(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】室外機及び空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F24F 1/32 20110101AFI20240228BHJP
F16L 41/03 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
F24F1/32
F16L41/03
(21)【出願番号】P 2020064524
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝 英司
(72)【発明者】
【氏名】前田 訓孝
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-179896(JP,A)
【文献】特開2019-148319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/32
F16L 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の室内機が接続される室外機であって、
前記室外機は、
筐体と、
複数の第1接続部材と
複数の第2接続部材と、
前記複数の第1接続部材と前記複数の第2接続部材とを支持し前記筐体に取り付けられる支持部材と、
前記複数台の室内機と前記複数の第1接続部材を接続する複数の第1冷媒配管と、
前記複数台の室内機と前記複数の第2接続部材を接続する複数の第2冷媒配管と、
前記複数の第1冷媒配管を前記複数の第1接続部材に固定する複数の第1固定部材と、
前記複数の第2冷媒配管を前記複数の第2接続部材に固定する複数の第2固定部材と、
を有し、
前記複数の第1接続部材は、前記支持部材に一列に所定の間隔をあけて配置され、
前記複数の第2接続部材は、前記支持部材に一列に所定の間隔をあけて配置され、
前記複数の第1接続部材の中心をつなぐ第1直線と、前記複数の第2接続部材の中心をつなぐ第2直線とが、平行かつ予め定められた距離をもつように、前記複数の第1接続部材と前記複数の第2接続部材とが、配置され
、
前記複数の第2固定部材の径は、前記複数の第1固定部材の径より大きく、
前記第2直線は、前記第1直線より前記筐体に近い側に配置される
室外機。
【請求項2】
前記複数の第1固定部材と前記複数の第2固定部材とを締結する工具は、前記筐体から遠い側から前記複数の第1固定部材と前記複数の第2固定部材とを掴む
請求項1に記載の室外機。
【請求項3】
前記距離は、前記複数の第1固定部材の径と前記複数の第2固定部材の径との差の0.8倍から1.4倍の範囲に含まれる
請求項1または請求項2に記載の室外機。
【請求項4】
前記距離は、前記複数の第1固定部材を締結する工具の可動域が前記複数の第2固定部材を締結する工具の可動域と等しくなるように、設定される
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の室外機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の室外機と、
前記複数台の室内機と、
前記複数の第1冷媒配管と、
前記複数の第2冷媒配管
とを備える空気調和装置。
【請求項6】
複数台の室内機が接続される室外機であって、
前記室外機は、
筐体と、
複数の第1接続部材と、
複数の第2接続部材と、
前記複数の第1接続部材と前記複数の第2接続部材とを支持し前記筐体に取り付けられる支持部材と、
前記複数台の室内機と前記複数の第1接続部材を接続する複数の第1冷媒配管と、
前記複数台の室内機と前記複数の第2接続部材を接続する複数の第2冷媒配管と、
前記複数の第1冷媒配管を前記複数の第1接続部材に固定する複数の第1固定部材と、
前記複数の第2冷媒配管を前記複数の第2接続部材に固定する複数の第2固定部材と、
を有し、
前記複数の第1接続部材は、前記支持部材に一列に所定の間隔をあけて配置され、
前記複数の第2接続部材は、前記支持部材に一列に所定の間隔をあけて配置され、
前記複数の第1接続部材の中心をつなぐ第1直線と、前記複数の第2接続部材の中心をつなぐ第2直線とが、平行かつ予め定められた距離をもつように、前記複数の第1接続部材と前記複数の第2接続部材とが、配置され、
前記距離は、前記複数の第1固定部材を締結する工具の可動域が前記複数の第2固定部材を締結する工具の可動域と等しくなるように、設定される
