(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】発光表示装置及びその修理方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240227BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240227BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240227BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20240227BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 352
G09F9/30 365
H01L29/78 618C
H10K59/121
(21)【出願番号】P 2022175136
(22)【出願日】2022-10-31
【審査請求日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194794
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハン, ジュンヒ
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111524954(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0151658(US,A1)
【文献】特開2005-092154(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0131318(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111584641(CN,A)
【文献】特開2011-197686(JP,A)
【文献】特開2009-186844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G09F 9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に備えられた複数のサブ画素であって、各々が、駆動トランジスタ及び前記駆動トランジスタと接続された発光ダイオードを含む、複数のサブ画素と、
前記複数のサブ画素と電気的に接続された複数のスキャンライン及びデータラインと
を含む発光表示装置であって、
前記駆動トランジスタは、
駆動ゲート電極と、
前記駆動ゲート電極と重畳しない第1領域、及び前記駆動ゲート電極と重畳した第2領域を含む第1アクティブ層パターンであって、前記第2領域が、前記駆動ゲート電極と重畳した第1ホールを含む、第1アクティブ層パターンと、
前記第1領域の第1部分と接続された駆動ドレイン電極と、
前記第1領域の前記第1部分から離隔した前記第1領域の第2部分に接続された、駆動ソース電極と
を含み
、
発光部と画素回路部とに区分された各サブ画素は、
前記画素回路部において互いに交差する前記複数のスキャンライン及びデータラインのうちの、一つのスキャンライン及び一つのデータラインと、
前記一つのスキャンラインと重畳する部位に備えられたスイッチングトランジスタと、
前記一つのスキャンラインに平行な一つのセンスラインと、
前記一つのセンスラインと重畳する部位に備えられたセンシングトランジスタと
を含み、
前記スイッチングトランジスタは、前記第1アクティブ層パターンと同じ層上に備えられ、前記第1アクティブ層パターンから離隔する第2アクティブ層パターンを含み、
前記駆動ゲート電極は、前記第1ホールと、前記第1ホールの外側の前記第1アクティブ層パターンの部位とを横切って延びる延長部を含み、
前記駆動ゲート電極の前記延長部は、コンタクトホールを介して前記第2アクティブ層パターンと接続されている、発光表示装置。
【請求項2】
前記発光ダイオードは、
前記発光部における第1電極と、
前記第1電極から前記画素回路部に延びた第1電極延長部と、
前記第1電極上に備えられた有機発光層と、
前記有機発光層上に備えられた第2電極とを含み、
前記第1電極延長部は、
前記第1ホールと重畳し且つ前記第1ホールより大きい第2ホールを有する、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記駆動ゲート電極は、
前記第1ホールの内部の
、前記第1アクティブ層パターン及び前記第1電極延長部の両者と重畳しない第1非重畳部と、
前記駆動ゲート電極の一側と他側との間において、前記第1非重畳部から離隔し、前記第1アクティブ層パターン及び前記第1電極延長部の両者と重畳しない第2非重畳部とを含む、請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記サブ画素の少なくともいずれか一
つにおいて、前記第1非重畳部及び前記第2非重畳部は前記駆動ゲート電極で互いに電気的に分離される、請求項3に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記駆動ゲート電極の前記第2非重畳部は、
前記第2ホール内で前記第1ホールの周辺の前記第1アクティブ層パターンの外側に位置するか、
前記第1電極延長部の外側に備えられる、請求項3に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記駆動ドレイン電極は、前記第1電極延長部と重畳する部位における第1接続と、前記第1アクティブ層パターンの一側における前記第1アクティブ層パターンとの第2接続とを含み、
前記駆動ドレイン電極は前記駆動ゲート電極と同じ層上に備えられている、請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記スイッチングトランジスタは
、
前記データラインから突出し、前記第2アクティブ層パターンの一側に接続するように延びるスイッチングソース電
極を含み、
前記第2アクティブ層パターンの他側に前記駆動ゲート電極が接続されている、請求項
1に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記第1アクティブ層パターンの前記第1領域の前記第1部分は、前記第1ホールの、前記第1アクティブ層パターンの前記第1領域の前記第2部分とは反対側に備えられている、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記第1ホールは矩形の形状を有する、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項10】
