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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】車両用灯具の防眩構造、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/70 20180101AFI20240228BHJP
   F21S 41/148 20180101ALI20240228BHJP
   F21S 41/155 20180101ALI20240228BHJP
   F21S 41/29 20180101ALI20240228BHJP
   F21S 41/365 20180101ALI20240228BHJP
   F21S 41/37 20180101ALI20240228BHJP
   F21S 41/39 20180101ALI20240228BHJP
   F21V 7/09 20060101ALI20240228BHJP
   F21V 7/10 20060101ALI20240228BHJP
   F21W 102/155 20180101ALN20240228BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240228BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240228BHJP
【FI】
F21S45/70
F21S41/148
F21S41/155
F21S41/29
F21S41/365
F21S41/37
F21S41/39
F21V7/09 510
F21V7/10 100
F21W102:155
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020137400
(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公開番号】P2021103677
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2019233074
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小川 敏広
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-023182(JP,A)
【文献】特開2000-243118(JP,A)
【文献】特開2003-249103(JP,A)
【文献】特開2000-133010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/70
F21S 41/00
F21V 7/09
F21V 7/10
F21W 102/155
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、前記灯室内に配置されている複数個のランプユニットとを備え、
前記ランプユニットは、防眩構造を有する立壁を介在して横並びの隣り合わせに配置され、
前記ランプユニットは、光源と、リフレクタとを有し、
前記リフレクタは、前記光源からの光を反射させる反射面を有し、
前記防眩構造は、
前記立壁に、前記光の出射方向を長手方向として設けられている複数条の防眩エレメントを備え、
前記防眩エレメントは、前記立壁の前記反射面に向いている面に設けられ、
少なくとも1条の前記防眩エレメントは、前記長手方向において、複数の傾斜面より構成され、隣り合う傾斜面は、前記長手方向において、それぞれ別の角度を有し、
前記傾斜面は、前記光源からの光を前記反射面以外の方向に反射する、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
複数個の前記傾斜面のうち少なくとも1個は、三角柱形状をなしている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記傾斜面の三角柱の面は、平面もしくは曲面から形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記立壁は、前記リフレクタの一側に一体に設けられ
記車両用灯具の防眩構造の傾斜面は、前記光源に近い部分であって、少なくとも前記立壁の所定の位置から前記光の反射方向に対して反対側の部分に設けられていて、
前記立壁の所定の位置は、前記光源を通り、かつ、前記反射面の光軸に対して垂直な直線が交わる位置である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記リフレクタは、光を所定の配光として反射させる前記反射面を有し、
前記立壁は、前記リフレクタと別体構造をなす、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の防眩構造に関する。また、この発明は、防眩構造を備える車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
このような車両用灯具の防眩構造、車両用灯具としては、たとえば、特許文献1、特許文献2に示すものがある。
【0003】
