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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】フィーダー収容構造体及び部品実装機
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021027281
(22)【出願日】2021-02-24
(65)【公開番号】P2022128836
(43)【公開日】2022-09-05
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】粟野 之也
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-88423(JP,A)
【文献】特開2011-249379(JP,A)
【文献】特開2009-295758(JP,A)
【文献】特開2019-220625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープフィーダーにより送出される部品収納テープから部品を取出して基板に搭載する搭載ヘッドを備えた部品実装機に配設され、前記テープフィーダーを複数収容可能なフィーダー収容構造体であって、
一方向側に開放した開口部と、前記搭載ヘッドによる部品の取出し後において前記テープフィーダーにより送出される部品収納テープを切断するテープ切断機の上方側で開口するテープ排出口とを有し、複数の前記テープフィーダーを収容するための、前記開口部及び前記テープ排出口と連通する収容空間を規定する収容本体と、
前記収容空間内において所定の並設方向に沿って並設され、前記並設方向と直交する挿抜方向に沿う前記開口部を介した挿抜が可能となるように複数の前記テープフィーダーをそれぞれ個別に保持する複数の保持部と、
前記保持部に対する前記テープフィーダーの挿入に応じて前記テープ排出口を開放する開放位置に移動するとともに、前記保持部からの前記テープフィーダーの抜出に応じて前記テープ排出口を閉鎖する閉鎖位置に移動することが可能に、前記収容本体に並設される複数のシャッターと、を備える、フィーダー収容構造体。
【請求項2】
前記複数のシャッターは、前記保持部に対して挿入される前記テープフィーダーから押圧力が付与されることにより前記開放位置に移動する一方、前記テープフィーダーが前記保持部から抜出されることで前記テープフィーダーからの前記押圧力の付与が解除されることにより前記閉鎖位置に移動する、請求項1に記載のフィーダー収容構造体。
【請求項3】
前記収容本体に取付けられ、前記複数のシャッターをそれぞれ付勢する複数の付勢部材を更に備え、
前記複数の付勢部材の各々は、前記シャッターが前記閉鎖位置に配置されるように前記シャッターを付勢するとともに、前記シャッターに前記テープフィーダーから前記押圧力が付与された場合に前記シャッターの前記閉鎖位置から前記開放位置への移動を許容する、請求項2に記載のフィーダー収容構造体。
【請求項4】
前記複数のシャッターの前記テープ排出口に対する位置を検出するための検出機構を更に備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のフィーダー収容構造体。
【請求項5】
前記複数のシャッターの各々は、前記挿抜方向に所定の間隔をおいて設けられ、光の通過を許容する第1光通過孔及び第2光通過孔を有し、
前記検出機構は、
前記並設方向に延びる第1光路上において、前記テープ排出口を挟んで互いに対向配置される第1発光部及び第1受光部により構成される第1検出機構と、
前記第1光路から前記挿抜方向に離間して前記並設方向に延びる第2光路上において、前記テープ排出口を挟んで互いに対向配置される第2発光部及び第2受光部により構成される第2検出機構と、を有し、
前記第1光路は、前記複数のシャッターの全てが前記閉鎖位置に配置された状態では、当該全てのシャッターの前記第1光通過孔によって開放される一方、前記複数のシャッターの少なくともいずれかのシャッターが前記テープフィーダーの前記保持部に対する挿抜に応じて前記開放位置と前記閉鎖位置との間に位置している状態では、前記テープフィーダーによって遮断され、
前記第2光路は、前記複数のシャッターの全てが前記閉鎖位置に配置された状態では、当該全てのシャッターの前記第2光通過孔によって開放される一方、前記複数のシャッターの少なくともいずれかのシャッターが前記テープフィーダーの前記保持部に対する挿抜に応じて前記開放位置と前記閉鎖位置との間に位置している状態では、当該シャッターによって遮断される、請求項4に記載のフィーダー収容構造体。
【請求項6】
前記テープフィーダーは、光の通過を許容するフィーダー側光通過孔を有しており、
前記第1光路は、前記複数のシャッターの全てが前記開放位置に配置された状態では、前記保持部に挿入された前記テープフィーダーの前記フィーダー側光通過孔によって開放され、
前記第2光路は、前記複数のシャッターの全てが前記開放位置に配置された状態では、当該全てのシャッターの前記第1光通過孔によって開放される、請求項5に記載のフィーダー収容構造体。
【請求項7】
前記複数のシャッターが前記開放位置又は前記閉鎖位置に配置された状態を維持するロック機構を更に備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のフィーダー収容構造体。
【請求項8】
前記複数のシャッターにおいて互いに隣接するシャッター間の前記並設方向に沿った離間距離は、前記複数の保持部において互いに隣接する保持部同士の中心間の前記並設方向に沿った距離の2倍以下に設定される、請求項1~7のいずれか1項に記載のフィーダー収容構造体。
【請求項9】
前記収容本体は、前記搭載ヘッドが前記テープフィーダーから部品を取出すための開口であって、前記テープ排出口の上方側に位置するとともに前記収容空間を介して前記開口部と連通する部品取出し口を有し、
前記複数のシャッターの各々は、前記テープ排出口を開閉するために前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移動可能な第1シャッター部と、前記第1シャッター部から上方に延びるとともに前記第1シャッター部と一体に移動可能な第2シャッター部と、を有し、
前記第2シャッター部は、前記第1シャッター部が前記閉鎖位置に配置された状態では前記開口部と前記部品取出し口との前記収容空間を介した連通を遮断する連通遮断位置に配置される一方、前記第1シャッター部が前記開放位置に配置された状態では前記開口部と前記部品取出し口との前記収容空間を介した連通を許容する連通許容位置に配置される、請求項1~8のいずれか1項に記載のフィーダー収容構造体。
【請求項10】
前記テープフィーダーは、前記複数の保持部への挿入時の先頭側となる端部から突出する位置決めピンを有しており、
前記複数の保持部の各々は、挿入される前記テープフィーダーの前記位置決めピンが嵌合される位置決め孔を有し、
前記第2シャッター部は、前記位置決めピンの挿通を許容するピン挿通孔を有している、請求項9に記載のフィーダー収容構造体。
【請求項11】
テープフィーダーにより送出される部品収納テープから部品を取出して基板に搭載する搭載ヘッドと、
前記搭載ヘッドによる部品の取出し後において前記テープフィーダーにより送出される部品収納テープを切断するテープ切断機と、
前記テープフィーダーを複数収容可能な、請求項1~10のいずれか1項に記載のフィーダー収容構造体と、を備える、部品実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を供給するテープフィーダーを複数収容可能なフィーダー収容構造体及びそれを備えた部品実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板等の基板上に電子部品等の部品が搭載された部品搭載基板を生産する部品実装機として、部品を供給するテープフィーダーと、テープフィーダーから供給される部品を基板に搭載する搭載ヘッドとを備えた実装機が知られている。この種の部品実装機が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される部品実装機では、フィーダーセット台に並設された複数のテープフィーダーが部品収納テープを送出することにより部品を供給する。搭載ヘッドによる部品の取出し後においてテープフィーダーにより送出される廃棄テープは、テープ切断機に導入される。テープ切断機は、複数のテープフィーダーの並設方向に沿って延びるテープ排出口を介して導入された廃棄テープを、一括して切断する。
