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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20240228BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G03G15/16 103
G03G21/00 310
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019230680
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021099412
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川中子 隆
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-267549(JP,A)
【文献】特開2005-274623(JP,A)
【文献】特開昭62-231271(JP,A)
【文献】特開2014-191181(JP,A)
【文献】特開2019-008139(JP,A)
【文献】特開2000-335762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持可能な像担持体と、
前記像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写ニップを前記像担持体との間で形成する転写部材と、
前記転写部材に対して当接及び離間可能であり、前記転写部材に当接して清掃を行う清掃部材と、
前記清掃部材の当接及び離間を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体が連続紙である場合、前記連続紙への前記トナー像の転写を開始する前に、前記清掃部材を前記転写部材に対して離間し、
前記連続紙への前記転写の開始後であって、前記転写の終了前は、前記連続紙に前記トナー像が転写されないタイミングにおいて、前記転写部材のうち前記連続紙の範囲外に前記トナー像が転写される場合、前記転写部材に前記清掃部材を当接させる
画像形成装置
【請求項2】
前記制御部は、前記連続紙への前記転写の開始後であって、前記転写の終了前において、前記転写部材に前記清掃部材を当接させた後は、前記連続紙に前記トナー像が転写されないタイミングにおいて、前記転写部材のうち前記連続紙の範囲外に前記トナー像が転写されない場合、前記転写部材から前記清掃部材を離間させる、
請求項1に記載の画像形成装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真方式を採用したプリンタや複写機などの画像形成装置が広く利用されている。このような画像形成装置では、一般に、表面が一様に帯電した感光体ドラム上にレーザー光を照射して静電潜像を書き込み、現像装置内のトナーにより静電潜像を現像している。そして、感光体ドラム上に現像したトナー像を、中間転写ベルトを介して用紙に転写し、その後、転写したトナー像を用紙に定着させている。画像形成装置では、以上のような一連のプロセスを通して画像形成処理を行っている。
【0003】
トナーは、例えば、長時間消費されない場合、劣化することが知られている。トナーが劣化すると、トナーの帯電量が減少し、画質が低下してしまうという問題がある。この問題に対する対策として、従来から、現像装置内に滞留している劣化したトナーを強制的に外部に排出させるトナー排出処理が実施されている。
【0004】
例えば、一枚毎のカット用紙(枚葉紙)に画像形成を行う場合、連続印刷中においても、紙間(用紙同士の間)の非画像形成のタイミングで像担持体(感光体ドラムや中間転写ベルト)上に所定のトナー像を形成することで、劣化したトナーの排出を行っている。
【0005】
このとき、感光体ドラムに設けた清掃部材を感光体ドラムに当接させて、感光体ドラム上に形成されたトナー像を清掃することにより、劣化したトナーの排出を行っている。
【0006】
また、中間転写ベルトに設けた清掃部材を中間転写ベルトに当接させて、中間転写ベルト上に形成されたトナー像を清掃することにより、劣化したトナーの排出を行っている(特許文献1の図1などを参照)。
【0007】
また、中間転写ベルトとの間で転写ニップを形成する二次転写部材(ベルト又はローラー)に清掃部材を設けた画像形成装置もある。この画像形成装置の場合には、二次転写部材に設けた清掃部材を二次転写部材に当接させて、二次転写部材上に転写されたトナー像を清掃することにより、劣化したトナーの排出を行っている。
【0008】
更に、上述した清掃部材においては、その清掃性能の劣化を防ぐため、トナーが供給される場合がある。
【0009】
この場合も、枚葉紙に画像形成を行う場合では、連続印刷中において、紙間の非画像形成のタイミングで像担持体上に所定のトナー像を形成することで、トナーを供給している。これにより、上述した清掃部材に潤滑材としての働きを有するトナーを供給し、感光体ドラム、中間転写ベルト、二次転写部材との摩擦力を低減させて、清掃性能の劣化を抑えつつ、劣化したトナーの排出を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2013-182003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、ロール紙や長尺紙などの連続紙に画像形成を行う場合には、所定のトナー像を形成するだけの領域がない(紙間がない)ため、劣化したトナーを排出することができないという問題がある。
