある第2のAPを指示するために使用され、ブロードキャストフレームは、第2のAPの識別子情報を搬送する。第2のAPは少なくとも1つのAPを含み、第2のAPは第1のAPを含み得ることに留意されたい。
【0249】
本実施形態では、第2のAPの識別子情報について複数の事例があり得る。一例では、第2のAPの識別子情報は、第2のAPのMACアドレスであり得る。別の例では、第2のAPの識別子情報が、第2のAPのMACアドレスの一部、もしくは第1のAPによって第2のAPに割り当てられたアドレス、もしくは第2のAPによって決定され、第1のAPに指示されたアドレスであり得るので、第1のAPがブロードキャストフレームにアドレスを付加するか、または第2のAPの識別子情報が、第2のAPとの結合関係を有する(STAもしくはAPであり得る)デバイスの識別子情報であるので、第1のAPによって第2のAPに送信されたフレームを受信した後、デバイスが、デバイスと第2のAPとの間の内部インターフェースを介して第2のAPにフレームを転送する。したがって、第2のAPの識別子情報はここでは特に限定されない。
【0250】
説明を容易にするために、本実施形態では、第1のAPと関連付けられたSTAのうちの任意の1つまたは複数を第1のSTAと呼ぶ。したがって、第1のAPは、第1のSTAをトリガして、第2のAPと第1のSTAとの間のチャネルを検出させるために、第1のSTAにブロードキャストフレームを送信する。
【0251】
本実施形態では、ブロードキャストフレームは、ビーコンフレーム(Beacon)や802.11規格のProbe Requestフレームなどの既存の管理フレームであり得るか、または非標準ベンダによって定義されたフレームフォーマットであり得るか、などである。これについてはここでは特に限定されない。
【0252】
本実施形態では、第2のAPも、第1のAPによって送信されたブロードキャストフレームも受信し得ることに留意されたい。
【0253】
502.第1のSTAがターゲットAPによって送信された無線フレームを受信する。
【0254】
本実施形態では、第1のSTAと通信できるAPをターゲットAPと呼ぶ。ターゲットAPは第2のAPの一部または全部であることが理解されよう。したがって、第1のSTAは、第1のSTAとターゲットAPとの間のチャネルを検出するために、ターゲットAPによって送信された無線フレームを受信する。
【0255】
本実施形態では、第1のSTAによって受信される無線フレームは、ターゲットAPによって自律的に送信され得るか、またはターゲットAPが第1のAPによってトリガされた後にターゲットAPによって送信され得ることに留意されたい。以下で別々に説明が提供される。
【0256】
例1:無線フレームがターゲットAPによって自律的に送信される。
【0257】
この例では、無線フレームは、ターゲットAPによって送信されるビーコンフレームである。ビーコンフレームは、ターゲットAPからビーコンフレーム受信側(すなわち第1のSTA)までの伝搬損(path loss)を測定するために使用され得る。ビーコンフレームは、ターゲットAPの測定報告を搬送し得る。測定報告は、ターゲットAPの送信電力ならびにターゲットAPの周囲のデバイスの信号受信レベルおよび電力、の各情報のうちの1つまたは複数のタイプを含み得るがこれに限定されない。
【0258】
例2:無線フレームが、ターゲットAPが第1のAPによってトリガされた後にターゲットAPによって送信される。
【0259】
この例では、ステップ501のブロードキャストフレームが、第2のAPをトリガして、ヌルデータパケット(null data packet、NDP)を順次に送信させるためにさらに使用されてもよく、ブロードキャストフレームは、順序指示情報をさらに含み、順序指示情報は、第2のAPがNDPフレームを送信する順序を指示するために使用される。ブロードキャストフレームは、拡張ヌルデータパケット指示(enhanced-null data packet announcement、E-NDPA)フレームであり得ることに留意されたい。
【0260】
したがって、第1のAPによって送信されたブロードキャストフレームを受信した後、第2のAPは、ブロードキャストフレーム内の順序指示情報に従ってNDPフレームを順次に送信する。フレーム間間隔はSIFSであり得る。フレーム間間隔は、デフォルトの間隔であり得るか、または第1のAPによって定義され得ることに留意されたい。フレーム間間隔が第1のAPによって定義される場合、ブロードキャストフレームは、フレーム間間隔の指示情報をさらに搬送する。理解を容易にするために、
