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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】電流変換器
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
G01R15/20 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022517822
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2020075415
(87)【国際公開番号】W WO2021052873
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】19198826.0
(32)【優先日】2019-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520011360
【氏名又は名称】レム・インターナショナル・エスエイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】シモニン・ルードビック
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0309082(US,A1)
【文献】米国特許第06545456(US,B1)
【文献】実開昭64-015970(JP,U)
【文献】特開昭64-086070(JP,A)
【文献】特開2019-113430(JP,A)
【文献】特表2017-510802(JP,A)
【文献】特表2011-509400(JP,A)
【文献】特表2017-513019(JP,A)
【文献】特表2009-505056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開ループ電流変換器(1)であって、
上方を向いている上面、及び、前記上面から下方に延び、上下方向に対して垂直な横方向を向いている横方向側面(9)を備える、ハウジング(2)と、
間に一対の磁場ギャップ(13a、13b)を形成する一対のコア部品(3a、3b)を含む磁気コア(3)であって、前記ハウジング(2)内に装着されており、前記一対のコア部品(3a、3b)の各々は、一次導体を受容するように構成された中央通路(14)の周りに配置されており、上方を向いている上部側面(27)と、下方を向いている下部装着側面(26)と、を備え、前記一対のコア部品(3a、3b)の前記上部側面(27)が、前記磁気コア(3)の上部側面であり、前記一対のコア部品(3a、3b)の前記下部装着側面(26)が、前記磁気コア(3)の下部装着側面である、磁気コア(3)と、
一対の磁場検出器(4a、4b)であって、1つの磁場検出器が各磁場ギャップ内に装着されている、一対の磁場検出器(4a、4b)と、
上方を向いている上面を有し、コア装着部品(16a、16b)および磁場検出器接点(19)を含むリードフレーム(5)と、
下方を向いている下面を有する、装着プレート(6)と、
を含み、
前記装着プレート(6)の前記下面は、前記磁気コア(3)の前記上部側面(27)に装着され、前記リードフレーム(5)の前記上面は、前記磁気コア(3)の前記下部装着側面(26)に装着され、 前記装着プレート(6)は、前記一対のコア部品(3a、3b)に固定され、前記一対のコア部品(3a、3b)の位置を定め、
前記磁場検出器接点(19)は、前記開ループ電流変換器(1)とは別箇の外部回路基板に接続されることで、前記一対の磁場検出器(4a、4b)からの測定信号を前記外部回路基板に送る回路基板接触部分(20)と、前記一対の磁場検出器(4a、4b)の接点(24)に接続するための磁場検出器接触部分(21)と、を含み、
前記コア装着部品(16a、16b)は、前記外部回路基板に固定されることで、前記開ループ電流変換器(1)を前記外部回路基板に固定し、
前記磁場検出器接触部分(21)は、前記ハウジング(2)の前記横方向側面(9)に形成された貫通孔(10)内に位置付けられている、開ループ電流変換器。
