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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/23 20200101AFI20240228BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240228BHJP
   H05B 45/14 20200101ALI20240228BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20240228BHJP
【FI】
H05B47/23
H05B47/105
H05B45/14
H05B45/345
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020057562
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021157970
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】寺坂 博志
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-144098(JP,A)
【文献】特開2018-206468(JP,A)
【文献】特開2013-157081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/23
H05B 47/105
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源及び前記光源と並列に接続される装着検出用抵抗を有する光源モジュールと接続される接続部と、
入力電力を前記光源モジュールに対応した電力に変換し、変換後の電力を前記接続部に接続された前記光源モジュールに供給する電力変換部と、
調光信号の入力を受け、前記調光信号に応じて前記電力変換部の動作を制御することにより、前記調光信号の表す調光度に応じた明るさで前記光源モジュールを点灯させる制御部と、
前記接続部と前記電力変換部との間に設けられ、前記光源モジュールに流れる電流のうち前記光源に流れる電流のみを検出する検出回路と、
を備え、
前記制御部は、前記光源モジュールに供給する電流の前記調光度に対する変化の傾きを、前記調光度が所定値未満の第1領域において、前記調光度が前記所定値以上の第2領域よりも小さくするとともに、前記検出回路の検出結果を基に、一定の電流が前記光源に流れるように前記電力変換部の動作を制御する点灯装置。
【請求項2】
前記検出回路は、前記電力変換部の出力電圧と前記装着検出用抵抗の抵抗値とを基に、前記装着検出用抵抗に流れる電流を推定し、前記光源モジュールに流れる電流から前記装着検出用抵抗に流れる電流の推定値を減算することにより、前記光源に流れる電流のみを検出する請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記検出回路は、前記光源モジュールから前記装着検出用抵抗に流れる電流値を取得し、前記光源モジュールに流れる電流から前記装着検出用抵抗に流れる電流の電流値を減算することにより、前記光源に流れる電流のみを検出する請求項1記載の点灯装置。
【請求項4】
前記接続部は、
前記光源の一端及び前記装着検出用抵抗の一端と接続される第1端子と、
前記光源の他端と接続される第2端子と、
前記装着検出用抵抗の他端と接続される第3端子と、
を有し、
前記検出回路は、前記第2端子と前記電力変換部との間に設けられた電流検出部を有し、前記電流検出部により、前記光源に流れる電流のみを検出する請求項1記載の点灯装置。
【請求項5】
光源及び前記光源と並列に接続される装着検出用抵抗を有する光源モジュールと接続される接続部と、
入力電力を前記光源モジュールに対応した電力に変換し、変換後の電力を前記接続部に接続された前記光源モジュールに供給する電力変換部と、
調光信号の入力を受け、前記調光信号に応じて前記電力変換部の動作を制御することにより、前記調光信号の表す調光度に応じた明るさで前記光源モジュールを点灯させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記光源モジュールに供給する電流の前記調光度に対する変化の傾きを、前記調光度が所定値未満の第1領域において、前記調光度が前記所定値以上の第2領域よりも小さくするとともに、前記調光度が所定値未満である場合に、同一の前記調光度に対し、前記光源モジュールに印加する電圧の上昇に応じて前記光源モジュールに供給する電流を大きくする点灯装置。
【請求項6】
光源及び前記光源と並列に接続される装着検出用抵抗を有する光源モジュールと、
請求項1~5のいずれか1つに記載の点灯装置と、
を備えた照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、点灯装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの光源を有する光源モジュールに接続して用いられる点灯装置がある。光源モジュールと点灯装置とを備えた照明器具がある。点灯装置は、商用電源などから供給される交流電力を、光源モジュールに対応した電力に変換し、変換後の電力を光源モジュールに供給することにより、光源モジュールの光源を点灯させる。また、点灯装置は、外部から入力される調光信号に応じて光源モジュールに供給する電力を変化させることにより、光源モジュールから照射される光の明るさを変化させる。
