(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ユーザーインターフェース装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04886 20220101AFI20240228BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G06F3/04886
B41J29/42 F
(21)【出願番号】P 2021025006
(22)【出願日】2021-02-19
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小崎 洋祐
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-084975(JP,A)
【文献】特開2019-114922(JP,A)
【文献】国際公開第2015/198747(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-04895
B41J 29/00-70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトキーを含む第1の操作画面を表示して、当該第1の操作画面に対する第1のユーザーのタッチ操作を受け付け、当該タッチ操作が行われた位置に関する情報を出力するタッチパネルと、
前記位置に関する情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記位置に関する情報に基づいて、前記タッチパネルが表示する後続の第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記位置と重なるように、前記ソフトキーの表示領域を設定する表示制御部と、を有する、ユーザーインターフェース装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記位置に関する情報に基づいて、前記タッチパネル上において第1のユーザーの接触領域を設定し、前記タッチパネルが表示する後続の第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記第1のユーザーの接触領域に含まれるように、前記ソフトキーの表示領域を設定する、請求項1に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項3】
前記第2の操作画面は、背景領域と当該背景領域上に配置されるソフトキーとを含み、
前記表示制御部は、前記ソフトキーのみを対象として前記第2の操作画面の表示レイアウトを設定する、請求項1または2に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項4】
前記第1の操作画面は、複数のユーザーが共通して使用する共通操作画面であり、
前記第2の操作画面は、前記第1のユーザーによってカスタマイズされたカスタム操作画面である、請求項1または2に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項5】
前記タッチパネルを操作しているユーザーに関する情報を取得するユーザー情報取得部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記ユーザーに関する情報に基づいて、前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに対する前記第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記第1のユーザーのタッチ操作が行われた位置と重ならないように、前記ソフトキーの表示領域を設定する、請求項1、2、または4に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記第2のユーザーに対する前記第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記第1のユーザーの接触領域と重ならないように、前記ソフトキーの表示領域を設定する、請求項5に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項7】
前記タッチパネルを操作しているユーザーに関する情報を取得するユーザー情報取得部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記第2の操作画面が第1のユーザーに対する操作画面である場合、前記第1のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるか否かを判定し、配置できないソフトキーがあると判定した場合、ソフトキーを配置できない旨を通知する、請求項1、2、4、5、または6に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記第2の操作画面が前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに対する操作画面である場合、前記第1のユーザーの接触領域外、かつ前記第2のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるか否かを判定し、配置できないソフトキーがあると判定した場合、ソフトキーを配置できない旨を通知する、請求項1、2、4、5、または6に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記第2の操作画面において、ソフトキーを配置できないことに対する対応案を前記タッチパネルに表示させる、請求項7または8に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項10】
前記第2の操作画面は、複数のユーザーが共通して使用する共通の操作画面であり、背景領域と当該背景領域上に配置された前記ソフトキーとを含み、
前記表示制御部は、前記第1のユーザーに対する前記第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記第1のユーザーの接触領域に含まれるように、前記第2の操作画面の表示レイアウトを設定する、請求項9に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項11】