図5bは、本実施形態による伝送の概略図の一例である。図では、AP1が(ブロードキャストフレームとして理解され得る)E-NDPAフレームをブロードキャストする。したがって、AP1~AP3は、E-NDPAフレームで指示される順序でNDPフレームを順次に送信する。例えば、まずAP1がNDPフレーム1を送信し、次いでAP2がNDPフレーム2を送信し、最後にAP3がNDPフレーム3を送信する。任意選択で、AP1は、第1のSTAをトリガしてフィードバック(Feedback)フレームを送信させるために使用されるトリガ(Trigger)フレームをさらに送信し得るので、Triggerフレームを受信した後、第1のSTAは、受信したNDPフレーム1~NDPフレーム3に基づいて、対応するFeedbackフレーム1~Feedbackフレーム3をフィードバックする。
【0261】
任意選択で、ブロードキャストフレームは、そのチャネルが検出される必要があるSTAの識別子情報をさらに含み得る。そのチャネルが検出される必要があるSTAの識別子情報は、MACアドレスまたはIPアドレスであり得る。
【0262】
したがって、前述の2つの例において、違いは、例1では、第1のSTAが第2のAPによって自律的に送信された(ビーコンフレームなどの)無線フレームを受信し、次いでビーコンフレームの受信信号強度に基づいてチャネルを検出し、例2では、各第2のAPが第1のAPによって指示された順序でNDPフレームを送信するので、第1のAPが受信したNDPフレームに基づいてチャネルを検出することにある。
【0263】
503.第1のSTAが無線フレームに基づいてターゲットチャネルのチャネル品質情報を決定する。
【0264】
ステップ502の例2が使用される場合、具体的には、無線フレームがNDPフレームであり得る場合、第1のSTAが受信したNDPフレームに基づいてターゲットAPを決定する必要がさらにあることに留意されたい。これは、ブロードキャストフレーム内の第2の指示情報に従って第1のSTAが、第2のAPがNDPフレームを送信する順序を取得するステップと、受信した無線フレームのランク付けに基づいて、無線フレームを送信するターゲットAPを決定するステップと、を含む。例えば、まずAP1がNDP1を送信し、次いでAP2がNDP2を送信し、次いでAP3がNDP3を送信し、以下同様である。第2のNDP、すなわちNDP2を受信すると、第1のSTAは、第2のAPがNDPフレームを送信する順序で、第2のNDPを送信するターゲットAPはAP2であると決定し得る。
【0265】
したがって、ターゲットAPによって送信された無線フレームを受信した後、第1のSTAは、無線フレームに基づいてターゲットチャネル(すなわち、第1のSTAとターゲットAPとの間のチャネル)のチャネル品質情報を決定する。具体的には、第1のSTAは、無線フレームで搬送されるターゲットAPの測定報告に基づいて、ターゲットAPの受信信号強度表示(received signal strength indication、RSSI)またはターゲットAPの送信電力を取得し得る。したがって、第1のSTAによって決定されるターゲットチャネルのチャネル品質情報は、ターゲットAPのRSSIであり得るか、またはターゲットAPの送信電力であり得るか、またはターゲットAPと第1のSTAとの間の伝搬損(path loss)であり得る。したがって、本実施形態では、ターゲットチャネルのチャネル品質情報は、複数のタイプの内容を含み得る。これについてはここでは特に限定されない。
【0266】
任意選択で、チャネル品質情報がターゲットAPと第1のSTAとの間の伝搬損である場合、第1のSTAがターゲットAPの送信電力およびRSSIを使用してチャネル品質情報を計算する必要がさらにある。具体的な計算方法は、
path loss=TX power+Gr+Gt-RSSI、式中、TX電力は、ターゲットAPの送信電力を表し、Grは、受信アンテナ利得を表し、Gtは、送信アンテナ利得を表し、RSSIは、ターゲットAPの信号受信強度を表し、GrおよびGtは事前設定値である。実際の適用に際しては、path lossを計算する複数の方法があることに留意されたい。ここではこれらの方法は1つ1つ詳細に説明されない。
【0267】
504.第1のSTAが第1のAPによって送信されたトリガフレームを受信する。
【0268】
任意選択で、第1のSTAは、第1のAPによって送信されたトリガフレームをさらに受信し得る。トリガフレームは、第1のSTAをトリガしてフィードバックフレームを送信させるために使用され、トリガフレームはリソース構成指示情報を含み得る。リソース構成指示情報は、各第1のSTAによってフィードバックフレームで応答するために使用される無線チャネルリソースを指示するために使用される。リソース構成情報は、第1のSTAのRU割り振り情報、空間ストリーム(spatial and time stream、STS)情報、または直交コード、の各情報のうちの1つまたは複数の組み合わせを含み得るがこれに限定されない。
【0269】
第1のAPによって生成されるトリガフレームは、
