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特許7443531ディスプレイ装置のための画像要素、およびディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置のための画像要素、およびディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/32 20160101AFI20240227BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240227BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240227BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240227BHJP
   H03K 7/08 20060101ALI20240227BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240227BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 624B
G09G3/20 631H
G09G3/20 641A
G09G3/20 641C
G09F9/33
G09F9/30 338
H03K7/08 C
H03K7/08 F
H01L33/00 J
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022540669
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2020086001
(87)【国際公開番号】W WO2021139967
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】102020100335.8
(32)【優先日】2020-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フーベアト ハルプリッター
(72)【発明者】
【氏名】イェンス リヒター
(72)【発明者】
【氏名】キリアン レーガウ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ヘルナー
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-130432(JP,A)
【文献】特開2003-099007(JP,A)
【文献】特開2006-126779(JP,A)
【文献】特開2003-241711(JP,A)
【文献】特開2011-081267(JP,A)
【文献】特開2016-109914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/32
G09G 3/20
G09F 9/33
G09F 9/30
H03K 7/08
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置(100)のための画像要素(1)であって、
前記画像要素(1)は、
第1の給電端子(Vdd)および第2の給電端子(Vss)と、
前記第1の給電端子と前記第2の給電端子との間に配置されている発光半導体構成素子(B)と、
第1の入力部(3E1)ならびに第2の入力部(3E2)および出力部(3A)を有していて、かつ前記第1の入力部(3E1)に印加された電圧と前記第2の入力部(3E2)に印加された電圧との比較に依存して前記出力部(3A)における電圧を調整するように構成されている比較ユニットと、
前記比較ユニットの前記出力部(3A)に印加された電圧に依存して、前記第1の給電端子(Vdd)と前記第2の給電端子(Vss)との間で前記発光半導体構成素子(B)を流れる電流フローを制御するように構成されている給電スイッチ(A)と、
選択入力部(4)およびデータ入力部(5)と、
メモリ要素および制御スイッチと
を有し、前記制御スイッチは、
前記データ入力部(5)を介して供給されたデータ信号(data)を、前記選択入力部(4)に印加された選択信号(scan)に依存して前記比較ユニットの前記第1の入力部(3E1)に供給し、前記メモリ要素に保持するように構成されており、
前記比較ユニットの前記第2の入力部(3E2)は、ランプ信号(Vpwm)を受信するために設けられており、これにより、前記発光半導体構成素子(B)を流れる電流フローを前記データ信号(data)に依存して調整することができ、
前記データ信号(data)は、所定数のデジタルデータビットを含み、
前記メモリ要素は、前記所定数のデジタルデータビットに対応する複数のデータコンデンサ(Cprog1,Cprog2,Cprog3)を有し、
前記制御スイッチは、前記所定数のデジタルデータビットに対応する複数の制御ユニット(T21,T22,T23)を有し、
前記制御ユニット(T21,T22,T23)は、前記選択信号(scan)に依存して前記デジタルデータビットのうちのそれぞれ1つを、前記比較ユニットの前記第1の入力部(3E1)の上流に接続されている加算器に供給し、前記データコンデンサ(Cprog1,Cprog2,Cprog3)のうちのそれぞれ1つに保持するように構成されており
前記画像要素(1)は、所定のリセット信号(blank)を受信するために設けられたリセット入力部(11)を含み、
前記画像要素(1)は、第1の電極(CpwmE1)および第2の電極(CpwmE2)を有するランプコンデンサ(Cpwm)を含み、
前記第1の電極(CpwmE1)は、前記比較ユニットの前記第2の入力部(3E2)に結合されており、前記第2の電極(CpwmE2)は、前記第2の給電端子(Vss)に結合されており、
前記画像要素(1)は、前記ランプコンデンサ(Cpwm)の前記第1の電極(CpwmE1)に結合されていて、かつ前記ランプコンデンサ(Cpwm)を充電するように構成されているランプ電流源(T5)を含み、
前記画像要素(1)は、制御電極(T3S)と、ドレイン電極(T3A)と、ソース電極(T3Q)とを有するランプトランジスタ(T3)を含み、
前記ランプトランジスタ(T3)は、自身のドレイン電極(T3A)を介して前記第2の給電端子(Vss)に結合されており、自身の制御電極(T3S)を介して前記リセット入力部(11)に結合されており、自身のソース電極(T3Q)を介して前記ランプコンデンサ(Cpwm)の前記第1の電極(CpwmE1)に結合されており、
これにより、前記ランプコンデンサ(Cpwm)を、前記所定のリセット信号(blank)に依存して放電させることができ、前記比較ユニットの前記第2の入力部(3E2)に印加される電圧のランプ状の推移を、ランプ信号(Vpwm)として調整することができ、
前記画像要素(1)は、調光端子(9)を含み、
前記ランプ電流源(T5)は、調光トランジスタとして構成されており、
前記調光トランジスタは、制御電極(T5S)と、ドレイン電極(T5A)と、ソース電極(T5Q)とを有し、自身のソース電極(T5Q)を介して前記第1の給電端子(Vdd)に結合されており、自身の制御電極(T5S)を介して前記調光端子(9)に結合されており、自身のドレイン電極(T5A)を介して前記ランプトランジスタ(T3)の前記ソース電極(T3Q)に結合されており、
これにより、前記ランプコンデンサ(Cpwm)を充電するための前記ランプコンデンサ(Cpwm)に印加される電圧を、前記調光端子(9)に印加された調光信号(Set_I_charge)に依存して制御することができる、
画像要素(1)。
【請求項2】
ディスプレイ装置(100)のための画像要素(1)であって、
前記画像要素(1)は、
第1の給電端子(Vdd)および第2の給電端子(Vss)と、
前記第1の給電端子と前記第2の給電端子との間に配置されている発光半導体構成素子(B)と、
第1の入力部(3E1)ならびに第2の入力部(3E2)および出力部(3A)を有していて、かつ前記第1の入力部(3E1)に印加された電圧と前記第2の入力部(3E2)に印加された電圧との比較に依存して前記出力部(3A)における電圧を調整するように構成されている比較ユニットと、
前記比較ユニットの前記出力部(3A)に印加された電圧に依存して、前記第1の給電端子(Vdd)と前記第2の給電端子(Vss)との間で前記発光半導体構成素子(B)を流れる電流フローを制御するように構成されている給電スイッチ(A)と、
選択入力部(4)およびデータ入力部(5)と、
メモリ要素および制御スイッチと
を有し、前記制御スイッチは、
前記データ入力部(5)を介して供給されたデータ信号(data)を、前記選択入力部(4)に印加された選択信号(scan)に依存して前記比較ユニットの前記第1の入力部(3E1)に供給し、前記メモリ要素に保持するように構成されており、
前記比較ユニットの前記第2の入力部(3E2)は、ランプ信号(Vpwm)を受信するために設けられており、これにより、前記発光半導体構成素子(B)を流れる電流フローを前記データ信号(data)に依存して調整することができ、
前記データ信号(data)は、所定数のデジタルデータビットを含み、
前記メモリ要素は、前記所定数のデジタルデータビットに対応する複数のデータコンデンサ(Cprog1,Cprog2,Cprog3)を有し、
前記制御スイッチは、前記所定数のデジタルデータビットに対応する複数の制御ユニット(T21,T22,T23)を有し、
前記制御ユニット(T21,T22,T23)は、前記選択信号(scan)に依存して前記デジタルデータビットのうちのそれぞれ1つを、前記比較ユニットの前記第1の入力部(3E1)の上流に接続されている加算器に供給し、前記データコンデンサ(Cprog1,Cprog2,Cprog3)のうちのそれぞれ1つに保持するように構成されており、
前記発光半導体構成素子(B)は、発光ダイオード(2)として構成されており、第1の電極(2E1)および第2の電極(2E2)を有し、
前記比較ユニットは、コンパレータ(3)として構成されており、
前記給電スイッチ(A)は、給電トランジスタ(T1)として構成されており、前記制御スイッチは、制御トランジスタ(T2)を含み、
前記給電トランジスタ(T1)および前記制御トランジスタ(T2)は、それぞれ制御電極(T1S,T2S)と、ドレイン電極(T1A,T2A)と、ソース電極(T1Q,T2Q)とを有し、
前記メモリ要素は、第1の電極(CprogE1)および第2の電極(CprogE2)を有するデータコンデンサ(Cprog)を含み、
前記給電トランジスタ(T1)は、自身のソース電極(T1Q)を介して前記第1の給電端子(Vdd)に結合されており、自身の制御電極(T1S)を介して前記コンパレータ(3)の前記出力部(3A)に結合されており、自身のドレイン電極(T1A)を介して前記発光ダイオード(2)の前記第1の電極(2E1)に結合されており、
前記発光ダイオード(2)は、前記第2の電極(2E2)を介して前記第2の給電端子(Vss)に結合されており、
前記制御トランジスタ(T2)は、自身のソース電極(T2Q)を介して前記データ入力部(5)に結合されており、自身の制御電極(T2S)を介して前記選択入力部(4)に結合されており、自身のドレイン電極(T2A)を介して前記コンパレータ(3)の前記第1の入力部(3E1)と、前記データコンデンサ(Cprog)の前記第1の電極(CprogE1)とに結合されており、
前記データコンデンサ(Cprog)の前記第2の電極(CprogE2)は、前記第2の給電端子(Vss)に結合されており、
前記画像要素(1)は、所定のリセット信号(blank)を受信するために設けられたリセット入力部(11)を含み、
前記画像要素(1)は、第1の電極(CpwmE1)および第2の電極(CpwmE2)を有するランプコンデンサ(Cpwm)を含み、