前記駆動ドレイン電極は、前記第1領域の前記第1部分に備えられた第1コンタクトホールを介して前記第1アクティブ層パターンと接続されている、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項11】
前記駆動ソース電極は、前記第1領域の前記第2部分に備えられた第2コンタクトホールを介して前記第1アクティブ層パターンと接続されている、請求項
10に記載の発光表示装置。
【請求項12】
前記第1アクティブ層パターンと前記第2アクティブ層パターンとの間にスペースが存在し、前記延長部が、前記第1ホール、及び前記第1アクティブ層パターンと前記第2アクティブ層パターンとの間の前記スペースの両方を横切って延びる、請求項
1に記載の発光表示装置。
【請求項13】
前記駆動ゲート電極の前記延長部は、互いに離隔した第1部分、第2部分及び第3部分を含み、
前記第1部分は、前記第1アクティブ層
パターンと前記第2アクティブ層
パターンとの間の前記スペースにおいて前記第2部分から離隔しており、
前記第2部分は、前記第1ホールにおいて前記第3部分から離隔している、請求項
12に記載の発光表示装置。
【請求項14】
前記駆動ゲート電極は、互いに離隔した第1部分、第2部分、及び第3部分を含み、
前記第1部分は、前記第1ホールにおいて前記第2部分から離隔しており
、
前記第2部分は、
前記第1アクティブ層パターンと前記第2アクティブ層パターンとの間の前記第1電極延長部の外側に位置する他の部位において前記第3部分から離隔している、請求項
2に記載の発光表示装置。
【請求項15】
駆動ゲート電極を含む駆動トランジスタを備えたサブ画素と、前記駆動ゲート電極と
重畳しない第1領域及び前記駆動ゲート電極と
重畳する第2領域を含む第1アクティブ層パターンであって、前記第2領域は前記駆動ゲート電極と
重畳する第1ホールを含む第1アクティブ層パターンと、前記第1領域の第1部分と接続された駆動ドレイン電極と、前記第1領域の第1部分から離隔した前記第1領域の第2部分と接続された駆動ソース電極とを含む発光表示装置を修理する方法であって、前記方法は、
前記第1アクティブ層パターンと
重畳する前記駆動ゲート電極の部位にある異物を検査すること、及び
前記第1ホールに
重畳する前記駆動ゲート電極の第1部分と、
前記異物に対して前記第1部分と対向する前記駆動ゲート電極の第2部分とを除去すること
を含む方法。
【請求項16】
前記除去される前記駆動ゲート電極の第2部分が、前記
第1ホールの左側に位置する、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記除去される前記駆動ゲート電極の第2部分が、前記
第1ホールの右側に位置する、請求項
15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光表示装置に関し、より詳しくはアクティブ層パターンの形状を変更することで、異物発生の際、アクティブ層パターンに隣接した金属の短絡によって該当サブ画素を正常に動作することができる発光表示装置及びその修理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、本格的な情報化時代に入るのに伴い、電気的情報信号を視覚的に表現するディスプレイ分野が急速に発展して来た。これに応じて、薄型化、軽量化、低消費電力化に優れた性能を有する多様な表示装置が開発されて既存のブラウン管(Cathode Ray Tube:CRT)を早く代替している。
【0003】
このうち、別途の光源を要求しなく、装置のコンパクト化及び鮮明なカラー表示のために別途の光源を備えず、発光素子を表示パネル内に有する発光表示装置が競争力あるアプリケーションとして考慮されている。
【0004】
一方、発光表示装置は、発売開始の前に検査を遂行し、検査段階で不良サブ画素が検出されれば、当該サブ画素を暗点化させる修理を遂行する。
【発明の概要】
【0005】
暗点化が発生したサブ画素が一定数以上になれば、正常パネルとして機能しにくいので、その解決が要求される。
【0006】
本発明は、アクティブ層パターンの形状を変更することで、異物が発生した領域によって選択的に異物発生部位の変更されたアクティブ層パターンと隣接金属とを分離させ、残りのアクティブ層パターンの領域で正常動作することができるようにして、正常化修理が可能な発光表示装置及びその修理方法を提供する。
【0007】
本発明の発光表示装置は、アクティブ層パターンにホールを備え、ホールによってアクティブ層パターン及び他の金属と重畳しないゲート金属を修理部位として用い、迂回領域によって該当サブ画素を正常化させることができる。
【0008】
本発明の発光表示装置は、基板上に複数のサブ画素を含み、それぞれのサブ画素は、駆動トランジスタ及び駆動トランジスタと接続された発光ダイオードを含み、駆動トランジスタは、駆動ゲート電極と、駆動ゲート電極と交差して重畳し、重畳した一部に第1ホールを有する第1アクティブ層パターンと、第1アクティブ層パターンが駆動ゲート電極と重畳しない領域にそれぞれ接続され、互いに離隔する駆動ソース電極及び駆動ドレイン電極とを含む。
【0009】
本発明の発光表示装置及びその修理方法は次のような効果がある。
【0010】
第一に、アクティブ層の内部にホールを備え、ホールが位置する部位でゲート金属を他の金属と重畳しないようにし、ホール部位を介してゲート金属をフローティングさせ、フローティング部位を除いて残った部位のゲート金属にトランジスタを迂回させて正常に動作させることができる。よって、サブ画素に異物が発生しても、該当サブ画素の修理によって正常化させて有効サブ画素として動作させることができる利点がある。
【0011】
第二に、アクティブ層のホールと重畳して上部の第1電極または第1電極延長部にもホールを備えることで、レーザー照射の際、ゲート金属にのみ影響を与え、第1電極の動作に影響がないようにして該当サブ画素の発光部の動作を安定化することができる。
【0012】
第三に、発光ダイオードに駆動電流を供給する駆動トランジスタに含まれた第1アクティブ層に修理のためのホールを備えるとき、第1アクティブ層から離隔する第2アクティブ層または第3アクティブ層に駆動ゲート電極の一側及び他側が接続されるようにすることで、駆動ゲート電極の内部の一部がフローティング状態になっても迂回動作ができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施例による発光表示装置を示す概略平面図である。
