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  • 特許-鏡の取付構造 図1
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  • 特許-鏡の取付構造 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】鏡の取付構造
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/02 20060101AFI20240228BHJP
   G02B 7/182 20210101ALI20240228BHJP
【FI】
A47K1/02 B
G02B7/182
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020060565
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021159088
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古來 幸二
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-037173(JP,U)
【文献】特開平08-173253(JP,A)
【文献】特開2006-094939(JP,A)
【文献】特開平10-290719(JP,A)
【文献】特開2019-141273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00 - 1/14
G02B 7/00
G02B 7/18 - 7/24
A47B 67/00 - 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下縁が直線状に形成された平面鏡と、
垂直な面に取り付けられ、垂直な前側内面と、垂直な後側内面と、前記前側内面および前記後側内面に対して直交する下側内面とを有し、前記平面鏡の下縁に沿って延伸し、前記平面鏡を下方から支持する支持部材と、
前記支持部材内に配置され、前記支持部材内において前記平面鏡の下縁部を後方から押圧する隙間低減手段と
を備え
前記隙間低減手段は、前記支持部材内において後方から前方へ下り傾斜している傾斜面を有するスペーサ部材であり、
前記平面鏡の後面下縁部に設けられ、前記スペーサ部材の前記傾斜面の傾斜に対応して後方から前方へ下り傾斜している傾斜面を有する移動規制部材をさらに備える、鏡の取付構造。
【請求項2】
前記スペーサ部材は、前記支持部材内において、該支持部材と共に前記平面鏡の下縁部を支持し、前記平面鏡の下縁と前記下側内面との間に隙間を形成する、請求項に記載の鏡の取付構造。
【請求項3】
下縁が直線状に形成された平面鏡と、
垂直な面に取り付けられ、垂直な前側内面と、垂直な後側内面と、前記前側内面および前記後側内面に対して直交する下側内面とを有し、前記平面鏡の下縁に沿って延伸し、前記平面鏡を下方から支持する支持部材と、
前記支持部材内に配置され、前記支持部材内において前記平面鏡の下縁部を後方から押圧する隙間低減手段と
を備え、
前記隙間低減手段は、前記支持部材内において後方から前方へ下り傾斜している傾斜面を有するスペーサ部材であり、
前記スペーサ部材は、前記傾斜面を有する前面と、垂直な後面とを有し、前記前面には締結具が取り付けられる垂直な締結面が設けられる、鏡の取付構造。
【請求項4】
前記スペーサ部材は、前記支持部材の延伸方向に沿って所定の間隔をあけて複数並んで配置される、請求項のいずれか一つに記載の鏡の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、鏡の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、洗面化粧台では、垂直な面(以下、被取付面という)に対して下縁が直線状に形成された平面鏡(たとえば、一面鏡)を取り付ける場合、平面鏡は、たとえば、その上縁部および下縁部をそれぞれ被取付面上に固定する支持部材を介して、被取付面に取り付けられる。
【0003】
この場合、たとえば、支持部材(上部支持部材)内において平面鏡の上縁部を後方から押圧するスペーサが配置された取付構造がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-51109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したような従来の取付構造の場合、平面鏡の下縁部については、平面鏡を支持部材に取り付けた後、作業者が手作業で平面鏡を前方に移動させることで、平面鏡の前面と下部支持部材との間に生じる隙間を調整(低減)する必要がある。
【0006】
しかしながら、作業者が隙間を調整する場合、時間がかかるなど、作業者の手間となり、たとえば、平面鏡が大型なものであれば、さらに大きな手間となる。一方で、このような隙間は微小なため、隙間をいちいち調整しないことも考えられるが、この場合は、隙間から支持部材内に水が浸入してカビや汚れの原因となることがあり、また、平面鏡の前面にあらわれる隙間であるため、使用者から隙間が見えてしまい、見栄えが悪い。