【請求項2】
前記リードフレーム(5)の前記コア装着部品(16a、16b)は、クランプポスト(18)を含み、前記クランプポスト(18)は、前記磁気コア(3)を前記上下方向に貫通する第1の孔(29)、及び、前記装着プレート(6)を前記上下方向に貫通する第2の孔(22)を通って延びた状態で、前記装着プレート(6)に固定されることで、前記装着プレート(6)、前記磁気コア(3)、および前記リードフレーム(5)を互いに固定している、請求項に記載の開ループ電流変換器。
【請求項3】
前記装着プレート(6)は、上方に向かって膨らんだギャップ架橋部分(23)を含む、請求項1または2に記載の開ループ電流変換器。
【請求項4】
前記一対のコア部品(3a、3b)は、同一であり、前記中央通路(14)の周りに鏡像対称に配置されている、請求項1からのいずれか一項に記載の開ループ電流変換器。
【請求項5】
前記磁場検出器接触部分(21)は、前記一対の磁場検出器(4a、4b)の前記接点(24)がはんだ付けまたは溶接接続される接続パッドを含、請求項1からのいずれか一項に記載の開ループ電流変換器。
【請求項6】
前記ハウジング(2)は、ポリマーから形成されている、請求項1からのいずれか一項に記載の開ループ電流変換器。
【請求項7】
前記コア装着部品(16a、16b)は、前記ハウジング(2)から外向きに突出している中間部分(30)を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の開ループ電流変換器。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本発明は、回路基板上に装着される開ループ電流変換器に関する。
【0002】
多くの従来の開ループ電流変換器は、エアギャップを有する磁気コアを含み、このエアギャップ内には、磁気コアによって測定されるべき電流を搬送する一次導体によって誘導される磁場を測定するための磁場検出器が位置付けられている。このような開ループ型の電流変換器は、その耐久性、大きな電流測定範囲、および、特に電流変換器回路を駆動するために必要な電子機器のコストが低いことを含め、コストが低いという点から、電流感知用途に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、特に過酷な環境での使用、例えば、機械的振動、機械的衝撃および大きな熱的変動を受ける自動車または他の移動式の用途での使用のために、電流変換器の耐久性および信頼性をさらに高める必要性が継続して存在する。多くの場合、大きな動作範囲にわたって電流を測定する必要がある。測定結果に対する外部磁場の影響も低減すべきである。また、電流測定の信頼性は、過酷な動作条件にもかかわらず、多くの用途で高くなければならない。
【0004】
大きな動作範囲のための多くの従来の開ループ変換器では、磁場検出器、典型的にはホール効果検出器が装着されたエアギャップを含む単一の磁気コアを提供することが典型的である。しかしながら、これは、磁場ギャップから離れた磁気コアのセクションにおいて磁気コアの飽和をもたらし得る。この問題は、2つのエアギャップを備える磁気コアを提供することによって低減することができ、これにより、冗長であるが測定の信頼性を高める追加の測定信号をさらに提供する。しかしながら、そのような構成は、単一の磁気回路ギャップを有する構成よりも高価であり、さらに、従来のシステムでは、一緒に組み立てる必要のある構成要素の数の増加、正確かつ一定の磁場ギャップを確保することの難しさ、ならびに、堅牢性および耐久性の低下により、追加の欠点をもたらす。
[先行技術文献]
[特許文献]特表2009-505056号公報
【0005】
上記に鑑みて、本発明の目的は、製造および設置するのに経済的でもある、堅牢で耐久性および信頼性のある電流変換器を提供することである。
【0006】
大きな動作範囲を有し、特に自動車または他の移動式の用途におけるような機械的振動、衝撃および大きな熱的変動を受ける過酷な動作環境で使用するための開ループ電流変換器を提供することが有利である。
【0007】
本発明の目的は、請求項1に記載の電流変換器を提供することによって達成されている。