【
図2】
図1の隣接した2個のサブ画素の回路図である。
【
図4】本発明の一実施例による発光表示装置の駆動回路部を拡大して示す平面図である。
【
図6】
図4のII~II’線についての断面図である。
【
図7】本発明の第1実施例による発光表示装置の修理方法を示す平面図である。
【
図8a】
図7のI~I’線についての断面図である。
【
図8b】
図7のII~II’線についての断面図である。
【
図9】
図7の修理後の駆動トランジスタの電流パスを示す図である。
【
図10】本発明の第2実施例による発光表示装置の修理方法を示す平面図である。
【
図11】
図10のIII~III’線についての断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明する。明細書全般にわたって同じ参照番号は実質的に同一である構成要素を意味する。以下の説明で、本発明に関連した技術又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、以下の説明で使われる構成要素の名称は容易な明細書作成を考慮して選択されたものであり、実際製品の部品の名称と異なることがある。
【0015】
本発明の多様な実施例を説明するための図面に開示された形状、サイズ、比率、角度、個数などは例示的なものなので、本発明が図面に示す事項に限定されるものではない。本明細書全般にわたって同じ図面符号は同じ構成要素を指称する。また、本発明の説明において、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上で言及する「含む」、「有する」、「なる」などを使う場合、「~のみ」を使わない限り、他の部分を付加することができる。構成要素を単数で表現する場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0016】
本発明の多様な実施例に含まれる構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものに解釈する。
【0017】
本発明の多様な実施例を説明するに当たり、位置関係について説明する場合、例えば、「~上に」、「~の上部に」、「~の下部に」、「~のそばに」などによって二つの部分の位置関係を説明する場合、「すぐ」又は「直接」を使わない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0018】
本発明の多様な実施例を説明するに当たり、時間関係について説明する場合、例えば、「~の後に」、「~に引き続き」、「~の次に」、」~の前に」などで時間的先後関係を説明する場合、「すぐ」又は「直接」を使わない限り、連続的ではない場合も含むことができる。
【0019】
本発明の多様な実施例を説明するに当たり、「第1~」、「第2~」などを多様な構成要素を敍述するために使うことができるが、このような用語は互いに同一乃至類似の構成要素を区別するために使うだけである。よって、本明細書で、「第1~」で修飾する構成要素は別途の言及がない限り、本発明の技術的思想内で「第2~」で修飾する構成要素と同一であることができる。
【0020】
本発明の多様な実施例のそれぞれの特徴が部分的に又は全体的に互いに結合又は組合せ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、多様な実施例が互いに対して独立的に実施されることもでき、連関関係で一緒に実施されることもできる。
【0021】
図1は本発明の一実施例による発光表示装置を示す概略平面図であり、
図2は
図1の隣接した2個のサブ画素の回路図である。
【0022】
図1のように、本発明の発光表示装置は、複数のサブ画素を備え、それぞれのサブ画素に発光部EM及び画素回路部PCを備えた基板100を含む。図示の例は発光部EMと画素回路部PCとが互いに分離された例を示しているが、これに限られず、発光部EMの一部と画素回路部PCが重畳した場合にも本発明の発光表示装置を適用することができる。発光部EMと画素回路部PCとが重畳した場合は、例えば上部発光方式のように、発光ダイオードの下部電極(第1電極)が反射電極を含む場合であることができる。この場合、第1電極と重畳する部位の下部画素回路部は反射電極によって遮られ、発光領域を制限しないことができる。
【0023】
また、下部発光方式の場合にも、構成要素として透明成分や半透過成分は発光部と重畳して配置されることもできる。
【0024】
例えば、発光表示装置で、
図1のように、隣接したデータラインDL
i、DL
i+1、DL
i+2、DL
i+3の間に発光部EM及び画素回路部PCを有する各サブ画素が配置される。
【0025】
図1は、一例として、4個の隣接したサブ画素SPを示すものであり、赤色、緑色、青色及び白色のサブ画素が並んで配置される。これらは規則性を持って反復的に基板100上に配置されることができる。しかし、これは一例であるだけで、赤色、緑色及び青色の3個のサブ画素が繰り返し配置されることもでき、あるいは他の色組合せのサブ画素が規則的に配置されることもできる。また、例えば、それぞれ互いに異なる色相の光を発光する3個または4個のサブ画素をセットとして一つの画素を定義することができる。
【0026】
このようなサブ画素SPは、特定の1種のカラーフィルターが形成されるか、またはカラーフィルターが形成されず、発光ダイオードが特別な色相を発光することができる単位を意味する。サブ画素SPで定義する色相として、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を含み、場合によっては、選択的に白色(W)をさらに含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0027】
図2のように、互いに交差する複数のスキャンラインSL
jと複数のデータラインDL
i+1、DL
i+2との間に各サブ画素が備えられる。具体的に、各サブ画素の画素回路部PCが3T1C回路を有する場合、横方向のスキャンラインSL
jとセンスラインSEL
jとの間と縦方向のデータラインDL
i+1またはDL
i+2と基準ラインRLとの間にサブ画素が定義され、サブ画素にはそれぞれ駆動トランジスタDR
aまたはDR
b、スイッチングトランジスタSC
aまたはSC
b、センシングスイッチングトランジスタSE
aまたはSE
b及びストレージキャパシタCst
aまたはCst
bが備えられ、駆動トランジスタDR