室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の室内機が接続される空気調和装置の室外機及び空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置の室外機には、複数台の室内機を接続するための複数の液管接続部及びガス管接続部を有する接続ポートが設けられている。接続ポートは、空気調和装置の設置時において接続ポートに液管とガス管を接続する際の作業性を確保するために、室外機の筐体の側面に設けられている(特許文献1)。
【0003】
この種の室外機においては、複数の液管接続部及び複数のガス管接続部が、室外機の筐体の側面の上下方向に沿って交互かつ一列に配置されて接続ポートを形成するものがある。そして、複数の液管接続部及び複数のガス管接続部の各々は、本体部とナットとを備え、本体部に外部液管あるいは外部ガス管を差し込んでナットで締めつけることにより、外部液管が液管接続部に接続され、また、外部ガス管がガス管接続部に接続される(例えば、特許文献2や特許文献3)。
【0004】
上述した室外機では、複数の液管接続部及び複数のガス管接続部が上下方向に交互かつ一列に配置されている。このように複数の液管接続部と複数のガス管接続部が配置されているもので、液管接続部のナットを締結する場合は、工具で液管接続部のナットを掴み工具を回転させてナットを締め付ける際の工具の可動域は、当該液管接続部の直上に配置されているガス管接続部に工具が当たる位置から当該液管接続部の直下に配置されているガス管接続部に工具が当たる位置までの範囲となる。また、ガス管接続部のナットを締結する場合は、工具でガス管接続部のナットを掴み工具を回転させてナットを締め付ける際の工具の可動域は、当該ガス管接続部の直上に配置されている液管接続部に工具が当たる位置から当該ガス管接続部の直下に配置されている液管接続部に工具が当たる位置までの範囲となる。
【0005】
上述した、液管接続部のナットを締結する際の工具の可動域と、ガス管接続部のナットを締結する際の工具の可動域は、液管接続部とガス管接続部との間隔寸法、および、液管接続部とガス管接続部のそれぞれの外径寸法で決まる。例えば、液管接続部とガス管接続部との間隔寸法が大きい場合は、この間隔寸法が小さい場合と比べて工具の可動域は大きくなる。また、液管接続部とガス管接続部との間隔寸法が変わらない場合は、外径寸法が小さい方の接続部にナットを締結する際の工具の可動域の方が、外径寸法が大きい方の接続部にナットを締結する際の工具の可動域より小さくなる。これは、外径寸法が小さい方の接続部にナットを締結する際、当該接続部の直上および直下に配置されている接続部の外径寸法が大きいことに起因する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-180885号公報
【文献】特開2015-203526号公報
【文献】特開2019-148319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的には、外部ガス管の方が外部液管より外径寸法が大きいため、ガス管接続部の方が液管接続部より外径寸法が大きい。このため、ガス管接続部のナットの方が液管接続部のナットより外径寸法が大きい。また、各接続部のナットを締結する際は、各ナットの外径寸法がよほど違わない限り1種類の工具(モンキーレンチなど)で各接続部のナットの締結を行うことがある。従って、各接続部のナットの外径寸法が異なる場合、すなわち、上述したようにガス管接続部のナットの方が液管接続部のナットより外径寸法が大きい場合、液管接続部のナットを締結する際の工具の可動域の方が、ガス管接続部のナットを締結する際の工具の可動域より小さくなるため、ガス管接続部のナットより外径寸法が小さい液管接続部のナットを締結する際の工具の可動域が小さくなって作業性が悪くなるという問題がある。この場合、液管接続部のナットを締結する際の工具の可動域を大きくするために、液管接続部とガス管接続部との間隔寸法を大きくすることも考えられるが、液管接続部とガス管接続部との間隔寸法を大きくすると、接続ポートの上下方向の寸法が大きくなって室外機の上下方向の寸法が大きくなるという問題がある。
【0008】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の冷媒配管を複数の接続部に接続する際の作業性を、室外機の上下方向の寸法を大きくすることなく改善できる空気調和装置の室外機及び空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の開示する室外機の一態様は、複数台の室内機が接続される室外機であって、前記室外機は、筐体と、複数の第1接続部材と複数の第2接続部材と、前記複数の第1接続部材と前記複数の第2接続部材とを支持し前記筐体に取り付けられる支持部材と、前記複数台の室内機と前記複数の第1接続部を接続する複数の第1冷媒配管と、前記複数台の室内機と前記複数の第2接続部を接続する複数の第2冷媒配管と、前記複数の第1冷媒配管を前記複数の第1接続部材に固定する複数の第1固定部材と、前記複数の第2冷媒配管を前記複数の第2接続部材に固定する複数の第2固定部材と、を有し、前記複数の第1接続部材は、前記支持部材に一列に所定の間隔をあけて配置され、前記複数の第2接続部材は、前記支持部材に一列に所定の間隔をあけて配置され、前記複数の第1接続部材の中心をつなぐ第1直線と、前記複数の第2接続部材の中心をつなぐ第2直線とが、平行かつ予め定められた距離をもつように、前記複数の第1接続部材と前記複数の第2接続部材とが、配置される。
