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特許7443551芳香プレミックス組成物及び関連する消費者製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】芳香プレミックス組成物及び関連する消費者製品
(51)【国際特許分類】
   C11B 9/00 20060101AFI20240227BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240227BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C11B9/00 Z
C11D3/50
C11D3/37
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022552797
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 US2021070230
(87)【国際公開番号】W WO2021179010
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】62/985,958
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】パナンディケル、ラジャン・ケシャヴ
(72)【発明者】
【氏名】クリューセナー、バーナード・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤスンダラ、チャスリカ・アール・ケイ
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-503648(JP,A)
【文献】特開2003-095888(JP,A)
【文献】特開2016-053227(JP,A)
【文献】国際公開第2017/164321(WO,A1)
【文献】特開2010-261126(JP,A)
【文献】特表2004-532329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 9/00- 9/02
C11D 1/00-19/00
A61K 9/00-47/69
A23L 9/00- 9/22
A23L27/00-27/60
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
FSTA(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香プレミックス組成物であって、
前記芳香プレミックス組成物の30重量%~98重量%のアミノシリコーンポリマーであって、
0.05~3meq/gの総アミン価を有し、
24時間後の抽出率(抽出%)が8%未満であることを特徴とする、アミノシリコーンポリマーと、
前記芳香プレミックス組成物の1重量%~20重量%のアミノ官能性材料であって
000ダルトン未満の分子量を特徴とし、
第一級アミン部分、第二級アミン部分、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのアミン部分を含む、アミノ官能性材料と、
前記芳香プレミックス組成物の0.5重量%~25重量%の、1種以上の香料原料を含む芳香材料であって、
前記1種以上の香料原料が、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、芳香材料と、
を含み、
9.9:0.1:0.1の重量比の前記アミノシリコーンポリマー、前記アミノ官能性材料、及び前記1種以上の香料材料の混合物が、480nmで透過%(T%)が少なくとも40であることを特徴とする、芳香プレミックス組成物。
【請求項2】
芳香プレミックス組成物であって、
前記芳香プレミックス組成物の30重量%~98重量%のアミノシリコーンポリマーであって、
0.05~3meq/gの総アミン価を有し、
21℃で測定される、水への溶解度が1000mg/L未満であることを特徴とする、アミノシリコーンポリマーと、
前記芳香プレミックス組成物の1重量%~20重量%のアミノ官能性材料であって
000ダルトン未満の分子量を特徴とし、
第一級アミン部分、第二級アミン部分、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのアミン部分を含む、アミノ官能性材料と、
前記芳香プレミックス組成物の0.5重量%~25重量%の、1種以上の香料原料を含む芳香材料であって、
前記1種以上の香料原料が、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、芳香材料と、
を含み、
9.9:0.1:0.1の重量比の前記アミノシリコーンポリマー、前記アミノ官能性材料、及び前記1種以上の香料材料の混合物が、480nmで透過%(T%)が少なくとも40であることを特徴とする、芳香プレミックス組成物。
【請求項3】
前記アミノシリコーンポリマーが、25℃で測定される、水への溶解度が800mg/L未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の芳香プレミックス組成物。
【請求項4】
前記アミノシリコーンポリマーが、0.05~22meq/gの総アミン価を特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の芳香プレミックス組成物。
【請求項5】
前記アミノシリコーンポリマーが、第一級アミン部分を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の芳香プレミックス組成物。
【請求項6】
前記アミノ官能性材料が、4~1000ダルトンの分子量を特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の芳香プレミックス組成物。
【請求項7】
前記アミノ官能性材料が、以下の一方又は両方:
(a)2~30g/モルのアミン当量、及び/又は
(b)100超の親水性基当量
を特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の芳香プレミックス組成物。
【請求項8】
前記アミノ官能性材料が、以下:
(a)脂肪族アミノ官能性材料
b)脂環式アミノ官能性材料
c)アミノ官能性シラン
d)第一級アミン部分又は第二級アミン部分がヒドロキシル基から2個の炭素原子によって分離されているアミノアルコール
e)1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、又は
(f)これらの混合物
からなる群から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の芳香プレミックス組成物。
【請求項9】
前記1種以上の香料原料が、以下:
a.オンシダール、メチルノニルアセトアルデヒド、アドキサール、メラナール、カリプソン、若しくはこれらの混合物、
b.クミンアルデヒド、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、イソシクロシトラール、トリプラール/リグストラール、3,6-アイビーカルバルデヒド、リグストラール、センテナール、若しくはこれらの混合物、
c.サテンアルデヒド(ジャスモレンジ)、オトロパール、シクラメンホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド(シクラマール)、リリアール、カントキサール、フロラロゾン、ケイ皮アルデヒド、若しくはこれらの混合物、
d.デルタ-ダマスコン、ベータ-ダマスコン、アルファ-ダマスコン、ネクタリル、若しくはこれらの混合物、
e.バニリン、エチルバニリン、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン-5-アセトアルデヒド、3-[4-(2-メチルプロピル)シクロヘキシル]プロパナール、若しくはこれらの混合物、又は
f.a、b、c、d、及びeの少なくとも2つのカテゴリから選択される材料の組み合わせ
から選択される材料を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の芳香プレミックス組成物。
【請求項10】
(a)前記アミノシリコーンポリマー及び前記アミノ官能性材料によって提供される、前記組成物中に存在する第一級及び第二級アミン部分の合計モルがXであり、
(b)前記1種以上の香料原料によって提供される、前記組成物中に存在するアルデヒド部分及び/又はケトン部分の合計モルがYであり、
(c)X:Yの比が、2:1~1:20である、請求項1~のいずれか一項に記載の芳香プレミックス組成物。
【請求項11】
前記芳香プレミックス組成物が、
前記芳香プレミックス組成物の40重量%~95重量%の前記アミノシリコーンポリマー、又は
前記芳香プレミックス組成物の2重量%~15重量%の前記アミノ官能性材料、又は
前記芳香プレミックス組成物の1重量%~20重量%の前記1種以上の香料原料、又は
これらの組み合わせを含む、請求項1~1のいずれか一項に記載の芳香プレミックス
組成物。
【請求項12】
前記芳香プレミックス組成物が、水を含む、請求項1~1のいずれか一項に記載の芳香プレミックス組成物。
【請求項13】
消費者製品であって、
請求項1~1のいずれか一項に記載の芳香プレミックス組成物と、
消費者製品補助剤と、を含む、消費者製品。
【請求項14】
前記消費者製品が、担体材料を更に含む、請求項1に記載の消費者製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シリコーンポリマーと、アミノ官能性材料と、アルデヒド及び/又はケトン部分を含む芳香材料と、を含む芳香プレミックス組成物であって、これらの成分が適度に混和性である、芳香プレミックス組成物に関する。本開示はまた、このようなプレミックスを含む消費者製品組成物にも関する。本開示はまた、関連するこのようなプレミックス及び製品の作製方法及び使用方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
布地ケア組成物などの消費者製品の製造業者は、消費者製品で処理する際に香料材料を当該製品に、そして、恐らくより重要なことには、消費者の標的表面に送達するための効率的な方法を望んでいる。例えば、洗濯操作中に布地を処理するために消費者製品を使用する場合、香料材料は、排水に洗い流されるのではなく、布地に付着することが非常に好ましい。
【0003】
香料原料(「Perfume raw materials、PRM」)をシリコーンと共混合し、付着効率を向上させることができる。しかしながら、更なる改善の余地が存在する。そのような特定のPRMとの混合物ではアミノシリコーンが使用されることがあり、アミノシリコーンのアミン基とPRMとの間の相互作用によって付着効率を更に増加させることができる。
【0004】
しかしながら、シリコーンにおけるアミノ基の数によって、充填容量(loading capacity)及び/又は相互作用の数が制限される場合がある。更に、必ずしも単にアミノシリコーンのアミン含有量を増加させればよいという訳ではなく、その理由は、これによって、アミノシリコーンの溶解度が増大する傾向があるので、水で容易に乳化される傾向及び/又は布地に付着する傾向が低下するためである。更に、アミノシリコーンの親水性が高すぎる場合、その多くが比較的疎水性である特定のPRMは、シリコーン液滴に分配されず、したがって、シリコーンポリマーと適切に会合しないので、使用時の香料付着が最適以下になると考えられる。
【0005】
他のアミン含有(非シリコーン)化合物は、香料送達の目的に有用であることが知られているが、そのような化合物は、芳香プレミックス及び/又は最終製品の望ましくない変色を引き起こす傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題のうちの1つ以上に対処する改善された芳香プレミックス組成物、関連する消費者製品組成物、及び/又は関連する方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、芳香プレミックス組成物及び関連する消費者製品に関する。
【0008】
例えば、本開示は、芳香プレミックス組成物であって、シリコーンポリマーであって、以下:(a)24時間後の抽出率(抽出%)が8未満である、及び/又は(b)21℃で測定される、水への溶解度が約1000mg/L未満である、及び/又は(c)アミン含有量が0.0~約2.2である、のうちの少なくとも1つを特徴とする、シリコーンポリマーと、アミノ官能性材料であって、約1000ダルトン未満の分子量を特徴とし、第一級アミン部分、第二級アミン部分、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのアミン部分を含む、アミノ官能性材料と、1種以上の香料原料を含む芳香材料であって、当該1種以上の香料原料が、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、芳香材料と、を含み、当該シリコーンポリマー、当該アミノ官能性材料、及び当該1種以上の香料材料の混合物が、例えば、9.9:0.1:0.1の重量比において、480nmで透過率(T%)が少なくとも40であることを特徴とする場合、適度に混和性である、芳香プレミックス組成物に関する。本開示は更に、そのような芳香プレミックス組成物の作製方法に関する。
【0009】
本開示はまた、そのような芳香プレミックス組成物を含む消費者製品組成物、当該プレミックス組成物の成分を含む液滴を含有する消費者製品組成物、並びにそのような消費者製品組成物の作製方法及び使用方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、芳香プレミックス組成物並びに関連する消費者製品及び方法に関する。芳香プレミックス組成物は、シリコーンポリマー、アミノ官能性材料、及び特定の香料原料を含む芳香材料を含む。これらの材料は各々、以下により詳細に記載するように、特定の特徴及び適合性について選択される。例えば、シリコーンポリマーは、特定の水への溶解度を特徴とし得、アミノ官能性材料は、比較的低分子量を特徴とし得、PRMは、特定の官能基を含み得る。更に、3つの成分は、互いに比較的混和性であり得る。成分の1種以上に対して適切な選択を行わないと、(例えば、香料性能の低下によって証明されるように)より効率の低いプレミックス又は消費者製品が生じ得る。
【0011】
理論に束縛されるものではないが、シリコーンポリマーからアミン基を脱カップリングすることにより、少なくとも部分的に、シリコーンを比較的疎水性で維持しながら液滴へのPRMの充填効率を増加させることができ、それによって、エマルジョンを便利に作製する及び/又はより効率的な付着を可能にすることができるようになると考えられる。
【0012】
更に、アミノ官能性材料をシリコーンポリマーと対にすることにより、プレミックス及び/又は最終製品における色安定性を改善し得ることが見出された。理論に束縛されることを望むものではないが、アミノ官能性材料の少なくとも一部がシリコーン液滴に分配され得、それによって、アミン基が変色副反応から「保護」され得ると考えられる。
【0013】
成分、プレミックス、組成物、及び方法については、以下により詳細に記載する。
【0014】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」とは、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
【0015】
本明細書では、用語「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」を使用してもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が、意図的に含まれるその他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在したとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は0重量%の濃度で存在してもよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、語句「布地ケア組成物」とは、布地を処理するために設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、洗濯前洗浄剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織布シート上又は中に含まれる洗剤、及び本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。
【0017】
本明細書で使用するとき、「芳香プレミックス組成物」、「プレミックス組成物」、及び「プレミックス」は、特に指示がない限り互換的に使用される。
【0018】
本明細書で使用するとき、「アミン含有量」、「アミン価」、及び「アミン含有量値」は、特に指示がない限り互換的に使用され、試験方法の章で提供される方法に従って求めることができる。窒素の重量パーセントは、試験方法の章で提供されるように総アミン価から求めることができる。
【0019】
別段の注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0020】
本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。別途記載のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で実施される。
【0021】
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
【0022】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、かかるより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0023】
芳香プレミックス組成物
本開示は、芳香プレミックス組成物に関する。本開示の芳香プレミックス組成物は、消費者製品組成物の有用な成分であり得、そのようなプレミックスを使用していない製品と比較して、消費者製品組成物の香料送達及び性能を改善するのに役立ち得る。更に、プレミックスで成分を組み合わせることにより、成分を別々に(例えば、プレミックスとしてではなく)消費者製品、特に水性消費者製品に添加した場合と比較して、消費者製品においてより効率的な香料送達及び性能が得られると考えられる。
【0024】
芳香プレミックス組成物は、シリコーンポリマー、アミノ官能性材料、及び芳香材料を含み、それらは各々、以下でより詳細に説明される。成分は、様々な特徴に基づいて選択しなければならない。適切な選択を行わないと、最適以下のプレミックス組成物が得られる場合がある。
【0025】
