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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】ポリアミド複合材料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 7/00 20060101AFI20240227BHJP
   C08K 3/02 20060101ALI20240227BHJP
   C08K 5/3492 20060101ALI20240227BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20240227BHJP
   C08K 9/10 20060101ALI20240227BHJP
   C08L 77/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C08J7/00 305
C08J7/00 CFG
C08K3/02
C08K5/3492
C08K7/14
C08K9/10
C08L77/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022534477
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2020124016
(87)【国際公開番号】W WO2021114912
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】201911273761.3
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520070792
【氏名又は名称】金発科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】KINGFA SCI. & TECH. CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.33 Kefeng Road, Science City, Hi-Tech Industrial Development Zone, Guangzhou, Guangdong 510663, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】戴 剣
(72)【発明者】
【氏名】葉 南▲ビャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 険波
(72)【発明者】
【氏名】丁 超
(72)【発明者】
【氏名】鄭 一泉
(72)【発明者】
【氏名】金 雪峰
(72)【発明者】
【氏名】王 豊
(72)【発明者】
【氏名】胡 澤宇
【審査官】川井 美佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-285528(JP,A)
【文献】特開2014-196501(JP,A)
【文献】特開2007-277473(JP,A)
【文献】特開2011-195814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/00-3/28
C08J 5/00-5/24
C08J 7/00-7/02
C08J 7/12-7/18
C08K 3/00-13/8
C08L 1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分として、
ポリアミド樹脂20~80部と、
赤リン難燃剤1~30部と、
トリメタリルイソシアヌレート0.01~10部と
を含み、
ポリアミド分子間に架橋構造を有する、ことを特徴とするポリアミド複合材料。
【請求項2】
前記ポリアミド樹脂は、ジアミン単位とジカルボン酸単位を重縮合させて得るポリアミド樹脂、ラクタム単位の開環重合により得られるポリアミド樹脂、アミノカルボン酸単位の自己縮合により得られるポリアミド樹脂、又はこれらのポリアミド樹脂を構成する少なくとも2種の上記の単位の共重合により得られるポリアミド共重合樹脂から選ばれる、ことを特徴とする請求項1に記載のポリアミド複合材料。
【請求項3】
前記赤リン難燃剤は赤リン粉又は赤リン難燃マスターバッチから選ばれる、ことを特徴とする請求項1に記載のポリアミド複合材料。
【請求項4】
前記赤リン難燃マスターバッチにおいて、赤リンは全量の10%~15%を占め、赤リン難燃マスターバッチは被覆材料で被覆され、被覆材料は無機水酸化物、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、およびメラミンホルムアルデヒド樹脂から選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項3に記載のポリアミド複合材料。
【請求項5】
ガラス繊維0~50重量部をさらに含み、
前記ガラス繊維はEガラス繊維、Hガラス繊維、R,Sガラス繊維、Dガラス繊維、Cガラス繊維、および石英ガラス繊維から選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のポリアミド複合材料。