図5cから
図5eに示されるように、802.11ax規格で規定されたTriggerフレームに基づいて設計され得ることに留意されたい。
図5cは、802.11ax規格で規定されたTriggerフレームのフレーム構造の図の一例である。Triggerフレームは、複数の部分、例えば、Frame Control、Common info、およびUser infoを含む。
図5dは、
図5cに示されるTriggerフレーム内のCommon info部分に含まれる情報の概略図である。
図5eは、
図5cに示されるTriggerフレーム内のUser Info部分に含まれる情報の概略図である。
図5cに示されるように、TriggerフレームのCommon info部分においてTrigger Typeサブフィールドの値が異なる場合、Triggerフレームは異なる機能を有する。表4は、Trigger Typeサブフィールドの値とタイプとの間の対応関係の表の一例である。
【0270】
【0271】
一例では、Trigger Typeサブフィールドの値は特定の値に設定され得る。例えば、Trigger Typeサブフィールドの値は8から15までの値である。第1のAPが第1のSTAにTriggerフレームを送信する場合、これは、トリガフレームが第1のSTAをトリガしてフィードバックフレームを送信させるために使用されることを指示する。
【0272】
第1のSTAは、ステップ502およびステップ503を使用してターゲットチャネルのチャネル品質情報を決定し、第1のSTAは、ステップ504を使用して、第1のAPによって送信されたトリガフレームを受信することに留意されたい。これらのステップは2つのプロセスにおける特定の順序に限定されず、ステップ502およびステップ503が最初に行われ得るか、またはステップ504が最初に行われ得るか、またはこれらのステップが同時に行われる。これについてはここでは特に限定されない。
【0273】
505.第1のSTAが第1のAPにフィードバックフレームを送信する。
【0274】
第1のAPによって送信されたトリガフレームに応答して、第1のAPは第1のSTAにフィードバックフレームを送信する。フィードバックフレームは、ターゲットチャネルのチャネル品質情報を含み、ターゲットチャネルは、第1のSTAとターゲットAPとの間のチャネルである。フィードバックフレームは、第1のAPに検出されたAPを指示するために、ターゲットAPの識別子情報を含むことが理解されよう。ターゲットAPの識別子情報は、ターゲットAPのMACアドレスであり得る。
【0275】
任意選択で、本実施形態では、フィードバックフレームの長さを低減するために、ターゲットAPの識別子として短いIDが使用され得る。具体的な動作は以下のとおりである。
【0276】
ステップ501のブロードキャストフレームは、第4の指示情報をさらに含み、第4の指示情報は、各第2のAPの短いIDを指示するために使用される。
図5fは、ブロードキャストフレームのフレーム構造の概略図の一例である。図では、各AP infoフィールドが、対応するMAC AddressおよびFeedback ID(すなわち、短いID)を含む。したがって、これに対応して、第1のSTAが第1のAPにフィードバックフレームを送信する場合、フィードバックフレームは、ターゲットAPの識別子情報を指示するための短いIDを搬送する。
図5gは、フィードバックフレームのフレーム構造の概略図の一例である。図では、各AP Feedback infoフィールドが、対応するFeedback ID(すなわち、短いID)およびチャネル品質情報(RSSIなど)を含む。
【0277】
任意選択で、第1のSTAによって送信されたフィードバックフレームは、複数のタイプのチャネル品質情報を含んでいてもよく、例えば、ターゲットAPのRSSIおよびターゲットAPの送信電力情報を含み得る。
図5hは、フィードバックフレームのフレーム構造の概略図の一例である。図では、各AP Feedback infoフィールドが、対応するFeedback ID、TX power、RSSIなどを含む。あるいは、チャネル品質情報は、第1のSTAとターゲットAPとの間のpath lossをさらに直接含んでいてもよい。path lossの値は、ターゲットAPの送信電力およびRSSIを使用した計算により第1のSTAによって取得される。
図5iは、フィードバックフレームのフレーム構造の概略図の別の例である。図では、各AP Feedback infoフィールドが、対応するFeedback ID、path lossなどを含む。
【0278】
任意選択で、例2では、第1のSTAが第1のAPおよび第2のAPからNDPフレームを受信し得るので。したがって、第1のSTAは、2つのNDPフレームの受信電力に基づいて第2のAPの干渉対信号比(interference to signal ratio、ISR)を計算してもよく、第2のAPのSIRまたはISRをフィードバックフレームに付加する。