【0008】
ハウジングと、間に一対の磁場ギャップを形成する一対のコア部品を含む磁気コアであって、ハウジング内に装着されている、磁気コアと、一対の磁場検出器であって、1つの磁場検出器が各磁場ギャップ内に装着されている、一対の磁場検出器と、コア装着部品および磁場検出器接点を含むリードフレームと、装着プレートと、を含む開ループ電流変換器が、本明細書に開示される。装着プレートは磁気コアの上部側面に装着され、リードフレームは磁気コアの下部装着側面に装着される。装着プレートは、一対のコア部品に固定され、磁気コア部品の位置を定める。磁場検出器接点は、外部回路基板に接続するための回路基板接触部分と、磁場検出器の接点に接続するための磁場検出器接触部分と、を含む。磁場検出器接触部分は、ハウジングの対向する横方向側面上の磁場検出器装着キャビティ内に位置付けられる。
【0009】
有利な実施形態では、ハウジングの磁場検出器装着キャビティは、磁場ギャップ内に磁場検出器を挿入するためのエアギャップ部分と、磁場検出器接触部分に接続されるように磁場検出器の接点を内部に位置付けるための接続凹部分と、を含む。
【0010】
有利な実施形態では、リードフレームのコア装着部品は、装着面から直立し、装着側面から上部側面まで磁気コア部品のオリフィスを通って、かつ装着プレートのオリフィスを通って延びる、装着プレート、磁気コア部品、およびリードフレームのコア装着部品を互いにクランプするように構成された、クランプポストを含む。
【0011】
有利な実施形態では、装着プレートは、内部を通して一次導体を受容するように構成された中央通路を完全に包囲する閉回路を形成し、装着プレートは、磁場ギャップの上方に外向きに延びるハンプを含むギャップ架橋部分を含む。
【0012】
有利な実施形態では、装着プレートは、板金から打ち抜かれて形成される。
【0013】
有利な実施形態では、磁気コア部品は、同一であり、内部を通して一次導体を受容するように構成された中央通路の周りに鏡像対称に配置される。
【0014】
有利な実施形態では、磁場検出器接触部分は、磁場検出器の接点がはんだ付けまたは溶接接続される接続パッドを含み、接続パッドは、ハウジング内への磁場検出器の組立および接続のために露出したままになるようにして、ハウジングの接続凹部分内に位置付けられる。
【0015】
有利な実施形態では、ハウジングは、リードフレームの回路基板接触部分および磁場検出器接触部分を除いて、磁気コア、リードフレームおよび装着プレート上に成形されたポリマーから形成される。
【0016】
有利な実施形態では、コア装着部品の回路基板接触部分は、接続位置がハウジングの外周を取り囲む状態で外部回路基板に接続するために実質的に装着平面の方向にハウジングから外向きに突出している。
【0017】
本発明のさらなる目的および有利な特徴は、特許請求の範囲、詳細な説明および添付図面から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による電流変換器の斜視図である。
図2図1の電流変換器の実施形態の分解斜視図である。
【0019】
図面を参照すると、本発明の一実施形態による電流変換器1は、ハウジング2と、ハウジング2内に装着された、軟磁性材料で作られた磁気コア3と、測定されるべき電流を搬送する一次導体(不図示)によって生成される磁場を測定するための磁場検出器4a、4bと、を含み、一次導体は、電流変換器の中央通路14を通して挿入されることが意図される。
【0020】
磁気コア3は、2つのコア部品3a、3bで形成される。有利な実施形態では、コア部品は、鏡像対称に配置され、間に一対の磁場ギャップ13a、13bを形成する、同一のコア部品であることが好ましい。対応する一対の磁場検出器4a、4bがあり、1つの磁場検出器が各磁場ギャップ13a、13b内に位置付けられている。
【0021】
各磁場検出器は、特に、電力を供給しかつ磁場検出器から測定信号を受信する外部回路に接続されるように延在する接点24を含む、オーバーモールドされたプラスチックハウジング内の特定用途向け集積回路(ASIC)の形態であってよい。このような磁場検出器は、それ自体周知である。磁場検出器は、特にホール効果検出器とすることができるが、本発明の範囲内では、他の磁場検出器を使用することもできる。