【発明の効果】
【0010】
本願の開示する室外機の一態様によれば、複数の冷媒配管を複数の接続部に接続する際の作業性を、室外機の上下方向の寸法を大きくすることなく改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施例の空気調和装置の室外機を背面側から見た図である。
【
図2】
図2は、実施例の室外機の側面パネルを示す側面図である。
【
図3】
図3は、実施例の室外機の複数の液管接続部と複数のガス管接続部とを示す正面図である。
【
図4】
図4は、実施例の室外機の液管接続部の液管接続部材を示す部分断面図である。
【
図5】
図5は、実施例の室外機の液管接続部の液管接続部材を示す平面図である。
【
図6】
図6は、実施例の室外機のガス管接続部のガス管接続部材を示す部分断面図である。
【
図7】
図7は、実施例の室外機のガス管接続部のガス管接続部材を示す平面図である。
【
図8】
図8は、実施例の室外機の液管接続部の外部液管固定部材を掴むモンキーレンチの可動域を示す平面図である。
【
図9】
図9は、実施例の室外機のガス管接続部の外部ガス管固定部材を掴むモンキーレンチの可動域を示す平面図である。
【
図10】
図10は、比較例の室外機の液管接続部の外部液管固定部材を掴むモンキーレンチの可動域を示す平面図である。
【
図11】
図11は、比較例の室外機のガス管接続部の外部ガス管固定部材を掴むモンキーレンチの可動域を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[空気調和装置及び室外機の構成]
図1は、本実施例の空気調和装置の室外機を背面側から見た図である。
図1に示すように、本実施例における空気調和装置1は、5台の室内機3が液冷媒が流れる5本の液管5とガス冷媒が流れる5本のガス管6で室外機4に接続されるマルチ式の空気調和装置である。
【0013】
室外機4は、直方体形状の筐体14を有している。筐体14の内部には、ロータリ圧縮機11と、室外ファン12aと、熱交換器12と、ロータリ圧縮機11及び熱交換器12を制御する制御回路部13とが格納されている。具体的には、室外ファン12aと熱交換器12は、筐体14の内部の図示しない熱交換室に配置されている。熱交換器12は略L字形状に形成されて、後述する背面板14bおよび側面板14dに臨むように配置されている。室外ファン12aは、後述する前面板14aの図示しない吹出口に臨むように配置されている。また、ロータリ圧縮機11と制御回路部13は、筐体14の内部の図示しない機械室に配置されており、ロータリ圧縮機11の上方に制御回路部13が配置されている。なお、圧縮機としては、ロータリ圧縮機11に限定されず、例えば、スクロール圧縮機等の他の圧縮機が用いられてもよい。
【0014】
筐体14の外郭は、前面板14a、背面板14b、側面板14c、側面板14d、天板14e、底板14fで形成される。背面板14bには、熱交換器12における背面側に配置される部分に対向する位置に、室外ファン12aによって外気が取り込まれる吸込口14gが設けられている。側面板14dには、熱交換器12における側面側に配置される部分に対向する位置に、室外ファン12aによって外気が取り込まれる吸込口14hが設けられている前面板14aには、熱交換器12を通過した空気が排出される図示しない吹出口が設けられている。
図1乃至
図3に示すように、側面板14cには、接続端子部16と支持部材15と第1三方弁17と第2三方弁18が設けられており、これらは下方から上方に向かって、第1三方弁17および第2三方弁18、支持部材15、接続端子部16の順に配置されている。接続端子部16は、室外機4の制御回路部13と5台の室内機3とを電気的に接続するためのものである。なお、支持部材15については、後に詳細に説明する。また、室外機4には、支持部材15や後述する各接続部などを覆うように側面板14cに取り付けられる保護カバーが設けられるが、
図1では保護カバーの描画は省略している。
【0015】