ネットワーク上の他のユーザーインターフェース装置と通信する通信部と、
前記他のユーザーインターフェース装置のタッチパネル上において他のユーザーの接触領域に関する情報を取得する取得部と、をさらに有し、
前記表示制御部は、前記接触領域に関する情報に基づいて、前記他のユーザーインターフェース装置の前記第2の操作画面において、前記接触領域外にソフトキーを配置できるか否かを判定し、配置できると判定した場合、ソフトキーを配置できる前記他のユーザーインターフェース装置に関する情報を通知する、請求項9に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項12】
前記タッチパネルを操作しているユーザーに関する情報を取得するユーザー情報取得部をさらに有し、
ユーザー毎にカスタマイズされた複数のカスタム操作画面を記憶する操作画面記憶部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記第2の操作画面が第1のユーザーに対する操作画面である場合、前記第1のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるカスタム操作画面を、前記複数のカスタム操作画面から選択し、前記第2の操作画面として採用する、請求項9に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記第2の操作画面が前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに対する操作画面である場合、前記第1のユーザーの接触領域外、かつ前記第2のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるカスタム操作画面を、前記複数のカスタム操作画面から選択し、前記第2の操作画面として採用する、請求項12に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項14】
前記表示制御部は、前記第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記位置と重なるように、前記ソフトキーの表示領域の位置、サイズ、および形状を設定する、請求項1~13のいずれか1項に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項15】
前記表示制御部は、前記第1のユーザーによる複数回のタッチ操作について前記位置に関する情報を前記記憶部に記録し、前記複数回のタッチ操作についての前記位置に関する情報に基づいて、前記接触領域を設定する、請求項2に記載のユーザーインターフェース装置。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載のユーザーインターフェース装置と、
前記ユーザーインターフェース装置によって受け付けられた操作に応じて、原稿を読み取り、印刷画像データを生成する画像生成部と、
前記印刷画像データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を有する、画像形成装置。
【請求項17】
ソフトキーを含む操作画面を表示して、当該操作画面に対するユーザーのタッチ操作を受け付け、当該タッチ操作が行われた前記操作画面上の位置に関する情報を出力するタッチパネルを有するユーザーインターフェース装置の制御方法であって、
前記タッチパネルに第1の操作画面を表示するステップ(a)と、
前記第1の操作画面に対するユーザーのタッチ操作を受け付けるステップ(b)と、
前記タッチ操作が行われた位置に関する情報を記憶部に記憶するステップ(c)と、
前記記憶部に記憶された前記位置に関する情報に基づいて、前記タッチパネルが表示する後続の第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記位置と重なるように、前記ソフトキーの表示領域を設定するステップ(d)と、
を有する、制御方法。
【請求項18】
ソフトキーを含む操作画面を表示して、当該操作画面に対するユーザーのタッチ操作を受け付け、当該タッチ操作が行われた前記操作画面上の位置に関する情報を出力するタッチパネルを有するユーザーインターフェース装置の制御プログラムであって、
前記タッチパネルに第1の操作画面を表示するステップ(a)と、
前記第1の操作画面に対するユーザーのタッチ操作を受け付けるステップ(b)と、
前記タッチ操作が行われた位置に関する情報を記憶部に記憶するステップ(c)と、
前記記憶部に記憶された前記位置に関する情報に基づいて、前記タッチパネルが表示する後続の第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記位置と重なるように、前記ソフトキーの表示領域を設定するステップ(d)と、
を含む処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーインターフェース装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
公官庁、教育機関、企業等のオフィスや、コンビニエンスストア、プリントショップ等の店舗において、複数のユーザーによって共用される設備や機器は少なくない。例えば、ファクシミリ装置、コピー機、およびそれらを複合した機能を有する多機能周辺機器(MFP:Multi-Function Peripheral)等の画像形成装置は、オフィスや店舗において共用されることが多い。
【0003】
画像形成装置は、例えば、企業であれば、フロアや部署毎に設置され、複数のユーザーによって共用されることが多い。例えば、共用のコピー機を利用するユーザーは、コピー機のある場所まで移動し、コピー機のシートフィーダー、または読取面に原稿を載置し、タッチパネルのボタン(ソフトキー)を操作することより、指定したサイズおよび部数のコピーをコピー機に印刷させる。
【0004】
これに関連して、例えば、下記特許文献1には、タッチパネルを備え、複数のユーザーによって共用される情報処理装置が開示されている。この情報処理装置は、ログインしているユーザーの操作の仕方の傾向に応じて、タッチパネルに表示される画面の各操作ボタンの操作可能領域をずらすことにより、ユーザーの誤操作を防止することを目的としている。
【0005】
