特許 7444015 トレイ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-02-27

(45)【発行日】2024-03-06

(54)【発明の名称】トレイ

(51)【国際特許分類】

   B65D 21/032 20060101AFI20240228BHJP

   B65D 5/24 20060101ALI20240228BHJP

【ＦＩ】

B65D21/032

B65D5/24 E

【請求項の数】 3

(21)【出願番号】P 2020169882

(22)【出願日】2020-10-07

(65)【公開番号】P2022061747

(43)【公開日】2022-04-19

【審査請求日】2023-01-12

(73)【特許権者】

【識別番号】000122298

【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001807

【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所

(72)【発明者】

【氏名】夏川 準司

(72)【発明者】

【氏名】中路 哲也

【審査官】矢澤 周一郎

(56)【参考文献】

【文献】米国特許出願公開第２０２０／０１８０８１４（ＵＳ，Ａ１）

【文献】実公昭４８－０２６２７０（ＪＰ，Ｙ１）

【文献】国際公開第２０１１／１３８７０９（ＷＯ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６５Ｄ ２１／０３２

Ｂ６５Ｄ ５／２４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

底板と、
前記底板の前後の縁部に立ち上げられた前後の端壁と、
前記底板の左右の縁部に立ち上げられた左右の側壁と、
前記端壁の上縁部から内側に突出している桟板と、
前記桟板の先端縁部に連設され、前記端壁の内面側に折り返された支持板と、備え、
前記支持板の下縁部は、前記端壁の内面に接しているとともに、
前記支持板の左右の縁部に突設された係合部が、前記側壁に形成された係合穴に挿入されており、
隣り合う前記端壁の側縁部と前記側壁の側縁部とに連設され、折り畳まれた状態で前記側壁の外面に重ねられた中間板を備え、
前記中間板の上縁部には、前記側壁よりも内側に突出した角桟板が連設されていることを特徴とするトレイ。

【請求項2】

請求項１に記載のトレイであって、
前記桟板の左右方向の端部は、前記角桟板の上面に重ねられているとともに、
前記支持板の左右方向の端部は、前記角桟板の下面に重ねられていることを特徴とするトレイ。

【請求項3】

底板と、
前記底板の前後の縁部に立ち上げられた前後の端壁と、
前記底板の左右の縁部に立ち上げられた左右の側壁と、
前記端壁の上縁部から内側に突出している桟板と、
前記桟板の先端縁部に連設され、前記端壁の内面側に折り返された支持板と、備え、
前記支持板の下縁部は、前記端壁の内面に接しているとともに、
前記支持板の左右の縁部に突設された係合部が、前記側壁に形成された係合穴に挿入されており、
前記支持板には、
前記桟板に連設された本体部と、
前記本体部の左右の縁部に折れ線を介して連設された左右の側端部と、が形成されていることを特徴とするトレイ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、トレイに関する。

【背景技術】

【0002】

段ボール製のトレイとしては、底板と、前後の端壁と、左右の側壁と、端壁の上縁部から内側に突出している桟板と、を備え、桟板の左右の縁部に連設された外板の下端部が、側壁の係合穴に差し込まれているものがある（例えば、特許文献１参照）。
前記したトレイでは、組み立て時に端壁に対して桟板を内側に折り曲げたときに、桟板とともに外板が回動し、外板の下端部は斜め下方に向けて移動しながら側壁の差込穴に差し込まれる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】実用新案登録第３２００５１２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

前記した従来のトレイでは、これを移動させたり、持ち上げたりするために、桟板を掴んで上方に引き上げたときに、外板の下端部が斜め上方に向けて移動して差込穴から抜け易いという問題がある。

【0005】

本発明は、前記した問題を解決し、上下方向の力に対する桟板の強度を高めることができるトレイを提供することを課題とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

前記課題を解決するため、本発明は、底板と、前記底板の前後の縁部に立ち上げられた前後の端壁と、前記底板の左右の縁部に立ち上げられた左右の側壁と、を備えるトレイである。また、前記トレイは、前記端壁の上縁部から内側に突出している桟板と、前記桟板の先端縁部に連設され、前記端壁の内面側に折り返された支持板と、備えている。前記支持板の下縁部は、前記端壁の内面に接しているとともに、前記支持板の左右の縁部に突設された係合部が、前記側壁に形成された係合穴に挿入されている。

