(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】超音波治療のための変換自在な患者支持装置
(51)【国際特許分類】
A61G 13/00 20060101AFI20240227BHJP
A61B 17/22 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61G13/00 P
A61B17/22 510
(21)【出願番号】P 2023504507
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(86)【国際出願番号】 IB2020000646
(87)【国際公開番号】W WO2022018475
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】517338951
【氏名又は名称】プロファウンド メディカル インク
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】シルヤ、アンティ
(72)【発明者】
【氏名】トウミネン、アーロ
(72)【発明者】
【氏名】ユング、ライムンド
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-517790(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0318611(US,A1)
【文献】特表2018-513757(JP,A)
【文献】特表2008-534079(JP,A)
【文献】特開2017-217124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 13/00
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変換自在な患者支持装置であって、
内部に穴部が画定された患者支持ベッドと、
前記穴部上または穴部内に配置され、前記患者支持ベッドに取り付けられた支持フレームと、
前記支持フレームに固定された固定膜部と、
取り外し自在な患者接触部であって、
前記支持フレームに取り外し自在に取り付けられたインタフェースフレームと、
前記インタフェースフレームに固定された患者接触フレームと、
前記インタフェースフレームに固定された患者接触用膜部と
を含むものである、前記取り外し自在な患者接触部と
を有し、
前記患者接触用膜部、前記固定膜部、および前記インタフェースフレームは空洞部を画定し、この空洞部は、超音波カップリングおよび冷却流体をその内部に導入、またはその内部から排出するためのポートを有するものである、
装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記固定膜部は、前記取り外し自在な患者接触部の下方に配置されているものである、装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、前記固定膜部は剛性である、装置。
【請求項4】
請求項2記載の装置において、前記患者接触用膜部は変形自在である、装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、
前記ポートは入口ポートを有し、
内部流体循環チャネルが前記患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に形成されているものであり、
前記内部流体循環チャネルは、前記入口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を前記空洞部に提供し、前記空洞から出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取るものである、
装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、さらに、
超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムと、
前記出口ポートを前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムの入口と流体連通させる出口チャネルと、
前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムの出口を前記内部流体循環チャネルと流体連通させる入口チャネルと
を有するものである、装置。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有するものである、装置。
【請求項8】
請求項1記載の装置において、さらに、
前記インタフェースフレームを前記支持フレームに対して解放自在に固定する機械的ロックを有するものである、装置。
【請求項9】
変換自在な患者支持装置であって、
内部に穴部が画定された患者支持ベッドと、
前記穴部上または穴部内に配置され、前記患者支持ベッドに取り付けられた支持フレームと、
前記支持フレームに固定された固定膜部と、
取り外し自在な患者接触部であって、
前記支持フレームに取り外し自在に取り付けられたインタフェースフレームと、
前記インタフェースフレームに固定された患者接触フレームと、
前記インタフェースフレームに固定された患者接触用膜部と、
前記患者接触フレームに取り付けられ、前記患者接触用膜部と前記固定膜部との間に配置された隆起した剛性患者接触部と
を有するものである、前記取り外し自在な患者接触部と、
前記隆起した剛性患者接触部上または前記隆起した剛性患者接触部の内部に配置された複数の循環チャネルと
を有し、
内部流体循環チャネルが前記患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に形成されており、
前記複数の循環チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の1若しくはそれ以上の入口ポートに流体連通されて超音波カップリングおよび冷却流体を受け取るものであり、
前記複数の循環チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の1若しくはそれ以上の出口ポートに流体連通されて前記超音波カップリングおよび冷却流体を流出させるものである、
装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置において、前記隆起した剛性患者接触部は、超音波治療中に患者が前記患者支持ベッド上に在床しているときに、当該患者の解剖学的構造に係合するように構成されているものである、装置。
【請求項11】
請求項9記載の装置において、前記複数の循環チャネルは、互いに平行に延長するものである、装置。
【請求項12】
請求項9記載の装置において、前記複数の循環チャネルは、螺旋形状部を形成するものである、装置。
【請求項13】
請求項12記載の装置において、出口チャネルが前記螺旋形状部を貫通して形成され、前記複数の循環チャネルの終端部から前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取るものである、装置。
【請求項14】
請求項13記載の装置において、前記出口チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の前記1若しくはそれ以上の出口ポートに流体連通されているものである、装置。
【請求項15】
請求項13記載の装置において、前記出口チャネルは、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムに流体連通されているものである、装置。
【請求項16】
請求項15記載の装置において、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有するものである、装置。
【請求項17】
請求項9記載の装置において、さらに、
前記インタフェースフレームを前記支持フレームに対して解放自在に固定する機械的ロックを有するものである、装置。
【請求項18】
キットであって、
変換自在な患者支持装置であって、
内部に穴部が画定された患者支持ベッドと、
前記穴部上または穴部内に配置され、前記患者支持ベッドに取り付けられた支持フレームと、