【0007】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、被取付面に取り付けられた平面鏡の前面にあらわれる隙間を低減することができる鏡の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係る鏡の取付構造は、下縁が直線状に形成された平面鏡と、垂直な面に取り付けられ、垂直な前側内面と、垂直な後側内面と、前記前側内面および前記後側内面に対して直交する下側内面とを有し、前記平面鏡の下縁に沿って延伸し、前記平面鏡を下方から支持する支持部材と、前記支持部材内に配置され、前記支持部材内において前記平面鏡の下縁部を後方から押圧する隙間低減手段とを備える。
【0009】
このような構成によれば、隙間低減手段が平面鏡を後方から押圧するため、平面鏡が垂直な面(被取付面)に取り付けられた状態において、平面鏡の前面と支持部材の前側内面との間に生じる隙間を低減することができる。すなわち、被取付面に取り付けられた平面鏡の前面にあらわれる隙間を低減することができる。これにより、平面鏡の前面下縁部の隙間から水が浸入するのを抑えることができる。また、平面鏡の前面において隙間が目立たないため、見栄えが良い。
【0010】
また、前記隙間低減手段は、前記支持部材内において後方から前方へ下り傾斜している傾斜面を有するスペーサ部材である。
【0011】
このような構成によれば、隙間低減手段が傾斜面を有するスペーサ部材であるため、平面鏡を支持部材に上方から挿入する動作で、平面鏡は傾斜面を滑りながら前方へ移動し、支持部材の前側内面に押し付けられるため、平面鏡を取り付ける動作を行うだけで自動的に隙間を低減することができる。これにより、平面鏡を取り付けた後に作業者による隙間を調整する手間を省くことができ、平面鏡の取付作業が容易となる。
【0012】
また、前記平面鏡の後面下縁部に設けられ、前記スペーサ部材の前記傾斜面の傾斜に対応して後方から前方へ下り傾斜している傾斜面を有する移動規制部材をさらに備える。
【0013】
このような構成によれば、平面鏡を支持部材に挿入した場合に移動規制部材の傾斜面がスペーサ部材の傾斜面と当接することで、平面鏡の支持部材内における前後方向の移動を規制することができる。
【0014】
また、前記スペーサ部材は、前記支持部材内において、該支持部材と共に前記平面鏡の下縁部を支持し、前記平面鏡の下縁と前記下側内面との間に隙間を形成する。
【0015】
このような構成によれば、支持部材に支持された平面鏡の下縁の下方に隙間を形成することで、支持部材内における通気性を高めることができる。これにより、支持部材内において汚れやカビの発生を抑えることができる。
【0016】
また、前記スペーサ部材は、前記傾斜面を有する前面と、垂直な後面とを有し、前記前面には締結具が取り付けられる垂直な締結面が設けられる。
【0017】
このような構成によれば、垂直な後面によって支持部材内におけるスペーサ部材の位置決めが可能となり、このように位置決めされたスペーサ部材の前面の傾斜面によって、平面鏡を取り付ける動作で平面鏡の前面と支持部材の前側内面との間の隙間を低減することができる。また、垂直な締結面において締結具を締め付けることができるため、スペーサ部材を確実に固定することができる。
【0018】
また、前記スペーサ部材は、前記支持部材の延伸方向に沿って所定の間隔をあけて複数並んで配置される。
【0019】
このような構成によれば、スペーサ部材が支持部材の延伸方向において線ではなく点で平面鏡を支持するため、支持部材内における通気性をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
実施形態の一態様によれば、被取付面に取り付けられた平面鏡の前面にあらわれる隙間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施形態に係る鏡の取付構造を備える洗面化粧台の概略斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る鏡の取付構造の側断面図である。
図3図3は、実施形態に係る鏡の取付構造の取り付け動作の説明図である。
図4図4は、変形例に係るスペーサ部材の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する鏡の取付構造の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0023】
<洗面化粧台>
まず、図1を参照して実施形態に係る鏡の取付構造を備える洗面化粧台1について説明する。図1は、実施形態に係る鏡の取付構造を備える洗面化粧台1の概略斜視図である。なお、図1を含む各図には、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している。
【0024】
以下では、説明の便宜上、X軸の正方向を右方、X軸の負方向を左方、Y軸の正方向を前方、Y軸の負方向を後方と規定している。また、以下では、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という場合がある。
【0025】
図1に示すように、洗面化粧台1は、たとえば、壁面WSに設置される。洗面化粧台1は、洗面部2と、鏡部3とを備える。なお、洗面化粧台1は、照明部などをさらに備えてもよい。洗面部2は、洗面器21と、支持台22と、水栓装置(図示せず)とを備える。
【0026】
