IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

特許7443557CCH監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノード
<>
  • 特許-CCH監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノード 図1
  • 特許-CCH監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノード 図2
  • 特許-CCH監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノード 図3
  • 特許-CCH監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノード 図4
  • 特許-CCH監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノード 図5
  • 特許-CCH監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノード 図6
  • 特許-CCH監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノード 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】CCH監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノード
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/24 20090101AFI20240227BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20240227BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20240227BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W16/32
H04W72/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022555786
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 CN2020084039
(87)【国際公開番号】W WO2021203378
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リンドフ,ベングト
(72)【発明者】
【氏名】シーア,トールステン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,フェイ
(72)【発明者】
【氏名】チュヨン,イエン
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-047412(JP,A)
【文献】特表2022-522043(JP,A)
【文献】MediaTek Inc.,PDCCH enhancements for eURLLC[online],3GPP TSG RAN WG1 #99 R1-1912116,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_99/Docs/R1-1912116.zip>,2019年11月09日
【文献】Intel Corporation,Remaining aspects on Rel-16 PDCCH enhancements for URLLC[online],3GPP TSG RAN WG1 #100_e R1-2000735,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_100_e/Docs/R1-2000735.zip>,2020年02月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システム(500)用のクライアントデバイス(100)であって、当該クライアントデバイス(100)は、
第1の制御メッセージ(502)をネットワークアクセスノード(300)に伝送するように構成され、前記第1の制御メッセージ(502)は、前記クライアントデバイス(100)によりサポートされる制御チャネル(CCH)監視能力のセットを示し、前記CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モード(M1)についての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モード(M2)についての第2のCCH監視能力とを示し、
前記第1のCCH監視モードでは、前記クライアントデバイスは、時間スロット内の最大数のリソースを監視することにより、スロット単位でCCH監視を実行するように構成され、前記第2のCCH監視モードでは、前記クライアントデバイスは、サブスロット内の最大数のリソースを監視することにより、スパン毎にCCH監視を実行するように構成され、
前記第1のCCH監視能力は第1のサービングセルの数に関連し、
前記第2のCCH監視能力は第2のサービングセルの数に関連し、
CCH監視のためのサービングセル当たりの最大のCCH候補の数及び最大の重複しない制御チャネルエレメント(CCE)の数は、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせに依存する、クライアントデバイス(100)。
【請求項2】
前記第1の制御メッセージ(502)は、
明示的に前記CCH監視能力のセット、
各インデックスが1つ以上のCCH監視能力に関連する1つ以上のインデックス、又
単一のCCH監視能力
を示す、請求項に記載のクライアントデバイス(100)。
【請求項3】
前記CCH監視能力のセットからCCH監視能力を取得し、
前記取得されたCCH監視能力に基づいてCCH監視を実行するように構成される、請求項1又は2に記載のクライアントデバイス(100)。
【請求項4】
前記CCH監視能力の前記取得は、
前記ネットワークアクセスノード(300)から第2の制御メッセージ(504)を受信することであり、前記第2の制御メッセージ(504)は、前記CCH監視能力のセットからのCCH監視能力を示すことと、
前記第2の制御メッセージ(504)に基づいて前記CCH監視能力を取得することと
を含む、請求項に記載のクライアントデバイス(100)。
【請求項5】
前記第2の制御メッセージ(504)は、無線リソース制御メッセージ、媒体アクセス制御チャネルエレメント又はダウンリンク制御情報のいずれかである、請求項に記載のクライアントデバイス(100)。
【請求項6】
前記CCH監視能力の前記取得は、
前記クライアントデバイス(100)についてのセル構成のセットを決定することであり、前記セル構成のセット内の少なくとも1つのセル構成は、前記第1のCCH監視モード(M1)又は前記第2のCCH監視モード(M2)を含むことと、
前記クライアントデバイス(100)についての前記セル構成のセットに基づいて前記CCH監視能力を取得することと
を含む、請求項に記載のクライアントデバイス(100)。
【請求項7】
通信システム(500)用のネットワークアクセスノード(300)であって、当該ネットワークアクセスノード(300)は、
クライアントデバイス(100)から第1の制御メッセージ(502)を受信するように構成され、前記第1の制御メッセージ(502)は、前記クライアントデバイス(100)によりサポートされるCCH監視能力のセットを示し、前記CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モード(M1)についての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モード(M2)についての第2のCCH監視能力とを示し、
前記第1の制御メッセージ(502)に基づいて、前記CCH監視能力のセットから前記クライアントデバイス(100)についてのCCH監視能力を決定するように構成され、
前記決定されたCCH監視能力で前記クライアントデバイス(100)を構成するように構成され
前記第1のCCH監視モードでは、前記クライアントデバイスは、時間スロット内の最大数のリソースを監視することにより、スロット単位でCCH監視を実行するように構成され、前記第2のCCH監視モードでは、前記クライアントデバイスは、サブスロット内の最大数のリソースを監視することにより、スパン毎にCCH監視を実行するように構成され、
前記第1のCCH監視能力は第1のサービングセルの数に関連し、
前記第2のCCH監視能力は第2のサービングセルの数に関連し、
CCH監視のためのサービングセル当たりの最大のCCH候補の数及び最大の重複しないCCEの数は、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせに依存する、ネットワークアクセスノード(300)。
【請求項8】
前記第1の制御メッセージ(502)は、
明示的に前記CCH監視能力のセット、
各インデックスが1つ以上のCCH監視能力に関連する1つ以上のインデックス、又
単一のCCH監視能力
を示す、請求項に記載のネットワークアクセスノード(300)。
【請求項9】
前記CCH監視能力のセットからの前記CCH監視能力の前記決定は、
前記CCH監視能力のセットと、セルの負荷、サポートされるキャリア数、サポートされるサービス及び前記クライアントデバイス(100)について構成されたサービスのうち少なくとも1つとに基づいて、前記CCH監視能力を決定することを含む、請求項7又は8に記載のネットワークアクセスノード(300)。
【請求項10】
前記決定されたCCH監視能力での前記クライアントデバイス(100)の前記構成は、
第2の制御メッセージ(504)を前記クライアントデバイス(100)に伝送することであり。前記第2の制御メッセージ(504)は、前記決定されたCCH監視能力を示すことを含む、請求項乃至のうちいずれか1項に記載のネットワークアクセスノード(300)。
【請求項11】
