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特許7443562空冷式冷蔵庫およびそのエアダクト遮蔽装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】空冷式冷蔵庫およびそのエアダクト遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/08 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
F25D17/08 306
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022563165
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 CN2020137536
(87)【国際公開番号】W WO2021218191
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】202010348051.9
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(73)【特許権者】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ イェンチョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ホァン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ファーリン
(72)【発明者】
【氏名】マオ バオロン
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-513338(JP,A)
【文献】特表2018-509584(JP,A)
【文献】実開平03-010149(JP,U)
【文献】特開2001-280800(JP,A)
【文献】米国特許第06240735(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/04-17/08
F25D 23/00
F24F 13/065,13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空冷式冷蔵庫に適したエアダクト遮蔽装置であって、
複数の吹出口を有するファンシャーシと、
ターンテーブルおよび間隔を空けて設けられた複数の第1遮蔽片を有し、前記ターンテーブルの軸線を中心に回転制御可能に構成される第1調整部材と、
前記第1調整部材と前記ファンシャーシとの間に設けられて、間隔を空けて設けられた複数の第2遮蔽片を有する第2調整部材とを含み、
前記第1調整部材は前記ターンテーブルの軸線を中心に回転するとき、前記第2調整部材を回転させ、前記第1遮蔽片および/または前記第2遮蔽片により各前記吹出口を完全遮蔽、部分遮蔽及び完全露出を選択的に取り、前記複数の吹出口のそれぞれの空気出口面積を調整する、ことを特徴とするエアダクト遮蔽装置。
【請求項2】
前記ファンシャーシは、逃がし部を含み、前記逃がし部は収容空洞を有し、各前記吹出口が完全に露出されるとき、各前記第1遮蔽片と各前記第2遮蔽片は互いに重なって前記収容空洞に収容される、ことを特徴とする請求項1に記載のエアダクト遮蔽装置。
【請求項3】
前記逃がし部は、前記ファンシャーシの円形底板の外縁から、前記第2調整部材から離れる方向に突出するU字形の曲げ構造である、ことを特徴とする請求項2に記載のエアダクト遮蔽装置。
【請求項4】
前記ファンシャーシの円形底板の外縁に制限溝が設けられ、前記制限溝は前記円形底板の外縁に窪んでいる円弧状溝である、ことを特徴とする請求項2に記載のエアダクト遮蔽装置。
【請求項5】
前記制限溝は、隣接する2つの前記逃がし部間に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載のエアダクト遮蔽装置。
【請求項6】