前記第1の電極(CpwmE1)は、前記比較ユニットの前記第2の入力部(3E2)に結合されており、前記第2の電極(CpwmE2)は、前記第2の給電端子(Vss)に結合されており、
前記画像要素(1)は、前記ランプコンデンサ(Cpwm)の前記第1の電極(CpwmE1)に結合されていて、かつ前記ランプコンデンサ(Cpwm)を充電するように構成されているランプ電流源(T5)を含み、
前記画像要素(1)は、制御電極(T3S)と、ドレイン電極(T3A)と、ソース電極(T3Q)とを有するランプトランジスタ(T3)を含み、
前記ランプトランジスタ(T3)は、自身のドレイン電極(T3A)を介して前記第2の給電端子(Vss)に結合されており、自身の制御電極(T3S)を介して前記リセット入力部(11)に結合されており、自身のソース電極(T3Q)を介して前記ランプコンデンサ(Cpwm)の前記第1の電極(CpwmE1)に結合されており、
これにより、前記ランプコンデンサ(Cpwm)を、前記所定のリセット信号(blank)に依存して放電させることができ、前記比較ユニットの前記第2の入力部(3E2)に印加される電圧のランプ状の推移を、ランプ信号(Vpwm)として調整することができ、
前記画像要素(1)は、給電電流源(T4)を含み、
前記給電電流源(T4)は、前記第1の給電端子(Vdd)と前記給電スイッチ()との間に配置されており、前記発光半導体構成素子(B)を動作させるための電流(Iled)を供給するように構成されており、
前記画像要素(1)は、基準電圧(Vset)を受信するためのセット入力部(8)を含み、
前記給電電流源(T4)は、第1の補償トランジスタとして構成されており、前記ランプ電流源(T5)は、第2の補償トランジスタとして構成されており、
前記第1の補償トランジスタおよび前記第2の補償トランジスタは、それぞれ制御電極(T4S,T5S)と、ドレイン電極(T4A,T5A)と、ソース電極(T4Q,T5Q)とを有し、
前記第1の補償トランジスタは、自身のソース電極(T4Q)を介して前記第1の給電端子(Vdd)に結合されており、自身の制御電極(T4S)を介して前記セット入力部(8)に結合されており、自身のドレイン電極(T4A)を介して前記給電トランジスタ(T1)の前記ソース電極(T1Q)に結合されており、
前記第2の補償トランジスタは、自身のソース電極(T5Q)を介して前記第1の給電端子(Vdd)に結合されており、自身の制御電極(T5S)を介して前記セット入力部(8)に結合されており、自身のドレイン電極(T5A)を介して前記ランプトランジスタ(T3)の前記ソース電極(T3Q)に結合されている、
画像要素(1)。
【請求項3】
前記画像要素(1)は、ランプ入力部(6)を含み、
前記ランプ入力部(6)は、前記画像要素の外部で生成されたランプ信号(Vpwm)を受信するために設けられており、前記比較ユニットの前記第2の入力部(3E2)に結合されている、
請求項1または2記載の画像要素(1)。
【請求項4】
前記画像要素(1)は、給電電流源(T4)を含み、
前記給電電流源(T4)は、前記第1の給電端子(Vdd)と前記給電スイッチ()との間に配置されており、前記発光半導体構成素子(B)を動作させるための電流(Iled)を供給するように構成されている、
請求項記載の画像要素(1)。
【請求項5】
前記画像要素(1)は、調光入力部(7)を含み、
前記給電電流源(T4)は、前記調光入力部(7)に結合された制御入力部(T4S)を有し、
前記給電電流源(T4)は、前記調光入力部(7)に印加された調光信号(dim)に依存して、前記第1の給電端子(Vdd)と前記第2の給電端子(Vss)との間で前記発光半導体構成素子(B)を流れる電流フロー(Iled)の振幅を制御するように構成されている、
請求項4記載の画像要素(1)。
【請求項6】
前記画像要素(1)は、第1の電極(CdimE1)および第2の電極(CdimE2)を有する調光コンデンサ(Cdim)を含み、
前記第1の電極(CdimE1)は、前記給電電流源(T4)の前記制御入力部(T4S)に結合されており、前記第2の電極(CdimE2)は、前記第2の給電端子(Vss)に結合されており、
前記画像要素(1)は、制御電極(T6S)と、ドレイン電極(T6A)と、ソース電極(T6Q)とを有する調光トランジスタ(T6)を含み、
前記調光トランジスタ(T6)は、自身のソース電極(T6Q)を介して前記調光入力部(7)に結合されており、自身の制御電極(T6S)を介して前記選択入力部(4)に結合されており、自身のドレイン電極(T6A)を介して前記調光コンデンサ(Cdim)の前記第1の電極(CdimE1)に結合されており、
これにより、前記調光信号(dim)を、前記選択入力部(4)に印加された選択信号(scan)に依存して前記給電電流源(T4)の前記制御入力部(T4S)に供給することができ、前記調光コンデンサ(Cdim)に保持することができる、
請求項5記載の画像要素(1)。
【請求項7】
前記画像要素(1)は、調光端子(9)を含み、
前記ランプ電流源(T5)は、調光トランジスタとして構成されており、
前記調光トランジスタは、制御電極(T5S)と、ドレイン電極(T5A)と、ソース電極(T5Q)とを有し、自身のソース電極(T5Q)を介して前記第1の給電端子(Vdd)に結合されており、自身の制御電極(T5S)を介して前記調光端子(9)に結合されており、自身のドレイン電極(T5A)を介して前記ランプトランジスタ(T3)の前記ソース電極(T3Q)に結合されており、
これにより、前記ランプコンデンサ(Cpwm)を充電するための前記ランプコンデンサ(Cpwm)に印加される電圧を、前記調光端子(9)に印加された調光信号(Set_I_charge)に依存して制御することができる、
請求項記載の画像要素(1)。
【請求項8】
前記画像要素(1)は、較正入力部(10)を含み、
前記画像要素(1)は、制御電極(T6S)と、ドレイン電極(T6A)と、ソース電極(T6Q)とを有する較正トランジスタ(T6)を含み、
前記較正トランジスタ(T6)は、自身のソース電極(T6Q)を介して前記較正入力部(10)に結合されており、自身の制御電極(T6S)を介して前記選択入力部(4)に結合されており、自身のドレイン電極(T6A)を介して前記調光端子(9)に結合されており、
前記画像要素(1)は、第1の電極(CprogDataE1)および第2の電極(CprogDataE2)を有する較正コンデンサ(CprogData)を含み、
前記較正コンデンサ(CprogData)は、自身の第1の電極(CprogDataE1)を介して前記調光端子(9)に結合されており、自身の第2の電極(CprogDataE2)を介して前記第2の給電端子(Vss)に結合されており、
これにより、前記較正入力部(10)に印加される較正信号(data2)を、前記選択入力部(4)に印加された選択信号(scan)に依存して前記調光端子(9)に供給することができ、前記較正コンデンサ(CprogData)に保存することができる、
請求項記載の画像要素(1)。
【請求項9】
ディスプレイ装置(100)であって、
前記ディスプレイ装置(100)は、
行(x)および列(y)の形態でマトリクス状に配置されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の複数の画像要素(1)と、
前記列(y)のうちの1つの列の画像要素(1)のそれぞれの選択入力部(4)にそれぞれ接続されている複数の列線路(y1~yn)と、
前記行(x)のうちの1つの行の画像要素(1)のそれぞれのデータ入力部(5)にそれぞれ接続されている複数の行線路(x1~xm)と、
制御装置(12)と
を有し、前記制御装置(12)は、
前記複数の列線路(y1~yn)に接続されていて、前記複数の列線路(y1~yn)から選択された1つの列線路のための選択信号(scan)としてパルスを生成するために適しており、かつ
前記複数の行線路(x1~xm)に接続されていて、前記複数の行線路(x1~xm)から選択された1つの行線路のためのデータ信号(data)を生成するために適している、
ディスプレイ装置(100)。
【請求項10】
前記ディスプレイ装置(100)は、前記複数の画像要素(1)のうちの1つの画像要素のランプ入力部(6)にそれぞれ接続されている複数のランプ線路(z1~zn)を含み、
前記制御装置(12)は、前記複数のランプ線路(z1~zn)に接続されていて、前記複数のランプ線路(z1~zn)のためのランプ信号(Vpwm)を、前記画像要素(1)の外部で生成するために適している、
請求項記載のディスプレイ装置(100)。
【請求項11】
前記ディスプレイ装置(100)は、前記複数の画像要素(1)のうちの1つの画像要素のリセット入力部(11)にそれぞれ接続されている複数のリセット線路を含み、
前記制御装置(12)は、前記複数のリセット線路に接続されていて、前記複数のリセット線路から選択された1つのリセット線路のための所定のリセット信号(blank)としてパルスを生成するために適している、
請求項記載のディスプレイ装置(100)。
【請求項12】
前記ディスプレイ装置(100)は、複数の第1の調光線路を含み、
前記複数の第1の調光線路は、前記複数の画像要素(1)のうちの1つの画像要素の調光入力部(7)にそれぞれ接続されているか、または前記ディスプレイ装置(100)の1つの行(x)もしくは1つの列(y)の複数の画像要素(1)のうちの1つの画像要素の調光入力部(7)にそれぞれ接続されているか、または前記ディスプレイ装置(100)のRGBトリプレットの複数の画像要素(1)のうちの1つの画像要素の調光入力部(7)にそれぞれ接続されており、
前記制御装置(12)は、前記複数の第1の調光線路に接続されていて、前記複数の第1の調光線路から選択された1つの第1の調光線路のための第1の調光信号(dim)を生成するために適している、
請求項から11までのいずれか1項記載のディスプレイ装置(100)。
【請求項13】
前記ディスプレイ装置(100)は、前記複数の画像要素(1)のうちの1つの画像要素の調光端子(9)にそれぞれ接続されている複数の第2の調光線路を含み、
前記制御装置(12)は、前記複数の第2の調光線路に接続されていて、前記複数の第2の調光線路から選択された1つの第2の調光線路のための第2の調光信号(Set_I_charge)を生成するために適している、
請求項から12までのいずれか1項記載のディスプレイ装置(100)。
【請求項14】
前記ディスプレイ装置(100)は、前記複数の画像要素(1)のうちの1つの画像要素のセット入力部(8)にそれぞれ接続されている複数のセット線路と、基準電圧源とを含み、
前記基準電圧源は、前記複数のセット線路に接続されていて、前記複数のセット線路のための基準電圧(Vset)を供給するために適している、
請求項から13までのいずれか1項記載のディスプレイ装置(100)。
【請求項15】
前記ディスプレイ装置(100)は、前記複数の画像要素(1)のうちの1つの画像要素の較正入力部(10)にそれぞれ接続されている複数の較正線路を含み、
前記制御装置(12)は、前記複数の較正線路に接続されていて、前記複数の較正線路から選択された1つの較正線路のための較正信号(Data2)を生成するために適している、
請求項8を引用する請求項から14までのいずれか1項記載のディスプレイ装置(100)。
【請求項16】
前記ディスプレイ装置(100)は、複数の第1の遅延素子(D1)を含み、
前記複数の第1の遅延素子(D1)は、2つの連続する列の列線路(y1~yn)にそれぞれ結合されており、それぞれの第1の列線路と比較してそれぞれ所定の第1の期間(τ1)だけ遅延させて、それぞれの第2の列線路に前記選択信号(scan)を供給するように構成されており、
前記ディスプレイ装置(100)は、複数の第2の遅延素子(D2)を含み、