特許文献1の車輌用灯具は、発光素子と、発光素子からの光を所定の方向に向かうように反射させる反射部と、を備え、反射部に仕切部を設け、仕切部に拡散部を設け、発光素子からの光を仕切部の拡散部で拡散光として拡散させるものである。また、特許文献1の車輌用灯具は、反射部と外縁部の間における上面側に拡散部を設け、発光素子からの光を上側面の拡散部で拡散光として拡散させるものである。これにより、特許文献1の車輌用灯具は、幻惑光の発生を抑制するものである。
【0004】
また、特許文献2の車両用前照灯は、バルブと、バルブから出射された光を前方へ反射させるリフレクタと、エクステンションと、を備え、エクステンションの内周面が湾曲凸面状に形成されていて、バルブからの直接光やリフレクタからの反射光が湾曲凸面状の内周面に入射すると、拡散されつつ前方へ反射されるものである。これにより、特許文献2の車両用前照灯は、グレアを抑制するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-59315号公報
【文献】特開2012-181979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、車輌用灯具、車両用前照灯においては、幻惑光の発生、グレアを抑制して、防眩効果を向上させることが重要である。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、防眩効果を向上させることができる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の車両用灯具の防眩構造は、光を出射する車両用灯具の防眩構造であって、基部材と、基部材に、光の出射方向を長手方向として設けられている複数条の防眩エレメントと、を備え、少なくとも1条の防眩エレメントが、長手方向において、複数の傾斜面により構成されていて、隣り合う傾斜面が、長手方向において、それぞれ別の角度を有する、ことを特徴とする。
【0009】
この発明の車両用灯具の防眩構造において、複数個の傾斜面のうち少なくとも1個が、三角柱形状をなしている、ことが好ましい。
【0010】
この発明の車両用灯具の防眩構造において、傾斜面の三角柱の面が、平面もしくは曲面から形成されている、ことが好ましい。
【0011】
この発明の車両用灯具は、灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている光源、リフレクタおよびこの発明の車両用灯具の防眩構造と、を備え、リフレクタが光源からの光を反射させる反射面を有し、車両用灯具の防眩構造の基部材が、リフレクタと一体構造をなす、ことを特徴とする。
【0012】
この発明の車両用灯具において、基部材が、リフレクタの一側に一体に設けられている立壁であり、車両用灯具の防眩構造の傾斜面が、光源に近い部分であって、少なくとも立壁の所定の位置から光の反射方向に対して反対側の部分に設けられていて、立壁の所定の位置が、光源を通り、かつ、反射面の光軸に対して垂直な直線が交わる位置である、ことが好ましい。
【0013】
この発明の車両用灯具は、灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている光源、リフレクタおよびこの発明の車両用灯具の防眩構造と、を備え、リフレクタが、光を所定の配光として反射させる反射面を有し、車両用灯具の防眩構造の基部材が、リフレクタと別体構造をなす、ことを特徴とする。
【0014】
この発明の車両用灯具は、灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている複数個のランプユニットおよびこの発明の車両用灯具の防眩構造と、を備え、複数個のランプユニットが、それぞれ、光を出射し、かつ、光の出射方向にずれて配置されていて、車両用灯具の防眩構造の基部材が、隣り合うランプユニットの間に配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明の車両用灯具の防眩構造、車両用灯具は、防眩効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具の実施形態1を示す正面図(車両の前側から後側を見た図)である。
図2図2は、車両用灯具の光源、リフレクタおよび防眩構造を示す斜視図である。
図3図3は、車両用灯具の防眩構造の要部を示す一部拡大斜視図である。
図4図4は、車両用灯具の防眩構造の要部を示す一部拡大横断面図(図3におけるIV-IV線断面図)である。図4(A)は、傾斜面の三角柱の面が平面から形成されている例を示す一部拡大横断面図である。図4(B)は、傾斜面の三角柱の面が曲面から形成されている例を示す一部拡大横断面図である。図4(C)は、この発明の防眩構造を実施していないシリンドリカル凸曲面の例を示す一部拡大横断面図である。
図5図5は、車両用灯具の防眩構造の要部を示す説明図である。図5(A)は、要部(立壁、シリンドリカル凸曲面および傾斜面の三角柱の平面)を示す一部拡大縦断面説明図(図3におけるV-V線断面図)である。図5(B)は、傾斜面の三角柱の平面からの反射光の光路、および、シリンドリカル凸曲面からの反射光の光路、を示す一部拡大縦断面説明図である。
