(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0208 20230101AFI20240227BHJP
【FI】
G06Q30/0208
(21)【出願番号】P 2022166342
(22)【出願日】2022-10-17
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】509286983
【氏名又は名称】株式会社ロイヤリティマーケティング
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】野宮 裕介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智仁
(72)【発明者】
【氏名】菱川 峻介
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-536507(JP,A)
【文献】特開2002-117167(JP,A)
【文献】特開2018-106401(JP,A)
【文献】特開2017-027157(JP,A)
【文献】特開2020-060803(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0248692(US,A1)
【文献】国際公開第2022/185471(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を提供する第1アクセス先にアクセスするための情報、および、ボーナスポイント付与先となる第2アクセス先にアクセスするための情報を少なくとも記憶するマイページ情報記憶部と、
前記所定ユーザが前記健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報を記憶する制約情報記憶部と、
前記第1アクセス先にアクセスするための情報に基づいて、前記所定ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を収集するユーザ情報収集部と、
前記制約情報に基づいて、前記収集された前記所定ユーザの健康関連情報のうち、前記所定ユーザが利用に同意しない情報をマスキングするマスキング処理部と、
前記制約情報に基づいて、
前記所定ユーザが利用に同意した健康関連情報の対価として、前記第2アクセス先において使用可能なボーナスポイントを算出するボーナスポイント算出部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記所定ユーザの健康関連情報は、ネットワークに接続されたサービスシステムが提供する健康関連情報、前記所定ユーザのユーザ端末のOSに連携した健康関連情報、あるいは、前記所定ユーザにより入力された健康関連情報の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定ユーザが前記健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報は、少なくとも、利用を許可する書類または利用を許可する検査項目に関する前記所定ユーザの同意/不同意の情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ボーナスポイント算出部は、さらに、前記ボーナスポイントの利用先に基づいて前記ボーナスポイントを算出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
少なくとも前記所定ユーザが利用に同意した健康関連情報に基づいて、前記所定ユーザの健康状態の可視化サービスを提供する付加サービス処理部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
所定ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を提供する第1アクセス先にアクセスするための情報に基づいて、前記所定ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を収集することと、
前記所定ユーザが前記健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報に基づいて、前記収集された前記所定ユーザの健康関連情報のうち、前記所定ユーザが利用に同意しない情報をマスキングすることと、
前記制約情報に基づいて、
前記所定ユーザが利用に同意した健康関連情報の対価として、ボーナスポイント付与先となる第2アクセス先において使用可能なボーナスポイントを算出することと、
を実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品の販売や役務の提供に付随してポイントを発行するポイントサービスを支援する情報処理装置および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
販促や顧客の獲得の手段として、商品の販売または役務の提供に付随して、実在の店舗や仮想店舗において商品等との交換に使用できるポイント(クーポン、マイレージ、トレーディング・スタンプ等も含む。)を発行するポイントサービスが普及している。
【0003】
このようなポイントサービスとして、例えば、共通ログイン情報に紐づいたサービスシステムからユーザに関する購買関連情報を取得し、取得された購買関連情報に基づいて算出されたボーナスポイントを当該ユーザのポイント口座に付与するシステムが知られている(特許文献1)。
【0004】
近年、生体情報に基づいてサービスポイントを付与する健康支援サービスにおいて、利用者が使う利用者端末に、日々測定する体重や体脂肪率、血圧などの生体情報や、健康診断データを入力しておき、生体情報の値が正常範囲か異常範囲かに応じてポイントを付与することが知られている(特許文献2)。
【0005】
また、ファイナンシャルプラニング等のユーザ支援システムにおいて、より精度が高くより多くの提案を可能とするため、ユーザが保有する金融機関の複数の口座情報であるアカウントアグリゲーションデータと、ユーザが購入した商品や受けたサービスの名称、数量、価格、支払い日等である支出データと、病院におけるユーザの診療情報や処方箋情報を含むレセプトデータと、からなる個人管理情報を取得して、改善案をユーザの携帯端末に送信することも知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-204481号公報
【文献】特開2002-251469号公報
【文献】特開2018-185585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アカウントアグリゲーションを用いたウェブサイトを利用することにより、インターネット上に存在しているユーザに関する購買関連情報、金融機関に持つ口座情報などを取得することができるが、例えば、ユーザの体重や体脂肪率、血圧などの生体情報、健康診断データ、病院におけるユーザの診療情報や処方箋情報を含むレセプトデータといった健康関連情報については、個々のアクセス先から取得する必要があり、健康関連情報を含む情報を広範囲かつ簡易に取得したいというニーズがある。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、健康関連情報を含むユーザ情報を広範囲なアクセス先から取得することでき、また、このような健康関連情報を含むユーザ情報を提供しようとする動機付けをユーザに与えることが可能な情報処理装置および情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置の第1態様は、所定ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を提供する第1アクセス先にアクセスするための情報、および、ボーナスポイント付与先となる第2アクセス先にアクセスするための情報を少なくとも記憶するマイページ情報記憶部と、前記所定ユーザが前記健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報を記憶する制約情報記憶部と、前記第1アクセス先にアクセスするための情報に基づいて、前記所定ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を収集するユーザ情報収集部と、前記制約情報に基づいて、前記収集された前記所定ユーザの健康関連情報のうち、前記所定ユーザが利用に同意しない情報をマスキングするマスキング処理部と、前記制約情報に基づいて、前記第2アクセス先において使用可能なボーナスポイントを算出するボーナスポイント算出部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る情報処理装置の第2態様は、前記所定ユーザの健康関連情報は、ネットワークに接続されたサービスシステムが提供する健康関連情報、前記所定ユーザのユーザ端末のOSに連携した健康関連情報、あるいは、前記所定ユーザにより入力された健康関連情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る情報処理装置の第3の態様は、前記所定ユーザが前記健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報は、少なくとも、利用を許可する書類または利用を許可する検査項目に関する前記所定ユーザの同意/不同意の情報を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る情報処理装置の第4の態様は、前記ボーナスポイント算出部は、さらに、前記ボーナスポイントの利用先に基づいて前記ボーナスポイントを算出することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る情報処理装置の第5の態様は、少なくとも前記所定ユーザが利用に同意した健康関連情報に基づいて、前記所定ユーザの健康状態の可視化サービスを提供する付加サービス処理部をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明の第1の態様によれば、ユーザの健康関連情報を含む広範囲なユーザ情報を収集でき、また、健康関連情報を提供しようとする動機付けをユーザに与えることが可能な情報処理装置および情報処理プログラムを提供することができる。また、ユーザが制約情報を設定できるようにすることにより、健康関連情報を取得し、利用し、保管し、提供すること(以下、「健康関連情報の利用」ともいう。)についてユーザの意向を適切に反映することができる。さらに、制約情報に関連付けてボーナスポイントを算出するようにしたことから、より多くの健康関連情報の利用に同意しようとするユーザの動機づけを高めることができる。
