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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】操作受付装置および操作受付方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20240228BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20240228BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20240228BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240228BHJP
【FI】
G06F3/04817
H04R3/00
G06F3/04842
G06F3/0488
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020054747
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021157308
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 康祐
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-015063(JP,A)
【文献】特開2015-207213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04817
H04R 3/00
G06F 3/04842
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルの第1領域に対する第1操作と、
前記タッチパネルの第1領域とは異なる第2領域に対する第2操作と、
を検出する検出部と、
前記第1操作を検出すると、前記第2操作の有無を判断し、かつ、実行する処理を選択する選択状態とし、
前記第1操作の検出中に前記第2操作を検出した場合、前記処理を実行する命令を出力する、処理部と、
を有する操作受付装置。
【請求項2】
前記第1領域および前記第2領域を表示する表示器を備える、
求項1に記載の操作受付装置。
【請求項3】
前記表示器は、前記第1領域に、前記第1操作を受け付けるための第1操作ボタンを表示する、
請求項2に記載の操作受付装置。
【請求項4】
前記表示器は、前記第2領域に、前記第2操作を受け付けるための第2操作ボタンを表示する、
請求項3に記載の操作受付装置。
【請求項5】
前記表示器は、前記第2操作ボタンを、前記第1操作ボタンの周辺に表示する、
請求項4に記載の操作受付装置。
【請求項6】
前記第2操作は、前記第2領域へのタッチ操作である、
請求項1から5のいずれかに記載の操作受付装置。
【請求項7】
前記検出部は、前記第2操作を、前記第1操作の後に検出する、
請求項1から6のいずれかに記載の操作受付装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記第1操作の検出中に、前記第2操作を繰り返し受け付ける、
請求項1から7のいずれかに記載の操作受付装置。
【請求項9】
前記第1操作は、前記第1領域への第1の時間以上の長押し操作である
請求項1から8のいずれかに記載の操作受付装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記第1領域への、第3操作を検出し、
前記第3操作は、前記第1領域への、第2の時間以内で完了するタッチ操作であり、
前記処理部は、前記検出部が前記第3操作を検出した場合に、前記命令を出力する、
請求項1から9のいずれかに記載の操作受付装置。
【請求項11】
前記処理は、音響処理に係る複数の機能を含み、
前記音響処理は、CUEのON、エフェクターのON、シーンリコール、再生開始、の少なくともいずれかを含む、
請求項1から10のいずれかに記載の操作受付装置。
【請求項12】
タッチパネルの第1領域に対する第1操作と、
前記タッチパネルの第1領域とは異なる第2領域に対する第2操作と、を検出し、
前記第1操作を検出すると、前記第2操作の有無を判断し、かつ、実行する処理を選択する選択状態とし、
前記第1操作の検出中に前記第2操作を検出した場合、前記処理を実行する命令を出力する、
操作受付方法。
【請求項13】
前記第1領域および前記第2領域を表示器に表示する、
求項12に記載の操作受付方法。
【請求項14】
前記表示器は、前記第1領域に、前記第1操作を受け付けるための第1操作ボタンを表示する、