以下の説明では、室外機4の筐体14の背面板14b側を正面、前面板14a側を背面として、正面から背面板14bを見たときに側面板14c側を左側面、側面板14d側を右側面とする。また、筐体14の正面から背面板14bを見たとき、筐体14の前後方向(奥行き方向)をX方向とし、筐体14の左右方向(横方向)をY方向とし、筐体14の上下方向(高さ方向)をZ方向とする。図面において、X、Y、Z方向を示す。
【0016】
[室外機の配管構造]
室外機4は、複数の液管接続部21(本発明の第1接続部材に相当)と複数のガス管接続部22(本発明の第2接続部材に相当)とをさらに備えている。複数の液管5(本発明の第1冷媒配管に相当)は、一端が複数の液管接続部21にそれぞれ固定されることにより、室外機4に接続されている。また、複数の液管5のそれぞれの他端が複数の室内機3に接続されている。複数のガス管6(本発明の第2冷媒配管に相当)は、一端が複数のガス管接続部22にそれぞれ固定されることにより、室外機4に接続されている。また、複数のガス管6のそれぞれの他端が複数の室内機3に接続されている。
【0017】
図2は、実施例の室外機4を側面板14c側から見た図である。支持部材15は、板金を用いて平坦な板状に形成されている。支持部材15は、室外機4の幅方向と上下方向とに平行である平面に沿うように配置されて側面板14cに固定されている。複数の液管接続部21と複数のガス管接続部22とは、上から液管接続部21、ガス管接続部22の順で交互に上下方向に並ぶように支持部材15に取り付けられている。室外機4は、複数の内部液管26と複数の内部ガス管27とをさらに備えている。複数の内部液管26は、支持部材15の前方側(室外機4の前面板14a側)の空間に配置され、一端が複数の液管接続部21にそれぞれ接続されている。また、複数の内部液管26の他端は、熱交換器12に接続される液ヘッダ部28に接続されている。複数の内部ガス管27は、支持部材15より内側の空間に配置され、複数の内部ガス管27の一端は、複数のガス管接続部22にそれぞれ接続されている。また、複数の内部ガス管27の他端は、ロータリ圧縮機11の冷媒吐出側(暖房運転時)あるいは冷媒吸入側(冷房運転時)に接続されるガスヘッダ部29に接続されている。
【0018】
複数の液管接続部21は、それぞれ液管接続部材31と内部液管固定部材32と外部液管固定部材33(本発明の第1固定部材に相当)とを備えている。液管接続部材31と内部液管固定部材32と外部液管固定部材33とは、それぞれ内部に液冷媒が流れる断面が円形の流路を有し、各流路の中心軸が一直線(
図2の中心軸34)に並ぶように配置されており、かつ、液管接続部材31が内部液管固定部材32と外部液管固定部材33との間に配置されている。各液管接続部21は、中心軸34が支持部材15に沿う平面に直交するように、支持部材15に取り付けられている。
【0019】
液管接続部材31は、支持部材15の後方側(室外機4の背面板14b側)に配置されている。内部液管固定部材32は、支持部材15の前方側(室外機4の前面板14a側)に配置されている。液管接続部21は、内部液管固定部材32が液管接続部材31に接続されることにより、支持部材15に固定されている。複数の内部液管26の一端は、液管接続部材31における内部液管固定部材32側に溶接される。また、複数の液管5の一端は、外部液管固定部材33が液管接続部材31に締結される際に液管接続部21に接続される。
【0020】
複数のガス管接続部22は、それぞれガス管接続部材36と内部ガス管固定部材37と外部ガス管固定部材38(本発明の第2固定部材に相当)とを備えている。ガス管接続部材36と内部ガス管固定部材37と外部ガス管固定部材38とは、それぞれ内部にガス冷媒が流れる断面が円形の流路を有し、各流路の中心軸が一直線(
図2の中心軸39)に並ぶように配置されており、かつ、ガス管接続部材36が内部ガス管固定部材37と外部ガス管固定部材38との間に配置されている。各ガス管接続部22は、中心軸39が支持部材15に沿う平面に直交するように、支持部材15に取り付けられている。
【0021】
ガス管接続部材36は、支持部材15の外側(室外機4の背面板14b側)に配置されている。内部ガス管固定部材37は、支持部材15の内側(室外機4の前面板14a側)に配置されている。ガス管接続部22は、内部ガス管固定部材37がガス管接続部材36に接続されることにより、支持部材15に固定されている。複数の内部ガス管27の一端は、ガス管接続部材36における内部ガス管固定部材37側に溶接される。また、複数のガス管6の一端は、外部ガス管固定部材38がガス管接続部材36に締結される際にガス管接続部22に接続される。
【0022】