【0015】
この発明の第2の態様によれば、ネットワークに接続されたサービスシステムからユーザ情報を収集することに加えて、ユーザ端末に日々蓄積されている健康関連情報あるいは紙媒体に記載された健康関連情報も簡易に収集することができる。
【0016】
この発明の第3の態様によれば、ユーザの健康関連情報のうちマスキングすべき情報を容易に特定でき、個人情報を適切に取り扱うことができる。
【0017】
この発明の第4の態様によれば、ポイント処理サービスを運営する事業者にとって、特定の商品の販売や役務の提供を促進することが可能となる。
【0018】
この発明の第5の態様によれば、ユーザが提供した健康関連情報あるいは購買関連情報に基づいて、自分の健康状態が可視的に表示されることから、ユーザの健康増進に役立てることができる。さらに、ユーザにとっては健康関連情報を継続的に提供しようとする動機づけが高まり、また、ポイント処理サービスを運営する事業者にとっても、健康状態を維持、向上させるための商品の販売あるいは役務の提供の促進が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置および情報処理プログラムが適用されたポイント処理システムの全体構成の一例を示す俯瞰図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す情報処理装置により提示されるマイページ情報の入力画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す情報処理装置により提示される個別ログイン情報の入力画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2に示す情報処理装置により提示される制約情報の入力画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の情報処理装置における健康関連情報のポイント処理動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態の情報処理装置における健康関連情報のポイント算出の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照してこの発明に係る実施形態を説明する。なお、以下の説明において、既に説明済みである構成と同一または類似した構成及び要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0021】
<第1実施形態>
この発明の第1実施形態の情報処理装置および情報処理プログラムについて、図面を参照して以下に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置および情報処理プログラムが適用されたポイント処理システム1の全体構成の一例を示す俯瞰図である。
【0022】
(1)ポイント処理システム1の全体構成
図1に示すポイント処理システム1は、一例として、ポイント処理サーバ2と、Xサービスシステム3と、Aサービスシステム4と、Bサービスシステム5と、ユーザが使用するユーザ端末6とを備えている。上記ポイント処理システム1の各構成は、インターネットのようなネットワーク7を介して通信可能に接続されている。なお、Aサービスシステム4とBサービスシステム5はサービスシステムの一例であって、他のサービスシステムがネットワーク7に接続されていてもよい。また、ポイント処理サーバ2は、単一のサーバに限らず、複数のサーバにより構成されていてもよい。
【0023】
ポイント処理サーバ2は、商品の販売や役務の提供に付随してポイントを発行するポイントサービスを支援する情報処理装置である。Aサービスシステム4、Bサービスシステム5あるいはユーザ端末6は、それぞれが保存する健康関連情報や購買関連情報を含むユーザ情報をポイント処理サーバ2に提供できるように構成されている。ポイント処理サーバ2は、各種ユーザ情報の提供元であるAサービスシステム4やBサービスシステム5のようなサービスシステムあるいはユーザ端末6(以下、「第1アクセス先」ともいう。)からユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報の対価として、ボーナスポイントの付与先となるXサービスシステム3(以下、「第2アクセス先」ともいう。)で利用可能なボーナスポイントを算出する。なお、サービスシステムは、商品を販売したり、役務を提供したりするサービスを提供するシステムである。
【0024】
Aサービスシステム4は、第1アクセス先の一例であり、Aサービスとして、健康関連情報を提供するシステムである。Aサービスシステム4は、例えば、病院システムを実現するための処理機能を実行するA管理装置41と、ユーザ毎にユーザの健康関連情報を記録するAユーザ情報データベース42とを備える。健康関連情報には、その取扱いに特に配慮を要する情報、例えば、ユーザの健康診断情報、診療情報、調剤情報などが含まれる。Aサービスは、病院が提供するサービスのほか、例えば、クリニック、薬局のような医療関連機関、健康保険組合、保険会社などが提供するサービスであってもよい。Aサービスは、ユーザの健康関連情報を提供できるサービスであればよく、例えば、理髪店、美容院あるいはフィットネスクラブが運営するサービスであってもよい。Aサービスは、ポイントサービスを兼ねるものであっても、ポイントサービスを兼ねていないものであってもよい。
【0025】
Bサービスシステム5は、第1アクセス先の他の例であり、Bサービスとして、購買関連情報を提供するシステムである。Bサービスシステム5は、例えば、金融サービスを実現するための処理機能を実行するB管理装置51と、ユーザ毎にユーザの購買関連情報を記録するBユーザ情報データベース52とを備えている。Bサービスは、金融機関が提供する決済サービスのような、ユーザが商品等の決済をするために利用するサービスであってもよく、あるいは、ユーザに商品を販売するサービスや、ユーザに役務を提供するサービスであってもよい。Bサービスは、例えば、クレジット決済サービスのようなユーザが商品等の決済をするために利用するサービスであってもよく、あるいは、百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア、仮想店舗等の小売業者がユーザに商品を販売するサービスや、宅配業者等のようにユーザに役務を提供するサービスであってもよい。なお、ユーザが購買に関連して利用するこのようなサービスは、ポイントサービスを兼ねるものであっても、ポイントサービスを兼ねていないものであってもよい。
【0026】
Xサービスシステム3は、ポイントサービスであるXサービスを提供するシステムである。Xサービスシステム3は、第2アクセス先の一例であり、Xサービスを実現するための処理機能を実行するX管理装置31と、ユーザ毎にXサービスにおいてユーザが取得しているポイントを記憶するXユーザ情報データベース32とを備えている。Xサービスは、ポイントサービスを兼ねるサービスである。なお、ポイントサービスとは、例えば、会員登録されたユーザが商品または役務を購入した際に、その購入金額に応じて、或いは店舗への来店回数等に応じて、企業側が定めた条件でユーザに対しポイントを付与し、貯まったポイントを次回以降の来店時に商品またはサービスと交換したり、商品またはサービスの購入時に代金として使用したりするサービスである。付与または使用されたポイントの管理データは、一般にポイントカードまたはスマートフォン等の携帯端末に記憶されると共に、店舗のレジ端末またはレジ端末が接続されるPOSサーバ等からポイント処理サーバに送信されて会員ユーザの管理等に利用される。ポイントサービスの具体例には、クーポン、マイレージ、トレーディング・スタンプ等のようなさまざまな種類がある。
【0027】
ユーザ端末6は、ユーザにより操作され、ポイント処理サーバ2とネットワーク7を介して通信可能に接続された情報処理装置である。ユーザ端末6は、自端末にユーザの健康状態を記録するアプリケーションをインストールしている場合、当該アプリケーションにより取得され、ユーザ端末6のオペレーティングシステム(OS)により管理される健康関連のデータ(以下、「OS連携データ」ともいう。)をポイント処理サーバ2に提供することができる。また、ユーザ端末6は、ユーザにより入力された健康関連情報、例えば、自端末のカメラ64により健康診断書などの健康関連書類を撮影したイメージデータ、あるいは、ユーザが入力部68から入力した血圧や体温などのテキストデータをポイント処理サーバ2に提供することもできる。このように、ユーザ端末6は、ユーザの健康関連情報の提供元となることから、第1アクセス先となりうる。
【0028】
(2)ハードウェア構成
(2-1)ポイント処理サーバ2
ポイント処理サーバ2は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース(通信I/F)24と、入出力インタフェース(入出力I/F)25と、これらを接続するバス26とを備えている。
【0029】
プロセッサ21は、ポイント処理サーバ2全体の動作を制御する。プロセッサ21は、例えば、CPU、MPU、GPU等の汎用プロセッサであってもよいが、汎用プロセッサに限らず、ASICまたはFPGA等の専用プロセッサであってもよい。メモリ22は、主記憶装置であり、RAM等を含む。ストレージ23は、補助記憶装置であり、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等の不揮発性記憶装置を含む。通信インタフェース(通信I/F)24は、有線または無線の通信インタフェースであり、ネットワーク7を介してサービスシステム3~5やユーザ端末6等の外部装置と通信するためのモジュールである。なお、ネットワーク7は、例えばインターネットであり、LAN、WAN、移動通信網、有線電話網、FTTH、CATV網等のアクセス網を含み得る。入出力インタフェース(入出力I/F)25は、外部装置から入力データを取り込んだり、出力データを外部装置に出力したりする。
