(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20240227BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20240227BHJP
【FI】
H04W56/00 110
H04W16/32
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023046135
(22)【出願日】2023-03-23
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0036726
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516157382
【氏名又は名称】イノワイアレス カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】クワク,ヨン ス
(72)【発明者】
【氏名】ジ,スン ファン
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2654258(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2021/0037167(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の多重同期ソースを利用する2以上の互いに異なる移動通信スモールセルが一つのシステムをなす多重スモールセルシステムの多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムにおいて、
所定周波数のシステムクロック信号を提供する発振器と、
多重同期ソースを総括的に管理し、システムクロックを使って同期されたPPSを各同期ソース別PPSと比較した結果により前記同期されたPPSを決定した後、システムクロックと共に各スモールセルに提供する同期管理モジュールと、
を含んでなる、多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム。
【請求項2】
多重同期ソースは、GNSSモジュールから提供された同期信号(GNSSPPS)、イーサネット(登録商標)PHYモジュールから提供された同期信号(PTP/SyncE)、およびGPON SFPトランシーバから提供された同期信号(GPONPPS)のうち2以上からなることを特徴とする、請求項1に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム。
【請求項3】
多重同期ソースは、NL技術を通じて各スモールセルの隣接基地局を通じて提供された同期信号(NLPPS)であることを特徴とする、請求項2に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム。
【請求項4】
同期管理モジュールは、
各同期ソースを、システムクロックを通じて同期されたPPSと比較して同期誤差を計算する同期誤差計算部と、
同期誤差計算部によって計算された各同期ソースに対する同期誤差および各同期ソースから提供された品質状態情報によって同期信頼度を計算する同期信頼度計算部と、
各同期ソースに対する加重値を設定する加重値設定部と、
同期信頼度計算部によって計算された各同期ソースの同期信頼度を加重値設定部により設定された各同期ソースの加重値と乗算した結果により同期されたPPSを決定する同期決定部と、
同期決定部により決定された同期されたPPSおよびシステムクロックを各スモールセルに提供する同期提供部と、
を含んでなることを特徴とする、請求項3に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム。
【請求項5】
同期決定部は、最大の乗算結果を有する一つの同期ソースを同期されたPPSと決定するか、各乗算結果を取りまとめて生成された同期ソースを同期されたPPSと決定することを特徴とする、請求項4に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム。
【請求項6】
各スモールセルの動作監視、同期維持、ファームウェアアップデートおよびネットワークスイッチングを含んだ通信および制御機能を実行するNPU(Network Processor Unit)をさらに備えることを特徴とする、請求項5に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム。
【請求項7】
同期提供部は、現在の同期状態に対する同期誤差情報および同期信頼度情報をNPUに提供することを特徴とする、請求項6に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム。
【請求項8】
多重スモールセルシステムは、LTEスモールセルと5G NRスモールセル、または、5G NRのSub-6GHzスモールセルとミリメートル波(mmWave)スモールセルで構成されたことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム。
【請求項9】
2以上の多重同期ソースを利用する2以上の互いに異なる移動通信スモールセルが一つのシステムをなす多重スモールセル同期システムに備えられて多重同期ソースを総括的に管理する同期管理モジュールによって実行され、
2以上の同期ソースから各同期ソース別PPSおよび品質状態情報を獲得する(a)段階と、
各同期ソース別PPSを、システムクロックを通じて同期されたPPSと比較して同期誤差を計算する(b)段階と、
各同期ソース別同期誤差と品質状態に基づいて各同期ソース別同期信頼度を計算する(c)段階と、
各同期ソース別同期信頼度と各同期ソース別に付与された加重値を乗算した結果により同期されたPPSを決定した後、決定された同期されたPPSとシステムクロックを各スモールセルに提供する(d)段階と、
を含んでなる、多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム制御方法。
【請求項10】
