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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】電子部品内蔵基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240228BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H01L21/78 L
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019135916
(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公開番号】P2021019167
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-03-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(72)【発明者】
【氏名】阿部 敏之
(72)【発明者】
【氏名】横山 健
(72)【発明者】
【氏名】露谷 和俊
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-150002(JP,A)
【文献】国際公開第2013/160989(WO,A1)
【文献】特開2013-104931(JP,A)
【文献】特開平02-253642(JP,A)
【文献】特開2011-119521(JP,A)
【文献】特開2008-182024(JP,A)
【文献】特開平06-169015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H05K 1/18
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子電極が形成された主面と、前記主面の反対側に位置する裏面と、前記主面及び裏面に対して垂直な側面とを有する電子部品を用意し、前記裏面及び側面に金属膜を形成する工程と、
複数の配線層と、少なくとも第1及び第2の絶縁層を含む複数の絶縁層が積層されてなる基板に、前記裏面が前記第1の絶縁層で覆われ、前記主面及び側面が前記第2の絶縁層で覆われるよう、前記電子部品を埋め込む工程と、を備え、
前記金属膜を形成する工程は、前記電子部品が形成されたウェーハ又は集合基板を前記裏面側からハーフカットすることによって前記側面の一部を露出させた状態で行うことを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品内蔵基板及びその製造方法に関し、特に、半導体ICなど電子部品がフェースアップ方式で埋め込まれた電子部品内蔵基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ICなど電子部品がフェースアップ方式で埋め込まれた電子部品内蔵基板としては、特許文献1及び2に記載された電子部品内蔵基板が知られている。しかしながら、半導体ICを構成するシリコン材料は、絶縁層を構成する樹脂材料に対する密着性が低いことから、半導体ICの動作によって温度が上昇すると、熱膨張係数の差に起因する応力が生じ、半導体ICと絶縁層の界面に剥離が生じることがあった。
【0003】
ここで、特許文献2に記載された電子部品内蔵基板は、半導体ICの裏面が金属膜で覆われていることから、この金属膜が密着層として機能し、半導体ICの裏面における剥離が生じにくくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-205853号公報
【文献】特開2007-150002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、半導体ICをフェースアップ方式で埋め込んだ場合、最も剥離しやすい部分は、半導体ICの裏面と側面の境界となる角部であり、この部分における剥離は単に半導体ICの裏面に金属膜を形成するだけでは防止することが困難であった。
【0006】
したがって、本発明は、半導体ICなど電子部品がフェースアップ方式で埋め込まれた電子部品内蔵基板及びその製造方法において、電子部品の剥離をより効果的に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による電子部品内蔵基板は、複数の配線層と少なくとも第1及び第2の絶縁層を含む複数の絶縁層が積層されてなる基板と、端子電極が形成された主面と主面の反対側に位置する裏面と主面及び裏面に対して垂直な側面とを有し、裏面が第1の絶縁層で覆われ、主面及び側面が第2の絶縁層で覆われるよう、基板に埋め込まれた電子部品とを備え、電子部品の裏面及び側面は、金属膜で覆われていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、電子部品の裏面だけでなく側面も金属膜で覆われていることから、裏面と側面の境界となる角部における剥離を防止することが可能となる。
【0009】
本発明において、電子部品の側面に形成された金属膜の厚みは、裏面側から主面側に向かうにつれて薄くなっていても構わない。これによれば、フィラーが入り込みにくい角部近傍の領域が金属膜で埋められることから、熱膨張係数の差を緩和することが可能となる。
【0010】
本発明において、電子部品の側面は、裏面側に位置し金属膜で覆われた下部領域と、主面側に位置し金属膜で覆われていない上部領域を有するものであっても構わない。これによれば、金属膜が電子部品の主面に回り込むことがなくなる。
【0011】