【0007】

本発明のトレイでは、桟板に連設された支持板の係合部と、側壁の係合穴とが横方向に連結されており、係合部が係合穴から上下方向に抜け難くなっている。したがって、桟板に対して上下方向への力が作用したときに、桟板を支持板によって確実に支持できる。

【0008】

本発明のトレイでは、桟板に連設された支持板の下縁部が端壁の内面に接しているため、桟板に対して下方への力が作用したときに、桟板を支持板によって支持できる。これにより、本発明のトレイに他のトレイや箱体を積み重ねたときに、桟板の上面によって他のトレイや箱体を安定して支持できる。

【0009】

前記したトレイには、隣り合う前記端壁の側縁部と前記側壁の側縁部とに連設され、折り畳まれた状態で前記側壁の外面に重ねられた中間板を設け、前記中間板の上縁部には、前記側壁よりも内側に突出した角桟板を連設することができる。

【0010】

この構成では、トレイの上側の開口部の隅部に角桟板が配置されるため、トレイに他のトレイや箱体を積み重ねたときに、他のトレイや箱体を桟板および角桟板の上面によって安定して支持できる。
また、側壁の外面に中間板が重ねられることで、トレイの側部が多層構造となるため、横方向からの力に対するトレイの強度を高めることができる。

【0011】

前記したトレイにおいて、前記桟板の左右方向の端部を、前記角桟板の上面に重ねるとともに、前記支持板の左右方向の端部を、前記角桟板の下面に重ねて、桟板の端部と支持板の端部との間に角桟板を挟み込むことで、桟板を安定させることが好ましい。

【0012】

前記支持板には、前記桟板に連設された本体部と、前記本体部の左右の縁部に折れ線を介して連設された左右の側端部と、を形成することができる。

【0013】

この構成では、端壁に対して支持板を折り曲げて、両側壁の間に支持板を入り込ませるときに、支持板の両側端部が本体部に対して折れ曲がるので、両側壁の間に支持板を容易に入り込ませることができ、ひいては、支持板の係合部を側壁の係合穴に容易に挿入できる。
また、支持板の係合部を側壁の係合穴に挿入した状態で、支持板の側端部が本体部に対して内側に向けて折れ曲がっている場合には、支持板が戻り難くなる。

【発明の効果】

【0014】

本発明のトレイでは、桟板に連設された支持板の係合部が、側壁の係合穴から上下方向に抜け難いとともに、支持板の下縁部が端壁の内面に接しているため、上下方向の力に対する桟板の強度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】本発明の実施形態に係るトレイを後方右上から見た斜視図である。

【図2】本発明の実施形態に係るトレイのブランクシートを示した図である。

【図3】本発明の実施形態に係るトレイの組み立て方法において、底板に対して端壁および側壁を立ち上げた状態を示した部分斜視図である。

【図4】本発明の実施形態に係るトレイの組み立て方法において、中間板を側壁に重ねた状態を示した部分斜視図である。

【図5】本発明の実施形態に係るトレイの組み立て方法において、桟板に対して支持板を折り返した状態を示した部分斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態のトレイを説明する上で便宜上設定したものであり、トレイの構成や使用状態を限定するものではない。

【0017】

本実施形態のトレイ１は、図１に示すように、底板１０と、底板１０に立ち上げられた前後の端壁２０，２０および左右の側壁３０，３０と、を備えている。また、トレイ１は、端壁２０の上縁部に連設された桟板４０と、桟板４０に連設された支持板５０を備えている。また、トレイ１は、側壁３０の外面に重ねられた中間板６０と、中間板６０の上縁部に連設された角桟板７０と、を備えている。

【0018】

トレイ１は、図２に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートＳを各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。図２に示すブランクシートＳは内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートＳの折れ線は、ブランクシートＳの表面を線状に押し込んで形成された罫線（押罫）である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートＳを折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続して線状に形成することで折れ線を構成してもよい。

【0019】

底板１０は、四角形に形成されている。底板１０の前後方向の縁部において、左右方向の中央部には連結穴１１が貫通している。

【0020】

前側の端壁２０は、図１に示すように、折れ線を介して底板１０の前縁部に連設されている。後側の端壁２０は、底板１０の後縁部に折れ線を介して連設されている。前後の端壁２０，２０は、底板１０の前後の縁部から上方に向けて延びている。前後の端壁２０，２０は、四角形の同じ形状に形成されている（図２参照）。