多重同期ソースは、GNSSモジュールから提供された同期信号(GNSSPPS)、イーサネット(登録商標)PHYモジュールから提供された同期信号(PTP/SyncE)、およびGPON SFPトランシーバから提供された同期信号(GPONPPS)のうち2以上からなることを特徴とする、請求項9に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム制御方法。
【請求項11】
多重同期ソースは、NL技術を通じて各スモールセルの隣接基地局を通じて提供された同期信号(NLPPS)であることを特徴とする、請求項10に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム制御方法。
【請求項12】
(d)段階での同期されたPPSは、最大の乗算結果を有する一つの同期ソースに決定されるか、各乗算結果を取りまとめて生成された同期ソースに決定されることを特徴とする、請求項11に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム制御方法。
【請求項13】
現在の同期状態に対する同期誤差および同期信頼度情報を、NPUを通じて管理サーバーに伝達する段階をさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム制御方法。
【請求項14】
多重スモールセルシステムは、LTEスモールセルと5G NRスモールセル、または、5G NRのSub-6GHzスモールセルとミリメートル波(mmWave)スモールセルで構成されたことを特徴とする、請求項9~請求項13のいずれか一項に記載の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムに関し、特に2以上の互いに異なる移動通信スモールセルが、一つのシステムで構成された多重スモールセルシステムで複数の同期ソースをすべて活用して最大限の性能と安定性を獲得できるようにした、多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広く知られている通り、スモールセル(Small Cell)は、端末機を基地局に近く位置させて運用範囲(セルの大きさ)を減らすことによって、通信品質の低下および陰影地域の発生などの問題点を解決するための小型基地局であって、端末機が基地局と近く位置することになって端末機の電力消耗を減らすことができ、設置費と維持保守費用が既存の基地局に比べて少なくかかる長所を有する。使用範囲および用途によりメトロセル(metro cell)、マイクロセル(micro cell)、ピコセル(pico cell)、フェムトセル(femto cell)に分類され得、設置地域およびサービスの目的により家庭(home)、企業(enterprise)およびホットスポット(hotspot)等に分類され得る。
【0003】
5G NRが導入されTDD(Time Division Duplex)の方式の使用が普遍化されたことにより、スモールセル(Small Cell)間またはスモールセルと基地局間のタイミングおよび周波数同期の重要性が高くなりつつある。
【0004】
例えば、クリティカルIoT(Critical IoT)や産業自動化IoTサービス(industrial automation IoT services)などの既存の有線/非標準無線技術で支援されていたアプリケーションの支援が要求されるなど、多様化した利用ケースにより各技術別に要求される同期特性が異なり得、これに伴いRAN(Radio Access Network)は多様な形態の利用ケースを組み合わせたサービスを支援し、時間資源の精密度、可用性および費用に対するバランスの最適化を図る必要がある。また、TDD方式を使用する際に、干渉防止のために両スモールセル間の時間および位相整列(time and phase alignment)が絶対に要求される。
【0005】
一方、タイミングおよび周波数同期は、GPSなどのようなGNSS(Global Navigation Satellite System)、ネットワーク(PTPなど)、NL(Network Listening:他基地局信号の受信によるもの)等の多くの同期ソースによって獲得され得るが、スモールセルで使用可能な同期方式によって該当スモールセルが設置され得る位置や場合が決定されるので、多様な同期方式の支援と高い同期性能が可能であれば、スモールセルの使用範囲と台数が増えて市場拡大に役に立つ。
【0006】
特に、LTEと5G NRまたは5G NRのSub-6GHzとミリメートル波(mmWave)スモールセルが一つのシステムで構成される場合には、各スモールセルソリューションで提供可能な同期方式の種類と性能が異なり得、各スモールセル間の同期ソースの共有が不可能な場合、効率的な同期獲得が難しくなり得る。
【0007】
図1は、従来の4G LTEおよび5G NR(New Radio)を同時に支援するスモールセル同期システムのブロック構成図である。
図1に図示した通り、従来の4G LTEおよび5G NR(New Radio)を同時に支援するスモールセル同期システムは、例えば、それぞれワンチップの形態で実現されてLTE移動通信サービスおよび5G NR移動通信サービスを支援するLTEスモールセル100、および、5G NRスモールセル200に独立的に所定の周波数、例えば38.4MHzのシステムクロック信号を提供する発振器、好ましくはVCTCXO(Voltage Controlled Temperature Compensated Crystal Oscillator)310、320、該当アンテナポートを通じて外部のGNSSシステム、例えばGPSシステムからGPSデータ、すなわちGPS時間情報および座標情報を受信した後、これをLTEスモールセル100および5G NRスモールセル200に分配するRF分配器330、GPON(Gigabit Passive Optical Network)ポートを具備してGPONPPS(Pulse Per Second)信号を受信するGPON SFPトランシーバ(Small Form-factor Pluggable)340、イーサネット(登録商標)ポートを通じてPTP(Precise Time Protocol)サーバーと通信して同期信号、すなわちPTPパケットおよび同期用クロック信号(SyncE)を受信してLTEスモールセル100および5G NRスモールセル200に提供するイーサネット(登録商標)PHYモジュール350、NL(Network Listening)技術を通じて隣接基地局の同期信号を受信してLTEスモールセル100と5G NRスモールセル200にそれぞれ提供するLTE RFトランシーバ370と5G NRトランシーバ380および多重スモールセルシステムに必要な各種機能、例えば各スモールセルの動作監視、同期維持、ファームウェアアップデートおよびネットワークスイッチングなどの通信および制御機能などを実行するNPU(Network Processor Unit)360を含んでなる。
