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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】電力変換システム及び自立運転制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20240228BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240228BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240228BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H02J3/38 180
H02M7/48 R
H02J3/32
H02J3/46
H02J3/38 130
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020087927
(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公開番号】P2021182833
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 俊明
(72)【発明者】
【氏名】鵜殿 直嗣
(72)【発明者】
【氏名】綾井 直樹
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-073028(JP,A)
【文献】特開2017-158338(JP,A)
【文献】特開2016-158431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02M 7/48
H02J 3/32
H02J 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と単相3線の交流電路との間に設けられる電力変換システムであって、
3レグのフルブリッジ回路を有する電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御部と、
前記電力変換部の交流側から自立出力用に引き出され、電圧線である第1線及び第2線並びに中性線を有する単相3線の第1交流電路と、
前記第1線と前記中性線との間に、単相2線で自立出力を供給する第2交流電路と、
を備えている電力変換システム。
【請求項2】
前記直流電源としての蓄電池を備えている請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記第2交流電路への電力供給源となる分散型電源と、
前記第1線と前記中性線との間、及び、前記第2線と前記中性線との間に、それぞれ接続されている第1負荷及び第2負荷と、
を備えている請求項2に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記第1負荷の消費電力よりも前記第2交流電路の供給電力が大きい場合、前記制御部は、前記供給電力の少なくとも一部を前記蓄電池に充電しつつ、前記第2負荷には前記蓄電池の放電により電力を供給するよう前記電力変換部を制御する、請求項3に記載の電力変換システム。
【請求項5】
前記第1交流電路とは別に、系統連系用の単相3線の第3交流電路を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換システム。
【請求項6】
蓄電池と単相3線の交流電路の間に設けられ、直流と単相3線の交流との間で電力変換を行う電力変換部を含む電力変換システムの自立運転制御方法であって、
商用電力系統から解列された場合に、当該商用電力系統とは断路された、前記電力変換部の交流側から自立出力用に引き出された単相3線の第1線、中性線、第2線に対して、前記第1線と前記中性線との間に、単相2線の自立出力を引き込んで電力供給し、
前記自立出力に連系し、かつ、前記自立出力を加味した上で前記電力変換部を制御することにより、前記第1線と前記中性線との間の相電力と、前記第2線と前記中性線との間の相電力とを、互いに独立して出力するよう制御する、
電力変換システムの自立運転制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換システム及び自立運転制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2012年に開始された電力の固定買取価格制度(FIT:Feed-in Tariff)に促進されて、太陽光発電システムは、一般家庭等の需要家に既に多く設置されている。近年では、非常時の備えとして、蓄電システムを追加設置するケースがある。また、固定価格の買い取り期間である10年の満了を機に、太陽光発電を、より有効に利用するべく、蓄電システムを追加設置するケースが増加している。蓄電システムを追加設置した場合でも、商用電力系統の停電時、太陽光発電システムが単独で提供できる自立出力は、AC100V、1.5KVAまでとなっているのが一般的である。その場合、AC200Vの家電機器(大型エアコン、IHクッキングヒータ、貯湯型温水器など)は使用できず、AC100Vの機器に限られる。一方、新規に導入する蓄電池を使用した蓄電システムでは、単相3線の自立出力に対応可能なシステムが考えられている。
