(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】複合素材フレームを用いた耐震補強複合体及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
E04G 23/02 20060101AFI20240227BHJP
E04C 3/04 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
E04G23/02 E
E04C3/04
(21)【出願番号】P 2022555699
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(86)【国際出願番号】 KR2021003060
(87)【国際公開番号】W WO2021241859
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0064773
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517354917
【氏名又は名称】キョンブク ナショナル ユニバーシティ インダストリー-アカデミック コーオペレーション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】パク、チュン ウク
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3119688(JP,U)
【文献】特開2006-328845(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0079326(KR,A)
【文献】特開昭52-065932(JP,A)
【文献】特開平04-243643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C3/00-3/46
E04G23/00-23/08
E05C1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
「L」形状で建築物開口部の角に位置するように形成されるアングル部材;
アングル部材に挿入されるように形成され、互いに異なる角に固定された複数個のアングル部材を連結するビーム部材;及び
前記ビーム部材の一部が前記アングル部材に挿入された状態で前記アングル部材と前記ビーム部材を固定するように形成される固定部材を含
み、
複数のアングル部材と複数のビーム部材と組み合わせにより、前記建築物開口部の全周を形成し、
前記アングル部材及び前記ビーム部材は、中空の四角柱形状であり、
前記アングル部材は、内側がアルミニウム材質からなり、
前記ビーム部材は、内側がアルミニウム材質からなり、外側がガラス繊維材質からなる
ことを特徴とする、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体。
【請求項2】
前記ビーム部材は、前記建築物開口部のいずれか一面の長さによって前記アングル部材に挿入される長さ間隔が変わるように形成され、前記建築物開口部のいずれか一面の長さによって前記アングル部材に挿入された状態で前記アングル部材と前記ビーム部材が固定されるように互いに異なる位置に複数個の貫通口が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体。
【請求項3】
前記アングル部材は
、外側が複数層のガラスファイバー材質からなることを特徴とする、請求項1に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体。
【請求項4】
前記ビーム部材は
、外側が複数層のガラス繊維材質からなり、前記アングル部材の内側の各面の長さより前記ビーム部材の外側の各面の長さが短く形成されることを特徴とする、請求項1に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体。
【請求項5】
前記アングル部材は、前記固定部材が前記アングル部材の内側に挿入される前記ビーム部材と前記アングル部材の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体。
【請求項6】
前記ビーム部材は、前記固定部材が前記ビーム部材の外側に位置する前記アングル部材と前記ビーム部材の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体。
【請求項7】
複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法において、
建築物開口部のサイズによって、「L」形状で建築物開口部の角に位置するように形成されるアングル部材に、複数個のアングル部材を連結するように形成されるビーム部材を挿入する段階;
前記ビーム部材の一部が前記アングル部材に挿入された状態で、前記ビーム部材と前記アングル部材に形成される貫通口に、前記アングル部材と前記ビーム部材を固定するように形成される固定部材を貫通させる段階;
前記固定部材を用いて前記アングル部材と前記ビーム部材を固定する段階;及び
前記固定部材により固定された前記ビーム部材と前記アングル部材を建築物開口部に設置する段階を含
み、
複数のアングル部材と複数のビーム部材と組み合わせにより、前記建築物開口部の全周を形成し、
前記アングル部材及び前記ビーム部材は、中空の四角柱形状であり、
前記アングル部材は、内側がアルミニウム材質からなり、
前記ビーム部材は、内側がアルミニウム材質からなり、外側がガラス繊維材質からなる
ことを特徴とする、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法。
【請求項8】
