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特許7443650表示基板、表示装置及び表示基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】表示基板、表示装置及び表示基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240228BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240228BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20240228BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20240228BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240228BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20240228BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20240228BHJP
【FI】
G09F9/30 365
G09F9/00 338
H05B33/10
H05B33/12 B
H05B33/14 A
H05B33/22 Z
H10K59/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018543367
(86)(22)【出願日】2017-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 CN2017113082
(87)【国際公開番号】W WO2018233207
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-03-26
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】201710485645.2
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512000341
【氏名又は名称】合肥京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.2177 Tonglingbei Road,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ゴン、 クゥイ
(72)【発明者】
【氏名】トアン、 シエンシュー
(72)【発明者】
【氏名】アン、 フゥイ
【合議体】
【審判長】中塚 直樹
【審判官】濱本 禎広
【審判官】田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/351635(US,A1)
【文献】特開2003-249376(JP,A)
【文献】特開2005-174907(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/254331(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/285049(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H05B 33/00-33/28
H01L 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、ベース基板と、前記ベース基板上の複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層とを含み、
前記ピクセル限定層は、相対する第1の辺及び前記第1の辺の前記ベース基板から遠い側に位置する第2の辺を有し、
前記ピクセル限定層は、前記第1の辺と前記第2の辺の間に位置する、前記ベース基板に実質的に平行な平面に沿う第1の横断面を有し、
前記第1の横断面の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆い、
前記ピクセル限定層は、第1のサブ層と、前記第1のサブ層の前記ベース基板から遠い側に位置する第2のサブ層とを含み、
前記ピクセル限定層は、前記第1のサブ層と前記第2のサブ層の間に位置する光を遮断するための遮光サブ層を更に含み、
前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層及び第2のサブ層の光透過率よりも低い光透過率を有し、
実質的に前記第1の辺から前記第2の辺への方向に沿って延長される平面に沿う前記遮光サブ層の横断面は、実質的に長方形の形状を有し、
前記第1のサブ層は、前記ベース基板から近く且つ前記第2のサブ層から遠い第1の辺と、前記第2のサブ層から近く且つ前記ベース基板から遠い第5の辺と、前記第1の辺と前記第5の辺を連結する第3の辺とを有し、
前記第2のサブ層は、第6の辺及び前記第6の辺の前記第1のサブ層から遠い側に位置する第2の辺と、前記第6の辺と前記第2の辺を連結する第4の辺とを有し、前記第6の辺及び前記第2の辺は相対し、
前記第5の辺の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆い、
前記第6の辺の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆い、
前記遮光サブ層は、前記第3の辺に到達し、前記第1のサブ層を透過した光を遮光し、 前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第1のサブ層の横断面は、実質的に逆台形の形状を有し、
前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第2のサブ層の横断面は、実質的に台形の形状を有し、
前記表示基板は、
前記複数のサブピクセル領域内の有機層を更に含み、
前記複数のサブピクセル領域の各サブピクセル領域内の前記有機層は、前記遮光サブ層の側面が、前記有機層により実質的に覆われるような厚さを有する、ことを特徴とする表示基板。
【請求項2】
前記遮光サブ層の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うことを特徴とする請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記遮光サブ層の前記ベース基板における正投影は、前記第5の辺及び前記第6の辺の前記ベース基板における正投影と実質的に重なることを特徴とする請求項1に記載の表示基板。
【請求項4】
前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の厚さよりも小さく且つ前記第2のサブ層の厚さよりも小さい厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の表示基板。
【請求項5】
前記第1のサブ層は、0.5μm乃至2.5μmの範囲にある厚さを有し、
前記第2のサブ層は、0.5μm乃至2.5μmの範囲にある厚さを有し、
前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の厚さの1/10乃至1/5の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の表示基板。
【請求項6】
前記第1のサブ層、前記遮光サブ層及び前記第2のサブ層の各々は、フォトレジスト材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示基板。
【請求項7】
前記有機層の前記ベース基板から近い側に位置する第1の電極と、前記有機層の前記ベース基板から遠い側に位置する第2の電極とを更に含み、
前記第2の電極は、前記有機層及び前記第2のサブ層に直接接触するが、前記遮光サブ層に直接接触しないことを特徴とする請求項1に記載の表示基板。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示基板を含む表示装置。
【請求項9】
表示基板の製造方法であって、ベース基板上に複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層を形成するステップを含み、
前記ピクセル限定層は、相対する第1の辺及び前記第1の辺の前記ベース基板から遠い側に位置する第2の辺を有するように形成され、
前記ピクセル限定層は、前記第1の辺と前記第2の辺の間に位置する、前記ベース基板の表面に実質的に平行な平面に沿う第1の横断面を有するように形成され、
前記ピクセル限定層は、前記第1の横断面の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うように形成され、
前記ピクセル限定層は、第1のサブ層と、前記第1のサブ層の前記ベース基板から遠い側に位置する第2のサブ層とを含み、
前記ピクセル限定層は、前記第1のサブ層と前記第2のサブ層の間に位置する光を遮断するための遮光サブ層を更に含み、
前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層及び第2のサブ層の光透過率よりも低い光透過率を有し、
実質的に前記第1の辺から前記第2の辺への方向に沿って延長される平面に沿う前記遮光サブ層の横断面は、実質的に長方形の形状を有し、
前記第1のサブ層は、前記ベース基板から近く且つ前記第2のサブ層から遠い第1の辺と、前記第2のサブ層から近く且つ前記ベース基板から遠い第5の辺と、前記第1の辺と前記第5の辺を連結する第3の辺とを有し、
前記第2のサブ層は、第6の辺及び前記第6の辺の前記第1のサブ層から遠い側に位置する第2の辺と、前記第6の辺と前記第2の辺を連結する第4の辺とを有し、前記第6の辺及び前記第2の辺は相対し、
前記第5の辺の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆い、
前記第6の辺の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆い、
前記遮光サブ層は、前記第3の辺に到達し、前記第1のサブ層を透過した光を遮光し、 前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第1のサブ層の横断面は、実質的に逆台形の形状を有し、
