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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】体管腔の位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/095 20060101AFI20240227BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20240227BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20240227BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61M25/095
A61M25/10
A61B1/045 618
A61B1/018 515
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022540369
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 US2020052995
(87)【国際公開番号】W WO2021137906
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】62/954,875
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】521523224
【氏名又は名称】ブリュッセル メディカル デバイス センター
【氏名又は名称原語表記】BRUSSELS MEDICAL DEVICE CENTER
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デイトン、ピーター エル.
(72)【発明者】
【氏名】コーシュ、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ドゥラトル、セシリア
(72)【発明者】
【氏名】バルテ、マルク エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス、ジャン-ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】バルバート、ルイス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、エリック エフ.
(72)【発明者】
【氏名】グエン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ファブロー、ジョン ティ.
(72)【発明者】
【氏名】ナードン、マルシア
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/040461(WO,A1)
【文献】特開2017-104547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00 - 25/18
A61B 1/045
A61B 1/018
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い部材であって、前記細長い部材の遠位端に位置決め装置を含む、細長い部材を備える医療装置であって、前記位置決め装置は、少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を含み、前記少なくとも一つのLEDは、緑色光及び赤色光に対応する波長を有する光を放出するように作動するように構成され
前記細長い部材は、前記細長い部材の近位端から前記細長い部材の遠位端まで延びる流体管腔を含み、複数の穴が前記細長い部材の側壁に配置されるとともに、前記流体管腔に流体接続され、
前記医療装置は、真空装置及び流体収容装置をさらに備え、前記真空装置及び前記流体収容装置はそれぞれ、前記細長い部材の前記近位端で前記流体管腔と流体連絡しており、前記真空装置は、身体からの流体が前記複数の穴を通って前記流体管腔に沿って前記流体収容装置に流れるように構成されるように、前記流体管腔内に吸引を生成するように構成される、医療装置。
【請求項2】
細長い部材であって、前記細長い部材の遠位端に位置決め装置を含む、細長い部材を備える医療装置であって、前記位置決め装置は、少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を含み、前記少なくとも一つのLEDは、緑色光及び赤色光に対応する波長を有する光を放出するように作動するように構成され、
前記位置決め装置は、前記細長い部材の前記遠位端にバルーンをさらに含み、前記バルーンは、膨張するように構成され、
前記バルーンは、前記細長い部材の第一の側に配置され、前記少なくとも一つのLEDは、前記バルーンから前記細長い部材の円周方向反対側に配置される、医療装置。
【請求項3】
細長い部材であって、前記細長い部材の遠位端に位置決め装置を含む、細長い部材を備える医療装置であって、前記位置決め装置は、少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を含み、前記少なくとも一つのLEDは、緑色光及び赤色光に対応する波長を有する光を放出するように作動するように構成され、
前記位置決め装置は、前記細長い部材の前記遠位端にバルーンをさらに含み、前記バルーンは、膨張するように構成され、
前記少なくとも一つのLEDは、前記バルーンの周囲に配置された複数のLEDを含む、医療装置。
【請求項4】
細長い部材であって、前記細長い部材の遠位端に位置決め装置を含む、細長い部材を備える医療装置であって、前記位置決め装置は、少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を含み、前記少なくとも一つのLEDは、緑色光及び赤色光に対応する波長を有する光を放出するように作動するように構成され、
前記少なくとも一つのLEDは、緑色光及び赤色光を交互に放出するように構成される、医療装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の医療装置であって、前記位置決め装置は、
側壁と、
前記側壁の近位端にある近位端壁と、
前記側壁の遠位端にある遠位端壁と、を含み、前記側壁、前記近位端壁、及び前記遠位端壁が空洞を画定し、前記少なくとも一つのLEDは、前記空洞内に配置される、医療装置。
【請求項6】
請求項5に記載の医療装置であって、前記側壁は、透明材料または半透明材料を含み、前記近位端壁または前記遠位端壁のうちの少なくとも一つは、不透明材料または光減衰材料のうちの一つまたは複数を含む、医療装置。
【請求項7】
請求項2~4のいずれか一項に記載の医療装置であって、前記細長い部材は、前記細長い部材の近位端から前記細長い部材の遠位端まで延びる流体管腔を含み、複数の穴が前記細長い部材の側壁に配置されるとともに、前記流体管腔に流体接続される、医療装置。
【請求項8】
請求項7に記載の医療装置であって、前記医療装置は、真空装置及び流体収容装置をさらに備え、前記真空装置及び前記流体収容装置はそれぞれ、前記細長い部材の前記近位端で前記流体管腔と流体連絡しており、前記真空装置は、身体からの流体が前記複数の穴を通って前記流体管腔に沿って前記流体収容装置に流れるように構成されるように、前記流体管腔内に吸引を生成するように構成される、医療装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の医療装置であって、前記細長い部材は、ガイドワイヤを受け入れるように構成された中央管腔をさらに含む、医療装置。
【請求項10】
請求項1または4に記載の医療装置であって、前記位置決め装置は、前記細長い部材の前記遠位端にバルーンをさらに含み、前記バルーンは、膨張するように構成される、医療装置。
【請求項11】
請求項10に記載の医療装置であって、前記バルーンは、透明または半透明の材料を含み、前記少なくとも一つのLEDは、前記細長い部材の表面に配置され、前記LEDから放出された光は、前記バルーンを透過するように構成される、医療装置。
【請求項12】
請求項10に記載の医療装置であって、前記バルーンは、前記細長い部材の第一の側に配置され、前記少なくとも一つのLEDは、前記バルーンから前記細長い部材の円周方向反対側に配置される、医療装置。
【請求項13】
請求項10に記載の医療装置であって、前記少なくとも一つのLEDは、前記バルーンの周囲に配置された複数のLEDを含む、医療装置。
【請求項14】
請求項1~4のいずれか一項に記載の医療装置であって、前記細長い部材は、前記細長い部材の本体及び前記細長い部材の遠位先端を含み、前記細長い部材の遠位先端の近位端は、複数のワイヤによって前記細長い部材の本体の遠位端に接続され、前記少なくとも一つのLEDのうちの一つのLEDは、前記複数のワイヤからの各ワイヤに取り付けられる、医療装置。
【請求項15】
請求項14に記載の医療装置であって、前記医療装置は、前記細長い部材の遠位先端に取り付けられた作動ワイヤをさらに含み、前記作動ワイヤは、前記細長い部材の本体に対して近位に移動するように構成され、前記LEDは、前記作動ワイヤが前記細長い部材の遠位端を前記細長い部材の本体に対して近位に移動させるときに、半径方向外向きに移動されるように構成される、医療装置。
【請求項16】
請求項1~3のいずれか一項に記載の医療装置であって、前記少なくとも一つのLEDは、緑色光及び赤色光を交互に放出するように構成される、医療装置。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の医療装置であって、前記少なくとも一つのLEDは、パルス方式で緑色光及び赤色光を放出するように構成される、医療装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の医療装置であって、前記医療装置は、内視鏡であって、撮像装置と、前記内視鏡の遠位端から延びるように構成されたエンドエフェクタと、を含む、内視鏡をさらに備え、前記撮像装置は、前記少なくとも一つのLEDから放出された緑色光及び赤色光に対応する波長を有する光を検出するように構成される、医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は一般に、医療処置中に装置及び/または解剖学的構造を位置決めするための医療装置、システム、及び方法に関する。より具体的には、いくつかの実施形態において、本開示は、胃空腸吻合術中に使用するための、医療装置及び/または解剖学的構造の位置決め装置、アクセス装置、ならびにそれらのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満や糖尿病等の様々な健康問題は、人口の増加に影響を及ぼし、追加の病気を引き起こし、患者の健康のリスクを高める可能性がある。肥満症手術等の外科的処置、例えば胃の一部を制限する、及び/または腸の一部及び/または消化(GI)管の他の部分をバイパスすることは、これらの、及び/または他の健康問題を有する特定の患者にとっての選択肢である可能性がある。これらのタイプの処置は、例えば腸のホルモンの変化等の重大な副作用を生じる可能性があり、関連する合併症、組織外傷、吻合部の漏出、感染症、及び/または最初の手術を変更するための追加の手術、例えばバイパス装置の配置の変更であって、これにより、場合によっては患者のリスクが高まる可能性を伴う、侵襲的な外科処置となる可能性がある。
【0003】