【0279】
したがって、第1のSTAによって第1のAPに送信されるフィードバックフレームに含まれる内容は、本実施形態では特に限定されない。
【0280】
506.第1のAPが、ターゲットチャネルのチャネル品質情報に基づいて第1のSTAのSIRを予測する。
【0281】
第1のSTAによって送信されたフィードバックフレームを受信した後、第1のAPは、フィードバックフレームに含まれるターゲットチャネルのチャネル品質情報に基づいて第1のSTAのSIRを予測する。第1のSTAのSIRの計算式は、SIR=(第1のAPの送信電力-第1のAPと第1のSTAとの間の伝搬損)/(ターゲットAPの送信電力-ターゲットAPと第1のSTAとの間の伝搬損)であり得るので、第1のAPは、第1のSTAのSIRを計算するために、第1のSTAによってフィードバックされるターゲットチャネルのチャネル品質情報を使用して、ターゲットAPと第1のSTAとの間の伝搬損を直接または間接的に取得し得る。
【0282】
任意選択で、第1のAPは、第1のSTAのISRをさらに計算してもよく、ISR×SIR=1である。
【0283】
任意選択で、本出願は、各APが、チャネルの感知を継続するステップと、感知結果に基づいて各STA(ローカルセル内のSTAおよび別のセル内のSTAを含む)のRSSIを取得するステップと、次いで取得したRSSIに関する情報を別のAPに送信するステップとを含む、情報予測方法をさらに提供し得る。別のAPによって送信されたRSSIに関する情報を取得した後、各APは、並列伝送時の各STAのSIRを計算して、そのSIRを協調マルチAPスケジュール伝送の入力として使用し得る。理解を容易にするために、例えば、2つのAP、AP1およびAP2があり、AP1はSTA1と関連付けられており、AP2はSTA2と関連付けられていると仮定される。伝送履歴において、AP1はSTA1およびSTA2の信号を検出し、同様に、AP2もSTA1およびSTA2の信号を検出する。AP1がAP2にSTA1およびSTA2の信号強度を送信した後、AP2が並列伝送中にSTA2のSIRを取得する必要がある場合、SIRは、AP2によって感知されたSTA2の信号強度を、AP1によって送信されたSTA2の信号強度で除算することによって取得され得る。
【0284】
図5aに示される情報予測方法は、本出願の実施形態におけるマルチAP協調のための方法のシナリオに適用されてもよく、データ伝送の前に情報予測が行われる必要がある別のシナリオにさらに独立して適用されてもよいことに留意されたい。したがって、本出願の
図5aで提供される情報予測方法の実際の適用シナリオはここでは特に限定されない。
【0285】
以上では本出願の実施形態におけるマルチAP協調のための方法が説明されたが、以下では協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置がハードウェア処理の観点から詳細に説明される。
【0286】
図6は、前述の実施形態における協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置600の可能な概略的構造図である。装置600は、前述の第1のアクセスポイントAPとして構成されてもよく、装置600は、プロセッサ602と、コンピュータ可読記憶媒体/メモリ603と、送受信機604と、入力装置605と、出力装置606と、バス601とを含み得る。プロセッサ、送受信機、コンピュータ可読記憶媒体などは、バスを使用して接続される。前述の構成要素間の具体的な接続媒体は、本出願の本実施形態では限定されない。
【0287】
送受信機604は、第1のAPが前述の実施形態の第2のアクセスポイントAPと通信するのを支援し、第1のAPが、前述の実施形態の第1のアクセスポイントAPと関連付けられた1つまたは複数の第1のSTAと通信するのをさらに支援するように構成されてもよく、
図2aから
図5iの第1のAPにおける送信プロセスおよび受信プロセス、ならびに/または本出願に記載される技術に使用される別のプロセスを行い得る。例えば、送受信機604は、第2のアクセスポイントAPに少なくとも1つの第1の無線フレームを送信し、第1の無線フレームが、第2のAPによって送信される第2の無線フレームの伝送時間を指示するために使用される指示情報を含み、第2の無線フレームの送信期間において第1の局STAに第3の無線フレームを送信し、第3の無線フレームの伝送時間が第2の無線フレームの伝送時間と同じである、ように構成され得る。送受信機604は、
図2aのステップ208、
図3aのステップ306およびステップ310、
図4aのステップ408、ならびに
