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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】発泡装置及び発泡便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20240227BHJP
   B01F 23/235 20220101ALI20240227BHJP
   B01F 23/2326 20220101ALI20240227BHJP
   B01F 25/452 20220101ALI20240227BHJP
   B01F 35/52 20220101ALI20240227BHJP
   B05B 1/02 20060101ALI20240227BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
E03D9/00 C
B01F23/235
B01F23/2326
B01F25/452
B01F35/52
E03D9/00 F
B05B1/02 101
E03D11/02 A
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022574764
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 CN2020110378
(87)【国際公開番号】W WO2021243853
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】202010505693.5
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519356397
【氏名又は名称】厦門科牧智能技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】KOMOO INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】林孝發
(72)【発明者】
【氏名】林孝山
(72)【発明者】
【氏名】劉祖華
(72)【発明者】
【氏名】林山
(72)【発明者】
【氏名】徐衍新
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-302796(JP,A)
【文献】特開2017-48570(JP,A)
【文献】特開2004-100331(JP,A)
【文献】特開2015-183390(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0101113(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00- 9/16
B01F 23/00-25/90
B01F 35/52
B05B 1/02- 1/10
E03D 11/02-11/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体を含み、前記弁体に、給水口、給液口、混合室、及び、吐液口が設けられており、前記混合室が前記給水口、前記給液口、及び、前記吐液口と連通している発泡装置であって、
更に、ポンプ及び自吸噴射ヘッドを含み、前記ポンプの送入端は吐液口に連なっており、前記混合室に負圧を発生させて、前記給水口及び前記給液口からそれぞれ水及び発泡剤を吸い込んで混合し、前記自吸噴射ヘッドは前記ポンプの送出端に連なっており、前記自吸噴射ヘッドには、第1吸気孔及び噴射孔が設けられており、混合液と空気を混合して泡を発生させ、噴射することを特徴とする発泡装置。
【請求項2】
弁体を含み、前記弁体に、給水口、給液口、混合室、及び、吐液口が設けられており、前記混合室が前記給水口、前記給液口、及び、前記吐液口と連通している発泡装置であって、
更に、自吸噴射ヘッドと2つのポンプを含み、そのうち、一方のポンプは前記給水口に連なって水を前記混合室に吸い込み、他方のポンプは前記給液口に連なって発泡剤を前記混合室に吸い込み、前記自吸噴射ヘッドは前記吐液口に連なっており、前記自吸噴射ヘッドには、第1吸気孔及び噴射孔が設けられており、混合液と空気を混合して泡を発生させ、噴射することを特徴とする発泡装置。
【請求項3】
前記混合室内には少なくとも2つの空洞が設けられており、前記少なくとも2つの空洞が順に連通して混合経路を構成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡装置。
