(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】用紙断裁装置
(51)【国際特許分類】
B26D 1/08 20060101AFI20240228BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B26D1/08
B26D7/06 Z
(21)【出願番号】P 2020000612
(22)【出願日】2020-01-07
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 悠
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-136648(JP,A)
【文献】特開2010-247237(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0134052(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/08
B26D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を断裁刃により断裁する断裁装置と、
前記断裁刃による断裁位置に用紙を搬送する用紙搬送装置と、
前記断裁装置及び前記用紙搬送装置を制御して、用紙を断裁予定位置で断裁させる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記用紙搬送装置による搬送方向に沿った複数の断裁予定位置で1枚の用紙を前記断裁装置により断裁させるにあたり、
当該1枚の用紙の前記搬送方向の一端から順に前記複数の断裁予定位置を
全て断裁する第1搬送方向断裁動作と、
当該1枚の用紙の前記搬送方向の他端から順に前記複数の断裁予定位置を
全て断裁する第2搬送方向断裁動作と、を切り替え可能である用紙断裁装置。
【請求項2】
用紙を断裁刃により断裁する断裁装置と、
前記断裁刃による断裁位置に用紙を搬送する用紙搬送装置と、
前記断裁装置及び前記用紙搬送装置を制御して、用紙を断裁予定位置で断裁させる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記用紙搬送装置による搬送方向に沿った複数の断裁予定位置で1枚の用紙を前記断裁装置により断裁させるにあたり、
当該1枚の用紙の前記搬送方向の一端から順に前記複数の断裁予定位置を断裁する第1搬送方向断裁動作と、
当該1枚の用紙の前記搬送方向の他端から順に前記複数の断裁予定位置を断裁する第2搬送方向断裁動作と、を切り替え可能であ
り、
前記制御装置は、
前記複数の断裁予定位置のある前記1枚の用紙に対して、前記第1搬送方向断裁動作及び前記第2搬送方向断裁動作のうち一方を仮に続行した場合に、当該用紙の搬送方向長さの減少に従って前記用紙搬送装置による用紙保持力が低下する結果、残る複数の断裁予定位置につき用紙保持力が所定値以下となる場合には、その直前の断裁予定位置で、他方の断裁動作に切り替える用紙断裁装置。
【請求項3】
前記第1搬送方向断裁動作における搬送方向を下流方向とし、前記第2搬送方向断裁動作における搬送方向を上流方向として、
前記制御装置は、前記1枚の用紙に対して、前記第1搬送方向断裁動作から開始し、中途で前記第2搬送方向断裁動作に切り替える請求項
2に記載の用紙断裁装置。
【請求項4】
前記断裁装置は、可動刃と固定刃からなる一対の断裁刃を有し、
前記可動刃は前記断裁位置に対して下流側に配置され、前記固定刃は前記断裁位置に対して上流側に配置された請求項
3に記載の用紙断裁装置。
【請求項5】
前記断裁装置による断裁により発生する断裁屑を収容する屑収容部を有し、
前記断裁位置の上流側に配置されていて断裁により屑となる上流側断裁屑及び前記断裁位置の下流側に配置されていて断裁により屑となる下流側断裁屑のどちらも前記屑収容部に収容される請求項1から請求項
4のうちいずれか一に記載の用紙断裁装置。
【請求項6】
前記断裁装置は、可動刃と固定刃からなる一対の断裁刃と、前記固定刃に隣接し、通紙エリアを挟んで前記可動刃と対向し、当該通紙エリアに近接する位置に配置された、断裁による切断線を含む紙端を当該通紙エリアに戻す可動ガイドを備え、
前記可動ガイドは、前記可動刃の刃先が前記通紙エリアを横断する断裁動作に連動して、前記通紙エリアから離れるように後退動作し、前記可動刃の後退動作に連動して前記通紙エリアに近づくように復帰動作する請求項1から請求項
5のうちいずれか一に記載の用紙断裁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙断裁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の後処理装置等において、用紙を所定位置で断裁する用紙断裁装置が利用されている。
