IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ紡織株式会社の特許一覧

特許7443908制御装置、情報処理システム、および制御方法
<>
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図1
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図2
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図3
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図4
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図5
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図6
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図7
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図8
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図9
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図10
  • 特許-制御装置、情報処理システム、および制御方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】制御装置、情報処理システム、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020074795
(22)【出願日】2020-04-20
(65)【公開番号】P2021174058
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】杁江 正博
(72)【発明者】
【氏名】宝角 惣一朗
(72)【発明者】
【氏名】外山 恵里奈
(72)【発明者】
【氏名】片岡 港人
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/078182(WO,A1)
【文献】特開2002-032538(JP,A)
【文献】特開2019-174861(JP,A)
【文献】特開2019-174862(JP,A)
【文献】国際公開第2020/157992(WO,A1)
【文献】特開2012-024481(JP,A)
【文献】特表2018-503208(JP,A)
【文献】特開2019-028691(JP,A)
【文献】特開2020-052625(JP,A)
【文献】特開2013-238903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載センサから、車内空間に滞在しているユーザに関するセンサ情報を取得するセンサ情報取得部と、
複数の評価軸それぞれについての前記ユーザの評価値を、前記センサ情報の少なくとも一部に基づいて算出する評価値算出部と、
前記評価値を、表示装置を介して前記ユーザに提示する提示部と、
入力装置を介して前記ユーザによって入力された目標に基づいて、前記複数の評価軸それぞれにおける前記ユーザの目標値を算出する目標値算出部と、を備え、
前記提示部はさらに、各評価軸についての前記ユーザの前記評価値と、各評価軸についての前記目標値とを前記ユーザに提示し、
前記車載センサには、少なくともマイクが含まれており、
前記センサ情報には、前記ユーザの発話を含む音声データが含まれており、
前記評価軸には、人間の性格傾向または思考傾向に関する評価軸が含まれており、
前記評価値算出部は、前記人間の性格傾向または思考傾向に関する評価軸における前記ユーザの評価値を、前記音声データの音声認識の結果に基づいて算出することを特徴とする、制御装置。
【請求項2】
前記提示部は、前記評価値および前記目標値を、グラフで提示することを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記複数の評価軸それぞれについての前記評価値と前記目標値との差に基づき、トレーニングを1つ以上決定するトレーニング決定部を備え、
前記トレーニングは、前記評価値を前記目標値に近づけるためのトレーニングであって、前記車内空間で行うトレーニングであり、
前記提示部は、前記表示装置を介して、前記トレーニング決定部によって決定された前記トレーニングを前記ユーザに提示することを特徴とする、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記評価値算出部が算出した前記評価値と、前記評価値の算出日時とを少なくとも含む評価値ログデータを作成するログデータ作成部を備え、
前記トレーニング決定部は、前記ユーザの前記評価値ログデータと、前記評価値と前記目標値との差と、に基づいて、前記トレーニングを決定することを特徴とする、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記トレーニングは、前記車内空間を有する車両の、運転に関する動作を含むことを特徴とする、請求項3または4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記トレーニングは、前記車内空間を有する車両に搭載された各種装置を使用して行われるものであり、
前記各種装置の使用状況から前記トレーニングの実行を検知する実行検知部を備え、
前記センサ情報取得部は、前記実行検知部が前記トレーニングの実行を検知した場合、前記センサ情報を再取得し、
前記評価値算出部は、再取得されたセンサ情報に基づいて、前記複数の評価軸それぞれについての前記ユーザの評価値を再算出し、
前記提示部は、再算出された評価値、および、再算出された評価値と前回算出した評価値との差分の、少なくとも一方を、前記表示装置を介して前記ユーザに提示することを特徴とする、請求項3~5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
各評価軸について、再算出された評価値が前記目標値以上になったか否かを判定する達成判定部を備え、
前記提示部は、前記達成判定部が、少なくとも1つの評価軸について、再算出された評価値が前記目標値以上になったと判定した場合、前記ユーザに目標値に達したことを示す通知を提示することを特徴とする、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記車載センサには、少なくとも1つのカメラが含まれており、
前記センサ情報には、前記カメラが撮影した前記ユーザの姿を含む画像データが含まれており、
前記評価軸には、外見に関する評価軸が含まれており、
前記評価値算出部は、前記外見に関する評価軸における前記ユーザの評価値を、前記画像データに基づいて算出することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記車載センサには、少なくとも1つの生体センサが含まれており、
前記センサ情報には、前記生体センサが測定または取得した前記ユーザの生体情報が含まれており、
前記評価軸には、健康状態に関する評価軸が含まれており、
前記評価値算出部は、前記健康状態に関する評価軸における前記ユーザの評価値を、前記生体情報に基づいて算出することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記車載センサと、
前記入力装置と、
前記表示装置と、を含むことを特徴とする、情報処理システム。
【請求項11】
制御装置の制御方法であって、
車載センサから、車内空間に滞在しているユーザに関するセンサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、
複数の評価軸それぞれについての前記ユーザの評価値を、前記センサ情報の少なくとも一部に基づいて算出する評価値算出ステップと、
前記評価値を、表示装置を介して前記ユーザに提示する第1提示ステップと、
入力装置を介して前記ユーザによって入力された目標に基づいて、前記複数の評価軸それぞれにおける前記ユーザの目標値を算出する目標値算出ステップと、
各評価軸についての前記ユーザの前記評価値と、各評価軸についての前記目標値とを前記ユーザに提示する第2提示ステップと、を含み、
前記車載センサには、少なくともマイクが含まれており、