シリコーンポリマー、アミノ官能性材料、及び芳香材料は、三成分系(シリコーンポリマー、アミノ官能性材料、芳香材料)として互いに適度に混和性でなければならない。成分が適度に混和性でない場合、それらは互いに会合しない場合がある、及び/又はエマルジョン若しくは消費者製品組成物において3つの成分全てを含む液滴が形成されない場合がある。最も効率的な香料送達システムであると考えられるものを促進するために、そのような液滴が形成されることが望ましい。
【0026】
3つの選択された成分が適度に混和性であるかどうかを判定するためには、それらを一緒に混合し、目視検査してよく、9.9(重量)部のシリコーンポリマー、0.1部のアミノ官能性材料、及び0.1部の芳香材料の混合物をボルテックスミキサーで混合し、水(存在する場合)を除去し、次いで、混合物を目視検査した場合、混合物が透明に見える場合は成分が混和性であるとみなすことができる。更に又はあるいは、3つの選択された成分が適度に混和性であるかどうかを判定するために、それらを一緒に混合し、透過率について分析してもよい。より具体的には、9.9(重量)部のシリコーンポリマー、0.1部のアミノ官能性材料、及び0.1部の芳香材料の混合物を提供し、ボルテックスミキサーで混合し、次いで、480nmでの透過率(T%)について分析してよい。そのような測定についての更なる詳細については、以下の試験方法の章に提供する。480nmにおける三成分系のT%は、少なくとも40、又は少なくとも50、又は少なくとも60、又は少なくとも75、又は少なくとも80、又は少なくとも85、又は少なくとも90、又は少なくとも95、又は少なくとも98であってよい。より大きなT%の値は、混合物のより高い透明度と相関し、混和性の程度がより高いことを示す。
【0027】
シリコーンポリマー及びアミノ官能性材料は、芳香材料の非存在下で適度に混和性であり得る。9.9(重量)部のシリコーンポリマー及び0.1部のアミノ官能性材料の混合物(すなわち、二成分系)を提供し、ボルテックスミキサーで混合し、次いで、以下に提供する試験方法に従って480nmでの透過率(T%)について分析してよい。480nmにおける二成分系のT%は、少なくとも40、又は少なくとも50、又は少なくとも60、又は少なくとも75、又は少なくとも80、又は少なくとも85、又は少なくとも90、又は少なくとも95、又は少なくとも98であってよい。より大きなT%の値は、混合物のより高い透明度と相関し、混和性の程度がより高いことを示す。
【0028】
芳香プレミックス組成物は、液体である。プレミックスは、例えば、0.1rad/s及び25℃で測定された、約10~約10000Pa・s、好ましくは約10~約5000Pa・s、好ましくは約10~約1000Pa・s、好ましくは約10~約500Pa・s、好ましくは約20~約400Pa・s、より好ましくは約25~約300Pa・s、更により好ましくは約100~約300Pa・sの粘度を特徴とし得る。特に非常に高い粘度を有するプレミックスは製品に配合することが困難である場合があるため、加工上の理由から、標的粘度を有する芳香プレミックス組成物を得ることが望ましい場合がある。
【0029】
芳香プレミックス組成物は、水を実質的に含んでいなくてもよい。プレミックス組成物は、当該プレミックス組成物の10重量%未満、又は5重量%未満、又は2重量%未満、又は1重量%未満、又は0.5重量%未満、又は0.1重量%未満、又は更には0重量%の水を含み得る。このような低水プレミックスは、例えば、プレミックスが固体組成物又は水溶性フィルムによって封入された組成物などの低水消費者製品に製剤化される場合に望ましい場合がある。そのような場合、シリコーンポリマーは、プレミックスの大半である流体であり得る。
【0030】
芳香プレミックス組成物は水を含み得る。芳香プレミックス組成物は、当該組成物の約1重量%~約90重量%、又は約1重量%~約75重量%、又は約1重量%~約60重量%、又は約1重量%~約50重量%、又は約5重量%~約50重量%、又は約10重量%~約50重量%、又は約25重量%~約50重量%の水を含み得る。水の存在は液滴の形成を促進することができ、シリコーンポリマーが比較的疎水性であることに鑑みて、このことにより、消費者製品におけるプレミックスのより便利な分散を促進することができる。
【0031】
芳香プレミックス組成物は、エマルジョンの形態であってもよい。エマルジョンは、好ましくは、水中油型エマルジョンであり得る。エマルジョンは、複数の液滴を含み得、好ましくは、この場合、複数の液滴は、約1マイクロメートル~約10マイクロメートル、好ましくは約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの平均直径を特徴とする。理論に束縛されることを望むものではないが、特定の最小サイズの液滴は標的表面への付着効率にとって望ましいが、特定のサイズを超える液滴は、性能及び/又は安定性の問題、標的表面上におけるそのような斑点形成を引き起こす場合があると考えられる。
【0032】
芳香プレミックス組成物は、1種以上の乳化剤を含み得る。本明細書で使用するとき、「乳化剤」及び「エマルジョン剤」は、互換的に使用される。適切な乳化剤を選択すると、所望のサイズの液滴の形成、及び/又はプレミックスの最終製品への安定的な組み込みを促進することができる。乳化剤はまた、例えば粘度を望ましくないレベルまで増加させることによって、エマルジョンの粘度に対して望ましくない影響を及ぼさないように選択してもよい。
【0033】
1種以上の乳化剤は、非イオン性界面活性剤を含み得る。好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化脂肪族アルコールを挙げることができる。非イオン性界面活性剤は、式R(OC2H4)OHのエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択することができ、式中、Rは、約8~約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル、及びアルキル基が約8~約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は約5~約15である。
【0034】
1種以上の乳化剤は、直鎖状乳化剤、分岐鎖状乳化剤、又はこれらの混合物、好ましくは、直鎖状非イオン性界面活性剤、分岐鎖状非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含み得る。特に、直鎖状乳化剤は、芳香材料を乳化するために有用であり得、分岐鎖状乳化剤は、シリコーンポリマー、特にアミノ官能性シリコーンポリマーを乳化するために有用であり得る。
【0035】
1種以上の乳化剤は、実質的に疎水性であり得る。1種以上の乳化剤は、約5~約20又は約8~約16のHLB値を特徴とし得る。非イオン性界面活性剤のHLB値は、以下に提供する方法に従って求めることができる。
【0036】
シリコーンポリマー、アミノ官能性材料、及び芳香材料について、以下でより詳細に説明する。
【0037】
シリコーンポリマー
本開示の芳香プレミックス組成物は、シリコーンポリマー(又は本明細書で使用するとき、単に「シリコーン」)を含む。理論に束縛されることを望むものではないが、シリコーンポリマーの疎水性の性質によって、洗濯操作中に布地などの標的表面上への芳香材料の有効な付着が促進されると考えられる。
【0038】
芳香プレミックス組成物は、当該芳香プレミックス組成物の約30重量%~約98重量%、又は約40重量%~約95重量%、又は約50重量%~約90重量%、又は約60重量%~約85重量%のシリコーンポリマーを含み得る。
【0039】
シリコーンポリマーは、比較的疎水性であり得る。比較的疎水性のシリコーンは、水、プレミックス、及び/又は消費者製品組成物で乳化され、当該組成物中で液滴を形成し得る。これにより、三成分系の成分が互いに会合するようにアミノ官能性材料及び芳香材料を液滴に分配することが可能になり、その結果、最終用途における効率的な香料の付着及び性能、並びに改善された色安定性が得られる。他方、シリコーンの親水性が高すぎるか、又は水への可溶性が高すぎる場合は、有効な分配も香料送達も促進することができない。
【0040】
シリコーンポリマーは、比較的低い水への溶解度を有し得る。シリコーンポリマーは、25℃で測定される、約1000mg/L未満(例えば、1Lの水に約1000mg未満のシリコーンが溶解)、又は約750mg/L未満、又は約500mg/L未満、又は約250mg/L未満、又は約150mg/L未満、又は約100mg/L未満の水への溶解度を特徴とし得る。
【0041】
シリコーンポリマーは、その抽出率(「抽出%」)を特徴とし得る。シリコーンポリマーの抽出率は、特定の期間後に水中に見出すことができる、DI水と組み合わせた初期ポリマーサンプルの量(典型的には重量%として報告される)に関連する。したがって、比較的低い抽出%値は、水溶解度の程度が比較的低いことを示す。上記のように、本開示のシリコーンポリマーは、比較的低い水溶解度を特徴とすることが好ましい場合があるので、比較的低い抽出%値も好ましい場合があるということになる。例えば、本開示のシリコーンポリマーは、24時間後に、8%未満、又は5%未満、又は4%未満、又は2%未満、又は1%未満、又は0.5%未満、又は更には0.1%未満の抽出%値を特徴とし得る。本開示のシリコーンポリマーは、6日後に、15%未満、又は10%未満、又は5%未満、又は3%未満、又は2%未満、又は1.5%未満の抽出%値を特徴とし得る。抽出率は、以下の試験方法の章に提供する方法に従って求められる。
【0042】
シリコーンの分子量は、通常、材料の粘度を参照して示される。シリコーンは、25℃で約10~約2,000,000センチストークスの粘度を有し得る。好適なシリコーンは、25℃で、約50~約200,000センチストークス、又は約100~約100,000センチストークス、又は約500~約60,000センチストークス、又は約1000~約50,000センチストークス、又は約1000~約10,000センチストークの粘度を有し得る。そのようなシリコーンは比較的疎水性であり得るため、シリコーンの分子量及び/又は粘度が比較的高いことが好ましい場合がある。
【0043】
有効な分配及び液滴形成が便利に行われ得るように、シリコーンポリマーは、室温(例えば、22℃)で流体であることが好ましい。
【0044】
好適なシリコーンは、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、架橋されていてもよい。シリコーンは、シリコーン樹脂を含み得る。シリコーン樹脂は、高架橋ポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に、三官能性及び四官能性シランを単官能性若しくは二官能性シラン又はこれら両方と共に組み込むことによって導入され得る。
【0045】
好適なシリコーンは、非官能化シロキサンポリマー、官能化シロキサンポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。シリコーンは、非官能化シロキサンポリマーを含み得る。(非官能化とは、存在する場合、官能基が一般に非反応性であることを意味する-例えばメチル基。)シロキサンポリマーは、ポリアルキル及び/若しくはフェニルシリコーン流体、樹脂、並びに/又はガムを含み得る。
【0046】
シリコーンポリマーは、アミノシリコーン、シリコーンポリエーテル、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、カチオン性シリコーン、シリコーンポリウレタン、シリコーンポリウレア、又はこれらの混合物を含み得る。シリコーンポリマーは、好ましくは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)ポリマー、アミノシリコーン、又はこれらの混合物から選択され得る。
【0047】
シリコーンポリマーは、環状シリコーンを含み得る。環状シリコーンは、[(CHSiO](式中、nは、約3~約7、好ましくは約5~約6の範囲であり得る整数である)のシクロメチコンを含み得る。
【0048】
シリコーンポリマーは、少なくともいくつかのシリコーン原子に少なくとも1つのメチル基、又は少なくともいくつかのシリコーン原子に少なくとも2つのメチル基を含み得る。シリコーンポリマーは、
【0049】
【化1】
部分を含み得、そのようなポリマーは、アミノ官能性部分などの追加の官能性部分を更に含んでいてもよく、又はそのようなポリマーは、追加の官能性部分を含んでいなくてもよい。シリコーンポリマーは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)であり得る。
【0050】
シロキサンポリマーは、以下の式(I)による実験構造を有し得る:
[RSiO1/2[RSiO2/2[RSiO3/2 式(I)
(式中、
i)各R、R、R、及びRは、独立して、H、-OH、C~C20アルキル部分、C~C20置換アルキル部分、C~C20アリール部分、C~C20置換アリール部分、アルキルアリール部分、及び/又はC~C20アルコキシ部分からなる群から選択してよく、
ii)nは、約2~約10、又は約2~約6、又は2の整数であって;n=j+2であるように選択してよく、
iii)mは、約5~約8,000、約7~約8,000、又は約15~約4,000の整数であってよく、
iv)jは、0~約10、又は0~約4、又は0の整数であってよい)。
【0051】
式(I)によるシリコーンポリマーにおいて、R、R、及びR基は、独立して、メチル、エチル、プロピル、C~C20アルキル、及び/又はC~C20アリール部分を含み得る。R、R、及びRの各々は、メチルであってもよい。シリコーン鎖の末端をブロックする各R部分は、水素、メチル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシ、プロポキシ、及び/又はアルコキシからなる群から選択される部分を含み得る。
【0052】
そのようなシリコーンの非限定的な例は、ポリジメチルシロキサン(本明細書では「ポリジメチルシリコーン」又は「PDMS」又は「ジメチコン」と互換的に使用される)、例えば、Dow Chemicals(Midland MI)から入手可能なXiameter PMX 200流体、及び/又はシラノール終端シリコーン(ジメチコノールとも呼ばれる)、例えば、全てGelest Inc.(Morrisville,PA)から入手可能なDMS-S31、DMS-S32、及びDMS-S42である。
【0053】
シリコーンポリマーは、以下の繰り返し単位のうちの1つ以上を含むホモポリマー又はコポリマーであり得る:ジフェニルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、アルキルアリールシロキサン、2-フェニルプロピルメチルシロキサン、エチルメチルシロキサン、プロピルメチルシロキサン、ブチルメチルシロキサン、オクチルメチルシロキサン、ドデシルメチルシロキサン、テトラデシルメチルシロキサン、ヘキサデシルメチルシロキサン、オクタデシルメチルシロキサン、又はこれらの混合物。
【0054】
そのようなポリマーの例は、PDM-1922、PDM-0821、PMM-1043、PMM-1025、PMM-0021、APT-133、APT-213、APT-263、ALT-143、Alt-281、DMA-021(全てGelest Inc(Morrisville,PA)から入手可能)、並びに/又はSilwax 3H12-MS、Silwax3H-MS、及びSilwax-L118(全てSiltech Corporation(Toronto,Canada)から入手可能)である。
【0055】
シリコーンは、官能化シロキサンポリマーを含み得る。官能化シロキサンポリマーは、アミノ、アミド、アルコキシ、ヒドロキシ、カルビノール、ポリエーテル、カルボキシ、ヒドリド、メルカプト、サルフェート、ホスフェート及び/又は第四級アンモニウム部分からなる群から選択される1つ以上の官能性部分を含み得る。これらの部分は、二価アルキレンラジカル(すなわち、「ペンダント」)を介してシロキサン骨格に直接結合していてもよく、又は骨格の一部であってもよい。好適な官能化シロキサンポリマーとしては、アミノシリコーン、アミドシリコーン、シリコーンポリエーテル、シリコーン-ウレタンポリマー、第四級ABnシリコーン、アミノABnシリコーン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質が挙げられる。
【0056】
シリコーンポリマーは、アミノシリコーン(本明細書では「アミノ官能性シリコーン」としても開示され、互換的に使用される)を含み得る。アミノシリコーンが好ましい場合もあるが、その理由は、そのようなシリコーンポリマーは、更に芳香を充填するための追加のアミン基を提供し、それによって、より効率的な香料送達システムを提供するためである。好適なシリコーンポリマーは、好ましくは、アミン基は含むが、カルボキシ基又はヒドロキシ基などの他の親水性官能基は含んでいなくてよく、その理由は、そのような官能基が、アルデヒド又はケトン含有PRMのための好適な芳香充填部位を提供することなく、シリコーンポリマーの水溶解度を望ましくなく増加させ得るためである。
【0057】
好適なアミノシリコーンは、式(II)による実験構造を有し得る:
[RSiO1/2(j+2)[(RSi(X-Z)O2/2[RSiO2/2[RSiO3/2 式(II)、
(式中、
、R、R、及びRは、それぞれ独立して、-H、-OH、C~C20アルキル、C~C20置換アルキル、C~C20アリール、C~C20置換アリール、アルキルアリール、C~C20アルコキシ、及びこれらの組み合わせから選択されるが、ただし、Rは、言及した他の基に加えてX-Zから選択されてもよく、
Xは、2~12個の炭素原子を含む二価アルキレンラジカルである、及び/又は独立して、-(CH-、-CH-CH(OH)-CH-、
【0058】
【化2】
及びこれらの混合物(式中、sは、平均して約2~約10である)からなる群から選択され、
Zは、独立して、
【0059】
【化3】
(式中、Rは、各窒素における少なくとも1つのRが水素原子になるように、-H、C~C20アルキル、C~C20置換アルキル、及びこれらの組み合わせから選択される)からなる群から選択され、
kは、平均して約3~約40であり、
mは、平均して約100~約2,000であり、
jは、平均して約0~約10である)。
【0060】
式(II)による好ましいシリコーンポリマーにおいて、R、R、R、及びRは、全て-CHであり、j=0である。
【0061】
シリコーンポリマーは、以下の構造によるシリコーンを含むことが好ましい場合がある:
【0062】
【化4】
又はこれらの混合物(式中、k及びmは、式(II)に関して上記したとおり定義される)。そのようなシリコーンポリマーは、本開示の芳香プレミックスにおいて特に有用であると考えられる。
【0063】
