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特許7443752学習支援装置、学習支援方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 5/02 20060101AFI20240228BHJP
   G06V 30/19 20220101ALI20240228BHJP
【FI】
G09B5/02
G06V30/19 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019229333
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021096431
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】梶川 知哉
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-113803(JP,A)
【文献】特開2001-014100(JP,A)
【文献】特開2014-056210(JP,A)
【文献】特開2019-164182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 5/00-7/12、11/00
G06V 30/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書き入力を検出する検出部と、
前記検出部で検出された第1手書き入力に基づいて認識された第1文字を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記第1文字が利用者の操作により第2文字に訂正されたか否かを認識する認識部と、
前記認識部による認識結果に基づいて、前記第2文字の学習を提案する画面を前記表示部に表示させる制御部と、を備える
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に表示された前記第1文字が前記第2文字に所定回数以上訂正された後、前記第2文字の学習を提案する画面を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の学習支援装置において、
前記画面は、
前記第2文字の手本を示す手本画像と、
前記検出部で第2手書き入力を検出するための手書き領域と、を含む
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に、前記手書き領域内に前記第2手書き入力を描画した手書き画像を表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に、前記手書き領域内に前記手本画像を表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に、前記手本画像と前記手書き領域を並べて表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載の学習支援装置において、
前記手本画像は、前記第2文字の画数と同数の筆順画像要素であって、互いに異なる筆順番号に対応する筆順画像要素を含み、
前記制御部は、前記表示部に、前記第2文字の画数と同数の筆順画像要素と前記手書き領域とを並べて表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項8】
請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記第2文字を検索する操作が検出されると、前記表示部に前記画面を表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の学習支援装置において、
前記画面は、前記第2文字として認識される第3手書き入力を描画した手書き画像を含む
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に、前記第1手書き入力に基づいて認識された複数の候補文字を、認識率の高い順に並べて表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項11】
学習支援装置が行う学習支援方法であって、
検出した第1手書き入力に基づいて認識した第1文字を表示し、
表示された前記第1文字が利用者の操作により第2文字に訂正されたか否かを認識し、
前記第1文字が前記第2文字に訂正されたか否かの認識結果に基づいて、前記第2文字の学習を提案する画面を表示する
ことを特徴とする学習支援方法。
【請求項12】
コンピュータに、
検出した第1手書き入力に基づいて認識した第1文字を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記第1文字が利用者の操作により第2文字に訂正されたか否かを認識し、