前記第2の制御メッセージ(504)は、無線リソース制御メッセージ、媒体アクセス制御チャネルエレメント又はダウンリンク制御情報のいずれかである、請求項10に記載のネットワークアクセスノード(300)。
【請求項12】
前記決定されたCCH監視能力での前記クライアントデバイス(100)の前記構成は、
前記クライアントデバイス(100)についてのセル構成のセットを決定することであり、前記セル構成のセット内の少なくとも1つのセル構成は、前記第1のCCH監視モード(M1)又は前記第2のCCH監視モード(M2)を含むことと、
前記クライアントデバイス(100)についての前記セル構成のセットで前記クライアントデバイス(100)を構成することと
を含む、請求項乃至のうちいずれか1項に記載のネットワークアクセスノード(300)。
【請求項13】
クライアントデバイス(100)のための方法(200)であって、当該方法(200)は、
第1の制御メッセージ(502)をネットワークアクセスノード(300)に伝送するステップ(202)であり、前記第1の制御メッセージ(502)は、前記クライアントデバイス(100)によりサポートされる制御チャネル(CCH)監視能力のセットを示し、前記CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モード(M1)についての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モード(M2)についての第2のCCH監視能力とを示す、ステップ(202)を含み、
前記第1のCCH監視モードでは、前記クライアントデバイスは、時間スロット内の最大数のリソースを監視することにより、スロット単位でCCH監視を実行するように構成され、前記第2のCCH監視モードでは、前記クライアントデバイスは、サブスロット内の最大数のリソースを監視することにより、スパン毎にCCH監視を実行するように構成され、
前記第1のCCH監視能力は第1のサービングセルの数に関連し、
前記第2のCCH監視能力は第2のサービングセルの数に関連し、
CCH監視のためのサービングセル当たりの最大のCCH候補の数及び最大の重複しない制御チャネルエレメント(CCE)の数は、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせに依存する、方法(200)。
【請求項14】
ネットワークアクセスノード(300)のための方法(400)であって、当該方法(400)は、
クライアントデバイス(100)から第1の制御メッセージ(502)を受信するステップ(402)であり、前記第1の制御メッセージ(502)は、前記クライアントデバイス(100)によりサポートされるCCH監視能力のセットを示し、前記CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モード(M1)についての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モード(M2)についての第2のCCH監視能力とを示す、ステップ(402)と、
前記第1の制御メッセージ(502)に基づいて、前記CCH監視能力のセットから前記クライアントデバイス(100)についてのCCH監視能力を決定するステップ(404)と、
前記決定されたCCH監視能力で前記クライアントデバイス(100)を構成するステップ(406)と
を含み、
前記第1のCCH監視モードでは、前記クライアントデバイスは、時間スロット内の最大数のリソースを監視することにより、スロット単位でCCH監視を実行するように構成され、前記第2のCCH監視モードでは、前記クライアントデバイスは、サブスロット内の最大数のリソースを監視することにより、スパン毎にCCH監視を実行するように構成され、
前記第1のCCH監視能力は第1のサービングセルの数に関連し、
前記第2のCCH監視能力は第2のサービングセルの数に関連し、
CCH監視のためのサービングセル当たりの最大のCCH候補の数及び最大の重複しない制御チャネルエレメント(CCE)の数は、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせに依存する、方法(400)。
【請求項15】
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、請求項13又は14に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御チャネル(CCH, control channel)監視能力を管理するためのクライアントデバイス及びネットワークアクセスノードに関する。さらに、本発明はまた、対応する方法及びコンピュータプログラムにも関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP新無線(NR, New Radio)は、様々なユースケース、特に拡張モバイルブロードバンド(eMBB, enhanced mobile broadband)及び超高信頼性低遅延(URLLC, ultra reliable low latency)通信サービスのために設計されている。
【0003】
モバイル通信の多様な要件を満たすための1つの重要な特徴は、いくつかのキャリア又はサービングセルが伝送に使用できるキャリアアグリゲーションである。キャリアアグリゲーションは、通信リンク上でより高いデータレート及び/又はより高い信頼性を提供できる。しかし、キャリアアグリゲーションの効率的な使用を提供するために、eMBB及びURLLCのような異なるNRサービスの異なる特性及び要件にキャリアアグリゲーション構成を容易に適応させることが可能になるべきである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態の目的は、従来の解決策の欠点及び問題を緩和又は解決する解決策を提供することである。
【0005】
上記及び更なる目的は、独立請求項の対象により解決される。本発明の更なる有利な実施形態は、従属請求項に見出されることができる。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、上記及び他の目的は、通信システム用のクライアントデバイスで達成され、クライアントデバイスは、
第1の制御メッセージをネットワークアクセスノードに伝送するように構成され、第1の制御メッセージは、クライアントデバイスによりサポートされる制御チャネル(CCH, control channel)監視能力のセットを示し、CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モードについての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モードについての第2のCCH監視能力とを示す。
【0007】
監視能力は、クライアントデバイスのサポートされる監視CCH能力に関する情報内容を意味する監視能力情報と更に記されてもよい。
【0008】
クライアントデバイスは、1つ以上の第1の制御メッセージをネットワークアクセスノードに送信してもよいので、単一の第1の制御メッセージに限定されないことが理解されるべきである。1つ以上の第1の制御メッセージは、単一の伝送又は複数の伝送でネットワークアクセスノードに伝送されてもよい。
【0009】
第1の態様によるクライアントデバイスの利点は、広く異なる特性及び要件を有する多様な通信シナリオをサポートできることである。特に、キャリアアグリゲーションでは、能力の効率的な使用及び適応が重要である。このようなメカニズムがここで提供される。例えば、クライアントデバイスはCCH監視能力ペアのセットをサポートするように設計でき、制御メッセージをネットワークアクセスノードに送信することにより、クライアントデバイスは、このサポートされるセットをネットワークに指示/通知する。この情報に基づいて、ネットワークは、指示されたセットから、所与のユースケースに最も適したCCH監視能力ペアを選択でき、ユースケースが変化した場合、ネットワークは、サポートされるセットから他のCCH監視能力ペアを選択できる。これを行うことにより、ネットワークアクセスノード及びクライアントデバイスがeMBB及びURLLCのような所与の通信サービスの要件に適応できることが確保される。
【0010】
第1の態様によるクライアントデバイスの実現形式では、第1のCCH監視能力は第1のサービングセルの数に関連し、第2のCCH監視能力は第2のサービングセルの数に関連する。
【0011】
サービングセルはまた、セル、アクティブ化セル、コンポーネントキャリア、キャリア、帯域幅部分、アクティブ帯域幅部分等であると理解できる。
【0012】
この実現形式の利点は、混合サービスがクライアントデバイスにより効率的にサポートできることである。例えば、URLLCは監視モードM2で監視でき、eMBBは監視モードM1で監視でき、或いは、その逆も同様である。2つのサービスのトラフィック負荷は時間とともに変化する可能性があるので、CCH監視能力がこのような変化に適応できる。
【0013】
第1の態様によるクライアントデバイスの実現形式では、第1の監視モードでは、クライアントデバイスは、時間スロット内の最大数のリソースを監視することにより、スロット単位でCCH監視を実行するように構成され、第2の監視モードでは、クライアントデバイスは、サブスロット内の最大数のリソースを監視することにより、スパン毎にCCH監視を実行するように構成される。最大数のリソースは、物理リソース及び/又は計算リソースとして理解されてもよい。
【0014】
第1の監視モードは、3GPP標準のリリース15において定義されているスロット単位の監視に対応してもよく、第2の監視モードは、3GPP標準のリリース16において定義されているスパン毎の監視に対応してもよい。
【0015】
第1の態様によるクライアントデバイスの実現形式では、CCH監視のためのサービングセル当たりの最大のCCH候補の数及び最大の重複しない制御チャネルエレメント(CCE, control channel element)の数は、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせに依存する。
【0016】
各CCH候補は、時間及び/又は周波数リソースの予め定義された組み合わせで伝送され得る特定のサイズのダウンリンク制御情報(DCI, downlink control information)フォーマットに関連付けられることができる。これらのDCIフォーマットが異なるサイズを有する場合、これらは別々のCCH候補としてカウントされてもよく、これらが同じサイズを有する場合、これらは1つのCCH候補としてカウントされてもよい。