前記支持フレームに固定された固定膜部と、
複数の取り外し自在な患者接触部であって、各取り外し自在な患者接触部は、
前記支持フレームに取り外し自在に取り付けられるように構成されたインタフェースフレームと、
前記インタフェースフレームに固定された患者接触フレームと、
前記患者接触フレームに固定された患者接触用膜部と
を含むものである、前記複数の取り外し自在な患者接触部と
を有し、
前記複数の取り外し自在な患者接触部のうちの1つにおける前記インタフェースフレームが前記支持フレームに取り付けられて装着済み患者接触部が形成されると、当該装着済み患者接触部の患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に内部流体循環チャネルが形成されるものである、
前記変換自在な患者支持装置を有する、
キット。
【請求項19】
請求項18記載のキットにおいて、
前記複数の取り外し自在な患者接触部は、第1の取り外し自在な患者接触部を含み、
前記第1の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられると、前記患者接触用膜部および前記固定膜部により、前記内部流体循環チャネルに流体連通されたポートを有する空洞部が画定されるものであり、前記ポートにより超音波カップリングおよび冷却流体が空洞部の内部に導入、または空洞部の内部から排出されるものである、
キット。
【請求項20】
請求項19記載のキットにおいて、
前記第1の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられると、
前記ポートは入口ポートを構成し、
前記空洞部は、前記内部流体循環チャネルに流体連通された出口ポートを有するように構成され、
前記空洞部は、前記入口ポートから前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取って、前記出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を流出するものである、
キット。
【請求項21】
請求項20記載のキットにおいて、前記内部流体循環チャネルは、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムに流体連通されているものである、キット。
【請求項22】
請求項21記載のキットにおいて、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有するものである、キット。
【請求項23】
請求項19記載のキットにおいて、前記第1の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられると、前記固定膜部は前記第1の取り外し自在な患者接触部の下方に配置されるものである、キット。
【請求項24】
請求項19記載のキットにおいて、前記第1の取り外し自在な患者接触部の患者接触用膜部は変形自在である、キット。
【請求項25】
請求項19記載のキットにおいて、
前記複数の取り外し自在な患者接触部は、第2の取り外し自在な患者接触部を含み、
前記第2の取り外し自在な患者接触部において、
前記患者接触フレームに隆起した剛性患者接触部が取り付けられ、
前記隆起した剛性患者接触部上または前記隆起した剛性患者接触部の内部に複数の循環チャネルが配置され、
前記複数の循環チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の1若しくはそれ以上の入口ポートから前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取って、前記内部流体循環チャネル内の1若しくはそれ以上の出口ポートに前記超音波カップリングおよび冷却流体を流出させるように構成されており、
前記第2の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられると、前記第2の取り外し自在な患者接触部の前記隆起した剛性患者接触部は、前記患者接触用膜部と前記固定膜部との間に配置されるものである、
キット。
【請求項26】
請求項25記載のキットにおいて、
前記隆起した剛性患者接触部は、超音波治療中に患者が前記患者支持ベッド上に在床し、前記第2の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられているときに、当該患者の解剖学的構造に係合するように構成されているものである、キット。
【請求項27】
請求項25記載のキットにおいて、前記隆起した剛性患者接触部上または前記隆起した剛性患者接触部の内部に配置された前記複数の循環チャネルは、互いに平行に延長するものである、キット。
【請求項28】
請求項25記載のキットにおいて、前記隆起した剛性患者接触部上または前記隆起した剛性患者接触部の内部に配置された前記複数の循環チャネルは、螺旋形状部を形成するものである、キット。
【請求項29】
請求項28記載のキットにおいて、出口チャネルが前記螺旋形状部を貫通して形成され、前記複数の循環チャネルの終端部から前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取るものである、キット。
【請求項30】
請求項29記載のキットにおいて、前記出口チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の前記1若しくはそれ以上の出口ポートに流体連通されているものである、キット。
【請求項31】
請求項29記載のキットにおいて、前記出口チャネルは、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムに流体連通されているものである、キット。
【請求項32】
請求項31記載のキットにおいて、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有するものである、キット。
【請求項33】
請求項25記載のキットにおいて、
前記複数の取り外し自在な患者接触部は、第3の取り外し自在な患者接触部を含み、
前記第3の取り外し自在な患者接触部において、
前記患者接触用膜部は剛性であり、
前記患者接触用膜部、前記固定膜部、および前記インタフェースフレームは空洞部を画定し、この空洞部は、前記内部流体循環チャネルと流体連通された入口ポートおよび出口ポートを有し、
前記空洞部は、前記内部流体循環チャネル内の前記入口ポートから前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取って、前記内部流体循環チャネル内の前記出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を流出するものである、
キット。
【請求項34】
請求項18記載のキットにおいて、さらに、
前記複数の取り外し自在な患者接触部の各々のインタフェースフレームを前記支持フレームに対して解放自在に固定する機械的ロックを有するものである、キット。
【請求項35】
請求項18記載のキットにおいて、前記固定膜部は剛性である、キット。
【請求項36】
システムであって、
変換自在な患者支持装置であって、
内部に穴部が画定された患者支持ベッドと、
前記穴部上または穴部内に配置され、前記患者支持ベッドに取り付けられた支持フレームと、
前記支持フレームに固定された固定膜部と、
取り外し自在な患者接触部であって、
前記支持フレームに取り外し自在に取り付けられたインタフェースフレームと、
前記インタフェースフレームに固定された患者接触フレームと、
前記インタフェースフレームに固定された患者接触用膜部と
を含むものである、前記取り外し自在な患者接触部と
を有し、
前記患者接触用膜部、前記固定膜部、および前記インタフェースフレームは空洞部を画定し、この空洞部は、超音波カップリングおよび冷却流体をその内部に導入、またはその内部から排出するためのポートを有するものである、
前記変換自在な患者支持装置と、
患者の超音波処理対象体積を超音波処理するための高密度焦点式超音波(HIFU)システムであって、
前記患者支持ベッドの前記穴部の下方に配置された超音波適用装置を含み、
前記超音波適用装置は、前記固定膜部、前記超音波カップリングおよび冷却流体、および前記患者接触用膜部を通過して、前記患者の体内の標的体積に到達する経路を有する超音波エネルギーを生成するものである、
