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特許7443596宿泊施設用システム、及び、宿泊施設用受付装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】宿泊施設用システム、及び、宿泊施設用受付装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240227BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06K19/07
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023077064
(22)【出願日】2023-05-09
【審査請求日】2023-05-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000222624
【氏名又は名称】株式会社アルメックス
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 裕弘
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-166919(JP,A)
【文献】国際公開第2020/157823(WO,A1)
【文献】特開2023-000927(JP,A)
【文献】特開2021-143513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0125111(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06K 19/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して、宿泊施設の予約情報を検索する検索処理と、
検索処理で検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
検索処理は、読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報と、記憶部に記憶され、読み取られたマイナンバーカード情報に対応する検索補助情報に基づいて、宿泊施設の予約情報を検索する
宿泊施設用システム。
【請求項2】
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して、宿泊施設の予約情報を検索する検索処理と、
検索処理で検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
読取り処理で読み取られるマイナンバーカード情報には、顔写真情報を含み、
受付装置の前に位置するユーザを撮像する撮像処理と、
撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報に基づき、顔認証を行う顔認証処理と、
顔認証処理の結果に基づいて記録を行う認証結果記録処理と、を実行し、
チェックイン処理は、顔認証処理の結果に関わらず、ルームキーの発行を行う
宿泊施設用システム。
【請求項3】
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して、宿泊施設の予約情報を検索する検索処理と、
検索処理で検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
読取り処理で読み取られるマイナンバーカード情報には、顔写真情報を含み、
ユーザが選択操作を行うことで、
受付装置の前に位置するユーザを撮像する撮像処理と、
撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報に基づき、顔認証を行う顔認証処理と、
顔認証処理の結果に基づいて記録を行う認証結果記録処理と、を実行する
宿泊施設用システム。
【請求項4】
検索処理において、読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報に基づいて、宿泊施設の予約情報が検索できない場合、ユーザに対して検索補助情報を入力させる検索補助情報入力処理を実行し、
検索処理は、読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報と、検索補助情報入力処理で入力された検索補助情報に基づいて、宿泊施設の予約情報を検索し、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報と、検索補助情報入力処理で入力された検索補助情報に基づいて、宿泊施設の予約情報ができた場合、入力された検索補助情報を、マイナンバーカード情報の少なくとも一部、もしくは、マイナンバーカード情報の少なくとも一部で形成された情報に対応付けて登録する登録処理を実行する
請求項1に記載の宿泊施設用システム。
【請求項5】
認証結果記録処理は、認証できた場合、認証できた旨を示す識別情報を記録する
請求項2または請求項3に記載の宿泊施設用システム。
【請求項6】
認証結果記録処理は、認証できなかった場合、撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報の少なくとも一方を記録する
請求項2または請求項3に記載の宿泊施設用システム。
【請求項7】
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報の少なくとも一部を使用して、予約情報に対応する宿帳情報を記録する宿帳記録処理を実行する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の宿泊施設用システム。
【請求項8】
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
宿泊施設の予約情報の検索は、読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報と、記憶部に記憶され、読み取られたマイナンバーカード情報に対応する検索補助情報に基づいて行われる
宿泊施設用受付装置。
【請求項9】
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
読取り処理で読み取られるマイナンバーカード情報には、顔写真情報を含み、
受付装置の前に位置するユーザを撮像する撮像処理と、
撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報に基づき、顔認証を行う顔認証処理と、
顔認証処理の結果に基づいて記録を行う認証結果記録処理と、を実行し、
チェックイン処理は、顔認証処理の結果に関わらず、ルームキーの発行を行う
宿泊施設用受付装置。
【請求項10】
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
読取り処理で読み取られるマイナンバーカード情報には、顔写真情報を含み、