【0003】
部品実装機においては、テープ切断機の露出を抑制することが要求される。例えば特許文献2には、シャッターを備えたテープ切断機に関する技術が開示されている。この特許文献2に開示される技術では、テープ切断機における廃棄テープ(空のテープ)の導入口がシャッターにより開閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6049036号公報
【文献】特開2009-88423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されるシャッターの技術を特許文献1の部品実装機に適用した場合、複数のテープフィーダーにより送出される廃棄テープをテープ切断機に向けて排出するためのテープ排出口が1つのシャッターで開閉される構造となる。この場合、フィーダーセット台にテープフィーダーが配置された状態において、シャッターはテープ排出口を開放する。一方、フィーダーセット台にテープフィーダーが配置されていない状態においては、シャッターはテープ排出口を閉鎖する。シャッターがテープ排出口を閉鎖した状態において、テープ切断機の露出を抑制することができる。
【0006】
ところで、部品実装機においては、部品搭載基板の生産に必要なテープフィーダーだけが部品実装機に装着される。つまり、特許文献1に開示される部品実装機では、フィーダーセット台においてテープフィーダーを並設可能な全領域にわたってテープフィーダーが配置されるのではなく、テープフィーダーが配置されないフィーダー未配置領域が生じ得る。この場合、フィーダーセット台に対するテープフィーダーの配置に応じてシャッターはテープ排出口を開放することになるが、テープ排出口におけるフィーダー未配置領域に対応する部分からテープ切断機が露出する。
【0007】
テープ排出口を介したテープ切断機の露出度合いは、フィーダー未配置領域が大きくなるに従って増大する。テープ切断機の露出度合いが過剰に増大すると、テープ切断機の露出を適切に抑制することができなくなる虞がある。
【0008】
本発明の目的は、複数のテープフィーダーを収容するための構造体において、テープ切断機の露出を適切に抑制することが可能なフィーダー収容構造体、及びそれを備えた部品実装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に係るフィーダー収容構造体は、テープフィーダーにより送出される部品収納テープから部品を取出して基板に搭載する搭載ヘッドを備えた部品実装機に配設され、前記テープフィーダーを複数収容可能な構造体である。このフィーダー収容構造体は、一方向側に開放した開口部と、前記搭載ヘッドによる部品の取出し後において前記テープフィーダーにより送出される部品収納テープを切断するテープ切断機の上方側で開口するテープ排出口とを有し、複数の前記テープフィーダーを収容するための、前記開口部及び前記テープ排出口と連通する収容空間を規定する収容本体と、前記収容空間内において所定の並設方向に沿って並設され、前記並設方向と直交する挿抜方向に沿う前記開口部を介した挿抜が可能となるように複数の前記テープフィーダーをそれぞれ個別に保持する複数の保持部と、前記保持部に対する前記テープフィーダーの挿入に応じて前記テープ排出口を開放する開放位置に移動するとともに、前記保持部からの前記テープフィーダーの抜出に応じて前記テープ排出口を閉鎖する閉鎖位置に移動することが可能に、前記収容本体に並設される複数のシャッターと、を備える。
【0010】
このフィーダー収容構造体によれば、収容空間を規定する収容本体と、収容空間内において複数のテープフィーダーをそれぞれ個別に挿抜可能に保持する複数の保持部と、収容本体においてテープ切断機の上方側で開口するテープ排出口を開閉する複数のシャッターと、を備えている。複数のシャッターは、複数の保持部の各々に対するテープフィーダーの挿抜に応じて別個独立にテープ排出口を開閉する。つまり、複数のシャッターのうち、テープフィーダーが挿入された保持部に対応したシャッターはテープ排出口を開放する一方、テープフィーダーが抜出された保持部に対応したシャッターはテープ排出口を閉鎖する。このため、テープ排出口においては、テープフィーダーが挿入された保持部に対応した領域部分は、シャッターが開放位置に配置されることに伴ってテープフィーダーにより閉鎖される一方、テープフィーダーが抜出された保持部に対応した領域部分は、シャッターが閉鎖位置に配置されることに伴ってシャッターにより閉鎖される。これにより、テープ排出口を介したテープ切断機の露出度合いを可及的に小さくすることができるので、テープ切断機の露出を適切に抑制することが可能となる。
【0011】
上記のフィーダー収容構造体において、前記複数のシャッターは、前記保持部に対して挿入される前記テープフィーダーから押圧力が付与されることにより前記開放位置に移動する一方、前記テープフィーダーが前記保持部から抜出されることで前記テープフィーダーからの前記押圧力の付与が解除されることにより前記閉鎖位置に移動する。
【0012】
この態様では、保持部に対するテープフィーダーの挿抜に応じた押圧力の付与及びその解除を利用して、複数のシャッターを別個独立に開放位置と閉鎖位置との間で移動させることができる。
【0013】
上記のフィーダー収容構造体は、前記収容本体に取付けられ、前記複数のシャッターをそれぞれ付勢する複数の付勢部材を更に備える。そして、前記複数の付勢部材の各々は、前記シャッターが前記閉鎖位置に配置されるように前記シャッターを付勢するとともに、前記シャッターに前記テープフィーダーから前記押圧力が付与された場合に前記シャッターの前記閉鎖位置から前記開放位置への移動を許容する。
【0014】
この態様では、保持部に対するテープフィーダーの挿抜に応じた押圧力及び付勢部材の付勢力を利用して、複数のシャッターを別個独立に開放位置と閉鎖位置との間で移動させることができる。つまり、保持部に対するテープフィーダーの挿入に応じて、付勢部材の付勢力に抗してテープフィーダーから押圧力が付与された場合、複数のシャッターは、別個独立に開放位置に移動する。一方、保持部からのテープフィーダーの抜出に応じて、テープフィーダーによる押圧力の付与が解除された場合、複数のシャッターは、付勢部材の付勢力によって別個独立に閉鎖位置に配置される。
【0015】
上記のフィーダー収容構造体は、前記複数のシャッターの前記テープ排出口に対する位置を検出するための検出機構を更に備える。
【0016】
また、上記のフィーダー収容構造体において、前記複数のシャッターの各々は、前記挿抜方向に所定の間隔をおいて設けられ、光の通過を許容する第1光通過孔及び第2光通過孔を有している。そして、前記検出機構は、前記並設方向に延びる第1光路上において、前記テープ排出口を挟んで互いに対向配置される第1発光部及び第1受光部により構成される第1検出機構と、前記第1光路から前記挿抜方向に離間して前記並設方向に延びる第2光路上において、前記テープ排出口を挟んで互いに対向配置される第2発光部及び第2受光部により構成される第2検出機構と、を有している。この際、前記第1光路は、前記複数のシャッターの全てが前記閉鎖位置に配置された状態では、当該全てのシャッターの前記第1光通過孔によって開放される一方、前記複数のシャッターの少なくともいずれかのシャッターが前記テープフィーダーの前記保持部に対する挿抜に応じて前記開放位置と前記閉鎖位置との間に位置している状態では、前記テープフィーダーによって遮断される。また、前記第2光路は、前記複数のシャッターの全てが前記閉鎖位置に配置された状態では、当該全てのシャッターの前記第2光通過孔によって開放される一方、前記複数のシャッターの少なくともいずれかのシャッターが前記テープフィーダーの前記保持部に対する挿抜に応じて前記開放位置と前記閉鎖位置との間に位置している状態では、当該シャッターによって遮断される。
【0017】
この態様では、検出機構によって複数のシャッターのテープ排出口に対する位置を検出することができる。検出機構の検出結果は、テープ切断機の制御に利用することができる。例えば、複数のシャッターの少なくともいずれかのシャッターがテープフィーダーの保持部に対する挿抜に応じて開放位置と閉鎖位置との間に位置している状態が検出機構によって検出された場合、テープ切断機が停止状態となるように制御される。
【0018】
上記のフィーダー収容構造体において、前記テープフィーダーは、光の通過を許容するフィーダー側光通過孔を有しており、前記第1光路は、前記複数のシャッターの全てが前記開放位置に配置された状態では、前記保持部に挿入された前記テープフィーダーの前記フィーダー側光通過孔によって開放される。また、前記第2光路は、前記複数のシャッターの全てが前記開放位置に配置された状態では、当該全てのシャッターの前記第1光通過孔によって開放される。