前記第2調整部材は、第2環状ディスクを含み、前記第2環状ディスクは第3側面と前記第3側面とは反対側に配置された第4側面を有し、前記第3側面は前記ファンシャーシに隣接し、前記第3側面に制限ブロックが設けられ、前記制限溝が前記制限ブロックと係合して前記第2調整部材の回転角度を制限する、ことを特徴とする請求項4に記載のエアダクト遮蔽装置。
【請求項7】
前記第1調整部材は、第1環状ディスクを含み、前記第環状ディスクは第1側面と前記第1側面とは反対側に配置された第2側面を有し、前記第1側面と前記第2調整部材が隣接し、前記第1側面に摺動溝が設けられ、前記第側面に摺動ブロックがさらに設けられ、前記摺動ブロックが前記摺動溝に挿入され、前記摺動溝は前記摺動ブロックに沿って摺動して、前記摺動ブロックを押し付け、前記第2調整部材を一定角度で回転させ、さらに複数の前記第2遮蔽片により複数の前記吹出口を遮蔽し、または複数の前記吹出口を露出させる、ことを特徴とする請求項6に記載のエアダクト遮蔽装置。
【請求項8】
前記ターンテーブルは前記第2側面に設けられ、前記ターンテーブルは歯車構造である、ことを特徴とする請求項7に記載のエアダクト遮蔽装置。
【請求項9】
駆動シャーシと駆動ユニットをさらに含み、前記駆動ユニットは前記駆動シャーシの一側に設けられ、前記駆動ユニットが駆動歯車に接続され、前記駆動歯車が前記ターンテーブルと互いに噛み合って、前記駆動歯車が前記歯車構造を駆動して、前記第1調整部材を一定角度で回転させ、さらに複数の前記第1遮蔽片により複数の前記吹出口を遮蔽し、または複数の前記吹出口を露出させる、ことを特徴とする請求項8に記載のエアダクト遮蔽装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のエアダクト遮蔽装置が取り付けられる、ことを特徴とする空冷式冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍および冷蔵の技術分野に関し、特に空冷式冷蔵庫およびそのエアダクト遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空冷式冷蔵庫は、食品の鮮度を保ち、食品の保存時間を延長し、食品の安全性を向上させることができ、家庭に欠かせない家電製品である。
【0003】
空冷式冷蔵庫の鮮度は、空冷式冷蔵庫の貯蔵室内の空気循環と箱内の各部間の温度差に大きく依存する。箱内の空気循環が合理的で、温度差が小さいほど、冷蔵庫の鮮度保持性能が高くなる。冷蔵庫内の空気循環が合理的かどうかを決定する重要な部品はエアダクトであり、冷蔵庫の風向と風量を制御し、冷蔵庫の冷凍および冷蔵効果を直接左右する。
【0004】
図1は、従来のエアダクト遮蔽装置の全体概略図であり、図2は、図1のエアダクト遮蔽装置の分解概略図である。
【0005】
図1および図2に示すように、従来のエアダクト遮蔽装置10は、順次設けられた駆動シャーシ1、エアダクト遮蔽ディスク3、ファン軸受4、ファンシャーシ5およびファン6を含み、駆動シャーシ1に駆動ユニット2が設けられ、エアダクト遮蔽ディスク3を駆動して円周方向に回転させることで、エアダクト遮蔽ディスク3上の遮蔽片31がファンシャーシ5上の逃がし部51の収容空間52から回転して、ファンシャーシ5上の吹出口53の一部または全部が閉じられ、または、エアダクト遮蔽ディスク3上の遮蔽片31はファンシャーシ5上の逃がし部51の収容空間52に回転し、ファンシャーシ5上の吹出口53の一部または完全が開かれる。
【0006】
エアダクト遮蔽装置10では、エアダクト遮蔽ディスク3の遮蔽片31の面積がファンシャーシ5の吹出口53の面積と一致し、吹出口53の面積とエアダクト遮蔽装置10の側面の面積の比が50%を超えることができないため、ファン6の空気供給能力が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来のエアダクト遮蔽装置における吹出口の占有面積の割合が小さく、ファンの空気供給能力が制限された問題を解決し、吹出口の面積を大きくして、空気供給量を増加させ、冷蔵庫の冷凍能力を高める効果を達成する新しいエアダクト遮蔽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