ユーザが選択操作を行うことで、
受付装置の前に位置するユーザを撮像する撮像処理と、
撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報に基づき、顔認証を行う顔認証処理と、
顔認証処理の結果に基づいて記録を行う認証結果記録処理と、を実行する
宿泊施設用受付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホテル、旅館等の各種宿泊施設にチェックインするための宿泊施設用システム、及び、宿泊施設用受付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホテルや旅館等の各種宿泊施設では、来店した宿泊者は、所定の手続きからなるチェックインを行うことで、滞在する部屋の鍵が渡され、その使用が許可される。宿泊施設におけるチェックインでは、従来、宿泊者による紙を使用した宿泊台帳の記帳(記入)が行われていた。特許文献1には、宿泊施設においてチェックインを行うチェックインカウンターが開示されている。特許文献1に開示されるチェックインカウンターでは、メンバーズカード、二次元コード、氏名(カナ)と電話番号の何れかを使用して、予約に関する情報を取得してチェックインを行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-235540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示されるチェックインカウンターでは、メンバーズカード、二次元コード、氏名と電話番号を使用して予約に関する情報を取得し、チェックインを行うものであるが、メンバーズカードは予め作成しておく必要があること、二次元コードは予め用意しておく必要があること、氏名と電話番号はソフトキーボードを使用して入力する手間が必要となること等、必ずしも迅速にチェックインを行うためには十分なものとはいえない。
【0005】
ホテルや旅館等の宿泊施設では、宿泊者のチェックインにかかる時間を短縮することが、ロビーなどでの混雑を図るため重要である。また、宿泊者にとっても容易にチェックインできることは、ビジネスや旅行で疲れた体を癒すには好ましい。このように、チェックイン容易化、短時間化を図ることは、宿泊施設のサービス面の大きな要素である。本発明は、宿泊施設で行われるチェックインについて、容易かつ短時間で行うことを1つの課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、第1-1の構成(1)に係る宿泊施設用システムは、
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して、宿泊施設の予約情報を検索する検索処理と、
検索処理で検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
検索処理は、読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報と、記憶部に記憶され、読み取られたマイナンバーカード情報に対応する検索補助情報に基づいて、宿泊施設の予約情報を検索する。
また、第1-1(2)の構成に係る宿泊施設用システムは、
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して、宿泊施設の予約情報を検索する検索処理と、
検索処理で検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
読取り処理で読み取られるマイナンバーカード情報には、顔写真情報を含み、
受付装置の前に位置するユーザを撮像する撮像処理と、
撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報に基づき、顔認証を行う顔認証処理と、
顔認証処理の結果に基づいて記録を行う認証結果記録処理と、を実行し、
チェックイン処理は、顔認証処理の結果に関わらず、ルームキーの発行を行う。
また、第1-1(3)の構成に係る宿泊施設用システムは、
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
読取り処理で読み取られるマイナンバーカード情報には、顔写真情報を含み、
ユーザが選択操作を行うことで、
受付装置の前に位置するユーザを撮像する撮像処理と、
撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報に基づき、顔認証を行う顔認証処理と、
顔認証処理の結果に基づいて記録を行う認証結果記録処理と、を実行する。
【0008】
さらに、第1-の構成に係る宿泊施設用システムは、
検索処理において、読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報に基づいて、宿泊施設の予約情報が検索できない場合、ユーザに対して検索補助情報を入力させる検索補助情報入力処理を実行し、
検索処理は、読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報と、検索補助情報入力処理で入力された検索補助情報に基づいて、宿泊施設の予約情報を検索し、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報と、検索補助情報入力処理で入力された検索補助情報に基づいて、宿泊施設の予約情報ができた場合、入力された検索補助情報を、マイナンバーカード情報の少なくとも一部、もしくは、マイナンガーカード情報の少なくとも一部で形成された情報に対応付けて登録する登録処理を実行する。
【0011】
さらに、第1-6の構成に係る宿泊施設用システムにおいて、
認証結果記録処理は、認証できた場合、認証できた旨を示す識別情報を記録する。
【0012】
さらに、第1-7の構成に係る宿泊施設用システムにおいて、
認証結果記録処理は、認証できなかった場合、撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報の少なくとも一方を記録する。
【0013】
さらに、第1-8の構成に係る宿泊施設用システムは、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報の少なくとも一部を使用して、予約情報に対応する宿帳情報を記録する宿帳記録処理を実行する。
【0014】
また、第1-9の構成(1)に係る宿泊施設用受付装置は、
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
宿泊施設の予約情報の検索は、読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報と、記憶部に記憶され、読み取られたマイナンバーカード情報に対応する検索補助情報に基づいて行われる。
また、第1-9の構成(2)に係る宿泊施設用受付装置は、
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