【0003】
(a)具体的には、太陽光発電の電力変換装置(パワーコンディショナ)のインバータとして、3レグ(1レグは上アーム及び下アームの2つのスイッチング素子を直列接続したもの)のフルブリッジ回路を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。この場合には、自立出力を単相3線で出力することができる。
(b)一方、2レグの場合の自立出力としては変圧器を用いて、単相2線(AC100V)を単相3線(AC100V,0,-100V)に変換することも考えられる。
(c)また、単相3線の自立出力も可能な蓄電池用の電力変換装置を新規に導入し、ここから出力される単相3線の出力を疑似商用電力系統として、太陽光発電システムが、通常通り系統連系運転をする、ということも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-018859号公報
【文献】特開2015-27197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記(a)では、太陽光発電システムのインバータが3レグであることが必要であり、既に2レグのインバータを有する太陽光発電システムを使用している需要家には適さない。上記(b)では、変圧器が余分に必要となる。既に2レグのインバータを含む電力変換装置を使用している需要家では、蓄電システムを新規に導入し、上記(c)のような運転を行うことも考えられるが、商用電力系統に比べると、蓄電池用の電力変換装置から出力される電圧は、安定性に欠ける。そのため、不安定な電圧を検出した太陽光発電システムの、不本意な停止も予想される。
【0006】
かかる課題に鑑み、本開示は、単相2線で自立出力を提供する既存の発電システムと、単相3線で自立出力する他の蓄電可能な分散型電源とを用いて、安定した電力変換システム及びその自立運転制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は特許請求の範囲によって定められるものである。
【0008】
本開示は、直流電源と単相3線の交流電路との間に設けられる電力変換システムであって、
3レグのフルブリッジ回路を有する電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御部と、
前記電力変換部の交流側から自立出力用に引き出され、電圧線である第1線及び第2線並びに中性線を有する単相3線の第1交流電路と、
前記第1線と前記中性線との間に、単相2線で自立出力を供給する第2交流電路と、
を備えている電力変換システムである。
【0009】
また、本開示は、蓄電池と単相3線の交流電路の間に設けられ、直流と単相3線の交流との間で電力変換を行う電力変換部を含む、電力変換システムの自立運転制御方法であって、
商用電力系統から解列された場合に、当該商用電力系統とは断路された自立出力用の単相3線の第1線、中性線、第2線に対して、前記第1線と前記中性線との間に、単相2線の自立出力を引き込んで電力供給し、
前記自立出力に連系し、かつ、前記自立出力を加味した上で前記電力変換部を制御することにより、前記第1線と前記中性線との間の相電力と、前記第2線と前記中性線との間の相電力とを、互いに独立して出力するよう制御する、
電力変換システムの自立運転制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、単相2線で自立出力を提供する既存の発電システムを安定して生かしながら、その自立出力と、単相3線で自立出力する他の蓄電可能な分散型電源とを互いに接続して、安定した電力変換システム及びその自立運転制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、分散型電源としての太陽光発電システムと蓄電池システムとを備えた需要家における、電力変換システムの一例を示す単線接続図である。
図2図2は、商用電力系統が停電し、電力変換システムが自立運転を行っているときの接続状態を示す単線接続図である。
図3図3は、図2の複線図に相当する回路図である。
図4図4は、2組の電力変換部が共に自立運転を実行する時に、蓄電池側の電力変換部の制御部によって実行される処理を表すフローチャートの一例である。
図5図5は、図4のステップS4の詳細な処理の一例を示す制御ブロック図である。
図6図6は、電圧目標値Vuo_refを求める制御ブロック図である。
図7図7は、電流目標値Iu_refを求める制御ブロック図である。
図8図8は、電圧目標値Vow_refを求める制御ブロック図である。
図9図9は、電流目標値Iw_refを求める制御ブロック図である。
図10図10は、電圧目標値Vu_ref及び電圧目標値Vw_refを求める制御ブロック図である。
図11図11は、電圧目標値Vuw_ref及び電圧目標値Vo_refを求める制御ブロック図である。
図12図12は、フルブリッジ回路のゲート信号を求める制御ブロック図である。