【請求項4】
前記混合室内には少なくとも1つの仕切りが設けられており、前記仕切りの上部又は底部又は前側又は後側と、前記混合室の対応する側壁との間には間隔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡装置。
【請求項5】
前記給水口の内径は前記給液口の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の発泡装置。
【請求項6】
前記自吸噴射ヘッド内には発泡室及び加速孔が設けられており、前記発泡室は前記第1吸気孔及び前記噴射孔と連通しており、前記加速孔は前記発泡室と連通していることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡装置。
【請求項7】
前記自吸噴射ヘッドは自吸ヘッド及び噴射ヘッドを含み、前記自吸ヘッドには前記第1吸気孔が設けられており、前記噴射ヘッドは、前記自吸ヘッドと連通しており、且つ前記噴射孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡装置。
【請求項8】
前記噴射孔にはメッシュシートが更に設けられていることを特徴とする請求項に記載の発泡装置。
【請求項9】
更に、噴射管を含み、前記噴射管は、一端が前記自吸噴射ヘッドと連通しており、他端に噴射口が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡装置。
【請求項10】
前記噴射管には第1吸気部及び第2吸気部が設けられており、前記第1吸気部は、一端が前記自吸噴射ヘッドに連なっており、且ついくつかの第2吸気孔が設けられており、前記第2吸気部は、傾斜して前記第1吸気部の他端に設置されるとともに、第2吸気孔が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の発泡装置。
【請求項11】
便器本体、ウォータータンク、及び、薬剤タンクを含む発泡便器であって、
更に、請求項1又は2に記載の発泡装置を含み、前記ウォータータンクは前記給水口に連なっており、前記薬剤タンクは前記給液口に連なっていることを特徴とする発泡便器。
【請求項12】
更に、便器本体に設置されるとともに、ボウルに沿って傾斜する斜面部が設けられた装着スロットを含み、前記自吸噴射ヘッドは装着スロット内に位置し、その噴射孔が前記斜面部に面するか背向していることを特徴とする請求項11に記載の発泡便器。
【請求項13】
混合室及びポンプを含み、前記混合室に、給水口、給液口、及び、吐液口が設けられており、前記給水口がウォータータンクに接続され、前記給液口が薬剤タンクに接続される発泡装置であって、
更に、自吸噴射ヘッドを含み、前記ポンプの送入端は吐液口に連なっており、前記混合室に負圧を発生させて、前記給水口及び前記給液口からそれぞれ水及び発泡剤を吸い込んで混合し、前記自吸噴射ヘッドは前記ポンプの送出端に連なっており、前記自吸噴射ヘッドには、第1吸気孔及び噴射孔が設けられており、混合液と空気を混合して泡を発生させ、噴射することを特徴とする発泡装置。
【請求項14】
前記混合室内には少なくとも2つの空洞が設けられており、前記少なくとも2つの空洞が順に連通して混合経路を構成していることを特徴とする請求項13に記載の発泡装置。
【請求項15】
前記混合室内には少なくとも1つの仕切りが設けられており、前記仕切りの上部又は底部又は前側又は後側と、前記混合室の対応する側壁との間には間隔が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の発泡装置。
【請求項16】
前記給水口の内径は前記給液口の内径よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載の発泡装置。
【請求項17】
前記自吸噴射ヘッド内には発泡室及び加速孔が設けられており、前記発泡室は前記第1吸気孔及び前記噴射孔と連通しており、前記加速孔は前記発泡室と連通していることを特徴とする請求項13に記載の発泡装置。
【請求項18】
前記自吸噴射ヘッドは自吸ヘッド及び噴射ヘッドを含み、前記自吸ヘッドには前記第1吸気孔が設けられており、前記噴射ヘッドは、前記自吸ヘッドと連通しており、且つ前記噴射孔が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の発泡装置。
【請求項19】
前記噴射孔にはメッシュシートが更に設けられていることを特徴とする請求項13又は18に記載の発泡装置。
【請求項20】