図6図6は、車両用灯具のランプユニットの水平方向の幅を示す説明図である。図6(A)は、立壁が設けられている車両用灯具のランプユニットの水平方向の幅を示す説明図である。図6(B)は、立壁が設けられていない車両用灯具のランプユニットの水平方向の幅を示す説明図である。
図7図7は、ロービーム配光パターンを示す説明図である。図7(A)は、ロービーム配光パターンのうち、中央部分の高光度帯の配光パターンを示す説明図である。図7(B)は、ロービーム配光パターンのうち、拡散配光パターンを示す説明図である。図7(C)は、中央部分の高光度帯の配光パターンと拡散配光パターンとを重畳したロービーム配光パターンを示す説明図である。
図8図8は、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具の実施形態2を示す一部縦断面図である。
図9図9は、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具の実施形態3を示す一部平面図(車両の上側から下側を見た図)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具の実施形態(実施例)の3例を図面に基づいて詳細に説明する。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。図面において、符号「F」は「前」、「B」は「後」、「U」は上、「D」は「下」、「L」は「左」、「R」は「右」である。
【0018】
また、図7において、符号「VU-VD」は、スクリーンの上下垂直線を示す。符号「HL-HR」は、スクリーンの左右水平線を示す。
【0019】
なお、図面は、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具を示す概略図であるから、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具の詳細な部分は、図面においては省略されている。また、図4および図5においては、ハッチングが省略されている。
【0020】
(実施形態1の構成の説明)
図1から図7は、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具の実施形態1を示す。以下、この実施形態1にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具の構成について説明する。
【0021】
図1図2および図6中、符号1は、この実施形態1にかかる車両用灯具(以下、単に「車両用灯具」と称する)である。車両用灯具1は、この例では、車両用前照灯である。
【0022】
(車両用灯具1の説明)
車両用灯具1は、車両(図示せず)の前部の左右両側にそれぞれ装備される。以下、車両の左側に装備される車両用灯具1について説明する。ここで、車両の左側に装備される車両用灯具1において、車両の外側は、左側となり、一方、車両の内側は、右側となる。なお、車両の右側に装備される車両用灯具は、車両の左側に装備される車両用灯具1の構成とほぼ左右対称である。このために、車両の右側に装備される車両用灯具の説明を省略する。
【0023】
車両用灯具1は、図1に示すように、ランプハウジング10、ランプレンズ11およびインナーパネル(エクステンション)13と、複数個のランプユニット2、3、4と、を備える。
【0024】
ランプハウジング10は、たとえば、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。ランプレンズ11は、たとえば、光透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。ランプレンズ11の閉塞部分は、意匠面を形成する。ランプレンズ11の意匠面は、車両の前部の意匠面に沿う。
【0025】
ランプハウジング10の開口縁とランプレンズ11の開口縁とは、固定されている。これにより、灯室12が形成されている。灯室12内には、インナーパネル13および複数個のランプユニット2、3、4が配置されている。インナーパネル13は、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。インナーパネル13は、複数個のランプユニット2、3、4の周囲を囲んでいる。
【0026】
(複数個のランプユニット2、3、4の説明)
複数個のランプユニット2、3、4は、第1ランプユニット2、第2ランプユニット3および第3ランプユニット4である。
【0027】
第1ランプユニット2は、この実施形態1にかかる車両用灯具の防眩構造である。第1ランプユニット2は、図7(A)に示すように、所定の配光パターンであって、ロービーム配光パターン(すれ違い用配光パターン)LPのうち、中央部分の高光度帯の配光パターン(集光の配光パターン)の第1配光パターンLP1を車両の前方に照射する。
【0028】
第1配光パターンLP1は、上縁の斜めカットオフラインCL1と、上縁の水平カットオフラインCL2と、エルボー点Eと、を有する。エルボー点Eは、斜めカットオフラインCL1と水平カットオフラインCL2との交点である。
【0029】
第2ランプユニット3は、第1ランプユニット2と立壁7を介在させて隣り合わせに配置されている。なお、この例においては、第2ランプユニット3は、第1ランプユニット2の右側に配置されている。
