(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/114 20200101AFI20240228BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240228BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20240228BHJP
G06F 16/34 20190101ALI20240228BHJP
G06F 16/38 20190101ALI20240228BHJP
G06F 40/169 20200101ALI20240228BHJP
【FI】
G06F40/114
G06F3/12 344
G06F3/04842
G06F16/34
G06F16/38
G06F3/12 302
G06F3/12 337
G06F40/169
(21)【出願番号】P 2020005454
(22)【出願日】2020-01-16
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 孝広
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-016288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0179876(US,A1)
【文献】特開2006-004298(JP,A)
【文献】特開2006-228131(JP,A)
【文献】特開2000-222394(JP,A)
【文献】特開2003-050825(JP,A)
【文献】特開2015-210578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06F 3/12
G06F 3/0484
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数のページを含む対象データから、アノテーションが付与されたページ、及び、前記アノテーションが付与されたページに関連するページである関連ページを抽出
し、
前記プロセッサは、
前記アノテーションに対応付けされた区切り単位に含まれる1つ以上の文字列をキーワードとして前記対象データを検索し、検索して得られた文字列を含むページを、前記関連ページとして抽出する
情報処理装置。
【請求項2】
前記キーワードは、前記アノテーションに記載された文字列を更に含む
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記アノテーションが付与されたページにおける前記アノテーションの最も近くに位置する区切り単位を、前記アノテーションに対応付ける
請求項
1又は請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記区切り単位は、前記対象データに含まれる章、節、及び段落の少なくとも1つである
請求項
1~請求項
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記関連ページの抽出条件の指定を受け付けるための受付画面を表示する制御を更に行う
請求項1~請求項
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数のページを含む対象データから、アノテーションが付与されたページ、及び、前記アノテーションが付与されたページに関連するページである関連ページを抽出し、
前記プロセッサは、
前記関連ページの抽出条件の指定を受け付けるための受付画面を表示する制御を行い、
前記受付画面は、前記アノテーションに予め設定されている属性の選択を更に受け付け
る
情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、複数のアノテーションが付与された場合に、前記複数のアノテーションの中から、前記受付画面で選択された属性に合致するアノテーションを抽出する
請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数のページを含む対象データから、アノテーションが付与されたページ、及び、前記アノテーションが付与されたページに関連するページである関連ページを抽出
し、
前記アノテーションに対応付けされた区切り単位に含まれる1つ以上の文字列をキーワードとして前記対象データを検索し、検索して得られた文字列を含むページを、前記関連ページとして抽出することを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項9】
複数のページを含む対象データから、アノテーションが付与されたページ、及び、前記アノテーションが付与されたページに関連するページである関連ページを抽出し、
前記関連ページの抽出条件の指定を受け付けるための受付画面を表示する制御を行い、
前記受付画面は、前記アノテーションに予め設定されている属性の選択を更に受け付けることを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ページに対して位置を特定して対応付けられた付加情報を含む文書の各ページから付加情報を除いた元文書と、付加情報付きページとを配列させて一度に印刷する印刷データを作成する文書処理プログラムが記載されている。この文書処理プログラムは、ページに対して位置を特定して対応付けられた付加情報を含む文書の各ページから付加情報を除いた元文書の印刷態様を指定する第1の指定を受け付ける第1のステップと、文書の付加情報が付加された付加情報付きページの印刷態様を指定する第2の指定を受け付ける第2のステップと、元文書の第1の指定に従う印刷物と付加情報付きページの第2の指定に従う印刷物との配列を決定する第3のステップと、付加情報付きページの印刷画像が第2の指定に基づき定まる印刷範囲に収まる倍率を演算する第4のステップと、倍率に従って変倍された付加情報付きページの第2の指定に従う印刷物と第1の指定に従う元文書の印刷物とが第3のステップにおける決定に従って配列された印刷物を印刷装置に印刷させる印刷データを作成する第5のステップと、をコンピュータに実行させる。