記発明の目的の一つを達成するために、本発明の一実施形態は、空冷式冷蔵庫に適したエアダクト遮蔽装置を提供し、前記エアダクト遮蔽装置は、複数の吹出口を有するファンシャーシと、ターンテーブルおよび間隔を空けて設けられた複数の第1遮蔽片を有し、前記ターンテーブルの軸線を中心に回転制御可能に構成される第1調整部材と、前記第1調整部材と前記ファンシャーシとの間に設けられて、間隔を空けて設けられた複数の第2遮蔽片を有する第2調整部材とを含み、前記第1調整部材は前記ターンテーブルの軸線を中心に回転するとき、前記第2調整部材を回転させ、前記第1遮蔽片および/または前記第2遮蔽片により各前記吹出口を完全遮蔽、部分遮蔽及び完全露出を選択的に取り、前記複数の吹出口のそれぞれの空気出口面積を調整する。
【0009】
選択可能な技術手段として、前記ファンシャーシは、逃がし部を含み、前記逃がし部は収容空洞を有し、各前記吹出口が完全に露出されるとき、各前記第1遮蔽片と各前記第2遮蔽片は互いに重なって前記収容空洞に収容される。
【0010】
選択可能な技術手段として、前記逃がし部は、前記ファンシャーシの円形底板の外縁から、前記第2調整部材から離れる方向に突出するU字形の曲げ構造である。
【0011】
選択可能な技術手段として、前記ファンシャーシの円形底板の外縁に制限溝が設けられ、前記制限溝は前記円形底板の外縁に窪んでいる円弧状溝である。
【0012】
選択可能な技術手段として、前記制限溝は、隣接する2つの前記逃がし部間に位置する。
【0013】
選択可能な技術手段として、前記第2調整部材は、第2環状ディスクを含み、前記第2環状ディスクは第3側面と前記第3側面とは反対側に配置された第4側面を有し、前記第3側面は前記ファンシャーシに隣接し、前記第3側面に制限ブロックが設けられ、前記制限溝が前記制限ブロックと係合して前記第2調整部材の回転角度を制限する。
【0014】
選択可能な技術手段として、前記第1調整部材は、第1環状ディスクを含み、前記第環状ディスクは第1側面と前記第1側面とは反対側に配置された第2側面を有し、前記第1側面と前記第2調整部材が隣接し、前記第1側面に摺動溝が設けられ、前記第側面に摺動ブロックがさらに設けられ、前記摺動ブロックが前記摺動溝に挿入され、前記摺動溝は前記摺動ブロックに沿って摺動して、前記摺動ブロックを押し付け、前記第2調整部材を一定角度で回転させ、さらに複数の前記第2遮蔽片により複数の前記吹出口を遮蔽し、または複数の前記吹出口を露出させる。
【0015】
選択可能な技術手段として、前記ターンテーブルは前記第2側面に設けられ、前記ターンテーブルは歯車構造である。
【0016】
選択可能な技術手段として、駆動シャーシと駆動ユニットをさらに含み、前記駆動ユニットは前記駆動シャーシの一側に設けられ、前記駆動ユニットが駆動歯車に接続され、前記駆動歯車が前記ターンテーブルと互いに噛み合って、前記駆動歯車が前記歯車構造を駆動して、前記第1調整部材を一定角度で回転させ、さらに複数の前記第1遮蔽片により複数の前記吹出口を遮蔽し、または複数の前記吹出口を露出させる。
【0017】
本発明は、上記に記載のエアダクト遮蔽装置が取り付けられた空冷式冷蔵庫をさらに提供する。
【発明の効果】
【0018】
従来技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0019】
2層以上の遮蔽片の相対的な移動による折り畳みまたは展開を利用して、吹出口の完全露出、部分遮蔽及び完全遮蔽を選択的に取り、エアダクトシャーシ上の吹出口の面積のエアダクトシャーシの側面面積に対する割合が増加し、エアダクトシャーシの逃がし部(エアダクトブラインドスポット)の面積が減少するため、ファンの空気供給能力が効果的に向上し、空冷式冷蔵庫の冷凍能力も向上させることができる。
【0020】
また、第1調整部材と第2調整部材に互いに作用する摺動溝と摺動ブロックを設けることで、第1遮蔽片と第2遮蔽片が指定位置に相対的に移動することができ、第2調整部材の制限ブロックとファンシャーシの制限溝の相互作用により、第2調整部材の第2遮蔽片が指定位置に達した後に慣性により過度に回転することを防止する。