更に、噴射管を含み、前記噴射管は、一端が前記自吸噴射ヘッドと連通しており、他端に噴射口が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の発泡装置。
【請求項21】
前記噴射管には第1吸気部及び第2吸気部が設けられており、前記第1吸気部は、一端が前記自吸噴射ヘッドに連なっており、且ついくつかの第2吸気孔が設けられており、前記第2吸気部は、傾斜して前記第1吸気部の他端に設置されるとともに、第2吸気孔が設けられていることを特徴とする請求項20に記載の発泡装置。
【請求項22】
前記発泡装置は便器に応用されることを特徴とする請求項13に記載の発泡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サニタリー分野に関し、特に、発泡装置及び発泡便器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のスマート便器には、温水洗浄、温風乾燥、便座ヒータ等の多くの機能が備わっている。しかし、実際の使用過程では、排泄物の落下によって便器内の液体が跳ね、本体部を汚してしまう。また、排泄物は流されるまで自然に露出した状態となるため、臭いが広がりやすく、除去も難しい。これらは、人々が用を足す際にあたり不都合である。そこで、市場には、泡発生装置が発生させた泡で便器のボウルを覆い、汚物が便器に付着するとの課題を効果的に解決する発泡便器が登場している。
【0003】
現在市販されているスマート便器の発泡構造は、通常、発泡石とエアポンプに発泡剤を組み合わせ、水と混合することで泡を発生させるが、ウォータータンク、貯液タンク、ウォーターポンプ、液体ポンプ及びエアポンプ等を含むため、構造が複雑で、体積が大きい。また、接続構造や機能実現のための構造が複雑であり、効率的でもなく、且つ、スマート便器の内部空間を過剰に占有する。従って、発泡機能を備える便器はいずれも体積が巨大となる。また、発泡効率が低く、構造が複雑であるほか、コストも嵩んでしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主たる目的は、従来技術における上記の欠点を解消するために、構造がシンプルで取り付けやすく、低コストな発泡装置及び発泡便器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の技術方案を採用する。
【0006】
発泡装置は、弁体を含み、前記弁体に、給水口、給液口、混合室及び吐液口が設けられている。前記混合室は、給水口、給液口及び吐液口と連通している。前記発泡装置は、以下を特徴とする。即ち、更に、ポンプ及び自吸噴射ヘッドを含む。前記ポンプの送入端は吐液口に連なっており、混合室に負圧を発生させて、給水口及び給液口からそれぞれ水及び発泡剤を吸い込んで混合する。また、前記自吸噴射ヘッドはポンプの送出端に連なっている。前記自吸噴射ヘッドには、第1吸気孔及び噴射孔が設けられており、混合液と空気を混合して泡を発生させ、噴射する。
【0007】
発泡装置は、弁体を含み、前記弁体に、給水口、給液口、混合室及び吐液口が設けられている。前記混合室は、給水口、給液口及び吐液口と連通している。前記発泡装置は、以下を特徴とする。即ち、更に、自吸噴射ヘッドと2つのポンプを含む。そのうち、一方のポンプは給水口に連なって水を混合室に吸い込み、他方のポンプは給液口に連なって発泡剤を混合室に吸い込む。前記自吸噴射ヘッドは吐液口に連なっている。前記自吸噴射ヘッドには、第1吸気孔及び噴射孔が設けられており、混合液と空気を混合して泡を発生させ、噴射する。
【0008】
好ましくは、前記混合室内には少なくとも2つの空洞が設けられており、前記少なくとも2つの空洞が順に連通して混合経路を構成している。
【0009】
好ましくは、前記混合室内には少なくとも1つの仕切りが設けられており、前記仕切りの上部又は底部又は前側又は後側と、混合室の対応する側壁との間には間隔が設けられている。
【0010】
好ましくは、前記給水口の内径は給液口の内径よりも大きい。
【0011】
好ましくは、前記自吸噴射ヘッド内には発泡室及び加速孔が設けられている。前記発泡室は前記第1吸気孔及び前記噴射孔と連通しており、前記加速孔は発泡室と連通している。
【0012】
好ましくは、前記自吸噴射ヘッドは自吸ヘッド及び噴射ヘッドを含む。前記自吸ヘッドには前記第1吸気孔が設けられている。前記噴射ヘッドは、自吸ヘッドと連通しており、且つ前記噴射孔が設けられている。
【0013】
好ましくは、前記噴射孔にはメッシュシートが更に設けられている。
【0014】