前記センサ情報には、前記ユーザの発話を含む音声データが含まれており、
前記評価軸には、人間の性格傾向または思考傾向に関する評価軸が含まれており、
前記評価値算出ステップにおいて、前記人間の性格傾向または思考傾向に関する評価軸における前記ユーザの評価値を、前記音声データの音声認識の結果に基づいて算出することを特徴とする、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は制御装置、情報処理システム、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
センサ等の車載装置からの情報に基づいて車内空間の状態を検知し、検知結果を提示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、予め記憶されている比較用データと、カメラで車内を撮影した現在映像データとを比較して違いが検知された場合に、車内に所定のメッセージを送出する車内点検装置が開示されている。
【0003】
また、車載装置からの情報に基づいて、車内空間に滞在しているユーザの状態を判定する技術も種々開発されている。例えば、車載センサからの情報に基づいて、ユーザの眠気の強さを判定する技術等が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-191053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、昨今、車内空間で有意義に過ごしたいというニーズが発生している。しかしながら、前述した従来技術はそれぞれ、特定の状態の場合に特定の出力を行うものであり、ユーザの車内空間での滞在の質を向上させるものではない。
【0006】
本開示の一態様は、ユーザが車内空間で有意義に過ごすことを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御装置は、車載センサから、車内空間に滞在しているユーザに関するセンサ情報を取得するセンサ情報取得部と、複数の評価軸それぞれについての前記ユーザの評価値を、前記センサ情報の少なくとも一部に基づいて算出する評価値算出部と、前記評価値を、表示装置を介して前記ユーザに提示する提示部と、入力装置を介して前記ユーザによって入力された目標に基づいて、前記複数の評価軸それぞれにおける前記ユーザの目標値を算出する目標値算出部と、を備え、前記提示部はさらに、各評価軸についての前記ユーザの前記評価値と、各評価軸についての前記目標値とを前記ユーザに提示することを特徴とする。
【0008】
前記の構成によれば、ユーザに対し、ユーザの目標を数値化した目標値と、センサ情報という客観的情報に基づく評価を数値化した評価値と、を提示することができる。したがって、ユーザは車内空間に滞在している間に、自身の目標の具体化と、自身の客観的評価を得ることができる。したがって、ユーザは車内空間で有意義に過ごすことができる。
【0009】
前記制御装置において、前記提示部は、前記評価値および前記目標値を、グラフで提示してもよい。前記の構成によれば、ユーザが一見して分かるように評価値および目標値を提示することができる。
【0010】
前記制御装置は、前記複数の評価軸それぞれについての前記評価値と前記目標値との差に基づき、トレーニングを1つ以上決定するトレーニング決定部を備えていてもよく、前記トレーニングは、前記評価値を前記目標値に近づけるためのトレーニングであって、前記車内空間で行うトレーニングであってもよく、前記制御装置の前記提示部は、前記表示装置を介して、前記トレーニング決定部によって決定された前記トレーニングを前記ユーザに提示してもよい。
【0011】
前記の構成によれば、ユーザが入力した目標に近づくために車内空間で出来るトレーニングを、該ユーザに提示する。したがって、ユーザは提示されたトレーニングを実行することで、車内空間での滞在時間を有意義に使うことができる。
【0012】
前記制御装置は、前記評価値算出部が算出した前記評価値と、前記評価値の算出日時とを少なくとも含む評価値ログデータを作成するログデータ作成部を備えていてもよく、前記制御装置の前記トレーニング決定部は、前記ユーザの前記評価値ログデータと、前記評価値と前記目標値との差と、に基づいて、前記トレーニングを決定してもよい。
【0013】
前記の構成によれば、過去に算出した評価値を考慮してトレーニングを決定することができる。したがって、前記の構成によれば、ユーザに、目標達成のためにより有効なトレーニングを提示することができる。
【0014】
前記制御装置において、前記トレーニングは、前記車内空間を有する車両の、運転に関する動作を含んでいてもよい。
【0015】
前記の構成によれば、ユーザは車両を運転することで、自分の目標を達成するためのトレーニングを行うことができる。したがって、ユーザは車両の運転時間を有効に使って、トレーニングを行うことができる。
【0016】
前記制御装置において、前記トレーニングは、前記車内空間を有する車両に搭載された各種装置を使用して行われるものであってよく、前記制御装置は、前記各種装置の使用状況から前記トレーニングの実行を検知する実行検知部を備えていてもよい。そして、前記制御装置の前記センサ情報取得部は、前記実行検知部が前記トレーニングの実行を検知した場合、前記センサ情報を再取得してもよく、前記評価値算出部は、再取得されたセンサ情報に基づいて、前記複数の評価軸それぞれについての前記ユーザの評価値を再算出してもよく、前記提示部は、再算出された評価値、および、再算出された評価値と前回算出した評価値との差分の、少なくとも一方を、前記表示装置を介して前記ユーザに提示してもよい。
【0017】
前記の構成によれば、トレーニングの実行による評価値の変化をユーザに提示することができる。これにより、トレーニングより実際に得られた効果をユーザに示すことができる。
【0018】
前記制御装置は、各評価軸について、再算出された評価値が前記目標値以上になったか否かを判定する達成判定部を備えていてもよく、前記制御装置の前記提示部は、前記達成判定部が、少なくとも1つの評価軸について、再算出された評価値が前記目標値以上になったと判定した場合、前記ユーザに目標値に達したことを示す通知を提示してもよい。
【0019】
前記の構成によれば、評価値が目標値以上になった、ユーザの現在の評価が、ユーザの入力した目標に係る目標値に達したことを通知することができる。
【0020】
前記制御装置において、前記車載センサには、少なくとも1つのカメラが含まれていてもよく、前記センサ情報には、前記カメラが撮影した前記ユーザの姿を含む画像データが含まれていてもよく、前記評価軸には、外見に関する評価軸が含まれていてもよい。そして、前記制御装置の前記評価値算出部は、前記外見に関する評価軸における前記ユーザの評価値を、前記画像データに基づいて算出してもよい。
【0021】
前記の構成によれば、ユーザは、車内空間に滞在している間に、カメラの撮影画像から診断された、自分の外見についての客観的評価を得ることができる。
【0022】
前記制御装置において、前記車載センサには、少なくとも1つの生体センサが含まれていてもよく、前記センサ情報には、前記生体センサが測定または取得したユーザの生体情報が含まれていてもよく、前記評価軸には、健康状態に関する評価軸が含まれていてもよい。そして、前記制御装置の前記評価値算出部は、前記健康状態に関する評価軸における前記ユーザの評価値を、前記生体情報に基づいて算出してもよい。
【0023】
前記の構成によれば、ユーザは、車内空間に滞在している間に、生体情報から診断された、自分の健康状態についての客観的評価を得ることができる。
【0024】
前記制御装置において、前記車載センサには、少なくともマイクが含まれていてもよく、前記センサ情報には、前記ユーザの発話を含む音声データが含まれていてもよい。そして、前記評価軸には、人間の性格傾向または思考傾向に関する評価軸が含まれていてもよく、前記評価値算出部は、前記人間の性格傾向または思考傾向に関する評価軸における前記ユーザの評価値を、前記音声データの音声認識の結果に基づいて算出してもよい。
【0025】
前記の構成によれば、ユーザは、車内空間に滞在している間に、音声データから診断された、自分の内面についての客観的評価を得ることができる。
【0026】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理システムは、前記制御装置と、前記車載センサと、前記入力装置と、前記表示装置と、を含む。前記の構成によれば、前記制御装置と同様の効果を奏する。