読取り処理で読み取られるマイナンバーカード情報には、顔写真情報を含み、
受付装置の前に位置するユーザを撮像する撮像処理と、
撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報に基づき、顔認証を行う顔認証処理と、
顔認証処理の結果に基づいて記録を行う認証結果記録処理と、を実行し、
チェックイン処理は、顔認証処理の結果に関わらず、ルームキーの発行を行う。
また、第1-9の構成(3)に係る宿泊施設用受付装置は、
マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して検索された予約情報に基づき、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行し、
読取り処理で読み取られるマイナンバーカード情報には、顔写真情報を含み、
ユーザが選択操作を行うことで、
受付装置の前に位置するユーザを撮像する撮像処理と、
撮像処理で撮像された撮像情報と、読取り処理で読み取られた顔写真情報に基づき、顔認証を行う顔認証処理と、
顔認証処理の結果に基づいて記録を行う認証結果記録処理と、を実行する。
【0015】
本明細書では、以下に記載する第2の構成についても言及するものである。第2-1の構成に係る宿泊施設用システムは、
マイナンバーカードの情報を読み取る読取り処理と、
宿泊施設の予約情報を検索する検索処理と、
検索処理で検索された予約情報に基づく表示を行う表示処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカードの情報の少なくとも一部を使用して、予約情報に対応する宿帳情報を記録する宿帳記録処理と、を実行する。
【0016】
また、第2-2の構成に係る宿泊施設用受付装置は、
マイナンバーカードの情報を読み取る読取り処理と、
宿泊施設の予約情報を検索する検索処理と、
検索処理で検索された予約情報に基づく表示を行う表示処理と、
読取り処理で読み取られたマイナンバーカードの情報の少なくとも一部を使用して、予約情報に対応する宿帳情報を記録する宿帳記録処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0017】
第1の構成に係る宿泊施設用システム、宿泊施設用受付装置によれば、マイナンバーカード情報を使用してチェックインを行うことが可能となり、宿泊者はマイナンバーカード(あるいは、マイナンバーカード情報を記録した携帯端末)を読み取らせることで容易にチェックインを行うことが可能となる。したがって、宿泊施設で行われるチェックインの容易化、短時間化を図ることが可能となる。
【0018】
第2の構成に係る宿泊施設用システム、宿泊施設用受付装置によれば、マイナンバーカード情報を使用して宿帳情報を作成することが可能となり、宿泊者はマイナンバーカード(あるいは、マイナンバーカード情報を記録した携帯端末)を読み取らせることで容易に宿帳情報を作成することが可能となる。したがって、宿泊施設で行われる宿帳情報の作成について、その容易化、短時間化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る宿泊施設用システムの構成を示す図
図2】本実施形態に係る受付装置の外観を示す図
図3】本実施形態に係る受付装置の構成を示す図
図4】本実施形態に係る管理装置の構成を示す図
図5】本実施形態に係るチェックイン処理を示すフロー図
図6】本実施形態に係る予約情報検索処理を示すフロー図
図7】本実施形態に係る宿帳記録処理を示すフロー図
図8】本実施形態に係る宿泊施設用システムで使用される各種データ構成を示す図
図9】本実施形態に係る初期画面を示す図
図10】本実施形態に係るチェックイン方法選択画面を示す図
図11】本実施形態に係る設置案内画面を示す図
図12】本実施形態に係る宿泊内容確認画面を示す図
図13】本実施形態に係る検索補助情報入力画面を示す図
図14】本実施形態に係る登録確認画面を示す図
図15】本実施形態に係る宿帳確認画面を示す図
図16】本実施形態に係る宿帳入力画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本実施形態に係る宿泊施設用システムの構成を示す図である。本実施形態の宿泊施設用システムは、宿泊者のチェックインに関する処理以外に、宿泊費用の支払い、チェックアウト等、宿泊に関する各種処理を実行可能なシステムである。宿泊施設用システムは、宿泊施設の玄関72の付近に配置され宿泊者が操作する受付装置1a、1b、フロント71内等に配置され従業員によって操作される管理装置3を有して構成されている。なお、複数の宿泊者に同時にサービスを提供できるように受付装置1a、1bは複数台(本実施形態は2台)配置されている。なお、本発明に係る宿泊施設用システムは、少なくとも受付装置1a、1b、あるいは、受付装置1a、1bで実行される受付用プログラムを有して構成される。
【0021】
受付装置1a、1bと管理装置3は、LAN51を介して互いに通信可能に接続されている。管理装置3には、各種情報を表示するためのモニタ42、キーボード、マウス等、スタッフによる入力を受け付けるための入力装置41が接続されている。また、レシートを印字するためのレシートプリンタ44、ルームキーに各種情報を書き込む、そして、読み出すためのルームキーリーダ・ライタ43も接続されている。ここでルームキーとは、客室を解錠する鍵となるカードであって、客室のドアに配置されたセンサーにルームキーを近づける(非接触タイプ)、あるいは、センサーのスロットにルームキーを差し込む(接触タイプ)ことで解錠を行うことが可能である。
【0022】
また、宿泊施設内のLAN51は、ルータ52を介してインターネットに通信接続されており、宿泊施設内の管理装置3、受付装置1a、1b等は、インターネットを経由して各種サーバと通信を行うことが可能である。本実施形態の宿泊施設用システムでは、インターネットに通信接続された管理サーバ53を使用している。
【0023】
管理サーバ53は、管理装置3と同様、予約情報や会員情報等を記憶管理するとともに、宿泊施設が運営する予約サイトによってユーザ(宿泊者)からの予約を受け付けることが可能である。なお、管理サーバ53は、用途毎に異なるサーバに分けることとしてもよい。例えば、予約を受け付ける予約管理サーバ、会員情報を管理する会員管理サーバ、ユーザのポイントを管理するポイント管理サーバなどに分けて管理することも可能である。
【0024】
図2は、本実施形態に係る受付装置1(1a、1bの何れか)の外観を示す図であり、図3は、本実施形態に係る受付装置1の構成を示すブロック図である。受付装置1は宿泊施設のロビー内に配置されており、宿泊者のチェックイン、チェックアウトの補助を行うことが可能である。本実施形態の宿泊施設用システムでは、4種類のチェックインを行うことが可能である。予約時に通知された予約番号(予約ID)を使用する形態、予約した名前を使用する形態、2次元バーコードを使用する形態、マイナンバーカードを使用する形態である。