洗面器21は、ボウル部211を備える。ボウル部211は、下方に向けて凹んだ形状に形成される。ボウル部211は、水栓装置の吐水部から吐出される水や湯を受ける。また、ボウル部211は、排水口(図示せず)を備える。排水口は、ボウル部211の底部に形成される。排水口は、排水管に接続され、ボウル部211に吐出された水や湯を排水管に流出する。このような洗面器21は、支持台22上に設けられる。
【0027】
支持台22は、洗面器21を下方から支持する。支持台22は、たとえば、収納部221を備える。収容部221は、扉式で開閉自在であり、内部には物品が収納される。このように、支持台22は、物品を収納可能なキャビネットとしても機能する。なお、収納部221は、扉式ではなく、引き出し式でもよい。また、支持台22は、収納機能を備えなくてもよい。さらには、支持台22は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0028】
水栓装置は、ボウル部211の上方に配置される。水栓装置は、ボウル部211に向けて水や湯を吐出する。水栓装置は、たとえば、洗面器211の後部上方に取付パネルなどがある場合には、取付パネルに設けられてもよいし、洗面所の壁面WSに直接設けられてもよい。
【0029】
鏡部3は、平面鏡31と、支持部材32とを備える。平面鏡31は、たとえば、一面鏡であり、少なくとも下縁が直線状に形成されている。平面鏡31は、上縁、下縁、左右の側縁がそれぞれ直線状に形成された、正方形状または長方形(矩形)状である。
【0030】
支持部材32は、上記した壁面WSのような垂直な面(被取付面)に取り付けられる。なお、「垂直」とは、厳密な垂直でなくてよく、略垂直を含む。支持部材32は、上部支持部材33と、下部支持部材34とを備える。
【0031】
上部支持部材33は、たとえば、ビスなどの締結具を介して、壁面WSに取り付けられる。上部支持部材33は、平面鏡31の上縁に沿って左右方向に延伸している。上部支持部材33は、左右方向から見た場合、コ字状に形成されている。上部支持部材33は、平面鏡31の上縁部が収容され、平面鏡31を上方から支持する。
【0032】
下部支持部材34は、たとえば、ビスなどの締結具を介して、壁面WSに取り付けられる。下部支持部材34は、平面鏡31の下縁に沿って左右方向に延伸している。下部支持部材34は、左右方向から見た場合、コ字状に形成されている。下部支持部材34は、平面鏡31の下縁部が収容され、平面鏡31を下方から支持する。なお、下部支持部材34については、図2を用いて後述する。
【0033】
また、鏡部3は、隙間低減手段35(図2参照)をさらに備える。隙間低減手段35は、下部支持部材34内に配置される。隙間低減手段35は、平面鏡31の下縁部と、平面鏡31を支持する下部支持部材34の後述する前側内面との間の隙間を低減する。なお、隙間低減手段35については、図2および図3を用いて後述する。
【0034】
<鏡の取付構造>
次に、図2および図3を参照して実施形態に係る鏡の取付構造について説明する。図2は、実施形態に係る鏡の取付構造の側断面図である。図3は、実施形態に係る鏡の取付構造の取り付け動作の説明図である。
【0035】
上記した洗面化粧台1の鏡部3(図1参照)は、鏡の取付構造として、上記した平面鏡31と、支持部材32(下部支持部材34)と、隙間低減手段35とを備える。図2に示すように、下部支持部材34は、前面板341と、後面板342と、下面板343とを備える。すなわち、下部支持部材34は、前面板341、後面板342および下面板343のそれぞれの内面である、前側内面341aと、後側内面342aと、下側内面343aとを有する。
【0036】
前側内面341aは、下部支持部材34に支持された平面鏡31の前方に位置する垂直な面である。後側内面342aは、下部支持部材34に支持された平面鏡31の後方に位置する垂直な面である。下側内面343aは、下部支持部材34に支持された平面鏡31の下方に位置し、前側内面341aおよび後側内面342aと直交する面である。なお、「直交」とは、厳密な直交でなくてよく、略直交を含む。
【0037】
隙間低減手段35は、下部支持部材34内に配置される。隙間低減手段35は、下部支持部材34内に配置された状態で、下部支持部材34に支持される平面鏡31の下縁部を後方から押圧する。
【0038】
図2に示すように、隙間低減手段35は、下部支持部材34内に配置された平面鏡31の後方に配置されるスペーサ部材である。以下、隙間低減手段35を「スペーサ部材」という。スペーサ部材35は、傾斜面351aを有する。傾斜面351aは、スペーサ部材35が下部支持部材34内に配置された状態で、後方から前方へ下り傾斜している。
【0039】
スペーサ部材35は、前面351と、後面352と、締結面353とを有する。前面351は、上記した傾斜面351aを有する。後面352は、垂直な面であり、下部支持部材34の後側内面342aと当接する。締結面353は、前面351に設けられる。締結面353は、前面351における垂直な面であり、ビスなどの締結具36が取り付けられるための面である。
【0040】
また、スペーサ部材35は、下部支持部材34内において、下部支持部材34の前面板341(前側内面341a)と共に平面鏡31の下縁部を支持する。スペーサ部材35は、その前面351と下部支持部材34の前側内面341aとの間に平面鏡31の下端部を挟み込むことで、平面鏡31の下縁と下部支持部材34の下側内面343aとの間に隙間を形成する。
【0041】