前記複数の第2の遅延素子(D2)は、2つの連続する列のランプ線路(z1~zn)にそれぞれ結合されており、それぞれの第1のランプ線路と比較してそれぞれ所定の第2の期間(τ2)だけ遅延させて、それぞれの第2のランプ線路に前記ランプ信号(Vpwm)を供給するように構成されており、
前記所定の第1の期間(τ1)は、前記所定の第2の期間(τ2)に対して所定の比率である、
請求項10記載のディスプレイ装置(100)。
【請求項17】
前記所定の比率は、τ1/τ2=1である、
請求項16記載のディスプレイ装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像要素と、複数の画像要素を有するディスプレイ装置とに関する。
【0002】
ディスプレイ装置のピクセルのための従来の駆動方式は、クロスマトリクス配列において機能し、放射されるピクセルの光の強度を変化させることによって輝度に影響を与えるために、電流の低減(いわゆる電流調光)を利用している。これは、アナログ調光とも呼ばれる。このアナログ調光は、例えば、OLEDおよびLEDのために使用される。このような駆動方式は、色度座標に対して不利な影響を与えるので、LEDディスプレイのためには不利である。
【0003】
課題は、ディスプレイ装置のための画像要素と、代替的な駆動方式を用いるディスプレイ装置とを提供することである。
【0004】
上記の課題のために、独立請求項に記載の画像要素と、ディスプレイ装置とが提示される。
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、ディスプレイ装置のための画像要素に関する。ディスプレイ装置のピクセルまたはサブピクセルを表示するために構成されているディスプレイ装置の電子的なサブユニットは、画像要素と呼ばれる。とりわけ多色ディスプレイ装置の場合には、個々のピクセルを、複数の異なる色のサブピクセルによって、例えば赤色のサブピクセルと、緑色のサブピクセルと、青色のサブピクセルとによって形成することができる。このような複合体は、以下ではRGBトリプレットとも呼ばれる。
【0006】
一実施形態では、画像要素は、第1の給電端子を有する。第1の給電端子は、例えば電気端子であってよく、この電気端子を介して画像要素に所定の動作電圧または所定の動作電流が供給される。さらに、画像要素は、第2の給電端子を有する。第2の給電端子は、例えばアース端子である。ただし、第2の給電端子が、所定の動作電圧または所定の動作電流を供給するための電気端子を指すこともある。
【0007】
一実施形態では、画像要素は、第1の給電端子と第2の給電端子との間に配置されている発光半導体構成素子を有する。半導体構成素子は、とりわけ発光ダイオードLEDである。半導体構成素子は、電気的な給電のために第1の給電端子および第2の給電端子に、とりわけ間接的に結合されている。とりわけ、それぞれの画像要素につき、半導体構成素子の上流には、電流フローを制御するためにドライバユニットが接続されている。
【0008】
一実施形態では、画像要素は、第1の入力部ならびに第2の入力部および出力部を有する比較ユニットを有する。比較ユニットは、当該比較ユニットの第1の入力部に印加された電圧と当該比較ユニットの第2の入力部に印加された電圧との比較に依存して当該比較ユニットの出力部における電圧を調整するように構成されている。とりわけ、比較ユニットは、このためにコンパレータまたは1ビット・アナログ・デジタル変換器を含むことができるか、またはそのように構成可能である。比較ユニットは、この関連においてとりわけ、例えば第1の給電端子および第2の給電端子に接続されている給電のためのさらなる入力部を有することができる。第1の入力部は、例えば非反転入力部である。第2の入力部は、例えば反転入力部である。とりわけ、第1の入力部に印加された電圧が第2の入力部に印加された電圧よりも大きい場合には、第1の給電端子に印加された電圧を出力部において出力し、そうでない場合には、第2の給電端子に印加された電圧を出力するように、比較ユニットを構成することができる。
【0009】
一実施形態では、画像要素は、比較ユニットの出力部に印加された電圧に依存して、第1の給電端子と第2の給電端子との間で発光半導体構成素子を流れる電流フローを制御するように構成されている給電スイッチを有する。給電スイッチは、例えばトランジスタである。とりわけ、給電スイッチは、比較ユニットの出力部に印加された電圧が所定の閾値を上回っている場合に、半導体構成素子を流れる電流フローを許可し、そうでない場合には遮断するように構成されている。
【0010】
一実施形態では、画像要素は、選択入力部およびデータ入力部を有する。選択入力部を介して供給される信号は、選択信号、“select”、または“scan”と呼ばれることもある。すなわち、この関連において、選択入力部を、ディスプレイ装置の列線路に接続されるように設けることができる。データ入力部を介して供給される信号は、データ信号または“data”と呼ばれることもある。すなわち、この関連において、データ入力部を、ディスプレイ装置の行線路に接続されるように設けることができる。
【0011】
一実施形態では、画像要素は、メモリ要素および制御スイッチを有する。制御スイッチは、データ入力部を介して供給されたデータ信号を、選択入力部に印加された選択信号に依存して比較ユニットの第1の入力部に供給し、メモリ要素に保持するように構成されている。選択信号は、とりわけ、制御スイッチをスイッチングするための所定の電圧パルスである。データ信号は、とりわけ、規定通りの発光動作中における半導体構成素子の輝度に対応する所定の電圧である。メモリ要素は、例えば、印加された電圧を所定の期間、例えばディスプレイ装置に次の画像が表示されるまでの持続時間(例えば、ディスプレイ装置のリフレッシュレートの逆数)、保持するように構成されているコンデンサである。制御スイッチは、例えばトランジスタである。とりわけ、制御スイッチは、選択入力部に印加された、選択信号を表す電圧が所定の閾値を上回っている場合には、データ信号を表す電圧を比較ユニットの第1の入力部およびメモリ要素に供給することを許可し、そうでない場合には遮断するように構成されている。換言すれば、メモリ要素と制御スイッチとは、いわゆる「サンプルアンドホールド」ユニットを形成する。
【0012】
一実施形態では、比較ユニットの第2の入力部は、ランプ信号を受信するために設けられている。例えば、ランプ信号を、画像要素の外部で生成して画像要素に供給することができるか、または画像要素の内部の回路によって生成することができる。ランプ信号は、とりわけ、所定の周期的な電圧推移である。例えば、ランプ信号は、とりわけ線形に増加する鋸歯状波を有する鋸歯状信号である。これに代えて、周期的な増加は、非線形に、例えば対数的または指数関数的に発生してもよい。この関連における周期的とは、それぞれ1回の上昇および下降を伴う鋸歯状またはランプ状の信号成分が、所定の時間(周期)内で同一にまたは実質的に同一に繰り返されることを意味する。
【0013】
ランプ信号は、とりわけ、比較ユニットによってデータ信号を表す電圧と比較される際に、比較ユニットの出力部においてパルス幅変調(PWM)された電圧推移が生じるように選択されており、このパルス幅変調(PWM)された電圧推移のパルス幅は、データ信号に依存しており、例えば、アナログデータ信号の振幅に依存している。とりわけ、このようにして、発光半導体構成素子を流れる電流フローをデータ信号に依存して、より詳細にはPWM電圧推移によって調整することができる。
【0014】
この関連において、ランプ信号の周期は、2つの連続する“scan”電圧パルスの間の時間間隔よりも何倍も短くなるように選択されており、例えば、2~100分の1、好ましくは50分の1に短くなるように選択されている。したがって、周期も、ディスプレイ装置のリフレッシュレートよりも少なくとも1倍から数分の1に短くなるように選択されている。
【0015】
有利には、提案されている画像要素によって、アナログPWM信号をピクセルレベルまたはサブピクセルレベルで生成することができる。このために、画像要素の内部で必要とされる集積の程度が少なくてよくなり、その一方で、複雑かつ正確な回路を、例えば画像要素の外部に配置することが可能となる。
【0016】
一実施形態では、データ信号は、所定数のデジタルデータビットを含む。メモリ要素は、所定数のデジタルデータビットに対応する複数のデータコンデンサを有する。制御スイッチは、所定数のデジタルデータビットに対応する複数の制御ユニットを有し、制御ユニットは、選択信号に依存してデジタルデータビットのうちのそれぞれ1つを、比較ユニットの第1の入力部の上流に接続されている加算器に供給し、データコンデンサのうちのそれぞれ1つに保持するように構成されている。
【0017】
デジタルデータビットは、所定の値範囲を表し、例えば、半導体構成要素の輝度のそれぞれ1つの段階を表す3データビットの場合には[0;7]を表す。個々のデータビットは、例えばシーケンシャルに画像要素に供給され、選択信号は、所定数のデジタルデータビットNに対応する個数Nのパルスを含む。これに代えて、制御ユニットの上流にそれぞれ1つの遅延素子が接続されており、遅延素子は、選択信号の単一のパルスを、順次連続する制御ユニットの間でそれぞれデータビットの時間的な順序に従って遅延させる。この関連において、データビットの重要度に乗算器をマッピングできるようにするために、データコンデンサは、それぞれ異なる大きさの容量を有することができる。3データビットの場合には、例えば、第1のデータコンデンサは、第3のデータコンデンサの4倍の容量を有することができ、第2のデータコンデンサは、第3のデータコンデンサの2倍の容量を有することができる。この関連において、半導体構成素子の駆動を、とりわけ、個々のデータコンデンサの電荷が一定に保たれるように構成することができる。これに代えて、加算器の上流にそれぞれ1つの対応する乗算器を接続することも考えられる。
【0018】
したがって、有利には、アナログPWM信号をピクセルレベルまたはサブピクセルレベルで生成するために、デジタルデータ信号を使用することができる。この関連において、ランプ信号は、とりわけアナログ形式で存在する。
【0019】
一実施形態では、発光半導体構成素子は、LEDとして構成されており、第1の電極および第2の電極を有する。発光半導体構成素子は、とりわけ、いわゆるμLEDであってよい。一実施形態では、比較ユニットは、コンパレータとして構成されている。一実施形態では、給電スイッチは、給電トランジスタとして構成されている。この場合、例えば、給電スイッチは、薄膜トランジスタである。一実施形態では、制御スイッチは、制御トランジスタを含む。この場合、例えば、制御スイッチも、薄膜トランジスタである。一実施形態では、給電トランジスタおよび制御トランジスタは、それぞれ制御電極と、ドレイン電極と、ソース電極とを有する。ドレイン電極は、本明細書および以下では、トランジスタのドレイン端子であると理解される。これと同様に、ソース電極は、トランジスタのソース端子を指し、制御電極は、トランジスタのゲート端子を指す。一実施形態では、メモリ要素は、第1の電極および第2の電極を有するデータコンデンサを含む。
【0020】
一実施形態では、給電トランジスタは、自身のソース電極を介して第1の給電端子に結合されている。さらに、給電トランジスタは、自身の制御電極を介してコンパレータの出力部に結合されている。さらに、給電トランジスタは、自身のドレイン電極を介してLEDの第1の電極に結合されている。LEDは、第2の電極を介して第2の給電端子に結合されている。制御トランジスタは、自身のソース電極を介してデータ入力部に結合されている。さらに、制御トランジスタは、自身の制御電極を介して選択入力部に結合されている。さらに、制御トランジスタは、自身のドレイン電極を介してコンパレータの第1の入力部と、データコンデンサの第1の電極とに結合されている。データコンデンサの第2の電極は、第2の給電端子に結合されている。