図13図13は、U相に交流電圧101V、50Hz、500Wの補助入力(充電)を行い、W相は交流101Vで負荷3000Wに自立出力を行った結果を示す波形図である。
図14図14は、U相に交流電圧101V、50Hz、1500Wの補助入力(充電)を行い、W相は交流101Vで負荷1Wに自立出力を行った結果を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施形態には、その要旨として、少なくとも以下のものが含まれる。
【0013】
(1)これは、直流電源と単相3線の交流電路との間に設けられる電力変換システムであって、3レグのフルブリッジ回路を有する電力変換部と、前記電力変換部を制御する制御部と、前記電力変換部の交流側から自立出力用に引き出され、電圧線である第1線及び第2線並びに中性線を有する単相3線の第1交流電路と、前記第1線と前記中性線との間に、単相2線で自立出力を供給する第2交流電路と、を備えている。
【0014】
上記の電力変換システムでは、自立運転時に、例えば、単相3線の交流電路の第1線と中性線との間をU相、第2線と中性線との間をW相とすれば、U相にのみ、交流の自立出力を引き込んで電力供給することができる。この自立出力に連系し、かつ、自立出力を加味した上で制御部が電力変換部を制御することにより、単相3線で、U相及びW相は互いに独立して電力を出力することができる。自立出力との連系により、出力は安定する。この場合、U相及びW相の電力に不均等があっても、フルブリッジ回路の3レグのうち中間レグが、その不均等な状態の調整役を担っている。このような電力変換システムによれば、単相2線で自立出力を提供する既存の発電システムを安定して生かしながら、その自立出力と、単相3線で自立出力する他の蓄電可能な分散型電源とを互いに接続して、安定した電力変換システムを提供することができる。
【0015】
(2)前記(1)の電力変換システムは、例えば、前記直流電源としての蓄電池を備えている。
この場合、上記のU相に供給できる電力が負荷の消費電力を上回る場合には、W相が放電による電力供給をしていても、U相では蓄電池に充電を行うことができる。
【0016】
(3)前記(2)の電力変換システムは、例えば、前記第2交流電路への電力供給源となる分散型電源と、前記第1線と前記中性線との間、及び、前記第2線と前記中性線との間に、それぞれ接続されている第1負荷及び第2負荷と、を備えている。
この場合、分散型電源の自立出力に連系するように、電力変換部を動作させることで、U相及びW相が独立して第1負荷及び第2負荷に電力を供給することができる。
【0017】
(4)前記(3)の電力変換システムにおいて、前記第1負荷の消費電力よりも前記第2交流電路の供給電力が大きい場合、前記制御部は、前記供給電力の少なくとも一部を前記蓄電池に充電しつつ、前記第2負荷には前記蓄電池の放電により電力を供給するよう前記電力変換部を制御してもよい。
この場合、U相では蓄電池を充電し、W相では放電により第2負荷に電力供給をすることができる。
【0018】
(5)前記(1)から(4)までのいずれかの電力変換システムにおいて、前記第1交流電路とは別に、系統連系用の単相3線の第3交流電路を有していてもよい。
この場合、商用電力系統が正常なときは、電力変換システムは系統連系運転を行い、商用電力系統の停電時には、単相2線の自立出力と連系して自立運転を行うことができる。
【0019】
(6)方法の観点からは、蓄電池と単相3線の交流電路の間に設けられ、直流と単相3線の交流との間で電力変換を行う電力変換部を含む電力変換システムの自立運転制御方法であって、商用電力系統から解列された場合に、当該商用電力系統とは断路された自立出力用の単相3線の第1線、中性線、第2線に対して、前記第1線と前記中性線との間に、単相2線の自立出力を引き込んで電力供給し、前記自立出力に連系し、かつ、前記自立出力を加味した上で前記電力変換部を制御することにより、前記第1線と前記中性線との間の相電力と、前記第2線と前記中性線との間の相電力とを、互いに独立して出力するよう制御する。
【0020】
上記の電力変換システムの自立運転制御方法によれば、自立運転時に、例えば、単相3線の交流電路の第1線と中性線との間をU相、第2線と中性線との間をW相とすれば、U相にのみ、交流の自立出力を引き込んで電力供給することができる。この自立出力に連系し、かつ、自立出力を加味した上で制御部が電力変換部を制御することにより、単相3線で、U相及びW相は互いに独立して電力を出力することができる。自立出力との連系により、出力は安定する。この場合、U相及びW相の電力に不均等があっても、フルブリッジ回路の3レグのうち中間レグが、その不均等な状態の調整役を担っている。このような電力変換システムの自立運転方法によれば、単相2線で自立出力を提供する既存の発電システムを安定して生かしながら、その自立出力と、単相3線で自立出力する他の蓄電可能な分散型電源とを互いに接続して、安定した電力変換システムを提供することができる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の電力変換システムの具体例について、図面を参照して説明する。
【0022】
《回路接続の概略、系統連系時》