【0025】
このような形態の他、ルームキーを使用する形態を追加することも可能である。ルームキーを使用してチェックインを行う形態では、宿泊者は、まずフロント71にいる従業員に対して、氏名、滞在期間等を告げ、少なくとも部屋番号の記録されたルームキーを受け取る。なお、このルームキーにはまだ客室の解錠機能は有していない。このルームキーを受付装置1で読み取らせ、客室料金の支払いを終えることで、ルームキーに解錠機能のための情報が書き込まれる。
【0026】
受付装置1は、その外観上、タッチパネルモニタ11、ルームキー入出口12、開口13、紙幣入出口18、硬貨入金口19、レシート取出口14、クレジットカード入出口15、テンキー16、金銭払出口17、顔認識用カメラ25eを備えて構成されている。タッチパネルモニタ11は、操作する宿泊者に対して各種情報を表示する表示部11bと、宿泊者からの操作を受け付けるタッチパネル11aを備えて構成されている。ルームキー入出口12は、客室の解錠を行うルームキーを読み取らせる、あるいは、受付装置1内にストックしてあるルームキーを発行する、あるいは、チェックアウト時にルームキーを回収するために使用される。
【0027】
開口13の内部下面にICリーダー25fが配置されており、内部上面には開口内カメラ25gが配置されている。このような構成によって、開口13内部にマイナンバーカードが設置された場合、ICリーダー25fによってマイナンバーカードに記憶された情報が読み取られる。また、マイナンバーカードもしくはQRコード(登録商標)(紙面あるいは携帯端末に表示されたもの)が設置された場合、開口内カメラ25gで、その画像を撮像することが可能である。なお、本実施形態で使用されるマイナンバーカードには、カードタイプの形態の他、スマホ等の携帯端末のアプリで提供される形態の両方を含むものであり、ICリーダー25fはどちらの形態についても、情報を読み取ることが可能である。
【0028】
受付装置1は、通常のコンピュータと同様、制御部としてのCPU21a、ROM21b、RAM21cを備えて構成されている。また、受付装置1は、ハードディスク22等、各種情報を記憶する記憶部を有している。インターフェイス24には、ルームキーユニット25a、クレジットカードユニット25b、紙幣入出金部25c、硬貨入出金部25d、顔認識用カメラ25e、ICリーダー25f、開口内カメラ25g、テンキー16、レシートプリンタ25hが接続されている。これらインターフェイス24に接続された各種機器は、制御部、記憶部と接続され、記憶部に記憶されたプログラムに従って制御される。
【0029】
クレジットカードユニット25bは、クレジットカード入出口15の背面に配置されており、宿泊者が所持するクレジットカードの読み取りを行う。紙幣入出金部25cは紙幣入出口18の背面に配置されており、宿泊者が支払う紙幣の回収、あるいは、お釣りとしての紙幣の排出を行う。硬貨入出金部25dは、硬貨入金口19、及び、金銭払出口17の裏面に配置されており、宿泊者の支払う硬貨の入金、そして、宿泊者に対してお釣りとしての硬貨の排出を行う。レシートプリンタ25hは、収納するレシート用紙に領収書等、各種印字、並びに、印字したレシート用紙のカットを行うことが可能である。テンキー16は、クレジットカードの暗証番号等、各種情報を入力することが可能である。
【0030】
タッチパネルモニタ11に表示する画像は、制御部、記憶部による制御のもと、画像処理部21dによって表示部11bに表示される。また、受付装置1にはLAN51に接続するための通信部23が設けられ、ネットワークに接続された管理装置3、あるいは、ルータ52を介してインターネットと通信を行うことが可能となっている。また、受付装置1は、タッチパネルモニタ11による視覚情報以外に、音声処理部21e、スピーカによる聴覚情報も提供することが可能である。
【0031】
図4は、本実施形態に係る管理装置3、及び、その周辺機構の構成を示す図である。管理装置3は、従業員によって操作される情報処理装置であって、制御部としてのCPU31a、ROM31b、RAM31c、記憶部としてのハードディスク32を備えて構成されている。また、キーボード、マウスと行った各種入力装置41を接続するためのインターフェイス37aを備えている。また、レシートプリンタ44、ルームキーリーダ・ライタ43を接続するためのインターフェイス37bを備えている。また、モニタ42に対して映像を形成出力するための画像処理部31dを備えている。また、LAN51に接続するための通信部33が設けられ、ネットワークに接続された受付装置1a,1b、あるいは、ルータ52を介してインターネットと通信を行うことが可能となっている。また、管理装置3は、モニタ42による視覚情報以外に、音声処理部31e、スピーカによる聴覚情報も提供することが可能である。
【0032】
以上のような構成のもと、本実施形態に係る宿泊施設用システムは、宿泊者のチェックイン、チェックアウトに関する各種処理を実行することが可能である。特に、本実施形態の宿泊施設用システムは、マイナンバーカードを使用することで、宿泊者のチェックインを円滑に行うことを可能とするものである。
【0033】
図5は、本実施形態に係る受付装置1で実行されるチェックイン処理を示すフロー図である。受付を行っていない初期状態の受付装置1には、初期画面が表示されている。図9は、本実施形態に係る初期画面を示す図である。初期画面には、言語選択ボタン111、チェックイン選択ボタン112、チェックアウト選択ボタン113が表示されている。宿泊者は、チェックインする場合にはチェックイン選択ボタン112を操作し、チェックアウトする場合にはチェックアウト選択ボタン113を操作する。また、宿泊者が外国人の場合には、自国の言語に対応する言語選択ボタン111を操作することで、タッチパネルモニタ11の言語表示を変更することが可能となっている。
【0034】
チェックイン処理は、チェックイン選択ボタン112を操作することで開始される。チェックイン処理が開始されると、まず、予約情報検索処理(S200)が実行される。
【0035】
図6は、本実施形態に係る予約情報検索処理(S200)を示すフロー図である。予約情報検索処理では、まず、タッチパネルモニタ11にチェックイン方法選択画面が表示される(S201)。図10は、チェックイン方法選択画面を示す図である。チェックイン方法選択画面には、4つのチェックイン選択ボタン114a~114dが表示されており、宿泊者は4種類のチェックイン方法の内、何れかを選択することが可能となっている。
【0036】
4種類のチェックイン方法としては、(1)予約番号を使用する形態(チェックイン選択ボタン114aを選択)、(2)名前を使用する形態(チェックイン選択ボタン114bを選択)、(3)2次元バーコードを使用する形態(チェックイン選択ボタン114cを選択)、(4)マイナンバーカードを使用する形態(チェックイン選択ボタン114dを選択)がある。
【0037】