前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第2のサブ層の横断面は、実質的に台形の形状を有し、
前記表示基板は、
前記複数のサブピクセル領域内の有機層を更に含み、
前記複数のサブピクセル領域の各サブピクセル領域内の前記有機層は、前記遮光サブ層の側面が、前記有機層により実質的に覆われるような厚さを有する、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記ピクセル限定層を形成するステップは、
前記ベース基板上に第1のフォトレジスト材料層を形成するステップと、
前記第1のフォトレジスト材料層の前記ベース基板から遠い側に遮光フォトレジスト材料層を形成するステップと、
前記遮光フォトレジスト材料層の前記ベース基板から遠い側に第2のフォトレジスト材料層を形成するステップと、
前記第1のフォトレジスト材料層、前記遮光フォトレジスト材料層及び前記第2のフォトレジスト材料層をパターニングすることにより、前記第1のサブ層、前記遮光サブ層及び前記第2のサブ層を形成するステップと
を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のフォトレジスト材料層、前記遮光フォトレジスト材料層及び前記第2のフォトレジスト材料層をパターニングするステップは、
前記第1のフォトレジスト材料層から前記遮光フォトレジスト材料層への方向に沿って照射される光を用いて前記第1のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を露光するステップと、
前記第2のフォトレジスト材料層から前記遮光フォトレジスト材料層への方向に沿って照射される光を用いて前記第2のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を露光するステップと、
前記第1のフォトレジスト材料層、前記第2のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を現像することにより、前記第1のサブ層、前記第2のサブ層及び前記遮光サブ層を形成するステップと
を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のフォトレジスト材料層を露光するステップと、前記第2のフォトレジスト材料層を露光するステップとは、同一のマスク板を用いて実行されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術に関し、特に、表示基板、表示装置及び表示基板の製造方法に関する。
【0002】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2017年6月23日に中国特許庁に提出された中国特許出願201710485645.2の優先権を主張し、その全ての内容が援用により本出願に取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード(OLED)表示装置は、自己発光装置であり、バックライトを必要としない。また、OLED表示装置は、従来の液晶表示(LCD)装置に比べて、より鮮やかな色彩及びより広い色域を提供する。更に、OLED表示装置は、一般的なLCDに比べて、より柔軟に、薄く、軽く製造できる。一般的に、OLED表示装置は、アノードと、有機発光層を有する有機層と、カソードとを含む。OLEDは、ボトムエミッション型のOLEDでも可能であり、トップエミッション型のOLEDでも可能である。ボトムエミッション型のOLEDにおいて、光は、アノード側から取り出される。ボトムエミッション型のOLEDにおいて、アノードは、通常的に透明である反面、カソードは、通常的に光を反射する。トップエミッション型のOLEDにおいて、光は、カソード側から取り出される。カソードは、光学的に透明である反面、アノードは、光を反射する。
【発明の概要】
【0004】
一つの側面において、本発明は、表示基板であって、ベース基板と、前記ベース基板上の複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層とを含み、前記ピクセル限定層は、相対する第1の辺及び前記第1の辺の前記ベース基板から遠い側に位置する第2の辺を有し、前記ピクセル限定層は、前記第1の辺と前記第2の辺の間に位置する、前記ベース基板に実質的に平行な平面に沿う第1の横断面を有し、前記第1の横断面の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆う、表示基板を提供する。
【0005】
選択可能に、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記ピクセル限定層の第2の横断面は、実質的に逆台形の前記ベース基板から遠い側に位置する実質的に台形を含む形状を有する。
【0006】
選択可能に、前記ピクセル限定層は、第1のサブ層と、前記第1のサブ層の前記ベース基板から遠い側に位置する第2のサブ層とを含み、前記第1のサブ層は、前記ベース基板から近く且つ前記第2のサブ層から遠い第1の辺と、前記第2のサブ層から近く且つ前記ベース基板から遠い第5の辺と、前記第1の辺と前記第5の辺を連結する第3の辺とを有し、前記第2のサブ層は、相対する第6の辺及び前記第6の辺の前記第1のサブ層から遠い側に位置する第2の辺と、前記第6の辺と前記第2の辺を連結する第4の辺とを有し、前記第5の辺の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆い、前記第6の辺の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆う。
【0007】
選択可能に、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第1のサブ層の横断面は、実質的に逆台形の形状を有し、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第2のサブ層の横断面は、実質的に台形の形状を有する。
【0008】
選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記第1のサブ層と前記第2のサブ層の間に位置する光を遮断するための遮光サブ層を更に含み、前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層及び第2のサブ層の光透過率よりも低い光透過率を有する。
【0009】
選択可能に、前記遮光サブ層の前記ベース基板における正投影は、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆う。
【0010】
選択可能に、前記遮光サブ層の前記ベース基板における正投影は、前記第5の辺及び前記第6の辺の前記ベース基板における正投影と実質的に重なる。
【0011】
選択可能に、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第1のサブ層の横断面は、実質的に逆台形の形状を有し、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第2のサブ層の横断面は、実質的に台形の形状を有し、実質的に前記第1の辺から前記第2の辺への方向に沿って延長される平面に沿う前記遮光サブ層の横断面は、実質的に長方形の形状を有する。
【0012】
選択可能に、前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の厚さよりも小さく且つ前記第2のサブ層の厚さよりも小さい厚さを有する。
【0013】
選択可能に、前記第1のサブ層は、約0.5μm乃至約2.5μmの範囲にある厚さを有し、前記第2のサブ層は、約0.5μm乃至約2.5μmの範囲にある厚さを有し、前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の厚さの約1/10乃至約1/5の厚さを有する。
【0014】
選択可能に、前記第1のサブ層、前記遮光サブ層及び前記第2のサブ層の各々は、フォトレジスト材料を含む。
【0015】
選択可能に、前記表示基板は、前記複数のサブピクセル領域内の有機層を更に含み、前記複数のサブピクセル領域の各々内の前記有機層は、前記遮光サブ層の側面が、前記有機層により実質的に覆われるような厚さを有する。
【0016】
選択可能に、前記表示基板は、前記有機層の前記ベース基板から近い側に位置する第1の電極と、前記有機層の前記ベース基板から遠い側に位置する第2の電極とを更に含み、前記第2の電極は、前記有機層及び前記第2のサブ層に直接接触するが、前記遮光サブ層に直接接触しない。
【0017】
もう一つの側面において、本発明は、ここに記述される表示基板又はここに記述される方法により製造される表示基板を含む表示装置を提供する。
【0018】
もう一つの側面において、本発明は、表示基板の製造方法であって、ベース基板上に複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層を形成するステップを含み、前記ピクセル限定層は、相対する第1の辺及び前記第1の辺の前記ベース基板から遠い側に位置する第2の辺を有するように形成され、前記ピクセル限定層は、前記第1の辺と前記第2の辺の間に位置する、前記ベース基板の表面に実質的に平行な平面に沿う第1の横断面を有するように形成され、前記ピクセル限定層は、前記第1の横断面の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される、方法を提供する。
【0019】
選択可能に、前記ピクセル限定層を形成するステップは、前記ベース基板上に第1のフォトレジスト材料層を形成するステップと、前記第1のフォトレジスト材料層の前記ベース基板から遠い側に遮光フォトレジスト材料層を形成するステップと、前記遮光フォトレジスト材料層の前記ベース基板から遠い側に第2のフォトレジスト材料層を形成するステップと、前記第1のフォトレジスト材料層、前記遮光フォトレジスト材料層及び前記第2のフォトレジスト材料層をパターニングすることにより、前記第1のサブ層、前記遮光サブ層及び前記第2のサブ層を形成するステップとを含む。
【0020】
