(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】治療計画画像、断片内3D画像、及び断片内2DX線画像の画像見当合わせ
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
A61N5/10 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022172144
(22)【出願日】2022-10-27
(62)【分割の表示】P 2019536908の分割
【原出願日】2018-01-05
【審査請求日】2022-11-28
(32)【優先日】2017-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505172824
【氏名又は名称】アキュレイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン ペトロ
(72)【発明者】
【氏名】マウラー ジュニア カルヴィン アール
(72)【発明者】
【氏名】ミロネンコ アンドリー
(72)【発明者】
【氏名】チャップロー ジョナサン セシル
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-240027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0210261(US,A1)
【文献】特表2010-500151(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0101082(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
治療計画画像を含む患者の基準画像と該患者の断片内画像の間で
の変換を決定する第1の画像見当合わせを行
い、該基準画像及び該断片内画像が該患者のターゲット位置を含む
3次元(3D)画像であり、
前記患者の前記基準画像に対する第1のデジタル再構成放射線写真(DRR)を通じて該患者の該基準画像と
2次元(2D)断片内X線画像の間で
の変換を決定する第2の画像見当合わせを行い、かつ
前記患者の治療中に、前記第1の
画像見当合わせ及び前記第2の
画像見当合わせに基づいて
一定期間にわたって前記ターゲット位置で少なくとも並進変化を追跡する、
ように前記メモリと作動的に結合された処理デバイスと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記基準画像は、キロボルトコンピュータ断層映像(kV-CT)画像、磁気共鳴撮像(MRI)画像、キロボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(kV-CBCT)画像、又はメガボルトコンピュータ断層映像(MVCT)画像のうちの1つであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記断片内画像は、キロボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(kV-CBCT)画像、メガボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(MV-CBCT)画像、メガボルトコンピュータ断層映像(MVCT)画像、又はヘリカルkV-CT画像のうちの1つであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
処理デバイスによって実行された時に、
処理デバイスにより、
治療計画画像を含む患者の基準画像と該患者の断片内画像の間で
の変換を決定する第1の画像見当合わせを行
い、該基準画像及び該断片内画像が該患者のターゲット位置を含
んでおり、
前記処理デバイスにより、前記患者の前記基準画像に対する第1のデジタル再構成放射線写真(DRR)を通じて該患者の該基準画像と
2次元(2D)断片内X線画像の間で
の変換を決定する第2の画像見当合わせを行い、かつ
前記患者の治療中に、前記第1の
画像見当合わせ及び前記第2の
画像見当合わせに基づいて
一定期間にわたって前記ターゲット位置で少なくとも並進変化を追跡する、
ことを前記処理デバイスに行わせる命令、
を含むことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記処理デバイスは、更に、
前記断片内画像に対する第2のDRRを発生し、
前記第2のDRRを通じて前記断片内画像と前記断片内X線画像の間で
の変換を決定する第3の画像見当合わせを行い、かつ
前記患者の治療中に、前記第3の見当合わせに基づいて
一定期間にわたって前記ターゲット位置で少なくとも前記並進変化を追跡する、
ことを特徴とする請求項4に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記基準画像、前記断片内画像、及び前記断片内X線画像は、ヘリカル放射線送出システムの撮像ソースによって又は前記患者に対する異なる位置での1又は2以上の撮像ソースによって発生されることを特徴とする請求項
4に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記処理デバイスは、更に、
前記第1のDRRに基づいて前記患者に関連付けられた基準配置の変化を検出し、かつ
前記基準配置の変化に対処するために前記患者の治療送出に関連付けられた追跡アルゴリズムを修正する、
ことを特徴とする請求項
4に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
患者のターゲット位置を追跡するシステムの処理デバイスの作動方法において、
前記処理デバイス
が、治療計画画像を含む患者の基準画像と該患者の断片内画像の間で
の変換を決定する第1の画像見当合わせを行
い、該基準画像及び該断片内画像が該患者のターゲット位置を含む3次元(3D)画像であ
り、
前記処理デバイス
が、前記断片内画像に対する第1のデジタル再構成放射線写真(DRR)を通じて前記患者の該断片内画像と
2次元(2D)断片内X線画像の間で
の変換を決定する第2の画像見当合わせを行
い、
前記処理デバイスが、前記患者の治療中に、前記第1の
画像見当合わせ及び前記第2の
画像見当合わせに基づいて
一定期間にわたって前記ターゲット位置で少なくとも並進変化を追跡する、
ことを特徴とする作動方法。
【請求項9】
前記断片内画像は、前記基準画像よりも高い空間解像度を有することを特徴とする請求項8に記載の作動方法。
【請求項10】
前記基準画像は、キロボルトコンピュータ断層映像(kV-CT)画像、磁気共鳴撮像(MRI)画像、キロボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(kV-CBCT)画像、又はメガボルトコンピュータ断層映像(MVCT)画像のうちの1つであることを特徴とする請求項8に記載の作動方法。
【請求項11】
前記断片内画像は、キロボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(kV-CBCT)画像、メガボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(MV-CBCT)画像、メガボルトコンピュータ断層映像(MVCT)画像、又はヘリカルkV-CT画像のうちの1つであることを特徴とする請求項8に記載の作動方法。
【請求項12】
前記第1のDRRは、毎日の患者姿勢及び変形に対応することを特徴とする請求項8に記載の作動方法。
【請求項13】
前記処理デバイスが、更に、
前記第1のDRRに基づいて前記患者に関連付けられた基準配置の変化を検出
し、
前記基準配置の変化に対処するために前記患者の治療送出に関連付けられた追跡アルゴリズムを修正する
、
ことを特徴とする請求項8に記載の作動方法。
【請求項14】
前記処理デバイスが、更に、
前記患者の強調された基準画像と前記断片内X線画像の間で