【請求項6】
前記ガラス繊維はEガラス繊維から選ばれる、ことを特徴とする請求項5に記載のポリアミド複合材料。
【請求項7】
前記ガラス繊維の直径は7~18μm、好ましくは、前記ガラス繊維の直径は9~15μmである、ことを特徴とする請求項5又は6に記載のポリアミド複合材料。
【請求項8】
助剤0~10重量部をさらに含み、
前記助剤は着色剤、強化剤、および酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のポリアミド複合材料。
【請求項9】
ポリアミド樹脂、赤リン難燃剤、トリメタリルイソシアヌレート、助剤を所定の割合で秤量し、高速ミキサーにて予備混合してプレミックスを得た後、スクリューのアスペクト比40~48:1、バレル温度240~300℃、スクリュー回転数200~550rpmの二軸押出機にプレミックスを投入して溶融混合し、押出して造粒し、部品を得るステップと、
押出して造粒したポリアミド複合材料を温度270~300℃、圧力55~100MPaで射出成形するステップと、
電子線を放射線源として、放射線量15~25Mradで部品を照射架橋処理し、ポリアミド複合材料を得るステップと
を含む、ことを特徴とする請求項8に記載のポリアミド複合材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高分子材料の技術分野に関し、特にポリアミド複合材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミドは総合性能に優れた高分子材料であり、その分子鎖間に強い水素結合相互作用があるため、優れた力学的強度を示し、特にガラス繊維強化ポリアミド材料は、その優れた力学的性能により、自動車、電動工具、軌道交通などの分野に広く応用されている。
【0003】
照射架橋は各種の放射線を利用してポリマー高分子の長鎖間の架橋反応を開始する技術手段であり、ポリマーの種類と性能の需要に応じて、照射源は電子線、γ線、中性子線、粒子線などを選択することができる。ポリアミド材料では、分子鎖間に強い水素結合が存在するため、簡単な照射処理ではポリアミドの架橋を開始することが困難であるため、架橋助剤の導入により系の架橋反応を促進し、照射架橋材料を得る必要がある。
【0004】
一般的なポリアミドに使用可能な照射架橋剤には、トリアリルシアネート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメタリルイソシアヌレート(TMAIC)がある。
【0005】
特許02-196856A2は、トリアリルシアネート(TAC)又はトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を架橋剤として用い、イオンビームを用いて材料を照射処理し、最終的に照射架橋ポリアミド材料を得る臭素系難燃性照射架橋ポリアミド複合材料を開示している。しかし、この複合材料が臭素系難燃性ポリアミドであることや、架橋剤としてのTACやTAICの耐リーク性能が不十分であることから、比較トラッキング指数などの性能が劣っている。
【0006】
全体的に言えば、照射架橋ポリアミド材料は電子・電気などの分野に徐々に応用されているが、このような材料の発展と応用はまだ初期段階にあり、材料の種類が少なく、既存の難燃性照射架橋ポリアミド材料はまだ一定の欠陥が存在し、応用側では一定のリスクが存在する。それ以外に、照射架橋ポリアミド材料に広く応用されている共架橋剤TAICは熱安定性が不足であり、高い加工温度で分解しやすく、その結果、照射過程での架橋反応が十分ではなく、最終的に材料の総合性能の向上が限られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許02-196856A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、TMAICを添加して照射架橋処理するとともに、赤リン難燃剤を添加することにより、難燃の要件を満たすだけでなく、グローワイヤ着火温度(GWIT)、比較トラッキング指数(CTI)が向上するポリアミド複合材料を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、ポリアミド複合材料の製造方法を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は以下の技術的解決手段によって達成される。
【0011】
ポリアミド複合材料であって、成分として、
ポリアミド樹脂20~80部と、
赤リン難燃剤1~30部と、
トリメタリルイソシアヌレート0.01~10部と、を含み
ポリアミド分子間に架橋構造を有する。
【0012】
架橋構造の特徴:
線量の異なるポリアミド複合材料照射サンプル0.3gを正確に秤量し、ソックスレー抽出器に入れる。m-クレゾールで48時間抽出し、メタノールで24時間抽出した後、ポリアミド残留物があり、この場合、ポリアミド複合材料中のポリアミド分子間に架橋構造を有する。
【0013】