また、スペーサ部材35は、下部支持部材34の延伸方向に沿って所定の間隔をあけて複数並んで配置される。すなわち、スペーサ部材35は、平面鏡31の下縁部に対して点状に当接する。なお、スペーサ部材35は、このように、平面鏡31の下縁部に対して点状に当接することに限定されず、たとえば、下部支持部材34の延伸方向に沿って連続し、平面鏡31の下縁部に対して線状に当接してもよい。
【0042】
平面鏡31は、移動規制部材37を備える。移動規制部材37は、平面鏡31の後面下縁部に設けられる。移動規制部材37は、スペーサ部材35の傾斜面351aに対応して後方から前方へ下り傾斜している傾斜面371を有する。
【0043】
図3に示すように、実施形態に係る鏡の取付構造では、図中の左部に示すように、下部支持部材34内にスペーサ部材35が予め配置されており、図中の中央部に示すように、たとえば、作業者によって、下部支持部材34内に平面鏡31の下端部が上方から挿入される。
【0044】
そして、平面鏡31の下端部が挿入されると、図中の右部に矢線で示すように、平面鏡31の下端部は、スペーサ部材35の傾斜面341a上を摺動しながら前方へ移動する。このように、平面鏡31は、下部支持部材34内に挿入される動作で自動的に前方へ移動する。また、平面鏡31は、前方へ移動することで、下部支持部材34の前側内面341aと、移動規制部材37を介して当接する。平面鏡31は、後方から押圧されながら前側内面341aに対して当接している。
【0045】
以上説明したように、実施形態に係る鏡の取付構造によれば、隙間低減手段であるスペーサ部材35が平面鏡31を後方から押圧するため、平面鏡31が垂直な被取付面(壁面WS)に取り付けられた状態において、平面鏡31の前面と下部支持部材34の前側内面341aとの間に生じる隙間を低減することができる。すなわち、被取付面(壁面WS)に取り付けられた平面鏡31の前面にあらわれる隙間を低減することができる。これにより、平面鏡31の前面下縁部の隙間から水が浸入するのを抑えることができる。また、平面鏡31の前面において隙間が目立たないため、見栄えが良い。
【0046】
また、スペーサ部材35が傾斜面351aを有するため、平面鏡31を下部支持部材34に上方から挿入する動作で、平面鏡31は傾斜面351aを滑りながら前方へ移動し、下部支持部材34の前側内面341aに押し付けられるため、平面鏡31を取り付ける動作を行うだけで自動的に隙間を低減することができる。これにより、平面鏡31を取り付けた後に作業者による隙間を調整する手間を省くことができ、平面鏡31の取付作業が容易となる。
【0047】
また、平面鏡31を下部支持部材34に挿入した場合に移動規制部材37の傾斜面371がスペーサ部材35の傾斜面351aと当接することで、平面鏡31の下部支持部材34内における前後方向の移動を規制することができる。
【0048】
また、下部支持部材34に支持された平面鏡31の下縁の下方に隙間を形成することで、下部支持部材34内における通気性を高めることができる。これにより、下部支持部材34内において汚れやカビの発生を抑えることができる。
【0049】
また、スペーサ部材35が垂直な後面352を有することで、垂直な後面352によって下部支持部材34内におけるスペーサ部材35の位置決めが可能となり、このように位置決めされたスペーサ部材35の前面351の傾斜面351aによって、平面鏡31を取り付ける動作で平面鏡31の前面と下部支持部材34の前側内面341aとの間の隙間を低減することができる。また、スペーサ部材35が垂直な締結面353を有することで、垂直な締結面353において締結具36を締め付けることができるため、スペーサ部材35を確実に固定することができる。
【0050】
また、スペーサ部材35が下部支持部材34の延伸方向において線ではなく点で平面鏡31を支持するため、下部支持部材34内における通気性をさらに高めることができる。
【0051】
図4は、変形例に係るスペーサ部材35Aの概略斜視図である。図4に示すように、変形例に係る隙間低減手段であるスペーサ部材35Aは、その前面351Aの全体が傾斜面であり、傾斜した前面351Aの途中に垂直な締結面353Aが形成される。
【0052】
このような構成によっても、上記した実施形態と同様、スペーサ部材35Aが平面鏡31(図2参照)を後方から押圧するため、平面鏡31が垂直な被取付面に取り付けられた状態において、平面鏡31の前面と下部支持部材34の前側内面341a(図2参照)との間に生じる隙間を低減することができる。すなわち、被取付面に取り付けられた平面鏡31の前面にあらわれる隙間を低減することができる。これにより、平面鏡31の前面下縁部の隙間から水が浸入するのを抑えることができる。また、平面鏡31の前面において隙間が目立たないため、見栄えが良い。
【0053】
なお、上記した実施形態では、鏡の取付構造が洗面化粧台1に適用されているが、これに限定されず、たとえば、浴室、更衣室や化粧室の一面鏡に適用されてもよい。
【0054】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0055】
31 平面鏡
34 支持部材(下部支持部材)
341a 前側内面
342a 後側内面
343a 下側底面
35 隙間低減手段(スペーサ部材)
351 前面
351a 傾斜面
352 後面
353 締結面
36 締結具
37 移動規制部材
371 傾斜面
図1
図2
図3
図4