特許文献1に記載の発明にあっては、用紙を断裁する際、用紙の断裁位置に影響を与えないために、押さえ部材が用紙を固定する。しかし、断裁のために特別に押さえ部材を設けることは、装置の複雑化を招く。
特許文献2に記載の発明にあっては、断裁時の断裁速度を遅くする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-104164号公報
【文献】特開2013-49126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の用紙断裁装置では、断裁刃の動作により、断裁した用紙の品質が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、断裁した用紙の品質を保持することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様の用紙断裁装置は、用紙を断裁刃により断裁する断裁装置と、前記断裁刃による断裁位置に用紙を搬送する用紙搬送装置と、前記断裁装置及び前記用紙搬送装置を制御して、用紙を断裁予定位置で断裁させる制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記用紙搬送装置による搬送方向に沿った複数の断裁予定位置で1枚の用紙を前記断裁装置により断裁させるにあたり、当該1枚の用紙の前記搬送方向の一端から順に前記複数の断裁予定位置を全て断裁する第1搬送方向断裁動作と、当該1枚の用紙の前記搬送方向の他端から順に前記複数の断裁予定位置を全て断裁する第2搬送方向断裁動作と、を切り替え可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、断裁した用紙の品質を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の制御要素のブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図4】名刺プリントの際の断裁予定ラインのレイアウトである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る用紙断裁装置の主要構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0010】
図1に本実施形態の用紙断裁装置の制御要素のブロック図を示す。
図2及び
図3に本実施形態の用紙断裁装置の主要構成による模式図を示す。
本実施形態の用紙断裁装置100は、断裁装置110と、用紙搬送装置120と、制御装置130とを備える。用紙断裁装置100は、画像形成装置の後処理装置に備えられる。
断裁装置110は、用紙Sを断裁刃111,112により断裁する。断裁刃は、固定刃111と可動刃112とで構成される。本実施形態では、固定刃111は刃先を上向きにして通紙センターラインSCの下に所定の落差を隔てて固定配置されている。可動刃112は、可動支持され、動力により上下動する。可動刃112は、刃先を下向きにして配置されている。
図2に示すように上死点にあるときの可動刃112は通紙センターラインSCの上に所定の落差を隔てて配置されている。
以上のように、用紙Sを、固定刃111の刃先位置と、固定刃111に対して後退位置(上死点)にある可動刃112の刃先位置の間であって、両刃先位置から離間した位置を通過させる構成である。
用紙Sが固定刃111と可動刃112の間を通って搬送されるとき、用紙Sは固定刃111にも可動刃112にも触れることなく移動できる。したがって、断裁刃111,112により用紙Sの面をスクラッチして損傷させることが抑制され、断裁した用紙の仕上がり品質を保持できる。
【0011】
用紙搬送装置120は、断裁刃111,112による断裁位置Aに用紙Sを搬送する。用紙搬送装置120は、断裁刃111,112による断裁位置Aに用紙Sを搬送するために、複数の搬送ローラー対により用紙Sを挟持し搬送する構成を有する。
図2から
図5では断裁刃111,112による断裁位置Aに上流側で最も近い搬送ローラー対121,122と、これより離れた他の一対の搬送ローラー対123,124を示す。さらに搬送ローラー対が続いて設けられていてもよい。また、断裁位置Aより下流側にも搬送ローラー対125-128(
図8~
図11)が続いている。これらの複数の搬送ローラー対121-128のニップ位置により通紙センターラインSCが規制される。
【0012】
制御装置130は、断裁装置110の断裁動作(可動刃112の上下動の動作)、及び用紙搬送装置120の用紙搬送動作を制御する。
制御装置130は、用紙搬送装置120を制御して、用紙Sの断裁予定位置を断裁刃111,112による断裁位置Aに配置し上で、
図3に示すように断裁装置110に断裁動作を実行させる。
図2に示す状態から可動刃112の下降動作が進行し、