一般に、設備や機器を多数のユーザーによって共用することにより、設備や機器の稼働率が向上し、導入や運用にかかる諸経費や設置スペースを抑制できるメリットがある。しかしながら、設備や機器を操作する際に、複数のユーザーがタッチパネルに接触するため、ウィルス、細菌等に感染しているユーザーがいた場合、ウィルス、細菌等が付着したタッチパネルに他のユーザーが接触する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーが接触するタッチパネル上の領域を限定できるユーザーインターフェース装置、画像形成装置、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)ソフトキーを含む第1の操作画面を表示して、当該第1の操作画面に対する第1のユーザーのタッチ操作を受け付け、当該タッチ操作が行われた位置に関する情報を出力するタッチパネルと、前記位置に関する情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記位置に関する情報に基づいて、前記タッチパネルが表示する後続の第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記位置と重なるように、前記ソフトキーの表示領域を設定する表示制御部と、を有する、ユーザーインターフェース装置。
【0010】
(2)前記表示制御部は、前記位置に関する情報に基づいて、前記タッチパネル上において第1のユーザーの接触領域を設定し、前記タッチパネルが表示する後続の第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記第1のユーザーの接触領域に含まれるように、前記ソフトキーの表示領域を設定する、上記(1)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0011】
(3)前記第2の操作画面は、背景領域と当該背景領域上に配置されるソフトキーとを含み、前記表示制御部は、前記ソフトキーのみを対象として前記第2の操作画面の表示レイアウトを設定する、上記(1)または(2)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0012】
(4)前記第1の操作画面は、複数のユーザーが共通して使用する共通操作画面であり、前記第2の操作画面は、前記第1のユーザーによってカスタマイズされたカスタム操作画面である、上記(1)または(2)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0013】
(5)前記タッチパネルを操作しているユーザーに関する情報を取得するユーザー情報取得部をさらに有し、前記表示制御部は、前記ユーザーに関する情報に基づいて、前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに対する前記第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記第1のユーザーのタッチ操作が行われた位置と重ならないように、前記ソフトキーの表示領域を設定する、上記(1)、(2)、または(4)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0014】
(6)前記表示制御部は、前記第2のユーザーに対する前記第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記第1のユーザーの接触領域と重ならないように、前記ソフトキーの表示領域を設定する、上記(5)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0015】
(7)前記タッチパネルを操作しているユーザーに関する情報を取得するユーザー情報取得部をさらに有し、前記表示制御部は、前記第2の操作画面が第1のユーザーに対する操作画面である場合、前記第1のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるか否かを判定し、配置できないソフトキーがあると判定した場合、ソフトキーを配置できない旨を通知する、上記(1)、(2)、(4)、(5)、または(6)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0016】
(8)前記表示制御部は、前記第2の操作画面が前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに対する操作画面である場合、前記第1のユーザーの接触領域外、かつ前記第2のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるか否かを判定し、配置できないソフトキーがあると判定した場合、ソフトキーを配置できない旨を通知する、上記(1)、(2)、(4)、(5)、または(6)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0017】
(9)前記表示制御部は、前記第2の操作画面において、ソフトキーを配置できないことに対する対応案を前記タッチパネルに表示させる、上記(7)または(8)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0018】
(10)前記第2の操作画面は、複数のユーザーが共通して使用する共通の操作画面であり、背景領域と当該背景領域上に配置された前記ソフトキーとを含み、前記表示制御部は、前記第1のユーザーに対する前記第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記第1のユーザーの接触領域に含まれるように、前記第2の操作画面の表示レイアウトを設定する、上記(9)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0019】
(11)ネットワーク上の他のユーザーインターフェース装置と通信する通信部と、前記他のユーザーインターフェース装置のタッチパネル上において他のユーザーの接触領域に関する情報を取得する取得部と、をさらに有し、前記表示制御部は、前記接触領域に関する情報に基づいて、前記他のユーザーインターフェース装置の前記第2の操作画面において、前記接触領域外にソフトキーを配置できるか否かを判定し、配置できると判定した場合、ソフトキーを配置できる前記他のユーザーインターフェース装置に関する情報を通知する、上記(9)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0020】