の変換を該強調基準画像の第2のDRRを通じて
決定する第3の画像見当合わせを行
い、
前記患者の治療中に、前記第3の見当合わせに基づいて
一定期間にわたって前記ターゲット位置で少なくとも前記並進変化を追跡する
、
ことを特徴とする請求項8に記載の作動方法。
【請求項15】
前記強調基準画像は、前記基準画像の1又は2以上の特性を前記断片内画像の1又は2以上の特性と組み合わせることによって発生されることを特徴とする請求項14に記載の作動方法。
【請求項16】
メモリと、
治療計画画像を含む患者の基準画像と該患者の断片内画像の間で
の変換を決定する第1の画像見当合わせを行
い、該基準画像及び該断片内画像が該患者のターゲット位置を含む3次元(3D)画像であ
り、
前記断片内画像に対する第1のデジタル再構成放射線写真(DRR)を通じて前記患者の該断片内画像と
2次元(2D)断片内X線画像の間で
の変換を決定する第2の画像見当合わせを行い、かつ
前記患者の治療中に、前記第1の
画像見当合わせ及び前記第2の
画像見当合わせに基づいて
一定期間にわたって前記ターゲット位置で少なくとも並進変化を追跡する、
ように前記メモリと作動的に結合された処理デバイスと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記断片内画像は、キロボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(kV-CBCT)画像、メガボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(MV-CBCT)画像、メガボルトコンピュータ断層映像(MVCT)画像、又はヘリカルkV-CT画像のうちの1つであることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記処理デバイスは、更に、
前記第1のDRRに基づいて前記患者に関連付けられた基準配置の変化を検出し、かつ
前記基準配置の変化に対処するために前記患者の治療送出に関連付けられた追跡アルゴリズムを修正する、
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
処理デバイスによって実行された時に、
処理デバイスにより、
治療計画画像を含む患者の基準画像と該患者の断片内画像の間で
の変換を決定する第1の画像見当合わせを行
い、該基準画像及び該断片内画像が該患者のターゲット位置を含む3次元(3D)画像であ
り、
前記処理デバイスにより、前記断片内画像に対する第1のデジタル再構成放射線写真(DRR)を通じて前記患者の該断片内画像と
2次元(2D)断片内X線画像の間で
の変換を決定する第2の画像見当合わせを行い、かつ
前記患者の治療中に、前記第1の
画像見当合わせ及び前記第2の
画像見当合わせに基づいて
一定期間にわたって前記ターゲット位置で少なくとも並進変化を追跡する、
ことを前記処理デバイスに行わせる命令、
を含むことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記処理デバイスは、更に、
前記患者の強調された基準画像と前記断片内X線画像の間で
の変換を該強調基準画像の第2のDRRを通じて
決定する第3の画像見当合わせを行い、かつ
前記患者の治療中に、前記第3の見当合わせに基づいて
一定期間にわたって前記ターゲット位置で少なくとも前記並進変化を追跡する、
ことを特徴とする請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記基準画像、前記断片内画像、及び前記断片内X線画像は、ヘリカル放射線送出システムの撮像ソースによって又は前記患者に対する異なる位置での1又は2以上の撮像ソースによって発生されることを特徴とする請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔優先権主張〕
この出願は、これにより引用によってその内容全体が組み込まれる2017年1月6日出願の米国仮特許出願第62/443,581号の利益を主張する2018年1月4日出願の米国特許出願第15/862,438号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、医療画像(medical image)の画像見当合わせ(image registration)に関する。
【背景技術】
【0003】
画像誘導式放射線治療(image guided radiation therapy (IGRT))は、放射線送出(radiation delivery) 前に取得された治療計画画像(treatment planning image) 又は治療送出中に取得される治療内画像(intra-treatment image) のような画像を使用して治療計画画像基準フレーム(treatment planning image reference frame) に対する治療室内基準フレーム(treatment room reference frame) 内の治療ターゲット(treatment target)の場所(直接の又は患者体内の既知の構造に対する)を識別する。IGRTでは、治療計画画像が取得された時の体内のその場所から放射線治療の直前又はその進行中に移動する患者の体内のターゲット領域(又は構造)を位置付けようと試みる時に問題が生じる。画像見当合わせは、2又は3以上の画像間で画像内容を比較することによって体内のターゲット領域を位置付ける機能を提供する。
【0004】
本発明の開示は、以下に与える詳細説明から及び本発明の開示の様々な実施の添付図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】本明細書に説明する実施形態に従って使用することができる放射線治療システムの図である。
【
図1B】本明細書に説明する実施形態による放射線治療システムの断面図である。
【
図2】本明細書に説明する第1の実施形態による画像見当合わせパイプラインを示す図である。
【
図3A】本明細書に説明する第2の実施形態による画像見当合わせパイプラインを示す図である。
【
図3B】本明細書に説明する第3の実施形態による画像見当合わせパイプラインを示す図である。
【
図4】本明細書に説明する第4の実施形態による画像見当合わせパイプラインを示す図である。
【
図5】本明細書に説明する実施形態による画像見当合わせの方法を示す図である。
【
図6】本明細書に説明する実施形態による放射線治療の実施を発生させるのに使用することができるシステムの図である。
【
図7】本明細書に説明する実施形態によるガントリベースの強度変調放射線治療システムの図である。
【
図8】本明細書に説明する実施形態よるヘリカル放射線送出システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に説明するのは、治療計画画像(treatment planning image)(例えば、基準画像(reference image)、断片内画像(intrafraction image)(例えば、動作画像(motion image)、及び断片内X線画像(intrafraction x-ray image)(例えば、動作X線画像(motion x-ray image))のような医療画像(medical image) の画像見当合わせ(image registration) のための方法及び装置の実施形態である。一実施形態では、3つの撮像方式の画像、すなわち、治療計画画像(treatment planning image)、断片内画像(intrafraction image)、及び断片内X線画像(intrafraction x-ray image)を連続的に見当合わせする(consecutively register)2ステージ画像見当合わせ方法(two-stage image registration method) を説明する。
【0007】