図5aのステップ501、ステップ504、およびステップ505をさらに行い得る。当然ながら、送受信機604は、本出願に記載される技術における別のプロセスおよび方法を行うようにさらに構成され得る。
【0288】
プロセッサ602は、第1のAPの動作を制御および管理するように構成され、前述の実施形態で第1のAPによって行われる処理を行うように構成され、
図2aから
図5iにおける第1のAPの処理プロセスおよび/または本出願に記載される技術に使用される別のプロセスを行い、バスを管理する役割を担い、メモリに格納されたプログラムまたは命令を実行し得る。例えば、プロセッサ602は、
図2aのステップ201からステップ203、
図3aのステップ301からステップ303、
図4aのステップ401からステップ403、および
図5aのステップ506を行い得る。
【0289】
コンピュータ可読記憶媒体/メモリ603は、本出願の技術的解決策を実行するためのプログラム、命令、またはデータを格納する。例えば、コンピュータ可読記憶媒体/メモリ603は、装置600に、1つまたは複数の第2のAPに第1の無線フレームを送信させる命令を含んでいてもよく、装置600に、第2の無線フレームの送信期間において第1の局STAに第3の無線フレームを送信させる命令をさらに含んでいてもよく、装置600に、
図2aから
図5iにおける第1のAPの送信プロセスおよび受信プロセスおよび処理プロセスならびに/または本出願に記載される技術に使用される別のプロセスを実施させる命令をさらに含んでいてもよい。
【0290】
図6は第1のAPの簡略化された設計が示していることが理解されよう。実際の適用に際しては、第1のAPは、任意の数の送受信機、プロセッサ、メモリなどを含んでいてもよく、本出願を実施できるすべての第1のAPが本出願の保護範囲内に該当する。
【0291】
図7は、前述の実施形態における協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置700の可能な概略的構造図である。装置700は、前述の第2のAPとして構成されてもよく、装置700は、プロセッサ702と、コンピュータ可読記憶媒体/メモリ703と、送受信機704と、入力装置705と、出力装置706と、バス701とを含む。プロセッサ、送受信機、コンピュータ可読記憶媒体などは、バスを使用して接続される。前述の構成要素間の具体的な接続媒体は、本出願の本実施形態では限定されない。
【0292】
送受信機704は、第2のAPが第1のAPと通信するのを支援し、第2のAPが、前述の実施形態の第2のアクセスポイントAPと関連付けられた1つまたは複数の第2のSTAと通信するのをさらに支援するように構成されてもよく、
図2aから
図4dにおける第2のAPの通信もしくはインタラクションプロセスおよび/または本出願に記載される技術に使用される別のプロセスを行い得る。例えば、送受信機704は、第1のAPによって送信された少なくとも1つの第1の無線フレームを受信する、ように構成され、第1の無線フレームを受信した後に第2のSTAに第2の無線フレームを送信するようにさらに構成され得る。送受信機704は、
図2aのステップ204、ステップ205、およびステップ207、
図3aのステップ304からステップ307、
図4aのステップ404、ステップ405、およびステップ407を行うようにさらに構成され得る。当然ながら、送受信機904は、本出願に記載される技術における別のプロセスおよび方法を行うようにさらに構成され得る。
【0293】
プロセッサ702は、第2のAPの動作を制御および管理するように構成され、前述の実施形態で第2のAPによって行われる処理を行うように構成され、
図2aから
図4dにおける第2のAPの処理プロセスおよび/または本出願に記載される技術に使用される別のプロセスを行い、バスを管理する役割を担い、メモリに格納されたプログラムまたは命令を実行し得る。
【0294】
コンピュータ可読記憶媒体/メモリ703は、本出願の技術的解決策を実行するためのプログラム、命令、およびデータを格納する。例えば、コンピュータ可読記憶媒体/メモリ703は、装置700に、第1のAPによって送信された第1の無線フレームを受信させる命令を含んでいてもよく、装置700に、第1の無線フレームを受信した後に第2のSTAに第2の無線フレームを送信させる命令をさらに含んでいてもよく、装置700に、
図2aから
図4dにおける第2のAPの送信プロセスおよび受信プロセスおよび処理プロセスならびに/または本出願に記載される技術に使用される別のプロセスを実施させる命令をさらに含んでいてもよい。
【0295】
図7は第2のAPの簡略化された設計を示していることが理解されよう。実際の適用に際しては、第2のAPは、任意の数の送受信機、プロセッサ、メモリなどを含んでいてもよく、本出願を実施できるすべての第2のAPが本出願の保護範囲内に該当する。
【0296】