宿泊施設の予約を行った場合、予約番号(予約ID)が通知される場合がある。予約番号を使用する形態は、通知された予約番号を入力することで予約を照会する形態である。名前を使用する形態は、予約した宿泊者の名前を入力することで予約を照会する形態である。また、インターネットを使用した宿泊施設の予約では、メール、アプリ等によって、予約に関する情報が2次元バーコード(コード情報)を使用して通知されることがある。2次元バーコードを使用する形態は、ユーザが取得した2次元バーコードを提示して予約を照会する形態である。
【0038】
ここで、宿泊施設用システムで使用する各種データ構成について説明しておく。図8は、本実施形態に係る宿泊施設用システムで使用される各種データ構成を示す図である。図8(A)は、予約情報のデータ構成を示す図である。予約情報は、予約を識別するための予約番号(予約ID)、宿泊者情報、宿泊関連情報を含んで構成されている。宿泊者情報は、漢字で表記された氏名、読み(カタカナ、平仮名、アルファベットなど)を示す氏名、住所、電話番号を含んで構成されている。
【0039】
なお、宿泊者情報には、予約時の都合により、一部情報が欠ける場合もある。例えば、電話予約、あるいは、外部サイト経由で予約を行った場合、氏名(漢字)については欠落している場合がある。宿泊者情報中のその他の情報についても欠落している場合がある。また、宿泊者情報には、この他、メールアドレス、性別、生年月日等、宿泊者に関する他の情報を含んでもよい。宿泊関連情報は、チェックイン日、宿泊数、宿泊人数、部屋タイプ、宿泊代金、予約プランといった情報を含んで構成されている。
【0040】
図8(B)は、マイナンバーカードから読み取られるマイナンバーカード情報のデータ構成を示した図である。マイナンバーカード情報には、氏名(漢字)、性別、生年月日、住所、顔写真情報が含まれている。マイナンバーカード情報は、公的機関で発行された情報であるため、きわめて信頼性の高い情報といえる。本実施形態では、マイナンバーカード情報を使用してチェックインさせることで、宿泊者の身元確認の信頼度の向上を図ることが可能となっている。
【0041】
図8(C)は、検索補助データ対のデータ構成の例を示した図である。マイナンバーカード情報を使用してチェックインさせる場合、予約情報検索処理(S200)において、マイナンバーカードから読み取ったマイナンバーカード情報から予約情報を検索する必要がある。しかしながら、例えば、マイナンバーカード情報の氏名(漢字)をキーとして予約情報を検索した場合、前述したように、予約時の都合上、予約情報には、氏名(漢字)が含まれておらず、氏名(漢字)を使用して検索できない場合がある。
【0042】
検索補助データ対は、そのような場合に使用される情報であって、マイナンバーカード情報で検索できない場合、宿泊者から検索補助情報100bを入力させ、マイナンバーカード情報の(少なくとも)一部情報100aと対応付けた情報である。この検索補助データ対を使用することで、マイナンバーカード情報と予約情報が紐づけられ、マイナンバーカード情報から予約情報を検索することが可能となる。
【0043】
検索補助データ対に使用される一部情報100aとして氏名(漢字)、住所、生年月日を使用する等、マイナンバーカード情報の少なくとも何れか1つを使用することが考えられる。また、検索補助データ対に使用される検索補助情報100bとして氏名(読み)、電話番号、氏名(読み)と電話番号等、予約情報内の宿泊者情報中の少なくとも何れか1つを使用することが考えられる。
【0044】
図10のチェックイン方法選択画面において、マイナンバーカードを使用する形態(チェックイン選択ボタン114dが操作)が選択された場合(S202:マイナンバーカード)、マイナンバーカードの読み取りが行われる。図11は、本実施形態に係る設置案内画面を示す図であって、マイナンバーカードを読み取る際、タッチパネルモニタ11に表示される案内画面である。
【0045】
設置案内画面には、案内表示欄115(静止画もしくは動画)が表示され、受付装置1の開口13内にマイナンバーカードCを設置する様子が示される。前述したように、開口13の開口13の内部下面には、ICリーダー25fが配置されており、開口13にマイナンバーカードCが設置されると、ICリーダー25fによりマイナンバーカード情報が読み取られる(S203)。
【0046】
なお、開口13の内部上面には開口内カメラ25gが配置されており、この開口内カメラ25gで撮影した画像を、マイナンバーカード情報の読み取りに補助的に使用してもよい。例えば、開口内カメラ25gで読み取った画像から文字認識を行い、文字認識で得られた文字情報を使用することが考えられる。なお、本実施形態では、カードタイプの形態のマイナンバーカードを読み取り対象としているが、スマホ等、携帯端末のアプリで提供される形態のマイナンバーカードを読み取り対象とすることも可能である。
【0047】
マイナンバーカード情報の読み取り後、読み取ったマイナンバーカード情報に対応する検索補助データ対が存在するか否かが判断される(S204)。検索補助データ対は、図8(C)で説明したように、マイナンバーカード情報の(少なくとも)一部情報100aと、検索補助情報で構成されたデータ対である。なお、検索補助データ対がある場合とは、登録されている(登録については後述する)場合であり、受付装置1のハードディスク22、管理装置3のハードディスク32、あるいは、管理サーバ53に記憶されていることをいう。受付装置1は、これらにアクセスすることで、検索補助データ対の有無を確認する。
【0048】
検索補助データ対がある場合(S204:Yes)、マイナンバーカード情報と検索補助データ対内の検索補助情報を使用して予約情報の検索を行う(S205)。一方、検索補助データ対が無い場合(S204:No)、検索補助情報無し、すなわち、マイナンバーカード情報のみで予約情報の検索を行う(S206)。なお、予約情報は、検索補助データ対と同様、管理装置3のハードディスク32、あるいは、管理サーバ53に記憶されており、受付装置1は、これらにアクセスすることで予約情報の検索を行う。なお、予約情報の検索は、チェックインのための検索であるため、当日のチェックインであって、受付装置1が設置されている宿泊施設の予約情報を対象として行われる。検索の結果、予約情報がある場合(S207:Yes)、予約情報を確認させるための宿泊内容確認画面が表示される(S215)。
【0049】
図12は、本実施形態に係る宿泊内容確認画面を示す図である。宿泊内容確認画面には、取得した予約情報に基づいて各種情報を表示する宿泊関連表示欄116、取消ボタン117、戻るボタン118、次へボタン119が表示されている。宿泊関連表示欄116に表示される内容に間違いないことを確認したユーザ(宿泊者)は、次へボタン119を操作する(S216:Yes)。次へボタン119が操作されると、予約情報検索処理(S200)を終了し、次の宿帳記録処理(S300)へと進む。一方、宿泊関連表示欄116に実際と異なる内容がある場合、ユーザは取消ボタン117、あるいは、戻るボタン118を操作して、従業者を呼ぶ、あるいは、操作をやり直す。
【0050】