したがって、消化管を治療するための、及び/または腸の一部をバイパスするための、より侵襲性の低い医療装置、システム、及び関連する方法が、これらの、及び他の健康問題のいくつかの治療に関連する合併症を低減するために望ましい場合がある。この開示は、これらの問題、または当技術分野の他の問題の一つまたは複数を解決することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、医療装置ロケータは、その遠位端に位置決め装置を含む細長い部材を含んでもよい。位置決め装置は、少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を含んでもよく、少なくとも一つのLEDは、緑色光及び赤色光に対応する波長を有する光を放出するように作動するように構成されてもよい。
【0005】
位置決め装置は、側壁、側壁の近位端にある近位端壁、及び側壁の遠位端にある遠位端壁を含んでもよく、側壁、近位端壁、及び遠位端壁は、空洞を画定してもよく、少なくとも一つのLEDは、空洞内に配置されてもよい。
【0006】
側壁は、透明材料または半透明材料を含んでもよく、近位端壁または遠位端壁のうちの少なくとも一つは、不透明材料または光減衰材料のうちの一つまたは複数を含んでもよい。
【0007】
細長い部材は、細長い部材の近位端から細長い部材の遠位端まで延びる流体管腔を含んでもよい。複数の穴が細長い部材の側壁に配置され、流体管腔に流体接続されてもよい。
真空装置及び流体収容装置が細長い部材に接続されてもよく、真空装置及び流体収容装置はそれぞれ、細長い部材の近位端で流体管腔と流体連絡されてもよく、真空装置は、身体からの流体が複数の穴を通って流体管腔に沿って流体収容装置に流れるように構成され得るように、流体管腔内に吸引を生成するように構成されてもよい。
【0008】
細長い部材は、ガイドワイヤを受け入れるように構成された中央管腔を含んでもよい。
位置決め装置は、細長い部材の遠位端にバルーンを含んでもよく、バルーンは、膨張するように構成されてもよい。
【0009】
バルーンは、透明または半透明の材料を含んでもよく、少なくとも一つのLEDは、細長い部材の表面に配置されてもよく、LEDから放出された光は、バルーンを透過するように構成されてもよい。
【0010】
バルーンは、細長い部材の第一の側に配置されてもよく、少なくとも一つのLEDは、バルーンから細長い部材の円周方向反対側に配置されてもよい。
少なくとも一つのLEDは、複数のLEDを含んでもよい。複数のLEDは、バルーンの周囲に配置されてもよい。
【0011】
細長い部材は、細長い部材の本体及び細長い部材の遠位先端を含んでもよく、細長い部材の遠位先端の近位端は、複数のワイヤによって細長い部材の本体の遠位端に接続されてもよく、少なくとも一つのLEDのうちの一つのLEDは、複数のワイヤからの各ワイヤに取り付けられてもよい。
【0012】
作動ワイヤが細長い部材の遠位先端に取り付けられてもよく、作動ワイヤは、細長い部材の本体に対して近位に移動するように構成されてもよく、LEDは、作動ワイヤが細長い部材の遠位端を細長い部材の本体に対して近位に移動させるときに、半径方向外向きに移動されるように構成されてもよい。
【0013】
少なくとも一つのLEDは、緑色光及び赤色光を交互に放出するように構成されてもよい。
少なくとも一つのLEDは、パルス方式で緑色光及び赤色光を放出するように構成されてもよい。
【0014】
医療装置ロケータを備えたシステムは、撮像装置と、内視鏡の遠位端から延び得るエンドエフェクタと、を有する内視鏡を含んでもよく、撮像装置は、少なくとも一つのLEDから放出された緑色光及び赤色光に対応する波長を有するロケータからの光を検出するように構成されてもよい。
【0015】
別の態様によれば、方法は、内視鏡を体内に挿入し、内視鏡を身体の胃に前進させる工程であって、内視鏡の遠位端は、カメラを含む、工程と、細長い部材を体内に挿入する工程であって、細長い部材の遠位端は、少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を含む、工程と、細長い部材を胃を通して身体の小腸に前進させる工程と、少なくとも一つのLEDを活性化させて第一の波長を有する第一の光を放出する工程と、カメラを用いて第一の光を検出する工程と、少なくとも一つのLEDを活性化させて、第一の波長とは異なる第二の波長を有する第二の光を放出する工程と、カメラを用いて第二の光を検出する工程と、を含んでもよい。
【0016】
この方法は、少なくとも一つのLEDの位置に対応する胃の壁及び小腸の壁に一つまたは複数の切開を生成する工程をさらに含んでもよい。
第一の光は、赤色光に対応する波長を有していてもよく、第二の光は、緑色光に対応する波長を有していてもよい。
【0017】
さらに別の態様によれば、方法は、内視鏡を体内に挿入し、内視鏡を身体の胃に前進させる工程であって、内視鏡の遠位端は、カメラを含む、工程と、細長い部材を体内に挿入する工程であって、細長い部材の遠位端は、少なくとも一つの発光ダイオード(LED)を含む位置決め装置を含む、工程と、細長い部材を胃を通して身体の小腸に前進させる工程と、胃の壁に切開を生成する工程と、胃の壁の切開を通して内視鏡を前進させる工程と、少なくとも一つのLEDを赤色光に活性化させる工程と、カメラを用いて赤色光を検出する工程と、少なくとも一つのLEDを活性化して緑色光を放出する工程と、カメラを用いて緑色光を検出する工程と、小腸の壁に切開を生成する工程と、赤色光の検出及び緑色光の検出の少なくとも一方に基づいて、胃の壁及び小腸の壁を接続するようにステントを配置する工程と、を含んでもよい。少なくとも一つのLEDは、赤色光及び緑色光をパルス方式で放出するように活性化されてもよい。
【0018】
別の態様では、医療装置ロケータは、近位端、遠位端、長手方向軸、及び長手方向軸に沿って延びる長さを有する細長い部材を含んでもよい。位置決め装置は、細長い部材の長さに沿って配置されてもよい。
【0019】
本明細書に記載され、さもなければ本開示の範囲内にある様々な実施形態において、細長い部材は、カテーテルの周りに延在可能な管状シースであってもよい。複数の照明部材が細長い部材の長さに沿って配置されてもよい。位置決め装置は、細長い部材の遠位端に沿って配置された膨張可能部材を含んでもよい。膨張可能部材と流体連絡するように、膨張管腔が細長い部材の長さに沿って延びていてもよい。複数の照明部材は、細長い部材の長さに沿って配置されたLEDを含んでもよく、LEDは、緑色光または赤色光に対応する波長を有する光を放出するように作動可能である。位置決め装置は、医療装置を位置決めするために識別可能な細長い部材に沿った照明部材の末端遠位点にある複数の照明部材の一つまたは複数のLEDを含んでもよい。位置決め装置は、末端遠位点につながる複数の照明部材の一つまたは複数のLEDを含んでもよい。複数のリードが細長い部材に沿って延びる複数の照明部材と電気的に連絡していてもよい。コントローラが細長い部材に沿って延びる複数のリードと電気的に連絡していてもよい。コントローラは、細長い部材の長さに沿って遠位方向に複数の照明部材の一部を選択的に作動させるように構成されてもよい。コントローラは、細長い部材の長さに沿って遠位方向に順次、複数の照明部材の選択された一つまたは複数のLEDを作動させるように構成されてもよい。コントローラは、複数の照明部材のうちの一つの照明部材を除いて、複数の照明部材のうちのすべての照明部材を作動させるように構成されてもよく、一つの照明部材は、遠位方向の照明部材のそれぞれの活性化時に順次変化される。複数の照明部材は、第一の波長を有する細長い部材の近位部分に沿った選択された照明部材と、第二の波長を有する細長い部材の遠位部分に沿った選択された照明部材と、を含んでもよい。複数の照明部材は、細長い部材の長さに沿って遠位方向に周波数間隔を短くして作動可能であってもよい。複数の照明部材は、照明部材の密度が、細長い部材に沿って近位端から末端遠位点に向かって延びる細長い部材の長さに沿って増加するように、細長い部材の長さに沿って配置されてもよい。複数の照明部材は、単一の照明部材として、または複数の照明部材のグループとして、個別に選択及び制御可能であってもよい。複数の照明部材は、細長い部材の長さに沿って約50センチメートルの距離にわたって延びていてもよい。
【0020】
別の態様では、医療装置を位置決めするためのシステムは、近位端、遠位端、長手方向軸、及び長手方向軸に沿って延びる長さを有する細長い部材を含む医療装置ロケータを含んでもよい。位置決め装置は、細長い部材の長さに沿って配置されてもよい。複数の照明部材が細長い部材の長さに沿って配置されてもよい。細長い部材は、第一の体管腔内で伸長可能であってもよい。医療装置は、第二の体管腔内に配置可能であってもよい。医療装置は、医療装置ロケータを用いて、第一の体管腔の組織壁及び体管腔の第二の組織壁を横切って位置決め装置に対向する第二の体管腔の標的位置に配置可能であってもよい。複数の照明部材は、LEDを含んでもよい。コントローラは、複数のLEDに電気的に結合されてもよい。コントローラは、細長い部材の長さに沿って遠位方向に複数のLEDを選択的に作動させるように構成されてもよい。
【0021】
別の態様では、医療装置ロケータを位置決めする方法は、第一の体管腔内に細長い部材を挿入する工程を含んでもよい。細長い部材は、細長い部材の長さに沿って延びる複数のLEDを含んでもよい。位置決め装置は、細長い部材の遠位端に配置されてもよい。コントローラは、細長い部材の長さに沿って遠位方向に複数のLEDを選択的に作動させるように構成されてもよい。作動された複数のLEDは、第一の体管腔内の標的位置に位置決め装置を配置するため、第一の体管腔の壁を横切って視認可能であってもよい。開口部が標的位置で第一の体管腔に向かって第二の体管腔の壁を横切って切断されてもよく、標的位置で第一の体管腔の壁を横切って開口部が切断されてもよい。位置決め装置は、複数のLEDのうちの一つまたは複数のLEDを含んでもよい。作動された複数のLEDの視認は、腹腔内から行われてもよい。
【0022】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を示し、説明とともに、開示された実施形態の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ヒトの消化管系を示す。
図2A】本開示の一態様による、吻合を生成するためのシステム及びプロセスの例示的な実施形態を示す。
図2B】本開示の一態様による、吻合を生成するためのシステム及びプロセスの例示的な実施形態を示す。
図2C】本開示の一態様による、吻合を生成するためのシステム及びプロセスの例示的な実施形態を示す。
図2D】本開示の一態様による、吻合を生成するためのシステム及びプロセスの例示的な実施形態を示す。
図2E】本開示の一態様による、吻合を生成するためのシステム及びプロセスの例示的な実施形態を示す。
図2F】本開示の一態様による、吻合を生成するためのシステム及びプロセスの例示的な実施形態を示す。
図3A】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するためのカテーテル及び位置決め装置の例の斜視図である。
図3B】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するためのカテーテル及び位置決め装置の例の斜視図である。
図3C】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するためのカテーテル及び位置決め装置の例の斜視図である。
