(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】硬化性樹脂組成物、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物および樹脂硬化物
(51)【国際特許分類】
C08F 290/06 20060101AFI20240227BHJP
B29C 64/124 20170101ALI20240227BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20240227BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240227BHJP
【FI】
C08F290/06
B29C64/124
B33Y70/00
B33Y80/00
(21)【出願番号】P 2022573113
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 JP2021048906
(87)【国際公開番号】W WO2022145464
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2020218753
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021186618
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中原 理紗
(72)【発明者】
【氏名】上村 太一
(72)【発明者】
【氏名】景岡 正和
【審査官】中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/235063(WO,A1)
【文献】特開2020-172103(JP,A)
【文献】特開2020-128546(JP,A)
【文献】特開2017-218515(JP,A)
【文献】特開昭62-054710(JP,A)
【文献】国際公開第2019/124447(WO,A1)
【文献】特開2016-088944(JP,A)
【文献】特開2016-098288(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105219339(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 290/06
B29C 64/124
B33Y 70/00
B33Y 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、
エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類からなる群から選択される少なくとも1種と、
ラジカル反応性希釈剤と、
活性エネルギー線重合開始剤とを含有し、
前記エステル系可塑剤は、ジプロピレングリコールジベンゾアートを含有し、
前記オレフィン類は、炭素数16~18のオレフィンを含有し、
前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、アクリロイルオキシ基を有し、
前記ラジカル反応性希釈剤は、アクリロイルオキシ基を有し、
前記活性エネルギー線重合開始剤は、ラジカル重合系光重合開始剤を含有し、
前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、
前記エステル系可塑剤、前記内部離型剤および前記オレフィン類の含有割合の総量が、100質量部以上1500質量部以下であり、
前記活性エネルギー線重合開始剤の含有割合が、2.5質量部以上5.0質量部以下である、硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
下記の硬化膜を積層した直径100mm×高さ25mmの円柱成型物のアスカーC硬度が40以下であ
り、アスカーF硬度が1以上である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
(1)膜厚100μmの硬化性樹脂組成物の塗膜を得る。
(2)硬化性樹脂組成物の塗膜を、活性エネルギー線硬化させ、硬化膜を得る。
【請求項3】
請求項1に記載の硬化性樹脂組成物を含む、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、樹脂硬化物。
【請求項5】
アスカーC硬度が40以下であ
り、アスカーF硬度が1以上である、請求項4に記載の樹脂硬化物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物および樹脂硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性樹脂組成物としては、例えば、下記(A)~(C)成分を含有する活性エネルギー線硬化性組成物が挙げられる。(A)(メタ)アクリロイル基を1分子あたり少なくとも1.6個有する活性エネルギー線硬化樹脂100重量部、(B)飽和脂肪族アルコール及び飽和脂肪酸からなるエステル系可塑剤100~400重量部、(C)活性エネルギー線重合開始剤0.1~0.5重量部。このようなる活性エネルギー線硬化性組成物は、成形材料として、各種産業分野において広範に使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、硬化性樹脂組成物を3Dプリンターにおける成形材料として使用することが、検討されている。3Dプリンターにおける成形材料には、低照度硬化性および薄膜造形性が要求される。しかし、上記の活性エネルギー線硬化性組成物は、低照度硬化性および薄膜造形性が十分ではない。また、硬化性樹脂組成物を硬化させた樹脂硬化物には、用途に応じて、低硬度性が要求される場合がある。
【0005】
本発明は、優れた低照度硬化性と優れた薄膜造形性とを有し、低硬度性に優れた樹脂硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物、および、その硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明[1]は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類からなる群から選択される少なくとも1種と、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤とを含有し、前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、前記エステル系可塑剤、前記内部離型剤および前記オレフィン類の含有割合の総量が、100質量部以上1500質量部以下であり、前記活性エネルギー線重合開始剤の含有割合が、2.5質量部以上5.0質量部以下である、硬化性樹脂組成物を、含んでいる。
【0007】
本発明[2]は、下記の硬化膜を積層した直径100mm×高さ25mmの円柱成型物のアスカーC硬度が40以下である、上記[1]に記載の硬化性樹脂組成物を、含んでいる。
(1)膜厚100μmの硬化性樹脂組成物の塗膜を得る。
(2)硬化性樹脂組成物の塗膜を活性エネルギー線硬化させ、硬化膜を得る。
【0008】
本発明[3]は、上記[1]または[2]に記載の硬化性樹脂組成物を含む、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物を、含んでいる。
【0009】
本発明[4]は、上記[1]または[2]に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、樹脂硬化物を、含んでいる。
【0010】
本発明[5]は、アスカーC硬度が40以下である、上記[4]に記載の樹脂硬化物を、含んでいる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の硬化性樹脂組成物および3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類からなる群から選択される少なくとも1種と、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤とを含有している。また、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類の割合(総量)と、活性エネルギー線重合開始剤の割合とが、所定範囲に調整されている。
そのため、硬化性樹脂組成物および3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、優れた低照度硬化性と優れた薄膜造形性とを有し、低硬度性に優れた樹脂硬化物を得ることができる。
【0012】
また、本発明の樹脂硬化物は、上記の硬化性樹脂組成物の硬化物である。そのため、樹脂硬化物は、低照度で薄膜造形された場合にも、優れた低硬度性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類からなる群から選択される少なくとも1種と、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤とを含有する。
【0014】
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線(後述)の照射により硬化するポリウレタン樹脂である。活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、樹脂原料の反応生成物を含む。樹脂原料は、イソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを含んでいる。
【0015】
イソシアネート基末端プレポリマーは、分子末端に2つ以上の遊離のイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーである。イソシアネート基末端プレポリマーは、プレポリマー原料の反応生成物を含む。プレポリマー原料は、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分とを含んでいる。
【0016】
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネート単量体および/またはポリイソシアネート誘導体を含んでいる。
【0017】