次に、検索の結果、予約情報が見つからなかった場合(S207:No)について説明する。この場合、例えば、予約情報は存在している場合であって、マイナンバーカード情報と予約情報が紐付けできない場合が考えられる。そのため、本実施形態では、検索補助情報入力画面を表示(S208)して、検索補助情報を追加して再度、検索を行うこととしている。
【0051】
図13は、本実施形態に係る検索補助情報入力画面を示す図である。検索補助情報入力画面には、入力項目名120a(この例では、氏名(読み))、検索補助情報入力欄120b、再検索ボタン121が表示されている。ユーザ(宿泊者)は、入力項目名120aに表示されている項目名に対応する検索補助情報を検索補助情報入力欄120bに入力する(S209)。検索補助情報入力欄120bへの入力は、検索補助情報入力欄120bをタッチ操作することで表示されるソフトキーボード(図示せず)を使用して入力することが可能である。
【0052】
検索補助情報の入力後、ユーザ(宿泊者)は、再検索ボタン121を操作することで、マイナンバーカード情報に検索補助情報を追加した再検索を実行する(S210)。再検索の結果、予約情報がある場合(S211:Yes)、登録確認画面が表示される(S212)。登録確認画面は、再検索に使用された検索補助情報を、図8(C)で説明した検索補助データ対として登録するか否かを確認するための画面である。
【0053】
図14は、本実施形態に係る登録確認画面を示す図である。登録確認画面は、見つかった予約情報に基づいて形成される宿泊内容確認画面の上に登録確認欄122が重畳表示された画面である。登録確認欄122には、検索補助情報(この場合、氏名(読み))の登録を促すメッセージ、登録を行うことで、次回以降のチェックインに使用できる旨のメッセージの他、登録ボタン122a、非登録ボタン122bが表示されている。
【0054】
ユーザ(宿泊者)は、メッセージを確認し、登録ボタン122aもしくは非登録ボタン122bを選択操作する。登録ボタン122aが操作された場合(S213:Yes)、検索補助情報入力画面で入力された検索補助情報と、マイナンバーカード情報の(少なくとも)一部情報を対応付けた検索補助データ対が、データベース(受付装置1のハードディスク22、管理装置3のハードディスク32、あるいは、管理サーバ53)に登録される(S214)。登録された検索補助データ対は、次回以降のチェックインの予約情報検索処理(S200)に使用することが可能となる。なお、登録された検索補助データ対は、今回、チェックイン処理を行った宿泊施設のみならず、系列店、チェーン店等、他の宿泊施設において使用可能としてもよい。
【0055】
検索補助データ対の登録後、宿泊内容確認画面が表示される(S215)。一方、非登録ボタン122bが操作された場合(S213:No)、検索補助データ対の登録(S214)はスキップし、宿泊内容確認画面が表示される(S215)。
【0056】
以上、マイナンバーカード情報を使用した予約情報検索処理(S200)について説明したが、マイナンバーカード情報を使用することで、宿泊者は容易に予約情報を検索することが可能である。また、マイナンバーカード情報と予約情報が紐付かない場合であっても、検索補助情報を入力することで再検索を行い、容易に予約情報を検索することが可能となる。そして、使用した検索補助情報を検索補助データ対として登録することで、次回以降の予約情報の検索も容易となる。
【0057】
なお、ここでは、マイナンバーカード情報を使用した検索を説明したが、図10のチェックイン方法選択画面において、チェックイン選択ボタン114a~114cが選択操作され、マイナンバーカード以外の検索指定が行われた場合(S202:マイナンバーカード以外)、指定された方法による予約情報の検索(S217)が実行され、予約情報が見つかった場合(S218:Yes)、宿泊内容確認画面が表示される(S215)。
【0058】
図5のチェックイン処理において、予約情報検索処理(S200)が完了すると、宿帳記録処理(S300)が開始される。宿帳記録処理(S300)は、宿泊者に関する情報を宿帳情報として記録する処理である。宿帳情報は、宿泊時あるいは宿泊後、何らかのトラブルがあった際の身元確認、あるいは、宿泊の証明等に使用される。
【0059】
図7は、本実施形態に係る宿帳記録処理を示すフロー図である。本実施形態の宿帳記録処理(S300)では、マイナンバーカード情報を使用して、宿泊者の入力の手間を削減するとともに、信頼度の高い情報であるマイナンバーカード情報により、宿帳情報の信頼性の向上を図ることが可能となっている。
【0060】
宿帳記録処理(S300)が開始されると、入力方式選択画面(図示せず)がタッチパネルモニタ11に表示される(S301)。本実施形態の入力方式選択画面では、マイナンバーカード、もしくは、手入力を選択することが可能となっている(S302)。
【0061】
マイナンバーカードによる入力方式が選択された場合(S302:マイナンバーカード)、マイナンバーカード情報は読み取り済みか否か(S303)が判断される。マイナンバーカード情報が読取り済みとは、予約情報検索処理(S200)において、マイナンバーカードによる予約情報の検索が行われ、マイナンバーカード情報の読み取り(S203)が行われたことに相当する。マイナンバーカード情報が読取り済みではない場合(S303:No)、マイナンバーカード情報の読み取り(S304)が実行される。この処理(S304)は、予約情報検索処理(S200)のS203で行われた処理と同様であって、図11と同様の設置案内図が表示され、開口13内へのマイナンバーカードCの設置が促され、ICリーダー25fによるマイナンバーカード情報の読取りが行われる。
【0062】
一方、マイナンバーカード情報が読取り済みである場合(S303:Yes)、マイナンバーカード情報の読取り(S304)はスキップされる。その後、取得したマイナンバーカード情報を使用して宿帳情報が作成される(S305)。本実施形態では、宿帳情報の作成は、マイナンバーカード情報と予約情報で作成している。宿帳情報の作成は、マイナンバーカード情報だけで作成することとしてもよい。なお、マイナンバーカード情報と予約情報間において、ある項目(例えば、住所)が重複する場合、どちらか一方(例えば、マイナンバーカード情報)を優先して宿帳情報を作成することが考えられる。信頼性の高いマイナンバーカード情報を優先することで、宿帳情報の信頼性を高めることが可能である。なお、宿帳情報に記録する各項目には、マイナンバーカード情報、予約情報のどちらを使用したかを併せて記録することとしてもよい。
【0063】
図15は、本実施形態に係る宿帳確認画面を示す図である。宿帳確認画面には宿帳情報123、確定ボタン124が表示されている。本実施形態の宿帳情報123は、マイナンバーカード情報、及び、予約情報に基づいて形成された情報であって、マイナンバーカード情報から、氏名(漢字)、氏名(読み)、生年月日、性別、住所について情報が抽出され、予約情報から氏名(読み)、電話番号が抽出されたものとなっている。
【0064】
