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特許7443525電子エアロゾル供給システム用デバイスの電力レベルの指示
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】電子エアロゾル供給システム用デバイスの電力レベルの指示
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/60 20200101AFI20240227BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20240227BHJP
【FI】
A24F40/60
A24F40/53
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022535072
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 GB2020053168
(87)【国際公開番号】W WO2021116687
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】1918091.8
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン、デヴィッド アラン
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-517270(JP,A)
【文献】登録実用新案第3215509(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0272223(US,A1)
【文献】国際公開第2019/069176(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第1761412(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子エアロゾル供給システム用のデバイスであって、
前記システム内のエアロゾル発生部品に電力を供給するバッテリーと、
前記バッテリーから利用可能な電力のレベルを示す光信号を信号期間中に発するように構成された表示灯と、
前記システムのパフ期間が完了したことを検出した後、前記表示灯を作動させて前記光信号を発するように構成されたコントローラとを含み、
このコントローラは、前記パフ期間が完了したと検出されたときに開始する休止期間の終了時に、前記表示灯を作動させて前記光信号を発するように構成されているデバイス。
【請求項2】
ユーザー作動可能な制御部が作動されたとき、前記パフ期間が前記作動の持続期間に対応し、前記作動が休止したときに前記パフ期間が完了したことが検出されるように、前記バッテリーから前記エアロゾル発生部品に電力供給されるように構成された、前記ユーザー作動可能な制御部を更に含むことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
空気流が感知されたとき、前記パフ期間が感知された空気流の持続期間に対応し、空気流が休止したときに前記パフ期間が完了したと検出されるように、前記システムは、前記バッテリーから前記エアロゾル発生部品に電力を供給するように構成された空気流センサを含むことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
前記休止期間は0.3秒~0.7秒の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のデバイス。
【請求項5】
前記休止期間は実質的に0.5秒であることを特徴とする請求項4記載のデバイス。
【請求項6】
前記光信号は、1秒~5秒の範囲の信号期間で発することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のデバイス。
【請求項7】
前記光信号は、前記パフ期間の完了を検出してから1秒~5秒の範囲の時間で終了する信号期間に発することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のデバイス。
【請求項8】
前記信号期間は、前記表示灯の明度を光信号に対してゼロから最大明度まで増加させる上昇期間、次いで前記表示灯の明度を前記光信号に対して最大明度に維持する一定明度期間、および前記表示灯の明度を前記光信号に対して最大明度からゼロまで減少させる下降期間を含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載のデバイス。
【請求項9】
前記上昇期間、前記一定明度期間、および前記下降期間は実質的に同じ持続期間を有することを特徴とする請求項8記載のデバイス。
【請求項10】
前記上昇期間、前記一定明度期間、および前記下降期間はそれぞれ、0.3秒~1.5秒の範囲の持続期間を有することを特徴とする請求項8または請求項9記載のデバイス。
【請求項11】
前記上昇期間、前記一定明度期間、および前記下降期間はそれぞれ、実質的に0.5秒の持続期間を有することを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項12】
前記光信号は、2色以上のいずれかの色で発生され、各色は、前記バッテリーから利用可能な異なるレベルの電力を示すことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のデバイス。
【請求項13】
前記コントローラは、さらに、前記ユーザー作動可能な制御部の予め規定されたパターンの作動に応答して、前記光信号を発するように前記表示灯を作動させるように構成され、前記予め規定されたパターンは、前記バッテリーから前記エアロゾル発生部品への電力供給を引き起こす作動とは異なることを特徴とする請求項2記載のデバイス。
【請求項14】
前記表示灯は、該デバイスの表面の発光器に光を供給するように配置された発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載のデバイス。
【請求項15】
前記発光ダイオードは、赤色光を発生するように構成された素子、青色光を発生するように構成された素子、および緑色光を発生するように構成された素子を含むことを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記発光器は、該デバイスのユーザー作動可能な制御部内またはその周辺に配置されることを特徴とする請求項14記載のデバイス。
【請求項17】
請求項1乃至16いずれか1項記載のデバイスを含む電子エアロゾル供給システム。
【請求項18】
電子エアロゾル供給システムを動作させる方法であって、
該システム内のエアロゾル発生部品に電力を供給したバッテリーから利用可能な電力のレベルを決定する工程と、
該システムのパフ期間が完了したことを検出する工程と、
前記検出に応答して、前記電力のレベルを示す光信号を発するために表示灯を作動させる工程とを含み、