図1は、分散型電源としての太陽光発電システムと蓄電池システムとを備えた需要家における、電力変換システム100の一例を示す単線接続図である。図示する各要素は、図示のように接続されている。図中の電路のうち、相対的に太線部分は単相3線の交流電路である。相対的に細線部分は、単相2線の交流電路又は直流電路である。
【0023】
太陽光発電パネル1は、電力変換装置2と接続されている。太陽光発電パネル1及び電力変換装置2は、太陽光発電に基づく分散型電源300を構成している。電力変換装置2は、商用電力系統6と接続されている。電力変換装置2は、電力変換部(インバータ)21と、連系リレー22と、自立出力リレー23とを備えている。商用電力系統6と系統連系するときは、連系リレー22が閉路している。自立出力リレー23は開路している。電力変換部21は、太陽光発電パネル1の出力(直流)を交流に変換する。商用電力系統6と系統連系しているときの電力変換装置2は、交流電圧202Vで電流制御を行っている。商用電力系統6が停電しているときの電力変換装置2は、連系リレー22を開路した状態で、自立出力リレー23を閉路することができる。自立運転時の電力変換部21は、出力が交流電圧101Vとなるように電圧制御を行う。
【0024】
蓄電池3は、電力変換装置4と接続されている。蓄電池3及び電力変換装置4は、蓄電池3の充放電に基づく分散型電源200を構成している。電力変換装置4は、分電盤5を介して、商用電力系統6と接続されている。電力変換装置4は、電力変換部(双方向インバータ)41と、連系リレー42と、自立出力リレー43とを備えている。
【0025】
商用電力系統6と系統連系するときは、連系リレー42が閉路している。自立出力リレー43は開路している。電力変換部41は、蓄電池3の出力(直流)を交流に変換する。また、電力変換部41は双方向性があり、交流を直流に変換して蓄電池3を充電することができる。商用電力系統6と系統連系しているときの電力変換装置4は、交流電圧202Vで電流制御を行っている。商用電力系統6が停電しているときの電力変換装置4は、連系リレー42を開路した状態で、自立出力リレー43を閉路することができる。自立運転時の電力変換部41は、出力が交流電圧202Vとなるように電圧制御を行う。
【0026】
分電盤5は、切替スイッチ51を備えている。切替スイッチ51は、手動/自動のいずれでもよい。自動の場合は、分電盤5内に商用電力系統6の停電検出装置が設けられており、停電を検出すると自動的に、切替スイッチ51が図示の状態から自立出力リレー43のある方に切り替わる。切替スイッチ51を介して需要家の負荷7が接続されている。なお、分電盤5内には、実際には回路遮断器が設けられており、回路遮断器を介して負荷7と接続されるが、本開示では省略する。また、分電盤5とは別に、切替スイッチ51を備えるスイッチボックスを設けてもよい。
【0027】
《回路接続の概略、自立運転時》
図2は、商用電力系統6が停電し、商用電力系統6からは解列された電力変換システム100が自立運転を行っているときの接続状態を示す単線接続図である。図1との比較により明らかなように、太陽光発電中に商用電力系統6が停電すると、電力変換装置2の連系リレー22が開路し、自立出力リレー23が閉路する。電力変換装置4では、連系リレー42が開路し、自立出力リレー43が閉路する。切替スイッチ51は、図示のように、自立出力リレー43のある方に負荷7の接続を切り替えている。
【0028】
《回路構成例》
図3は、図2の複線図に相当する回路図である。図3において、電力変換部21は、直流側コンデンサ201と、直流リアクトル202と、ローサイドのスイッチング素子203と、ハイサイドのスイッチング素子204と、中間コンデンサ205と、スイッチング素子206,207,208及び209と、交流リアクトル210,211と、交流側コンデンサ212,213と、制御部214とを備えており、これらは図3に示すように接続されている。スイッチング素子203,204,206,207,208及び209は、ここではボディダイオードを有するMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)の例を示しているが、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることもできる。
【0029】
直流側コンデンサ201は、太陽光発電パネル1の出力する電圧を平滑する。直流リアクトル202、スイッチング素子203,204は、DC/DCコンバータ215を構成している。DC/DCコンバータ215の高圧側のDCバス216の電圧は、中間コンデンサ205により平滑される。スイッチング素子206,207,208及び209は、2レグのフルブリッジ回路217を構成し、直流から交流への変換を行う。フルブリッジ回路217の交流側電路218に接続された交流リアクトル210,211及び、交流側コンデンサ212,213は、スイッチングノイズを遮断するフィルタ回路を構成している。スイッチング素子203,204,206,207,208及び209は、制御部214により制御される。制御部214は、例えばコンピュータを含み、コンピュータがソフトウェア(コンピュータプログラム)を実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部214の記憶装置(図示せず。)に格納される。