【0003】
こうした照明器具において、光源モジュールに光源と並列に抵抗を設け、光源モジュールの装着の有無にともなう電圧の変化により、点灯装置側で光源モジュールの装着を検出することが行われている。
【0004】
しかしながら、光源と並列に装着検出用の抵抗を設けた場合には、低い調光度を設定した際に、装着検出用の抵抗側に電流が流れ、光源が消灯してしまう可能性がある。このため、点灯装置及び照明器具では、光源と並列に装着検出用の抵抗を設けた場合にも、低い調光度での光源の消灯を抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-205453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、光源と並列に装着検出用の抵抗を設けた場合にも、低い調光度での光源の消灯を抑制できる点灯装置及び照明器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、光源及び前記光源と並列に接続される装着検出用抵抗を有する光源モジュールと接続される接続部と、入力電力を前記光源モジュールに対応した電力に変換し、変換後の電力を前記接続部に接続された前記光源モジュールに供給する電力変換部と、調光信号の入力を受け、前記調光信号に応じて前記電力変換部の動作を制御することにより、前記調光信号の表す調光度に応じた明るさで前記光源モジュールを点灯させる制御部と、前記接続部と前記電力変換部との間に設けられ、前記光源モジュールに流れる電流のうち前記光源に流れる電流のみを検出する検出回路と、を備え、前記制御部は、前記光源モジュールに供給する電流の前記調光度に対する変化の傾きを、前記調光度が所定値未満の第1領域において、前記調光度が前記所定値以上の第2領域よりも小さくするとともに、前記検出回路の検出結果を基に、一定の電流が前記光源に流れるように前記電力変換部の動作を制御する点灯装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
光源と並列に装着検出用の抵抗を設けた場合にも、低い調光度での光源の消灯を抑制できる点灯装置及び照明器具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る照明器具を模式的に表すブロック図である。
図2】実施形態に係る制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図3】実施形態に係る制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図4】実施形態に係る照明器具の変形例を模式的に表すブロック図である。
図5】実施形態に係る照明器具の変形例を模式的に表すブロック図である。
図6】実施形態に係る照明器具の変形例を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る照明器具を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明器具2は、点灯装置10と、光源モジュール100と、を備える。点灯装置10は、光源モジュール100と接続される。光源モジュール100は、例えば、点灯装置10に着脱可能に接続される。また、点灯装置10は、電源PSと接続される。点灯装置10は、例えば、電源PSと着脱可能に接続される。点灯装置10は、電源PSから供給された電力を基に、所定の電力を光源モジュール100に供給することにより、光源モジュール100を点灯させる。
【0012】
光源モジュール100は、例えば、光源102と、装着検出用抵抗104と、被接続部106と、を有する。光源モジュール100は、例えば、複数の光源102を有する。この例では、各光源102が、直列に接続されている。各光源102は、例えば、並列に接続してもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。光源102の数は、任意でよい。光源102の数は、例えば、1つでもよい。
【0013】
光源102には、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が用いられる。光源102は、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。光源102は、例えば、電球などでもよい。
【0014】
装着検出用抵抗104は、光源102と並列に接続される。装着検出用抵抗104は、例えば、複数の光源102のそれぞれと並列に接続される。装着検出用抵抗104は、点灯装置10において、光源モジュール100の接続の検出に用いられる。装着検出用抵抗104の抵抗値は、点灯装置10において光源モジュール100の接続を適切に検出することができる任意の値でよい。
【0015】
被接続部106は、点灯装置10との接続に用いられる。光源モジュール100は、被接続部106を介して点灯装置10と着脱可能に接続される。光源モジュール100は、被接続部106を介して点灯装置10と機械的及び電気的に接続される。