前記パフ期間が完了したと検出されたときに開始する休止期間の終了時に、前記表示灯を作動させて前記光信号を発する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力レベルを示す指示器を含む電子エアロゾル供給システム用デバイス、このようなデバイスを含むシステム、およびこれらのシステムおよびデバイスの電力レベルの表示を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基材を気化または加熱することでニコチンを送出する電子タバコおよび他の電子ニコチン送出システムなどの多くの電子エアロゾル供給システムは、デバイスおよび物品と呼ばれる2つの主要部品またはセクションから形成されている。このデバイスは、制御兼電力セクションまたは部品であり、バッテリーのような電源と、回路および/またはソフトウェアのようなシステムを操作するように構成された電子機器を含む、コントローラ、即ち制御ユニットとを含む場合がある。この物品は、カートリッジ、即ちカトマイザーセクションと見なすことができ、エアロゾル化可能な材料の貯蔵エリア、およびしばしばエアロゾル発生部品、例えば、エアロゾル化可能な材料からエアロゾル形成のための蒸気を発生させるように構成されたヒーターを含む。エアロゾル発生部品は、その代わりにデバイス内にある場合もある。この物品は、エアロゾル化可能な材料が消尽したときに使い捨てされることを意図している場合があり、デバイスが多くの物品の寿命にわたって動作することを意図している場合には、デバイスと共に使用するために新しい物品と交換することができる。あるいは、物品は、エアロゾル化可能な材料を含むより小さな使い捨て部品または消耗品を含んでもよく、これは消尽したら交換することができ、または物品は新しいエアロゾル化可能な材料で再充填可能な場合もある。物品およびデバイスは、互いに結合してシステムを形成する別々の要素であってもよいし、システムは物品およびデバイスのすべての部品を含む一体型構造を有していてもよい。
【0003】
これらの配置のいずれかにおいて、電源は、エアロゾル発生部品がシステムのユーザーによって必要とされるときに、一般的に制御ユニットの制御の下で、エアロゾル発生部品を起動するために電力を提供するように構成されている。電力源は、時間の経過とともに消耗する充電式または交換可能なバッテリーでもよい。バッテリーが消耗、、即ち「切れた」か、あるいは、どのくらいの電力が残っているかなど、バッテリーの状態の表示をユーザーに提供することは有用である。システムおよびデバイスによっては、バッテリーの電力状態の視覚的な表示をユーザーに提供するように動作可能な指示器を備えるものもある。指示器は、デバイスの外側に見える発光体を含んでもよく、また、ユーザーにシステムの他の動作特性を示すこともできる。
【0004】
電力レベル指示器を有効に活用するための配置が注目される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載されるいくつかの実施態様の第1の態様ではシステム内のエアロゾル発生部品に電力を供給するバッテリーと、バッテリーから利用可能な電力のレベルを示す光信号を信号期間中に発するように構成された表示灯と、システムのパフ期間が完了したことを検出した後に、表示灯を作動させて光信号を発するように構成されたコントローラとを含む電子エアロゾル供給システム用デバイスが提供される。
【0006】
本明細書に記載されるいくつかの実施態様の第2の態様ではシステム内のエアロゾル発生部品に電力を供給したバッテリーから利用可能な電力のレベルを決定することと、システムのパフ期間が完了したことを検出することと、検出に応答して電力のレベルを示す光信号を発するために表示灯を作動させることとを含む電子エアロゾル供給システムを動作させる方法が提供される。
【0007】
特定の実施態様のこれらおよびさらなる態様は、添付の独立請求項および従属請求項に記載されている。当然のことだが、従属請求項の構成は、請求項に明示的に規定されている以外の組み合わせで、互いに独立請求項の構成を組み合わせてもよい。さらに、本明細書に記載される手法は、以下に示されるような特定の実施態様に限定されるものではなく、本明細書に示される構成の任意の適切な組み合わせを含み、想定されるものである。例えば、電子エアロゾル供給システムまたはそのためのデバイスは、以下に説明する様々な構成のうちの任意の1つ以上を適宜含む本明細書に記載の手法に従って提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
次に、本発明の様々な実施態様を、以下の図面を参照しながら、例示目的のみで詳細に説明する。
【0009】
図1】本開示の実施態様を実装する電子エアロゾル供給システムの一例の簡略化した概略断面図である。
図2】本開示の実施態様を実装するために使用される表示灯の第1の例の簡略化した概略図である。
図3】本開示の実施態様を実装するために使用される表示灯の第2の例の簡略化した概略図である。
図4】本開示の実施態様を実装するために使用される表示灯の第3の例の簡略化した表現である。
図5】本開示の実施態様によるバッテリー電力レベル表示灯信号を配信するための第1の例示的な方法のフローチャートである。
図6】本開示の実施態様によるバッテリー電力レベル表示灯信号の発生を説明する第1の例示的な時間軸を示す。
図7】本開示の実施態様によるバッテリー電力レベル表示灯信号を配信するための第2の例示的な方法のフローチャートである。
図8】本開示の実施態様によるバッテリー電力レベル表示灯信号の発生を説明する第2の例示的な時間軸を示す。
図9】本開示の実施態様によるバッテリー電力レベル表示灯信号を配信するための第3の例示的方法のフローチャートである。
図10】本開示の実施態様に従って提供されるバッテリー電力レベル表示灯光信号に適した例示的な明度変化のグラフである。
図11】本開示の実施態様に従って提供されるバッテリー電力レベル表示灯光信号に適した例示的な明度変化のグラフである。
図12】本開示の実施態様に従って提供されるバッテリー電力レベル表示灯光信号に適した例示的な明度変化のグラフである。
図13】本開示の実施態様に従って提供されるバッテリー電力レベル表示灯光信号に適した例示的な明度変化のグラフである
【発明を実施するための形態】
【0010】
特定の例並びに実施態様の側面および構成は、本明細書で考察・説明される。特定の例および実施態様のいくつかの側面および構成は、従来通りに実施されてもよく、これらは、簡潔さを優先して詳細には考察・説明されない。したがって、本明細書で考察される装置および方法の側面および構成のうち、詳細に説明されていないものは、そのような側面および構成を実装するための任意の従来技術に従って実装され得ることはいうまでもない。
【0011】
上述のように、本開示は、e-シガレットなどの電子エアロゾルまたは蒸気供給システムに関する(ただし、これに限定されるものではない)。以下の説明を通じて、「e-シガレット」および「電子タバコ」という用語が使用されることがあるが、これらの用語は、エアロゾル(蒸気)提供システムまたはデバイスと互換的に使用され得ることはいうまでもない。システムは、ニコチンを含んでも含まなくてもよい液体またはゲルの形態の基質の気化によって吸入可能なエアロゾルを生成することを意図している。さらに、ハイブリッドシステムは、液体またはゲル基材と、同じく加熱される固体基材を含む場合がある。固体基材は、例えばタバコまたは他の非タバコ製品であってよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。本明細書で使用する「エアロゾル化可能な材料」という用語は、加熱または他の何らかの手段によりエアロゾルを形成することができる材料を指すことを意図している。用語「エアロゾル」は、「蒸気」と互換的に使用される場合がある。
【0012】