図3は、実施例の室外機4の複数の液管接続部21と複数のガス管接続部22とを示す正面図である。複数の液管接続部21は、各々の中心軸34が第1直線41に直交するように、かつ、各々の中心軸34が第1直線41上に上下方向に等間隔に並ぶように、配置されている。第1直線41は上下方向に延び、かつ、支持部材15に平行な仮想的な直線である。すなわち、複数の液管接続部21のうちの液管接続部21-1と、液管接続部21-2と、液管接続部21-3と、液管接続部21-4と、液管接続部21-5とが上から順に並んでいる。さらに、複数の液管接続部21は、上下方向に隣り合う2つの液管接続部21の間隔、つまり、隣り合う2つの液管接続部21の中心軸34の間隔が等間隔となるように配置されており、本実施形態では、2つの液管接続部21の中心軸34の間隔は90mmである。
【0023】
複数のガス管接続部22は、各々の中心軸39が第2直線42に直交するように、かつ、各々の中心軸39が第2直線42上に上下方向に等間隔に並ぶように、配置されている。第2直線42は上下方向に延び、かつ、支持部材15に平行な仮想的な直線である。すなわち、複数のガス管接続部22のうちのガス管接続部22-1と、ガス管接続部22-2と、ガス管接続部22-3と、ガス管接続部22-4と、ガス管接続部22-5とが上から順に並んでいる。さらに、複数のガス管接続部22は、上下方向に隣り合う2つのガス管接続部22の間隔、つまり、隣り合う2つのガス管接続部22の中心軸39の間隔が等間隔となるように配置されており、本実施形態では2つのガス管接続部22の中心軸39の間隔は90mmである。
そして、第2直線42は第1直線41より筐体14に近い側に配置されている。第1直線41と第2直線42との間の距離43は、予め定められた距離(たとえば、5mm)とされる。
【0024】
複数の液管接続部21と複数のガス管接続部22とは、さらに、上下方向に等間隔になるように交互に並べられている。すなわち、ガス管接続部22-1は、液管接続部21-1と液管接続部21-2との間かつ上下方向の中間部に配置されている。ガス管接続部22-2は、液管接続部21-2と液管接続部21-3との間かつ上下方向の中間部に配置されている。ガス管接続部22-3は、液管接続部21-3と液管接続部21-4との間かつ上下方向の中間部に配置されている。ガス管接続部22-4は、液管接続部21-4と液管接続部21-5との間かつ上下方向の中間部に配置されている。
【0025】
液管接続部21-2は、ガス管接続部22-1とガス管接続部22-2との間かつ上下方向の中間部に配置されている。液管接続部21-3は、ガス管接続部22-2とガス管接続部22-3との間かつ上下方向の中間部に配置されている。液管接続部21-4は、ガス管接続部22-3とガス管接続部22-4との間かつ上下方向の中間部に配置されている。液管接続部21-5は、ガス管接続部22-4とガス管接続部22-5との間かつ上下方向の中間部に配置されている。
【0026】
以上に説明したように、上下方向に隣り合う2つの液管接続部21の間隔および上下方向に隣り合う2つのガス管接続部22の間隔がともに90mmであること、また、液管接続部21とガス管接続部22とが交互に配置されることから、隣り合う液管接続部21とガス管接続部22の上下方向の間隔、つまり、隣り合う液管接続部21の中心軸34とガス管接続部22の中心軸39の間隔は45mmとなる。
【0027】
図4は、液管接続部21の液管接続部材31を示す部分断面図である。液管接続部材31の内側には、中心軸34に沿う液冷媒流路51が形成されており、この液冷媒流路51の一端が内部液管26に接続されるとともに、液冷媒流路51の他端が液管5に接続される。液管接続部材31は、雄ねじ52と複数の外周面53とがさらに形成されている。雄ねじ52は、外部液管固定部材33に設けられる図示しない雌ねじに嵌合するように形成されている。
【0028】
6つの外周面53は、液管接続部21のうちの雄ねじ52より支持部材15に近い側に形成されている。
図5は、実施例の室外機4の液管接続部21の液管接続部材31を雄ねじ52側から見た図である。6つの外周面53は、それぞれ平坦に形成されて正六角柱の6つの側面を形成している。そして、6つの外周面53のうち中心軸34をはさんで対向する2つの外周面53の間隔寸法である径54は、たとえば、17mmである。
【0029】
液管接続部21の外部液管固定部材33の内周部には、雄ねじ52に嵌合する図示しない雌ねじが形成されている。外部液管固定部材33は、雌ねじが液管接続部材31の雄ねじ52に嵌合するときに、中心軸34を中心に液管接続部材31に対して回転することにより液管接続部材31に締結される。外部液管固定部材33は、複数の外周面がさらに形成されている。外部液管固定部材33の複数の外周面は、液管接続部材31の複数の外周面53と同様に正六角柱を形成する6つの外周面を有しており、外部液管固定部材33の径は、
図2に示されているように、液管接続部材31の径54に等しい。
