IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

特許7443588より望ましいフルオロプロパン及びフルオロプロペンへのクロロフルオロプロパン及びクロロフルオロプロペンの変換
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】より望ましいフルオロプロパン及びフルオロプロペンへのクロロフルオロプロパン及びクロロフルオロプロペンの変換
(51)【国際特許分類】
   C07C 17/23 20060101AFI20240227BHJP
   C07C 21/18 20060101ALI20240227BHJP
   B01J 23/755 20060101ALI20240227BHJP
   B01J 23/72 20060101ALI20240227BHJP
   B01J 23/89 20060101ALI20240227BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240227BHJP
【FI】
C07C17/23
C07C21/18
B01J23/755 Z
B01J23/72 Z
B01J23/89 Z
C07B61/00 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023024990
(22)【出願日】2023-02-21
(62)【分割の表示】P 2021117194の分割
【原出願日】2015-04-03
(65)【公開番号】P2023059933
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】61/980,157
(32)【優先日】2014-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515269383
【氏名又は名称】ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュエフイ スン
【審査官】奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-180964(JP,A)
【文献】特開平07-149680(JP,A)
【文献】特開2011-168509(JP,A)
【文献】特表2014-503484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
B01J
C07B
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CF3CF=CCl2(1,1-ジクロロ-2,3,3-テトラフルオロプロペン、CFO-1214ya)を変換する方法であって、反応管にCu、Cu-Pd、又はNi-Cu金属からなる炭素担持触媒を装填するステップ、125℃~160℃の温度範囲で前記触媒にCFO-1214ya及び水素を接触させて反応させ、CF3CF=CHCI(HCFO-1224yd)を含む生成物を製造するステップ、を含む方法。
【請求項2】
前記温度が140℃から160℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記触媒が炭素担持Cu-Pd金属である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
生成物がさらに2,3,3,3-テトラフルオロプロパン(HFO-1234yf)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
生成物が未反応のCFO-1214yaを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロロフルオロプロパン(HCFC)及びクロロフルオロプロペン(CFO)のより望ましいフルオロプロパン及びフルオロプロペン、特にヒドロフルオロオレフィン(HFO)、すなわち、Clを含まないプロペンへの変換、並びに、これらのHFOを得ることができる中間体への変換のための化学的プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第8,399,722号は、炭素担体上に担持されたPdで構成された触媒の存在下での、1,1-ジクロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(CF3CF=CCl2、1214ya)及び1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(CF3CF=CHCl、1224yd)のうちの少なくとも1種の水素化が、塩素を含まず、かつ、少なくとも低いオゾン層破壊係数及び低い地球温暖化係数の両方を示す冷媒として有望である、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(CF3CF=CH2、1234yf)を与えることを開示している。実施例2は、1214yaの1234yfへの変換率が75%であることを開示しており、この変換率はまた、このプロセスの選択性であると考えることができる。実施例3において、選択性は、69%まで低下した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8,399,722号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