【0030】
第2ランプユニット3は、図7(B)に示すように、ロービーム配光パターンLPのうち、拡散配光パターンの第2配光パターンLP2を車両の前方に照射する。第2配光パターンLP2は、上縁の水平カットオフラインCL3を有する。
【0031】
第1ランプユニット2の水平方向の幅W2は、第2ランプユニット3の水平方向の幅W3よりも狭い。
【0032】
第3ランプユニット4は、第2ランプユニット3と立壁8を介在させて隣り合わせに配置されている。なお、この例においては、第3ランプユニット4は、第2ランプユニット3の右側に配置されている。
【0033】
第3ランプユニット4は、図示されていないハイビーム配光パターンを車両の前方に照射する。ハイビーム配光パターンは、中央部分のホットゾーン(最高光度を含む高光度帯)を有する。
【0034】
(その他のランプユニットおよびその他の部材の説明)
灯室12内には、複数個のランプユニット2、3、4以外のその他のランプユニット(図示せず)およびその他の部材(図示せず)が配置されている。
【0035】
その他のランプユニットは、たとえば、ポジションランプユニット、デイタイムランニングランプユニット、ターンシグナルランプユニットなどである。また、その他の部材は、たとえば、インナーパネル、インナーハウジング、インナーレンズ、カバー部材などである。
【0036】
(第1ランプユニット2の説明)
第1ランプユニット2は、図2に示すように、光源5と、リフレクタ6と、立壁7と、を備える。
【0037】
光源5は、この例では、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型発光素子(半導体発光素子)タイプの光源である。なお、図2図6において、光源5は、発光面の中心を示す。
【0038】
光源5には、遮蔽部材(シェード部材)50が設けられている。遮蔽部材50は、光源5からの直射光(図示せず)が直接車両前方に照射されたり、リフレクタ6以外の部品に入射したりするのを防止するものである。
【0039】
リフレクタ6は、光源5からの光L1(図2図4(A)、(B)、(C)、図5(B)、図6(A)、(B)中の実線矢印を参照)を反射光L2(図2図6(A)、(B)中の実線矢印を参照)として反射させる反射面60を有する。反射面60は、回転放物面を基本とする自由曲面から構成されている。回転放物面の回転軸は、反射面60の光軸Zである。
【0040】
反射面60は、複数個のセグメントに分割されている。反射面60の複数個のセグメントは、それぞれ、光源5からの光L1を反射光L2として制御させて車両の前方に反射させる。反射面60の複数個のセグメントは、反射光L2により、第1配光パターンLP1を形成する。
【0041】
リフレクタ6の一側、この例では、右側には、立壁7が一体に設けられている。立壁7は、防眩構造の基部材である。立壁7の光源5および反射面60側に向いている面には、防眩構造の防眩エレメントとしてのシリンドリカル凸曲面70が設けられている。
【0042】
シリンドリカル凸曲面70は、前後方向、すなわち、反射光L2の反射方向(光の出射方向)を長手方向LDとして、上下に複数条設けられている。シリンドリカル凸曲面70は、光源5からの光L1を反射光L3(図2図4(A)、(B)、(C)、図5(B)、図6(A)中の破線矢印を参照)として反射させる。
【0043】
シリンドリカル凸曲面70からの反射光L3は、図2図4(A)、(B)、(C)、図6(A)に示すように、シリンドリカル凸曲面70の長手方向LDにおいて、反射方向が揃った反射光L3となる。一方、シリンドリカル凸曲面70からの反射光L3は、図5(B)に示すように、シリンドリカル凸曲面70の湾曲方向(長手方向LDに対して交差する方向)において、発散(拡散)された反射光L3となる。
【0044】
リフレクタ6の底側には、防眩構造の基部材である底壁71が一体に設けられている。底壁71には、防眩エレメントとしてのシリンドリカル凸曲面72が設けられている。底壁71のシリンドリカル凸曲面72は、立壁7のシリンドリカル凸曲面70と同様の構成をなしている。
【0045】
なお、図6(A)、(B)に示すように、立壁7を設けたリフレクタ6の水平方向の幅W2(すなわち、第1ランプユニット2の水平方向の幅W2)は、例えば、立壁7を設けていないリフレクタ600の水平方向の幅W1(すなわち、ランプユニット200の水平方向の幅W1)よりも狭い。
【0046】
第1ランプユニット2のリフレクタ6の水平方向の幅W2は、リフレクタ6の他側の端61から立壁7の端(一側の端)75までの間である。一方、ランプユニット200のリフレクタ600の水平方向の幅W1は、リフレクタ600の他側の端61から一側の端62までの間である。
【0047】
第1ランプユニット2のリフレクタ6において、光源5からの光L1は、リフレクタ6の一側に設けられた立壁7において、反射光L3あるいは反射光L4(図6(A)中の実線矢印を参照)として反射する。一方、ランプユニット200のリフレクタ600において、光源5からの光L1は、立壁7が設けられていないリフレクタ600の一側の反射面60において反射光L2として反射する。
【0048】
(防眩構造における傾斜面9の説明)
防眩構造は、基部材としての立壁7と、防眩エレメントとしてのシリンドリカル凸曲面70と、を備える。