前記第1文字が前記第2文字に訂正されたか否かの認識結果に基づいて、前記第2文字の学習を提案する画面を前記表示部に表示させる
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、学習支援装置、学習支援方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、漢字の筆順学習を支援する様々な提案が行われている。例えば、特許文献1には、漢字の筆順を学習するための学習システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-109802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、漢字の筆順を学習する機能は、利用者の操作によって起動するが、より高い学習効果を得るために、利用者に適切なタイミングで学習を促す機能が求められている。
【0005】
なお、以上では、漢字の筆順の学習を例に説明したが、上述した技術的課題は、漢字の筆順の学習に限らず任意の文字の学習において生じ得る。
【0006】
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、文字を効果的に学習することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る学習支援装置は、手書き入力を検出する検出部と、前記検出部で検出された第1手書き入力に基づいて認識された第1文字を表示する表示部と、前記表示部に表示された前記第1文字が利用者の操作により第2文字に訂正されたか否かを認識する認識部と、前記認識部による認識結果に基づいて、前記第2文字の学習を提案する画面を前記表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係る学習支援方法は、学習支援装置が行う学習支援方法であって、検出した第1手書き入力に基づいて認識した第1文字を表示し、表示された前記第1文字が利用者の操作により第2文字に訂正されたか否かを認識し、前記第1文字が前記第2文字に訂正されたか否かの認識結果に基づいて、前記第2文字の学習を提案する画面を表示することを特徴とする学習支援方法。
【0009】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、検出した第1手書き入力に基づいて認識した第1文字を表示部に表示させ、前記表示部に表示された前記第1文字が利用者の操作により第2文字に訂正されたか否かを認識し、前記第1文字が前記第2文字に訂正されたか否かの認識結果に基づいて、前記第2文字の学習を提案する画面を前記表示部に表示させる処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上記の態様によれば、文字を効果的に学習することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】学習支援装置10の斜視図である。
図2】学習支援装置10の構成図である。
図3】学習支援装置10が行う処理のフローチャートの一例である。
図4】学習支援装置10における画面遷移の一例である。
図5】表示装置17に表示される漢字詳細画面の一例である。
図6】表示装置17に表示される書き取り練習画面の一例である。
図7】表示装置17に表示される書き取り練習画面の別の一例である。
図8】表示装置17に表示される詳細画面の一例である。
図9】表示装置17に表示される推奨筆点画像表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、学習支援装置10の斜視図である。図2は、学習支援装置10の構成図である。図1及び図2に示す学習支援装置10は、装置内に不揮発的に記録されている1つ以上の辞書コンテンツから情報を検索する電子辞書機能を有する電子機器である。学習支援装置10は、さらに、漢字、仮名文字などの文字の書き取り練習を行うための機能を有している。以下、図1及び図2を参照しながら、学習支援装置10の構成について説明する。
【0013】
学習支援装置10は、1つ以上の電気回路を含む電子機器であり、図2に示すように、プロセッサ11と、メモリ12と、を備えている。プロセッサ11は、学習支援装置10の認識部及び制御部の一例であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含む電気回路である。メモリ12は、学習支援装置10の記憶部の一例であり、例えば、任意の半導体メモリであり、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含んでいる。
【0014】
メモリ12には、制御プログラム13と、1つ以上の辞書コンテンツ(辞書コンテンツ14a、辞書コンテンツ14b・・・)と、学習帳15が記憶されている。以降では、個々の辞書コンテンツを特に区別しない場合には、それぞれまたはその集合を辞書コンテンツ14として参照する。