図3D】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するためのカテーテル及び位置決め装置の例の斜視図である。
図4A】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図4B】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図5】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図6】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図7】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図8A】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図8B】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図9】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図10A】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図10B】本開示の一態様による、図2A図2Fのシステムで使用するための細長い部材及び位置決め装置の別の例の斜視図である。
図11A】本開示の一態様による、空腸内に延びる細長い部材と、胃の壁を通って腹腔内に細長い部材に向かって延びる器具と、を示す。
図11B】空腸を操作する器具を備えた、図11Aのシステムを示す。
図11C】空腸の壁を通って延びる器具を備えた、図11A及び図11Bのシステムを示す。
図12】本開示の一態様による、その長さに沿って配置された複数のLEDを有する細長い部材を示す。
図13】本開示の一態様による、その長さに沿って配置された複数のLEDを有する細長い部材を示す。
図14】本開示の一態様による、その長さに沿って配置された複数のLEDを有する細長い部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、内視鏡医療処置で使用され得る例示的な医療システムを参照して説明される。しかしながら、この特定の処置への言及は便宜のためにのみ提供されており、開示を制限することを意図するものではないことに留意されたい。当業者は、開示された装置及び関連する使用方法の根底にある概念が、医学的または他の任意の適切な処置で利用され得ることを認識するであろう。本開示は、以下の説明及び添付の図面を参照して理解することができ、ここで同様の要素は同じ参照番号で参照される。
【0025】
可能な限り、同じまたは類似の部分を参照するために、図面を通じて同じまたは類似の参照番号が使用される。「遠位(distal)」という用語は、装置を患者に導入する際にユーザから最も遠い部分を指す。対照的に、「近位(proximal)」という用語は、装置を患者に配置する際にユーザに最も近い部分を指す。本明細書で使用される場合、「含む(comprises、comprising)」という用語、またはそれらの他の任意の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が必ずしもそれらの要素のみを含む必要はなく、明示的にリスト化されていない他の要素、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含をカバーすることを意図している。「例示的(exemplary)」という用語は、「理想的(ideal)」ではなく「例(example)」の意味で使用される。さらに、本明細書で使用される場合、「約(about)」、「ほぼ(approximately)」、及び「実質的に(substantially)」という用語は、記載または暗示された値の+/-10%以内の値の範囲を示す。さらに、構成要素/表面の幾何学的形状を示す用語は、厳密な形状及び近似的な形状を指す。
【0026】
本開示の実施形態は、特定の目的のために(例えば、代謝に影響を与え、体重減少に影響を与えるために)消化管の特定の部分内に医療装置を配置するための、医療装置ロケータ、システム及び方法の実施形態を特に参照して説明されるが、そのような実施形態は、例えば横行結腸、上行結腸または回腸への肛門アクセス、Roux-en-Y法、空腸結腸バイパス法、空腸回腸バイパス法、胃切除術、十二指腸スイッチによる胆膵転換術(BPD-DS)、胃空腸吻合術、結腸部分切除術、及びビーコンを管腔の外部から視認することにより、器具が標的部分の管腔にアクセスすることを可能とするように、体管腔の標的部分を位置決めするためのビーコンを備えた医療装置ロケータを使用することを含む、他の処置を含む様々な異なる目的のために、そのような医療装置の様々な構成を様々な異なる体管腔及び/または通路に配置するために使用され得ることが理解されるべきである。
【0027】
本開示は、体重及び吸収に影響を与えるように消化管に形成される吻合、開口または瘻孔の説明を含むが、本明細書の装置、システム、及び方法は、消化管の他の様々な部分に沿って、または消化管の外側の管腔間で、他の様々なドレナージ及び/または導管の目的のために実施されてもよい。
【0028】
本明細書における「実施形態(an embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「他の実施形態(other embodiments)」等への言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、すべての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らないことを指すことに留意されたい。さらに、そのような語句は必ずしも同じ実施形態を指している訳ではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性がある実施形態に関連して説明される場合、明示的であるかどうかにかかわらず、明確に反対の記載がない限り、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を与えることは当業者の知識の範囲内であろう。すなわち、以下に記載される様々な個々の要素は、特定の組み合わせで明示的に示されていない場合でも、当業者によって理解されるように、他の追加の実施形態を形成するため、または記載される実施形態を補完及び/または充実させるために互いに組み合わせ可能または配置可能であることが企図される。
【0029】
図1を参照すると、消化管系100が示されている。消化管系100は、胃105、小腸125、及び胃105を小腸125に接続する幽門110を含んでもよい。小腸125は、十二指腸115及び空腸120を含み、十二指腸115は、空腸120の近位にあり、十二指腸115及び空腸120の接合部は、小腸125に接続するトライツ130の靭帯の位置によって定義される。本明細書で説明するように、幽門110、十二指腸115、及び/または空腸120の一部をバイパスするために、胃105と空腸120との間に吻合を生成することができる。このようにして、胃内容物(例えば、食物、液体、及び栄養素)が吸収されないか、または胃内容物の吸収が制限され、及び/または胃105から小腸125を通って移動するにつれて胃内容物の吸収が遅延されてもよく、これは患者の体重減少を促進することができ、いくつかの例では、2型糖尿病の解決等、体重に関連する健康状態や他の健康状態の改善が行われる。
【0030】
図2A図2Fを参照すると、本開示に従った内視鏡処置、例えば胃空腸吻合術の例が示されている。第一のステップ200において、鼻腔カテーテル230は患者内に、例えば鼻及び食道を通して、患者の胃105及び/または小腸125に挿入されてもよい。鼻腔カテーテル230の遠位端235は、医療専門家によって、及び/または医療処置に基づいて決定されるように、空腸120への所望の距離で小腸125内に配置されてもよい。鼻腔カテーテル230は、蠕動運動によって、及び/または鼻腔カテーテル230の近位端に関連するハンドルを押すことによって医療専門家によって前進させることができ、これにより、鼻腔カテーテル230を遠位に移動させることができる。本明細書で説明するように、鼻腔カテーテル230は、消化管系100内に鼻腔カテーテル230が配置されるように、ガイドワイヤに沿って摺動するように構成されてもよい。図2Bに示されるように、第二のステップ205において、内視鏡240が胃105に挿入されてもよく、その結果、内視鏡240の遠位端245は、空腸120に位置する鼻腔カテーテル230の遠位端235の近くである胃105の領域、例えばより大きな曲率を有する胃の底部、及び/または胃の洞部分に配置される。
【0031】
内視鏡240の遠位端245が胃105内の適切な位置に配置されると、図2Cに示されるように、ステップ210で胃105の内壁に穿孔または他の切開が行われる。把持機構、例えば内視鏡240の遠位端245にあるか、またはそこから延びるエンドエフェクタ250、及び内視鏡240の遠位端245は、胃の壁に切開がなされた後、胃105の外側に前進される。胃105に対する遠位端245の位置は、本明細書で詳細に説明されるように、鼻腔カテーテル230の遠位端235に位置決め装置を配置することによって、医療専門家によって決定される。空腸120の外壁が把持部材によって把持されると、本明細書で説明するように、切開または他の開口部を空腸120に生成することができる。
【0032】
図2Dに示されるステップ215において、穿孔機構250は、例えば固定ガイドワイヤ255を介して、空腸120内の鼻腔カテーテル230の位置を維持しながら、空腸120に突き刺されてもよい。鼻腔カテーテル230の遠位端235の位置、したがって小腸125の切開の位置は、患者及び/または医療処置に依存し得ることが理解されるであろう。図2Eに示すように、吻合ステント260は、ステップ220で内視鏡240から展開されて、胃105の壁に生成された開口部と空腸120の壁に生成された開口部とを結合し、それによって幽門110と十二指腸115とのバイパス、例えば胃空腸吻合を生成する。
【0033】
図2Fでは、幽門閉塞装置265を幽門に配置して、患者の胃内容物が幽門110を通って移動し、この胃内容物が吻合ステント260を通して方向転換されることを防止することができる。幽門閉塞装置265は、食物、液体、及び/または栄養素が胃105から十二指腸115に流れることを防止するための任意の構成とすることができる。むしろ、胃内容物は、吻合ステント260を介して胃105から空腸120に直接流れてもよく、それにより、栄養素、食物、及び/または液体が十二指腸115内で身体に取り込まれることを制限及び/または防止することができる(この処置には、胃腸吻合処置、胃空腸吻合処置、及び/または胃十二指腸吻合処置が含まれ得るが、これらに限定されない)。これは、体重増加や糖尿病等の特定の病状を制限及び/または予防することができる。医療専門家は、後で幽門閉塞装置265及び/または吻合ステント260を取り除き、それにより、胃105及び/または十二指腸115による食物、液体、及び/または栄養素の吸収を増加させることも可能であることが理解される。吻合装置を配置するための内視鏡処置が本明細書に記載されているが、有用であり得る幽門閉塞装置及び吻合ステント、ステント留置のための追加の処置及び装置の特徴が、2019年3月22日に出願され、2019年10月3日に公開された、「内視鏡処置を実施するためのシステム及び方法」と題された米国特許出願公開第2019/0298401号、及び2019年3月22日に出願され、2019年10月3日に公開された、「幽門閉塞のための装置、システム、及び方法」と題された米国特許出願公開第2019/0298559号の完全な開示に見出すことができる。