装置600および装置700におけるプロセッサは、汎用プロセッサ、例えば、汎用中央処理装置(CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor、NP)、もしくはマイクロプロセッサであり得るか、または特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、または、本出願の解決策のプログラム実行を制御するように構成された1つもしくは複数の集積回路であり得る。プロセッサは代替として、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジックデバイス、またはディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。あるいは、コントローラ/プロセッサは、計算処理機能を実施するプロセッサの組み合わせ、例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサの組み合わせや、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせであってもよい。プロセッサは、通常、メモリに格納されたプログラム命令に基づいて論理演算および算術演算を行う。
【0297】
コンピュータ可読記憶媒体/メモリ603およびコンピュータ可読記憶媒体/メモリ703は、オペレーティングシステムおよび別のアプリケーションプログラムをさらに格納し得る。具体的には、プログラムはプログラムコードを含むことができ、プログラムコードはコンピュータ動作命令を含む。より具体的には、メモリは、読取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、静的情報および命令を格納することができる別のタイプの静的記憶デバイス、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、情報および命令を格納することができる別のタイプの動的記憶デバイス、磁気ディスクメモリなどであり得る。メモリ603は、前述の記憶タイプの組み合わせであり得る。加えて、コンピュータ可読記憶媒体/メモリは、プロセッサに位置していてもよく、またはプロセッサの外部に位置していてもよく、またはプロセッサもしくは処理回路を含む複数のエンティティに分散されていてもよい。コンピュータ可読記憶媒体/メモリは、具体的にはコンピュータプログラム製品において具体化され得る。例えば、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料に入ったコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0298】
あるいは、装置600および装置700は、例えば、通常チップと呼ばれる、汎用処理システムとして構成されてもよい。この汎用処理システムは、プロセッサ機能を提供する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、および記憶媒体の少なくとも一部を提供する外部メモリを含む。これらすべての構成要素が外部バスアーキテクチャを介して他の支援回路に接続される。プロセッサによって実行されると、メモリに格納された命令は、プロセッサが、
図2aから
図4dの実施形態における第1のAPの協調マルチAP伝送のための方法、および
図5aから
図5iの実施形態における第1のAPのチャネル情報予測方法のステップの一部もしくは全部、例えば、
図2aのステップ201からステップ203、
図3aのステップ301からステップ303、
図4aのステップ401からステップ403、
図5aのステップ506、および/もしくは本出願に記載される技術に使用される別のプロセスを行うことを可能にするか、またはプロセッサは、
図2aから
図4dの実施形態における第2のAPの協調マルチAP伝送のための方法のステップの一部もしくは全部、および/もしくは本出願に記載される技術に使用される別のプロセスを行うことができるようになるか、またはプロセッサは、
図5aから
図5iの実施形態における第1のSTAのチャネル情報予測方法のステップの一部もしくは全部、例えば、
図5aのステップ503、および/もしくは本出願に記載される技術に使用される別のプロセスを行うことができるようになる。
【0299】