前記高密度焦点式超音波(HIFU)システムと
を有する、システム。
【請求項37】
請求項36記載のシステムにおいて、前記超音波エネルギーの経路は、伝達される超音波エネルギーに対して不透明な構造は含まないものである、システム。
【請求項38】
請求項36記載のシステムにおいて、
前記ポートは、入口ポートを有し、
内部流体循環チャネルが前記患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に形成されており、
前記内部流体循環チャネルは、前記入口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を前記空洞部に提供し、前記空洞から出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取るものである、
システム。
【請求項39】
請求項38記載のシステムにおいて、
内部流体循環チャネルが前記患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に形成されており、
前記内部流体循環チャネルは、前記入口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を前記空洞部に提供し、前記空洞から前記出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取るものである、
システム。
【請求項40】
請求項39記載のシステムにおいて、さらに、
超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムと、
前記出口ポートを前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムの入口と流体連通させる出口チャネルと、
前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムの出口を前記内部流体循環チャネルと流体連通させる入口チャネルと
を有するものである、システム。
【請求項41】
請求項40記載のシステムにおいて、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有するものである、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、MRI誘導型超音波治療のための患者支持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波トランスデューサは、疾患組織およびその他の組織に対して温熱治療を行うために超音波治療システムおいて使用されている。超音波エネルギーのビームを形成するように動作する超音波トランスデューサアレイは、疾患組織領域または治療容積において音を熱エネルギーに変換することで治療容積の温度を有利に上昇させる。
【0003】
画像誘導型超音波治療システムにおいて、患者、および超音波位置決め装置を含む超音波治療装置は通常、磁気共鳴映像(MRI:magnetic resonance imaging)装置などの画像体積内に配置され、当該装置により、適用装置を配置する際の誘導が可能となり、さらに、温度マップの計算を可能とするリアルタイムのデータが提供されて組織に対する治療効果を監視することができる。臨床現場の操作者は、治療容積または疾患組織内の治療の進行況を監視し、治療の結果および進行状況に基づいて、超音波電力信号を手動または自動で変更することができる。超音波治療システムは、温熱効果を適切に監視することで、健康な組織への損傷を最小限に抑えながら有害な細胞を処置し、腫瘍を制御可能に破壊するために使用できる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許出願公開第2016/0089551号明細書
(特許文献2) 特開2007-275458号公報
(特許文献3) 米国特許出願公開第2018/0085023号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2009/0093708号明細書
(特許文献5) 米国特許出願公開第2017/0001044号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載する例示的な実施形態は新規性を有する特徴を有するが、いかなる単一の特徴も必須事項ではなく、また、本実施形態の好適な特徴は単一の特徴のみに起因するものではない。以下の説明および図面は、本開示の特定かつ例示的な実施を詳細に説明するものであり、本開示の様々な原理を実施するためのいくつかの例示的態様を示すものである。しかしながら、このような具体例は本開示において可能である様々な実施形態を包括するものではない。特許請求の範囲を限定することなく、以下有利な特徴の概要について説明する。本開示のその他の目的、その他の有利かつ新規性を有する特徴については図面を参照しながら以下の本開示の詳細な説明において記載するが、当該説明および図面は本発明を具体的に説明することを意図するものであって限定するものではない。
【0005】
本発明の1観点は、変換自在な患者支持装置であって、内部に穴部が画定された患者支持ベッドと、前記穴部上または穴部内に配置され、前記患者支持ベッドに取り付けられた支持フレームと、前記支持フレームに固定された固定膜部とを有する、装置に関する。前記変換自在な患者支持装置は、さらに、取り外し自在な患者接触部であって、前記支持フレームに取り外し自在に取り付けられたインタフェースフレームと、前記インタフェースフレームに固定された患者接触フレームと、前記インタフェースフレームに固定された患者接触用膜部とを含むものである、前記取り外し自在な患者接触部を有する。前記患者接触用膜部、前記固定膜部、および前記インタフェースフレームは空洞部を画定し、この空洞部は、超音波カップリングおよび冷却流体(an ultrasound coupling and cooling fluid)をその内部に導入、またはその内部から排出するためのポートを有する。
【0006】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記固定膜部は、前記取り外し自在な患者接触部の下方に配置されている。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記固定膜部は剛性である。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記患者接触用膜部は変形自在である。
【0007】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記ポートは入口ポートを有し、内部流体循環チャネルが前記患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に形成され、前記内部流体循環チャネルは、前記入口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を前記空洞部に提供し、前記空洞から出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取る。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記装置は、さらに、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムと、前記出口ポートを前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムの入口と流体連通させる出口チャネルと、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムの出口を前記内部流体循環チャネルと流体連通させる入口チャネルと有する。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有する。
【0008】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記装置は、さらに、前記インタフェースフレームを前記支持フレームに対して解放自在に固定する機械的ロックを有する。