請求項13に記載の操作受付方法。
【請求項15】
前記表示器は、前記第2領域に、前記第2操作を受け付けるための第2操作ボタンを表示する、
請求項14に記載の操作受付方法。
【請求項16】
前記表示器は、前記第2操作ボタンを、前記第1操作ボタンの周辺に表示する、
請求項15に記載の操作受付方法。
【請求項17】
前記第2操作は、前記第2領域へのタッチ操作である、
請求項12から16のいずれかに記載の操作受付方法。
【請求項18】
前記第2操作を、前記第1操作の後に検出する、
請求項12から17のいずれかに記載の操作受付方法。
【請求項19】
前記第1操作の検出中に、前記第2操作を繰り返し受け付ける、
請求項12から18のいずれかに記載の操作受付方法。
【請求項20】
前記第1操作は、前記第1領域への第1の時間以上の長押し操作である、
請求項12から19のいずれかに記載の操作受付方法。
【請求項21】
前記第1領域への、第3操作を検出し、
前記第3操作は、前記第1領域への、第2の時間以内で完了するタッチ操作であり、
前記第3操作を検出した場合に、前記選択状態とし、前記命令を出力する、
請求項12から20のいずれかに記載の操作受付方法。
【請求項22】
前記処理は、音響処理に係る複数の機能を含み、
前記音響処理は、CUEのON、エフェクターのON、シーンリコール、再生開始、の少なくともいずれかを含む、
請求項12から21のいずれかに記載の操作受付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明にかかる一実施形態は、ユーザの操作を受け付ける操作受付装置、及び操作受付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2は、物理ボタンを有し、物理ボタンのONを押した時点でON状態となるデジタルミキサ、ミキシングコンソールおよびプログラムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-109554号公報
【文献】特開2011-71803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2の構成は、ユーザのオペレーションにおいて、物理ボタンに指をかけておき、タイミングに合わせて物理ボタンを押す、という直感的な操作感をユーザに提供できる。しかし、仮想的なボタンが設けられたタッチパネルは、タッチ操作を受け付けた時点でボタンを押したと判定する。そのため、ユーザは、ボタンに指をかけておき、タイミングに合わせてボタンを押す、という操作ができない。したがって、ユーザは操作に不自然さを感じる。
【0005】
そこで、この発明にかかる一実施形態は、ユーザに不自然さを感じさせることのない自然な操作が可能な、タッチパネルを有する操作受付装置および操作受付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
操作受付装置は、タッチパネルと、前記タッチパネルの第1領域に対する第1操作と、前記タッチパネルの第1領域とは異なる第2領域に対する第2操作と、を検出する検出部と、前記第1操作を検出すると、前記第2操作の有無を判断し、かつ、実行する処理を選択する選択状態とし、前記第1操作の検出中に前記第2操作を検出した場合、前記処理を実行する命令を出力する、処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる一実施形態の操作受付装置は、ユーザに不自然さを感じさせることのない自然な操作感を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ミキサ1の主要な構成の一例を示すブロック図である。
図2】タッチパネルの操作受付領域の一例を示す図である。
図3】操作受付装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】タッチパネルの操作受付領域の変形例1の図である。
図5】タッチパネルの操作受付領域の変形例2の図である。
図6】タッチパネルの操作受付領域の変形例2であり、図5とは別の例を示す図である。
図7】タッチパネルの操作受付領域の変形例3の図である。
図8】タッチパネルの操作受付領域の変形例3であり、図7とは別の例を示す図である。
図9】操作受付装置の動作の変形例1のフローチャートである。
図10】操作受付装置の動作の変形例2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