アミノ官能性シリコーンは、1つ以上のアミン含有量値を特徴とし得る。アミン含有量、すなわち、第一級、第二級、第三級、及び/又は総アミン価(meq/g)は、サンプル1グラム中に存在するアミン官能基(第一級、第二級、第三級、及び/又は総)のミリ当量として定義される。理論に束縛されることを望むものではないが、アミノ官能性シリコーンのアミン含有量は、少なくとも部分的に、アミノ官能性シリコーンの水への溶解度に寄与すると考えられる。例えば、アミン含有量が増加するにつれて、アミノ官能性シリコーンは、一般に、水への可溶性が高くなる。したがって、比較的低い溶解度を維持し、それによって、エマルジョンの水相からの香料材料の分配を促進するために、アミノ官能性シリコーンの窒素含有量を制限することが望ましい場合がある。
【0064】
アミノ官能性シリコーンは、約0.05~約2.2、好ましくは約0.1~約2.14、又は約0.071~約1.78、又は約0.71~約1.43、又は約0.14~約1.07、又は約0.14~約0.71、又は約0.21~約0.71、又は約0.36~約0.71の総アミン含有量を特徴とし得る。アミノ官能性シリコーンは、約0.05~約2.2、好ましくは約0.071~約2.14、又は約0.071~約1.78、又は約0.71~約1.43、又は約0.14~約1.07、又は約0.14~約0.71、又は約0.21~約0.71、又は約0.36~約0.71の第一級アミン含有量を特徴とし得る。アミノ官能性シリコーンは、約1:2(例えば、50%)~約2:2(例えば、100%)、又は約1.2:2、又は約1.5:2、又は約1.8:2の、第一級アミン含有量の総アミン含有量に対する比を特徴とし得る。布地上において、PRM残基が第一級アミンと会合する、又は更には反応する場合もあると考えられることを考慮して、PRM充填効率を改善するために、総アミンと比較して比較的高い比率の第一級アミンを有するアミノ官能性シリコーンを選択することが好ましい場合がある。
【0065】
アミノ官能性シリコーンは、窒素の重量パーセントを特徴とし得る。例えば、アミノ官能性シリコーンは、官能基当量%として報告される、約0.1%~約4%、又は約0.1%~約3%、又は約0.1%~約2%、又は約0.2%~約1.5%、又は約0.2%~約1.0%、又は約0.3%~約0.8%、又は約0.3%~約0.75%の窒素含有量を特徴とし得る。官能基当量パーセントは、試験方法の章でより詳細に説明するように、アミノ官能性シリコーンのアミン価から求めることができる。シリコーンポリマーは窒素を含んでいなくてもよく、その場合、その窒素含有量は0.0%になり得、したがって、好適なシリコーンは、0.0%~約4%の窒素含有量を特徴とし得る。
【0066】
例示的な市販のアミノシリコーンとしては、Dow Performance Siliconeから入手可能なXiameter 8566、Xiameter 8822;Shin-Etsu Silicones of North America(Akron,Ohio)から入手可能なKF-873、KF-861、KF-867、KF-8003;並びにMomentive Performance Materials(Tarrytown,NY)から入手可能なMagnasoft Plus及びSF-1708が挙げられる。
【0067】
アミノ官能性材料
本開示の芳香プレミックス組成物は、アミノ官能性材料を含む。アミノ官能性材料は、本明細書に記載の香料原料と会合し、例えば消費者製品において使用される場合、香料の付着及び放出を促進すると考えられる。更に、アミノ官能性材料がシリコーンポリマーと適切に会合することができる場合、付着及び色安定性の利点を更に達成することができると考えられる。
【0068】
芳香プレミックス組成物は、当該芳香プレミックス組成物の約1重量%~約20重量%、又は約2重量%~約15重量%、又は約3重量%~約12重量%、又は約4重量%~約10重量%、又は約5重量%~約10重量%のアミノ官能性材料を含み得る。
【0069】
アミノ官能性材料は、比較的低分子量を特徴とし得る。質量効率上の理由(例えば、アミン基の分子量に対する好ましい/高い比)から、比較的低分子量が好ましい場合がある。例えば、アミノ官能性材料は、約40~約1000ダルトン、好ましくは約50~800ダルトン、より好ましくは約60~約600ダルトン、更により好ましくは約60~約500ダルトンの分子量を特徴とし得る。
【0070】
アミノ官能性材料は、1分子当たり1つ、2つ、又は3つのアミン部分、好ましくは1つ又は2つのアミン部分を含み得る。アミン部分は、第一級アミン部分、第二級アミン部分、又はこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。第一級及び/又は第二級アミン部分は、第三級及び/又は第四級アミン部分と比較して、PRMとより良好に会合し得ると考えられる。更に、2つ又は更には3つのアミン部分は、1つのアミン基しか有しない化合物と比較して、香料原料と組み合わせて改善された会合/充填を提供し得る。しかしながら、以下により詳細に記載するように、アミン基の数を限定することが望ましい場合もある。
【0071】
一般に、アミン部分の数が多いほど、化合物の水への溶解度が高くなる。材料の水溶性/親水性が高すぎる場合、一般に疎水性であるシリコーンと適切に混和性にならない場合があると考えられる。分子のアミン含有量を定量するための1つの方法は、分子のアミン当量である。本開示のために、アミン当量は、アミノ官能性材料の分子量を1分子あたりの第一級アミン基の数と第二級アミン基の数との合計で除したものとして定義される。これは、以下の等式として表される:
【0072】
【数1】
【0073】
アミノ官能性材料は、約25~約300、好ましくは約50~約180、より好ましくは約60~約130g/モルのアミン当量を有し得る。
【0074】
アミノ官能性材料は、第一級及び/又は第二級アミン以外の任意の親水性部分を実質的に含んでいなくてもよいが、その理由は、そのような親水性部分が材料の水溶解度を増加させる傾向があるためである。そのような親水性部分は、第三級アミン基、ヒドロキシル基(好ましくは第一級又は第二級アミン基から2個の炭素原子によって分離されていないヒドロキシル基)、ポリエーテル基、及びカルボキシル基、又はそれらの塩を含み得る。好ましくは、材料は、第一級又は第二級アミン以外の親水性部分を含まない(0個)。材料が第一級又は第二級アミン以外の親水性部分を含有する場合、アミノ官能性材料の親水性基の当量は100超であることが好ましい。本開示で使用するとき、親水性基当量は、アミノ官能性材料の分子量を、第一級及び第二級アミンを含まないアミノ官能性材料の分子中の親水基の数で除したものとして定義される。これは、以下の等式として表される:
【0075】
【数2】
【0076】
特定のアミノ官能性材料は、それらのアミン部分の種類及び/又は構造により、本開示の組成物において他のものよりも良好に機能する可能性が高いと考えられる。例えば、アミノ官能性材料は、以下のうちの1つを特徴とし得る:(a)合計1つの第一級アミン部分を含み、第二級アミン部分を含まない、又は(b)合計2つの第一級アミン部分を含み、第二級アミン部分を含まない、又は(c)1つの第一級アミン部分及び1つの第二級アミン部分を含み、好ましくは、第一級アミン部分及び第二級アミン部分が、2個の炭素原子によって分離されている、又は(d)ヒドロキシル基から2個の炭素原子によって分離されている1つの第一級アミン部分又は第二級アミン部分を含む。
【0077】
アミノ官能性材料は、以下からなる群から選択され得る:(a)直鎖状又は分岐鎖状であってよく、好ましくは分岐鎖状である脂肪族アミノ官能性材料、(b)脂環式アミノ官能性材料、(c)アミノ官能性シラン、(d)1つの第一級アミン部分若しくは第二級アミン部分がヒドロキシル基から2個の炭素原子によって分離されているアミノアルコール、又は(e)これらの混合物。アミノ官能性材料は、芳香族アミン(例えば、アミノ官能性部分が芳香環に直接結合している)を実質的に含んでいなくてもよく、又は更には全体で芳香族部分を実質的に含んでいなくてもよく、その理由は、そのような部分がアミノ官能性材料の溶解度を増加させる傾向があり、したがって、疎水性シリコーンと会合する可能性を低下させ得るためである。
【0078】
アミノ官能性材料は、直鎖状の脂肪族アミノ官能性材料を含み得る。好適な直鎖脂肪族アミノ官能性材料は、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、又はこれらの混合物を含み得る。そのような材料については、モノアミンが好ましいと考えられるが、その理由は、ジアミンは室温で固体であり、加工がより困難である傾向があるためである。
【0079】
好適な脂肪族アミノ官能性材料は、好ましくは分岐鎖状であり得る。そのような材料としては、2-エチルヘキシルアミン、分岐鎖状トリデシルアミン、t-ブチルアミン、ネオペンタンジアミン(2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン)、トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2-アミノヘプタン、2-ブチルオクチルアミン、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0080】
好適な脂環式アミンは、好ましくは、式(III)による構造を有する:
【0081】
【化5】
(式中、置換基R、R、R、R、R、及びRは、独立して、-NH、-H、親水性基、アルキル基、アルケニル基、置換アルキル基、1~10個の炭素原子を有する脂環式基、又は1~10個の炭素原子を有する置換脂環式基から選択され、nは、0~3、好ましくはnは1であるが、ただし、式(III)による化合物は、1~3つの第一級及び/又は第二級アミン基、好ましくは1~3つの第一級アミン基、より好ましくは2つの第一級アミン基を有する)。脂環式アミノ官能性材料はまた、アミン当量及び/又は親水性基当量、好ましくは両方に関して上記の基準を満たすことが好ましい場合がある。
【0082】
式(III)のアルキル、アルケニル、及び/又は置換アルキル基は、存在する場合、独立して直鎖又は分岐鎖状であり得る。式(III)の置換アルキル及び置換脂環式基は、存在する場合、第一級及び/又は第二級アミン基で置換され得る。
【0083】
好適な脂環式アミンとしては、以下の物質、又はこれらの混合物を挙げることができる:
【0084】
【表1】
【0085】
特に好ましい脂環式アミンとしては、メチルシクロヘキサンジアミン、好ましくは、2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0086】
アミノ官能性材料は、アミノ官能性シランを含み得る。好適なアミノ官能性シランとしては、トリアルコキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、アルキルジアルコキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、ジアルキルアルコキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、トリアルコキシ(アミノプロピル)シラン、アルキルジアルコキシ(アミノプロピル)シラン、ジアルキルアルコキシ(アミノプロピル)シラン、又はこれらの混合物を挙げることができる。好ましいアミノ官能性シランとしては、トリメトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、トリエトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、メチルジメトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、エチルジメトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、ジメチルメトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、ジメチルエトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、トリメトキシ(アミノプロピル)シラン、トリエトキシ(アミノプロピル)シラン、メチルジメトキシ(アミノプロピル)シラン、エチルジメトキシ(アミノプロピル)シラン、ジメチルメトキシ(アミノプロピル)シラン、ジメチルエトキシ(アミノプロピル)シラン、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0087】
アミノ官能性材料は、アミノアルコールを含み得、好ましくは、1個の第一級アミン部分又は1個の第二級アミン部分が、ヒドロキシル基から2個の炭素原子によって分離れている。ヒドロキシル基などの親水性基を有するアミノ官能性材料は、典型的には、本明細書に開示される組成物で使用するのには好ましくないが、この特定の構成を有するアミノアルコールは、有用であり得る。好ましいアミノアルコールとしては、2-(ブチルアミノ)エタノール、1-(シクロヘキシルアミノ)2-プロパノール、1-(ドデシルオキシ)-3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-プロパノール、3-(ドデシルアミノ)-1,2-プロパンジオール、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0088】
別の好適なアミノ官能性材料は、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンである。
【0089】
芳香材料
芳香プレミックス組成物は、芳香材料を含む。そのような材料は、使用時に心地よいアロマを提供するために及び/又は望ましくない臭いを隠すために、最終製品中に配合されることが望ましい。
【0090】
芳香材料は、1種以上の香料原料(「PRM」)を含み得る。香料原料のうちの1種以上は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含み得る。理論に束縛されることを望むものではないが、消費者製品において香料付着及び/又は性能を改善するように、アルデヒド又はケトン部分を有するPRMは、本明細書に記載のアミノ官能性材料(及び存在する場合、アミノシリコーンポリマー)のアミン部分と相互作用することができると考えられる。更に、特定の構造を有するPRMは、他のものよりも良好に機能する可能性が高いと考えられる。
【0091】
一般に、用語「香料原料」(又は「PRM」)は、本明細書で使用するとき、少なくとも約100g/モルの分子量を有し、かつ匂い、芳香、エッセンス、又は香りを単独で又は他の香料原料と共に付与するのに有用な化合物を指す。典型的なPRMは、特に、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ナイトライト、及びテルペンなどのアルケンを含む。一般的なPRMのリストは、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」第I巻及び第II巻;Steffen Arctander Allured Pub.Co.(1994)及び「Perfumes:Art,Science and Technology」、Miller,P.M.and Lamparsky,D.,Blackie Academic and Professional(1994)のような様々な元に見出され得る。
【0092】
PRMは、常圧(760mmHg)で測定されるそれらの沸点(B.P.)と、以下の試験方法に従って決定されるlogPに関して記載され得るオクタノール/水分配係数(P)を特徴とし得る。異なる沸点及び/又はlogPを特徴とする種々のPRMを有する香料は、例えば、通常の使用中に異なるタッチポイントで芳香効果を提供することが望ましい場合がある。
【0093】
上記のように、香料原料のうちの1種以上は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含み得る。1種以上の香料原料は、アルデヒド部分を含み得る。1種以上の香料原料は、ケトン部分を含み得る。
【0094】
1種以上の香料原料は、以下の構造:
【0095】
【化6】
(式中、Raは、C~C18アルキル、C~C18アルケニル、C~C18置換アルキル、
【0096】
【化7】
からなる群から選択され、各Rは、独立して、H、直鎖状又は分岐鎖状C~Cアルキル、C~C置換アルキル、及びC~Cアルコキシからなる群から選択され、kは、値0又は1の整数であり、Qは、2~8個の炭素原子を有するアルキレンラジカルであり、Rbは、H及びCH=CH-Rから選択され、Rは、H又はC~Cアルキル基から選択される)を特徴とし得る。RbがHである場合、構造はアルデヒド部分を含む。
【0097】
Ra基は、
【0098】
【化8】
からなる群から選択され得る。
【0099】
少なくとも2つのR基が縮合して、二環式構造、好ましくは、以下からなる群から選択される二環式構造を形成してもよい:
【0100】
【化9】
各Qは、独立して、
【0101】
【化10】
(式中、sは、1~4の整数であり、各Rは、独立して、H又はC~Cアルキル基から選択され、
【0102】
【化11】
(アスタリスク、すなわち、「」として示される場合もある)は、Ra基に連結している部分の末端を表す)から選択され得る。好ましくは、各Qは、独立して、
【0103】
【化12】
から選択される。
【0104】
Rb基は、Hであってよく、そのような場合、香料原料は、典型的にはアルデヒド部分を含む。
【0105】
Rb基は、-CH=CH-R(式中、Rは、H又はC~Cアルキル基から選択される)であってもよく、そのような場合、香料原料は、典型的にはケトン部分を含む。
【0106】
1種以上の香料原料は、以下の構造:
【0107】
【化13】
(式中、Ra及びRbは、以下の組み合わせのうちの1つから選択される:
a.Raは、C~C18アルキル、C~C18アルケニル、及びC~C18置換アルキルからなる群から選択され、Rbは、Hである;
b.Raは、
【0108】
【化14】
(式中、kは0であり、Rは、H、C~Cアルキル、及びC~Cアルコキシからなる群から選択される)から選択され、Rbは、0である;
c.Raは、
【0109】
【化15】
(式中、kは1であり、Rは、H、C~Cアルキル、及びC~Cアルコキシからなる群から選択され、Qは、
【0110】
【化16】
からなる群から選択され、式中、sは、1~4の整数であり、各Rは、独立して、H又はC~Cアルキル基から選択され、
好ましくは、Qは、
【0111】
【化17】
から選択される)からなる群から選択され、Rbは、Hである;
d.Raは、
【0112】
【化18】
(式中、kは、0である)からなる群から選択され、Rbは、-CH=CH-R(式中、各Rは、独立して、H又はC~Cアルキル基から選択される)である;又は
e.これらの混合物)を特徴とし得る。
【0113】
1種以上の香料原料は、以下から選択される構造(置換されていてもよい)を含み得る:
a.
【0114】
【化19】
b.
【0115】
【化20】
c.
【0116】
【化21】
d.