【0022】
磁気コア部品3a、3bは、フェライト材料で、または、軟鉄板の積層体で作られてよく、そのような材料はそれ自体が磁気コアで周知である。中央通路14は、図示の実施形態では、円形または実質的に円形の通路であるが、中央通路は、正方形、長方形、多角形または楕円形などの他の形状を有してもよい。
【0023】
電流変換器は、磁気コア3の上部側面に装着された装着プレート6と、磁気コア3の下部側面または装着側面に装着されたリードフレーム5と、をさらに含む。リードフレーム5は、ストリップで提供された金属の板から形成され、打ち抜きおよび形成作業に供される。電流変換器の構成要素に接続され、典型的には電流変換器のハウジング部分によってオーバーモールドされる接触部品を製造するためのリードフレームのこのような打ち抜きおよび形成作業は、それ自体周知である。リードフレーム構成要素の利点は、リードフレームの様々な要素を互いに対して正確に位置付けることと相まって、特に大量生産において、コストが低いことである。本明細書で使用される「リードフレーム」という用語は、その完成状態において打ち抜かれ形成された構成要素をカバーすることを意図している。
【0024】
リードフレーム5は、コア装着部品16a、16bと、磁場検出器接点19と、を含み、磁場検出器接点およびコア装着部品は、共通の板金ストリップから打ち抜かれて形成されているが、磁場検出器接点はコア装着部品16a、16bから分離されている。
【0025】
磁場検出器接点19は、外部回路基板(不図示)上の導電回路トレースに接続するための回路基板接触部分20と、磁場検出器4a、4bの接点24に接続するための磁場検出器接触部分21と、を含む。
【0026】
コア装着部品16a、16bは、外部回路基板(不図示)と接続するための回路基板接触部分17と、装着側面から直立しているクランプポスト18と、を含む。クランプポストは、磁気コアの角に近接して配置された磁気コアのオリフィス29を通って延びる。クランプポスト18は、磁気コアの装着側面26から上部側面27まで、変換器の装着面7から実質的に直交して延びており、さらに、装着プレート6のクランプポストオリフィス22を通って延びている。クランプポスト18は、クリンプ動作によって、または代わりに、装着プレート6への溶接もしくははんだ付けによって、固定されて、リードフレームコア装着部品16a、16bを磁気コア部品3a、3bに、また装着プレート6に、固定する。
【0027】
装着プレート6は、クランプポスト18を介して磁気コア部品3a、3bを装着プレート6に固定することによって、磁気コア部品3a、3bの位置が堅牢な機械的配置で装着プレート6によって定められるように、中央通路14の周りに材料が連続的に形成された、閉鎖形状を有する。
【0028】
装着プレート6は、有利には、打ち抜かれ形成された板金部品で形成されてもよい。
【0029】
装着プレートは、磁場ギャップ13a、13bの周りにハンプを形成するギャップ架橋部分23をさらに含むことができる。ハンプ23は、いくらかの追加の機械的剛性を提供すると共に、磁場ギャップ13a、13b内に磁場検出器4a、4bを挿入するためのより大きなスペースを提供し、それによって、磁場検出器は、磁場ギャップの高さよりもわずかに大きい高さを有することができる。
【0030】
各磁気コア部品3a、3bを通って延びる少なくとも2つのクランプポスト18があるが、本発明の範囲内では、磁気コア、装着プレート6、およびリードフレームコア装着部品16a、16bを一緒に確実に固着させるために、3つ以上のクランプポストおよび対応するオリフィスを設けることが可能である。
【0031】
リードフレームコア装着部品16a、16bは、回路基板上の対応する金属回路トレースにはんだ付けまたは溶接され得る回路基板接触部分17を介して、電流変換器を外部回路基板に固定する役割も果たす。
【0032】
図示の実施形態では、回路基板接触部分17は、回路基板内の対応するオリフィスに挿入されることを意図したピン接点の形態であるが、この接触部分は、回路基板上の金属パッドへの表面装着接続のための脚部を有するように曲げられてもよく、このような接続技術はそれ自体周知である。