【0019】
この態様では、シャッターの位置を検出するための検出機構を利用して、テープフィーダーの保持部に対する挿入の状況を検出することができる。
【0020】
上記のフィーダー収容構造体は、前記複数のシャッターが前記開放位置又は前記閉鎖位置に配置された状態を維持するロック機構を更に備える。
【0021】
この態様では、複数のシャッターが開放位置又は閉鎖位置に配置された状態をロック機構によって維持することができる。
【0022】
上記のフィーダー収容構造体において、前記複数のシャッターにおいて互いに隣接するシャッター間の前記並設方向に沿った離間距離は、前記複数の保持部において互いに隣接する保持部同士の中心間の前記並設方向に沿った距離の2倍以下に設定される。
【0023】
この態様では、複数のシャッターにおいて互いに隣接するシャッター間の離間距離が、互いに隣接する保持部同士の中心間の距離を基準とした所定値以下に設定される。これにより、シャッターがテープ排出口を閉鎖する閉鎖位置に配置された状態において、互いに隣接するシャッター間の間隙からテープ切断機が露出する度合いを、テープ切断機の露出を適切に抑制することが可能な範囲に収めることができる。
【0024】
上記のフィーダー収容構造体において、前記収容本体は、前記搭載ヘッドが前記テープフィーダーから部品を取出すための開口であって、前記テープ排出口の上方側に位置するとともに前記収容空間を介して前記開口部と連通する部品取出し口を有している。そして、前記複数のシャッターの各々は、前記テープ排出口を開閉するために前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移動可能な第1シャッター部と、前記第1シャッター部から上方に延びるとともに前記第1シャッター部と一体に移動可能な第2シャッター部と、を有している。この際、前記第2シャッター部は、前記第1シャッター部が前記閉鎖位置に配置された状態では前記開口部と前記部品取出し口との前記収容空間を介した連通を遮断する連通遮断位置に配置される一方、前記第1シャッター部が前記開放位置に配置された状態では前記開口部と前記部品取出し口との前記収容空間を介した連通を許容する連通許容位置に配置される。
【0025】
この態様では、複数のシャッターは、複数の保持部の各々に対するテープフィーダーの挿抜に応じて、各第1シャッター部によってテープ排出口を別個独立に開閉する。しかも、複数のシャッターは、各第1シャッター部と一体に移動可能な各第2シャッター部によって、収容本体における開口部と部品取出し口との収容空間を介した連通の遮断及び許容を切り替えることができる。
【0026】
この際、複数のシャッターのうち、テープフィーダーが挿入された保持部に対応したシャッターにおいては、第1シャッター部がテープ排出口を開放する開放位置に配置されるとともに、第2シャッター部が収容本体における開口部と部品取出し口との収容空間を介した連通を許容する連通許容位置に配置される。この場合、第1シャッター部が開放位置に配置されることにより、保持部に挿入されたテープフィーダーにより送出される部品取出し後の部品収納テープを、テープ排出口を介してテープ切断機に導入することができる。また、第2シャッター部が連通許容位置に配置されることにより、搭載ヘッドは、保持部に挿入されたテープフィーダーから部品取出し口を介して部品を取出すことができる。
【0027】
一方、複数のシャッターのうち、テープフィーダーが抜出された保持部に対応したシャッターにおいては、第1シャッター部がテープ排出口を閉鎖する閉鎖位置に配置されるとともに、第2シャッター部が収容本体における開口部と部品取出し口との収容空間を介した連通を遮断する連通遮断位置に配置される。この場合、第1シャッター部が閉鎖位置に配置されることにより、テープ排出口を介したテープ切断機の露出を制限することができるので、テープ切断機の露出を適切に抑制することが可能となる。また、第2シャッター部が連通遮断位置に配置されることにより、収容本体における収容空間を介した開口部側からの、部品取出し口を通した搭載ヘッドに対するアクセスを遮断することができる。これにより、搭載ヘッドに対するアクセスを適切に抑制することが可能となる。
【0028】
上記のフィーダー収容構造体において、前記テープフィーダーは、前記複数の保持部への挿入時の先頭側となる端部から突出する位置決めピンを有しており、前記複数の保持部の各々は、挿入される前記テープフィーダーの前記位置決めピンが嵌合される位置決め孔を有している。そして、前記第2シャッター部は、前記位置決めピンの挿通を許容するピン挿通孔を有している。
【0029】
この態様では、複数の保持部の各々は、テープフィーダーの位置決めピンが位置決め孔に嵌合された状態で当該テープフィーダーを保持する。この際、第2シャッター部が位置決めピンの挿通を許容するピン挿通孔を有している。これにより、保持部に対するテープフィーダーの挿入時における位置決めピンと位置決め孔との嵌合が、シャッターの第2シャッター部によって邪魔されることを回避することができる。
【0030】
本発明の他の局面に係る部品実装機は、テープフィーダーにより送出される部品収納テープから部品を取出して基板に搭載する搭載ヘッドと、前記搭載ヘッドによる部品の取出し後において前記テープフィーダーにより送出される部品収納テープを切断するテープ切断機と、前記テープフィーダーを複数収容可能な、上記のフィーダー収容構造体と、を備える。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、複数のテープフィーダーを収容するための構造体において、テープ切断機の露出を適切に抑制することが可能なフィーダー収容構造体、及びそれを備えた部品実装機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の第1実施形態に係るフィーダー収容構造体が適用された部品実装機の構成を示す断面図である。
図2】第1実施形態に係るフィーダー収容構造体の斜視図である。
図3】第1実施形態に係るフィーダー収容構造体をテープフィーダーの挿抜方向から見た図である。
図4】部品実装機において第1実施形態に係るフィーダー収容構造体に備えられるシャッターの移動の様子を示す図である。
図5】部品実装機において第1実施形態に係るフィーダー収容構造体に備えられるシャッターが開放位置に配置された状態を示す図である。
図6】第1実施形態に係るフィーダー収容構造体に備えられるシャッターの構成を示す斜視図である。
図7】第1実施形態に係るフィーダー収容構造体においてシャッターと検出機構との関係を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るフィーダー収容構造体をテープフィーダーの挿抜方向から見た図である。
図9】第2実施形態に係るフィーダー収容構造体に備えられるロック機構を示す図であって、ロック機構がシャッターのロックを解除した状態を示す図である。
図10】第2実施形態に係るフィーダー収容構造体に備えられるロック機構を示す図であって、ロック機構がシャッターをロックした状態を示す図である。
図11】第2実施形態に係るフィーダー収容構造体に備えられるロック機構の構成を示す斜視図である。
図12】第2実施形態に係るフィーダー収容構造体に備えられるシャッターの構成を示す斜視図である。
図13】本発明の第3実施形態に係るフィーダー収容構造体をテープフィーダーの挿抜方向から見た図である。
図14】第3実施形態に係るフィーダー収容構造体に備えられるシャッターの構成を示す斜視図である。
図15】フィーダー収容構造体において複数のシャッターと複数の保持部との関係を示す図である。
図16】フィーダー収容構造体における複数のシャッターとテープフィーダーとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態に係るフィーダー収容構造体及びそれを備えた部品実装機について、図面に基づいて説明する。
【0034】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態に係るフィーダー収容構造体5が適用された部品実装機1が示されている。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X軸方向及びY軸方向は水平面上において互いに直交し、Z軸方向がX軸方向及びY軸方向の両方向と直交する鉛直方向に延びる方向である。