【0021】
この実施形態による画像要素のLEDの上流に接続されている画像要素の構造ユニットは、本明細書および以下では、総称してドライバユニットとも呼ばれる。有利には、前述したドライバユニットは、LEDを動作させるためのPWM信号を(サブ)ピクセルの内部で生成することを可能にする。この関連において使用してもよい高価で複雑なまたは嵩張るマイクロコントローラは、オプションに過ぎない。
【0022】
一実施形態では、画像要素は、ランプ入力部を有し、ランプ入力部は、画像要素の外部で生成されたランプ信号を受信するために設けられており、比較ユニットの第2の入力部に結合されている。したがって、有利には、同一のランプ信号をディスプレイ装置の複数の画像要素に、とりわけディスプレイ装置の全ての画像要素に供給することができ、これにより、全ての画像要素が、同一の参照変数に基づくこととなり、画像要素の構造スペースをコンパクトに保つことができ、ランプ信号を生成するための構成要素を省略することができる。
【0023】
一実施形態では、画像要素は、所定のリセット信号を受信するために設けられたリセット入力部を有する。画像要素はさらに、第1の電極および第2の電極を有するランプコンデンサを有し、第1の電極は、比較ユニットの第2の入力部に結合されており、第2の電極は、第2の給電端子に結合されている。さらに、画像要素は、ランプコンデンサの第1の電極に結合されていて、かつランプコンデンサを充電するように構成されているランプ電流源を有する。さらに、画像要素は、制御電極と、ドレイン電極と、ソース電極とを有するランプトランジスタを有する。ランプトランジスタは、自身のドレイン電極を介して第2の給電端子に結合されている。さらに、ランプトランジスタは、自身の制御電極を介してリセット入力部に結合されている。さらに、ランプトランジスタは、自身のソース電極を介してランプコンデンサの第1の電極に結合されている。
【0024】
ランプトランジスタは、とりわけ、所定のリセット信号を表す電圧が所定の閾値を上回っている場合に、ランプコンデンサの第1の電極と第2の給電端子との間の電流フローを許可し、そうでない場合には遮断するように構成されている。ランプトランジスタが電流フローを許可した場合には、ランプトランジスタを介してランプコンデンサを放電させることができ、そうでない場合には、ランプ電流源によってランプコンデンサを充電することができる。これにより、ランプコンデンサの充電状態に依存して、リセット信号によって制御可能な電圧が生じ、この電圧がランプ信号として比較ユニットの第2の入力部に印加される。リセット信号は、この関連において、とりわけ、比較ユニットの第2の入力部に印加された電圧のランプ状の推移が生じるように選択されている。とりわけ、リセット信号は、ランプ信号の周期と一致する周期を有するパルス信号であってよい。
【0025】
したがって、有利には、PWM信号をピクセルレベルまたはサブピクセルレベルで生成するために、アナログPWM信号に加えてアナログランプ信号も生成することができる。
【0026】
一実施形態では、画像要素は、給電電流源を有し、給電電流源は、第1の給電端子と給電スイッチとの間に配置されており、発光半導体構成素子を動作させるための電流を供給するように構成されている。この場合、例えば、給電電流源は、トランジスタであり、このトランジスタは、自身のソース電極を介して第1の給電端子に接続されていて、かつ自身のドレイン電極を介して給電スイッチに接続されているか、またはこのトランジスタは、自身のソース電極を介して発光半導体構成素子の第2の電極に接続されていて、かつ自身のドレイン電極を介して給電スイッチに接続されており、なお、発光半導体構成素子は、自身の第1の電極を介して第1の給電端子に接続されている。このトランジスタの制御電極は、例えば、給電電流源の制御入力部として使用可能である。
【0027】
一実施形態では、画像要素は、調光入力部を有する。給電電流源は、調光入力部に結合された制御入力部を有する。給電電流源は、調光信号として調光入力部に印加された電圧に依存して、第1の給電端子と第2の給電端子との間で発光半導体構成素子を流れる電流フローの振幅を制御するように構成されている。とりわけ、ディスプレイ装置の複数の画像要素の大域的な調光を実施するために、同一の調光信号を複数の画像要素に、例えば1つのピクセルのそれぞれ1つのサブピクセルを形成する複数の画像要素に、とりわけRGBトリプレットに、またはディスプレイ装置の1つの列または1つの行の全ての画像要素に、またはディスプレイ装置の全ての画像要素に供給することができる。これに代わる実施形態では、給電電流源を給電トランジスタと組み合わせることもでき、すなわち、給電トランジスタは、オン時間の間には電流フローを制御し(例えば、飽和範囲内で)、オフ時間の間には非導通である。その場合、比較ユニットの出力部におけるハイレベルは、給電トランジスタを介して対応する電流をLEDに印加する電圧に相当する。
【0028】
一実施形態では、画像要素は、調光入力部と、第1の入力部ならびに第2の入力部および出力部を有するさらなる比較ユニットとを有する。さらなる比較ユニットの第1の入力部は、調光入力部に結合されている。比較ユニットの出力部は、さらなる比較ユニットの第2の入力部に結合されている。さらなる比較ユニットは、第1の入力部に印加された電圧と第2の入力部に印加された電圧との比較に依存して、出力部における電圧を調整するように構成されており、これにより、比較ユニットの出力部に印加された電圧の振幅を、調光信号として調光入力部に印加された電圧に依存して適合させることができる。とりわけ、さらなる比較ユニットの出力部における電圧の振幅を、調光信号の振幅に調整することができ、それと同時に、比較ユニットの出力部における信号のパルス幅を、さらなる比較ユニットの出力部における信号のパルス幅として維持することができる。
【0029】
一実施形態では、画像要素は、第1の電極および第2の電極を有する調光コンデンサを有する。第1の電極は、給電電流源の制御入力部に結合されている。調光コンデンサの第2の電極は、第2の給電端子に結合されている。さらに、画像要素は、制御電極と、ドレイン電極と、ソース電極とを有する調光トランジスタを有し、調光トランジスタは、自身のソース電極を介して調光入力部に結合されている。調光トランジスタはさらに、自身の制御電極を介して選択入力部に結合されており、自身のドレイン電極を介して調光コンデンサの第1の電極に結合されている。したがって、調光信号または調光信号を表す電圧を、選択信号、または選択入力部に印加された、選択信号を表す電圧に依存して、給電電流源の制御入力部に供給することができ、調光コンデンサに保存することができる。換言すれば、調光コンデンサと調光トランジスタとは、いわゆる「サンプルアンドホールド」ユニットを形成する。したがって、有利には、個々の画像要素の個別的な調光(「局所的な調光」)を実施することができる。
【0030】
ディスプレイ装置の複数の画像要素の大域的な調光を可能にするために、複数の画像要素に同一の調光信号を供給すべき場合には、さらなる実施形態において、これらの複数の画像要素に単一のサンプルアンドホールドユニットを対応付けて、それぞれの給電電流源に結合させることができる。
【0031】
一実施形態では、画像要素は、基準電圧を受信するためのセット入力部を有する。給電電流源は、第1の補償トランジスタとして構成されている。ランプ電流源は、第2の補償トランジスタとして構成されている。第1の補償トランジスタおよび第2の補償トランジスタは、それぞれ制御電極と、ドレイン電極と、ソース電極とを有する。第1の補償トランジスタは、自身のソース電極を介して第1の給電端子に結合されている。さらに、第1の補償トランジスタは、自身の制御電極を介してセット入力部に結合されている。さらに、第1の補償トランジスタは、自身のドレイン電極を介して給電トランジスタのソース電極に結合されている。第2の補償トランジスタは、自身のソース電極を介して第1の給電端子に結合されている。さらに、第2の補償トランジスタは、自身の制御電極を介してセット入力部に結合されている。さらに、第2の補償トランジスタは、自身のドレイン電極を介してランプトランジスタのソース電極に結合されている。
【0032】
第1の補償トランジスタと第2の補償トランジスタとは、とりわけ、不整合誤差が小さく抑えられるように局所的に相互に接近して配置されている。好ましくは、2つの補償トランジスタは、例えばゲート酸化物における勾配を補償するために、コモンセントロイド・レイアウト法に従って構成されている。この関連において、Daniel Payne著の“A Review of an Analog Layout Tool called HiPer DevGen”およびNurahmad Omar著の“Automated Layout Synthesis Tool for Op-Amp”が参照され、それらの開示内容全体を、参照により本明細書に援用するものとする。
【0033】
とりわけ、2つの補償トランジスタは、例えば同一のウェハ上での同一の製造方法において製造されており、したがって、製造に起因して同じ特性を有するとともに、配置に起因して同じ環境影響を有するので、有利には、このような配線の場合、第1の補償トランジスタにおける、例えば対応するLEDを動作させるための電流フローと、ディスプレイ装置の他の画像要素との間の、例えば層厚の不正確さに起因する偏差が、第2の補償トランジスタにおいても対応する偏差をもたらす。前述した配線によれば、このような偏差をアナログに、すなわち離散化されずにランプコンデンサにフィードバックすることができるので、充電電流が増加した場合に、充電曲線がより急峻になり、ひいてはPWM信号のデューティサイクル(Dutycycle)の低下と、その結果としてLEDの輝度の低下とがもたらされ、これにより、個々の画像要素の間の不整合誤差を、追加的な較正なしで補償することができる。
【0034】
一実施形態では、画像要素は、調光端子を有する。ランプ電流源は、制御電極と、ドレイン電極と、ソース電極とを有する調光トランジスタとして構成されている。調光トランジスタは、自身のソース電極を介して第1の給電端子に結合されている。さらに、調光トランジスタは、自身の制御電極を介して調光端子に結合されている。さらに、調光トランジスタは、自身のドレイン電極を介してランプトランジスタのソース電極に結合されている。
【0035】
この実施形態による配線によれば、ランプコンデンサを充電するためのランプコンデンサに印加される電圧を、調光端子に印加された電圧に依存して制御することができる。調光端子に印加された電圧を、例えば、前述した調光信号とは異なる調光信号によって画像要素に供給することができる。この調光信号に依存して、とりわけ、PWM信号のデューティサイクルを制御することが可能である。先行する実施形態と同様に、ディスプレイ装置の複数の画像要素の大域的な調光を実施するために、このような同一の調光信号を複数の画像要素に供給することができる。
【0036】
一実施形態では、画像要素は、較正入力部を有する。さらに、画像要素は、制御電極と、ドレイン電極と、ソース電極とを有する較正トランジスタを有する。較正トランジスタは、自身のソース電極を介して較正入力部に結合されている。さらに、較正トランジスタは、自身の制御電極を介して選択入力部に結合されている。さらに、較正トランジスタは、自身のドレイン電極を介して調光端子に結合されている。さらに、画像要素は、第1の電極および第2の電極を有する較正コンデンサを有する。較正コンデンサは、自身の第1の電極を介して調光端子に結合されている。さらに、較正コンデンサは、自身の第2の電極を介して第2の給電端子に結合されている。この実施形態による配線によれば、較正入力部に印加される較正信号を、選択入力部に印加された選択信号に依存して調光端子に供給することができ、較正コンデンサに保存することができる。とりわけ、較正トランジスタは、選択入力部に印加された、選択信号を表す電圧が所定の閾値を上回っている場合に、較正信号を表す電圧を調光端子および較正コンデンサに供給することを許可し、そうでない場合には遮断するように構成されている。換言すれば、較正コンデンサと較正トランジスタとは、いわゆる「サンプルアンドホールド」ユニットを形成する。