本発明において、上部領域は下部領域から突出していても構わない。かかる構造は、電子部品が形成されたウェーハ又は集合基板を裏面側からハーフカットすることによって得られ、金属膜の主面側への回り込みを確実に防止することが可能となる。
【0012】
本発明による電子部品内蔵基板の製造方法は、端子電極が形成された主面と、主面の反対側に位置する裏面と、主面及び裏面に対して垂直な側面とを有する電子部品を用意し、裏面及び側面に金属膜を形成する工程と、複数の配線層と少なくとも第1及び第2の絶縁層を含む複数の絶縁層が積層されてなる基板に、裏面が第1の絶縁層で覆われ、主面及び側面が第2の絶縁層で覆われるよう電子部品を埋め込む工程と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、電子部品の裏面だけでなく側面も金属膜で覆われることから、電子部品の角部における剥離を防止することが可能となる。
【0014】
本発明において、金属膜を形成する工程は、電子部品が形成されたウェーハ又は集合基板を裏面側からハーフカットすることによって側面の一部を露出させた状態で行っても構わない。これによれば、金属膜の主面側への回り込みを確実に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
このように、本発明によれば、半導体ICなど電子部品がフェースアップ方式で埋め込まれた電子部品内蔵基板及びその製造方法において、電子部品の剥離をより効果的に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の好ましい実施形態による電子部品内蔵基板1の構造を説明するための模式的な断面図である。
図2図2は、電子部品40の構造を説明するための模式的な断面図である。
図3図3は、電子部品40に金属膜50を形成する第1の方法を説明するための模式図である。
図4図4は、電子部品40に金属膜50を形成する第2の方法を説明するための模式図である。
図5図5は、図4に示す方法で作成した電子部品40の形状を説明するための模式図である。
図6図6は、電子部品40に金属膜50を形成する第3の方法を説明するための模式図である。
図7図7は、電子部品40に金属膜50を形成する第4の方法を説明するための模式図である。
図8図8は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図9図9は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図10図10は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図11図11は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図12図12は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図13図13は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図14図14は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図15図15は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図16図16は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図17図17は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図18図18は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図19図19は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
図20図20は、電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の好ましい実施形態による電子部品内蔵基板1の構造を説明するための模式的な断面図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態による電子部品内蔵基板1は、4層の絶縁層11~14と、絶縁層11~14の表面にそれぞれ形成された配線層L1~L4と、配線層L2と配線層L3の間に埋め込まれた電子部品40を備える。特に限定されるものではないが、最上層に位置する絶縁層11及び最下層に位置する絶縁層14は、ガラス繊維などの芯材にガラスエポキシなどの樹脂材料を含浸させたコア層であっても構わない。これに対し、絶縁層12,13は、ガラスクロスなどの芯材を含まない樹脂材料からなるものであっても構わない。特に、絶縁層11,14の熱膨張係数は、絶縁層12,13の熱膨張係数よりも小さいことが好ましい。
【0020】
電子部品40の種類については特に限定されないが、例えばベアチップ状態の半導体ICであっても構わない。図1に示す例では、端子電極41が形成された主面42が上側を向くよう、フェースアップ方式で電子部品40が埋め込まれている。このため、電子部品40の主面42及び側面43は絶縁層12で覆われ、電子部品40の裏面44は絶縁層13で覆われる。
【0021】
