(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】載置台部材、載置台及び載置方法
(51)【国際特許分類】
B65D 19/22 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
B65D19/22 Z
(21)【出願番号】P 2019114639
(22)【出願日】2019-06-20
【審査請求日】2022-05-06
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大本 絵利
(72)【発明者】
【氏名】土井 暁
(72)【発明者】
【氏名】金子 智弥
(72)【発明者】
【氏名】浜田 耕史
(72)【発明者】
【氏名】堀井 環
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 真綾
(72)【発明者】
【氏名】大杉 達也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛人
(72)【発明者】
【氏名】土屋 貴史
(72)【発明者】
【氏名】アヴィーク ダス
(72)【発明者】
【氏名】プージサ プリーナ
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0174403(US,A1)
【文献】実開昭57-80428(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0223420(US,A1)
【文献】実開昭54-73666(JP,U)
【文献】実開昭57-117326(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00 - 19/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を載置させるために1対で用いられる載置台部材であって、
前記搬送物を支持するように構成されている本体部と、
前記本体部の上部から、一方向側に水平に延在する延在部分を有した天板部と、を備え、
前記天板部が前記本体部の上面を覆う構造、或いは、前記本体部の上方における前記搬送物との接触面が前記延在部分の上面と面一の構造を有し、
前記延在部分が水平方向に延在した状態で自立し、
前記延在部分は、前記搬送物を搬送する搬送台車の載置面の搬送時位置より低く、前記搬送台車の載置面の降下時位置より高い位置に配置され、
前記延在部分は、前記天板部の上に前記搬送物を載置した状態で、前記搬送台車によって持ち上げ可能な大きさを有
し、
前記本体部は、上方が開放した四角枠形状を有し、
前記本体部の上面には、本体側面ファスナーが設けられ、
前記天板部は、前記本体部の上面を覆い、前記本体側面ファスナーに対応する位置に天板側面ファスナーが設けられ、
前記本体部は、前記本体側面ファスナーと前記天板側面ファスナーとの接着により前記天板部と着脱可能に固定されている載置台部材。
【請求項2】
請求項
1に記載の1対の載置台部材と、
前記載置台部材の前記天板部の間隔が予め定めた距離となるように、前記載置台部材の前記本体部を接続する連結部と、を備える載置台。
【請求項3】
前記連結部は、前記搬送物の積載又は積み降ろしを行なう際の搬送装置の位置に対応する部分に、上下方向に貫通した中空部を有する、請求項
2に記載の載置台。
【請求項4】
搬送装置の載置面に載置されて搬送される搬送物を、1対の載置台部材を用いて載置する方法であって、
前記載置台部材は、
前記搬送物を支持するように構成されている本体部と、
前記本体部の上部から、一方向側に水平に延在する延在部分を有した天板部と、を備え、
前記天板部が前記本体部の上面を覆う構造、或いは、前記本体部の上方における前記搬送物との接触面が前記延在部分の上面と面一の構造を有し、
前記延在部分が水平方向に延在した状態で自立し、
前記延在部分は、前記搬送物を搬送する搬送台車の載置面の搬送時位置より低く、前記搬送台車の載置面の降下時位置より高い位置に配置され、
前記延在部分は、前記天板部の上に前記搬送物を載置した状態で、前記搬送台車によって持ち上げ可能な大きさを有し、
前記本体部は、上方が開放した四角枠形状を有し、
前記本体部の上面には、本体側面ファスナーが設けられ、
前記天板部は、前記本体部の上面を覆い、前記本体側面ファスナーに対応する位置に天板側面ファスナーが設けられ、
前記本体部は、前記本体側面ファスナーと前記天板側面ファスナーとの接着により前記天板部と着脱可能に本体部の上面に固定され、
前記方法は、