【0021】
最後に、プログラムにより駆動モータの回転数を制御し、さらに第1調整部材と第2調整部材の移動位置を制御して、吹出口の大きさを変更することで、可変空気供給の機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のエアダクト遮蔽装置の全体概略図である。
図2図1中のエアダクト遮蔽装置の分解概略図である。
図3】本発明のエアダクト遮蔽装置の吹出口を完全に開いた場合の概略図である。
図4図3中のエアダクト遮蔽装置の分解概略図である。
図5図3中のエアダクト遮蔽装置の吹出口を部分に閉じた場合の概略図である。
図6図3中のエアダクト遮蔽装置の吹出口を完全に閉じた場合の概略図である。
図7図3中のエアダクトシャーシの概略図である。
図8A図3中の第1調整部材を異なる視角から視たときの概略図である。
図8B図3中の第1調整部材を異なる視角から視たときの概略図である。
図9A図3中の第2調整部材を異なる視角から視たときの概略図である。
図9B図3中の第2調整部材を異なる視角から視たときの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に示す具体的な実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。しかしながら、これらの実施形態は本発明を制限することなく、当業者はこれらの実施形態に基づいてなされた構造、方法、または機能上の変更は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
【0024】
図3は本発明のエアダクト遮蔽装置の吹出口を完全に開いた場合の概略図であり、図4図3中のエアダクト遮蔽装置の分解概略図である。
【0025】
図3および図4に示すように、エアダクト遮蔽装置100は、順次装着された駆動シャーシ101、第1調整部材103、第2調整部材104、ファンシャーシ106およびファン107を含み、ここで、駆動ユニット102は駆動底板101に設けられ、ファン107はファンシャーシ106に取り付けられ、ファンシャーシ106はファン107に軸受105を介して接続され、軸受105はファンシャーシ106の中心に位置し、ファン107の羽根は軸受105の周りに回転する。
【0026】
図7図3中のエアダクトシャーシの概略図である。
【0027】
図4および図7に示すように、ファンシャーシ106の円形底板に、間隔を空けて設けられた複数の逃がし部1061を有し、各逃がし部1061は収容空洞1062を有し、その中で、任意の隣接する逃がし部1061間の隙間がファンシャーシ106の吹出口1064として定義される。
【0028】
本実施例では、逃がし部1061は、ファンシャーシ106の円形底板の縁から上方に突出した(第2調整部材から離れる方向に突出した)U字形の曲げ構造であり、U字形の曲げ構造の内部は収容空洞1062に対応する。
【0029】
ファンシャーシ106の円形底板の外縁に制限溝1063が設けられ、制限溝1063は例えば円形底板の外縁が窪んで形成された円弧状溝である。その中で、制限溝1063は任意の隣接する2つの逃がし部1061間に位置する。好ましい実施形態では、制限溝1063は隣接する2つの逃がし部1061の中間に位置する。
【0030】
さらに、ファンシャーシ106に収容部1065がさらに設けられ、収容部1065は駆動シャーシ101の周縁に設けられた駆動ユニット102を収容するために使用される。
【0031】
図8Aおよび図8Bは、図3中の第1調整部材を異なる視角から視たときの概略図である。
【0032】
図4図8Aおよび図8Bに示すように、第1調整部材103は、ターンテーブル1032と、間隔を空けて設けられた複数の第1遮蔽片1031とを含み、第1調整部材103は、ターンテーブル1032の軸線を中心に回転制御可能に構成される。その中で、間隔を空けて設けられた複数の第1遮蔽片1031とターンテーブル1032はそれぞれ第1調整部材103の軸線方向の両側において、互いに反対側に位置する。
【0033】