【0017】
この実現形式の利点は、サポートされるCCH監視能力ペアの数に対する更なる柔軟性が与えられることができることである。
【0018】
第1の態様によるクライアントデバイスの実現形式では、第1の制御メッセージは、
明示的にCCH監視能力のセット、
各インデックスが1つ以上のCCH監視能力に関連する1つ以上のインデックス、
それぞれの第1のCCH監視能力のみ、又は
単一のCCH監視能力
を示す。
【0019】
この実現形式の利点は、多くの異なる方法の制御シグナリングがその利点とともに提示されることである。例えば、明示的なシグナリングは完全な柔軟性を意味し、クライアントデバイスは、何の組み合わせをサポートできるかを明示的に報告できる。1つ以上のインデックスを報告することにより、依然として何らかのシグナリングの柔軟性が提供され、明示的なシグナリングの手法と比較してシグナリングオーバーヘッドを低減し得る。さらに、それぞれの第1のCCH監視能力のみ又はCCH監視能力のセット内の単一のCCH監視能力を示すことにより、非常に低いシグナリングオーバーヘッドが必要となる。しかし、シグナリングの柔軟性は以前の手法と比較して制限される。
【0020】
第1の態様によるクライアントデバイスの実現形式では、クライアントデバイスは、
CCH監視能力のセットからCCH監視能力を取得し、
取得されたCCH監視能力に基づいてCCH監視を実行するように更に構成される。
【0021】
この実現形式の利点は、クライアントデバイスが、どのサポートされるCCH監視能力がCCH監視に使用されるべきかを認識することである。
【0022】
第1の態様によるクライアントデバイスの実現形式では、CCH監視能力の取得は、
ネットワークアクセスノードから第2の制御メッセージを受信することであり、第2の制御メッセージは、CCH監視能力のセットからのCCH監視能力を示すことと、
第2の制御メッセージに基づいてCCH監視能力を取得することと
を含む。
【0023】
この実現形式の利点は、クライアントデバイスが、どのサポートされるCCH監視能力がクライアントデバイスにより使用されるべきかを、ネットワークアクセスノードからの制御シグナリングを介して認識することである。
【0024】
第1の態様によるクライアントデバイスの実現形式では、第2の制御メッセージは、無線リソース制御、メッセージ、媒体アクセス制御チャネルエレメント又はダウンリンク制御情報のいずれかである。
【0025】
この実現形式の利点は、異なるレイヤで第2の制御メッセージを伝える柔軟性を与えることである。上位レイヤにすることは、典型的には、エアインタフェース上のシグナリング負荷を低減するが、高速再構成についてより低い柔軟性を提供する。一方、ダウンリンク制御情報内で物理レイヤにすることは、より大きい柔軟性を与える。また、MAC CEは半静的に構成される一方で、DCIは動的にシグナリングされるので、DCIがMAC CEをオーバーライドしてもよい場合、媒体アクセス制御(MAC, medium access control)チャネルエレメント(CE, channel element)及びダウンリンク制御情報(DCI, downlink control information)でシグナリングさせることも考えられることができる。
【0026】
第1の態様によるクライアントデバイスの実現形式では、CCH監視能力の取得は、
クライアントデバイスについてのセル構成のセットを決定することであり、セル構成のセット内の少なくとも1つのセル構成は、第1のCCH監視モード又は第2のCCH監視モードを含むことと、
クライアントデバイスについてのセル構成のセットに基づいてCCH監視能力を取得することと
を含む。
【0027】
この実現形式の利点は、能力情報のための明示的な制御シグナリングが必要なく、オーバーヘッドを低減することである。
【0028】
本発明の第2の態様によれば、上記及び他の目的は、通信システム用のネットワークアクセスノードで達成され、ネットワークアクセスノードは、
クライアントデバイスから第1の制御メッセージを受信するように構成され、第1の制御メッセージは、クライアントデバイスによりサポートされるCCH監視能力のセットを示し、CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モードについての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モードについての第2のCCH監視能力とを示し、
第1の制御メッセージに基づいて、CCH監視能力のセットからクライアントデバイスについてのCCH監視能力を決定するように構成され、
決定されたCCH監視能力でクライアントデバイスを構成するように構成される。
【0029】
第2の態様によるネットワークアクセスノードの利点は、広く異なる特性及び要件を有する多様な通信シナリオをサポートできることである。特に、キャリアアグリゲーションでは、能力の効率的な使用及び適応が重要である。このようなメカニズムがここで提供される。例えば、クライアントデバイスはCCH監視能力ペアのセットをサポートするように設計でき、制御メッセージをネットワークアクセスノードに送信することにより、クライアントデバイスは、このサポートされるセットをネットワークに指示/通知する。この情報に基づいて、ネットワークは、指示されたセットから、所与のユースケースに最も適したCCH監視能力ペアを選択でき、ユースケースが変化した場合、ネットワークは、サポートされるセットから他のCCH監視能力ペアを選択できる。これを行うことにより、ネットワークアクセスノード及びクライアントデバイスがeMBB及びURLLCのような所与の通信サービスの要件に適応できることが確保される。
【0030】
第2の態様によるネットワークアクセスノードの実現形式では、第1のCCH監視能力は第1のサービングセルの数に関連し、第2のCCH監視能力は第2のサービングセルの数に関連する。
【0031】
この実現形式の利点は、混合サービスがクライアントデバイスにより効率的にサポートできることである。例えば、URLLCは監視モードM2で監視でき、eMBBは監視モードM1で監視でき、或いは、その逆も同様である。2つのサービスのトラフィック負荷は時間とともに変化する可能性があるので、CCH監視能力がこのような変化に適応できる。
【0032】
第2の態様によるネットワークアクセスノードの実現形式では、CCH監視のためのサービングセル当たりの最大のCCH候補の数及び最大の重複しないCCEの数は、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせに依存する。
【0033】
この実現形式の利点は、サポートされるCCH監視能力ペアの数に対する更なる柔軟性が与えられることができることである。
【0034】
第2の態様によるネットワークアクセスノードの実現形式では、第1の制御メッセージは、
明示的にCCH監視能力のセット、
各インデックスが1つ以上のCCH監視能力に関連する1つ以上のインデックス、
それぞれの第1のCCH監視能力のみ、又は
単一のCCH監視能力
を示す。
【0035】
この実現形式の利点は、多くの異なる方法の制御シグナリングがその利点とともに提示されることである。例えば、明示的なシグナリングは完全な柔軟性を意味し、クライアントデバイスは、何の組み合わせをサポートできるかを明示的に報告できる。1つ以上のインデックスを報告することにより、依然として何らかのシグナリングの柔軟性が提供され、明示的なシグナリングの手法と比較してシグナリングオーバーヘッドを低減し得る。さらに、それぞれの第1のCCH監視能力のみ又はCCH監視能力のセット内の単一のCCH監視能力を示すことにより、非常に低いシグナリングオーバーヘッドが必要となる。しかし、シグナリングの柔軟性は以前の手法と比較して制限される。
【0036】
第2の態様によるネットワークアクセスノードの実現形式では、CCH監視能力のセットからのCCH監視能力の決定は、
CCH監視能力のセットと、セルの負荷、サポートされるキャリア数、サポートされるサービス及びクライアントデバイスについて構成されたサービスのうち少なくとも1つとに基づいて、CCH監視能力を決定することを含む。
【0037】
この実現形式の利点は、ネットワークアクセスノード及びそれによるネットワークが、最も適したCCH監視能力を選択するために様々な入力パラメータを考慮に入れることができることである。このメカニズムなしでは、ネットワークは最も適したCCH監視能力を選択できず、これは、サービスの低下した性能をもたらすか、或いは、最悪の場合にはサービスが全くサポートされなくなる可能性がある。
【0038】
第2の態様によるネットワークアクセスノードの実現形式では、決定されたCCH監視能力でのクライアントデバイスの構成は、
第2の制御メッセージをクライアントデバイスに伝送することであり。第2の制御メッセージは、決定されたCCH監視能力を示すことを含む。
【0039】
この実現形式の利点は、クライアントデバイスが、どのサポートされるCCH監視能力がクライアントデバイスにより使用されるべきかを、ネットワークアクセスノードからの制御シグナリングを介して認識することである。
【0040】
第2の態様によるネットワークアクセスノードの実現形式では、第2の制御メッセージは、無線リソース制御メッセージ、媒体アクセス制御チャネルエレメント又はダウンリンク制御情報のいずれかである。
【0041】
この実現形式の利点は、異なるレイヤで第2の制御メッセージを伝える柔軟性を与えることである。上位レイヤにすることは、典型的には、エアインタフェース上のシグナリング負荷を低減するが、高速再構成についてより低い柔軟性を提供する。一方、ダウンリンク制御情報内で物理レイヤにすることは、より大きい柔軟性を与える。また、MAC CEは半静的に構成される一方で、DCIは動的にシグナリングされるので、DCIがMAC CEをオーバーライドしてもよい場合、媒体アクセス制御(MAC, medium access control)チャネルエレメント(CE, channel element)及びダウンリンク制御情報(DCI, downlink control information)でシグナリングさせることも考えられることができる。