前記本体部の間に前記搬送装置が位置し、前記天板部が前記搬送装置の持ち上げ部の上方に位置するように、前記載置台部材を配置することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送物を載置するために用いられる載置台部材、載置台及び載置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設現場において、材木等の資材は、資材の汚れや腐りを回避するために、パレットや厘木の上に載置される。資材を移動する場合には、資材は搬送装置を用いて搬送される。例えば、特許文献1に記載の搬送装置は、厘木に載置された資機材を載置面に積み替えて、磁気テープに沿って目的地まで移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、厘木に載置された資機材を積載し、搬送先に搬送し、搬送先で厘木に荷下ろしする場合、搬送先にも厘木を配置する必要があり、手間が掛かる。また、搬送にフォークリフト等を用いる場合には、厘木の代わりに、パレットの上に資機材を載置して、パレットと一緒に資機材を搬送することもある。この場合、パレットを最終的に回収する必要がある。そのため、搬送物の搬送効率が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様では、載置台部材を提供する。前記載置台部材は、搬送物を載置させるために1対で用いられる。載置台部材は、前記搬送物を支持するように構成されている本体部と、前記本体部の上部から、少なくとも水平の一方向に延在する天板部とを備える。前記天板部が前記本体部の上面を覆っているか、前記本体部の上方における前記搬送物との接触面が前記天板部の延在部分の上面と面一である。
【0006】
別の態様では、載置台を提供する。前記載置台は、前記1対の載置台部材と、前記載置台部材の前記天板部の間隔が予め定めた距離となるように、前記載置台部材の前記本体部を接続する連結部と、を備える。前記天板部が前記本体部の上面を覆っているか、前記本体部の上方における前記搬送物との接触面が前記天板部の延在部分の上面と面一である。
【0007】
更に別の態様では、搬送装置の載置面に載置されて搬送される搬送物を、1対の載置台部材を用いて載置する方法を提供する。前記載置台部材は、前記搬送物を支持するように構成されている本体部と、前記本体部の上面から、少なくとも水平の一方向に延在する天板部とを備える。前記天板部が前記本体部の上面を覆っているか、前記本体部の上方における前記搬送物との接触面が前記天板部の延在部分の上面と面一である。前記方法は、前記本体部の間に前記搬送装置が位置し、前記天板部が前記搬送装置の持ち上げ部の上方に位置するように、前記載置台部材を配置することを含む。
【0008】
また別の態様では、1対の載置台部材を用いて搬送物を載置する方法を提供する。前記載置台部材は、前記搬送物を支持するように構成されている本体部と、前記本体部の上面から、少なくとも水平の一方向に延在する天板部とを備える。前記天板部が前記本体部の上面を覆っているか、前記本体部の上方における前記搬送物との接触面が前記天板部の延在部分の上面と面一である。前記方法は、フォークリフトにおける1対のフォークの位置が、前記天板部の下方の第1の位置と、前記天板部の間の第2位置とに変更可能であるように、前記載置台部材を配置することを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率的に搬送物を搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態における載置台部材を示す斜視図。
【
図3B】載置台部材に搬送物を載置した状態を示す図。
【
図3C】台車が載置台部材の間に至った状態を示す図。
【
図3D】台車が載置台部材及び搬送物を持ち上げた状態を示す図。
【
図4】
図1の載置台部材及び台車を用いた搬送方法を説明する図。
【
図6A】一変更例における両端部で載置台部材を連結した載置台を示す斜視図。
【
図6B】一変更例における片側で載置台部材を連結した載置台を示す斜視図。
【
図6C】一変更例における中央で載置台部材を連結した載置台を示す斜視図。
【
図7】(A)は一変更例における載置台部材の分解斜視図、(B)は(A)の載置台部材の正面図。
【
図8】(A)は一変更例におけるフォークリフトのフォークを広い間隔にした状態の載置台部材を示す図、(B)は持ち上げた状態の
図8(A)の載置台部材を示す図、(C)は一変更例におけるフォークリフトのフォークを狭い間隔にした状態の載置台部材を示す図、(D)は持ち上げた状態の
図8(C)の載置台部材を示す図。
【
図9A】一変更例における第1の実施形態の天板部と縦横比が異なる載置台部材の上面図。
【