【0009】
本発明の別の観点は、変換自在な患者支持装置であって、内部に穴部が画定された患者支持ベッドと、前記穴部上または穴部内に配置され、前記患者支持ベッドに取り付けられた支持フレームと、前記支持フレームに固定された固定膜部とを有する、装置に関する。。前記変換自在な患者支持装置は、さらに、取り外し自在な患者接触部であって、前記支持フレームに取り外し自在に取り付けられたインタフェースフレームと、前記インタフェースフレームに固定された患者接触フレームと、前記インタフェースフレームに固定された患者接触用膜部と、前記患者接触フレームに取り付けられ、前記患者接触用膜部と前記固定膜部との間に配置された隆起した剛性患者接触部とを有するものである、前記取り外し自在な患者接触部と、前記隆起した剛性患者接触部上または前記隆起した剛性患者接触部の内部に配置された複数の循環チャネルとを有する。内部流体循環チャネルが前記患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に形成される。前記複数の循環チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の1若しくはそれ以上の入口ポートに流体連通されて超音波カップリングおよび冷却流体を受け取る。さらに、前記複数の循環チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の1若しくはそれ以上の出口ポートに流体連通されて前記超音波カップリングおよび冷却流体を流出させる。
【0010】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記隆起した剛性患者接触部は、超音波治療中に患者が前記患者支持ベッド上に在床しているときに、当該患者の解剖学的構造に係合するように構成されている。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記複数の循環チャネルは、互いに平行に延長する。
【0011】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記複数の循環チャネルは、螺旋形状部を形成する。1若しくはそれ以上の実施形態において、出口チャネルが前記螺旋形状部を貫通して形成され、前記複数の循環チャネルの終端部から前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取る。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記出口チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の前記1若しくはそれ以上の出口ポートに流体連通されている。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記出口チャネルは、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムに流体連通されている。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有する。
【0012】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記装置は、さらに、前記インタフェースフレームを前記支持フレームに対して解放自在に固定する機械的ロックを有する。
【0013】
本発明のさらに別の観点は、変換自在な患者支持装置と、複数の取り外し自在な患者接触部とを有するキットに関する。前記変換自在な患者支持装置は、内部に穴部が画定された患者支持ベッドと、前記穴部上または穴部内に配置され、前記患者支持ベッドに取り付けられた支持フレームと、前記支持フレームに固定された固定膜部とを有する。各取り外し自在な患者接触部は、前記支持フレームに取り外し自在に取り付けられるように構成されたインタフェースフレームと、前記インタフェースフレームに固定された患者接触フレームと、前記患者接触フレームに固定された患者接触用膜部とを含む。前記複数の取り外し自在な患者接触部のうちの1つにおける前記インタフェースフレームが前記支持フレームに取り付けられて装着済み患者接触部が形成されると、当該装着済み患者接触部の患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に内部流体循環チャネルが形成される。
【0014】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記複数の取り外し自在な患者接触部は、第1の取り外し自在な患者接触部を含み、前記第1の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられると、前記患者接触用膜部および前記固定膜部により、前記内部流体循環チャネルに流体連通されたポートを有する空洞部が画定され、前記ポートにより超音波カップリングおよび冷却流体が空洞部の内部に導入、または空洞部の内部から排出される。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記第1の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられると、前記ポートは入口ポートを構成し、前記空洞部は、前記内部流体循環チャネルに流体連通された出口ポートを有するように構成され、前記空洞部は、前記入口ポートから前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取って、前記出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を流出する。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記内部流体循環チャネルは、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムに流体連通されている。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有する。
【0015】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記第1の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられると、前記固定膜部は前記第1の取り外し自在な患者接触部の下方に配置される。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記第1の取り外し自在な患者接触部の患者接触用膜部は変形自在である。
【0016】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記複数の取り外し自在な患者接触部は、第2の取り外し自在な患者接触部を含む。前記第2の取り外し自在な患者接触部において、前記患者接触フレームに隆起した剛性患者接触部が取り付けられ、前記隆起した剛性患者接触部上または前記隆起した剛性患者接触部の内部に複数の循環チャネルが配置され、前記複数の循環チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の1若しくはそれ以上の入口ポートから前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取って、前記内部流体循環チャネル内の1若しくはそれ以上の出口ポートに前記超音波カップリングおよび冷却流体を流出させるように構成されており、前記第2の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられると、前記第2の取り外し自在な患者接触部の前記隆起した剛性患者接触部は、前記患者接触用膜部と前記固定膜部との間に配置される。