【0034】
上記のように、鼻腔カテーテル230の遠位端235は、医療従事者が吻合ステントを展開するための適切な位置を決定することを助けるために空腸120に配置されてもよい。鼻腔カテーテルの遠位端を位置決めするための例示的な位置決め装置が図3Aに示されている。例えば、遠位端は、その近位端でシース、ガイドワイヤ、またはカテーテル305に取り付けられた位置決め装置300を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「細長い部材(elongated member、elongate member)」という用語は、特に明記しない限り、任意のカテーテル(鼻腔カテーテル、口腔カテーテル、肛門カテーテル、または他の内視鏡カテーテルを含む)、シース、シャフト、ガイドワイヤ、ワイヤ、内視鏡、またはその上に位置決め装置300を含む、位置決め装置(それを通って延びる管腔の有無にかかわらず)に取り付けられた任意の部材を含んでもよい。図3Bに示すように、位置決め装置300は、シース、ガイドワイヤ、または細長い部材305の最遠位端の近位に配置され得ることが理解されよう。例えば、細長い部材305は、細長い部材305を近位及び/または遠位に移動させるための構造的支持を提供するため、または医療専門家がガイドワイヤを小腸125内に配置し、細長い部材305をガイドワイヤに沿って摺動させることを可能にするため、ガイドワイヤ等を含んでもよい。位置決め装置300は、接着剤等を用いて細長い部材305の外面に取り付けられてもよく、細長い部材305の最遠位端からの距離、例えば約15cmの距離に配置されてもよい。細長い部材305は、長さが約4メートル以下、例えば約3メートルであり得るが、この長さに限定されない。細長い部材305は、管腔のない細長い部材305の場合、約0.035インチ(約0.0889センチメートル)、または約0.025インチ(約0.0635センチメートル)の直径を有していてもよく、または管腔を含む細長い部材305の場合、約7F(約2.3ミリメートル)、または約5F(約1.7ミリメートル)の直径を有していてもよい。距離及び直径は限定されておらず、患者のサイズ及び/または医療関係者が行っている治療処置に応じて変更されてもよい。
【0035】
細長い部材305はまた、図3Bに示されるように、ループ312を含んでもよく、ここで細長い部材305の遠位端は曲げられているか湾曲しており、細長い部材305の最遠位端がほぼ近位方向を向くようになっている。ループ312は、細長い部材305を遠位に押すことによって、細長い部材305を身体に導入した後に形成されてもよい。例えば、細長い部材305の少なくとも一部は可撓性であるか、または可変の剛性を有していてもよく、これにより、細長い部材305の遠位端は、医療処置中にそれ自体で折り返されて、直線構成からループ312を形成する。細長い部材305が近位に移動されると、ループ312は直線構成に近づくことができる。ループ312は、鈍化された端部を提供してもよく、これは、細長い部材305を操作するときの腸の穿孔の可能性を低減し、位置決め装置300の位置決めの精度を高めることができる。あるいは、ループ312は、ガイドワイヤ内またはガイドワイヤの周りに形成されてもよく、細長い部材305は、本明細書で説明されるように、管腔を介してガイドワイヤに沿って延びていてもよい。電気を伝導するための導電性ワイヤは、細長い部材305の管腔内に配置され、及び/または細長い部材305の外面上に配置され得ることが理解されよう。あるいは、導電性ワイヤは、細長い部材305の壁内、及び/または多層の細長い部材305の壁の間においてカプセル化されてもよい。
【0036】
図3Aに示される例によれば、位置決め装置300は、一つまたは複数の発光ダイオード(LED)310を含んでもよい。位置決め装置300は、側壁302、遠位端壁304、及び近位端壁306を含んでもよい。位置決め装置300は、例えばカプセルであってもよく、楕円体、直方体、または球体を含むがこれらに限定されない任意の形状をとってもよい。側壁302は、図3Aに示されるように、円筒形を有する単一の壁であってもよく、または側壁302は、例えば長方形のプリズムを形成する複数の側壁を含んでもよい。内部空間308は、側壁302、遠位端壁304、及び近位端壁306の間に形成されてもよい。空間308は、流体、大気、及び/または不活性ガスまたは他のガスを含んでもよい。例えば、位置決め装置300は、電極が内部空間308内、及び内部空間308の両端に提供され、ネオンガス等のガスが内部空間308内に配置される、代替の発光機能を含んでもよい。
【0037】
一例によれば、LED310が内部空間308内に配置されてもよい。LED310はそれぞれ、任意の形状、例えば長方形であってもよいが、これに限定されない。追加的に、または代替的に、いくつかのLED310は、三角形(例えば、隣接する各LED310に対して120度の角度を付けられた三つのLED310)、立方体(例えば、隣接する各LED310に対して90度の角度を付けられた四つのLED310)を含む任意の形状に配置されてもよく、及び/または各LED310が異なる方向を向くようにインライン配向を形成してもよい。LED310から放出された光は、透明または半透明であり得る側壁302を介して位置決め装置300の内部空間308から放出されてもよい。一例によれば、遠位端壁304または近位端壁306の一方または両方は、不透明、またはそうでなければ光減衰材料を含むか、またはこれらから形成されてもよく、これにより、LED310から放出された光が側壁302を通して集束されて、位置決め装置300を位置決めする際の医療専門家の助けとなり得る。本明細書で詳細に説明されるように、LED310からの各ダイオードは、本明細書で説明されるように、可視光の一つまたは複数の波長を放出することができる。LED310の数は限定されない。一例として、単一の赤色LED310及び単一の緑色LED310が、細長い部材305の第一の側にあってもよく、単一の赤色LED310及び単一の緑色LED310が、シースまたはガイドワイヤ305の円周方向において反対側に配置されてもよい。別の例として、一つまたは複数の赤色LED310が、細長い部材305の第一の側にあってもよく、一つまたは複数の緑色LED310が、細長い部材305の円周方向において反対側にあってもよい。あるいは、各色の一つのLED、または、例えば各色の2~10以上のLED310があってもよい。代替的に、または追加的に、LED310、及び本明細書に記載の任意のLEDは、複数の列、例えば細長い部材305及び位置決め装置300の長手方向軸に平行な、または実質的に平行な二つ以上の列で配置されてもよく、細長い部材305の円周全体の周りに配置されてもよく、または細長い部材305の円周の一部の周りにのみ延びていてもよい。
【0038】
あるいは、位置決め装置300は、図3Bに示されるように、細長い部材305上に配置された一つまたは複数のLED310を含んでもよい。図3Bは、二つのLED310の一つの配列を示しており、これらのLED310のそれぞれの色は、同じであっても異なっていてもよく、例えば一つの緑色LED310及び一つの赤色LED310であってもよい。さらなる例として、LED310は、1~20のLED、または4~6列のLEDの配列状に配置されてもよく、各列は、細長い部材305及び位置決め装置300の長手方向軸に平行である。列は、細長い部材305の周りに円周方向に配置されてもよい。あるいは、LED310は、例えばLED310から放出される光を位置決め装置300の片側のみに集束させるために、細長い部材305の片側のみに配置されてもよい。LED310は、あるパターンで点滅されてもよく、例えばオンオフされてもよい。例えば、LED310は、約1ヘルツで点滅されてもよく、デューティサイクルは約10~15%であり、電流は約150mAである。
【0039】
電気絶縁熱収縮または接着剤等の硬化物質等の被覆を、側壁302、遠位端壁304、及び近位端壁306の上に配置するか、または被覆がLED310の全部または一部を覆うようにこれらの壁を完全に置き換えてもよい。この被覆は、LED310のみの位置に限定されず、細長い部材305へのLED310の十分な接着を確実にするため、細長い部材305に沿って遠位及び/または近位方向に延びていてもよい。被覆は、LED310からの光がそれを通って透過され得るように、透明または半透明であってもよい。
【0040】
各LED310は、赤色光及び/または緑色光を放出することができる。赤色光は人体組織による吸収が比較的少ないため散乱するが、人体組織への高い透過性を有するため、緑色光よりも遠くから視認しやすい。緑色光は人間の組織によって比較的多く吸収されるため、赤色光よりも透過率が低くなる。しかしながら、緑色光は体内での散乱が少ないため、赤色光よりも容易に位置決めされる。さらに、医療関係者の目及び内視鏡の画像センサ(例えば、CMOS画像センサ等)は一般に、赤色光の波長よりも緑色光の波長に対してより敏感であり、これは、LED310の特定の位置の決定をさらに改善することができる。例えば、LED310(例えば、第一のLED310)は、位置決め装置300が配置されているおおよその領域を決定するために赤色光を放出するように制御されてもよく、LED310(例えば、第二のLED310)は、より具体的に位置決め装置300の正確な位置を特定するために緑色光を放出してもよい。したがって、赤色光は、医療装置を識別して所望の位置に向けて配置するための粗いロケータまたは第一の調整であり、緑色光は、医療装置を識別して所望の位置に配置するための微調整または第二の調整であってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザが概して医療装置を所望のように配置したときに、赤色光を手動で(または自動的に)緑色光に切り替えてもよい。いくつかの実施形態では、赤色光及び緑色光は、事前に選択された間隔で交互となっていてもよく、これによりユーザは、赤色光及び緑色光が交互となっているため、医療装置を所望の位置に向けることができる。追加的に、または代替的に、LED310は、赤色光及び緑色光を同時に生成することができ、例えば第一のLED310/光の配列は赤色光を生成し、第二のLED310/光の配列は緑色光を生成してもよい。LED310は、これらの着色された光に限定されず、白色光を含むがこれに限定されない他の光を含み得ることが理解されよう。
【0041】
図3Aを参照すると、シース、ガイドワイヤ、または細長い部材305の遠位端は、近位端壁306の開口部を通して延びていてもよく、その後、開口部は細長い部材305の周りに密封されてもよい。細長い部材305は、細長い部材305の近位端にある電源(例えば、発電機、バッテリーパック、または同等のエネルギー源)からLED310に電気エネルギーを伝達するため、及び各LED310に対して独立した制御を提供し、これにより光透過の効率を向上させ、LED310の光からの熱及び身体への熱に関連するあらゆる悪影響を低減することができるようにするため、複数のワイヤ、例えば二つの正極ワイヤ(各LED310のアノード端子に対して一つの正極ワイヤ)及び共通のカソード戻り端子ワイヤを含んでもよい。例えば、ワイヤは、細長い部材305の近位端から遠位端まで延びる細長い部材305の管腔または層に含まれてもよく、及び/またはワイヤは、細長い部材305の外面に沿って、近位端から遠位端まで延びていてもよい。ワイヤはまた、生体適合性ポリマーで絶縁されており、覆われていないままであるか、またはより高い剛性を有する部材に取り付けられてもよい。この場合、ワイヤは「ストリング上のピル(pill-on-a-string)」を形成し、蠕動を介して所望の位置に配置されてもよい。