第2の指定が印刷用紙の一面にN(Nは2以上)面のページを印刷する指定である場合、第5のステップは、ページが連続する付加情報付きページの数が1枚の印刷用紙に印刷されるページ数よりも少ないとき、1ページに付加された付加情報の数が所定の数以上の付加情報付きページを優先して単独で印刷用紙の一面に印刷するように印刷データを作成するステップである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、複数のページを含む対象データから、アノテーションが付与されたページのみを印刷対象として抽出する場合がある。この場合、アノテーションが付与されたページに関連する内容は抽出されないため、その内容を確認することは困難である。
【0005】
本発明は、アノテーションが付与されたページのみを抽出する場合と比較して、アノテーションが付与されたページに関連する内容も抽出することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、複数のページを含む対象データから、アノテーションが付与されたページ、及び、前記アノテーションが付与されたページに関連するページである関連ページを抽出する。
【0007】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記アノテーションが付与されたページの前及び後の少なくとも一方に含まれるページの中で予め指定されたページ数のページを、前記関連ページとして抽出する。
【0008】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記アノテーションに対応付けされた区切り単位を特定し、特定した区切り単位を含むページを、前記関連ページとして抽出する。
【0009】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記アノテーションに対応付けされた区切り単位に含まれる1つ以上の文字列をキーワードとして前記対象データを検索し、検索して得られた文字列を含むページを、前記関連ページとして抽出する。
【0010】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記キーワードが、前記アノテーションに記載された文字列を更に含んでいる。
【0011】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第3態様~第5態様のいずれか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記アノテーションが付与されたページにおける前記アノテーションの最も近くに位置する区切り単位を、前記アノテーションに対応付ける。
【0012】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第3態様~第6態様のいずれか1の態様に係る情報処理装置において、前記区切り単位が、前記対象データに含まれる章、節、及び段落の少なくとも1つであるとされている。
【0013】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第1態様~第7態様のいずれか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記関連ページの抽出条件の指定を受け付けるための受付画面を表示する制御を更に行う。
【0014】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置において、前記受付画面が、前記アノテーションに予め設定されている属性の選択を更に受け付ける。
【0015】
また、第10態様に係る情報処理装置は、第9態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、複数のアノテーションが付与された場合に、前記複数のアノテーションの中から、前記受付画面で選択された属性に合致するアノテーションを抽出する。
【0016】
更に、上記目的を達成するために、第11態様に係る情報処理プログラムは、複数のページを含む対象データから、アノテーションが付与されたページ、及び、前記アノテーションが付与されたページに関連するページである関連ページを抽出することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
第1態様及び第11態様によれば、アノテーションが付与されたページのみを抽出する場合と比較して、アノテーションが付与されたページに関連する内容も抽出することができる、という効果を有する。
【0018】
第2態様によれば、アノテーションが付与されたページの前後のページの内容も抽出することができる、という効果を有する。
【0019】
第3態様によれば、アノテーションに対応付けされた区切り単位を含むページの内容も抽出することができる、という効果を有する。
【0020】
第4態様によれば、アノテーションに対応付けされた区切り単位に含まれる文字列をキーワードとして、対象データを検索して得られたページの内容も抽出することができる、という効果を有する。
【0021】
第5態様によれば、アノテーションに記載された文字列もキーワードとして、対象データを検索して得られたページの内容も抽出することができる、という効果を有する。
【0022】
第6態様によれば、アノテーションの位置を考慮しない場合と比較して、アノテーションと区切り単位との対応付けを容易に行うことができる、という効果を有する。