ポリイソシアネート単量体としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートおよび芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0018】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2’-ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3-ブタジエン-1,4-ジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカメチレントリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアナトメチルオクタン、2,5,7-トリメチル-1,8-ジイソシアネート-5-イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテル-ω、ω’-ジイソシアネート、リジンイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート、2-イソシアナトプロピル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート、ビス(4-イソシアネート-n-ブチリデン)ペンタエリスリトール、および、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエートが挙げられる。
【0019】
また、脂肪族ポリイソシアネートには、脂環族ポリイソシアネートが含まれる。脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトエチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトエチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,2’-ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,5-ジイソシアナトメチルビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2,6-ジイソシアナトメチルビシクロ〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナトメチル2-(3-イソシアナトプロピル)-5-イソシアナトメチルビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-6-イソシアナトメチルビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナトメチル3-(3-イソシアナトプロピル)-5-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナトメチル3-(3-イソシアナトプロピル)-6-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、2-イソシアナトメチル2-(3-イソシアナトプロピル)-5-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタン、および、2-イソシアナトメチル2-(3-イソシアナトプロピル)-6-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ-〔2,2,1〕-ヘプタンが挙げられる。
【0020】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、および、ナフタレンジイソシアネートが挙げられる。
【0021】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート、および、テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
【0022】
これらポリイソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用できる。
【0023】
ポリイソシアネート誘導体としては、上記ポリイソシアネート単量体を公知の方法で変性した変成体が、挙げられる。より具体的には、ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、多量体、イソシアヌレート変成体、アロファネート変性体、ポリオール変性体、ビウレット変性体、ウレア変性体、オキサジアジントリオン変性体およびカルボジイミド変性体が挙げられる。また、ポリイソシアネート誘導体として、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートも挙げられる。
【0024】
これらポリイソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用できる。
【0025】
これらポリイソシアネート成分は、単独使用または2種類以上併用できる。
【0026】
ポリイソシアネート成分は、好ましくは、ポリイソシアネート単量体を含有し、より好ましくは、ポリイソシアネート単量体からなる。
【0027】
ポリイソシアネート単量体は、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートを含まない。ポリイソシアネート単量体として、より好ましくは、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネート単量体として、さらに好ましくは、脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネート単量体として、とりわけ好ましくは、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
【0028】
ポリオール成分は、例えば、マクロポリオールを含有する。
【0029】
マクロポリオールは、分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的高分子量の有機化合物である。マクロポリオールの数平均分子量は、例えば、400を超過し、例えば、20000以下である。なお、数平均分子量は、水酸基当量および平均水酸基数から、公知の方法で算出できる。また、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算分子量として測定できる(以下同様)。
【0030】
マクロポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオールおよびビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。これらマクロポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。マクロポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0031】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオール、および、ポリテトラメチレンエーテルポリオールが挙げられ、好ましくは、ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールが挙げられる。
【0032】
ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールは、例えば、低分子量ポリオールまたは低分子量ポリアミンを開始剤とする、アルキレンオキサイドの付加重合物である。
【0033】
低分子量ポリオールは、分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的低分子量の有機化合物である。低分子量ポリオールの分子量は、例えば、40以上、例えば、400以下である。
【0034】
低分子量ポリオールとしては、例えば、2価アルコール、3価アルコール、および、4価以上のアルコールが挙げられる。2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコールが挙げられる。3価アルコールとしては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパンが挙げられる。4価以上のアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトールおよびジグリセリンが挙げられる。これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0035】
低分子量ポリアミンとしては、例えば、低分子量ジアミンおよび低分子量トリアミンが挙げられる。低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,3--ブタンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ヒドラジン、および、トリレンジアミンが挙げられる。低分子量トリアミンとしては、例えば、トリエチレンテトラミン、および、テトラエチレンペンタミンが挙げられる。これら低分子量ポリアミンは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0036】
これら開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。開始剤として、好ましくは、低分子量ポリオールが挙げられる。
【0037】
アルキレンオキサイドとしては、炭素数2~3のアルキレンオキサイドが挙げられる。アルキレンオキサイドとして、より具体的には、例えば、エチレンオキサイド(IUPAC名:オキシラン)、プロピレンオキサイド(1,2-プロピレンオキサイド(IUPAC名:メチルオキシラン))、および、トリエチレンオキサイド(1,3-プロピレンオキサイド)が挙げられる。これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。アルキレンオキサイドとして、好ましくは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドが挙げられる。
【0038】
ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールとして、より具体的には、例えば、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシトリエチレンポリオール、および、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンポリオール(ランダムまたはブロック共重合体)が挙げられる。ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0039】
ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールとして、好ましくは、ポリオキシプロピレンポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。
【0040】
マクロポリオールの数平均分子量は、例えば、400を超過し、好ましくは、1000以上、より好ましくは、2000以上、さらに好ましくは、3000以上、さらに好ましくは、5000以上、さらに好ましくは、6000以上、さらに好ましくは、7000以上、さらに好ましくは、8000以上、さらに好ましくは、9000以上、とりわけ好ましくは、10000以上である。また、マクロポリオールの数平均分子量は、例えば、20000以下、好ましくは、15000以下、より好ましくは、12000以下、さらに好ましくは、11000以下である。
【0041】
マクロポリオールの平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2以上である。また、マクロポリオールの平均官能基数は、例えば、3以下、好ましくは、2.5以下であり、さらに好ましくは、2.0である。
【0042】
マクロポリオールの水酸基価は、例えば、9mgKOH/g以上、好ましくは、10mgKOH/g以上である。また、マクロポリオールの水酸基価は、例えば、210mgKOH/g以下、好ましくは、150mgKOH/g以下、より好ましくは、100mgKOH/g以下である。
【0043】
また、ポリオール成分は、任意成分として、低分子量ポリオールを含有できる。低分子量ポリオールとしては、上記した低分子量ポリオールが挙げられる。ポリオール成分が低分子量ポリオールを含有する場合、その含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜設定される。
【0044】
好ましくは、ポリオール成分は、低分子量ポリオールを含有せず、マクロポリオールのみを含有する。より好ましくは、ポリオール成分は、ポリオキシアルキレンポリオールのみを含有する。
【0045】
ポリオール成分(総量)の数平均分子量は、例えば、200以上、好ましくは、400を超過し、より好ましくは、500以上、さらに好ましくは、700以上、さらに好ましくは、1000以上、さらに好ましくは、2000以上、さらに好ましくは、4000以上、とりわけ好ましくは、5000以上である。また、ポリオール成分(総量)の数平均分子量は、例えば、20000以下、好ましくは、15000以下、さらに好ましくは、12000以下、さらに好ましくは、11000以下である。
【0046】
ポリオール成分(総量)の平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2以上である。また、ポリオール成分(総量)の平均官能基数は、例えば、3以下、好ましくは、2.5以下であり、さらに好ましくは、2.0である。
【0047】
ポリオール成分(総量)の水酸基価は、例えば、9mgKOH/g以上、好ましくは、10mgKOH/g以上である。また、ポリオール成分(総量)の水酸基価は、例えば、210mgKOH/g以下、好ましくは、150mgKOH/g以下、より好ましくは、100mgKOH/g以下である。
【0048】
イソシアネート基末端プレポリマーは、上記のポリイソシアネート成分および上記のポリオール成分を含むプレポリマー原料を、公知の方法で反応させることにより、得られる。すなわち、この方法では、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを、所定割合で配合し、ウレタン化反応させる。
【0049】
ウレタン化反応において、ポリオール成分中の水酸基に対する、ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/水酸基)は、例えば、1を超過し、好ましくは、1.1以上、より好ましくは、3以上、さらに好ましくは、6以上であり、好ましくは、20、より好ましくは、15以下、さらに好ましくは、10以下である。
【0050】
ウレタン化反応では、公知の重合方法が採用される。重合方法としては、例えば、バルク重合および溶液重合が挙げられる。バルク重合では、例えば、窒素雰囲気下、上記成分を配合して、反応温度75~85℃で、1~20時間程度反応させる。溶液重合では、例えば、窒素雰囲気下、上記成分を公知の有機溶剤に添加し、反応温度20~80℃で、1~20時間程度反応させる。
【0051】
また、重合反応では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒が添加される。また、必要に応じて、未反応のポリイソシアネートが、公知の方法により除去される。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーが得られる。
【0052】
イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の平均官能基数は、例えば、1.5以上、好ましくは、2.0以上である。また、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の平均官能基数は、例えば、3.0以下、好ましくは、2.5以下である。
【0053】
また、上記反応では、イソシアネート基末端プレポリマーと、未反応のポリイソシアネート成分とを含む組成物(以下、プレポリマー粗生成物)が得られる。
【0054】
プレポリマー粗生成物のイソシアネート基濃度は、プレポリマー粗生成物の総量(固形分換算)に対して、例えば、0.3質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは、1.0質量%以上である。また、プレポリマー粗生成物のイソシアネート基濃度は、例えば、15質量%以下、好ましくは、12質量%以下、より好ましくは、10質量%以下である。
【0055】
プレポリマー粗生成物は、好ましくは、蒸留により精製される。蒸留により、樹脂硬化物(後述)の機械強度および寸法安定性が、向上する。
【0056】
蒸留方法としては、特に制限されないが、例えば、バッチ式蒸留法および連続式蒸留法が挙げられる。連続式蒸留法としては、例えば、薄膜蒸留法(スミス式薄膜蒸留法)が挙げられる。蒸留方法として、好ましくは、薄膜蒸留法(スミス式薄膜蒸留法)が挙げられる。
【0057】
なお、蒸留条件は、目的および用途に応じて、設定される。蒸留温度は、例えば、120℃以上、好ましくは、150℃以上である。また、蒸留温度が、例えば、250℃以下、好ましくは、200℃以下である。また、蒸留圧力(絶対圧力)が、例えば、1Pa以上、好ましくは、10Pa以上、より好ましくは、50Pa以上である。また、蒸留圧力が、例えば、300Pa以下、好ましくは、200Pa以下、より好ましくは、100Pa以下である。
【0058】
プレポリマー粗生成物のフィード量は、例えば、0.1g/min以上、好ましくは、1.0g/min以上、より、好ましくは、2.0g/min以上である。また、プレポリマー粗生成物のフィード量が、例えば、100g/min以下、好ましくは、50g/min以下、より好ましくは、10g/min以下である。
【0059】
これにより、プレポリマー粗生成物から、未反応のポリイソシアネート成分が除去され、イソシアネート基末端プレポリマーの精製物(以下、プレポリマー精製物)が得られる。
【0060】
プレポリマー精製物は、イソシアネート基末端プレポリマーからなるか、または、イソシアネート基末端プレポリマーと、極微量(10000ppm以下)の未反応のポリイソシアネート成分とからなる。
【0061】
プレポリマー精製物において、イソシアネート基末端プレポリマーの含有割合は、プレポリマー精製物の総量に対して、例えば、99.5質量%以上、好ましくは、99.9質量%以上であり、例えば、100質量%以下である。
【0062】
また、未反応のポリイソシアネート成分が含まれる場合、その含有割合は、プレポリマー精製物の総量(固形分換算)に対して、例えば、0.0001質量%以上、好ましくは、0.0005質量%以上である。また、未反応のポリイソシアネート成分の含有割合は、プレポリマー精製物の総量(固形分換算)に対して、例えば、0.020質量%以下、好ましくは、0.013質量%以下、より好ましくは、0.010質量%以下である。
【0063】
そして、上記のイソシアネート基末端プレポリマー(好ましくは、プレポリマー精製物)と、ヒドロキシ基含有不飽和化合物との反応により、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が得られる。
【0064】
ヒドロキシ基含有不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基、および、1つ以上のヒドロキシ基を併有する化合物である。
【0065】
エチレン性不飽和基含有基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニルフェニル基、プロペニルエーテル基、アリルエーテル基およびビニルエーテル基が挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを示す。
また、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを示(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを示す。
【0066】
エチレン性不飽和基含有基として、好ましくは、(メタ)アクリロイル基が挙げられ、より好ましくは、アクリロイル基が挙げられる。
【0067】
エチレン性不飽和基含有基が(メタ)アクリロイル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0068】
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレート、および、ポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0069】
モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートは、1分子中に、ヒドロキシ基を1つ有し(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物である。モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、2-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、および、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0070】
ポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートは、1分子中に、ヒドロキシ基を複数有し、(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物である。ポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、および、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0071】
モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートは、1分子中に、ヒドロキシ基を1つ有し、(メタ)アクリロイル基を複数有する化合物である。モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、および、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0072】
ポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートは、1分子中に、ヒドロキシ基を複数有し、(メタ)アクリロイル基を複数有する化合物である。ポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、および、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0073】
これらヒドロキシ基含有不飽和化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。ヒドロキシ基含有不飽和化合物として、好ましくは、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレ-ト、より好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレ-ト、モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、とりわけ好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0074】
そして、この方法では、例えば、不活性ガス雰囲気下、上記のイソシアネート基末端プレポリマーと、ヒドロキシ基含有不飽和化合物とを、所定の当量比となるように配合し、ウレタン化反応させる。
【0075】
ヒドロキシ基含有不飽和化合物中のヒドロキシ基に対する、イソシアネート基末端プレポリマー中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)は、例えば、0.7以上、好ましくは、0.9以上であり、例えば、1.5以下、好ましくは、1.2以下である。
【0076】
また、反応条件は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。例えば、反応温度が、例えば、40℃以上、好ましくは、50℃以上、より好ましくは、60℃以上である。また、反応温度が、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下、より好ましくは、80℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1.0時間以上である。また、反応時間が、例えば、24時間以下、好ましくは、10時間以下である。
【0077】
また、上記反応では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒を添加してもよい。ウレタン化触媒の添加割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0078】
これにより、イソシアネート基末端プレポリマーおよびヒドロキシ基含有不飽和化合物の反応生成物を含む、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が得られる。
【0079】
より具体的には、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基と、ヒドロキシ基含有不飽和化合物のヒドロキシ基とがウレタン化反応して得られ、ヒドロキシ基含有不飽和化合物に由来する不飽和結合を有するポリウレタン樹脂である。
【0080】
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算分子量)は、例えば、500以上、好ましくは、1000以上であり、例えば、20000以下、好ましくは、15000以下である。
【0081】
また、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度は、例えば、0.5万mPa・s以上、好ましくは、1万mPa・s以上、より好ましくは、1.5万mPa・s以上、さらに好ましくは、1.8万mPa・s以上、とりわけ好ましくは、2万mPa・s以上である。また、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の25℃における粘度は、例えば、100万mPa・s以下、好ましくは、50万mPa・s以下、より好ましくは、30万mPa・s以下、さらに好ましくは、10万mPa・s以下、とりわけ好ましくは、8万mPa・s以下である。
【0082】
粘度が上記下限を上回っていれば、成形性が向上する。また、粘度が上記上限を下回っていれば、ハンドリング性および成形性が向上する。なお、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の粘度は、公知の方法で調整される。
【0083】
エステル系可塑剤は、エステル基を含有する可塑剤である。可塑剤がエステル基を含有していれば、可塑剤がエステル基を含有しない場合に比べて、優れた低硬化性を得ることができる。また、可塑剤がエステル基を含有する場合、可塑剤とウレタン基との親和性が向上する。
【0084】
エステル系可塑剤としては、例えば、安息香酸エステル類、シクロヘキサンジカルボン酸エステル類、フタル酸エステル類、イソフタル酸エステル類、テトラヒドロフタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、セバシン酸エステル類、フマル酸エステル類、マレイン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、ピロメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、イタコン酸エステル類、オレイン酸エステル類、リシノール酸エステル類、ステアリン酸エステル類、その他の脂肪酸エステル類、および、リン酸エステル類が挙げられる。
【0085】
安息香酸エステル類としては、例えば、ジプロピレングリコールジベンゾアート、ジエチレングリコールジベンゾアート、トリエチレングリコールジベンゾアート、および、1,4-シクロヘキサンジメタノールジベンゾアートが挙げられる。
【0086】
シクロヘキサンジカルボン酸エステル類としては、例えば、ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、ジブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、ジ(2-エチルヘキシル)シクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、ジオクチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、ジイソデシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、ジイソノニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、ジメチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボキシレート、ジエチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボキシレート、ジブチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボキシレート、ジ(3-エチルヘキシル)シクロヘキサン-1,3-ジカルボキシレート、ジオクチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボキシレート、ジイソデシルシクロヘキサン-1,3-ジカルボキシレート、ジイソノニルシクロヘキサン-1,3-ジカルボキシレート、ジメチルシクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレート、ジエチルシクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレート、ジブチルシクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレート、ジ(4-エチルヘキシル)シクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレート、ジオクチルシクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレート、ジイソデシルシクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレート、ジイソノニルシクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレート、3,4-エポキシ-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、3,4-エポキシ-ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、3,4-エポキシ-ジブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、3,4-エポキシ-ジ(2-エチルヘキシル)シクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、4,5-エポキシ-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、4,5-エポキシ-ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、4,5-エポキシ-ジブチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、および、4,5-エポキシ-ジ(2-エチルヘキシル)シクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレートが挙げられる。