【0042】
別の例によれば、位置決め装置300は、LED310の代わりに分散器を含んでもよい。細長い部材305は、プラスチックまたはガラスの拡散ライトパイプを含んでもよい(細長い部材305は、拡散ライトパイプであってもよく、またはライトパイプは、LED310に電気を伝導する電線に取って代わってもよい)。細長い部材305は、光を細長い部材305の遠位端に前進させるための反射面を含んでもよい。例えば、光は、光源を使用して細長い部材305の近位端で結合されてもよい。光が位置決め装置300に到達すると、分散器は、光を位置決め装置300から一つまたは複数の方向に分散させ、それによって位置決め装置300を照らすことができる。医療専門家は、本明細書に記載されている任意の方法で光源を活性化させることができる。
【0043】
図3Dに示すように、ガイドワイヤ、シース、または細長い部材305´上の位置決め装置300´の別の例が示されている。一つまたは複数のLED310´を含む位置決め装置300´は、ガイドワイヤ300´の遠位先端315´の約15cm近位に配置されてもよい。遠位先端315´は、丸みを帯びているか、または別の方法で鈍化された端部を有しており、これにより、挿入中に食道経路に加えられる害を最小限に抑えることができる。本明細書に記載されるように、電源からLED310´に電気を伝達するためのワイヤは、ガイドワイヤ300´上またはガイドワイヤ300´内に配置されてもよい。細長い部材305´は、約0.035インチ(約0.0889センチメートル)、または約0.025インチ(約0.0635センチメートル)の直径を有していてもよい。位置決め装置300´は、細長い部材305´に沿った任意の位置に配置され得ることが理解されよう。また、ガイドワイヤ300´を患者の体内に挿入し、本明細書に記載された任意の方法で小腸125まで前進させ得ることも理解されよう。
【0044】
図3Cに示すように、シース、ガイドワイヤ、または細長い部材305は、患者に挿入されたときに位置決め装置300が移動した距離を示すためのマーカー、例えば幽門マーカー305a、305b、及び305cと、歯マーカー305a´、305b´、及び305c´と、を含んでもよい。例えば、第一の幽門マーカー305aは、位置決め装置300から約155cm近位の細長い部材305上に配置されてもよく、第二の幽門マーカー305bは、位置決め装置300から約170cm近位の細長い部材305上に配置されてもよく、第三の幽門マーカー305cは、位置決め装置300から約185cm近位に配置されてもよい。追加的に、または代替的に、第一の歯マーカー305a´は、位置決め装置300から約250cm近位の細長い部材305上に配置されてもよく、第二の歯マーカー305b´は、位置決め装置300から約265cm近位の細長い部材305上に配置されてもよく、第三の歯マーカー305c´は、位置決め装置300から約280cm近位に配置されてもよい。マーカーは、患者の解剖学的構造に関して位置決め装置300のおおよその位置を支援し、及び/または示すことができる。例えば、本明細書で説明するように、位置決め装置300は、第一の歯マーカー305a´が患者の歯と整列されたときに位置決め装置300が患者の中に約250cm移動されたことを医療専門家が理解するであろうように、口、食道経路、及び/または別の経皮消化管アクセスポイントを介して導入することができる。同様に、第二の歯マーカー305b´及び第三の歯マーカー305c´が患者の歯と整列されると、医療専門家は、位置決め装置300がそれぞれ約265cm及び280cm患者内に移動されたことを理解するであろう。しかしながら、場合によっては、細長い部材305が胃105内でループ状になる場合があり、歯マーカー305a´、305b´、及び305c´が正確な距離結果を提供できない場合がある。したがって、医療専門家は、内視鏡240の遠位端にある画像センサを使用して、幽門マーカー305a、305b、及び305cによって、位置決め装置300から小腸125までの距離を決定することができる。例えば、画像センサを使用して決定されるように、第一の幽門マーカー305aが幽門110と整列されるとき、医療専門家は、位置決め装置300が幽門110から小腸125に約155cm伸長されたと判断することができる。同様に、第二の幽門マーカー305b及び第三の幽門マーカー305cが幽門110と整列されるとき、医療専門家は、位置決め装置300が幽門110から小腸125にそれぞれ約170cm及び185cm伸長されたと判断することができる。
【0045】
代替的に、または追加的に、細長い部材305は、細長い部材305の外面が、位置決め装置300及び第一の幽門マーカー305a(または位置決め装置300から約155cmの位置)の間の第一の色と、第一の幽門マーカー305a及び第二の幽門マーカー305b(または位置決め装置300から約170cmの位置)の間の外面上の第二の色と、第二の幽門マーカー305b及び第三の幽門マーカー305c(または位置決め装置300から約185cmの位置)の間の外面上の第三の色と、第三の幽門マーカー305cから第一の歯マーカー305a´(または位置決め装置300から約250cmの位置)までの外面上の第四の色と、を含み得るように、以下、細長い部材305上のすべての位置マーカーについて同様の方法で色分けされてもよい。隣接していない領域、例えば位置決め装置300及び第一の幽門マーカー305aの間の領域と、第二の幽門マーカー305b及び第三の幽門マーカー305cの間の領域とは、同じ色であってもよいことが理解されよう。
【0046】
マーカー(及び/または色の遷移)の配置については、本明細書に記載されている位置に限定されない。例えば、マーカーは、患者の身体的特徴に基づいて細長い部材305に沿って配置されてもよく、例えばマーカーは、小さい患者よりも背の高い患者で使用するために、細長い部材305に沿ってさらに離間して配置されてもよく、及び/または治療される医学的問題に基づいて細長い部材305に沿って配置されてもよく、例えば病的肥満患者は、軽度から中等度の肥満を有する患者よりも空腸120においてより遠位の位置に位置決め装置300を配置するために、細長い部材305に沿ってさらに離間して配置されたマーカーを必要とする場合がある。
【0047】
幽門マーカー305a~305c及び歯マーカー305a´~305c´は、任意の識別要素、例えば色付きのマーキング、細長い部材305の隆起した領域、デカール、位置決め装置300からの距離を識別するテキスト、一連の円周方向の縞模様等であってもよいことが理解されよう。幽門マーカー305a~305c及び歯マーカー305a´~305c´はそれぞれ、複数のマーキングを含んでもよく、例えば第一の幽門マーカー305aは、細長い部材305の同じ領域に複数の同じ色分けされたマーカーを含んでもよい。このように、細長い部材305は、すべてのサイズの患者及び/またはすべての医療処置での使用に適していてもよい。幽門マーカー305a~305c及び歯マーカー305a´~305c´にはまた、様々な医療用画像モダリティによって識別される特性が含まれてもよい。例えば、幽門マーカー305a~305c及び/または歯マーカー305a´~305c´は、既知の医療用画像技術を使用して医療処置中に各マーカーの位置を決定できるように、放射線不透過性であってもよい。細長い部材305は、例えば細長い部材305が患者内に配置されたときに細長い部材305を移動させるために、細長い部材305を引っ張る及び/または押すのに適した強度を有していてもよいが、ガイドワイヤを使用して位置決め装置300を体内に配置してもよく、ガイドワイヤ及び/または細長い部材305は、これらのマーカーを含んでいてもよい。
【0048】
次に、位置決め装置300を配置及び操作するための方法について説明する。内視鏡処置は、図2A図2Fを参照して本明細書で論じられるように実施することができる。処置の前に、位置決め装置300を患者に経口的に投与し、飲み込ませてもよい。細長い部材305の近位端は、患者の鼻を通って延びていてもよい。一例によれば、位置決め装置300は、蠕動を介して消化管に沿って前進されてもよい。そのような例(蠕動を介して飲み込まれて移動された位置決め装置300)では、位置決め装置300は、提案される処置の数時間前に鼻腔を通して供給されてもよい。あるいは、比較的高い押し込み性を有する細長い部材305の場合、細長い部材305/位置決め装置300は、内視鏡、例えば内視鏡240を使用して内視鏡的に配置することができる。
【0049】
適切な配置を支援するために、位置決め装置300が消化管内に適切に配置されると、提案される処置を開始することができる。例えば、画像モダリティ(例えば、撮像装置及び/または放射線不透過性装置を位置特定するための装置)を使用して、幽門マーカー305a~305cが幽門に適切に配置される時を決定することができる。代替的に、または追加的に、歯マーカー305a´~305c´が患者の口/歯に適切に配置されたときに処置を開始することができる。これらのマーカーの適切な位置は、位置決め装置300が空腸120内の適切な位置に配置されていることを医療専門家に示すことができる。あるいは、より高い押し込み性を有する細長い部材305の場合、これらのマーカーが適切に配置されるまで、例えば幽門マーカー305a~305cが幽門に配置されるまで、及び/または歯マーカー305a´~305c´が口に配置されるまで、細長い部材305を押すことができる。
【0050】
細長い部材305は、位置決め装置300を患者に導入する前、最中、または後に電源に接続されてもよい。LED310は、処置中の任意の時点で活性化されてもよい。あるいは、LED310は、一つまたは複数のマーカー305a~305cによって示されるように、位置決め装置300が患者内に特定の距離だけ前進されたときに活性化されてもよい。医療専門家は、胃105の洞等の胃105の壁に切開を生成し、その切開を通して内視鏡240を前進させてもよい。続いて、医療専門家は、内視鏡240の遠位端245にあるカメラまたは他の撮像装置を使用して腹腔を視覚化して、空腸120内の位置決め装置300の位置を決定することができる。例えば、腹腔の画像を、例えば内視鏡240のカメラに関連付けられたモニター上で見た医療専門家は、空腸120内の位置決め装置300の位置を、空腸120の壁を透過したLED310からの光の位置に基づいて決定することができる。位置決め装置300は、本明細書に記載のステップ215及び220で空腸120の壁に穿孔または切開を生成するための適切な位置を医療専門家に提供することができる。このようにして、吻合装置を適切に配置することができる。あるいは、医療専門家は、空腸120の壁及び胃105の壁の両方を通して位置決め装置300を視認することができ、これは、医療専門家が胃105の壁及び胃105の壁の切開の両方で切開を行う場所を決定することの助けとなり得る。
【0051】