【0017】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記隆起した剛性患者接触部は、超音波治療中に患者が前記患者支持ベッド上に在床し、前記第2の取り外し自在な患者接触部が前記支持フレームに取り付けられているときに、当該患者の解剖学的構造に係合するように構成されている。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記隆起した剛性患者接触部上または前記隆起した剛性患者接触部の内部に配置された前記複数の循環チャネルは、互いに平行に延長する。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記隆起した剛性患者接触部上または前記隆起した剛性患者接触部の内部に配置された前記複数の循環チャネルは、螺旋形状部を形成する。1若しくはそれ以上の実施形態において、出口チャネルが前記螺旋形状部を貫通して形成され、前記複数の循環チャネルの終端部から前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取る。
【0018】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記出口チャネルは、前記内部流体循環チャネル内の前記1若しくはそれ以上の出口ポートに流体連通されている。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記出口チャネルは、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムに流体連通されている。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有する。
【0019】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記複数の取り外し自在な患者接触部は、第3の取り外し自在な患者接触部を含む。前記第3の取り外し自在な患者接触部において、前記患者接触用膜部は剛性であり、前記患者接触用膜部、前記固定膜部、および前記インタフェースフレームは空洞部を画定し、この空洞部は、前記内部流体循環チャネルと流体連通された入口ポートおよび出口ポートを有し、前記空洞部は、前記内部流体循環チャネル内の前記入口ポートから前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取って、前記内部流体循環チャネル内の前記出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を流出する。
【0020】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記キットは、さらに、前記複数の取り外し自在な患者接触部の各々のインタフェースフレームを前記支持フレームに対して解放自在に固定する機械的ロックを有する。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記固定膜部は剛性である。
【0021】
本発明の別の観点は、変換自在な患者支持装置と、患者の超音波処理対象体積を超音波処理するための高密度焦点式超音波(HIFU:high intensity focused ultrasound)システムとを有する、システムに関する。前記変換自在な患者支持装は、内部に穴部が画定された患者支持ベッドと、前記穴部上または穴部内に配置され、前記患者支持ベッドに取り付けられた支持フレームと、前記支持フレームに固定された固定膜部と、取り外し自在な患者接触部とを有する。前記取り外し自在な患者接触部は、前記支持フレームに取り外し自在に取り付けられたインタフェースフレームと、前記インタフェースフレームに固定された患者接触フレームと、前記インタフェースフレームに固定された患者接触用膜部とを含む。前記患者接触用膜部、前記固定膜部、および前記インタフェースフレームは空洞部を画定し、この空洞部は、超音波カップリングおよび冷却流体をその内部に導入、またはその内部から排出するためのポートを有する。前記高密度焦点式超音波(HIFU)システムは、前記患者支持ベッドの前記穴部の下方に配置された超音波適用装置を含み、前記超音波適用装置は、前記固定膜部、前記超音波カップリングおよび冷却流体、および前記患者接触用膜部を通過して、前記患者の体内の標的体積に到達する経路を有する超音波エネルギーを生成する。
【0022】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記超音波エネルギーの経路は、伝達される超音波エネルギーに対して不透明な構造は含まない。
【0023】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記ポートは、入口ポートを有し、内部流体循環チャネルが前記患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に形成されており、前記内部流体循環チャネルは、前記入口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を前記空洞部に提供し、前記空洞から出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取る。
【0024】
1若しくはそれ以上の実施形態において、内部流体循環チャネルが前記患者接触フレーム、前記固定膜部、および前記支持フレームの間に形成されており、前記内部流体循環チャネルは、前記入口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を前記空洞部に提供し、前記空洞から前記出口ポートを介して前記超音波カップリングおよび冷却流体を受け取る。
【0025】
1若しくはそれ以上の実施形態において、前記システムは、さらに、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムと、前記出口ポートを前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムの入口と流体連通させる出口チャネルと、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムの出口を前記内部流体循環チャネルと流体連通させる入口チャネルとを有する。1若しくはそれ以上の実施形態において、前記超音波カップリングおよび冷却流体再循環システムは、タンクと、ポンプと、流体冷却装置と、脱気装置とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本概念の要旨および利点の十分な理解のため、添付の図面に関連する好適な実施形態の詳細な説明を以下に参照する。
【
図1】
図1は、少なくともいくつかの実施形態に従って、本明細書に開示される装置、システム、および/または方法の少なくとも一部が使用される医療システムの一態様の図である。
【
図2】
図2は、1実施形態による、変換自在な患者支持装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、1実施形態による、変換自在な患者支持装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す変換自在な患者支持装置の断面図である。
【
図5】
図5は、1実施形態による、変換自在な患者支持装置の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示す隆起した剛性患者接触部上にある冷却チャネルの第1の実施形態を図示した変換自在な患者支持装置の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す変換自在な患者支持装置の断面図である。
【
図8】
図8は、
図5に示す隆起した剛性患者接触部上にある冷却チャネルの第2の実施形態を図示した変換自在な患者支持装置の斜視図である。
【
図9】
図9は、1実施形態によるキットのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
変換自在な患者支持装置は、患者支持ベッドと、当該患者支持ベッドの穴部に配置された取り外し自在な患者接触部とを含む。当該穴部は、支持フレームによって画定される。固定膜部は支持フレームに取り付けられている。複数の取り外し自在な患者接触部を提供することで、患者および/または治療に応じて変換自在な患者支持装置を変換することができる。
【0028】