【0030】
商用電力系統6が正常な場合、単相3線(電圧線U,W,中性線O)の交流電路8の電圧及び周波数は、商用電力系統6により支配されている。フルブリッジ回路217の交流側出力電圧は202Vであり、交流側コンデンサ212,213により、単相3線の交流電路8と整合するようになっている。自立運転中は、フルブリッジ回路217の交流側出力電圧は101Vであり、単相2線、101Vの自立出力を電力変換装置4(図2)に供給する。
【0031】
一方、電力変換部41は、直流側コンデンサ401と、直流リアクトル402と、ローサイドのスイッチング素子403と、ハイサイドのスイッチング素子404と、中間コンデンサ405と、スイッチング素子406,407,408,409,410及び411と、交流リアクトル412,413,414と、交流側コンデンサ415,416,417と、制御部418と、電流センサ422,423と、電圧センサ424,425,426とを備えており、これらは図3に示すように接続されている。スイッチング素子403,404,406,407,408,409,410及び411は、ここではボディダイオードを有するMOSFETの例を示しているが、IGBTを用いることもできる。
【0032】
直流側コンデンサ401は、蓄電池3の入出力電圧を平滑する。直流リアクトル402、スイッチング素子403,404は、DC/DCコンバータ419を構成している。DC/DCコンバータ419の高圧側のDCバス420の電圧は、中間コンデンサ405により平滑される。スイッチング素子406,407,408,409,410,411は、3レグのフルブリッジ回路421を構成し、直流から交流への変換又はその逆の変換を行う。フルブリッジ回路421の交流側電路に接続された交流リアクトル412,413,414及び、交流側コンデンサ415,416,417は、スイッチングノイズを遮断するフィルタ回路を構成している。
【0033】
電流センサ422,423は、それぞれ、交流リアクトル412,414に流れる電流を検出し、検出データを制御部418に送る。電圧センサ424,425は、それぞれ、U相(U線-O線間)及びW相(O線-W線間)の電圧を検出し、検出データを制御部418に送る。電圧センサ426は、DCバス420の2線間の電圧を検出し、検出データを制御部418に送る。スイッチング素子403,404,406,407,408,409,410及び411は、制御部418により制御される。制御部418は、例えばコンピュータを含み、コンピュータがソフトウェア(コンピュータプログラム)を実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部418の記憶装置(図示せず。)に格納される。
【0034】
商用電力系統6が正常な場合、単相3線(電圧線U,W,中性線O)の交流電路8の電圧及び周波数は、商用電力系統6により支配されている。フルブリッジ回路421の交流側出力電圧は単相3線の電圧である。
【0035】
商用電力系統6が停電すると、電力変換部21,41は共に自立運転に切り替わる。自運転中も、電力変換部41におけるフルブリッジ回路421の交流側出力電圧は単相3線の電圧であり、単相3線の交流電路9(第1交流電路)を介して負荷7に電力を供給することができる。また、電力変換部21からは、交流電路10(第2交流電路)を介して、U相(U線-O線間)に電力を供給することができる。交流電路9に設けられる計測器(電流センサ)427は、負荷7に供給される電流を計測し、計測データを制御部418に送る。負荷7は、U相の第1負荷71と、W相の第2負荷72とを含む。
【0036】
ここで、注目すべきは、自立運転中も単相3線の電圧をU,O,Wの3線に出力している電力変換部41のU線-O線の線間に、電力変換部21から自立出力の交流電圧101Vが供給されていることである。なお、U線-O線の線間というのは一例であり、O線-W線の線間であってもよい。但し、説明の便宜上、以下では、電力変換部41のU線-O線の線間に、電力変換部21から自立出力の交流電圧101Vが、補助入力として電力変換部41に供給されている場合について説明する。
【0037】
《フローチャート及び制御ブロック図》
図4は、電力変換部21及び41が共に自立運転を実行する時に、電力変換部41の制御部418によって実行される処理を表すフローチャートの一例である。図において、自立運転を開始した制御部418は、電力変換部21の自立出力が補助入力として供給されているU相(U線-O線間)の電圧実効値、位相及び周波数を、電圧センサ424,425の出力に基づいて求める(ステップS1)。また、制御部418は、計測器427の出力(電流値)及び電圧センサ424,425の出力(電圧値)に基づいて負荷7の消費電力を求める(ステップS2)。
【0038】
ここで、制御部418は、取得した電圧実効値を所定の閾値と比較する(ステップS3)。U相に関して電力変換部41は、補助入力を、蓄電池3の充電に使うことができるか、あるいは、負荷7への電力供給に全て使うかを判定する必要がある。負荷7が大きいほど、電圧実効値が下がるので、電圧実効値が閾値より大きければU相の第1負荷71に比して供給できる電力の方に余裕がある、と判定することができる。また、電圧実効値が閾値以下であれば、第1負荷71に比して供給できる電力の方に余裕が乏しい、と判定することができる。