【0016】
光源モジュール100は、例えば、直管型のLEDランプである。但し、光源モジュール100は、これに限ることなく、光源102と、光源102と並列に接続される装着検出用抵抗104と、を少なくとも有する任意の光源モジュールでよい。
【0017】
点灯装置10は、接続部12と、電力変換部14と、制御部16と、を備える。接続部12は、光源モジュール100の被接続部106と接続される。光源モジュール100は、被接続部106を点灯装置10の接続部12に接続することにより、点灯装置10と着脱可能に接続される。
【0018】
接続部12は、例えば、第1端子12aと、第2端子12bと、を有する。第1端子12aは、光源102の一端及び装着検出用抵抗104の一端と接続される。第2端子12bは、光源102の他端及び装着検出用抵抗104の他端と接続される。この例において、装着検出用抵抗104は、光源モジュール100内で光源102と並列に接続されている。
【0019】
被接続部106は、第1端子12aと接続される端子106aと、第2端子12bと接続される端子106bと、を有する。このように、接続部12及び被接続部106は、例えば、2端子のコネクタである。
【0020】
電力変換部14は、入力電力を光源モジュール100に対応した電力に変換し、変換後の電力を接続部12に接続された光源モジュール100に供給する。電力変換部14は、電源PSと接続され、電源PSから入力電力の供給を受ける。
【0021】
電力変換部14は、例えば、一対の入力端子14a、14bと、一対の出力端子14c、14dと、を有する。電力変換部14は、一対の入力端子14a、14bを介して電源PSと接続され、一対の入力端子14a、14bから入力電力の供給を受ける。そして、電力変換部14は、変換後の電力を一対の出力端子14c、14dから出力する。
【0022】
電源PSは、例えば、交流電力を入力電力として電力変換部14に供給する。電源PSは、例えば、商用電源である。電源PSは、例えば、自家発電機などでもよい。電力変換部14は、電源PSから供給された交流電力を光源モジュール100に対応した直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源モジュール100に供給する。これにより、電力変換部14は、光源モジュール100を点灯させる。電力変換部14は、一対の出力端子14c、14dに直流電力を出力する。例えば、出力端子14dの電位は、出力端子14cの電位よりも低い。出力端子14cは、高電位側の出力端子であり、出力端子14dは、低電位側の出力端子である。
【0023】
なお、点灯装置10に供給される入力電力は、交流電力に限ることなく、直流電力などでもよい。電力変換部14は、直流電力を電流値又は電圧値の異なる別の直流電力に変換して光源モジュール100に供給してもよい。
【0024】
制御部16は、調光信号の入力を受ける。調光信号は、例えば、リモコンや壁に設けられたスイッチなどから制御部16に入力される。調光信号は、例えば、別の制御装置などから制御部16に入力してもよい。
【0025】
制御部16は、調光信号に応じて電力変換部14の動作を制御することにより、調光信号の表す調光度に応じた明るさで光源モジュール100を点灯させる。
【0026】
点灯装置10は、接続検出部18と、検出回路20と、をさらに備える。接続検出部18は、例えば、光源モジュール100の接続の有無にともなう電圧の変化などにより、光源モジュール100の接続を検出する。換言すれば、接続検出部18は、第1端子12aと第2端子12bとの間に装着検出用抵抗104が接続されている状態と、接続されていない状態と、による電圧の変化などにより、光源モジュール100の接続を検出する。
【0027】
接続検出部18は、制御部16と接続されている。接続検出部18は、光源モジュール100の接続の検出結果を制御部16に入力する。制御部16は、接続検出部18によって光源モジュール100の接続が検出された際に、調光信号に基づいて電力変換部14の動作を制御することにより、調光信号の表す調光度に応じた明るさで光源モジュール100を点灯させる。
【0028】
制御部16は、接続検出部18によって光源モジュール100の接続が検出されていない状態においては、電力変換部14から光源モジュール100への電力の供給を停止させる。これにより、照明器具2において、不要な電力消費を抑制することができる。また、例えば、接続部12に大きな電圧が印加され続ける状態となってしまうことを抑制し、照明器具2の安全性をより向上させることができる。
【0029】
検出回路20は、接続部12と電力変換部14との間に設けられ、光源モジュール100に流れる電流のうち光源102に流れる電流のみを検出する。すなわち、検出回路20は、光源モジュール100に流れる電流のうち、装着検出用抵抗104に流れる電流を除外し、光源102に流れる電流のみを検出する。検出回路20は、制御部16と接続され、光源102に流れる電流の検出結果を制御部16に入力する。
【0030】
制御部16は、検出回路20の検出結果を基に、一定の電流が光源102に流れるように電力変換部14の動作を制御する。すなわち、制御部16は、検出回路20の検出結果を基に、一定の電流が光源102に流れるように電力変換部14の動作をフィードバック制御する。電力変換部14は、例えば、実質的に一定の電流を光源モジュール100に供給する定電流回路である。