【0035】
部品実装機1は、プリント基板(以下、「基板」と称する)上に電子部品(以下、「部品」と称する)が搭載された部品搭載基板を生産する装置である。部品実装機1による部品の搭載前において基板には、半田ペーストのパターンが印刷されている。つまり、部品実装機1は、パターン形成装置により半田ペーストのパターンが印刷された基板に部品を搭載する。部品実装機1は、実装機本体2と、搬送コンベア3と、搭載ヘッド4と、フィーダー収容構造体5とを備えている。
【0036】
実装機本体2は、部品実装機1を構成する各部が配置される内部空間を有する筐体構造である。実装機本体2には、内部空間と外部空間とを連通させる本体側開口2Aが形成されている。
【0037】
搬送コンベア3は、Y軸方向に延び、実装機本体2の内部における略中央領域に配置される。搬送コンベア3は、基板をY軸方向に搬送する。
【0038】
搭載ヘッド4は、搬送コンベア3により搬送された基板に部品を搭載する。搭載ヘッド4は、フィーダー収容構造体5に配置されるテープフィーダーTFにより送出される部品収納テープTPから部品を取出すとともに、その取出した部品を基板に搭載する。搭載ヘッド4には、複数の吸着ノズル41が装着されている。吸着ノズル41は、部品を吸着して保持可能な保持具である。吸着ノズル41は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル41に負圧が供給されることで当該吸着ノズル41による部品の吸着保持(部品の取出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
【0039】
テープフィーダーTFは、複数の部品を収納可能な部品収納テープTPを送出することにより部品を供給する。部品収納テープTPは、部品を収納する収納部が複数設けられたキャリアテープTP1と、前記収納部を覆うようにキャリアテープTP1に接合されるカバーテープTP2とからなる。テープフィーダーTFは、フィーダー本体TF1と、リール支持部TF2と、テープ送出部TF4と、回収部TF5とを含んで構成される。
【0040】
フィーダー本体TF1には、テープ送出路TF3が形成されている。テープ送出路TF3は、部品収納テープTPが送出される経路であり、部品収納テープTPの送出方向の上流端と下流端との間に部品供給部TF31を有している。リール支持部TF2は、フィーダー本体TF1においてテープ送出路TF3の上流端側に配置される。リール支持部TF2は、部品収納テープTPが巻回されたリールを支持する。
【0041】
テープ送出部TF4は、例えばスプロケットから構成されており、テープ送出路TF3の部品供給部TF31の近傍に配置される。テープ送出部TF4は、リール支持部TF2により支持されたリールから部品収納テープTPを繰り出すとともに、その繰り出した部品収納テープTPをテープ送出路TF3に沿って送出する。テープ送出路TF3に沿って送出される部品収納テープTPでは、部品供給部TF31よりも上流側においてカバーテープTP2がキャリアテープTP1から剥離される。これにより、部品供給部TF31においてキャリアテープTP1上で部品が露出される。キャリアテープTP1上で露出された部品は、搭載ヘッド4による取出しが可能である。つまり、搭載ヘッド4は、テープフィーダーTFによって供給される部品を、部品供給部TF31から取出す。
【0042】
部品供給部TF31よりも上流側においてキャリアテープTP1から剥離されたカバーテープTP2は、回収部TF5によって回収される。回収部TF5は、例えば、互いに当接するローラー対から構成されている。この場合、回収部TF5は、ローラー対の回転に応じてカバーテープTP2を回収する。回収部TF5により回収されたカバーテープTP2は、回収ボックスTF51内に収容される。
【0043】
搭載ヘッド4により部品が取出された後のキャリアテープTP1は、テープ送出部TF4の送出動作によってテープ送出路TF3の下流端を介してテープフィーダーTFから外方に送出される。テープフィーダーTFから外方に送出されたキャリアテープTP1は、フィーダー収容構造体5における収容本体6に形成されたテープ排出口6Cを通じてフィーダー収容構造体5から排出される。テープ排出口6CのZ軸方向の下方には、テープ切断機21が設置されている。テープ切断機21は、フィーダー収容構造体5のテープ排出口6Cから排出されるキャリアテープTP1を所定の長さに切断する。テープ切断機21の切断によって生じる切断片は、テープ切断機21のZ軸方向の下方に配置される切断回収ボックス211で回収される。
【0044】
また、図1に示されるように、テープフィーダーTFは、上位置決めピンTF6と、下位置決めピンTF7と、フィーダー側コネクタTF8と、フィーダー側光通過孔TF11とを有している。
【0045】
上位置決めピンTF6及び下位置決めピンTF7は、フィーダー本体TF1のX軸方向の一端部から突出するように設けられた位置決めピンである。フィーダー本体TF1のX軸方向の一端部は、フィーダー収容構造体5における保持部7に対するテープフィーダーTFの挿入時の先頭側となる端部である。上位置決めピンTF6と下位置決めピンTF7とは、フィーダー本体TF1のX軸方向一端部においてZ軸方向に互いに間隔を隔てて配置され、上位置決めピンTF6が下位置決めピンTF7よりも上方側に位置している。フィーダー本体TF1のX軸方向一端部は、上位置決めピンTF6及び下位置決めピンTF7が設けられた部分に対してX軸方向他方側に窪んだ段差部を有している。このフィーダー本体TF1のX軸方向一端部における段差部に、フィーダー側コネクタTF8が設けられている。
【0046】
フィーダー側光通過孔TF11は、光の通過を許容する孔である。フィーダー側光通過孔TF11は、フィーダー本体TF1の下端部において、X軸方向に関して下位置決めピンTF7とフィーダー側コネクタTF8との間の位置で、フィーダー本体TF1をY軸方向に貫通している。
【0047】
フィーダー収容構造体5は、実装機本体2における本体側開口2Aが形成された位置に配設される。フィーダー収容構造体5は、複数のテープフィーダーTFを収容可能に構成された構造体である。このフィーダー収容構造体5について、図1に加えて図2図7を参照しながら説明する。
【0048】
フィーダー収容構造体5は、収容本体6と、複数の保持部7と、複数のシャッター8とを備えている。
【0049】
収容本体6は、複数のテープフィーダーTFを収容するための収容空間6Dを規定する。収容本体6は、実装機本体2の本体側開口2Aと一致する開口であってX軸方向の一方向側に開放した開口部6Aと、テープ切断機21の上方側で開口するテープ排出口6Cと、テープ排出口6Cの上方側に位置する部品取出し口6Bと、を有している。収容本体6においては、開口部6A、部品取出し口6B、及びテープ排出口6Cは、収容空間6Dを介してそれぞれ連通している。部品取出し口6Bは、収容空間6D内において複数の保持部7の各々に保持されるテープフィーダーTFから搭載ヘッド4が部品を取出すための開口である。テープ排出口6Cは、収容空間6D内において複数の保持部7の各々に保持されるテープフィーダーTFにより送出される部品取出し後のキャリアテープTP1を、収容空間6Dからテープ切断機21に向けて排出するための開口である。
【0050】
収容本体6は、収容空間6D内においてテープフィーダーTFを保持する複数の保持部7を形成するための上フレーム61、下フレーム62及び奥側フレーム63と、複数のシャッター8の移動をガイドするためのシャッター移動ガイド64と、を含んで構成される。
【0051】
収容本体6においては、上フレーム61、下フレーム62及び奥側フレーム63によって収容空間6Dが規定される。上フレーム61は、X軸方向及びY軸方向に広がる板状のフレームである。上フレーム61は、実装機本体2における本体側開口2Aの開口端縁から実装機本体2の内部に向かって突出するように配置される。下フレーム62は、X軸方向及びY軸方向に広がる板状のフレームであり、上フレーム61に対してZ軸方向の下方側に当該上フレーム61と対向するように配置される。下フレーム62は、実装機本体2における本体側開口2Aを基準として、実装機本体2の外部に露出する領域部分と、実装機本体2の内部に収容される領域部分とを有している。下フレーム62は、実装機本体2の内部に収容される領域部分のX軸方向の内側の端部に、Z軸方向の上方側に突出する突出部621を有している。奥側フレーム63は、Y軸方向及びZ軸方向に広がる板状のフレームであり、実装機本体2の内部において上フレーム61及び下フレーム62のX軸方向の内側の端縁よりも実装機本体2の中央寄りの位置に配置される。