【0012】
二次転写部材に清掃部材を設けた画像形成装置においては、二次転写部材のうち連続紙の範囲外にトナーを転写し、転写したトナーを二次転写部材に設けた清掃部材で清掃すれば、劣化したトナーを排出することはできる。
【0013】
しかしながら、二次転写部材上においては、連続紙があるため、清掃部材の長手方向に潤滑材となるトナーを供給することが難しい。清掃部材の長手方向に潤滑材となるトナーを供給できない状態が長時間続く場合には、清掃部材の劣化を引き起こす可能性がある。
【0014】
例えば、清掃部材がブレード形態の場合には、二次転写部材との摩擦により、めくれたり、損傷したりして、清掃部材が劣化する可能性がある。また、清掃部材がローラー形態の場合には、二次転写部材との摩擦により損傷して、清掃部材が劣化する可能性がある。また、劣化に伴い清掃部材が変形すると、清掃部材が当接する二次転写部材を駆動するための駆動トルクが上昇し、駆動トルクの上昇に伴う転写ずれが発生するおそれもある。
【0015】
本発明の目的は、連続紙に画像形成を行う場合でも、清掃部材の劣化を防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、
トナー像を担持可能な像担持体と、
前記像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写ニップを前記像担持体との間で形成する転写部材と、
前記転写部材に対して当接及び離間可能であり、前記転写部材に当接して清掃を行う清掃部材と、
前記清掃部材の当接及び離間を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体が連続紙である場合、前記連続紙への前記トナー像の転写を開始する前に、前記清掃部材を前記転写部材に対して離間し、
前記連続紙への前記転写の開始後であって、前記転写の終了前は、前記連続紙に前記トナー像が転写されないタイミングにおいて、前記転写部材のうち前記連続紙の範囲外に前記トナー像が転写される場合、前記転写部材に前記清掃部材を当接させる
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置は、
トナー像を担持可能な像担持体と、
前記転写装置と、
を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、連続紙に画像形成を行う場合でも、清掃部材の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る転写装置における清掃部材の一例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態に係る画像形成装置における画像形成時の清掃部材の制御を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。
【0022】
画像形成装置1は、カット用紙などの枚葉紙(記録媒体)だけではなく、ロール紙や長尺紙などの連続紙P(記録媒体)に画像を形成するものである。そのため、画像形成装置1は、図1に示すように、画像形成装置本体100と連続紙供給部80と連続紙回収部90とを備えている。
【0023】
画像形成装置本体100は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。即ち、画像形成装置本体100は、感光体上に形成されたCMYKの各色のトナー像を中間転写体に一次転写し、中間転写体上で4色のトナー像を重ね合わせた後、枚葉紙や連続紙Pに二次転写することにより、画像を形成する。なお、CMYKは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のことである。
【0024】
画像形成装置本体100には、CMYKの4色に対応する感光体を中間転写体の走行方向に直列配置し、中間転写体に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
【0025】
画像形成装置1は、図1図2に示すように、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、通信部71、記憶部72及び制御部200などを備える。また、画像形成装置1は、上述した連続紙供給部80及び連続紙回収部90と共に、当接離間部440を備える。
【0026】
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202及びRAM(Random Access Memory)203などを備えている。CPU201は、ROM202から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM203に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されているLUT(Look Up Table)などの各種データが参照される。記憶部72は、例えば、不揮発性の半導体メモリ(所謂、フラッシュメモリ)又はハードディスクドライブで構成される。