【0021】

端壁２０の上縁部において、左右方向の中央部には連結部２１が突出している。連結部２１は、トレイ１に他のトレイ１を積み重ねたときに、他のトレイ１の底板１０の連結穴１１に下側から差し込まれる部位である。

【0022】

左側の側壁３０は、折れ線を介して底板１０の左縁部に連設されている。右側の側壁３０は、底板１０の左縁部に折れ線を介して連設されている。左右の側壁３０，３０は、底板１０の左右の縁部から上方に向けて延びている。左右の側壁３０，３０は、略四角形の同じ形状に形成されている（図２参照）。

【0023】

側壁３０の上縁部において、前後の角部には、図２に示すように、前後の第一係合穴３１，３１が形成されている。第一係合穴３１は、側壁３０の角部を斜め下向きに窪ませた矩形の凹部である。

【0024】

トレイ１には、図１に示すように、前後左右の四つの中間板６０が設けられている。中間板６０は、隣り合う端壁２０と側壁３０とに連設されており、折り畳まれた状態で側壁３０の外面に重ねられている。中間板６０は、図２に示すブランクシートＳの状態では、略四角形に形成されている。四つの中間板６０は、ブランクシートＳの四つの角部に配置されている。

【0025】

中間板６０は、端壁２０の側縁部に折れ線を介して連設されるとともに、側壁３０の側縁部に折れ線を介して連設されている。
ブランクシートＳの状態において、中間板６０には、端壁２０の側縁部と側壁３０の側縁部とによって形成された角部の頂点から対角線上に延びている中間折れ線Ｌ６が形成されている。中間折れ線Ｌ６は、端壁２０の側縁部および側壁３０の側縁部に対してそれぞれ４５度の角度で傾斜している。
端壁２０の側縁部と側壁３０の側縁部とによって形成された角部に対して対角の関係にある角部には窪み部が形成されている。

【0026】

ブランクシートＳの状態において、中間板６０の側壁３０側の角部には、側壁３０の側縁部を対称軸として、側壁３０の第一係合穴３１と対称な形状の第二係合穴６１が形成されている。つまり、第二係合穴６１は、中間板６０の上側の角部を斜め下方に向けて窪ませた矩形の凹部である。

【0027】

ブランクシートＳの状態から、図３に示すように、底板１０に対して端壁２０および側壁３０を立ち上げると、中間板６０は、端壁２０および側壁３０に押し込まれて、中間折れ線Ｌ６において折れ曲がる。このとき、中間板６０は、外側から見て谷折りに折れ曲がる。

【0028】

本実施形態では、側壁３０と中間板６０との間の折れ線および中間折れ線Ｌ６は、それぞれ平行した二重の折れ線によって構成されている（図２参照）。このように、側壁３０と中間板６０との間の折れ線および中間折れ線Ｌ６が弱められている。
これにより、端壁２０および側壁３０を立ち上げたときに、中間板６０は、側壁３０と中間板６０との間の折れ線および中間折れ線Ｌ６が、端壁２０と中間板６０との間の折れ線よりも先に折れ曲がる。
したがって、底板１０に対して端壁２０および側壁３０を立ち上げると、折り畳まれた左右の中間板６０，６０が端壁２０の左右の縁部から外側に張り出した状態となる。

【0029】

さらに、図４に示すように、折り畳まれた中間板６０を側壁３０側に折り曲げて、中間板６０を側壁３０の外面に重ねる。このとき、側壁３０の第一係合穴３１の外側に、中間板６０の第二係合穴６１が重なり、第一係合穴３１と第二係合穴３２とが左右方向に連通する。

【0030】

トレイ１では、図１に示すように、側壁３０の外面の前後の部位にそれぞれ中間板６０，６０が重ねられている。つまり、トレイ１の両側部の前後の部位は、側壁３０と中間板６０とによって三層構造となっている。