選択可能に、前記第1のフォトレジスト材料層、前記遮光フォトレジスト材料層及び前記第2のフォトレジスト材料層をパターニングするステップは、前記第1のフォトレジスト材料層から前記遮光フォトレジスト材料層への方向に沿って照射される光を用いて前記第1のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を露光するステップと、前記第2のフォトレジスト材料層から前記遮光フォトレジスト材料層への方向に沿って照射される光を用いて前記第2のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を露光するステップと、前記第1のフォトレジスト材料層、前記第2のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を現像することにより、前記第1のサブ層、前記第2のサブ層及び前記遮光サブ層を形成するステップとを含む。
【0021】
選択可能に、前記第1のフォトレジスト材料層を露光するステップと、前記第2のフォトレジスト材料層を露光するステップとは、同一のマスク板を用いて実行される。
【0022】
もう一つの側面において、本発明は、表示基板であって、ベース基板と、前記ベース基板上の複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層とを含み、前記ピクセル限定層は、前記ベース基板上の第1のサブ層と、前記第1のサブ層の前記ベース基板から遠い側に位置する光を遮断するための遮光サブ層とを含み、前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の光透過率よりも低い光透過率を有する、表示基板を提供する。
【0023】
もう一つの側面において、本発明は、表示基板の製造方法であって、ベース基板上に複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層を形成するステップを含み、前記ピクセル限定層を形成するステップは、前記ベース基板上に第1のサブ層を形成するステップと、前記第1のサブ層の前記ベース基板から遠い側に光を遮断するための遮光サブ層を形成するステップとを含み、前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の光透過率よりも低い光透過率を有するように形成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の図面は、ただ開示された様々な実施例による説明の目的で使用された例であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0025】
図1】従来の表示基板の構造を示す模式図である。
【0026】
図2】従来の表示基板の構造を示す模式図である。
【0027】
図3A】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。
【0028】
図3B図3Aの表示基板の平面図である。
【0029】
図4】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。
【0030】
図5】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。
【0031】
図6】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。
【0032】
図7】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。
【0033】
図8】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造方法を示すフローチャートである。
【0034】
図9】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造方法を示すフローチャートである。
【0035】
図10】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造過程を示す。
【0036】
図11】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造過程を示す。
【0037】
図12】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造過程を示す。
【0038】
図13】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造過程を示す。
【0039】
図14】本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、以下の実施例を参照しながら本開示をより詳しく説明する。説明すべきことは、幾つかの実施例に対する以下の説明は、ただ解釈及び説明の目的でここに記載される。これは、網羅的であること又は開示された正確な形式に限ることを意図するものではない。
【0041】
図1は、従来の表示基板の構造を示す模式図である。図1を参照すると、前記表示基板は、ベース基板011と、複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層012と、前記複数のサブピクセル領域内の有機層013とを含む。前記ピクセル限定層012は、一般的に樹脂材料で作られ、且つ一般的に等脚台形の形状を有する横断面を有するように作られる。前記ピクセル限定層012を製作するための材料の自由エネルギーは、前記複数のサブピクセル領域に有機材料層を印刷するためのインク溶液の自由エネルギーと非常に大きな差異がある。印刷過程において、前記インク溶液は、一般的に前記ピクセル限定層012の側壁に登り、有機層013が不均一な厚さを有するという結果をもたらす。一般的に、従来の表示基板における有機層013は、図1に示すように、縁でより厚く、中央でより薄い(例えば、「コーヒーリング効果」)。例えば、より良い特性を有するピクセル限定層材料の利用、インク溶液の成分の調整、乾燥温度、乾燥圧力及び乾燥空気を含む有機層形成条件の微調整等の前記コーヒーリング効果を減少又は防止する試みは、これまで数多く行なわれている。こられの試みは、何らかの改善をもたらすことができるが、製造過程を著しく複雑にし、製造原価を上げる。
【0042】
図2は、従来の表示基板の構造を示す模式図である。図2を参照すると、前記ピクセル限定層023は、実質的に逆台形の形状を有する横断面を有する。前記ピクセル限定層023の側面とアノード022の表面とは、90度より小さい夾角を有する。前記ピクセル限定層023の側面及びアノード022の表面は、有機層024の印刷過程における前記インク溶液のより均等な分布を可能にするキャピラリ構造を形成し、従って前記コーヒーリング効果を減少する。然しながら、カソード025を形成する後続過程において、カソード025は、ピクセル限定層023の実質的に逆台形の形状による欠陥が発生しやすく、常にカソード025でのラインオープンという結果をもたらす。この問題は、カソード025の厚さが相対的に小さく、前記複数のサブピクセル領域内の溝を完全に充填するのに不十分である場合に特に問題となる。このため、カソード025の欠陥の発生を防止するために、より厚いカソードが必要であり、前記複数のサブピクセル領域内の溝を完全に充填するのに何十倍の量のカソード材料を必要とする場合がある。これは、前記表示基板におけるより低い光透過率及びはるかに高い製造原価につながる。
【0043】
従って、本開示は、とりわけ、関連技術の限界及び弱点による1つ又はその以上の問題点を実質的に予防する表示基板、表示装置及び表示基板の製造方法を提供する。一つの側面において、本開示は、ベース基板と、前記ベース基板上の複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層とを有する表示基板を提供する。幾つかの実施例において、前記ピクセル限定層は、前記ベース基板上の第1のサブ層と、前記第1のサブ層の前記ベース基板から遠い側に位置する光を遮断するための遮光サブ層とを含む。選択可能に、前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の光透過率よりも低い光透過率を有する。
【0044】
図3Aは、本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。図3Aを参照すると、幾つかの実施例における表示基板は、ベース基板11と、ベース基板11上の複数のサブピクセル領域Sを限定するためのピクセル限定層100とを含む。ピクセル限定層100は、相対する第1の辺S1及び第2の辺S2を有する。第2の辺S2は、第1の辺S1のベース基板11から遠い側に位置する。ピクセル限定層100は、ピクセル限定層100が第1の辺S1及び第2の辺S2で狭く、中間で広くように、第1の辺S1と第2の辺S2の間に突起部を有する。図3Aに示すように、ピクセル限定層100は、前記第1の辺と前記第2の辺の間に位置する(例えば、中間部を通過)、基板11に実質的に平行な平面に沿う横断面Mを有する。選択可能に、横断面Mのベース基板11における正投影は、第1の辺S1及び第2の辺S2のベース基板11における正投影を実質的に覆う。選択可能に、横断面Mのベース基板11における正投影は、複数のサブピクセル領域のうち一つの有機層の縁部分の横断面Mに対応する正投影を実質的に覆う。選択可能に、前記有機層は、前記縁部分外部で実質的に均一な厚さを有し、ピクセル限定層100は、前記縁部分における如何なる厚さの不均一性による発光不均一性を防止する。選択可能に、前記表示基板は、前記有機層上の第2の電極(例えば、カソード)を更に含む。選択可能に、前記突起部(例えば、横断面M)は、例えば、前記第2の電極に如何なる欠陥を形成せずに、前記第2の電極のピクセル限定層100に対応する領域から前記有機層に対応する領域への遷移の橋渡しを支援する。
【0045】
図3Bは、図3Aの表示基板の平面図である。図3Bに示すように、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿うピクセル限定層100の横断面Nは、実質的に逆台形のベース基板11から遠い側に積み重ねられた実質的に台形を含む形状を有する。横断面Mは、前記実質的に台形と前記実質的に逆台形の間に位置する。ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う横断面Nは、第1の辺S1及び第2の辺S2で狭く、中間で広い形状を有する。選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿うピクセル限定層100の横断面Nは、実質的に六角形の形状を有する。