具体的には、第1調整部材103は、第1環状ディスクと第1環状ディスクの外縁から突出する間隔を空けて設けられた複数の第1遮蔽片1031を有し、任意の隣接する第1遮蔽片1031間に第1間隙1034が形成される。エアダクト遮蔽装置100の吹出口1064が完全開状態である時、第1間隙1034と吹出口1064が重なっている。その中で、第1遮蔽片1031は第1環状ディスクの円弧に沿って延伸する円弧状片である。第1遮蔽片1031は第2調整部材104に向かって延伸する。
【0034】
第1環状ディスクは、第1側面1035と、第1側面1035に対して反対側に配置された第2側面1036を有し、第1側面1035と第2調整部材104は隣接し、第2側面1036と駆動シャーシ101は隣接し、その中で、第2側面1036はターンテーブル1032を有し、ターンテーブル1032は例えば第2側面1036に設けられた歯車構造である。第1調整部材103と駆動シャーシ101の装着が完了した後、前記歯車構造が駆動シャーシ101上の駆動歯車1021と互いに噛み合って、駆動歯車1021が駆動ユニット102に接続され、駆動ユニット102は例えば駆動モータである。
【0035】
図8Aに示すように、第1側面1035に摺動溝1033がさらに設けられ、摺動溝1033は第2調整部材104上の摺動ブロック1042(図9Bに示す)に互いに嵌合される。その中で、駆動歯車1021が回転すると、それに噛み合っているターンテーブル1032が回転し、ターンテーブル1032が第1調整部材103を回転させ、さらに第1調整部材103上の摺動溝1033の端部が、摺動溝1033に埋め込まれた摺動ブロック1042を押し付け、第2調整部材104は第1調整部材103の回転に従って回転する。
【0036】
また、ターンテーブル1032の軸線と第1環状ディスクの円心とが重なっている。
【0037】
図9Aおよび図9Bは、図3中の第2調整部材を異なる視角から視たときの概略図である。
【0038】
図4図9Aおよび図9Bに示すように、第2調整部材104は第1調整部材103とファンシャーシ106との間に挟まれる。
【0039】
具体的には、第2調整部材104は、第2環状ディスクと第2環状ディスクの外縁から突出する間隔を空けて設けられた複数の第2遮蔽片1041とを含み、任意の隣接する第2遮蔽片1041間に第2間隙1044が設けられる。エアダクト遮蔽装置100の吹出口1064が完全開状態である時、第2間隙1044は吹出口1064と第1間隙1034とそれぞれ重なっている。その中で、第2遮蔽片1041は第2環状ディスクの円弧に沿って延伸する円弧状片である。第2遮蔽片1041はファンシャーシ106に向かって延伸する。
【0040】
図3から分かるように、エアダクト遮蔽装置100の吹出口1064が完全開状態である時、各第2遮蔽片1041と各第1遮蔽片1031がそれぞれ逃がし部1061の収容空洞1062に位置し、各収容空洞1062中の第1遮蔽片1031と第2遮蔽片1041とが完全に重なっている。好ましくは、第2遮蔽片1041は第1遮蔽片1031の内側に位置し、つまり、第2遮蔽片1041はファンシャーシ106の円心により近い。
【0041】
本発明の他の実施例では、各収容空洞中の第1遮蔽片と第2遮蔽片とは、第1遮蔽片の端部および第2遮蔽片の端部が逃がし部の両側に設けられた遮蔽片の出し入れ用の開口から突出していなければ、一部だけが重なっていてもよい。
【0042】
第2環状ディスクは、第3側面1045と、第3側面1045に対して反対側に配置された第4側面1046を有し、第3側面1045はファンシャーシ106に隣接し、第4側面1046は第1調整部材103の第1側面1035に隣接する。第3側面1045は、制限ブロック1043を含み、第4側面1046に摺動ブロック1042が設けられ、その中で、制限ブロック1043はファンシャーシ106上の制限溝1063に相互に嵌合され、摺動ブロック1042は第1調整部材103上の摺動溝1033に相互に嵌合される。
【0043】