図9B】一変更例における第1の実施形態の天板部と縦横比が異なる載置台部材の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1~
図4を用いて、載置台部材、載置台及びこれを用いた載置方法を具体化した第1の実施形態を説明する。第1の実施形態では、1対の載置台部材が、台車によって搬送される搬送物を載置するための載置台として機能する。
【0012】
図1に示すように、1対(2つ)の載置台部材10が離間して配置されて、載置台100を形成する。
各載置台部材10は、本体部11及び天板部12を備えた長尺物である。第1の実施形態では、本体部11は、長さ(長尺方向の寸法)が約550mm、幅が約150mm、高さが約185mmである。天板部12は、本体部11とほぼ同じ長さを有し、約480mmの幅を有し、厚みは約1mmである。なお、図において、天板部12の厚みを誇張して示している。天板部12は、本体部11の上面を覆うように設けられる。第1の実施形態では、本体部11の長さと天板部12の長さとはほぼ同じである。天板部12は、矩形の板状部材である。この天板部12は、幅方向一端が本体部11より水平方向に突出する突出部12Pを備える。1対の載置台部材10は、各突出部12Pが、対となる他の載置台部材10の方に向くように配置される。この天板部12は、本体部11を引き上げ可能な強度を備えた金属板から形成される。
【0013】
更に、第1の実施形態の載置台部材10の高さ方向上端の位置は、搬送物を搬送する台車の載置面(持ち上げ部)を降下させた位置よりも高く、その載置面を上昇させた位置(持ち上げたときの位置)よりも低い。
【0014】
図2A及び
図2Bは、それぞれ載置台部材10の上面図及び正面図である。
図2Cは、載置台部材10を本体部11及び天板部12に分けた状態を示している。
図2Cでは、説明のために、天板部12を、上下反転させた状態で示している。
【0015】
図2A~Cに示すように、本体部11は、上下方向に貫通した中空部を有する四角枠形状を有し、例えばプラパール(登録商標)等の合成樹脂から形成される。本体部11の上面には、長手方向に延在する面ファスナー11a,11bが設けられる。
【0016】
天板部12の裏面(下面)には、長手方向に延在する離間した2条の面ファスナー12a,12bが設けられる。これら面ファスナー12a,12bの間隔は、本体部11に設けられた面ファスナー11a,11bの間隔と同じである。本体部11の面ファスナー11a,11bに、天板部12の裏面の面ファスナー12a,12bを接着させることにより、載置台部材10が形成される。
【0017】
次に、
図3A~3D及び
図4を用いて、上述した載置台部材10を用いた作用について説明する。ここで、搬送物を搬送する台車T1は、4つのメカナムホイールを備え、前後左右及び斜め方向に移動することと旋回することとが可能である。更に、この台車T1は、載置面(上面)を昇降させることにより、搬送物20(及び載置台部材10)の積載又は荷下ろしを行なう。
【0018】
図3Aに示すように、搬送物20を載置するために、1対(2つ)の載置台部材10を離間して配置し、載置台100を形成する。この場合、載置台部材10の本体部11の間隔を台車T1の幅よりも広く配置し、天板部12(突出部12P)の間隔を台車T1の幅よりも狭くなるように配置する。これにより、台車T1を載置台部材10間に出入り可能とするとともに、突出部12Pを台車T1に載置可能とすることができる。
【0019】
次に、
図3Bに示すように、搬送物20が1対の載置台部材10を橋渡しするように、搬送物20を載置台100に載置する。
次に、
図3Cに示すように、載置台部材10の上に配置した搬送物20を搬送する場合には、台車T1の載置面が降下した状態で、載置台部材10の間に台車T1が挿入される。この場合、載置台部材10の本体部11の間隔が台車T1の幅よりも広いので、載置台部材10の間に台車T1を挿入可能である。
【0020】
続いて、
図3Dに示すように、台車T1の載置面を上昇させる。この場合、突出部12Pは、台車T1の載置面と搬送物20との間に挟み込まれ、台車T1の載置面の上昇に伴い、載置台部材10全体が持ち上げられる。これにより、台車T1は、搬送物20とともに1対の載置台部材10を持ち上げ、載置台部材10および搬送物20を搬送する。
【0021】
図4に示すように、台車T1は、工事現場の床等に設けられた磁気テープG1にガイドされて(磁気テープG1に沿って)搬送先まで移動する。この場合、台車T1は、搬送物20を、これを載置した載置台部材10とともに搬送する。搬送先に到着した場合、台車T1は、載置面を降下させる。この場合、載置面が本体部11の高さ方向上端よりも低くなると、載置台部材10が接地し、搬送物20は載置台部材10に支持される。