【0030】
(2-2)サービスシステム3~5
サービスシステム3~5は、提供するサービスに応じて多様なハードウェア構成が採用されるが、少なくとも、当該サービスシステムを管理する管理装置と、各サービスを提供するため特有のユーザ情報データベースを備えている。
【0031】
(2-3)ユーザ端末6
ユーザ端末6は、プロセッサ61と、メモリ62と、ストレージ63と、カメラ64と、通信インタフェース(通信I/F)65と、入出力インタフェース(入出力I/F)66と、タッチスクリーン67と、これらを接続するバス60とを備えている。ここで、ストレージ63は、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、各種データを記憶する。また、タッチスクリーン67は、入力部68と表示部69を備える。ユーザ端末6は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯端末である。ユーザ端末6は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型コンピュータであってもよい。
【0032】
(3)機能構成
(3-1)ポイント処理サーバ2
図2は、第1実施形態に係る情報処理装置(ポイント処理サーバ2)の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
本実施形態のポイント処理サーバ2は、機能構成として、制御部210と、通信制御部220と、記憶部230とを備える。
【0034】
通信制御部220は、ポイント処理サーバ2と外部機器との間の通信を制御する。通信制御部220は、制御部210からの指示にしたがって、第1アクセス先から当該ユーザの健康関連情報や購買関連情報を含むユーザ情報を受信し、受信されたユーザ情報を制御部210に出力する。また、通信制御部220は、制御部210からの指示にしたがって、Xサービスシステム3に対しボーナスポイントに関する通知を送信する。
【0035】
記憶部230は、マイページ情報記憶部231、制約情報記憶部232、ユーザ情報記憶部233を備える。
【0036】
マイページ情報記憶部231は、所定ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を提供する第1アクセス先にアクセスするための情報、および、ボーナスポイント付与先となる第2アクセス先にアクセスするための情報を少なくとも記憶する。マイページ情報記憶部231は、各ユーザの統合アカウントに関連付けて、各ユーザのマイページ情報を記憶する。なお、マイページ情報は、第1アクセス先として選択された各サービスシステムに対応付けて、当該サービスシステムの個別ログイン情報も含む。
【0037】
制約情報記憶部232は、所定ユーザが健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報を記憶する。前記所定ユーザが前記健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報は、少なくとも、利用を許可する書類または利用を許可する検査項目に関する前記所定ユーザの同意/不同意の情報を含む。ここでいう「健康関連情報の利用」は、収集された健康関連情報について、当該健康関連情報を取得、利用、保管、提供することなどを意味するものであって、例えば、ユーザが利用に同意する健康関連情報を、ポイント処理サーバ2が取得したり、保管したり、ある目的で利用したり、第三者に提供したりすることなどを含む。なお、ここでいう「取得」は、例えばポイント処理サーバ2が記録するなどして所有とすることを意味し、「収集」は、ユーザ情報を取り集めることを意味するものとする。
【0038】
ユーザ情報記憶部233は、第1アクセス先より取得した健康関連情報や購買関連情報を含むユーザ情報を記憶する。
【0039】
制御部210は、プロセッサ21がメモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより、アカウント情報登録部211、ユーザ情報収集部212、マスキング処理部213、ボーナスポイント算出部214、ボーナスポイント通知部215、付加サービス処理部216として機能する。なお、付加サービス処理部216は、後述する第2実施形態にて詳細に説明する。
【0040】
アカウント情報登録部211は、例えば、ポイント処理サーバ2が提供する統合アカウントへの会員登録時あるいは登録された統合アカウントの情報を更新するときに起動される。アカウント情報登録部211は、マイページ情報を設定するための入力画面、および、制約情報を設定するための入力画面を表示し、ユーザからマイページ情報や制約情報を取得し、取得したマイページ情報や制約情報を当該ユーザの統合アカウントに関連付けてマイページ情報記憶部231および制約情報記憶部232に記憶する。
【0041】
アカウント情報登録部211は、ユーザが予め登録した統合アカウントの共通ログイン情報により統合アカウントにログインすると、ユーザ端末6にマイページ情報を設定するための入力画面を表示する。マイページ情報の入力画面では、ユーザの健康関連情報や購買関連情報の提供元であるサービスシステムの個別ログイン情報、ユーザ端末6から健康関連情報を収集するための情報、ボーナスポイント付与先となるサービスシステムの個別ログイン情報、情報収集タイミング、ボーナスポイント利用先設定などをユーザに登録させる。このとき、所定ユーザの健康関連情報や購買関連情報の提供元であるサービスシステムの個別ログイン情報は、統合アカウントへの共通ログイン情報と紐づけた状態で記憶される。
【0042】
アカウント情報登録部211は、ユーザが、ユーザ情報の提供元となる第1アクセス先として、サービスシステムを選択したとき、当該サービスシステムに関する個別ログイン情報を設定するための入力画面をユーザ端末6に表示する。そして、当該選択されたサービスシステムが健康関連情報を提供するサービスシステムの場合、個別ログイン情報の設定に続いて、当該選択されたサービスシステムに対応した制約情報を設定するために、制約情報の入力画面をユーザ端末6に表示する。制約情報の入力画面では、選択されたサービスシステムから収集される健康関連情報について、当該健康関連情報を取得し、利用し、保管し、提供することについてユーザが同意するか否かの制約情報をユーザに登録させる。また、ユーザが、ユーザ情報の提供元となる第1アクセス先として、ユーザ端末6を選択したとき、サービスシステムの場合と同様、制約情報の入力画面をユーザ端末6に表示し、当該ユーザ端末6から提供されるOS連携データ、イメージデータ、入力データのそれぞれに対応付けて、これら健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報をユーザに事前に登録させる。なお、ユーザ端末6が選択されたときは、個別ログイン情報を設定するための入力画面は表示されない。
【0043】
ユーザが第1アクセス先として選択したサービスシステムが健康関連情報を提供するか否かの判定を行うために、第1アクセス先の選択肢となるサービスシステムが健康関連情報を提供するか否かを事前に登録してもよい。あるいは、当該サービスシステムの個別ログイン情報を設定するとき、当該サービスシステムの名称、リンク先のURLあるいは収集する予定の書類名等から判定してもよい。ユーザが選択したサービスシステムが健康関連情報を提供するサービスシステムであると判定された場合、この判定結果を記憶する。なお、ユーザ端末6がOS連携データあるいはイメージデータやテキストデータを提供する場合、当該ユーザ端末6は、健康関連情報を提供する第1アクセス先であると判定してもよい。
【0044】
ユーザ情報収集部212は、第1アクセス先にアクセスするための情報に基づいて、所定ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を収集する。ここで、所定ユーザの健康関連情報は、ネットワーク7に接続されたサービスシステムが提供する健康関連情報、前記所定ユーザのユーザ端末6のOSに連携した健康関連情報あるいは前記所定ユーザにより入力された健康関連情報の少なくとも1つを含む。第1アクセス先にアクセスするための情報は、サービスシステムの個別ログイン情報やユーザ端末6をアクセスするための情報を含む。ユーザ情報収集部212は、マイページ情報に設定された情報収集タイミングの条件を満足したことに応答して起動される。
【0045】
ユーザ情報収集部212は、マイページ情報においてユーザにより選択された1または複数の第1アクセス先のそれぞれから、当該ユーザの健康関連情報あるいは購買関連情報を含むユーザ情報を収集する。ユーザ情報収集部212は、マイページ情報に基づいて、所定ユーザの共通ログイン情報に紐づけられた個別ログイン情報に対応する1または複数のサービスシステムのそれぞれにアクセスし、当該ユーザの健康関連情報あるいは購買関連情報を含むユーザ情報を収集する。また、ユーザ情報収集部212は、ユーザ端末6に対してOS連携データの送信要求を送出し、当該ユーザ端末6から該当する健康関連情報(OS連携データ)を収集する。さらに、ユーザ情報収集部212は、ユーザ端末6に対してイメージデータの送信要求を送出して、ユーザ端末6から健康診断書などを撮影したイメージデータを収集し、あるいは、ユーザ端末6に対してユーザにより入力された健康関連のテキストデータの送信要求を送出して、ユーザ端末6から健康関連のテキストデータを収集する。
【0046】
ユーザ情報収集部212は、健康関連情報を提供するサービスシステムあるいはユーザ端末6から取得した健康関連情報を含むユーザ情報については、続く処理ステップとして、マスキング処理部213による処理を適用する。一方、購買関連情報を提供するサービスシステムから収集した購買関連情報については、マスキング処理部213による処理を適用することなく、収集した購買関連情報をユーザ情報記憶部233に記憶し、続く処理ステップとしてボーナスポイント算出部214による処理を適用する。
【0047】