LED310は、パターンに従って活性化されてもよい。例えば、一つまたは複数の赤色LED310は、位置決め装置300が経口投与される前または後に活性化されてもよく、連続的に点灯されるか、またはパルス化されてもよい。医療専門家は、内視鏡240の遠位端245にあるカメラによって赤色光がいつ位置決めされるかを決定することができる。次に、医療専門家は、赤色光を非活性化し、緑色光を活性化させてもよい。緑色光も同様に連続的に点灯されるか、またはパルス化されてもよいことが理解されよう。さらに、緑色光の活性化及び赤色光の非活性化は、カメラに関連付けられたコントローラによって自動的に実施されてもよい。緑色光が活性化された後、医療専門家は、内視鏡240の遠位端245をさらに操作して、空腸120に切開を生成するための適切な位置にエンドエフェクタ250を配置することができる。代替の実施形態は、処置の開始時に赤色光及び緑色光の両方を活性化すること、及び/または処置中に一方または両方の光をパルス化すること、及び/または位置決め装置300がカメラによって位置決めされたときに赤色光を非活性化することを含んでもよい。一つまたは複数の白色光もまた、処置を通じて活性化されてもよく、これは、胃105及び空腸120のうちの一つまたは複数に切開が行われると、医療専門家が位置決め装置300をよりよく位置決めすることの助けとなり得る。
【0052】
別の例による鼻腔カテーテル430(鼻腔カテーテルは、本明細書に記載の任意のカテーテル、シース、またはワイヤを含んでもよい)が、図4A及び図4Bに示されている。一例によれば、鼻腔カテーテル430は、近位端から延びる管腔440を含んでもよく、その遠位端に取り付けられた位置決め装置300等の位置決め装置を含んでもよい。例えば、鼻腔カテーテル430の外側シース/チューブ431は、管腔440を画定することができる。管腔440は、図3A図3Cに関連して説明された細長い部材305を含んでもよい。しかしながら、シース431は、距離を決定するためのマーカーを含んでもよい。外側シース431は、蠕動等の身体機能に依存することなく、患者の体内で操作され、例えば押し引きされるのに十分な剛性を有する材料を含んでもよく、鼻腔カテーテル430を空腸120内の標的位置に移動させることができる。外側シース431は、鼻腔カテーテル430が患者の体内に挿入されたときに管腔440と消化管経路の内部とを流体接続することが可能な穴432を含んでもよい。あるいは、穴432は、細長い部材305の壁に直接形成されてもよく、流体が細長い部材305の中央管腔内を通過することを可能にする(例えば流体は、隣接するコーティングされた電線を通過してもよい)。穴432は、シース431の遠位端にのみ提供されてもよく、及び/または穴432はまた、鼻腔カテーテル430の中間及び/または近位の長さに沿って配置されてもよい。穴432は、シース431の実質的に同じ円周側に沿って配置されてもよく、及び/またはシース431の長さに沿った複数の位置でシース431の円周の周りに配置されてもよい。穴の直径は、約0.020インチ~0.040インチ(約0.0508センチメートル~0.1016センチメートル)、または約0.025インチ~0.030インチ(約0.0635センチメートル~0.0762センチメートル)である。穴432は、消化管経路、例えば胃105及び/または小腸125を通気することを支援し、それにより、消化管経路から吹き入れられたガス及び/または自然発生ガスを放出することができる。これらのガスは、胃105及び/または小腸125(空腸120を含む)の壁を拡張させる可能性があり、これにより、LED310からの光が位置決め装置300から空腸120の側壁まで移動しなければならない距離が増加されて、空腸120から腹腔に通過し、したがって内視鏡カメラによって視認可能となる光の量が減少され得る。この距離の増加により、腹腔から空腸120内の位置決め装置300の位置を特定することが困難となる可能性がある。穴432は、胃105及び/または小腸125に導入され、及び/またはこれらから生成されるガスを排出することができるため、消化管壁の拡張を低減し、空腸120内に配置された位置決め装置300からの腹腔及び/または胃105内の光の視覚化を改善することができる。真空装置を管腔440の近位端に取り付けてガスを能動的に除去することができ、及び/または収容装置を管腔の近位端に取り付けて消化管経路から除去されたガスを収容することができることが理解されよう。
【0053】
次に、鼻腔カテーテル430を位置決め及び操作するための方法について説明する。鼻腔カテーテル430は、本明細書に記載の任意の方法で身体に導入することができる。例えば、鼻腔カテーテル430は、口または鼻を介して導入されてもよく、鼻腔カテーテル430の近位端を操作し、及び/または押すことによって、または蠕動を介して小腸に前進されてもよい。鼻腔カテーテル430が消化管経路に沿って移動されるとき、ガスは能動的に、または受動的に穴432に入り、管腔440に沿って近位に移動して近位出口に到達してもよい。例えば、真空または他のポンプが鼻腔カテーテル430の近位端で管腔440に接続されてもよく、真空は、消化管経路からガスを能動的に吸引してもよい。あるいは、これらのガスは、管腔440の近位出口に沿って受動的に移動されてもよい。例えば、消化管経路にガスが蓄積されると、大気圧よりも大きな圧力上昇が生じる場合がある。消化管経路と患者の身体の外側を取り巻く大気との間の圧力差により、これらのガスは、管腔440に沿って穴432に流入し、管腔440の近位開口部から流出することができる。収容装置を管腔440の近位開口部に取り付けて、身体からのガスが処置室に放出されることを防止し得ることが理解されよう。吻合処置の間、ガスが連続的に除去されてもよいことも理解されよう。
【0054】
別の例によれば、図5に示されるように、位置決め装置500は、カテーテルまたはシース502(シース502は、本明細書に記載の任意のカテーテルまたは鼻腔カテーテルを含んでもよい)に取り付けられてもよい。シース502は、ガイドワイヤ505が延び得るガイドワイヤ管腔504を含んでもよく、シース502がガイドワイヤ505に沿って移動することを可能にする。位置決め装置500は、シース502の遠位端に配置されてもよい。例えば、位置決め装置500はシース502の外面上に配置されてもよく、図5に示されるように、シース502の外面から突出していてもよく、及び/またはシース502に取り付けられた別個のチューブに提供されてもよい。あるいは、位置決め装置500は、シース502の遠位端に設けられた、例えば位置決め装置300等のカプセルを含んでもよく、ガイドワイヤ505は、カプセルの中心の管腔を通って延在して、シース502がガイドワイヤ505に沿って摺動することを可能にし得る。一例によれば、位置決め装置500は、シース502に取り外し可能に取り付けられてもよい。このようにして、異なる位置決め装置500、例えば異なる数のLED510及び/または異なる色のLED510を含む位置決め装置500が、実施される処置及び/または患者のサイズまたは解剖学的構造に従って交換されてもよい。シース502の剛性の増加、及びガイドワイヤ505上のその追跡可能性は、位置決め装置500の移動及び操作性を向上し、それによって医療処置を向上させることができる。あるいは、位置決め装置500は、内視鏡の外面に沿って、またはエンドエフェクタ、例えば一対の鉗子によって内視鏡の管腔を通して、小腸125内に引っ張られてもよい。
【0055】
次に、位置決め装置500を導入する方法について説明する。ガイドワイヤ505は、例えば口等の自然の開口部を介して導入され、消化管系に沿って前進されてもよい。続いて、シース502は、ガイドワイヤ管腔504を介してガイドワイヤ505の周りにシース502を配置することによって、自然の開口部を介して挿入される。シース502は、本明細書に記載の任意の方法で消化管系に沿って前進されてもよい。さらに、LED510は、本明細書に記載の任意の方法で活性化することができる。
【0056】
別の例によれば、位置決め装置600は、中央管腔604を有するシース602(シースは、本明細書に記載の任意のカテーテルまたは鼻腔カテーテルを含んでもよい)の遠位端に取り付けられてもよい。シース602は、図6に示されるように、本明細書に記載される他のカテーテルよりも短く、LED610を支持するようにサイズ設定されていてもよい。例えば、シース602は、LED610を支持するのに十分な長さしか有していなくてもよく、約20cm、約10cm、または約5cmの長さであってもよい。プッシュ部材606は、シース602の近位端に取り付けられて、ガイドワイヤ605に沿ってシース602を移動させることができる。シース602の縮小されたサイズにより、シース602、プッシュ部材606、及びガイドワイヤ605の操作性が改善され、それにより、位置決め装置600が患者内の曲がりくねった経路を移動し、及び/または消化管経路内の閉塞または狭窄をナビゲートすることを可能にする。さらに、これは、ガイドワイヤ605からの位置決め装置600の迅速な交換を可能にすることができ、これにより、単一の医療専門家がガイドワイヤ605及び位置決め装置600を操作することを可能にし得る。プッシュ部材606は、医療処置での使用に適したワイヤであってもよく、そのような使用に十分な任意の材料を含んでもよい。プッシュ部材606は、ガイドワイヤ605に沿って位置決め装置600を受け入れて移動させるのに適した剛性を有していてもよい。LED610が電力を受け取ることができるように、プッシュ部材606によって電線を支持し得ることが理解されよう。
【0057】
位置決め装置600は、本明細書に記載の任意の方法で展開することができる。例えば、ガイドワイヤ605は、ガイドワイヤ605に関して説明されたように導入することができる。続いて、シース602は、ガイドワイヤ管腔604を介してガイドワイヤ605上に配置されてもよい。次に、プッシュ部材606は、(プッシュ部材606の近位端に加えられる力を介して)ガイドワイヤ605に沿ってシース602を前進させることができる。LED610は、医療専門家が胃105に配置された内視鏡カメラを使用して位置決め装置600を配置することができるように、本明細書に記載の任意の方法で活性化されてもよい。
【0058】
別の例によれば、位置決め装置700は、シース702の遠位端に取り付けられ、及び/またはそれを取り囲むことができる(シースは、本明細書に記載の任意のカテーテルまたは鼻腔カテーテルを含んでもよい)。位置決め装置700は、図7に示されるように、LED710を取り囲み得る拡張可能なバルーン704を含んでもよい。バルーン704は、LED710からの光がバルーン704を通して空腸120の壁に透過され得るように、透明または半透明の材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリアミドコポリマー(PEBA)ラテックス等)を含んでもよい。LED710は、任意の数及び/または任意の色であってもよく、本明細書の実施形態のいずれかに記載された任意の方法でシース702上に配置されてもよい。シース702は、ガイドワイヤ705を受け入れることができるとともに、本明細書に記載されるようにシース702がガイドワイヤ705上で近位及び遠位に摺動することを可能にし得る、中央管腔706を含んでもよい。流体管腔708(実線で示される)は、バルーン704の内部と流体連絡するように、シース702の近位端から出口712までシース702を通って延びていてもよい。管腔708は、流体がそれを通って伝達されてバルーン704を膨張させることを可能にし得る。例えば、流体収容装置が流体管腔708の近位端に取り付けられてもよく、流体は、流体管腔708を介してバルーン704に導入され、またはバルーン704から除去されてもよい。
【0059】