各患者接触部は、インタフェースフレームと、患者接触フレームと、患者接触フレームに取り付けられた患者接触用膜部とを含む。内部流体循環チャネルは、支持フレーム、患者接触フレーム、および固定膜部の間に形成される。内部流体循環チャネルは、患者接触部内の超音波カップリングおよび冷却流体を循環させるように構成されている。
【0029】
1実施形態において、患者接触用膜部、固定膜部、およびインタフェースフレームによって、内部流体循環チャネルと流体連通された空洞部が形成され、超音波カップリングおよび冷却流体はこの空洞部から流入および流出する。患者接触用膜部は、使用中に患者と接触し、患者から力を受けたときにその形状を維持するように、剛性であってもよい。代替的に、患者接触用膜部は、使用中の患者との接触および患者からの力に応じて変形するように、変形自在であってもよい。
【0030】
別の実施形態において、患者接触用膜部は変形自在であり、隆起した剛性患者接触部が変形自在な患者接触用膜部と固定膜部との間に配置される。隆起した剛性患者接触部は、超音波治療中に患者が患者支持ベッド上に在床しているときに、患者の解剖学的構造に係合するように構成することができる。複数の超音波カップリングおよび冷却流体用チャネルを隆起した剛性患者接触部上またはその内部に画定することができる。
【0031】
図1は、少なくともいくつかの実施形態に従って、本明細書に開示された装置、システム、および/または方法の少なくとも一部が使用される医療システム100の一態様を示す。システム100は、患者108のための患者支持装置106と、磁気共鳴映像システム102と、画像誘導型HIFUシステム104とを含む。
【0032】
磁気共鳴映像システム102は、開口部112の周囲に配置された磁石110と、磁場が磁気共鳴映像を行うのに十分な強度かつ均一である映像領域114と、磁場を急速に変化させてMRI信号の空間符号化を可能にする一対の磁場勾配コイル116と、磁場勾配コイル116に電流を供給し、時間の関数として制御される磁場勾配コイル電源118と、映像領域114内の磁気スピンの配向を操作する送受信コイル120(「身体用」コイルとしても知られる)と、送受信コイル120と接続された無線周波数送受信機122と、コンピュータ124とを含む。コンピュータ124は、(例えば、コンピュータ124に動作可能に接続された非一時的な記憶媒体に格納された)コンピュータ可読命令を実行して、MRIシステム102の動作を容易にするためのタスクを実行する、ハードウェアベースのプロセッサを含む。さらに、コンピュータ124は、無線周波数送受信機122、磁場勾配コイル電源118、および画像誘導型エネルギー送達システム104に接続されている。
【0033】
HIFUシステム104は、超音波トランスデューサ素子アレイを有する治療適用装置を含み、超音波トランスデューサ素子アレイは、複数の角度方向において(例えば、超音波治療などの)画像誘導型温熱治療を実行して標的治療領域の治療を行う。超音波トランスデューサ素子アレイは、各超音波トランスデューサ素子によって生成される超音波エネルギーの相対位相を調整することによって電子的に誘導可能な幾何学的焦点105を有するように構成および配置される。HIFUシステム104は、患者108の標的治療領域105を治療するように画像誘導される。
【0034】
MRIコンピュータ124は、いくつかの実施形態において、MRIシステム102専用の1以上のコンピュータを含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、MRIコンピュータ124および/またはシステム100内、および/またはシステム100に接続された1若しくはそれ以上の他のコンピューティングデバイス(図示せず)は、治療適用装置と標的治療領域との間の皮下脂肪の厚さを決定し、皮下脂肪の厚さに基づいて1若しくはそれ以上の治療パラメータを調整するために、本明細書に開示する1若しくはそれ以上の観点および/または実施形態(またはその一部)を実施する1若しくはそれ以上のタスクを(例えば、非一時的な記憶媒体に格納されたコンピュータ可読命令を実行することによって)実行することもできる。
【0035】
コンピュータ124を含む1若しくはそれ以上のコンピュータは、標的治療領域と、標的治療領域に対する所望のまたは最小のエネルギー(例えば、熱)線量とを含む患者108の治療計画を含むことができる。コンピュータ(複数可)は、磁気共鳴映像システム102からの画像を使用して、(例えば、位置および角度方向について)治療適用装置を画像誘導することができる。上記のコンピュータのいくつかまたはすべては、例えば、通信ネットワークに対するソフトウェア制御リンクを通じて、(例えば、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、セルラーネットワーク、WiFiネットワーク、またはその他のネットワークを介して)相互通信することができる。
【0036】
図2は、1実施形態による変換自在な患者支持装置200の斜視図である。変換自在な患者支持装置200は、患者支持装置106と同じであってもよい。変換自在な患者支持装置200は、患者支持ベッド210と、取り外し自在な患者接触部220とを含む。取り外し可能な患者接触部220は、患者支持ベッド210に画定された穴部215に配置される。
【0037】
支持フレーム230は、穴部215の周囲を囲むように、または穴部215の周囲に近接して配置される。支持フレーム230は、患者支持ベッド210に取り付けられている。例えば、支持フレーム230は、患者支持ベッド210の上面212に取り付けることができる。上面212は、超音波治療中に患者(例えば、患者108)が横たわる平面または概ね平面の表面である。さらに、または代替的に、支持フレーム230は、穴部215を画定する患者支持ベッド210の内面に取り付けることができる。いずれの場合も、支持フレーム230は、各表面に直接取り付けるか、若しくは各表面に間接的に取けることができる(例えば、支持フレーム230は、各表面に直接取り付けられた基礎構造に取り付けることができる。)。
【0038】
取り外し自在な患者接触部220は、任意選択的な機械的ロック240と、患者接触用膜部250と、インタフェースフレーム260と、患者接触フレーム410とを含む。
【0039】
機械的ロック240(例えば、機械的ロック機構)は、取り外し自在な患者接触部220を支持フレーム230に解放自在に取り付ける。機械的ロック240は、第1の方向にスライドして支持フレーム230の基部内の補完構造と係合して取り外し自在な患者接触部220を支持フレーム230に対して固定するスライド自在な構造を含む。このスライド自在な構造は、第1の方向とは反対の第2の方向にスライドして支持フレーム230の基部内の補完構造を係合解除し、取り外し自在な患者接触部220を支持フレーム230からロック解除することができる。前記スライド自在な構造は、ロッド、突起部、フィン、またはその他の構造を含むことができる。前記補完構造は、溝部、凹部、またはその他の補完構造を含むことができる。代替的に、機械的ロック240は、(例えば、窓サッシのロックのように)回転自在な構造、ラッチ、またはその他の構造を含んでもよい。若しくは、上部フレーム構造は、バヨネットロックまたはねじ蓋などの回転ロック機構を収容することができる。
【0040】
患者接触用膜部250は、患者接触フレーム410に(例えば、固定されて)取り付けられている。患者接触用膜部250は、超音波治療中に患者の皮膚の標的治療領域に近接した位置に接触する。患者接触用膜部250は、下記の取り外し自在な患者接触部220内を循環する超音波カップリングおよび冷却流体を包囲しかつ収容する。この膜部は、超音波装置(例えば、画像誘導型HIFUシステム104)から患者に超音波を伝達し、また熱エネルギーを患者から離れる方向に伝導するように構成されている。
【0041】
患者接触用膜部250は、剛性または変形自在であってよい。患者接触用膜部250が剛性である場合、当該膜部250(例えば、当該膜部250の露出した患者接触面252)は、患者が患者支持ベッド210に横たわる、若しくは取り外し自在な患者接触部220上に手足を置くなどして当該膜部に力が加わった際に所定の形状を維持する。患者接触用膜部250の所定の形状は、(例えば、
図2に示すように)平面的であってもよいし、非平面的であってもよい。非平面的な患者接触用膜部の表面は、超音波治療中に患者の解剖学的特徴に係合するように構成された1若しくはそれ以上の隆起した平面領域(例えば、台地形状領域(plateaus))を含む。剛性患者接触用膜部250は、超音波ゲルパッドを有してもよい。