【0015】
学習支援装置10は、図1及び図2に示すように、さらに、入力装置16と、表示装置17を備えている。入力装置16は、例えば、キーボードであるが、マイクなどの音声入力装置を含んでもよい。また、表示装置17は、ディスプレイ17aとタッチパネル17bを含むタッチパネル付きの表示装置である。ディスプレイ17aは、学習支援装置10の表示部の一例であり、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどである。ディスプレイ17aは、プロセッサ11に制御される。タッチパネル17bは、学習支援装置10の検出部の一例であり、手書き入力を検出する。タッチパネル17bは、例えば、膜抵抗方式のタッチパネル、静電容量方式のタッチパネル、超音波表面弾性方式のタッチパネルなどである。
【0016】
学習支援装置10は、図2に示すように、通信モジュール18を備えている。通信モジュール18は、例えば、無線通信モジュールである。通信モジュール18は、インターネット上から辞書コンテンツをダウンロードしてもよく、ダウンロードした辞書コンテンツをメモリ12に追加することで、電子辞書機能を拡張してもよい。
【0017】
以上のように構成された学習支援装置10は、プロセッサ11がメモリ12に展開した制御プログラム13を実行することで、電子辞書機能を提供する。より具体的には、プロセッサ11は、例えば、入力装置16又はタッチパネル17bを用いて入力された検索条件に従って、メモリ12に格納された辞書コンテンツ14から情報を抽出して、表示装置17に表示させる。
【0018】
また、学習支援装置10は、プロセッサ11がメモリ12に展開した制御プログラム13を実行することで、辞書コンテンツに収録された文字について書き取り練習機能を提供する。具体的には、学習支援装置10は、例えば、手書き入力に基づいて認識された文字(以降、認識文字と記す。)が利用者によって訂正された場合に、利用者に書き取り練習を促す。より具体的には、学習支援装置10は、書き取り練習画面を表示することによって書き取り練習を利用者に促してもよく、書き取り練習画面を表示するか否かを選択する画面を表示することによって利用者に書き取り練習を促してもよい。
【0019】
認識文字の訂正を契機にして利用者に訂正後の文字について学習を促す仕組みを採用することで、利用者が学習すべき文字を学習支援装置10が適切に特定することができる。このため、学習支援装置10によれば、真に学習すべき文字のための書き取り練習画面を表示するなどして、効果的な学習を利用者に促すことができる。また、利用者は、学習支援装置10によって学習が促されることで、学習の必要性を認識することが可能であり、書き取り練習を行うときに高い学習意欲で学習を行うことができる。
【0020】
また、学習支援装置10は、認識文字が利用者によって訂正された場合に、書き取り練習画面を表示する代わりに、学習支援装置10の手書き文字認識エンジンが訂正後の文字として認識可能な手書き入力を描画した画像(以降、手書き入力を描画した画像を、手書き画像と記す。)を表示してもよい。手書き文字認識エンジンで正しく認識される手書き画像が表示されることで、利用者は、その手書き画像から自身の手書き入力を改善する手がかりを得ることができる。
【0021】
なお、図1及び図2では、電子辞書専用の携帯型端末である学習支援装置10を例示したが、学習支援装置10は、例えば、スマートフォンなどの汎用の携帯型端末であってもよく、アプリケーションをインストールすることで電子辞書機能及び書き取り練習機能が実現されてもよい。また、学習支援装置10が携帯型装置である場合を例示したが、学習支援装置10は、携帯型装置に限らず、据置型装置であってもよい。
【0022】
図3は、学習支援装置10が行う処理のフローチャートの一例である。図4は、学習支援装置10における画面遷移の一例である。図5は、表示装置17に表示される漢字詳細画面の一例である。図6は、表示装置17に表示される書き取り練習画面の一例である。図7は、表示装置17に表示される書き取り練習画面の別の一例である。図8は、表示装置17に表示される詳細画面の一例である。図9は、表示装置17に表示される推奨筆点画像表示画面の一例である。図3から図9を参照しながら、学習支援装置10が行う一実施形態に係る学習支援方法について説明する。
【0023】
学習支援装置10は、まず、辞書選択画面を表示する(ステップS1)。図4に示す画面G1は、辞書選択画面の一例である。その後、利用者が入力装置16又はタッチパネル17bを操作して、辞書選択画面上の辞書コンテンツの一覧から特定の辞書コンテンツを選択すると、学習支援装置10は、検索画面を表示装置17のディスプレイ17aに表示する(ステップS2)。図4に示す画面G2、画面G2a、画面G2b、画面G2c、画面G2dは、それぞれ検索画面の一例である。検索画面には、検索対象の文字を入力する検索バーBと、手書き領域R1と、が含まれている。なお、図4には、検索対象の辞書コンテンツとして国語辞典Bが選択された場合が示されている。