次に、位置決め装置700を展開する方法について説明する。バルーン704を含む位置決め装置700は、本明細書に記載の方法のいずれかに従って、標的位置に前進させることができる。次に、バルーン704が膨張される。バルーン704の膨張は、バルーン704を空腸120の壁に接触させ、それにより、バルーン704の位置を空腸120内で固定することができる。バルーン704と空腸120の壁との間の接触により、位置決め装置700と空腸120の壁との間の空気及び/または流体のギャップを排除することができ、これは、LED710から空腸120の壁への、及び/または空腸120の壁を通る光の透過率を増大させ、位置決め装置700の視覚化を向上させることができる。LED710は、本明細書に記載されるような異なる色の光、例えば赤及び/または緑色の光を含んでもよく、異なる色の光は、本明細書に記載される任意の方法で様々なパターンで活性化され得ることが理解される。位置決め装置700が医療専門家によって配置されて、空腸120の壁に切開が行われると、バルーン704は収縮され、シース702は身体から取り除かれてもよい。
【0060】
図8A及び図8Bは、位置決め装置800の別の例を示している。位置決め装置800は、シース802の遠位端の第一の側にバルーン804を含んでもよく(シース802は、本明細書に記載の任意のカテーテルまたは鼻腔カテーテルを含んでもよい)、バルーン804からシース802の円周方向反対側にLED810を含んでもよい。バルーン804は、シース802の円周の一部のみの周りに延びていてもよい。LED810の位置はこれに限定されず、位置決め装置800の視認性を高めるために、シース802の円周の周りに延びていてもよい。シース802は、中央管腔806を含んでもよく、(管腔806内の)ガイドワイヤ805上で前進されて、空腸120の壁に隣接して位置決め装置800を配置することができる。バルーン804は、図8Bに示されるように、シース702の流体管腔708のような流体管腔808(実線で示される)を使用して膨張されてもよい。例えば、流体管腔808は、近位端で、膨張流体を導入または除去するための流体収容装置に接続されてもよい。バルーン804を膨張させると、シース802の反対側のバルーン804の側面が空腸120の全体に接触し、シース802の遠位端が空腸120の対向する壁に向かって押しつけられ得る。この膨張により、LED810が空腸120の壁に押しつけられるか、または付勢されて、位置決め装置800と空腸120の壁との間の空気及び/または流体のギャップを排除することができる。これは、次に、LED810から空腸120の壁への、及び/または空腸120の壁を通る光の透過率を増大させ、胃105内の撮像装置による位置決め装置800の視覚化を向上させることができる。位置決め装置800は、位置決め装置700と同様に展開することができる。
【0061】
位置決め装置900の別の例が図9に示されている。位置決め装置700及び800と同様に、位置決め装置900は、シース902の遠位端にバルーン904を含んでもよく(シースは、本明細書に記載の任意のカテーテルまたは鼻腔カテーテルを含んでもよい)、空腸120の壁に対してLED910を配置するために膨張されてもよい。バルーン904は、シース902の遠位端の全体を取り囲んでもよい。位置決め装置700及び800と同様に、シース902は、中央管腔906を含んでもよい。シース902の構成は、シース902がガイドワイヤ905(管腔906内に配置されている)に沿って空腸120内の標的部位まで前進することを可能にし得る。位置決め装置900が標的部位に配置されると、バルーン904は、近位端で膨張流体を含む収容装置に取り付けられた流体管腔908等を使用する等、本明細書に記載の任意の方法で膨張されてもよい。LED910は、バルーン904の外面に配置されてもよい。LED910に電流/電力を提供するワイヤ(図示せず)は、シース902を通ってバルーン904の内部に、またはバルーン904の表面に沿って延びており、LED910に電気的に接続されていてもよい。バルーン904の膨張により、LED910を空腸120の壁に押しつけるか、または付勢することができる。LED910は、バルーン904の周囲に赤色光と緑色光とで交互に配置されてもよく、またはLED910は、バルーン904の周囲に同様に配置された緑色光の配列に隣接して、バルーン904の周囲に円周方向に配置された赤色光の配列を含んでもよい。LED910は、バルーン904の長手方向軸に沿って中心に配置されてもよく、バルーン904の外周の周りに等間隔に配置されてもよい。あるいは、LED910は、バルーン904の円周方向反対側のバルーン904の外面上に配置されてもよく、これにより、LED910の視覚化を向上させることができる。LED910の赤及び緑色の光は、本明細書に記載される任意の方法で、独立して、または一緒に作動され得ることが理解されよう。
【0062】
位置決め装置1000の別の例が、図10A及び図10Bに示されている。本明細書に記載の位置決め装置と同様に、位置決め装置1000は、シース1002の遠位端に配置されてもよい(シースは、本明細書に記載の任意のカテーテルまたは鼻腔カテーテルを含んでもよい)。シース1002は、ガイドワイヤ1005が延び得る中央管腔1006を含んでもよい。シース1002は、複数のワイヤ1002cによってシース本体1002bに接続された遠位先端1002aを含んでもよい。遠位先端1002aはリング状であってもよく、ガイドワイヤ1005上を追跡するための管腔(シース本体1002bからの中央管腔1006の延長であってもよい)を含んでもよい。遠位先端1002aは、シース本体1002bと同じまたは異なる外周を有していてもよい。LED1010は、複数のワイヤ1002cのそれぞれの上に配置されてもよい。例えば、複数のワイヤ1002cはそれぞれ、緑色LED1010及び赤色LED1010を含んでもよく、あるいは複数の緑色及び赤色LED1010を含んでもよい。あるいは、複数のワイヤ1002cはそれぞれ、一つのLED1010のみを含んでもよく、LED1010の色は、シース1002の円周の周りで交互となっていてもよい。あるいは、各LED1010は、各ワイヤ1002cの近位端をそのそれぞれの遠位端に接続してもよい。ワイヤ1002cは、LED1010に電流/電力を提供することができる。テンションワイヤ1003は、遠位先端1002aに取り付けられ、そこからシース1002の近位端まで延びていてもよい。ワイヤ1003は、管腔1006内で並進されてもよく、遠位先端1002aを近位方向及び遠位方向に移動させるように作動されてもよい。例えば、テンションワイヤ1003が近位に移動されると、遠位先端1002aも近位方向に移動され、複数のワイヤ1002cがガイドワイヤ1005から半径方向外向きに曲げられる。このようにして、複数のワイヤ1002c上に配置されたLED1010は、空腸120の壁に向かって移動され、空腸120の壁に向かって押しつけられてもよい。
【0063】
次に、位置決め装置1000を展開する方法について説明する。位置決め装置1000は、本明細書に記載の任意の方法で標的位置に前進されてもよいことが理解されよう。位置決め装置1000が空腸120内に配置されると、医療専門家は、本体1002bの固定位置を維持しながら、遠位先端1002aを近位に移動させるようにテンションワイヤ1003を制御してもよい(例えば、ワイヤ1003を近位に引っ張ってもよい)。この動きにより、LED1010はシース1002の長手方向軸から離れるように移動し、LED1010を空腸120の壁に対して押しつけるか、または付勢させる。次に、位置決め装置1000を配置し、胃105及び空腸120の壁に、本明細書に記載の任意の方法で切開を生成してもよい。切開が形成された後、医療専門家は、テンションワイヤ1003を制御して(例えば、ワイヤ1003を遠位に押して)、本体1002bの固定位置を維持しながら遠位先端1002aを遠位に移動させ、LED1010を半径方向内向きに移動させてガイドワイヤ1005に接近させてもよい。本体1002bを近位及び/または遠位方向に移動させながら、遠位先端1002aの位置を維持することが可能であることが理解されよう。LED1010がもはや展開されなくなったら、シース1002を患者から取り外してもよい。
【0064】
様々な処置において、医療専門家は、医療装置ロケータを含む体管腔の一部を位置決定することが難しい場合がある。図11A図11Cは、図2B図2Dの処置と実質的に同様の胃空腸吻合処置の一部を示している。例えば、図2C及び図2Dにおいて、鼻腔カテーテル230の遠位端235を含む空腸120の部分は、小腸125を視認するように内視鏡240の遠位端245を胃105の壁を通して延長させた後、位置を特定することが難しくなる場合がある。他の処置における同様の困難が、装置及び/または解剖学的構造の位置を特定することに関連して企図されている。図11A図11Cは、空腸内の標的位置に医療装置ロケータを配置するための処置の一部を示している。標的位置にある医療装置ロケータは、胃壁を通して挿入可能な器具によって視認することができる。一度視認されれば、空腸内の標的位置に器具によってアクセスすることが可能となり、ステントまたは他のドレナージ導管を、胃と空腸とを橋渡しするように配置することができる。
【0065】
図11Aを参照すると、シース、ガイドワイヤ、または細長い部材1100は、胃1134を通って消化管に挿入され、十二指腸1136及び空腸1130に延長されることが示されている。内視鏡1124は、内視鏡1124の作業チャネルから胃1134の組織壁に向かって遠位に延びる穿孔または切断機構1120を備えて、胃1134内に延長されて示されている。穿孔機構1120は、胃1134の壁を腹腔1138内へと切開し、空腸1130内に延長された細長い部材1100の遠位端に位置決め装置1102を含む空腸1130の部分1132に向かって概して切開を行うことが示されている。
【0066】
図11Bを参照すると、図11Aのシステムの内視鏡1124は、胃1134の組織壁の切開を通して腹腔1138内に延長されて示されている。内視鏡1124は、概して腹腔1138内の空腸1130に向けられている。医療専門家は、内視鏡1124を介して、及び/または他の観察技術、例えば蛍光透視法等を介して、腹腔1138内の空腸1130を視認することができる。医療専門家は、空腸1130を観察し、本明細書に記載の任意の視覚的インジケータ、例えば照明付きLEDによって、細長い部材1100及び/またはそこに含まれる位置決め装置1102の位置と相関する空腸1130の部分1132を識別することができる。空腸1130の部分1132を所定の位置に保持し、切開のために操作し、及び/または胃1134に対して操作することができるように、把持器等のエンドエフェクタ1122が空腸1130の部分1132を把持するとして示されている。図11Bでは、部分1132は、図11Aの位置と比較して、胃1134に向かってより近くに操作されている。
【0067】
図11Cを参照すると、空腸1130の部分1132は、図11A及び図11Bから胃1134に向かう位置に操作されて示されている。空腸1130の部分1132に切開を行う穿孔機構1122が示されており、位置決め装置1102は、穿孔機構1122との衝突及び/または穿孔機構1122からの熱伝達を回避して、部分1132から近位に平行移動されている。しかしながら、位置決め装置1102は、処置のために部分1132に残されてもよい。胃1134の組織壁及び空腸1130の部分1132の組織壁に切開を行うことにより、追加の装置を胃1134の組織壁、空腸1130の組織壁に送達してもよく、及び/または本明細書に記載されるように、腹腔1138内に延長させてもよい。
【0068】
様々な実施形態において、細長い部材は、カテーテル(例えば、鼻腔カテーテル等)、内視鏡、ガイドワイヤ、または別の医療装置の周りに延びるシースであってもよい。細長い部材は、その長さに沿って視覚的インジケータを有していてもよく、その長さは、本明細書に記載されるように、位置決め装置まで遠位に延びていてもよい。
【0069】