【0008】
前述した構成を有する従来の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムによると、4G LTEスモールセルと5G NRスモールセル、または、5G NRのSub-6GHzスモールセルとミリメートル波(mmWave)スモールセルで一つの基地局システムを構成する場合にも、それぞれの同期ソースによって各スモールセル別に同期が動作するが、各スモールセル別に支援する同期方式が同一でない場合には各スモールセル別に使用されるか使用可能な同期ソースが変わり得、これに伴い、一つのシステムにも各スモールセル別に同期性能や状態が変わり得る。
【0009】
また、GNSSのように一つのアンテナを使って1PPS同期信号を獲得する場合に、一つのアンテナ入力をRF分配器を通じて多くのスモールセルに分配しなければならないので、損失(loss)により受信性能が低下し得る。
【0010】
LTE NLによる同期をLTEスモールセルに使用することができても、5G NRスモールセルでは使用することができず、その反対の場合にも同様である。また、外部PPSなどの追加的な同期ソースを支援するように改善するのに困難が伴われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】韓国公開特許公報第10-2021-0008468号(発明の名称:クロック同期化を遂行する通信ノードおよび通信システム)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたもので、2以上の互いに異なる移動通信スモールセルが一つのシステムで構成された多重スモールセルシステムで複数の同期ソースをすべて活用して最大限の性能と安定性を獲得できるようにした、多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するための本発明は、2以上の多重同期ソースを利用する2以上の互いに異なる移動通信スモールセルが一つのシステムをなす多重スモールセルシステムの多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムにおいて、所定周波数のシステムクロック信号を提供する発振器および多重同期ソースを総括的に管理し、システムクロックを使って同期されたPPSを各同期ソース別PPSと比較した結果により前記同期されたPPSを決定した後、システムクロックと共に各スモールセルに提供する同期管理モジュールを含んでなる。
【0014】
前述した構成において、多重同期ソースは、GNSSモジュールから提供された同期信号(GNSSPPS)、イーサネット(登録商標)PHYモジュールから提供された同期信号(PTP/SyncE)およびGPON SFPトランシーバから提供された同期信号(GPONPPS)のうち2以上からなる。
【0015】
多重同期ソースは、NL技術を通じて各スモールセルの隣接基地局を通じて提供された同期信号(NLPPS)である。
【0016】
同期管理モジュールは、各同期ソースを、システムクロックを通じて同期されたPPSと比較して同期誤差を計算する同期誤差計算部と、同期誤差計算部によって計算された各同期ソースに対する同期誤差および各同期ソースから提供された品質状態情報によって同期信頼度を計算する同期信頼度計算部と、各同期ソースに対する加重値を設定する加重値設定部と、同期信頼度計算部によって計算された各同期ソースの同期信頼度を加重値設定部により設定された各同期ソースの加重値と乗算した結果により同期されたPPSを決定する同期決定部と、同期決定部により決定された同期されたPPSおよびシステムクロックを各スモールセルに提供する同期提供部と、を含んでなる。
【0017】
同期決定部は、最大の乗算結果を有する一つの同期ソースを同期されたPPSと決定するか、各乗算結果を取りまとめて生成された同期ソースを同期されたPPSと決定する。
【0018】
各スモールセルの動作監視、同期維持、ファームウェアアップデートおよびネットワークスイッチングを含んだ通信および制御機能を実行するNPU(Network Processor Unit)をさらに備える。
【0019】
同期提供部は、現在の同期状態に対する同期誤差情報および同期信頼度情報をNPUに提供する。
【0020】
多重スモールセルシステムは、LTEスモールセルと5G NRスモールセル、または、5G NRのSub-6GHzスモールセルとミリメートル波(mmWave)スモールセルで構成される。
【0021】
本発明の他の特徴は、2以上の多重同期ソースを利用する2以上の互いに異なる移動通信スモールセルが一つのシステムをなす多重スモールセル同期システムに備えられて多重同期ソースを総括的に管理する同期管理モジュールによって実行され、2以上の同期ソースから各同期ソース別PPSおよび品質状態情報を獲得する(a)段階と、各同期ソース別PPSを、システムクロックを通じて同期されたPPSと比較して同期誤差を計算する(b)段階と、各同期ソース別同期誤差と品質状態に基づいて各同期ソース別同期信頼度を計算する(c)段階と、各同期ソース別同期信頼度と各同期ソース別に付与された加重値を乗算した結果により同期されたPPSを決定した後、決定された同期されたPPSとシステムクロックを各スモールセルに提供する(d)段階と、を含んでなる、多重同期ソースを利用したスモールセル同期システム制御方法である。
【0022】