HFO-1234yfの製造においてより良好な結果が得られ、かつ/又は、これもまた塩素を含まず、冷却剤用途を有するHFO-1234ze(CF3CH=CHF)、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン)が得られるプロセス、及び/又は、例えば、HFO-1234yf又はHFO-1234zeなどの望ましいHFOを得るための新規手段を開拓するプロセスが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、化合物CF3CF2CHXCl(式中、Xは、H又はCl)又は化合物CF3CF=CXCl(式中、Xは、H又はCl)を、Cu、Ru、Cu-Pd、Ni-Cu、及びNi-Pdから本質的になる触媒の存在下、水素と接触及び反応させて、その結果として、ヒドロフルオロプロペン又は前記ヒドロフルオロプロペンに変換可能な中間体を含む反応生成物を得ることを含むプロセスを提供する。化合物CF3CF2CHXClにおいて、XがHであるとき、この化合物は、HCFC-235cbであり、Clであるとき、この化合物は、HCFC-225caである。化合物CF3CF=CXClにおいて、XがHであるとき、この化合物は、HCFO-1224ydであり、XがClであるとき、この化合物は、CFO-1214yaである。これらは、この水素化プロセスにおいて反応化合物である。
【0006】
本発明の別の実施形態は、中間体プロセス、すなわち、水素化プロセスにおいて得られた中間体を所望のヒドロフルオロプロペンに変換するプロセスである。中間体プロセスは、例えば、水素化、脱塩化水素化、及び脱フッ化水素化などの反応を含む。水素化プロセスにおいて使用される触媒は、好ましくは、中間体プロセスにおける水素化反応で使用される触媒である。
【0007】
望ましいヒドロフルオロプロペンには、HFO-1234yf(CF3CF=CH2)、HFO-1234ze(CF3CH=CHF)、及びHFO-1225zc(CF3CH=CF2)が挙げられる。
【0008】
水素化プロセス及び中間体プロセスに含まれる反応経路(反応物質/反応生成物)は、以下の通りである。
【0009】
反応化合物がHCFC-225caであるとき、反応生成物は、HFO-1234yf(CF2CF=CH2)を含む。反応生成物はまた、HFO-1234yfを得ることができる中間体であるHCFO-1224yd及びHCFC-235cb(CF3CF2CH2Cl)のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。HCFO-1224ydは、HFO-1234yfに直接変換することができる。HCFC-235cbは、後でHFO-1234yfに変換されるHCFO-1224ydに最初に変換することによって、HFO-1234yfに間接的に変換することができる。HCFC-235cbはまた、HFO-1234yfに直接変換することもできる。すなわち、HCFC-235cbの水素化反応生成物は、HFO-1234yfを含む。HCFC-235cbが反応化合物CF3CF2CHXCl(式中、Xは、H)であるとき、この直接変換が起こり得る。
【0010】
通常、反応化合物HCFC-225caは、HCFC-225aa(CF3CCl2CHF2)と混合されることとなり、これによって、HCFC-225aaは、接触及び反応工程においてHCFC-225caと共存することとなる。HCFC-225aaの水素化の結果、HFO-1234ze(CF3CH=CHF)の形成における中間体であるHCFO-1224xe(CF3CCl=CHF)、HCFC-235da(CF3CHClCHF2)、及びHCFC-245fa(CF3CH2CF2H)のうちの少なくとも1種を含む反応生成物が生じる。HCFC-225aaの水素化はまた、HFO-1234zeを直接形成することもできる。
【0011】
中間体がHCFO-1224xeであるとき、HFO-1234zeへの反応経路は、HFO-1234zeに変換することができるHCFC-244db(CF3CHClHCH2F)を最初に形成することであるが、1234zeは、1224xeから直接形成され得る。中間体がHCFC-235daであるとき、これは、HFO-1234zeに変換することができる。中間体がHCFC-245faであるとき、これは、HFO-1234zeに直接変換することができる。
【0012】