前記ビーム部材は、前記建築物開口部のいずれか一面の長さによって前記アングル部材に挿入される長さ間隔が変わるように形成され、前記建築物開口部のいずれか一面の長さによって前記アングル部材に挿入された状態で前記アングル部材と前記ビーム部材が固定されるように互いに異なる位置に複数個の貫通口が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法。
【請求項9】
前記アングル部材は
、外側が複数層のガラス繊維材質からなることを特徴とする、請求項7に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法。
【請求項10】
前記ビーム部材は
、外側が複数層のガラス繊維材質からなり、前記アングル部材の内側の各面の長さより前記ビーム部材の外側の各面の長さが短く形成されることを特徴とする、請求項7に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法。
【請求項11】
前記アングル部材は、前記固定部材が前記アングル部材の内側に挿入される前記ビーム部材と前記アングル部材の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法。
【請求項12】
前記ビーム部材は、前記固定部材が前記ビーム部材の外側に位置する前記アングル部材と前記ビーム部材の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体及びその施工方法に関し、より詳しくは、複合素材からなる互いに異なる形状のフレームを組み立て、組み立てられたフレームを建築物開口部に設置する複合素材フレームを用いた耐震補強複合体及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、建物には、採光、通風、流出入などのための建具のために開口部が具備される。開口部は、他の部分に比べて応力集中がひどいが、特に、地震など水平荷重が加えられる場合、開口部で引張亀裂が始まり建物崩壊につながることがある。これによって、耐震設計の基準が制定された1989年以前に竣工された鉄筋コンクリート建物の場合、耐震性能が十分ではないため地震発生時に開口部に起因する構造損傷により大きい被害が発生し得る。
【0003】
地震からの人的被害及び物的被害を最小化するために多様な耐震補強方法が適用されている。一般的に、鉄骨ブレースを用いた耐震補強方法が用いられ、これは、鉄骨フレームにブレースを連結した構造として示され、地震が発生する場合に、ブレースが水平荷重に抵抗するように補強する方法である。
【0004】
しかし、鉄骨ブレースを用いた耐震補強方法は、アンカー個所が多いため施工の効率が落ち、眺望及び採光に不利であるという短所が存在する。また、建物立面に鉄骨が見えるので、美観性が落ち、鉄骨フレームを設置するための建具交替などの付帯費用が発生することになる。これによって、施工が容易な耐震補強方案が要求されているのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、複合素材からなる互いに異なる形状のフレームを組み立て、組み立てられたフレームを建築物開口部に設置する複合素材フレームを用いた耐震補強複合体及びその施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、「L」形状で建築物開口部の角に位置するように形成されるアングル部材;アングル部材に挿入されるように形成され、互いに異なる角に固定された複数個のアングル部材を連結するビーム部材;及び前記ビーム部材の一部が前記アングル部材に挿入された状態で前記アングル部材と前記ビーム部材を固定するように形成される固定部材を含むことができる。
【0007】
また、前記ビーム部材は、前記建築物開口部のいずれか一面の長さによって前記アングル部材に挿入される長さ間隔が変わるように形成され、前記建築物開口部のいずれか一面の長さによって前記アングル部材に挿入された状態で前記アングル部材と前記ビーム部材が固定されるように互いに異なる位置に複数個の貫通口が形成され得る。
また、前記アングル部材は、内側がアルミニウム材質からなり、外側が複数層のガラス繊維材質からなり得る。
【0008】
また、前記ビーム部材は、内側がアルミニウム材質からなり、外側が複数層のガラス繊維材質からなり、前記アングル部材の内側の各面の長さより前記ビーム部材の外側の各面の長さが短く形成され得る。
【0009】
また、前記アングル部材は、前記固定部材が前記アングル部材の内側に挿入される前記ビーム部材と前記アングル部材の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成され得る。
【0010】
また、前記ビーム部材は、前記固定部材が前記ビーム部材の外側に位置する前記アングル部材と前記ビーム部材の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成され得る。
【0011】
本発明の他の一側面は、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法において、建築物開口部のサイズによって、「L」形状で建築物開口部の角に位置するように形成されるアングル部材に、複数個のアングル部材を連結するように形成されるビーム部材を挿入する段階;前記ビーム部材の一部が前記アングル部材に挿入された状態で、前記ビーム部材と前記アングル部材に形成される貫通口に、前記アングル部材と前記ビーム部材を固定するように形成される固定部材を貫通させる段階;前記固定部材を用いて前記アングル部材と前記ビーム部材を固定する段階;及び前記固定部材により固定された前記ビーム部材と前記アングル部材を建築物開口部に設置する段階を含むことができる。
【0012】