【0046】
図3Aに示すように、ピクセル限定層100は、結合されて第1の辺S1と第2の辺S2を連結する第3の辺S3及び第4の辺S4を有する。第3の辺S3は、第1の辺S1と横断面Mを連結し、第4の辺S4は、第2の辺S2と横断面Mを連結する。選択可能に、第3の辺S3とベース基板11の表面とは、夾角αを有し、夾角αは、鋭角である。選択可能に、夾角αは、約5度乃至約90度の範囲にあり、例えば、約15度乃至約89度、約35度乃至約89度、約55度乃至約89度、約75度乃至約89度、及び約60度乃至約85度である。選択可能に、第4の辺S4とベース基板11の表面とは、夾角βを有し、夾角βは、鈍角である。選択可能に、夾角βは、約90度乃至約175度の範囲にあり、例えば、約91度乃至約165度、約91度乃至約145度、約91度乃至約125度、約91度乃至約105度、及び約95度乃至約120度である。
【0047】
選択可能に、ピクセル限定層100は、一体層である。選択可能に、ピクセル限定層100は、多重のサブ層を含む。
【0048】
図4は、本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。図4を参照すると、幾つかの実施例における表示基板は、ベース基板11と、ベース基板11上の複数のサブピクセル領域Sを限定するためのピクセル限定層100とを含む。ピクセル限定層100は、第1のサブ層12と、第1のサブ層12のベース基板11から遠い側に位置する第2のサブ層14とを含む。第1のサブ層12は、ベース基板11から近く且つ第2のサブ層14から遠い第1の辺S1と、第2のサブ層14から近く且つベース基板11から遠い第5の辺S5と、第1の辺S1と第5の辺S5を連結する第3の辺S3とを有する。第2のサブ層14は、相対する第6の辺S6及び第2の辺S2、及び第6の辺S6と第2の辺S2を連結する第4の辺S4を有する。第2の辺S2は、第6の辺S6の第2のサブ層14から遠い側に位置する。
【0049】
選択可能に、第5の辺S5のベース基板11における正投影は、第1の辺S1及び第2の辺S2のベース基板11における正投影を実質的に覆う。選択可能に、第6の辺S6のベース基板11における正投影は、第1の辺S1及び第2の辺S2のベース基板11における正投影を実質的に覆う。
【0050】
選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第1のサブ層12の横断面は、実質的に逆台形の形状を有する。選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第2のサブ層14の横断面は、実質的に台形の形状を有する。
【0051】
選択可能に、第3の辺S3とベース基板11の表面とは、夾角αを有し、夾角αは、鋭角である。選択可能に、夾角αは、約5度乃至約90度の範囲にあり、例えば、約15度乃至約89度、約35度乃至約89度、約55度乃至約89度、約75度乃至約89度、及び約60度乃至約85度である。選択可能に、第4の辺S4とベース基板11の表面とは、夾角βを有し、夾角βは、鈍角である。選択可能に、夾角βは、約90度乃至約175度の範囲にあり、例えば、約91度乃至約165度、約91度乃至約145度、約91度乃至約125度、約91度乃至約105度、及び約95度乃至約120度である。
【0052】
図5は、本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。図5を参照すると、幾つかの実施例における表示基板は、ベース基板11と、ベース基板11上の複数のサブピクセル領域Sを限定するためのピクセル限定層100とを含む。ピクセル限定層100は、ベース基板11上の第1のサブ層12と、第1のサブ層12のベース基板11から遠い側に位置する光を遮断するための遮光サブ層13とを含む。遮光サブ層13は、第1のサブ層12の光透過率よりも低い光透過率を有する。選択可能に、遮光サブ層13は、遮光材料、例えば、黒色材料で作られる。選択可能に、第1のサブ層12は、実質的に透明な材料、例えば、樹脂材料で作られる。
【0053】
前記第1のサブ層は、ベース基板11から近く且つ遮光サブ層13から遠い第1の辺S1と、遮光サブ層13から近く且つベース基板11から遠い第5の辺S5と、第1の辺S1と第5の辺S5を連結する第3の辺S3とを有する。第5の辺S5のベース基板11における正投影は、第1の辺S1のベース基板11における正投影を実質的に覆う。選択可能に、遮光サブ層13のベース基板11における正投影は、第1の辺S1のベース基板11における正投影を実質的に覆う。選択可能に、遮光サブ層13のベース基板11における正投影は、第5の辺S5のベース基板11における正投影と実質的に重なる。
【0054】
選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第1のサブ層12の横断面は、第5の辺S5で広く且つ第1の辺S1で狭い形状を有する。選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第1のサブ層12の横断面は、実質的に逆台形の形を有する。この構成を有することにより、第1のサブ層12の第3の辺S3とベース基板11の表面とは、夾角αを有し、夾角αは、鋭角である。選択可能に、夾角αは、約5度乃至約90度の範囲にあり、例えば、約15度乃至約89度、約35度乃至約89度、約55度乃至約89度、約75度乃至約89度、及び約60度乃至約85度である。鋭角の夾角αを有することにより、第1のサブ層12とピクセル限定層100の下方の構造の表面の間(例えば、第3の辺S3と第1の電極17の表面の間)にキャピラリ構造が形成される。選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第1のサブ層12の横断面は、実質的に逆等脚台形の形状を有する。
【0055】
選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う遮光サブ層13の横断面は、実質的に長方形の形状を有する。
【0056】
複数のサブピクセル領域S内に有機材料(例えば、有機発光材料)を印刷する後続過程において、複数のサブピクセル領域Sに分注される有機材料を含有するインクは、吸取作用(即ち、キャピラリ力)により、第3の辺S3と第1の電極17の表面の間のキャピラリ構造に容易に吸い取られる。前記キャピラリ構造の吸取作用のため、前記インクは、複数のサブピクセル領域Sの各々(第1の電極17の表面上)により均等に分注されることでき、例えば、前記インクに覆われた領域全体に亘ってより均一な厚さを有する。前記吸取作用は、前記インクが第3の辺S3の表面に沿って登ることを防止するため、前記コーヒーリング効果が実質的に防止又は減少されることができ、従って、前記インクが乾燥された時、領域全体に亘って実質的に均一な厚さを有する有機層を形成する。また、遮光サブ層13は、前記有機層の縁の周りで発される光を遮断できる。たとえ前記コーヒーリング効果が前記有機層に依然存在しても、複数のサブピクセル領域Sは、依然として遮光サブ層13により露出及び限定される発光表面全体に亘って実質的に均一な光の強度を有する光を発することができる。図5に示すように、遮光サブ層13は、また、前記有機層の一側(図5に点線で描画)から発される光を効果的に遮断し、前記表示基板における光漏れ及び混色を効果的に防止できる。その結果、本表示基板を有する表示パネルにおける表示品質を著しく強化できる。
【0057】
図6は、本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。図6を参照すると、幾つかの実施例における表示基板は、ベース基板11と、ベース基板11上の複数のサブピクセル領域Sを限定するためのピクセル限定層100とを含む。ピクセル限定層100は、ベース基板11上の第1のサブ層12と、第1のサブ層12のベース基板11から遠い側に位置する光を遮断するための遮光サブ層13と、遮光サブ層13の第1のサブ層12から遠い側に位置する第2のサブ層14とを含む。遮光サブ層13は、第1のサブ層12及び第2のサブ層14の光透過率よりも低い光透過率を有する。選択可能に、遮光サブ層13は、遮光材料、例えば、黒色材料で作られる。選択可能に、第1のサブ層12は、実質的に透明な材料、例えば、樹脂材料で作られる。選択可能に、第2のサブ層14は、実質的に透明な材料、例えば、樹脂材料で作られる。
【0058】
前記第1のサブ層は、ベース基板11から近く且つ遮光サブ層13から遠い第1の辺S1と、遮光サブ層13から近く且つベース基板11から遠い第5の辺S5と、第1の辺S1と第5の辺S5を連結する第3の辺S3とを有する。第2のサブ層14は、相対する第6の辺S6及び第2の辺S2、及び第6の辺S6と第2の辺S2を連結する第4の辺S4を有する。第2の辺S2は、第6の辺S6の遮光サブ層13から遠い側に位置する。第5の辺S5のベース基板11における正投影は、第1の辺S1及び第2の辺S2のベース基板11における正投影を実質的に覆う。第6の辺S6のベース基板11における正投影は、第1の辺S1及び第2の辺S2のベース基板11における正投影を実質的に覆う。選択可能に、遮光サブ層13のベース基板11における正投影は、第1の辺S1及び第2の辺S2のベース基板11における正投影を実質的に覆う。選択可能に、遮光サブ層13のベース基板11における正投影は、第5の辺S5及び第6の辺S6のベース基板11のおける正投影と実質的に重なる。
【0059】
選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第1のサブ層12の横断面は、第5の辺S5で広く且つ第1の辺S1で狭い形状を有し、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第2のサブ層14の横断面は、第6の辺S6で広く且つ第2の辺S2で狭い形状を有する。選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第1のサブ層12の横断面は、実質的に逆台形の形状を有し、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第2のサブ層14の横断面は、実質的に台形の形状を有する。選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第1のサブ層12の横断面は、実質的に逆等脚台形の形状を有し、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第2のサブ層14の横断面は、実質的に等脚台形の形状を有する。