本明細書で使用する用語「システム」および「送出システム」は、ユーザーに物質を送出するシステムを包含することを意図し、エアロゾル化可能な材料を燃焼させずにエアロゾル化可能な材料から化合物を放出する不燃性エアロゾル供給システム、例えば電子タバコ、タバコ加熱製品、エアロゾル化可能な材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステム、およびエアロゾル化可能な材料を含みこれらの不燃性エアロゾル供給システムのうちの1つの中で使用されるように構成された物品を含む。本開示によれば、「不燃性」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(またはその部品)を構成するエアロゾル化可能な材料がユーザーへの送出を容易にするための燃焼を行わないものである。実施態様によっては、送出システムは、動力式非燃焼系エアロゾル供給システムのような非燃焼系エアロゾル供給システムである。実施態様によっては、非燃焼系エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスまたは電子ニコチン送出システム(END)としても知られている電子タバコである。ただし、エアロゾル化可能な材料がニコチンを含むことは必須ではない。実施態様によっては、非燃焼系エアロゾル供給システムは、加熱非燃焼システムとしても知られているタバコ加熱システムである。実施態様によっては、非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料を組み合わせたものを用いてエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、これらの材料の内の1種以上が加熱される可能性がある。エアロゾル化可能な材料の各々は、例えば、固体、液体、またはゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。実施態様によっては、ハイブリッドシステムは、液体またはゲルエアロゾル化可能な材料と固体エアロゾル化可能な材料を含む。固形エアロゾル化可能な材料は、例えば、タバコまたは非タバコ製品を含んでもよい。
【0013】
典型的には、非燃焼系エアロゾル供給システムは、不燃性エアロゾル供給デバイスと、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用される物品を含んでもよい。しかしながら、それ自体がエアロゾル発生部品に電力を供給するための手段を含む物品は、それ自体が非燃焼系エアロゾル供給システムを形成してもよいことが想定される。実施態様によっては、不燃性エアロゾル供給デバイスは、動力源およびコントローラを含んでいてもよい。動力源は、例えば、電気動力源であってもよい。実施態様によっては、不燃性エアロゾル提供デバイスと共に使用される物品は、エアロゾル化可能な材料、エアロゾル発生部品、エアロゾル発生領域、マウスピース、および/またはエアロゾル化可能な材料を受け取るための領域を含んでもよい。
【0014】
実施態様によっては、エアロゾル発生部品は、エアロゾル化可能な材料から1種以上の揮発性物質を放出させてエアロゾルを形成するようにエアロゾル化可能な材料と相互作用できるヒーターである。実施態様によっては、エアロゾル発生部品は、加熱せずにエアロゾル化可能な材料からエアロゾルを生成することが可能である。例えば、エアロゾル発生部品は、例えば、振動手段、機械的手段、加圧手段、または静電手段のうちの1つ以上の手段により、加熱を行わずにエアロゾル化可能な材料からエアロゾルを生成することができる。
【0015】
実施態様によっては、不燃性エアロゾル提供デバイスと共に使用される物品は、エアロゾル化可能な材料またはエアロゾル化可能な材料を受け取る領域を含んでいてもよい。実施態様によっては、不燃性エアロゾル提供デバイスと共に使用される物品は、マウスピースを含んでもよい。エアロゾル化可能な材料を受け取る領域は、エアロゾル化可能な材料を貯蔵する貯蔵領域であってもよい。例えば、貯蔵領域は、貯留器でもよい。実施態様によっては、エアロゾル化可能な材料を受け取る領域は、エアロゾル生成領域とは別体であっても、エアロゾル生成領域と組み合わされてもよい。
【0016】
本明細書で使用される場合、用語「部品」は、場合によっては外装ハウジングまたは壁内にいくつかのより小さなパーツまたは要素を組み込む電子タバコまたは同様のデバイスのパーツ、セクション、ユニット、モジュール、アセンブリまたは同様のものを指すために使用されてもよい。電子タバコなどのエアロゾル送出システムは、物品およびデバイスのような1つ以上のそのような部品から形成または構築されてもよく、この部品は互いに取り外しまたは分離可能に接続されてもよく、または製造中に永久的に結合してシステム全体を規定してもよい。本開示は、互いに分離可能に接続され、例えば、液体または別のエアロゾル化可能な材料を保持するエアロゾル化可能な材料担持部品の形態の物品(あるいはカートリッジ、カトマイザーまたは消耗品と呼ばれる)、およびエアロゾル化可能な材料から蒸気/エアロゾルを生成するエアロゾル発生部品を作動させる電力を供給するバッテリーまたは他の動力源を有するデバイスの形態の物品として構成された2つの部品を含むシステムに使用可能である(ただし、これらに限定されない)。1つの部品は、実施例に含まれるものよりも多いまたは少ないパーツを含むことができる。
【0017】
いくつかの例において、本開示は、システム内に構成される貯留器、タンク、容器または他の受器内に保持されるか、または担体基板に吸収される液体またはゲルの形態のエアロゾル化可能な材料を利用するエアロゾル提供システムおよびその部品に関する。また、エアロゾル発生用部品に材料を供給して蒸気/エアロゾルを発生させるために、貯留器から材料を供給する装置も含まれる。「液体」、「ゲル」、「流体」、「原液体」、「原ゲル」、「原流体」等の用語は、「エアロゾル化基材」および「基材」と互換的に使用されて、本開示の例に従って貯蔵および送出できる形態を有するエアロゾル化基材を意味することができる。
【0018】
図1は、典型的なシステムの様々な部分の間の関係を示し、かつ動作の一般原理を説明する目的で提示された、e-シガレット10のようなエアロゾル/蒸気供給システムの汎用例の非常に概略的な図(縮尺通りでない)である。なお、本開示は、このように構成されたシステムに限定されるものではなく、構成は、上述の様々な代替案および定義に従って、および/または当業者に明らかなように、変更することができる。e-シガレット10は、この例では概ね長尺形状を有し、破線で示す長手方向軸に沿って延び、2つの主要部品、、即ちデバイス20(制御部または電源部品、セクションまたはユニット)、およびエアロゾル化可能な材料を搭載し、蒸気発生部品として動作する物品30(カートリッジアセンブリまたはセクション、カトマイザーまたはクリアロマイザーと呼ばれることもある)を含む。
【0019】
物品30は、例えばニコチンを含む、エアロゾルが生成されるべき液体またはゲルなどの製剤を含む原液体または他のエアロゾル化可能な材料を含む容器3を含む。一例として、原液体は、約1~3%のニコチンおよび50%のグリセロールを含み、残りはほぼ等量の水およびプロピレングリコールを含み、場合によっては香料などの他の成分も含む。香料供給目的で、ニコチンを含まない原液体を使用することもできる。液体から発生する蒸気が通過するタバコの一部または他の香味要素などの固体基材(図示せず)も含まれる場合がある。容器3は、貯蔵タンクの形態を有し、液体がタンクの範囲内で自由に動き、流れるように原液体を貯蔵することができる容器または受器である。消耗物品の場合、容器3は、原液体が消費された後、使い捨てになるように製造時に充填した後に密封してもよく、そうでない場合は、ユーザーが新しい原液体を加えることができる注入口または他の開口部を持っていてもよい。物品30はエアロゾル生成部品4、例えば加熱による原液体の気化によってエアロゾルを生成するための貯留タンク3の外部に位置する電動加熱素子、即ちヒーター4も含む。原液体を容器3からヒーター4に供給するために、芯または他の多孔性要素6のような液体移送または供給配置(液体移送要素またはより一般的にはエアロゾル化可能な材料移送部品)が提供されてもよい。芯6は、原液体を吸収し、吸い上げまたは毛細管現象によって、ヒーター4に隣接または接触する芯6の他の部分にそれを移送できるように、容器3の内部に位置する1つ以上の部分を有するか、さもなければ容器3内の液体と流体連通していることができる。この液体は加熱で蒸発し、貯留器から新しい液体が供給され、芯6からヒーター4へ移動する。芯は容器3とヒーター4の間で液体を貯留器からヒーターに送る導管と考えることができる。
【0020】