反応化合物がCFO-1214ya若しくは1224ydのいずれか1種又はこれらの混合物であるとき、反応生成物は、HFO-1234yfを含有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の水素化反応(水素化プロセス及び中間体プロセス)は、好ましくは、気相で、触媒的に効果的な量の触媒を入れた腐食耐性反応容器中、特定の反応に所望される反応結果をもたらすために効果的な温度及び圧力並びに接触時間で行われる。水素化反応は、好ましくは、大気圧、又は高圧、又は低圧で行われる。
【0014】
水素化プロセスにおけるそれぞれの水素化反応での水素化触媒は、Cu、Ru、Cu-Pd、Ni-Cu、又はNi-Pdから本質的になり、支持体(担体)を有する又は有しない。中間体プロセスにおける特定の水素化反応で使用される触媒は、水素化プロセスにおける水素化反応で使用される触媒とは異なることがあるが、これら同一の触媒は、好ましくは、中間体プロセスにおける水素化反応で使用される。触媒は、それぞれの水素化反応において支持体を含んでもよい。支持体が触媒の一部分として使用されるとき、Cu、Ru、Cu-Pd、Ni-Cu、又はNi-Pdは、金属の組み合わせも含めて、支持体上に金属を装荷するために使用される従来の方法で支持体上に装荷することができる。例えば、触媒は、Satterfield著、「Heterogeneous Catalysts in Industrial Practice」、2nd ed.(McGraw-Hill、New York、1991)、pp.87~112に概ね記載された通りに、支持体上へのCu、Ru、Cu-Pd、Ni-Cu、又はNi-Pdの析出法又は含浸法のいずれか1つによって調製することができる。支持体は、反応の所望の結果を得ることに積極的に関与しないならば、反応条件下で好ましくは不活性である。好ましい支持体は、炭素であり、炭素上に装荷される触媒に対するその支持機能を高めるために、炭素を処理してもよい。処理の一例は、炭素の酸洗浄である。
【0015】
触媒がCu-Pd又はNi-Pdであるとき、好ましくは、Pdは、Cu又はNiの重量と比較してより少量で存在している。例えば、触媒がCu-Pdであるとき、1つの実施形態における支持体上の装荷量は、Cuが0.1~20重量%であり、Pdが0.1~1.0重量%である。これらと同一の比率を、Ni-Pd触媒にも適用できる。触媒がNi-Cuであるとき、これら金属のモル比は、1:99~99:1の範囲に及んでもよい。1つの実施形態において、これら金属のモル比は、約1:1である。
【0016】
触媒の前述の説明は、水素化プロセスに包含されるそれぞれの水素化反応、及び、これら触媒が中間体プロセスにおいて使用されるときには、中間体プロセスのそれぞれの水素化反応に適用される。
【0017】
反応化合物HCFC-235cb、HCFC-225ca、HCFO-1224yd、及びCFO-1214yaはそれぞれ、様々な純度で市販されている又は既知の方法で調製することができる。一部の不純物は、所望のHFPプロペンに直接又は間接的に変換することができる中間体を形成する水素化反応に関与し得る。他の不純物は、反応によって影響を受けないこともある。
【0018】
化合物がCF3CF2CHXCl(式中、Xは、Cl)、すなわちHCFC-225caであるとき、上記の触媒存在下での水素化反応の反応生成物は、化合物CF3CF=CH2(HFO-1234yf)を含む。
【0019】
この反応生成物はまた、化合物CF3CF=CHCl(HCFO-1224yd)及びCF3CF2CH2Cl(HCFC-235cb)のうちの少なくとも1種を含んでもよい。
【0020】
化合物CF3CF=CHClが反応生成物中に存在するとき、この化合物は、例えば、上記のような触媒の存在下での水素化によって、化合物CF3CF=CH2に変換することができる。触媒は、反応生成物を形成するために使用される触媒と同一であってもよいし、異なっていてもよい。CF3CF=CH2を含む反応生成物への化合物CF3CF=CHClの水素化は、反応化合物がCF3CF=CXCl(式中、Xは、H)であるとき、事実上本発明の実施である。
【0021】
化合物CF3CF2CH2Clが反応生成物中に存在するとき、この化合物は、最初に化合物CF3CF=CHClを形成する前記化合物CF3CF2CH2Clの脱フッ化水素化、次いで前記化合物CF3CF=CHClの上記の触媒存在下での水素化によって、化合物CF3CF=CH2に変換することができる。別法として、化合物CF3CF2CH2Clは、上記の触媒存在下での水素化によってCF3CF=CH2に変換することができる。
【0022】
反応化合物がHCFC-225caを含むとき、この化合物は、通常、触媒存在下での前記接触及び反応において化合物CF3CCl2CHF2(HCFC-225aa)を伴うこととなり、それにより、反応生成物はまた、HCFC-225caの水素化の際にHCFC-225aaの水素化反応生成物として、化合物CF3CCl=CHF(HCFO-1224xe)、CF3CHClCHF2(HCFC-235da)、CF3CH2CF2H(HCFC-245fa)、及びCF3CH=CHF(HFO-1234ze)のうちの少なくとも1種を含むことになる。HCFO-1224xe及びHFC-245faは両方とも、CF3CH=CHF(HFO-1234ze)を形成する中間体である。反応生成物中にHFO-1234zeが存在することは、この化合物がHCFC-225aaの水素化から直接形成されたことを意味する。