【0117】
【化22】
e.これらの混合物、
(式中、各R及び/又はRは、独立して、例えば、C~C18アルキル、C~C18アルケニル、及びC~C18置換アルキルの群から選択されるか、又はH、C~Cアルキル、及びC~Cアルコキシの群から選択される、PRMの好適な置換基部分である)。留意すべきことに、a.~d.の構造は、上記の群a.~d.に記載のPRMの選択肢である。
【0118】
1種以上の香料原料は、以下から選択され得る:
a.オンシダール、メチルノニルアセトアルデヒド、アドキサール、メラナール、カリプソン、若しくはこれらの混合物、
b.クミンアルデヒド、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、イソシクロシトラール、トリプラール/リグストラール、3,6-アイビーカルバルデヒド、リグストラール、センテナール、若しくはこれらの混合物、
c.サテンアルデヒド(ジャスモレンジ)、オトロパール、シクラメンホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド(シクラマール)、リリアール、カントキサール、フロラロゾン、ケイ皮アルデヒド、若しくはこれらの混合物、
d.デルタ-ダマスコン、ベータ-ダマスコン、アルファ-ダマスコン、ネクタリル、若しくはこれらの混合物、
e.バニリン、エチルバニリン、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン-5-アセトアルデヒド、3-[4-(2-メチルプロピル)シクロヘキシル]プロパナール、若しくはこれらの混合物、又は
f.カテゴリa、b、c、d、及びeから選択される少なくとも2つのカテゴリから選択される材料の組み合わせ。
【0119】
留意すべきことに、群a.~d.の具体的に命名された香料原料は、上記の各章の各々において群a.~d.で提供した構造の選択肢である。
【0120】
これらの同一性及び/又は構造(例えば、群a.~d.に記載されているもの)を有する香料原料は、他のPRM構造と比較して、処理された布地における比較的高いヘッドスペース測定値によって証明されるように、本開示による組成物において驚くほど良好に機能することが見出されている。更に、バニリン及び/又はエチルバニリン(上記の最後のリストの群e.に記載)も本開示の方法及び組成物において実質的に良好に機能するが、それは、たとえそのような性能が、本ヘッドスペース分析方法によって実質的に示されない場合があるとしても、である。
【0121】
芳香プレミックス組成物は、当該芳香プレミックス組成物の約1重量%~約50重量%、又は約5重量%~約50重量%、又は約10重量%~約40重量%、又は約15重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%の1種以上の香料原料を含み得る。
【0122】
上記のように、1種以上の香料原料のアルデヒド及び/又はケトン部分は、アミノ官能性材料のアミン部分と、そして、存在する場合、潜在的にアミノシリコーンポリマーのアミン部分と会合すると考えられる。したがって、ケトン/アルデヒド部分及びアミン部分が互いに適度に近いモル量で存在するレベルで成分を提供することが望ましい場合がある。例えば、アミノシリコーンポリマー(存在する場合)及びアミノ官能性材料によって提供された、組成物中に存在する第一級及び第二級アミン部分の合計モルが「X」である場合、そして、1種以上の香料原料によって提供された、組成物中に存在するアルデヒド部分及び/又はケトン部分(好ましくはアルデヒド部分)の合計モルが「Y」である場合、X:Yの比は、約2:1~約1:10、好ましくは約2:1~約1:5、より好ましくは約2:1~約1:2、より好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1:1~約1:1.5であり得る。一般に、問題の香料原料を過剰に有して(例えば、X:Yが、1:1以上である)、アミン部分が可能な限り多く充填又はクエンチされることを保証し、それによって、香料送達及び/又は性能の改善を促進することが好ましい場合がある。
【0123】
プレミックスの作製プロセス
芳香プレミックス組成物は、任意の好適なプロセスに従って作製され得る。例えば、本開示は、本明細書に記載されるものなどの芳香プレミックス組成物を作製するプロセスであって、(好ましくはこの順序で)、シリコーンポリマーを提供する工程と、アミノ官能性材料を添加する工程と、芳香材料を添加する工程と、を含み、各々が上記の相対量で提供される、プロセスに関する。混合は、全体を通して又は断続的に提供され得る。得られた混合物は、材料を組み合わせるのに十分な混合エネルギーで混合され得る。
【0124】
芳香プレミックス組成物がエマルジョンの形態であることが望ましい場合、プロセスは、(好ましくはこの順序で)、シリコーンポリマーを提供する工程と、アミノ官能性材料を添加する工程と、乳化剤を添加する工程と、水を添加する工程と、芳香材料を添加する工程と、を含み得、各々は上記の相対量で提供される。混合は、全体を通して又は断続的に提供され得る。得られた混合物は、材料を組み合わせ、乳化して、例えば、上記の液滴を形成するのに十分な混合エネルギーで混合され得る。
【0125】
プロセスは、(好ましくはこの順序で)、シリコーンポリマーを提供する工程と、乳化剤を添加する工程と、水を添加する工程と、アミノ官能性材料を添加する工程と、芳香材料を添加する工程と、を含み得、各々は上記の相対量で提供される。混合は、全体を通して又は断続的に提供され得る。得られた混合物は、材料を組み合わせ、乳化して、例えば、上記の液滴を形成するのに十分な混合エネルギーで混合され得る。
【0126】
特定の成分、例えば、シリコーンポリマー及び乳化剤、並びに/又は芳香材料及び乳化剤を予め混合しておいてもよい。各材料のための乳化剤は同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0127】
消費者製品
本開示はまた、消費者製品組成物、並びにそのような消費者製品組成物の作製方法及び使用方法に関する。消費者製品組成物は、例えば、布地、毛髪、又は皮膚などの表面をフレッシュニング及び/又はコンディショニングするために表面を処理するのに有用であり得る。消費者製品組成物は、本開示による例えばエマルジョン形態の芳香プレミックス組成物、及び消費者製品補助剤を含み得る。消費者製品組成物は、本開示による芳香プレミックス組成物を提供し、プレミックスを消費者製品補助剤と組み合わせることによって作製され得る。消費者製品補助剤は、ベース組成物の一部であってもよい。
【0128】
本明細書に記載の消費者製品組成物は、当該消費者製品組成物の約0.1重量%~約20重量%、又は約0.1重量%~約15重量%、又は約0.1重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約3重量%の本開示による芳香プレミックス組成物を含み得る。
【0129】
消費者製品組成物は、以下のレベルのうちの1つ以上で以下の成分のうちの1種以上を含み得るが、ここでは、成分は芳香プレミックスによって提供され、重量パーセントは消費者製品組成物の重量によるものである:約0.1%~約20%のシリコーンポリマー、及び/又は約0.05%~約10%のアミノ官能性材料、及び/又は約0.05%~約20%の1種以上の香料原料。
【0130】
本開示はまた、消費者製品補助剤と、複数の液滴と、を含む消費者製品組成物であって、当該液滴が、上記のシリコーンポリマーと、上記のアミノ官能性材料と、上記の芳香材料と、を含み、上記成分が上記の相対量で当該液滴中に存在し、上記成分が上記のように好適に混和性である、消費者製品組成物に関する。液滴は、本明細書に記載の芳香プレミックス組成物を消費者製品補助剤と組み合わせた結果として、消費者製品組成物中に存在し得る。複数の液滴は、約1マイクロメートル~約10マイクロメートル、好ましくは約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの平均粒径を有することを特徴とし得る。
【0131】
例えば、本開示は、消費者製品補助剤と、複数の液滴と、を含む消費者製品であって、当該液滴が、シリコーンポリマーであって、好ましくは、25℃で測定される、水への溶解度が約1000mg/L未満であることを特徴とする、シリコーンポリマーと、アミノ官能性材料であって、好ましくは、約1000ダルトン未満の分子量を特徴とし、第一級アミン部分、第二級アミン部分、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのアミン部分を含む、アミノ官能性材料と、1種以上の香料原料であって、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、1種以上の香料原料と、を含み、好ましくは、9.9:0.1:0.1の重量比の当該シリコーンポリマー、当該アミノ官能性材料、及び当該1種以上の香料材料の混合物が、480nmで透過%(T%)が少なくとも40であることを特徴とする、消費者製品組成物に関する。液滴は、芳香プレミックス組成物に関して記載したのと実質的に同じ比率で材料を含み得る。
【0132】
本開示による消費者製品組成物は、液体組成物、顆粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、香錠若しくはビーズ、繊維状物品、錠剤、バー、フレーク、不織布シート、又はこれらの混合物の形態であってよい。
【0133】
本開示の消費者製品組成物は、家庭用ケア組成物、好ましくは、布地及びホームケア製品、美容ケア製品、又はこれらの混合物からなる群から選択される家庭用ケア組成物であり得る。
【0134】
消費者製品組成物が布地及びホームケア製品である場合、当該布地及びホームケア製品は、好ましくは、洗濯洗剤組成物、布地コンディショニング組成物、布地前処理組成物、布地リフレッシャー組成物、又はこれらの混合物から選択され得る。布地コンディショニング組成物は、好ましくは、液体布地コンディショニング組成物であってよい。
【0135】
消費者製品組成物が美容ケア製品である場合、当該美容ケア製品は、好ましくは、毛髪処理製品、スキンケア製品、シェービングケア製品、パーソナルクレンジング製品、消臭剤及び/若しくは制汗剤、又はこれらの混合物から選択され得る。好ましくは、毛髪処理製品は、好ましくは、シャンプー、コンディショナー、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0136】
消費者製品組成物は、芳香プレミックス組成物及び/又は液滴に加えて、消費者製品補助剤を含み得る。消費者製品補助剤は、意図される製品及び/又は製品の意図される最終使用に好適な任意の量の任意の補助剤成分であり得る。消費者製品組成物は、芳香プレミックス組成物を消費者製品補助剤と組み合わせる工程を含む方法によって作製され得る。
【0137】
消費者製品補助剤は、芳香プレミックス組成物と組み合わされるベース組成物の一部であり得る。例えば、本開示は、芳香プレミックス組成物をベース組成物と組み合わせる工程を含み、当該ベース組成物が消費者製品補助剤を含む、消費者製品の作製方法に関する。芳香プレミックス組成物をベース組成物に添加してよい。消費者製品補助剤は、芳香プレミックス組成物をベース組成物に添加する前及び/又は後にベース組成物に添加してよい。
【0138】
消費者製品補助剤は、性能助剤、安定性若しくは加工助剤、又はその両方として有用であり得る。例えば、消費者製品補助剤は、アミン、界面活性剤系、水結合剤、亜硫酸塩、脂肪酸及び/又はその塩、酵素、封入有益剤、汚れ放出ポリマー、色相剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白触媒、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー分散剤、ポリマー脂洗浄剤、増白剤、抑泡剤、染料、色相剤、遊離香料、構造弾性化剤、コンディショニング又は柔軟剤、担体、充填剤、ヒドロトロープ、有機溶媒、抗菌剤及び/又は防腐剤、中和剤及び/又はpH調整剤、加工助剤、充填剤、レオロジー調整剤又は構造化剤、乳白剤、パールエッセンス剤、顔料、防食及び/又は防錆剤、並びにこれらの混合物から選択してよい。当業者は一般にこれらの補助剤に精通しているが、補助剤のうちのいくつかについては以下でより詳細に説明する。
【0139】
消費者製品組成物は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、例えば、洗浄上の利益を提供するために有用であり得る。組成物は、1種以上の界面活性剤を含有し得る界面活性剤系を含んでもよい。
【0140】
本開示の組成物は、組成物の約1重量%~約70重量%、又は約2重量%~約60重量%、又は約5重量%~約50重量%の界面活性剤系を含んでもよい。液体組成物は、組成物の約5重量%~約40重量%の界面活性剤系を含んでもよい。密な配合物、例えば密な、液体、ゲル、及び/又は単位用量形態に好適な組成物は、組成物の約25重量%~約70重量%、又は約30重量%~約50重量%の界面活性剤系を含んでもよい。
【0141】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。界面活性剤系は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエトキシル化サルフェート、アルキルサルフェート、エトキシル化アルコールなどの非イオン性界面活性剤、アミンオキシド、又はこれらの混合物を含んでもよい。界面活性剤は、少なくとも部分的に、天然供給原料アルコールなどの天然の資源に由来してもよい。
【0142】
好適なアニオン性界面活性剤は、任意の従来のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。これは、例えばアルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料用のサルフェート洗浄性界面活性剤、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状、又はこれらの組み合わせのであってもよい。好ましい界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、アルキルエトキシル化サルフェート(AES)、アルキルサルフェート(AS)、又はこれらの混合物が挙げられる。他の好適なアニオン性界面活性剤としては、分岐鎖状修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、及び/又はアルキルエトキシル化カルボキシレート(AEC)が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、酸形態、塩形態、又はこれらの混合物で存在してもよい。アニオン性界面活性剤は、部分的に又は全体的に、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)又はアミン(例えば、モノエタノールアミン)によって中和されてもよい。
【0143】
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含んでいてよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、エトキシル化脂肪族アルコールなどのアルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。その他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルキルフェノール、アルキルフェノール縮合体、中鎖分岐鎖状アルコール、中鎖分岐鎖状アルキルアルコキシレート、アルキル多糖類(例えば、アルキルポリグリコシド)、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状(例えば、中鎖分岐状)、又はこれらの組み合わせであってもよい。特定の非イオン性界面活性剤は、平均約12~約16個の炭素を有し、かつ平均約3~約9個のエトキシ基を有するアルコール、例えばC12~C14のEO7非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0144】
好適な双性イオン界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインをはじめとするベタイン、C~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド(例えば、C12~14ジメチルアミンオキシド)、並びに/又は、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート(ここで、アルキル基は、C~C18又はC10~C14であってもよい)などのスルホ及びヒドロキシベタインなどの、任意の従来の双性イオン界面活性剤を挙げることができる。双性イオン性界面活性剤は、アミンオキシドを含んでもよい。
【0145】
配合物及び/又は意図される最終用途に応じて、組成物は、特定の界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。例えば、布地柔軟剤などの液体布地増強組成物は、アニオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよいが、それはかかる界面活性剤がカチオン性成分と負の相互作用をし得るためである。
【0146】
消費者製品組成物は、コンディショニング活性物質を含み得る。コンディショニング活性物質を含有する組成物は、柔軟性、しわ防止、静電防止、コンディショニング、抗伸張、色、及び/又は外観に関する利益を提供し得る。
【0147】
コンディショニング活性物質は、組成物の約1重量%~約99重量%、又は約1重量%~約35重量%、又は約1重量%~約20重量%、又は約1重量%~約15重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約6重量%のレベルで存在し得る。組成物は、組成物の約1重量%から、又は約2重量%から、又は約3重量%から、約99重量%まで、又は約75重量%まで、又は約50重量%まで、又は約40重量%まで、又は約35重量%まで、又は約30重量%まで、又は約25重量%まで、又は約20重量%まで、又は約15重量%まで、又は約10重量%までのコンディショニング活性物質を含んでもよい。組成物は、組成物の約5重量%~約30重量%のコンディショニング活性物質を含んでよい。
【0148】