前述した構成において、多重同期ソースは、GNSSモジュールから提供された同期信号(GNSSPPS)、イーサネット(登録商標)PHYモジュールから提供された同期信号(PTP/SyncE)およびGPON SFPトランシーバから提供された同期信号(GPONPPS)のうち2以上からなる。
【0023】
多重同期ソースは、NL技術を通じて各スモールセルの隣接基地局を通じて提供された同期信号(NLPPS)である。
【0024】
(d)段階での同期されたPPSは、最大の乗算結果を有する一つの同期ソースに決定されるか、各乗算結果を取りまとめて生成された同期ソースに決定される。
【0025】
現在の同期状態に対する同期誤差および同期信頼度情報を、NPUを通じて管理サーバーに伝達する段階をさらに備える。
【0026】
多重スモールセルシステムは、LTEスモールセルと5G NRスモールセルまたは5G NRのSub-6GHzスモールセルとミリメートル波(mmWave)スモールセルで構成される。
【発明の効果】
【0027】
本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムおよびその制御方法によると、2以上のスモールセルで一つのシステムを構成しながら多重同期ソースを使う場合、すべてのスモールセルと同等な性能と状態の同期を提供することができ、すべての多重同期ソースを支援することができるため、各スモールセル別に支援する同期方式が同一でない場合であっても同期獲得が可能である。
【0028】
また、多くのスモールセルに同じ性能の同期化されたシステムクロックを提供できるだけでなく、単一のVCTCXOを使って同期を獲得するため、高性能のVCTCXO使用時に同期およびホールドオーバー(holdover)性能の改善が容易であり、費用を節減することができる。
【0029】
また、外部PPSなどの追加同期ソースを支援するように改善することが容易であり、LTE NLによる同期をLTEスモールセルと5G NRスモールセルですべて使用することができ、その反対の場合も可能である。
【0030】
また、GNSSのように、一つのアンテナを使って同期を獲得する場合に一つのアンテナ入力を多くのスモールセルに分配しないため、分配損失による受信性能の低下が発生しない。
【0031】
このように、2以上のスモールセルが多重同期ソースをすべて活用できるため同期安定性が増加し、その結果、スモールセルを設置できる場所や条件の選定に有利であり得る。
【0032】
また、同期モジュールのアルゴリズムによって多重同期ソースすべてを活用するアルゴリズムを適用して、同期およびホールドオーバー性能を改善することができ、ハードウェアやチップセットおよびこれによる機能構成が制約されるスモールセルではない独立的な同期モジュールを使うため、同期モジュールにAIなどの発展したアルゴリズムを採用することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】従来の4G LTEおよび5G NRを同時に支援するスモールセル同期システムのブロック構成図である。
【
図2】本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムのブロック構成図である。
【
図3】本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムで同期管理モジュールの機能ブロック図である。
【
図4】本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期制御方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書で使われる用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。以上の説明で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」等は、明細書作成の容易さのみを考慮して付与したものであって、それ自体に互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0035】
本明細書に記載された「~部」、「~器」、「~子」、「~モジュール」等の用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、プロセッサ(Processor)、マイクロプロセッサ(Micro Processor)、マイクロコントローラ(Micro Controller)、CPU(central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerate Processor Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのようなハードウェアやソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの結合で実現され得、少なくとも一つの機能や動作の処理に必要なデータを保存するメモリ(memory)と結合される形態で実現されてもよい。
【0036】
或る構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる、又は、「接続されて」いると言及した時には、その他の構成要素に直接的に連結されるかまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、或る構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及した時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0037】
単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数を意味する。
【0038】
本出願で「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0039】
また、「または」という用語は、排他的論理和(exclusive OR)よりは包含的論理和(inclusive OR)を意味する。
【0040】