【0024】
学習支援装置10は、次に、手書き入力を検出する(ステップS3)。ここでは、プロセッサ11が、検索バーB内の手書きボタンの押下を検出すると、タッチパネル17bは、手書き領域R1に入力された手書き入力を検出する。そして、プロセッサ11は、タッチパネル17bで検出された手書き入力を描画した手書き画像をディスプレイ17aに表示させる。図4に示す画面G2aには、手書き入力を描画した手書き画像W1が手書き領域R1に表示されている様子が示されている。
【0025】
その後、学習支援装置10は、手書き入力に基づいて認識された文字である認識文字を表示する(ステップS4)。ここでは、プロセッサ11は、例えば、画面2a上の認識ボタンが押下されると、手書き領域R1内に入力された手書き入力に基づいて文字認識を行い、ディスプレイ17aに、検索バーB内に認識文字を表示させる。即ち、ディスプレイ17aは、タッチパネル17bで検出された手書き入力に基づいて認識された認識文字を表示する。図4に示す画面G2bには、手書き入力が“火”として認識され、“火”が検索バーB内に表示されている様子が示されている。なお、手書き入力に基づいて認識された認識文字“火”は、学習支援装置10における第1文字の一例である。
【0026】
利用者は、認識文字が意図した文字と異なる場合には、学習支援装置10に対してその他の候補文字の表示を要求することができる。図4に示す画面G2bには、利用者が“必”のつもりで入力した手書き入力が“火”と認識されたため、利用者が検索バーB内に表示された認識文字“火”をタップして候補文字の表示を要求している様子が示されている。
【0027】
候補文字の表示が要求されると(ステップS5YES)、学習支援装置10は、候補文字を表示する(ステップS6)。ここでは、プロセッサ11は、ステップS3で行われた文字認識において、手書き入力に基づいて認識された複数の候補文字を、ディスプレイ17aに、認識率の高い順に並べて表示させる。図4に示す画面G2cには、10個の候補文字からなる候補文字群CSが手書き領域R1に表示された様子が示されている。なお、ステップS4で検索バーB内に表示された文字は、最も認識率が高い文字である。
【0028】
なお、認識率とは、学習支援装置10のプロセッサ11がプログラムを実行することで動作する文字認識エンジンからの出力情報の一つであり、文字認識エンジンが認識した候補文字の各々に対して算出される。より詳細には、認識率は、文字認識エンジンが候補文字の各々に対して算出した、手書き入力がその候補文字である確率である。
【0029】
候補文字が認識率の高い順に並べて表示されることで、先頭から順に利用者が文字を探索した場合に意図した文字を比較的早期に発見することが可能となる。また、利用者が意図した文字の位置によって、自身の手書き入力の良し悪し及びその程度をより直感的に把握することができる。例えば、意図した文字が候補文字群CSの中で後方に位置している場合には、利用者は、自身の手書き入力を大きく改善する必要があると認識することができる。
【0030】
その後、利用者が候補文字群CSの中から意図した文字を見つけて選択すると、学習支援装置10は、検索バーB内に訂正後の文字(以降、単に訂正文字と記す。)を表示する(ステップS7)。ここでは、プロセッサ11は、検索バーB内に表示されていた認識文字を訂正文字に置き換えることで、ディスプレイ17aに、訂正文字を表示させる。図4に示す画面G2cには、候補文字群CSから利用者が意図した文字“必”が選択された様子が示されている。また、図4に示す画面G2dには、検索バーB内に訂正文字“必”が表示された様子が示されている。なお、訂正文字“必”は、学習支援装置10における第2文字の一例である。
【0031】
利用者による検索バーB内の検索ボタンの押下を検出すると(ステップS8)、学習支援装置10は、さらに、認識文字が訂正されたか否かを判定する(ステップS9)。ここでは、プロセッサ11は、プロセッサ11は、ディスプレイ17aに表示された認識文字が訂正されたか否かを認識する。より具体的には、例えば、ステップS4で認識した認識文字と検索対象の文字とを比較することで、認識文字が訂正されたか否かを判定してもよい。
【0032】
学習支援装置10は、訂正されていると判定した場合には(ステップS9YES)、訂正文字に関する文字詳細画面を表示する(ステップS10)。ここでは、プロセッサ11は、ステップS9における認識結果に基づいて、訂正文字の学習に関する画面をディスプレイ17aに表示させる。より具体的には、まず、書き取り練習機能を備えた辞書コンテンツから訂正文字を検索する。利用者が選択した国語辞典Bが書き取り練習機能を備えていない場合には、書き取り練習機能を備えた辞書コンテンツ、例えば漢字辞典Aから訂正文字を検索してもよい。そして、プロセッサ11は、訂正文字に関する検索結果を用いて訂正文字の詳細画面を、ディスプレイ17aに表示させる。図5に示す画面G3は、文字詳細画面の一例であり、訂正文字“必”の詳細情報が表示されている。また、画面G3は、書き取り練習機能を起動するためのボタンWBが含まれているため、訂正文字“必”の学習を提案する画面の一例であり、訂正文字の学習に関する画面の一例でもある。なお、ボタンWBは、タッチ操作を検出可能な単なる領域、即ち、タッチ領域であってもよい。