図1Aに示すような放射線治療送出システム(例えば、CyberKnife(登録商標)放射線治療システム)を有する体積撮像システム(例えば、medPhotonのImagingRingシステム(IRS))の使用により、新しい画像見当合わせ及び画像追跡の機会が与えられる。注意すべきことに、本明細書に使用する用語「追跡」は、治療計画ステージで治療ターゲットを追跡すること(例えば、治療ターゲットの位置を決定すること)と治療中に治療ターゲットを追跡すること(例えば、治療ターゲットを能動的に更新すること)の両方を指す場合がある。体積撮像システム(例えば、1239)は優れた解剖学的情報とロバストな患者位置合わせとを提供することができるが、立体X線撮像システム(例えば、1210)は頻繁な断片内撮像及び追跡を可能にする。代替実施形態では、統合室内診断コンピュータ断層撮影(CT)を有する放射線治療デバイスを使用することができる。室内診断CTでは、患者は室内診断スキャナと放射線治療送出システムとの間で(例えば、ロボット寝台を使用して)物理的に移動される。
【0008】
本明細書に使用する場合に、医療画像の「見当合わせ」(本明細書では「画像見当合わせ」とも呼ぶ)は、それらの医療画像に現れる対応する解剖学的又は他の特徴(例えば、基準)間の数学的関係の決定を指す。一実施形態では、単一方式で又は異なる方式で患者を複数回撮像することができる。画像セットを解釈して比較する時の1つの段階は、複数の画像における異なる点間の対応の確立である。画像見当合わせは、1つの画像空間の座標と別の画像空間の座標の間の写像又は変換を計算する処理である。この変換は、異なる画像セット内の同じ解剖学的点が互いに写像される結果をもたらし、診断及び治療のための複合撮像情報を使用する目的で画像セットを融合するのに使用することができる。
【0009】
画像見当合わせ及び融合は、MRからの軟組織のような相補的な構造情報をCTからの骨と組み合わせる時を含む様々な状況で有用である場合がある。画像融合はまた、機能画像化を解釈するために非常に有用である。機能的PET又はfMR画像が高解像度の解剖学的画像と融合された状態で、機能的特性は、それらが生じる解剖学的構造に関連付けることができる。
【0010】
見当合わせは、以下に限定するものではないが、医療画像の一方又は両方に適用すると対応する解剖学的特徴の重ね合わせをもたらすことになる1又は2以上の空間変換、位置合わせ変換、又は断片内変換の決定を含むことができる。空間変換、位置合わせ変換、又は断片内変換は、剛体変換及び/又は変形可能な変換を含むことができ、医療画像が異なる座標系又は基準フレームからのものである場合に、それらの座標系又は基準フレームの違いに対処することができる。
【0011】
画像見当合わせは、一般的に、計画室内画像内のターゲットの場所と治療室内画像内のターゲットの場所の間の空間変換を決定するために評価される類似度値、又は同等的に差分値(例えば、相互相関、エントロピー、相互情報量、勾配相関、パターン強度、勾配差、画像強度勾配)の計算を伴う場合がある。画像見当合わせの他の方法を利用することもできる。医療画像が同じ撮像システムを使用して取得されず、かつ同時に取得されない場合に、見当合わせ処理は、以下に限定するものではないが、異なる撮像システムの撮像方式、撮像形状、及び/又は基準フレーム間の違いに対処する第1の変換の決定と、取得時間にわたって生じた可能な身体部分における根本的な解剖学的差(例えば、位置決めの違い、全体的な移動、身体部分内の異なる構造間の相対的な移動、全体的な変形、身体部分内の局所的な変形など)に対処する第2の変換の決定とを含むことができる。
【0012】
本明細書に説明する実施形態と共に様々な画像見当合わせ方法を利用することができる。一例では、点ベースの見当合わせを使用することができる。点は、医療画像見当合わせに使用することができる単純な幾何学的特徴である。点ベースの見当合わせは、2つの画像内の対応する点の3D座標を決定し、これらの点を最も良く位置合わせする変換を計算する段階を伴う。
【0013】
別の実施形態では、面ベースの見当合わせを使用することができる。解剖学的物体又は構造の3D境界又は面は、医療画像見当合わせに使用することができる幾何学的特徴である。面ベースの画像見当合わせ方法は、2つの画像内の対応する面を決定し、これらの面を最も良く位置合わせする変換を計算する段階を伴う場合がある。点ベースの見当合わせは、一般的に少数の対応する基準点を位置合わせする段階を含むが、面ベースの見当合わせは、点対応情報が利用可能ではない一般的に遥かに多くの点を位置合わせする段階を伴う。
【0014】
別の実施形態では、強度ベースの見当合わせを使用することができる。強度ベースの見当合わせは、画像内のピクセル又はボクセルの値だけに基づく位置合わせの尺度を使用して2つの画像間の変換を計算する段階を伴う場合がある。他の実施形態では、他の画像見当合わせ方法を使用することができる。
【0015】
用語位置合わせ変換(例えば、体積位置合わせ)は、本明細書では第1の座標系(例えばかつ限定ではなく、患者の計画画像座標系)と第2の座標系(治療室内座標系)の間の変換を指し、それにより、位置合わせ変換は、例えばかつ限定ではなく、治療断片の開始前の患者設定時に第1の座標系に対する第2の座標系内のターゲットの場所を決定するものである。
【0016】
用語「断片内変換」は、本明細書では第1の座標系と第2の座標系の間の変換を指し、それにより、処置の開始後に、例えばかつ限定ではなく治療断片中に第2の座標系に対する第1の座標系内のターゲットの場所が決定されるものである。
【0017】
用語「ターゲット」は、治療区域(例えば、腫瘍)の近く(何らかの定められた近傍内)にある1又は2以上の基準を指す場合がある。別の実施形態では、ターゲットは骨構造である場合がある。更に別の実施形態では、ターゲットは患者の軟組織を指す場合がある。本明細書に説明するように、ターゲットは、識別及び追跡することができるあらゆる定められた構造又は区域である場合がある。
【0018】
1又は2以上の画像においてターゲットを位置付ける時の精度及び計算効率を高め、それにより、治療室内基準フレーム及び治療計画画像基準フレーム内のターゲット場所間の空間変換をより正確かつ効率的に決定するために画像見当合わせに改善を加える必要がある。
【0019】
図1Aは、本明細書に説明する実施形態に従って使用することができる放射線治療システム1200を示している。図示のように、
図1Aは放射線治療システム1200の構成を説明している。図示の実施形態では、放射線治療システム1200は、放射線治療ソースとして機能する線形加速器(LINAC)1201を含む。LINAC1201を位置決めして多くの角度から多くの平面に患者周りの手術体積にビームを送出して病的解剖学的構造(例えば、ターゲット120)に照射するために、LINAC1201は、複数(例えば、5又は6以上)の自由度を有するロボットアーム1235の端部に取り付けられる。治療は、単一アイソセンター、複数のアイソセンターを有する、又は非アイソセントリックな進入路を有するビーム経路を伴う場合がある。これに代えて、他のタイプの画像誘導式放射線治療(IGRT)システムを使用することができる。一代替実施形態では、LINAC1201は、後述するようにガントリベースのシステムに取り付けることができる。
【0020】
LINAC1201は、ロボットアーム1235を移動することによって治療中に複数の異なるノード(LINAC1201が停止して放射線を送出することができる定められた位置)に位置決めすることができる。ノードでは、LINAC1201は1又は2以上の放射線治療ビームをターゲットに送出することができる。ノードは、患者の周りに略球状の分布に配置することができる。ノードの特定の数及び各ノードで印加される治療ビームの数は、治療する病的な解剖学的構造の場所及びタイプの関数として変えることができる。
【0021】