配線層L1は最上層に位置する配線層であり、その大部分はソルダーレジスト21によって覆われている。配線層L1のうち、ソルダーレジスト21によって覆われていない領域は、チップ部品などが搭載される外部端子E1を構成する。配線層L4は最下層に位置する配線層であり、その大部分はソルダーレジスト22によって覆われている。配線層L4のうち、ソルダーレジスト22によって覆われていない領域は、ハンダを介してマザーボードに接続される外部端子E2を構成する。これに対し、配線層L2,L3は内層に位置する。このうち、配線層L2は絶縁層11と絶縁層12の間に位置し、配線層L3は絶縁層13と絶縁層14の間に位置する。そして、配線層L1と配線層L2はビア導体31を介して接続され、配線層L2と電子部品40の端子電極41はビア導体32を介して接続され、配線層L2と配線層L3はビア導体33を介して接続され、配線層L3と配線層L4はビア導体34を介して接続される。
【0022】
図2は、電子部品40の構造を説明するための模式的な断面図である。
【0023】
図2に示すように、本実施形態において基板に埋め込まれる電子部品40は、裏面44の全面及び側面43の一部が金属膜50で覆われている。裏面44とは、主面42の反対側に位置し、端子電極41が設けられていない面である。また、側面43とは、主面42及び裏面44に対して垂直な面である。金属膜50は、単層構造又は積層構造を有しており、電子部品40と絶縁層12,13の密着性を高める役割を果たす。金属膜50は、銅(Cu)からなる単層構造であっても構わないし、銅(Cu)の両面に密着性の高いチタン(Ti)などからなる薄い層が設けられた積層構造であっても構わない。このように、本実施形態においては、電子部品40の裏面44の全面及び側面43の一部が金属膜50で覆われていることから、最も剥離が生じやすい裏面44と側面43の境界となる角部近傍における、電子部品40と絶縁層12,13の密着性が高められる。
【0024】
特に限定されるものではないが、図2に示す例では、電子部品40の側面43が部分的に金属膜50で覆われている。具体的には、電子部品40の側面43は、裏面44側に位置し金属膜50で覆われた下部領域43aと、主面42側に位置し金属膜50で覆われていない上部領域43bを有している。これによれば、金属膜50が主面42側に回り込むことがないため、金属膜50と端子電極41の接触を防止することが可能となる。ここで、密着性をより高めるためには、電子部品40の厚みTに対する下部領域43aの厚みLの割合が大きいことが好ましいが、厚みLの割合が大きすぎると、金属膜50が主面42側に回り込みやすくなる。この点を考慮すれば、L/Tの値は0.7~0.9の範囲とすることが好ましい。
【0025】
また、本実施形態においては、電子部品40の側面43に形成された金属膜50の厚みが裏面44側から主面42側に向かうにつれて薄くなっている。その結果、側面43に形成された金属膜50の表面と、裏面44に形成された金属膜50の表面が成す角度θは、90°未満となる。これにより、角度θが垂直である場合と比べ、絶縁層12に含まれるシリカなど熱膨張係数の小さいフィラーが電子部品40のより近傍まで充填されるため、熱膨張係数の差が緩和される。しかも、本実施形態においては、電子部品40の角部を覆う部分において金属膜50の形状がラウンドしていることから、金属膜50と絶縁層12の密着性も高められる。
【0026】
電子部品40に金属膜50を形成する方法については特に限定されないが、裏面44のみならず側面43にも金属膜50を形成する必要があることから、ウェーハ又は集合基板を個片化することによって電子部品40を多数個取りする場合には、個片化した後あるいはウェーハ又は集合基板をハーフカットした状態で金属膜50を形成する必要がある。
【0027】
図3(a)に示す例では、電子部品40を個片化した後、電子部品40の主面42を保護膜90で覆った状態で、矢印Aで示す方向からスパッタリングを行う。これにより、図3(b)に示すように、電子部品40の裏面44及び側面43に金属膜50を選択的に形成することができる。この場合、電子部品40の側面43は、スパッタリング方向に対して水平であることから、裏面44から遠くなるほど金属膜50が成膜されにくくなり、結果的に図2に示す形状を得ることが可能となる。
【0028】
図4(a)に示す例では、電子部品40が形成されたウェーハ60を裏面44側からハーフカットすることにより、ウェーハ60に側面43の一部を露出させる溝61を形成する。この状態で、矢印Aで示す方向からスパッタリングを行うことにより、図4(b)に示すように、電子部品40の裏面44及び溝61の内壁に金属膜50が形成される。その後、溝61内に位置するダイシングライン62に沿ってウェーハ60を切断すれば、電子部品40の裏面44及び側面43に金属膜50を選択的に形成することができる。この場合、電子部品40は、図5に示すように、下部領域43aから上部領域43bが突出した形状となる。
【0029】
さらに、図6(a)に示すように、ハーフカットによりウェーハ60に形成した溝61の底面にマスクパターン63を形成しておき、図6(b)に示すように、この状態でスパッタリングを行うことにより金属膜50を形成した後、図6(c)に示すようにマスクパターン63を除去すれば、マスクパターン63に付着した金属膜50がリフトオフされる。これにより、溝61の底面には金属膜50の存在しない領域が形成されるため、この領域に沿ってダイシングライン62を設定すれば、ダイシングに用いるブレードと金属膜50の接触を防止することが可能となる。
【0030】
或いは、図7(a)に示すように、ハーフカットによりウェーハ60に溝61を形成した状態でスパッタリングを行うことにより金属膜50を形成した後、図7(b)に示すように、溝61の底部の一部が露出するようマスクパターン64を形成し、図7(c)に示すように、マスクパターン64から露出する金属膜50を除去しても構わない。これにより、溝61の底面には金属膜50の存在しない領域が形成されるため、この領域に沿ってダイシングライン62を設定すれば、ダイシングに用いるブレードと金属膜50の接触を防止することが可能となる。