aまたはDR
b及び発光ダイオードOLED
aまたはOLED
bが備えられる。
【0028】
図2は基準電源電圧ラインRLを挟んでそれぞれ左側と右側の画素回路部PCをa領域及びb領域に区分して示した。
【0029】
図2を参照して、サブ画素に備えられた画素回路部PCを説明する。
【0030】
ここで、スイッチングトランジスタSCa、SCbはスキャンラインSLjとデータラインDLi+1、DLi+2とが交差する領域に形成され、当該画素を選択する機能を果たし、そして、駆動トランジスタDRa、DRbは第2ノードBを介して接続されたスイッチングトランジスタSCa、SCbによって選択されたサブ画素の発光ダイオードOLEDa、OLEDbを駆動する機能を果たす。駆動トランジスタDRは第3ノードCを介して発光ダイオードOLEDa、OLEDbに接続され、発光ダイオードOLEDa、OLEDbの駆動電流を制御する。また、第3ノードCと基準電源電圧ラインRLとの間にセンシングトランジスタSEが備えられることにより、センシングラインSELjから供給される初期化信号あるいはセンシング信号を介して基準電源電圧ラインRLから基準電圧信号を発光ダイオードOLEDa、OLEDbに供給することができる。
【0031】
一方、基板100のサブ画素を含むアクティブ領域の外郭領域には、スキャンラインSLにスキャン信号を供給するスキャン駆動部を含み、データラインDLにはデータ信号を供給するデータ駆動部を含むことができる。そして、駆動電源信号EVDDは、外郭領域に電源供給部を備えることで、駆動電圧を印加されるかあるいはデータ駆動部を介して印加されることができる。
【0032】
ここで、スキャン駆動部、データ駆動部及び電源供給部は、アクティブ領域内に薄膜トランジスタを形成するとき、基板100上の外郭領域に直接内蔵して形成することもでき、あるいは基板100の外郭領域に別にフィルムまたはプリント基板の形状を付着して形成することもできる。
【0033】
発光ダイオードOLEDは駆動トランジスタDRを介して供給される電流によって発光する。発光ダイオードOLEDは、第1電極、発光層を含む有機層、及び第2電極を含む。第1電極及び第2電極のうちの一方はアノード、他方はカソードであることができる。第1電極は駆動トランジスタDRの駆動ソース電極または駆動ドレイン電極に接続され、第2電極は低電源電圧EVSSが印加される低電源電圧ラインに連結される。駆動トランジスタDRと第1電極との接続は駆動ソース電極及び駆動ドレイン電極のうちのいずれか一つによってなされることができ、これはトランジスタの構成がp型であるかn型であるかによって変更されることができる。以下では、駆動トランジスタDRの駆動ソース電極が発光ダイオードの第1電極と接続された例を基準に説明する。
【0034】
発光ダイオードOLEDの有機層は、発光層の他に、正孔輸送層及び電子輸送層を含むことができる。発光ダイオードOLEDは、第1及び第2電極に電圧が印加されれば、正孔と電子がそれぞれ正孔輸送層と電子輸送層を介して発光層に移動し、発光層で互いに結合して発光するようになる。
【0035】
駆動トランジスタDRは駆動電源電圧EVDDが供給される電源電圧ラインと発光ダイオードOLEDとの間に配置される。駆動トランジスタDRは、駆動ゲート電極と駆動ソース電極との電圧差によって、駆動電源電圧EVDDが発光ダイオードOLEDに流れる電流を調整する。駆動トランジスタDRの駆動ゲート電極は、第2ノードBで、スイッチングトランジスタSCのスイッチングソース電極に接続され、駆動ドレイン電極は第1ノードAを介して駆動電源電圧EVDDを供給する電源電圧ラインに接続され、駆動ソース電極は第3ノードCで発光ダイオードOLEDの第1電極に接続されることができる。
【0036】
スイッチングトランジスタSCaは第jスキャンラインSLjの第jスキャン信号によってターンオンされ、第i+1データラインDLi+1の電圧を駆動トランジスタDRaの駆動ゲート電極に供給する。スイッチングトランジスタSCaのスイッチングゲート電極は第jスキャンラインSLjに接続され、スイッチングソース電極は駆動トランジスタDRのゲート電極に接続され、スイッチングドレイン電極は第i+1データラインDLi+1に接続されることができる。
【0037】
センシングトランジスタSEaは第jセンシングラインSELjの第j初期化信号によってターンオンされ、基準電圧ラインRLを駆動トランジスタDRの駆動ソース電極に接続させる。センシングトランジスタSEaのセンシングゲート電極は第jセンシングラインSELjに接続され、センシングドレイン電極は基準電圧ラインRLに接続され、センシングソース電極は駆動トランジスタDRaのソース電極に接続されることができる。
【0038】
ストレージキャパシタCstaは駆動トランジスタDRaの駆動ゲート電極と駆動ソース電極との間に形成される。ストレージキャパシタCstaは駆動トランジスタDRaのゲート電圧とソース電圧との間の差電圧を貯蔵する。
【0039】
ストレージキャパシタCstaの第1電極はスイッチングトランジスタSCaと駆動トランジスタDRaとが接続する第2ノードBと接続され、第2電極は駆動トランジスタDRaと発光ダイオードOLED及びセンシングトランジスタSEaとが接続する第3ノードCと接続される。
【0040】
図2で、スイッチングトランジスタSC
a、SC
b、駆動トランジスタDR
a、DR
b、及びセンシングトランジスタSE
a、SE
bは薄膜トランジスタからなることができる。また、
図2はそれぞれの駆動トランジスタDR
a、DR
b、スイッチングトランジスタSC
a、SC
b、及びセンシングトランジスタSE
a、SE
bがN型半導体特性を有するN型半導体トランジスタから形成されたものを例示したが、本明細書の実施例はこれに限定されない。各トランジスタあるいは一部のトランジスタはP型半導体特性を有するP型半導体トランジスタから形成されることができる。
【0041】
また、スキャン駆動部は複数のスキャンラインSLにスキャン信号を順次供給する。例えば、スキャン駆動部は制御回路であり、タイミングコントローラー(図示せず)などから供給される制御信号に応じて複数のスキャンラインSLにスキャン信号を供給する。
【0042】
また、データ駆動部は、タイミングコントローラー(図示せず)などの外部から供給される制御信号に応じてデータラインDLのうちで選択されたデータラインDL1~DLi~DLi+mにデータ信号を供給する。データラインDL1~DLmに供給されたデータ信号は、スキャンラインSLi~SLj~SLj+nにスキャン信号が供給される都度、スキャン信号によって選択されたサブ画素に供給される。これにより、サブ画素はデータ信号に対応する電圧を充電し、これに対応する輝度で発光する。