【0039】
電圧実効値が閾値より大きい場合、蓄電池3の充電が可能であるので、制御部418は、U相の電流目標値を求める(ステップS4)。図5から図12までは、制御ブロック図の具体例である。まず、図5は、ステップS4の詳細な処理の一例を示す制御ブロック図である。この制御ブロックでは、有効電流(上段)と無効電流(下段)とを合わせて、U相の電流目標値を求める。
【0040】
図5において、制御部418は、電力変換部21からの自立出力の引き込み電力(定格最大値)とU相の第1負荷71の消費電力との差分(-P)を定める(B1)。マイナスは充電を表す。この(-P)を、U相の電圧実効値Vu_rms(B2)で除して(B3)電流に変換し、定数処理(B4)を経て、sinωt(B5)を乗じる(B6)。こうして、有効電流目標値が得られる。
【0041】
また、制御部418は、所定値として無効電力Qを定め(B8)、U相の電圧実効値(B9)で除して(B10)無効電流に変換し、定数処理(B11)を経て、cosωt(B12)を乗じる(B13)。こうして、無効電流目標値が得られる。
そして、制御部418は、有効電流と無効電流とを互いに加算し(B7)、U相の電流目標値Iu_refを得る(B14)。
【0042】
図4に戻り、電圧実効値が閾値以下である場合、U相でも蓄電池3を放電させる必要があるので、制御部418は、U相の電流目標値を求める(ステップS5)。
図6及び図7は、ステップS5の詳細な処理の一例を示す制御ブロック図である。まず図6では、制御部418は、電圧の実効値としての101V(B21)に定数処理(B22)を施し、sinωt(B23)を乗算し(B24)、電圧指令値Vuo_ref(B25)を定める。sinωtの位相は、U線-O線間への補助入力電圧に同期させる。
【0043】
図7において、制御部418は、電圧指令値Vuo_ref(B31)と実際のU線-O線間の電圧Vuo_z(B32)とを比較し(B34)、差分にPI制御(B34)を施し、リミッタ処理(B35)を通して、U相の電流目標値Iu_ref(B36)を得る。
【0044】
図4に戻り、制御部418は、U相の制御量を求める(ステップS6)。具体的には、図10の上段の制御ブロック図において、制御部418は、電流目標値Iu_ref(B61)と実際のU相電流Iu_z(B62)を比較し(B63)、差分にPI制御(B64)を施したものと、U線-O線間の電圧Vuo_z(B65)とを互いに加算する(B66)。そして、制御部418は、リミッタ処理(B67)を経て、制御量としてのU相の電圧目標値Vu_ref(B68)を得る。
【0045】
図4に戻り、次に、制御部418は、W相の電流目標値を求め(ステップS7)、制御量を求める(ステップS8)。自立運転中のW相は、常に、自立出力のみを行う。
図8及び図9は、ステップS7の詳細な処理の一例を示す制御ブロック図である。まず図8では、制御部418は、電圧の実効値としての101V(B41)に定数処理(B42)を施し、sinωt(B43)を乗算し(B44)、電圧指令値Vow_ref(B45)を定める。sinωtの位相は、U線-O線間の補助入力電圧に反転同期させる。
【0046】
図9において、制御部418は、電圧指令値Vow_ref(B51)と実際のO線-W線間の電圧Vow_z(B52)とを比較し(B53)、差分にPI制御(B54)を施し、リミッタ処理(B55)を通して、W相の電流目標値Iw_ref(B56)を得る。
【0047】
また、図10の下段の制御ブロック図において、制御部418は、電流目標値Iw_ref(B71)と実際のW相電流Iw_z(B72)を比較し(B73)、差分にPI制御(B74)を施したものと、O線-W線間の電圧Vwo_z(B75)とを互いに加算する(B76)。そして、制御部418は、リミッタ処理(B77)を経て、制御量としてのW相の電圧目標値Vw_ref(B78)を得る。
【0048】
図4に戻り、ここまでに得た値を用いて、スイッチング素子のゲート信号を求める(ステップS9)。具体的には、図11の上段において、制御部418は、U相の電圧目標値Vu_ref(B81)とW相の電圧目標値Vw_ref(B82)とを合算し(B83)、DCバス電圧Vdc_z(B84)すなわちDCバス420の電圧で除する(B85)。次いで、制御部418は、リミッタ処理(B86)を施し、入力保持して(B87)、U線-W線間の電圧目標値Vuw_ref(B88)を得る。
【0049】
また、図11の下段において、制御部418は、U相の電圧目標値Vu_ref(B91)とW相の電圧目標値Vw_ref(B92)とを互いに比較し(B93)、その差分を、DCバス電圧Vdc_z(B94)で除する(B95)。次いで、制御部418は、リミッタ処理(B96)を施し、入力保持して(B97)、O線の電圧目標値Vo_ref(B98)を得る。
【0050】