【0052】
収容本体6においては、上フレーム61のX軸方向の内側の端縁と奥側フレーム63との間の間隙によって部品取出し口6Bが規定され、下フレーム62のX軸方向の内側の端縁と奥側フレーム63との間の間隙によってテープ排出口6Cが規定される。
【0053】
シャッター移動ガイド64は、奥側フレーム63のZ軸方向の下方側において、Y軸方向に沿って複数並設されている。各シャッター移動ガイド64は、シャッター8における第1シャッター部81の出没を許容する筒状に形成される。シャッター8の移動時においては、第1シャッター部81が各シャッター移動ガイド64の内壁によってガイドされる。各シャッター移動ガイド64の内部には、シャッター8を付勢する付勢部材641が取付けられている。
【0054】
複数の保持部7は、収容本体6の収容空間6D内において所定の並設方向YYに沿って並設される。複数の保持部7の並設方向YYは、Y軸方向と平行な方向である。複数の保持部7は、収容空間6D内においてテープ排出口6CのY軸方向の全長にわたって、並設方向YYに沿って並設される。複数の保持部7は、並設方向YYと直交する挿抜方向XXに沿う、収容本体6の開口部6Aを介した挿抜が可能となるように複数のテープフィーダーTFをそれぞれ個別に保持する。複数の保持部7は、テープフィーダーTFが挿入された状態で、テープ送出路TF3の下流端がテープ排出口6Cと連通するとともに、部品供給部TF31が部品取出し口6Bと連通するように、テープフィーダーTFを保持する。つまり、テープフィーダーTFが各保持部7に挿入された状態では、テープ排出口6CはテープフィーダーTFによって閉鎖され、部品取出し口6Bは収容本体6における開口部6Aとの収容空間6Dを介した連通がテープフィーダーTFによって遮断される。テープフィーダーTFが各保持部7に対して挿抜されるときの挿抜方向XXは、X軸方向と平行な方向である。各保持部7にテープフィーダーTFが挿入されることにより、複数のテープフィーダーTFが並設方向YYに並んで配置される。
【0055】
複数の保持部7は、収容本体6における下フレーム62及び奥側フレーム63に形成されている。各保持部7は、ガイドレール71と、上位置決め孔72と、下位置決め孔73と、保持側コネクタ74とを含んで構成される。
【0056】
ガイドレール71は、下フレーム62の上面において挿抜方向XXに延びるように並設方向YYに並んで複数形成されている。ガイドレール71は、テープフィーダーTFの保持部7に対する挿抜時の移動の際にテープフィーダーTFの下端をガイドするレール部材である。
【0057】
上位置決め孔72は、奥側フレーム63の上端部において並設方向YYに並んで複数形成される孔である。上位置決め孔72は、テープフィーダーTFが保持部7に挿入されるときにテープフィーダーTFの上位置決めピンTF6の嵌合を許容する。一方、テープフィーダーTFが保持部7から抜出されるときには、上位置決めピンTF6の上位置決め孔72に対する嵌合が解除される。
【0058】
下位置決め孔73は、奥側フレーム63の下端部において並設方向YYに並んで複数形成される孔である。下位置決め孔73は、テープフィーダーTFが保持部7に挿入されるときにテープフィーダーTFの下位置決めピンTF7の嵌合を許容する。一方、テープフィーダーTFが保持部7から抜出されるときには、下位置決めピンTF7の下位置決め孔73に対する嵌合が解除される。テープフィーダーTFは、上位置決めピンTF6が上位置決め孔72に嵌合されるとともに、下位置決めピンTF7が下位置決め孔73に嵌合されることにより、保持部7に対して位置決めされる。
【0059】
保持側コネクタ74は、下フレーム62の突出部621において並設方向YYに並んで複数設けられ、部品実装機1の制御部と電気的に接続されるコネクタである。保持側コネクタ74は、テープフィーダーTFが保持部7に挿入されるときにテープフィーダーTFのフィーダー側コネクタTF8と接続される。
【0060】
複数のシャッター8は、複数の保持部7の各々に対するテープフィーダーTFの挿抜に応じて収容本体6のテープ排出口6Cを開閉するためのシャッター部材である。複数のシャッター8は、テープ排出口6CのY軸方向の全長にわたって、収容本体6における各シャッター移動ガイド64に対応して並設方向YYに沿って並設される。本実施形態では、シャッター8の設置数は、保持部7の設置数と同数である。つまり、複数の保持部7の各々に対応してシャッター8が設置されている。
【0061】
複数のシャッター8は、各保持部7に対するテープフィーダーTFの挿入方向XX1に沿った挿入に応じて、テープ排出口6Cを開放する開放位置に別個独立に移動する。なお、図4には、保持部7に対するテープフィーダーTFの挿入に応じてシャッター8が開放位置に移動する様子が示されている。また、図5には、シャッター8が開放位置に配置された状態が示されている。一方、複数のシャッター8は、各保持部7からのテープフィーダーTFの抜出方向XX2に沿った抜出に応じて、テープ排出口6Cを閉鎖する閉鎖位置に別個独立に移動する。なお、図1には、シャッター8が閉鎖位置に配置された状態が示されている。
【0062】
複数のシャッター8は、複数の保持部7の各々に対するテープフィーダーTFの挿抜に応じて別個独立にテープ排出口6Cを開閉する。つまり、複数のシャッター8のうち、テープフィーダーTFが挿入された保持部7に対応したシャッター8はテープ排出口6Cを開放する一方、テープフィーダーTFが抜出された保持部7に対応したシャッター8はテープ排出口6Cを閉鎖する。このため、テープ排出口6Cにおいては、テープフィーダーTFが挿入された保持部7に対応した領域部分は、シャッター8が開放位置に配置されることに伴ってテープフィーダーTFにより閉鎖される一方、テープフィーダーTFが抜出された保持部7に対応した領域部分は、シャッター8が閉鎖位置に配置されることに伴ってシャッター8により閉鎖される。これにより、テープ排出口6Cを介したテープ切断機21の露出度合いを可及的に小さくすることができるので、テープ切断機21の露出を適切に抑制することが可能となる。
【0063】
本実施形態では、複数のシャッター8の各々は、テープ排出口6Cを開閉するために閉鎖位置と開放位置との間で移動可能な第1シャッター部81と、第1シャッター部81から上方に延びるとともに第1シャッター部81と一体に移動可能な第2シャッター部82と、を有している(図6参照)。複数のシャッター8は、各第1シャッター部81が収容本体6の各シャッター移動ガイド64に対して出没することが可能となるように、並設される。各シャッター8の移動時においては、第1シャッター部81が各シャッター移動ガイド64の内壁によってガイドされる。
【0064】
第2シャッター部82は、第1シャッター部81がテープ排出口6Cを閉鎖する閉鎖位置に配置された状態では、収容本体6における開口部6Aと部品取出し口6Bとの収容空間6Dを介した連通を遮断する連通遮断位置に配置される(図1参照)。一方、第1シャッター部81がテープ排出口6Cを開放する開放位置に配置された状態では、第2シャッター部82は、収容本体6における開口部Aと部品取出し口6Bとの収容空間6Dを介した連通を許容する連通許容位置に配置される(図5参照)。
【0065】
複数のシャッター8は、複数の保持部7の各々に対するテープフィーダーTFの挿抜に応じて、各第1シャッター部81によってテープ排出口6Cを別個独立に開閉する。しかも、複数のシャッター8は、各第1シャッター部81と一体に移動可能な各第2シャッター部82によって、収容本体6における開口部6Aと部品取出し口6Bとの収容空間6Dを介した連通の遮断及び許容を切り替えることができる。
【0066】
この際、複数のシャッター8のうち、テープフィーダーTFが挿入された保持部7に対応したシャッター8においては、第1シャッター部81がテープ排出口6Cを開放する開放位置に配置されるとともに、第2シャッター部82が収容本体6における開口部6Aと部品取出し口6Bとの収容空間6Dを介した連通を許容する連通許容位置に配置される。この場合、第1シャッター部81が開放位置に配置されることにより、保持部7に挿入されたテープフィーダーTFにより送出される部品取出し後のキャリアテープTP1を、テープ送出路TF3の下流端からテープ排出口6Cを介してテープ切断機21に導入することができる。また、第2シャッター部82が連通許容位置に配置されることにより、搭載ヘッド4は、保持部7に挿入されたテープフィーダーTFの部品供給部TF31から部品取出し口6Bを介して部品を取出すことができる。
【0067】