(12)前記タッチパネルを操作しているユーザーに関する情報を取得するユーザー情報取得部をさらに有し、ユーザー毎にカスタマイズされた複数のカスタム操作画面を記憶する操作画面記憶部をさらに有し、前記表示制御部は、前記第2の操作画面が第1のユーザーに対する操作画面である場合、前記第1のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるカスタム操作画面を、前記複数のカスタム操作画面から選択し、前記第2の操作画面として採用する、上記(9)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0021】
(13)前記表示制御部は、前記第2の操作画面が前記第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに対する操作画面である場合、前記第1のユーザーの接触領域外、かつ前記第2のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるカスタム操作画面を、前記複数のカスタム操作画面から選択し、前記第2の操作画面として採用する、上記(12)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0022】
(14)前記表示制御部は、前記第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記位置と重なるように、前記ソフトキーの表示領域の位置、サイズ、および形状を設定する、上記(1)~(13)のいずれか1つに記載のユーザーインターフェース装置。
【0023】
(15)前記表示制御部は、前記第1のユーザーによる複数回のタッチ操作について前記位置に関する情報を前記記憶部に記録し、前記複数回のタッチ操作についての前記位置に関する情報に基づいて、前記接触領域を設定する、上記(2)に記載のユーザーインターフェース装置。
【0024】
(16)上記(1)~(15)のいずれか1つに記載のユーザーインターフェース装置と、前記ユーザーインターフェース装置によって受け付けられた操作に応じて、原稿を読み取り、印刷画像データを生成する画像生成部と、前記印刷画像データに基づいて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を有する、画像形成装置。
【0025】
(17)ソフトキーを含む操作画面を表示して、当該操作画面に対するユーザーのタッチ操作を受け付け、当該タッチ操作が行われた前記操作画面上の位置に関する情報を出力するタッチパネルを有するユーザーインターフェース装置の制御方法であって、前記タッチパネルに第1の操作画面を表示するステップ(a)と、前記第1の操作画面に対するユーザーのタッチ操作を受け付けるステップ(b)と、前記タッチ操作が行われた位置に関する情報を記憶部に記憶するステップ(c)と、前記記憶部に記憶された前記位置に関する情報に基づいて、前記タッチパネルが表示する後続の第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記位置と重なるように、前記ソフトキーの表示領域を設定するステップ(d)と、を有する、制御方法。
【0026】
(18)ソフトキーを含む操作画面を表示して、当該操作画面に対するユーザーのタッチ操作を受け付け、当該タッチ操作が行われた前記操作画面上の位置に関する情報を出力するタッチパネルを有するユーザーインターフェース装置の制御プログラムであって、前記タッチパネルに第1の操作画面を表示するステップ(a)と、前記第1の操作画面に対するユーザーのタッチ操作を受け付けるステップ(b)と、前記タッチ操作が行われた位置に関する情報を記憶部に記憶するステップ(c)と、前記記憶部に記憶された前記位置に関する情報に基づいて、前記タッチパネルが表示する後続の第2の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、前記位置と重なるように、前記ソフトキーの表示領域を設定するステップ(d)と、を含む処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ユーザーが接触するタッチパネル上の領域を限定できる。これにより、ウィルス、細菌等に感染しているユーザーがいた場合に、ウィルス、細菌等がタッチパネルに付着する領域が拡大することを防止または抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を例示する概略ブロック図である。
【
図2】画像形成装置の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。
【
図3】画像形成装置の初期状態の操作画面(カスタム操作画面)を例示する模式図である。
【
図4】画像形成装置の後続の操作画面(カスタム操作画面)を例示する模式図である。
【
図5】比較例として、通常モードで後続の操作画面を表示させた場合を例示する模式図である。
【
図6】画像形成装置の操作画面(共通操作画面)を例示する模式図である。
【
図7】画像形成装置の後続の操作画面(カスタム操作画面)を例示する模式図である。
【
図8】第3の実施形態に係る画像形成装置の構成を例示する概略ブロック図である。
【
図9】画像形成装置の操作画面(共通操作画面)を例示する模式図である。
【
図10】画像形成装置の後続の操作画面(カスタム操作画面)の表示レイアウトを例示する模式図である。
【
図11】比較例として、初期状態のカスタム操作画面の表示レイアウトを例示する模式図である。
【
図12】第4の実施形態における画像形成装置の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。
【
図13】後続の操作画面において、ソフトキーを配置できない旨の通知を例示する模式図である。
【
図14】ソフトキーを配置できないことに対する対応案を例示する模式図である。
【
図15】画像形成装置とネットワークで接続された他の画像形成装置を例示する模式図である。
【
図16】ソフトキーの表示を制限したカスタム操作画面の表示レイアウトを例示する模式図である。
【
図17】共通操作画面の表示レイアウトを例示する模式図である。
【