次に、取得した電圧目標値Vuw_ref及びVo_refを用いてスイッチング素子406,407,408,409,410,411のゲート信号を生成する。図12の(a)において、制御部418は、電圧目標値Vuw_ref(B101)にデッドタイムを考慮した調整量(-V_DEAD)(B102)を加算する(B104)。制御部418は、加算して得た値を、搬送波Vcar(B103)との比較でパルス幅変調し(B105)、ゲートドライブ処理(B106)を経てゲート信号を生成する(B107,B108)。Q1は、スイッチング素子406のゲート信号であり、Q4は、スイッチング素子411のゲート信号である。
【0051】
図12の(b)において、制御部418は、電圧目標値Vuw_ref(B112)にデッドタイムを考慮した調整量V_DEAD(B113)を加算する(B114)。制御部418は、加算して得た値を、搬送波Vcar(B111)との比較でパルス幅変調し(B115)、ゲートドライブ処理(B116)を経てゲート信号を生成する(B117,B118)。Q2は、スイッチング素子407のゲート信号であり、Q3は、スイッチング素子410のゲート信号である。
【0052】
図12の(c)において、制御部418は、電圧目標値Vo_ref(B121)にデッドタイムを考慮した調整量(-V_DEAD)(B122)を加算する(B124)。制御部418は、加算して得た値を、搬送波Vcar(B123)との比較でパルス幅変調し(B125)、ゲートドライブ処理(B126)を経てゲート信号を生成する(B127)。Q6は、スイッチング素子409のゲート信号である。
【0053】
図12の(d)において、制御部418は、電圧目標値Vo_ref(B132)にデッドタイムを考慮した調整量V_DEAD(B133)を加算する(B134)。制御部418は、加算して得た値を、搬送波Vcar(B131)との比較でパルス幅変調し(B135)、ゲートドライブ処理(B136)を経てゲート信号を生成する(B137)。Q5は、スイッチング素子408のゲート信号である。
【0054】
《制御の結果の例示》
次に、上記のような制御を行った結果の二例を波形により説明する。
図13は、U相に交流電圧101V、50Hz、500Wの補助入力(充電)を行い、W相は交流101Vで負荷3000Wに自立出力を行った結果を示す波形図である。横軸は(a)、(b)、(c)、(d)全て共通で、時刻0.2秒から0.4秒までの10サイクル分を表している。
【0055】
まず、図13の(a)は、細く見える線がU相(U線-O線間)電圧を1/10にして表した波形、太く見える線は、U相電流(交流リアクトル412に流れる電流)の波形である。U相電圧は、ピーク値が(101×√2)Vで、50Hzの滑らかな波形となっている。U相電流は、リップルが含まれているため太線状に見えるが、発振ではなく、U相電圧と逆極性で同期した波形となっており、充電ができている。
【0056】
図13の(b)においては、上の直線がW相電力、下の直線はU相電力である。W相電力は負荷の消費電力である3000Wである。U相電力は、-500Wすなわち、500Wで充電が行われている。
図13の(c)においては、振幅の大きい方がW相(O線-W線間)電圧、振幅の小さい方がW相電流(交流リアクトル414に流れる電流)である。W相電圧は、ピーク値が(101×√2)Vで、50Hzの滑らかな波形となっている。W相電流は、W相電圧と同極性であり、同期して変化する。
【0057】
図13の(d)は、W相(O線-W線間)の電圧実効値を表している。縦軸のスケールを大きく拡大しているので、変化しているように見えるが、約101Vを中心に、±1.5V程度の範囲内の変動に抑えられている。階段状の1ステップ幅は交流1周期(0.02秒)である。
【0058】
次に、図14は、U相に交流電圧101V、50Hz、1500Wの補助入力(充電)を行い、W相は交流101Vで負荷1Wに自立出力を行った結果を示す波形図である。横軸は(a)、(b)、(c)、(d)全て共通で、時刻0.2秒から0.4秒までの10サイクル分を表している。
【0059】
まず、図14の(a)は、細く見える線がU相(U線-O線間)電圧を1/10にして表した波形、太く見える線は、U相電流(交流リアクトル412に流れる電流)の波形である。U相電圧は、ピーク値が(101×√2)Vで、50Hzの滑らかな波形となっている。U相電流は、リップル(発振ではない。)が含まれているため太線状に見えるが、U相電圧と逆極性で同期した波形となっており、充電ができている。
【0060】
図14の(b)においては、上の直線がW相電力、下の直線はU相電力である。W相電力は負荷の消費電力である1W付近である。U相電力は、-1500Wすなわち、1500Wで充電が行われている。
図14の(c)においては、振幅のある方がW相(O線-W線間)電圧、概ね平坦な方がW相電流(交流リアクトル414に流れる電流)である。W相電圧は、ピーク値が(101×√2)Vで、50Hzの滑らかな波形となっている。W相電流は、負荷が1Wなので、0近傍の微小な電流に見えるが、縦軸方向に拡大すれば、W相電圧と同極性であり、同期して変化する。
【0061】
図14の(d)は、W相(O線-W線間)電圧実効値を表している。縦軸のスケールを大きく拡大しているので、変化しているように見えるが、約101.5Vを中心に、±1.5V程度の範囲内の変動に抑えられている。階段状の1ステップ幅は交流1周期(0.02秒)である。