第1実施形態に係る操作受付装置は、タッチパネル、検出部、処理部、および表示器を備える。タッチパネルは、ユーザからの第1操作を受け付ける。検出部は、タッチパネルへの第1操作を検出する。処理部は、検出部が第1操作を検出すると、実行する処理を選択する選択状態とする。また、処理部は、検出部へ、第2操作を検出する命令をする。さらに、処理部は、検出部が第2操作を受け付けると、処理を実行する命令を出力する。なお、タッチパネルは、表示器に積層されていてもよい。
【0010】
以下、第1実施形態に係るミキサ1について具体的に説明する。図1は、ミキサ1の構成の一例を示す図である。ミキサ1は、タッチパネル11、DSP12、表示器13、RAM14、ネットワークI/F15、オーディオI/F16、CPU17、およびフラッシュメモリ18を備えている。また、CPU17は、機能的に検出部171および処理部172を備えている。ミキサ1は、操作受付装置の一例である。
【0011】
タッチパネル11、DSP12、表示器13、RAM14、ネットワークI/F15、オーディオI/F16、CPU17、及びフラッシュメモリ18は、互いにバス19を介して接続する。
【0012】
タッチパネル11は、ユーザからの種々の操作を受け付ける。ユーザからの種々の操作とは、例えば、パネルのタッチ操作、またはパネルの長押し操作である。
【0013】
ネットワークI/F15は、ネットワークを介してミキサ1の外部の機器との通信を行う。
【0014】
オーディオI/F16は、信号線を介してミキサ1の外部の機器とのオーディオ信号の送受信を行う。
【0015】
DSP12は、バス19を介して受信するオーディオ信号に信号処理を施す。信号処理とは、例えば、ミキシングまたはエフェクト等の音響処理である。信号処理後のオーディオ信号は、バス19を介して、オーディオI/F16に出力される。なお、DSP12は複数のDSPにより構成されることもある。
【0016】
フラッシュメモリ18は、種々のプログラムを記憶する。種々のプログラムとは、例えば、上記の検出部171および処理部172の機能を実現するためのプログラムを含む。
【0017】
RAM14は、フラッシュメモリ18に記憶された所定のプログラムを一時的に記憶する。
【0018】
CPU17は、ミキサ1の動作を制御する。CPU17は、フラッシュメモリ18に記憶された所定のプログラムをRAM14に読み出すことにより各種の動作を行う。なお、プログラムは、自装置のフラッシュメモリ18に記憶している必要はない。例えば、CPU17は、ネットワークI/F15を介して外部の機器からプログラムを都度ダウンロードして、RAM14に読み出してもよい。
【0019】
検出部171は、タッチパネル11へのユーザからの第1操作および第2操作を検出する。第1操作とは、例えばタッチパネル11への長押し操作である。第2操作とは、例えば、タッチパネル11へのタッチ操作である。長押し操作とは、例えば、事前にフラッシュメモリ18に記憶された所定の第1の時間(例えば2秒)以上、タッチパネル11をタッチする操作である。
【0020】
処理部172は、検出部171がユーザから第1操作を検出すると、実行する処理を選択し、検出部171が第2操作を検出するまで維持する(以下、選択状態と称す。)。実行する処理とは、例えば、特定のチャンネルのオン、オフ処理、特定のエフェクトをオン、オフする処理、特定のチャンネルのCUE(モニタ用のバスへの送り)をオン、オフする処理、シーンリコール、または再生開始等の音響処理に関する機能である。シーンリコールとは、フラッシュメモリ18に記憶しておいた、各種信号処理のパラメータおよび入出力ポートのパッチングなどの各種設定を、フラッシュメモリ18から読み込む機能である。そして、処理部172は、検出部171へ、第2操作を検出する命令をする。さらに、処理部172は、検出部171が第2操作を受け付けると、DSP12に対して、対応する処理を実行する命令を出力する。すなわち、ユーザが第1操作として、第1領域を長押ししているときに、第2操作として第2領域へのタッチ操作を受け付けた場合に、音響処理が実行される。
【0021】
次に、タッチパネル11の操作受付領域について図2を参照して説明する。図2は、タッチパネル11の操作受付領域の一例を示す図である。
【0022】