【0027】
制御部200は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークに接続された外部の装置(例えば、パーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部200は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙に画像を形成する。通信部71は、例えば、LANカードなどの通信制御カードで構成される。
【0028】
制御部200には、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、通信部71、記憶部72、連続紙供給部80、連続紙回収部90、当接離間部440がそれぞれ接続されている。これらは、制御部200の指示に基づいて所定の処理を実行する。
【0029】
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)などを備える。
【0030】
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿の画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
【0031】
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサーに結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
【0032】
操作表示部20は、例えば、タッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部200から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況などの表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキーなどの各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部200に出力する。
【0033】
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じた画像処理を行う回路などを備える。画像処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
【0034】
画像形成部40は、画像形成ユニット41、中間転写ユニット42、二次転写ユニット43などを備える。画像処理部30からの画像データに基づいて、画像形成ユニット41Yは、Y成分の有色トナーによる画像を形成する。同様に、画像形成ユニット41Mは、M成分の有色トナーによる画像を形成し、画像形成ユニット41Cは、C成分の有色トナーによる画像を形成し、画像形成ユニット41Kは、K成分の有色トナーによる画像を形成する。
【0035】
画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。具体的には、画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、各々、感光体ドラム411、露光装置、現像装置、帯電装置、ドラムクリーニング装置などを有する。感光体ドラム411、露光装置、現像装置、帯電装置、ドラムクリーニング装置としては、公知の技術を採用することができるため、ここでは、詳細な説明は省略する。また、図1では、感光体ドラムは図示しているが、他の構成要素の図示は省略し、画像形成ユニット41Yの感光体ドラム411にのみ符号を付している。
【0036】
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421(像担持体)、中間クリーニング装置422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423などを備える。支持ローラー423としては、バックアップローラー423A以外に、一次転写ローラー、駆動ローラーなどのローラーを有しているが、ここでは、これらの図示を省略している。
【0037】
中間転写ベルト421は、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423にループ状に張架され、矢印A方向に走行する。中間転写ベルト421は感光体ドラム411に圧接されており、これにより、感光体ドラム411から中間転写ベルト421へトナー像を転写する。
【0038】
中間クリーニング装置422は、中間転写ベルト421の表面に摺接する板状のベルトクリーニングブレードなどを有する。中間クリーニング装置422は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーや中間転写ベルト421上に形成した劣化トナー排出用の画像パターンを除去する。
【0039】
バックアップローラー423Aは、中間転写ベルト421を挟んで、後述する二次転写ベルト431及び二次転写ローラー432Aに圧接されている。
【0040】