【0031】

図４に示すように、中間板６０の上縁部には、内側に突出した角桟板７０が連設されている。角桟板７０は、側壁３０の外面に折り重ねられた中間板６０において最も外側に配置された部位の上縁部に連設されている。
角桟板７０は、中間板６０に対して内側に向けて直角に折り曲げられており、側壁３０の上縁部を越えて側壁３０の内側に突出している。
図１に示すように、トレイ１の上側の開口部の前後左右の四隅には、角桟板７０がそれぞれ配置されている。
また、角桟板７０の端壁２０側の端部には、左右方向の内側に向けて突出した突出部７１が形成されている。

【0032】

前側の端壁２０の上縁部には、図５に示すように、折れ線を介して前側の桟板４０が連設されている。桟板４０は、端壁２０の上縁部に沿って帯状に形成されている。桟板４０は、端壁２０に対して直角に折り曲げられており、端壁２０の上縁部から内側に向けて突出している。桟板４０の左右方向の両端部は、左右の角桟板７０，７０の上面に重ねられている。

【0033】

桟板４０の先端縁部（内縁部）には、図４に示すように、支持板５０が連設されている。支持板５０は、桟板４０の先端縁部に沿って帯状に形成されている。
支持板５０には、桟板４０の先端縁部に折れ線を介して連設された本体部５１と、本体部５１の左右の縁部に折れ線を介して連設された左右の側端部５２，５２と、が形成されている。側端部５２の桟板４０側の縁部は、スリットによって桟板４０から切り離されている。

【0034】

支持板５０は、図５に示すように、桟板４０に対して端壁２０の内面側に折り返されている。支持板５０の下端縁部（先端縁部）は、端壁２０の内面に接している。
支持板５０の側端部５２，５２の上縁部は、角桟板７０の下面に接している。トレイ１では、桟板４０の左右方向の端部と支持板５０の左右方向の側端部５２との間に角桟板７０が挟み込まれている。

【0035】

支持板５０の側端部５２において、側壁３０側の側縁部には、図４に示すように、係合部５３が突設されている。このように、支持板５０の左右の縁部には、左右の係合部５３，５３がそれぞれ突設されている。
係合部５３は、図５に示すように、側壁３０の第一係合穴３１および中間板６０の第二係合穴６１に挿入される部位である。

【0036】

トレイ１では、支持板５０において左右の係合部５３，５３が形成されている部位の左右方向の幅が、左右の側壁３０，３０の内面同士の間隔よりも大きく形成されている（図２参照）。
そのため、桟板４０に対して支持板５０を折り返して、支持板５０を両側壁１２，１２の間に入り込ませたときに、支持板５０の側縁部は側壁３０の内面に押し付けられる。
これにより、支持板５０は、両側端部５２，５２が本体部５１に対して内側に向けて折れ曲がった状態で、両側壁３０，３０の間に挟み込まれている。

【0037】

図１に示すように、後側の端壁２０には、前側の端壁２０と同様に、後側の桟板４０および支持板５０が連設されている。

【0038】

次に、本実施形態のトレイ１の組み立て方法について説明する。
本実施形態のトレイ１の前部と後部は、前後対称な構造であるため、以下の説明では、トレイ１の前部を組み立てる手順について説明し、後部を組み立てる手順については省略する。

【0039】

まず、図２に示すブランクシートＳの状態から、図３に示すように、底板１０に対して端壁２０および側壁３０を立ち上げる。このとき、中間板６０は、中間折れ線Ｌ６において二つ折りに折り畳まれる。

【0040】

続いて、図４に示すように、折り畳まれた中間板６０を側壁３０の外面に重ねる。これにより、側壁３０の第一係合穴３１と、中間板６０の第二係合穴６１とが連通する。
また、中間板６０に対して角桟板７０を内側に向けて折り曲げる。これにより、トレイ１の上側の開口部の隅部に角桟板７０が配置される。

【0041】

その後、図５に示すように、端壁２０に対して桟板４０を内側に向けて折り曲げて、桟板４０の左右方向の両端部を、左右の角桟板７０，７０の上面に重ねる。

【0042】

さらに、桟板４０に対して支持板５０を下方に向けて折り曲げて、支持板５０を両側壁３０，３０の間に入り込ませる。
このとき、支持板５０の両側端部５２，５２が本体部５１に対して折れ曲がることで、両側壁３０，３０の間に支持板を容易に入り込ませることができる。
そして、支持板５０の両側端部５２，５２を、左右の角桟板７０，７０の下面にそれぞれ重ねる。