【0043】
本発明の発光表示装置は、異物が発生したサブ画素の修理が可能であり、修理によって当該サブ画素を正常に動作させることを目的とする。駆動トランジスタDRの少なくとも一つの電極が修理対象であることができ、隣接した層であるアクティブ層パターンと重畳しない部位を有し、非重畳部位を介して短絡し、短絡の後、残りの有効なパターンを介して正常動作が期待されるものである。
【0044】
以下、各サブ画素の詳細構成を示す図面を参照して本発明の発光表示装置を説明する。
【0045】
図3は
図1の一つのサブ画素の平面図であり、
図4は本発明の一実施例による発光表示装置の駆動回路部を拡大して示す平面図であり、
図5は
図4のI~I’線についての断面図であり、
図6は
図4のII~II’線についての断面図である。
【0046】
図1及び
図2のように、本発明の一実施例による発光表示装置は、複数のサブ画素EM+PCを備え、各サブ画素に発光部EM及び画素回路部PCを備えた基板100と、画素回路部PCに備えられた駆動トランジスタDRと、駆動トランジスタDRと接続されて発光部に延びた発光ダイオードOLEDとを含む。
【0047】
図3~
図6のように、駆動トランジスタは、駆動ゲート電極116と、駆動ゲート電極と交差して重畳し、重畳した一部に第1ホール135Hを有する第1アクティブ層パターン135と、第1アクティブ層パターンが駆動ゲート電極と重畳しない領域にそれぞれ接続され、互いに離隔している駆動ソース電極118及び駆動ドレイン電極115aとを含むことができる。
【0048】
第1アクティブ層パターン135は、交差した駆動ゲート電極116の両側に第1ホール135Hの一部と第1ホール135Hを取り囲む第1アクティブ層パターン135の一部とが露出されることができ、露出された第1アクティブ層パターン135はそれぞれ駆動ドレイン電極115aと第7コンタクトホールCT7を介して接続されることができ、駆動ソース電極118と第6コンタクトホールCT6を介して接続されることができる。
【0049】
発光ダイオードOLEDは、発光部EMに形成された第1電極140と、第1電極140と一体型に画素回路部PCに延びた第1電極延長部140eと、少なくとも第1電極140上に備えられた有機発光層155と、有機発光層155上に備えられた第2電極156とを含む。そして、第1電極延長部140eは第1ホール135Hより大きい第2ホール140Hを有することができる。
【0050】
本発明の発光表示装置は、駆動トランジスタDRにおいて少なくとも半導体層である第1アクティブ層パターン135の内部に第1ホール135Hを有することで、第1ホール135H形状に駆動ゲート電極116が他の金属またはアクティブ層パターンと重畳しない部分を有するようにし、その非重畳部を異物検査の後に短絡領域に設定し、残りの領域を正常電流パスとして用いて当該サブ画素を正常化させることに一つの特徴がある。
【0051】
本発明の発光表示装置で、修理は主に伝導性異物によってゲート金属層とアクティブ層との間でショートが発生する問題を解決することである。例えば、ゲート金属層とアクティブ層とはその間にゲート絶縁膜142を備えることができるが、ゲート絶縁膜142は酸化膜、窒化膜または酸窒化膜の無機物質からなり、1μm以下の小さい厚さを有するので、ゲート金属層とアクティブ層との間に伝導性異物がある場合、上下のゲート金属層及びアクティブ層はショートし、ショートしたアクティブ層を含む薄膜トランジスタは正常動作が不可能である。正常動作が不可能な薄膜トランジスタが、例えば、
図2の画素駆動部に含まれている場合、該当サブ画素は、そのサブ画素のターンオン有無に関係なく、発光ダイオードが常にオフ状態にあるかまたは常にオン状態にあるようになる。発光ダイオードが常にオフ状態であれば、当該画素は暗点として現れ、発光ダイオードが常にオン状態にあれば、当該画素は輝点として現れる。
【0052】
本発明の発光表示装置は、ゲート金属層及びアクティブ層の間でショートが発生しても、ショート部位のゲート金属層の両側を分離させることにより、残りの薄膜トランジスタでの電流パス迂回による正常動作が可能である。
【0053】
すなわち、本発明の発光表示装置は、発光ダイオードに駆動電流を供給する駆動トランジスタに含まれた第1アクティブ層に修理のためのホールを備えるとき、第1アクティブ層から離隔している第2アクティブ層または第3アクティブ層で駆動ゲート電極の一側及び他側が互いに接続されるようにして、駆動ゲート電極の内部の一部がフローティング状態になっても迂回動作ができるようにする。
【0054】
すなわち、駆動ゲート電極116は、第1ホール135Hの内部に、第1アクティブ層パターン135及び第1電極延長部140eの両者と重畳しない第1非重畳部を有し、駆動ゲート電極116の一側と他側との間において、第1ホール135Hに対応する第1非重畳部から離隔し、第1アクティブ層パターン135及び第1電極延長部140eの両者と重畳しない少なくとも一つの第2非重畳部を有することができる。
図3~
図6に示した例は、第1ホール135Hの左側の第1アクティブ層パターン135の外側に第2非重畳部を備えた例を示す。また、第1電極延長部140eの外側に駆動ゲート電極116が第1アクティブ層パターン135と重畳しないようにし、この領域を第2非重畳部とすることができる。
【0055】
第1電極延長部140eの第2ホール140Hは第1ホール135Hと重畳するようにより大きなサイズに形成され、第1ホール135Hの領域の修理の際、駆動ゲート電極116の分離領域として完全に用いられる。
【0056】
駆動ゲート電極116は、他の金属及びアクティブ層パターンと重畳しない領域が、異物検査後の修理段階で、レーザーが照射して短絡が発生する領域になることができる。すなわち、異物が発生した領域の周辺に第1アクティブ層パターン135と重畳しない駆動ゲート電極116の部位をレーザー照射して除去する。このような修理の際、駆動ゲート電極116は第1アクティブ層パターン135から離隔している第2アクティブ層パターン130とそれぞれ第4コンタクトホールCT4及び第3コンタクトホールCT3を介して接続されているので、駆動ゲート電極116の内部の一部で短絡が発生しても正常信号を受け、駆動ゲート電極116を含む駆動トランジスタDRが正常に動作することができる。
【0057】
一方、本発明の発光表示装置は、