【0033】
その後、学習支援装置10は、書き取り練習の開始指示を検出する(ステップS11YES)、書き取り練習画面を表示する(ステップS12)。ここでは、プロセッサ11は、例えば、画面G3のボタンWBの押下を検出することで、書き取り練習の開始指示があったと判定し、ディスプレイ17aに、訂正文字“必”のための書き取り練習画面を表示させる。図6に示す画面G4は、書き取り練習画面の一例である。また、画面G4は、利用者が実際に訂正文字“必”の手書き入力を行って書き取り練習を行う画面であるため、訂正文字“必”の学習を提案する画面の一例であり、訂正文字の学習に関する画面の一例でもある。
【0034】
画面G4には、訂正文字“必”の手本を示す手本画像Mと、タッチパネル17bで手書き入力を検出するための手書き領域R2と、が含まれている。手書き領域R2とともに手本画像Mが表示されることで、利用者は、手本画像Mを見ながら書き取り練習を容易に行うことができる。また、画面G4では、手本画像Mは、手書き領域R2内に表示されている。即ち、プロセッサ11は、ディスプレイ17aに、手書き領域R2内に手本画像Mを表示させる。これにより、利用者は、手本画像Mをなぞることで適切な手書き入力を容易に学習することができる。
【0035】
画面G4は、さらに、手書き領域R2に加えて、訂正文字“必”の筆順画像100を含んでいる。筆順画像100は、5つの筆順画像要素(筆順画像要素101から筆順画像要素105)を含んでいる。5つの筆順画像要素は、いずれも訂正文字の画像であるが、互いに異なる筆順番号に対応している。筆順画像100に含まれる筆順画像要素の数は、画面G4に示すように、訂正文字の画数と同数である。
【0036】
プロセッサ11は、図6に示すように、ディスプレイ17aに、筆順画像100と手書き領域R2を並べて表示させる。また、プロセッサ11は、ディスプレイ17aに、訂正文字の画数と同数の筆順画像要素を、筆順に従って並べて表示させる。これにより、利用者は、筆順画像100で訂正文字の筆順を確認しながら書き取り練習を行うことができる。
【0037】
手書き領域R2への入力は手書き入力として検出されて、手書き領域R2に手書き入力を描画した手書き画像が表示される。即ち、プロセッサ11は、ディスプレイ17aに、手書き領域R2へ入力した手書き入力を描画した手書き画像を手書き領域R2に表示させる。これにより、利用者は、自身が行った入力を目視で確認することができる。図7に示す画面G4aには、手書き領域R2内に手本画像Mに加えて手書き画像W2が表示された様子が示されている。なお、手書き領域R2に対する手書き入力は、学習支援装置10における第2手書き入力の一例である。
【0038】
手本画像Mと筆順画像100は、いずれも訂正文字“必”の画像であり、訂正文字“必”のお手本として利用者に提供される点は同様である。従って、手本画像Mだけではなく筆順画像100も訂正文字“必”のお手本を示す手本画像の一例である。筆順画像100がお手本として手書き領域R2に並んで表示されることで、利用者は、お手本を確認しながら学習を行うことができる。
【0039】
書き取り練習画面(画面G4、画面G4a)には、図6及び図7に示すように、さらに、複数のGUI部品が含まれてもよい。例えば、ボタンB1は、書き直しボタンであり、手書き入力の書き直しを指示するためのグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)部品である。ボタンB1が押下されることで、手書き領域R2から手書き画像W2が消去される。ボタンB2は、ノート登録ボタンであり、メモリ12の学習帳15に手書き画像を記憶させるためのGUI部品である。ボタンB2が押下されることで、学習帳15に手書き画像W2が訂正文字“必”と関連付けられた状態で記憶される。ボタンB3は、お手本ボタンであり、手本画像Mの表示と非表示を切り替えるためのGUI部品である。ボタンB4は、筆順再生ボタンであり、筆順再生の開始を指示するためのGUI部品である。ボタンB4が押下されることで、手書き領域R2に、例えば、筆順画像要素101から筆順画像要素105が手書き領域R2の大きさに合わせて拡大された状態で、順番に表示されてもよい。
【0040】
書き取り練習の終了が検出されると(ステップS13YES)、学習支援装置10は、詳細画面を表示し(ステップS15)、図3に示す一連の処理を終了する。ステップS13では、例えば、手書き領域R2に入力された手書き入力が訂正文字として正しく認識された場合に、プロセッサ11は、書き取り練習の終了を検出してもよい。また、利用者による特定の操作が検出された場合に、プロセッサ11は、書き取り練習の終了を検出してもよい。図8に示す画面G5は、詳細画面の一例であり、訂正文字“必”に関連する見出し語のリストを表示した画面である。