照射架橋処理を行った後、ポリアミドセグメントにおけるアミノ付近のα-炭素が破断し、他の分子鎖と新しい化学結合を形成し、これにより架橋網目構造が形成される。架橋構造が形成された後、m-クレゾール、メタノールに溶解できなくなり、膨潤する。これに対して、架橋されていないポリアミド樹脂はほぼ完全に溶解する。
【0014】
前記ポリアミド樹脂は、ジアミン単位とジカルボン酸単位を重縮合させて得るポリアミド樹脂、ラクタム単位の開環重合によって得られるポリアミド樹脂、アミノカルボン酸単位の自己縮合によって得られるポリアミド樹脂、又はこれらのポリアミド樹脂を構成する少なくとも2種の上記単位の共重合によって得られるポリアミド共重合樹脂から選ばれる。
【0015】
前記赤リン難燃剤は赤リン粉又は赤リン難燃マスターバッチから選ばれる。
【0016】
前記赤リン難燃マスターバッチにおいて、赤リンは全量の10%~15%を占め、赤リン難燃マスターバッチは被覆材料で被覆され、被覆材料は無機水酸化物、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、およびメラミンホルムアルデヒド樹脂から選ばれる少なくとも1種である。
【0017】
ガラス繊維0~50部をさらに含み、前記ガラス繊維はEガラス繊維、Hガラス繊維、R,Sガラス繊維、Dガラス繊維、Cガラス繊維、および石英ガラス繊維から選ばれる少なくとも1種である。
【0018】
好ましくは、前記ガラス繊維はEガラス繊維から選ばれる。
【0019】
前記ガラス繊維の直径は7~18μmであり、好ましくは、前記ガラス繊維の直径は9~15μmである。
【0020】
ポリアミド複合材料は助剤0~10重量部をさらに含み、前記助剤は着色剤、強化剤、および酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種である。
【0021】
着色剤としては、制限されるわけではないが、アニリンブラック等の染料、酸化チタン及びカーボンブラックなどの顔料;アルミニウム、着色アルミニウム、ニッケル、スズ、銅、金、銀、プラチナ、酸化鉄、ステンレス鋼及びチタンなどの金属粒子;雲母製真珠光沢顔料、着色グラファイト、着色ガラス繊維及び着色ガラスフレーク等の金属顔料等が挙げられる。具体的には、PEベースカーボンブラックマスターバッチである。
【0022】
酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤から選ばれ、制限されるわけではないが、例えば、3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)n-オクタデシルプロピオネート、3-(3’-メチル-5-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)n-オクタデシルプロピオネート、3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)n-テトラデシルプロピオネート、1,6-ヘキサンジオールビス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、テトラキス(メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、3,9-ビス(2-(3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられる。
【0023】
強化剤は、具体的には、エチレン、アクリル酸エステル及びグリシジルメタクリレートの三量体、エチレンとアクリル酸ブチルの共重合体、エチレンとアクリル酸メチルの共重合体、エチレン、アクリル酸n-ブチル及びメタクリル酸グリシジルの共重合体、エチレンと無水マレイン酸の共重合体、無水マレイン酸でグラフトされたエチレン/プロピレン/ジオレフィン共重合体、無水マレイン酸でグラフトされたスチレン/マレイミド共重合体、無水マレイン酸で変性されたスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体、無水マレイン酸でグラフトされたスチレン/アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸でグラフトされたアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体及びそれらの水素添加物であってもよい。
【0024】
上記のポリアミド複合材料の製造方法は次のステップ:ポリアミド樹脂、赤リン難燃剤、トリメタリルイソシアヌレート、助剤を所定の割合で秤量し、高速ミキサーにて予備混合してプレミックスを得た後、スクリューのアスペクト比40~48:1、バレル温度240~300℃、スクリュー回転数200~550rpmの二軸押出機にプレミックスを投入して溶融混合し(例えばガラス繊維がある場合、サイドフィードする)、押出して造粒し、部品を得るステップと、押出して造粒したポリアミド複合材料を温度270~300℃、圧力55~100MPaで射出成形するステップと、電子線を放射線源として、放射線量15~25Mradで部品を照射架橋処理し、ポリアミド複合材料を得るステップを含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明は下記有益な効果を有する