【0033】
回路基板接触部分17は、磁気コアの実質的な長さに沿ってその一辺の上または図示の実施形態に示すように複数の辺17a、17b、17cの上に配置され得る。回路基板接触部分は、外部回路基板への電流変換器の特に堅牢な接続を提供するために、磁気コア部品の三辺17a、17b、17cの上に形成され得る。
【0034】
コア装着部品28の中間部分30は、磁気コア部品3a、3bから外側に、装着平面と実質的に平行に延びており、よって、中央通路14の周りで回路基板接触部分17間の距離を大きくすることで外部回路基板への接続の安定性を高める。回路基板接触部分17は、磁気コア部品3a、3bを電気的接地接続に接続するためにさらに使用され得る。
【0035】
磁場検出器接点19は回路基板接触部分20を有し、これは、外部回路基板内の対応する金属オリフィスを通して挿入するための、または、磁場検出器に電力を供給し、磁場検出器から測定信号を受信する電気回路に接続するために回路基板上の回路パッドに表面装着接続するための、ピン接触部分とすることができる。図示の実施形態では、リードフレーム5の同じ板金から形成され、リードフレーム製造プロセス中に互いに切り離されて独立した電気接点を形成する4つの接点がある。
【0036】
ハウジング2は、有利には、リードフレーム5(接触部分17、20を除く)、磁気コア3および装着プレート6の一部の上に、例えば射出成形プロセスで成形され得る。
【0037】
ハウジング2は、装着側面7を含み、これは、対応するオリフィスを備えた外部回路基板にハウジングを固定するための装着ポスト25をさらに備えることができ、それによって、装着ポストは、変換器を案内して回路基板に対して位置付けるように、リードフレームの接触部分17、20よりもわずかに長くすることができる。接点が表面装着接点の形態である場合、装着ポストは、接点を回路基板上の対応する回路トレースと整列させるために、回路基板に対して変換器を位置付け、かつ方向付ける役割を果たす。
【0038】
装着側面7と上部側面8との間に延在する、ハウジング2の対向する横方向側面9上には、磁気コア3における磁場ギャップ13a、13bの位置に、磁場検出器装着キャビティ10が形成されている。磁場検出器装着キャビティ10はそれぞれ、コア部品3a、3b間に形成された磁場ギャップ13a、13bへの磁場検出器4の挿入を可能にするエアギャップ部分11を含む。エアギャップ部分11は、横方向側面9の最外面からハウジング内に凹んだ接続凹部分12から延びている。
【0039】
磁場検出器接点19の磁場検出器接触部分21は、磁場検出器4a、4bの接点24と接続するために接続凹部分12内に露出して配置されている。特に、図示の実施形態における磁場検出器接点19の磁場検出器接触部分21は、接触パッドの形態であり、これは、接点24の屈曲部分24bを接触パッドに溶接またははんだ付けすることを可能にする。
【0040】
このようにして、ハウジングは、磁気コア、リードフレーム、および装着プレートの上にオーバーモールドされ得、次いで、磁場検出器は、その後、対向する横方向側面9からハウジング2の磁場検出器装着キャビティ10内に挿入され得、それによって、電気接続が、磁場検出器の接点を接触部分21に溶接またははんだ付けすることによって確立され得る。これは、特に経済的な製造を可能にし、かつ、性能および信頼性を高めるために2つの磁場検出器を有しつつ、堅牢で耐久性のある構成を可能にする。
【0041】
変形例では、磁場検出器接点19の磁場検出器接触部分21は、垂直に配置された実質的に平坦な表面として示されているが、それらは、磁場検出器の接点にクリンプまたはクランプするための非平面形状を含むこともできる。変形例では、このようなクリンプまたはクランプ接点は、耐久性を高めるために必要であれば、さらに溶接またははんだ付けされ得る。
【0042】
〔使用される参照符号のリスト〕
電流変換器1
ハウジング2
装着側面7
装着ポスト25
上部側面8
横方向側面9
磁場検出器装着キャビティ10
エアギャップ部分11
接続凹部分12
磁気コア3
コア部品3a、3b