宿帳情報を確認した宿泊者により、確定ボタンが操作された場合(S307:Yes)、作成された宿帳情報が管理装置3のハードディスク32、あるいは、管理サーバ53のデータベースに記録される。データベースにおいて、宿帳情報は、予約情報と対応付けて記憶されることとし、どの宿泊に対する宿帳情報であるかが判別できるようにしておく。また、宿帳情報は、文字情報として記録するのではなく、図15に示される宿帳確認画面等をキャプチャーした画像情報として記録することとしてもよい。画像情報で形成された宿泊情報は、文字を使用して直接、検索することはできないが、保存時における記憶容量を削減することが可能となる。
【0065】
以上、本実施形態の宿帳記録処理(S300)について、マイナンバーカード情報を使用する形態を説明したが、本実施形態では、マイナンバーカード情報を使用することで、宿泊者による入力作業が不要となり、入力作業の煩わしさを抑え、それに必要な時間を削減することが可能となる。なお、本実施形態では、マイナンバーカード情報、予約情報を用いて宿帳情報を形成し、形成された宿帳情報は編集しないこととしているが、宿泊者による編集を可能としてもよい。その場合、ソフトキーボードを表示させて編集させる形態が考えられる。また、前述したように、マイナンバーカード情報と予約情報について、重複した項目が存在する場合、どちらかをユーザに選択させて入力の簡略化を図ることとしてもよい。
【0066】
一方、入力方式選択画面において手入力が選択された場合(S302:手入力)、宿帳入力画面が表示され、宿泊者の操作により宿帳情報の形成が行われる。
【0067】
図16は、本実施形態に係る宿帳入力画面を示す図である。宿帳入力画面には、宿帳情報入力欄125、ソフトキーボード126、変換文字選択欄127が表示されている。本実施形態の宿帳情報入力欄125には、予約情報から抽出された情報(図16の例では、氏名(読み)と、性別の項目)が入力された状態となっている。なお、入力情報を使用せずに、全ての項目についてユーザに入力させることとしてもよい。
【0068】
ユーザは、宿帳情報入力欄125中、編集(新規追加、修正、削除)したい項目をタッチ操作で選択し、ソフトキーボード126、変換文字選択欄127を使用して入力を行う(S316)。必要とされる項目を入力後、確定ボタン(ソフトキーボードの背面に表示されており、図16の状態では隠れた状態)を操作する(S317:Yes)ことで、宿帳情報入力欄125に入力された情報が宿帳情報として記録される(S318)。
【0069】
このように、本実施形態では、入力方式を手入力、マイナンバーカード情報を使用した2形態から選択することが可能となる。特に、マイナンバーカード情報を使用する場合、ソフトキーボード126等を使用した入力作業が不要(あるいは、最小限に抑える)となり、チェックインに必要な時間短縮を図ることが可能となっている。
【0070】
本実施形態の宿帳記録処理(S300)では、マイナンバーカード情報を使用して宿帳情報を形成しているが、マイナンバーカード情報を使用した顔認証機能も備えている。マイナンバーカード情報を使用した宿帳情報の記録(S308)後、タッチパネルモニタ11には、顔認証可否画面(図示せず)が表示される。宿泊者は、マイナンバーカード情報に含まれる顔写真情報で顔認証を行うか否かを選択することができる。顔認証可否画面で顔認証を行う旨の選択が行われた場合(S310:Yes)、顔認証処理(S311)が実行される。
【0071】
顔認証処理(S311)は、顔認識用カメラ25eで受付装置1の前に位置する宿泊者を撮像する撮像処理を実行し、マイナンバーカード情報から読み出した顔写真情報と、撮像された撮像情報が同一人物であるか否かを認証する処理である。本実施形態では、顔認証処理(S311)を好まない宿泊者を考慮し、顔認証処理を行わない(S310:No)選択肢を設けている。顔認証処理(S311)の結果、同一人物であると判断された場合(S312:Yes)、認証完了処理(S313)を実行する。本実施形態の認証完了処理(S313)では、個人情報を残すことを極力避けるため、顔認証処理で同一人物と判断された(認証できた)旨を示す識別情報を記録することに留めている。識別情報は、予約情報、あるいは、宿帳情報に対応付けて記録され、管理装置3等を使用して、後で確認可能となる。
【0072】
一方、顔認証処理(S311)の結果、同一人物でないと判断された場合(S312:No)、認証不可処理(S314)を実行する。本実施形態の認証不可処理(S314)では、マイナンバーカード情報から読み出した顔写真情報と、撮像された撮像情報の少なくとも一方を記録する処理である。認証不可処理(S314)の対象となった宿泊者については、受付装置1等において、適宜タイミングで、認証できなかったことが通知され、宿泊施設のスタッフは、マイナンバーカード情報から読み出した顔写真情報と、撮像された撮像情報の少なくとも一方を確認することが可能である。
【0073】
なお、顔認証処理(S311)で撮像された撮像情報、もしくは、マイナンバーカード情報の顔写真情報は、宿泊者の滞在中、宿泊施設内に設けられた顔認証装置で使用可能としてもよい。例えば、大浴場の入場可否、支払い済みの朝食券の確認、各種料金の部屋付における本人確認等に使用することで、宿泊期間中におけるサービス向上、並びに、スタッフの省力化を図ることが可能となる。
【0074】
以上、本実施形態に係る宿帳記録処理(S300)について説明したが、本実施形態の宿帳記録処理(S300)では、マイナンバーカード情報に含まれる顔写真情報を使用して、顔認証処理(S311)を行うことで、宿泊時における十分な本人確認を行うことが可能となる。
【0075】
図5のチェックイン処理に戻り、宿泊記録処理(S300)が完了すると、宿泊費用の決済が必要か否か、が判断される(S101)。決済が必要ない場合(S101:No)、すなわち、事前決済が完了している等の場合、受付装置1は、ルームキーユニット25aにより、解錠情報が記憶されたルームキーを発行する。宿泊者は、ルームキー入出口12から排出されたルームキーを受け取って、部屋に向かうことになる。
【0076】
一方、宿泊費用の決済が必要な場合(S101:Yes)、決済処理(S102)が実行される。本実施形態の決済処理(S102)では、紙幣入出金部25c、硬貨入出金部25dを使用した現金による支払い、あるいは、クレジットカードユニット25bを使用したクレジットカードによる支払いが可能となっている。決済処理(S102)が完了後、受付装置1は、ルームキーユニット25aにより、解錠情報が記憶されたルームキーの発行を行う。
【0077】
以上、本実施形態の宿泊施設用システムについて説明を行ったが、上述する実施形態の他、各種変形例を採用することができる。以下に、本実施形態の宿泊施設用システムの変形レオを説明する。
【0078】
[第1変形例]