ヒーターと芯(または同様のもの)の組み合わせは、アトマイザーまたはアトマイザーアセンブリと呼ばれることがあり、その原液体とアトマイザーを有する貯留器は、まとめてエアロゾル源と呼ばれることがある。図1の高度に模式的な表現と比較して、パーツが異なるように配置された様々な設計が可能である。例えば、芯6は、ヒーター4とは全く別の要素でもよいし、ヒーター4は、多孔質でウィッキング機能の少なくとも一部を直接行うことができるように構成されていてもよい(例えば、金属メッシュなど)。電気または電子デバイスにおいて、蒸気発生素子は、抵抗(ジュール)加熱によって作動する電気加熱素子でも、誘導加熱によって作動する電気加熱素子でもよい。一般的に、アトマイザーは、供給されたソース液体から蒸気を発生させることができる蒸気発生、即ち気化素子と、ウィッキング作用/毛管力によってエアロゾル発生部品に貯留器または同様の液体貯蔵部から液体を供給または輸送できる液体輸送または供給素子の機能を実装する1つ以上の要素として考えることができる。アトマイザーは、典型的には、図1のようなエアロゾル発生システムの物品30に収容されるが、例によっては、少なくともエアロゾル発生部品が、デバイス20に収容されてもよいものがある。設計によっては、液体は、明確なウィッキング要素または毛管要素を必要とせずに、貯留器から直接蒸気発生器に分注される場合がある。本開示の実施態様は、本明細書の例および説明と一致するそのような任意の構成に応用可能である。
【0021】
図1に戻ると、物品30は、ユーザーがアトマイザー4によって生成されたエアロゾルを吸入し得る開口部または空気出口を有するマウスピースまたはマウスピースポーション35も含む。
【0022】
デバイス20は、セルまたはバッテリー5(本明細書では以降、バッテリーと称し、再充電可能であってもなくてもよい)を含み、e-シガレット10の電気部品、特にヒーター4(または他のエアロゾル発生部品)を動作させるために電力を供給する。さらに、e-シガレットを一般的に制御するためのプリント回路基板および/または他の電子機器若しくは回路などのコントローラ28が存在する。コントローラは、ソフトウェアでプログラムされたプロセッサを含んでもよく、これは、システムのユーザーによって変更可能であってもよい。制御電子回路28は、蒸気が必要とされるときに、バッテリー5からの電力を用いてヒーター4を作動させる。このとき、ユーザーは、マウスピース35を介してシステム10に吸入し、空気Aは、デバイス20の壁にある1つ以上の空気入口26から入る(空気入口は、代替的または付加的に物品30に配置されてもよい)。加熱素子4が作動すると、加熱素子4は、液体送出要素6によって容器3から送出されたソース液体を蒸発させ、システムを流れる空気への蒸気の巻き込みによってエアロゾルを生成する。これをユーザーがマウスピース35の開口部から吸入する。ユーザーがマウスピース35で吸入すると、エアロゾルは、エアロゾル源への空気入口26を空気出口に接続する1つ以上の空気流路(図示せず)に沿ってエアロゾル源からマウスピース35に運ばれる。
【0023】
デバイス20と物品の30は、図1に実線の矢印で示すように、長手軸に平行な方向への分離によって互いに着脱可能な別々の接続可能なパーツである。部品20、30は、デバイス10が使用されているときに、デバイス20と物品30の間に機械的および場合によっては電気的接続を与える協働係合要素21、31(例えば、ネジまたはバヨネット継手)によって一つに接合される。電気的接続は、ヒーター4が抵抗加熱によって動作する場合に必要とされ、ヒーター4がバッテリー5に接続されたときに電流を流すことができるようにする。誘導加熱を利用したシステムでは、物品30に電力を必要とする部品がなければ、電気的な接続を省略することができる。誘導性作動コイルをデバイス20に収容し、バッテリー5から電力を供給し、物品30とデバイス20を接続したときに、ヒーターの材料に電流を流す目的でコイルによって発生する磁束にヒーター4が適切に露出するような形状にすることが可能である。エアロゾル生成部品の他の電力例には、例えば圧電効果を介して動作する、液体の液滴を排出する振動メッシュが含まれる。図1の設計は、単に例示的な配置であり、様々なパーツおよび機能が、デバイス20と物品30との間で異なって分布してもよく、他の部品および要素が含まれてもよい。2つのセクションは、図1のような長手方向の構成で端から端まで一緒に接続してもよいし、平行で横並びの配置のような異なる構成でもよい。システムは、通常円筒形であってもなくてもよく、および/または、長手方向の形状を有していてもよい。どちらか一方または両方のセクションまたは構成要素は、消耗(例えば、貯留器が空になる、またはバッテリーが切れる)したときに廃棄され、交換されるか、貯留器の再充填およびバッテリーの再充電などの動作によって複数回使用できるようにしてもよい。他の例では、システム10は、デバイス20および物品30のパーツが単一の筐体に構成され、分離することができないという意味で、一体型であってもよい。本開示の実施態様および実施例は、これらの構成のいずれか、および当業者が認識する他の構成に応用できる。
【0024】
ユーザーによる消費のためのエアロゾルの量または用量を得るために電子タバコまたは他のエアロゾル供給システムで吸入する行為は、しばしばパフィングと呼ばれ、単一の吸入行為はパフと呼ばれる。パフは持続期間を有し、本明細書では便宜上「パフ期間」と呼ばれる。典型的なパフ期間は数秒のオーダーであり、ユーザーによって、また個々のユーザーによって、異なる時間に変化する。
【0025】
パフ中にエアロゾル供給システムを作動させてエアロゾルを生成するために、システムは、エアロゾルが必要なときにエアロゾル発生部品を作動させるように動作可能な機構または配置を含む。例えば、起動は、バッテリーからヒーターに電力を供給して達成されるヒーターであるかもしれない。電力の(ヒーターまたは他の電気的に作動するエアロゾル発生部品への)供給はパフの開始と終了を示す信号の受信時に、デバイス内のコントローラの制御下にある場合がある。
【0026】
このような配置の2つの例は、空気流センサとユーザー操作式スイッチである。図1を参照すると、空気流センサ40は、デバイス20の内部、あるいはその代わりに物品30の内部に配置されてもよい。空気流センサは、ユーザーがパフを達成するために吸入したときに、空気入口26からマウスピース35まで、システムを通る空気の流れを検出するように動作可能である。空気流センサ40が空気流量(例えば、典型的なユーザーの吸入力または圧力に対応する閾値を超えるレベルを必要とする場合がある)を検出すると開始信号がコントローラ28に伝達され、これに応じて、コントローラ28は、バッテリー5から電力を供給してヒーター4を作動させ、エアロゾルを供給する。ユーザーが吸入を止めると、空気流センサ40が空気の流れの休止を認識し、それに対応する休止信号がコントローラ28に伝えられ、ヒーター6への電力供給が休止され、エアロゾルの供給が休止される。開始信号と休止信号の間の時間は、ユーザーがシステム上で吸入し、エアロゾルを得ることができる時間に広く対応するため、パフ期間と定義することができる。このように使用される空気流センサをパフ検出器と呼ぶこともある。
【0027】
あるいは、本システムは、ユーザーが操作するスイッチ、より一般的にはユーザー作動可能な制御部を含んでもよい。制御装置は、図1に示すように、デバイスの筐体の外側に設けられたボタン42の形態をとってもよい。ボタンは、凹型、面一型、または突出型の機械的ボタンでも触感式ボタンでもよい。制御の他の形式、例えば、2つ以上の位置を有するスイッチ、またはスライダー(機械的スライダーまたは触感式表面でもよい)、または当業者には明らかな他の形式が使用されてもよい。ユーザーがパフを所望する場合、従来と同様にシステムを通して空気を吸入するためにマウスピース35を口に入れ、ユーザーは関連する作動により制御を操作する。作動に応答して、ヒーター5からヒーター6に電力が供給され、典型的には、コントローラ28の制御でヒーターが作動し、エアロゾル発生が開始される。ユーザーは、所望の量が消費されるまでエアロゾルを吸入する(パフをする)。次に、ユーザーは、制御部42をさらに操作して、ヒーター6の起動をオフにし、これにより、電力の供給を休止する。制御部42の操作は、任意の便利な形式をとることができる。例えば、制御部42は、パフの間作動させる必要があり、ユーザーが作動を休止すると、ヒーターがオフになるようにしてもよい。ボタンの場合、ユーザーは所望のパフ期間中ボタンを押し続ける。別の例では、制御部42の最初の作動がヒーターの作動を開始し、その後の作動がパフの終了時にヒーターをオフにすることができる。いずれの場合も、ヒーターがオン(活性化)されてからオフ(非活性化)される間の時間は、パフ期間として定義することができ、おおまかにはユーザーがシステムで吸入し、エアロゾルを得ることができる時間に対応する。