また、前記ビーム部材は、前記建築物開口部のいずれか一面の長さによって前記アングル部材に挿入される長さ間隔が変わるように形成され、前記建築物開口部のいずれか一面の長さによって前記アングル部材に挿入された状態で前記アングル部材と前記ビーム部材が固定されるように互いに異なる位置に複数個の貫通口が形成され得る。
また、前記アングル部材は、内側がアルミニウム材質からなり、外側が複数層のガラス繊維材質からなり得る。
【0013】
また、前記ビーム部材は、内側がアルミニウム材質からなり、外側が複数層のガラス繊維材質からなり、前記アングル部材の内側の各面の長さより前記ビーム部材の外側の各面の長さが短く形成され得る。
【0014】
また、前記アングル部材は、前記固定部材が前記アングル部材の内側に挿入される前記ビーム部材と前記アングル部材の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成され得る。
【0015】
また、前記ビーム部材は、前記固定部材が前記ビーム部材の外側に位置する前記アングル部材と前記ビーム部材の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成され得る。
【発明の効果】
【0016】
上述した本発明の一側面によると、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体及びその施工方法を提供することによって、複合素材からなる互いに異なる形状のフレームを組み立て、組み立てられたフレームを建築物開口部に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例による複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の概路図である。
【
図4】
図1の固定部材により固定されるアングル部材とビーム部材の斜視図である。
【
図5】
図1のビーム部材の他の一実施例を示した斜視図である。
【
図6】
図1のビーム部材の他の一実施例を示した斜視図である。
【
図7】本発明の一実施例による複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施できる特定実施例を例示として図示する添付図面を参照する。これら実施例は、当業者が本発明を十分に実施できるように詳しく説明される。本発明の多様な実施例は、互いに異なるが相互排他的である必要はないことを理解しなければならない。例えば、ここに記載している特定形状、構造及び特性は、一実施例と関連して本発明の精神及び範囲を脱しないと共に他の実施例として具現され得る。また、それぞれの開示された実施例内の個別構成要素の位置又は配置は、本発明の精神及び範囲を脱しないと共に変更され得ることを理解しなければならない。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味ではなく、本発明の範囲は、適切に説明されたら、その請求項が主張することと均等な全ての範囲と共に添付された請求項によってのみ限定される。図面で類似した参照符号は、多くの側面にわたって同一であるか類似した機能を指称する。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施例をより詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例による複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の概路図である。
複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、アングル部材20、ビーム部材30及び固定部材40を含むことができる。
【0019】
アングル部材20は、「L」形状で建築物開口部10の角に位置するように形成され得る。ここで、建築物開口部10は、採光、換気、通風及び出入などのために開放された形状で形成される領域を意味することができ、このとき、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、地震などにより建築物が揺れる場合に、建築物の破損、欠陥及びクラックの発生を防止できるようにコンクリートなどで形成された建築物開口部10に設置され得る。
【0020】
そのために、アングル部材20は、アンカー(Anchor)を用いて建築物開口部10の角位置に固定され得、アンカーにより固定されたアングル部材20とアングル部材20が固定された建築物開口部10の隙間は、エポキシなどを用いて処理することができる。
【0021】
アングル部材20は、内側がアルミニウム材質からなり、外側が複数層のガラス繊維材質からなり得る。これは、アングル部材20がアルミニウム材質の複合板と複数層のガラス繊維材質の板が重なる形状で形成されることを意味することができる。
【0022】
例えば、アングル部材20は、アルミニウム材質と3プライ(Ply)のガラス繊維材質が重なった形状で形成され得、このとき、3プライ(Ply)は、ガラス繊維材質の板が3層で重なった形状を意味することができる。
【0023】
このとき、アングル部材20は、四角柱形状で形成され得、アングル部材20は、建築物開口部10の角に固定されるように四角柱の中間地点が曲がった形状で形成され得る。
また、アングル部材20は、ビーム部材30がアングル部材20の内側に挿入されるように中心が貫通される曲がった四角柱形状で形成され得る。
【0024】
ここで、アングル部材20は、建築物開口部10の角に容易に固定できるように建築物開口部10と当接する面の両側又は一側に固定板が形成され得る。このような場合に、アングル部材20は、アングル部材20を建築物開口部10に固定させるアンカーが固定板の位置する領域に設置されて建築物開口部10に固定され得る。
【0025】
また、アングル部材20は、建築物開口部10と当接する面と他側面が貫通するようにアンカーが設置されてもよく、これによって、アングル部材20は、建築物開口部10に固定されてもよい。