好ましい実施例では、摺動ブロック1042は摺動溝1033に挿入され、摺動溝1033の長さが摺動ブロック1042の長さよりも大きい。その中で、摺動溝1033は摺動ブロック1042に対して一定距離で摺動した後、摺動溝1033の一端の溝壁が摺動ブロック1042に接触して押し付けられ、摺動ブロック1042が摺動溝1033とともに回転し、さらに第1調整部材103の各第1遮蔽片1031と第2調整部材104の各第2遮蔽片1041はファンシャーシ106の逃がし部1061の収容空洞1062の一側の開口から順次突出して、ファンシャーシ106上の複数の吹出口1064を完全遮蔽または部分遮蔽する。
【0044】
図5は、図3中のエアダクト遮蔽装置の吹出口が部分閉状態である場合の概略図であり、図6図3中のエアダクト遮蔽装置の吹出口が完全閉状態である場合の概略図である。
【0045】
図3図4図5および図6に示すように、駆動歯車1021が回転すると、第1調整部材103の第2側面1036上のターンテーブル1032を回転させ、第1調整部材103の第1側面1035上の摺動溝1033が第2調整部材104の第4側面1046上の摺動ブロック1042に沿って回転し、このとき、各第1遮蔽片1031はそれぞれ対応の収容空洞1062から突出して一部の吹出口1064を遮蔽する。
【0046】
第1調整部材103がある角度に回転した後、摺動溝1033の一端が摺動ブロック1042に接触して押し付けられ、第1調整部材103を継続的に駆動して回転させると、第2調整部材104が第1調整部材103の回転に従って回転し、第2調整部材104上の各第2遮蔽片1041がファンシャーシ106の各逃がし部1061の収容空洞1062から突出し、ファンシャーシ106上の各吹出口1064を部分遮蔽または完全遮蔽する。
【0047】
図6に示すように、第1遮蔽片1031と第2遮蔽片1041が協力してファンシャーシ106上の吹出口1064を完全遮蔽すると、第2調整部材104の第3側面1045上の制限ブロック1043がファンシャーシ106上の制限溝1063によって止められ、第2調整部材104が慣性により過度に回転し、吹出口1064の遮蔽が不完全になり空気が漏れることを防止する。
【0048】
図6に示すように、吹出口1064が完全遮蔽されると、第1遮蔽片1031の後端と第2遮蔽片1041の後端が互いに重なって、吹出口1064の遮蔽が不完全になり空気が漏れることを防止する。本発明で以下のように定義され、第1調整部材103が回転するとき、第1遮蔽片1031は最初に収容空洞1062から突出した一端が前端であり、その後に突出した一端が後端であり、第2調整部材104が回転すると、第2遮蔽片1041が最初に収容空洞1062から突出した一端が前端であり、その後突出した一端が後端であるが、これらに限定されない。
【0049】
図3に示すように、吹出口1064を開放する必要がある場合、駆動ユニット102は駆動歯車1021を逆回転させ、第1調整部材103が逆回転すると、摺動溝1033が摺動ブロック1042に沿って逆摺動し、第1遮蔽片1031が第2遮蔽片1041の外側に摺動し、吹出口1046が部分開放される。摺動溝1033の反対側の他端の溝壁が摺動溝1042に接触して押し付けられ、第1調整部材103が継続的に逆回転すると、第2調整部材104が第1調整部材103とともに逆回転し、第1遮蔽片1031と第2遮蔽片1041とがエアダクトシャーシ106の逃がし部1061の収容空洞1062に向かって移動する。その中で、第1遮蔽片1031と第2遮蔽片1041が互いに重なって収容空洞1062に停止したときに、吹出口1046が完全に開放される。
【0050】
同様に、第2調整部材104の第3側面1045上の制限ブロック1043がエアダクトシャーシ106上の制限溝1063の他端に相互に当接され、第2調整部材104が慣性により過度に回転し、第2遮蔽片1041が収容空洞1062の他側の開口から出して吹出口を遮蔽し、空気供給量を影響するという問題を防止する。
【0051】
言い換えれば、制限ブロック1043が制限溝1063内を摺動し、制限溝1063によって止められる。制限溝1063は第2調整部材104の回転角度を制限するためのものと見なすことができる。
【0052】