【0028】
なお、ユーザー操作可能な制御は、パフのためのヒーター作動の他に、システムの代替機能または追加機能を有効にするように構成される場合がある。また、システムは、空気流センサと1つ以上のユーザー作動可能な制御部の両方を含むことができ、空気流センサは、吸入に応答してヒーターの活性化のために構成され、ユーザー作動可能な制御部は、1つ以上の他の機能のために構成される。
【0029】
バッテリーを組み込んだエアロゾル供給システムは、バッテリーの電力レベル、即ち電力状態、言い換えれば、システムが将来利用できる電力がどのくらいあるか、またはシステムの将来の使用に利用できる電力があるかどうかをユーザーに示すための手段を含んでもよい。バッテリーの電力レベル、またはバッテリーの寿命の表示を実現する1つの手法は、表示灯をシステムに含めることであり、この表示灯は、システムの外面、便利にはデバイスの表面にユーザーに見えるように配置されているが、必ずしも装置の表面である必要はない。表示灯は、システムの様々な動作特性をユーザーに伝えるために点灯し、異なる特性を示すために、異なる色の光および/または異なるパターン、即ち配列(例えば、点滅または退色)の照明が使用される。例えば、1つ以上の表示灯は、ヒーターが起動したこと、エアロゾル化可能な材料が消耗したこと、またはデバイスがバッテリーを充電する目的で外部電源に接続され、充電が進行中または完了したことを、ユーザーに知らせることができる。本開示では、バッテリーの電力レベルを示すことが重要である。これは、表示灯を異なる色の光で照らすことで伝えられるかもしれない。例えば、バッテリーが、最大可能充電量の大きな割合、例えば少なくとも20%、または他の閾値量を有している場合、第1の色例えば緑色が示されることがある。充電池の残量がほぼなくなり、今後のシステム利用のためにすぐに、あるいはほぼすぐに電池交換や充電が必要な場合、例えば最大値の5%以下、あるいは2%以下の場合は、赤色など第3の色の光を表示する場合がある。あるいは、20%、10%、5%などの閾値を超える充電を示す緑色、閾値未満の充電を示す赤色のように、2色のみを使用することも可能で、これにより、ユーザーに充電またはバッテリー交換を促すことができる。色つき光信号を、別の配置で異なる光パターンに置き換えてもよい。例えば、充電レベルが高い、即ち使用可能な場合は表示灯が連続点灯し、充電レベルが低い場合は点滅が行われる。一般的に、バッテリー内の電力または充電のレベルを示す表示灯の点灯を、本明細書では光信号の発生と呼ぶ。
【0030】
表示灯は、コントローラからの電力供給により動作し、コントローラの制御によりプログラミングに従い、システム内の他の部品から回路を介して受信した情報に応答して、任意の時間にどの光信号を発するべきかを決定する。バッテリーの状態を示す光信号を常時発生させ、ユーザーが常にバッテリーの充電レベルを即座に判断できるようにすることも可能だが、これだと、他の機能、特にエアロゾルの供給に使用する方が有益なバッテリーの電力が消費される。したがって、例えば特定の事象に応答して、非連続的にバッテリー充電レベル光信号で表示灯を点灯させることが好ましい場合がある。例えば、ボタンのようなユーザー作動可能な制御部を有するシステムの場合、(例えば、ヒーターを作動させるための押しっぱなし動作と比較して)ボタンを押してすぐに離す特定の動作に応答してバッテリー充電レベル光信号を提示することは知られている。
【0031】
図2は、表示灯を組み込んだエアロゾル提供システムのための例示的なデバイスの一部の概略図である。デバイス20は、デバイスの様々なパーツを配置する筐体を内部に規定する外壁22を有し、そのうちの一部のみが図2に示されている。内向きおよび外向き作動Bを有する押しボタン42の形態のユーザー作動可能な制御部が、デバイス20の外側からアクセスできるように壁22に取り付けられている。制御部42は、その中に組み込まれた表示灯を有し、この例では、光導管44と発光ダイオード(LED)または発光ダイオードユニット46を含む。光導管44は、ボタン42の材料に取り付けられ、それに沿って伝播する光がボタン表面の平面内にある光導管44の出力端44b(発光体)から放出されるように取り付けられた光伝導要素(光導波路または光ファイバーなど)を含む。出力端は、これがユーザーに見える形で光信号を送出する部分で、表示灯の発光部または発光器と考えることができる。LED46は、デバイス20の内部に配置され、それが発生する光が光導管44の入力端44aに集められ、光が出力端44bに伝播できるように位置決めされる。このようにして、LED46が生成した光信号45は、ユーザーが知覚できるデバイス20の外部に送られる。
【0032】
LED46は、デバイスのコントローラ28の制御下にあり、必要な光信号を生成するために、コントローラ28から制御線47を介して適切な駆動信号を受信する。LEDは、バッテリー(図2には示されていない)から、直接またはコントローラ28を介して電力を受け取る。ボタン42は、コントローラ28がボタン42の作動状態に関する情報を受け取り、これを使用してエアロゾル提供システムの他の部品に制御信号を生成して送信できるように、コントローラ28にも接続されている(接続は示されていない)。エアロゾル生成をアクティブにするために、これを使用してバッテリーおよびエアロゾル生成要素などのエアロゾル提供システムの他の部品に制御信号を生成して送ることができる。同様に、コントローラは、他の信号および情報を送受信する目的で、システムの他の構成要素(図示せず)に接続されてもよい。
【0033】
図2は、ボタン42に近接するLED42を示すが、これは必須ではない。光導管44は、デバイス20の内部で最も都合の良い場所に配置できるLEDから、デバイス20の外部にある表示灯のための任意の所望の位置まで、任意の経路に沿って光を運ぶ形状および構成にすることができる。柔軟な光ファイバーは、このような配置に特によく適している。また、光導管44は、その出力端44bをボタン42の境界内に位置させる必要はない。
【0034】
図3は、デバイス20の表示灯のさらなる実施例の概略図である。デバイス20は、ここでも押しボタンであってもなくてもよいユーザー作動可能な制御部42を含むが、この場合、光導管は、制御部42を囲むように構成された形状の出力端44bを備え、それにより、光が放射されると制御部42の照明境界を与える発光器を提供する。
【0035】
図4は、デバイス20における表示灯の更なる実施例の概略図である。この例では、表示灯は、いかなるユーザー作動可能な制御部とも関連付けられていないので、システムは、エアロゾル生成要素のパフ検出作動のための空気流センサを含んでもよく、または表示灯から離れた、その表面の他の場所に位置する1つ以上のユーザー制御部を有していてもよい。したがって、この場合、デバイス20内で湾曲または屈曲した形状を有し、その入力端44aを介してデバイス20内のLED46から発生した光を集めるように再配置された光導管44は、デバイス20の外部に光を放射するためにデバイス20の壁22に直接設定された出力端44bを有する。このような配置において、出力端44bによって規定される発光体は、例えば、点形状、円形状または線形状を有する表示灯を与えるために、壁22上の平面で任意の所望の形状を有することができる。さらなる代替案は、デバイス壁22の外周または円周の周りに配置される環状の発光体を有する表示灯である。リングは、連続的であってもよいし、断続的な点または線で構成されていてもよい。これは、ヒーター作動のためのユーザー作動可能な制御部を持たず、代わりにパフ検出に依存するシステムに有用である。このようなシステムでは、使用中にユーザーによってアクセスされるボタンの位置によって規定されるような、使用中のシステムの特定の方向がない場合がある。環状の表示灯は、システムの向きに関係なく見える可能性がある。