【0042】
第2の態様によるネットワークアクセスノードの実現形式では、決定されたCCH監視能力でのクライアントデバイスの構成は、
クライアントデバイスについてのセル構成のセットを決定することであり、セル構成のセット内の少なくとも1つのセル構成は、第1のCCH監視モード又は第2のCCH監視モードを含むことと、
クライアントデバイスについてのセル構成のセットでクライアントデバイスを構成することと
を含む。
【0043】
この実現形式の利点は、能力情報のための明示的な制御シグナリングが必要なく、オーバーヘッドを低減することである。
【0044】
本発明の第3の態様によれば、上記及び他の目的は、クライアントデバイスのための方法で達成され、当該方法は、
第1の制御メッセージをネットワークアクセスノードに伝送するステップであり、第1の制御メッセージは、クライアントデバイスによりサポートされる制御チャネル(CCH, control channel)監視能力のセットを示し、CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モードについての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モードについての第2のCCH監視能力とを示す、ステップを含む。
【0045】
第3の態様による方法は、第1の態様によるクライアントデバイスの実現形式に対応する実現形式に拡張できる。したがって、当該方法の実現形式は、クライアントデバイスの対応する実現形式の特徴を含む。
【0046】
第3の態様による方法の利点は、第1の態様によるクライアントデバイスの対応する実現形式のものと同じである。
【0047】
本発明の第4の態様によれば、上記及び他の目的は、ネットワークアクセスノードのための方法で達成され、当該方法は、
クライアントデバイスから第1の制御メッセージを受信するステップであり、第1の制御メッセージは、クライアントデバイスによりサポートされるCCH監視能力のセットを示し、CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モードについての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モードについての第2のCCH監視能力とを示す、ステップと、
第1の制御メッセージに基づいて、CCH監視能力のセットからクライアントデバイスについてのCCH監視能力を決定するステップと、
決定されたCCH監視能力でクライアントデバイスを構成するステップと
を含む。
【0048】
第4の態様による方法は、第2の態様によるネットワークアクセスノードの実現形式に対応する実現形式に拡張できる。したがって、当該方法の実現形式は、ネットワークアクセスノードの対応する実現形式の特徴を含む。
【0049】
第4の態様による方法の利点は、第2の態様によるネットワークアクセスノードの対応する実現形式のものと同じである。
【0050】
本発明はまた、コンピュータプログラムに関し、プログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、当該少なくとも1つのプロセッサに、本発明の実施形態によるいずれかの方法を実行させることを特徴とする。さらに、本発明はまた、コンピュータ読み取り可能媒体及び上記のコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品に関し、上記のコンピュータプログラムはコンピュータ読み取り可能媒体に含まれ、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically EPROM)及びハードディスクドライブのグループからの1つ以上で構成される。
【0051】
本発明の実施形態の更なる用途及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
添付の図面は、本発明の異なる実施形態を明確にして説明することを目的としている。
図1】本発明の実施形態によるクライアントデバイスを示す。
図2】本発明の実施形態によるクライアントデバイスのための方法を示す。
図3】本発明の実施形態によるネットワークアクセスノードを示す。
図4】本発明の実施形態によるネットワークアクセスノードのための方法を示す。
図5】本発明の実施形態による通信システムを示す。
図6】本発明の実施形態による第1の制御メッセージを示す。
図7】本発明の実施形態によるクライアントデバイスとネットワークアクセスノードとの間のシグナリングを示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
3GPPでは、ユーザ機器(UE, user equipment)は、そのキャリアアグリゲーション(CA, carrier aggregation)能力をネットワークに報告できる。例えば、機能グループ6-5では、UEはサポートされるダウンリンクキャリアの数を報告し、これは16までとすることができる。機能グループ6-5aでは、CAの場合、UEは物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH, physical downlink control channel)監視のためにそのサポートされるセルの能力を報告している。PDCCH監視は、多くのリソースを必要とする非常に複雑な動作であるので、UEは、UEがPDCCH監視能力を有するものよりも合計で多くのセルで構成できる。これはエラーケースではない。このような状況において、UEは、依然として全ての構成されたセルで動作できるが、TS 38.213において定義された所定の式に従って、PDCCH監視をスケーリングする。
【0054】
3GPP標準のリリース15(Rel-15, release 15)では、1つのタイプのPDCCH監視(この開示ではRel-15監視と呼ばれる)のみが存在する。Rel-15 UEは、PDCCH監視のために何個のRel-15セルをサポートできるか報告できる。最小要件は4つのセルである。リリース16(Rel-16, release 16)では、拡張PDCCH監視(この開示ではRel-16監視と呼ばれる)が導入されている。Rel-16監視はRel-15監視とは異なる。Rel-15では、UEは、スロット当たり最大の重複しない制御チャネルエレメント(CCE, control channel element)の数及び最大の監視されるPDCCH候補の数をサポートする必要がある。Rel-16では、UEは監視スパン当たり最大の重複しない制御チャネルエレメント(CCE, control channel element)及び監視されるPDCCH候補(又はブラインドデコード)の数をサポートする必要があり、スロット内にいくつかの監視スパンが存在できる。
【0055】
本開示では、「ブラインドデコード(blind decode)」という用語は「最大のPDCCH候補の数」と交換可能に使用でき、「CCE」という用語は「最大の重複しないCCEの数」と交換可能に使用できる。
【0056】
UEは、いくつかのセルではRel-15 CCH監視で構成でき、他のセルではRel-16 CCH監視で構成できる。UEは、Rel-15/Rel-16の監視能力を互いに独立して報告できる。
【0057】
従来の解決策の1つの欠点は、UEが1つのRel-15監視及び1つのRel-16監視能力のみを報告することである。Rel-15監視は、必ずしもRel-16監視よりも悪いとは限らず、異なるユースケースを対象としている。Rel-15監視はeMBBアプリケーションにとってより適する可能性があるが、Rel-16監視はURLLCアプリケーションにとってより適する可能性がある。
【0058】
従来の解決策の他の欠点は、各サブキャリア間隔及び各監視スパンパターンについて、最大の重複しないCCEの数、すなわちパラメータC_maxに対して1つの値のみが与えられ、最大のPDCCH候補の数、すなわちパラメータM_maxに対して1つの値のみが与えられることである。しかし、Rel-15/Rel-16のPDCCH監視能力の異なる組み合わせについては、異なる値が適用される可能性がある。したがって、上記の欠点に対処する解決策が必要である。上記のパラメータC_max及びM_maxは、3GPP仕様において使用されているサブキャリア間隔及びスパンパターンに固有のパラメータCPDCCH max,slot,μ、CPDCCH max,(X,Y),μ、MPDCCH max,slot,μ、MPDCCH max,(X,Y),μの一般的な用語である点に留意する。
【0059】
したがって、クライアントデバイスとネットワークアクセスノードとの間でのCCH監視能力情報の交換のため、さらに、どのCCH監視能力を使用するかを決定するための拡張サポート及び手順を有する解決策がここで提示される。これにより、異なるサービス要件及びトラフィック状況に適応できる柔軟なCCH監視メカニズムが提供される。
【0060】
図1は、本発明の実施形態によるクライアントデバイス100を示す。図1に示す実施形態では、クライアントデバイス100は、プロセッサ102、トランシーバ104及びメモリ106を含む。プロセッサ102は、当該技術分野で既知の通信手段108によりトランシーバ104及びメモリ106に結合されてもよい。クライアントデバイス100は、トランシーバ104に結合されたアンテナ又はアンテナアレイ110を更に含んでもよく、これは、クライアントデバイス100が通信システムにおける通信用に構成されてもよいことを意味する。
【0061】
本開示では、クライアントデバイス100が特定のアクションを実行するように構成されてもよいことは、クライアントデバイス100が、例えばプロセッサ102及びトランシーバ104のような、当該アクションを実行するように構成された適切な手段を含むことを意味すると理解できる。
【0062】
本発明の実施形態によれば、クライアントデバイス100は、第1の制御メッセージ502をネットワークアクセスノード300に伝送するように構成される。第1の制御メッセージ502は、クライアントデバイス100によりサポートされる制御チャネル(CCH, control channel)監視能力のセットを示す。CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モードM1についての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モードM2についての第2のCCH監視能力とを示す。