好ましくは、更に、噴射管を含む。前記噴射管は、一端が前記自吸噴射ヘッドと連通しており、他端に噴射口が設けられている。
【0015】
好ましくは、前記噴射管には第1吸気部及び第2吸気部が設けられている。前記第1吸気部は、一端が前記自吸噴射ヘッドに連なっており、且ついくつかの第2吸気孔が設けられている。前記第2吸気部は、傾斜して第1吸気部の他端に設置されるとともに、第2吸気孔が設けられている。
【0016】
発泡便器は、便器本体、ウォータータンク及び薬剤タンクを含む。前記発泡便器は、以下を特徴とする。即ち、上記の発泡装置を更に含む。前記ウォータータンクは前記給水口に連なっており、前記薬剤タンクは前記給液口に連なっている。
【0017】
好ましくは、更に、便器本体に設置されるとともに、ボウルに沿って傾斜する斜面部が設けられた装着スロットを含む。前記自吸噴射ヘッドは装着スロット内に位置し、その噴射孔が前記斜面部に面するか背向している。
【発明の効果】
【0018】
本発明についての上記の記載から明らかなように、従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0019】
1.本発明の装置は便器に設置され、ポンプ及び自吸噴射ヘッドが設置される。ポンプの動作により混合室に負圧を発生させることで、給水口及び給液口からそれぞれ水及び発泡剤を吸い込んで混合する。そして、自吸噴射ヘッドの第1吸気孔及び噴射孔が連携し、混合液と空気を混合することで、泡を発生させて噴射する。本構造はシンプルであり、体積が小さく、取り付けやすく、低コストであり、発泡効率が高い。
【0020】
2.本発明の装置は便器に位置し、ポンプ及び自吸噴射ヘッドが設置される。ポンプの動作により水及び発泡剤を吸い込んで混合するとともに、自吸噴射ヘッドの第1吸気孔及び噴射孔が連携し、混合液と空気を混合することで、泡を発生させて噴射する。本構造はシンプルであり、体積が小さく、取り付けやすく、低コストであり、発泡効率が高い。且つ、2つのポンプによって、正確に定量的及び定時的に送出を制御可能である。また、混合後には、更に、水を混合室に進入させ続けることで、混合液を混合室から押し出すよう制御可能である。
【0021】
3.本発明の装置は、混合室内が仕切りによって少なくとも2つの空洞に分割されており、混合経路を更に構成している。これにより、発泡剤と水の混合がいっそう均一となる。
【0022】
4.本発明の装置は、給水口の内径が給液口の内径よりも大きくなるよう弁体を設置している。このように差別化した設計によれば、混合室内への水と発泡剤の進入割合を調節可能である。また、必要に応じて給水口又は給液口の内径を設置することで、異なるニーズを満たしてもよい。
【0023】
5.本発明の装置は、自吸噴射ヘッド内に発泡室及び加速孔が設けられており、加速孔によって発泡室に負圧領域を発生させる。これにより、第1吸気孔が吸気し、混合液と空気を混合することで泡を発生させる。
【0024】
6.本発明の装置は、自吸噴射ヘッドに一体式構造又は分離式構造を採用可能である。また、発生する泡がよりきめ細かく均一となるよう、噴射孔にメッシュシートを更に設置してもよい。
【0025】
7.本発明の便器は、便器本体に装着スロットを設置し、斜面部の作用を組み合わせることで、噴射した泡を便器のボウル内に排出する。そして、これを水封面に浮かせることで、臭気止め及び飛散防止のための隔離層を生成する。
【0026】
8.本発明の装置には、更に、噴射孔の泡を便器のボウル内に排出するための噴射管が設置される。且つ、噴射管にいくつかの第2吸気孔を設置し、複数回の吸気を行って混合することで、大量の泡を発生させてもよい。これにより、発泡効率が更に向上する。
【0027】
9.本発明の装置は、噴射管に第1吸気部及び第2吸気部が設けられており、複数回の吸気を実現する。且つ、第2吸気部は第1吸気部に対し傾斜しており、導流作用を奏する。
【0028】
10.本発明の便器は、必要に応じて制御弁を設置し、水及び発泡剤の供給を制御してもよい。例えば、発泡剤と水の供給を同時に開始してもよいし、先に発泡剤の供給を開始し、そのあと水の供給を開始してもよい。また、必要に応じて、発泡機能を開始する周期又は頻度を設定してもよい。
【0029】
本発明の装置は、便器に使用するだけでなく、ゴミ箱の上面を覆うためや、その他の場所に使用して、発生する異臭ガスを遮断してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明における発泡装置の分解図である。
図2図2は、混合室の内部の図である。
図3図3は、発泡装置の概略取付図である。
図4図4は、本発明における発泡便器の主要構造図である。