二次転写ユニット43(転写部)は、二次転写ベルト431(転写部材)、二次転写ローラー432Aを含む複数の支持ローラー432などを備える。
【0041】
二次転写ベルト431は、二次転写ローラー432Aを含む複数の支持ローラー432にループ状に張架され、矢印B方向に走行する。
【0042】
二次転写ローラー432Aは、二次転写ベルト431及び中間転写ベルト421を挟んで、バックアップローラー423Aに圧接されている。これにより、中間転写ベルト421と二次転写ベルト431との間に二次転写ニップが形成される。
【0043】
二次転写ユニット43においては、二次転写ニップに枚葉紙や連続紙Pが搬送されると、中間転写ベルト421に担持されている各色のトナー画像が枚葉紙や連続紙P上に一括転写される。トナー画像が転写された枚葉紙や連続紙Pは、二次転写ベルト431によって、定着部60に向けて搬送される。
【0044】
なお、二次転写ユニット43としては、複数の支持ローラー432に張架された二次転写ベルト431に代えて、ローラー式の二次転写ユニット、例えば、二次転写ローラー432Aからなる二次転写ユニットでもよい。
【0045】
用紙搬送部50は、枚葉紙供給部51、給紙搬送部52、搬送経路部53、排紙搬送部54などを備える。枚葉紙供給部51は、複数の給紙トレイ、例えば、給紙トレイ511、512を有する。各給紙トレイ511、512には、坪量やサイズなどに基づいて識別された枚葉紙(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。
【0046】
給紙トレイ511、512に収容されている枚葉紙は、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、給紙された枚葉紙の傾きが補正されると共に搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40、定着部60を経て画像形成された枚葉紙は、排紙搬送部54により機外に排紙される。
【0047】
給紙搬送部52、搬送経路部53、排紙搬送部54は、例えば、複数の搬送ローラーと、これらを回転駆動する駆動モータ等から構成されている。給紙搬送部52は、連続紙供給部80から送り出された連続紙Pを搬送経路部53に搬送する。排紙搬送部54は、定着部60で定着処理された連続紙Pを連続紙回収部90に搬送する。
【0048】
そして、本実施の形態において、画像形成装置1は、連続紙Pの給紙及び回収を行う連続紙供給部80及び連続紙回収部90を備えている。
【0049】
連続紙供給部80は、紙搬送方向Dにおいて、画像形成装置本体100よりも上流側に配置され、支持軸を含む装着部81を有している。装着部81は、巻回された連続紙Pを回転可能に支持し、画像形成処理の開始指示に基づいて、画像形成装置本体100の給紙搬送部52に連続紙Pを送り出して供給する。
【0050】
なお、連続紙Pとしては、必ずしもロール状に保持されたロール紙である必要はなく、折り畳まれたものでも良い。また、複数枚の長尺状の長尺紙を用いても良い。また、連続紙Pは、例えば、ラベル印刷が可能なものでもよく、この場合、台紙と、糊を介して台紙上に貼り付けられた印刷面とから構成されている。
【0051】
連続紙回収部90は、紙搬送方向Dにおいて、画像形成装置本体100よりも下流側に配置され、支持軸を含む巻取部91を有している。巻取部91は、画像形成装置本体100の排紙搬送部54から排出された連続紙Pを支持軸周りに巻き取って回収する。なお、連続紙Pは、必ずしもロール状に巻き取る必要はなく、ページごとにカットして収容してもよい。
【0052】
なお、連続紙供給部80と画像形成装置本体100との間に、連続紙供給部80での連続紙Pの搬送速度と画像形成装置本体100での連続紙Pの搬送速度との速度差等を吸収するための調整装置(バッファ)を設けてもよい。また、画像形成装置本体100と連続紙回収部90との間に、同様の調整装置を設けてもよい。また、調整機構は、画像形成装置本体100の搬入部や排出部近傍の側面部にユニットとして取り付けるようにしてもよい。
【0053】
定着部60は、定着ローラー61、加圧ローラー62などを備える。定着ローラー61は、所定の定着温度に加熱されており、加圧ローラー62は、定着ローラー61との間で枚葉紙や連続紙Pを挟持して搬送する定着ニップを形成している。この定着部60では、トナー像が二次転写されて搬送されてきた枚葉紙や連続紙Pを定着ニップで加熱、加圧することにより、枚葉紙や連続紙Pにトナー像を定着させている。
【0054】
画像形成装置1は、上述した連続紙供給部80及び連続紙回収部90を用いることにより、連続紙Pにも画像を形成することができる。
【0055】
ところで、画像形成装置においては、劣化したトナーを強制的に外部に排出する必要があるが、連続紙Pに画像形成を行う場合には、所定のトナー像を形成する紙間(領域)がないため、劣化したトナーを排出することができないという問題がある。
【0056】
二次転写ユニットの二次転写ベルトに清掃部材を設け、二次転写ベルトのうち連続紙Pの範囲外にトナーを転写し、転写したトナーを清掃部材で清掃すれば、劣化したトナーを排出することはできる。
【0057】
しかしながら、二次転写ベルト上においては、連続紙Pがあるため、清掃部材の長手方向に潤滑材となるトナーを供給することが難しい。清掃部材の長手方向に潤滑材となるトナーを供給できない状態が長時間続く場合には、清掃部材の劣化を引き起こす可能性がある。