図2の例では、タッチパネル11は、ユーザに対して横長の向きで設置される。タッチパネル11には、第1領域111および第2領域112が配置される。第1領域111の全域は、タッチパネル11の垂直方向の中心線より左側に配置される。第2領域112の全域は、タッチパネル11の垂直方向の中心線より右側に配置される。第1領域111と第2領域112は、幅と高さがそれぞれ同じである。ユーザが、第1領域111(左側)を長押しすると第1操作が検出される。そして、第2領域112(右側)においてユーザからの第2操作のタッチ操作検出が有効になる。この状態で、第1領域111に割り当てられた上記音響処理の機能が選択される。例えば、イコライザのオンスイッチの機能が選択される。ユーザが第2領域112(右側)をタッチ操作すると、割り当てられた機能を実行する。つまり、ユーザが、第1領域111(左側)を長押しすれば、イコライザを選択した状態になる。そして、ユーザが、第2領域112(右側)をタッチした時点でイコライザがオンになる。なお、ユーザが、第2領域112(右側)へのタッチ操作を検出する前に、第1領域111への長押しを止めた場合は、第2領域112へのタッチ操作の検出は、終了する。したがって、第1領域111への長押しを継続している間だけ、第2領域112へのタッチ操作が有効になる。ゆえに、ユーザが、第1領域111をタッチしただけでは、イコライザはオンされない。
【0023】
次に、タッチパネル11へのユーザからの操作およびミキサ1の動作について図3を参照して説明する。図3はミキサ1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0024】
検出部171は、ユーザが第1領域111へ第1操作を行ったかどうかを検出する(S11)。処理部172は、検出部171が、第1操作を検出すると(S11:Yes)、実行する処理を選択する選択状態になる(S12)。例えば、処理部172は、イコライザを選択する。検出部171は、処理部172が選択状態になると(S12)、ユーザが第2操作を行ったかどうかの検出をする(S13)。処理部172は、検出部171が第2操作を検出すると(S12:Yes)、選択状態の処理を実行する命令を、DSP12へ出力する(S14)。例えば、処理部172は、選択したイコライザに対応する信号処理をDSP12に実行させる命令を出力する。このとき、処理部172は、検出部171が第2操作を検出しないときは(S13:No)、処理S14を実行しない。そして、処理部172からの出力を受け取ったDSP12などの処理部は、処理を実行する(S15)。
【0025】
このように、ユーザは、第1操作として、例えばタッチパネル11の第1領域111(左側)を人差し指で長押ししながら、第2領域112(右側)を中指でタッチ操作するという操作で、音響処理の実行を確定することができる。すなわち、ユーザは、まず人差し指で長押し操作をすることでイコライザ等の音響処理を選択して、中指でタッチ操作をすることで、当該イコライザのオン操作を確定させることができる。そのため、ユーザは、選択した音響処理を実行するタイミングを見計らいながら、「押す」という操作で音響処理の実行を確定させることができる。これにより、ユーザは、物理的なスイッチに近い自然な操作感で操作をすることが可能となる。
【0026】
なお、図3に示したミキサ1の動作は一例であって、これに限定されるものではない。
【0027】
[タッチパネル11の操作受付領域の変形例1]
タッチパネル11の操作受付領域の変形例1について、図4を参照して説明する。図4は、タッチパネル11の操作受付領域の変形例を示す図である。なお、図2と同じ構成は、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0028】
図2では、第1領域111および第2領域112は、タッチパネル11の中心線に対してそれぞれ左右に配置されていた。しかし、第1領域111および第2領域112は、タッチパネル11内であれば、どこに配置してもよい。
【0029】
例えば図4の例では、第1領域111は、タッチパネル11の中央付近に配置される。そして、第1領域111以外のタッチパネル11内の全領域が第2領域112になる。この場合、例えば、第1操作としてタッチパネル11の第1領域111(中央)を中指で長押ししながら、第2領域112(第1領域111以外の全領域)を複数の指、例えば親指や小指でタッチ操作するという操作で、音響処理の実行を確定することができる。
【0030】
すなわち、ユーザは、第1領域111を中指で長押ししながら、第2領域112を、中指以外で、ユーザが最も押しやすいと感じる指でタッチ操作することができる。さらに、ユーザは、第1領域111を中指で長押ししながら、第2領域112を中指以外で押しやすいと感じる複数の指で交互に押すことも可能である。そのため、ユーザは、選択した音響処理を実行するタイミングを見計らいながら、「押しやすい指で押す」という操作で音響処理の実行を確定させることができる。つまり、変形例1は、ユーザが、操作し易い指で音響処理を実行することができる、操作性の高いミキサ1を提供することができる。ただし、本発明において、第1領域111を、中央付近に配置し、第2領域112を、第1領域111以外のタッチパネル内の全領域に配置する必要はない。
【0031】
[タッチパネル11の操作受付領域の変形例2]