本開示の組成物に好適なコンディショニング活性物質としては、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化若しくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0149】
この組成物は、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン又はこれらの複数組の組み合わせ、好ましくは一組の組み合わせを含んでもよい。第四級アンモニウムエステル化合物とシリコーンとの合計量は、組成物の約5重量%~約70重量%、又は約6重量%~約50重量%、又は約7重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%であってもよい。組成物は、約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:3~約1:3、又は約1:2~約2:1、又は約1:1.5~約1.5:1、又は約1:1の重量比で第四級アンモニウムエステル化合物及びシリコーンを含み得る。
【0150】
組成物は、異なる種類のコンディショニング活性物質の混合物を含有していてもよい。本開示の組成物は、特定のコンディショニング活性物質を含有してもよいが、他のコンディショニング活性物質を実質的に含まなくてもよい。例えば、組成物は、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン又はその両方を含まなくてもよい。組成物は、四級アンモニウムエステル化合物を含んでもよいが、シリコーンを実質的に含まなくてもよい。組成物はシリコーンを含んでもよいが、四級アンモニウムエステル化合物を実質的に含まなくてもよい。
【0151】
本開示の組成物は、レオロジー改質剤及び/又は構造化剤を含んでもよい。レオロジー改質剤は、液体組成物を所望の粘度に「増粘する」又は「減粘する」ために使用されてもよい。構造化剤は、相安定性を促進するために、及び/又は本明細書に記載のエマルジョンの液滴などの液体組成物中の粒子若しくは液滴の凝集体を懸濁させる若しくは凝集を阻害するために使用され得る。好適なレオロジー変性剤及び/又は構造化剤としては、非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤(硬化ヒマシ油に基づくものを含む)、ポリマー構造化剤、セルロース繊維(例えば、木材を含む、細菌、真菌、若しくは植物起源から誘導され得るミクロフィブリル化セルロース)、ジアミドゲル化剤、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0152】
本明細書に記載の方法から作製された消費者製品組成物は、遊離香料を含み得る。より広くかつより多様な香りプロファイルを提供するために、消費者製品組成物の遊離香料中に、シリコーンエマルジョン中には存在しない香料原料を含めることが望ましい場合がある、及び/又は逆も同様である。例えば、シリコーンエマルジョンがアルデヒド部分を含む1種以上の香料原料を含む場合、消費者製品組成物の遊離香料は、アルデヒド部分を含まない1種以上の香料原料を含み得る。同様に、シリコーンエマルジョンがケトン部分を含む1種以上の香料原料を含む場合、消費者製品組成物の遊離香料は、ケトン部分を含まない1種以上の香料原料を含み得る。遊離香料は、アルデヒド部分を含む香料原料、アルデヒド部分を含まない香料原料、ケトン部分を含む香料原料、ケトン部分を含まない香料原料、又はこれらの混合物を含み得る。
【0153】
消費者製品組成物は、担体材料を含み得る。担体材料は、水、シリカ、ゼオライト、炭酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。担体材料は、消費者製品の所望の最終形態に基づいて選択してよく、例えば、液体製品には、担体として水を使用してよいが、粉末又は粒子の製品には、炭酸塩又はポリエチレングリコール(PEG)を使用してよい。
【0154】
ベース組成物は、液体の形態であってよい。ベース組成物は、水を含み得る。ベース組成物は、当該ベース組成物の約1重量%~約99重量%、好ましくは約5重量%~約98重量%、又は約10重量%~約95重量%、又は約50重量%~約95重量%、又は約60重量%~約95重量%、又は約75重量%~約95重量%の水を含み得る。
【0155】
消費者製品組成物は、液体の形態であってよい。消費者製品組成物は、水を含み得る。消費者製品組成物は、当該消費者製品組成物の約1重量%~約99重量%、好ましくは約5重量%~約98重量%、又は約10重量%~約95重量%、又は約50重量%~約95重量%、又は約60重量%~約95重量%、又は約75重量%~約95重量%の水を含み得る。特定の単位用量製剤は、水溶性フィルムを溶解しないように、比較的少量の水を有し得、例えば、組成物は、当該組成物の約20重量%以下、又は約15重量%以下、又は約12重量%以下、又は約10重量%以下の水を含み得る。本開示の芳香プレミックスは、比較的多量の水を含む液体組成物において特に有用であり得るが、その理由は、シリコーンの疎水性によって、シリコーン、アミノ官能性材料、及び芳香材料を水から分配し、高水マトリックスに会合させることが可能になると考えられるためである。
【0156】
消費者製品組成物は、複数の微粒子などの粒子状形態であり得る。個々の粒子は、約1mg~約1gの質量を有し得る。エマルジョンは、水溶性担体中に分散し得る。水溶性担体は、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。水溶性担体は、水溶性ポリマーであり得る。消費者製品組成物は、粒子状形態である場合、約25重量%~約99.99重量%の水溶性担体、及び約0.01重量%~約50重量%のエマルジョンを含み得る。粒子状形態は、ビース又は香錠の形態であり得る。
【0157】
使用方法
本開示は、本明細書に記載の芳香プレミックス組成物及び消費者製品組成物の使用方法に関する。例えば、芳香プレミックス組成物を用いて消費者製品を作製する方法が上記で説明されている。
【0158】
本開示はまた、表面を処理する方法であって、任意選択で水の存在下で、表面を、本明細書に記載の消費者製品組成物と接触させる工程を含む、方法に関する。好ましくは、表面は、布地、毛髪、又は皮膚、より好ましくは布地、更により好ましくは衣服である。
【0159】
本開示のプロセスは、組成物を水で希釈して、処理される表面に接触し得る処理液を形成することを含み得る。組成物は、水によって100倍~1000倍、又は200倍~900倍、又は300倍~800倍に希釈され得る。
【0160】
接触工程は、自動洗濯機のドラム内で行ってよい。接触工程は、洗浄サイクルの一部として、又は洗浄サイクルの直前に行ってよく、例えば、消費者製品は、洗剤組成物であってもよく、又は洗剤組成物と実質的に同時に添加されてもよい。接触工程は、洗浄サイクルに続いて行われる場合があるすすぎサイクルの一部として行ってもよく、例えば、消費者製品は、液体布地強化剤製品などの布地強化剤製品であってよく、洗剤製品によって処理された表面に続いて表面と接触し得る。
【0161】
接触工程は、例えば、洗浄サイクルの前に前処理工程として行ってもよい。
【0162】
組み合わせ
本開示の具体的に企図される組み合わせを、本明細書において以下のアルファベット付きの段落に記載する。これらの組み合わせは、本質的に例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではない。
【0163】
A.芳香プレミックス組成物であって、当該芳香プレミックス組成物の約30重量%~約98重量%のシリコーンポリマーであって、以下:(a)24時間後の抽出率(抽出%)が8未満である、(b)21℃で測定される、水への溶解度が約1000mg/L未満である、(c)アミン含有量が0.0~約3、好ましくは約0.0~2.2である、又は(d)官能基当量%として報告される窒素重量パーセントが、0.0%~約4%、若しくは約0.1%~約4%、若しくは約0.1%~約3%、若しくは約0.1%~約2%、若しくは約0.2%~約1.5%、若しくは約0.2%~約1.0%、若しくは約0.3%~約0.8%、若しくは約0.3%~約0.75%である、のうちの少なくとも1つを特徴とする、シリコーンポリマーと、当該芳香プレミックス組成物の約1重量%~約20重量%のアミノ官能性材料であって、約1000ダルトン未満の分子量を特徴とし、第一級アミン部分、第二級アミン部分、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのアミン部分を含む、アミノ官能性材料と、当該芳香プレミックス組成物の約0.5重量%~約25重量%の、1種以上の香料原料を含む芳香材料であって、当該1種以上の香料原料が、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、芳香材料と、を含み、9.9:0.1:0.1の重量比の当該シリコーンポリマー、当該アミノ官能性材料、及び当該1種以上の香料材料の混合物が、480nmで透過%(T%)が少なくとも40であることを特徴とする、芳香プレミックス組成物。
B.当該シリコーンポリマーが、24時間後の抽出率(抽出%)が5未満、又は4未満、又は2未満、又は1未満、又は0.5未満、又は更には0.1未満であることを特徴とする、段落Aに記載の芳香プレミックス組成物。
C.当該シリコーンポリマーが、25℃で測定される、水への溶解度が約800mg/L未満、又は約600mg/L未満、又は約500mg/L未満であることを特徴とする、段落A又はBに記載の芳香プレミックス組成物。
D.当該シリコーンポリマーが、約0.05~約3、好ましくは約0.05~約2.2、好ましくは約0.071~約2.14、又は約0.071~約1.78、又は約0.71~約1.43、又は約0.14~約1.07、又は約0.14~約0.71、又は約0.21~約0.71、又は約0.36~約0.71の総アミン含有量、好ましくは第一級アミン含有量を特徴とする、段落A~Cのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
E.当該シリコーンポリマーが、環状シリコーンポリマー、ポリジメチルシロキサン(PDMS)ポリマー、又はアミノ官能性シリコーンポリマー、好ましくは、PDMS又はアミノ官能性シリコーンポリマー、より好ましくは、第一級アミン部分を含むアミノ官能性シリコーンポリマーを含む、段落A~Dのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
F.当該アミノ官能性材料が、約40~約1000ダルトン、好ましくは約50~800ダルトン、より好ましくは約60~約600ダルトン、更により好ましくは約60~約500ダルトンの分子量を特徴とする、段落A~Eのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
G.当該アミノ官能性材料が、以下の一方又は両方:(a)約25~300、好ましくは約50~約180、より好ましくは約60~約130g/モルのアミン当量、及び/又は(b)100超の親水性基当量を特徴とする、段落A~Fのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
H.当該アミノ官能性材料が、以下:(a)合計1つの第一級アミン部分を含み、第二級アミン部分を含まない、(b)合計2つの第一級アミン部分を含み、第二級アミン部分を含まない、(c)1つの第一級アミン部分及び1つの第二級アミン部分を含み、好ましくは、第一級アミン部分及び第二級アミン部分が、2個の炭素原子によって分離されている、又は(d)ヒドロキシル基から2個の炭素原子によって分離されている1つの第一級アミン部分又は第二級アミン部分を含む、のうちの1つを特徴とする、段落A~Gのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
I.当該アミノ官能性材料が、以下:(a)脂肪族アミノ官能性材料、好ましくは、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、2-エチルヘキシルアミン、分岐鎖状トリデシルアミン、t-ブチルアミン、ネオペンタンジアミン(2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン)、トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2-アミノヘプタン、2-ブチルオクチルアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される脂肪族アミノ官能性材料、(b)脂環式アミノ官能性材料、好ましくは、2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-(2-アミノプロパン-2-イル)-1-メチルシクロヘキサン-1-アミン、シクロヘキサン-1,2-ジアミン、シクロヘキサン-1,3-ジイルジメタンアミン、シクロヘキサン-1,3-ジアミン、シクロヘキサン-1,4-ジアミン、3-(アミノメチル)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1-アミン、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキサン-1-アミン、4,4-メチレンビス(シクロヘキサン-1-アミン、シクロヘキサン-1,2-ジイルジメタンアミン、シクロヘプタンアミン、4-メチルシクロヘキサン-1-アミン、シクロヘキサンアミン、4,4-(プロパン-2,2-ジイル)ビス(シクロヘキサン-1-アミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される脂環式アミノ官能性材料、(c)アミノ官能性シラン、好ましくは、トリアルコキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、アルキルジアルコキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、ジアルキルアルコキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、トリアルコキシ(アミノプロピル)シラン、アルキルジアルコキシ(アミノプロピル)シラン、ジアルキルアルコキシ(アミノプロピル)シラン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアミノ官能性シラン、より好ましくは、トリメトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、トリエトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、メチルジメトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、エチルジメトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、ジメチルメトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、ジメチルエトキシ(アミノエチルアミノプロピル)シラン、トリメトキシ(アミノプロピル)シラン、トリエトキシ(アミノプロピル)シラン、メチルジメトキシ(アミノプロピル)シラン、エチルジメトキシ(アミノプロピル)シラン、ジメチルメトキシ(アミノプロピル)シラン、ジメチルエトキシ(アミノプロピル)シラン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアミノ官能性シラン、(d)第一級アミン部分又は第二級アミン部分がヒドロキシル基から2個の炭素原子によって分離されているアミノアルコール、好ましくは、2-(ブチルアミノ)エタノール、1-(シクロヘキシルアミノ)2-プロパノール、1-(ドデシルオキシ)-3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-プロパノール、3-(ドデシルアミノ)-1,2-プロパンジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアミノアルコール、(e)1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、又は(f)これらの混合物からなる群から選択される、段落A~Hのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
J.当該1種以上の香料原料が、アルデヒド部分を含む、段落A~Iのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
K.当該1種以上の香料原料が、ケトン部分を含む、段落A~Jのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
L.当該1種以上の香料原料が、以下:(a)オンシダール、メチルノニルアセトアルデヒド、アドキサール、メラナール、カリプソン、若しくはこれらの混合物、(b)クミンアルデヒド、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、イソシクロシトラール、トリプラール/リグストラール、3,6-アイビーカルバルデヒド、リグストラール、センテナール、若しくはこれらの混合物、(c)サテンアルデヒド(ジャスモレンジ)、オトロパール、シクラメンホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド(シクラマール)、リリアール、カントキサール、フロラロゾン、ケイ皮アルデヒド、若しくはこれらの混合物;(d)デルタ-ダマスコン、ベータ-ダマスコン、アルファ-ダマスコン、ネクタリル、若しくはこれらの混合物、(e)バニリン、エチルバニリン、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン-5-アセトアルデヒド、3-[4-(2-メチルプロピル)シクロヘキシル]プロパナール、又はこれらの混合物、又は(f)a、b、c、d、及びeの少なくとも2つのカテゴリから選択される材料の組み合わせから選択される材料を含む、段落A~Kのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