【0026】
一方、アングル部材20は、固定部材40がアングル部材20の内側に挿入されるビーム部材30とアングル部材20の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成され得る。
【0027】
このとき、アングル部材20は、アングル部材20に形成された貫通口とビーム部材30に形成される貫通口が重なるように貫通口の位置が決定され得、これによって、アングル部材20は、重なったアングル部材20の貫通口とビーム部材30の貫通口を貫通した固定部材40によりビーム部材30と組み立てられ得る。
【0028】
ビーム部材30は、アングル部材20に挿入されるように形成され、互いに異なる角に固定された複数個のアングル部材20を連結することができる。ここで、ビーム部材30は、「一」形状で形成され得、これによって、ビーム部材30は、両側に位置するアングル部材20を連結することができる。
【0029】
このとき、ビーム部材30は、アンカーを用いて建築物開口部10のいずれか一面に固定され得、アンカーにより固定されたビーム部材30とビーム部材30が固定された建築物開口部10の隙間は、エポキシなどを用いて処理することができる。
【0030】
例えば、建築物開口部10が四角形状で形成される場合に、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、4個のビーム部材30が建築物開口部10の各面に固定されるように形成され得る。
【0031】
ビーム部材30は、内側がアルミニウム材質からなり、外側が複数層のガラス繊維材質からなり得る。これは、ビーム部材30がアルミニウム材質の複合板と複数層のガラス繊維材質の板が重なる形状で形成されたことを意味することができる。
【0032】
例えば、ビーム部材30は、アルミニウム材質と3プライのガラス繊維材質が重なった形状で形成され得、このとき、3プライ(Ply)は、ガラス繊維材質の板が3層で重なった形状を意味することができる。
【0033】
このとき、ビーム部材30は、四角柱形状で形成され得、ビーム部材30は、アングル部材20の内側の各面の長さよりビーム部材30の外側の各面の長さが短く形成され得る。
これによって、ビーム部材30は、アングル部材20に挿入されて連結され得る。
【0034】
これと関連して、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面に容易に固定できるように建築物開口部10と当接する面の両側又は一側に固定板が形成され得る。このような場合に、ビーム部材30は、ビーム部材30を建築物開口部10に固定させるアンカーが固定板が位置する領域に設置されて建築物開口部10に固定され得る。
【0035】
また、ビーム部材30は、建築物開口部10と当接する面と他側面が貫通するようにアンカーが設置されてもよく、これによって、ビーム部材30は、建築物開口部10に固定されてもよい。
【0036】
一方、ビーム部材30は、固定部材40がビーム部材30の外側に位置するアングル部材20とビーム部材30の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口が形成され得る。
【0037】
このとき、ビーム部材30は、ビーム部材30に形成される貫通口とアングル部材20に形成される貫通口が重なるように貫通口の位置が決定され得、これによって、ビーム部材30は、重なったビーム部材30の貫通口とアングル部材20の貫通口を貫通した固定部材40によりアングル部材20と組み立てられ得る。
【0038】
ここで、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによってアングル部材20に挿入される長さ間隔が変わるように形成され得、そのために、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによってアングル部材20に挿入された状態でアングル部材20とビーム部材30が固定されるように互いに異なる位置に複数個の貫通口が形成され得る。
【0039】
例えば、ビーム部材30は、アングル部材20に30cm、60cm及び90cmのうち選択される一つの長さ間隔だけ挿入されるように形成され得、このような場合に、ビーム部材30は、ビーム部材30の末端から30cm、60cm及び90cmだけ離隔された位置にそれぞれ貫通口が形成され得る。
また、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによって互いに異なる長さで形成されてもよい。
【0040】
固定部材40は、ビーム部材30の一部がアングル部材20に挿入された状態でアングル部材20と前記ビーム部材30を固定するように形成され得る。このとき、固定部材40は、ビーム部材30に形成される貫通口とアングル部材20に形成される貫通口を貫通した状態で固定部材40とビーム部材30及び固定部材40とアングル部材20を溶接してビーム部材30と固定部材40を連結させ得る。
【0041】
また、固定部材40は、ボルト(Volt)とナット(Nut)形状で形成され、ボルト形状の固定部材40がビーム部材30に形成される貫通口とアングル部材20に形成される貫通口を貫通した状態でナット形状の固定部材40をボルト形状の固定部材40に装着してビーム部材30とアングル部材20を連結させてもよい。
【0042】
これによって、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、建築物開口部10の大きさ又は形状によって、固定部材40を用いてアングル部材20とビーム部材30を組み立てることができ、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、アングル部材20とビーム部材30が組み立てられた状態で建築物開口部10に設置され得る。