図13図14より、狙い通りの制御が行われていることがわかる。
【0062】
《開示のまとめ》
以上の開示は、以下のように一般化して表現することができる。
【0063】
この電力変換システム100は、直流電源(蓄電池3)と単相3線の交流電路9との間に設けられる。電力変換システム100は、3レグのフルブリッジ回路421を有する電力変換部41と、電力変換部41を制御する制御部418と、電力変換部41の交流側から自立出力用に引き出され、電圧線である第1線(U又はW)及び第2線(W又はU)並びに中性線(O)を有する単相3線の第1交流電路9と、第1線と中性線との間に、単相2線で自立出力を供給する第2交流電路10と、を備えている。これが基本構成である。
【0064】
かかる電力変換システム100では、自立運転時に、例えば、単相3線の交流電路の第1線と中性線との間をU相、第2線と中性線との間をW相とすれば、U相にのみ、交流の自立出力を引き込んで電力供給することができる。この自立出力に連系し、かつ、自立出力を加味した上で制御部418が電力変換部41を制御することにより、単相3線で、U相及びW相は互いに独立して電力を出力することができる。自立出力との連系により、出力は安定する。この場合、U相及びW相の電力に不均等があっても、フルブリッジ回路421の3レグのうち中間レグが、その不均等な状態の調整役を担っている。
【0065】
このような電力変換システム100によれば、単相2線で自立出力を提供する既存の発電システムを安定して生かしながら、その自立出力と、単相3線で自立出力する他の蓄電可能な分散型電源とを互いに接続して、安定した電力変換システム100を提供することができる。
【0066】
直流電源を蓄電池3とすることにより、上記のU相に供給できる電力が負荷の消費電力を上回る場合には、W相が放電による電力供給をしていても、U相では蓄電池に充電を行うことができる。
【0067】
第2交流電路10への電力供給源としては太陽光発電又は燃料電池発電等の、自立出力可能な分散型電源を用いることができる。
第1線と中性線との間、及び、第2線と中性線との間に、それぞれ第1負荷71及び第2負荷72が接続されているとすると、分散型電源の自立出力に連系するように、電力変換部41を動作させることで、U相及びW相が独立して第1負荷71及び第2負荷72に電力を供給することができる。
例えば、第1負荷71の消費電力よりも第2交流電路10の供給電力が大きい場合、制御部418は、供給電力の少なくとも一部を蓄電池3に充電しつつ、第2負荷72には蓄電池3の放電により電力を供給するよう電力変換部41を制御することができる。
【0068】
また、電力変換システム100は、第1交流電路9とは別に、系統連系用の単相3線の第3交流電路8を有することにより、商用電力系統が正常なときは、系統連系運転を行い、商用電力系統の停電時には、単相2線の自立出力と連系して自立運転を行うことができる。
【0069】
一方、方法の観点からは、蓄電池3と単相3線の交流電路9の間に設けられ、直流と単相3線の交流との間で電力変換を行う電力変換部41を含む電力変換システム100の自立運転制御方法である。
商用電力系統から解列された場合に、当該商用電力系統とは断路された自立出力用の単相3線の第1線(U又はW)、中性線(O)、第2線(W又はU)に対して、第1線と中性線との間に、単相2線の自立出力を引き込んで電力供給し、自立出力に連系し、かつ、自立出力を加味した上で電力変換部41を制御することにより、第1線と中性線との間の相電力と、第2線と中性線との間の相電力とを、互いに独立して出力するよう制御することができる。
【0070】
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0071】
1 太陽光発電パネル
2 電力変換装置
3 蓄電池
4 電力変換装置
5 分電盤
6 商用電力系統
7 負荷
8 交流電路(第3交流電路)
9 第1交流電路
10 第2交流電路
21 電力変換部
22 連系リレー
23 自立出力リレー
41 電力変換部
42 連系リレー
43 自立出力リレー
51 切替スイッチ
71 第1負荷
72 第2負荷
100 電力変換システム
200,300 分散型電源
201 直流側コンデンサ
202 直流リアクトル
203,204 スイッチング素子
205 中間コンデンサ
206,207,208,209 スイッチング素子
210,211 交流リアクトル
212,213 交流側コンデンサ
214 制御部
215 DC/DCコンバータ
216 DCバス
217 フルブリッジ回路
218 交流側電路
401 直流側コンデンサ
402 直流リアクトル
403,404 スイッチング素子
405 中間コンデンサ
406~411 スイッチング素子
412,413,414 交流リアクトル
415,416,417 交流側コンデンサ
418 制御部
419 DC/DCコンバータ
420 DCバス
421 フルブリッジ回路
422,423 電流センサ
424,425 電圧センサ
426 電圧センサ
427 計測器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14