放射線治療システム1200は、X線ソース1203A及び1203B(すなわち、撮像ソース)とX線検出器1204A及び1204Bとに接続した処理デバイス1230を有する撮像システム1210を含む。これに代えて、X線ソース1203A、1203B及び/又はX線検出器1204A、1204Bは可動式とすることができ、その場合に、それらを再位置決めして、ターゲット120との位置合わせを維持し、又は代わりに異なる向きからターゲットを撮像し、又は多くのX線画像を取得して3次元(3D)円錐ビームCTを再構成することができる。一実施形態では、当業者には理解されるように、X線ソースは点ソースではなく、むしろX線ソースアレイである。一実施形態では、LINAC1201は撮像ソースとして機能し、その場合に、LINACの電力レベルは撮像に許容可能なレベルまで低下する。
【0022】
撮像システム1210は、円錐ビームCT又はヘリカルメガボルトコンピュータ断層撮影(MVCT)のようなコンピュータ断層撮影(CT)を実行することができ、撮像システム1210によって発生された画像は2次元(2D)又は3次元(3D)である場合がある。2つのX線ソース1203A及び1203Bは、手術室の天井の固定位置に取り付けることができ、2つの異なる角度位置(例えば、90度離れた)からX線撮像ビームを投影して機械アイソセンター(本明細書ではアイソセンターと呼び、治療中に患者を治療台1206上に位置決めするための基準点を提供する)で交差するように、及び患者を通過した後にそれぞれの検出器1204A及び1204Bの撮像面を照射するように位置合わせすることができる。一実施形態では、撮像システム1210はターゲット及び周囲の当該体積(VOI)の立体撮像を提供する。別の実施形態では、撮像システム1210は、2よりも多いか又は少ないX線ソースと2よりも多いか又は少ない検出器とを含むことができ、検出器のいずれも固定式ではなく可動式である場合がある。更に別の実施形態では、X線ソース及び検出器の位置は入れ替えることができる。当業者には公知のように、検出器1204A及び1204Bは、X線を可視光に変換する発光物質(例えば、アモルファスシリコン)と、その光をデジタル画像に変換するCMOS(相補型金属酸化膜シリコン)又はCCD(電荷結合素子)の撮像セルのアレイとで製造することができ、そのデジタル画像は、デジタル画像の座標系を基準画像の座標系に変換する画像見当合わせ処理中に基準画像と比較することができる。基準画像は、例えば、デジタル再構成放射線写真(DRR)とすることができ、DRRは、CT画像を通した光線の投射によってX線画像形成処理を模擬することに基づいて3次元CT画像から発生される仮想的なX線画像である。
【0023】
IGRT送出システム1200はまた、2次撮像システム1239を含む。撮像システム1239は、円錐ビームコンピュータ断層撮影(CBCT)撮像システム、例えば、medPhotonのImagingRingシステムである。これに代えて、他のタイプの体積撮像システムを使用することができる。2次撮像システム1239は、ロボットアーム(図示せず)に取り付けられた回転式ガントリ1240(例えば、リング)と、1又は2以上の軸線に沿って(例えば、治療台1206の頭部から脚部に延びる軸線に沿って)回転式ガントリ1240を移動することができるレールシステムとを含むことができる。撮像ソース1245及び検出器1250は、回転式ガントリ1240に取り付けられる。回転式ガントリ1240は、治療台の頭部から脚部まで延びる軸線の周りに360度回転することができる。従って、撮像ソース1245及び検出器1250は、多くの異なる角度に位置決めすることができる。一実施形態では、撮像ソース1245はX線ソースであり、検出器1250はX線検出器である。一実施形態では、2次撮像システム1239は、別々に回転可能な2つのリングを含む。撮像ソース1245は、第1のリングに取り付けることができ、検出器1250は、第2のリングに取り付けることができる。一実施形態では、回転式ガントリ1240は、ロボットアーム1202との衝突を回避するために放射線治療送出中は治療台の脚部に静止する。
【0024】
図1Aに示すように、画像誘導式放射線治療システム1200は、更に、治療送出ワークステーション150に関連付けることができる。治療送出ワークステーションは、放射線治療システム1200から離れて、放射線治療システム1200及び患者が位置する治療室とは異なる部屋に位置することができる。治療送出ワークステーション150は、本明細書に説明するように、1又は2以上の画像見当合わせに基づくターゲット動作の検出に基づいて患者1225への治療送出を修正する処理デバイス(処理デバイス1230又は他の処理デバイスである場合がある)及びメモリを含むことができる。
【0025】
一部の実施形態では、ヘリカル送出を有するガントリシステムを使用して、撮像システム1210を回転させることができる。例えば、ガントリシステムを使用して、異なる角度で2、3、又は4以上の画像(例えば、X線画像)を取得することができる。放射線治療送出システムはまた、患者の周囲に配置された回転撮像システム109を含むことができる。
【0026】
一実施では、システム1200は、フレームレスロボット放射線手術システム(例えば、CyberKnife(登録商標)治療送出システム)に結合される。別の実施では、システム1200はガントリベースのLINAC治療システムに結合され、その場合に、例えば、LINAC1201がガントリベースのシステムのガントリに結合される。これに代えて、システム1200は、他のタイプの放射線治療システム、例えば、以下に説明するようなヘリカル送出システムと共に使用することができる。
【0027】
図1Bは、画像誘導式放射線治療(IGRT)システム700の構成を示している。一般的に、IGRTシステム700は、
図1Aの放射線治療システム1200に対応することができる。
【0028】
図1Bに示すように、IGRTシステム700はキロボルト(kV)撮像ソース702A及び702Bを含むことができ、それらは、手術室の天井720の軌道722A及び722Bに取り付けることができ、2つの異なる位置から撮像X線ビームビーム704A及び704Bを投影してビーム704Aの光線712Aが撮像中心726(すなわち、アイソセンター)でビーム704Bの光線712Bと交差するように位置合わせすることができ、このアイソセンターは、治療中に治療ビーム716A、716B、及び716Cを発生させるLINAC708と治療台714上の患者710とを位置決めするための基準点を提供する。患者710を通過した後で、撮像X線ビーム704A及び704BはX線検出器724A及び724Bのそれぞれの撮像面を照射することができ、それらのX線検出器は、手術室の床718又はその近くに取り付けられ、互いに実質的に平行(例えば、5度以内)とすることができる。kV撮像ソース702A及び702Bは、それらの撮像面が単一撮像面を形成するように実質的に同一平面上にあるものとすることができる。一実施形態では、kV撮像ソース702A及び702Bは、単一kV撮像ソースで置換することができる。患者714のX線画像が発生された状態で、LINAC708は回転して、異なる角度から治療ビーム716を発生させることができる。LINAC708が異なる角度へ回転する間に、kV撮像ソース702A及び702Bは軌道722A及び722Bに沿って移動して新しい角度から患者710のX線画像を発生させることができる。
【0029】
図2は、本明細書に説明する第1の実施形態による画像見当合わせパイプライン200を示している。第1ステージでは、基準画像202(例えば、MRI、PET、CT、又は超音波のような治療計画画像)は、動作画像204(例えば、kV CBCT、MV CBCT、又はMVCTのような断片内3D画像)に見当合わせされ、治療計画中の患者の位置と治療送出中の毎日の患者位置との間の全体的な患者位置合わせを達成する。一実施形態では、見当合わせ206は、3D剛体変換(例えば、並進のみ)、6次元(6D)剛体変換(例えば、並進と回転)、又は非剛体変換のいずれかを使用する3Dから3Dへの画像見当合わせである。これらは、使用することができる様々なタイプの変換の非限定的な例であり、代替実施形態では他の変換を使用することができることに注意しなければならない。例えば、4次元(4D)変換は、3D剛体(並進)に回転角度(ロール)を加えたものである。
【0030】