【0041】
以上のように、学習支援装置10では、プロセッサ11は、第1文字である認識文字“火”が第2文字である訂正文字“必”に訂正された後に、図5から図7に示すような、訂正文字“必”の学習を提案する画面を、ディスプレイ17aに表示させる。これにより、学習が必要な文字についての学習を促すことができるため、利用者に文字を効果的に学習させることができる。
【0042】
また、学習支援装置10は、利用者が書き取り練習を行わないことを選択した場合には(ステップS11NO)、筆点画像を表示する(ステップS14)。ここでは、プロセッサ11は、ディスプレイ17aに、手書き文字認識エンジンによって訂正文字“必”として認識される手書き入力を描画した手書き画像を、推奨筆点画像として表示させる。図9に示す画面G6は、推奨筆点画像W3を含む推奨筆点画像表示画面の一例であり、訂正文字の学習に関する画面の一例でもある。なお、推奨筆点画像に対応する手書き入力は、学習支援装置10の第3手書き入力の一例である。第3手書き入力のデータは、例えば、予め文字毎に準備されてもよく、学習支援装置10の手書き文字認識エンジンに以前に実際に入力され、且つ、正しく訂正文字として認識された入力から作成されてもよい。
【0043】
以上のように、学習支援装置10では、書き取り練習を行わない場合であっても、推奨筆点画像が表示される。このため、学習が必要なタイミングで利用者に文字を効果的に学習させることができる。また、書き取り練習を強制しないことで、利用者は、急いで検索結果を知りたい場合、比較的時間の余裕がある場合など、利用者の状況に応じた学習方法を選択することができる。従って、学習支援装置10によれば、利便性と学習効率を高いレベルで両立することができる。
【0044】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。学習支援装置、学習支援方法、及び、プログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0045】
上述した実施形態では、漢字の書き取り練習を例示したが、書き取り練習の対象は漢字に限らない。例えば、平仮名や片仮名であってもよい。また、日本語に限らず、外国語が書き取り練習の対象であってもよい。
【0046】
また、上述した実施形態では、1回の文字訂正によって学習を促す例を示したが、プロセッサ11は、所定回数以上訂正された後に、学習を提案する画面をディスプレイ17aに表示させてもよい。これにより、利用者に学習を促す基準を適切に調整することができる。なお、所定回数以上は1回以上であればよく、利用者が任意に設定可能であってもよい。また、第1所定回数と第1所定回数より大きい第2所定回数を設けて、訂正が第1所定回数以上第2所定回数未満の間の場合と、訂正が第2所定回数以上の場合で、提案する学習方法を変更してもよい。例えば、1回訂正したときは、推奨筆点画像(学習に関する画面)を表示することで学習を促す一方で、2回以上訂正したときは、書き取り練習画面(学習に関する画面で、且つ、学習を提案する画面)を表示することで学習を促してもよい。なお、訂正回数は、同じ訂正文字毎にカウントされればよい。即ち、2つの異なる認識文字(例えば、“火”と“心”)を同じ訂正文字(例えば、“必”)に訂正された場合には、訂正回数2回とカウントしてもよい。
【0047】
また、上述した実施形態では、利用者が認識文字を訂正した場合に学習を促す例を示したが、手書き文字認識エンジンで認識エラーが発生した場合、つまり、どの文字とも認識できない場合に、学習を提案する画面を表示してもよい。ただし、このようなエラーの場合には、学習すべき文字を装置側で特定することが困難であるため、利用者が学習する文字を選択して学習を行ってもよい。
【0048】
また、上述した実施形態では、利用者が認識文字を訂正した場合に、学習支援装置10が書き取り練習又は筆点画像のいずれかを用いて利用者に学習を行わせる例を示したが、学習を行わないという選択肢を利用者に提供してもよい。また、学習する場合に、書き取り練習と筆点画像のどちらを用いるかについての選択肢を与えることなく、一方を用いて学習を行わせてもよい。いずれの場合であっても、学習支援装置10は、利用者に少なくとも学習の必要性を認識させることが可能である。
【0049】
また、上述した実施形態では、検索ボタン押下後、文字詳細画面を表示して書き取り練習の実施を利用者に選択させる例を示したが、書き取り練習画面は利用者の意思によらず表示されてもよい。即ち、認識文字から訂正文字への訂正が生じている場合には、検索ボタンが押下されて訂正文字を検索する操作が検出されると、利用者の選択によらず、図4に示す画面G2dから図6に示す画面G4へ画面遷移が発生して、書き取り練習画面が表示されてもよい。
【0050】