【0023】
第7態様によれば、区切り単位を章、節、及び段落にしない場合と比較して、区切り単位の特定を容易に行うことができる、という効果を有する。
【0024】
第8態様によれば、ユーザが関連ページの抽出条件の指定を画面から行うことができる、という効果を有する。
【0025】
第9態様によれば、ユーザがアノテーションの属性の選択を画面から行うことができる、という効果を有する。
【0026】
第10態様によれば、ユーザにより選択された属性に合致するアノテーションのみを抽出することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】実施形態に係る情報処理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る付箋管理テーブルの一例を示す図である。
【
図4】比較例に係るページ抽出方法の説明に供する図である。
【
図5】実施形態に係るページ抽出方法の説明に供する図である。
【
図6】実施形態に係る別のページ抽出方法の説明に供する図である。
【
図7】実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係る付箋関連印刷画面の一例を示す正面図である。
【
図9】実施形態に係る属性詳細選択画面の一例を示す正面図である。
【
図10】実施形態に係る付箋関連印刷プレビュー画面の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
【0029】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、印刷装置30と通信可能に接続されている。情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インターフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、通信部18と、を備えている。
【0031】
本実施形態に係る情報処理装置10には、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。なお、情報処理装置10には、スマートフォン、タブレット端末等の携帯可能な端末装置を適用してもよい。
【0032】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、通信部18と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0033】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御部が構成される。制御部は、情報処理装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、情報処理装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0034】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る情報処理プログラム15Aが記憶される。なお、この情報処理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。情報処理プログラム15Aには、一例として、文書管理用のアプリケーション・ソフトウェア等が適用される。
【0035】
情報処理プログラム15Aは、例えば、情報処理装置10に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム15Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、情報処理装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0036】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部17には、例えば、キーボードやマウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部16及び操作部17は、情報処理装置10のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部16は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0037】
通信部18は、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続されており、印刷装置30との間でネットワークを介して通信が可能とされる。
【0038】
ところで、上述したように、例えば、複数のページを含む対象データから、アノテーションが付与されたページのみを印刷対象として抽出する場合がある。この場合、アノテーションが付与されたページに関連する内容は抽出されないため、その内容を確認することは困難である。なお、対象データは、文書データでもよいし、画像データでもよいし、あるいは、文書及び画像を含むデータでもよい。また、アノテーションとは、対象データに付与可能な電子的な注釈機能を意味する。このアノテーションには、例えば、電子付箋、電子コメント等が含まれる。
【0039】
本実施形態に係る情報処理装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている情報処理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することにより、
図2に示す各部として機能する。
【0040】