第2ステージでは、基準画像202は、基準画像202から発生されたDRR210を使用して動作X線画像208(例えば、断片内2DX線画像)に見当合わせされ、2D/3D画像見当合わせ212を行うことができる。その結果、断片内X線画像は、断片内3D画像に暗黙的に見当合わせされた状態になる。
【0031】
一実施形態では、DRRは、3D撮像データを通して光線を投射して(数学的に投影して)治療中X線撮像システムの幾何学形状を模擬することによって発生された合成X線画像である。得られるDRRは、次に、治療室X線撮像システムと同じスケール及び姿勢を有し、かつ治療室X線撮像システムからの画像と比較されて治療計画画像基準フレームに関連する患者の場所又は患者内の治療ターゲットの場所を決定することができる。DRRを発生させるために、3D撮像データは、ボクセル(体積要素)に分割され、各ボクセルには3D撮像データから導出された減衰(損失)値が割り当てられる。DRR内の各ピクセルの相対強度は、次に、3D画像を通して投影された各光線に対するボクセル損失の合計である。
【0032】
一実施形態では、CBCT画像(例えば、動作画像204)は、治療計画画像(例えば、202)とCBCT(例えば、204)の間の全体的な患者位置合わせ(並進及び回転)を行うために治療送出断片の開始時に撮られる。その後の2DX線画像(例えば、208)は、計画画像(202)に見当合わせされ、かつターゲット位置の並進変化を追跡するのに使用することができ、一方で計画画像(202)からCBCT(204)への見当合わせ206によって達成された全体的な回転患者位置合わせを維持する。断片内3D撮像によって可能になる3Dの全体的な患者位置合わせは、より高度なユーザ信頼度を提供することができ、かつ既存のソリューションよりも柔軟かつ確実である可能性が高い。
【0033】
図3Aは、本明細書に説明する第2の実施形態による画像見当合わせパイプライン300を示している。
図3Aに示す実施形態では、基準画像302(例えば、計画画像)は、動作画像304(例えば、断片内画像)に見当合わせされ、計画及び毎日の患者位置間の全体的な患者位置合わせを達成する。一実施形態では、見当合わせ306は、3D剛体変換(例えば、並進のみ)、6次元(6D)剛体変換(例えば、並進と回転)、又は非剛体変換のいずれかを使用する3次元(3D)から3Dへの画像見当合わせである。これらは、使用することができる様々なタイプの変換の非限定的な例であり、代替実施形態では他の変換を使用することができることに注意しなければならない。例えば、4次元(4D)変換は、3D剛体(並進)に回転角度(ロール)を加えたものである。
【0034】
第2の見当合わせステージでは、DRR310は、断片内3D画像(304)から発生され、DRR310を通じて断片内3D画像(304)と断片内2DX線画像(310)の間で2D/3D画像見当合わせ312が行われる。断片内3D画像(304)からのDRR310の発生は、様々な利益をもたらすことができる。そのような一例は、断片内CBCT画像の空間解像度が典型的な治療計画CT走査と比較して(特に下-上方向において)非常に高いと考えられることである。高解像度DRRは、追跡アルゴリズム、最も顕著には基準追跡モード及び骨格追跡モードの精度及び信頼度を高めることができる。これに代えて、他の追跡技術を使用することができる。別の利益は、断片内CBCT走査から発生されたDRRが毎日の患者姿勢及び変形を反映することができ、追跡の改善をもたらすことであると考えられる。例えば、胸郭の外観は、毎日の拘束の僅かな違いのために変化する場合がある。脊椎の姿勢は、毎日の患者変動の別の例である。
【0035】
一実施形態では、強調された(例えば、変形された)基準画像309が基準画像302から発生される場合がある。強調基準画像309は、本明細書で変形可能な画像見当合わせ(DIR)と呼ぶ概念において基準画像302及び動作画像304の様々な(例えば、1又は2以上の)特性を組み合わせることによって発生させることができる。DIRでは、画像間の変換は弾力的であると仮定され、毎日の変動、患者位置、拘束、呼吸フェーズのようなファクタから生じる解剖学的な相違点の位置合わせを可能にする。DRR311は、強調基準画像309から発生させることができ、2D/3D画像見当合わせ313を強調基準画像309と動作X線画像308の間で行うことができる。その結果、動作X線画像308は、動作画像304に暗黙的に見当合わせされた状態になる。DIR及び強調基準画像309を説明する追加の詳細を
図3Bに関して説明する。
【0036】
追跡ターゲットの形状又は外観は、治療の進行にわたって(例えば、治療に対する反応として)変化する場合がある。断片内画像から発生された肺ターゲットDRRは、2又は3以上のSBRT断片の後でより良好な外観整合(例えば、計画画像よりも)を与えることができる。別の実施形態では、基準配置は、計画CTが撮られた時と患者が治療される時との間で変わる場合がある。そのような基準移動は、治療計画を送出する精度に影響を与える可能性がある。そのような画像から発生された断片内3D画像及びDRRを使用して基準移動を検出し、かつ基準配置の変化に対処するように追跡アルゴリズムを修正することができる。
【0037】
一実施では、全体的な患者位置合わせを行うために、CBCT画像(例えば、動作画像304)が治療断片の最初に撮られる。CBCT画像は、並進及び回転患者位置合わせを達成するために治療計画画像(例えば、基準参照画像302)に見当合わせされる。その後の2DX線画像(例えば、動作X線画像308)は、CBCT位置合わせに対する「相対的」追跡を達成するためにCBCTに見当合わせされる。2DX線追跡は並進補正と回転補正の両方を伴う場合がある。2DX線画像と計画画像の間の見当合わせは、計画3D画像と断片内3D画像が既に見当合わせされているという事実によって暗黙的に達成される。
【0038】
図3Bは、本明細書に説明する第3の実施形態による画像見当合わせパイプライン301を示している。
図3Bに示す実施形態では、基準画像303(例えば、計画画像)は、動作画像305(例えば、断片内画像)に見当合わせされ、計画及び毎日の患者位置の間で全体的な患者位置合わせを達成する。一実施形態では、見当合わせ307は、3D剛体変換(例えば、並進のみ)、6次元(6D)剛体変換(例えば、並進と回転)、又は非剛体変換のいずれかを使用する3次元(3D)から3Dへの画像見当合わせである。これらは、使用することができる様々なタイプの変換の非限定的な例であり、代替実施形態では他の変換を使用することができることに注意しなければならない。例えば、4次元(4D)変換は、3D剛体(並進)に回転角度(ロール)を加えたものである。
【0039】
第2ステージでは、強調された(例えば、変形された)基準画像309が基準画像303から発生される場合がある。強調基準画像309は、本明細書で変形可能な画像見当合わせ(DIR)と呼ぶ概念において基準画像303及び動作画像305の様々な特性を組み合わせることによって発生させることができる。DIRでは、画像間の変換は弾力的であると仮定され、毎日の変動、患者位置、拘束、及び呼吸フェーズのようなファクタから生じる解剖学的な相違点の位置合わせを可能にする。
【0040】
一実施形態では、DIRアルゴリズムは、変形場を表現するためにノンパラメトリック非剛体変換を使用する。それは、変換の特定のパラメータ化を仮定せず、これに代えて、平滑度正則化を受ける変形場を明示的に推定する。そのような手法は、複雑な臓器変形さえも推定することを可能にする。1つのDIR例は、類似度判断基準、すなわち、局所正規化相関係数(NCC)を最適化し、ここで、Irefは基準画像近傍パッチであり、Imovは「移動する」画像近傍パッチである。Ief及びImovは、体積パッチの平均値である。
【数1】
類似度判断基準は、小さい近傍パッチにわたって定義することができ、それにより、強度の不均一性及びアーチファクトが存在する場合でもロバストな画像整合を考慮することができる。画像類似度判断基準は、多重解像度の粗から密へのスキームで画像ドメイン全体にわたって反復的に最適化することができる。推定された変形場は、各反復で平滑化オペレータを使用して正則化することができる。一実施形態では、アプリケーションは、3から4の解像度レベル及び各レベルでの500反復までを使用する。明確にするためにここでは1つのDIRアルゴリズムを説明するが、あらゆる他のDIRアルゴリズムを本明細書に説明する実施形態に利用することができることに注意しなければならない。