M.当該シリコーンポリマー及び当該アミノ官能性材料によって提供される、当該組成物中に存在する第一級及び第二級アミン部分の合計モルがXであり、当該1種以上の香料原料によって提供される、当該組成物中に存在するアルデヒド部分及び/又はケトン部分の合計モルがYであり、X:Yの比が、約2:1~約1:20、約2:1~約1:10、好ましくは約2:1~約1:5、より好ましくは約2:1~約1:2、より好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1:1~約1:1.5である、段落A~Lのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
N.当該芳香プレミックス組成物が、当該芳香プレミックス組成物の約40重量%~約95重量%、若しくは約50重量%~約90重量%、若しくは約60重量%~約85重量%のシリコーンポリマー、又は当該芳香プレミックス組成物の約2重量%~約15重量%、若しくは約3重量%~約12重量%、若しくは約4重量%~約10重量%、若しくは約5重量%~約10重量%のアミノ官能性材料,又は当該芳香プレミックス組成物の約1重量%~約20重量%、若しくは約2重量%~約20重量%、若しくは約5重量%~約20重量%、若しくは約10重量%~約20重量%、若しくは約15重量%~約20重量%の1種以上の香料原料、又はこれらの組み合わせを含む、段落A~Mのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
O.9.9:0.1:0.1重量比での当該シリコーン化合物、当該アミノ官能性材料、及び当該1種以上の香料材料の混合物が、480nmで透過%(T%)が少なくとも50、又は少なくとも60、又は少なくとも75、又は少なくとも80、又は少なくとも85、又は少なくとも90、又は少なくとも95、又は少なくとも98であることを特徴とする、段落A~Nのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
P.当該芳香プレミックス組成物が、エマルジョン、好ましくは水中油型エマルジョン、好ましくは約1マイクロメートル~約10マイクロメートル、好ましくは約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの平均直径を有する複数の液滴を特徴とする水中油型エマルジョンである、段落A~Oのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
Q.当該芳香プレミックス組成物が、水、好ましくは、当該組成物の約1重量%~約90重量%、又は約1重量%~約75重量%、又は約1重量%~約60重量%、又は約1重量%~約50重量%、又は約5重量%~約50重量%、又は約10重量%~約50重量%、又は約25重量%~約50重量%の水を含む、段落A~Pのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物。
R.段落A~Qのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物を作製するプロセスであって、シリコーンポリマーを提供する工程と、アミノ官能性材料を添加する工程と、任意選択で、乳化剤を添加する工程と、任意選択で水を添加する工程と、芳香材料を添加する工程と、を含む、プロセス。
S.段落A~Qのいずれか1つに記載の芳香プレミックス組成物と、消費者製品補助剤と、を含む消費者製品。
T.消費者製品であって、消費者製品補助剤と、複数の液滴と、を含み、当該液滴が、シリコーンポリマーであって、以下:(a)24時間後の抽出率(抽出%)が8未満である、及び/又は(b)21℃で測定される、水への溶解度が約1000mg/L未満である、及び/又は(c)アミン含有量が0.0~約3、好ましくは約0.0~2.2である、及び/又は(d)官能基当量%として報告される窒素重量パーセントが、0.0%~約4%、若しくは約0.1%~約4%、若しくは約0.1%~約3%、若しくは約0.1%~約2%、若しくは約0.2%~約1.5%、若しくは約0.2%~約1.0%、若しくは約0.3%~約0.8%、若しくは約0.3%~約0.75%である、のうちの少なくとも1つを特徴とする、シリコーンポリマーと、アミノ官能性材料であって、約1000ダルトン未満の分子量を特徴とし、第一級アミン部分、第二級アミン部分、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのアミン部分を含む、アミノ官能性材料と、1種以上の香料原料であって、アルデヒド部分、ケトン部分、又はそれらの組み合わせを含む、1種以上の香料原料と、を含み、好ましくは、9.9:0.1:0.1の重量比の当該シリコーンポリマー、当該アミノ官能性材料、及び当該1種以上の香料材料の混合物が、480nmで透過%(T%)が少なくとも40であることを特徴とする、消費者製品。
U.当該消費者製品が、担体材料、好ましくは、水、シリカ、ゼオライト、炭酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択される担体材料を更に含む、段落S又はTに記載の消費者製品。
V.当該消費者補助剤が、界面活性剤系、水結合剤、亜硫酸塩、脂肪酸及び/又はその塩、酵素、封入有益剤、汚れ放出ポリマー、色相剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白触媒、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー分散剤、ポリマー脂洗浄剤、増白剤、抑泡剤、染料、色相剤、遊離香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、充填剤、ヒドロトロープ、有機溶媒、抗菌剤及び/又は防腐剤、中和剤及び/又はpH調整剤、加工助剤、充填剤、レオロジー調整剤又は構造剤、乳白剤、パールエッセンス剤、顔料、防食及び/又は防錆剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、段落S~Uのいずれか1つに記載の消費者製品。
W.当該消費者製品が、液体組成物、顆粒状組成物、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、香錠若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、バー、フレーク、不織布シート、又はこれらの混合物の形態であり、好ましくは、当該消費者製品が、より好ましくは当該消費者製品組成物の約1重量%~約99重量%、好ましくは約5重量%~約98重量%、又は約10重量%~約95重量%、又は約50重量%~約95重量%、又は約60重量%~約95重量%、又は約75重量%~約95重量%の水を含む液体組成物の形態である、段落S~Vのいずれか1つに記載の消費者製品。
X.当該消費者製品が、家庭用ケア組成物、好ましくは布地及びホームケア製品、美容ケア製品、又はこれらの混合物からなる群から選択される家庭用ケア組成物であり、当該消費者製品が布地及びホームケア製品である場合、好ましくは、当該布地及びホームケア製品が、洗濯洗剤組成物、布地コンディショニング組成物、洗濯及びすすぎ添加剤、布地前処理組成物、布地リフレッシュナー組成物、又はこれらの混合物から選択され、当該消費者製品が美容ケア製品である場合、好ましくは、当該美容ケア製品が、ヘアトリートメント製品、スキンケア製品、シェービングケア製品、パーソナルクレンジング製品、消臭剤及び/若しくは制汗剤、又はこれらの混合物から選択される、段落S~Wのいずれか1つに記載の消費者製品組成物。
Y.段落S~Xのいずれか1つに記載の消費者製品を作製する方法であって、当該組成物を当該消費者製品補助剤と組み合わせる工程を含む、方法。
Z.表面を処理する方法であって、好ましくは当該表面が布地であり、当該方法が、当該表面を、任意選択で水の存在下で段落S~Xのいずれか1つに記載の消費者製品と接触させる工程を含む、方法。
【0164】
試験方法
混和性試験-UV-Vis透過%を介したシリコーンにおける混和性の測定
本明細書に記載の成分の相対的な混和性は、以下の手順に従って、1cmの路長のキュベット(VWR 97000-588)を用い、480nmにおいて透過モードで動作するUV-Vis分光光度計を使用して、サンプルを通る光の透過率を測定することによって求められる。好適な器具としては、Beckman Coulter DU800、ID#1159577、MV31994、SN#8003432が挙げられる。
【0165】
全てのサンプルの調製及び分析は、22℃±2℃の空気温度の実験室内で行う。ガラス製シンチレーションバイアルにおいて、組成物中に存在する主要なシリコーンを、試験するアミノ官能性アミン(例えば、エチルヘキシルアミン)と9.9:0.1重量/重量の比で組み合わせる。このバイアルに蓋をし、最高速度に設定した卓上型ボルテックスミキサーを使用して5分間、上記の物質を十分に混合する。混合後にバイアル内で2層以上の異なる物質の層がはっきりと視認できる場合、試験物質の混和性はこの方法では確定できないとみなされる。異なる層がはっきりと目に見えない場合には分析を続ける。
【0166】
分光光度計のランプを点灯し、測定を開始する前に30分間温める。200~800nmの波長において透過率(T%)モードで測定値を収集するように機器を設定する。全てのサンプルを経路長1cmのプラスチック製キュベットに充填する。キュベット内に気泡が見られる場合には、ピペットを使用して気泡を取り除くか、又は測定に先立ってキュベットから気泡を逃す。水が存在する場合、T%測定の前に混合物から(例えば、ロータリーエバポレーターで)除去しなければならない。
【0167】
それぞれの未希釈(neat)シリコーンサンプル(表を参照)でベースラインをゼロにする(ブランクとして実行)。前述の説明の下で調製された混合物(例えば、シリコーン及びアミノ官能性材料、又はシリコーン+アミノ官能性材料+香料原料)のT%を測定する。
【0168】
480nmでのT%を報告する。比較的高いT%を示す混合物は、比較的良好な混和性を示す。
【0169】
シリコーンの抽出率(抽出%)
シリコーンポリマーの抽出率(抽出%)を求めるために、概してOECD120ガイドラインに従って、ポリマー対DI水の重量比1:100でサンプルを調製する。(この方法は、実質的に、本開示の最初の出願日時点でのOECD120ガイドラインに基づき、この方法に何らかの欠落が存在する場合、それを埋めるためにOECD120ガイドラインを使用すべきである。)およそ0.2gのシリコーンポリマーを250mLのポリプロピレン製の3つの注ぎ口のあるカップ(tri-pour cup)の底部に均一に広げ、ビーカーの底部の総表面領域全体にわたって広げる。底部でポリマー層を乱さないように注意しながら、ポリマーの入ったカップに20mLのDI水をピペットで移す。ビーカーをパラフィルムで覆い、室温(約21℃)で24時間及び6日間、超低速のオービタルシェーカー上に置く(環境水の穏やかな運動を模倣する)。各時点につき、各ポリマーをデュープリケートで調製する。
【0170】
指定の時間後、各ビーカーから水の10mLアリコートを、300μLのテトラヒドロフラン(THF)及び50μLの100ppmイットリウム(水溶液)の入った15mLの遠心チューブにピペットで移す。(場合によっては、較正範囲内に留めるためにDI水による希釈が必要になり得る)。
【0171】
無機ケイ素の外部較正曲線又は試験するシリコーンポリマーの較正曲線に対して誘導結合プラズマ最適発光分光法(inductively coupled plasma optimal emissions spectroscopy、ICP-OES)によってサンプルを分析する。データを、各ポリマーのケイ素含有量を使用して無機ケイ素をポリマー等価物に変換することによってポリマー等価物で、又はポリマー較正曲線から直に報告する。
【0172】
所与の期間(例えば、24時間及び/又は6日間)後の各ポリマーの抽出率(抽出%)を、3つの注ぎ口のあるカップに秤量した元のポリマーの質量に対する、水相中で測定されたポリマー等価物の質量から計算する。結果を抽出%として報告する。
【0173】
アミン含有量及び窒素%の決定
以下の方法に従って、アミノ官能性シリコーンの総アミン含有量、第一級アミン含有量、及び/又は窒素%を求める。より具体的には、この方法を使用して、1グラムのサンプル中に存在するアミン官能基(第一級、第二級、及び第三級)のミリ当量として定義される第一級、第二級、及び第三級アミン価(meq/g)を求める。
【0174】
この方法は公定法ASTMD2074-07に基づき、これは、必要に応じてこの方法を補足するために使用すべきである。広いストークで、サンプルをイソプロピルアルコールに溶解させ、標準化HCl溶液を使用してブロモフェノールブルー終点まで滴定する。
【0175】
以下の材料を使用する:イソプロピルアルコール中0.1N塩酸(CAS7647-01-1、67-63-0;99.5%;Fisher Scientific製);イソプロピルアルコール(CAS#67-63-0;99%;EMD製);フェニルイソチオシアネート(CAS#103-72-0;98%;Sigma Aldrich製);サリチルアルデヒド(CAS#90-02-8;98%;Sigma Aldrich製);ブロモフェノールブルー指示薬(エタノール又はイソプロピルアルコール中0.1重量%溶液;Fisher Scientific製)。
【0176】
以下の滴定は各々、合計3回繰り返さなければならない。更に、滴定体積は実験的に決定しなければならない。滴定体積は、1~20mLでなければならない。滴定体積が1mL未満である場合、より多くのサンプルを計量する。サンプルが20mLを超える場合、より少ないサンプルを計量する。Metrohm Dosimat 775などのビュレット又は等価物を滴定に使用することができる。滴定の黄色の終点に関して、黄色が緑色に退色することがあるが、明るく澄んだ黄色である場合、0.1NのHClを追加しても元の色が変化しない場合は無視すべきである。
【0177】
A.総アミン含有量の滴定
予め液体になっていない場合、サンプル(典型的には100%活性)を水浴中で溶融させる。十分に混合し、250mLの三角フラスコ(広口、アルカリ耐性)に0.5グラム~1.0グラムを正確に量りとる。重量を小数第四位まで記録する。
【0178】
フラスコに、50mLのイソプロピルアルコールを添加する。0.5mLのブロモフェノールブルー指示薬を添加する。黄色の終点に達するまで、旋回させながら0.1NのHCl溶液で滴定する。使用したHClの体積をV1,2,3として記録する。
【0179】
B.第二級及び第三級アミン含有量の滴定
予め液体になっていない場合、サンプル(典型的には100%活性)を水浴中で溶融させる。十分に混合し、2つの250三角フラスコに1.0グラムを正確に量りとる。重量を小数第四位まで記録する。フラスコにそれぞれS及びTとマークする。各フラスコに、50mLのイソプロピルアルコールを添加する。
【0180】
フラスコSに、1mLのサリチルアルデヒドを添加する。(磁気撹拌棒を用いて)30分間溶液を撹拌する。0.5mLのブロモフェノールブルー指示薬溶液を添加し、撹拌しながら0.1NのHClで黄色の終点まで滴定する。使用したHClの体積をV2及び3として記録する。
【0181】
フラスコTに、1mLのフェニルイソチオシアネートを添加する。(磁気撹拌棒を用いて)30分間溶液を撹拌する。0.5mLのブロモフェノールブルー指示薬溶液を添加し、撹拌しながら0.1NのHClで黄色の終点まで滴定する。使用したHClの体積をVとして記録する。
【0182】
C.アミン含有量の計算
下記の計算の変数は、以下に対応する:
V:試料の滴定に必要なHCl(mL)
N:HCl溶液の規定度
S:試料の重量(g)
meq/g:ミリ当量/グラム
総:総アミン価
AS:第二級及び第三級アミン基のアミン価
TA:第三級アミン価
【0183】
上記の滴定に関連して得られた測定値に基づいて、以下の計算を使用して様々なアミン含有量を求める。
【0184】
【数3】
第二級アミン価=(AS-TA)
第一級アミン価=(総-AS)
【0185】
D.窒素重量%の計算
アミン含有量に基づくアミノ官能性シリコーン中の窒素の重量%を求めるために、以下の計算を使用する。
【0186】
化合物中の窒素の重量パーセントは、以下のようにアミン価(meq/g)から計算することができる。
(アミン価/1000)×(窒素のMW)×100=窒素重量%
【0187】
一例として、ジメチルエタノールアミンは、11.2(meq/g)のアミン価を有する。その窒素の重量パーセント(15.7重量%)は、以下のとおりである:
(11.2/1000)×(14.01)×100=15.7窒素重量%
【0188】
以下の表は、窒素の重量%及び等価なアミン価を示す。
【0189】
【表2】
【0190】
アミノ官能性材料が第一級、第二級、及び/又は第三級のアミンの形態ではない窒素原子を含有する場合、窒素含有量(重量パーセントとして)は、当業者に既知の方法に従って求めることができる。
【0191】
E.標準物質
方法の品質管理を確認するために、好適な標準物質、例えば、ジメチルエタノールアミン(第三級アミン、99.5%;Sigma-Aldrichから入手可能)で試験してもよい。この特定のアミンの場合、総アミン及び第三級アミン含有量は、11.2±0.2meq/gでなければならない。第一級及び第二級アミン含有量は、<0.1meq/gでなければならない。
【0192】
粘度試験方法
以下の試験方法を使用して、アミノ官能性シリコーン及び/又はそのようなシリコーンを含有するエマルジョンの粘度を求める。
【0193】
25℃におけるサンプル粘度の予備推定値を用いて、モデルAR-G2レオメータ(TA Instrument Corp.製(New Castle,Delaware,USA))で行われる最終的な粘度測定分析において使用する適当な器具の構成を選択する。サンプル粘度の予備推定値は、ブルックフィールド粘度計(Brookfield Engineering Laboratories Inc.(Middleboro,Massachusetts,USA))を用いて得ることもできる。AR-G2レオメータで使用するための構成の選択は、以下の表に従って決定される:
【0194】
【表3】
【0195】