図5に示すように、エアダクト遮蔽装置100は、空冷式冷蔵庫中のコンピューターコントロールボードによりプログラムを設定して駆動シャーシ101上の駆動ユニット102(例えば駆動モータ)を制御して一定数回転させ、駆動歯車1021がターンテーブル1032を駆動して、第1調整部材103を指定位置まで回転させ、第1遮蔽片1031を収容空洞1062から突出させる。これと同時に、第1調整部材103が摺動溝1033を通じて第2調整部材104の摺動ブロック1042に作用して、第2調整部材104の第2遮蔽片を指定位置まで回転させ、吹出口1064を部分開き、ファン107の可変空気供給機能を実現する。
【0053】
本発明では、エアダクト遮蔽装置100において、第1調整部材103と第2調整部材104上の第1遮蔽片1031と第2遮蔽片1041が協力してエアダクトシャーシ106上の吹出口1064の完全開放、部分遮蔽及び完全遮蔽を選択的に取ることを実現する。
【0054】
従来の吹出口に単層遮蔽片設ける構造に比べて、本発明は、2層遮蔽片(第1遮蔽片1031と第2遮蔽片1041)の折り畳み・展開構造により、複数の吹出口1064の面積のエアダクトシャーシ106の側面面積に対する割合が66.7%に上昇し、エアダクトシャーシの逃がし部106(エアダクトブラインドスポット)の占有面積が減少するため、ファンの空気供給能力が効果的に向上し、空冷式冷蔵庫の冷凍能力も向上させることができる。
【0055】
また、第1遮蔽片1031と第2遮蔽片1041を展開した後、吹出口を遮蔽し、ファン107の空気供給を停止し、第1遮蔽片1031と第2遮蔽片1041が重なった後、ファンシャーシ106の逃がし部106(エアダクトブラインドスポット)に収容され、ファン107の空気供給を開始し、ファンの体積と回転数が変わらない場合、空気供給量を増やして空冷式冷蔵庫の冷凍効果を向上させることが可能である。
【0056】
もちろん、本発明の他の実施例では、複数の調整部材を連続的に追加し、3層以上の遮蔽片の相互移動により前記エアダクトシャーシ上の吹出口の完全遮蔽、部分遮蔽及び完全露出を選択的に取ることを実現し、エアダクトシャーシ上の逃がし部(エアダクトブラインドスポット)の面積をさらに減少し、吹出口の面積占有割合をさらに大きくし、ファンの空気供給量が向上し、空冷式冷蔵庫の冷凍効果を向上させることができる。
【0057】
本発明は、上記エアダクト遮蔽装置100が取り付けられた空冷式冷蔵庫をさらに提供する。
【0058】
以上のように、本発明のエアダクト遮蔽装置およびその空冷式冷蔵庫は以下の有益な効果を有する。
【0059】
2層以上の遮蔽片の相対移動による折り畳みまたは展開を通じて、吹出口の完全露出、部分遮蔽及び完全遮蔽を選択的に取ることを実現し、エアダクトシャーシ上の吹出口の面積のエアダクトシャーシの側面面積に対する割合を増やして、エアダクトシャーシの逃がし部(エアダクトブラインドスポット)の面積を減少させるため、ファンの空気供給能力が効果的に向上し、空冷式冷蔵庫の冷凍能力を向上させることができる。
【0060】
さらに、第1調整部材と第2調整部材に相互作用した摺動溝と摺動ブロックを設けることで、第1遮蔽片と第2遮蔽片を指定位置に相対的に移動させ、第2調整部材の制限ブロックとファンシャーシの制限溝の相互作用により、第2調整部材の第2遮蔽片が指定位置まで達した後に慣性により過度に回転することを防止する。
【0061】
最後に、プログラムにより駆動モータの回転数を制御し、さらに第1調整部材と第2調整部材の移動位置を制御して、吹出口の大きさを変えることで、可変空気供給機能を実現することができる。
【0062】
理解できるように、本明細書では実施形態に従って説明されるが、各実施形態は独立した技術手段を含み、明細書のような叙述はあくまで明確化のためのものであり、当業者は、本明細書を全体として捉えるべき、各実施形態中の技術手段を適切に組み合わせて当業者が理解可能な他の実施形態を形成することができる。
【0063】
上記に挙げた一連の詳細な説明は、本発明の実施可能な実施形態を具体的に説明したものに過ぎ、それらは本発明の保護範囲を限定することを意図しなく、本発明の技術的精神から逸脱することなくなされた等価の実施形態または変更は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B