図3のように、駆動トランジスタDRの他に、画素回路部PCに、各サブ画素を区分するように互いに交差するスキャンライン(SL)110及びデータライン(DL)120と、スキャンラインと重畳する部位に備えられたスイッチングトランジスタSCと、スキャンラインSLに平行なセンシングライン(SEL)111と、センシングライン111と重畳する部位に備えられたセンシングトランジスタSEとをさらに含むことができる。
【0058】
スイッチングトランジスタSCは、第1アクティブ層パターン135から離隔し、同じ層の第2アクティブ層パターン130及びデータライン(DL)120から突出して第2アクティブ層パターン130の一側と重畳するように延びて接続されたスイッチングドレイン電極120aを含むことができ、第2アクティブ層パターン130の他側に駆動ゲート電極116との接続を有し、その接続部位をスイッチングソース電極として用いることができる。ここで、第2アクティブ層パターン130を交差して通るスキャンライン(SL)110の部位はスイッチングゲート電極として用いることができる。場合によって、スイッチングドレイン電極とスイッチングソース電極は互いに取り替えられることもできる。スイッチングトランジスタSCはそれぞれ第2アクティブ層パターン130の両側の第1コンタクトホールCT1及び第4コンタクトホールCT4を介してスイッチングドレイン電極120a及び駆動ゲート電極116と接続されることができる。第4コンタクトホールCT4は駆動トランジスタDRとスイッチングトランジスタSCとが接続された
図2の第2ノードBとして機能することができる。
【0059】
また、センシングトランジスタSEは、センシングライン(SEL)111をセンシングゲート電極とし、センシングライン(SEL)111と交差する第3アクティブ層パターン133と、第3アクティブ層パターン133と接続されるセンシングドレイン電極120bと、基準電源電圧ラインRLとを含むことができる。第3アクティブ層パターン133の両側は第2コンタクトホールCT2及び第8コンタクトホールCT8を介して基準電源電圧ラインRL及びセンシングソース電極120bと接続され、センシングソース電極120bは第1電極延長部140eに延び、第9コンタクトホールCT9を介して第1電極延長部140eと接続される。
【0060】
一方、第1電極延長部140eは第1電極140と一体型であり、駆動ソース電極118と第5コンタクトホールCT5を介して接続され、よって、第5コンタクトホールCT5及び第9コンタクトホールCT9は共通して発光ダイオードOLEDの第1電極140と接続される駆動トランジスタDR及びセンシングトランジスタSEが接続される
図2の第3ノードCとして機能する。
【0061】
一方、基板100は、プラスチック、ガラス、セラミックなどからなる絶縁基板であることができる。基板100がプラスチックから構成される場合、スリムでありながら曲げられるフレキシブルな特性を有することができる。ただ、基板100の材料はこれに限定されず、金属を含むとともに配線が形成される側に絶縁性バッファー層(図示せず)をさらに備える形態を有することもできる。
【0062】
また、同一層であるが互いに離隔して形成された第1アクティブ層パターン135、第2アクティブ層パターン130、及び第3アクティブ層パターン133は、異物検査の後、修理が要求される領域に位置する第1アクティブ層パターン135と修理が要求されない領域に位置する第2及び第3アクティブ層パターン130、133とは互いに異なる構成を有することができる。例えば、
図5及び
図6のように、第2アクティブ層パターン130は下部に下部遮光金属105をさらに備えることで、第2アクティブ層パターン130に基板100を通して流入する光を遮光することができる。同様に、第3アクティブ層パターン133も下部に下部遮光金属105をさらに備えることができる。それぞれ第2及び第3アクティブ層パターン130、133のチャネル領域のみに対応して下部遮光金属105を備えることで、光遮断によるアクティブ層内の光電流の発生を遮断することができる。
【0063】
第1アクティブ層パターン135は、修理の際、第1ホール135Hを通して基板100の下部から駆動ゲート電極116側にレーザーが照射できなければならないので、下部遮光金属105は省略することができる。場合によって、第1アクティブ層パターン135のチャネル部位に選択的に下部遮光金属105をさらに備えることもできる。
【0064】
一方、下部遮光金属105が形成される層でデータライン120を一緒にパターニングして形成することができる。この場合、アクティブ層の光電流の発生を抑制する下部遮光金属105とデータライン120を同時に形成してマスク低減の効果を得ることができる。しかし、本発明の発光表示装置はこれに限定されず、下部遮光金属105とデータライン120とを相異なる層に形成する場合にも適用可能である。
【0065】
下部遮光金属105を覆うようにアクティブバッファー層107が備えられることができる。
【0066】
スキャンライン110、センスライン111、基準電源電圧ライン112、及び駆動電源電圧ライン115と、駆動電源電圧ライン115から突出した駆動ドレイン電極115a、駆動ゲート電極116、及び駆動ソース電極118とは同じ金属をパターニングして同一層に形成することができる。
【0067】
そして、同じ層のスキャンライン110、センスライン111、基準電源電圧ライン112、及び駆動電源電圧ライン115と、駆動ドレイン電極115a、駆動ゲート電極116、及び駆動ソース電極118とのそれぞれの下部にゲート絶縁膜142が備えられる。ゲート絶縁膜142はスキャンライン110と同じマスクで形成することができ、よって、スキャンライン110、センスライン111、基準電源電圧ライン112、及び駆動電源電圧ライン115、駆動ドレイン電極115a、駆動ゲート電極116、及び駆動ソース電極118と同一または類似の幅を有することができる。
【0068】
ここで、駆動トランジスタDRは駆動ゲート電極116、駆動ソース電極118、及び駆動ドレイン電極115aと同じ層に位置するので、チャネル形成のために、ゲート絶縁膜142を介在して島状に第1アクティブ層パターン135と重畳する駆動ゲート電極116は、
図3のように、平面上で充分に離隔して駆動ドレイン電極115a及び駆動ソース電極118を備える。これは、第1アクティブ層パターン135が第7コンタクトホールCT7及び第6コンタクトホールCT6を介して駆動ドレイン電極115a及び駆動ソース電極118と電気的に接続されるので、チャネルを駆動ドレイン電極115a及び駆動ソース電極118から電気的に離隔させるためである。
【0069】