【0042】
患者接触用膜部250が変形自在である場合、当該膜部250(例えば、当該膜部250の露出した患者接触面252)は、患者が患者支持ベッド210に横たわる、若しくは取り外し自在な患者接触部220上に手足を置くなどして当該膜部に力が加わった際に変形する。例えば、患者接触用膜部は、(例えば、ウォーターベッドのように)部分的または完全に患者の身体に適合可能である。変形自在な患者接触用膜部は、熱可塑性エラストマー(TPE)を有してもよい。
【0043】
図3は、1実施形態による変換自在な患者支持装置300の斜視図である。変換自在な患者支持装置300は、当該支持装置における取り外し自在な患者接触部220が患者接触用膜部250の代わりに変形自在な患者接触用膜部350を含む点を除いて変換自在な患者支持装置200と同一である。
【0044】
図4は、
図3の線4-4を通る変換自在な患者支持装置300の断面図である。変換自在な患者支持装置300の断面図は、当該支持装置における取り外し自在な患者接触部220が患者接触用膜部250の代わりに変形自在な患者接触用膜部350を含む点を除いて変換自在な患者支持装置200の断面図を表す。
【0045】
この断面図は、変換自在な患者支持装置300が、固定または固着膜部(通常、固定膜部(static membrane)400)と、患者接触フレーム410とを含むことを示す。固定膜部400は、BoPET(二軸延伸ポリエチレンテレフタレート)(例えば、DuPont Teijin Filmsから入手可能なMYLAR(登録商標)など)を有することができる。固定膜部400は支持フレーム230に(例えば、固定されて)取り付けられ、また支持フレーム230は患者支持ベッド210に取り付けられている。取り外し自在な患者接触部220は、インタフェースフレーム260と、患者接触フレーム410と、変形自在な患者接触用膜部350とを含む。インタフェースフレーム260は、患者接触フレーム410に(例えば、固定されて)取り付けられ、また患者接触フレーム410は、変形自在な患者接触用膜部350に(例えば、固定されて)取り付けられている。インタフェースフレーム260上の任意選択的な機械的ロック240により、インタフェースフレーム260(したがって、取り外し自在な患者接触部220)を支持フレーム230に解放自在に固定することができる。したがって、患者接触フレーム410は、支持フレーム230に間接的に取り付けられている。
【0046】
いくつかの実施形態では、インタフェースフレーム260は任意選択的であり、その場合、患者接触フレーム410は、支持フレーム230に取り外し自在に取り付けられる。
【0047】
空洞部420は、変形自在な患者接触用膜部350、固定膜部400、およびインタフェースフレーム260の間に形成される。空洞部420は、内部流体循環チャネル430から超音波カップリングおよび冷却流体(例えば、水)を受け取るために、当該空洞部内の1若しくは複数の入口ポート412と流体連通している。いくつかの実施形態では、内部流体循環チャネル430および任意選択的な複数の複数の入口ポート412は、多岐管として機能する。内部流体循環チャネル430は、支持フレーム230、患者接触フレーム410、固定膜部400の間に形成される。患者接触フレーム410は、内部流体循環チャネル430に流体密なシールを提供するためにガスケットを含むことができる。変換自在な患者支持装置300および当該支持装置上に横たわる患者の重量により、ガスケットによる流体密なシールを改善することができる。
【0048】
超音波カップリングおよび冷却流体は、空洞部420内の1若しくはそれ以上の出口ポート414を通じて空洞部420から流出させることができる。出口ポート414は、超音波カップリングおよび冷却流体を超音波カップリングおよび冷却流体再循環システム450に流動させるために出口チャネル445に流体連通されている。代替的に、いくつかの実施形態では、空洞部420は、超音波カップリングおよび冷却流体を導入および/または受け入れるための単一のポートを含むことができる。
【0049】
超音波カップリングおよび冷却流体再循環システム450は、タンク452と、ポンプ454と、(例えば、循環中に加熱された超音波カップリングおよび冷却流体の温度を調整または制御する)冷却装置または熱交換器456と、脱気装置(degasser)458とを含む。超音波カップリングおよび冷却流体は、出口ポート414および出口チャネル445を介して空洞部420からタンク452に流出され、空洞部420および患者の皮膚から離れる方向に熱を移動させる。ポンプ454は、加熱された超音波カップリングおよび冷却流体をタンク452から冷却ユニット456および脱気装置458に送り、これらの装置においてそれぞれ、超音波カップリングおよび冷却流体の冷却、および気泡除去が行われる。温度制御された超音波カップリングおよび冷却流体は、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システム450を通過した後、入口チャネル455を介して内部流体循環チャネル430で再循環される。
【0050】
超音波カップリングおよび冷却流体によって空洞部420が充填されると、(例えば、露出した患者接触面352を含む)変形自在な患者接触用膜部350は、固定膜部400から離れる方向に移動する。超音波カップリングおよび冷却流体が空洞部420から除去されると、(例えば、露出した患者接触面352を含む)変形自在な患者接触用膜部350は、固定膜部400に向かって変形または湾曲することが可能である。
【0051】
固定膜部400は、空洞部420に対面する概ね平面的な表面を有することができる。固定膜部400は、接着剤または別の取り付け手段を用いて支持フレーム230に取り付けることができる。固定膜部400と支持フレーム230とを取着することにより、流体密なシール(または実質的に流体密なシール)を形成することができる。
【0052】
治療中、(例えば、画像誘導型HIFUシステム104内の)超音波適用装置は、患者支持ベッド210に画定された穴部215の下方に配置される。超音波エネルギーは、固定膜部400、超音波カップリングおよび冷却流体、ならびに変形自在な患者接触用膜部350を通過して患者の体内に入り、患者の体内において標的体積に集束される。超音波エネルギーの経路には、伝達される超音波エネルギーに対して不透明な構造は含まれない。
【0053】
超音波カップリングおよび冷却流体は、超音波エネルギーが移動する経路を提供することに加えて、治療中に加熱される患者の皮膚の温度を調整する。超音波エネルギーのごく一部のみが、皮膚を通して標的体積に伝達される。残りの超音波エネルギーは皮膚組織に吸収され、その結果皮膚の加熱が生じる。これは、皮膚と変形自在な患者接触用膜部350との間の境界層における密度差によって生じる。境界層における隙間に密度がはるかに低い空気が流れ込むと、エネルギー伝達率は著しく低下する。したがって、高エネルギー伝達率および皮膚の火傷を防ぐために、皮膚と膜部との間に良好な境界層が望まれる。
【0054】
図5は、1実施形態による変換自在な患者支持装置500の斜視図である。変換自在な患者支持装置500は、当該支持装置における取り外し自在な患者接触部220が、変形自在な患者接触用膜部350と固定膜部400との間に配置された、隆起した剛性患者接触構造510を含む点を除いて、変換自在な患者支持装置300と同一である。隆起した剛性患者接触構造510は、患者接触フレーム410に取り付けられている。
【0055】
隆起した剛性患者接触構造510は、当該剛性患者接触構造の平面部分512によって画定された平面に対して直交する軸を基準として測定される高さを有する。隆起した剛性患者接触構造510の上部514は、当該剛性患者接触構造が台地形状(plateau)を形成するように概ね平面である。図示する台地形状は、涙滴形状を呈する。別の実施形態では、台地形状は、ハート形、丸形(例えば、円、楕円、または他の丸形)、長方形、またはその他の形状を有することができる。代替的に、隆起した剛性患者接触構造510は、ドーム形状を有することができる。さらにまたは代替的に、隆起した剛性患者接触構造510は、台地形状またはドーム形状以外の形状であってもよく、あるいは、複数(例えば、2若しくはそれ以上)の隆起構造を含んでいてもよい。