【0037】
第2の態様によれば、本発明は、ディスプレイ装置に関する。ディスプレイ装置は、とりわけマイクロLEDディスプレイまたはアクティブマトリクス技術に基づく他のディスプレイである。
【0038】
一実施形態では、ディスプレイ装置は、第1の態様による複数の画像要素を有する。これらの画像要素は、とりわけ行および列の形態でマトリクス状に配置されている。
【0039】
ディスプレイ装置はさらに、列のうちの1つの列の画像要素のそれぞれの選択入力部にそれぞれ接続されている複数の列線路を有する。さらに、ディスプレイ装置は、行のうちの1つの行の画像要素のそれぞれのデータ入力部にそれぞれ接続されている複数の行線路を有する。
【0040】
さらに、ディスプレイ装置は、制御装置を有し、制御装置は、複数の列線路に接続されていて、複数の列線路から選択された1つの列線路のための選択信号としてパルスを生成するために適している。制御装置はさらに、複数の行線路に接続されており、複数の行線路から選択された1つの行線路のためのデータ信号を生成するために適している。
【0041】
一実施形態では、ディスプレイ装置は、複数の画像要素のうちの1つの画像要素のランプ入力部にそれぞれ接続されている複数のランプ線路を有する。制御装置は、複数のランプ線路に接続されていて、複数のランプ線路のためのランプ信号を、画像要素の外部で生成するために適している。とりわけ、同一のランプ信号を複数の画像要素に、例えばディスプレイ装置の1つの列または1つの行の全ての画像要素に、例えばディスプレイ装置の1つの象限のような一区分の全ての画像要素に、またはディスプレイ装置の全ての画像要素に供給することができる。
【0042】
これに代わる実施形態では、ディスプレイ装置は、複数の画像要素のうちの1つの画像要素のリセット入力部にそれぞれ接続されている複数のリセット線路を有する。制御装置は、複数のリセット線路に接続されていて、複数のリセット線路から選択された1つのリセット線路のための所定のリセット信号としてパルスを生成するために適している。とりわけ、同一のリセット信号を複数の画像要素に、例えばディスプレイ装置の1つの列または1つの行の全ての画像要素に、例えばディスプレイ装置の1つの象限のような一区分の全ての画像要素に、またはディスプレイ装置の全ての画像要素に供給することができる。
【0043】
一実施形態では、ディスプレイ装置は、複数の第1の調光線路を有し、複数の第1の調光線路は、複数の画像要素のうちの1つの画像要素の調光入力部にそれぞれ接続されている。これに代えて、複数の第1の調光線路は、例えばディスプレイ装置の1つの象限のような一区分の複数の画像要素のうちの1つの画像要素の調光入力部に、またはディスプレイ装置の1つの行もしくは1つの列の複数の画像要素のうちの1つの画像要素の調光入力部にそれぞれ接続されている。これに代えて、複数の第1の調光線路は、ディスプレイ装置のRGBトリプレットの複数の画像要素のうちの1つの画像要素の調光入力部に接続されている。制御装置は、複数の第1の調光線路に接続されていて、複数の第1の調光線路から選択された1つの第1の調光線路のための第1の調光信号を生成するために適している。
【0044】
これに代えてまたはこれに加えて、一実施形態では、ディスプレイ装置は、複数の画像要素のうちの1つの画像要素の調光端子にそれぞれ接続されている複数の第2の調光線路を有する。制御装置は、複数の第2の調光線路に接続されていて、複数の第2の調光線路から選択された1つの第2の調光線路のための第2の調光信号を生成するために適している。
【0045】
これに代えてまたはこれに加えて、一実施形態では、ディスプレイ装置は、複数の画像要素のうちの1つの画像要素のセット入力部にそれぞれ接続されている複数のセット線路を有する。さらに、ディスプレイ装置は、基準電圧源を有し、基準電圧源は、複数のセット線路に接続されていて、複数のセット線路のための基準電圧を供給するために適している。
【0046】
これに代えてまたはこれに加えて、一実施形態では、ディスプレイ装置は、複数の画像要素のうちの1つの画像要素の較正入力部にそれぞれ接続されている複数の較正線路を有する。制御装置は、複数の較正線路に接続されていて、複数の較正線路から選択された1つの較正線路のための較正信号を生成するために適している。
【0047】
一実施形態では、ディスプレイ装置は、複数の第1の遅延素子を有し、複数の第1の遅延素子は、2つの連続する列の列線路にそれぞれ結合されており、それぞれの第1の列線路と比較してそれぞれ所定の第1の期間τ1だけ遅延させて、それぞれの第2の列線路に選択信号を供給するように構成されている。さらに、ディスプレイ装置は、複数の第2の遅延素子を有し、複数の第2の遅延素子は、2つの連続する列のランプ線路にそれぞれ結合されており、それぞれの第1のランプ線路と比較してそれぞれ所定の第2の期間τ2だけ遅延させて、それぞれの第2のランプ線路にランプ信号を供給するように構成されている。所定の第1の期間τ1は、所定の第2の期間τ2に対して所定の比率である。
【0048】
一実施形態では、所定の比率は、τ1/τ2=1である。換言すれば、ランプ信号と選択信号とは、互いに同期している。
【0049】
画像要素およびディスプレイ装置のさらなる有利な実施形態および発展形態は、図面に関連して以下で説明される実施例から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】ディスプレイ装置のための画像要素の第1の実施例を示す図である。
図2図1による画像要素の例示的な詳細図である。
図3図1による画像要素の規定通りの動作中における例示的な信号推移を示す図である。
図4】ディスプレイ装置のための画像要素の第2の実施例を示す図である。
図5図4による画像要素1の規定通りの動作中における信号推移を示す図である。
図6】ディスプレイ装置のための画像要素の第3の実施例を示す図である。
図7図6による画像要素のLEDの動作中における信号推移を示す図である。
図8】ディスプレイ装置のための画像要素の第4の実施例を示す図である。
図9】第5の実施例によるディスプレイ装置のための画像要素の規定通りの動作中における信号の概要を示す図である。
図10】第5の実施例によるディスプレイ装置のための画像要素の規定通りの動作中における信号の概要を示す図である。
図11】第6の実施例によるディスプレイ装置のための画像要素の規定通りの動作中における信号の概要を示す図である。
図12】ディスプレイ装置のための画像要素の第7の実施例を示す図である。
図13】ディスプレイ装置のための画像要素の第8の実施例を示す図である。
図14】ディスプレイ装置のための画像要素の第9の実施例を示す図である。
図15】ディスプレイ装置のための画像要素の第11の実施例を示す図である。
図16】ディスプレイ装置のための画像要素の第12の実施例を示す図である。
図17】例示的なディスプレイ装置を示す図である。
【0051】
各図において同じ要素、同じ種類の要素、または同じ作用を有する要素には、同一の参照記号が付されている。図面および図面に図示されている要素の相互の寸法比は、縮尺通りであると見なされるべきではない。むしろ、個々の要素、とりわけ層厚さは、見やすくするためかつ/または理解しやすくするために誇張されて大きく図示されていることがある。
【0052】
アクティブマトリクス駆動方式を用いるディスプレイ装置は、例えば、μLEDに基づくことができ、ディスプレイ装置のそれぞれのピクセルは、3つのμLED(サブピクセル)を有する1つのセルに相当する。μLEDは、それぞれ赤色、緑色、青色のチップである。これらのサブピクセルの各々には、それぞれのμLEDを流れる電流を制御するために、薄膜トランジスタ(TFT)の形態のアクティブ素子を有する回路が対応付けられている。このようなユニットは、本明細書および以下では、ディスプレイ装置の画像要素と呼ばれる。個々のサブピクセルの輝度を適合させる(「調光する」)ために、電流を、プログラミング電圧を介してアナログに制御することができる。LEDの場合、色度座標と電流との間に依存関係が存在するので、純粋なアナログ動作の場合には、白点(色度座標/色域)が変化してしまう可能性がある。この問題を回避するために、サブピクセルの輝度をパルス幅変調(PWM)によって調整することができる。このような調整は、デジタル動作と呼ばれる。このパルス幅変調は、ピクセルセルを反復的にプログラミングすることによって生成可能である。サブピクセルは、公称電流によって所定の時間だけ動作させられ、残りの時間はオフのままである。観察者には、時間にわたる平均輝度がサブピクセルの静的輝度として知覚される。
【0053】
この場合、パルス幅変調は、反復的なプログラミングシーケンスによってディスプレイ装置の外部で生成される。しかしながら、デジタル動作によって1色あたり8ビット(合計24ビット、標準)の色深度を実現するためには、少なくとも60Hzのリフレッシュレートを有する高解像度のディスプレイの場合、今日のTFT技術では実現することができないスイッチング時間が必要となる。
【0054】
外部のプログラミング電圧を介してパルス幅変調を生成する代わりに、ピクセルの内部のマイクロコントローラを1つまたは複数のLEDに接続して、それらのLEDの動作を制御してもよい。しかしながら、このことは、とりわけディスプレイ装置のそれぞれのサブピクセルにそのようなマイクロコントローラが対応付けられる場合には、高いコストおよび膨大なスペース所要量に結び付いている。
【0055】
以下では、アクティブマトリクス方式のディスプレイ装置の(サブ)ピクセルのためのパルス幅変調をピクセル毎に生成することを可能にするような、画像要素およびディスプレイ装置が提示される。とりわけ、ビット深度、グレーレベル、および調光に関して高度なダイナミクスを効率的に実現すると同時に、画像要素の内部での集積の程度を少なくするために、画像要素の内部でアナログPWM信号を生成することが提案される。個々の画像要素を駆動するための複雑または正確な回路を、画像要素の外部に設けることができる。
【0056】
図1は、ディスプレイ装置100のための画像要素1の第1の実施例を示す。
【0057】
ディスプレイ装置100(図17を参照)のマトリクス配列において発光半導体構成素子Bを有する画像要素1は、選択信号scanとデータ信号dataとの組み合わせによって駆動される。選択信号scanは、例えば、10ナノ秒のパルス幅を有するパルスであり、このパルスは、ディスプレイ装置100の画像要素1の各々に対して生成され、16ミリ秒後に繰り返される(これは、ディスプレイ装置100のフレームレートに相当する)。データ信号は、例えば、デジタル・アナログ変換器によって提供されるアナログのグレースケール値である。
【0058】
ディスプレイ装置100は、それぞれ行xおよび列yの形態で配置されている複数の画像要素1を有する(図17)。個々の画像要素1の外部に配置されている制御装置12により、選択信号scanは、対応する選択入力部4にそれぞれ接続されている複数の列線路y1~ynを介して画像要素1に供給され、データ信号dataは、対応するデータ入力部5にそれぞれ接続されている複数の行線路x1~xmを介して画像要素1に供給される(給電端子は、詳細には図示せず)。
【0059】