【0041】
一実施形態では、DRR311は、強調基準画像309から発生され、2D/3D画像見当合わせ313は、強調基準画像309と動作X線画像315の間で行うことができる。その結果、動作X線画像315は、動作画像305に暗黙的に見当合わせされた状態になる。
【0042】
図4は、本明細書に説明する第4の実施形態による画像見当合わせパイプライン400を示している。
図4に示す実施形態では、基準画像402(例えば、計画画像)は、動作画像404(例えば、断片内画像)に見当合わせされ、計画及び毎日の患者位置の間の全体的な患者位置合わせを達成する。一実施形態では、見当合わせ406は、3D剛体変換(例えば、並進のみ)、6次元(6D)剛体変換(例えば、並進と回転)、又は非剛体変換のいずれかを使用する3次元(3D)から3Dへの画像見当合わせである。これらは、使用することができる様々なタイプの変換の非限定的な例であり、代替実施形態では他の変換を使用することができることに注意しなければならない。例えば、4次元(4D)変換は、3D剛体(並進)に回転角度(ロール)を加えたものである。
【0043】
一実施形態では、第2の見当合わせステージでは、第1のDDR408は、基準画像402に対して発生させることができ、第2のDRR410は、動作画像404に対して発生させることができる。第1の2D/3D見当合わせ412は、断片内X線画像(例えば、動作X線画像414)と計画画像(例えば、基準画像402)の間で行うことができ、第2の2D/3D見当合わせ416は、断片内X線画像(例えば、動作X線画像414)と断片内画像(例えば、動作画像404)の間で行うことができる。両方の3D撮像方式に対する見当合わせは、追加レベルの見当合わせ信頼度(例えば、追跡信頼度及び品質保証)を提供することができる。
【0044】
より正確に行うことができる品質保証の一例は、基準移動の検査である。基準が計画CT取得日と治療日の間で移動した場合では、計画CTと断片内3D画像の両方からのDRRを使用する同時(例えば、並行)追跡は、基準移動に起因する基準不一致を明らかにすることができる。基準移動に対する検査は、
図2、3A、及び3Bに関して説明した実施形態にも適用することができる。
【0045】
一実施では、全体的な患者位置合わせを行うためにCBCT画像(例えば、動作画像404)が治療断片の最初に撮られる。CBCT画像(404)は、治療計画画像(例えば、基準参照画像402)に見当合わせされ、並進及び回転患者位置合わせを達成する。その後の2DX線画像(例えば、動作X線画像414)は、CBCT位置合わせに関連する「相対的」追跡(並進的及び回転的)を達成するためにCBCT(404)から発生されたDRR(410)に見当合わせされる。更に、品質保証を辿る手段として、2DX線画像(414)は、計画画像(402)から発生されたDRR(408)に見当合わせする(並進及び回転)ことができる。
【0046】
第2の実施形態では、全体的な患者位置合わせを行うためにCBCT画像(404)が治療断片の最初に撮られる。CBCT画像(404)は、計画画像(402)に見当合わせされ、並進及び回転患者位置合わせを達成する。その後の2DX線画像(414)は、計画CT(402)から発生されたDRR(408)に見当合わせされる(並進及び回転)。更に、品質保証を辿る手段として、2DX線画像(414)は、CBCT画像(404)から発生されたDRR(410)に見当合わせされる(並進及び回転)。本明細書に説明する作動及びシステムは、本明細書に説明する画像見当合わせのどのタイプが所与の状況で最も適切であるかを自動的に(例えば、人間の介入なしに)決定し、選択された見当合わせを自動的に適用することができることに注意すべきである。適切な見当合わせは、以下に限定するものではないが、画像の解像度、画像の鮮明さ、ターゲット、非ターゲット、又は基準の視認性、処理速度などを含むあらゆる数のファクタに基づいて選択することができる。
【0047】
図5は、本明細書に説明する実施形態による画像見当合わせの例示的方法500の流れ図である。一般的に、方法500は、ハードウエア(例えば、処理デバイス、回路、専用論理部、プログラマブル論理部、マイクロコード、デバイスのハードウエアなど)、ソフトウエア(例えば、処理デバイス上で稼働又は実行される命令)、又はその組合せを含むことができる処理論理部によって行うことができる。一部の実施形態では、方法500は、
図1の放射線治療システム1200の処理論理部によって行うことができる。
【0048】
図5に示すように、方法500は、ブロック502で処理論理部が患者の基準画像と患者の動作画像との間で第1の画像見当合わせを行うことで開始することができる。一実施形態では、基準画像及び動作画像は患者のターゲット位置を含む。一実施形態では、第1の画像見当合わせは、基準画像と動作画像の間の位置合わせを行うこととすることができる。一実施形態では、基準画像及び動作画像は、3次元(3D)画像である。別の実施形態では、基準画像は、キロボルトコンピュータ断層映像(kV-CT)画像、磁気共鳴撮像(MRI)画像、キロボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(kV-CBCT)画像、又はメガボルトコンピュータ断層映像(MVCT)画像、又はあらゆる他のタイプの画像のうちの1つの3D計画画像である。動作画像は、キロボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(kV-CBCT)画像、メガボルト円錐ビームコンピュータ断層映像(MV-CBCT)画像、又はメガボルトコンピュータ断層映像(MVCT)画像、又はあらゆる他のタイプの画像のうちの1つであるとすることができる。
【0049】
ブロック504では、処理論理部は、患者の基準画像に対する第1のデジタル再構成放射線写真(DRR)を通じて患者の基準画像と動作X線画像の間で第2の画像見当合わせを行う。一実施形態では、処理論理部は、患者のターゲット位置の並進変化を追跡するために第2の見当合わせを行うことができる。動作X線画像は、立体X線対画像、回転モノスコープ2次元(2D)X線画像、Cアーム術中画像、又はあらゆる他のタイプの画像とすることができる。
【0050】
ブロック506での処理論理部は、第1の見当合わせ及び第2の見当合わせに基づいてターゲット位置での少なくとも並進変化を追跡することができる。一実施形態では、基準画像、動作画像、及び動作X線画像は、本明細書に説明するように、ヘリカル放射線送出システムの撮像ソースによって又は患者に対する異なる位置での1又は2以上の撮像ソースによって発生される。一実施形態では、処理フローは、ブロック506で終了することができる。別の実施形態では、処理フローは、ブロック508に続くことができる。ブロック508~512及び本明細書に説明する他の処理段階の全ては、本明細書に説明する順序とは異なる場合がある様々な順序で行うことができることに注意しなければならない。
【0051】
ブロック508に続けて、処理論理部は、動作画像に対する第2のDRRを発生し、第2のDRRを通じて動作画像と動作X線画像の間で第3の画像見当合わせを行い、第3の見当合わせに基づいてターゲット位置での少なくとも並進変化を追跡することができる(ブロック512)。別の実施形態では、処理論理部は、第1の見当合わせ及び第2の見当合わせに基づいて、治療送出を開始する前に最初の患者位置合わせ中に患者の位置を調節することができる。別の実施形態では、処理論理部は、第1の見当合わせ及び第2の見当合わせに基づいて、患者に関連付けられた治療送出を修正することができる。
【0052】