【0056】
図5に示す涙滴形状は、治療用超音波治療を標的臓器(例えば、膵臓)に提供する際に、治療を意図しない特定の患者の臓器(例えば、胃および/または肝臓)を超音波ビームの経路外に移動させるように構成されている。高感受性臓器を移動させることに加えて、隆起した剛性患者接触構造510は、治療用超音波エネルギーを超音波装置(例えば、画像誘導型HIFUシステム104)から患者へ伝達する超音波カップリング媒体として機能する。
【0057】
変形自在な患者接触用膜部350は、隆起した剛性患者接触構造510上に配置され、通常、当該剛性患者接触構造の形状に適合する。例えば、
図5では、変形自在な患者接触用膜部350は通常、隆起した剛性患者接触構造510の涙滴形状に適合する。
【0058】
図6は、隆起した剛性患者接触構造510上の第1の実施形態である冷却チャネル600を示す、変換自在な患者支持装置500の斜視図である。冷却チャネル600は、患者接触フレーム410の対向する側部620、630に亘って互いに平行に延長する。冷却チャネル600はまた、変換自在な患者支持装置500の(例えば、変換自在な患者支持装置500の頭部支持体から足部支持体まで延長する)中心軸610に対して平行に延長する。
【0059】
各冷却チャネル600は、支持フレーム230の一方の側にある(例えば、水などの超音波カップリングおよび冷却流体を受け取るための)各入口ポートと、支持フレーム230の一方の側の反対側にある(例えば、水などの超音波カップリングおよび冷却流体を流出させるための)各出口ポートとに流体連通されていることが好ましい。例えば、各冷却チャネル600は、支持フレーム230の第1の側部620上の対応する入口ポートと、支持フレーム230の第2の側部630上の対応する出口ポートとに流体連通させることができる。代替的に、各冷却チャネル600は、支持フレーム230の第2の側部630上の対応する入口ポートと、支持フレーム230の第1の側部620上の対応する出口ポートとに流体連通させることができる。入口ポートおよび出口ポートは、内部流体循環チャネル430に流体連通されている。
【0060】
代替実施形態では、冷却チャネル600は、患者接触フレーム400の対向する側部625、635に亘って、互いに平行かつ中心軸610に直交するように延長させることができる。冷却チャネル600は、支持フレーム230の第3の側部625上の対応する入口ポートと、支持フレーム230の第4の側部635上の対応する出口ポートとに流体連通させることができる。代替的に、各冷却チャネル600は、支持フレーム230の第4の側部635上の対応する入口ポートと、支持フレーム230の第3の側部625上の対応する出口ポートとに流体連通させることができる。
【0061】
図7は、
図6の線4-4を通る変換自在な患者支持装置500の断面図である。明確化のため、
図7では、変形自在な患者接触用膜部350は示していない。変換自在な患者支持装置500は、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システム450に流体連通されている。超音波カップリングおよび冷却流体は、出口ポート414および出口チャネル445を介して隆起した剛性患者接触構造510からタンク452に流出され、隆起した剛性患者接触構造510から離れる方向に熱を移動させる。ポンプ454は、加熱された超音波カップリングおよび冷却流体をタンク452から冷却ユニット456および脱気装置458に送り、これらの装置においてそれぞれ、超音波カップリングおよび冷却流体の冷却、および溶解したガスの除去(例えば、超音波ビームの負圧波に晒されることによって超音波カップリングおよび冷却流体内に気泡が形成される場合がある)が行われる。超音波カップリングおよび冷却流体は、入口チャネル455を介して内部流体循環チャネル430に供給される。このように、超音波カップリングおよび冷却流体は、(ポンプ545により)タンクまたはリザーバ452から1若しくはそれ以上の入口チャネル455を通って内部流体循環チャネル430に流入し、次に冷却チャネル600を通って内部流体循環チャネル430の出口ポートから流出し、1若しくはそれ以上の出口チャネル445を通ってタンクまたはリザーバ452に返送される。
【0062】
治療中、(例えば、画像誘導型HIFUシステム104内の)超音波適用装置は、患者支持ベッド210に画定された穴部215の下に配置される。超音波エネルギーは、固定膜部400、超音波カップリングおよび冷却流体、隆起した剛性患者接触構造510、ならびに変形自在な患者接触用膜部350を通過して患者の体内に入り、患者の体内において標的体積に集束される。超音波エネルギーの経路には、伝達される超音波エネルギーに対して不透明な構造は含まれない。
【0063】
図8は、隆起した剛性患者接触構造510上の第2の実施形態である冷却チャネル800を示す、変換自在な患者支持装置500の斜視図である。明確化のため、
図8では、変形自在な患者接触用膜部350は示していない。冷却チャネル800は、隆起した剛性患者接触構造510の周囲を螺旋状に延長する。図示する螺旋形状部は、3つの冷却チャネル800で形成されている。別の実施形態では、追加のまたはより少ない冷却チャネル800によって螺旋形状部を形成することができる。
【0064】
冷却チャネル800は、(例えば、超音波カップリングおよび冷却流体を受け取るための)内部流体循環チャネル430内の1若しくはそれ以上の入口ポート810に流体連通している。出口孔部またはチャネル820は、冷却チャネル800の終端部から超音波カップリングおよび冷却流体を受け取るために、螺旋形状部を貫通して(例えば、螺旋形状部の中心を貫通して)形成することができる。孔部またはチャネル820は、出口チャネル445などを通して、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システム450のタンク452に流体連通している。1若しくはそれ以上の入口チャネル(例えば、入口チャネル455)は、超音波カップリングおよび冷却流体再循環システム450の出口を内部流体循環チャネル430に流体連通させる。
【0065】
冷却チャネル600、800は、別の流体経路および/または構成を有することが可能であると考えられる。600、800の経路および構成は、非限定的な例としてのみ提供される。
【0066】
図9は、1実施形態によるキット900のブロック図である。キット900は、変換自在な患者支持装置910と、取り外し自在な患者接触部920、930、940とを含む。変換自在な患者支持装置910は、本明細書に記載の任意の変換自在な患者支持装置(例えば、変換自在な患者支持装置200、変換自在な患者支持装置300、または変換自在な患者支持装置500)と同じであってもよい。変換自在な患者支持装置910は、取り外し自在な患者接触部915(例えば、取り外し自在な患者接触部220)含むことができ、若しくは取り外し自在な患者接触部915は取り外すことができる。いずれの場合も、変換自在な患者支持装置910は、その内部に画定された穴部912に、複数の取り外し自在な患者接触部920、930、940のうちの1つを解放自在に受容するように構成されている。
【0067】
取り外し自在な患者接触部920、930、940の各々は、同じように構成してもよいし、互いに異なるように構成してもよい。例えば、取り外し自在な患者接触部920は、
図2に関連して説明した(例えば、患者接触用膜部250を有する)取り外し自在な患者接触部と同じであってもよい。取り外し自在な患者接触部930は、
図3、4に関連して説明した(例えば、変形自在な患者接触用膜部350を有する)取り外し自在な患者接触部と同じであってもよい。取り外し自在な患者接触部930は、
図5~8に関連して説明した(例えば、隆起した剛性患者接触構造510を有する)取り外し自在な患者接触部と同じであってもよい。
【0068】
本発明は、上述の特定の実施形態に限定されるものと理解されるべきではなく、添付の特許請求の範囲に公平に記載されている本発明の態様を全て包含するものと理解されるべきである。種々の変更、等価の工程、および本発明が適用可能な種々の構造は、本発明の関連分野の当業者にとって明白であると考えられる。特許請求の範囲は、斯かる変更および等価物も包含することを意図する。