【0087】
フタル酸エステル類としては、例えば、ジブチルフタレート、イソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ-(2-エチルヘキシル)フタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、および、ジフェニルフタレートが挙げられる。
【0088】
イソフタル酸エステル類としては、例えば、ジ-(2-エチルヘキシル)イソフタレート、および、ジイソオクチルイソフタレートが挙げられる。
【0089】
テトラヒドロフタル酸エステル類としては、例えば、ジ-(2-エチルヘキシル)テトラヒドロフタレートが挙げられる。
【0090】
アジピン酸エステル類としては、例えば、ジ-(2-エチルヘキシル)アジペート、ジブトキシエチルアジペート、および、ジイソノニルアジペートが挙げられる。
【0091】
アゼライン酸エステル類としては、例えば、ジ-n-ヘキシルアゼレート、および、ジ-(2-エチルヘキシル)アゼレートが挙げられる。
【0092】
セバシン酸エステル類としては、例えば、ジ-n-ブチルセバケートが挙げられる。
【0093】
フマル酸エステル類としては、例えば、ジ-n-ブチルフマレート、および、ジ-(2-エチルヘキシル)フマレートが挙げられる。
【0094】
マレイン酸エステル類としては、例えば、ジ-n-ブチルマレエート、および、ジ-(2-エチルヘキシル)マレエートが挙げられる。
【0095】
トリメリット酸エステル類としては、例えば、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテート、トリ-n-オクチルトリメリテート、および、トリイソオクチルトリメリテートが挙げられる。
【0096】
ピロメリット酸エステル類としては、例えば、テトラ-(2-エチルヘキシル)ピロメリテート、および、テトラ-n-オクチルピロメリテートが挙げられる。
【0097】
クエン酸エステル類としては、例えば、トリ-n-ブチルシトレート、および、アセチルトリブチルシトレートが挙げられる。
【0098】
イタコン酸エステル類としては、例えば、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、および、ジ-(2-エチルヘキシル)イタコネートが挙げられる。
【0099】
オレイン酸エステル類としては、例えば、グリセリルモノオレート、および、ジエチレングリコールモノオレートが挙げられる。
【0100】
リシノール酸エステル類としては、例えば、グリセリルモノリシノレート、および、ジエチレングリコールモノリシノレートが挙げられる。
【0101】
ステアリン酸エステル類としては、例えば、グリセリンンモノステアレート、および、ジエチレングリコールジステアレートが挙げられる。
【0102】
その他の脂肪酸エステル類としては、例えば、ジエチレングリコールジペラルゴネート、および、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルが挙げられる。
【0103】
リン酸エステル類としては、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジフェニルデシルホスフェート、および、ジフェニルオクチルホスフェートが挙げられる。
【0104】
これらエステル系可塑剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。エステル系可塑剤として、好ましくは、安息香酸エステル類が挙げられる。
【0105】
内部離型剤としては、例えば、酸性リン酸エステル、シリコーン化合物、界面活性化合物、ワックス化合物およびフッ素化合物が挙げられる。酸性リン酸エステルとしては、例えば、リン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルが挙げられる。シリコーン化合物としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリジメチルシロキサンエチレングリコールおよび変性シリコーンが挙げられる。変性シリコーンとしては、例えば、アミノ変性シリコーン、アクリル変性シリコーンおよびポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。界面活性化合物としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、高級脂肪酸、および、それらの塩が挙げられる。ワックス化合物としては、例えば、カルナバワックスが挙げられる。フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル化合物が挙げられる。
【0106】
また、内部離型剤は、市販品として入手可能である。内部離型剤の市販品としては、例えば、サーフロンS-658、サーフロンS-242、サーフロンS-386、IF-FN1916(以上、AGCセンイケミカル社製)、ディスパロンLS-460、ディスパロンLS-480、NSF-8363、LHP-96(以上、楠本化成社製)、DOWSIL SH 8700 Fluid、DOWSIL SH 8417 Fluid、DOWSIL BY 16-201(以上、ダウ・ケミカル社製)、および、ゼレックUN(SigmaAldrich社製)が挙げられる。
【0107】
これら内部離型剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。内部離型剤として、好ましくは、フッ素化合物が挙げられ、より好ましくは、パーフルオロアルキル化合物が挙げられる。
【0108】
オレフィン類としては、例えば、オレフィン単量体およびオレフィン重合体が挙げられる。
【0109】
オレフィン単量体としては、例えば、炭素数2~30のオレフィン単量体が挙げられる。オレフィン単量体として、より具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセンおよびエイコセンが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。なお、オレフィン単量体において、不飽和結合の位置は、特に制限されない。不飽和結合の位置として、好ましくは、分子末端である。
【0110】
オレフィン単量体は、市販品として入手可能である。オレフィン単量体の市販品としては、例えば、リニアレン6(1-ヘキセン)、リニアレン8(1-オクテン)、リニアレン10(1-デセン)、リニアレン12(1-ドデセン)、リニアレン14(1-テトラデセン)、リニアレン16(1-ヘキサデセン)、リニアレン18(1-オクタデセン)、リニアレン124(炭素数12~14のオレフィン単量体)、リニアレン148(炭素数14~18のオレフィン単量体)、リニアレン168(炭素数16~18のオレフィン単量体)、および、リニアレン2024(炭素数18以上のオレフィン単量体)(以上、出光興産製)が挙げられる。
【0111】
オレフィン重合体としては、オレフィンポリマーおよびオレフィンオリゴマーが挙げられる。オレフィン重合体として、より具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、および、エチレン-αオレフィン共重合体が挙げられる。オレフィン重合体として、好ましくは、エチレン-αオレフィン共重合体が挙げられる。エチレン-αオレフィン共重合体において、αオレフィンとしては、上記したオレフィン単量体(エチレンを除く。
)が挙げられる。
【0112】
オレフィン重合体は、市販品として入手可能である。オレフィン重合体の市販品としては、例えば、ルーカントシリーズ(三井化学製)が挙げられる。
【0113】
これらオレフィン類は、単独使用または2種類以上併用することができる。オレフィン類として、好ましくは、オレフィン単量体が挙げられ、より好ましくは、炭素数4~24のオレフィン単量体が挙げられ、さらに好ましくは、炭素数6~20のオレフィン単量体が挙げられる。
【0114】
硬化性樹脂組成物は、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。すなわち、硬化性樹脂組成物は、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類の3種全てを含有していてもよい。また、硬化性樹脂組成物は、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類のうち、いずれか1~2種のみを含有していてもよい。
【0115】
エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類の含有割合(それらが併用される場合は、総量)は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、100質量部以上、好ましくは、150質量部以上、より好ましくは、200質量部以上、さらに好ましくは、250質量部以上、とりわけ好ましくは、300質量部以上である。また、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類の含有割合(それらが併用される場合は、総量)は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、1500質量部以下、好ましくは、1200質量部以下、より好ましくは、1000質量部以下、さらに好ましくは、800質量部以下、さらに好ましくは、700質量部以下、より好ましくは、600質量部以下、さらに好ましくは、500質量部以下、とりわけ好ましくは、400質量部以下である。
【0116】
硬化性樹脂組成物は、好ましくは、上記の割合で、エステル系可塑剤および/または内部離型剤を含有する。硬化性樹脂組成物が、エステル系可塑剤および/または内部離型剤を含有していれば、とりわけ低硬度性に優れた硬化物(後述)が得られる。
【0117】
エステル系可塑剤および内部離型剤が併用される場合、それらの割合は、エステル系可塑剤および内部離型剤の合計に対して、エステル系可塑剤が、例えば、30質量%以上、好ましくは、50質量%以上、より好ましくは、60質量%以上、さらに好ましくは、70質量%以上である。また、エステル系可塑剤が、例えば、99質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。また、内部離型剤が、例えば、1質量%以上、好ましくは、10質量%以上である。また、内部離型剤が、例えば、70質量%以下、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは、40質量%以下、さらに好ましくは、30質量%以下である。