【0063】
図2は、図1に示すもののようなクライアントデバイス100で実行され得る対応する方法200のフローチャートを示す。方法200は、第1の制御メッセージ502をネットワークアクセスノード300に伝送するステップ202を含む。第1の制御メッセージ502は、クライアントデバイス100によりサポートされるCCH監視能力のセットを示す。CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モードM1についての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モードM2についての第2のCCH監視能力とを示す。
【0064】
図3は、本発明の実施形態によるネットワークアクセスノード300を示す。図3に示す実施形態では、ネットワークアクセスノード300は、プロセッサ302、トランシーバ304及びメモリ306を含む。プロセッサ302は、当該技術分野で既知の通信手段308によりトランシーバ304及びメモリ306に結合される。ネットワークアクセスノード300は、それぞれ無線及び有線通信システムにおいて無線及び有線通信の双方に構成されてもよい。無線通信能力は、トランシーバ304に結合されたアンテナ又はアンテナアレイ310で提供され、有線通信機能は、トランシーバ304に結合された有線通信インタフェース312で提供される。
【0065】
本開示では、ネットワークアクセスノード300が特定のアクションを実行するように構成されることは、ネットワークアクセスノード300が、例えばプロセッサ302及びトランシーバ304のような、当該アクションを実行するように構成された適切な手段を含むことを意味すると理解できる。
【0066】
本発明の実施形態によれば、ネットワークアクセスノード300は、クライアントデバイス100から第1の制御メッセージ502を受信するように構成される。第1の制御メッセージ502は、クライアントデバイス100によりサポートされるCCH監視能力のセットを示す。CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モードM1についての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モードM2についての第2のCCH監視能力とを示す。ネットワークアクセスノード300は、第1の制御メッセージ502に基づいて、CCH監視能力のセットからクライアントデバイス100についてのCCH監視能力を決定し、決定されたCCH監視能力でクライアントデバイス100を構成するように更に構成される。
【0067】
図4は、図3に示すもののようなネットワークアクセスノード300で実行され得る対応する方法400のフローチャートを示す。方法400は、クライアントデバイス100から第1の制御メッセージ502を受信するステップ402を含む。第1の制御メッセージ502は、クライアントデバイス100によりサポートされるCCH監視能力のセットを示す。CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モードM1についての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モードM2についての第2のCCH監視能力とを示す。方法200は、第1の制御メッセージ502に基づいて、CCH監視能力のセットからクライアントデバイス100についてのCCH監視能力を決定するステップ404と、決定されたCCH監視能力でクライアントデバイス100を構成するステップ406とを更に含む。
【0068】
図5は、本発明の実施形態による通信システム500を示す。通信システム500は、通信システム500において動作するように構成されたネットワークアクセスノード300及びクライアントデバイス100を含む。通信システム500は、例えばeMBB及びURLLCサービスのように、広く異なる特性及び要件を有する多様な通信サービスをサポートしてもよい。多様な通信サービスを効率的にサポートするために、2つの異なるCCH監視モード、すなわち、第1のCCH監視モードM1及び第2のCCH監視モードM2が通信システム500において使用されてもよい。例えば、第1のCCH監視モードM1はeMBBにとってより適してもよく、第2のCCH監視モードM2はURLLCにとってより適してもよく、その逆も同様である。
【0069】
本発明の実施形態では、クライアントデバイス100は、第1のCCH監視モードM1において、時間スロット内の多数のリソースを監視することにより、スロット単位でCCH監視を実行するように構成されてもよく、第2のCCH監視モードM2において、サブスロット内の多数のリソースを監視することにより、スパン単位でCCH監視を実行するように構成されてもよい。
【0070】
実施形態では、通信システム500は、NR及び/又はLTE無線アクセス技術(RAT, radio access technology)に基づくものとすることができる。このような実施形態では、第1のCCH監視モードM1は3GPP標準によるRel-15監視に対応してもよく、第2のCCH監視モードM2は3GPP標準によるRel-16監視に対応してもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0071】
クライアントデバイス100が第1のCCH監視モードM1及び第2のCCH監視モードM2に従ってCCH監視の複数の組み合わせをサポートできる場合、ネットワークアクセスノード300は、クライアントデバイス100がどの組み合わせをサポートできるかを認識することで恩恵を受ける。したがって、本発明は、クライアントデバイス100がそのサポートされるCCH監視能力のセットをネットワークアクセスノード300に指示/通知できる新たな制御メッセージを導入する。このように、ネットワークアクセスノード300及びクライアントデバイス100は、クライアントデバイス100によりサポートされるCCH監視能力のセットの同じ理解を有する。
【0072】
本発明の実施形態によれば、クライアントデバイス100は、第1の制御メッセージ502で、そのCCH監視能力をネットワークアクセスノード300に通知してもよい。クライアントデバイス100は、図5に示すように、第1の制御メッセージ502をネットワークアクセスノード300に伝送できる。第1の制御メッセージ502は、クライアントデバイス100によりサポートされるCCH監視能力のセットを示し、CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のCCH監視モードM1についての第1のCCH監視能力と、第2のCCH監視モードM2についての第2のCCH監視能力とを示す。したがって、第1の制御メッセージ502は、クライアントデバイス100によりサポートされる第1のCCH監視モードM1及び第2のCCH監視モードM2に従って、CCH監視の異なる組み合わせを示す。
【0073】
第1の制御メッセージ502に基づいて、ネットワークアクセスノード300は、示されたCCH監視能力のセットからCCH監視能力を決定し、決定されたCCH監視能力でクライアントデバイス100を構成できる。ネットワークアクセスノード300は、例えば、現在使用されている通信サービスに最も適したCCH監視能力を決定できる。これにより、CCH監視が通信サービスの要件に適応することを可能にする。
【0074】
実施形態では、第1のCCH監視能力は第1のサービングセルの数に関連してもよく、第2のCCH監視能力は第2のサービングセルの数に関連してもよい。したがって、CCH監視能力のセット内の各CCH監視能力は、第1のサービングセルの数と第2のサービングセルの数との組み合わせ、すなわち、クライアントデバイス100が、それぞれ第1のCCH監視モードM1及び第2のCCH監視モードM2で同時に監視できるサービングセルの数の組み合わせを示してもよい。ここでは、サービングセルは、セル、アクティブ化セル、コンポーネントキャリア、キャリア、帯域幅部分、アクティブ帯域幅部分等であると更に理解できる。
【0075】
1つのCCH監視能力は、第1のCCH監視能力のみにより示されてもよく、したがって、クライアントデバイス100が第1のCCH監視モードM1のみで監視する場合、クライアントデバイス100が監視できる第1のサービングセルの数を示してもよい。他のCCH監視能力は、第2のCCH監視能力のみにより示されてもよく、したがって、クライアントデバイス100が第2のCCH監視モードM2のみで監視する場合、クライアントデバイス100が監視できる第2のサービングセルの数を示す。第1のCCH監視能力及び第2のCCH監視能力の双方を示すCCH監視能力は、クライアントデバイス100がそれぞれ第1のCCH監視モードM1及び第2のCCH監視モードM2で監視できるサービングセルの数の組み合わせを示すことができる。
【0076】
図6は、本発明の実施形態による第1の制御メッセージ502を示しており、第1のCCH監視能力は第1のサービングセルの数に関連し、第2のCCH監視能力は第2のサービングセルの数に関連する。図6を参照すると、第1の制御メッセージ50は、3つのCCH監視能力602、604及び606を含むCCH監視能力のセット600を含む。CCH監視能力のセット600は、例えば、第1の制御メッセージ502内の1つ以上の情報要素に含まれてもよい。CCH監視能力のセット600内の各CCH監視能力602、604、606は、第1のサービングセルの数での第1のCCH監視モードM1についての第1のCCH監視能力と、第2のサービングセルの数での第2のCCH監視モードM2についての第2のCCH監視能力とを示す。したがって、図6に示すCCH監視能力のセット600は、クライアントデバイス100が、第1のCCH監視モードM1での4つのサービングセルと第2のCCH監視モードM2での0個のサービングセルとの組み合わせ、第1のCCH監視モードM1での2つのサービングセルと第2のCCH監視モードM2での1つのサービングセルとの組み合わせ、及び第1のCCH監視モードM1での0個のサービングセルと第2のCCH監視モードM2での2つのサービングセルとの組み合わせを監視できることを示している。
【0077】