図5図5は、図4の平面図である。
図6図6は、本発明の発泡の概略図である。
図7図7は、図6の部分拡大図である。
図8図8は、実施例2の接続構造図である。
図9図9は、実施例3における噴射管及び自吸噴射ヘッドの分解図である。
図10図10は、実施例3の構造図(メッシュシートなし)である。
図11図11は、実施例4の構造図(メッシュシートあり)である。
図12図12は、実施例3の発泡の概略図である。
図13図13は、実施例3の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、具体的実施形態によって、本発明につき更に述べる。
【実施例1】
【0032】
図1図7を参照して、発泡装置は弁体10を含む。前記弁体10には、給水口11、給液口12、混合室13及び吐液口14が設けられている。前記混合室13は、給水口11、給液口12及び吐液口14と連通している。また、更に、ポンプ20及び自吸噴射ヘッド30を含む。前記ポンプ20の送入端は吐液口14に連なっており、混合室13に負圧を発生させて、給水口11及び給液口12からそれぞれ水及び発泡剤を吸い込んで混合する。また、前記自吸噴射ヘッド30はポンプ20の送出端に連なっている。自吸噴射ヘッド30には、第1吸気孔31及び噴射孔32が設けられており、混合液と空気を混合して泡を発生させ、噴射する。
【0033】
前記弁体10の混合室13内には少なくとも2つの空洞15が設けられている。前記少なくとも2つの空洞15は、順に連通して混合経路を構成している。前記混合経路は、波型、又はS形、又はZ形等に類似している。混合室13内には少なくとも1つの仕切り16が設けられている。前記仕切り16の上部又は底部又は前側又は後側と、混合室13の対応する側壁との間には間隔が設けられている。即ち、間隔を置いて設置されるいくつかの仕切り16によって混合室13を複数の空洞15に分割しており、仕切り16と側壁との間隔によって、隣接する2つの空洞15の連通を実現している。
【0034】
例えば、図2を参照して、2つの空洞15が設置されており、2つの空洞15の間に2つの仕切り16が設置されている。そうのち、一方の空洞15は給水口11及び給液口12と連通しており、他方の空洞15は吐液口14と連通している。また、一方の仕切り16の上部と混合室13の上部の間に間隔を有し、他方の仕切り16と混合室13の底部の間に間隔を有する。
【0035】
更に、給水口11の内径が給液口12の内径よりも大きくなるよう設置する。給水口11と給液口12の孔径のサイズを差別化して設計することで、混合室13内への水と発泡剤の進入割合を調節可能とする。また、必要に応じて給水口11又は給液口12の内径を設置することで、異なるニーズを満たしてもよい。
【0036】
本発明のポンプ20にはウォーターポンプを採用可能である。自吸噴射ヘッド30は、ダクトを介してポンプ20の送出端に連なっている。自吸噴射ヘッド30内には、発泡室33及び加速孔34が設けられている。発泡室33は第1吸気孔31及び噴射孔32と連通している。また、前記加速孔34は、発泡室33及びポンプ20の送出端と連通している。
【0037】
前記加速孔34の内径は、混合液の加速を実現し、発泡室33に負圧領域を発生させるよう、ダクトの内径よりも小さくなっている。前記第1吸気孔31は加速孔34に近接している。即ち、負圧領域に位置することで、吸気を実現する。前記加速孔34の形式はこれに限らず、径が変化する孔とし、数を1又は複数としてもよい。また、第1吸気孔31の数についても1又は複数としてもよく、特に限定しない。
【0038】
本発明は、更に、便器本体40、ウォータータンク60及び薬剤タンク70を含むとともに、上記の発泡装置を更に含む発泡便器を提供する。前記ウォータータンク60は給水口11に連なっており、前記薬剤タンク70は給液口12に連なっている。前記ウォータータンク60は、便器本体40自体が有するウォータータンクとしてもよいし、独立したウォータータンクとしてもよく、必要に応じて設置可能なため、特に限定しない。薬剤タンク70内には発泡剤が充填されている。
【0039】
更に、便器本体40に設置されるとともに、ボウルに沿って傾斜する斜面部42が設けられた装着スロット41を更に含む。自吸噴射ヘッド30は装着スロット41内に位置し、その噴射孔32が前記斜面部42に面する。即ち、噴射孔32が外側に噴射し、前記斜面部42がガイド作用を奏する。
【0040】
具体的に、前記装着スロット41は、ボウルの上部辺縁に位置するとともに、ダクトを挿通するための貫通孔が更に設けられている。実際の応用において、前記噴射孔32は斜面部42に背向していてもよい。即ち、噴射孔32がボウルに向かって直接噴射してもよい。