【0118】
また、硬化性樹脂組成物は、好ましくは、上記の割合で、オレフィン類を含有する。硬化性樹脂組成物が、オレフィン類を含有していれば、低硬度性に優れた硬化物(後述)が得られ、さらに、硬化性樹脂組成物の硬化物(後述)の表面のべたつきを抑制できる。加えて、硬化性樹脂組成物が、オレフィン類を含有していれば、硬化性樹脂組成物の硬化物(後述)の千切れを抑制できる。そのため、硬化性樹脂組成物の硬化物(後述)を、例えば、手術練習用の疑似生体材料(例えば、人工臓器および人工皮膚)として、好適に用いることができる。
【0119】
とりわけ優れた低硬度性と、表面のべたつきの抑制と、千切れの抑制とを、兼ね備えた硬化性樹脂組成物の硬化物(後述)を得る観点から、硬化性樹脂組成物は、より好ましくは、エステル系可塑剤および/または内部離型剤と、オレフィン類とを含有する。
【0120】
ラジカル反応性希釈剤は、活性エネルギー線(後述)の照射によりラジカル重合する化合物であり、かつ、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を希釈するための希釈剤である。
【0121】
ラジカル反応性希釈剤としては、例えば、芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、鎖状脂肪族炭化水素骨格を有する反応性化合物、鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、アミド骨格を有する反応性化合物、オキシアルキレン骨格を有する反応性化合物、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物、ポリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、および、不飽和カルボン酸アリルエステルが挙げられる。
【0122】
芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、および、α-メチルスチレンが挙げられる。
【0123】
脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、および、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0124】
鎖状脂肪族炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、および、ラウリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0125】
鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物としては、例えば、2-エチルヘキシル-ジグルコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0126】
脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物としては、例えば、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(2ーメチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、および、4-(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。
【0127】
アミド骨格を有する反応性化合物としては、例えば、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0128】
オキシアルキレン骨格を有する反応性化合物としては、例えば、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0129】
(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物としては、例えば、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1-メチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5-ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6-ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシ)エチル、および、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルが挙げられる。
【0130】
ポリオールポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、および、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0131】
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、上記したヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0132】
不飽和カルボン酸アリルエステルとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、および、ジアリルイタコネートが挙げられる。
【0133】
これらラジカル反応性希釈剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0134】
ラジカル反応性希釈剤として、好ましくは、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物が挙げられ、より好ましくは、脂環式エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらを使用することにより、低硬度性に優れた樹脂硬化物(後述)が得られる。
【0135】
硬化性樹脂組成物において、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂とラジカル反応性希釈剤との配合割合は、特に制限されず、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0136】
ラジカル反応性希釈剤の配合割合は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、例えば、30質量部以上、好ましくは、40質量部以上、より好ましくは、50質量部以上であり、例えば、500質量部以下、好ましくは、400質量部以下、より好ましくは、300質量部以下、さらに好ましくは、200質量部以下、とりわけ好ましくは、100質量部以下である。
【0137】
活性エネルギー線重合開始剤としては、公知の活性エネルギー線重合開始剤が挙げられ、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルフォリノブチロフェノン、1,2-オクタンジオン1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(o-ベンゾイルオキシム)、エタノン-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)、1-ヒドロキシチクロヘキシル-フェニルケトン、および、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノンが挙げられる。
【0138】
また、活性エネルギー線重合開始剤は、市販品として入手可能である。そのような市販品としては、例えば、TPO(商品名、東京化成工業製)、Irgacure819(BAPO、商品名、BASF製)、Irgacure369(Omnirad369、商品名、BASF製)、IrgacureOXE01(商品名、BASF製)、IrgacureOXE02(商品名、BASF製)、IrgacureOXE03(商品名、BASF製)、IrgacureOXE04(商品名、BASF製)、Irgacure184(Omnirad 184、商品名、BASF製)、Omnirad 1173(Darocur 1173、商品名、BASF製)、NCI-831(商品名、ADEKA製)、および、NCI-930(商品名、ADEKA製)が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0139】
活性エネルギー線重合開始剤の配合割合は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、2.5質量部以上、好ましくは、2.8質量部以上、より好ましくは、3.0質量部以上であり、5.0質量部以下、好ましくは、4.5質量部以下、より好ましくは、4.0質量部以下、さらに好ましくは,3.5質量部以下である。
【0140】
なお、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、エステル系可塑剤および/または内部離型剤と、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤との配合方法は、特に制限されず、公知の方法が採用される。これにより、硬化性樹脂組成物が得られる。
【0141】
加えて、硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、その他の添加剤を、適宜の割合で含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、潤滑剤(シリコーンオイルおよびシリコーンパウダー)、増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、さらには、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐活性エネルギー線安定剤、耐光安定剤、離型剤、触媒、顔料、染料、滑剤、フィラー(例えば、タルク)、および、加水分解防止剤が挙げられる。これら添加剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0142】
このような硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類からなる群から選択される少なくとも1種と、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤とを含有している。また、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類の割合(総量)と、活性エネルギー線重合開始剤の割合とが、所定範囲に調整されている。そのため、硬化性樹脂組成物は、優れた低照度硬化性と優れた薄膜造形性とを有し、低硬度性に優れた樹脂硬化物を得ることができる。