本発明の実施形態によれば、CCH監視のためのサービングセル当たりの最大のCCH候補の数及び最大の重複しない制御チャネルエレメント(CCE, control channel element)の数は、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせに依存してもよい。CCH候補は、制御メッセージが伝送され得る時間及び/又は周波数リソースの所定の組み合わせを含んでもよい。クライアントデバイス100は、所定のダウンリンク制御情報(DCI, downlink control information)フォーマットについて時間及び/又は周波数リソースの組み合わせをチェック、例えば、監視又はブラインドデコードする。DCIフォーマットが異なるサイズを有する場合、これらは別々のCCH候補としてカウントされてもよく、これらが同じサイズを有する場合、これらは1つのCCH候補としてカウントされる。
【0078】
本発明の実施形態では、サービングセル当たりの最大のCCH候補の数及び最大の重複しないCCEの数は、CCH監視のために第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせに基づいて適応できる。これにより、CCH監視における更なる柔軟性を可能にする。例えば、第1のサービングセルの数が2であり、第2のセルの数が1である場合の第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との第1の組み合わせは、サービングセル当たりの高い最大のCCH候補の数でサポートされてもよく、第1のサービングセルの数が2であり、第2のセルの数が2である場合の第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との第2の組み合わせは、第1の組み合わせに比べてサービングセル当たりの最大のCCH候補の数を低減するときにサポートされてもよい。
【0079】
実施形態では、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との特定の組み合わせに使用できるサービングセルマッピング当たりの最大のCCH候補の数及び最大の重複しないCCEの数は、(例えば標準により)予め定義されてもよく、これらの間のマッピングは1つ以上のテーブルに実現されてもよい。例えば、監視スパンの組み合わせ及びサブキャリア間隔毎に2つのエントリを有する、監視モード当たり1つのテーブルが使用されてもよい。代替として、監視モード当たり2つのテーブルが使用されてもよく、いくつかのCCH監視能力の組み合わせが1つのテーブルにマッピングされ、他のCCH監視能力の組み合わせが他のテーブルにマッピングされる。
【0080】
図7は、本発明の実施形態によるネットワークアクセスノード300とクライアントデバイス100との間の制御シグナリングを示す。シグナリングは、ユースケース及びトラフィックシナリオに依存して、クライアントデバイス100のキャリアアグリゲーションについてCCH監視を適応させるために実行されてもよい。
【0081】
図7のステップIにおいて、クライアントデバイス100は、第1の制御メッセージ502をネットワークアクセスノード300に伝送する。第1の制御メッセージ502は、クライアントデバイス100によりサポートされるCCH監視能力のセットを示す。
【0082】
CCH監視能力のセットは、異なる方法で第1の制御メッセージ502において示されてもよい。実施形態では、第1の制御メッセージ502は、CCH監視能力のセットを明示的に示してもよい。図6に示すように、第1の制御メッセージ502は、例えば、各CCH監視能力の明示的な指示を含んでもよく、したがって、クライアントデバイス100によりサポートされる第1のサービングセルの数と第2のサービングセルの数とのそれぞれの組み合わせを含んでもよい。
【0083】
第1の制御メッセージ502は、各インデックスが1つ以上のCCH監視能力に関連する1つ以上のインデックスでCCH監視能力のセットを更に示してもよい。インデックスとCCH監視能力との間の関連付けは、例えば標準において予め定義されてもよい。したがって、ネットワークアクセスノード300がクライアントデバイス100から1つ以上のインデックスを受信したとき、ネットワークアクセスノード300は、所定の関連付けに基づいて、受信した1つ以上のインデックスからCCH監視能力のセットを導出してもよい。
【0084】
さらに、第1の制御メッセージ502は、それぞれの第1のCCH監視能力のみ、それぞれの第2のCCH監視能力のみ、及び/又は単一のCCH監視能力で、CCH監視能力のセットを示してもよい。
【0085】
第1の制御メッセージ502がそれぞれの第1のCCH監視能力のみを示すとき、第1の制御メッセージ502は、それぞれの第1のCCH監視能力を直接又は間接に示してもよく、それぞれの第2のCCH監視能力は、示された第1のCCH監視能力から暗黙的に導出されてもよい。例えば、クライアントデバイス100は、第1のCCH監視能力{4、3、2、1、0}を報告してもよく、関連する第2のCCH監視能力、例えば{0、0、0、1、2}又は{0、1、2、3、4}は、ネットワークアクセスノード300により暗黙的に取得されてもよい。
【0086】
どの番号が第2のCCH監視能力に想定されるかは、上記の例では、例えば常に{0、0、0、1、2}に固定されてもよく、或いは、クライアントデバイス100からの追加情報に基づいてもよい。1つのクライアントデバイス100は、{0、0、0、1、2}が想定されるべきであることを意味する低いCCH監視能力をネットワークアクセスノード300に示してもよく、他のクライアントデバイス100は、{0、1、2、3、4}が想定されるべきであることを意味する高い能力を示してもよい。
【0087】
クライアントデバイス100は、それぞれの第2のCCH監視能力のみ、例えば{0、1、2}を更に報告してもよい。これは、第1のCCH監視能力{4、2、0}がサポートされること、すなわち、CCH監視能力の組み合わせ{(4+0)、(2+1)、(0+2)}がサポートされることを意味してもよい。クライアントデバイス100が第2のCCH監視能力{4、3、2、1、0}を報告した場合、これは、CCH監視能力の組み合わせ{(0+4)、(1+3)、(2+2)、(3+1)、(4+0)}がサポートされることを意味してもよい。
【0088】
さらに、クライアントデバイス100は、最大の第2のCCH監視能力、すなわち、クライアントデバイス100がサポートできる第2のセルの数の最大数を報告してもよい。さらに、合計CCH監視能力、すなわち、第1のCCH監視モードM1及び第2のCCH監視モードM2の双方で監視するサービングセルの総数は、既知でもよく或いはクライアントデバイス100により報告されてもよい。この場合、第1のCCH監視能力は、報告された最大の第2のCCH監視能力及び合計CCH監視能力から導出できる。クライアントデバイス100は、報告された第2のセルの数の最大数よりも小さい数の第2のセルの数を全てサポートすると更に仮定してもよい。この例では、第1のCCH監視モードM1はRel-15でもよく、第2のCCH監視モードM2はRel-16でもよい。
【0089】
例えば、クライアントデバイス100は、3つのサービングセルの最大の第2のCCH監視能力を報告してもよい。次いで、サポートされる第2のCCH監視能力は{0、1、2、3}であると導出されてもよく、サポートされる第1のCCH監視能力は{4、3、2、1}であると導出されてもよい。したがって、CCH監視能力の組み合わせ{(4+0)、(3+1)、(2+2)、(1+3)}がサポートされる。
【0090】
第1の制御メッセージ502が単一のCCH監視能力を示すとき、ネットワークアクセスノード300は、示された単一のCCH監視能力から、サポートされるCCH監視能力のセット内の他のサポートされるCCH監視能力を導出できてもよい。例えば、クライアントデバイス100が第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との第1の組み合わせ(0+2)を報告した場合、ネットワークアクセスノード300は、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との第2の組み合わせ、例えば(2+1)もサポートされると暗黙的に仮定してもよい。クライアントデバイス100が(M1でのセルの数+M2でのセルの数)=(0+4)の組み合わせを報告した場合、これは、組み合わせ{(1+3)、(2+2)、(3+1)及び(4+0)}もサポートされることを意味してもよい。さらに、非限定的な例は以下の通りである。
・クライアントデバイス100が{(4+0)及び/又は(0+2)}を報告した場合、ネットワークアクセスノード300は、組み合わせ(2+1)もサポートされると仮定できる。
・クライアントデバイス100が(0+4)を報告した場合、ネットワークアクセスノード300は、組み合わせ(4+0)、(3+1)、(2+2)、(1+3)もサポートされると仮定できる。
・クライアントデバイスが(0+2)を報告した場合、ネットワークアクセスノード300は、組み合わせ(4+0)及び(2+1)もサポートされると仮定できる。
・クライアントデバイス100が何も報告しない場合、ネットワークアクセスノード300は、特定の最小要件がサポートされると仮定でき、非限定的な例は以下の通りである。
○{(4+0)、(0+2)}、
○{(4+0)、(0+2)、(2+1)}、及び
○{(4+0)、(3+1)、(2+2)、(1+3)、(0+4)}。
【0091】
ネットワークアクセスノード300は、クライアントデバイスから、クライアントデバイス100によりサポートされるCCH監視能力のセットを示す第1の制御メッセージ502を受信する。第1の制御メッセージ502に基づいて、図7のステップIIにおいて、ネットワークアクセスノード300は、CCH監視能力のセットからクライアントデバイス100についてのCCH監視能力を決定する。ステップIIは、ネットワークアクセスノード300が、CCH監視能力のセットと、セルの負荷、サポートされるキャリア数、サポートされるサービス及びクライアントデバイス100について構成されたサービスのうち少なくとも1つとに基づいて、CCH監視能力を決定することを含んでもよい。例えば、クライアントデバイス100がより多くのキャリアをサポートできるとき、より多くのキャリアで構成できる。さらに、例えばeMBBのトラフィック負荷がより高いとき、eMBBのためにより多くのセルが構成されてもよく、URLLC要件が厳しい場合、より多くのセルがURLLCに使用されてもよい。さらに、セルの負荷が低い場合は、より多くの帯域幅がクライアントデバイス100に与えられることができ、これは、より多くのキャリアが構成できることを意味する。