画像要素1には、アナログ電圧信号、すなわちデータ信号dataのためのメモリが対応付けられている。このアナログ電圧信号をアナログ電流値に変換する代わりに、画像要素1は、このアナログ電圧信号に依存して、パルス幅変調された電流フローIledを生成し、この電流フローIledの振幅を、追加的に(オン時間の間に)アナログに電流制御することができる。
【0060】
このために、画像要素1にはユニット1S(図2)が対応付けられており、このユニット1Sは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)の形態のアクティブ素子を有する回路を含む。この回路は、とりわけ、ディスプレイ装置100のアクティブマトリクスバックプレーンのμICまたはTFT回路であってよい。画像要素1は、第1の給電端子Vddおよび第2の給電端子Vssを有し、これらの第1の給電端子Vddおよび第2の給電端子Vssを介して、それぞれ半導体構成素子Bを動作させるための給電電圧または給電電流を供給することができる。半導体構成素子Bの上流には、給電スイッチAを接続することができ、給電スイッチAは、ユニット1Sによって生成されたPWM信号PWMに依存して、電流フローIledを制御することができる。図2によれば、図1による画像要素1の2つの例示的な詳細図が示されている。
【0061】
左図のように、給電スイッチAは、例えばPMOSトランジスタとして構成されており、半導体構成素子Bの上流に接続されている。第1の給電端子Vddを介して第1の給電電圧が供給され、第2の給電端子Vssには、例えば、アースまたは半導体構成素子Bの負の動作電圧が印加される。第1の給電端子Vddは、給電電流源T4を介して給電スイッチAに接続されている。給電電流源T4は、例えばPMOSトランジスタとして、例えば制御可能に構成されており、調光信号dimに依存して、給電スイッチAの入力部に電流を供給するように構成されている。電流フローIledは、PWM信号PWMに依存してパルス幅変調され、これにより、半導体構成素子Bの輝度を調整することができる。この構造を、「コモンカソード(common cathode)」と呼ぶこともできる。
【0062】
右図では、第2の給電端子にアースが印加されている。第1の給電端子Vddを介して、例えば、第1の給電電圧または半導体構成素子Bの正の動作電圧が供給される。第1の給電端子Vddは、半導体構成素子Bを介して給電電流源T4に接続されており、給電電流源T4は、給電スイッチAの下流に接続されている。給電電流源T4および給電スイッチAは、ここでは例えば、NMOSトランジスタとして構成されている。この構造を、「コモンアノード(common anode)」と呼ぶこともできる。
【0063】
図2の中央は、ユニット1Sの考えられる一実施形態を示す。ユニット1Sの選択入力部4(図1を参照)を介して選択信号scanが供給され、データ入力部5を介してデータ信号dataが供給され、ランプ入力部6を介して、鋸歯状の電圧推移をもたらすランプ信号Vpwmが供給される。データ信号dataは、スイッチT2に印加され、スイッチT2は、選択信号scanに依存して、データ信号dataをデータコンデンサCprogに保存(サンプルアンドホールド)し、比較ユニットの第1の入力部3E1に供給するように制御される。比較ユニットは、例えばコンパレータ3、フリップフロップ等として構成されている。比較ユニットの第2の入力部3E2には、ランプ信号Vpwmが印加される。データ信号dataの振幅と、ランプ信号Vpwmの勾配およびパルス幅とに依存して、比較ユニットの出力部3AにおいてPWM信号PWMのパルス幅が生成される。
【0064】
ランプ信号Vpwmは、例えば、デジタル・アナログ変換器によって出力される電圧であり、対数的、指数関数的、または線形の勾配を周期的に有する。ランプ信号Vpwmの最大電圧および最小電圧は、例えば、半導体構成素子Bの調光範囲、すなわち、PWM信号PWMの最小パルス幅および最大パルス幅を定義する。ランプ信号Vpwmは、例えばディスプレイ装置100のそれぞれの画像につき整数倍の鋸歯状波を有し、すなわち換言すれば、ディスプレイ装置100のフレームレートの逆数は、ランプ信号Vpwmの周期のN倍に相当する。とりわけ、ランプ信号Vpwmは、ディスプレイ装置100のそれぞれの(サブ)ピクセルに関して、それぞれの画像につき正確に1つの鋸歯状波を有する。図3によれば、図1の画像要素1の規定通りの動作中におけるランプ信号Vpwmの信号推移の例示的な鋸歯状波と、データ信号dataのアナログのグレースケール値とが、それぞれ時間tにわたって示されている。ランプ信号Vpwmは、ここではデータ信号dataと同期しており、このことはつまり、例えば、選択信号scanのパルスが終了し、これに応じてデータ信号dataのアナログのグレースケール値がデータコンデンサCprogに充電された後には常に、ランプの開始が実施されることを意味する。
【0065】
ランプ信号Vpwmは、ここでは例えば、非線形の勾配を有する。それぞれの実施形態に応じて、データ信号dataによって表される電圧Vが、ランプ信号Vpwmによって表される電圧Vよりも大きい限り、半導体構成素子Bは、スイッチオン状態(ton期間)であり、そうでない場合にはスイッチオフ状態(toff期間)であるか、またはその逆も同様である。
【0066】
図3の左図のように、ランプ信号Vpwmおよびデータ信号dataは、それぞれ同じ電圧範囲をカバーしてもよいし、または低ナノ秒範囲(図3の右側に示されている)での分解能を改善するために、それぞれ異なる電圧範囲をカバーしてもよい。この関連において、とりわけランプ信号Vpwmとデータ信号dataとの種々の組み合わせが考えられる。すなわち、線形のランプ信号Vpwmを、線形のデータ信号dataと組み合わせることができるか、非線形のランプ信号Vpwmを、線形のデータ信号dataと組み合わせることができるか、または線形のランプ信号Vpwmを、非線形のデータ信号dataと組み合わせることができる。
【0067】
第1の実施例による画像要素1の場合、とりわけ、ランプ信号Vpwmを、ディスプレイ装置100の複数の画像要素1に、とりわけ、ディスプレイ装置100の1つの象限の全ての画像要素1に、または完全に、ディスプレイ装置100の全ての画像要素1に供給することが企図されている。このようなアプローチは、本明細書および以下では、「大域的」とも呼ばれる。図17に基づいて示されているように、この関連において、同一のランプ信号Vpwmを供給するために、制御装置12を、複数の供給線路z1~znを介して画像要素1の対応するランプ入力部6に接続することができる。個々の供給線路z1~znは、例えば、遅延素子D2を介して結合されており、これらの遅延素子D2は、ほぼ正確に1周期分の遅延を可能にする。これと同期して、例えば、列線路y1~ynは、同一の遅延を可能にする遅延素子D1を介して結合されている。さらに、遅延素子D1,D2は、個々の信号の完全性を維持するために増幅器として機能することができる。有利には、大域的なランプ信号Vpwmにより、ディスプレイ装置100の全体または象限のために、それぞれのPWM信号PWMのパルス幅を介してディスプレイ装置100の輝度を動的に適合させることが可能となる。
【0068】
図4によれば、ディスプレイ装置100のための画像要素1の第2の実施例が示されている。第1の実施例とは異なり、ここでは、大域的なランプ信号Vpwmの代わりにランプ信号Vpwmが画像要素内部の回路によって生成される。この関連において、図1による画像要素1には、ランプ入力部6(図1)の代わりに、例えばリセット入力部11(図4)が対応付けられており、このリセット入力部11を介してリセット信号blankが供給される。
【0069】
データ信号dataは、データコンデンサCprogに保存される。スイッチT2は、ここでは制御トランジスタT2として構成されており、制御トランジスタT2のソース電極T2Qは、データ入力部5に接続されており、制御トランジスタT2の制御電極T2Sは、選択入力部4に接続されており、制御トランジスタT2のドレイン電極T2Aは、データコンデンサCprogの第1の電極CprogE1に接続されており、データコンデンサCprogの第2の電極CprogE2は、第2の給電端子Vssに結合されている。第1の電極CprogE1はさらに、コンパレータ3の第1の入力部3E1に結合されており、コンパレータ3の出力部3AにおいてPWM信号PWMが出力される。PWM信号PWMは、給電トランジスタT1の制御電極T1Sに供給され、給電トランジスタT1のソース電極T1Qは、給電電流源T4を介して第1の給電端子Vddに接続されており、給電トランジスタT1は、自身のドレイン電極T1Aを介してLED2の第1の電極2E1に接続されており、LED2は、自身の第2の電極2E2を介して第2の給電端子Vssに接続されている。
【0070】
第1の給電端子Vddに接続されている電流源T5は、ランプコンデンサCpwmの第1の電極CpwmE1に結合されており、ランプコンデンサCpwmを一定の充電電流Ichargeによって充電する。ランプコンデンサCpwmの第2の電極CpwmE2は、第2の給電端子Vssに接続されている。一定の充電電流Ichargeにより、ランプコンデンサCpwmに印加される電圧Vpwmの線形の勾配が、時間tにわたって生成される。コンパレータ3は、自身の第2の入力部3E2を介してランプコンデンサCpwmの第1の電極CpwmE1に結合されており、データコンデンサCprogに印加された電圧Vprogを、ランプコンデンサCpwmに印加された電圧Vpwmと比較し、ランプコンデンサCpwmにデータコンデンサCprogと同一の電圧が印加されている場合には、自身の出力部3Aを「ロー」にスイッチングする。一周期Tが経過した後、リセット信号blankを介してランプコンデンサCpwmが放電され、プロセスが最初から開始される。リセット入力部11は、この関連において、ランプトランジスタT3の制御電極T3Sに結合されており、ランプトランジスタT3のドレイン電極T3Aは、第2の給電端子Vssに結合されており、ランプトランジスタT3のソース電極T3Qは、ランプコンデンサCpwmの第1の電極CpwmE1に結合されている。
【0071】
図5は、図4による画像要素1の規定通りの動作中における信号推移を示す。最初は、ランプコンデンサCpwmである。データ信号dataによって表される電圧Vprog(=目標グレー値)は、データコンデンサCprogに保存されており、ランプコンデンサCpwmに印加される電圧Vpwm(ランプ信号)よりも大きい。したがって、コンパレータ3の出力部3Aは、「ハイ」レベルにあり、給電トランジスタT1(例えば、NMOS)が導通している。その後、ランプコンデンサCpwmが充電される。時間ton1の後、ランプ信号Vpwmは、データ信号dataによって表される電圧Vprogを上回り、出力部3Aは、「ロー」レベルをとり、したがって、給電トランジスタT1は、電流フローIledを遮断する。一周期Tが経過した後、リセット信号blankとしてのパルスが供給され、これにより、ランプコンデンサCpwmが放電され、(変更されたデータ信号dataと、それに応じて異なるton2とを用いる)プロセスを新たに開始することができる。
【0072】
図6によれば、ディスプレイ装置100のための画像要素1の第3の実施例が示されており、第3の実施例は、給電電流源T4が制御可能に構成されているという点で第2の実施例とは異なっている。
【0073】
オン時間tonの間にLED2を流れる電流フローIledの振幅は、調整可能な電流源T4を介して大域的な調光信号dimによって外部から設定される。画像要素1は、この関連において、追加的な調光入力部7を有する。調光信号dimは、例えば複数の画像要素1を、例えば3つのサブピクセル(RGB)を有する1つのピクセルを、例えばさらに複数のピクセルを、例えば1つの行x全体、1つの列y全体、またはディスプレイ装置100全体を、一緒に調整することができる。電流源T4を給電トランジスタT1と組み合わせることもでき、すなわち、給電トランジスタT1は、オン時間tonの間には電流を制御し(例えば、飽和範囲内で)、オフ時間toffの間には非導通である。