【0060】
選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う遮光サブ層13の横断面は、実質的に長方形の形状を有する。
【0061】
この構成を有することにより(例えば、第1のサブ層12の横断面が逆台形の形状を有し、第2のサブ層14の横断面が台形の形状を有する)、第1のサブ層12及び第2のサブ層14の厚さは、中央部から縁部へ徐々に減少される。上に述べたように、第1のサブ層12は、第1の電極17とキャピラリ構造を形成し、実質的に均一な厚さを有する有機層の形成を促進する。また、この構成は、瑕疵(例えば、前記第2の電極層の欠陥)のない後続層(例えば、前記有機層上の第2の電極層)の形成に特に有利である。中央部から縁部へ徐々に減少される厚さを有する第2のサブ層14を有することにより、第2のサブ層14上に形成される後続層は、第2のサブ層14の上方から前記複数のサブピクセル領域の一つに徐々に通過し、ピクセル限定層100に対応する領域と複数のサブピクセル領域Sの隣接するサブピクセル領域の間の後続層における欠陥の発生の問題を予防する。
【0062】
幾つかの実施例において、遮光サブ層13は、実質的に長方形の横断面を有し、遮光サブ層13の厚さは、実質的に均一である。ピクセル限定層100に遮光サブ層13を有することにより、遮光サブ層13は、前記有機層の縁で発される光、例えば、第3の辺S3と第1の電極層17の表面の間に挟まれた前記有機層の部分から発される光を効果的に遮断できる。複数のサブピクセル領域Sから発される光は、遮光サブ層13により露出及び限定される発光表面全体に亘って実質的に均一な光の強度を有することができる。従来の表示基板で観察された光漏れ及び混色の問題を実質的に予防できる。その結果、本表示基板を有する表示パネルにおける表示品質を著しく強化できる。
【0063】
幾つかの実施例において、遮光サブ層13は、第1のサブ層12厚さよりも小さく且つ第2のサブ層14の厚さよりも小さい厚さを有する。選択可能に、第1のサブ層12は、約0.5μm乃至約2.5μmの範囲にある厚さを有し、例えば、約0.5μm乃至約1.0μm、約1.0μm乃至約1.5μm、約1.5μm乃至約2.0μm、及び約2.0μm乃至約2.5μmである。選択可能に、第2のサブ層14は、約0.5μm乃至約2.5μmの範囲にある厚さを有し、例えば、約0.5μm乃至約1.0μm、約1.0μm乃至約1.5μm、約1.5μm乃至約2.0μm、及び約2.0μm乃至約2.5μmである。選択可能に、遮光サブ層13は、第1のサブ層12の厚さの約1/10乃至約1/5の厚さを有する。選択可能に、遮光サブ層13は、約0.05μm乃至約0.5μmの範囲にある厚さを有し、例えば、約0.05μm乃至約0.1μm、約0.1μm乃至約0.2μm、約0.2μm乃至約0.3μm、約0.3μm乃至約0.4μm、及び約0.4μm乃至約0.5μmである。
【0064】
幾つかの実施例において、第1のサブ層12、遮光サブ層13及び第2のサブ層14の各々は、フォトレジスト材料、例えば、有機フォトレジスト材料、フォトレジスト樹脂材料又は有機フォトレジスト樹脂材料を含む。選択可能に、第1のサブ層12及び第2のサブ層14は、同一のフォトレジスト材料で作られる。選択可能に、第1のサブ層12及び第2のサブ層14は、異なるフォトレジスト材料で作られる。選択可能に、第1のサブ層12及び第2のサブ層14は、ポジティブフォトレジスト材料で作られる。選択可能に、遮光サブ層13は、遮光ポジティブフォトレジスト材料で作られる。
【0065】
幾つかの実施例において、前記表示基板は、有機発光ダイオード表示基板である。図7は、本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の構造を示す模式図である。図7を参照すると、幾つかの実施例における表示基板は、複数のサブピクセル領域S内の複数の有機発光ダイオードOLEDを更に含む。前記複数の有機発光ダイオードOLEDの各々は、ベース基板11上の第1の電極17と、第1の電極17のベース基板11から遠い側に位置する有機層18と、有機層18の第1の電極17から遠い側に位置する第2の電極層19とを含む。選択可能に、有機層18は、有機発光層を含む。選択可能に、有機層18は、1つまたは複数の正孔注入層と、正孔輸送層と、正孔バリア層と、電子注入層と、電子輸送層と、電子バリア層とを更に含む。
【0066】
幾つかの実施例において、複数のサブピクセル領域Sの各々内の有機層18は、前記遮光サブ層の側面が有機層18により実質的に覆われるような厚さを有する。選択可能に、有機層18の厚さは、第1のサブ層12の厚さ及び遮光サブ層13の厚さの和より小さくない。選択可能に、第2の電極19は、有機層18及び第2のサブ層14に直接接触するが、遮光サブ層13に直接接触しない。このデザインを有することにより、且つ、第2のサブ層14の第6の辺S6のベース基板11における正投影が第2のサブ層14の第2の辺S2のベース基板11における正投影を実質的に覆うため、第2の電極19は、第2のサブ層14及び有機層18の表面を如何なる欠陥もなしに実質的覆うことができる。従って、第2の電極19は、複数のサブピクセル領域Sを完全に覆うよう大きい厚さを有するように形成される必要がない。相対的に薄い第2の電極19は、前記表示基板を透過する強化された光透過率をもたらし、製造原価を下げる。
【0067】
選択可能に、第2の電極19は、有機層18及び第2のサブ層14に直接接触しており、且つ遮光サブ層13の側面に直接接触している。
【0068】
幾つかの実施例において、有機層18は、ベース基板11から遠い辺US(例えば、上辺)を有する。選択可能に、辺USは、ベース基板11に対して第5の辺S5の高さと第6の辺S6の高さの間の高さを有する。選択可能に、辺USは、ベース基板11に対して第5の辺S5の高さと実質的に同じ高さを有する。選択可能に、辺USは、ベース基板11に対して第6の辺S6の高さと実質的に同じ高さを有する。選択可能に、辺USは、ベース基板11に対して第2の辺S2の高さと第6の辺S6の高さの間の高さを有する。選択可能に、辺USは、ベース基板11に対して第1の辺S1の高さと第5の辺S5の高さの間の高さを有する。
【0069】
幾つかの実施例において、有機層18は、有機発光層と、1つまたは複数の正孔注入層と、正孔輸送層と、正孔バリア層と、電子注入層と、電子輸送層と、電子バリア層とを含む。選択可能に、有機層18は、前記有機発光層のベース基板11から近い側に位置する1つまたは複数の前記正孔注入層と、前記正孔輸送層と、前記電子バリア層とを含む。選択可能に、有機層18は、前記有機発光層のベース基板11から遠い側に位置する1つまたは複数の前記電子注入層と、前記電子輸送層と、前記正孔バリア層とを含む。選択可能に、前記有機発光層は、ベース基板11から遠い辺(例えば、上辺)を有し、当該辺の高さは、ベース基板11に対して第5の辺S5よりも小さい。選択可能に、有機層18の辺US(例えば、上辺)は、ベース基板11に対して第6の辺S6の高さよりも大きい。選択可能に、有機層18の辺USは、前記電子輸送層のベース基板11から遠い辺で(例えば、上辺)である。
【0070】
もう一つの側面において、本開示は、表示基板の製造方法を提供する。幾つかの実施例において、前記ピクセル限定層は、相対する第1の辺及び前記第1の辺の前記ベース基板から遠い側に位置する第2の辺を有するように形成される。選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記第1の辺と前記第2の辺の間に位置する、前記ベース基板の表面に実質的に平行な平面に沿う第1の横断面を有するように形成される。選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記第1の横断面の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される。
【0071】
幾つかの実施例において、前記ピクセル限定層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記ピクセル限定層の横断面が、実質的に逆台形の前記ベース基板から遠い側に積み重ねられた実質的に台形を含む形状を有するように形成される。前記ベース基板の表面に実質的に平行な平面に沿う前記横断面は、前記実質的に台形と前記実質的に逆台形の間に位置される。選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記横断面が、前記第1の辺及び前記第2の辺で狭く且つ中間で広い形状を有するように形成される。選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記ピクセル限定層の横断面が、実質的に六角形の形状を有するように形成される。
【0072】
幾つかの実施例において、前記ピクセル限定層は、結合されて前記第1の辺と前記第2の辺を連結する第3の辺及び第4の辺を有するように形成される。前記第3の辺は、前記第1の辺と前記横断面を連結し、前記第4の辺は、前記第2の辺と前記横断面を連結する。選択可能に、前記第3の辺と前記ベース基板の表面とは、夾角αを有し、夾角αは、鋭角である。選択可能に、夾角αは、約5度乃至約90度の範囲にあり、例えば、約15度乃至約89度、約35度乃至約89度、約55度乃至約89度、約75度乃至約89度、及び約60度乃至約85度である。選択可能に、前記第4の辺と前記ベース基板の表面とは、夾角βを有し、夾角βは、鈍角である。選択可能に、夾角βは、約90度乃至約175度の範囲にあり、例えば、約91度乃至約165度、約91度乃至約145度、約91度乃至約125度、約91度乃至約105度、及び約95度乃至約120度である。
【0073】
幾つかの実施例において、前記方法は、ベース基板上に複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層を形成するステップを含む。幾つかの実施例において、前記ピクセル限定層を形成するステップは、第1のサブ層を形成するステップと、前記第1のサブ層の前記ベース基板から遠い側に第2のサブ層を形成するステップとを含む。前記第1のサブ層は、前記ベース基板から近く且つ前記第2のサブ層から遠い第1の辺と、前記第2のサブ層から近く且つ前記ベース基板から遠い第5の辺と、前記第1の辺と前記第5の辺を連結する第3の辺とを有するように形成される。前記第2のサブ層は、相対する第6の辺及び第2の辺、及び前記第6の辺と前記第2の辺を連結する第4の辺を有するように形成される。前記第2の辺は、前記第6の辺の前記第2のサブ層から遠い側に位置される。