本発明では、トリメタリルイソシアヌレート(TMAIC)を照射架橋助剤とするとともに、赤リン難燃剤を使用することによって、製造されたポリアミド複合材料に優れた難燃効果を持たせるとともに、良好な電気的性能(グローワイヤ着火温度(GWIT)、比較トラッキング指数(CTI)はともに向上する)を付与する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、具体的な実施例及び比較実施例によって本発明をさらに説明するが、以下の具体的な実施例は全て本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明の実施形態は下記実施例により限定されず、特に下記具体的な実施例に使用される各成分原料の型番に限定されるものではない。
【0027】
本発明に使用される原料の由来は以下のとおりである。
ポリアミドA:ポリアミド66、グレードPA66 EP-158;
ポリアミドB:ポリアミド6、グレードPA6 HY2800A;
赤リン難燃剤A:赤リン粉、MM-F1、蘇州美茂新材料有限公司製;
赤リン難燃剤B:赤リン難燃マスターバッチ、赤リン含有量13%、被覆樹脂フェノール樹脂;
赤リン難燃剤C:赤リン難燃マスターバッチ、赤リン含有量9%、被覆樹脂フェノール樹脂;
トリメタリルイソシアヌレート(TMAIC):グレードFARIDA H-2、方鋭達化学品有限公司製;
他の難燃剤A:ジエチルホスフィン酸アルミニウム塩、リン含有量23~24%、Clariant社製;
他の難燃剤B:メラミンシアヌレート、寿光衛東化工有限公司製;
他の難燃剤C:縮合リン酸アルミニウム、石家荘シン盛化工有限公司製;
酸化防止剤:ヒンダードフェノール類、グレード IRGANOX 1098、BASF;
着色剤:グレードUN2005、PEベースカーボンブラックマスターバッチ、カボット社製;
強化剤:グレードElvaloy AC resin 1125、EMA型強化剤、DuPont;
チョップドガラス繊維A:ECS11-4.5-560A、Eガラス繊維、中国巨石社製、直径11μm;
チョップドガラス繊維B:S-1 TM435HM-10~3.0、Sガラス繊維、中国泰山ガラス繊維有限公司製、直径10μm;
TAC:エボニック・デグサ社製;
TAIC:エボニック・デグサ社製;
【0028】
実施例及び比較例2~6のポリアミド複合材料の製造方法
ポリアミド樹脂、赤リン難燃剤、トリメタリルイソシアヌレート、助剤を所定の割合で秤量し、高速ミキサーにて予備混合してプレミックスを得た後、スクリューアスペクト比40:1(スクリュー5~6セグションでガラス繊維をサイドフィード)、バレル温度240~300℃、スクリュー回転数300rpmの二軸押出機にプレミックスを投入して溶融混合し、押出して造粒し、部品を得て、押出して造粒した難燃ポリアミド複合材料を温度280℃、圧力70MPaで射出成形するステップと、電子線を放射線源として放射線量20Mradで部品を照射架橋処理し、ポリアミド複合材料を得た。
【0029】
比較例1のポリアミド複合材料の製造方法
製造方法において、照射架橋処理を行っていない以外、残りは実施例の製造方法と同様であった。
【0030】
各性能のテスト方法
(1)難燃性能:UL 94の関連基準に準じて長尺状サンプルについて難燃性能テストを行い、サンプルの厚さを0.8mmとした。
(2)CTI:材料表面が漏電痕を形成することなく50滴の電解液(0.1%塩化アンモニウム水溶液)に耐えられる最高電圧値であり、単位はVである。IEC-60112基準における関連規定に従ってCTI性能テストを行い、サンプルの厚さを3mm以上とした。
(3)GWIT:加熱素子が試験片と接触したときに材料が発火し、且つ燃焼時間が5sを超える最低温度であり、単位は℃である。IEC-60335における関連規定に従ってGWITテストを行い、サンプルの厚さを1.5mmとした。
【0031】
表1:実施例及び比較例1のポリアミド複合材料の成分の配合比及び各性能のテスト結果
【0032】
表2:比較例2-ポリアミド複合材料の成分の配合比及び各性能のテスト結果
【0033】
CTI性能は、漏電防止性能にとって重要であり、25Vだけを向上させることも、非常に困難であり、且つ非常に意義がある。
【0034】
実施例3、4から分かるように、好ましくは赤リン難燃マスターバッチの赤リン含有量は好ましい範囲内であり、この場合、GWIT性能はより良好であった。
【0035】
実施例2、5から分かるように、ガラス繊維が好ましく、この場合、漏電防止性能、GWITはより良好であった。
【0036】
比較例1から分かるように、照射架橋を行わないと、難燃性能以外、CTI及びGWIT性能の両方は劣っている。
【0037】
比較例2~4から分かるように、漏電防止性能を向上させるために、TMAICに赤リン難燃剤を配合しなければならない。
【0038】
比較例5~6から分かるように、従来のTAC、TAICでは、CT、GWIT性能は劣っている。