タッチパネル11の操作受付領域の変形例2について、図5および図6を参照して説明する。図5および図6は、タッチパネル11の操作受付領域の変形例を示す図である。なお、図2と同じ構成は、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0032】
表示器13は、第1領域111または第2領域112に重ねて、ユーザが視覚的に見ることができる第1操作ボタン11Aを表示してもよい。
【0033】
第1領域111および第2領域112の配置態様は、図2の例と同じである。第1操作ボタン11Aの全領域は、第1領域111によって内包されるように配置され、表示される。このとき、ユーザが、第1操作ボタン11Aに対して長押し操作をすると、第1操作ボタン11Aを内包するように配置された第1領域111を長押し操作することになる。すなわち、視覚的に見ることができる第1操作ボタン11Aを長押しすることで、第1操作をすることが可能となる。
【0034】
このように、変形例2は、第1操作ボタン11Aを第1領域111内に内包されるように、配置し表示することで、ユーザは、タッチパネル内のどこが第1領域111であるかを認識できる。これにより、ユーザが第1領域111と第2領域112とを押し間違える等の誤操作の可能性が減る。すなわち、変形例2は、第1領域111と第2領域112を認識しやすい、操作性の高いミキサ1を提供することができる。
【0035】
ただし、変形例2において、第1領域111および第2領域112の配置態様は、図2の例と同じである必要はない。例えば、図6に示すように、第1領域111および第2領域112の配置態様を図4の例と同じにし、第1操作ボタン11Aを、第1領域111に内包されるように配置してもよい。
【0036】
[タッチパネル11の操作受付領域の変形例3]
タッチパネル11の操作受付領域の変形例3について、図7を参照して説明する。図7は、タッチパネル11の操作受付領域の変形例を示す図である。なお、図5と同じ構成は、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0037】
表示器13に表示される操作ボタンは一つでなくともよい。表示器13は、第1操作ボタン11Aに加えて、ユーザが視覚的に見ることができる第2操作ボタン11Tを第2領域112に重ねて配置し、表示してもよい。
【0038】
第1領域111、第2領域112および第1操作ボタン11Aの配置態様は図5と同じである。第2操作ボタン11Tの全領域は、第2領域112によって内包されるように配置され、表示される。ユーザが、第1領域111を長押し操作すると、第2操作ボタン11Tが表示される。第2操作ボタン11Tは、第1領域111に対する長押し操作の検出までは表示されない。その後に、ユーザが、第2操作ボタン11Tをタッチ操作すると、第2操作ボタン11Tを内包するように配置された、第2領域112をタッチ操作することになる。すなわち、ユーザは、視覚的に見ることができる第1操作ボタン11Aを長押しし、視覚的に見ることができる第2操作ボタン11Tをタッチ操作することで、音響処理の実行を確定させることができる。
【0039】
このように、変形例3は、第1領域111内に内包される第1操作ボタン11Aおよび第2領域112内に内包される第2操作ボタン11Tを配置し、表示することで、ユーザは、タッチパネル内のどこが第1領域111もしくは第2領域112であるかを認識できる。これにより、ユーザが第1領域111と第2領域112とを押し間違える等の誤操作の可能性が減る。すなわち、変形例3は、より第1領域111と第2領域112を認識しやすい、操作性の高いミキサ1を提供することができる。また、第2操作ボタン11Tは、第1領域111に対する長押し操作を検出した後に初めて表示される。さらに、第2領域112(右側)へのタッチ操作を検出する前に、第1領域111への長押しを止めた場合は、第2操作ボタン11Tの表示を消しても良い。したがって、ユーザは、長押し操作をするまでは音響処理の実行を確定させることができず、長押し操作後に別の領域をタッチすることで初めて音響処理の実行を確定させることを直感的に理解できる。ただし、本発明において、第2操作ボタン11Tは、第1領域111に対する長押し操作を検出した後に表示される必要はない。第2操作ボタン11Tは、常に表示されていてもよい。
【0040】
また、変形例3において、第1領域111、第2領域112、第1操作ボタン11Aおよび第2操作ボタン11Tの配置態様は、図7の例に限らない。例えば、図8に示すように、第1領域111、第2領域112および第1操作ボタン11Aの配置態様を図6の例と同じにし、第2操作ボタン11Tが、第1領域111および第1操作ボタン11Aを内包するように配置してもよい。