図3に示すように可動刃112の刃先が固定刃111の刃先をかすめて用紙Sが断裁される。これにり、制御装置130は、用紙Sを断裁予定位置で断裁させる。
可動刃112と固定刃111の互いにかすめる面はフラットで互いに平行、かつ、断裁動作の方向に対して平行にされる。この面を内刃面111s,112sと呼ぶこととする。外刃面111t,112tは、内刃面111s,112sに対して傾斜している、従って断裁動作の方向に対して傾斜している。
【0013】
図4は、本実施形態における断裁対象の用紙(名刺プリント)の断裁予定ラインのレイアウトを示す。X方向は上流から下流への用紙Sの搬送方向を示す。Y方向はX方向に垂直な用紙幅方向を示す。X方向のカットラインB1-B6及びY方向のカットラインC1-C14で区画された名刺BCが配列している。上流から下流への搬送方向は、最初に用紙Sが断裁位置Aに搬送された時の搬送方向である。
図4に示す1枚の用紙Sは、用紙搬送装置120による搬送方向Xに沿った複数の断裁予定位置(Y方向のカットラインC1~C14)を有する。
1枚の用紙Sの上流から下流への搬送方向の一端(前端)から順に複数の断裁予定位置(Y方向のカットラインC1→C14)を断裁する断裁動作を、第1搬送方向断裁動作とする。したがって、
図4に示す用紙SをX方向に搬送しつつ、カットラインC1から順にカットラインC14まで断裁する断裁処理を行う場合、制御装置130は用紙Sに第1搬送方向断裁動作を適用して全断裁処理を実行したこととなる。
なお、X方向のカットラインB1-B6は、回転する丸刃により切断される。
1枚の用紙Sの下流から上流への搬送方向の他端(後端)から順に複数の断裁予定位置(Y方向のカットラインC14→C1)を断裁する断裁動作を、第2搬送方向断裁動作とする。したがって、
図4に示す用紙SをX方向とは逆方向に搬送しつつ、カットラインC14から順にカットラインC1まで断裁する断裁処理を行う場合、制御装置130は用紙Sに第2搬送方向断裁動作を適用して全断裁処理を実行したこととなる。
【0014】
以上のように制御装置130は、一枚の用紙SのY方向のカットラインのすべてに対して第1搬送方向断裁動作を適用し、他の用紙のY方向のカットラインのすべてに対して第2搬送方向断裁動作を適用するというように、異なる用紙で第1搬送方向断裁動作と第2搬送方向断裁動作とを切り替えることができる。
さらに制御装置130は、以下に具体的適用例を説明するように1枚の用紙に対する断裁処理の中途で、第1搬送方向断裁動作と第2搬送方向断裁動作とを切り替え可能である。
【0015】
図5に示すように断裁動作により可動刃112が下死点に到達したとき、下流側の用紙片SF及び上流側の用紙片SBは、断裁による切断線を最下端として下に撓む。このとき、用紙片SF及び用紙片SBには、下に引っ張られる力が働く。
その後、制御装置130は可動刃112を上昇させるが、
図6に示すように可動刃112の内刃面112sが、上流側の用紙片SBの先端(断裁による切断線)に接触して、今度は上流側の用紙片SBを上に撓ませる。このとき、用紙片SBには、押し戻される力が働く。下流側の用紙片SFは、可動刃112の外刃面112tが離れていくだけなので、用紙の復元力により挙動する程度である。
図3に示すように用紙Sが上流側で複数の搬送ローラー対により十分な保持力で挟持されている場合は、用紙S(用紙片SB)の搬送方向の位置がずれることはない。
しかし、
図7に示すように一対の搬送ローラー対のみにより挟持されている場合など保持力が小さくなると、用紙S(用紙片SB)の搬送方向の位置がずれることがある。なお、第1搬送方向断裁動作から開始してこれを続行している限りは、下流側の用紙片SFは、すべてのY方向のカットラインを断裁済みであるので、断裁後の位置ずれは問題ない。
【0016】
例えば、搬送ローラー対121,122の保持力が40N、搬送ローラー対123,124の保持力が40N、断裁時に用紙Sの搬送方向の位置を保持するための最低限必要な用紙保持力が60Nである場合、
図7の状態では用紙保持力が40Nであり、最低限必要60Nを下回るから、用紙S(用紙片SB)の搬送方向の位置がずれる。
【0017】
第1搬送方向断裁動作から開始してこれを続行し、以上の用紙S(用紙片SB)の位置ずれが生じて、さらに第1搬送方向断裁動作を続行する場合には、断裁予定位置に対して断裁位置がずれてしまい、断裁した用紙の品質が低下する。
以上のような問題は、第1搬送方向断裁動作によりカットラインC12まで断裁してしまったことによる。カットラインC12まで断裁してしまうと、残りの用紙S(用紙片SB)の搬送方向長さが短くなりすぎて、
図7に示すように一対の搬送ローラー対121,122のみで保持しなければならなくなるからである。