【0030】
図6は、ガス管接続部22のガス管接続部材36を示す部分断面図である。ガス管接続部材36の内側には、中心軸39に沿うガス冷媒流路56が形成されており、このガス冷媒流路56の一端が内部ガス管27に接続されるとともに、ガス冷媒流路56の他端がガス管6に接続される。ガス管接続部材36は、雄ねじ57と複数の外周面58とがさらに形成されている。雄ねじ57は、外部ガス管固定部材38に設けられる図示しない雌ねじに嵌合するように、形成されている。
【0031】
6つの外周面58は、ガス管接続部22のうちの雄ねじ57より支持部材15に近い側に形成されている。
図7は、実施例の室外機4のガス管接続部22のガス管接続部材36を雄ねじ57側から見た図である。6つの外周面58は、それぞれ平坦に形成されて正六角柱の6つの側面を形成している。そして、6つの外周面53のうち中心軸34をはさんで対向する2つの外周面53の間隔寸法である径59は、液管接続部21-1の液管接続部材31の径54より大きく、たとえば、22mmである。
【0032】
ガス管接続部22の外部ガス管固定部材38の内周部には、雄ねじ57に嵌合する図示しない雌ねじが形成されている。外部ガス管固定部材38は、雌ねじがガス管接続部材36の雄ねじ57に嵌合するときに、中心軸39を中心にガス管接続部材36に対して回転することによりガス管接続部材36に締結される。外部ガス管固定部材38は、複数の外周面がさらに形成されている。外部ガス管固定部材38の複数の外周面は、ガス管接続部材36の複数の外周面58と同様に正六角柱を形成する6つの外周面を有しており、外部ガス管固定部材38の径は、
図2に示されているように、ガス管接続部材36の径59に等しい。
【0033】
ところで、ここまで説明した複数の液管接続部21及び複数のガス管接続部22が、
図10および
図11に示すように、上下方向に交互にかつ一列に配置されている場合、液管接続部21の液管接続部材31の雄ねじ52に外部液管固定部材33を締結するときは、工具61(
図8~
図11参照)で外部液管固定部材33を掴み工具61を回転させて液管接続部材31に締め付ける。この際の工具61の可動域は、
図10(A)に示す、当該液管接続部21の直上に配置されているガス管接続部22に工具61が当たる位置から白抜き矢印で示すように工具61を回して、
図10(B)に示す、当該液管接続部21の直下に配置されているガス管接続部22に工具61が当たる位置までの範囲となる。
【0034】
また、ガス管接続部22のガス管接続部材36の外部ガス管固定部材38を締結するときは、工具61で外部ガス管固定部材38を掴み工具61を回転させてガス管接続部材36に外部ガス管固定部材38を締め付ける。この際の工具61の可動域は、
図11(A)に示す、当該ガス管接続部22の直上に配置されている液管接続部21に工具61が当たる位置から白抜き矢印で示すように工具61を回して、
図11(B)に示す、当該ガス管接続部22の直下に配置されている液管接続部21に工具が当たる位置までの範囲となる。
【0035】
例えば、本実施形態のように、隣り合う液管接続部21とガス管接続部22の上下方向の間隔寸法が45mm、液管接続部材31の径54が17mm、ガス管接続部材36の径59が22mmであり、工具61が最大開口幅が34mm(JIS規格で呼び:300mm)のモンキーレンチである場合、
図10(B)に示すように、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の工具61の可動域は12度となる。また、
図11(B)に示すように、外部ガス管固定部材38をガス管接続部材36に締め付ける際の工具61の可動域は38度となる。つまり、上述した例では、外部ガス管固定部材38をガス管接続部材36に締め付ける際の工具61の可動域に対して、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の工具61の可動域が小さく、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の作業性が悪い。
【0036】
以上に説明したように、工具61の可動域は、液管接続部21とガス管接続部22とが上下方向に一列に並べて配置される場合に、液管接続部21とガス管接続部22の間隔寸法、および、液管接続部21の径54およびガス管接続部22の径59のそれぞれの寸法に依存する。
図10および