【0041】
[操作受付装置の動作の変形例1]
操作受付装置の動作の変形例1について、図9を参照して説明する。図9は操作受付装置の動作の変形例1を示すフローチャートである。なお、図3と同じ動作については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0042】
図9の例では、ユーザが第1操作として、第1領域111への長押しを継続した場合、第2領域112を繰り返しタッチ操作することで、音響処理の実行の確定を連続して行うことができる。
【0043】
検出部171は、第1操作を検出中であれば、第2操作を繰り返し受け付けることが可能となる(S16:Yes、S12、S13、S14、S15)。検出部171は、第1操作を検出しなくなったときに、処理を終了する(S16:No)。このため、ユーザが第1操作として、第1領域111を長押ししているときに、第2操作として第2領域112へのタッチ操作を複数回行った場合は、第2領域112へのタッチ操作の回数だけ音響処理が実行される。
【0044】
これにより、ユーザは、第1領域111の長押し操作を続けながら、第2領域112を連続してタッチ操作することで、選択されたイコライザのオン、オフなどの音響処理を繰り返し確定させることができる。すなわち、ユーザは、選択した音響処理を実行するタイミングを見計らいながら、「連続して押す」という操作で音響処理の実行を確定させることができる。これにより、ユーザは、物理的なスイッチに近い自然な操作感で操作をすることが可能となる。
【0045】
[操作受付装置の動作の変形例2]
操作受付装置の動作の変形例2について、図10を参照して説明する。図10は操作受付装置の動作の変形例2を示すフローチャートである。なお、図9と同じ動作については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0046】
検出部171がユーザの第3操作を検出した場合は(S17:Yes)、検出部171が第1操作および第2操作を検出していない場合でも、処理部172は、処理を選択する選択状態になる(S18)。第3操作とは、例えば、ユーザの第1領域111への、所定の第2の時間(例えば1秒)以内のタップ操作である。そして、処理部172は、選択状態の処理を実行する命令を、DSP12へ出力する(S19)。処理部172からの出力を受け取ったDSP12等の処理部は、処理を実行する(S20)。すなわち、ユーザが第3操作として、第1領域111を素早くタッチ操作をしたとき、ユーザが第1操作および第2操作をしたかどうかによらずに音響処理が実行される。なお、検出部171がユーザの第3操作を検出しなかった場合(S17:No)、操作受付装置は、図9と同じ動作をする(S16、S12、S13、S14、S15)。
【0047】
これにより、ユーザは、第1領域111を長押し操作をすることでイコライザ等の音響処理を選択して、第2領域112をタッチ操作することで、当該イコライザのオン操作を確定させることができる。加えて、第1領域111を短時間タップする操作をすることで、即座に当該イコライザのオンもしくはオフ操作を確定させることができる。すなわち、選択した音響処理を実行するタイミングを見計らいながら、「押す」という操作で音響処理の実行を確定させることも、もしくは、即座に音響処理を実行することも可能となる。これにより、ユーザは、演奏中の音楽シーンに適した操作を実行することができる、より操作性の高いミキサ1を提供することができる。
【0048】
なお、操作受付装置は、タッチパネル11へのタッチ操作を第1操作とし、タッチパネル11への押圧操作を第2操作とすることも可能である。この場合、第2操作は、圧力センサもしくは静電容量センサで検出する。例えば、ユーザがタッチパネル11をタッチした指を押し込むと(前記第1操作であるタッチ操作の継続中に、当該タッチ操作している指を押し込むと)、タッチパネル11に触れている指の面積が増加する。したがって、操作受付装置は、静電容量センサで検出される面積が増加した場合に、押圧操作を検出することができる。
【0049】
本実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
1…ミキサ
11…タッチパネル
12…DSP
13…表示器
14…RAM
15…ネットワークI/F
16…オーディオI/F
17…CPU
171…検出部
172…処理部
18…フラッシュメモリ
19…バス
111…第1領域
112…第2領域
11A…第1操作ボタン
11T…第2操作ボタン
図1
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図10