【0036】
光導管は、外部光出力とLEDの相対位置や表示灯の形状に柔軟性を持たせるのに有効だが、省略もできる。LEDは、例えばプラスチック製のドームや他の透明または半透明のシュラウド(覆い)に封入し、封入要素を表示灯の外部出力面として直接使用し、それによって発光体として機能させることができる。さらに別の配置として、エアロゾル化可能な材料のための貯留器を透明な外壁で規定し、ユーザーが液体やゲル材料の残量を直接観察できるようにしたシステムを採用することもできる。表示灯は、光信号を貯留器の壁を通して貯留器の内側に放射するように配置することができる。光はエアロゾル化可能な材料から散乱し、貯留器内部を照らすので、貯留器の外部にいるユーザーは光信号を観察することができる。さらに、LEDに対して適切な形状と配置をすれば、透明な貯留器の壁が光導管として機能する場合もある。
【0037】
例えば、異なる色の光を必要とせず、発光のパターン、即ち配列を使用して異なる光信号を規定する場合、表示灯は単一のLED(またはダイオードレーザーなどの代替光源)を含むことがある。また、LEDユニットやLEDデバイスを使用することも可能で、2つ以上の素子(それぞれが個々のLEDである)を含む。LED素子は、必要な方向に光を照射できるように梱包され、1つのユニットを形成する。赤色LED、青色LED、緑色LEDなど、異なる色の光を発するように構成された素子を、単独または組み合わせて動作させることで、実質的にあらゆる色の光を提供することができまる。このようにして、表示灯からの光信号は、異なる色で区別することができる。その代わりあるいはそれに加えて、複数のLED素子を使用して、一緒に動作させる素子の数に応じて、より広いあるいはより大きい出力明度範囲を提供することができる。本明細書の図に(例えば図2、3および4のように)描かれた任意のLED46は、単一のLEDまたは2つ以上の個々の要素を含むLEDユニットでもよい。同様に、本明細書では、LEDおよびLEDユニットまたはLEDデバイスという用語は、1つ以上のダイオードの発光配置を示すのに互換的に使用される。
【0038】
なお、LEDは、任意の時点で必要な光信号を生成するために適切な駆動信号をLEDに提供するコントローラの制御で動作する。従って、LEDは、駆動信号をフォーマットするように構成されたLED駆動部または駆動ユニットを含んでもよい。LEDを駆動するための任意の手法、例えば定電流駆動または定電圧駆動を用いてもよいことは、当業者には自明である。動作寿命を最大化するために効率的な電力消費が望ましいように、電力のために自己完結型バッテリーに依存するエアロゾル供給システムの文脈で有用に、LEDは、パルス幅変調(PWM)により駆動されてもよい。これは、LEDを高速で点灯・消灯させる駆動信号で、よく知られたLED駆動方法である。定電圧駆動の場合、LEDは一定の振幅の電圧パルス列で駆動される。パルス繰り返し数(周波数)が十分に高い場合(通常は200Hz)、開閉は人間の目には認識されず、LEDは継続的に発光しているように見える。この切り替えは、LEDが一部の時間しか点灯していないため、バッテリーからの電力が少なくてすむという点で有効である。そのため、バッテリー寿命が長くなる。さらに、開閉によってLEDをその動作仕様を超える電流や電圧で駆動することができるため(「過駆動」と呼ばれる)、LEDが点灯している間、より高明度の光を発生させることができる。
【0039】
PWM駆動LEDの見かけの明度、、即ち「オン」期間の実際の明度と「オフ」期間のゼロ明度の平均として決定されるユーザーが知覚する明度のレベルを、PWMのマーク-スペース比を変えて調整することができる。つまり、駆動パルスの振幅は一定で、オン時間とオフ時間の比率を変化させるのである。LED光を暗くするには、「オン」パルス期間を短くし、および/または、「オフ」期間を長くし、出力光を明るくするには、「オン」パルス期間を長くし、および/または、「オフ」期間を短くする。このことは、当業者には自明である。
【0040】
また、LEDを駆動するための電流量を変化させて、出力明度を比例的に変化させる定電流駆動の技法を用いて明度を調整することもできる。
【0041】
本開示における例としては、LEDの明度調整の利用があり、これらの技術のいずれかを用いて実現することができる。
【0042】
ここでは、文脈から明らかでない限り、明度は、PWM駆動シーケンスの「オン」部分の間の明度(知覚される明度にかかわらず同じである)、またはPWMが使用される場合に指摘されたようにLEDの超過指定最大明度ではなく、LEDを観察するユーザーによって知覚され得る明度のレベルの意味で使用されている。
【0043】
本開示の実施態様では、エアロゾル提供システムの表示灯は、バッテリーから利用可能な電力のレベルを示す光信号を発するように駆動される。表示灯の発光部は、ユーザーが見ることができるように、必然的にシステムの外面に配置される。しかしながら、電子タバコのようないくつかのエアロゾル提供システムの性質は、それらが比較的小さなサイズの手持ちのデバイスであるということである。使用中、システムが保持され、操作されるとき、発光体は、ユーザーの手によって全体的または部分的に隠されることがある。また、ユーザーがシステムのマウスピースから吸入しているとき、発光体はユーザーの視線から外れることがある。さらに、バッテリーの電力レベルをユーザーに伝えることは、システムの将来の使用を計画かつ可能にするには有用だが、バッテリーの寿命を示す光信号を過度に放出することは、それ自体が電力を使用し、したがってバッテリーの寿命を減少させることになる。
【0044】
したがって、本実施態様によれば、各パフの後に、現在のバッテリーの電力レベルを示す光信号を自動的に配信することが提案される。これにより、バッテリーの電力状態をユーザーに定期的に伝えるのは、システムを能動的に使用している期間に限定されるので、表示灯を駆動するために必要なバッテリーの電力が節約される。ユーザーの要求に応じて発光させるのではなく、自動的に点灯させることで、バッテリーの電力レベルを実時間に把握することができる。このため、ユーザーは、充電や交換など、動作可能なバッテリーを維持するための適切な行動をとることができ、バッテリー残量がゼロになって驚くことが減る。
【0045】
エアロゾル供給システムのパフ期間の終了を記録し、これをトリガーとして現在のバッテリー状態に適した光信号を生成することで、光信号の形態で、バッテリー電力レベルの表示の自動生成と発光を可能にすることが提案される。パフが終了したこと(パフ期間が終了したこと)を検出し、これに応答して光信号を発するために表示灯を作動させるように構成される。上述したように、光信号は、バッテリー内の現在の充電のレベルに対応する特定の色またはパルスパターンにすることができる。
【0046】