本出願で開示される内容と組み合わせて記載されている方法またはアルゴリズムステップは、ハードウェアによって実施され得るか、またはプロセッサがソフトウェア命令を実行することによって実施され得る。ソフトウェア命令は対応するソフトウェアモジュールによって形成され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルハードディスク、CD-ROM、または当分野で公知の任意の他の形態の記憶媒体に位置し得る。例えば、記憶媒体はプロセッサに結合されるので、プロセッサは記憶媒体から情報を読み取りまたは記憶媒体に情報を書き込むことができる。当然ながら、記憶媒体はプロセッサの構成要素であり得る。プロセッサおよび記憶媒体はASICに位置し得る。加えて、ASICはユーザ機器にも位置し得る。当然ながら、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ機器にディスクリートコンポーネントとして存在し得る。
【0300】
本出願の一実施形態は装置をさらに提供する。装置はチップであってもよく、装置はメモリを含んでいてもよく、メモリは命令を格納するように構成される。
【0301】
説明を簡便にするために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法実施形態における対応するプロセスを参照することが当業者には明確に理解されよう。ここでは詳細は再び説明されない。
【0302】
本出願で提供されるいくつかの実施形態においては、開示のシステム、装置、および方法が他のやり方で実現され得ることを理解されたい。例えば、記載の装置実施形態は単なる例にすぎない。例えば、ユニット分割は論理的機能分割にすぎず、実際の実装に際しては他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットもしくはコンポーネントが別のシステムに結合もしくは統合される場合もあり、またはいくつかの特徴が無視されるかもしくは実行されない場合もある。加えて、図示または考察された相互結合または直接結合または通信接続が、いくつかのインターフェースを介して実現されてもよい。装置間またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的形態、機械的形態、または他の形態で実現されてもよい。
【0303】
別々の部品として記載されたユニットは物理的に分離している場合もそうではない場合もあり、ユニットとして図示された部品は物理的ユニットである場合もそうではない場合もあり、一箇所に位置する場合もあり、複数のネットワークユニット上に分散されている場合もある。ユニットの一部または全部が、各実施形態の解決策の目的を達成するために実際の要件に基づいて選択されてもよい。
【0304】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットは1つの処理ユニットに統合されてもよく、またはユニットの各々が物理的に独立して存在していてもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。統合ユニットはハードウェアの形態で実施されてもよく、ソフトウェア機能ユニットの形態で実施されてもよい。
【0305】
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実施され、独立した製品として販売または使用される場合、その統合ユニットはコンピュータ可読記憶媒体に格納され得る。そうした理解に基づき、本出願の技術的解決策が本質的に、または先行技術に寄与する部分、または技術的解決策の全部もしくは一部が、ソフトウェア製品の形態で実現され得る。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に格納され、(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク機器などとし得る)コンピュータデバイスに、本出願の実施形態に記載される方法のステップの全部または一部を実行するよう命令するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、または光ディスクなどの、プログラムコードを格納することができる任意の媒体を含む。
【0306】
結論として、前述の実施形態は、本出願を限定するためのものではなく、本出願の技術的解決策を説明するためのものにすぎない。本出願は前述の実施形態に関連して詳細に説明されているが、当業者であれば、本出願の実施形態の技術的解決策の趣旨および範囲を逸脱することなく、前述の実施形態に記録されている技術的解決策にさらに改変を加え得るか、または前述の実施形態の一部の技術的特徴に対する等価の置換を行い得ることを理解するはずである。
【符号の説明】
【0307】
600 協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置
601 バス
602 プロセッサ
603 メモリ
604 送受信機
605 入力装置
606 出力装置
700 協調マルチアクセスポイントAP伝送のための装置
701 バス
702 プロセッサ
703 メモリ
704 送受信機
705 入力装置
706 出力装置