【0074】
選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記第5の辺の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される。選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記第6の辺の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される。
【0075】
選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第1のサブ層の横断面が、実質的に逆台形の形状を有するように形成される。選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第2のサブ層の横断面が、実質的に台形の形状を有するように形成される。
【0076】
選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記第3の辺と前記ベース基板の表面とが夾角αを有するように形成され、夾角αは、鋭角である。選択可能に、夾角αは、約5度乃至約90度の範囲にあり、例えば、約15度乃至約89度、約35度乃至約89度、約55度乃至約89度、約75度乃至約89度、及び約60度乃至約85度である。選択可能に、前記ピクセル限定層は、前記第4の辺と前記ベース基板の表面とが夾角βを有し、夾角βが鈍角であるように形成される。選択可能に、夾角βは、約90度乃至約175度の範囲にあり、例えば、約91度乃至約165度、約91度乃至約145度、約91度乃至約125度、約91度乃至約105度、及び約95度乃至約120度である。
【0077】
幾つかの実施例において、前記方法は、ベース基板上に複数のサブピクセル領域を限定するためのピクセル限定層を形成するステップを含む。幾つかの実施例において、前記ピクセル限定層を形成するステップは、前記ベース基板上に第1のサブ層を形成するステップと、前記第1のサブ層の前記ベース基板から遠い側に光を遮断するための遮光サブ層を形成するステップとを含む。前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の光透過率よりも低い光透過率を有するように形成される。
【0078】
幾つかの実施例において、前記第1のサブ層は、前記ベース基板から近く且つ前記遮光サブ層から遠い第1の辺と、前記遮光サブ層から近く且つ前記ベース基板から遠い第5の辺と、前記第1の辺と前記第5の辺を連結する第3の辺とを有するように形成される。選択可能に、前記第1のサブ層は、前記第5の辺の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される。選択可能に、前記第1のサブ層及び前記遮光サブ層は、前記遮光サブ層の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される。選択可能に、前記第1のサブ層及び前記遮光サブ層は、前記遮光サブ層の前記ベース基板における正投影が、前記第5の辺の前記ベース基板における正投影と実質的に重なるように形成される。
【0079】
選択可能に、前記第1のサブ層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第1のサブ層の横断面が、実質的に逆台形の形状を有するように形成される。選択可能に、前記遮光サブ層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記遮光サブ層の横断面が、実質的に長方形の形状を有するように形成される。
【0080】
幾つかの実施例において、前記ピクセル限定層を形成するステップは、前記ベース基板上に第1のサブ層を形成するステップと、前記第1のサブ層の前記ベース基板から遠い側に光を遮断するための遮光サブ層を形成するステップと、前記遮光サブ層の前記第1のサブ層から遠い側に第2のサブ層を形成するステップとを含む。前記遮光サブ層は、前記第2のサブ層の光透過率よりも低い光透過率を有するように形成される。
【0081】
幾つかの実施例において、前記第1のサブ層は、前記ベース基板から近く且つ前記遮光サブ層から遠い第1の辺と、前記遮光サブ層から近く且つ前記ベース基板から遠い第5の辺と、前記第1の辺と前記第5の辺を連結する第3の辺とを有するように形成され、前記第2のサブ層は、相対する第6の辺及び第2の辺、及び前記第6の辺と前記第6の辺の前記遮光サブ層から遠い側に位置する前記第2の辺を連結する第4の辺を有するように形成される。選択可能に、前記第1のサブ層及び前記第2のサブ層は、前記第5の辺の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆い、且つ、前記第6の辺の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される。選択可能に、前記第1のサブ層、前記第2のサブ層及び前記遮光サブ層は、前記遮光サブ層の前記ベース基板における正投影が、前記第1の辺及び前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うように形成される。選択可能に、前記第1のサブ層、前記第2のサブ層及び前記遮光サブ層は、前記遮光サブ層の前記ベース基板における正投影が、前記第5の辺及び前記第6の辺の前記ベース基板における正投影と実質的に重なるように形成される。
【0082】
選択可能に、前記第1のサブ層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第1のサブ層の横断面が、実質的に逆台形の形状を有するように形成される。選択可能に、前記第2のサブ層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記第2のサブ層の横断面が、実質的に台形の形状を有するように形成される。選択可能に、前記遮光サブ層は、前記ベース基板の表面に実質的に垂直且つ前記複数のサブピクセル領域の隣接する二つのサブピクセル領域の間の前記ピクセル限定層の延長方向に実質的に垂直な平面に沿う前記遮光サブ層の横断面が、実質的に長方形の形状を有するように形成される。
【0083】
幾つかの実施例において、前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の厚さよりも小さく且つ前記第2のサブ層の厚さよりも小さい厚さを有するように形成される。選択可能に、前記第1のサブ層は、約0.5μm乃至約2.5μmの範囲にある厚さを有するように形成され、前記第2のサブ層は、約0.5μm乃至約2.5μmの範囲にある厚さを有するように形成され、前記遮光サブ層は、前記第1のサブ層の厚さの約1/10乃至約1/5の厚さを有するように形成される。
【0084】
幾つかの実施例において、前記ピクセル限定層を形成するステップは、前記ベース基板上に第1のフォトレジスト材料層を形成するステップと、前記第1のフォトレジスト材料層の前記ベース基板から遠い側に遮光フォトレジスト材料層を形成するステップと、前記ベース基板から前記遮光フォトレジスト材料層への方向に沿って照射される光を用いて前記第1のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を露光するステップと、前記第1のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を現像することにより、前記第1のサブ層及び前記遮光サブ層を形成するステップとを含む。
【0085】
図8は、本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造方法を示すフローチャートである。図8を参照すると、幾つかの実施例における前記方法は、ベース基板を提供するステップと、前記ベース基板上に第1のピクセル限定材料層を形成するステップと、前記第1のピクセル限定材料層の前記ベース基板から遠い側に遮光材料層を形成するステップと、前記遮光フォトレジスト材料層の前記ベース基板から遠い側に第2のピクセル限定材料層を形成するステップと、前記第1のピクセル限定材料層、前記遮光材料層及び前記第2のピクセル限定材料層をパターニングすることにより、前記第1のサブ層、前記第2のサブ層及び前記遮光サブ層を形成するステップとを含む。
【0086】
様々な適切な材料及び様々な適切な製造方法を用いて前記ベース基板を製作することができる。例えば、プラズマ強化化学気相蒸着(PECVD)プロセスにより透明無機ベース基板材料を蒸着することができる。前記ベース基板を製作するのに適した材料の例は、ガラス、石英、ポリイミド、ポリエステル、シリコンの含有する無機材料及び金属材料を含むが、これらに限定されるものではない。シリコンの含有する無機材料の例は、窒化ケイ素(SiNx)、アモルファスシリコン及び多結晶質シリコンを含む。
【0087】
様々な適切な材料及び様々な適切な製造方法を用いて前記第1のピクセル限定材料層を製作することができる。選択可能に、前記第1のピクセル限定材料層は、第1のフォトレジスト材料、例えば、第1の有機フォトレジスト材料、第1のフォトレジスト樹脂材料及び第1の有機フォトレジスト樹脂材料で作られる。有機フォトレジスト樹脂材料の例は、フッ素フルオロポリイミド、フッ素ポリメタクリル酸メチル及びポリジメチルシロキサン等のポジティブフォトレジスト材料を含む。選択可能に、前記第1のピクセル限定材料層は、約0.5μm乃至約2.5μmの範囲にある厚さ、例えば、約0.5μm乃至約1.0μm、約1.0μm乃至約1.5μm、約1.5μm乃至約2.0μm、及び約2.0μm乃至約2.5μmである厚さを有するように形成される。
【0088】
幾つかの実施例において、前記第1のサブ層を形成するステップに先立って、前記方法は、前記表示基板内に複数の薄膜トランジスタ、例えば、画像表示を駆動するための複数の駆動薄膜トランジスタを形成するステップを更に含む。選択可能に、前記第1のサブ層を形成するステップに先立って、前記方法は、前記複数の薄膜トランジスタの前記ベース基板から遠い側に不動態化層を形成するステップと、前記不動態化層の前記ベース基板から遠い側に第1の電極(例えば、アノード)を形成するステップとを更に含む。