本明細書に説明する実施形態は、診断のためのkV-CT、MRI、kV-CBCT、及びMVCTを含む様々なタイプの計画画像と共に使用することができることに注意しなければならない。本明細書で説明する方法は、(例えば、CTが治療計画に使用されない又は利用可能でない場合に)MRベースの計画と共に使用することができる。本明細書で説明する実施形態はまた、kV-CBCT、MVCT、MVCBCT、及び室内ヘリカル/診断kV-CTを含む様々なタイプの断片内3D画像と共に使用することができる。本明細書で説明する実施形態は、立体X線対、回転式平面2DX線撮像器、及びCアーム術中撮像システム(外科及び介入的誘導用途に使用される)を含む様々なタイプの断片内2D撮像システムと共に使用することができる。時にロボット手術システムに関連して実施形態を説明するが、別の実施形態では、本明細書で説明する方法は、ヘリカル送出システム及びガントリベースのシステムのような他のタイプの治療送出システムと共に使用することができる。更に、時にmedPhotonのImagingRingシステム(IRS)に関連して実施形態を説明するが、別の実施形態では、本方法は、他のタイプの体積撮像システムと共に使用することができる。
【0053】
図6は、本明細書で議論する方法のうちのいずれか1又は2以上を機械に実行させるための命令セットを行うことができるコンピュータシステム600の例示的機械を示している。代替実施では、この機械は、LAN、イントラネット、エクストラネット、及び/又はインターネットで他の機械に接続(例えば、ネットワーク接続)することができる。この機械は、クライアントサーバネットワーク環境のサーバ又はクライアント機械の機能で、ピアツーピア(又は分散型)ネットワーク環境のピア機械として、又はクラウドコンピュータインフラストラクチャ又は環境のサーバ又はクライアント機械として作動させることができる。
【0054】
機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブ機器、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又は機械が行う作動を指定する(順次的な又は別な方法の)命令セットを行うことができるあらゆる機械である場合がある。更に、単一機械を示しているが、用語「機械」はまた、本明細書で議論する方法のうちのいずれか1又は2以上を行うために1つ(又は複数)の命令セットを個々に又は共同で行う機械のあらゆる集合を含むものと見なさなければならない。
【0055】
例示的コンピュータシステム600は、処理デバイス602、主メモリ604(例えば、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)、又はRambusDRAM(RDRAM)といった動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、静的メモリ606(例えば、フラッシュメモリ、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及びデータストレージデバイス618を含み、これらはバス630を通して互いに通信する。
【0056】
処理デバイス602は、マイクロプロセッサ又は中央演算処理装置などのような1又は2以上の汎用処理デバイスを表している。より具体的には、処理デバイスは、複合命令セットコンピュータ(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを行うプロセッサ、又は命令セットの組合せを行うプロセッサとすることができる。処理デバイス602はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はネットワークプロセッサなどのような1又は2以上の専用処理デバイスとすることができる。処理デバイス602は、本明細書で説明した作動及び段階を行うための命令626を行うように構成される。
【0057】
コンピュータシステム600は、ネットワーク620を通して通信するためのネットワークインタフェースデバイス608を更に含むことができる。コンピュータシステム600はまた、ビデオ表示ユニット610(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又はブラウン管(CRT))、英数字入力デバイス612(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス614(例えば、マウス)、グラフィック処理ユニット622、信号発生デバイス616(例えば、スピーカ)、グラフィック処理ユニット622、ビデオ処理ユニット628、及び音声処理ユニット632を含むことができる。
【0058】
データストレージデバイス618は、本明細書に説明する方法又は機能のうちのいずれか1又は2以上を具現化する1又は2以上の命令セット又はソフトウエア626を格納する機械可読ストレージ媒体624(コンピュータ可読媒体としても公知)を含むことができる。命令626はまた、コンピュータシステム600によるその実行中に主メモリ604内及び/又は処理装置602内に完全に又は少なくとも部分的に存在することができ、主メモリ604及び処理デバイス602も機械可読ストレージ媒体を構成する。
【0059】
一実施では、命令626は、本明細書の開示に対応する機能を実施するためのX線動作成分699を含む。例示的態様では機械可読ストレージ媒体624を単一媒体であるように示すが、用語「機械可読ストレージ媒体」は、1又は2以上の命令セットを格納する単一媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型のデータベース、及び/又は関連のキャッシュ及びサーバ)を含むものと見なさなければならない。用語「機械可読ストレージ媒体」はまた、機械による実行のために命令セットを格納又は符号化することができ、かつ本発明の開示の方法のうちのいずれか1又は2以上を機械に実行させるあらゆる媒体を含むものと見なさなければならない。従って、用語「機械可読ストレージ媒体」は、以下に限定するものではないが、半導体メモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むものと見なさなければならない。
【0060】
図7は、本発明の開示の実施によるガントリベースの強度変調放射線治療(IMRT)システム709を示している。ガントリベースのシステム709では、ヘッドアセンブリ701を有する放射線ソース(例えば、LINAC1201)がガントリ703に取り付けられる。一実施形態では、放射線ビーム160は、円形の回転面上の(例えば、回転軸線の周りの)いくつかの位置から送出することができる。一実施形態では、システム709は、kV撮像ソース705とX線検出器707とを含むことができる治療撮像システムを含む。kV撮像ソース705を使用して、一連のX線ビームをROIに向けることによって患者のROIのX線画像を発生させることができ、この一連のX線ビームは、kV撮像ソース705に対向するX線検出器707に入射し、設定のために患者を撮像して治療中画像を発生させる。得られるシステムは、アイソセンターで互いに交差する任意形状の放射線ビーム760を発生して線量分布をターゲット位置に送出する。一実施では、ガントリベースのシステム700は、Cアームベースのシステムとすることができる。
【0061】
図8は、本発明の開示の実施形態によるヘリカル放射線送出システム800を示している。ヘリカル放射線送出システム800は、リングガントリ820に取り付けられた線形加速器(LINAC)810を含むことができる。LINAC810を使用して、電子ビームをX線放出ターゲットに向けることによって細い強度変調ペンシルビーム(すなわち、治療ビーム)を発生させることができる。治療ビームは、ターゲット領域(すなわち、腫瘍)に放射線を送出することができる。リングガントリ820は一般的にトロイダル形状を有し、そこでは患者830がそのリング/トロイドの穴を通って延び、LINAC810はリングの周囲に取り付けられ、その中心を通る軸線の周りを回転し、患者周りの1又は2以上の角度から送出されるビームでターゲット領域を照射する。治療中に、治療台840上のガントリの穴を通して患者830を同時に移動することができる。