【0022】
第1の実施形態によれば、以下のような利点を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、1対の載置台部材10の各載置台部材10は天板部12を備える。各天板部12は、本体部11の上面から天板部12を、対となる他の載置台部材10の方向に突出する突出部12Pを備える。搬送物20は、載置台部材10の本体部11に支持されて載置される。搬送物20を搬送する場合には、台車T1が突出部12Pを載置することにより、搬送物20は載置台部材10の上に載った状態で搬送される。これにより、搬送先に載置台を設置する必要がなくなり、搬送作業の手間を軽減することができる。
【0023】
(2)第1の実施形態では、載置台部材10の本体部11及び天板部12には、それぞれ対応するように面ファスナー11a,11b,12a,12bが設けられている。これにより、本体部11及び天板部12を簡単に一体化して載置台部材10を形成することができる。面ファスナー11a,11b,12a,12bを剥がすことにより、本体部11を天板部12から分離することができる。このため、本体部11又は天板部12の一方が壊れた場合には、その一方のみを交換して使用することができる。更に、載置台部材10自体を大量に運搬する場合、その構成部材である本体部11及び天板部12をばらすことにより、載置台部材10の運搬効率を上げることができる。
【0024】
(3)第1の実施形態では、載置台部材10の本体部11は、中空部が中央に形成された四角枠形状を有し、合成樹脂から形成される。これにより、載置台部材10を軽量化することにより、台車T1が搬送できる搬送物20の重量をより大きくすることができる。
【0025】
第1の実施形態は、以下のように変更して実施することができる。第1の実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1の実施形態において、載置台部材10の天板部12は、金属板から形成される。しかしながら、天板部12は、金属板から形成される場合に限られず、搬送物20を載置した載置台部材10を台車T1が片持ちで持ち上げた際に天板部12が撓み難い材料で形成されればよい。更に、天板部12の厚みは、持ち上げた際に天板部12に十分な強度があれば、どのような厚みであってもよく、例えば、
図2Bに示した板厚の1/4~1/10程度であってもよい。
【0026】
また、載置台部材10の本体部11は、合成樹脂から形成される。しかしながら、本体部11は、合成樹脂から形成される場合に限られず、搬送物20を支持するための搬送物20の上からの荷重に強くて軽い材料であれば、例えば、木材や段ボール材等を用いてもよい。
【0027】
・第1の実施形態の載置台部材10では、本体部11と天板部12とは、面ファスナーを用いて固定される。本体部11と天板部12との固定は、面ファスナーを用いた場合に限られず、例えば、両面テープ等であってもよい。更に、面ファスナーのように着脱可能に固定する場合に限られず、接着剤や釘等によって固着させてもよい。
【0028】
・第1の実施形態において、載置台部材10の天板部12は、本体部11から一方に向けて突出する突出部12Pを備える。これに限定されず、例えば、これに加えて、天板部12は突出部12Pと反対の方向に本体部11から突出してもよい。この場合、天板部12が本体部11から両方向に突出するため、本体部11の両側で天板部12がバランスし、載置台部材10を安定して配置することができる。
【0029】
更に、載置台部材10を安定して配置する構成は、突出部12Pと反対側の辺が本体部11から突出する構成に限られない。
例えば、
図5に示すように、本体部31、天板部32及び底面部33を設けた載置台部材30が用いられてもよい。なお、本体部31の長手方向は、天板部32の長さよりも長い。この載置台部材30の底面部33は、本体部31と一体に固定されてもよいし、本体部31から分離していてもよい。載置台部材30の底面部33が本体部31から分離されている場合、底面部33のみが、予め定めた位置の床に固定されてもよい。この場合、搬送物20と一緒に搬送された載置台部材10は、底面部33の上に載置される。これにより、底面部33は、載置台部材30の設置場所のガイドとして用いられることができる。
【0030】
・第1の実施形態においては、1対の載置台部材10を離間して配置して載置台100を形成した。これに代えて、載置台100を形成する1対の載置台部材が底面部で接続されてもよい。