【0143】
なお、低照度硬化性は、比較的低照度で硬化可能であることを示す。より具体的には、比較的低照度とは、以下の条件を示す。
【0144】
すなわち、ピーク照度が、例えば、1.0mW/cm2以下、好ましくは、0.8mW/cm2以下である。また、ピーク照度は、通常、0.01mW/cm2以上である。また、積算光量が、例えば、50mJ/cm2以下、好ましくは、30mJ/cm2以下、より好ましくは、20mJ/cm2以下である。また、積算光量は、通常、0.1mJ/cm2以上である。
【0145】
また、薄膜造形性は、比較的薄膜で造形可能であることを示す。より具体的には、比較的薄膜とは、以下の条件を示す。
【0146】
すなわち、硬化前の硬化性樹脂組成物の膜厚が、例えば、1000μm以下、好ましくは、150μm以下、より好ましくは、110μm以下である。また、硬化前の硬化性樹脂組成物の膜厚は、通常、10μm以上である。
【0147】
そのため、上記の硬化性樹脂組成物は、例えば、接着剤、コーティング剤、エラストマー、成形材料などとして、各種産業分野において、好適に用いられる。とりわけ、上記の硬化性樹脂組成物は、成形材料、より具体的には、3Dプリンターにおける成形材料として、好適に用いられる。
【0148】
換言すれば、本発明の3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、上記の硬化性樹脂組成物を含む。好ましくは、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、上記の硬化性樹脂組成物からなる。
【0149】
このような3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類からなる群から選択される少なくとも1種と、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤とを含有している。また、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類の割合(総量)と、活性エネルギー線重合開始剤の割合とが、所定範囲に調整されている。そのため、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、優れた低照度硬化性と優れた薄膜造形性とを有し、低硬度性に優れた樹脂硬化物を得ることができる。
【0150】
樹脂硬化物を得るには、例えば、硬化性樹脂組成物を所望形状に成形した後、活性エネルギー線を照射する。これにより、硬化性樹脂組成物を硬化させる。
【0151】
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線および電子線が挙げられる。活性エネルギー線の照射量(積算光量)は、例えば、10×10-3J/cm2以上、好ましくは、15×10-3J/cm2以上であり、例えば、6J/cm2以下、好ましくは、4J/cm2以下である。
【0152】
また、ピーク照度が、例えば、1.0mW/cm2以下、好ましくは、0.8mW/cm2以下である。また、ピーク照度は、通常、0.01mW/cm2以上である。また、積算光量が、例えば、50mJ/cm2以下、好ましくは、30mJ/cm2以下、より好ましくは、20mJ/cm2以下である。また、積算光量は、通常、0.1mJ/cm2以上である。
【0153】
なお、活性エネルギー線による硬化は、一括硬化であってもよく、分割硬化であってもよい。すなわち、1回の活性エネルギー線の照射により、硬化性樹脂組成物を硬化させてもよく、2回以上の活性エネルギー線の照射により、硬化性樹脂組成物を硬化させてもよい。これにより、硬化性樹脂組成物からなる成形物(樹脂硬化物)が得られる。
【0154】
また、例えば、硬化性樹脂組成物の塗布および硬化を複数回繰り返すこともできる。より具体的には、3Dプリンターなどにおいて、まず、上記の方法で活性エネルギー線の照射により硬化性樹脂組成物を硬化させ、樹脂硬化物からなる樹脂層を得る。次いで、樹脂層に、硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射により硬化させる。これにより、複数の樹脂層を積層させる。このような操作を繰り返すことによって、複数の樹脂層からなる成形物(樹脂硬化物)が得られる。
【0155】
また、樹脂硬化物を、活性エネルギー線の照射後、必要により、養生できる。養生条件としては、特に制限されないが、温度条件が、例えば、10~150℃、好ましくは、10~100℃である。また、湿度条件が、例えば、20~80%、好ましくは、30~70%である。また、養生時間は、例えば、0.5~10日間、好ましくは、1~7日間である。
【0156】
樹脂硬化物は、上記の硬化性樹脂組成物の硬化物である。そのため、樹脂硬化物は、低照度で薄膜造形された場合にも、優れた低硬度性を有する。
【0157】
より具体的には、例えば、下記の硬化膜を積層した直径100mm×高さ25mmの円柱成型物のアスカーC硬度が、後述の範囲である。
(1)膜厚100μmの硬化性樹脂組成物の塗膜を得る。
(2)硬化性樹脂組成物の塗膜を活性エネルギー線硬化させ、硬化膜を得る。
【0158】
なお、樹脂硬化物の硬度は、ピーク照度および積算光量に依存しない。そのため、硬化性樹脂組成物の硬化条件は、特に制限されず、硬化性樹脂組成物のエチレン性不飽和基が、活性エネルギー線により硬化(100%硬化)できる条件であればよい。例えば、ピーク照度が上記範囲から適宜選択される。また、積算光量が上記範囲から適宜選択される。
【0159】
樹脂硬化物のアスカーC硬度は、例えば、40以下、好ましくは、35以下、より好ましくは、30以下、さらに好ましくは、25以下、さらに好ましくは、20以下、さらに好ましくは、15以下、さらに好ましくは、10以下、さらに好ましくは、5以下、さらに好ましくは、1以下である。また、樹脂硬化物のアスカーF硬度が、好ましくは、90以下、より好ましくは、80以下、さらに好ましくは、70以下、さらに好ましくは、60以下、とりわけ好ましくは、50以下である。また、アスカーF硬度は、例えば、1以上、好ましくは、10以上である。
【0160】
なお、アスカーC硬度の測定方法は、後述の実施例に準拠する。また、アスカーF硬度の測定方法は、後述の実施例に準拠する。
【0161】
また、上記の樹脂硬化物は、必要に応じて、コーティング層によってコーティングされる。コーティング層は、例えば、樹脂硬化物の表面に、公知のコーティング剤を、公知の方法で塗布および乾燥することによって、形成される。コーティング層の厚みは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0162】
このような樹脂硬化物は、低硬度性が要求される各種産業分野において、好適に用いられる。樹脂硬化物が用いられる分野としては、例えば、擬似生体材料、ロボット部材、アンドロイド部材、ウェアラブル部材、衣料用品、衛生用品、化粧用品、家具用品、食品包装部材、スポーツ用品、レジャー用品、医療用品、介護用品、住宅用部材、音響部材、照明部材、防振部材、防音部材、日用品、雑貨、クッション、寝具、応力吸収材、応力緩和材、自動車内装材、自動車外装材、鉄道部材、航空機部材、光学部材、OA機器用部材、雑貨表面保護部材、半導体封止材、自己修復材料、健康器具、メガネレンズ、玩具、パッキン、ケーブルシース、ワイヤーハーネス、電気通信ケーブル、自動車配線、コンピューター配線、工業用品、衝撃吸収材および半導体用品が挙げられる。好ましくは、樹脂硬化物は、手術練習用の疑似生体材料(例えば、人工臓器および人工皮膚)として、好適に用いられる。
【実施例】
【0163】
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメ-タなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメ-タなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
【0164】
実施例1~48および比較例1~16
(1)イソシアネート基末端プレポリマーの合成
表1~表12に記載の処方に従って、イソシアネート基末端プレポリマーを合成した。より具体的には、表1~表12に記載の処方に従って、窒素雰囲気下、ガラス製のセパラブルフラスコに、ポリオール成分を投入した。次いで、セパラブルフラスコに、ポリイソシアネート成分を、当量比(NCO/OH)8.0となる割合で投入した。その後、混合物を、80℃に昇温した。その後、ウレタン化触媒としてのスタノクト(エチルヘキサン酸スズ(II))を、混合物に対して10ppmとなる割合で投入した。その後、混合物を4時間反応させた。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーと、未反応のポリイソシアネート成分とを含む粗生成物を得た。
【0165】
(2)イソシアネート基末端プレポリマーの精製
イソシアネート基末端プレポリマーを含む粗生成物を、スミス式薄膜蒸留装置にセットし、以下の条件で、イソシアネート基末端プレポリマーと、未反応のポリイソシアネート成分とを分離した。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーを精製した。
【0166】
温度条件:160~170℃
圧力条件:70~100Pa
供給流量:3.5-4g/min
(3)活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂の合成
表1~表12に記載の処方に従って、大気下(ドライエアー下)、セパラブルフラスコに、精製したイソシアネート基末端プレポリマー(プレポリマー精製物)を投入した。次いで、セパラブルフラスコに、ヒドロキシ基含有不飽和化合物を、ヒドロキシ基含有不飽和化合物のヒドロキシ基に対するイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0となる割合で投入した。次いで、混合物を70℃に昇温した。
【0167】
その後、ウレタン化触媒としてのスタノクト(エチルヘキサン酸スズ(II))を、イソシアネート基末端プレポリマーに対して200ppmとなる割合で投入し、イソシアネート基濃度が0.01%以下になるまで、4時間反応させた。これにより、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を得た。
【0168】
(4)硬化性樹脂組成物の調製