スイッチングドレイン電極120aと第2アクティブ層パターン130とが接続される第1コンタクトホールCT1、センシングソース電極120bと第3アクティブ層パターン133とが接続される第2コンタクトホールCT2、駆動ゲート電極116の両端でそれぞれ第2アクティブ層パターン130と接続される第3及び第4コンタクトホールCT3、CT4、駆動ソース電極118と第1アクティブ層パターン135とが接続される第6コンタクトホールCT6、駆動ドレイン電極115aと第1アクティブ層パターン135とが接続される第7コンタクトホールCT7、及び基準電源電圧ラインRLと第3アクティブ層パターン133とが接続される第8コンタクトホールCT8は、それぞれの第1~第3アクティブ層パターン135、130、133及び駆動ゲート電極116などを形成する金属層の間に位置するゲート絶縁膜142に備えられる。
【0070】
そして、スキャンライン110、センスライン111、基準電源電圧ライン112、及び駆動電源電圧ライン115と、駆動ドレイン電極115a、駆動ゲート電極116、及び駆動ソース電極118とを覆うように第1層間絶縁膜144が備えられ、第1層間絶縁膜144上に平坦化のために第2層間絶縁膜145が備えられることができ、駆動ソース電極118の一部及びセンシングソース電極120bの一部を露出させるように、それぞれ第2層間絶縁膜145及び第1層間絶縁膜144を選択的に除去することで、第5コンタクトホールCT5及び第9コンタクトホールCT9が形成される。
【0071】
例えば、第1層間絶縁膜144が無機絶縁膜であり、第2層間絶縁膜145は有機絶縁膜であることができる。しかし、これに限定されず、第1及び第2層間絶縁膜144、145の間にかつ第2層間絶縁膜145上に、隣接層とは異なる物質の層間絶縁膜をさらに備えることができる。
【0072】
第2層間絶縁膜145上には透明金属物質あるいは反射金属物質が蒸着されてからパターニングされることで、発光部EMに配置された第1電極140と、第1電極140と一体型であり、画素回路部PCから延びた第1電極延長部140eを備える。第1電極延長部140eは第5コンタクトホールCT5を通して露出された駆動ソース電極118と接続される。よって、第5コンタクトホールCT5は発光ダイオードOLEDの第1電極140と駆動トランジスタDRとが電気的に連結されるものであり、
図2の第3ノードCに相当する。そして、第1電極延長部140eは第9コンタクトホールCT9を介してセンシングソース電極120bと接続される。第9コンタクトホールCT9は発光ダイオードOLEDの第1電極140とセンシングトランジスタSEとが互いに電気的に連結されるものであり、
図2の第3ノードCに相当することができる。
【0073】
画素回路部PCが備えられた部位はバンク153を備え、バンク153のオープン領域を発光部EMと定義することができる。
【0074】
発光部EMに位置する第1電極140と、その上部の有機発光層を含む有機層155と、第2電極156とを含めて発光ダイオードOLEDと言う。
【0075】
有機層155は、第1電極140と有機発光層との間、及び有機発光層と第2電極156との間に単一または複数の共通層を含むことができ、共通層は正孔の注入及び輸送と、電子の輸送及び注入とに関与することができる。また、有機層155内の有機発光層は単一層であることもでき、複数の層であることもできる。有機発光層が複数の層を含むとき、各有機発光層の間には電荷生成層を備え、電荷生成層によって区分された有機発光層及び/またはそれに隣接した共通層はスタックを構成し、有機層155は複数のスタックを第1電極140と第2電極156との間に備えることができる。
【0076】
共通層は発光部EMだけでなく画素回路部PCにも備えられ、複数のサブ画素にわたって一体に形成されることができる。
【0077】
有機発光層は発光部EMにのみ備えられることもでき、画素回路部PCにも備えられることもできる。有機発光層が発光部EMにのみ選択的に備えられた場合には、光の出射側にカラーフィルターのような色変換手段を省略することもできる。
【0078】
以下、本発明の発光表示装置の修理方法について説明する。
【0079】
*本発明の第1実施例による発光表示装置の修理方法*
図7は本発明の第1実施例による発光表示装置の修理方法を示す平面図であり、
図8a及び
図8bは
図7のI~I’線及びII~II’線についての断面図である。そして、
図9は
図7の修理後の駆動トランジスタの電流パスを示す図である。
【0080】
異物検査段階で、アクティブ層パターンと重畳する金属パターンの領域で異物によるショートが発生すれば、異常領域として検出することができる。
【0081】
図7のように、本発明の第1実施例による発光表示装置の修理方法は、第1ホール135Hの左側に位置する第1アクティブ層パターン135の部位に異物f1が発生した場合、異物f1が位置する部位の駆動ゲート電極116と第1アクティブ層パターン135との間にショートが発生した部位を正常化することである。
【0082】
図7~
図8bのように、異物f1の両側に重畳していない駆動ゲート電極116を、基板100の下側からレーザーを照射して周辺から分離させる。レーザーの照射の後、駆動ゲート電極116は異物f1の部分1160Bが両側の第2アクティブ層パターン130と接続されている駆動ゲート電極パターン1160A、1160Cから分離されてフローティング(floating)状態になる。よって、異物f1の部位ではフローティング状態の駆動ゲート電極パターン1160Bが残るので、電気的信号が印加されない。その代わりに、駆動トランジスタDRは、
図3及び
図9のように、駆動電源電圧ライン115から突出した駆動ドレイン電極115aから第7コンタクトホールCT7を介して第1アクティブ層パターン135に電流が流れるとき、第1ホール135Hを基準として異物f1と対向する第1ホール135Hの右側の第1アクティブ層パターン135に流れ、第6コンタクトホールCT6及び第5コンタクトホールCT5を介して第1電極の延長部140eを経て第1電極140に電流が印加される。この場合、第1ホール135Hの右側に位置する駆動ゲート電極116と重畳する第1アクティブ層パターン135の部位がチャネルとして機能し、駆動トランジスタDRの駆動ゲート電極116のレーザー照射の後に正常に動作することができる。
【0083】
*本発明の第2実施例による発光表示装置の修理方法*
図10は本発明の第2実施例による発光表示装置の修理方法を示す平面図であり、
図11は
図10のIII~III’線についての断面図である。
【0084】
図10及び