【0089】
様々な適切な材料及び様々な適切な製造方法を用いて前記遮光材料層を製作することができる。選択可能に、前記遮光材料層は、遮光フォトレジスト材料、例えば、遮光有機フォトレジスト材料、遮光フォトレジスト樹脂材料及び遮光有機フォトレジスト樹脂材料で作られる。有機フォトレジスト樹脂材料の例は、遮光ポジティブフォトレジスト材料(例えば、ブラックマトリックスポジティブフォトレジスト材料)等のポジティブフォトレジスト材料を含む。選択可能に、前記遮光材料層は、前記第1のピクセル限定材料層の厚さの約1/10乃至約1/5の厚さを有するように形成される。選択可能に、前記遮光材料層は、約0.05μm乃至約0.5μmの範囲にある厚さ、例えば、約0.05μm乃至約0.1μm、約0.1μm乃至約0.2μm、約0.2μm乃至約0.3μm、約0.3μm乃至約0.4μm、及び約0.4μm乃至約0.5μmである厚さを有するように形成される。
【0090】
様々な適切な材料及び様々な適切な製造方法を用いて前記第2のピクセル限定材料層を製作することができる。選択可能に、前記第2のピクセル限定材料層は、第2のフォトレジスト材料、例えば、第2の有機フォトレジスト材料、第2のフォトレジスト樹脂材料及び第2の有機フォトレジスト樹脂材料で作られる。有機フォトレジスト樹脂材料の例は、フッ素ポリイミド、フッ素ポリメタクリル酸メチル及びポリジメチルシロキサン等のポジティブフォトレジスト材料を含む。選択可能に、前記第2のピクセル限定材料層は、約0.5μm乃至約2.5μmの範囲にある厚さ、例えば、約0.5μm乃至約1.0μm、約1.0μm乃至約1.5μm、約1.5μm乃至約2.0μm、及び約2.0μm乃至約2.5μmである厚さを有するように形成される。
【0091】
選択可能に、前記第1のピクセル限定材料層、前記遮光材料層及び前記第2のピクセル限定材料層は、約1.0μm乃至約5.0μmの範囲にある総厚さ、例えば、約1.0μm乃至約2.0μm、約2.0μm乃至約3.0μm、約3.0μm乃至約4.0μm、及び約4.0μm乃至約5.0μmである総厚さを有するように形成される。選択可能に、前記総厚さは、約2.5μmである。
【0092】
選択可能に、前記第1のピクセル限定材料層及び前記第2のピクセル限定材料層は、同一のフォトレジスト材料で作られる。選択可能に、前記第1のピクセル限定材料層及び前記第2のピクセル限定材料層は、異なるフォトレジスト材料で作られる。
【0093】
幾つかの実施例において、前記第1のサブ層、前記遮光サブ層及び前記第2のサブ層の各々は、フォトレジスト材料を用いて形成される。幾つかの実施例において、前記ピクセル限定層を形成するステップは、前記ベース基板上に第1のフォトレジスト材料層を形成するステップと、前記第1のフォトレジスト材料層の前記ベース基板から遠い側に遮光フォトレジスト材料層を形成するステップと、前記遮光フォトレジスト材料層の前記ベース基板から遠い側に第2のフォトレジスト材料層を形成するステップと、前記第1のフォトレジスト材料層、前記遮光フォトレジスト材料層及び前記第2のフォトレジスト材料層をパターニングすることにより、前記第1のサブ層、前記第2のサブ層及び前記遮光サブ層を形成するステップとを含む。
【0094】
図9は、本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造方法を示すフローチャートである。図9を参照すると、幾つかの実施例における前記第1のフォトレジスト材料層、前記遮光フォトレジスト材料層及び前記第2のフォトレジスト材料層をパターニングするステップは、前記第1のフォトレジスト材料層から前記遮光フォトレジスト材料層への方向に沿って照射される光を用いて前記第1のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を露光するステップと、前記第2のフォトレジスト材料層から前記遮光フォトレジスト材料層への方向に沿って照射される光を用いて前記第2のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を露光するステップと、前記第1のフォトレジスト材料層、前記第2のフォトレジスト材料層及び前記遮光フォトレジスト材料層を現像することにより、前記第1のサブ層、前記第2のサブ層及び前記遮光サブ層を形成するステップとを含む。
【0095】
図10図13は、本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造過程を示す。図10を参照すると、ベース基板11上に複数の薄膜トランジスタ15を形成し、複数の薄膜トランジスタ15のベース基板11から遠い側に不動態化層16を形成し、不動態化層16のベース基板11から遠い側に第1の電極17(例えば、アノード)を形成する。図11を参照すると、第1の電極17のベース基板11から遠い側に第1のフォトレジスト材料層121を形成し、第1のフォトレジスト材料層121のベース基板11から遠い側に遮光フォトレジスト材料層131を形成し、遮光フォトレジスト材料層131のベース基板11から遠い側に第2のフォトレジスト材料層141を形成する。
【0096】
幾つかの実施例において、第1のフォトレジスト材料層121及び遮光フォトレジスト材料層131におけるフォトレジスト材料は、いずれもポジティブフォトレジスト材料であり、UV照射により露光されるべきである、第1のフォトレジスト材料層121及び遮光フォトレジスト材料層131における領域Oは、複数のサブピクセル領域Sに実質的に対応する。図12を参照すると、第1のマスク板2は、第1のフォトレジスト材料層121から遮光フォトレジスト材料層131への方向に沿って照射されるUV光を用いて第1のフォトレジスト材料層121及び遮光フォトレジスト材料層131を露光するために用いられる。図12に示すように、前記UV照射は、ベース基板11の如何なる層も形成されていない一側から第1のフォトレジスト材料層121及び遮光フォトレジスト材料層131を露光する。前記フォトレジスト材料自体は、UV照射等の光を吸収することが可能であるため、第1のフォトレジスト材料層121が、第1のフォトレジスト材料層121から遮光フォトレジスト材料層131への方向に沿って照射されるUV光により露光される時、ベース基板11から近い第1の辺からベース基板11から遠い第5の辺への第1のフォトレジスト材料層121の露光度は、徐々に低下する。図12に描かれているように、第1のフォトレジスト材料層121の露光される領域Oにおけるグレーレベルは、露光度に対応し、即ち、グレーレベルが高いほど、露光度が高くなる。この露光ステップにおいて、遮光フォトレジスト材料層131も部分的に露光される。但し、遮光フォトレジスト材料層131は、光が第2のフォトレジスト材料層141に透過するのを阻止し、第2のフォトレジスト材料層141がこのステップで露光されるのを防止する。
【0097】
複数の薄膜トランジスタ15は、データライン及びゲートライン等の様々な信号ラインが露光される領域O外部のサブピクセル間領域に実質的に配置され、この露光ステップでのUV露光と干渉しない。
【0098】
図13を参照すると、第2のマスク板3は、第2のフォトレジスト材料層141から遮光フォトレジスト材料層131への方向に沿って照射されるUV光を用いて第2のフォトレジスト材料層141及び遮光フォトレジスト材料層131を露光するために用いられる。図13に示すように、前記UV照射は、第2のフォトレジスト材料層141のベース基板11から遠い第1の辺から第2のフォトレジスト材料層141のベース基板11から近い第5の辺への方向に沿って第2のフォトレジスト材料層141及び遮光フォトレジスト材料層131を露光する。フォトレジスト材料自体は、UV照射等の光を吸収することが可能であるため、第2のフォトレジスト材料層141が第2のフォトレジスト 材料層141から遮光フォトレジスト材料層131への方向に沿って照射されるUV光により露光される時、ベース基板11から遠い第1の辺からベース基板11から近い第5の辺への第2のフォトレジスト材料層141における露光度は、徐々に低下する。図13に描かれているように、第2のフォトレジスト材料層141の露光される領域Oにおけるグレーレベルは、露光度に対応し、即ち、グレーレベルが高いほど、露光度が高くなる。この露光ステップにおいて、遮光フォトレジスト材料層131も部分的に露光される。遮光フォトレジスト材料層131は、既に他の一側から部分的露光されたため、この露光ステップで、遮光フォトレジスト材料層131は、実質的に露光されることができる。但し、遮光フォトレジスト材料層131は、光が第1のフォトレジスト材料層121に透過するのを阻止し、第1のフォトレジスト材料層121がこのステップで更に露光されるのを防止する。
【0099】
選択可能に、前記第1のフォトレジスト材料層を露光するステップと、前記第2のフォトレジスト材料層を露光するステップとは、同一のマスク板を用いて実行される。例えば、第1のマスク板2と、第2のマスク板3とは、同一のマスク板であって可能である。二つの露光ステップに同一のマスク板を用いることにより、製造過程を簡単化でき、製造原価を削減する。
【0100】
図6を参照すると、第1のフォトレジスト材料層121、第2のフォトレジスト材料層131、遮光フォトレジスト材料層141を現像するステップの後、第1のサブ層12、第2のサブ層14及び遮光サブ層13が得られる。選択可能に、上述の二つのステップに同一のマスク板が用いられる時、ベース基板11における遮光サブ層13、第1のサブ層12の第5の辺S5及び第2のサブ層14の第6の辺S6の正投影は、実質的に相互に重なる。図2に示すように、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第1のサブ層12の横断面は、第5の辺S5で広く且つ第1の辺S1で狭い形状を有する。選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第1のサブ層12の横断面は、実質的に逆台形の形状を有し、第1のサブ層12の第3の辺S3とベース基板11の表面とは、夾角αを有し、夾角αは、鋭角である。選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う第2のサブ層14の横断面は、実質的に台形の形状を有し、第2のサブ層14の第4の辺S4とベース基板11の表面とは、夾角βを有し、夾角βは、鈍角である。選択可能に、ベース基板11の表面に実質的に垂直且つ複数のサブピクセル領域Sの隣接する二つのサブピクセル領域の間のピクセル限定層100の延長方向EDに実質的に垂直な平面に沿う遮光サブ層13の横断面は、実質的に長方形の形状を有し、遮光サブ層13は、相対的に小さい厚さを有する。