【0049】
複数条のシリンドリカル凸曲面70のうち、光源5に近い最上位から4つまでの4条のシリンドリカル凸曲面70は、図3に示すように、長手方向LDにおいて、4個の部分9に分割されている。
【0050】
4個の傾斜面9は、シリンドリカル凸曲面70のうち、光源5に近い範囲に、設けられている。すなわち、4個の傾斜面9は、シリンドリカル凸曲面70のうち、所定の位置73、730(図6(A)参照)から後方側の部分に、設けられている。
【0051】
隣り合う傾斜面9は、図4(A)、(B)に示すように、長手方向LDにおいて、屈曲している。全ての傾斜面9は、図2図3図5(A)、(B)に示すように、三角柱形状をなしている。傾斜面9の三角柱の面は、図4(A)、(B)に示すように、平面もしくは曲面から形成されている。なお、曲面は、図4(B)に示すように、長手方向LDにおいて、凸曲面や凹曲面をなす。
【0052】
傾斜面9は、光源5からの光L1を制御する光制御部を構成する。すなわち、傾斜面9は、光源5からの光L1を制御した反射光L4(図2図4(A)、(B)、図5(B)、図6(A)中の実線矢印を参照)として反射面60以外の方向に反射させる。
【0053】
このように、傾斜面9は、光源5からの光L1を反射面60以外の方向に反射させる三角柱の面から構成されている。三角柱は、頂角と、頂角からシリンドリカル凸曲面70を挟み込む2つの面と、からなる。なお、三角柱の頂角は、金型成形上、半径がシリンドリカル凸曲面70よりも小さい曲面からなる。
【0054】
傾斜面9は、三角柱の2つの面のうち、光源5に対向していて、光源5からの光L1が直接入射する1つの面が、光源5からの光L1を制御する面(光制御部)であれば良い。
【0055】
なお、傾斜面9を有するシリンドリカル凸曲面70の数は、この例の4条に限定されない。すなわち、傾斜面9を有するシリンドリカル凸曲面70の数は、少なくとも1条(1条から3条、5条以上)であれば良い。
【0056】
また、1条のシリンドリカル凸曲面70における傾斜面9の個数は、この例の4個に限定されない。すなわち、1条のシリンドリカル凸曲面70における傾斜面9の個数は、複数個(2個、3個、5個以上)であれば良い。
【0057】
さらに、三角柱形状をなしている傾斜面9は、この例の全てに限定されない。すなわち、傾斜面9のうち、任意の傾斜面9が三角柱形状をなしているものであれば良い。
【0058】
さらにまた、光制御部を構成する傾斜面9は、三角柱の2つの面のうち、光源5に対向していて、光源5からの光L1が直接入射する1つの面が、光源5からの光L1を制御する光制御部であれば良い。
【0059】
さらにまた、底壁71のシリンドリカル凸曲面72にも、立壁7のシリンドリカル凸曲面70の防眩構造の傾斜面9と同様の防眩構造の傾斜面(図示せず)を設けても良い。この場合において、防眩構造は、基部材としての底壁71と、防眩エレメントとしてのシリンドリカル凸曲面72と、を備える。
【0060】
(傾斜面9が設けられている部分の説明)
傾斜面9は、図6(A)に示すように、光源5に近い部分であって、少なくとも立壁7の所定の位置73、730から後方側(光の反射方向に対して反対側)の部分に設けられている。立壁7の所定の位置73、730のうち前側の所定の位置73は、反射面60の他側の端61から、水平方向(左右の水平方向)に、かつ、反射面60の光軸Zに対して垂直に交差する方向に、引いた直線74が交わる位置である。また、立壁7の所定の位置73、730のうち後側の所定の位置730は、前記の直線74と平行であって、光源5を通り、かつ、光軸Zに対して垂直な直線740が交わる位置である。傾斜面9は、少なくとも、立壁7の所定の位置73、730のうち後側の所定の位置730から後方側の部分に設けられている。
【0061】
特に、立壁7の後側の所定の位置730から後方側の部分は、図6(A)に示すように、光源5から後側に放射された光L1が反射し、その反射光(図2図6(A)中の破線矢印の反射光L3を参照)が反射面60(光源5よりも前方側の部分の反射面60、すなわち、他側の端61と直線740との間の部分の反射面60)に入射して反射面60で制御されずに不制御の反射光L5(図2図6(A)中の破線矢印を参照)として反射される部分である。このため、少なくとも後側の所定の位置730から後方側の部分に傾斜面9を設けることが好ましい。なお、傾斜面9を設ける部分は、少なくとも後側の所定の位置730から後方側の部分であるから、後側の所定の位置730の近傍部分、すなわち、後側の所定の位置730から前方側の部分が若干含まれていても良い。
【0062】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0063】
第1ランプユニット2の光源5を点灯発光させる。すると、光源5から放射された光L1の大部分は、反射面60の複数個のセグメントにおいて反射光L2として制御されて車両の前方に反射される。これにより、第1ランプユニット2は、所定の配光パターン、すなわち、図7(A)に示す第1配光パターンLP1を車両の前方に照射する。
【0064】