図11は本発明の第2実施例による発光表示装置の修理方法を示すものであり、第1ホール135Hの右側に位置する第1アクティブ層パターン135の部位に異物f2が発生した場合、異物f2が位置する部位の駆動ゲート電極116と第1アクティブ層パターン135との間にショートが発生したとき、駆動トランジスタDRを正常化するものである。
【0085】
図10及び
図11のように、異物f2の両側に重畳していない駆動ゲート電極116を基板100の下側からレーザー照射して周辺から分離させる。この場合、レーザーが照射される部位は他の金属及びアクティブ層パターンと重畳しない駆動ゲート電極116の領域であり、
図10のように、第1ホール135Hの駆動ゲート電極116の部位と、第1電極延長部140eの外側の駆動ゲート電極116の部位とである。
【0086】
レーザー照射の後、駆動ゲート電極116は異物f2の部位の部分116Bが両側の第2アクティブ層パターン130と接続されている駆動ゲート電極パターン116A、116Cから分離されてフローティング状態になる。よって、異物f2の部位ではフローティング状態の駆動ゲート電極パターン116Bが残るので、電気的信号が印加されない。
【0087】
その代わりに、駆動トランジスタDRは、
図3、
図10及び
図11のように、駆動電源電圧ライン115から突出した駆動ドレイン電極115aから第7コンタクトホールCT7を介して第1アクティブ層パターン135に電流が流れるとき、第1ホール135Hを基準として異物f2と対向する第1ホール135Hの左側の第1アクティブ層パターン135に流れ、第6コンタクトホールCT6及び第5コンタクトホールCT5を介して第1電極の延長部140eを経て第1電極140に電流が印加される。この場合、第1ホール135Hの左側に位置する駆動ゲート電極116と重畳する第1アクティブ層パターン135の部位がチャネルとして機能し、駆動トランジスタDRの駆動ゲート電極116のレーザー照射による修理の後、正常に動作することができる。
【0088】
このための本発明の一実施例による発光表示装置は基板上に複数のサブ画素を含み、それぞれのサブ画素は、駆動トランジスタ及び駆動トランジスタと接続された発光ダイオードを含む. 駆動トランジスタは、駆動ゲート電極と、駆動ゲート電極と交差して重畳し、重畳した一部に第1ホールを有する第1アクティブ層パターンと、第1アクティブ層パターンが駆動ゲート電極と重畳しない領域にそれぞれ接続され、互いに離隔する駆動ソース電極及び駆動ドレイン電極とを含むことができる。
【0089】
また、それぞれのサブ画素は発光部と画素回路部とに区分され、発光ダイオードは、第1電極と一体型に形成され、画素回路部に延びた第1電極延長部と、第1電極上に備えられた有機発光層と、有機発光層上に備えられた第2電極とを含み、第1電極延長部は、第1ホールより大きい第2ホールを有することができる。
【0090】
また、駆動ゲート電極は、第1ホールの内部の第1アクティブ層パターン及び第1電極延長部の両者と重畳しない第1非重畳部と、駆動ゲート電極の一側と他側との間において、第1非重畳部から離隔し、第1アクティブ層パターン及び第1電極延長部の両者と重畳しない第2非重畳部とを含むことができる。
【0091】
また、少なくともいずれか一つのサブ画素において、第1非重畳部及び第2非重畳部は駆動ゲート電極で互いに電気的に分離されることができる。
【0092】
また、駆動ゲート電極の第2非重畳部は、第2ホール内で第1ホールの周辺の第1アクティブ層パターンの外側に位置するか、第1電極延長部の外側に備えられることができる。
【0093】
駆動ドレイン電極は、駆動ゲート電極と同じ層に備えられ、第1電極延長部と重畳する部位に第1接続を有し、第1アクティブ層パターンの一側において、第1アクティブ層パターンとの第2接続を有することができる。
【0094】
また、基板の駆動回路部に各サブ画素を区分するように互いに交差するスキャンライン及びデータラインと、スキャンラインと重畳する部位に備えられたスイッチングトランジスタと、スキャンラインに平行なセンスラインと、また、センスラインと重畳する部位に備えられたセンシングトランジスタとをさらに含むことができる。
【0095】
また、スイッチングトランジスタは、第1アクティブ層パターンから離隔し、第1アクティブ層パターンと同じ層に設けられた第2アクティブ層パターンと、データラインから突出し、第2アクティブ層パターンの一側に重畳するように延びて接続されたスイッチングソース電極とを含み、第2アクティブ層パターンの他側に駆動ゲート電極と接続を有することができる。
【0096】
また、駆動ゲート電極は、少なくとも一側が第2アクティブ層パターンと接続されることができる。
【0097】
このための本発明の一実施例による発光表示装置の修理方法であって、異物を検査する段階と、第1ホールの内部に位置する駆動ゲート電極の第1部分、及び異物が発生した第1アクティブ層パターンを基準として第1部分と対向する駆動ゲート電極の第2部分を除去する段階とを含むことができる。
【0098】
本発明の発光表示装置及びその修理方法は次のような効果がある。
【0099】
第一に、アクティブ層の内部にホールを備え、ホールが位置する部位でゲート金属を他の金属と重畳しないようにし、ホール部位を介してゲート金属をフローティングさせ、フローティング部位を除いて残った部位のゲート金属にトランジスタを迂回させて正常に動作させることができる。よって、サブ画素に異物が発生しても、該当サブ画素の修理によって正常化させて有効サブ画素として動作させることができる利点がある。
【0100】
第二に、アクティブ層のホールと重畳して上部の第1電極または第1電極延長部にもホールを備えることで、レーザー照射の際、ゲート金属にのみ影響を与え、第1電極の動作に影響がないようにして該当サブ画素の発光部の動作を安定化することができる。
【0101】
第三に、発光ダイオードに駆動電流を供給する駆動トランジスタに含まれた第1アクティブ層に修理のためのホールを備えるとき、第1アクティブ層から離隔する第2アクティブ層または第3アクティブ層に駆動ゲート電極の一側及び他側が接続されるようにすることで、駆動ゲート電極の内部の一部がフローティング状態になっても迂回動作ができるようにする。
【0102】
一方、以上で説明した本発明は上述した実施例及び添付図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内でさまざまな置換、変形及び変更が可能であるというのは本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。