なお、本実施形態では、対象データの所望のページに対して、アノテーションの一例として、電子付箋を付与する場合について説明する。但し、アノテーションは、電子付箋に限定されるものではなく、例えば、電子コメント等であってもよい。
【0041】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10のCPU11は、取得部11A、表示制御部11B、付与部11C、対応付け部11D、抽出部11E、及び出力部11Fとして機能する。
【0043】
本実施形態に係る記憶部15には、一例として、
図3に示す付箋管理テーブル15Bが記憶されている。
【0044】
図3は、本実施形態に係る付箋管理テーブル15Bの一例を示す図である。
【0045】
図3に示す付箋管理テーブル15Bには、対象データに付与された電子付箋毎に、電子付箋の識別番号に対応付けて、対応付け箇所、付箋文字列、優先度、及びキーワードが登録されている。付箋管理テーブル15Bは、電子付箋が付与されたページ及びその関連ページを抽出する際に参照されるデータテーブルである。
【0046】
具体的に、識別番号は、対象データに付与された電子付箋を識別するための固有の番号を表している。また、対応付け箇所は、電子付箋が対応付けされたページ、区切り単位を表している。ページは、対象データに含まれる複数のページのうち電子付箋が付与されたページである。区切り単位は、一例として、対象データに含まれる章、節、及び段落の少なくとも1つである。また、付箋文字列は、電子付箋に記載された文字列を表している。付箋文字列は、ユーザにより適宜設定可能とされ、設定がない場合にはブランクとなる。また、優先度は、電子付箋に設定されている優先度を表している。優先度は、一例として、高、中、低の複数段階の優先度がユーザにより適宜設定可能とされ、設定がない場合はブランクとなる。なお、優先度及び付箋文字列は、電子付箋に予め設定可能な属性の一例である。また、キーワードには、電子付箋が対応付けされた区切り単位から予め定められた条件に従って抽出された文字列が設定される。なお、予め定められた条件には、例えば、「区切り単位の中で最も多く含まれる文字列」等の条件が設定される。
【0047】
本実施形態に係る取得部11Aは、電子付箋が付与されていない状態の対象データを取得する。この対象データは、複数のページを含んでいる。
【0048】
本実施形態に係る表示制御部11Bは、取得部11Aにより取得された対象データを表示部16に表示する制御を行う。
【0049】
本実施形態に係る付与部11Cは、表示部16に表示された対象データに対して、ユーザによる操作入力に従って、所望のページに電子付箋を付与する。また、付与部11Cは、電子付箋の属性(例えば、優先度、付箋文字列等)の入力を受け付ける。
【0050】
本実施形態に係る対応付け部11Dは、付与部11Cにより電子付箋が付与されたページ、区切り単位に電子付箋を対応付けると共に、電子付箋が付与された状態の対象データ(以下、「付箋付き対象データ」という。)を記憶部15に記憶する。具体的に、対応付け部11Dは、例えば、電子付箋が付与されたページにおける電子付箋の最も近くに位置する区切り単位を、電子付箋に対応付ける。また、対応付け部11Dは、電子付箋を対応付けた区切り単位から上述の予め定められた条件に従ってキーワードを抽出する。なお、キーワードを抽出する際に、付箋付き対象データが画像データである場合には文字認識され、文字データとして認識される。また、区切り単位とされる章、節、及び段落は、対象データの書式を解析することで判定される。具体的に、章又は節の場合、例えば、章又は節を表す記号(約物)、章又は節を表すフォントの大きさ、章又は節を表す番号等を判定すればよい。段落の場合、例えば、字下げ等を判定すればよい。対応付け部11Dは、電子付箋の識別番号に対応付けて、対応付け箇所、付箋文字列、優先度、及びキーワードを、上述の
図3に示す付箋管理テーブル15Bに登録する。
【0051】
本実施形態に係る抽出部11Eは、記憶部15に記憶された付箋付き対象データから、電子付箋が付与されたページ、及び、電子付箋が付与されたページに関連するページである関連ページを抽出する。具体的に、抽出部11Eは、後述の受付画面を介して指定された抽出条件に基づいて、上述の
図3に示す付箋管理テーブル15Bを参照し、付箋付き対象データから、電子付箋が付与されたページ及びその関連ページを抽出する。なお、抽出部11Eは、電子付箋が付与されたページ及びその関連ページを印刷対象として抽出してもよいし、あるいは、プレビュー表示対象として抽出してもよい。
【0052】
ここで、表示制御部11Bは、関連ページを抽出する際に、関連ページの抽出条件の指定を受け付けるための受付画面を表示部16に表示する制御を行う。この受付画面は、電子付箋に予め設定されている属性の選択を受け付けるようにしてもよい。この場合、抽出部11Eは、複数の電子付箋が付与された場合に、複数の電子付箋の中から、受付画面で選択された属性に合致する電子付箋を抽出する。
【0053】
本実施形態に係る出力部11Fは、抽出部11Eにより抽出された、電子付箋が付与されたページ及びその関連ページを、印刷装置30あるいは表示部16に出力する。印刷装置30に出力した場合、電子付箋が付与されたページ及びその関連ページは印刷物として取得され、表示部16に出力した場合、電子付箋が付与されたページ及びその関連ページはプレビュー表示される。
【0054】
次に、
図4~
図6を参照して、電子付箋が付与されたページの抽出方法について具体的に説明する。
【0055】
図4は、比較例に係るページ抽出方法の説明に供する図である。
【0056】
図4の比較例では、ページPaに電子付箋40が付与されている。この比較例の場合、電子付箋40が付与されたページPaのみが印刷対象として抽出される。このため、電子付箋40が付与されたページPaを印刷装置30によって出力した場合、ページPaに対応する印刷ページPbのみが印刷物として取得される。この印刷ページPbには、電子付箋40に対応して印刷された付箋41が付与されている。