第1ランプユニット2の光源5の点灯発光と同時に、第2ランプユニット3の光源(図示せず)を点灯発光させる。すると、第2ランプユニット3は、所定の配光パターン、すなわち、図7(B)に示す第2配光パターンLP2を車両の前方に照射する。第1ランプユニット2からの第1配光パターンLP1と第2ランプユニット3からの第2配光パターンLP2とが重畳されて、図7(C)に示すロービーム配光パターンLPが車両の前方に照射される。
【0065】
第3ランプユニット4の光源(図示せず)を点灯発光させると、第3ランプユニット4は、所定の配光パターン、すなわち、図示しないハイビーム配光パターンを車両の前方に照射する。
【0066】
ランプユニット2において、光源5からの光L1であって、反射面60に入射せずに立壁7に向かった光L1の一部は、図2図4(A)、(B)、図5(B)、図6(A)に示すように、傾斜面9において制御されて、反射光L4として、反射面60以外の方向に反射する。
【0067】
ここで、傾斜面9で反射された反射光L4の向きは、図4(A)、(B)に示すように、それぞれの傾斜面9ごとに、別々の方向に向かって反射される。
【0068】
なお、立壁7に向かった光L1の残りは、シリンドリカル凸曲面70において、反射光L3(図4(A)、(B)、図5(B)中の破線矢印を参照)として発散反射(拡散反射)する。
【0069】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0070】
この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、最上位から4条のシリンドリカル凸曲面70を、長手方向LDにおいて、4個の傾斜面9に分割し、その4個の傾斜面9を、長手方向LDにおいて、屈曲させたものである。この結果、この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、図4(A)、(B)に示すように、長手方向LDにおいて、光源5からの光L1を、4個の傾斜面9で、それぞれの傾斜面9ごとに、別々の方向に向かっている反射光L4として反射させることができる。
【0071】
これに対して、傾斜面9を設けなかったシリンドリカル凸曲面70は、図4(C)に示すように、長手方向LDにおいて、光源5からの光L1を、向きが揃った反射光L3として反射させるものである。このように、この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、傾斜面9を設けなかったシリンドリカル凸曲面70(図4(C)を参照)と比較して、防眩効果を向上させることができる。
【0072】
ちなみに、この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、所定の配光パターン(第1配光パターンLP1)のシミュレーションにおいて、所定のゾーンの光度値が約70%減少することを確認できた。
【0073】
この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、傾斜面9が三角柱形状をなしているものであるから、図5(B)に示すように、長手方向LDに対して垂直な方向において、光源5から立壁7に向かった光L1の一部を、傾斜面9の三角柱形状の面で、反射光L4として、所定の方向(反射面60以外の方向)に反射させることができる。これに対して、シリンドリカル凸曲面70は、図5(B)に示すように、長手方向LDに対して垂直な方向において、光源5から立壁7に向かった光L1の一部を、反射光L3として、所定の方向以外の方向(反射面60の方向)にも反射させてしまう。
【0074】
このように、この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、傾斜面9が三角柱形状をなしているものであるから、シリンドリカル凸曲面70と比較して、光源5から立壁7に向かった光L1の一部を、所定の方向に確実に反射させることができ、防眩効果を向上させることができる。
【0075】
この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、傾斜面9が三角柱形状をなしているものであるから、構造が簡単であり、製造コストを安価にすることができる。
【0076】
この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、傾斜面9の三角柱の面が平面から形成されているものであるから、反射光L4を所定の方向に確実に反射させることができ、防眩効果を向上させることができる。
【0077】
この実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1は、傾斜面9の三角柱の面が曲面から形成されているものであるから、反射光L4の向きをそれぞれの傾斜面9ごとに、別々の方向に向けることができ、防眩効果を向上させることができる。
【0078】
この実施形態1にかかる車両用灯具1は、傾斜面9を、光源5に近い部分であって、立壁7の所定の位置73、730から後方側の部分に、設けたものであるから、所定の配光パターン(第1配光パターンLP1)に対して好ましくない不制御の反射光L5の発生を効率良く抑制することができる。すなわち、光源5に近いシリンドリカル凸曲面70から発散反射された反射光L3は、強い光(高光度の光)であり、不制御の反射光L5も、強い光(高光度の光)となる。しかしながら、この実施形態にかかる車両用灯具1は、傾斜面9を光源5の近くに設けたので、強い光の不制御の反射光L5の発生を抑制することができ、所定の配光パターン(第1配光パターンLP1)に対して好ましくない不制御の反射光L5の発生を効率良く抑制することができる。