以下では、添付した図面を参照して本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムおよびその制御方法の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0041】
図2は、本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムのブロック構成図である。多重同期ソースを総括的に管理する同期管理モジュール400の制御下で多重スモールセル、例えばそれぞれワンチップの形態で実現されてLTE移動通信サービスおよび5G NR移動通信サービスを支援するLTEスモールセル100および5G NRスモールセル200に提供される同期が決定される。
【0042】
図2に図示した通り、本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムは、同期管理モジュール400に所定周波数、例えば38.4MHzのシステムクロック信号を提供する発振器、好ましくはVCTCXO(Voltage Controlled Temperature Compensated Crystal Oscillator)310、該当アンテナポートを通じて外部のGNSSシステム、例えばGPSシステムからGPSデータ、すなわちGPS時間情報および座標情報を受信して同期管理モジュール400に提供するGNSSモジュール390、GPONポートを通じてGPONPPS信号を受信して同期管理モジュール400に提供するGPON SFPトランシーバ340、イーサネット(登録商標)ポートを通じてPTPサーバーと通信して同期信号、すなわちPTPパケットおよび同期用クロック信号(SyncE)を受信して同期管理モジュール400に提供するイーサネット(登録商標)PHYモジュール350、NL(Network Listening)技術を通じて隣接基地局の同期信号を受信してLTEスモールセル100と5G NRスモールセル200にそれぞれ提供するLTE RFトランシーバ370と5G NRトランシーバ380と、多重スモールセルシステムに必要な各種機能、例えば各スモールセルの動作監視、同期維持、ファームウェアアップデートおよびネットワークスイッチングなどの通信および制御機能などを遂行するNPU(Network Processor Unit)360を含んでなる。
【0043】
図3は、本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムにおける同期管理モジュールの機能ブロック図である。
図3に図示した通り、本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムで同期管理モジュール400は、多重同期ソース、例えばGNSSモジュール390から提供された同期信号(GNSSPPS)、イーサネット(登録商標)PHYモジュール350から提供された同期信号(PTP/SyncE)、GPON SFPトランシーバ340から提供された同期信号(GPONPPS)、LTEスモールセル100から提供された同期信号(LTE NLPPS)および5G NRスモールセル200から提供された同期信号(5G NRPPS)を後述するシステムクロック信号を通じて同期されたPPSと比較して同期誤差を計算する同期誤差計算部と、同期誤差計算部によって計算された各同期ソースに対する同期誤差および各同期ソースから提供された品質状態情報によって同期信頼度を計算する同期信頼度計算部と、各同期ソースに対する加重値を設定する加重値設定部と、同期信頼度計算部によって計算された各同期ソースの同期信頼度を加重値設定部により設定された各同期ソースの加重値と乗算した結果によりいずれか一つの同期ソースを同期されたPPSと決定するか、各乗算結果を取りまとめて生成された同期ソースを同期されたPPSと決定し、多重同期ソースに対する総合誤差および総合信頼度を提供する同期決定部と、同期決定部により決定された同期されたPPSおよびシステムクロックをLTEスモールセル100および5G NRスモールセル200に提供すると共に、現在同期状態に対する同期誤差情報および同期信頼度情報をNPU360に提供する同期提供部と、を含んでなり得る。
【0044】
一方、NPU360は、以後、同期提供部から提供された現在同期状態に対する同期誤差情報および同期信頼度情報を外部の管理サーバーに伝達することによって必要な措置を取るようにする。
【0045】
図4は、本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期制御方法を説明するためのフローチャートであり、同期管理モジュールを主体として予め定められた周期で実行され得る。
【0046】
図4に図示した通り、本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期制御方法によると、まず段階S10では、前記の通り、2以上の同期ソースから各同期ソース別PPSおよび品質状態情報を獲得し、また段階S20では、各同期ソース別PPSをシステムクロック、例えばVCTCXOから提供された38.4MHzのシステムクロック信号を通じて同期されたPPSと比較して同期誤差を計算する。
【0047】
次に、段階S30では、各同期ソース別同期誤差と品質状態に基づいて、各同期ソース別同期信頼度を計算する。段階S40では、各同期ソース別同期信頼度と各同期ソース別に付与された加重値を乗算した結果により、同期されたPPSを決定する。ここで、同期されたPPSは、最大の乗算結果を有する一つの同期ソースと決定されるか、各乗算結果を取りまとめて生成された同期ソースと決定され得る。
【0048】
次に、段階S50では、このように決定された同期されたPPSとシステムクロックを各スモールセルに提供する。
【0049】
最後に、段階S60では、現在同期状態に対する同期誤差および同期信頼度情報をNPUを通じて管理サーバーに伝達する。
【0050】
以上、添付した図面を参照して本発明の多重同期ソースを利用したスモールセル同期システムおよびその制御方法の好ましい実施例について詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、本発明の技術的思想の範疇内で多様な変形と変更が可能であろう。したがって、本発明の権利範囲は以下の請求の範囲の記載によって定められるべきである。