マスキング処理部213は、制約情報に基づいて、収集された所定ユーザの健康関連情報のうち、所定ユーザが利用に同意しない情報をマスキングする。すなわち、マスキング処理部213は、健康関連情報を提供するサービスシステムあるいはユーザ端末6から収集した健康関連情報を含むユーザ情報のうち、ユーザが取得、利用、保管、提供等に同意していない健康関連情報については、その後の処理において取り扱われないように、マスキング処理を実行する。
【0048】
マスキング処理としては、1または複数の健康関連情報を提供するサービスシステムあるいはユーザ端末6から収集した健康関連情報のそれぞれについて、ユーザにより予め設定された制約情報に基づいて、ユーザが利用に同意しない情報、すなわちユーザが利用に同意しない書類や検査項目に対応するマスク情報を生成し、次に、収集した健康関連情報と当該マスク情報とのマッチングを行う。そして、マスク情報と一致した内容についてマスキングを実行する。マスキングでは、例えば、収集した健康関連情報からマスク情報に該当する健康関連情報を削除してもよいし、ダミーデータで置き換えてもよい。そして、ポイント処理サーバ2は、マスキングされた健康関連情報をユーザ情報記憶部233に記録する。
【0049】
ボーナスポイント算出部214は、1または複数の第1アクセス先から取得した健康関連情報を含むユーザ情報および購買関連情報を含むユーザ情報のそれぞれについて、これらのユーザ情報を取得したことへの対価として、第2アクセス先において使用可能なボーナスポイントを算出する。ボーナスポイント算出部214は、取得したユーザ情報が健康関連情報であるか、購買関連情報であるかに応じて、それぞれことなった算定基準を用いてボーナスポイントを算出する機能を備えている。
【0050】
ボーナスポイント算出部214は、健康関連情報を取得したことへの対価としてボーナスポイントを算出する場合、制約情報に基づいて、第2アクセス先において使用可能なボーナスポイントを算出する。例えば、制約情報に基づいて、所定ユーザが利用に同意した健康関連情報の情報量または利用態様に相当するボーナスポイントを算出する。また、ボーナスポイント算出部214は、制約情報に基づいてボーナスポイントを算出するだけではなく、マイページ情報に設定されたボーナスポイントの利用先に基づいてボーナスポイントを算出してもよい。
【0051】
ボーナスポイント算出部214は、購買関連情報を取得したことへの対価としてボーナスポイントを算出する場合、取得された購買関連情報に含まれる情報の種類、情報の詳細度合い、情報の量、金額のうちの少なくとも1つの要素と、当該要素に対応して予め設定されたポイント付与率とに従い、ボーナスポイントを算出する。例えば、購買関連情報に対応する換算係数を予め設定しておき、ボーナスポイント算出部214は、購買関連情報において示される商品等の金額と換算係数との積を計算するか、あるいは、購買関連情報の情報量と換算係数との積を計算することで、ボーナスポイントを算出する。
【0052】
なお、ボーナスポイント算出部214は、AサービスあるいはBサービスがポイントサービスを兼ねたサービスである場合には、所定のユーザにボーナスポイントが付与されても、当該所定のユーザがAサービスあるいはBサービスにおいて既に取得しているポイントは維持される。すなわち、ボーナスポイント算出部214では、ユーザ情報を取得してボーナスポイントを算出する場合、AサービスとXサービス、あるいは、BサービスとXサービスとの間のポイント交換処理は行われず、ポイント付与先として指定されているサービスに対するボーナスポイントの算出のみが行われる。この結果、AサービスあるいはBサービスに係るユーザ情報に基づいてボーナスポイントがXサービスにおけるユーザのポイント口座に付与されても、AサービスあるいはBサービスにおいてユーザが既に取得しているポイントはそのまま維持される。
【0053】
ボーナスポイント通知部215は、算出されたボーナスポイントを第2アクセス先に通知する。ボーナスポイント通知部215は、ボーナスポイント算出部214により算出されたボーナスポイントをユーザのポイント口座に付与させるための通知を生成し、このボーナスポイント通知を通信制御部220からXサービスシステム3に対し送信する処理を実行する。なお、当該送信処理は、マイページ情報により特定された、Xサービスシステム3にログインするための個別ログイン情報が使用される。ボーナスポイント通知を受信したXサービスシステム3は、算出されたボーナスポイントを、Xサービスシステム3が提供するXサービスにおいて使用可能なボーナスポイントとして追加するための処理を行う。
【0054】
(3-2)ユーザ端末6
ユーザ端末6は、ポイント処理サーバ2からの指示にしたがってマイページ情報や制約情報の入力画面を表示し、ユーザにより入力されたマイページ情報や制約情報をポイント処理サーバ2に送信する。
【0055】
また、ユーザ端末6にインストールされたユーザの健康状態を記録するアプリケーションは、ユーザの健康関連情報を取得し、ユーザ端末6内のストレージ63に記録する。ユーザ端末6に記録される健康関連情報には、例えば、身長、体重、血圧、脈拍といった生体情報のほか、歩数や階段を上った階数といった運動情報あるいは睡眠情報など、ユーザ個人の種々の健康関連情報が含まれている。ここで、身長、体重、血圧、脈拍といった生体情報はユーザにより入力されてもよいし、歩数や階段を上った階数のような運動情報はユーザ端末6に備わったセンサなどによって自動的に記録されてもよい。健康アプリケーションによりユーザ端末6内に記録されたデータは、OS連携データとして、ユーザ端末6のOSにより管理され、外部装置からの要求にしたがって当該外部装置に送信される。
【0056】
また、ユーザ端末6は、ユーザに、当該ユーザ端末6のカメラ64により健康関連情報が掲載された健康診断結果の紙面を撮像させたり、タッチパネルにより血圧や体重などのようなデータをテキスト入力させたりすることにより、これら健康関連情報を取得する。そして、これらの健康関連情報は、外部装置からの要求によりユーザ端末6から外部装置に送信される。
【0057】
(4)ポイント処理サーバ2の動作
第1実施形態の情報処理装置(ポイント処理サーバ2)の動作の一例について説明する。ポイント処理サーバ2は、まず、ユーザのアカウント情報や所定の設定情報を設定するためのアカウント情報登録処理を実行し、次に、所定の情報収集タイミングにてユーザ情報を収集し、ボーナスポイント処理を実行する。
【0058】
(4-1)アカウント情報登録処理
アカウント情報登録処理では、共通ログイン情報と統合して管理することを望むサービスシステムの個別ログイン情報との紐づけなどを含むマイページ情報の登録処理、および、ユーザが健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報、すなわち、ユーザが健康関連情報の取得、利用、保管、提供等に同意するか否かの制約情報の登録処理が行われる。
【0059】
(4-1-1)マイページ情報の登録処理
図3は、
図2に示す情報処理装置(ポイント処理サーバ2)により提示されるマイページ情報の入力画面の一例を示す図である。
【0060】
図3のマイページ情報の入力画面は、例えば、ユーザ端末6のタッチスクリーン67に表示される。ポイント処理サーバ2は、ユーザからログイン要求があった場合、例えば、
図3(A)に示される統合アカウントログイン画面をユーザ端末6に表示させる。そして、この画面において、ユーザがユーザIDおよびパスワードを入力すると、ポイント処理サーバ2は、入力されたユーザIDおよびパスワードをもとにユーザ認証を行う。この認証処理の結果、ユーザの正当性が確認されると、ポイント処理サーバ2はユーザ端末6に当該ユーザIDに対応するマイページ情報を設定するための入力画面を表示させる。なお、ユーザIDとパスワードは、統合アカウントへの会員登録時あるいは更新登録時に登録されているものとする。
【0061】
図3(B)は、マイページ情報を設定するための入力画面であり、ユーザ情報の提供元である第1アクセス先にアクセスするための情報を設定するための領域(a)~(c)、情報収集タイミングを設定する領域(d)、ボーナスポイントの付与先である第2アクセス先にアクセスするための情報を設定する領域(e)、および、ボーナスポイントの利用条件を設定する領域(f)を備えている。
【0062】
「サービスシステム設定」(a)は、ユーザが、選択肢として表示されたサービスシステムのうち所望のサービスシステムを選択する入力画面である。選択肢として、予め定められた代表的なサービスシステムであるA医療機関、B健康保険、C薬局、Dポイントサービス、E銀行が表示されているが、例えば、ユーザ端末6の現在の位置情報に基づいて、地理的に近いサービスシステムを表示してもよい。また、ユーザが希望するサービスシステムが表示されていない場合には、「参照」ボタンを押下することにより、他のサービスシステムを表示させてもよい。「サービスシステム設定」(a)にて所望のサービスシステムが選択されると、当該サービスシステムにログインするための個別ログイン情報の入力画面が表示される。
【0063】
図4は、
図2に示す情報処理装置(ポイント処理サーバ2)により提示される個別ログイン情報の入力画面の一例である。
【0064】
図4の個別ログイン情報の入力画面は、ユーザ端末6のタッチスクリーン67に表示される。
図4の個別ログイン情報の入力画面は、例えば、マイページ情報の「サービスシステム設定」(a)でA医療機関が選択されたときに表示され、当該A医療機関に係るサービスシステムのアクセス先URL、ログインID、パスワードを入力できるように構成されている。ポイント処理サーバ2は、A医療機関から健康関連情報を含むユーザ情報を収集することについてユーザの許諾を求めるための「許諾」ボタンをユーザ端末6に表示させる。そして、この入力画面において、ユーザが「許諾」ボタンを押下すると、ポイント処理サーバ2は、当該A医療機関に係るサービスシステムのアクセス先URL、ログインID、パスワードおよび許諾情報を、当該サービスシステムの個別ログイン情報としてマイページ情報に含めて記憶する。なお、サービスシステムによっては、ログイン時に本人証明情報が求められることがあるが、この本人証明情報は、当該サービスシステムにログインした後のエントリステップにおいて入力してもよいし、当該サービスシステムが事前の本人証明情報の登録を受け付ける場合には、事前にマイページ情報として設定してもよい。
【0065】