【0041】
本発明における発泡装置及び発泡便器は、予めウォータータンク60に水を注入しておき、薬剤タンク70に発泡剤を充填しておく。また、動作原理は次の通りである。
【0042】
ポンプ20を起動させるよう制御すると、混合室13の空気が吸い出されて負圧が発生する。すると、給水口11及び給液口12がそれぞれ水及び発泡剤を吸い込み、混合経路を通じて十分に混合する。混合液は、吐液口14を通じてポンプ20に進入し、ダクトを通じて自吸噴射ヘッド30に送出される。混合液は、加速孔34の作用によって発泡室33に進入する。発泡室33内では、第1吸気孔31を経由して吸い込まれた空気と混合液の作用によって大量の泡が発生し、噴射孔32を通じて噴射される。これが斜面部42の作用によってボウル内に流れ込み、水封面に浮かぶことで、臭気止め及び飛散防止のための隔離層が生成される。
【0043】
実際の応用では、必要に応じて制御弁を設置し、水及び発泡剤の供給を制御してもよい。例えば、発泡剤と水の供給を同時に開始してもよいし、先に発泡剤の供給を開始し、そのあと水の供給を開始してもよい。また、必要に応じて、発泡機能を開始する周期又は頻度を設定してもよい。
【実施例2】
【0044】
図8を参照して、発泡装置及び発泡便器の主要な構造及び動作原理は実施例1と同様であるが、ポンプ20を2つ設置している点で異なる。そのうち、一方のポンプ20は給水口11に連なって水を混合室13に吸い込み、他方のポンプ20は給液口12に連なって発泡剤を混合室13に吸い込む。また、前記自吸噴射ヘッド30は吐液口14に連なっている。自吸噴射ヘッド30には、第1吸気孔31及び噴射孔32が設けられており、混合液と空気を混合して泡を発生させ、噴射する。
【0045】
自吸噴射ヘッド30は、ダクトを介して吐液口14に連なっている。自吸噴射ヘッド30内には、発泡室33及び加速孔34が設けられている。発泡室33は第1吸気孔31及び噴射孔32と連通している。また、前記加速孔34は、発泡室33及び吐液口14と連通している。
【0046】
本実施例では、2つの動力を採用し、発泡剤と水の供給各々につき独立して動力を出力することで、正確な定量的及び定時的な送出制御を達成可能とする。ウォータータンクと薬剤タンクは論理的に並行関係に属し、混合室はウォータータンクと薬剤タンクの後端に位置する。
【0047】
本実施例の動作時には、まず発泡剤を混合室13に送入してから水を送入するよう制御する。ポンプが水を混合室13に引き込んだあとは、a.定量的又は定時的な送入後に水の引き込みを停止する、b.水を混合室内に引き込み続ける、という2つの動作を実行可能である。水を混合室13内に引き込み続けたあと、送入した水が混合室13内の混合液を送出する動力を付与可能になると、混合液が押し出され、接続ダクトを経由して自吸噴射ヘッド30に到達する。
【0048】
混合液は、加速孔34の作用によって発泡室33に進入する。発泡室33内では、第1吸気孔31を経由して吸い込まれた空気と混合液の作用によって大量の泡が発生し、噴射孔32を通じて噴射される。これが斜面部42の作用によってボウル内に流れ込み、水封面に浮かぶことで、臭気止め及び飛散防止のための隔離層が生成される。
【0049】
また、水を継続的に混合室13に引き込みながら発泡剤を送入してもよい。この場合、定時的/定量的に新たな水と発泡剤の混合剤が生成されて、連続的な発泡を実現可能となる。本実施例では、ウォーターポンプで送入を制御する方式に限らず、その他の方式(ダクトの圧力)を利用してウォータータンク内の液体と水を送出することでも、同様に本実施例における方案の効果を実現可能である。
【実施例3】
【0050】
図9図10図12図13を参照して、発泡装置及び発泡便器の主要な構造は実施例1と同様であるが、自吸噴射ヘッド30に分離式構造を採用し、自吸ヘッド35及び噴射ヘッド36を含み得る点で異なる。前記自吸ヘッド35には第1吸気孔31及び加速孔34が設けられている。また、前記噴射ヘッド36は、自吸ヘッド35と連通しており、且つ噴射孔32が設けられている。
【0051】
更に、噴射管50を含む。前記噴射管50は、一端が自吸噴射ヘッド30と連通しており、他端に噴射口51が設けられている。前記噴射管50には第2吸気孔52を開設してもよいし、第2吸気孔52を開設しなくともよく、必要に応じて設定する。また、前記噴射管50は、一端が噴射ヘッド36における噴射孔32が位置する側に配設され、これらの接続箇所がシールリングにより密封されている。
【0052】