図11を用いて上述した例の場合、液管接続部21とガス管接続部22との間隔寸法を固定(45mm)すれば、径59に比べて径54が小さい液管接続部材31に外部液管固定部材33を締結する際の工具61の可動域の方が、ガス管接続部材36に外部ガス管固定部材38を締結する際の工具61の可動域より小さくなる。外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の工具61の可動域を大きくするためには、液管接続部21とガス管接続部22との間隔寸法を大きくすればよいが、液管接続部21とガス管接続部22との間隔寸法を大きくすれば、室外機4の上下方向の寸法が大きくなる。
【0037】
そこで、本実施形態の室外機4では、
図3を用いて前述したように、第1直線41が第2直線42より距離43だけ室外機4の側面板14cから離れた位置となるように、各液管接続部21が上下に並べて配置されている。つまり、複数の液管接続部21及び複数のガス管接続部22が一列に配置されないことで、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の工具61の可動域を大きくできる。
【0038】
より具体的には、
図8に示すように、複数の液管接続部21が複数のガス管接続部22より外側、つまり、工具61を近づける側に配置される。これにより、外部液管固定部材33を掴み工具61を回転させて液管接続部材31に締め付ける際の工具61の可動域は、
図8(A)に示す、当該液管接続部21の直上に配置されているガス管接続部22に工具61が当たる位置から白抜き矢印で示すように工具61を回して、
図8(B)に示す、当該液管接続部21の直下に配置されているガス管接続部22に工具61が当たる位置までの範囲となり、
図10に示す場合と比べて工具61の可動域が大きくなる。
【0039】
図10および
図11を用いて説明したときと同様に、隣り合う液管接続部21とガス管接続部22の上下方向の間隔寸法が45mm、液管接続部材31の径54が17mm、ガス管接続部材36の径59が22mmとし、かつ、第1直線41が第2直線42より距離43だけ室外機4の側面板14cから離れた位置として、工具61で外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける場合、
図10(B)に示すように、工具61の可動域は24度となる。また、外部ガス管固定部材38をガス管接続部材36に締め付ける場合、
図11(B)に示すように、工具61の可動域は26度となる。つまり、上述した例では、外部ガス管固定部材38をガス管接続部材36に締め付ける際の工具61の可動域と、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の工具61の可動域が略同じ大きさとなり、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の作業性が改善されている。
【0040】
以上に説明したように、本実施形態の室外機4では、複数の液管接続部21を複数のガス管接続部22より外側に配置することで、隣り合う液管接続部21とガス管接続部22の上下方向の間隔寸法を大きくすることなく、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の工具61の可動域を大きくできる。これにより、室外機4の上下方向の寸法を大きくすることなく、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の作業性を改善できる。
【0041】
なお、以上に説明した実施形態では、一例として第1直線41と第2直線42との距離43を、外部液管固定部材33の径54=17mmと、複数の外部ガス管固定部材38の径59=22mmとの差である5mmとした。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、距離43は、上記の差=5mmを中心値としてこの中心値の0.8倍から1.4倍の範囲の値に決定してもよい。距離43を中心値の0.8倍から1.4倍の範囲の値にすれば、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際の工具61の可動域を20度以上の値とすることができ、外部液管固定部材33を液管接続部材31に締め付ける際に最低限の作業性を確保できる。また、可能であれば、距離43を上記の範囲より狭い範囲、例えば、中心値の0.95倍から1.05倍の範囲(つまり、±5%の範囲)の値にすることが望ましい。
【符号の説明】
【0042】
1 :空気調和装置
3 :室内機
4 :室外機
5 :液管
6 :ガス管
14:筐体
15:支持部材
21:液管接続部
22:ガス管接続部
26:内部液管
27:内部ガス管
31:液管接続部材
32:内部液管固定部材
33:外部液管固定部材
34:中心軸
36:ガス管接続部材
37:内部ガス管固定部材
38:外部ガス管固定部材
39:中心軸
41:第1直線
42:第2直線
43:距離