【0043】
このとき、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、複数個のアングル部材20と複数個のビーム部材30が複数個の固定部材40により固定されて四角形状で組み立てられることができ、このとき、四角形状で組み立てられたアングル部材20とビーム部材30は、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1が設置される建築物開口部10の大きさと同一となるように組み立てられ得る。
【0044】
また、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、アルミニウム材質と複数層のガラス繊維材質からなるアングル部材20とビーム部材30により軽量化される効果を得ることができ、これによって、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、容易にアングル部材20とビーム部材30を組み立てて建築物開口部10に組み立てられたアングル部材20及びビーム部材30を設置することができる。
図2は、
図1のアングル部材を示した斜視図である。
【0045】
アングル部材20は、「L」形状で建築物開口部10の角に位置するように形成され得る。ここで、建築物開口部10は、採光、換気、通風及び出入などのために開放された形状で形成される領域を意味することができ、このとき、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、地震などにより建築物が揺れる場合に、建築物の破損、欠陥及びクラックの発生を防止できるようにコンクリートなどで形成された建築物開口部10に設置され得る。
【0046】
そのために、アングル部材20は、アンカー(Anchor)を用いて建築物開口部10の角位置に固定され得、アンカーにより固定されたアングル部材20とアングル部材20が固定された建築物開口部10の隙間は、エポキシなどを用いて処理することができる。
【0047】
アングル部材20は、内側がアルミニウム材質からなり、外側が複数層のガラス繊維材質からなり得る。これは、アングル部材20がアルミニウム材質の複合板と複数層のガラス繊維材質の板が重なる形状で形成されることを意味することができる。
【0048】
例えば、アングル部材20は、アルミニウム材質と3プライのガラス繊維材質が重なった形状で形成され得、このとき、3プライは、ガラス繊維材質の板が3層で重なった形状を意味することができる。
【0049】
このとき、アングル部材20は、四角柱形状で形成され得、アングル部材20は、建築物開口部10の角に固定できるように四角柱の中間地点が曲がった形状で形成され得る。
また、アングル部材20は、ビーム部材30がアングル部材20の内側に挿入されるように中心が貫通される曲がった四角柱形状で形成され得る。
【0050】
ここで、アングル部材20は、建築物開口部10の角に容易に固定できるように建築物開口部10と当接する面の両側又は一側に固定板が形成され得る。このような場合に、アングル部材20は、アングル部材20を建築物開口部10に固定させるアンカーが固定板が位置する領域に設置されて建築物開口部10に固定され得る。
【0051】
また、アングル部材20は、建築物開口部10と当接する面と他側面が貫通するようにアンカーを設置してアングル部材20が建築物開口部10に固定されてもよい。
【0052】
一方、アングル部材20は、固定部材40がアングル部材20の内側に挿入されるビーム部材30とアングル部材20の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口21が形成され得る。
【0053】
このとき、アングル部材20は、アングル部材20に形成される貫通口21とビーム部材30に形成される貫通口が重なるように貫通口21の位置が決定され得、これによって、アングル部材20は、重なったアングル部材20の貫通口21とビーム部材30の貫通口を貫通する固定部材40によりビーム部材30と組み立てられ得る。
図3は、
図1のビーム部材を示した斜視図である。
【0054】
ビーム部材30は、アングル部材20に挿入されるように形成され、互いに異なる角に固定された複数個のアングル部材20を連結することができる。ここで、ビーム部材30は、「一」形状で形成され得、これによって、ビーム部材30は、両側に位置するアングル部材20を連結することができる。
【0055】
このとき、ビーム部材30は、アンカーを用いて建築物開口部10のいずれか一面に固定され得、アンカーにより固定されたビーム部材30とビーム部材30が固定された建築物開口部10の隙間は、エポキシなどを用いて処理することができる。
【0056】
例えば、建築物開口部10が四角形状で形成される場合に、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、4個のビーム部材30が建築物開口部10の各面に固定されるように形成され得る。
【0057】
ビーム部材30は、内側がアルミニウム材質からなり、外側が複数層のガラス繊維材質からなり得る。これは、ビーム部材30がアルミニウム材質の複合板と複数層のガラス繊維材質の板が重なる形状で形成されることを意味することができる。
【0058】
例えば、ビーム部材30は、アルミニウム材質と3プライのガラス繊維材質が重なった形状で形成され得、このとき、3プライは、ガラス繊維材質の板が3層で重なった形状を意味することができる。
【0059】
このとき、ビーム部材30は、四角柱形状で形成され得、ビーム部材30は、アングル部材20の内側の各面の長さよりビーム部材30の外側の各面の長さが短く形成され得る。
これによって、ビーム部材30は、アングル部材20に挿入されて連結され得る。
【0060】