【0031】
検出回路20は、例えば、電圧検出部21と、電流演算部22と、分岐回路23と、電流検出部24と、を有する。電圧検出部21は、電力変換部14の出力電圧を検出し、検出結果を電流演算部22に入力する。
【0032】
電流演算部22は、装着検出用抵抗104の抵抗値の情報を有している。電流演算部22は、電圧検出部21によって検出された電力変換部14の出力電圧と、装着検出用抵抗104の抵抗値と、を基に、装着検出用抵抗104に流れる電流を推定する。電流演算部22は、より具体的には、電力変換部14の出力電圧をVとし、装着検出用抵抗104の抵抗値をRとし、装着検出用抵抗104に流れる電流をIとする時、I=V/Rにより、装着検出用抵抗104に流れる電流を推定する。電流演算部22は、装着検出用抵抗104に流れる電流の推定値を分岐回路23に入力する。
【0033】
分岐回路23は、例えば、接続部12の第2端子12bと電力変換部14の低電位側の出力端子14dとの間に設けられる。分岐回路23は、光源モジュール100から電力変換部14の出力端子14dに流入する電流を第1経路23a及び第2経路23bの2つの経路に分岐させる。分岐回路23は、光源モジュール100に流れる電流から装着検出用抵抗104に流れる電流の推定値を減算することにより、光源モジュール100から流入する電流を光源102に流れる電流分と装着検出用抵抗104に流れる電流分とに分ける。そして、分岐回路23は、光源102に流れる電流分を第1経路23aに流し、装着検出用抵抗104に流れる電流分を第2経路23bに流す。
【0034】
電流検出部24は、第1経路23a上に設けられる。これにより、電流検出部24は、光源モジュール100に流れる電流のうち、光源102に流れる電流のみを検出する。電流検出部24は、制御部16と接続され、光源102に流れる電流の検出結果を制御部16に入力する。
【0035】
このように、検出回路20は、電力変換部14の出力電圧と装着検出用抵抗104の抵抗値とを基に、装着検出用抵抗104に流れる電流を推定し、光源モジュール100に流れる電流から装着検出用抵抗104に流れる電流の推定値を減算することにより、光源102に流れる電流のみを検出する。
【0036】
図2は、実施形態に係る制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図2に表したように、制御部16は、調光度が高くなるに従って、光源モジュール100に流れる電流を大きくするように電力変換部14の動作を制御することにより、調光度に応じた明るさで光源モジュール100を点灯させる。
【0037】
また、図2に表したように、制御部16は、光源モジュール100に供給する電流の調光度に対する変化の傾きを、調光度が所定値未満の第1領域R1において、調光度が所定値以上の第2領域R2よりも小さくする。所定値は、例えば、10%の調光度である。第1領域R1は、例えば、調光度が10%未満の領域であり、第2領域R2は、例えば、調光度が10%以上の領域である。
【0038】
光源102と並列に接続された装着検出用抵抗104を有する光源モジュール100に電力を供給し、調光信号の表す調光度に応じた明るさで光源モジュール100を点灯させる場合、調光度を低くし、光源モジュール100に供給する電流が小さくなった際に、装着検出用抵抗104側に流れる電流の割合が大きくなり、光源102が消灯してしまう可能性がある。
【0039】
そこで、制御部16は、光源モジュール100に供給する電流の調光度に対する変化の傾きを、調光度が所定値未満の第1領域R1において、調光度が所定値以上の第2領域R2よりも小さくする。これにより、調光度を低くした際に、第2領域R2と同じ傾きで電流を小さくする場合と比べて、装着検出用抵抗104側に流れる分を加味した大きさの電流を光源モジュール100に供給することができる。これにより、所定値未満の調光度を設定する際にも、光源102が意図せず消灯してしまうことを抑制することができる。
【0040】
第2領域R2における電流の変化の傾きS2は、例えば、定格電流を調光度100%とした時の相対光度に基づいて設定される。第1領域R1における電流の変化の傾きS1は、装着検出用抵抗104側に流れる電流を加味して適宜設定すればよい。
【0041】
なお、図2では、第1領域R1における傾きS1及び第2領域R2における傾きS2が、それぞれ実質的に一定である。傾きS1は、例えば、第1領域R1内において変化してもよい。傾きS2は、例えば、第2領域R2内において変化してもよい。傾きS1は、例えば、第1領域R1における平均の傾きとしてもよい。傾きS2は、例えば、第2領域R2における平均の傾きとしてもよい。すなわち、制御部16は、光源モジュール100に供給する電流の調光度に対する変化の平均の傾きを、調光度が所定値未満の第1領域R1において、調光度が所定値以上の第2領域R2よりも小さくしてもよい。
【0042】
図3は、実施形態に係る制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図3に表したように、制御部16は、調光度が所定値未満である場合に、同一の調光度に対し、光源モジュール100に印加する電圧の上昇に応じて光源モジュール100に供給する電流を大きくする。