図12を参照すると、近位端1200p、遠位端1200d、及びそれを通る長手方向軸Lに沿って延びる長さを有するシース、ガイドワイヤ、または細長い部材1200を含む医療装置ロケータの実施形態が示されている。LED1204は、細長い部材1200の長さに沿って配置されている。LED1204は、細長い部材1200の長手方向軸Lの周りにらせん状に配置されている。位置決め装置1202は、細長い部材1200の遠位端1200dに配置されている。
【0070】
様々な実施形態において、LEDであり得る照明部材は、細長い部材の長さの一部に沿って延びていてもよい。LEDは、位置決め装置を含む細長い部材の遠位端まで延びていてもよい。LEDは、例えばらせん状に、軸方向に、半径方向に、円周方向に、直線状に、断続的に間隔を置いて、ランダムに、長さに沿って様々な密度で、またはそれらの配置の組み合わせ等で、LEDが細長い部材の長手方向軸からの半径方向の視認角度のうちの一つまたは複数から視認可能であるように、細長い部材に沿って様々なパターンで配置されてもよい。LEDは、発光するように作動されてもよい。作動されたLEDは、例えばLEDを含む体管腔の外側から、組織壁を横切って視認可能であってもよい。LEDは、他の色よりも組織壁を横切ってより容易に視認可能な色、例えば赤、緑等をインジケータとして発するように可変波長を有していてもよい。LEDは、インジケータとして様々な周波数で作動されてもよい。インジケータは、位置を指定することができ、例えばインジケータは、細長い部材、位置決め装置、または解剖学的構造の端部から特定の距離にあってもよい。LEDは、単一のLEDとして、または複数のLEDのグループとして、個別に選択及び制御可能であってもよい。LEDは、密度、LEDの互いに対する位置、解剖学的構造または医療装置、サイズ、形状、作動頻度(例えば、二回点滅に続く一時停止のような位置特定または通知を支援するようなパターン化)、作動の強度(例えば、LEDの強度に影響を与える所望の周波数及び/またはデューティサイクルで動作するパルス幅変調(PWM)を有する電流源の使用)、作動の持続時間、色、または前述のもののうちの二つ以上の任意の組み合わせ等の、一つまたは複数のパラメータによって制御可能であってもよい。
【0071】
様々な実施形態において、コントローラが、細長い部材に沿ってLEDに電気的に結合されていてもよい。LEDが独立して作動され得るように、電気リードは、LEDと電気的に連絡してインターリーブされていてもよい。コントローラは、一度に一つまたは複数のLEDを順次作動させるように構成されてもよい。コントローラは、細長い部材の長さに沿って遠位方向にLEDを順次作動させてもよく、例えば、位置決め装置に向かって細長い部材の遠位端に向かう方向を示してもよい。コントローラは、単一のLEDまたは複数のLEDが一度に作動されるように、例えば細長い部材に沿って遠位に進行する照明波の作動パターンのように、LEDを順次作動させるように構成されてもよい。コントローラは、遠位に連続したパターンで一つのLEDを除くすべてのLEDを作動させるように構成されてもよく、その結果、LEDの多数(例えば、すべてのLEDの90%以上等)が、例えば細長い部材に沿って遠位に進行する消灯波の作動パターン等の方向を示しながら、位置確認のために作動される。コントローラは、より長い照明時間でより低い周波数で(例えば、LEDが点灯される時間の割合がより高い、より高いデューティサイクルで)作動されるLEDと比較して熱を低減するために、より短い照明時間でより高い周波数で(例えば、LEDが点灯される時間の割合がより低い、より低いデューティサイクルで)LEDを作動させるように構成されてもよい。コントローラは、LEDの一部を第一の周波数で作動させ、LEDの別の部分を第二の周波数で作動させるように構成されてもよく、例えば、LEDの遠位部分を、LEDの近位部分よりも高い周波数で作動させてもよい。LEDは、患者の解剖学的構造に実質的に沿った距離にわたって、細長い部材の長さに沿って延びていてもよい。例えば、LEDは、幽門と空腸の一部の処置の標的位置との間の長さに沿って延びていてもよい。これは、任意の所望の長さ、例えば幽門から遠位に約50センチメートル、幽門から遠位に約150センチメートル等の長さであってもよい。コントローラは、手動または自動で操作されて、一つまたは複数のLEDを作動させたり、様々な操作パターンの間で切り替えを行ったりすることができる。LEDのそのような作動は、熱を低減するために短縮されてもよい。
【0072】
図13を参照すると、近位端1300p、遠位端1300d、及びそれを通る長手方向軸Lに沿って延びる長さを有するシース、ガイドワイヤ、または細長い部材1300を含む医療装置ロケータの実施形態が示されている。LED1304は、細長い部材1300の長さに沿って配置されている。LED1304は、細長い部材1300の長手方向軸Lの周り、及びそれに沿って直線的に配置されている。位置決め装置1302は、細長い部材1300の遠位端1300dに配置されている。LEDは可変波長を放出するように構成される。LED1304の近位部分1305は、赤色波長の光を放出するように構成され、LED1304の中央部分1306は、白色波長の光を放出するように構成され、LED1304の遠位部分1307は、緑色波長の光を放出するように構成される。部分1305、1306、1307は、細長い部材1300に沿った位置を示している。近位部分1305は、中央部分1306の近位の細長い部材1300に沿った位置を示しており、これは、遠位部分1307の近位の細長い部材1300に沿った位置を示しており、これは、遠位端1300dまたは位置決め装置1302の近位の細長い部材1300に沿った位置を示している。部分1305、1306、1307はそれぞれ、細長い部材1300の遠位端1300dから様々な距離に配置されてもよく、例えば近位部分1305は、遠位端1300dから例えば約50センチメートル等の位置に配置されてもよく、中央部分1306は、遠位端1300dから例えば約15センチメートル等の位置に配置されてもよく、遠位部分1307は、実質的に遠位端1300dの位置に配置されてもよい。LED1304の三つの部分1305、1306、1307及び三つの色が示されているが、これらの部分及び/または色について任意の数及び/または位置を採用することができる。
【0073】
図14を参照すると、シース、ガイドワイヤ、または例えばガイドワイヤであり得る細長い部材1400を含む医療装置ロケータの実施形態が示されている。細長い部材1400は、その長さに沿って配置されたLED1410、1412を含む。支持部材1402は、細長い部材1400内で長手方向に延びている。ボード1404は、ボード1404が支持部材1402から半径方向に離れて延びるように、支持部材1402に沿って配置される。LED1410、1412は、LED1410の第一の対がボード1404の第一の側に配置され、LED1412の第二の対がボード1404の第二の側に配置されるように、ボード1404の両側に配置される。LED1410、1412は、少なくとも一対のLED1410、1412が細長い部材1400の周りに180°の弧1418として視認されるように、ボード1404の両側に配置される。LED1410、1412の対はそれぞれ、例えば緑及び赤の可変色のLEDを含んでもよく、これらは(例えば、組織にわたる)視認性を高めるために、及び/または方向を示すために(例えば、緑色は細長い部材1400の遠位方向を示し、赤色は細長い部材1400の近位方向を示す)、両方とも点灯され、選択的に点灯され、交互に点灯され、または順次点灯されてもよい。LED1410、1412の対が合計四つのLED1410、1412として示されているが、LEDは、対よりも大きいセクションにグループ化されるか、または全くグループ化されなくてもよく、任意の数、例えば1、2、3、5、6、8、10、15、20、50、100等のLEDが採用されてもよい。LED1410、1412は、LED1410、1412に電気的に結合されるとともに、細長い部材1400内に、細長い部材1400に沿って近位に延びるワイヤ導管1416によって点灯及び制御されてもよい。ワイヤ1416は、細長い部材1400に沿ってコネクタ1420まで近位に延びていてもよい。コネクタ1420は、コントローラに可逆的に結合されてもよく、内視鏡の作業チャネルに適合するようにサイズ設定されてもよい。コントローラは、例えばLED1410、1412等の照明に電力を供給し、これらを制御するための電源、回路、命令、及び/またはスイッチを備えてもよい。コネクタ1420は、ワイヤ1416と電気的に連絡する接点1422を含み、接点1422は、コントローラのリードに可逆的に結合されてもよい。細長い部材1400から外部に露出されたワイヤ1416及びLEDの部分は、点灯されたLED1410、1412の視認を可能にしながら、LED1410、1412、ボード1404、ワイヤ1416、及び外部流体/破片(例えば、体液)、及び損傷との間の電気的接続を保護する透明/半透明コーティング1424(例えば、シリコーン等)によって覆われている。
【0074】
使用中、作業チャネルを有する内視鏡を患者の十二指腸に挿入してもよく、細長い部材1400を作業チャネルを通して十二指腸まで延長させてもよい。細長い部材1400は、小腸に沿って、細長い部材1400上のマーキング(例えば、放射線不透過性及び/または着色されたマーキング)によって観察及び測定され得る所望の位置までさらに前進されてもよく、細長い部材1400及び/またはLED1410、1412が幽門を越えて所望の距離(例えば、約150cm)にあることを示すことができる。次に、内視鏡は、細長い部材1400に沿って近位に引き抜かれ、細長い部材1400を小腸に残すことができる。内視鏡の遠位端が幽門に引き抜かれるとき、細長い部材1400は、例えば幽門に細長い部材1400のマーキングを配置するように、近位または遠位に調整されてもよい。次に、内視鏡は、細長い部材1400及びコネクタ1420に沿って患者から完全に引き抜かれてもよい。次に、コネクタ1420は、LED1410、1412の動作を可能にするコントローラと結合されてもよい。
【0075】
一般に、上述の、または本開示に含まれるロケータ装置及びシステムのいずれにも適用可能であるように、体管腔を横切って医療装置を位置決めする方法の実施形態は、前の段落で説明したように、図14のロケータ装置を位置決めするためのステップ等として、第一の体管腔、例えば空腸内の細長い部材の長さに沿って複数のLEDを含む細長い部材を延長させることを含んでもよい。複数のLEDは、細長い部材の長さに沿って遠位方向に順次作動されてもよい。順次作動されるLEDは、位置決め装置及び/または第一の体管腔の一部等の装置または解剖学的構造の方向を示してもよい。作動されたLEDは、例えば腹腔内から、第一の体管腔の組織壁を横切って視認することができる。穿孔機構、例えば切断ツールが、第二の体管腔、例えば胃の組織壁を横切って、第一の体管腔に向かって延長され、第一の体管腔の組織壁に対して切断を行ってもよい。
【0076】
当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された装置に対して様々な修正及び変形を行い得ることが明らかとなるであろう。例えば、位置決め装置及びカテーテルの構成は、任意の医療装置または医療行為に適合するように変更することができる。LEDの数及び/または位置は、本明細書に記載の例に限定されないことが理解されよう。本開示の他の実施形態は、本明細書、及び本明細書に開示される本発明の実施を考慮することにより、当業者に明らかとなるであろう。本明細書及び実施例は例示としてのみ見なされることが意図されており、本発明の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14