【0058】
そこで、本実施の形態においては、二次転写ベルト431に対して、二次クリーニング装置44を設けると共に、後述するゴムブレード442(第1清掃部材)及びスクレーパー445(第2清掃部材)を当接又は離間可能な構成としている。このような二次クリーニング装置44について、図1図2と共に、図3も参照して説明を行う。図3は、本発明の実施の形態に係る転写装置における清掃部材の一例を示す図である。
【0059】
二次クリーニング装置44は、当接離間部440と、筐体441と、ゴムブレード442と、支持部材443と、バネ444と、スクレーパー445と、支持部材446と、バネ447とを備える。
【0060】
筐体441は、ゴムブレード442、スクレーパー445を含め、当接離間部440、支持部材443、バネ444、支持部材446、バネ447を収容している。
【0061】
ゴムブレード442は、ゴムなどの弾性部材を薄い板状部材として成形したものであり、二次転写ベルト431の幅(支持ローラー432の軸方向における二次転写ベルト431の長さ)とほぼ同等の幅を有する。ゴムブレード442は、その先端(エッジ)を二次転写ベルト431の走行方向Bに対向するように当接させるカウンター方式の構成となっている。
【0062】
ゴムブレード442は、支持部材443に取り付けられて支持されている。支持部材443は、バネ444及び当接離間部440を介して、筐体441に取り付けられて支持されている。このような構成により、ゴムブレード442は、二次転写ベルト431に対して当接又は離間可能に筐体441に支持されている。
【0063】
スクレーパー445は、金属材料を薄い板状部材として成形したものであり、ゴムブレード442と同様に、二次転写ベルト431の幅とほぼ同等の幅を有する。スクレーパー445も、その先端(エッジ)を二次転写ベルト431の走行方向Bに対向するように当接させるカウンター方式の構成となっている。
【0064】
スクレーパー445は、支持部材446に取り付けられて支持されている。支持部材446は、バネ447及び当接離間部440を介して、筐体441に取り付けられて支持されている。このような構成により、スクレーパー445は、二次転写ベルト431に対して当接又は離間可能に筐体441に支持されている。
【0065】
このように、ゴムブレード442及びスクレーパー445を二次転写ベルト431の幅とほぼ同等の幅とすることにより、紙間や通紙外の二次転写ベルト431上に転写されたトナー像を清掃可能である。つまり、紙間や通紙外に劣化したトナーを吐出する枚葉紙や通紙外に劣化したトナーを吐出する連続紙Pに対応可能である。
【0066】
また、もし、通紙不良が発生して、紙上に転写するトナー像が二次転写ベルト431上に転写されたとしても、ゴムブレード442及びスクレーパー445が上述した幅を有するので、二次転写ベルト431上に誤って転写されたトナー像も清掃可能である。このようにして、二次転写ベルト431を清掃できるので、次に通紙される紙を汚すことがなくなる。
【0067】
なお、ここでは、二次転写ベルト431の走行方向Bの上流側にゴムブレード442を配置し、その下流側にスクレーパー445を配置しているが、これらの配置は逆でもよい。
【0068】
また、二次転写ベルト431に対して当接又は離間可能であれば、ゴムブレード442に代えて、ローラーやブラシを用いてもよい。
【0069】
当接離間部440は、制御部200の指示に従って、ゴムブレード442を駆動して、二次転写ベルト431に対し、ゴムブレード442を当接させたり、離間させたりする。ゴムブレード442が二次転写ベルト431に対して当接するときには、バネ444の付勢力により、ゴムブレード442が所定の押圧力で二次転写ベルト431を圧接するようにしている。
【0070】
同様に、当接離間部440は、制御部200の指示に従って、スクレーパー445を駆動して、二次転写ベルト431に対し、スクレーパー445を当接させたり、離間させたりする。スクレーパー445が二次転写ベルト431に対して当接するときにも、バネ447の付勢力により、スクレーパー445が所定の押圧力で二次転写ベルト431を圧接するようにしている。
【0071】
次に、図1図3と共に、図4も参照して、ゴムブレード442及びスクレーパー445の制御を説明する。図4は、画像形成時のゴムブレード442及びスクレーパー445の制御を説明するフローチャートである。
【0072】
(ステップS11)
制御部200は、画像形成を行う印刷対象物が連続紙かどうかを確認する。印刷対象物が連続紙である場合(YES)、ステップS12へ進み、連続紙でない場合(NO)、ステップS21へ進む。
【0073】
制御部200は、操作表示部20におけるユーザーの入力操作に基づいて、印刷対象物が連続紙かどうかを判断してもよい。具体的には、操作表示部20において、ユーザーが印刷対象物として連続紙を設定する場合、印刷対象物が連続紙であると判断する。
【0074】
また、連続紙供給部80に連続紙がセットされたことを検知するセンサーを設け、制御部200は、このセンサーの検知結果に基づいて、印刷対象物が連続紙かどうかを判断してもよい。また、画像形成装置本体100に、印刷対象物が連続紙かどうかを認識するセンサーを設け、制御部200は、このセンサーの検知結果に基づいて、印刷対象物が連続紙かどうかを判断してもよい。