磁場ギャップ13a、13b
中央通路14
装着側面26
上部側面27
クランプポストオリフィス29
磁場検出器4a、4b
ASIC
屈曲接点24
リードフレーム5
コア装着部品16a、16b
回路基板接触部分17
中間部分30
クランプポスト18
磁場検出器接点19
回路基板接触部分20
磁場検出器接触部分21
はんだ付け/溶接接続パッド
装着プレート6
クランプポストオリフィス22
ギャップ架橋部分23

装着平面M
横方向面平面P
【0043】
〔実施の態様〕
(1) 開ループ電流変換器(1)であって、
ハウジングと、
間に一対の磁場ギャップ(13a、13b)を形成する一対のコア部品(3a、3b)を含む磁気コア(3)であって、前記ハウジング(2)内に装着されている、磁気コアと、
一対の磁場検出器(4a、4b)であって、1つの磁場検出器が各磁場ギャップ内に装着されている、一対の磁場検出器と、
コア装着部品(16a、16b)および磁場検出器接点(19)を含むリードフレーム(5)と、
装着プレート(6)と、
を含み、
前記装着プレート(6)は、前記磁気コア(3)の上部側面に装着され、前記リードフレーム(5)は、前記磁気コア(3)の下部装着側面に装着され、
前記装着プレート(6)は、前記一対のコア部品(3a、3b)に固定され、前記磁気コア部品の位置を定め、
前記磁場検出器接点(19)は、外部回路基板に接続するための回路基板接触部分(20)と、前記磁場検出器(4a、4b)の接点(24)に接続するための磁場検出器接触部分(21)と、を含み、
前記磁場検出器接触部分(21)は、前記ハウジング(2)の対向する横方向側面(9)上の磁場検出器装着キャビティ(10)内に位置付けられている、開ループ電流変換器。
(2) 前記ハウジング(2)の前記磁場検出器装着キャビティ(10)は、前記磁場ギャップ内に前記磁場検出器を挿入するためのエアギャップ部分(11)と、前記磁場検出器接触部分(21)に接続されるように前記磁場検出器の前記接点(24)を内部に位置付けるための接続凹部分(12)と、を含む、実施態様1に記載の電流変換器。
(3) 前記リードフレームの前記コア装着部品は、装着面から直立し、装着側面から上部側面まで前記磁気コア部品のオリフィスを通って、かつ前記装着プレート(6)のオリフィスを通って延びる、前記装着プレート、前記磁気コア部品、および前記リードフレーム(5)の前記コア装着部品を互いにクランプするように構成された、クランプポスト(18)を含む、実施態様1または2に記載の電流変換器。
(4) 前記装着プレート(6)は、内部を通して一次導体を受容するように構成された中央通路(14)を完全に包囲する閉回路を形成し、前記装着プレートは、前記磁場ギャップの上方に外向きに延びるハンプを含むギャップ架橋部分(23)を含む、実施態様1から3のいずれかに記載の電流変換器。
(5) 前記装着プレート(6)は、板金から打ち抜かれて形成されている、実施態様1から4のいずれかに記載の電流変換器。
【0044】
(6) 前記磁気コア部品(3a、3b)は、同一であり、内部を通して一次導体を受容するように構成された中央通路(14)の周りに鏡像対称に配置されている、実施態様1から5のいずれかに記載の電流変換器。
(7) 前記磁場検出器接触部分(21)は、前記磁場検出器の前記接点(24)がはんだ付けまたは溶接接続される接続パッドを含み、前記接続パッドは、前記ハウジング内への前記磁場検出器の組立および接続のために露出したままになるようにして、前記ハウジングの前記接続凹部分(12)内に位置付けられている、実施態様1から6のいずれかに記載の電流変換器。
(8) 前記ハウジングは、前記リードフレーム(5)の回路基板接触部分(17)および磁場検出器接触部分(21)を除いて、前記磁気コア、前記リードフレームおよび前記装着プレート上に成形されたポリマーから形成されている、実施態様1から7のいずれかに記載の電流変換器。
(9) 前記コア装着部品の前記回路基板接触部分(17)は、接続位置が前記ハウジングの外周を取り囲む状態で外部回路基板に接続するために実質的に装着平面(M)の方向に前記ハウジングから外向きに突出している、実施態様8に記載の電流変換器。
図1
図2