【0043】

また、支持板５０の左右の係合部５３，５３を左右の第一係合穴３１，３１および第二係合穴６１，６１にそれぞれ挿入する。このとき、両側壁５２，５２の間に支持板５０を容易に入り込ませて、支持板５０の両係合部５３，５３を両第一係合穴３１，３１および両第二係合穴６１，６１にそれぞれ用意に挿入することができる。

【0044】

また、両側壁５２，５２の間に支持板５０を入り込ませたときに、支持板５０の側端部５２は本体部５１に対して内側に向けて折れ曲がっている。この状態で支持板５０が内側に戻ろうとすると、側端部５２が第一係合穴３１に対して内側に向けて確実に引っ掛かるため、支持板が戻り難くなる。
このようにして、図１に示すように、前後の桟板４０，４０を上側の開口部の前端部および後端部に形成して、トレイ１の組み立て作業を完了する。

【0045】

以上のようなトレイ１では、図５に示すように、桟板４０に連設された支持板５０の係合部５３と、側壁３０の第一係合穴３１および中間板６０の第二係合穴６１とが横方向に連結されている。そのため、係合部５３が第一係合穴３１および第二係合穴６１から上下方向に抜け難くなっている。さらに、本実施形態のトレイ１では、側壁３０の第一係合穴３１と中間板６０の第二係合穴６１とに係合部５３が深く差し込まれる。これにより、桟板４０に対して上下方向への力が作用したときに、桟板４０を支持板５０によって確実に支持できる。

【0046】

また、本実施形態のトレイ１では、桟板４０に連設された支持板５０の下縁部が端壁２０の内面に接しているため、桟板４０に対して下方への力が作用したときに、桟板４０を支持板５０によって支持できる。これにより、トレイ１に他のトレイ１や箱体を積み重ねたときに、桟板４０の上面によって他のトレイ１や箱体を安定して支持できる。

【0047】

このように、本実施形態のトレイ１では、桟板４０に連設された支持板５０の係合部５３が、側壁３０の第一係合穴３１から上下方向に抜け難いとともに、支持板５０の下縁部が端壁２０の内面に接しているため、上下方向の力に対する桟板４０の強度を高めることができる。

【0048】

また、本実施形態のトレイ１では、図１に示すように、上側の開口部の四隅に角桟板７０がそれぞれ配置されている。さらに、桟板４０の端部と支持板５０の端部との間に角桟板７０を挟み込むことで、桟板４０を安定させている。
したがって、本実施形態のトレイ１に他のトレイや箱体を積み重ねたときに、他のトレイ１や箱体を桟板４０および角桟板７０の上面によって安定して支持できる。

【0049】

また、本実施形態のトレイ１では、側壁３０の外面に折り畳まれた中間板６０が重ねられることで、トレイ１の側部が多層構造となっているため、横方向からの力に対するトレイ１の強度を高めることができる。

【0050】

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態のトレイ１では、図１に示すように、端壁２０と側壁３０とに連設された中間板６０が側壁３０の外面に重ねられているが、中間板６０を設けることなく、端壁２０と側壁３０とを連結してもよい。

【0051】

本実施形態のトレイ１では、支持板５０の係合部５３が、側壁３０の第一係合穴３１および中間板６０の第二係合穴６１に挿入されているが、側壁３０のみに係合穴を形成してもよい。または、折り畳まれた中間板６０の外側の部位にも係合穴を形成して、三つの係合穴を重ねてもよい。

【0052】

本実施形態のトレイ１では、前後の桟板４０，４０が設けられているが、前後一方のみに桟板４０を設けてもよい。

【0053】

本実施形態のトレイ１は段ボール製であるが、各種公知の板紙によってトレイを形成してもよい。

【符号の説明】

【0054】

１ トレイ
１０ 底板
１１ 連結穴
２０ 端壁
２１ 連結部
３０ 側壁
３１ 第一係合穴
３２ 第二係合穴
４０ 桟板
５０ 支持板
５１ 本体部
５２ 側端部
５３ 係合部
６０ 中間板
６１ 第二係合穴
７０ 角桟板
７１ 突出部
Ｓ ブランクシート

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】