【0027】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御方法は、制御装置の制御方法であって、車載センサから、車内空間に滞在しているユーザに関するセンサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、複数の評価軸それぞれについての前記ユーザの評価値を、前記センサ情報の少なくとも一部に基づいて算出する評価値算出ステップと、前記評価値を、表示装置を介して前記ユーザに提示する第1提示ステップと、入力装置を介して前記ユーザによって入力された目標に基づいて、前記複数の評価軸それぞれにおける前記ユーザの目標値を算出する目標値算出ステップと、各評価軸についての前記ユーザの前記評価値と、各評価軸についての前記目標値とを前記ユーザに提示する第2提示ステップと、を含む。前記の構成によれば、前記制御装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0028】
本開示の一態様によれば、ユーザが車内空間で有意義に過ごすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態1に係る情報処理システムの要部構成を示すブロック図である。
図2】車載センサ、表示装置、入力装置、および音声出力装置の配置例を示す図である。
図3】評価値および目標値の提示に係る処理の流れを示すフローチャートである。
図4】表示装置に表示させる画像の一例を示す図である。
図5】表示装置に表示させる画像の一例を示す図である。
図6】表示装置に表示させる画像の一例を示す図である。
図7】表示装置に表示させる画像の一例を示す図である。
図8】トレーニングを決定しユーザに提示する処理の流れを示すフローチャートである。
図9】表示装置に表示させる画像の一例を示す図である。
図10】表示装置に表示させる画像の一例を示す図である。
図11】実施形態2に係る情報処理システムの要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔実施形態1〕
≪要部構成≫
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、実施形態1に係る情報処理システム100の要部構成を示すブロック図である。情報処理システム100は、少なくとも、情報処理装置1と、車載センサ2と、表示装置3と、入力装置4と、を含む。また、情報処理システム100は、音声出力装置5と、車載装置6と、を含んでいてもよい。本実施形態では、情報処理装置1、車載センサ2、表示装置3、入力装置4、音声出力装置5、および車載装置6は、車両9の車内空間に配置されている。車両9の具体的な種類は特に限定しない。車両9の一例としては、乗用車が挙げられる。また、情報処理装置1と、車載センサ2、表示装置3、入力装置4、音声出力装置5、および車載装置6とは、それぞれ有線または無線で接続されている。情報処理装置1と各装置間の具体的な接続方法は特に限定されない。
【0031】
(車載センサ2)
車載センサ2は、車両9に搭載された1つ以上のセンサから成る。車載センサ2は、車両9の車内空間に滞在している人間に関する種々の情報を測定または取得する。車載センサ2は、測定または取得した種々の情報を、情報処理装置1に送信する。
【0032】
以降、車両9の車内空間に滞在している人間、すなわち車両9のユーザのことを、単に「ユーザ」と称する。また、車載センサ2が測定または取得する、ユーザに関する情報のことを「センサ情報」と称する。センサ情報とは、例えば、ユーザの姿が写った静止画および動画のデータ、ユーザの脈拍、呼吸回数、体温、および血圧等の種々のバイタルデータ、ならびに、ユーザの発話が含まれた音声データの、少なくともいずれかであってよい。本実施形態に係る情報処理システム100は、車載センサ2の一例として、カメラ21と、生体センサ22と、マイク23と、を含む。
【0033】
カメラ21は、ユーザの姿の少なくとも一部を含む画像を撮影し、画像データを情報処理装置1へ送信する。なお、カメラ21の撮影画像は、静止画であっても、動画であってもよい。生体センサ22は、ユーザのバイタルデータを測定または取得する。生体センサ22は、例えば、ユーザの筋肉率または体脂肪率を測定するセンサであってもよい。また、生体センサ22は、例えば、ユーザの脈拍を測定するセンサであってもよい。マイク23は、周囲、すなわち車内空間内の音を取得し、音声データに変換して情報処理装置1に送信する。ユーザが発話した場合、マイク23はユーザの発話を含む音を取得し、音声データに変換することとなる。
【0034】
なお、車載センサ2はこの他にも、ユーザが座席シートに座った際の、座席シートにかかる圧力を測定する圧力センサ等を含んでいてもよい。また、車載センサ2の個数、配置、および車載センサ2が取得するセンサ情報の種類は特に限定されない。
【0035】
(表示装置3および入力装置4)
表示装置3は、情報処理装置1の制御にしたがって画像を表示する。入力装置4は、ユーザの入力操作を受け付けて、該入力操作の内容を示す入力情報を情報処理装置1に送信する。入力装置4は例えば、ユーザの目標を入力する入力操作を受け付けると、入力情報、すなわち、ユーザの目標を示す情報を情報処理装置1に送信する。
【0036】
表示装置3は、例えば車両9に取り付けられた液晶ディスプレイ等で実現される。入力装置4は、例えばダッシュボードまたは液晶ディスプレイに配置された物理ボタン、ならびに、タッチスクリーン等で実現される。なお、表示装置3と入力装置4とは一体に構成されていてもよい。本実施形態では、車両9は、表示装置3としてのディスプレイと、入力装置4としてのタッチパネルが一体に構成された、タッチパネルディスプレイであることとする。
【0037】
(情報処理装置1)
情報処理装置1は、ユーザに提供する種々の情報を作成する装置である。情報処理装置1は、制御部(制御装置)10と、記憶部11と、を備える。制御部10は、情報処理装置1を統括的に制御する。記憶部11は、情報処理装置1の動作に必要な各種データを記憶する。
【0038】
(制御部10)
制御部10は、センサ情報取得部101と、評価値算出部102と、提示部103と、入力情報取得部104と、目標値算出部105と、トレーニング決定部106と、を含む。また、制御部10は、音声制御部107と、ログデータ作成部108とを含んでいてもよい。
【0039】
センサ情報取得部101は、車載センサ2からセンサ情報を取得する。センサ情報取得部101は、取得したセンサ情報を、評価値算出部102へ出力する。
【0040】
評価値算出部102は、センサ情報に基づいて、複数の評価軸それぞれについてのユーザの評価値を算出する。評価値算出部102はまず始めに、評価対象となるユーザの評価軸を決定する。ここで、「評価軸」とは、評価の方針を意味する。評価値算出部102は例えば、制御部12に記憶されている評価軸設定データベース(DB)113にて設定されている評価軸から複数の評価軸を選択し、ユーザの評価軸としてよい。
【0041】
評価軸設定DB113は、少なくとも複数の評価軸を示す情報を含むデータベースである。評価軸設定DB113は、例えば、評価軸に、該評価軸の選択条件を対応付けたデータを1レコードとして保持するデータテーブルであってもよい。「評価軸の選択条件」は、例えば、センサ情報の種類であってもよい。すなわち、評価軸設定DBの1レコードは、ある評価軸と、該評価軸に沿って評価値を算出可能なセンサ情報とを対応付けた情報であってもよい。この場合、評価値算出部102は、評価軸設定DB113から、センサ情報取得部101から入力されたセンサ情報の種類に対応している評価軸を選択し、評価対象のユーザの評価軸としてよい。
【0042】
なお、評価軸設定DB113は必須の構成ではない。また、評価値算出部102の評価軸の選択方法は、前述の方法に限定されない。評価値算出部102は、例えば、評価値算出部102に入力されたセンサ情報の種類に応じて評価軸を決定してもよい。また例えば、評価値算出部102は、入力装置4を介して入力されたユーザの指示に基づいて、評価軸を決定してもよい。また例えば、評価軸は、予め定められているものとしてもよい。
【0043】
評価軸の具体的な内容は、特に限定されない。例えば、評価軸は、ユーザの外見に関する評価軸であってもよい。評価値算出部102は、カメラ21の撮影画像からユーザの外見を評価することで、該評価軸における評価値を算出することができる。
【0044】