そこで、制御装置130は、カットラインC1~C11までを第1搬送方向断裁動作により断裁し、カットラインC12―C14の3か所のカットラインが残った段階で、第2搬送方向断裁動作に切り替える。したがって、断裁順は、カットラインC1、C2・・・C11、C14,C13,C12の順となる。
【0018】
すなわち、制御装置130は、カットラインC1~C11までを第1搬送方向断裁動作により断裁した後、
図8に示すようにカットラインC14を断裁させる。このとき、カットラインC14の上流側に切り離された用紙片は、搬送方向の位置がずれるおそれがあるが、断裁屑なので問題はない。
次に、制御装置130は、
図9に示すようにカットラインC13を断裁させる。このとき、カットラインC13の上流側に切り離された用紙片は、搬送方向の位置がずれるおそれがあるが、断裁完了済みなので問題はない。
次に、制御装置130は、
図10に示すようにカットラインC12を断裁させる。このとき、カットラインC12の上流側に切り離された用紙片は、搬送方向の位置がずれるおそれがあるが、断裁屑なので問題はない。
その後、制御装置130は、
図12に示すように搬送路上に残った名刺BCを下流の排紙部へと搬送させる。
【0019】
図12に示すように用紙断裁装置100は、断裁装置110による断裁により発生する断裁屑SDを収容する屑収容部113を有する。製品である名刺BC以外の断裁屑SDは、落下し屑収容部113に収容される。
断裁位置Aの上流側に配置されていて断裁により屑となる上流側断裁屑SD-b及び断裁位置Aの下流側に配置されていて断裁により屑となる下流側断裁屑SD-fのどちらも屑収容部113に収容されるように構成されている。
これにより、搬送方向の異なる第1搬送方向断裁動作及び第2搬送方向断裁動作があっても、断裁屑を逃さず屑収容部113に収容できる。
【0020】
以上の具体的適用例のように、制御装置130は、複数の断裁予定位置のある1枚の用紙Sに対して、第1搬送方向断裁動作及び第2搬送方向断裁動作のうち一方を仮に続行した場合に、用紙Sの搬送方向長さの減少に従って用紙搬送装置120による用紙保持力が低下する結果、残る複数の断裁予定位置(C13,C14)につき用紙保持力が所定値(上記例で60N)以下となる場合には、その直前の断裁予定位置(C12)で、他方の断裁動作に切り替える。
これにより、断裁時の用紙保持力を所定値以上に保持できるので、断裁位置を精度良く確保できる。
【0021】
以上のように、搬送方向が下流方向である第1搬送方向断裁動作から開始するのは、効率的に処理するためである。
【0022】
次に、
図13から
図16を参照して断裁位置の可動ガイドにつき説明する。
図13及び
図14に示す用紙断裁装置100Bは、断裁位置の可動ガイドが無い構成を示している。
図13に示すように可動刃112を下ろして用紙Sを断裁すると、下流側も上流側も断裁による切断線を含む紙端SEが撓んで通紙センターラインSCから外れ、通紙エリアからも外れることがある。ここで、通紙エリアは、固定刃111と上死点の可動刃112の間を用紙Sが通過可能なエリアであり、通紙センターラインSCを略中央に含むエリアである。その後
図14に示すように可動刃112が上昇して第2搬送方向断裁動作のために用紙Sを後退させると固定刃111に接触して搬送エラーとなるおそれがあり、用紙Sも損傷して品質が低下する。
これを防止するため、
図15及び
図16に示すように断裁装置110は、可動ガイド114を備える。
可動ガイド114は、固定刃111に隣接し、通紙エリアを挟んで可動刃112と対向し、通紙エリアに近接する位置に配置されている。
そして、可動ガイド114は、次のように動作して断裁による切断線を含む紙端SEを通紙エリアに戻す。
図15に示すように可動ガイド114は、可動刃112の刃先が通紙エリアを横断する断裁動作に連動して、通紙エリアから離れるように後退動作する。これにより可動ガイド114との干渉を防ぎ、断裁動作を可能にする。
断裁後、
図16に示すように可動刃112の後退動作に連動して通紙エリアに近づくように復帰動作する。これにより、断裁による切断線を含む紙端SEを通紙エリアに戻す。
したがって、断裁後可動刃112が上昇して第2搬送方向断裁動作のために用紙Sを後退させると、可動刃112の上昇に連動した可動ガイド114の上昇により紙端SEは通紙エリアに戻されているから、用紙Sは固定刃111に接触することはなく搬送され、損傷することもない。
【符号の説明】
【0023】
100 用紙断裁装置
110 断裁装置
111 固定刃
112 可動刃
113 屑収容部
114 可動ガイド
120 用紙搬送装置
121-128搬送ローラー
130 制御装置
A 断裁位置
B1-B6 X方向のカットライン
BC 名刺
C1-C14 Y方向のカットライン
S 用紙
SB 上流側の用紙片
SC 通紙センターライン
SD 断裁屑
SD-b 上流側断裁屑
SD-f 下流側断裁屑
SE 切断線を含む紙端
SF 下流側の用紙片
X 搬送方向(上流から下流方向)