【0043】
点灯装置10には、明るさの異なる複数の種類の光源モジュール100が接続される場合がある。点灯装置10は、輝度の高い光源モジュール100を接続した場合にも、輝度の低い光源モジュール100を接続した場合にも、調光度が同じである場合には、同じ大きさの電流を供給しようとする。このため、輝度の高い光源モジュール100を接続した場合には、輝度の低い光源モジュール100を接続した場合と比べて、光源モジュール100に印加される電圧が高くなる。このように、輝度の高い光源モジュール100を接続し、光源モジュール100に高い電圧が印加された場合には、電圧が低い場合と比べて、装着検出用抵抗104側に流れる電流が大きくなる。
【0044】
そこで、制御部16は、調光度が所定値未満である場合に、同一の調光度に対し、光源モジュール100に印加する電圧の上昇に応じて光源モジュール100に供給する電流を大きくする。これにより、電圧の上昇にともなって装着検出用抵抗104側に流れる分を加味した大きさの電流を光源モジュール100に供給することができる。これにより、所定値未満の調光度を設定する際にも、光源102が意図せず消灯してしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0045】
以上、説明したように、本実施形態に係る照明器具2及び点灯装置10では、制御部16が、光源モジュール100に供給する電流の調光度に対する変化の傾きを、調光度が所定値未満の第1領域R1において、調光度が所定値以上の第2領域R2よりも小さくする。これにより、所定値未満の調光度を設定する際にも、光源102が意図せず消灯してしまうことを抑制することができる。従って、光源102と並列に装着検出用抵抗104を設けた場合にも、低い調光度での光源102の消灯を抑制できる点灯装置10及び照明器具2を提供することができる。
【0046】
また、照明器具2及び点灯装置10では、制御部16が、検出回路20の検出結果を基に、一定の電流が光源102に流れるように電力変換部14の動作を制御する。このように、電流フィードバックのループから装着検出用抵抗104に流れる電流分を減じることで、低い調光度での光源102の消灯をより確実に抑制することができる。
【0047】
さらに、照明器具2及び点灯装置10では、制御部16が、調光度が所定値未満である場合に、同一の調光度に対し、光源モジュール100に印加する電圧の上昇に応じて光源モジュール100に供給する電流を大きくする。これにより、輝度の高い光源モジュール100が接続され、光源モジュール100に高い電圧が印加された場合などにも、所定値未満の調光度を設定した際に、光源102が意図せず消灯してしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0048】
図4は、実施形態に係る照明器具の変形例を模式的に表すブロック図である。
図4に表したように、照明器具2a及び点灯装置10aでは、接続部12が、第3端子12cをさらに有するとともに、光源モジュール100aの被接続部106が、第3端子12cと接続される端子106cをさらに有する。この例において、接続部12及び被接続部106は、例えば、3端子のコネクタである。なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0049】
被接続部106の端子106cは、装着検出用抵抗104の一端と接続されている。より具体的には、端子106cは、装着検出用抵抗104の高電位側の端子と接続されている。これにより、光源モジュール100aは、装着検出用抵抗104に流れる電流値を端子106cから出力する。
【0050】
光源モジュール100aでは、検出回路20aが、分岐回路23と電流検出部24とを有する。検出回路20aにおいて分岐回路23は、接続部12の第2端子12bと接続されるとともに、第3端子12cと接続される。これにより、分岐回路23は、光源モジュール100aから装着検出用抵抗104に流れる電流値を取得する。
【0051】
分岐回路23は、光源モジュール100aに流れる電流から装着検出用抵抗104に流れる電流の電流値を減算することにより、光源モジュール100aから流入する電流を光源102に流れる電流分と装着検出用抵抗104に流れる電流分とに分ける。そして、分岐回路23は、光源102に流れる電流分を第1経路23aに流し、装着検出用抵抗104に流れる電流分を第2経路23bに流す。
【0052】
電流検出部24は、光源モジュール100aに流れる電流のうち、光源102に流れる電流のみを検出する。電流検出部24は、制御部16と接続され、光源102に流れる電流の検出結果を制御部16に入力する。
【0053】
このように、検出回路20aは、光源モジュール100aから装着検出用抵抗104に流れる電流値を取得し、光源モジュール100aに流れる電流から装着検出用抵抗104に流れる電流の電流値を減算することにより、光源102に流れる電流のみを検出する。
【0054】