【0075】
(ステップS12)
印刷対象物が連続紙である場合、制御部200は、当接離間部440を駆動して、清掃部材であるゴムブレード442及びスクレーパー445を二次転写ベルト431から離間する。
【0076】
ここで、ステップS12における離間のタイミングについて説明する。これは、後述するステップS19における離間、後述するステップS16、S21における当接でも、同様のタイミングとなる。
【0077】
トナー像を二次転写ベルト431に二次転写しているときに、ゴムブレード442やスクレーパー445を当接したり、離間したりすると、二次転写ベルト431の駆動トルクに瞬間的な変動が発生し、画像不良を引き起こす可能性がある。そのため、トナー像を二次転写していないタイミングや二次転写ベルト431を駆動していないタイミングで、ゴムブレード442やスクレーパー445を離間したり、当接したりする。これにより、画像不良の発生を防止することができる。
【0078】
なお、ゴムブレード442に代えて、ローラーやブラシを用いる場合には、それら自身が回転しながら、二次転写ベルト431に対して当接又は離間することになるので、二次転写ベルト431が駆動した状態において当接又は離間を行ってもよい。
【0079】
但し、トナー像を二次転写ベルト431に二次転写しているときには、ゴムブレード442の場合と同様に、当接及び離間に伴う駆動トルクの瞬間的な変動が発生し、画像不良が発生する可能性があるので、このときには、当接又は離間は行わない。つまり、ローラーやブラシを用いる場合には、トナー像を二次転写していないタイミングで、ローラーやブラシを離間したり、当接したりする。これにより、画像不良の発生を防止することができる。
【0080】
(ステップS13)
制御部200は、画像形成動作を開始する。つまり、連続紙に対する印刷を開始する。
【0081】
(ステップS14)
制御部200は、トナーの吐出が必要かどうかを判断する。トナーの吐出が必要である場合(YES)、ステップS15へ進み、必要でない場合(NO)、ステップS20へ進む。ここでは、制御部200は、所定の吐出条件に基づいて、トナーの吐出が必要かどうかを判断する。
【0082】
制御部200は、所定の吐出条件として、例えば、カバレッジ(印字率)の履歴や印刷枚数に基づいて、トナーの劣化の度合いを判断して、トナーの吐出が必要かどうかを判断する。このとき、画像形成装置1の外部環境、例えば、温度や湿度に基づいて、トナーの劣化の度合いを補正して、トナーの吐出のタイミングを基準より早めたり、遅めたりしてもよい。
【0083】
例えば、カバレッジの低い印刷が連続する場合には、現像装置内のトナーの入れ替わりが少なくなり、トナーの劣化が起きてしまう。制御部200は、印刷の平均カバレッジを監視し、平均カバレッジの低い印刷が所定の期間連続する場合、トナーの吐出が必要と判断する。また、印刷枚数が増えるにつれて、現像装置内のトナーの劣化が起きてしまう。制御部200は、印刷枚数を監視し、印刷枚数が所定の枚数を超える場合、トナーの吐出が必要と判断する。
【0084】
このステップS14でトナーの吐出が必要でないと判断された場合、ゴムブレード442は二次転写ベルト431から離間した状態に維持されることになる。
【0085】
(ステップS15)
トナーの吐出が必要である場合、制御部200は、トナーの吐出を開始する。制御部200は、画像形成部40を制御して、現像装置内のトナーを二次転写ベルト431に吐出する。つまり、連続紙を通紙中であっても、制御部200がトナーの吐出が必要と判断すれば、トナーの吐出を開始することになる。
【0086】
このとき、現像装置内のトナーを感光体ドラム411上に現像してトナー像を形成し、感光体ドラム411上に形成されたトナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421に一次転写したトナー像を二次転写ベルト431に二次転写する。
【0087】
このようにして、二次転写ベルト431にトナー像を二次転写することにより、現像装置内のトナーを二次転写ベルト431に吐出する。この際、二次転写ベルト431上では連続紙Pが搬送されているので、二次転写ベルト431のうち連続紙の範囲外(通紙外)にトナー像を二次転写している。
【0088】
(ステップS16)
制御部200は、当接離間部440を駆動して、ゴムブレード442及びスクレーパー445を二次転写ベルト431に当接する。これにより、ゴムブレード442及びスクレーパー445が、二次転写ベルト431のうち連続紙の範囲外に二次転写されたトナー像を掻き取って、劣化したトナーを排出することになる。
【0089】
つまり、現像装置から吐出されたトナーが、二次転写ベルト431のうち連続紙の範囲外(通紙外)に二次転写された場合、ゴムブレード442及びスクレーパー445を当接させて、トナーを排出することになる。このとき、二次転写ベルト431に二次転写されたトナーは潤滑剤の役割を果たすので、二次転写ベルト431とゴムブレード442との間の摩擦力を低減させることができる。
【0090】
(ステップS17)