ここで、A医療機関が健康関連情報を提供するサービスシステムであることが事前に登録されている場合、あるいは、個別ログイン情報の入力画面で入力されるA医療機関の名称やリンク先の内容から判定される場合、ユーザがA医療機関からユーザ情報を収集することを許諾したことに応答して、後述するように、健康関連情報の利用についてユーザが同意するか否かの制約情報を設定する入力画面が表示される。
【0066】
「OS連携データ設定」(b)は、ユーザ端末6に記録されたOS連携データを設定するための入力画面であり、L健康診断アプリデータ、M歩数アプリデータ、N睡眠アプリデータが選択肢として表示されている。ユーザが、L健康診断アプリデータを第1アクセス先として選択すると、ポイント処理サーバ2は、情報収集タイミングにおいて、L健康診断アプリが収集したL健康診断アプリデータをOS連携データとして取得するために、ユーザ端末6のOSに対してデータ送信要求を送出する。「OS連携データ設定」(b)が選択された場合にも、健康関連情報の利用についてユーザが同意するか否かの制約情報を設定する入力画面が表示される。
【0067】
「その他の入力設定」(c)には、「イメージ送信」と「ユーザ入力」の選択肢が表示されている。「イメージ送信」は、ユーザがカメラで撮像した健康診断書等のイメージデータを送信することを意味する。「ユーザ入力」は、ユーザが血圧や体温などの値を示すテキストデータを入力することを意味する。「その他の入力設定」(c)が選択された場合にも、これら健康関連情報の利用についてユーザが同意するか否かの制約情報を設定する入力画面が表示される。
【0068】
「情報収集タイミング」(d)は、第1アクセス先にアクセスしてユーザ情報を収集するための情報収集タイミングを設定するための入力画面である。情報入力タイミングとしては、「統合アカウントログイン時」、「定期的( 月ごと)」、「日時指定(年月日)」、「スケジューラとリンク」のうちの1つまたは複数を指定することができる。スケジューラとリンクの設定では、ユーザ情報の収集タイミングをユーザ端末6にインストールされたスケジューラとリンクさせることができる。例えば、「サービスシステム設定」(a)でA医療機関を設定し、ユーザ端末6のスケジューラにA医療機関への通院日が記録されている場合、ポイント処理サーバ2は、ユーザ端末6のスケジューラからこの通院日を取得し、当該通院日に合わせてA医療機関のサービスシステムから健康関連情報を収集することができる。
【0069】
「ボーナスポイント付与先設定」(e)は、第2アクセス先であるボーナスポイントの付与先のサービスシステムを設定するための入力画面である。ユーザは、ユーザ情報を提供した対価として算出されたボーナスポイントを、XポイントサービスあるいはYポイントサービスのいずれに付与するかを選択することができる。ボーナスポイントの付与先は、予め表示されているポイントサービスのほか、「参照」ボタンを押下することにより、他のポイントサービスの中から選択できるようにしてもよい。
【0070】
「ボーナスポイント利用条件設定」(f)は、ユーザ情報の対価として付与されたボーナスポイントを何に利用するかを設定するための入力画面である。この入力画面により、ボーナスポイントを「健康関連商品のみに利用」したり、「R商店のみで使用」したりするなど、付与されたボーナスポイントを特定の商品や役務あるいは店舗のみで利用することを登録することができる。さらに、「参照」ボタンにより、予め設定された範囲内の利用先から、所望する利用先を選択してもよい。なお、「健康関連商品のみに利用」や「R商店のみで使用」という条件の表示とともに、「ボーナス1.5倍」あるいは「ボーナス2倍」などを併せて表示してもよい。ボーナスポイントの値や倍率を高めることをマイページに表示することにより、ユーザが健康関連情報を提供したり、健康関連食品を購入したりするインセンティブを高めることができる。さらに、ポイント処理サービスを運営する事業者にとっても、特定の商品や役務あるいは店舗の売上増も期待できる。
【0071】
(4-1-2)制約情報の登録処理
次に、制約情報の登録処理について説明する。
図5は、
図2に示す情報処理装置(ポイント処理サーバ2)により提示される制約情報の入力画面の一例を示す図である。
【0072】
図5の制約情報の入力画面は、
図3において健康関連情報を提供するサービスシステムが選択され、かつ、
図4の個別ログイン情報の入力画面で「許諾」ボタンが押下されたことに応答して、例えば、ユーザ端末6のタッチスクリーン67に表示される。制約情報入力画面には、例えば、「利用を許可する書類」、「利用を許可する検査項目」、「取得した情報の利用方法」、「取得した情報の提供先」といった項目のそれぞれについて、ユーザにより選択可能な選択肢が表示される。なお、
図5の制約情報の入力画面は、個別ログイン情報の設定とは別の時点、例えば、ユーザからの制約情報の確認要求や登録内容の変更要求に応じて表示するようにしてもよい。
【0073】
「利用を許可する書類」としては、「健康診断結果、診療録、手術記録、麻酔記録、検査記録、処方せん、お薬手帳、薬歴簿、調剤録、すべて」の書類が例示されており、ユーザは、これらの書類のうち利用を許可する書類にチェックを入れる。「利用を許可する検査項目」として、利用を許可した書類に記載されている検査項目が例示されており、「既往歴、業務歴、自覚/他覚症状、身長、体重、胸囲、視力および聴力、胸部エックス線、血圧、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、心電図、すべて」といった選択肢が提示されている。「取得した情報の利用方法」として、「マーケット分析、プロモーション、医療統計、すべて」といった選択肢が提示されている。「取得した情報の提供先」として、「A商店、B保険会社、Cスーパーマーケット、D医療機関、E薬局、すべて」といった選択肢が提示されている。
【0074】
ユーザは、制約情報入力画面に提示された各種選択肢のうち利用に同意するものについてチェックを入れる。そして、選択肢のチェックが終了し、「同意」ボタンが押下されたとき、ユーザが選択した項目に関して、ユーザが健康関連情報の利用に同意したものとして確定され、当該確定された制約情報が、該当するサービスシステムと関連付けて制約情報記憶部232に格納される。なお、同意する選択肢にチェックを入れる代わりに、同意しない選択肢にチェックを入れるようにしてもよいことはいうまでもない。ここで、「キャンセル」ボタンが押下されたときは、A医療機関から収集した情報は、ポイント処理システム1によって取得されることも利用されることもない。このとき、マイページ情報の「サービスシステム設定」(a)から、A医療機関の選択を取り消してもよい。
【0075】
図3のマイページ情報の入力画面において、「OS連携データ設定」(b)あるいは「その他の入力設定」(c)が選択されたときには、
図4の個別ログイン情報の入力画面を表示せずに、
図5の制約情報の入力画面を表示する。そして、制約情報の入力画面に表示される「利用を許可する書類」、「利用を許可する検査項目」、「取得した情報の利用方法」、「取得した情報の提供先」といった項目のそれぞれについて、ユーザが健康関連情報の利用に同意するか否かを登録し、その登録結果を、「OS連携データ設定」(b)あるいは「その他の入力設定」(c)にて選択された項目と関連付けて制約情報記憶部232に格納する。
【0076】
なお、「OS連携データ設定」(b)あるいは「その他の入力設定」(c)からどのような健康関連情報が収集されるかが予め知られている場合には、
図4の制約情報の入力画面を使用することなく、「OS連携データ設定」(b)あるいは「その他の入力設定」(c)において設定された内容に基づいて、ユーザの同意情報を自動的に制約情報記憶部232に格納してもよい。
【0077】
例えば、マイページ情報の入力画面の「OS連携データ設定」(b)にて「L健康診断アプリデータ」が選択されたとき、または、「その他の入力設定」(c)にて「イメージ送信」や「ユーザ入力」が選択されたときには、「利用を許可する書類」として「健康診断結果」、「利用を許可する検査項目」として「身長、体重、胸囲、視力、および聴力」について同意が得られたものとみなして、制約情報記憶部232に自動的に制約情報の登録を行ってもよい。あるいは、「OS連携データ設定」(b)あるいは「その他の入力設定」(c)の設定時にユーザの同意情報を事前に登録する構成に代えて、ポイント処理サーバ2が該当するデータを収集するためのデータ送信要求をユーザ端末6に送信する度に、ポイント処理サーバ2がユーザに健康関連情報の利用についての同意を求め、同意があったときに制約情報記憶部232に自動的に制約情報を登録してもよい。
【0078】
(4-2)ボーナスポイント処理の概要
制御部210は、マイページ情報において設定された情報収集タイミングになったことを判定すると、マイページ情報において選択された1または複数の第1アクセス先のそれぞれから、健康関連情報あるいは購買関連情報を含むユーザ情報を収集する。健康関連情報を提供する第1アクセス先から収集されたユーザ情報については、健康関連情報についてのボーナスポイント処理動作を実行する。一方、制御部210は、購買関連情報を提供する第1アクセス先から収集されたユーザ情報については、購買関連情報についてのボーナスポイント処理動作を実行する。以下では、第1アクセス先から収集した健康関連情報を含むユーザ情報は、ボーナスポイントを付与する対象として健康関連情報のみを含むものとして説明するが、当該ユーザ情報が健康関連情報とともに購買関連情報も含んでいる場合には、制御部210は、これら健康関連情報と購買関連情報の両者について対応するボーナスポイント処理動作を適用してもよいし、当該購買関連情報を取得しないものとして扱ってもよい。
【0079】
健康関連情報についてのボーナスポイント処理動作では、健康関連情報を提供する第1アクセス先から収集されたユーザ情報のそれぞれについて、マスキング処理、健康関連情報に関するボーナスポイント算出処理を実行する。そして、算出されたボーナスポイントを第2アクセス先に通知する処理を実行する。
【0080】
一方、購買関連情報についてのボーナスポイント処理動作では、購買関連情報を提供する第1アクセス先から収集されたユーザ情報のそれぞれについて、マスキング処理を実行することなく、購買関連情報に関するボーナスポイント算出処理を実行する。そして、算出されたボーナスポイントを第2アクセス先に通知する処理を実行する。ここで、ボーナスポイントを第2アクセス先に通知する処理は、健康関連情報および購買関連情報に共通した処理としてもよい。