【0031】
このようにして作製した電子部品40は、以下に説明する工程によって基板の内部に埋め込まれる。
【0032】
図8図20は、本実施形態による電子部品内蔵基板1の製造方法を説明するための工程図である。
【0033】
まず、図8に示すように、ガラス繊維などの芯材を含む絶縁層14の一方の表面に金属膜L3aが形成され、他方の表面に金属膜L4a,L4bの積層膜が形成された基材(ワークボード)を用意し、剥離層71を介してステンレスなどからなる支持体70に貼り合わせる。
【0034】
次に、図9に示すように、フォトリソグラフィー法などを用いて金属膜L3aをパターニングすることによって、配線層L3を形成する。次に、図10に示すように、配線層L3を埋め込むよう、絶縁層14の表面に例えば未硬化(Bステージ状態)の樹脂シート等を真空圧着等によって積層することにより、絶縁層13を形成する。
【0035】
次に、図11に示すように、絶縁層13の表面に金属膜50が形成された電子部品40を載置する。電子部品40は、例えばベアチップ状態の半導体ICであり、端子電極41が形成された主面42が上側を向くよう、フェースアップ方式で搭載される。このため、電子部品40の裏面44と絶縁層13の間には、金属膜50が介在することになる。
【0036】
次に、図12に示すように、電子部品40を覆うように絶縁層12及び金属膜L2aを形成する。これにより、電子部品40の側面43は、直接或いは金属膜50を介して絶縁層12で覆われる。絶縁層12の形成は、例えば、未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂を塗布した後、未硬化樹脂の場合それを加熱して半硬化させ、さらに、プレス手段を用いて金属膜L2aとともに硬化成形することが好ましい。絶縁層12としては、電子部品40の埋め込みを妨げる繊維が含まれない樹脂シートが望ましい。
【0037】
次に、図13に示すように、例えばフォトリソグラフィー法など公知の手法を用いて金属膜L2aの一部をエッチングにより除去した後に、金属膜L2aが除去された所定の箇所に対して公知のブラスト加工やレーザー加工を行うことにより、ビアホール82,83を形成する。このうち、ビアホール83は絶縁層12,13を貫通して設けられ、ビアホール83の底部には配線層L3が露出する。また、ビアホール82は、電子部品40の端子電極41を露出させる。
【0038】
次に、図14に示すように、無電解メッキ及び電解メッキを施すことによって、絶縁層12の表面に金属膜L2bを形成するとともに、ビアホール82,83の内部にそれぞれビア導体32,33を形成する。その後、図15に示すように、フォトリソグラフィー法などを用いて金属膜L2bをパターニングすることによって、配線層L2を形成する。
【0039】
次に、図16に示すように、配線層L2を埋め込むよう、絶縁層11と金属膜L1a,L1bが積層されたシートを真空熱プレスする。絶縁層11に用いる材料及び厚みは、絶縁層14と同じであっても構わない。次に、図17に示すように、金属膜L1a,L1bの界面を剥離するとともに、金属膜L4a,L4bの界面を剥離することによって、基板を支持体70から分離する。
【0040】
次に、図18に示すように、例えばフォトリソグラフィー法など公知の手法を用いて金属膜L1a,L4aの一部をエッチングにより除去した後に、金属膜L1a,L4aが除去された所定の箇所に対して公知のブラスト加工やレーザー加工を行うことにより、絶縁層11にビアホール81を形成し、絶縁層14にビアホール84を形成する。ビアホール81は絶縁層11を貫通して設けられ、ビアホール81の底部には配線層L2が露出する。また、ビアホール84は絶縁層14を貫通して設けられ、ビアホール84の底部には配線層L3が露出する。
【0041】
次に、図19に示すように、無電解メッキ及び電解メッキを施すことによって、絶縁層11,14の表面にそれぞれ金属膜L1c,L4cを形成するとともに、ビアホール81,84の内部にそれぞれビア導体31,34を形成する。これにより、ビア導体31は配線層L2と接し、ビア導体34は配線層L3と接する。その後、図20に示すように、フォトリソグラフィー法などを用いて金属膜L1c,L4cをパターニングすることによって、配線層L1,L4を形成する。
【0042】
そして、絶縁層11,14の表面にそれぞれソルダーレジスト21,22を形成すれば、図1に示す電子部品内蔵基板1が完成する。
【0043】
このように、本実施形態においては、裏面44及び側面43に金属膜50が形成された電子部品40をフェースアップ方式で絶縁層13の表面に載置した後、絶縁層12によって電子部品40を埋め込んでいることから、剥離が最も生じやすい電子部品40の角部における密着性を高めることが可能となる。これにより、電子部品40の動作によって温度が上昇しても、熱膨張係数の差に起因する電子部品40と絶縁層12,13の剥離を防止することが可能となる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0045】
1 電子部品内蔵基板
11~14 絶縁層
21,22 ソルダーレジスト
31~34 ビア導体
40 電子部品
41 端子電極
42 主面
43 側面
43a 下部領域
43b 上部領域
44 裏面
50 金属膜
60 ウェーハ
61 溝
62 ダイシングライン
63,64 マスクパターン
70 支持体
71 剥離層
81~84 ビアホール
90 保護膜
E1,E2 外部端子
L1~L4 配線層
L1a~L1c,L2a,L2b,L3a,L4a~L4c 金属膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20