制御部200は、トナーの吐出が終了したかどうかを判断する。トナーの吐出が終了した場合(YES)、ステップS18へ進み、終了していない場合(NO)、ステップS17を繰り返す。つまり、制御部200は、トナーの吐出が終了したと判断するまで、ステップS17を繰り返す。
【0091】
(ステップS18)
トナーの吐出が終了した場合、制御部200は、トナーの清掃が終了したかどうかを判断する。トナーの清掃が終了した場合(YES)、ステップS19へ進み、終了していない場合(NO)、ステップS18を繰り返す。つまり、制御部200は、トナーの清掃が終了したと判断するまで、ステップS18を繰り返す。
【0092】
ここでは、制御部200は、二次転写ベルト431に吐出されたトナーが、ゴムブレード442により掻き取られて、清掃されたことを判断している。この判断は、トナー像が二次転写ベルト431に二次転写された期間を考慮して判断してもよいし、また、二次転写ベルト431上のトナーの有無を検知するセンサーを設け、このセンサーの検知結果に基づいて判断してもよい。
【0093】
(ステップS19)
トナーの清掃が終了した場合、制御部200は、当接離間部440を駆動して、ゴムブレード442及びスクレーパー445を二次転写ベルト431から離間する。
【0094】
(ステップS20)
制御部200は、画像形成動作が終了したかどうかを判断する。画像形成動作が終了した場合(YES)、一連のステップは終了し、画像形成動作が終了していない場合(NO)、ステップS14へ戻る。つまり、印刷対象物が連続紙の場合、画像形成動作が終了するまで、上述したステップS14~S20を繰り返すことになる。
【0095】
(ステップS21)
印刷対象物が連続紙でない場合、制御部200は、当接離間部440を駆動して、ゴムブレード442及びスクレーパー445を二次転写ベルト431に当接する。つまり、印刷対象物が枚葉紙である場合、二次転写ベルト431上において、枚葉紙の紙間にトナー像を二次転写することができる。そのため、ゴムブレード442及びスクレーパー445を二次転写ベルト431に当接した状態であっても、潤滑剤となるトナーを紙間に供給することで、ゴムブレード442及びスクレーパー445の劣化を防止することができる。
【0096】
(ステップS22)
制御部200は、画像形成動作を実施し、画像形成動作が終了すれば、一連のステップは終了する。
【0097】
以上説明したように、印刷対象物が連続紙でない場合、つまり、枚葉紙である場合、印刷中において、ゴムブレード442及びスクレーパー445を当接した状態としている。これは、トナーの現像性能を維持するために、劣化したトナーを吐き出すパッチ画像を紙間で形成したり、ゴムブレード442の劣化を防ぐために、その長手方向の全域に帯状のパッチ画像を形成したりしているからである。このようにすることにより、枚葉紙では、複雑な制御をせず、高速かつ安定した画像形成を可能とする。
【0098】
また、印刷対象物が連続紙の場合には、印刷中にゴムブレード442及びスクレーパー445の当接又は離間の制御を行うことになる。つまり、ゴムブレード442及びスクレーパー445は、連続紙の通紙中において、トナー像が二次転写ベルト431に転写されていないとき、二次転写ベルト431から離間させている。即ち、二次転写ベルト431に対する清掃が不要なとき、ゴムブレード442及びスクレーパー445を二次転写ベルト431から離間させている。
【0099】
このように、必要時以外、ゴムブレード442及びスクレーパー445を離間させることにより、ゴムブレード442及びスクレーパー445の劣化や変形を防止して、その長寿命化を図ることができる。
【0100】
特に、ゴム製のゴムブレード442は、めくれなどにより変形すると、当接する二次転写ベルト431との間で大きな摩擦力を発生させてしまう可能性がある。その場合、ゴムブレード442が当接する二次転写ベルト431を駆動する駆動トルクが上昇し、駆動トルクの上昇に伴う転写ずれが発生する可能性もある。
【0101】
しかしながら、本実施の形態では、上述したように、必要時以外、ゴムブレード442を二次転写ベルト431から離間させて、ゴムブレード442の変形を防止しているので、駆動トルクの上昇やそれに伴う転写ずれも防止することができる。
【0102】
また、本実施の形態では、連続紙に印刷を行う場合であっても、印刷中にトナーの吐出及び清掃が可能となるので、劣化したトナーの排出のために連続紙への印刷を停止する時間は必要なくなり、無駄なダウンタイムを減らすことができる。
【0103】
このようにして、ゴムブレード442及びスクレーパー445の劣化や変形を防止し、無駄なダウンタイムを減らすことができるので、画像形成装置1の生産性を維持することができる。
【0104】
上述したステップS11~S22においては、ゴムブレード442とスクレーパー445とを同じタイミングで当接又は離間している。スクレーパー445の長寿命化も考慮すると、ゴムブレード442と同じタイミングでスクレーパー445を当接又は離間することが望ましい。
【0105】
例えば、連続紙として、PET(Polyethyleneterephthalate)シートなどの樹脂シートを用いる場合、樹脂シートは、二次転写ベルト431を汚染するようなことがない。そのため、必要時以外、ゴムブレード442と共にスクレーパー445を離間させることにより、スクレーパー445の劣化を防止して、その長寿命化を図ることができる。また、これにより、スクレーパー445が二次転写ベルト431に当接する時間が短くなるので、二次転写ベルト431の劣化も防止して、その長寿命化を図ることができる。