図6Aに示すように、載置台41は、1対の載置台部材10と、これらを連結する連結部46とを備える。連結部46は、中央に孔46aが形成された板状部材である。孔46aは、搬送物20を積載するときの台車T1の車輪のすべてが接地可能となる位置及び大きさで設けられている。更に、連結部46の両端部の上には、各載置台部材10の本体部11が取り付けられる。これにより、1対の載置台41を、間隔を調整せずに、配置することができる。
【0031】
更に、
図6Bに示すように、連結部47が載置台42を形成する1対(2つ)の載置台部材10を連結してもよい。連結部47は、2つの載置台部材10の本体部11の長手方向の一端部の側面で、各本体部11と連結する。この場合、連結部47を、本体部11の対向する側面で連結する場合に限られず、本体部11の長手方向において同じ方の側面を覆うように配置してもよい。
【0032】
更に、2つの載置台部材10を連結部が連結する位置は、本体部11の端部に限定されない。例えば、
図6Cに示すように、連結部48が本体部11の長手方向の中間部分で載置台43を連結してもよい。この場合、台車T1が搬送物20を積載する場合に、台車T1の車輪が乗り越える位置に連結部48を設ける。
【0033】
・第1の実施形態においては、突出部12Pは、本体部11から水平方向に突出する。しかしながら、載置台部材は、本体部11から少なくとも対となる他の載置台部材に向けて水平に延在する部分があれば、その形状は限定されない。
【0034】
例えば、
図7(A)及び
図7(B)に示す形状で載置台部材50を形成してもよい。この載置台部材50は、直方体形状の本体部51と天板部52とを備える。天板部52は、上面部52u、敷板部52a、側面部52b及び係止部52cを備える。側面部52bは、上面部52uを敷板部52aに接続する。
【0035】
図7(B)に示すように、天板部52の側面部52bは、敷板部52aの上に本体部51が載置された場合に、本体部51の上面部51uと、天板部52の上面部52uとが面一となる高さを有する。
【0036】
また、
図7(A)に示すように、本体部51の敷板部52aの大きさは、敷板部52aの上に本体部51が載置された場合に、側面部52b及び係止部52cが本体部51に当接するように決定される。これにより、本体部51が天板部52の敷板部52aの上に載置されるだけで、台車T1は、本体部51と天板部52とを一体化して積載することができ、面ファスナーを省略することができる。なお、天板部52に係止部52cが設けられなくてもよい。
【0037】
・第1の実施形態においては、台車T1は載置台部材10に載置した搬送物20を搬送する。しかしながら、搬送物20を搬送する搬送装置は、台車T1に限られない。例えば、フォークリフトが搬送物20を搬送してもよい。この場合には、フォークリフトのフォークの間隔を調整することにより、載置台部材10をその場に残して搬送物20のみを搬送する場合と、搬送物20とともに載置台部材10を搬送する場合を使い分けることができる。
【0038】
具体的には、
図8(A)に示すように、載置台部材10と一緒に搬送物20を搬送する場合には、フォークリフトの1対のフォークF1の間隔を、広い間隔L1に設定する。この間隔L1は、1対の載置台部材10の本体部11の間隔よりも狭く、1対の載置台部材10の天板部12の間隔よりも広い。
図8(B)に示すように、フォークF1を上昇させて搬送することにより、フォークF1上に突出部12Pが載って、載置台部材10とともに搬送物20が搬送される。
【0039】
また、
図8(C)に示すように、載置台部材10と別に搬送物20だけを搬送する場合には、フォークリフトの1対のフォークF1の間隔を、間隔L1よりも狭い間隔L2に調節する。この間隔L2は、フォークF1が、1対の載置台部材10の天板部12の突出部12Pの間に位置する幅である。
図8(D)に示すように、フォークF1を上昇させた場合、搬送物20のみがフォークF1に載置され、載置台部材10はそのまま残る。
【0040】
・第1の実施形態では、載置台部材10を2つで1対として用いた。載置台100を形成するための対となる載置台部材10の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0041】
・第1の実施形態の載置台部材10は、本体部11の長手方向における第1の寸法(長さ)が長手方向に対し垂直な短手方向における第2の寸法(幅)よりも長い矩形の天板部12を備える。しかしながら、天板部の形状は、これに限られない。例えば、
図9Aに示すように、天板部12よりも長手方向における寸法が短い天板部13を備える載置台部材60でもよい。更に、
図9B及び