照明器具2a及び点灯装置10aにおいても、検出回路20aが、光源102に流れる電流のみを検出する。制御部16は、検出回路20aの検出結果を基に、一定の電流が光源102に流れるように電力変換部14の動作を制御する。これにより、照明器具2a及び点灯装置10aにおいても、上記実施形態と同様に、電流フィードバックのループから装着検出用抵抗104に流れる電流分を減じ、低い調光度での光源102の消灯をより確実に抑制することができる。
【0055】
このように、検出回路の構成は、電力変換部14の出力電圧と装着検出用抵抗104の抵抗値とを基に、装着検出用抵抗104に流れる電流を推定する構成に限ることなく、光源モジュール100aから装着検出用抵抗104に流れる電流値を取得する構成でもよい。これにより、推定する場合と比べて、装着検出用抵抗104に流れる電流値を点灯装置側でより正確に把握することができる。一方、出力電圧と抵抗値とを基に推定する構成では、2端子のコネクタでよく、接続部12及び被接続部106の構成を簡単にすることができる。
【0056】
図5は、実施形態に係る照明器具の変形例を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、照明器具2b及び点灯装置10bでは、接続部12が、光源102の一端及び装着検出用抵抗104の一端と接続される第1端子12aと、光源102の他端と接続される第2端子12bと、装着検出用抵抗104の他端と接続される第3端子12cと、を有する。
【0057】
光源モジュール100bの被接続部106は、第1端子12aと接続される端子106aと、第2端子12bと接続される端子106bと、第3端子12cと接続される端子106cと、を有する。装着検出用抵抗104の他端は、端子106cのみに接続されている。
【0058】
この例では、光源モジュール100bを点灯装置10bに接続した際に、点灯装置10b内で装着検出用抵抗104が光源102と並列に接続される。
【0059】
検出回路20bは、第2端子12bと電力変換部14の出力端子14dとの間に設けられた電流検出部24を有し、電流検出部24により、光源102に流れる電流のみを検出する。
【0060】
照明器具2b及び点灯装置10bにおいても、検出回路20bが、光源102に流れる電流のみを検出する。制御部16は、検出回路20bの検出結果を基に、一定の電流が光源102に流れるように電力変換部14の動作を制御する。これにより、照明器具2b及び点灯装置10bにおいても、上記実施形態と同様に、電流フィードバックのループから装着検出用抵抗104に流れる電流分を減じ、低い調光度での光源102の消灯をより確実に抑制することができる。
【0061】
このように、光源モジュール100bを点灯装置10bに接続した際に、点灯装置10b内で装着検出用抵抗104が光源102と並列に接続されるようにし、光源102のみと接続される経路上に電流検出部24を設けることにより、光源102に流れる電流のみを検出できるようにしてもよい。これにより、出力電圧と抵抗値とを基に推定する場合と比べて、装着検出用抵抗104に流れる電流値を点灯装置側でより正確に把握することができる。また、点灯装置10bでは、分岐回路23などを設ける必要もなく、検出回路20bの構成をより簡単にすることができる。一方、出力電圧と抵抗値とを基に推定する構成では、2端子のコネクタでよく、接続部12及び被接続部106の構成を簡単にすることができる。
【0062】
図6は、実施形態に係る照明器具の変形例を模式的に表すブロック図である。
図6に表したように、照明器具2c及び点灯装置10cでは、検出回路20cが、電圧検出部21と、電流演算部22と、電流検出部24と、を有する。検出回路20cでは、電流演算部22が、装着検出用抵抗104に流れる電流の推定値を制御部16に入力する。また、電流検出部24は、光源モジュール100cに流れる電流の検出結果を制御部16に入力する。
【0063】
制御部16は、光源モジュール100cに流れる電流から装着検出用抵抗104に流れる電流の推定値を減算することにより、光源102に流れる電流を検出する。
【0064】
このように、装着検出用抵抗104に流れる電流の推定値と、光源モジュール100cに流れる電流の検出結果と、を制御部16に入力し、制御部16で減算の演算を行うことにより、光源102に流れる電流を制御部16で検出してもよい。この場合にも、上記実施形態と同様に、電流フィードバックのループから装着検出用抵抗104に流れる電流分を減じ、低い調光度での光源102の消灯をより確実に抑制することができる。
【0065】
なお、図4に表した例のように、光源モジュールから装着検出用抵抗104に流れる電流値を取得した際に、取得した電流値を制御部16に入力し、光源モジュールに流れる電流から装着検出用抵抗104に流れる電流の電流値を制御部16で減算することにより、光源102に流れる電流を制御部16で検出してもよい。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
2、2a~2c 照明器具、 10、10a~10c 点灯装置、 12 接続部、 14 電力変換部、 16 制御部、 18 接続検出部、 20、20a~20c 検出回路、 21 電圧検出部、 22 電流演算部、 23 分岐回路、 24 電流検出部、 100、100a~100c 光源モジュール、 102 光源、 104 装着検出用抵抗、 106 被接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6