【0106】
また、トナーに含有されるシリカなどは、スクレーパー445を削る働きがあり、スクレーパー445が削れ過ぎると、その清掃能力が劣化する。スクレーパー445の使用寿命を考慮すると、二次転写ベルト431に当接する時間は、必要最小限であることが望ましい。
【0107】
一方で、スクレーパー445は、金属製であり、当接する二次転写ベルト431との間の摩擦力は小さく、また、トナーの有無によって摩擦力が変化することがない。つまり、潤滑剤の役割をするトナーを必要としない。そのため、ゴムブレード442と同じタイミングで当接又は離間するのではなく、ゴムブレード442を離間しても、スクレーパー445を当接したままの状態にして、二次転写ベルト431から離間させないようにしてもよい。
【0108】
スクレーパー445を当接したままの状態とすることは、特に、連続紙が、紙粉をたくさん含んだ態様の紙であったり、糊(接着成分)を含んだ態様のラベル紙であったりした場合に有効である。このような連続紙を通紙していると、二次転写ベルト431に紙粉や糊が徐々に付着して、二次転写ベルト431を汚すことがある。この場合、二次転写ベルト431に付着した汚れにより、連続紙の裏面を汚したりして、連続紙の商品性が不良となる可能性もある。
【0109】
このような場合には、ゴムブレード442は、上述したステップS11~S20に示したステップに従って、当接又は離間されるが、スクレーパー445は、当接したままの状態にして、二次転写ベルト431から離間させないようにする。このようにすることにより、ゴムブレード442の劣化や変形を防止すると共に、スクレーパー445により二次転写ベルト431に付着した紙粉や糊を清掃することができる。
【0110】
また、スクレーパー445は、その二次転写ベルト431と当接するエッジ部分に、摩擦係数が低い材料や硬度が高い材料をコーティングすることが望ましい。例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)は、摩擦係数が低く、硬度が高い材料である。
【0111】
スクレーパー445のエッジ部分にDLCをコーティングすることにより、コーティング前より、二次転写ベルト431との間の摩擦力を小さくすると共に、エッジ部分の硬度を高くすることができる。これにより、二次転写ベルト431を駆動する駆動トルクの上昇を防止すると共に、耐摺擦性を向上させて、スクレーパー445の使用寿命を伸ばすことができる。
【0112】
また、スクレーパー445は、摩擦係数が低い材料であれば、金属以外の材料でもよい。つまり、潤滑剤の役割をするトナーの供給を必要せずに、二次転写ベルト431を清掃可能な材料であればよい。例えば、樹脂製の板状部材、一例として、PETシートなどが適用可能である。
【0113】
また、制御部200は、ゴムブレード442やスクレーパー445の劣化度合いを、それらの使用履歴に基づいて判断してもよい。例えば、印刷枚数(通紙枚数)に基づいて、それらの劣化度合いを判断してもよい。また、ゴムブレード442やスクレーパー445が二次転写ベルト431に当接したときの二次転写ベルト431に対するゴムブレード442やスクレーパー445の移動距離(摺動距離)に基づいて、それらの劣化度合いを判断してもよい。
【0114】
その場合、制御部200は、ゴムブレード442やスクレーパー445が二次転写ベルト431から離間している間は、使用履歴として含めない(カウントしない)ようにする。これにより、制御部200は、ゴムブレード442やスクレーパー445の劣化度合いを精度よく判断することができる。この劣化度合いに基づいて、使用寿命を表示部21に表示して、ユーザーへ報知するようにしてもよい。
【0115】
また、二次転写ベルト431の通紙外にトナー像を二次転写するかどうかは、例えば、操作表示部20が表示する操作画面において、ユーザーが選択できるようにしてもよい。また、形成する画像の余白部分がどのくらいあるかを判断して、二次転写ベルト431の通紙外にトナー像を二次転写するかどうか判断してもよい。
【0116】
例えば、形成する画像の余白部分がどのくらいあるかを検知する画像検知センサーを設ける。制御部200は、画像検知センサーの検知結果に基づいて、形成する画像の余白部分をリアルタイムに算出し、吐出するトナー量に対して、余白部分が少ない場合、二次転写ベルト431の通紙外にトナー像を二次転写すると判断すればよい。
【0117】
なお、上記実施の形態では、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0118】
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
30 画像処理部
40 画像形成部
42 中間転写ユニット
43 二次転写ユニット
44 二次クリーニング装置
50 用紙搬送部
60 定着部
80 連続紙供給部
90 連続紙回収部
100 画像形成装置本体
200 制御部
421 中間転写ベルト
423A バックアップローラー
431 二次転写ベルト
432A 二次転写ローラー
440 当接離間部
442 ゴムブレード
445 スクレーパー
図1
図2
図3
図4