前述の実施形態の予約情報検索処理(S200)では、図13の検索補助情報入力画面において、1つの入力項目(氏名(読み))を入力させるものであった。検索補助情報は、1つの入力項目のみならず、複数の入力項目を入力させることとしてもよい。また、検索補助データ対が登録されている場合であっても、予約情報の形態の違い等の事情で、マイナンバーカード情報と登録済みの検索補助データ対から検索できない場合も想定される。その場合、既に登録済みの検索補助データ対内の検索補助情報とは異なる項目の検索補助情報を入力させることとしてもよい。その際、入力された検索補助情報は、既に登録済みの検索補助データ対に追加登録してもよい。
【0079】
[第2変形例]
前述の実施形態では、宿帳記録処理の一形態について説明を行ったが、宿帳記録処理の形態は、前述した実施形態のみならず、各種形態を採用することが可能である。例えば、宿帳情報に手書きのサイン(署名)を入力させる、あるいは、パスポートの撮影を追加すること等、各種形態を採用することが考えられる。
【0080】
[第3変形例]
前述の実施形態で説明したチェックイン処理では、1人がチェックインする場合について説明を行った。チェックイン処理では、複数人が同時にチェックインすることが考えられる。そのような場合、各宿泊者について、チェックイン処理を実行する、あるいは、チェックイン処理中、各宿泊者について必要とされる処理(例えば、宿帳記録処理(S300))のみを繰り返し実行することが考えられる。
【0081】
[第4変形例]
前述の実施形態において、検索補助データ対は、マイナンバーカード情報の少なくとも一部と検索補助情報を対応付けて構成されていた。このような形態のみならず、検索補助データ対は、マイナンバーカード情報の少なくとも一部で形成された情報と検索補助情報を対応付けて構成することとしてもよい。マイナンバーカード情報の少なくとも一部で形成された情報とは、例えば、マイナンバーカード情報の少なくとも一部を不可逆的なハッシュ値に変換する(ハッシュ化)ことが考えられる。このような形態によれば、マイナンバーカード情報の一部を記憶しておく必要が無く、個人情報の保護を図ることが可能となる。また、ハッシュ値を使用することで、マイナンバーカード情報を正確に特定することができ、正しい検索補助情報を特定することが可能となる。
【0082】
[第5変形例]
前述の実施形態では、図2に示されるような受付装置1を使用して、宿泊施設のスタッフによる作業を介在させることなくチェックイン処理を行うこととしていた。チェックイン処理は、このような形態に代え、フロント71に設置された管理装置3を使用し、スタッフの作業を伴って行われることとしてもよい。例えば、以下に説明する業態を使用することが考えられる。管理装置3には、マイナンバーカード情報を読み取らせるためのICリーダーが設けられ、宿泊者が使用可能なようにフロント71上に設置されている。
【0083】
宿泊施設を訪れた宿泊者は、フロント71内のスタッフに対し、宿泊の予約がある旨、マイナンバーカードを使用してチェックインを行う旨を伝える。スタッフは、宿泊者に対し、フロント71に設置されているICリーダーで、マイナンバーカードを読み取らせる旨を伝える。宿泊者がマイナンバーカードをICリーダーに読み取らせることで、マイナンバーカード情報に基づく予約情報の検索が行われる。検索の結果、予約情報が見つかった場合、モニタ42には、予約情報に基づく情報が表示され、スタッフは入力装置41を使用して宿泊者をチェックインさせる。
【0084】
このように、第5変形例では、受付装置1で行われる宿泊者がセルフで行うチェックイン処理に代え、管理装置3を使用して、宿泊施設のスタッフが介在してチェックイン処理を行うこととしている。なお、前述の実施形態で行われていた宿泊者による情報入力は、宿泊者の口述により、宿泊施設のスタッフが代行して行うこととしてもよい。第5変形例では、宿帳記録処理(S300)についても、スタッフの介在のもとで行われるものであってもよい。
【0085】
以上、本発明に係る宿泊施設用システムの各種実施形態について説明を行ったが、本発明は宿泊施設用システムに限られるものではなく、受付装置1、あるいは、受付装置1、あるいは、受付装置1、あるいは、受付装置1に代えて使用されるタブレット端末等、各種情報処理装置で実行される受付装置用プログラムも本発明の範疇に属する。そして、各種実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した形態も本発明の範疇に属する。
【符号の説明】
【0086】
1(1a、1b):受付装置 31d:画像処理部
3:管理装置 31e:音声処理部
11:タッチパネルモニタ 32:ハードディスク
11a:タッチパネル 33:通信部
11b:表示部 37a、37b:インターフェイス
12:ルームキー入出口 41:入力装置
13:開口 42:モニタ
14:レシート取出口 43:ルームキーリーダ・ライタ
15:クレジットカード入出口 44:レシートプリンタ
16:テンキー 52:ルータ
17:金銭払出口 53:管理サーバ
18:紙幣入出口 71:フロント
19:硬貨入金口 111:言語選択ボタン
21a:CPU 112:チェックイン選択ボタン
21b:ROM 113:チェックアウト選択ボタン
21c:RAM 114a-114d:チェックイン選択ボタン
21d:画像処理部 115:案内表示欄
21e:音声処理部 116:宿泊関連表示欄
22:ハードディスク 117:取消ボタン
23:通信部 118、119:ボタン
24:インターフェイス 120a:入力項目名
25a:ルームキーユニット 120b:検索補助情報入力欄
25b:クレジットカードユニット 121:再検索ボタン
25c:紙幣入出金部 122:登録確認欄
25d:硬貨入出金部 122a:登録ボタン
25e:顔認識用カメラ 122b:非登録ボタン
25f:ICリーダー 123:宿帳情報
25g:開口内カメラ 124:確定ボタン
25h:レシートプリンタ 125:宿帳情報入力欄
31a:CPU 126:ソフトキーボード
31b:ROM 127:変換文字選択欄
31c:RAM C:マイナンバーカード
【要約】
【課題】マイナンバーカード情報を使用することで、宿泊施設におけるチェックインの容易化、短時間化を図ることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る宿泊施設用システムは、マイナンバーカード情報を読み取る読取り処理と、読取り処理で読み取られたマイナンバーカード情報を使用して、宿泊施設の予約情報を検索する検索処理と、検索処理で検索された予約情報に基づく表示を行う表示処理と、ユーザのチェックインを行うチェックイン処理と、を実行する。
【選択図】図1
図1
図2
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図5
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図7
図8
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図10
図11
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