表1~表12に記載の処方に従って、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂と、エステル系可塑剤、内部離型剤およびオレフィン類からなる群から選択される少なくとも1種と、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤と、添加剤とを、合計100gとなるように褐色瓶に投入し、60℃で撹拌した。これにより、硬化性樹脂組成物を得た。
【0169】
硬化性樹脂組成物の外観を目視観察した。また、得られた硬化性樹脂組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製、TV25形粘度計、ローター角度:1°34’、ローター半径2.4cm)にて測定した。
【0170】
(5)硬化性樹脂組成物の硬化
以下に示す方法で、硬化性樹脂組成物を硬化させ、樹脂硬化物を得た。
【0171】
すなわち、市販の3Dプリンター(Phrozen社製 Phrozen shuffle 4K)を用いて、硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線の照射により硬化させ、膜厚100μmの樹脂層を得た。次いで、樹脂層に硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射により硬化させ、樹脂層を積層させた。このような操作を繰り返すことにより、100×50×20mmの樹脂板を得た。また、同様の操作により、直径100mm×高さ25mmの円柱成型物を得た。
【0172】
なお、活性エネルギー線の出力は、0.6mW/cm2(照度計(日置電機社製3664光パワーメータ(測定波長405nm)にて測定)とし、積算光量が表に示す値となるように、照射時間を調整した。なお、実施例2および実施例17では、同一の硬化性樹脂組成物を使用し、硬化条件を変更した。
【0173】
<評価>
(1)外観
樹脂硬化物の外観を、目視で観察した。
【0174】
(2)硬度
3Dプリンターを用いて、下記の方法を繰り返して硬化膜を積層した。これにより、樹脂硬化物として、直径100mm×高さ25mmの円柱成型物を製造した。
(1)膜厚100μmの硬化性樹脂組成物の塗膜を得る。
(2)硬化性樹脂組成物の塗膜を、活性エネルギー線硬化させ、硬化膜を得る。
【0175】
そして、アスカーゴム硬度計(ASKER社製)を用いて、樹脂硬化物のアスカーC硬度を測定した。また、アスカーC硬度が20未満であった場合、樹脂硬化物のアスカーF硬度を測定した。なお、上記条件で硬化しなかった場合、「未硬化」と表記した。
【0176】
(3)べたつき
3Dプリンターを用いて、下記の方法を繰り返して硬化膜を積層した。これにより、樹脂硬化物として、直径30mm×高さ15mmの円柱成型物を製造した。
(1)膜厚100μmの硬化性樹脂組成物の塗膜を得る。
(2)硬化性樹脂組成物の塗膜を、活性エネルギー線硬化させ、硬化膜を得る。
【0177】
そして、円柱成形物の表面に、人差し指を、100g程度の力で押し付けた。その触感と、押し付け後の指の状態とを、評価した。その基準を下記する。
◎:成形物が指に粘着せず、指がべたつかなかった。
○:成形物が指に粘着しないが、指がべたついた。
△:成形物が指に粘着した。
【0178】
(4)縫合性
3Dプリンターを用いて、下記の方法を繰り返して硬化膜を積層した。これにより、樹脂硬化物として、直径40mm×最大高さ30mmの半球状成型物を製造した。
(1)膜厚100μmの硬化性樹脂組成物の塗膜を得る。
(2)硬化性樹脂組成物の塗膜を、活性エネルギー線硬化させ、硬化膜を得る。
【0179】
そして、半球状成形物の上部に、約30度の切り込みを入れた。そして、切り込みを外縫いし、縫合性を評価した。なお、縫合針として、強弯針を用いた。また、縫合糸として、ナイロンモノフィラメントおよびシルク糸を用いた。評価基準を下記する。
【0180】
○:成形物が千切れずに縫合可能であった。
△:成形物が千切れて縫合が困難であった。
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
なお、表中の略号の詳細を下記する。
【0194】
1,3-H6XDI:1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、三井化学製
IPDI:イソホロンジイソシアネート、商品名VESTANAT IPDI、Evonik製
H12MDI:4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、商品名VESTANAT H12MDI、Evonik製
【0195】
D1000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量1000、三井化学SKCポリウレタン製
D2000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量2000、三井化学SKCポリウレタン製
DL4000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量4000、三井化学SKCポリウレタン製
DL6000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量6000、三井化学SKCポリウレタン製
DL10000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量10000、三井化学SKCポリウレタン製
DL12000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量12000、三井化学SKCポリウレタン製
HEA:2-ヒドロキシエチルアクリレート
【0196】
POB-A:ラジカル反応性希釈剤、3-フェノキシベンジルアクリレート(別名m-フェノキシベンジルアルコール)、芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物、共栄社化学製
EHDG-AT:ラジカル反応性希釈剤、2-エチルヘキシル-ジグルコールアクリレート、鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物、共栄社化学製
IBXA:ラジカル反応性希釈剤、イソボルニルアクリレート、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、大阪有機化学工業製
ACMO-LI:ラジカル反応性希釈剤、4-アクリロイルモルフォリン、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、KJケミカルズ製
A-DOD-N:ラジカル反応性希釈剤、1,10-デカンジオールジアクリレート、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物、新中村化学工業製
ビスコートCHA:ラジカル反応性希釈剤、シクロヘキシルアクリレート、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、大阪有機化学工業製
4HBA:ラジカル反応性希釈剤、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート
ビスコート200:ラジカル反応性希釈剤、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(別名(5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチルアクリラート)、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、大阪有機化学工業製
MEDOL-10:ラジカル反応性希釈剤、(2ーメチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、大阪有機化学工業製
AO-MA:ラジカル反応性希釈剤、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物、日本触媒製
【0197】
ベンゾフレックス:エステル系可塑剤、ジプロピレングリコールジベンゾアート、CBC社製
サーフロンS-386:内部離型剤、フッ素系界面活性剤、AGCセイミケミカル製サーフロンS-658:内部離型剤、フッ素系界面活性剤、AGCセイミケミカル製サーフロンS-242:内部離型剤、フッ素系界面活性剤、AGCセイミケミカル製IF-FN1916:内部離型剤、フッ素系界面活性剤、AGCセイミケミカル製
ディスパロンLS-460:内部離型剤、変性シリコーン、楠本化成社製
ディスパロンLS-480:内部離型剤、変性シリコーン、楠本化成社製
DOWSIL SH 8700 Fluid:内部離型剤、ポリエーテル変性シリコーン、ダウ・ ケミカル社製
DOWSIL SH 8417 Fluid:内部離型剤、アミノ変性シリコーンオイル、ダウ・ケミカル社製
DOWSIL BY 16-201:内部離型剤、ポリジメチルシロキサンエチレングリコール、ダウ・ケミカル社製
【0198】
TPO:光重合開始剤、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、東京化成工業社製
Omnirad819:光重合開始剤、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォルフィンオキサイド、IGM resinsB.V.社製
【0199】
リニアレン18:オレフィン単量体、1-オクタデセン、出光興産製
リニアレン168:オレフィン単量体、炭素数16~18のオレフィン、出光興産製ルーカント HC-40:エチレン-αオレフィンオリゴマー、三井化学製
ルーカント LX020:エチレン-αオレフィンオリゴマー、三井化学製
ルーカント 酸変性LC A-5515:エチレン-αオレフィンオリゴマー、三井化学製
ルーカント OH変性LC:エチレン-αオレフィンオリゴマー、三井化学製
【0200】
タルク:フィラー
X-22-2445:潤滑剤、反応性シリコーンオイル、信越シリコーン製
KMP-602:潤滑剤、シリコーンパウダー、信越シリコーン製
KMP-605:潤滑剤、シリコーンパウダー、信越シリコーン製
Irganox245:酸化防止剤、ビス[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン、BASFジャパン社製
【0201】
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本発明の硬化性樹脂組成物、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物および樹脂硬化物は、3Dプリンター分野において、好適に用いられる。