【0023】
反応生成化合物がCF3CCl=CHF(HCFO-1224xe)であるとき、この化合物は、上記の触媒存在下で水素化され、化合物CF3CH=CHF(HFO-1234ze)及びCF3CHClCH2F(HCFC-244db)のうちの少なくとも1種を含む反応生成物を形成する。
【0024】
反応生成物が化合物CF3CHClCH2F(HCFC-244db)を含むとき、この化合物は、化合物CF3CHClCH2Fの脱塩化水素化によって化合物CF3CH=CHFを含む反応生成物に変換される。
【0025】
反応生成物が化合物CF3CHClCHF2(HCFC-235da)を含むとき、この化合物は、化合物CF3CH=CF2又はCF3CH=CHFを含む反応生成物に変換される。1つの実施形態において、HCFC-235daは、脱塩化水素化することができ、HFO-1225zc(CF3CH=CF2)を含む反応生成物を形成する。別の実施形態においては、HCFC-235daを、H2と反応させて、Cl及びFの両方を除去(脱ハロゲン化水素化)してHFO-1234zeを含む反応生成物を形成する。
【0026】
反応生成物が化合物CF3CH2CF2H(HCFC-245a)を含むとき、この化合物は、脱フッ化水素化することができ、CF3CH=CHF(HFO-1234ze)を含む反応生成物を形成する。
【0027】
反応化合物がCF3CF2CHXCl(式中、Xは、H)、すなわち(HCFC-235cb)であるとき、H2との反応生成物は、化合物CF3CF=CH2(HFO-1234yf)を含む。
【0028】
反応化合物がCF3CF=CXCl(式中、Xは、Cl)、又はCF3CF=CXCl(式中、Xは、H)、又はこれら反応化合物の混合物であるとき、上記の触媒存在下での水素化反応の反応生成物は、化合物CF3CF=CH2を含む。したがって、CFO-1214ya又はHCFO 1224ydは、もう一方を含まずに反応化合物となってもよく、又は、これら化合物は、反応化合物の混合物として存在してもよい。
【0029】
本発明にて用いる場合、用語「を含む/を包含する(comprises)」、「を含む/を包含する(comprising)」、「~を含む(includes)」、「を含む(including)」、「を有する(has)」、「を有する(having)」、又はこれらの任意の他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図する。例えば、列挙する要素を包含する、組成物、プロセス、方法、物品、若しくは装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではなく、明示的に列挙されない他の要素、又はそのような組成物若しくは、プロセス、方法、物品、若しくは装置などに内在する他の要素を含み得る。更に、逆の意味であることが明示されていない限り、「又は(or)」は、包括的な又はを示し、排他的な又はを示すものではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれかのものを満足する。Aは真であり(又は存在し)かつBは偽である(又は存在しない)、Aは偽であり(又は存在しないものであり)かつBは真である(又は存在する)、並びに、A及びBの両者が真である(又は存在する)。
【0030】
移行句「からなる(consisting of)」は、特定していない任意の要素、工程、又は構成成分を排除する。請求項における場合には、物質に通常付随する不純物を除き、このような句は列挙された物質以外の物質を含むことに対して請求項を限る。語句「からなる」がプリアンブルの直後ではなく請求項の本体部の節内で現れるとき、この語句はその節内に示される要素のみを制限するものであり、他の要素が特許請求の範囲全体から除外されるわけではない。
【0031】
移行句「から本質的になる」は、文字通り開示されているものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む、組成物、方法を定義するために使用されるが、ただし、これらの追加的に含まれる材料、工程、特徴、成分、又は要素は、請求される発明の基本的及び新規の特徴(複数可)、特に本発明の任意のプロセスの所望の結果を達成するための行動様式に実質的に影響を及ぼす。用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、「を含む/を包含する(comprising)」と「からなる(consisting of)」との間の中間の立場を占める。
【0032】
出願人らが、発明又はその一部分を、「含む」などの非限定的な用語で定義していた場合、(特に明記しない限り)その記載は、用語「から本質的になる」又は「からなる」を用いる発明も含むと解釈すべきであることは容易に理解されるはずである。