【0057】
図5は、本実施形態に係るページ抽出方法の説明に供する図である。
【0058】
図5の例では、ページPaに電子付箋40が付与されている。本実施形態の場合、抽出部11Eは、電子付箋40が付与されたページPaの前及び後の少なくとも一方に含まれるページの中で予め指定されたページ数のページを、関連ページとして抽出する。なお、ページPaは、上述の
図3に示す付箋管理テーブル15Bを用いて特定される。電子付箋40が付与されたページPaを印刷装置30によって出力した場合、ページPaに対応する印刷ページPb、及び、その関連ページに対応する印刷ページPcが印刷物として取得される。この印刷ページPbには、電子付箋40に対応して印刷された付箋41が付与されている。
【0059】
図6は、本実施形態に係る別のページ抽出方法の説明に供する図である。
【0060】
図6の例では、ページPdに電子付箋42が付与され、電子付箋42は区切り単位Kaに対応付けられている。また、電子付箋42には、付箋文字列(
図6の例では「bbbbb」)が記載されている。本実施形態の場合、抽出部11Eは、電子付箋42に対応付けされた区切り単位Kaを特定し、特定した区切り単位Kaを含むページを、関連ページとして抽出する。なお、区切り単位Kaは、上述の
図3に示す付箋管理テーブル15Bを用いて特定される。区切り単位Kaが例えば章である場合、その章を含む全てのページが関連ページとして抽出される。区切り単位Kaが例えば節である場合、その節を含む全てのページが関連ページとして抽出される。区切り単位Kaが例えば段落である場合、その段落を含む全てのページが関連ページとして抽出される。
【0061】
また、抽出部11Eは、電子付箋42に対応付けされた区切り単位Kaに含まれる1つ以上の文字列をキーワードとして付箋付き対象データを検索し、検索して得られた文字列を含むページを、関連ページとして抽出するようにしてもよい。なお、キーワードは、上述の
図3に示す付箋管理テーブル15Bを用いて特定される。電子付箋42が付与されたページPdを印刷装置30(図示省略)によって出力する場合、ページPdに対応する印刷ページPe、及び、その関連ページに対応する印刷ページPfが印刷物として取得される。この印刷ページPeには、電子付箋42に対応して印刷された付箋43が付与されている。なお、キーワードとして、電子付箋42に記載された付箋文字列(
図6の例では「bbbbb」)を含むようにしてもよい。
【0062】
図4の比較例では、電子付箋40が付与されたページPaのみが印刷され、電子付箋40が付与されたページの関連ページは印刷されない。この場合、関連ページの内容を確認するために、関連ページを別途印刷しなくてはならず、余計な手間がかかる。
【0063】
これに対して、
図5及び
図6の各実施形態では、電子付箋40が付与されたページPa及びその関連ページが印刷される。この場合、関連ページの内容を確認するために、関連ページを別途印刷する必要がなく、効率化される。
【0064】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の作用を説明する。
【0065】
図7は、本実施形態に係る情報処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0066】
まず、情報処理装置10に対して、ユーザにより付箋関連印刷処理の開始が指示されると、情報処理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0067】
図7のステップ100では、CPU11が、一例として、
図8に示す付箋関連印刷画面50を表示部16に表示する制御を行う。
【0068】
図8は、本実施形態に係る付箋関連印刷画面50の一例を示す正面図である。
【0069】
図8に示す付箋関連印刷画面50は、上述の受付画面の一例である。この付箋関連印刷画面50は、抽出条件指定欄50A、属性選択欄50B、及び付箋印刷チェック欄50Cを含んでいる。
【0070】
抽出条件指定欄50Aは、抽出条件として、章、節、段落、前後ページ、及びキーワード検索が指定可能とされる。例えば、章が指定された場合、電子付箋が対応付けされた章を含む全ページが抽出対象とされる。節が指定された場合、電子付箋が対応付けされた節を含む全ページが抽出対象とされる。段落が指定された場合、電子付箋が対応付けされた段落を含む全ページが抽出対象とされる。前後ページが指定された場合、電子付箋が付与されたページの前後の指定ページ数のページが抽出対象とされる。なお、指定ページ数は、前後N(N≧1)ページが指定可能である。キーワード検索が指定された場合、電子付箋に対応付けされた区切り単位(例えば、章、節、段落)から抽出されたキーワードを有するページが抽出対象とされる。なお、電子付箋に対応付けされた区切り単位の内容に関連するページを抽出対象としてもよい。関連ページの抽出には、例えば、機械学習等が用いられる。
【0071】
属性選択欄50Bは、電子付箋に予め設定されている属性として、全て、優先度、及び付箋文字列が選択可能とされる。なお、全てを選択すると、全ての属性が選択される。この例では、「▼」ボタンが操作されると、リストボックスが表示され、全て、優先度、及び付箋文字列が選択可能とされている。リストボックスで属性が選択されない場合、属性選択欄50Bはブランクとなる。
【0072】
付箋印刷チェック欄50Cは、付箋毎に関連ページを印刷する場合に重複印刷を許可するか否かを、チェックマークのオン/オフで指定可能とされる。チェックマークがオンされている場合、重複印刷が許可され、付箋毎に抽出条件に合致したページが印刷される。一方、チェックマークがオフされている場合、重複印刷が禁止され、付箋毎に抽出条件に合致したページが重複して印刷されないように制御される。