これと関連して、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面に容易に固定できるように建築物開口部10と当接する面の両側又は一側に固定板が形成され得る。このような場合に、ビーム部材30は、ビーム部材30を建築物開口部10に固定させるアンカーが固定板が位置する領域に設置されて建築物開口部10に固定され得る。
【0061】
また、ビーム部材30は、建築物開口部10と当接する面と他側面が貫通するようにアンカーを設置してもよく、これによって、ビーム部材30は、建築物開口部10に固定されてもよい。
【0062】
一方、ビーム部材30は、固定部材40がビーム部材30の外側に位置するアングル部材20とビーム部材30の一側面を貫通するように少なくとも一つの貫通口31が形成され得る。
【0063】
このとき、ビーム部材30は、ビーム部材30に形成される貫通口31とアングル部材20に形成される貫通口21が重なるように貫通口31の位置が決定され得、これによって、ビーム部材30は、重なったビーム部材30の貫通口31とアングル部材20の貫通口21を貫通した固定部材40によりアングル部材20と組み立てられ得る。
一方、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによって互いに異なる長さで形成されてもよい。
図4は、
図1の固定部材によって固定されるアングル部材とビーム部材の斜視図である。
【0064】
図4を参照すると、固定部材40は、ビーム部材30の一部がアングル部材20に挿入された状態でアングル部材20と前記ビーム部材30を固定するように形成され得る。このとき、固定部材40は、ビーム部材30に形成される貫通口31とアングル部材20に形成される貫通口21を貫通した状態で固定部材40とビーム部材30及び固定部材40とアングル部材20を溶接してビーム部材30と固定部材40を連結させ得る。
【0065】
これと関連して、固定部材40は、ボルトとナット形状で形成され、ボルト形状の固定部材40がビーム部材30に形成される貫通口31とアングル部材20に形成される貫通口21を貫通した状態でナット形状の固定部材40をボルト形状の固定部材40に装着してビーム部材30とアングル部材20を連結させてもよい。
【0066】
これによって、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、建築物開口部10の大きさ又は形状によって、固定部材40を用いてアングル部材20とビーム部材30を組立てることができ、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、アングル部材20とビーム部材30が組み立てられた状態で建築物開口部10に設置され得る。
【0067】
このとき、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、複数個のアングル部材20と複数個のビーム部材30が複数個の固定部材40により固定されて四角形状で組み立てられることができ、このとき、四角形状で組み立てられたアングル部材20とビーム部材30は、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1が設置される建築物開口部10の大きさと同一となるように組み立てられ得る。
【0068】
また、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、アルミニウム材質と複数層のガラス繊維材質で形成されるアングル部材20とビーム部材30により軽量化される効果を得ることができ、これによって、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、容易にアングル部材20とビーム部材30を組み立てて建築物開口部10に組み立てられたアングル部材20及びビーム部材30を設置することができる。
図5及び
図6は、
図1のビーム部材の他の一実施例を示した斜視図である。
図5を参照すると、ビーム部材30の互いに異なる位置に形成された貫通口31a、31b、31cを確認することができる。
【0069】
このように、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによってアングル部材20に挿入される長さ間隔が変わるように形成され得、そのために、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによってアングル部材20に挿入された状態でアングル部材20とビーム部材30が固定されるように互いに異なる位置に複数個の貫通口31a、31b、31cが形成され得る。
【0070】
図6を参照すると、ビーム部材30の互いに異なる位置に形成された貫通口31a、31b、31cのうちいずれか一つの貫通口31bとアングル部材に形成される貫通口21が重なる形態を確認することができ、このように、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、アングル部材20に挿入されるビーム部材30の長さ間隔を調節することによって建築物開口部10の大きさと同一となるようにアングル部材20とビーム部材30を組立てることができる。
一方、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによって互いに異なる長さで形成されてもよい。
図7は、本発明の一実施例による複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法のフローチャートである。
【0071】
本発明の一実施例による複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法は、