【0074】
図7は、第3の実施例に関して、LED2を流れる電流フローIledの例示的な推移を示す。電流フローIledの振幅Lは、調光信号dimによって大域的に設定される。PWM信号PWMのデューティサイクル(duty cycle)、または電流フローIledのパルス幅DCは、PWM信号PWMまたはランプ信号Vpwmと、データ信号dataとによってピクセル毎に定義される。
【0075】
図8は、ディスプレイ装置100のための画像要素1の第4の実施例を示し、第4の実施例は、制御可能な給電電流源T4の上流に調光コンデンサCdimおよび調光トランジスタT6が接続されているという点で第3の実施例とは異なっている。調光コンデンサCdimの入力側の第1の電極CdimE1は、電流源T4に接続されており、調光コンデンサCdimの第2の電極CdimE2は、第2の給電端子Vssに接続されている。調光トランジスタT6のドレイン電極T6Aは、調光コンデンサCdimの第1の電極CdimE1に接続されており、調光トランジスタT6の制御電極T6Sは、選択入力部4に接続されており、調光トランジスタT6のソース電極T6Qは、調光入力部7に接続されている。
【0076】
オン時間tonの間にLED2を流れる電流フローIledの値は、調整可能な給電電流源T4を介して調光信号dimによって事前にプログラミングされて設定される。この関連において、第3の実施例による大域的な調光信号とは異なり、調光信号dimを、別個のデータ線路(列)を介してプログラミングすることができ、調光コンデンサCdimに保存することができる。一実施形態では、複数の(サブ)ピクセルがそのような調光信号dimまたは調光コンデンサCdimを共有することができる。例えば、1つのRGBピクセルが調光コンデンサCdimを共有するか、またはRGBピクセルのグループが調光コンデンサCdimまたはデータ信号dimを共有する。
【0077】
第5の実施例によれば、LED2を流れる電流フローIledの公称レベル(以下、Iled,nominalと呼ぶ)は、LED2の公称輝度が100%未満のデューティサイクルでもう既に実現されるように規定される(図9および10を参照)。換言すれば、例えば、公称μLEDを有する公称TFTバックプレーンを公称輝度で動作させるために、振幅Iled,nominalは、LED2が時間的に見て持続的にスイッチオンされないような大きさに選択される。このことはつまり、LED2の公称輝度を実現するための発光動作において、オン時間ton,nominalが、最大可能オン時間ton,maxよりも短いことを意味する(図9)。これにより、「バッファ」ton,bufferが残り、このバッファを使用して、暗すぎるLED(または電流が少なすぎるピクセル回路)をパルス幅変調によって「上方に」修正することができ、これによって誤差補償またはホワイトバランスを可能にすることができる。例えば、ton,bufferは、一周期Tの5%、例えば10%または15%の割合に相当する。最大オン時間ton,maxは、パルス幅変調の周期Tに相当し、ひいては100%のデューティサイクルに相当する。
【0078】
図10に示されているように、データ信号dataによって表される電圧Vprogの公称電圧Vprog,nominalを上回っている部分Vprog,bufferを使用して、パルス幅変調のデューティサイクルを、ton,nominalよりも長くなるように調整する(すなわち、ton,bufferを利用する)ことができ、これによって例えば、暗すぎるLEDをより明るくなるように調整することができる。
【0079】
これに代えてまたはこれに加えて、図11に基づいて示されているような第6の実施例では、ランプ電流源T5を流れる充電電流Ichargeを適合させることによって較正を実施することができる。充電電流Ichargeを低減し、その結果として生じる電圧Vpwm*の勾配を、ランプ信号Vpwmと比較して、すなわち、公称充電電流Icharge,nominalの場合のランプ信号Vpwmと比較してより平坦にすることにより、オン時間ton(破線で示されている)またはパルス幅変調のデューティサイクルを、公称オン時間ton,nominalと比較して延長させることができる。
【0080】
有利には、第5の実施例とは異なり、第6の実施例による較正は、充電電流Ichargeを介してパルス幅変調のデューティサイクルを適合させることによって実現可能である。較正の強さ(ランプ信号Vpwmの充電曲線の急峻さ)に関係なく、例えば、データ信号dataによって表される電圧Vprogの8ビット分解能は、パルス幅変調を均等な8ビットの段(256)に自動的に分割する。したがって、データ信号dataの分解能を、純粋な色分解能のために必要とされる分解能よりも高くする必要はない。
【0081】
要約すると、第5の実施例および第6の実施例によれば、LED2の公称輝度のためのパルス幅変調が100%のオン時間tonを有さないように公称電流レベルを規定すると、パルス幅変調を介して(輝度レベルを高くする方向にも)較正するためのバッファが残る。オン時間におけるバッファを、補償またはバランス措置のために使用することができる。データ信号dataのいわゆるオーバーヘッドによって、またはランプコンデンサCpwmの充電電流Ichargeの変化(低減)によって、バッファをアドレス指定することができる。
【0082】
図12は、ディスプレイ装置100のための画像要素1の第7の実施例を示し、第7の実施例は、画像要素1がセット入力部8を有するという点で第3の実施例とは異なっており、このセット入力部8を介して基準電圧Vsetを供給することができる。さらに、制御可能な給電電流源T4は、第1の補償トランジスタとして構成されており、ランプ電流源T5は、第2の補償トランジスタとして構成されている。第1の補償トランジスタのソース電極T4Qは、第1の給電端子Vddに接続されており、第1の補償トランジスタのドレイン電極T4Aは、給電トランジスタT1のソース電極T1Qに接続されており、第1の補償トランジスタの制御電極T4Sは、セット入力部8に接続されている。第2の補償トランジスタのソース電極T5Qは、第1の給電端子Vddに接続されており、第2の補償トランジスタのドレイン電極T5Aは、ランプトランジスタT3のソース電極T3Qに接続されており、第2の補償トランジスタの制御電極T5Sは、セット入力部8に接続されている。第1の補償トランジスタと第2の補償トランジスタとは、とりわけ、周囲温度のような外因性の影響がこれら2つのトランジスタ(構造ユニットT45によって示される)に対して実質的に同一に作用するように相互に配置されている。さらに、これら2つのトランジスタは、内在的な偏差を補償するために同一の製造方法によって製造可能である。例えば、第1の補償トランジスタおよび第2の補償トランジスタは、カレントミラーを形成する。
【0083】
換言すれば、充電電流Ichargeは、電流源T5によって動作させられ、電流源T5は、製造公差の観点から電流源T4と同一の影響を受け、このことは、例えば、相互に非常に密接して配置されていて、かつ1つの共通のゲート端子(セット端子8)を有していることによる。セット端子8は、例えば電圧基準に接続されており、トランジスタの幾何形状とともに動作点を固定的に調整する。例えば、第1の補償トランジスタの幅対長さの比は10であり、その一方で、第2の補償トランジスタの幅対長さの比は1である。この関連において、基準電圧Vset自体が、較正のために適しているわけではないことに注意すべきである。なぜなら、基準電圧Vsetの変化も同様に、上記の説明に従って補償されるはずであるからである。
【0084】
第1の補償トランジスタT4が、例えば層厚さの不正確さに起因してディスプレイ装置100の残りのピクセルに対して偏差を有している(例えば、ゲート電圧が同一であっても電流がより大きい)場合には、これに対応する第2の補償トランジスタT5も同様にこの偏差を有することとなる(これにより、充電電流Ichargeがより大きくなる)。この偏差は、ランプコンデンサCpwmにアナログに(離散化されずに)フィードバックされる。なぜなら、充電電流Ichargeが大きくなると、充電曲線がより急峻になり、ひいてはデューティサイクルが短くなり、このことによってLED2の輝度が低下し、全体として結果的に、輝度の補償がもたらされるからである。
【0085】
とりわけ、第5の実施例または第6の実施例(ton,nominal<T)と組み合わせて、このアナログ補償も、電流フローIledを上方に補正することができる。
【0086】
通常、ホワイトバランスによってピクセルワイズに補正される不正確さは、一部には、TFTバックプレーンの製造におけるプロセスのばらつきに起因し、一部には、使用されるLEDのばらつきに起因している。白補正は、基本的にマイクロコントローラまたはFPGAによって実施され、実際の輝度が測定された後、それぞれの(サブ)ピクセルのための補正係数が規定され、その後、この補正係数を用いてデータ信号dataのそれぞれの値が補正される。デジタル化された補正(すなわち、離散化された値を用いる)に起因して既にさらなる不正確さが生じており、したがって、分解能の制限にも起因して決して完全にバランスを取ることはできない。
【0087】
しかしながら、第7の実施例によれば、TTF回路の誤差成分がアナログに、ひいては離散化されずに独立して補償されるので、この誤差成分のために外部のホワイトバランスにおける分解能を保持する必要はない。したがって、ホワイトバランスは、せいぜいのところLEDの誤差成分のためだけに必要である。図13は、ディスプレイ装置100のための画像要素1の第8の実施例を示し、第8の実施例は、画像要素が調光端子9を有するという点で第3の実施例とは異なっており、この調光端子9を介して調光信号Set_I_chargeを供給することができる。さらに、ランプ電流源T5は、調光トランジスタとして構成されており、調光トランジスタのソース電極T5Qは、第1の給電端子Vddに接続されており、調光トランジスタの制御電極T5Sは、調光端子9に接続されており、調光トランジスタのドレイン電極T5Aは、ランプトランジスタT3のソース電極T3Qに接続されている。
【0088】
大域的な輝度調整(例えば、調光)は、給電電流源T4(DC、図6を参照)のアナログ調整に代えてまたはこれに加えて、ランプ電流源T5の調整および充電電流Ichargeによっても実施可能であり、ひいてはパルス幅変調によっても実現可能である。例えば、ここでは調光信号Set_I_chargeとしての電圧を介して適合が実施される。大域的に調光のみを行うべき場合(かつ、LED2が自身の公称輝度を上回るように調整されない場合)には、デューティサイクルのオーバーヘッド(第5の実施例および第6の実施例を参照)は必要ない。
【0089】
アクティブ回路素子における不正確さおよび経年劣化の影響に起因して、較正が必要になる場合がある。図14は、ディスプレイ装置100のための画像要素1の第9の実施例を示し、第9の実施例は、画像要素1が較正入力部10を有するという点で第8の実施例とは異なっており、この較正入力部10を介して較正信号data2を供給することができる。さらに、画像要素1は、較正トランジスタT6および較正コンデンサCprogDataを有する。較正トランジスタT6のソース電極T6Qは、較正入力部10に接続されており、較正トランジスタT6のドレイン電極T6Aは、調光端子9に接続されており、較正トランジスタT6の制御電極T6Sは、ランプトランジスタT3のソース電極T3Qに接続されている。較正コンデンサCprogDataの第1の電極CprogDataE1は、調光端子9に接続されており、較正コンデンサCprogDataの第2の電極CprogDataE2は、第2の給電端子Vssに接続されている。