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
手書き入力を検出する検出部と、
前記検出部で検出された第1手書き入力に基づいて認識された第1文字を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記第1文字が第2文字に訂正されたか否かを認識する認識部と、
前記認識部による認識結果に基づいて、前記第2文字の学習に関する画面を前記表示部に表示させる制御部と、を備える
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記2]
付記1に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に表示された前記第1文字が前記第2文字に所定回数以上訂正された後、前記第2文字の学習を提案する画面を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記3]
付記1又は付記2に記載の学習支援装置において、
前記画面は、
前記第2文字の手本を示す手本画像と、
前記検出部で第2手書き入力を検出するための手書き領域と、を含む
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記4]
付記3に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に、前記手書き領域内に前記第2手書き入力を描画した手書き画像を表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記5]
付記3又は付記4に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に、前記手書き領域内に前記手本画像を表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記6]
付記3又は付記4に記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に、前記手本画像と前記手書き領域を並べて表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記7]
付記6に記載の学習支援装置において、
前記手本画像は、前記第2文字の画数と同数の筆順画像要素であって、互いに異なる筆順番号に対応する筆順画像要素を含み、
前記制御部は、前記表示部に、前記第2文字の画数と同数の筆順画像要素と前記手書き領域とを並べて表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記8]
付記3乃至付記7のいずれか1つに記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記第2文字を検索する操作が検出されると、前記表示部に前記画面を表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記9]
付記1又は付記2に記載の学習支援装置において、
前記画面は、前記第2文字として認識される第3手書き入力を描画した手書き画像を含む
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記10]
付記1乃至付記9のいずれか1つに記載の学習支援装置において、
前記制御部は、前記表示部に、前記第1手書き入力に基づいて認識された複数の候補文字を、認識率の高い順に並べて表示させる
ことを特徴とする学習支援装置。
[付記11]
学習支援装置が行う学習支援方法であって、
検出した第1手書き入力に基づいて認識した第1文字を表示し、
表示された前記第1文字が第2文字に訂正されたか否かを認識し、
前記第1文字が前記第2文字に訂正されたか否かの認識結果に基づいて、前記第2文字の学習に関する画面を表示する
ことを特徴とする学習支援方法。
[付記12]
コンピュータに、
検出した第1手書き入力に基づいて認識した第1文字を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記第1文字が第2文字に訂正されたか否かを認識し、
前記第1文字が前記第2文字に訂正されたか否かの認識結果に基づいて、前記第2文字の学習に関する画面を前記表示部に表示させる
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0051】
10 学習支援装置
11 プロセッサ
12 メモリ
13 制御プログラム
16 入力装置
17 表示装置
17a ディスプレイ
17b タッチパネル
18 通信モジュール
100 筆順画像
101~105 筆順画像要素
CS 候補文字群
R1、R2 手書き領域
M 手本画像
W1、W2 手書き画像
W3 推奨筆点画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9