【0092】
図7のステップIIIにおいて、ネットワークアクセスノード300は、決定されたCCH監視能力でクライアントデバイス100を構成する。ネットワークアクセスノード300は、クライアントデバイス100についてのセル構成のセットを決定することにより、決定されたCCH監視能力でクライアントデバイス100を構成し、クライアントデバイス100についてのセル構成のセットでクライアントデバイス100を構成してもよい。セル構成のセット内の少なくとも1つのセル構成は、第1のCCH監視モードM1又は第2のCCH監視モードM2を含む。
【0093】
本発明の実施形態では、ネットワークアクセスノード300は、決定されたCCH監視能力でクライアントデバイス100を明示的に構成してもよい。このような実施形態では、決定されたCCH監視能力でのクライアントデバイス100の構成は、図7の破線の矢印で示すように、ネットワークアクセスノード300が第2の制御メッセージ504をクライアントデバイス100に伝送することを更に含んでもよい。第2の制御メッセージ504は、決定されたCCH監視能力を示し、無線リソース制御メッセージ、媒体アクセス制御チャネルエレメント又はダウンリンク制御情報のいずれかでもよい。
【0094】
図7のステップIVにおいて、クライアントデバイス100は、CCH監視能力のセットからCCH監視能力を取得する。クライアントデバイス100は、ネットワークアクセスノード300から明示的にCCH監視能力を取得してもよく、すなわち、クライアントデバイス100は、ネットワークアクセスノード300によりCCH監視能力で構成されてもよい。クライアントデバイス100は、例えば所定のルールのセットに基づいて、内部でCCH監視能力を更に決定してもよい。
【0095】
ネットワークアクセスノード300がCCH監視能力でクライアントデバイス100を構成する実施形態では、クライアントデバイス100は、ネットワークアクセスノード300により伝送される第2の制御メッセージ504に基づいてCCH監視能力を取得してもよい。したがって、実施形態では、クライアントデバイス100は、ネットワークアクセスノード300から第2の制御メッセージ504を受信してもよく、第2の制御メッセージ504は、CCH監視能力のセットからのCCH監視能力、すなわち、図7のステップIIにおいてネットワークアクセスノード300により決定されたCCH監視能力を示す。次いで、クライアントデバイス100は、第2の制御メッセージ504に基づいてCCH監視能力を取得する。
【0096】
クライアントデバイス100がCCH監視能力を決定する実施形態では、CCH監視能力の取得は、クライアントデバイス100がクライアントデバイス100についてのセル構成のセットを決定することを含んでもよい。セル構成のセット内の少なくとも1つのセル構成は、第1のCCH監視モードM1又は第2のCCH監視モードM2を含む。クライアントデバイス100は、クライアントデバイス100についてのセル構成のセットに基づいて、CCH監視能力を更に取得してもよい。どのようにクライアントデバイス100がセル構成のセットに基づいてCCH監視能力を取得するかは、以下に更に説明する。
【0097】
図7のステップVにおいて、クライアントデバイス100は、取得されたCCH監視能力、すなわち図7のステップIVで取得されたCCH監視能力に基づいてCCH監視を実行する。
【0098】
本発明の実施形態によれば、クライアントデバイス100は、所定の選択ルールに基づいて、セル構成のセットからCCH監視能力を取得してもよい。クライアントデバイス100が、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との以下の組み合わせ{(0+2)、(2+1)、(4+0)}をサポートすると仮定する。クライアントデバイス100が混合セルを含むセル構成のセットで構成される場合、すなわち、構成されたセルのうち少なくとも1つが第1の監視モードM1で構成され、少なくとも1つのセルが第2の監視モードM2で構成される場合、混合監視をサポートするCCH監視能力、すなわちこの例では(2+1)が使用されるものとする。クライアントデバイス100が第2の監視モードM2で構成されたセルのみで構成される場合、第2のセルの数の最大数を有するCCH監視能力、すなわちこの例では(0+2)が使用されるものとする。さらに、クライアントデバイス100が第1の監視モードMで構成されたセルのみで構成される場合、第1のセルの数の最大数を有するCCH監視能力、すなわちこの例では(4+0)が使用されるものとする。
【0099】
第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせをサポートする複数のCCH監視能力の中から、1つのCCH監視能力を選択するための選択ルールについて更に開示する。クライアントデバイス100が以下のCCH監視能力{(0+4)、(1+3)、(2+2)、(3+1)、(4+0)}をサポートできると仮定する。この場合、第1のCCH監視能力と第2のCCH監視能力との組み合わせをサポートするCCH監視能力は、(1+3)、(2+2)及び(3+1)である。したがって、第1の監視モードM1でのセル及び第2の監視モードM2でのセルの双方が構成されている場合、選択できる3つの可能なCCH監視能力、すなわち、(3+1)、(2+2)又は(1+3)が存在する。この場合、CCH監視能力のうちどれを選択するかを定義するための選択ルールが必要である。選択ルールは、例えば、それぞれ第1の監視モードM1及び第2の監視モードM2で構成された実際のセルの数に基づいてもよい。
【0100】
本発明の実施形態では、選択が第2の監視モードM2での構成されたセルの数に基づくように選択ルールが定義されてもよい。例えば、第2の監視モードM2での構成されたセルの数を超えない最大数の第2のCCH監視能力を含むCCH監視能力が選択されてもよい。例えば、5つのセルが第2の監視モードM2で構成されていると仮定する。この場合、上記の例では、CCH監視能力(1+3)が第2のCCH監視能力で最も多くのセルを有しており、選択されるべきである。2つのセルのみが第2の監視モードM2で構成されている場合は、CCH監視能力(2+2)が選択されるべきである。さらに、1つのセルのみが第2の監視モードM2で構成されている場合、CCHの監視能力(3+1)が選択されるべきである。
【0101】
本発明の実施形態では、選択が第1の監視モードM1での構成されたセルの数に基づくように選択ルールが定義されてもよい。例えば、第1の監視モードM1での構成されたセルの数を超えない最大数の第1のCCH監視能力を含むCCH監視能力が選択されてもよい。この場合、CCH監視能力{(1+3)、(2+2)、(3+1)、(3+1)}の中から、CCH監視能力(3+1)が選択されるべきである。2つのセルが第1の監視モードM1で構成されている場合、CCH監視能力(2+2)が選択されるべきであり、1つのセルのみが第1の監視モードM1で構成されている場合、CCH監視能力(1+3)が選択されるべきである。
【0102】
上記の選択ルールは、クライアントデバイス100がCCH監視能力を取得するために使用できる選択ルールの非限定的な例である。他の選択ルールも、本発明の範囲を逸脱せずに定義されてもよい。
【0103】
NRにおいて、セル当たり及び監視スパン当たりの最大の監視されるPDCCH候補の数は、適用されるRel-15/Rel-16能力の組み合わせに依存する。例えば、適用される組み合わせが{0 Rel-15、2 Rel-16}である場合、Rel-16 CCH監視についてのM_maxはN1に等しく、適用される組み合わせが{3 Rel-15、1 Rel-16}である場合、M_maxはN2に等しい。
【0104】
異なるCCH監視能力が適用されるときのCCE監視の以下の例を検討する。この例は例示目的のみであり、CCEに限定されない。同様の例はまた、最大数のPDCCH候補を監視することについても与えられることができる。さらに、3GPP用語及びシステム設計が、例のより深い理解を提供するために使用されるが、これに限定されない点に留意すべきである。したがって、このコンテキストでは、クライアントデバイスはUEとして考えられることができる。
【0105】
UEがRel-15/Rel-16監視の以下の2つの能力の組み合わせ{(1 Rel-15、3 Rel-16)、(3 Rel-15、1 Rel-16)}をサポートできると仮定する。さらに、UEがRel-15監視モードにおいて3つのセルで構成され、Rel-16監視モードにおいて3つのセルで構成されると仮定する。Rel-15監視でのセルでは、サブキャリア間隔60kHz(すなわちμ=2)が使用される。Rel-16監視でのセルでは、サブキャリア間隔15kHz(すなわちμ=0)及びスパンパターン(7、3)が使用される。構成は例えばTS 38.213 Section 10に従って実行できる。
【0106】
PDCCH監視のためにPDCCH監視能力(1+3)に従うべきである場合、Rel-16監視では、UEはその能力に従って構成される。この場合、各セルの各監視スパンにおいて最大数の56個の重複しないCCEを監視することが想定される。合計で、UEは全ての3つのRel-16セル上でスパン当たり3*56=168個の重複しないCCEを監視できると想定される。Rel-15監視では、UEは3つのセルで構成されるが、1つのセルについてのみPDCCH監視能力を有する。これはエラーケースではないが、UEはRel-15に従って監視される重複しないCCEの総数をスケーリングする必要がある。TS 38.213 Section 10から、UEは全てのRel-15セルにわたってスロット当たり合計でCPDCCH total,slot,2=48個の重複しないCCEを監視できる必要があると結論付けることができる。
【0107】