【0062】
ヘリカル放射線送出システム800は、kV撮像ソース850とX線検出器870とを含むことができる治療撮像システムを含む。kV撮像ソース850を使用して、一連のX線ビームをROIに向けることによって患者830の当該区域(ROI)のX線画像を発生させることができ、この一連のX線ビームは、kV撮像ソース850に対向するX線検出器870に入射し、設定のために患者830を撮像して治療中画像を発生させる。治療撮像システムは、コリメータ860を更に含むことができる。一実施形態では、コリメータ860は可変開口コリメータである場合がある。別の実施形態では、コリメータ860はマルチリーフコリメータ(MLC)とすることができる。MLCは、MLCの開口を調整して撮像X線ビームの成形を可能にするために可動である複数のリーフを収容するハウジングを含む。別の実施形態では、可変開口コリメータ860は、撮像X線ビームの成形を可能にする可変サイズの開口を発生させるために、カメラ絞りと同様な方法でフレームに沿って移動する台形ブロックを収容する絞りコリメータである場合がある。kV撮像ソース850及びX線検出器870は、リングガントリ820上にLINAC810に対して直交方向に(例えば、90度だけ離れて)取り付けることができ、ターゲット領域に撮像X線ビームを投影するようにかつ患者130を通過した後に検出器870の撮像面を照射するように位置合わせすることができる。一部の実施形態では、LINAC810及び/又はkV撮像ソース850は、片持ち式の方式でCアームガントリに取り付けることができ、それにより、アイソセンターを通る軸線の周りにLINAC810及びkV撮像ソース850が回転する。本発明の開示の態様は、更に、ガントリベースのLINACシステム、放射線治療及び放射線手術に関連付けられた静的撮像システム、統合画像誘導を使用する陽子線療法システム、介入的画像診断及び術中X線撮像システムのような他のシステムに使用することができる。
【0063】
ヘリカル放射線送出システム800はまた、2次撮像システム801を含む。撮像システム801はCBCT撮像システム、例えば、medPhotonのImagingRingシステムである。これに代えて、他のタイプの体積撮像システムを使用することができる。2次撮像システム801はアーム及びレールシステム(図示せず)に取り付けられた回転式ガントリ807(例えば、リング)を含み、そのアーム及びレールシステムは、回転式ガントリ807を1又は2以上の軸線に沿って(例えば、治療台の頭部から脚部まで延びる軸線に沿って)移動する。撮像ソース803及び検出器805は、回転式ガントリ807に取り付けられる。回転式ガントリ807は、治療台の頭部から脚部まで延びる軸線の周りに360度回転することができる。従って、撮像ソース803及び検出器805は、多くの異なる角度に位置決めすることができる。一実施形態では、撮像ソース803はX線ソースであり、検出器805はX線検出器である。一実施形態では、2次撮像システム1239は、別々に回転可能な2つのリングを含む。撮像ソース803は、第1のリングに取り付けることができ、検出器805は、第2のリングに取り付けることができる。
【0064】
以上の説明から、本発明の開示の態様は、少なくとも部分的にソフトウエアに具現化することができることは明らかであろう。すなわち、本発明の技術は、処理デバイス625、640、又は602(
図6参照)に応答してコンピュータシステム又は他のデータ処理システムで行うことができ、例えば、メモリに収容された命令シーケンスを行う。様々な実施形態では、ハードウエア回路をソフトウエア命令と共に使用して本発明の開示を実施することができる。従って、本発明の技術は、ハードウエア回路とソフトウエアのいずれかを特定の組合せに限定せず、又はデータ処理システムによって行われる命令のいずれかを特定ソースに限定しない。更に、この説明全体を通して説明を簡単にするために、様々な機能及び作動は、ソフトウエアコードによって行われる又は引き起こされるものとして説明することができる。しかし、そのような表現で示すのはそれらの機能が処理デバイス625、640、又は602によるコードの実行から生じるということであることは当業者は認識するであろう。
【0065】
汎用又は専用データ処理システムによって行われた時にそのシステムに本発明の開示の様々な方法を実行させるソフトウエア及びデータを格納するために機械可読媒体を使用することができる。この実行可能ソフトウエア及びデータは、例えば、システムメモリ及びストレージ又はソフトウエアプログラム又はデータのうちの少なくとも1つを格納することができるあらゆる他のデバイスを含む様々な場所に格納することができる。従って、機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、携帯情報端末、製造のためのツール、1又は2以上のプロセッサの組を有するあらゆるデバイスなど)によってアクセス可能な形式で情報を提供する(すなわち、格納する)あらゆる機構を含む。例えば、機械可読媒体は、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスクストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイスのような記録可能/記録不能な媒体を含む。機械可読媒体は、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体である場合がある。
【0066】
特に明記しない限り、以上の説明から明らかであるように、「受け入れる」、「位置決めする」、「放出する」、又は「引き起こす」などのような用語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的な(例えば、電子的な)量として表されるデータを操作してコンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報ストレージ又は表示デバイスのうちの物理量として同様に表される別データに変換するコンピュータシステム又は類似の電子コンピュータデバイスのアクション及び処理を指す場合があることは認められるであろう。本明細書に説明する方法の実施は、コンピュータソフトウエアを使用して実施することができる。公認規格に準拠するプログラミング言語で書かれている場合に、本方法を実施するように設計された命令シーケンスは、様々なハードウエアプラットフォーム上で行うために及び様々なオペレーティングシステムとのインタフェースのためにコンパイルすることができる。これに加えて、本発明の開示の実施は、いずれかの特定のプログラミング言語に関連して説明されるものではない。様々なプログラミング言語を使用して本発明の開示の実施を実施することができることは認められるであろう。
【0067】
本明細書に説明する方法及び装置は、医療診断撮像及び治療での使用だけに限定されないことに注意しなければならない。代替実施では、本明細書の方法及び装置は、工業用撮像及び材料の非破壊検査のような医療技術分野以外の用途に使用することができる。そのような用途では、例えば、「治療」は、一般的にビーム(例えば、放射線、音響など)の印加のような治療計画システムによって制御される作動の達成を指す場合があり、「ターゲット」は、非解剖学的な物体又は区域を指す場合がある。
【0068】
以上の明細書では、本発明の開示は、その特定の例示的実施に関連して説明した。しかし、特許請求の範囲に説明される本発明の開示のより広範な精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更をそれらに加えることができることは明らかであろう。従って、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的意味で考えるべきである。
【符号の説明】
【0069】
300 画像見当合わせパイプライン
302 基準画像
304 動作画像
306 見当合わせ
309 強調基準画像