一方、複数のシャッター8のうち、テープフィーダーTFが抜出された保持部7に対応したシャッター8においては、第1シャッター部81がテープ排出口6Cを閉鎖する閉鎖位置に配置されるとともに、第2シャッター部82が収容本体6における開口部6Aと部品取出し口6Bとの収容空間6Dを介した連通を遮断する連通遮断位置に配置される。この場合、第1シャッター部81が閉鎖位置に配置されることにより、テープ排出口6Cを介したテープ切断機21の露出を制限することができるので、テープ切断機21の露出を適切に抑制することが可能となる。また、第2シャッター部82が連通遮断位置に配置されることにより、収容本体6における収容空間6Dを介した開口部6A側からの、部品取出し口6Bを通した搭載ヘッド4に対するアクセスを遮断することができる。これにより、搭載ヘッド4に対するアクセスを適切に抑制することが可能となる。
【0068】
図6に示されるように、複数のシャッター8の各々において、第1シャッター部81は、第1光通過孔811及び第2光通過孔812を有している。第1光通過孔811と第2光通過孔812とは、光の通過を許容する孔であり、挿抜方向XXに所定の間隔をおいて、第1シャッター部81を並設方向YYに貫通するように設けられている。
【0069】
また、複数のシャッター8の各々において、第2シャッター部82は、上ピン挿通孔821及び下ピン挿通孔822を有している。上ピン挿通孔821は、テープフィーダーTFの上位置決めピンTF6の挿通を許容するピン挿通孔である。下ピン挿通孔822は、テープフィーダーTFの下位置決めピンTF7の挿通を許容するピン挿通孔である。これにより、保持部7に対するテープフィーダーTFの挿入時において、上位置決めピンTF6と上位置決め孔72との嵌合、並びに、下位置決めピンTF7と下位置決め孔73との嵌合が、第2シャッター部82によって邪魔されることを回避することができる。
【0070】
本実施形態では、複数のシャッター8の各々においては、保持部7に対して挿入方向XX1に沿って挿入されるテープフィーダーTFから押圧力が第2シャッター部82に付与されることにより、第1シャッター部81がシャッター移動ガイド64にガイドされつつテープ排出口6Cを開放する開放位置に移動する。この第1シャッター部81の開放位置への移動と一体に、第2シャッター部82は、連通許容位置に移動する。一方、テープフィーダーTFが保持部7から抜出方向XX2に沿って抜出されることでテープフィーダーTFからの第2シャッター部82に対する押圧力の付与が解除されることにより、第1シャッター部81がシャッター移動ガイド64にガイドされつつテープ排出口6Cを閉鎖する閉鎖位置に移動する。この第1シャッター部81の閉鎖位置への移動と一体に、第2シャッター部82は、連通遮断位置に移動する。
【0071】
また、図7に示されるように、各シャッター移動ガイド64の内部には、シャッター8を付勢する付勢部材641がそれぞれ取付けられている。各付勢部材641は、例えば、バネ部材から構成されている。各付勢部材641は、各シャッター移動ガイド64の内部において第1シャッター部81を付勢することにより、複数のシャッター8をそれぞれ付勢する。各付勢部材641は、第1シャッター部81が閉鎖位置に配置されるように各シャッター8を付勢するとともに、第2シャッター部82にテープフィーダーTFから押圧力が付与された場合に第1シャッター部81の閉鎖位置から開放位置への移動を許容する。
【0072】
この態様では、各保持部7に対するテープフィーダーTFの挿抜に応じた押圧力及び付勢部材641の付勢力を利用して、各シャッター8において、第1シャッター部81を別個独立に開放位置と閉鎖位置との間で移動させることができるとともに、当該第1シャッター部81の移動と一体に第2シャッター部82を連通許容位置と連通遮断位置との間で移動させることができる。つまり、各シャッター8においては、各保持部7に対するテープフィーダーTFの挿入方向XX1に沿った挿入に応じて、付勢部材641の付勢力に抗してテープフィーダーTFから第2シャッター部82に押圧力が付与された場合、第1シャッター部81が開放位置に移動するとともに、第2シャッター部82が連通許容位置に移動する。一方、各保持部7からのテープフィーダーTFの抜出方向XX2に沿った抜出に応じて、テープフィーダーTFによる第2シャッター部82に対する押圧力の付与が解除された場合、第1シャッター部81が付勢部材641の付勢力によって閉鎖位置に配置されるとともに、第2シャッター部82が連通遮断位置に配置される。
【0073】
また、図7に示されるように、フィーダー収容構造体5は、検出機構9を更に備えている。検出機構9は、複数のシャッター8のテープ排出口6C及び部品取出し口6Bに対する位置を検出するための機構である。検出機構9は、第1検出機構91と第2検出機構92とを有している。
【0074】
第1検出機構91は、並設方向YYに延びる第1光路91A上において、テープ排出口6Cを挟んで互いに対向配置される第1発光部911及び第1受光部912により構成される。第1検出機構91は、第1発光部911から出射されて第1光路91Aに沿って進行する光の、第1受光部912における受光の状況に基づいて、複数のシャッター8のテープ排出口6C及び部品取出し口6Bに対する位置を検出する。一方、第2検出機構92は、第1光路91Aから挿抜方向XXに離間して並設方向YYに延びる第2光路92A上において、テープ排出口6Cを挟んで互いに対向配置される第2発光部921及び第2受光部922により構成される。第2検出機構92は、第2発光部921から出射されて第2光路92Aに沿って進行する光の、第2受光部922における受光の状況に基づいて、複数のシャッター8のテープ排出口6C及び部品取出し口6Bに対する位置を検出する。
【0075】
図7(A)に示されるように、複数のシャッター8における各第1シャッター部81の全てがテープ排出口6Cを閉鎖する閉鎖位置に配置され、各第2シャッター部82の全てが連通遮断位置に配置された状態を想定する。この状態では、第1光路91Aは全ての第1シャッター部81の第1光通過孔811によって開放される一方、第2光路92Aは全ての第1シャッター部81の第2光通過孔812によって開放される。この場合、第1検出機構91においては第1発光部911から出射された光が第1受光部912によって受光される一方、第2検出機構92においては第2発光部921から出射された光が第2受光部922によって受光される。これにより、検出機構9は、第1検出機構91及び第2検出機構92の受光状況に基づいて、複数のシャッター8の全てにおいて第1シャッター部81が閉鎖位置に配置されるとともに、第2シャッター部82が連通遮断位置に配置された状態であることを検出することができる。
【0076】
次に、図7(B)に示されるように、複数のシャッター8における各第1シャッター部81の少なくともいずれかの第1シャッター部81がテープフィーダーTFの保持部7に対する挿抜に応じて開放位置と閉鎖位置との間に位置している状態を想定する。この状態では、第1光路91AはテープフィーダーTFによって遮断される一方、第2光路92Aは第1シャッター部81によって遮断される。この場合、第1検出機構91においては第1発光部911から出射された光が第1受光部912によって受光されず、且つ、第2検出機構92においては第2発光部921から出射された光が第2受光部922によって受光されない。これにより、検出機構9は、第1検出機構91及び第2検出機構92の受光状況に基づいて、複数のシャッター8の少なくともいずれかのシャッター8において第1シャッター部81が開放位置と閉鎖位置との間に位置し、且つ第2シャッター部82が連通許容位置と連通遮断位置との間に位置している状態であることを検出することができる。このような検出機構9の検出結果に基づいて、テープ切断機21が停止状態となるように制御されてもよい。なお、第1シャッター部81が開放位置と閉鎖位置との間に位置している状態とは、第1シャッター部81が開放位置と閉鎖位置との間の位置で止まっている状態、及び、テープフィーダーTFの保持部7に対する挿抜に応じて第1シャッター部81が開放位置と閉鎖位置との間を移動している状態を含む。同様に、第2シャッター部82が連通許容位置と連通遮断位置との間に位置している状態とは、第2シャッター部82が連通許容位置と連通遮断位置との間の位置で止まっている状態、及び、テープフィーダーTFの保持部7に対する挿抜に応じて第2シャッター部82が連通許容位置と連通遮断位置との間を移動している状態を含む。
【0077】