また例えば、評価軸は、ユーザの健康状態に関する評価軸であってもよい。評価値算出部102は、カメラ21の撮影画像、または生体センサ22の生体情報からユーザの健康状態を評価することで、該評価軸における評価値を算出することができる。
【0045】
また例えば、評価軸は、ユーザの性格傾向または思考傾向に関する評価軸であってもよい。また例えば、評価軸は、ユーザの価値観の傾向に関する評価軸であってもよい。評価値算出部102は、マイク23の音声データに含まれる、ユーザの音声そのもの、または音声データが示す発話内容から、ユーザの性格傾向、思考傾向、および価値観の傾向を評価することで、それぞれの評価軸における評価値を算出することができる。例えば、ユーザの声の高さや発話のスピードに応じて、ユーザの性格の明るさを評価してもよい。また、ユーザの発話内容に含まれる語句の傾向から、ユーザの特定の思考または特定の価値観への傾向の強さを特定してもよい。
【0046】
評価軸を決定すると、評価値算出部102は次に、各評価軸についてのユーザの評価値を算出する。「評価値」とは、ある評価軸に沿って、センサ情報の少なくとも一部に基づいてユーザを評価した場合の、指標値である。換言すると、評価値とは、センサ情報という客観的情報に基づいて、ある評価軸についてのユーザの評価を数値化したものである。
【0047】
なお、評価値の具体的な算出方法は特に限定されない。評価軸がユーザの外見に関する評価軸である場合、評価値算出部102は、例えば、カメラ21の撮影画像のデータに基づいて評価値を算出してもよい。また、評価軸がユーザの健康状態に関する評価軸である場合、評価値算出部102は、生体センサ22が測定または取得した生体情報に基づいて評価値を算出してもよい。また、評価軸がユーザの性格傾向または思考傾向に関する評価軸である場合、評価値算出部102は、マイク23が取得した音声データの音声認識の結果に基づいて、評価値を算出してもよい。例えば、制御部10は、センサ情報取得部101が取得した音声データを学習済モデル111に入力することで、学習済モデル111に該音声データを音声認識させてもよい。そして、制御部10は音声認識の結果を学習済モデル111から取得して、該音声認識の結果を評価値算出部102における評価値の算出に用いてもよい。
【0048】
評価値算出部102は、選択した複数の評価軸を示す情報と、各評価軸について算出した評価値とを対応付けた情報を、提示部103およびトレーニング決定部106に出力する。以降、選択した複数の評価軸を示す情報と、各評価軸について算出した評価値とを対応付けた情報を「評価情報」と称する。制御部10がログデータ作成部108を含む場合、評価値算出部102は、ログデータ作成部108にも、評価情報を出力する。また、評価値算出部102は、選択した複数の評価軸を示す情報、または評価情報を目標値算出部105に出力する。
【0049】
入力情報取得部104は、入力装置4から入力情報を取得する。入力情報取得部104は、ユーザの目標を示す入力情報を取得した場合、当該入力情報を目標値算出部105に出力する。なお、入力情報取得部104はユーザの目標を示す入力情報の他にも、種々の入力情報を取得してよい。例えば、入力情報取得部104は、表示装置3の表示を変更するためのユーザの指示を示す入力情報を取得してもよい。また、入力情報取得部104は、ユーザの、トレーニングの希望方針を示す情報を入力情報として取得してもよい。
【0050】
目標値算出部105は、ユーザの目標に基づいて、複数の評価軸それぞれにおけるユーザの目標値を算出する。「目標値」とは、ある評価軸の観点から、ユーザの目標を数値化した指標値である。
【0051】
目標値算出部105は、評価値算出部102から、選択した複数の評価軸を示す情報、または評価情報を取得する。この状態で、目標値算出部105がユーザの目標を示す入力情報を取得すると、目標値算出部105は、取得した評価情報(または、複数の評価軸を示す情報)が示す評価軸それぞれにおける、ユーザの目標値を算出する。すなわち、目標値算出部105における「複数の評価軸」とは、評価値算出部102において選択された「複数の評価軸」と同じである。なお、目標値の具体的な算出方法は特に限定されない。
【0052】
目標値算出部105は、算出した目標値を提示部103およびトレーニング決定部106に出力する。制御部10がログデータ作成部108を含む場合、目標値算出部105は、ログデータ作成部108に目標値を出力してもよい。
【0053】
トレーニング決定部106は、評価情報と目標値とを取得すると、評価情報が示す複数の評価軸それぞれについての評価値と目標値との差に基づき、トレーニングを1つ以上決定する。ここで、「トレーニング」とは、いずれかの評価軸における評価値を、同評価軸における目標値に近づけるためのトレーニングであって、車両9の車内空間で行うトレーニングである。トレーニング決定部106は決定したトレーニングを示す情報を、提示部103に出力する。
【0054】
トレーニングの具体的な内容は特に限定されない。例えば、トレーニングは、肉体的なトレーニングでなくてもよい。例えば、トレーニングは、ユーザのコミュニケーションスキルを鍛えるトレーニングであってもよいし、ユーザの性格または思考の傾向を改善するトレーニングであってもよい。
【0055】
また例えば、トレーニングはユーザが能動的に行うものでなく、車両9に滞在することによって、受動的に行われるものであってもよい。具体的には、例えば、少なくとも一部の形状が可変である座席シートを、ユーザが着座することで、特定の筋肉が鍛えられるような形状に変更してもよい。これにより、ユーザは座席シートに着座するだけで、特定の筋肉を鍛えることができる。したがって、該トレーニングによって、例えば「筋肉量」または「筋肉率」等の評価軸における評価値を増加する効果が見込める。
【0056】
もしくは、例えば、少なくとも一部の形状が可変である座席シートを、ユーザが着座することで、ユーザの身体の特定部位の結構が良くなるような形状に変更してもよい。これにより、ユーザは座席シートに着座するだけで、自身の血行を良くする、すなわち健康状態を良くすることができる。したがって、該トレーニングによって、例えば「顔色の良さ」または「肌の状態」等の評価軸における評価値を増加する効果が見込める。
【0057】
なお、トレーニングは、車載装置6を使用して行われるものであってもよい。例えば、トレーニングは、車両9の運転に関する動作を含んでいてもよい。ここで、「運転に関する動作」とは、例えば車両9のハンドル、アクセル、およびブレーキに対する操作が含まれていてもよい。このように、運転に関する動作をトレーニングに含めることで、ユーザは車両9を運転すると、自分の目標を達成するためのトレーニングを行うことができる。したがって、ユーザは車両の運転時間を有効に使って、トレーニングを行うことができる。より具体的には、例えば、急ブレーキを踏まない等、同乗者に負担をかけない運転方法をトレーニングとしてもよい。そして、該トレーニングの効果としては、ユーザの優しさを示す評価値を増加させる効果があるとしてもよい。
【0058】
また、トレーニングの決定方法も特に限定されない。本実施形態では一例として、記憶部11にトレーニングDB112が記憶されており、トレーニング決定部106は該トレーニングDB112を参照することで、ユーザに提示するトレーニングを決定することとする。
【0059】
トレーニングDB112とは、トレーニングとその効果を定めたデータベースである。トレーニングDB112の1レコードは、ある1つのトレーニングについてのデータを示す。トレーニングDB112の各レコードは、トレーニングの識別情報と、該トレーニングが効果を及ぼす評価軸と、該評価軸における評価値の変動量と、を対応付けたものである。トレーニングの識別情報とは、トレーニングの名称等、トレーニングを一意に識別するための情報である。評価値の変動量とは、単位時間またはトレーニングの単位量あたりの評価値の増加または減少量である。
【0060】
トレーニング決定部106は、例えば、以下のような方法でトレーニングを決定してもよい。すなわち、トレーニング決定部106はまず、評価情報と目標値から、評価値が目標値未満である評価軸を特定する。以降、ここで特定した評価軸を「目標未達評価軸」と称する。トレーニング決定部106は、トレーニングDB112を参照して、目標未達評価軸について、評価値を増加させることが可能なトレーニングを1つ以上抽出する。トレーニング決定部106は、抽出したトレーニングから、ユーザに提示するトレーニングを決定する。前述の通り、ユーザに提示するトレーニングの個数には上限が設けられていてもよい。
【0061】