この構成を器具に取り付け、器具をマッピングし、隙間距離を0とし、器具温度を25℃に設定する。平行プレートを使用する場合は測定モードとして硬質モードを選択し、クエットカップ及びボブの構成を使用する場合は軟質モードを選択する。サンプル材料は、例えばベースプレートのようなサンプル保持機構内に装着される。ベースプレートと選択される構成との間の許容される最小隙間距離は、サンプル中に存在する最大の共通粒子の直径の10倍である。サンプル中に直径が100μmより大きい共通の粒子がある場合(顕微鏡により測定される)、隙間の値は最大の共通粒子の直径の10倍に設定されるが、そうでない場合には隙間距離は1000μm(すなわち1mm)の初期値に設定される。選択された構成を適当な隙間にまで下げ、プラスチック工具を用いていずれの余分なサンプル材料を取り除く。サンプル材料を器具の温度にまで平衡化させる。以下の選択及び設定値を用いて、流れ曲線、応力掃引、及び周波数掃引の3つのレオロジー測定分析を行う。
・流れ曲線:段階的流量0.01~100を選択;10倍ごとのポイント数(points/decade)=10;剪断応力;一定時間20;最後の10個の平均をとる。
・応力掃引:応力範囲を0.01~100Paに設定;周波数を1rad/sに設定する。
・周波数掃引:角周波数範囲を0.1~100に設定。
【0196】
分析が線形粘弾性領域内で行われるように、応力値を、事前の応力掃引分析中においてG’が低下し始めた時点で存在していた応力値の1/3に設定する。
【0197】
例えば0.1rad/sにおける、25℃で得られた試験材料の粘度値を報告する。
【0198】
粒子/液滴サイズ
静的石英セルを備え、製造業者の指示書に従って操作したHoriba,Partica,Laser Scattering,Particle Size Distribution Analyzer LA-950V2を利用して、エマルジョンとして、及び布地柔軟剤中でシロキサン化合物の液滴直径を分析する。
【0199】
非イオン性界面活性剤のHLB値
非イオン性界面活性剤は、界面活性剤分子中の親水性部分と親油性部分との間のバランスによって分類することができる。1949年にGriffinによって考案された親水性-親油性バランス(HLB)スケールは、界面活性剤の性質を特徴付けるために使用される0~20(20が親水性である)のスケールである。界面活性剤のHLBは、以下のように計算することができる:
HLB=20Mh/M
(式中、Mhは、分子の親水性部分の分子であり、Mは、分子全体の分子量であり、結果は0~20のスケールで与えられる)。HLB値0は完全に親油性/疎水性の分子に対応し、20の値は完全に親水性/疎油性の分子に対応する。Griffin,W.C.Calculation of HLB values of Nonionic Surfactants,J.Soc.Cosmet.Chem.1954,5,249-256を参照。一般に使用される界面活性剤のHLB値は、文献から容易に入手可能である(例えば、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,MC Publishing Co.,2004におけるHLB指数)。界面活性剤の混合物のHLB値は、界面活性剤のHLB値の加重平均として計算することができる。
【0200】
布地の処理方法
以下の手順に従ってミニウォッシャー内において、試験布地を布地コンディショニング組成物で処理する。
【0201】
各試験レッグにつき5枚のフルサイズの綿テリー織布(30cm×30cm)(又はその等価物:例えば、10枚のハーフサイズのテリー織布又は20枚のクオーターサイズのテリー織布)を使用する。いずれも香料を含まない液体洗剤及び布地柔軟剤3サイクルでテリー織布をプレコンディショニングする。
【0202】
所望の数の洗剤用量をプラスチック製カップに量り入れ、各サイクルの各処理について洗剤の各用量が9.98g(/-0.02g)になるように蓋で固定する。例えば、1回の洗浄サイクルの5回の処理を実行している場合、各処理につき1用量の5用量の洗剤が必要になる。各処理について各用量が5.68g(/-0.02g)となるように、液体布地柔軟剤サンプルで同じプロセスを繰り返す。
【0203】
試験のために、以下の処理条件を使用する:
・機械の種類:ミニウォッシャー(縦型条件を模倣するために設計)
・機械のサイクル:80spm(通常)
・洗浄温度:約30.6℃(87°F)
・すすぎ温度:約15.6℃(60°F)
・水の硬度:約100ppm(6gpg)
・洗浄時間:12分
・すすぎ時間:2分
・水の体積:2galで満水(~8L)
・乾燥の種類:電気
【0204】
ミニウォッシャー及び水混合ステーションをオンにする。上記の水仕様を使用して、水混合ステーションを設定する。ミニウォッシャーの各ドラムを2ガロンのラインまで充填し、ドラムを充填している間にそれぞれ各ドラムに洗剤を添加する。洗剤の全てがドラム添加され、全体にわたって十分に分散するように、ドラムに注がれている水でカップをすすぐ。ドラムに水及び分散した洗剤が充填されたら、布地を添加し、撹拌時間を12分に設定する。撹拌時間の終わりに、スピンタイマを2分に設定して、ドラムを回転させて水を除去する。スピンサイクルが完了したら、各布地の束を他の布地から確実に離したまま、各ドラムから布地を取り出す。すすぎサイクル用の水仕様を再び使用して2ガロンのラインまでの充填サイクルを開始する(水混合ステーションは、すすぎ水仕様に自動的に切り替わるはずである)。充填サイクル中に、液体布地柔軟剤の用量をそれぞれ各ドラムに添加する。注がれている水で投入カップをすすぐことによって、確実に液体布地柔軟剤組成物を完全に添加し、分散させる。ドラムに水及び分散した布地柔軟剤が充填されたら、布地を各それぞれのドラムに戻してよい。撹拌サイクルを2分に設定し、実行させる。撹拌が完了した後、スピンサイクルを2分に設定して、回転させて全ての水を除去する。スピンサイクルが完了した後、各布地の束を別個の電気乾燥機に入れ、高/綿設定で乾燥させる。布地が乾燥したら、それらを75F及び相対湿度50%に設定した一定温度/一定相対湿度の室内に少なくとも4時間(好ましくは一晩)入れて、平衡化させる。
【0205】
布地のヘッドスペース分析
分析用の処理済み布地を準備するために、上記方法に従って準備及び処理した綿テリー織布から2.54cmx5.08cm(1インチ×2インチ)の綿布片を1枚切り取る。各片を20mLのヘッドスペースバイアルに入れる。制御された湿度及び温度(21C/50%湿度)の室内で4時間再平衡化する。4時間後、バイアルに蓋をし、ヘッドスペース固相マイクロ抽出/ガスクロマトグラフィー/質量分析を介して分析する。
【0206】
分析に使用する機器は、以下のとおりである:質量選択検出器(5977B)(MSD)及びChemstation定量パッケージを備えたガスクロマトグラフ7890B、固相マイクロ抽出(SPME)プローブ又は同様のシステムを備えたGerstel多目的サンプラー、Supleco部品#57298-Uからのジビニルベンゼン/Carboxen/ポリジメチルシロキサンSPME繊維(又は同様の繊維)、公称直径30m×0.25mm、膜厚0.25μmのカラム、J&W 122-5532UI DB-5、20mLのヘッドスペースバイアル。
【0207】
Gerstelオートサンプラーのパラメータは、以下のとおりである:SPME-インキュベータ由来、インキュベーション温度-65℃、インキュベーション時間-10.00分サンプルパラメータ、バイアル浸透量-22.00mm、抽出時間-5.00分、注入浸透量-54.00mm、脱離時間-300秒。
【0208】
GCオーブンのパラメータは、以下のとおりである:フロントSSインレットHeの場合、モード-スプリットレス、ヒータ-270℃GC運転時間-14.28分。オーブンの場合、初期温度-40℃、保持時間-0.5分、加熱プログラム-速度17℃/分、温度270℃、保持時間0.25分。
MSDパラメータとして、最小範囲が35~350m/zでスキャンモードで実行し、標準香料材料から較正曲線を作成する。Chemstationソフトウェア(又は同様の定量ソフトウェア)で、各香料成分の定量ソフトウェアを使用してこの量を計算する。
【実施例
【0209】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0210】
実施例1.特定のシリコーンポリマーの特徴
以下の表は、特定のシリコーンポリマーの特徴を提供する。表1A、1B、及び1Cにおける同じ番号(「シリコーン番号」)のシリコーンは、互いに対応する。シリコーンのうちのいくつか(例えば、シリコーン番号7~10)は、本プレミックス及び/又は消費者製品組成物に有用なシリコーンの範囲外であり得る。例えば、アミン含有量及び/又は抽出%が、相対的に高すぎたり、分子量が低すぎたりする場合があり、これらは、比較的大きな水への溶解度と関連し得る。
【0211】
【表4】
【0212】
表1B中、変数(R1~R4、X、Z)及び指数(j、k、m)は、シリコーンに関する章において上記でより詳細に説明した式(I)及び式(II)の対応する部分に対応する。シリコーン番号1は、式(I)によるシリコーンであり、シリコーン番号2~10は、式(II)によるシリコーンである。
【0213】
【表5】
シリコーン番号1では、n=2である。
【0214】
【表6】
【0215】
実施例2.特定のシリコーンポリマー及びアミノ官能性材料の混和性
この実験では、上記の試験方法の章で提供した混和性試験に従って、シリコーンポリマーとアミノ官能性材料との様々な組み合わせを試験する(99:1の重量比で)。シリコーンポリマーの説明は、上記実施例1で提供されている。
【0216】
表2は、以下の組み合わせの各々についての混和性試験の結果を示す。一般に、比較的高いT%値はより良好な混和性を示すので、好ましい。より具体的には、90以上のT%値が最も好ましく、続いて、60~90未満のT%が好ましく、続いて、約40~60未満のT%が好ましい。
【0217】
【表7】
【0218】
表2に示すように、T%値が異なることによって証明されるとおり、異なるアミノ官能性材料は、異なるシリコーンに対して異なる混和性を有し得る。例えば、メチルシクロヘキシルジアミン(アミノ官能性材料#2)を参照。更に、T%値が低いことによって証明されるとおり、特定のアミノ官能性材料は、試験したシリコーンに対して低い混和性を有する。例えば、(少なくとも、試験したシリコーンとの組み合わせではない)本開示による芳香プレミックス組成物に適していない可能性があるPEI-800 Mw(約800の分子量を有するポリエチレンイミンポリマー)を参照。
【0219】
実施例3.特定のシリコーンポリマー、アミノ官能性材料、及びPRMの混和性
この実験では、シリコーンポリマー、アミノ官能性材料、及びアルデヒド部分を含む香料原料の異なる組み合わせ(99:1:1の重量比、三成分系)を、上記の試験方法の章で提供した混和性試験に従って試験する。シリコーンポリマーの説明は、上記実施例1で提供されている。
【0220】
表3は、以下の組み合わせの各々についての混和性試験の結果を示す。一般に、実施例2に記載のとおり、比較的高いT%値はより良好な混和性を示すので、好ましい。
【0221】
【表8】
DMS-T31+シクラマールは比較的曇っているので、ブランクとして使用した場合に誤解を招く結果をもたらすことが見出された。(シクラマールは芳香環を含み、PDMSとの混和性が低い)。
【0222】
表3に示すように、T%値によって証明されるとおり、異なる三成分系は異なる混和性を有し得る。更に、たとえシリコーン及びアミノ官能性材料が適度に混和性であったとしても、PRMの添加が有害な作用を有する場合がある。例えば、表3、レッグAに対する表2、レッグAのメチルシクロヘキシルジアミン(アミノ官能性材料#2)を参照。
【0223】
また、例えば、T%値が低いことによって証明されるように、PEI-800 MwはレッグA及びBにおいて比較的低い混和性を有することにも留意する。レッグCではT%が比較的高いが、シリコーン(DMS-A11)は、(アミン価及び/又は抽出%によって証明されるように)望ましくないほど高い可能性がある溶解度を有する。
【0224】
実施例4.混和性に対するPRM選択の効果
この実験は、特定の香料原料の選択が三成分系(シリコーン、アミノ官能性材料、及び香料原料)の全体的な混和性に対して有し得る相対効果を示す。各レッグは、同じシリコーンポリマー(DMS-T31)及び異なる香料選択(なし、シクラマール、又はリグストラール)を使用し、各レッグは、上記に提供した混和性試験に従って、4つのアミノ官能性材料との混合物を試験する(例えば、ブランクと比較した480nmでのT%)。シクラマール(すなわち、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール)及びリグストラール(すなわち、2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド)の構造を以下に提供する。
【0225】
【化23】
【0226】
結果を表4に提供する。一般に、実施例2に記載のとおり、比較的高いT%値はより良好な混和性を示すので、好ましい。
【0227】
【表9】
前の実施例で論じたシクラマールと比較して、リグストラールは非芳香族であり、PDMSに比較的可溶性であるため、二成分系をブランクとして使用することができる。
【0228】
表4に示すように、別のPRMに対してあるPRMを選択することは、三成分系の混和性に影響を及ぼし得る。例えば、表4のメチルシクロヘキシルジアミン(アミノ官能性材料#2)について、レッグA、B、及びCを比較する。
【0229】
この場合も、PEI-800 Mwを含む試験のT%値は比較的低く、このことは、本開示による芳香プレミックス組成物に対する適合性が低いことを示す。
【0230】
実施例5.例示的な芳香プレミックス処方
表5は、消費者製品に配合し得る例示的な芳香プレミックス処方を提供する。量は、プレミックスの重量による重量%として提供する。
【0231】
【表10】
KF-8003(Shin Etsu製)
メチルシクロヘキサンジアミン(Baxxodur EC210、BASF製)
各PRMが等モルのアルデヒド部分を提供する量で存在するように各々選択された、エチルバニリン、バニリン、ヘリオトロピン、及びリリアールを含有する。
【0232】
実施例6.芳香プレミックス組成物の例示的な作製方法及びその後の消費者製品への製剤化
A.芳香プレミックス組成物(非エマルジョン)
56.7グラムのアミノ官能性シリコーンを提供する。アミノ官能性シリコーンは、Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd.によって供給されるKF-861であり、以下の構造を有する:
【0233】
【化24】
【0234】
250rpmに設定したIKAオーバーヘッドミキサを使用して、56.7グラムのアミノ官能性シリコーンを、BASF Corporationによって供給される3.4グラムのBaxxodur EC210と十分に混合する。
【0235】
以下の香料アルデヒドを、表6に示す比率で一緒に混合して、「リリアールアコード」を作製する。重量(グラム)比率は、等モル比のアルデヒド部分を提供するように選択される。
【0236】
【表11】
【0237】
四つ羽根インペラーで15分間オーバーヘッド混合して十分に混合したアミノ官能性シリコーン/Baxxodur EC210混合物に、13.2gのリリアールアコード混合物を添加する。
【0238】
B.消費者製品
芳香プレミックス組成物(73.3グラム)を、1806.7グラムの溶融ポリエチレングリコール(BASF Corporationによって供給されるPluriol E8000 Prill)及び120.0グラムの香料と組み合わせる。ブレンドを混合し、固化させて、約0.3cm~約1.5cmの平均直径及び/又は約1mg~約1gの平均質量を有する消費者製品粒子にする。
【0239】
得られる消費者製品は、任意選択で洗濯洗剤と組み合わせて、自動布地洗浄機の洗浄サイクルに添加するのに好適な複数の粒子である。消費者製品を水で希釈すると、約1マイクロメートル~約10マイクロメートルの平均直径を有する複数の液滴(シリコーンポリマー、アミノ官能性材料、及びプレミックスのPRMを含有すると考えられる)が得られる。
【0240】
実施例7.エマルジョンの形態の芳香プレミックス組成物の例示的な作製方法及びその後の消費者製品への製剤化
A.芳香プレミックス組成物(エマルジョン)
56.7グラムのアミノ官能性シリコーンを提供する。アミノ官能性シリコーンは、Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd.によって供給されるKF-861であり、構造は、上記の実施例6に示されている。
【0241】
250rpmに設定したIKAオーバーヘッドミキサを使用して、56.7グラムのアミノ官能性シリコーンを、BASF Corporationによって供給される3.4グラムのBaxxodur EC210、1.0グラムの非イオン性乳化剤(Dow Chemical Company(Midland, MI)によって供給されるTergitol 15-S-9)、及び3.0グラムの第2の乳化剤(Sasol Chemicals(West Lake,LA)によって供給されるSurfonic L24-9)と混合する。
【0242】
10グラムの水をゆっくりと添加し、15分間混合する。混合物の粘度が増加するにつれて、混合速度をゆっくりと増加させる。300~400rpmの速度で更に10分間混合しながら15グラムの追加の水をゆっくりと添加する。混合物の粘度が低下した場合、混合速度を下げる。更に10分間混合し続けながら、11グラムの追加の水をゆっくりと添加する。約250rpmの速度で更に30分間混合を続ける。
【0243】
得られたアミノ官能性シリコーン/Baxxodur EC210エマルジョンは、静的セルを使用してHoribaを介して液滴サイズについて分析することができる。液滴サイズ測定のために、エマルジョンを脱イオン水中の0.1重量%のエマルジョン(例えば、0.1重量部のエマルジョン、99.99重量部のDI水)に希釈する。
【0244】
四つ羽根インペラーを用いてオーバーヘッド混合しながら、13.2gのリリアールアコード混合物(上記実施例6を参照)をアミノ官能性シリコーンエマルジョンにゆっくりと添加し、15分間穏やかにかつ十分に混合する。芳香プレミックス組成物が得られる。
【0245】
B.消費者製品
芳香プレミックス組成物エマルジョン(113.3グラム)を、1756.6グラムの溶融ポリエチレングリコール(BASF Corporationによって供給されるPluriol E8000 Prill)及び119.8グラムの香料と組み合わせる。ブレンドを混合し、固化させて、約0.3cm~約1.5cmの平均直径及び/又は約1mg~約1gの平均質量を有する消費者製品粒子にする。
【0246】
得られる消費者製品は、任意選択で洗濯洗剤と組み合わせて、自動布地洗浄機の洗浄サイクルに添加するのに好適な複数の粒子である。消費者製品を水で希釈すると、約1マイクロメートル~約10マイクロメートルの平均直径を有する複数の液滴(シリコーンポリマー、アミノ官能性材料、及びプレミックスのPRMを含有すると考えられる)が得られる。