図5は、電気式エアロゾル提供システムで、バッテリー電力レベル表示灯信号を発するための第1の実施例の方法における工程のフローチャートである。第1の工程S1では、パフが開始されていることをコントローラが判断し、パフの開始が検出されるようにする。上述のように、これは、ユーザーが吸入したときにシステムを通る気流を検出すること、気流検出器の使用、またはエアロゾル生成要素(ヒーターなど)を起動するように構成された制御装置のユーザー作動を検出することによってもよい。パフ期間中、即ち吸入のためのエアロゾルが生成されている間、工程S2で、コントローラは、バッテリーの現在の電力レベルを示す測定値を取得する。これは任意の既知の方法で実施することができる、というのは様々な電気デバイスにおけるバッテリー充電レベルを決定することは標準的な技術だからである。工程S3では、コントローラによって、現在の電力レベルをユーザーに示すために適切な光信号が何であるかが決定される。例えば、電力レベルの測定値は、可能な充電レベルの全範囲を「高電力」、「中間電力」、「低電力」などの範疇に分割する1つ以上の閾値と比較されることがある。工程S2からの現在の電力レベルを、それぞれが対応する光信号を有する範疇のうちの1つに割り当てることができる。これらは、例えば、参照表を介して、コントローラ内のメモリまたはシステム内の他の場所から取得されるかもしれない。メモリは、様々な充電水準の範疇を定義する閾値または境界値を格納することもできる。工程S4で、コントローラは、空気流センサにより検出されたシステムを通る空気流の休止、またはユーザー制御の作動(または終了作動)の休止を認識することなどにより、パフの終了を検出する。これに応答して、コントローラは、パフが終了したこと、言い換えれば、パフ期間の完了が検出されたと推定する。工程S5では、コントローラは、工程S3で決定された適切な光信号を発するよう、表示灯を作動させる。
【0047】
図6は、図5の処理の時間軸を示したものである。時刻P1でコントローラによって検出されるようにパフが始まり、パフ期間Tpが始まる。その後、時刻P2でパフの終了が検出され、パフ期間Tpが完了したと判断される。これにより、表示灯が作動し、バッテリーの現在の充電または電源の状態を反映した適切な光信号が発せられる。光信号は、L1からL2までの期間に発せられ、光信号の持続期間TLを与える。
【0048】
このようにして、ユーザーが表示灯を観察することができる時に、即ちシステムがユーザーの口内からパフが取られた後、表示灯が潜在的に見える位置にあるようにユーザーの近くで能動的に保持されていると思われる時に、ユーザーに自動的にバッテリー状態の表示が提供される。
【0049】
図6に表されるように、光信号はパフ期間の完了時に直ちに、またはそれに近い状態で放射される。即ちL1はP2とほぼ等しく、L1はP2と一致するか、またはP2よりわずかに遅くなる。
【0050】
しかしながら、更なる実施態様で修正案を提案する。パフ期間の完了と、光信号の発光のための表示灯の作動との間に、時間遅れを導入する。言い換えれば、パフと光信号の間に休止時間を設ける。これは、ユーザーが表示灯を観察できる可能性が高い時間まで光信号の開始を遅らせて、バッテリーの電力をより節約するために有効である。この一時休止により、光信号が発せられる前に、ユーザーがシステムを口から離し、視界のどこかにシステムを位置付ける時間ができる。したがって、ユーザーが表示灯を観察できる可能性が非常に低い時間帯には発光が行われず、バッテリーの電力の無駄遣いになる可能性が高い発光を防ぐことができる。
【0051】
図7は、電気式エアロゾル提供システムにおいて、バッテリー電力レベル表示灯信号を発するための第2の実施例の方法における工程のフローチャートである。工程S1~S5は、図5の実施例における工程S1~S5と同じなので、ここではこれ以上説明しない。ただし、この方法は、工程S4でパフ期間の終了を検出し、パフ期間の完了を推論してから、工程S5で表示灯を作動させるまでの間に実施される追加の工程S4aを含む。工程S4aでは、休止期間を実施する。工程S4でパフ期間の終了を検出した場合、工程S4aとして休止期間を開始する。次いで、休止期間が終了すると、工程S5で光信号を発する。
【0052】
図8は、図7の処理の時間軸を示す図である。図6の例と同様に、パフ期間Tpの終了後、信号期間TLだけ光信号が発生される。しかしながら、パフ期間と光信号の発生との間には、持続期間TDの遅延期間または休止期間が挿入される。従って、時刻P2でパフ期間が終了すると、開始時刻D1で休止期間が開始される。休止期間の所定時間TDが経過すると、時刻D2で、時刻L1で表示灯が点灯し、時間TLから時刻L2までの間、光信号を発生させる。P2でのパフ期間の終了は、D1での休止期間の開始と一致し、休止期間の終了は、L1での光信号の発生期間の開始と一致する。
【0053】
休止期間は、0.3秒~0.7秒、例えば、0.2秒~0.8、0.9または1.0秒の範囲の持続期間を有してよいが、より長いまたは短い一時休止が有用と考えられるかもしれない。この時間スケールでの休止は、ユーザーがエアロゾル供給システムを口から表示灯が見える典型的な保持位置まで移動させるための合理的な時間を与える。一時休止時間が短いと、表示灯が見えるようになる前に光信号が開始されることがあり、これは少量のバッテリー電力の浪費であると考えられる。一時休止時間が長いと、ユーザーが表示灯を視認した後に光信号が開始される可能性があり、ユーザーにシステムの不具合を誤認させる可能性がある。0.5秒程度の休止時間は多くのユーザーにとって適切な遅延であり、0.4秒~0.6秒の範囲の休止時間はより多くのユーザーを包含し、0.3秒~0.7秒はほとんどのユーザーが期待する行動をほぼ包含することが分かっている。
【0054】
図8の例のように、パフと発光の時間配列に休止時間を設けると、バッテリー電力レベルを取得する工程と、適切な対応する光信号を決定する工程(図5図7の工程S2、S3)のタイミングに幅ができる。また、光信号はすぐに発生しないので、パフ期間終了時にこれらの工程を両方終了させる必要はない。
【0055】
図9は、電気エアロゾル提供システムにおいてバッテリー電力レベル指示器光信号を発するための第3の実施例の方法における工程のフローチャートである。工程S1~S5は、図7の実施例における対応する番号の工程と同じであるが、異なる順序で実施される。特に、現在のバッテリー電力レベルを取得する工程S2と、取得したバッテリー電力レベルに適した光信号を決定する工程S3は、パフ期間が完了した後に実行される。つまり、パフ期間中ではなく、休止期間中に実施される。そして、休止期間が終了すると、必要な適正光信号が判明し、工程S5に従って、コントローラが表示灯を作動させることができる。
【0056】
さらなる変更点は、バッテリー電力レベルを得る工程S2を、パフ期間中、言い換えれば工程S1と工程S4との間に実施し、適切な光信号を決定する工程S3を休止期間中、言い換えれば工程S4aと工程S5との間に実施することである。
【0057】
要約すると、パフ期間と光信号の発生との間に置かれる休止期間があってもなくてもよいが、一般に、光信号は、パフ期間の終了の検出後、パフ期間が完了した後に発生される。光信号は、パフ期間の終了と同時に、またはそれに近いタイミングで発生させても遅延や休止を経て発生させてもよい。
【0058】
光信号の持続期間(図6および図8の信号期間TL)は、ユーザーに便利な視聴時間の長さを提供するように(短すぎてユーザーが光信号を適切に見て評価できる前に休止しないように)、一方で必要以上のバッテリー電力を使用しないように(ユーザーが光信号を適切に見て評価できる時間よりも信号が過度に長くならないように)選択することが可能である。全体として約1.5秒の持続期間が適切であることが分かっている。しかし、より広いあるいは異なる多様なユーザー行動およびシステムの型を網羅するために、より長いまたはより短い持続期間を利用することができる。例えば、表示灯発光体が異常に配置されているか、またはパフ中にユーザーによって覆われる可能性があるシステムでは、表示灯が点灯している間、ユーザーが表示灯を便利に見るためにより多くの時間をかけるために、より長い持続期間が望ましいことがある。このような状況では、より長い休止期間も有用である。全体として、1秒~5秒の範囲の光信号の発生持続期間が考えられる。より多様なユーザーの行動に対応することに対し、より少ない電力消費の利点とのバランスをとる場合、1秒~4秒、または1秒~3秒、または1秒~2秒などのより小さい範囲を、好みに応じて選択することができる。
【0059】