なお、前述のように、評価軸は複数あるため、目標未達評価軸も複数存在し得る。目標未達評価軸が複数存在する場合、トレーニング決定部106は、トレーニングDB112を参照して、複数の目標未達評価軸それぞれについて、効果がある(すなわち、評価値を上げることができる)トレーニングを抽出する。続いて、トレーニング決定部106は、1つ以上のトレーニングを組み合わせることで、可能な限り多くの目標未達評価軸について効果を得られるよう、抽出したトレーニングの中からユーザに提示するトレーニングを決定する。これにより、トレーニング決定部106が決定したトレーニングをユーザが実行した場合、ユーザが入力した、すなわちユーザが望んだ目標に係る目標値を、より多く達成させることができる。
【0062】
また、トレーニング決定部106は、評価値と目標値との差が大きい評価軸について効果があるトレーニングを、ユーザに提示するトレーニングとして、優先的に採用することが望ましい。これにより、ユーザはトレーニングを実行した場合、効率的に目標を達成することができる。
【0063】
また、トレーニング決定部106は、入力情報取得部104からトレーニングの希望方針を示す入力情報を取得してもよい。そして、トレーニング決定部106は、評価値算出部102から取得した評価情報が示す評価値と、目標値算出部105から取得した目標値との差、および、希望方針に基づいて、トレーニングを1つ以上決定してもよい。
【0064】
トレーニング決定部106はさらに、決定した1つ以上のトレーニングを含むトレーニングスケジュールを作成してもよい。トレーニングスケジュールとは、目標値を達成するためのトレーニングの実施タイミングを規定するものである。なお、トレーニングスケジュールには、各トレーニングの、単位期間あたりの実施量を規定する情報が含まれていてもよい。本実施形態では、トレーニング決定部106は、トレーニングスケジュールとして、複数のトレーニングについて、各トレーニングを実施すべき日を規定することとする。
【0065】
なお、制御部10がログデータ作成部108を含んでおり、ログデータ作成部108によって評価値ログデータが作成され評価値ログDB114として蓄積されている場合、トレーニング決定部106は、トレーニングの決定の際に、該評価値ログデータを考慮してもよい。すなわち、トレーニング決定部106は、評価値ログDB114からユーザの評価値ログデータを読み出し、該評価値ログデータと、各評価軸における評価値と目標値との差と、に基づいてトレーニングを決定してもよい。
【0066】
これにより、トレーニング決定部106は、過去に算出した評価値を考慮してトレーニングを決定することができる。したがって、情報処理装置1は、目標達成のためにより有効なトレーニングをユーザに提示するトレーニングとして決定することができる。
【0067】
提示部103は、表示装置3に各種画像を表示させることで、表示装置3を介してユーザに種々の情報を提示する。例えば、提示部103は、評価値算出部102から評価情報を取得すると、各評価軸と、各評価軸に対応する評価値を示す画像を、表示装置3に表示させる。また例えば、提示部103は、評価情報に続いて目標値を取得すると、各評価軸についての評価値と、該各評価軸についての目標値とを示す画像を表示装置3に表示させる。また例えば、提示部103は、トレーニング決定部106によって決定されたトレーニング、およびトレーニングスケジュールの少なくとも一方を表示装置3に表示させてもよい。この他にも、提示部103は、制御部10が作成する種々の画像を表示装置3に表示させてよい。
【0068】
なお、評価値および目標値は、グラフで示されることが望ましい。これにより、提示部103は、ユーザが一見して分かるように評価値および目標値を提示することができる。
【0069】
音声制御部107は、音声出力装置5を制御する。音声制御部107は、例えば、提示部103が表示装置3に表示させた画像の説明を音声出力装置5に出力させてよい。また、音声制御部107は、ユーザに対し入力装置4を用いた入力を促す音声を、音声出力装置5に出力させてもよい。また、音声制御部107は、記憶部11に記憶された学習済モデル111の出力結果を、音声として音声出力装置5に出力させてもよい。
【0070】
ログデータ作成部108は、評価情報に基づいて、評価値ログデータを作成する。評価値ログデータとは、あるユーザについて算出した評価値の履歴を示すデータである。評価値ログデータは、評価値算出部102が算出した、各評価軸における評価値と、該評価値の算出日時とを少なくとも含む。なお、評価値の算出日時は、例えば、情報処理装置1に内蔵されているタイマーから、または情報処理装置1の外部装置であるタイマーから制御部10が時刻情報を取得することで特定してよい。また、評価値ログデータは、各評価値の評価軸を示す情報、各評価値に対応する目標値を示す情報、および、ユーザの識別情報の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
【0071】
ログデータ作成部108は、作成した評価値ログデータを、評価値ログDB114の1レコードとして記憶部11に記憶させる。これにより、評価値ログDB114に、評価値ログデータが蓄積されていく。
【0072】
評価値ログDB114は、評価値ログデータのデータベースである。評価値ログDB114は、ユーザ毎に作成されてもよいし、複数のユーザに関する評価値ログデータをまとめて1つの評価値ログDB114で管理してもよい。なお、評価値ログDB114が複数ユーザの評価値ログデータを含む場合、評価値ログDB114の各レコード(すなわち、各評価値ログデータ)には、ユーザの識別情報が含まれる。
【0073】
(記憶部11)
記憶部11は、例えば、学習済モデル111と、トレーニングDB112と、評価軸設定DB113と、を記憶する。また、制御部10がログデータ作成部108を備える場合、記憶部11は、評価値ログDB114を記憶する。トレーニングDB112、評価軸設定DB113、および評価値ログDB114のデータ構造については、前述の通りである。
【0074】
学習済モデル111は、ユーザに対する発話内容を決定したり、ユーザの発話内容を認識して、認識結果に応じた返答を決定したりするAI(人口知能)モデルである。制御部10のセンサ情報取得部101は、学習済モデル111にマイク23から取得した音声データを入力する。学習済モデル111は、該入力に対応する出力を制御部10に返す。制御部10の音声制御部107は、該出力結果に応じた音声を音声出力装置5から出力させる。
【0075】
(音声出力装置5)
音声出力装置5は、情報処理装置1の音声制御部107の制御にしたがって音声を出力する。音声出力装置5は表示装置3および入力装置4と一体に構成されていてもよい。例えば、音声出力装置5はタッチパネルディスプレイと一体に構成されたスピーカであってもよい。
【0076】
(車載装置6)
車載装置6は、車両9に搭載された各種装置である。なお、ここで言う「各種装置」には、車両9の部品またはユニット等も含まれる。車載装置6は、車内空間で行うトレーニングに利用可能な装置、部品、またはユニットである。例えば、車載装置6は、車両9のハンドル、アクセル、ブレーキ、および座席シートのリクライニング機構等であってもよい。なお、車載センサ2、表示装置3、入力装置4、および音声出力装置5は車載装置6を兼ねていてもよい。
【0077】
(車載センサと各種入出力装置の配置例)
図2は、車載センサ2、表示装置3、入力装置4、および音声出力装置5の配置例を示す図である。カメラ21は、ユーザが車内で着座したときに、ユーザを正面から撮影可能な位置に配置されることが望ましい。これにより、ユーザの表情および動作等を撮影することができる。マイク23は、ユーザの発話音声を録音可能な位置に配置されることが望ましい。例えば、運転席に座る人間を対象とする情報処理システム100の場合、カメラ21およびマイク23は、ユーザと略対向するように、車両9のダッシュボードに取り付けられていることが望ましい。
【0078】
また、生体センサ22は、生体センサ22で測定する生体情報の種類に応じた位置に配置される。例えば、生体センサ22がユーザの筋肉率を測定するセンサである場合、該センサは車両9の座席シートに内蔵されていてもよい。これにより、ユーザが座席シートに着座したときに、生体センサ22はユーザの身体における筋肉率を測定することができる。
【0079】
図2に示すように各種の車載センサ2を配置することで、カメラ21でユーザの姿を映し、生体センサ22でユーザの生体情報(例えば、筋肉率)を測定し、マイク23でユーザの発話音声を取得することができる。このように、複数種類のセンサ情報を取得してセンサ情報取得部101に送信することで、情報処理装置1の評価値算出部102において、より多岐にわたる評価軸でユーザを評価することができる。また、評価値算出部102において、複数種類のセンサ情報を組み合わせて評価値を算出することで、より精密に評価値を算出することができる。