【0081】
(4-2-1)健康関連情報についてのボーナスポイント処理動作
図6は、第1実施形態の情報処理装置(ポイント処理サーバ2)における健康関連情報のボーナスポイント処理動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0082】
制御部210は、マイページ情報において設定された情報収集タイミングに一致したことを判定すると(ステップS61:YES)、マイページ情報に設定された1または複数の第1アクセス先のそれぞれから健康関連情報あるいは購買関連情報を含むユーザ情報を収集する(ステップS62)。制御部210は、それぞれの第1アクセス先から収集した健康関連情報について、マスキング処理(ステップS63)、ボーナスポイント算出(ステップS64)、ボーナスポイント通知(ステップS65)を実行する。一方、情報収集タイミングではないと判定されると(ステップS61:NO)、処理を終了する。
【0083】
制御部210は、ユーザ情報の収集ステップ(ステップS62)において、当該ユーザの統合アカウントへの共通ログイン情報を取得する。共通ログイン情報が取得されると、当該共通ログイン情報をキーにして、「サービスシステム設定」(a)に登録されたAサービスシステム4、Bサービスシステム5の個別ログイン情報を取得し、併せて、「ボーナスポイント付与先設定」(e)が参照され、Xサービスにログインするための個別ログイン情報を取得する。
【0084】
次に、制御部210は、「サービスシステム設定」(a)に登録されたAサービスシステム4、Bサービスシステム5のそれぞれに対応する個別ログイン情報に基づいて、Aサービスシステム4、Bサービスシステム5にアクセスし、健康関連情報あるいは購買関連情報を含むユーザ情報を収集する。なお、ここでは、AサービスシステムとBサービスシステムを例にとって説明するが、「サービスシステム設定」(a)に設定されたすべてのサービスシステムについて同様にユーザ情報の収集が行われる。
【0085】
制御部210は、Aサービスシステム4のAユーザ情報データベース42から、当該ユーザに関する健康関連情報を含むユーザ情報を収集する。また、制御部210は、Bサービスシステム5のBユーザ情報データベース52から、当該ユーザに関する購買関連情報を含むユーザ情報を収集する。このとき、Aサービスシステム4およびBサービスシステム5からのユーザ情報の収集には、例えば、スクレイピングエンジンを利用することができる。ユーザ情報収集ステップ(ステップS62)においてユーザ情報を収集する場合、例えば前回の収集タイミング以降に記録されたユーザ情報のみを収集するようにしてもよい。
【0086】
マイページ情報において「OS連携データ」(b)が設定されている場合、ポイント処理サーバ2は、当該ユーザのユーザ端末6にアクセスし、当該ユーザ端末6が保有する健康関連情報の提供を要求する。例えば、「OS連携データ」(b)において「L健康診断アプリデータ」が設定されている場合、ポイント処理サーバ2は、当該ユーザのユーザ端末6に対して、当該L健康診断アプリデータの送信を要求する。ユーザ端末6は、ポイント処理サーバ2からのデータ送信要求に応答して、L健康診断アプリデータをポイント処理サーバ2に送信する。
【0087】
マイページ情報の「その他の入力設定」(c)が設定されている場合、ポイント処理サーバ2は、入力設定された内容に基づいて、ユーザ端末6に対して健康関連情報の送信要求を送出する。例えば、「イメージ送信」が設定されている場合には、ポイント処理サーバ2は、ユーザ端末6に対して、健康診断結果をカメラにより撮像したイメージデータを送信することを要求する。また、「ユーザ入力」が設定されている場合には、ポイント処理サーバ2は、ユーザ端末6に対して、ユーザ操作により入力された健康関連情報のテキストデータを送信することを要求する。ユーザ端末6は、ポイント処理サーバ2からのデータ送信要求に応答して、健康関連情報をカメラにより撮像すること、あるいは、テキスト入力することをユーザに催促し、撮像されたイメージデータあるいは入力されたテキストデータをポイント処理サーバ2に送信する。なお、これらイメージデータやテキストデータが事前にユーザ端末6に記録されている場合には、催促の処理は不要となる。
【0088】
次に、制御部210は、1または複数の第1アクセス先から収集されたユーザ情報のうち、健康関連情報を提供する第1アクセス先から収集されたユーザ情報を抽出し、マスキング処理(ステップS63)を実行する。制御部210は、抽出されたユーザ情報を提供した第1アクセス先に対応付けられた制約情報を制約情報記憶部232から読み出し、「利用を許可する書類」および「利用を許可する検査項目」に関する情報を取得する。この情報から、ユーザが利用に同意していない書類および検査項目を抽出し、抽出された不同意の項目をマスク情報として設定する。制御部210は、抽出されたユーザ情報に含まれる健康関連情報とマスク情報とのマッチングを行い、マスク情報に該当する書類や検査項目についてマスキング処理を実行する。マスキング処理では、例えば、健康関連情報からマスク情報に該当する情報を削除したり、他のダミーデータで置き換えたりし、マスキングされた健康関連情報をユーザ情報記憶部233に記録する。ユーザ情報記憶部233への健康関連情報の記録にあたっては、アクセス制限を厳しくするなど、共有や保管にあたり高いセキュリティを実現してもよい。
【0089】
次に、制御部210は、それぞれの第1アクセス先から取得した健康関連情報について、ボーナスポイント算出ステップ(ステップS64)を実行する。制御部210は、制約情報あるいはマイページ情報に基づいて、Xサービスシステム3が提供するXサービスにおいて使用可能なボーナスポイントを算出する。当該ボーナスポイントは、ユーザが利用に同意した健康関連情報を取得したことに対する対価として与えられる。なお、このとき、Aサービスがポイントサービスを兼ねたサービスである場合には、当該算出処理は、Aサービスシステム4のAユーザ情報データベース42に記憶される、Aサービスにおいてユーザが取得したポイントを維持したまま実行される。
【0090】
図7は、第1実施形態の情報処理装置(ポイント処理サーバ2)における健康関連情報のポイント算出の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0091】
ポイント処理サーバ2は、健康関連情報についてボーナスポイントを算出する場合、制約情報記憶部232から、健康関連情報を提供する第1アクセス先のそれぞれに対応して予め設定された制約情報を取得し(ステップS71)、第1アクセス先から取得した健康関連情報のそれぞれについて、健康関連情報の情報量に基づくポイント計算(ステップS72)、健康関連情報の利用態様に基づくポイント計算(ステップS73)、ボーナスポイントの利用条件に基づくポイント計算(ステップS74)を実行する。そして、第1アクセス先から取得した健康関連情報のそれぞれについて計算されたボーナスポイント計算の結果を総計して、健康関連情報についてのボーナスポイントを決定する(ステップS75)。
【0092】
制御部210は、健康関連の情報量に基づくポイント計算(ステップS72)において、健康関連情報の種類数や検査項目数、あるいは、情報の種類や検査項目に対応付けられたボーナスポイントの重みに応じてボーナスポイントを算出する。このとき、制約情報として設定した「利用を許可する書類」の各書類、および、「利用を許可する検査項目」の各検査項目について、それぞれの書類や項目に対応するボーナスポイント値を予め設定した対応テーブルを準備してもよい。例えば、「利用を許可する書類」について、健康診断結果は10ポイント、お薬手帳は8ポイントなどと設定し、「利用を許可する検査項目」について、血圧は0.1ポイント、肝機能は0.2ポイントなどと設定しておく。ユーザがこれらの書類や検査項目の利用に同意した場合には、健康診断結果10+お薬手帳8+血圧0.1+肝機能0.2などのようにボーナスポイント値を加算することにより、健康関連情報の情報量に応じたボーナスポイントを算出できる。
【0093】
制御部210は、健康関連の利用態様に基づくポイント計算ステップ(ステップS73)において、制約情報に設定された「利用を許可する書類」、「利用してもよい検査項目」、「取得した情報の利用方法」、「取得した情報の提供先」を組み合わせることにより、健康関連情報の利用目的や提供先などの利用態様あるいは利用価値に応じてボーナスポイントを算出することができる。健康関連情報は、その利用方法や提供先などの利用態様によって、その利用価値が異なる。例えば、A商店が血圧関連の健康食品の販売プロモーションを行おうとしているとき、「取得した情報の利用方法」として「プロモーション」、「取得した情報の提供先」として「A商店」の両方にチェックが付されていた場合には、健康関連情報の利用価値が高いものとして、ポイント値やポイント率を高くしてもよい。あるいは、「B保険会社」がBMI、血圧、肝機能の検査結果を利用して保険給付予測を行おうとしているとき、「利用を許可する書類」として健康診断結果、利用を許可する検査項目として、身長、体重、血圧、肝機能を含む項目、「取得した情報の提供先」としてB保険会社にチェックが付されている場合には、健康関連情報の利用価値が高いものとして、ポイント値あるいはポイント率を高く設定することができる。
【0094】
制御部210は、さらに、ボーナスポイントの利用条件に基づくポイント計算ステップ(ステップS74)において、マイページ情報の「ボーナスポイント利用条件設定」(f)に基づいて、ボーナスポイントを算出してもよい。すなわち、ボーナスポイントが付与された場合、ユーザがそのボーナスポイントを何に対して使用するか、あるいはどの店舗で使用するかといった利用条件に応じて、ボーナスポイントを算出することができる。例えば、ボーナスポイント利用条件として、「健康関連商品のみに利用」が設定された場合にはボーナスポイントを1.5倍、「R商店のみで利用」が設定された場合には2.0倍にすることができる。これにより、ユーザが健康関連商品を購入しようとするインセンティブを与えることができるため、健康関連商品を扱う商店における売上増が期待できるうえ、ユーザの健康増進にも資することができる。
【0095】