【0079】
この実施形態1にかかる車両用灯具1は、傾斜面9を、複素条のシリンドリカル凸曲面70のうち、光源5から近い少なくとも1条この例では最上位から4条のシリンドリカル凸曲面70に、設けたものであるから、前記の通り、所定の配光パターン(第1配光パターンLP1)に対して好ましくない不制御の反射光L5の発生を効率良く抑制することができる。
【0080】
この実施形態1にかかる車両用灯具1は、傾斜面9を、光源5から近い少なくとも1条この例では最上位から4条、すなわち、最低限必要範囲のシリンドリカル凸曲面70に、設けたものであるから、傾斜面9とシリンドリカル凸曲面70とが混在する見栄えと、シリンドリカル凸曲面70のみの見栄えと、の間には、大差がない。すなわち、この実施形態にかかる車両用灯具1は、外部から視認しても意匠性を損なわない。
【0081】
この実施形態1にかかる車両用灯具1は、立壁7の光源5に対向する面にシリンドリカル凸曲面70を設けたものであるから、光源5から立壁7に向かった光L1を、シリンドリカル凸曲面70において反射光L3として発散反射(拡散反射)させることができる。この結果、この実施形態にかかる車両用灯具1は、立壁7にシリンドリカル凸曲面70を設けない車両用灯具と比較して、不制御の反射光L5の光度を減少させることができる。すなわち、この実施形態にかかる車両用灯具1は、所定の配光パターン(第1配光パターンLP1)に対して好ましくない不制御の反射光L5の発生を抑制することができる。
【0082】
ここで、図2図6(A)に示すように、反射面60のうち、光源5を通る鉛直断面と交わる反射面60すなわち光源5に近い反射面60は、強い光(高光度の光)を反射させて所定の配光パターン(第1配光パターンLP1)のうち、高光度帯の配光パターンを形成する。そして、立壁7は、光源5に近い反射面60に近接して位置し、かつ、光源5に近接する部分(後側の所定の位置730から後方側の部分)を有する。この結果、立壁7の光源5に近接する部分に、光源5からの強い光(高光度の光)が入射して、強い光(高光度の光)の不制御の反射光L5(図2図6(A)中の破線矢印を参照)が反射される。そこで、この実施形態1にかかる車両用灯具1は、立壁7の光源5に近接する部分に傾斜面9を設けるので、強い光(高光度の光)の不制御の反射光L5(図2図6(A)中の破線矢印を参照)の反射を抑制することができる。
【0083】
この実施形態1にかかる車両用灯具1は、リフレクタ6の一側に立壁7を設けたものであるから、図6(A)、(B)に示すように、リフレクタ6の水平方向の幅W2(すなわち、第1ランプユニット2の水平方向の幅W2)が、立壁7を設けていないリフレクタ600の水平方向の幅W1(すなわち、ランプユニット200の水平方向の幅W1)よりも狭い。この実施形態1にかかる車両用灯具1は、立壁7を設けて幅W2を狭くした第1ランプユニット2が、立壁7を設けずに幅W1を広いままにしたランプユニット200と比較して、ロービーム配光パターンLPのうち、中央部分の高光度帯の配光パターン(集光の配光パターン)、すなわち、第1配光パターンLP1を車両の前方に照射するのに適しているものである。
【0084】
(実施形態2の構成、作用、効果の説明)
図8は、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具の実施形態2を示す。以下、この実施形態2にかかる車両用灯具1Aの防眩構造、車両用灯具1Aの構成、作用、効果について説明する。
【0085】
この実施形態2にかかる車両用灯具1Aの防眩構造、車両用灯具1Aの構成部品においては、図8に示すように、前記の実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1の構成部品と同一名称もしくは同一物について、図1から図7中の符号に符号「A」を付す。
【0086】
この実施形態2にかかる車両用灯具1Aの防眩構造、車両用灯具1Aは、灯室12A内において、ランプレンズ11Aとリフレクタ6Aとの間にインナーパネル13Aを配置したものである。ランプレンズ11Aは、上側から下側に行くに従って、後側から前側に傾斜している。
【0087】
インナーパネル13Aは、防眩構造の基部材であって、リフレクタ6Aと別体構造をなしている。インナーパネル13Aは、上側の光源5Aに対して反対側の下側に配置されている。インナーパネル13Aの光源5Aおよび反射面60Aに向いている面には、シリンドリカル凸曲面70Aおよび傾斜面9Aが設けられている。傾斜面9Aは、平面90Aもしくは曲面91Aを有する。
【0088】
ここで、光源5Aからの光L1であって、反射面60Aで反射した反射光L2の一部が傾斜面のランプレンズ11Aの内面において反射光L6として反射する。この反射光L6は、インナーパネル13Aのシリンドリカル凸曲面70Aにおいて反射光L8として反射して、ランプレンズ11Aを透過して車両用灯具1Aの外部に出射する。
【0089】