【0080】
表示装置3はユーザが表示装置3を閲覧可能な位置に配置される。また、入力装置4は、ユーザが該入力装置4を操作可能な位置に配置される。また、音声出力装置5は、ユーザが音声を視聴可能な位置に配置される。例えば、運転席に座る人間を対象とする情報処理システム100の場合、表示装置3、入力装置4、および音声出力装置5は、ユーザと略対向するように、車両9のダッシュボードに取り付けられていることが望ましい。
【0081】
なお、情報処理装置1は、表示装置3の表示画面および音声出力装置5の出力音声によって、情報処理システム100における入力操作の案内等を行ってもよい。また、情報処理装置1は、表示装置3の表示画面および音声出力装置5の出力音声によって、ユーザに情報処理システム100との会話を促してもよい。そして、該会話をマイク23が取得することで得られた音声データを、学習済モデル111を用いて音声認識することで、ユーザの発話内容を特定してもよい。そして、該発話内容に応じた返答を、音声出力装置5を介して出力してもよい。すなわち、情報処理装置1は、学習済モデル111を用いてユーザと対話してもよい。
【0082】
(要部構成の変形例)
記憶部11は、情報処理装置1の外部装置であってもよい。記憶部11が情報処理装置1の外部装置である場合、記憶部11と情報処理装置1とは、有線または無線で接続され、各種データの送受信が行われる。
【0083】
また、車載センサ2のマイク23、またはマイク23以外に車両9に配置されたマイクを、入力装置4として使用してもよい。すなわち、ユーザの各種入力操作は、音声入力により行われてもよい。この場合、制御部10は、センサ情報取得部101が取得したマイク23の音声データを、学習済モデル111に入力する。これにより、学習済モデル111において、音声データが音声認識され、該音声データに含まれるユーザの発話内容が特定され。制御部10の入力情報取得部104は、学習済モデル111の出力結果(すなわち、音声認識結果)を、入力情報として取得し、各部に出力する。
【0084】
≪評価値および目標値の提示≫
次に、情報処理システム100において、評価値および目標値をユーザに提示する場合の処理の流れを、図3図7を用いて詳細に説明する。図3は、情報処理装置1における、評価値および目標値の提示に係る処理の流れを示すフローチャートである。また、図4図7はそれぞれ、提示部103が表示装置3に表示させる画像の一例を示す図である。なお、図3のフローチャートでは、情報処理装置1はログデータ作成部108を含んでいることとする。また、図3のフローチャートでは、評価値算出部102は、目標値算出部105に評価情報を出力することとする。また、図4図7に示す画面例では、同じ機能を有するオブジェクト画像については、同じ部材番号を付与し、説明を繰り返さない。
【0085】
情報処理装置1は、例えば、入力情報取得部104がユーザの第1入力操作を示す入力情報を取得した場合に、図3に示す一連の処理を開始する。「第1入力操作」とは、例えば、ユーザが情報処理システム100に評価を指示する入力操作である。
【0086】
制御部10のセンサ情報取得部101は、車載センサ2の少なくとも1つのセンサから、センサ情報を取得する(図3のS11、センサ情報取得ステップ)。センサ情報取得部101は取得したセンサ情報を、評価値算出部102に出力する。
【0087】
評価値算出部102は、センサ情報に基づいて評価軸を複数個定める。続いて、評価値算出部102は該複数の評価軸それぞれについての、ユーザの評価値を算出する(図3のS12、評価値算出ステップ)。評価値算出部102は提示部103、目標値算出部105、トレーニング決定部106、およびログデータ作成部108に評価情報を出力する。なお、評価軸が固定である場合、評価値算出部102は評価軸の決定を行わず、規定の評価軸についての評価値を算出すればよい。
【0088】
ログデータ作成部108は、評価情報に基づいて評価値ログデータを作成する(図3のS13)。ログデータ作成部108は作成した評価値ログデータを、評価値ログDB114の1レコードとして記憶部11に記憶させる。
【0089】
一方、評価情報を取得した提示部103は、該評価情報が示すユーザの評価値を、表示装置3に表示させる(図3のS14、第1提示ステップ)。例えば、提示部103は、各評価軸に対するユーザの評価値を示す棒グラフ、円グラフ、またはレーダーチャート等のグラフを作成して、該グラフを含む画像を表示装置3に表示させる。これにより、ユーザに、該ユーザの現在の評価値が提示される。
【0090】
図4に示す画像51は、S14の処理によって、提示部103が表示装置3に表示させる画像の一例である。図4の例では、画像51には、表情、髪型、優しさ、トークレベル、知識量、肌年齢、筋肉量、および、ファッションレベルの8つの評価軸についての評価値をレーダーチャートG1の形式で一覧可能に示した画像オブジェクトが含まれている。このように、レーダーチャートで評価値を示すことで、ユーザに、自分の長所(すなわち、強み)と、短所(すなわち、弱み)を分かり易く知らせることができる。また、画像51には、図示のように、前の画面への遷移を指示するためのボタンB1と、次の画面への遷移を指示するためのボタンB2とが、UIオブジェクトとして含まれていてもよい。
【0091】
なお、提示部103は、評価値を数値だけでなくテキストでユーザに提示してもよい。また、提示部103は、評価値の高低に応じたコメントをユーザに提示してもよい。例えば、提示部103は、図4に示すように、8つの評価軸のうち、評価値が第1の値(例えば、最大値の半分)以上である評価軸の内容に応じたコメントT1を、画像51に含めてもよい。また、提示部103は、評価値が第1の値未満の第2の値(例えば、最大値の4割)以下である評価軸の内容に応じたコメントT2を、画像51に含めてもよい。評価値の高い評価軸は、ユーザの強みであり、評価値の低い評価軸は、ユーザの弱みであると言える。したがって、コメントT1およびT2をユーザに提示することによって、ユーザは自分の弱みと強みをより明確に知ることができる。
【0092】
表示装置3に表示された画像51を確認することで、自分の現在の評価値を認識したユーザは、次に、入力装置4を介して、自分の目標を入力する。提示部103は、ユーザの所定の入力操作に応じて、該ユーザが目標を入力(指定)するためのUI画像を表示装置3に表示させる。具体的には、提示部103は、入力情報取得部104が、図4のボタンB2を選択する操作を示す入力情報を取得した場合に、図5に示すような画像を表示装置3に表示させる。
【0093】
図5に示す画像52は、提示部103が表示装置3に表示させるUI画像の一例である。例えば、提示部103はユーザの目標を示すボタン群B3を含む画像52を表示装置3に表示させる。ボタン群B3に含まれる各種ボタンをユーザが選択すると、選択されたボタンに対応する目標が、ユーザによって指定されたこととなる。図5の例では、ユーザは、「筋肉質」で、「美肌」で、「おしゃれ」で、「優しそう」で、「博識」で、「話し上手」な人間になる、という目標を指定したといえる。すなわち、ボタン群B3は、ユーザの目標の選択肢であるともいえる。
【0094】
ユーザがボタン群B3のうち、所望のボタンを選択状態にした状態で、次の画面へ遷移するボタンB2を選択すると、ボタン群B3のうち、選択状態にされたボタンを特定する情報が、入力情報として入力装置4から入力情報取得部104に送信される。入力情報取得部104は、該入力情報、すなわち、ユーザの目標を示す情報を、目標値算出部105に出力する。
【0095】
再び図3のフローチャートに戻り説明する。情報処理装置1の入力情報取得部104は、ユーザが入力した、該ユーザの目標を示す入力情報を取得する(図3のS15)。入力情報取得部104は取得した入力情報を目標値算出部105に出力する。
【0096】
目標値算出部105は、評価値算出部102から取得した評価情報が示す各評価軸における目標値を算出する(図3のS16、目標値算出ステップ)。目標値算出部105は算出した目標値を、提示部103およびトレーニング決定部106に出力する。
【0097】