【0073】
図8に示す付箋関連印刷画面50において、「次へ」ボタンが操作されると、一例として、
図9に示す属性詳細選択画面51が表示部16に表示される。
【0074】
図9は、本実施形態に係る属性詳細選択画面51の一例を示す正面図である。
【0075】
図9に示す属性詳細選択画面51は、属性詳細選択欄51Aを含んでいる。属性詳細選択欄51Aは、「付箋文字列をキーワードに設定」、「優先度レベル選択」を含んでいる。「付箋文字列をキーワードに設定」は、付箋文字列(
図6の例では「bbbbb」)をキーワードに設定するか否かを選択する欄である。また、「優先度レベル選択」は、付箋の優先度レベル(高、中、低、無し)を選択する欄である。
【0076】
ステップ101では、CPU11が、一例として、上述の
図8に示す付箋関連印刷画面50を介して、ユーザからの抽出条件の指定を受け付ける。
【0077】
ステップ102では、CPU11が、一例として、上述の
図8に示す付箋関連印刷画面50及び
図9に示す属性詳細選択画面51を介して、ユーザからの属性の選択を受け付ける。
【0078】
ステップ103では、CPU11が、一例として、上述の
図9に示す属性詳細選択画面51の「プレビュー表示」ボタンが操作されると、ステップ101で指定を受け付けた抽出条件及びステップ102で選択を受け付けた属性に基づいて、上述の
図3に示す付箋管理テーブル15Bを参照し、付箋付き対象データから、電子付箋が付与されたページ及びその関連ページを抽出する。ここで、上述したように、複数の電子付箋が付与されている場合、複数の電子付箋の中から、属性詳細選択画面51で選択された属性(例えば優先度「高」)に合致する電子付箋を、付箋管理テーブル15Bから抽出する。なお、属性として、付箋文字列が選択されている場合、例えば、同一の付箋文字列を有する電子付箋が抽出されるようにしてもよい。
【0079】
ステップ104では、CPU11が、ステップ103で抽出した、電子付箋が付与されたページ及びその関連ページを表示部16にプレビュー表示する制御を行う。このプレビュー表示の一例として、
図10に示す付箋関連印刷プレビュー画面52を表示する。
【0080】
図10は、本実施形態に係る付箋関連印刷プレビュー画面52の一例を示す正面図である。
【0081】
図10に示す付箋関連印刷プレビュー画面52は、印刷対象付箋一覧52A、付箋詳細52B、ページプレビュー表示52C、印刷指定52D、及びページめくり52Eを含んでいる。
【0082】
印刷対象付箋一覧52Aは、印刷対象として抽出された電子付箋の一覧を表示する。例えば、上述の
図9に示す属性詳細選択画面51で優先度「高」が選択されている場合、優先度「高」に合致する電子付箋が抽出される。また、付箋詳細52Bは、印刷対象付箋一覧52Aで選択された電子付箋(
図10の例では「付箋3」)に関する情報を表示する。また、ページプレビュー表示52Cは、印刷対象付箋一覧52Aで選択された電子付箋(付箋3)が付与されたページ及びその関連ページを印刷対象としてプレビュー表示する。また、印刷指定52Dは、ページプレビュー表示52Cに表示されているページを印刷するか否かを指定する。チェックマークがオンの場合、表示ページの印刷が行われ、チェックマークがオフの場合、表示ページの印刷は行われない。また、ページめくり52Eは、印刷対象ページが複数のページである場合、複数のページ間を移動可能とする。
【0083】
ステップ105では、CPU11が、一例として、上述の
図10に示す付箋関連印刷プレビュー画面52の「印刷」ボタンが操作されたか否かを判定する。「印刷」ボタンが操作されたと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ106に移行し、「印刷」ボタンが操作されていない、すなわち、「中止」ボタンが操作されたと判定した場合(否定判定の場合)、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0084】
ステップ106では、CPU11が、ステップ105での「印刷」ボタンの操作に応じて、印刷装置30に対して、印刷対象ページの印刷を指示し、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0085】
このように本実施形態によれば、電子付箋が付与されたページに加え、電子付箋が付与されたページに関連するページの内容も1回の印刷で効率的に確認することが可能とされる。また、関連ページが自動的に抽出されるため、ユーザが関連ページを探して指定する必要がなく、ユーザの負担が軽減される。
【0086】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0087】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0088】
以上、実施形態に係る情報処理装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
【0089】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0090】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0092】
10 情報処理装置
11 CPU
11A 取得部
11B 表示制御部
11C 付与部
11D 対応付け部
11E 抽出部
11F 出力部
12 ROM
13 RAM
14 I/O
15 記憶部
15A 情報処理プログラム
15B 付箋管理テーブル
16 表示部
17 操作部
18 通信部
30 印刷装置
40、42 電子付箋
41、43 付箋
50 付箋関連印刷画面
51 属性詳細選択画面
52 付箋関連印刷プレビュー画面