また、反射光L6は、インナーパネル13Aの傾斜面9Aの平面90Aもしくは曲面91Aにおいて反射光L7として反射して、ランプレンズ11Aを透過して車両用灯具1Aの外部に出射する。
【0090】
この実施形態2にかかる車両用灯具1Aの防眩構造、車両用灯具1Aは、前記の実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1と、同様の作用効果を達成することができる。
【0091】
(実施形態3の構成、作用、効果の説明)
図9は、この発明にかかる車両用灯具の防眩構造、車両用灯具の実施形態3を示す。以下、この実施形態3にかかる車両用灯具1Bの防眩構造、車両用灯具1Bの構成、作用、効果について説明する。
【0092】
この実施形態3にかかる車両用灯具1Bの防眩構造、車両用灯具1Bの構成部品においては、図9に示すように、前記の実施形態1にかかる車両用灯具1の防眩構造、車両用灯具1の構成部品と同一名称もしくは同一物について、図1から図7中の符号に符号「B」を付す。
【0093】
この実施形態3にかかる車両用灯具1Bの防眩構造、車両用灯具1Bは、灯室12B内に第1ランプユニット2Bと、第2ランプユニット3Bと、インナーパネル13Bと、を配置するものである。
【0094】
第1ランプユニット2Bおよび第2ランプユニット3Bは、この例では、プロジェクタタイプのランプユニットである。第1ランプユニット2Bおよび第2ランプユニット3Bは、光源(図示せず)と、リフレクタ20B、30Bと、投影レンズ21B、31Bと、シェード(図示せず)と、ヒートシンク部材(図示せず)と、ホルダ22B、32Bと、から構成されている。
【0095】
第1ランプユニット2Bと第2ランプユニット3Bとは、前後方向(すなわち、第1ランプユニット2Bおよび第2ランプユニット3Bからの出射光L9の出射方向)にずれて配置されている。インナーパネル13Bは、後側の第1ランプユニット2Bと前側の第2ランプユニット3Bとの間に配置されている。
【0096】
インナーパネル13Bは、防眩構造の基部材である。インナーパネル13Aの後側に配置されている第1ランプユニット2Bに向いている面には、シリンドリカル凸曲面70Bおよび傾斜面9Bが設けられている。傾斜面9Bは、平面90Bもしくは曲面91Bを有する。
【0097】
ここで、第1ランプユニット2Bから出射された出射光L9は、インナーパネル13Bのシリンドリカル凸曲面70Bにおいて反射光L11として反射して、ランプレンズ(図示せず)を透過して車両用灯具1Bの外部に出射する。
【0098】
また、出射光L9は、インナーパネル13Bの傾斜面9Bの平面90Bもしくは曲面91Bにおいて反射光L10として反射して、ランプレンズ(図示せず)を透過して車両用灯具1Bの外部に出射する。
【0099】
この実施形態3にかかる車両用灯具1Bの防眩構造、車両用灯具1Bは、前記の実施形態1、2にかかる車両用灯具1、1Aの防眩構造、車両用灯具1、1Aと、同様の作用効果を達成することができる。
【0100】
(実施形態1、2、3以外の例の説明)
なお、この発明は、前記の実施形態1、2、3により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0101】
1、1A、1B 車両用灯具
10 ランプハウジング
11、11A ランプレンズ
12、12A、12B 灯室
13、13A、13B インナーパネル(基部材)
2、2A、2B 第1ランプユニット
20B リフレクタ
21B 投影レンズ
22B ホルダ
200 ランプユニット
3、3B 第2ランプユニット
30B リフレクタ
31B 投影レンズ
32B ホルダ
4 第3ランプユニット
5、5A 光源
50 遮蔽部材
6、6A リフレクタ
60、60A 反射面
61 他側の端
62 一側の端
7 立壁(基部材)
70、70A、70B シリンドリカル凸曲面(防眩エレメント)
71 底壁
72 シリンドリカル凸曲面(防眩エレメント)
73、730 所定の位置
74、740 直線
75 立壁の端(一側の端)
8 立壁
9、9A、9B 傾斜面
90、90A、90B 平面
91、91A、91B 曲面
B 後
CL1 斜めカットオフライン
CL2 水平カットオフライン
CL3 水平カットオフライン
D 下
E エルボー点
F 前
HL-HR 左右水平線
L 左
L1 光(光源5からの光)
L2 反射光(反射面60、60Aからの反射光)
L3 反射光(シリンドリカル凸曲面70からの反射光)
L4 反射光(傾斜面9の平面90、曲面91からの反射光)
L5 反射光(反射面60からの不制御の反射光)
L6 反射光(ランプレンズ11Aからの反射光)
L7 反射光(傾斜面9Aの平面90A、曲面91Aからの反射光)
L8 反射光(シリンドリカル凸曲面70Aからの反射光)
L9 出射光(第1ランプユニット2Bからの出射光)
L10 反射光(傾斜面9Bの平面90B、曲面91Bからの反射光)
L11 反射光(シリンドリカル凸曲面70Bからの反射光)
LD 長手方向
LP ロービーム配光パターン
LP1 第1配光パターン(中央部分の高光度帯の配光パターン)
PP2 第2配光パターン(拡散配光パターン)
R 右
U 上
VU-VD 上下垂直線
W1 幅
W2 幅
W3 幅
Z 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9