図9Cに示すように、本体部11に対して、天板部12および天板部13のそれよりも長さ及び幅が短い天板部14を備える載置台部材61でもよい。これら天板部13,14においても、天板部12と同様に、本体部11の上面の面ファスナー11a(11b)に対応して面ファスナー13a,14a(13b,14b)が設けられる。これら面ファスナー11a,11b,13a,13b,14a,14bを用いて、本体部11が天板部13,14に固定される。
【0042】
更に、面ファスナー等の接着部材は、本体部を天板部に固定できれば、位置、範囲、数量はどのようなものでもよい。例えば、
図10A~10Dに示すように、本体部11の短手方向に延在するように面ファスナー11c,11dを設けてもよい。これら面ファスナー11c(11d)にそれぞれ接着する面ファスナー12c,13c,14c(12d,13d,14d)を天板部12,13,14に設けた載置台部材62,63,64が用いられてもよい。更に、
図10E~10Lに示すように、面ファスナー12a,13a,14a,12c,13c,14c(12b,13b,14b,12d,13d,14d)を、天板部12,13,14の外端部よりも内側に設けた載置台部材67,68,69,72,73,74が用いられてもよい。
【0043】
・第1の実施形態の載置台部材10は、本体部11のそれとほぼ同じ長さの天板部12を用いた。本体部と天板部との長さはほぼ同じでなくてもよい。具体的には、
図11A及び
図11Bに示すように、天板部12から本体部16が突出する長さの載置台部材81,82が用いられてもよい。更に、
図11C及び
図11Dに示すように、本体部17のそれよりも長さが大きい天板部12を備える載置台部材83,84が用いられてもよい。これらの場合には、天板部12の面ファスナー12a(12b)に対応した位置に、本体部16の面ファスナー16a,17a,(16b,17b)が設けられる。
【0044】
更に、本体部を複数に分けてもよい。
図11E~11Hに示すように、複数の本体部18,19の上面に1つの天板部12を設け、複数の本体部18,19によって搬送物20(及び天板部12)を支持する載置台部材85,86,87,88が用いられてもよい。この場合、本体部18,19は、上下方向に貫通した中空部を有する直方体形状を有する。本体部18(19)の面ファスナー18a,18b(19a,19b)に対応する位置に、天板部12の面ファスナー12f1,12e1(12f2,12e2)を設ける。なお、
図11A~11Hにおける天板部12は、
図9や
図10に示すように変更されてもよい。
【0045】
・第1の実施形態の載置台部材10の本体部11は、上下方向に貫通した中空部を有する四角枠形状を有する。しかしながら、本体部11の形状は、これに限定されない。例えば、
図7(A)及び
図12Aに示す中実の本体部51,90が用いられてもよい。また、
図12Bに示すように、本体部11の長手方向(水平方向)に貫通した中空部91aを有する本体部91を用いてもよい。また、
図12Cに示すように、本体部11の水平方向に延在し下が開口する溝部92aを有した本体部92を用いてもよい。更に、
図12Dに示すように、
図12Cの本体部92の上下を反転させた溝部93aを有した本体部93であってもよい。
【0046】
また、
図12Eに示すように、本体部11の短手方向(水平方向)に貫通した中空部94aを有する本体部94を用いてもよい。更に、
図12Fに示すように、2つの側面95a及び上面95bを備える本体部95を用いてもよい。また、
図12Gに示すように、2つの側面96a及び底面96bを備える本体部96を用いてもよい。更に、
図12A~12Gに示すような本体部90~96の構造を複数に分離した形状の本体部を用いてもよい。本体部を複数に分離した場合、各部分の形状は、角柱に限られず、円柱、三角柱や五角以上の多角柱であってもよく、中空体や中実体のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
F1…フォーク、G1…磁気テープ、L1,L2…間隔、T1…台車、10,30,50,60,61,62,63,64,67,68,69,72,73,74,81,82,83,84,85,86,87,88…載置台部材、11,16,17,18,19,31,51,90,91,92,93,94,95,96…本体部、12,13,14,32,52…天板部、11a,11b,11c,11d,12a,12b,12c,12e1,12e2,12f1,12f2,13a,13b,13c,14a,14b,14c,16a,17a,18a,18b…面ファスナー、12P…突出部、20…搬送物、33…底面部、41,42,43,100…載置台、46,47,48…連結部、46a…孔、51u,52u…上面部、52a…敷板部,52b…側面部,52c…係止部、91a,94a…中空部、94a,95a…溝部、95a,96a…側面、95b…上面、96b…底面。