休止期間が含まれる他の実施態様では、休止期間と光信号の発生期間(信号期間)との合計の期間は、上記に定めた範囲と同じになるように構成することが可能である。具体例として、パフ期間の終了から光信号の発生終了までの時間は、約2秒、より一般的には、1秒~5秒、または1秒~4秒、または1秒~3秒、または1秒~2秒の範囲内でもよい。2秒の例では、休止期間は約0.5秒の持続期間を有してよく、光信号の発生時間は約1.5秒でもよい。
【0060】
光信号は、単純なオン・オフの発光として実装されてもよいし、より複雑な照明パターンを採用してもよい。
【0061】
図10は、時間tに対して明度Bを描画した、光信号の第1の例のグラフである。明度は、(例えばPWM動作の「オン」パルスの間の実際の明度ではなく)ユーザーにとって知覚される明度(または強度)であることを思い出してほしい。表示灯は、光信号開始時間L1で最大明度Bmax(ここで、最大明度は、LEDから利用可能な最大明度ではなく、この特定の光信号の最大であるが、これらは同じであってもよい)に直接スイッチオンして作動し、光信号持続期間TLの間Bmaxで維持し、持続期間TLの終わりである時間L2で不活性化またはスイッチオフされる。これは光信号を実現するための簡単な手法であるが、改良を加えることでより少ない電力消費量で同様の効果を得ることができる。同じ光信号の持続期間を利用しても、光信号の最大明度はその持続期間の一部分しか表示されないようにすることができる。
【0062】
図11は、光信号の第2例のグラフである。図10の例と同様に、表示灯は開始時刻L1で作動し、持続期間TLの間点灯し続け、終了時刻L2で非作動になる。ただし、光信号は3つの部分を含み、それぞれが持続期間TLの一部を網羅する。時刻L1で光指示器は作動し、L1から後の時刻Laまで続く最初の作動期間に入る。これは上昇期間であり、LEDの明度は、ゼロから、時刻Laで到達するこの光信号の最大明度Bmaxまで、直線的に徐々に大きくなる。上昇期間は、持続期間Taを有する。時間LaでBmaxに達すると、このレベルの明度は、時間Lbまで続く時間期間Tbの間、一定に維持される。これは、持続期間Tbの一定明度期間である。最後に、光信号は、時間Lbから始まり、光信号の終点である時間L2まで持続する下降期間を有する。下降期間(持続期間Tc)は、LEDの明度をBmaxからゼロまで直線的に徐々に減少させる。したがって、全光信号持続期間TLは、Ta+Tb+Tcを含み、明度の増加期間、当該光信号の最大明度である一定明度期間、および明度の減少期間を含む。
【0063】
上昇期間、一定明度期間および下降期間に対して、任意の相対的な持続期間を選択することができる。一実施例では、上昇期間、一定明度期間および下降期間の各々は、実質的に同じ持続期間を有する。可能性として、上昇期間、一定明度期間および下降期間の各々は、0.3秒~1.5秒の範囲の持続期間を有し、この持続期間は同じであってもなくてもよい。例えば、1つ以上の期間は、約0.5秒の持続期間を有してよい。より詳細には、各期間は、約0.5秒の同じ持続期間を有していてもよい。約0.5秒の休止期間と組み合わせると、パフ完了から光信号の終了までの時間は約2秒となる。これにより、ユーザーによる光信号の効果的な知覚と、バッテリー電力の節約との間で良好なバランスが得られる。しかしながら、本開示はこの点で限定されるものではなく、本明細書に提示された様々な例の範囲など、他の時間帯を使用することも可能である。
【0064】
光信号の発生時間の全体の長さよりも短い最大明度の期間を含むことで電力消費を節約しながら、特定の全体の持続期間を提供する他の形状の光信号も使用できる。最大明度は、LEDの技術仕様に示される明度または、LEDから達成可能な実際の最大明度、例えばLEDを過剰駆動して達成されるより高明度ではなく、任意の特定の光信号に対して選択された最大値である。
【0065】
図12は、光信号の第3の例を示すグラフであり、この場合も上昇期間、一定明度期間、下降期間を含む。この場合、上昇期間における明度増加および下降期間における明度減少は、非線形であり、代わりに曲線状の明度特性を有する。描かれているように、非線形形状は、2次曲線、または指数曲線のように増加する傾きを有する。他の非線形形状、例えば正弦波の最初の4分の1のように減少する勾配を有する曲線が使用されるかもしれない(図13を参照)。光信号の明暗部分に望まれる「次第に明るくなる」および「次第に暗くなる」の視覚効果に応じて、任意の非線形形状を選択することができる。
【0066】
また、図12の例では、上昇部分と下降部分が互いに鏡像であり、光信号に対して対称的な明度特性を与えている。しかしながら、これは必須ではなく、上昇部分には下降部分と異なる特性を用いてもよい。同様に、線形特性と非線形特性を組み合わせてもよい。
【0067】
図13は、光信号の第4の例のグラフであり、L1からLaまでの上昇期間と、LaからL2まで続き、したがって光信号持続期間TLの終了時に終わる一定明度期間だけを含む。この配置は、光信号の開始時に徐々に増加する明度を与え、それによって、ユーザーがまだ表示灯をはっきりと見ることができないかもしれない時に電力を節約し、ユーザーが表示灯の観察を止めたかもしれない時に光信号をその終了時に急激に打ち切る。
【0068】
光信号の他の明度曲線をその代わりに使用してもよく、明度曲線の形状は限定されない。他の選択肢には、一定明度期間に続く下降期間、上昇期間のみ、および下降期間のみが含まれる。また一定明度期間の全部または一部を、パルス化や点滅など明度を変化させる期間と置き換えることもできる。これらに代わる曲線を排除するものではない。
【0069】
任意の光信号明度曲線において、ユーザーが光信号を最も容易に知覚することができる、その信号に表示される最大明度レベルが存在することになる。休止期間および/または上昇期間を含む例では、信号の最大明度は、パフ期間の終了後のある時間に到達することになる。これは、その信号の最大明度までの時間として記述することができる。この時間の有用な持続期間は、0.5秒~1.5秒の範囲、より詳細には0.7~1.3秒または0.8~1.2秒、例えば約1秒であると考えられる。
【0070】
さらなる実施態様では、これまでの例のいずれかを、光信号が、デバイスのユーザー作動可能な制御部のユーザー作動に応答して、コントローラの制御で表示灯によって放射される構成と組み合わせることができる。これにより、バッテリー残量表示灯の信号が「要求に応じて」で提供されるため、システムをパフし始めることなく、ユーザーにバッテリー残量を知らせることができる。エアロゾル生成のためのヒーターの作動を可能にする空気流量検出器を含むシステムの場合、光信号の発生を引き起こすことを含む他の機能を可能にするために、ユーザー作動可能な制御部が提供されることがある。エアロゾル生成のためのヒーターの作動を可能にするユーザー作動可能な制御部を含むシステムの場合、光信号の要求発生を引き起こすために、ヒーター作動のために用いられるのとは異なる作動動作、例えば、ヒーター作動のために押し続けるのに比べてボタン制御部の迅速な押しと解放が必要となる場合がある。
【0071】
本明細書に記載された様々な実施態様は、請求された構成の理解と教示を支持するためにのみ提示される。これらの実施態様は、実施態様の代表的な例としてのみ提供され、網羅的でも排他的でもない。本明細書に記載された利点、実施態様、例、機能、構成、構造、および/または他の態様は、請求項によって定義された本発明の範囲に対する制限または請求項に対する均等物に対する制限と見なされるべきものではなく、請求された本発明の範囲から逸脱せずに他の実施態様が利用され得ることおよび変更がなされ得るのは当然である。本発明の様々な実施態様は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の開示された要素、部品、構成、部分、工程、手段などの適切な組み合わせを好適に含み、これらからなり、またはこれらから本質的になってもよい。さらに、本開示は、現在請求されていないが、将来請求される可能性のある他の発明を含む可能性がある。
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図13