制御部210は、ボーナスポイント通知ステップ(ステップS75)において、算出されたボーナスポイントを上記ユーザのXサービスシステム3に係るポイント口座に付与させるための通知を生成し、このボーナスポイント通知を通信制御部220からXサービスシステム3に対し送信する。なお、当該ボーナスポイント通知は、マイページ情報の「ボーナスポイント付与先設定」(e)で設定された、Xサービスにログインするための該当ユーザの個別ログイン情報が使用される。なお、ボーナスポイント通知ステップ(ステップS75)では、健康関連情報についてのボーナスポイントと、購買関連情報についてのボーナスポイントとを合算して通知してもよい。
【0096】
(4-2-2)購買関連情報についてのボーナスポイント処理動作
図6におけるユーザ情報収集ステップ(ステップS62)において購買関連情報を提供するサービスシステムからユーザ情報を収集した場合には、収集された購買関連情報は、マスキング処理を施すことなく取得されてユーザ情報記憶部233に記録され、購買関連情報に応じたボーナスポイントが算出される。なお、
図6のボーナスポイント通知処理(ステップS65)は、健康関連情報と同様に実行される。以下では、購買関連情報に応じたボーナスポイントの算出処理について説明する。
【0097】
先ず、購買関連情報として決済情報が取得された場合を例にとって説明する。決済情報は、例えば、1回の購入においてユーザが決済を行った各商品に関する情報が1レコードとして管理される。1レコードにはユーザが決済を行った日付・時間、(仮想店舗を含む)店舗名、および金額等が含まれる。なお、決済情報は、例えば、1レコード毎に、決済済み商品の商品名やポイント情報を含んでいてもよい。
【0098】
ボーナスポイントの算出処理は、例えば、決済情報の各レコードが示す金額に基づいて実行される。例えば、決済情報の各レコードが示す金額をボーナスポイントに換算するための第1の換算係数が読み出され、各レコードが示す金額と、第1の換算係数との積の合計が計算されて、ボーナスポイントが算出される。
【0099】
一方、上記ボーナスポイントの算出処理は、決済情報の情報量に基づいて実行されてもよい。例えば、決済情報の情報量をボーナスポイントに換算するための第2の換算係数が読み出され、決済情報の総レコード数と、第2の換算係数との積が計算されて、ボーナスポイントが算出される。
【0100】
なお、第1および第2の換算係数の値は、決済情報の提供元のサービスに応じて異なる値が設定されるようにしてもよい。また、決済情報の各レコードにおいて、ユーザが決済を行った日付・時間、(仮想店舗を含む)店舗、および金額等に加えて、決済済み商品の商品名等までが示されるレコードに対しては、第1および第2の換算係数の値を高く設定するようにしてもよい。
【0101】
すなわち、各レコードについての情報量または各レコードに含まれる情報の種類に応じて、第1および第2の換算係数の値を高くあるいは低く設定するようにしてもよい。さらに、第1および第2の換算係数は、決済情報の各レコードについての決済が行われた年や月等の期間によって異なる値が設定されるようにしてもよい。なお、上記第1および第2の換算係数ならびにボーナスポイントの算出方法については、上述したのとは異なる他の態様となるように設定したものであってもよい。
【0102】
以上の説明では、購買関連情報として決済情報が取得された場合のボーナスポイントの算出処理について述べた。しかしながら、購買関連情報として、商品の注文履歴を示す情報や、購入検討中の商品の登録状況を示す情報や、役務の提供を受けるための登録状況を示す情報のような、他の購買関連情報が取得された場合にも、上述した決済情報の場合と同様の処理が実行されるようにしてもよい。
【0103】
例えば、他の購買関連情報も、各レコードには各商品等に関する情報が含まれる。商品の注文履歴を示す情報は、1レコード毎に、ユーザが注文をした日付・時間、商品名、金額、および納品場所等を含む。また、購入検討中の商品の登録状況を示す情報は、例えば、1レコード毎に、ユーザが登録した日付・時間、商品名、および金額等を含む。最後に、役務の提供を受けるための登録状況を示す情報は、例えば、1レコード毎に、役務の種類、その役務の提供を受ける頻度、ユーザの性別・年齢、およびユーザの住所等を含む。
【0104】
これらの購買関連情報に基づいてボーナスポイントを算出する場合も、決済情報の場合と同様に、取得された購買関連情報において示される商品等の金額に基づいて実行されるようにしてもよく、あるいは取得された購買関連情報の例えば総レコード数のような情報量に基づいて実行されるようにしてもよい。また、当該算出処理において使用される換算係数は、上述した場合と同様に、購買関連情報が取得されたサービスに応じて異なる値が設定されるようにしてもよく、また、各レコードについての情報量または各レコードに含まれる情報の種類に応じて設定するようにしてもよく、さらには購買関連情報に示される日付・時間情報によって異なる値が設定されるようにしてもよい。
【0105】
以上詳述したように、この発明の第1実施形態では、共通ログイン情報を紐づけられた複数のサービスの個別ログイン情報を利用して、健康関連情報を提供する広範囲のアクセス先から容易に健康関連情報を収集することができ、また、ユーザにより設定された健康関連情報の利用に関する制約情報を用いることにより、健康関連情報を適切に利用することができる。さらに、制約情報に基づいてボーナスポイントを算出することにより、健康関連情報を提供しようとする動機付けをユーザに与えることができる。さらに、ポイント処理サービスを運営する事業者にとっても商品の販売や役務の提供を促進することができる。
【0106】
第1実施形態では、ポイント処理サーバ2において、スクレイピングエンジンを用いてユーザ情報の収集処理を行う場合を例にとって説明した。しかしそれに限らず、情報提供元となる各サービスを運用するサービスシステムが提供するApplication Programming Interface(API)を利用し、各サービスシステムが管理するユーザ情報をポイント処理サーバ2により収集するように構成してもよい。一般に、APIには認証用のAPIとデータ提供用のAPIがあり、これらのAPIを併用することで、ユーザ認証を行った上で当該ユーザに関する情報をポイント処理サーバ2で収集することができる。
【0107】
また、第1実施形態では、健康関連情報には、健康診断情報、診療情報、調剤情報など、その取扱いに特に配慮を要する情報が含まれるとしたが、健康関連情報以外であっても、取扱いに特に配慮を要する情報を含むユーザ情報を収集する場合には、健康関連情報と同様に、制約情報の設定処理(
図5)、ボーナスポイント処理(
図6)、ボーナスポイント算出処理(
図7)を採用してもよい。
【0108】
<第2実施形態>
第2実施形態の情報処理装置および情報処理プログラムが適用されるポイント処理システム1について説明する。
第2実施形態の情報処理装置(ポイント処理サーバ2)は、
図2に示されたように、付加的なサービスを実行する付加サービス処理部216をさらに備えている。付加サービス処理部216は、少なくともユーザが利用に同意した健康関連情報に基づいて、当該ユーザの健康状態の可視化サービスを提供する。付加サービスとしては、例えば、ユーザの健康状態を健康レポートとして表示するサービス、ユーザの健康状態に応じて商品をレコメンドするサービス、ユーザの健康状態を改善するための食事をレコメンドするサービスなどが含まれる。付加サービス処理部216による付加サービス処理は、
図6におけるボーナスポイント通知ステップ(S65)に続いて実行されてもよいし、他の任意のタイミングで実行されてもよい。
【0109】
ユーザの健康状態を健康レポートとして表示するサービスについて説明する。例えば、健康診断結果には、受診した健康診断の結果に対する評価がA~Eなどのレベルに分けて記載されており、これらの評価からユーザの健康状態を取得することができる。ポイント処理サーバ2は、健康関連情報に記載された健康に関する評価を取得して記録し、当該評価の経時的な推移を健康レポートとして表示することにより、ユーザの健康状態を可視化した情報を提供することができる。また、評価結果が良くない特定の検査項目を抽出し、その項目の数値の推移を表示してもよい。さらに、健康レポートには、ユーザの健康状態を可視化するとともに、ユーザの健康状態に対応した健康アドバイスを付加して表示してもよい。このように、ユーザの健康状態や健康度合いを健康レポートとして表示することにより、ユーザによる健康に対する関心を高め、ユーザの健康増進に貢献することができる。
【0110】
さらに、ユーザの健康関連情報に基づいて、ユーザの健康度合いを数値的に表示する健康スコアを算出し、この健康スコアを健康レポートに併せて表示してもよい。健康スコアとしては、例えば、ユーザの健康診断結果から身長、体重、BMI、血糖、血圧、脂質、肝機能のような着目すべき項目を抽出し、これらの項目が所定の母集団の平均レベルと比較してどの程度乖離しているかを偏差値などにより数値化したスコアを用いることができる。
【0111】
さらに、健康レポートの表示とともに、ユーザの健康状態や健康スコアに応じてボーナスポイントを付与してもよい。例えば、可視化した健康診断の時系列的な評価結果の推移が改善傾向を示しているとき、あるいは、特定の検査項目が目標値に到達したときなどにはボーナスポイントを追加的に付与してもよい。例えば、ユーザがダイエット中の時には、ユーザにより「体重」の目標値を設定できるようにしておき、取得した健康関連情報から「体重」の時系列推移を生成して表示し、体重が目標値に到達したときには追加的なボーナスポイントを付与するようにしてもよい。あるいは、算出された健康スコアの値あるいは変化値に応じてボーナスポイントを付与するようにしてもよい。このように、ユーザの健康度合いに応じて追加的なボーナスポイントを付与することにより、ユーザの健康増進に役立つほか、健康関連情報を積極的に提供しようとする動機付けにもなる。
【0112】
付加サービス処理の他の例として、ユーザの健康状態に応じて商品をレコメンドするサービスがある。健康関連情報から判定されるユーザの健康状態に応じて、その健康状態を改善できると期待される商品をレコメンドすることができる。例えば、ユーザの健康関連情報から、血圧が高い、メタボ傾向、脂肪傾向などといった健康状態を判定できることから、このような健康状態に効果が期待できる食品、例えば、特定保健用食品や機能性表示食品などの商品をレコメンドしてもよい。これにより、ユーザの健康を改善する提案ができるほか、特定保健用食品や機能性表示食品などの商品の販売促進にもつながる。