【0090】
ここで、それぞれの(サブ)ピクセルのランプ電流源T5を、独自の較正入力部10を有する別個のサンプルアンドホールド段に接続して、それぞれの(サブ)ピクセルのランプ電流源T5に、別個の較正信号data2を供給することにより、LED2を流れる電流フローIledのデューティサイクルまたはパルス幅に対して、充電電流Ichargeを介して外部からもピクセル毎に介入することができる。このことは、例えば白点較正のために使用可能である。
【0091】
第10の実施例によれば、ディスプレイ装置100のそれぞれの画像要素1ごとに、それぞれ充電電流Ichargeを介してランプ信号Vpwmのそれぞれの急峻さをコントロールする第9の実施例による較正入力部10が、標準8ビットデータソース(標準IC)に接続されるか、または給電される。2つの別個の低コストの「標準」8ビットデータソースを使用することにより、パルス幅変調を合計16ビットで分解することができる。
【0092】
換言すれば、ピクセル毎の(白)較正のために、この実施例では8ビット電圧源が使用され、その一方で、(サブ)ピクセルの公称グレーレベルは、通常通りさらなる8ビット電圧源を介して調整され、これにより、2つの別個の低コストの標準ソースドライバICを使用することができる。
【0093】
これに代えて、ホワイトバランスを実現するために、データ信号dataに大きなビットオーバーヘッドを付与することもでき、すなわち、標準的な8ビットグレーレベル(1色あたり8ビット)の代わりに、正確なホワイトバランスのためにデータ信号dataが12~14ビットで分解される。ただし、標準ディスプレイドライバICのデータソースは、8ビットの分解能のみを有することが企図されている。この関連において、上記の2つの8ビット標準ソースドライバICと比較してより高価で特別に適合された、最大16ビットの精度を有するソースドライバICを使用することができる。
【0094】
図15は、ディスプレイ装置100のための画像要素1の第11の実施形態を示し、第11の実施形態は、データ信号dataがアナログ形式ではなくデジタル形式で存在するという点で先行する実施例とは異なっている。データ信号dataは、N個のデータビット、例えば8ビットを含む(見やすくするために、ここでは3ビットのみが示されている)。これに応じて、画像要素1は、N個の制御ユニットT21,T22,T23と、N個のデータコンデンサCprog1,Cprog2,Cprog3とを有し、これらは、それぞれサンプルアンドホールドユニットを形成する。この関連において、選択信号scanは、N個のパルスまたは1つのパルスを含み、このパルスは、個々の制御ユニットT21,T22,T23の間の遅延素子を介してデータ信号dataの個々のデータビットと同期して個々の制御ユニットT21,T22,T23に供給される。例えば、ディスプレイ装置100は、8ビットのグレースケールおよび1920個の列yの場合、60Hzのフレームレートを有し、したがって、複数のそのようなパルスのための十分な時間が残る(1920個の列を一緒に「プログラミング」するために1/60秒の時間枠(フレーム)が存在する。プログラミングはシーケンシャルに実施されるので、このために8CLKサイクルが必要である)。
【0095】
比較ユニットは、N個の第1の入力部3E1を有し、コンパレータ3等として構成されている。個々のデータビットの重要度に応じて、データコンデンサの容量を段階付けるか、または相応に段階付けられた乗算器を入力部の下流(例えば、コンパレータ3の内部)に接続することができ、その後、印加されている電圧が加算器に供給されて、その結果が、第2の入力部3E2に印加されているランプ信号Vpwmと比較される。
【0096】
図16は、ディスプレイ装置100のための画像要素1の第12の実施例を示し、第12の実施例は、データ信号dataおよびランプ信号Vpwmの両方がアナログ形式ではなくデジタル形式で存在するという点で先行する実施例とは異なっている。データ信号dataおよびランプ信号Vpwmの両方は、N個のデータビット、例えば8ビットを含む(見やすくするために、ここでは3ビットのみが示されている)。これに応じて、画像要素1は、個々のビットを比較するために構成されたN個の比較要素31,32,33(「ビット毎の比較器(bit by bit comparator)」)を有し、それぞれ、比較要素31,32,33の第1の入力部にはデジタルのデータ信号dataが供給され、比較要素31,32,33の第2の入力部にはデジタルのランプ信号Vpwmが供給される。比較要素31,32,33は、例えばコンパレータ、フリップフロップ等である。個々のデータビットの重要度に応じて、相応に段階付けられた乗算器が比較要素31,32,33の出力部の下流に接続されており、その後、生成された電流がノードに供給される。このノードの出力側は、ユニット13に接続されている。
【0097】
さらに、ユニット13には、大域的な電圧基準Vrefが供給される。ユニット13のそれぞれの入力部につき1つのコンデンサが設けられており、このコンデンサは、ノードの出力部または電圧基準Vrefによって充電され、このコンデンサの出力側は、さらなる比較要素34のそれぞれの入力部に接続されている。次いで、さらなる比較要素34の出力部には、PWM信号PWMが印加される。ノードにおいて積算されて重み付けられた、比較要素31,32,33の電流は、例えばユニット13内のコンデンサを充電する。電圧基準Vrefの閾値に到達すると、下流に接続されているさらなる比較要素34がトリガされる。さらなる比較要素34も、例えばコンパレータ、フリップフロップ等である。比較要素31,32,33の上流には、例えば、それぞれ1つの遅延素子Dを接続することができ、これにより、データ信号dataおよびランプ信号Vpwmの個々のデータビットは、それぞれ選択信号scanのパルスと同期して個々の比較要素31,32,33に供給される。この場合、例えば、ディスプレイ装置100は、24ビットのグレースケールおよび1920個の列yの場合、60Hzのフレームレートを有し、したがって、複数のそのようなパルスのための十分な時間が残る。すなわち、60Hzのリフレッシュレートは、16ミリ秒に相当し、この時間内に画像を完全に構築する必要がある。すなわち、それぞれの水平のピクセルにつき、時間として以下のものを利用することができる:50%のオン時間/パルスオン時間の場合、16ミリ秒/1920列(=ピクセル)/24ビット=0.3マイクロ秒(パルス持続時間/ビット)または0.15マイクロ秒のオン時間。
【0098】
要約すると、上記の実施例では、PWM信号PWMは、外部のプログラミングによって設定されるのではなく、ディスプレイ装置100の(サブ)ピクセルに相当する個々の画像要素1において生成される。画像要素1の内部でTFTを用いて、アナログまたはデジタルの電圧信号をデジタル信号(PWM信号PWM)に変換することができる。マイクロコントローラは、PWM信号PWMを生成するためのオプションに過ぎない。オプションとしてさらに、個々のLEDの電流レベルを大域的またはピクセル毎に適合させることができる。さらにオプションとして、ディスプレイ装置100の較正、またはピクセルの電流源の不正確さの補償が、生成されたPWM信号PWMと、LED2を介した電流フローIledのフィードバックとによって可能となる。とりわけ、オン時間tonの間にLED2を流れる公称電流フローIledを、給電電流源T4を介して制御して、固定的に設定可能またはプログラミング可能にすることにより、LED2の公称最大輝度を、例えば90%に制限して、残りの部分を較正のために利用することができるが、この制御は、例えば、アナログ電流レベルをピクセル毎にプログラミングするための第9の実施例による追加的なサンプルアンドホールド段(それぞれの画像要素1につき、追加的な較正コンデンサCprogDataおよび追加的な較正入力部10)を介して実施されるか、または(昼間/夜間モードおよび中間段階を実施するために外部からもたらされる)第3の実施例または第8の実施例による大域的な(または行毎もしくは列毎の)調光信号を介して実施される。
【0099】
有利には、先行する実施例による画像要素1は、電圧のプログラミングが選択信号scanおよびデータ信号dataを介して実施されるような、従来のアクティブマトリクス構造のディスプレイ装置100において使用可能である。選択信号scanをパルス幅変調の外部トリガとして使用することにより、供給線路を省略することができる。この関連において、リセット端子11は、例えば、選択入力部4に接続されており、リセット信号blankは、選択信号scanに対応する。パルス幅変調を画像要素1内で生成することにより、プログラミングを介した画像要素1のスイッチオンおよびスイッチオフが必要なくなる。すなわち、一般的に、アナログ画像情報は、2T1Cセルの保持コンデンサの内部に保存される。ここで、パルス幅変調もこの保持コンデンサと走査トランジスタとを介してマッピングされる場合には、データレートは、所望のPWM分解能の2^Nだけ増加する。パルス幅変調を生成するための代替手段と比較して必要とされるアクティブ回路素子が少ないので、TFT回路への集積が可能となる。
【0100】
本特許出願は、独国特許出願第102020100335号明細書の優先権を主張するものであり、その開示内容を、参照により本明細書に援用するものとする。
【0101】
本発明は、実施例に基づく説明によってこれらの実施例に限定されるわけではない。むしろ、本発明は、とりわけ特許請求の範囲に記載の特徴のあらゆる組み合わせを含む、あらゆる新しい特徴およびあらゆる特徴の組み合わせを、たとえこの特徴自体またはこの組み合わせ自体が特許請求の範囲または実施例に明示的に記載されていない場合であっても包含する。
【符号の説明】
【0102】
1 画像要素
1S ユニット
B,2 半導体構成素子/LED
2E1,2E2 LED電極
3 コンパレータ
4 選択入力部
scan 選択信号
5 データ入力部
data データ信号
6 ランプ入力部
Vpwm ランプ信号
7 調光入力部
dim 調光信号
8 セット入力部
Vset,Vref 基準電圧
9 調光端子
Set_I_charge 調光信号
10 較正入力部
data2 較正信号
11 リセット入力部
blank リセット信号
3E1,3E2,3A コンパレータの入力部/出力部
A,T1 給電スイッチ/給電トランジスタ
T2 制御トランジスタ
T3 ランプトランジスタ
T4 給電電流源
T5 ランプ電流源
T6 調光トランジスタ
T1S~T6S 制御電極
T1A~T6A ドレイン電極
T1Q~T6Q ソース電極
T21,T22,T23 制御ユニット
Cprog,Cprog1,Cprog2,Cprog3 データコンデンサ
CprogE1,CprogE2 コンデンサ電極
Cpwm ランプコンデンサ
CpwmE1,CpwmE2 コンデンサ電極
Cdim 調光コンデンサ
CdimE1,CdimE2 コンデンサ電極
CprogData 較正コンデンサ
CprogDataE1,CprogDataE2 コンデンサ電極
D1,D2 遅延素子
100 ディスプレイ装置
Vdd,Vss 給電端子
Iled 電流フロー
x 行
y 列
y1~yn 列線路
x1~xm 行線路
12 制御装置
z1~zn ランプ線路
τ1,τ2
ton,ton1,ton2,toff 期間
T 周期
Icharge 充電電流
T45 構造ユニット
図1
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図5
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図17