提示部103は、目標値算出部105から目標値を取得すると、評価値算出部102から取得した評価値と、目標値算出部105から取得した目標値とを含む画像を作成し、表示装置3に表示させる(図3のS17、第2提示ステップ)。例えば、提示部103は、各評価軸に対するユーザの評価値および目標値を示す棒グラフ、円グラフ、またはレーダーチャート等のグラフを作成し、該グラフを表示装置3に表示させる。なお、評価値と目標値とは、1つのグラフの中に重ねて示されてもよいし、2つのグラフに分けて、並べて示されてもよい。これにより、ユーザに、該ユーザの現在の評価値と、ユーザの目標を数値化した目標値とが比較可能に提示される。
【0098】
例えば、提示部103は、評価値と目標値とを1つのグラフの中に重ねて表示させてもよい。図6に示す画像53は、S17の処理によって、提示部103が表示装置3に表示させる画像の一例である。図6の例では、画像53には、画像51と同じ8つの評価軸についての評価値および目標値を、レーダーチャートG2の形式で示した画像オブジェクトが含まれている。このように、レーダーチャートで評価値および目標値を重畳させて示すことで、ユーザに、自分の現在の評価値と、目標を達成した場合に満たされる目標値との差異を、分かり易く知らせることができる。なお、画像53には、図示のように、ユーザが目標を達成した場合のイメージ画像P1が含まれていてもよい。
【0099】
また、提示部103は、評価値と目標値とを2つのグラフに分けて、並べて表示させてもよい。図7に示す画像54は、S17の処理によって、提示部103が表示装置3に表示させる画像の他の一例である。図7の例では、画像53には、画像51と同じ8つの評価軸についての評価値を示したレーダーチャートG1と、同じ8つの評価軸についての目標値を示したレーダーチャートG3とが含まれている。このように、レーダーチャートで評価値および目標値を並べて示すことで、ユーザに、自分の現在の評価値と、目標を達成した場合に満たされる目標値との差異を、分かり易く知らせることができる。
【0100】
なお、情報処理装置1においてログデータ作成部108は必須構成ではない。そのため、S13の処理も必須ではない。また、S13の処理のタイミングは、S12の処理とS14の処理との間に限られない。すなわち、S13の処理は、S12の処理の後であれば、どのタイミングで実行されてもよい。
【0101】
前記の処理によれば、ユーザに対し、ユーザの目標を数値化した目標値と、センサ情報という客観的情報に基づく評価を数値化した評価値と、を提示することができる。したがって、ユーザは車内空間に滞在している間に、自身の目標の具体化と、自身の客観的評価を得ることができる。したがって、ユーザは車内空間で有意義に過ごすことができる。
【0102】
≪トレーニング提示処理≫
最後に、情報処理システム100において、ユーザに提示するトレーニングを決定し、ユーザに提示する場合の処理の流れを、図8図10を用いて詳細に説明する。図8は、情報処理装置1において、トレーニングを決定しユーザに提示する処理の流れを示すフローチャートである。図9図10は、提示部103が表示装置3に表示させる画像の一例を示す図である。なお、図8の例では、トレーニング決定部106は、ユーザのトレーニングの希望方針に基づいてトレーニングを決定することとする。また、図8の例では、トレーニング決定部106は、トレーニングのスケジュールも決定することとする。
【0103】
情報処理装置1は、例えば、入力情報取得部104がユーザの第2入力操作を示す入力情報を取得した場合に、図2に示す一連の処理を開始する。「第2入力操作」とは、例えば、図7においてボタンB2を選択する入力操作である。入力情報取得部104が第2入力操作を示す入力情報を取得すると、提示部103は、表示装置3に、ユーザがトレーニングの希望方針を入力するためのUI画像を表示させる。
【0104】
図9に示す画像55は、提示部103が表示装置3に表示させるUI画像の一例である。例えば、提示部103は、希望方針を示すボタン群B4を含む画像52を表示装置3に表示させる。ボタン群B4に含まれる各種ボタンをユーザが選択すると、選択されたボタンに対応するトレーニングの方針が、ユーザによって希望されたこととなる。図9の例では、ユーザは、「弱みを強化する」というトレーニング方針を希望したといえる。すなわち、ボタン群B4は、ユーザの希望方針の選択肢であるともいえる。
【0105】
ユーザがボタン群B4のうち、所望のボタンを選択状態にした状態で、次の画面へ遷移するボタンB2を選択すると、ボタン群B4のうち、選択状態にされたボタンを特定する情報が、入力情報として入力装置4から入力情報取得部104に送信される。入力情報取得部104は、該入力情報、すなわち、ユーザの希望方針を示す情報を、目標値算出部105に出力する。
【0106】
再び図8に戻り説明する。トレーニング決定部106は、入力情報取得部104からトレーニングの希望方針を示す入力情報を取得すると(図8のS21)、トレーニングを1つ以上決定する。すなわち、トレーニング決定部106は、評価値算出部102から取得した評価情報が示す評価値と、目標値算出部105から取得した目標値との差、および、希望方針に基づいて、トレーニングを1つ以上決定する(図8のS22)。トレーニング決定部106は続いて、トレーニングのスケジュールを決定する(図8のS23)。トレーニング決定部106は決定したトレーニングおよびスケジュールを示す情報を、提示部103に出力する。
【0107】
トレーニング決定部106からトレーニングおよびスケジュールを示す情報を取得した提示部103は、表示装置3に、該トレーニングおよびスケジュールを含む画像を表示させることで、トレーニングおよびスケジュールをユーザに提示する(図8のS24)。
【0108】
図10に示す画像56は、S24の処理によって、提示部103が表示装置3に表示させる画像の一例である。図10の例では、画像56には、トレーニング決定部106が決定したトレーニングの内容を示すテキストT3と、各トレーニングの実施スケジュールを示す画像P2とが含まれている。
【0109】
前記の処理によれば、情報処理装置1は、ユーザが入力した目標に近づくために車内空間で出来るトレーニングを、該ユーザに提示する。したがって、ユーザは提示されたトレーニングを実行することで、車内空間での滞在時間を有意義に使うことができる。
【0110】
〔実施形態2〕
本開示に係る情報処理システムにおいて、制御装置は、車載装置6の使用状況からトレーニングの実行を検知する実行検知部を備えていてもよい。また、センサ情報取得部101は、実行検知部がトレーニングの実行を検知した場合にセンサ情報を再取得してもよい。また、評価値算出部102は、センサ情報取得部101により再取得されたセンサ情報に基づいて、前回に選択した複数の評価軸それぞれについての、ユーザの評価値を再算出してもよい。また、提示部103は、再算出された評価値、および、再算出された評価値と前回算出した評価値との差分の、少なくとも一方を、表示装置3を介してユーザに提示してもよい。
【0111】
また、本開示に係る情報処理システムにおいて、制御装置は、各評価軸について、再算出された評価値が目標値以上になったか否かを判定する達成判定部を備えていてもよい。そして、提示部103は、達成判定部が、少なくとも1つの評価軸について、再算出された評価値が前記目標値以上になったと判定した場合、ユーザに目標値に達したことを示す通知を提示してもよい。
【0112】
以下、本開示の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態以降の実施形態においては、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0113】
≪要部構成≫
図11は、本実施形態に係る情報処理システム200の要部構成を示すブロック図である。情報処理システム200は、情報処理装置1に換えて情報処理装置7を含む点で、実施形態1に係る情報処理システム100と異なる。情報処理装置7は、制御部10に換えて制御部(制御装置)12を含む。
【0114】
(制御部12)
制御部12は、制御部10の有する各部材に加え、実行検知部121と、達成判定部122とを含む。なお、本実施形態では、トレーニング決定部106が決定するトレーニングは、車載装置6を使用して行われるトレーニングである。また、本実施形態では、評価値算出部102は、評価情報を達成判定部122にも出力する。また、本実施形態では、目標値算出部105は、目標値を達成判定部122にも出力する。
【0115】