【0113】
付加サービス処理のさらに他の例として、第1実施形態の情報処理装置により取得されたユーザの健康関連情報とともに、当該ユーザの購買関連情報も併せて分析することにより、ユーザの健康状態を改善するための食事をレコメンドすることもできる。例えば、ユーザの購買関連情報からユーザが日常多く購入している食品を抽出するとともに、健康関連情報からユーザの健康状態を抽出し、ユーザの健康状態を改善するために摂取が必要な食品が、日常購入している食品に含まれているかを分析することができる。そして、その分析結果に応じて、健康のために購入すべき食品を当該ユーザにレコメンドしたり、これら食品を材料としたメニューを提示したりしてもよい。さらに、当該ユーザの購買関連情報から、レコメンドした食品をユーザが購入したことが判定できた場合には、追加的なボーナスポイントを付与してもよい。これにより、ユーザの健康増進だけではなく購買に対するインセンティブも向上させることができる。
【0114】
<変形例>
(変形例1)第1実施形態の情報処理装置では、各ユーザの統合アカウントにおいて共通ログイン情報に紐付けられている個別ログイン情報をもとに、情報提供元となるサービスシステムからユーザ情報を収集するようにした。しかしながら、ユーザ情報の収集手段は以下のように構成されてもよい。
【0115】
すなわち、情報収集タイミングになったとき、ユーザ情報を保持するサービスシステムに対する第1の個別ログイン情報と、ボーナスポイントの付与先となるポイント口座を保持するサービスシステムに対する第2の個別ログイン情報とを取得する。そして、第1の個別ログイン情報に基づいてユーザ情報を取得し、取得されたユーザ情報に基づいてボーナスポイントを算出する。最後に、第2の個別ログイン情報に基づいて、算出されたボーナスポイントの通知を、付与先のポイント口座を保持するサービスシステムの管理装置へ送信する。
【0116】
なお、上記第1および第2の個別ログイン情報の取得処理は、例えば、ユーザによりユーザ端末6に入力された第1および第2の個別ログイン情報を取得するものである。このような個別ログイン情報を利用する場合は、任意のサービスに係るユーザ情報という広範囲の情報を取得することができる。また、ユーザがその都度望むサービスに係るポイント口座にボーナスポイントが付与されるようにすることができる。
【0117】
また、例えば、ユーザ情報の提供元となる複数のサービスにログインするために共通ログイン情報のみを使用し、ボーナスポイントの付与先となるポイント口座を保持するサービスシステムにログインするために個別ログイン情報を使用するようにしてもよい。また、ユーザ情報の提供元となる複数のサービスシステムにログインするためにそれぞれの個別ログイン情報を使用し、ボーナスポイントの付与先となるポイント口座を保持するサービスシステムにログインするために共通ログイン情報を使用するようにしてもよい。
【0118】
(変形例2)第1実施形態では、情報提供元となるサービスシステムからユーザ情報を取得する例を説明したが、取得されるユーザ情報は健康関連情報や購買関連情報に限られるものではなく、例えばアンケートの回答情報や、イベントや観光地等に関する情報、道路の渋滞情報、任意の話題に対するユーザのつぶやきの情報を取得するようにしてもよい。また、複数のサービスから情報を取得する場合、共通の種類の情報に限らず、異なる種類の情報を一括して取得するようにしてもよい。
【0119】
(変形例3)第1実施形態では、ユーザが利用する各サービスシステムの個別ログイン情報、各サービスに係るユーザ情報、およびユーザ情報収集のためのスクレイピングエンジンがポイント処理サーバ2内で管理される場合を例にとって説明した。しかしそれに限らず、上記各サービスシステムの個別ログイン情報、各サービスに係るユーザ情報、およびスクレイピングエンジンは、ユーザ端末6において管理されるようにしてもよく、またポイント処理サーバ2とユーザ端末6あるいはボーナスポイント付与先のサービスシステムとで分散して管理されるようにしてもよい。
【0120】
例えば、第1実施形態に係る情報処理装置および情報処理プログラムをユーザ端末6によって実現し、ユーザ端末6によってポイント処理サーバ2と同様のサービスが実現されるようにしてもよい。すなわち、第1実施形態において説明した、マイページ情報の登録処理(
図3、
図4)や制約情報の登録処理(
図5)を含むアカウント情報登録処理、および、ユーザ情報の情報収集タイミングになったときのユーザ情報収集、マスキング処理、ボーナスポイント算出、ボーナスポイント通知といったボーナスポイント処理(
図6)を、ユーザ端末6が実行してもよい。あるいは、ユーザ端末6がボーナスポイント処理を管理しながら、そのうちのユーザ情報収集については、スクレイピングエンジンを実行するサーバに分散処理させてもよい。このとき、ユーザ端末6が、第1アクセス先となるサービスシステムの個別ログイン情報をスクレイピングエンジンに提供してもよい。
【0121】
また、第1実施形態では、ポイント処理サーバ2においてボーナスポイントを計算し、計算されたボーナスポイントを付与させるための通知をボーナスポイント付与先のサービスサーバに送信するようにした。しかしそれに限らず、ポイント処理サーバ2では情報提供元のサービスシステムからユーザ情報を取得する処理のみを行い、取得されたユーザ情報を制約情報とともにボーナスポイント付与先のサービスサーバに送信し、当該サービスサーバが受信されたユーザ情報と制約情報に応じてボーナスポイントを計算して該当するユーザのポイントに付与する処理を行うようにしてもよい。
【0122】
すなわち、ポイント処理サーバ2の各処理機能は、必ずしもそのすべてがポイント処理サーバ2内に設けられる必要はなく、ユーザ端末6、情報提供元のサービスシステム、およびボーナスポイントを付与するサービスシステムに分散して配置されるように構成してもよい。つまり、この発明は、1個の装置により実現する場合に限らず、複数の装置を含むシステムにより実現する場合も含む。
【0123】
(変形例4)ボーナスポイントの付与先の候補となるポイントサービスが複数存在する場合に、ポイント処理サーバ2は各ポイントサービスの該当ユーザに対する現時点のポイント付与率を管理する。そして、現時点でポイント付与率が最も高いポイントサービスを選択し、選択されたポイントサービスサーバのポイント付与率に応じてボーナスポイントを算出して、算出されたボーナスポイントの付与指示を上記選択されたポイントサービスに対し送信する。このようにすることで、ユーザが利用しているポイントサービスが複数ある場合に、その中の現時点で最もポイント付与率が高いポイントサービスのポイント口座にボーナスポイントを付与することが可能となる。
【0124】
また、ボーナスポイントの付与先の候補となるポイントサービスが複数存在する場合に、ポイント処理サーバ2は各ポイントサービスに対するユーザの利用頻度を管理する。そして、現時点で利用頻度が最も高いポイントサービスを選択し、取得されたユーザ情報、または当該ユーザ情報に基づいて計算されたポイントの通知を送信する。このようにすることで、ユーザが利用しているポイントサービスが複数ある場合に、その中の現時点で最も利用頻度の高いポイントサービスのポイント口座にボーナスポイントを付与することが可能となる。その他、ボーナスポイントの付与先となるポイントサービスの選択方法としては、利用中のすべてのポイントサービスを順次選択したり、ランダムに選択したりする方法を用いることが可能である。
【0125】
(変形例5)ポイント処理サーバ2は、ユーザ情報の提供を受け、その対価としてユーザに対しポイントを付与した場合に、そのポイントの付与履歴情報を生成して履歴データベースに保存するようにしてもよい。ポイントの付与履歴情報は、例えばユーザIDまたはユーザ情報提供元IDに対し、ユーザ情報の取得日時、取得したユーザ情報の識別名、および付与したポイントの種類とポイント数を関連付けたものからなる。ポイント処理サーバ2は、ユーザ端末6または取引先サービスの担当者の端末からポイント付与履歴情報の照会要求を受信した場合に、対応するポイント付与履歴情報を履歴データベースから検索して要求元の端末へ送信する。これにより、ユーザは過去のユーザ情報の提供の見返りとしてどの種類のポイントを何ポイント受け取ったかを確認することができる。またユーザ情報の提供元は、ユーザ情報の取得の見返りとしてユーザに対しどの種類のポイントが何ポイント付与されたかを確認することができる。
【0126】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0127】
1…ポイント処理システム、2…ポイント処理サーバ、21…プロセッサ、22…メモリ、23…ストレージ、24…通信I/F、25…入出力I/F、3…Xサービスシステム、31…X管理装置、32…Xユーザ情報データベース、4…Aサービスシステム、41…A管理装置、42…Aユーザ情報データベース、5…Bサービスシステム、51…B管理装置、52…Bユーザ情報データベース、6…ユーザ端末、60…バス、61…プロセッサ、62…メモリ、63…ストレージ、64…カメラ、65…通信I/F、66…入出力I/F、67…タッチスクリーン、68…入力部、69…表示部、7…ネットワーク、210…制御部、211…アカウント情報登録部、212…ユーザ情報収集部、213…マスキング処理部、214…ボーナスポイント算出部、215…ボーナスポイント通知部、216…付加サービス処理部、220…通信制御部、230…記憶部、231…マイページ情報記憶部、232…制約情報記憶部、233…ユーザ情報記憶部
【要約】
【課題】ユーザに関する健康関連情報を含むユーザ情報を広範囲に収集できるようにし、また、健康関連情報を提供しようとする動機付けをユーザに与えることを可能とする。
【解決手段】ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を提供する第1アクセス先から当該ユーザの健康関連情報を含むユーザ情報を収集し、当該ユーザが健康関連情報の利用に同意するか否かの制約情報に基づいて、収集された健康関連情報のうち当該ユーザが利用に同意しない情報をマスキングし、当該制約情報に基づいてボーナスポイントの付与先となる第2アクセス先において使用可能なボーナスポイントを算出する。さらに、取得した健康関連情報を含むユーザ情報を利用して、ユーザの健康状態を可視化するサービスを提供する。
【選択図】
図6