【0033】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載される要素及び成分を説明するために採用される。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるためになされる。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むものと解釈されるべきであり、単数形は、別の意味を有することが明白でない限り、複数形も含む。
【実施例
【0034】
本明細書に記述される概念について以下の実施例で更に説明するが、これは、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0035】
実施例1-225caの1234y、1224yd、及び235cbへの水素化
10ccの10% Cu/Cを1.3cm(1/2インチ)のハステロイ(登録商標)C227反応容器に入れる。触媒は、250℃でH2を用いて4時間還元する。次いで、HCFC-225ca(HCFC-225ca反応混合物のGC分析は、表1にある)を、3.11sccmでH2(10.5sccm)と共に325℃及び350℃で大気圧で送り込む。反応容器からの反応生成物気流は、GC及びGC-MSによって分析される。水素化反応の結果を、表2に示す。HFO-1234yf、HCFO-1224yd、及びHCFC-235cbは、本反応で生成された反応生成物である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
実施例2-HCFC-225caの水素化、Cu-Pd触媒
10ccの0.5%Pd-8.5% % Cu/Cを1.3cm(1/2インチ)のハステロイ(登録商標)C227反応容器に入れる。触媒は、400℃でH2を用いて4時間還元する。次いで、225ca/cb混合物(HCFC-225ca反応混合物のGC分析は、表1にある)を、3.11sccmでH2(10.5sccm)と共に125、140、及び160℃で大気圧で送り込む。反応容器からの気流は、GC及びGC-MSによって分析される。試験結果を、表3に示す。HFO-1234yf、CFO-1224yd、及びHCFC-235cbは、本反応で生成される。
【0039】
【表3】
【0040】
この実施例は、225ca及び1224ydの1234yfへの変換を示し、この実施例において、1224ydは、1234yfを形成する中間体である。
【0041】
実施例3-HCFC-235cbのHFO-1234yfへの水素化
10ccの10% Cu/Cを1.3cm(1/2インチ)のハステロイ(登録商標)C227反応容器に入れる。触媒は、250℃でH2を用いて4時間還元する。次いで、235cbを3.5sccmでH2(6sccm)と共に325C及び350Cで大気圧で送り込んだ。反応容器からの気流は、GC及びGC-MSによって分析される。試験結果を、表4に示す。235cbは、88~90%の選択性で1234yfに変換される。
【0042】
【表4】
【0043】
実施例4-225caの1234y、1224yd、及び235cbへの水素化、Ni-Cu触媒
10ccのJohnson Matthey CP447 Ni-Cu/Cを1.3cm(1/2インチ)のハステロイ(登録商標)C227反応容器に入れる。触媒は、400℃でH2を用いて4時間還元する。次いで、225ca(混合物のGC分析は、表5にある)を、3.11sccmでH2(11sccm)と共に225、250、275、及び300Cで大気圧で送り込む。反応容器からの気流は、GC及びGC-MSによって分析される。試験結果を、表6に示す。1234yf、1224yd、及び235cbは、本反応で生成される。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
実施例5-1214yaの1234y及び1224ydへの水素化、Ni-Cu触媒
10ccのJohnson Matthey CP447 Ni-Cu/Cを1.3cm(1/2インチ)のハステロイ(登録商標)C227反応容器に入れる。触媒は、400℃でH2を用いて4時間還元する。次いで、1214yaを、3.11sccmでH2(11sccm)と共に225、250、275、及び300℃で大気圧で送り込む。反応容器からの気流は、GC及びGC-MSによって分析される。1234yf及び1224ydは、表7に示すように、本反応において生成する。
【0047】
【表7】
【0048】
実施例6-1214yaの1234yf及び1224ydへの水素化、Pd-Cu触媒 10ccの0.5%Pd-8.5% % Cu/Cを1.3cm(1/2インチ)のハステロイ(登録商標)C227反応容器に入れる。触媒は、400℃でH2を用いて4時間還元する。次いで、1214yaを、3.11sccmでH2(10.5sccm)と共に125、140、及び160℃で大気圧で送り込む。反応容器からの気流は、GC及びGC-MSによって分析される。1234yf及び1224ydは、表8に示すように生成する。
【0049】
【表8】