図1に示した複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1と実質的に同一の構成上で進行されるので、
図1の複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付与し、繰り返される説明は省略する。
【0072】
複合素材フレームを用いた耐震補強複合体の施工方法は、アングル部材にビーム部材を挿入する段階600、アングル部材とビーム部材に固定部材を貫通させる段階610、アングル部材とビーム部材を固定する段階620及び固定されたビーム部材とアングル部材を建築物開口部に設置する段階630を含むことができる。
アングル部材にビーム部材を挿入する段階600は、建築物開口部10の大きさによってアングル部材にビーム部材を挿入する段階であってもよい。
【0073】
ここで、アングル部材20は、「L」形状で建築物開口部10の角に位置するように形成され得、ビーム部材30は、アングル部材20に挿入されて互いに異なる角に固定された複数個のアングル部材20を連結するように形成され得る。
【0074】
このとき、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによってアングル部材20に挿入される長さ間隔が変わるように形成され得、そのために、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによってアングル部材20に挿入された状態でアングル部材20とビーム部材30が固定されるように互いに異なる位置に複数個の貫通口31a、31b、31cが形成され得る。
一方、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面の長さによって互いに異なる長さで形成されてもよい。
【0075】
アングル部材とビーム部材に固定部材を貫通させる段階610は、ビーム部材30の一部がアングル部材20に挿入された状態で、ビーム部材30とアングル部材20に形成される貫通口21、31に固定部材40を貫通させる段階であってもよい。
【0076】
ここで、固定部材40は、ビーム部材30の一部がアングル部材20に挿入された状態でアングル部材20と前記ビーム部材30を固定するように形成され得る。
アングル部材とビーム部材を固定する段階620は、固定部材40を用いてアングル部材20とビーム部材30を固定する段階であってもよい。
【0077】
例えば、アングル部材とビーム部材を固定する段階620は、固定部材40がビーム部材30に形成される貫通口31とアングル部材20に形成される貫通口21を貫通した状態で固定部材40とビーム部材30及び固定部材40とアングル部材20を溶接してビーム部材30と固定部材40を連結させ得る。
【0078】
また、アングル部材とビーム部材を固定する段階620は、固定部材40がボルト(Volt)とナット(Nut)形状で形成され、ボルト形状の固定部材40がビーム部材30に形成される貫通口31とアングル部材20に形成される貫通口21を貫通した状態でナット形状の固定部材40をボルト形状の固定部材40に装着してビーム部材30とアングル部材20を連結させてもよい。
【0079】
このとき、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1は、複数個のアングル部材20と複数個のビーム部材30が複数個の固定部材40により固定されて四角形状で組み立てられることができ、このとき、四角形状で組み立てられたアングル部材20とビーム部材30は、複合素材フレームを用いた耐震補強複合体1が設置される建築物開口部10の大きさと同一となるように組み立てられ得る。
【0080】
固定されたビーム部材とアングル部材を建築物開口部に設置する段階630は、固定部材40により固定されたビーム部材30とアングル部材20を建築物開口部に設置する段階であってもよい。
【0081】
これと関連して、アングル部材20は、建築物開口部10の角に容易に固定できるように建築物開口部10と当接する面の両側又は一側に固定板が形成され得る。このような場合に、固定されたビーム部材とアングル部材を建築物開口部に設置する段階630は、アングル部材20を建築物開口部10に固定させるアンカーが固定板が位置する領域に設置されてアングル部材20を建築物開口部10に固定させ得る。
【0082】
また、固定されたビーム部材とアングル部材を建築物開口部に設置する段階630は、アングル部材20が建築物開口部10と当接する面と他側面が貫通するようにアンカーを設置してもよく、これによって、アングル部材20が建築物開口部10に固定されてもよい。
【0083】
また、ビーム部材30は、建築物開口部10のいずれか一面に容易に固定できるように建築物開口部10と当接する面の両側又は一側に固定板が形成され得る。このような場合に、固定されたビーム部材とアングル部材を建築物開口部に設置する段階630は、ビーム部材30を建築物開口部10に固定させるアンカーが固定板が位置する領域に設置されてビーム部材30を建築物開口部10に固定させ得る。
【0084】
また、固定されたビーム部材とアングル部材を建築物開口部に設置する段階630は、ビーム部材30が建築物開口部10と当接する面と他側面が貫通されるようにアンカーを設置してもよく、これによって、ビーム部材30が建築物開口部10に固定されてもよい。
【0085】
以上では、実施例を参照して説明したが、該当技術分野において熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更が可能であることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0086】
1:複合素材フレームを用いた耐震補強複合体
10:建築物開口部
20:アングル部材
21:貫通口
30:ビーム部材
31、31a、31b、31c:貫通口
40:固定部材