【0247】
実施例8.実質的に透明な芳香プレミックス組成物の例示的な作製方法及びその後の消費者製品への製剤化
A.芳香プレミックス組成物
56.65グラムのアミノ官能性シリコーンを提供する。アミノ官能性シリコーンは、Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd.によって供給されるKF-861であり、構造は、上記の実施例6に示されている。
【0248】
250rpmに設定したIKAオーバーヘッドミキサを使用して、56.7グラムのアミノ官能性シリコーンを、BASF Corporationによって供給される3.4グラムのBaxxodur EC210と十分に混合する。
【0249】
四つ羽根インペラーで15分間オーバーヘッド混合して十分に混合したアミノ官能性シリコーン/Baxxodur EC210混合物に、13.2gのリリアールアコード混合物(上記実施例6を参照)を添加する。濁った芳香プレミックス組成物は、回転蒸発を介して40℃において減圧下で実質的に透明になる。
【0250】
B.消費者製品
実質的に透明な芳香プレミックス組成物を、1806.7グラムの溶融ポリエチレングリコール(BASF Corporationによって供給されるPluriol E8000 Prill)及び120.0グラムの香料と組み合わせる。ブレンドを混合し、固化させて、約0.3cm~約1.5cmの平均直径及び/又は約1mg~約1gの平均質量を有する消費者製品粒子にする。
【0251】
得られる消費者製品は、任意選択で洗濯洗剤と組み合わせて、自動布地洗浄機の洗浄サイクルに添加するのに好適な複数の粒子である。消費者製品を水で希釈すると、約1マイクロメートル~約10マイクロメートルの平均直径を有する複数の液滴(シリコーンポリマー、アミノ官能性材料、及びプレミックスのPRMを含有すると考えられる)が得られる。
【0252】
実施例9.性能/ヘッドスペース分析
本開示による芳香プレミックス組成物に関連する性能利益を実証するために、以下の実験を実施する。要約すれば、2つの消費者製品組成物、具体的には、液体布地コンディショニング組成物を作製する。一方には、本開示による芳香プレミックス組成物として香料を添加し、他方には、香料を未希釈で添加する。布地を各消費者製品組成物で処理し、処理された布地の上方のヘッドスペースを香料について分析する。一般に、ヘッドスペースに見られる香料の量が多いことは、より多くの香料が布地上に付着した及び/又は布地から放出されたことを示す。
【0253】
提供される重量比で以下の香料原料を一緒に混合することによって、試験香料アコードを作製する。
【0254】
【表12】
【0255】
Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd.によって供給される78.91重量%のアミノ官能性シリコーンKF-867S、BASF Corporationによって供給される4.27重量%のアミノ官能性材料Baxxodur EC 210、及び16.82重量%の試験香料アコードを組み合わせ、混合することによって、芳香プレミックス組成物を調製する。
【0256】
以下の手順に従って、布地コンディショニング組成物を調製する。水中9.5重量%のN,Nジ(タローオイルオキシエチル)-N,Nジメチルアンモニウムクロリドの混合物を含有する、ベース布地コンディショニング組成物を提供する。ベース布地コンディショニング組成物の1つのサンプルに、試験香料アコードを未希釈で添加し、別のサンプルには、芳香プレミックス組成物を添加する。いずれも、最終的な布地コンディショニング組成物に約0.3%の合計香料を提供する量で添加される。IKA RW 20 D S1ミキサー、モデルRW20D-S1、及びIKA R1342インペラーブレードを使用して、350rpmで15分間、混合物を撹拌する。構造化剤及び付着助剤を添加し、混合物を10分間撹拌する。必要に応じて水を添加して、試験レッグ間のN,N-ジ(タローオイルオキシエチル)-N,Nジメチルアンモニウムクロリドの濃度を8重量%に標準化し、混合物を5分間撹拌する。1N HClでpHを2~3に調整する。
【0257】
試験方法の章に提供した布地処理方法に従って、試験布地を処理する。1つの布セットを、未希釈で提供される試験香料アコードを用いて作製した布地コンディショニング組成物で処理する(サンプル1)。別の布セットを、芳香プレミックス組成物を用いて作製した布地コンディショニング組成物で処理する(サンプル2)。
【0258】
処理後、布地におけるヘッドスペース分析方法を介して、各布地の上方の香料原料の濃度を求める。結果を表7に提供する。
【0259】
【表13】
【0260】
表7から分かるように、芳香プレミックスとして添加される香料を含む布地コンディショニング組成物で処理した布地は、香料を未希釈アコード(例えば、シリコーン/アミノ官能性/芳香プレミックスなし)として添加する比較組成物で処理した布地よりも布地の上方により多くの香料を提供する。
【0261】
実施例10.エマルジョンの利点
この実施例では、充填効率、液滴サイズ、ヘッドスペース、及び色安定性の利点を含む、本開示によるエマルジョンの形態のプレミックスの様々な利点を示す。以下でより詳細に論じるように、本開示によるエマルジョンプレミックスは、一般に、これらの有益ベクターのうちの1つ以上に関して好ましい。
【0262】
A.サンプルエマルジョン
様々な香料エマルジョンを調製し、その後の実施例で試験する。エマルジョンで使用する香料混合物を表8に提供する。以下の香料原料を、提供される重量比で一緒に混合する。
【0263】
【表14】
【0264】
表9に示すように、表8の香料混合物を使用して以下のエマルジョンを調製する。各エマルジョンは、アミノ官能基のケトン含有香料原材料に対するモル比が1:1であることを特徴とする。エマルジョン1~3は、比較例であり、エマルジョン4は、本開示によるエマルジョンプレミックスである。
【0265】
【表15】
表8に提供した試験香料混合物
BASF Sokalan Baxxodur(商標)210
Shin-Etsu KF-861(上記表1Aにおけるシリコーン番号3を参照)
Dow Chemical Company製のTergitol(商標)15-S-40
Sasol Chemicals製のSurfonic(商標)L24-9
【0266】
B.液滴サイズ
上記表9のエマルジョンを調製し、実質的に同じ混合エネルギー及び時間を使用して混合する。混合後、Horiba Laser Scattering Particle Size Analyzer(モデル:LA-950V2)を使用して、各エマルジョンの液滴の平均直径を特性評価する。結果を表10に提供する。
【0267】
【表16】
【0268】
表10の結果(具体的には、エマルジョン4)は、本開示によるエマルジョンから、比較的多量の香料原料を依然として含みながら、比較的小さな液滴サイズを特徴とするエマルジョンを得ることができることを示す。上述のように、性能及び/又は安定性の理由から、比較的小さな液滴(例えば、約1マイクロメートル~約10マイクロメートル、好ましくは約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの平均直径)が好ましいと考えられる。
【0269】
特に、比較エマルジョン1及びエマルジョン4は、同じ量の香料を保有するが、エマルジョン4の液滴サイズがはるかに小さいことに留意されたい。更に、比較エマルジョン3及びエマルジョン4の平均液滴直径は、やや類似しているが、エマルジョン4中に保有されている香料の量がより多い。
【0270】
C.香錠における性能及び安定性
表9のエマルジョンを調製し、様々な粒子状洗濯添加剤、具体的にはDOWNY UNSTOPABLE(商標)として販売されているもの(The Procter & Gamble Company製)と同様の固体香錠製品に配合する。更に、製剤のうちの1つは、別々に(例えば、プレミックスとしてではなく、個々の成分として)添加されたエマルジョン4の活性物質を含む。以下の比較製品4を参照。エマルジョン(及び別々に添加された物質)は、0.55重量%の香料を最終製品に送達するような量で含まれる。様々なレッグの処方を以下の表11に提供する。
【0271】
製品を使用してミニウォッシャーにおいて布地を処理し、処理した布地の上方のヘッドスペース分析を実施して、香料送達性能を試験する。より大きなヘッドスペース値(nmol/L)は、相対的に多くの香料の存在を示す。更に、各製品(新たに作製)について色測定を行い、製品1と比較した差をΔE値として報告する。より大きなΔE値は、一般に白っぽい色を有する製品1からの色差がより大きいことを示す。対照的に、製品2~5におけるより大きなΔE値は、黄変又は更には褐変に関連している。
【0272】
【表17】
【0273】
表11の結果によって示されるように、製品5が、ヘッドスペース結果及び色変化結果の最良の/最も望ましい組み合わせを示す。例えば、製品1(PRMのみの対照)は、比較的望ましい色を示すが、ヘッドスペースの結果は低い。製品2は、望ましいヘッドスペースの結果を示すが、色変化が比較的高い程度である。製品3は、比較的低いヘッドスペース結果及び高度の色変化を示し、更に、所望の量の香料を送達するために、比較的大量のエマルジョンが必要になる。材料を別々に添加する製品4は、製品5と比較して、比較的少ない色変化を示すだけでなく、ヘッドスペース中の香料も少ない。
【0274】
D.液体布地強化剤における性能及び安定性
表9のエマルジョンを調製し、液体DOWNY(商標)布地柔軟剤(The Procter & Gamble Company製)として販売されているものと同様に、様々な液体布地強化製品に配合する。更に、製剤のうちの1つは、別々に(例えば、プレミックスとしてではなく、個々の成分として)添加されたエマルジョン4の活性物質を含む。以下の比較製品9を参照。
【0275】
表12に提供されるベース液体柔軟剤は、約7重量%のジエステル四級柔軟化物質を含み、香料を含まない。エマルジョン(及び別々に添加された物質)は、0.30重量%の香料を最終製品に送達するような量で含まれる。異なるレッグの処方を以下の表12に提供する。
【0276】
製品を使用してミニウォッシャーにおいて布地を処理し、処理した布地の上方のヘッドスペース分析を実施して、香料送達性能を試験する。より大きなヘッドスペース値(nmol/L)は、相対的に多くの香料の存在を示す。更に、各製品(新たに作製)について色測定を行い、製品6と比較した差をΔE値として報告する。より大きなΔE値は、一般に白っぽい色を有する製品6からの色差がより大きいことを示す。対照的に、製品7~10におけるより大きなΔE値は、黄変に関連している。
【0277】
【表18】
【0278】
表12に示すように、製品10は、ヘッドスペースデータ、色データ、及び所望の量の香料を送達するために必要とされる比較的少量の芳香プレミックスの望ましい組み合わせを示す。
【0279】
比較製品7を作製するために使用される比較エマルジョン2は、比較的大きな(かつより好ましくない)平均液滴サイズを特徴とすることも想起に値する。上記の表10を参照。
【0280】
実施例11.例示的な製品処方
以下の表は、本開示の芳香プレミックスを用いて製剤化され得る例示的な消費者製品の処方を提供する。
【0281】
表13は、作製することができる例示的な液体布地コンディショニング/柔軟剤組成物を示す。
【0282】
【表19】
C12~C18脂肪酸混合物(REWOQUAT CI-DEEDMAC,Evonik製)から生産された、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物脂肪酸エステル
【0283】
表14は、本開示に従って作製することができるヘビーデューティー液体洗濯洗剤組成物の例示的な処方を示す。提供される量は、特に指示がない限り、活性物質の重量%である。
【0284】
【表20】
・AE1.85は、C1215アルキルエトキシ(1.8)サルフェートである
・AE3Sは、C1215アルキルエトキシ(3)サルフェートである
・AE7は、平均エトキシル化度7のC1213アルコールエトキシレートである
・AE8は、平均エトキシル化度8のC1213アルコールエトキシレートである
・AE9は、平均エトキシル化度9のC1213アルコールエトキシレートである
・アルコキシル化ポリアリールは、例えば、EMULSOGEN(登録商標)T5160、HOSTAPAL(登録商標)BV濃度、SAPOGENAT(登録商標)T11O、及び/又はSAPOGENAT(登録商標)T139であり、全てClariantからのものである。
・アミラーゼ1は、STAINZYME(登録商標)、15mg活性/gである
・アミラーゼ2は、NATALASE(登録商標)、29mg活性/gである
・アミラーゼ3は、STAINZYME PLUS(登録商標)、20mg活性/gである
・イソアミラーゼは、グリコーゲン脱分岐活性を有する
・ASは、C1214アルキルサルフェートである
・セルラーゼ2は、CELLUCLEAN(商標)、15.6mg活性/gである
・キシログルカナーゼは、WHITEZYME(登録商標)、20mg活性/gである
・キレート剤1は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)である
・キレート剤2は、l-ヒドロキシエタン1,1-ジホスホン酸(HEDP)である
・キレート剤3は、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、(S,S)異性体のナトリウム塩(EDDS)である
・ディスパーシンBは、グリコシドヒドロラーゼであり、1000mg活性/gとして報告されている
・DTI1は、ポリ(4-ビニルピリジン-l-オキシド)、例えば、CHROMABOND S-403E(登録商標)などである
・DTI2は、ポリ(1-ビニルピロリドン-コ-1-ビニルイミダゾール)(SOKALAN HP56(登録商標)など)である。
・染料制御剤は、例えば、SUPAREX(登録商標)O.IN(M1)、NYLOFIXAN(登録商標)P(M2)、NYLOFIXAN(登録商標)PM(M3)、又はNYLOFIXAN(登録商標)HF(M4)である
・HSASは、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に開示されるような、中分岐状アルキルサルフェートである
・LASは、C9~C15の平均脂肪族炭素鎖長を有する直鎖状アルキルベンゼンスルホネートである(HLASは酸形態である)
・リパーゼは、LIPEX(登録商標)、18mg活性/gである
・マンナナーゼは、MANNAWAY(登録商標)、25mg活性/gである
・光学増白剤1は、二ナトリウム4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2-スチルベンジスルホネートである
・光学増白剤2は、二ナトリウム4,4’-ビス-(2-スルホスチリル)ビフェニル(ナトリウム塩)である
・光学増白剤3は、3V Sigma製のOPTIBLANC SPL1O(登録商標)である
・光漂白剤は、スルホン化亜鉛フタロシアニンである
・研磨酵素は、パラ-ニトロベンジルエステラーゼであり、1000mg活性/gとして報告されている
・ポリマー1は、ビス((C2H5O)(C2H4O)n)(CH3)-N-CH----N’----(CH3)-ビス((C2H5O)(C2H4O)n)であり、式中、n=20~30、x=3~8、又はこれらの硫化変異型若しくはスルホン化変異型である
・ポリマー2は、エトキシル化(EO15)テトラエチレンペンタアミンである
・ポリマー3は、エトキシル化ポリエチレンイミン(PEI600 EO20)である
・ポリマー4は、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンである
・ポリマー5は、Rohm&Haasよって提供されるACUSOL(登録商標)305である
・ポリマー6は、BASFによって提供される、酢酸ビニル側鎖でグラフト化されたポリエチレングリコールポリマーである
・プロテアーゼは、PURAFECT PRIME(登録商標)、40.6mg活性/gである
・プロテアーゼ2は、SAVINASE(登録商標)、32.89mg活性/gである
・プロテアーゼ3は、PURAFECT(登録商標)、84mg活性/gである
・四級アンモニウムは、C1214ジメチルヒドロキシエチル塩化アンモニウムである
・S-ACMCは、Megazymeよって提供されるReactive Blue 19 Azo-CM-Celluloseである
・汚れ放出剤は、REPEL-O-TEX(登録商標)SF2である
・構造化剤は、硬化ヒマシ油である
・バイオレットDDは、Millikenよって提供されるチオフェンアゾ染料である
・水不溶性植物材料は、例えば、Herbafood Ingredients GmbH、Werder、Germanyによって供給されるHerbacel AQ+型Nである
【0285】
表15は、パウチの形態の様々な単位用量洗剤物品の処方を示す。多区画パウチは複数の有益剤を収容することができる。非限定的な例として、2成分又は3成分パウチは、表15に提示する製剤を別々の封入物に収容させてもよく、その場合、用量はそれぞれの封入物内の製剤の量である。パウチは、MonoSol,LLC(Indiana,USA)から入手可能なポリビニルアルコールフィルムなどの水溶性フィルムから形成され得る。
【0286】
【表21】
米国特許第7169744号に記載されるような硫酸モノ-[2-(3,4-ジヒドロ-イソキノリン-2-イル)-1-(2-エチル-ヘキシルオキシメチル)-エチル]エステル
PAP=フタロイル-アミノ-ペルオキシカプロン酸、70%活性湿潤ケーキとして
-NH1個当たり20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
エトキシル化チオフェン、EO(R+R)=5
RA=予備アルカリ度(NaOHのg/用量)
表に提供される重量%は、プレミックスによって送達される香料の量ではなく、提供される芳香プレミックスの量であり、プレミックスは水を実質的に含まない
【0287】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0288】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0289】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。