噴射管50にいくつかの第2吸気孔52が開設されている場合を例示する。具体的に、噴射管50には第1吸気部53及び第2吸気部54が設けられている。第1吸気部53は、一端が自吸噴射ヘッド30に連なっており、且ついくつかの第2吸気孔52が設けられている。また、第2吸気部54は、傾斜して第1吸気部53の他端に設置されるとともに、第2吸気孔52が設けられている。傾斜して設置される第2吸気部54は、更に導流作用を奏する。
【0053】
具体的に、第1吸気部53上のいくつかの第2吸気孔52は軸方向に均一に分布させればよいが、数は限定しない。また、前記第2吸気部54上の第2吸気孔52は、第2吸気部54の内壁における第1吸気部53寄りの一端に位置する。前記第1吸気部53の内径は第2吸気部54の内径よりも小さくすればよい。また、第1吸気部53と第2吸気部54の間には夾角が構成される。前記夾角は、鈍角又は直角とすればよいが、必要に応じて設定されるため、特に限定しない。
【0054】
本実施例において、自吸ヘッド35と噴射ヘッド36の間、及び、噴射ヘッド36と噴射管50の間には、ネジ結合又はスナップフィット等を含む取り外し可能な接続方式を採用可能である。スナップフィットの場合には、自吸ヘッド35と噴射管50に掛合溝37を設置し、噴射ヘッド36に複数の掛合バー38を設置して、掛合バー38を掛合溝37に掛入することで固定を実現すればよい。
【0055】
実際の応用において、便器本体40には、噴射管50を取り付け及び固定するためのホルダを更に設置してもよい。また、具体的な発泡原理は次の通りである。
【0056】
ポンプ20を起動させるよう制御すると、混合室13の空気が吸い出されて負圧が発生する。すると、給水口11及び給液口12がそれぞれ水及び発泡剤を吸い込み、混合経路を通じて十分に混合する。混合液は、吐液口14を通じてポンプ20に進入し、ダクトを通じて自吸噴射ヘッド30に送出される。混合液は、加速孔34の作用によって発泡室33に進入する。発泡室33内では、第1吸気孔31を経由して吸い込まれた空気と混合液の作用によって大量の泡が発生し、噴射孔32を通じて噴射管50に噴射される。次に、第1吸気部53において、第2吸気孔52からの吸気によって2回目の空気との混合が行われ、泡が発生する。そして、噴射された泡の柱は第2吸気部54に進入し、その内壁に衝突して反転する。続いて、第2吸気孔52からの吸気によって3回目の空気との混合が行われ、大量の泡が発生する。最後に、これが噴射口51から噴射されてボウル内に進入し、水封面に浮かぶことで、臭気止め及び飛散防止のための隔離層が生成される。
【実施例4】
【0057】
図11を参照して、発泡装置及び発泡便器の主要な構造は実施例1と同様であるが、発生する泡がよりきめ細かく均一となるよう、自吸噴射ヘッド30の噴射孔32にメッシュシート55が更に設けられている点で異なる。
【0058】
上記は本発明の具体的実施形態にすぎず、本発明の設計思想はこれに限定されない。この思想を利用して本発明に対し行われる実質的でない変更は、いずれも本発明の保護範囲を侵害する行為に属するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、弁体を含む発泡装置及び発泡便器を開示する。前記弁体には、給水口、給液口、混合室及び吐液口が設けられている。前記混合室は、給水口、給液口及び吐液口と連通している。また、更に、ポンプ及び自吸噴射ヘッドを含む。前記ポンプの送入端は吐液口に連なっており、混合室に負圧を発生させて、給水口及び給液口からそれぞれ水及び発泡剤を吸い込んで混合する。また、前記自吸噴射ヘッドはポンプの送出端に連なっている。前記自吸噴射ヘッドには、第1吸気孔及び噴射孔が設けられており、混合液と空気を混合して泡を発生させ、噴射する。本発明の構造はシンプルであり、体積が小さく、取り付けやすく、低コストであり、発泡効率が高いため、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0060】
10 弁体
11 給水口
12 給液口
13 混合室
14 吐液口
15 空洞
16 仕切り
20 ポンプ
30 自吸噴射ヘッド
31 第1吸気孔
32 噴射孔
33 発泡室
34 加速孔
35 自吸ヘッド
36 噴射ヘッド
37 掛合溝
38 掛合バー
40 便器本体
41 装着スロット
42 斜面部
50 噴射管
51 噴射口
52 第2吸気孔
53 第1吸気部
54 第2吸気部
55 メッシュシート
60 ウォータータンク
70 薬剤タンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13