他方、能力(3+1)に従うべきである場合、UEはRel-16監視のために1つのセルについての能力のみを有するが、3つのRel-16セルで構成される。したがって、UEはRel-16監視のためにその能力を上回るように構成される。UEは、重複しないCCEの最大数のスケーリングを実行する必要がある。TS 38.213によれば、値CPDCCH total,(7,3),0=56が計算できる。これは、全ての構成されたRel-16セルにわたってUEが監視できる必要がある、スパン当たりの重複しないCCEの合計最大数を表す。Rel-15に基づく監視では、UEはその能力に従って構成され、スロット当たり及びセル当たり最大数のCPDCCH max,slot,2=48個の重複しないCCEを監視し、全てのセルにわたってスロット当たり合計で3*CPDCCH max,slot,2=144個の重複しないCCEを監視することが想定される。
【0108】
これらの計算は以下の表1にまとめられている。これらは、同じキャリアアグリゲーション構成(Rel-15による3つのセル及びRel-16による3つのセル)について、PDCCH監視が適用される能力に依存して非常に異なることを示している。したがって、PDCCH監視能力を所与のユースケースの要件に適応させることは有益であり、ネットワーク及びUEがどの能力を適用すべきかの同じ理解を有することが重要である。
【表1】
【0109】
本発明の実施形態では、いくつかの場合、クライアントデバイス100は第1の制御メッセージ502をネットワークアクセスノード300にシグナリング又は伝送せず、したがって、第1の制御メッセージ502を伝送するのを控える。このような場合、ネットワークアクセスノード300、したがって、ネットワークは、所定のCCH監視能力のセットから、クライアントデバイス100によりサポートされるCCH監視能力を導出する。所定のセットは、Rel-15、Rel-16等のような標準により与えられてもよい。
【0110】
したがって、クライアントデバイス100が必要な/デフォルトの最小のCCH監視能力のセットのみをサポートするとき、クライアントデバイス100は、第1の制御メッセージ502をネットワークアクセスノード300に伝送するのを控えてもよく、言い換えると、伝送しない。関連する条件の他の非限定的な例は、サービスタイプについてキャリアアグリゲーション能力を報告する必要がないとき、また、ネットワーク条件、例えばサポートされる周波数帯域及び/又は帯域幅部分の数が、高度なCCH(PDCCH等)監視能力の適用を必要としないか或いは排除するときである。
【0111】
したがって、クライアントデバイス100は、
以下の条件のうち1つ以上が満たされたとき、すなわち、
クライアントデバイス100が必要な/デフォルトの最小のCCH監視能力のセットのみをサポートするとき、
サービスタイプについて、クライアントデバイス100がキャリアアグリゲーション能力を報告する必要がないとき、且つ、
ネットワーク条件が高度な監視能力の適用を必要としないか或いは排除するとき、
第1の制御メッセージ502をネットワークアクセスノード100に伝送するのを控えるように構成されてもよい。
【0112】
ネットワーク条件は、サポートされる周波数帯域の数及びサポートされる帯域幅部分の数のうち少なくとも1つでもよい。
【0113】
対応して、ネットワークアクセスノード100は、
所定のCCH監視能力のセットに基づいて、第1の制御メッセージ502を受信しなかったとき、クライアントデバイス100のCCH監視能力を推測/導出するように構成されてもよい。
【0114】
クライアントデバイス100及びネットワークアクセスノード100における対応する方法についてもここで考慮される。
【0115】
本開示におけるクライアントデバイス100は、スマートフォン、携帯電話、コードレス電話、セッションイニシエーションプロトコル(SIP, session initiation protocol)電話、無線ローカルループ(WLL, wireless local loop)ステーション、携帯情報端末(PDA, personal digital assistant)、通信機能を有するハンドヘルドデバイス、無線モデムに接続されたコンピューティングデバイス又は他の処理デバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、自動車又は自動車に搭載された機器のような統合アクセス及びバックホールノード(IAB, integrated access and backhaul node)、ドローン、デバイス間(D2D, device-to-device)デバイス、無線カメラ、モバイルステーション、アクセス端末、ユーザユニット、通信デバイス、無線ローカルアクセスネットワーク(WLAN, wireless local access network)のステーション、無線対可能タブレットコンピュータ、ラップトップ組み込み機器、ユニバーサルシリアルバス(USB, universal serial bus)ドングル、無線顧客宅内機器(CPE, customer-premises equipment)及び/又はチップセットのようなUEを含むが、これらに限定されない。モノのインターネット(IOT, Internet of things)のシナリオでは、クライアントデバイス100は、他の無線デバイス及び/又はネットワーク機器との通信を実行するマシン又は他のデバイス若しくはチップセットを表してもよい。
【0116】
UEは、無線能力を有する携帯電話、セルラ電話、コンピュータタブレット又はラップトップと更に呼ばれてもよい。この文脈におけるUEは、例えば、携帯型、ポケット収納型、ハンドヘルド型、コンピュータ構成型又は車載型のモバイルデバイスでもよく、無線アクセスネットワークを介して、他の受信機又はサーバのような他のエンティティと音声及び/又はデータを通信することが可能でもよい。UEはステーション(STA, station)とすることができ、これは無線媒体(WM, wireless medium)へのIEEE 802.11準拠の媒体アクセス制御(MAC, media access control)及び物理層(PHY, physical layer)インタフェースを含むいずれかのデバイスである。UEは、3GPP関連のLTE及びLTE-Advanced、WiMAX及びその進化、並びにNRのような第5世代無線技術での通信に構成されてもよい。
【0117】
本開示におけるネットワークアクセスノード300は、広帯域符号分割多元接続(WCDMA, wideband code division multiple access)システムにおけるNodeB、LTEシステムにおける進化型ノードB(eNB, evolutional Node B)又は進化ノードB(eNodeB, evolved NodeB)、又は中継ノード若しくはアクセスポート、又は車載デバイス、ウェアラブルデバイス、又は第5世代(5G, fifth generation)ネットワークにおけるgNBを含むが、これらに限定されない。さらに、ここでのネットワークアクセスノード300は、無線ネットワークアクセスノード、アクセスネットワークアクセスノード、アクセスポート、又は基地局、例えば無線基地局(RBS, radio base station)として示されてもよく、これは、いくつかのネットワークでは使用される技術及び用語に依存して、送信機、「gNB」、「gNodeB」、「eNB」、「eNodeB」、「NodeB」又は「Bノード」と呼ばれてもよい。無線ネットワークアクセスノードは、送信電力及びそれによるセルサイズにも基づいて、例えばマクロeNodeB、ホームeNodeB又はピコ基地局等の異なるクラスになってもよい。無線ネットワークアクセスノードはステーション(STA, station)とすることができ、これは無線媒体へのIEEE 802.11準拠のMAC及びPHYインタフェースを含むいずれかのデバイスである。無線ネットワークアクセスノードはまた、5G無線システムに対応する基地局でもよい。
【0118】
さらに、本発明の実施形態によるいずれかの方法は、コード手段を有するコンピュータプログラムに実現されてもよく、コード手段は、処理手段により実行されると、処理手段に方法のステップを実行させる。コンピュータプログラムは、コンピュータプログラム製品のコンピュータ読み取り可能媒体に含まれる。コンピュータ読み取り可能媒体は、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable PROM)又はハードディスクドライブのような、いずれかのメモリを本質的に含む。
【0119】
さらに、クライアントデバイス100及びネットワークアクセスノード300の実施形態は、解決策を実行するために、例えば、機能、手段、ユニット、エレメント等の形式の必要な通信能力を含むことが、当業者により実現される。他のこのような手段、ユニット、エレメント及び機能の例は、プロセッサ、メモリ、バッファ、制御ロジック、エンコーダ、デコーダ、レートマッチャ、デレートマッチャ、マッピングユニット、乗算器、判定ユニット、選択ユニット、スイッチ、インターリーバ、デインターリーバ、変調器、復調器、入力、出力、アンテナ、増幅器、受信ユニット、送信ユニット、DSP、MSD、TCMエンコーダ、TCMデコーダ、電源ユニット、給電器、通信インタフェース、通信プロトコル等であり、これらは解決策を実行するために適切に一緒に配置される。
【0120】
特に、クライアントデバイス100及びネットワークアクセスノード300のプロセッサは、例えば、中央処理装置(CPU, Central Processing Unit)、処理ユニット、処理回路、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC, Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ、又は命令を解釈して実行し得る他の処理ロジックの1つ以上のインスタンスを含んでもよい。したがって、「プロセッサ」という表現は、例えば、上記のもののいずれか、一部又は全部のような複数の処理回路から構成を含む処理回路を表してもよい。処理回路は、コール処理制御、ユーザインタフェース制御等のような、データバッファリング及びデバイス制御機能を含むデータの入力、出力及び処理のためのデータ処理機能を更に実行してもよい。
【0121】
最後に、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、添付の独立請求項の範囲内の全ての実施形態に関連し、これらを組み込んでいることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7