【0101】
第1のフォトレジスト材料層121がUV光に露光される時、第1のフォトレジスト材料層121における露光度が、ベース基板11から近い第1の辺からベース基板11から遠い第5の辺への方向に沿って徐々に低下するため、第1のフォトレジスト材料層121の材料と現像液との反応度も、前記ベース基板11から近い前記第1の辺からベース基板11から遠い前記第5の辺への方向に沿って徐々に低下する。その結果、前記現像ステップで第1のフォトレジスト材料層121から除去されるフォトレジスト材料の部分も、ベース基板11から近い前記第1の辺からベース基板11から遠い前記第5の辺への方向に沿って徐々に下がる。従って、前記現像ステップの後形成された第1のサブ層12は、実質的に逆台形の形状を有する。同様の理由で、現像ステップの後形成された第2のサブ層14は、実質的に台形の形状を有する。
【0102】
本製造方法において、第1のフォトレジスト材料層121及び遮光フォトレジスト材料層131は、第1のフォトレジスト材料層121から遮光フォトレジスト材料層131への方向に沿って照射される光を用いて露光され、第2のフォトレジスト材料層141及び遮光フォトレジスト材料層131は、第2のフォトレジスト材料層141から遮光フォトレジスト材料層131への方向に沿って照射される光を用いて露光される。本方法は、UV照射の入射角の制御困難の問題を予防し、ピクセル限定層100の形成を促進する。また、遮光フォトレジスト材料層131は、前記第1の露光ステップで、光が第2のフォトレジスト材料層141に透過するのを阻止し、前記第1の露光ステップで、第2のフォトレジスト材料層141が露光されるのを防止し、遮光フォトレジスト材料層131は、前記第2の露光ステップで、光が第1のフォトレジスト材料層121に透過するのを阻止し、前記第2の露光ステップで、第1のフォトレジスト材料層121が露光されるのを防止する。このデザインを有することにより、第1のサブ層12及び第2のサブ層14が所望の形状に形成できることを保証できる。
【0103】
本製造方法によれば、第1のサブ層12は、第5の辺S5のベース基板11における正投影が、第1の辺S1のベース基板11における正投影を実質的に覆うように形成され、第1のサブ層12の第3の辺S3とベース基板11の表面とは、夾角αを形成し、夾角は、鋭角である。鋭角の夾角αを有することにより、第1のサブ層12とピクセル限定層100の下方の構造の表面の間(例えば、第3の辺S3と第1の電極17の表面の間)にキャピラリ構造が形成される。複数のサブピクセル領域Sに有機材料(例えば、有機発光材料)を印刷する後続過程において、複数のサブピクセル領域Sに分注される有機材料を含有するインクは、吸取作用(即ち、キャピラリ力)により、第3の辺S3と第1の電極17の表面の間のキャピラリ構造に容易に吸い取られる。前記キャピラリ構造の吸取作用のため、前記インクは、複数のサブピクセル領域Sの各々(第1の電極17の表面上)により均等に分注されることでき、例えば、前記インクに覆われた領域全体に亘ってより均一な厚さを有する。前記吸取作用は、前記インクが第3の辺S3の表面に沿って登ることを防止するため、前記コーヒーリング効果が実質的に防止又は減少されることができ、従って、前記インクが乾燥された時、領域全体に亘って実質的に均一な厚さを有する有機層を形成する。また、遮光サブ層13は、前記有機層の縁の周りで発される光を遮断できる。たとえ前記コーヒーリング効果が前記有機層に依然存在しても、複数のサブピクセル領域Sは、依然として遮光サブ層13により露出及び限定される発光表面全体に亘って実質的に均一な光の強度を有する光を発することができる。遮光サブ層13は、また、前記有機層の一側から発される光を効果的に遮断し、前記表示基板における光漏れ及び混色を効果的に防止できる。その結果、本方法により製造される表示基板を有する表示パネルにおける表示品質を著しく強化できる。
【0104】
図14は、本開示に係る幾つかの実施例における表示基板の製造方法を示すフローチャートである。図14を参照すると、幾つかの実施例の前記方法は、ベース基板を提供するステップと、前記ベース基板上に第1の電極を形成するステップと、前記第1の電極の前記ベース基板から遠い側に複数のサブピクセル領域を限定するピクセル限定層を形成するステップと、前記複数のサブピクセル領域内に有機層を形成するステップと、前記有機層の前記第1の電極から遠い側に第2の電極を形成するステップとを含む。選択可能に、前記有機層を形成するステップは、有機発光層を形成するステップを含む。選択可能に、前記有機層を形成するステップは、1つまたは複数の正孔注入層と、正孔輸送層と、正孔バリア層と、電子注入層と、電子輸送層と、電子バリア層とを形成するステップを更に含む。
【0105】
幾つかの実施例において、前記複数のサブピクセル領域の各々内の前記有機層は、前記遮光サブ層の側面が、前記有機層により実質的に覆われるような厚さを有するように形成される。選択可能に、前記複数のサブピクセル領域の各々内の前記有機層は、前記有機層の厚さが、前記第1のサブ層の厚さ及び前記遮光サブ層の厚さの和より小さくないように形成される。選択可能に、前記第2の電極は、前記有機層及び前記第2のサブ層に直接接触するが、前記遮光サブ層に直接接触しないように形成される。このデザインを有することにより、且つ、第2のサブ層の前記第6の辺の前記ベース基板における正投影が、前記第2のサブ層の前記第2の辺の前記ベース基板における正投影を実質的に覆うため、前記第2の電極は、前記第2のサブ層及び前記有機層の表面を如何なる欠陥もなしに実質的覆うように形成されることができる。従って、前記第2の電極は、前記複数のサブピクセル領域を完全に覆うよう大きい厚さを有するように形成される必要がない。相対的に薄い第2の電極は、前記表示基板を透過する強化された光透過率をもたらし、製造原価を下げる。
【0106】
選択可能に、前記第2の電極は、前記有機層及び前記第2のサブ層に直接接触し、並びに前記遮光サブ層の側面に直接接触するように形成される。
【0107】
幾つかの実施例において、前記有機層は、前記ベース基板から遠い辺を有するように形成される。選択可能に、前記ベース基板から遠い辺は、前記ベース基板に対して前記第5の辺の高さと前記第6の辺の高さの間の高さを有する。選択可能に、前記辺は、前記ベース基板に対して前記第5の辺の高さと実質的に同じ高さを有する。選択可能に、前記辺は、前記ベース基板に対して前記第6の辺の高さと実質的に同じ高さを有する。選択可能に、前記辺は、前記ベース基板に対して前記第2の辺の高さと前記第6の辺の高さの間の高さを有する。選択可能に、前記辺は、前記ベース基板に対して前記第1の辺の高さと前記第5の辺の高さの間の高さを有する。
【0108】
幾つかの実施例において、前記有機層は、有機発光層と、1つまたは複数の正孔注入層と、正孔輸送層と、正孔バリア層と、電子注入層と、電子輸送層と、電子バリア層とを含むように形成される。選択可能に、前記有機層は、前記有機発光層の前記ベース基板から近い側に位置する1つまたは複数の前記正孔注入層と、前記正孔輸送層と、前記電子バリア層とを含むように形成される。選択可能に、前記有機層は、前記有機発光層の前記ベース基板から遠い側に位置する1つまたは複数の前記電子注入層と、前記電子輸送層と、前記正孔バリア層とを含むように形成される。選択可能に、前記有機発光層は、前記ベース基板から遠い辺(例えば、上辺)を有するように形成され、前記ベース基板に対する当該辺の高さは、前記ベース基板に対する前記第5の辺よりも小さい。選択可能に、前記有機層は、前記有機層の前記辺(例えば、上辺)は、高さが前記ベース基板に対する前記第6の辺よりも大きいように形成される。選択可能に、前記有機層の前記辺は、前記電子輸送層の前記ベース基板から遠い辺(例えば、上辺)である。
【0109】
もう一つの側面において、本開示は、ここに記載される表示基板又はここに記載される方法により製造される表示基板を有する表示装置を提供する。選択可能に、前記表示装置は、液晶表示装置である。選択可能に、前記表示装置は、有機発光ダイオード表示装置である。選択可能に、前記表示装置は、電気泳動表示装置である。適切な表示装置の例は、電子ペーパー、移動電話、タブレットPC、TV、モニター、ノートPC、デジタルアルバム、GPS等を含むが、これらに限定されるものではない。
【0110】
以上の本発明の実施例に対する説明は、ただ解釈及び説明の目的で提出されたものである。これは、網羅的であること、或いは本発明を開示された正確な形式又は開示された例示的な実施例に限定することを意図するものではない。従って、以上の説明は、限定的なものではなく、説明的なものと見なされるべきである。明らかに、当業者にとって、多様な修正及び変更が自明である。これらの実施例を選択及び記載して、本発明の原理及びその最適モードの実際応用を説明することによって、当業者が、本発明が特定用途又は考慮される実施形態に適用される様々な実施例及び様々な変形を理解できるようにする。本発明の範囲は、ここに添付される特許請求の範囲及びその等価物により限定され、その内、別段の表示がない限り、すべての用語は、その最も広い合理的な意味を意味することを意図する。従って、「発明」、「本発明」等の用語は、必ずしも特許請求の範囲を具体的な実施例に限定するものではなく、本発明の例示的な実施例に対する参考は、本発明に対する限定を意味するものではなく、且つこのような限定を推論できない。本発明は、添付された請求項の範囲の精神及び範囲のみにより限定される。なお、これらの請求項は、名詞又は要素が前に付く「第1」、「第2」等の用語の使用が関連される可能性がある。このような用語は、命名法として理解されるべきであり、既に具体的な数量が与えられていない限り、このような命名法により修飾される要素の数量に対する限定として解釈されるべきではない。記載された如何なる効果及び利点が本発明のすべての実施例に適用されない可能性がある。理解すべきことは、以下の請求項により限定される本発明の範囲を逸脱せずに、当業者は、記載された実施例に対する変形を行うことができる。なお、要素又は構成部品が以下の請求項に明示的に記述されているか否かを問わず、本発明には、公衆に貢献しようとする要素及び構成要部品がない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14