また、図7(C)に示されるように、複数のシャッター8における各第1シャッター部81の全てがテープ排出口6Cを開放する開放位置に配置され、各第2シャッター部82の全てが連通許容位置に配置された状態を想定する。この状態では、第1光路91Aは保持部7に挿入されたテープフィーダーTFのフィーダー側光通過孔TF11によって開放される一方、第2光路92Aは全ての第1シャッター部81の第1光通過孔811によって開放される。この場合、第1検出機構91においては第1発光部911から出射された光が第1受光部912によって受光される一方、第2検出機構92においては第2発光部921から出射された光が第2受光部922によって受光される。これにより、検出機構9は、第1検出機構91及び第2検出機構92の受光状況に基づいて、複数のシャッター8の全てにおいて第1シャッター部81が開放位置に配置されるとともに、第2シャッター部82が連通許容位置に配置された状態であることを検出することができる。しかも、シャッター8の位置を検出するための検出機構9を利用して、テープフィーダーTFの保持部7に対する挿入の状況を検出することができる。
【0078】
(第2実施形態)
図8図12に基づいて、第2実施形態に係るフィーダー収容構造体5Aについて説明する。第2実施形態に係るフィーダー収容構造体5Aは、上述の第1実施形態に係るフィーダー収容構造体5と同様に、部品実装機1の実装機本体2における本体側開口2Aが形成された位置に配設され、複数のテープフィーダーTFを収容可能に構成された構造体である。上述の第1実施形態に係るフィーダー収容構造体5と、第2実施形態に係るフィーダー収容構造体5Aとの違いは、フィーダー収容構造体5Aがロック機構10を備えている点である。このため、フィーダー収容構造体5における複数のシャッター8に対して、フィーダー収容構造体5Aにおける複数のシャッター8Aの構成が僅かに異なる。フィーダー収容構造体5Aは、上記のこと以外はフィーダー収容構造体5と同様に構成されているので、同様の構成部分についての詳細な説明は省略し、異なる構成部分について説明する。
【0079】
フィーダー収容構造体5Aにおける複数のシャッター8Aは、上述のシャッター8と同様に、テープ排出口6Cを開閉するために閉鎖位置と開放位置との間で移動可能な第1シャッター部81Aと、第1シャッター部81Aから上方に延びるとともに第1シャッター部81Aと一体に移動可能な第2シャッター部82Aと、を有している(図12参照)。複数のシャッター8Aは、各第1シャッター部81Aが収容本体6の各シャッター移動ガイド64に対して出没することが可能となるように、並設される。各シャッター8Aの移動時においては、第1シャッター部81Aが各シャッター移動ガイド64の内壁によってガイドされる。
【0080】
複数のシャッター8Aは、複数の保持部7の各々に対するテープフィーダーTFの挿抜に応じて、各第1シャッター部81Aによってテープ排出口6Cを別個独立に開閉する。しかも、複数のシャッター8Aは、各第1シャッター部81Aと一体に移動可能な各第2シャッター部82Aによって、収容本体6における開口部6Aと部品取出し口6Bとの収容空間6Dを介した連通の遮断及び許容を切り替えることができる。つまり、複数のシャッター8Aの各々においては、保持部7に対して挿入方向XX1に沿って挿入されるテープフィーダーTFから押圧力が第2シャッター部82Aに付与されることにより、第1シャッター部81Aがシャッター移動ガイド64にガイドされつつテープ排出口6Cを開放する開放位置に移動する。この第1シャッター部81Aの開放位置への移動と一体に、第2シャッター部82Aは、連通許容位置に移動する。一方、テープフィーダーTFが保持部7から抜出方向XX2に沿って抜出されることでテープフィーダーTFからの第2シャッター部82Aに対する押圧力の付与が解除されることにより、第1シャッター部81Aがシャッター移動ガイド64にガイドされつつテープ排出口6Cを閉鎖する閉鎖位置に移動する。この第1シャッター部81Aの閉鎖位置への移動と一体に、第2シャッター部82Aは、連通遮断位置に移動する。
【0081】
複数のシャッター8Aの各々において、第1シャッター部81Aは、上述のシャッター8の第1シャッター部81と同様に、第1光通過孔811A及び第2光通過孔812Aを有している。第1光通過孔811Aと第2光通過孔812Aとは、検出機構9における光の通過を許容する孔であり、挿抜方向XXに所定の間隔をおいて、第1シャッター部81Aを並設方向YYに貫通するように設けられている。
【0082】
更に、シャッター8Aの第1シャッター部81Aは、上述のシャッター8の第1シャッター部81とは異なり、第1ロックピン挿通孔813A及び第2ロックピン挿通孔814Aを有している。第1ロックピン挿通孔813Aと第2ロックピン挿通孔814Aとは、ロック機構10のロックピン102の挿通を許容する孔であり、挿抜方向XXに所定の間隔をおいて、第1シャッター部81AをZ軸方向に貫通するように設けられている。
【0083】
また、複数のシャッター8Aの各々において、第2シャッター部82Aは、上述のシャッター8の第2シャッター部82と同様に、上ピン挿通孔821A及び下ピン挿通孔822Aを有している。上ピン挿通孔821Aは、テープフィーダーTFの上位置決めピンTF6の挿通を許容するピン挿通孔である。下ピン挿通孔822Aは、テープフィーダーTFの下位置決めピンTF7の挿通を許容するピン挿通孔である。これにより、保持部7に対するテープフィーダーTFの挿入時において、上位置決めピンTF6と上位置決め孔72との嵌合、並びに、下位置決めピンTF7と下位置決め孔73との嵌合が、第2シャッター部82Aによって邪魔されることを回避することができる。
【0084】
ロック機構10は、複数のシャッター8Aにおいて、第1シャッター部81Aが開放位置に配置されるとともに第2シャッター部82Aが連通許容位置に配置された状態、又は、第1シャッター部81Aが閉鎖位置に配置されるとともに第2シャッター部82Aが連通遮断位置に配置された状態を維持するための機構である。
【0085】
ロック機構10は、ロック板101と、複数のロックピン102と、ロック駆動シリンダ105とを有している。ロック板101は、複数のシャッター移動ガイド64の並設方向YYの全体にわたって延びるように、当該シャッター移動ガイド64上に配置される板状体である。複数のロックピン102は、ロック板101の下面において並設方向YYに沿って並んで配置され、当該ロック板101の下面から下方に突出したピンである。複数のロックピン102は、複数のシャッター8Aにおける第1シャッター部81Aの第1ロックピン挿通孔813A又は第2ロックピン挿通孔814Aへの挿通が可能である。
【0086】
ロック板101は、並設方向YYに延びるロック回動軸103回りの回動が可能である。また、ロック板101の上面にはシリンダ作用部104が突設されている。ロック板101は、シリンダ作用部104に対してロック駆動シリンダ105の駆動力が作用されることにより、ロック解除姿勢とロック姿勢との間で姿勢変更が可能に、ロック回動軸103回りに回動する。
【0087】
ロック板101がロック解除姿勢を取った状態では、複数のロックピン102が第1シャッター部81Aの第1ロックピン挿通孔813A又は第2ロックピン挿通孔814Aへの挿通が解除されている(図9参照)。この状態では、テープフィーダーTFの各保持部7に対する挿抜に応じて、各シャッター8Aの移動が許容される。
【0088】
一方、ロック板101がロック姿勢を取った状態では、複数のロックピン102が第1シャッター部81Aの第1ロックピン挿通孔813A又は第2ロックピン挿通孔814Aに挿通する(図10参照)。具体的には、複数のシャッター8Aのうち、第1シャッター部81Aが開放位置に配置された状態のシャッター8Aについては、ロックピン102が第1ロックピン挿通孔813Aに挿通する。また、複数のシャッター8Aのうち、第1シャッター部81Aが閉鎖位置に配置された状態のシャッター8Aについては、ロックピン102が第2ロックピン挿通孔814Aに挿通する。これにより、複数のシャッター8Aにおいて、第1シャッター部81Aが開放位置又は閉鎖位置に配置された状態をロック機構10によって維持することができる。
【0089】
(第3実施形態)
図13図16に基づいて、第3実施形態に係るフィーダー収容構造体5Bについて説明する。第3実施形態に係るフィーダー収容構造体5Bは、上述の第2実施形態に係るフィーダー収容構造体5Aと同様に、部品実装機1の実装機本体2における本体側開口2Aが形成された位置に配設され、複数のテープフィーダーTFを収容可能に構成された構造体である。フィーダー収容構造体5Aにおける複数のシャッター8Aに対して、フィーダー収容構造体5Bにおける複数のシャッター8Bの構成が僅かに異なる。フィーダー収容構造体5Bは、上記のこと以外はフィーダー収容構造体5Aと同様に構成されているので、同様の構成部分についての詳細な説明は省略し、異なる構成部分について説明する。