また、車載装置6は、自装置の使用状況を示す情報を制御部12に送信する。ここで、「使用状況を示す情報」とは、例えば、車載装置6に付属するセンサ等を用いて測定可能な情報である。例えば、車載装置6が車両9のブレーキである場合、使用状況を示す情報とは、ユーザがブレーキを踏んだ回数および踏み込みの強さを示す情報である。また例えば、車載装置6がマイク23である場合、使用状況を示す情報とは、マイク23が取得する音声データ自体である。
【0116】
実行検知部121は、車載装置6の使用状況から、トレーニング決定部106が決定したトレーニングが実行されたことを検知する。実行検知部121におけるトレーニング実行の検知方法は、特に限定されない。例えば、トレーニング決定部106が決定したトレーニングが「情報処理システム100と対話を行う」というトレーニングである場合、実行検知部121は、マイク23が取得する音声データにユーザの発話が含まれているか否かを判定する。発話が含まれている場合、実行検知部121は、ユーザが、「情報処理システム100と対話を行う」というトレーニングを実行した、と判定する。実行検知部121は、トレーニングの実行を検知すると、センサ情報取得部101および達成判定部122にその旨を通知する。
【0117】
本実施形態に係るセンサ情報取得部101は、実行検知部121から通知を受けると、車載センサ2からセンサ情報を再取得し、該センサ情報を評価値算出部102に出力する。本実施形態に係る評価値算出部102は、センサ情報取得部101が再取得したセンサ情報に基づいて、前回選択した複数の評価軸それぞれについての、ユーザの評価値を再算出する。再算出された評価値は、初回に評価値を算出した場合と同様に、評価情報に含まれて各部に出力される。
【0118】
本実施形態に係る提示部103は、再算出された評価値、および、再算出された評価値と前回算出した評価値との差分の、少なくとも一方を、表示装置3を介してユーザに提示する。例えば、提示部103は、再算出された評価値をレーダーチャートで示した画像を表示装置3に表示させてもよい。また例えば、提示部103は、再算出された評価値と、前回算出された評価値とを、1つのレーダーチャートで重畳させて示した画像を、表示装置3に表示させてもよい。また例えば、提示部103は、再算出された評価値と、前回算出された評価値との2つのレーダーチャートとを並べた画像を表示装置3に表示させてもよい。
【0119】
達成判定部122は、評価値算出部102が選択した複数の評価軸について、再算出された評価値が、目標値算出部105が算出した目標値以上になったか否かを判定する。再算出された評価値が目標値以上になった場合、達成判定部122は、表示装置3に、ユーザが目標値に達したことを示す通知を表示させる。なお、該通知は、提示部103ではなく、音声制御部107が、音声出力装置5を介して音声で通知してもよい。
【0120】
本実施形態に係る構成によれば、情報処理装置7は、ユーザがトレーニングを実行した場合、トレーニングの実行による評価値の変化を該ユーザに提示することができる。すなわち、情報処理装置7は、トレーニングにより実際に得られた効果をユーザに示すことができる。また、本実施形態に係る構成によれば、評価値が目標値以上になった、すなわち、ユーザの現在の評価が、ユーザの入力した目標に係る目標値に達したことを通知することができる。
【0121】
〔変形例〕
情報処理装置1および情報処理装置7は、ユーザの所持するスマートフォン等の端末装置と連携して動作してもよい。この場合、情報処理装置1および情報処理装置7は、外部装置と通信する通信部を備えている。また、この場合、情報処理装置1または情報処理装置7と端末装置とは、予めペアリングされていることが好ましい。
【0122】
例えば、情報処理装置1または情報処理装置7の入力情報取得部104は、通信部を介して、端末装置に対する入力操作を示す情報を、入力情報として取得してもよい。これにより、ユーザは、入力装置4の代わりに自分の所持する端末装置を用いて、各種入力操作を行うことができる。
【0123】
また、情報処理装置1の制御部10、および情報処理装置7の制御部12は、ユーザの端末装置から、該ユーザの身長、体重等、該ユーザの個人情報を取得してもよい。また、評価値算出部102は、前記個人情報を加味して、評価軸の選択および評価値の算出を行ってもよい。これにより、より適切な評価軸で、より精密に評価値を算出することができる。また、トレーニング決定部106は、前記個人情報を加味して、トレーニングの決定、およびトレーニングのスケジュールの決定を行ってもよい。これにより、より有効なトレーニングまたはトレーニングの実施スケジュールをユーザに提示することができる。
【0124】
情報処理装置1および情報処理装置7は、ユーザの指示に応じて、ユーザの強みを強調する、または、ユーザの弱みを目立たなくするように、車載装置6を制御してもよい。ユーザの強みおよび弱みは、前述の通り、評価値の高さで特定することができる。すなわち、評価値が高いほど、ユーザは該評価値に対応する評価軸を強みにしているといえる。逆に、評価値が低いほど、ユーザは該評価値に対応する評価軸が弱みであるといえる。
【0125】
例えば、「筋肉質」という評価軸を強みにしているユーザ、すなわち、筋肉質のユーザである場合、情報処理装置1の制御部10、または情報処理装置7の制御部12は、座席シートのリクライニング機構を、ユーザの体格が同乗者から見て最も大きく見えるような角度に調整してもよい。これにより、ユーザの車内体験をより向上させることができる。
【0126】
また、車載装置6としての車内照明の明るさおよび色調を、ユーザの外見に関する評価軸および評価値に応じて変更することで、該評価軸についてのユーザの強みを強調する、または、ユーザの弱みを目立たなくしてもよい。例えば、
(評価値の他の利用方法)
情報処理装置1および情報処理装置7は、外部装置と通信する通信部を備えていてもよい。そして、情報処理装置1の制御部10、または情報処理装置7の制御部12は、ユーザの現在の評価値を示す情報を含んだ、ユーザを紹介するための画像である紹介画像を作成してもよい。例えば、制御部10および制御部12は、図4のレーダーチャートG1を含んだ紹介画像を作成してもよい。
【0127】
そして、情報処理装置1および情報処理装置7は、通信部を介して、紹介画像を外部装置に送信してもよい。例えば、情報処理装置1および情報処理装置7は、ユーザの所持する端末装置に紹介画像を送信してもよい。
【0128】
また、情報処理装置1および情報処理装置7は、インターネット上のソーシャルネットワークサービス(SNS)等に、紹介画像を投稿してもよい。なお、該画像を投稿する場合のアカウントは、予め情報処理装置1および情報処理装置7に登録されていることが望ましい。
【0129】
また、情報処理装置1および情報処理装置7は、自装置が搭載された車両9の近傍に存在する、他の車両に対して、紹介画像を送信してもよい。また、情報処理装置1および情報処理装置7と同様の構成を持つ情報処理装置を搭載した他の車両から、該他の車両のユーザの紹介画像を受信し、表示装置3に表示させてもよい。
【0130】
このように、評価値算出部102が算出した評価値に係る情報を、ユーザを紹介するために利用することで、ユーザは、車両9に滞在していないときでも、情報処理装置1または情報処理装置7により算出された評価値を有効活用できる。
【0131】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部10および制御部12の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0132】
後者の場合、制御部10および制御部12は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本開示の目的が達成される。前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0133】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
100、200 情報処理システム
1、7 情報処理装置
2 車載センサ
3 表示装置
4 入力装置
5 音声出力装置
6 車載装置
9 車両
10、12 制御部
11 記憶部
21 カメラ
22 生体センサ
23 マイク
101 センサ情報取得部
102 評価値算出部
103 提示部
104 入力情報取得部
105 目標値算出部
106 トレーニング決定部
107 音声制御部
108 ログデータ作成部
111 学習済モデル
112 トレーニングDB
113 評価軸設定DB
114 評価値ログDB
121 実行検知部
122 達成判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11