【0090】
フィーダー収容構造体5Bにおける複数のシャッター8Bは、シャッター部81Bと被押圧部82Bとを有している。シャッター部81Bは、上述のシャッター8Aにおける第1シャッター部81Aと同様に、テープ排出口6Cを開閉するための機能を有している。シャッター部81Bは、テープ排出口6Cを開閉するために閉鎖位置と開放位置との間で移動可能である。被押圧部82Bは、シャッター部81Bから上方に延びるとともにシャッター部81Bと一体に移動可能である。但し、被押圧部82Bは、上述のシャッター8Aにおける第2シャッター部82Aの機能は有しておらず、シャッター部81Bからの上方への延出長さが、被押圧部82Bの上端が保持部7の下位置決め孔73よりも下方側に位置するような長さに設定されている。
【0091】
複数のシャッター8Bは、各シャッター部81Bが収容本体6の各シャッター移動ガイド64に対して出没することが可能となるように、並設される。各シャッター8Bの移動時においては、シャッター部81Bが各シャッター移動ガイド64の内壁によってガイドされる。
【0092】
複数のシャッター8Bは、複数の保持部7の各々に対するテープフィーダーTFの挿抜に応じて、各シャッター部81Bによってテープ排出口6Cを別個独立に開閉する。つまり、複数のシャッター8Bの各々においては、保持部7に対して挿入方向XX1に沿って挿入されるテープフィーダーTFから押圧力が被押圧部82Bに付与されることにより、シャッター部81Bがシャッター移動ガイド64にガイドされつつテープ排出口6Cを開放する開放位置に移動する。一方、テープフィーダーTFが保持部7から抜出方向XX2に沿って抜出されることでテープフィーダーTFからの被押圧部82Bに対する押圧力の付与が解除されることにより、シャッター部81Bがシャッター移動ガイド64にガイドされつつテープ排出口6Cを閉鎖する閉鎖位置に移動する。
【0093】
複数のシャッター8Bの各々において、シャッター部81Bは、上述のシャッター8Aの第1シャッター部81Aと同様に、第1光通過孔811B及び第2光通過孔812Bを有している。第1光通過孔811Bと第2光通過孔812Bとは、検出機構9における光の通過を許容する孔であり、挿抜方向XXに所定の間隔をおいて、シャッター部81Bを並設方向YYに貫通するように設けられている。更に、シャッター8Bのシャッター部81Bは、上述のシャッター8Aの第1シャッター部81Aと同様に、ロック機構10のロックピン102の挿通を許容する第1ロックピン挿通孔813B及び第2ロックピン挿通孔814Bを有している。
【0094】
複数のシャッター8Bのうち、テープフィーダーTFが挿入された保持部7に対応したシャッター8Bにおいては、シャッター部81Bがテープ排出口6Cを開放する開放位置に配置される。この場合、シャッター部81Bが開放位置に配置されることにより、保持部7に挿入されたテープフィーダーTFにより送出される部品取出し後のキャリアテープTP1を、テープ送出路TF3の下流端からテープ排出口6Cを介してテープ切断機21に導入することができる。
【0095】
一方、複数のシャッター8Bのうち、テープフィーダーTFが抜出された保持部7に対応したシャッター8Bにおいては、シャッター部81Bがテープ排出口6Cを閉鎖する閉鎖位置に配置される。この場合、シャッター部81Bが閉鎖位置に配置されることにより、テープ排出口6Cを介したテープ切断機21の露出を制限することができるので、テープ切断機21の露出を適切に抑制することが可能となる。
【0096】
次に、図15を参照しながら、複数のシャッター8Bと複数の保持部7との関係について説明する。図15(A)に示される例では、シャッター8Bの設置数が保持部7の設置数と同数であって、複数の保持部7の各々に対応してシャッター8Bが設置されている。
【0097】
この際、図15(B)及び図15(C)に示されるように、複数のシャッター8Bは、互いに隣接するシャッター8B間に間隙が形成されるように並設されてもよい。この場合、複数のシャッター8Bにおいて互いに隣接するシャッター8B間の並設方向YYに沿った離間距離SDは、複数の保持部7において互いに隣接する保持部7同士の中心間の並設方向YYに沿った距離HDの2倍以下に設定される。図15(B)には、互いに隣接するシャッター8B間の離間距離SDが、互いに隣接する保持部7同士の中心間の距離HDの1倍に設定された例が示されている。図15(C)には、互いに隣接するシャッター8B間の離間距離SDが、互いに隣接する保持部7同士の中心間の距離HDの2倍に設定された例が示されている。
【0098】
上記の通り、複数のシャッター8Bにおいて互いに隣接するシャッター8B間の離間距離SDが、互いに隣接する保持部7同士の中心間の距離HDを基準とした所定値以下に設定される。これにより、シャッター8Bがテープ排出口6Cを閉鎖する閉鎖位置に配置された状態において、互いに隣接するシャッター8B間の間隙からテープ切断機21が露出する度合いを、テープ切断機21の露出を適切に抑制することが可能な範囲に収めることができる。なお、互いに隣接するシャッター8B間の離間距離SDの設定に関する技術思想は、上述の第1実施形態に係るフィーダー収容構造体5、及び第2実施形態に係るフィーダー収容構造体5Aに適用されてもよい。
【0099】
次に、図16を参照しながら、複数のシャッター8BとテープフィーダーTFとの関係について説明する。図16(A)に示される例では、シャッター8Bの設置数が保持部7の設置数と同数であって、複数の保持部7の各々に対応してシャッター8Bが設置されている。この場合、シャッター8Bの並設方向YYに沿った幅寸法と、テープフィーダーTFの並設方向YYに沿った幅寸法とは、略同一となる。この場合のテープフィーダーTFの幅寸法を「基準フィーダー幅寸法」と称することとする。
【0100】
各保持部7に挿入されるテープフィーダーTFの幅寸法は、基準フィーダー幅寸法で一定であるとは限らない。図16(B)に示されるように、基準フィーダー幅寸法よりも大きい幅寸法のテープフィーダーTFが保持部7に挿入される場合があり得る。また、図16(C)に示されるように、基準フィーダー幅寸法よりも小さい幅寸法のテープフィーダーTFが保持部7に挿入される場合もあり得る。
【0101】
幅寸法が異なる複数種のテープフィーダーTFが用いられる場合においても、複数のシャッター8Bは、複数の保持部7の各々に対するテープフィーダーTFの挿抜に応じてテープ排出口6Cを開閉する。つまり、複数のシャッター8Bのうち、テープフィーダーTFが挿入された保持部7に対応したシャッター8Bはテープ排出口6Cを開放する一方、テープフィーダーTFが抜出された保持部7に対応したシャッター8Bはテープ排出口6Cを閉鎖する。このため、テープ排出口6Cにおいては、テープフィーダーTFが挿入された保持部7に対応した領域部分は、シャッター8Bが開放位置に配置されることに伴ってテープフィーダーTFにより閉鎖される一方、テープフィーダーTFが抜出された保持部7に対応した領域部分は、シャッター8Bが閉鎖位置に配置されることに伴ってシャッター8Bにより閉鎖される。これにより、テープ排出口6Cを介したテープ切断機21の露出度合いを可及的に小さくすることができるので、テープ切断機21の露出を適切に抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0102】
1 部品実装機
21 テープ切断機
4 搭載ヘッド
5,5A,5B フィーダー収容構造体
6 収容本体
6A 開口部
6B 部品取出し口
6C テープ排出口
6D 収容空間
641 付勢部材
7 保持部
8,8A,8B シャッター
81,81A 第1シャッター部
811,811A,811B 第1光通過孔
812,812A,812B 第2光通過孔
82,82A 第2シャッター部
821,821A 上ピン挿通孔
822,822A 下ピン挿通孔
9 検出機構
91 第1検出機構
91A 第1光路
911 第1発光部
912 第1受光部
92 第2検出機構
92A 第2光路
921 第2発光部
922 第2受光部
10 ロック機構
TF テープフィーダー
TF6 上位置決めピン
TF7 下位置決めピン
XX 挿抜方向
YY 並設方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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