図18】他のカスタム操作画面の表示レイアウトを例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を例示する概略ブロック図である。
図1に示す画像形成装置100は、電子写真プロセスを利用した画像形成装置であり、読み取った原稿画像データに基づいて、記録媒体である用紙に画像を形成(印刷)するために使用される。画像形成装置100は、例えば、ファクシミリ装置、コピー機、およびそれらを複合した機能を有するMFPでありうる。
【0031】
画像形成装置100は、画像読取部110、画像処理部120、画像形成部130、通信部140、給紙部150、操作表示部160、および制御部170を有する。これらの構成要素は、バス101により接続されている。
【0032】
画像読取部110は、原稿を光学的に読取り、画像データ信号を生成する。画像読取部110は、光源、光学系、イメージセンサー、およびアナログ・ディジタル変換回路を有する。画像読取部110において、光源は、(R,G,B)各色の光を原稿に順次照射する。光学系は、複数のミラーおよび結像レンズを有しており、原稿からの反射光は光学系のミラーおよび結像レンズを通じてイメージセンサーに結像される。イメージセンサーは、(R,G,B)各色に対応する反射光をライン毎に読み取り、原稿からの反射光強度に応じて電気信号を生成する。生成された電気信号は、アナログ・ディジタル変換回路において、アナログ信号からディジタル信号に変換され、画像データ信号として、画像処理部120に送信される。
【0033】
画像処理部120は、上記画像データ信号に各種の画像処理を施し、印刷画像データを生成する。当該画像処理としては、例えば、シェーディング補正、γ補正、ライン間補正、色ずれ補正、拡大・縮小処理、色変換処理等が挙げられる。画像読取部110および画像処理部120は、画像生成部として機能する。
【0034】
画像形成部130は、印刷画像データに基づいて、電子写真プロセスにより画像を形成し、形成された画像を記録媒体としての用紙に定着する。より具体的には、画像形成部130は、帯電器により感光体を帯電させ、印刷画像データに基づいて、レーザー、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を使用して上記感光体に光を当てて静電潜像を形成する。そして、画像形成部130は、上記感光体上の静電潜像にトナーを付着させた後、用紙に転写する。
【0035】
用紙は、給紙部150によって給紙され、用紙搬送部によって画像形成部130に搬送される。トナーが転写された用紙は、搬送ベルトで定着器に搬送される。定着器は、用紙に転写されたトナーを加熱および加圧することにより溶着する。トナーが溶着されて画像が形成された用紙は、排紙トレイから画像形成装置100の外部に排出される。
【0036】
通信部140は、ネットワークを介して、他の装置と通信するためのインターフェースである。
【0037】
給紙部150は、少なくとも1つの給紙トレイを備え、画像形成部130に用紙を一枚ずつ供給する。
【0038】
操作表示部160は、表示装置と、タッチパッドのような位置入力装置と、を含むタッチパネルを備え、入力の受付と情報の表示とを並行して処理できる構造を有する。例えば、操作表示部160は、表示装置の操作画面にソフトウェアキー(以下、「ソフトキー」ともいう)を表示し、操作画面に対する操作者による入力(操作)を受け付けたり、各種設定、処理結果、警告、メッセージ等の情報を表示したりする。表示装置は、位置入力装置の背面に配置され、液晶ディスプレイ、有機発光ディスプレイ等を備えうる。また、位置入力装置は、抵抗膜式、静電容量式、表面弾性波式、赤外線式、および荷重検出式等のいずれかの方式を採用しうる。
【0039】
操作者は、タッチパネルの操作画面に表示されたソフトキーを操作することにより、画像形成装置100に対して印刷開始(スタート)、停止(ストップ)等の動作制御に関する指示、コピー設定等の情報の入力を行う。
【0040】
ソフトキーは、例えば、スタートキー、ストップキー、リセットキー、テンキー、ポップアップ内のOKボタン、キャンセルボタン等でありうる。より具体的には、操作者は、手指等を使用して画面上の特定のソフトキーに接触(または特定のソフトキーを押圧)することにより、特定のソフトキーを操作(例えば、オン/オフ、または選択)できる。
【0041】
なお、本明細書では、操作者がタッチパネルに接触(タッチ)して、ソフトキーを操作することを単に「操作」、または「タッチ操作」という。ソフトキーは、例えば、アイコン、ボタン、文字部、図表におけるセル等の形態でありうる。タッチパネルは、例えばタップ、ダブルタップ、トリプルタップ、ロングタップ等を操作として受け付けることができる。また、ソフトキー以外の表示領域(空白領域を含む)を「背景領域」ともいう。操作者は、背景領域を操作することはできない。
【0042】
操作表示部160は、タッチパネルに対して行われた操作の位置に関する情報を出力する。より具体的には、位置に関する情報は、タッチパネルに対して行われた操作の位置座標を含む。例えば、位置入力装置が、操作者の指が接触(タッチ)した領域に対応する複数の位置座標を出力する場合、位置に関する情報は、タッチパネルにおいて操作者の指が接触した領域の重心位置の座標を含む(複数の座標に基づいて重心位置の座標が算出される)。また、位置入力装置が、操作者の指が接触した位置に対応する1つの位置座標を出力する場合、座標情報は当該位置座標を含む。座標情報は、制御部170に送信される。
【0043】
制御部170は、画像読取部110、画像処理部120、画像形成部130、通信部140、給紙部150、および操作表示部160を制御する。制御部170は、CPU(Central Processing Unit)171、補助記憶部172、RAM(Random Accesss Memory)173、およびROM(Read Only Memory)174を有し、これらの構成要素は内部バスによって相互に接続されている。
【0044】
補助記憶部172は、オペレーティングシステム、各種アプリケーションプログラム、画像形成装置100の各部を制御するための制御プログラム等を記憶している。また、補助記憶部172は、操作画面記憶部として機能し、初期状態の操作画面(共通操作画面、および複数のカスタム操作画面)の表示レイアウトを記憶する。共通操作画面は、複数のユーザーが共通して使用する共通の操作画面である。一方、カスタム操作画面は、ユーザーによってソフトキーの種類、大きさ、配置等がカスタマイズできる操作画面であり、共通操作画面よりも表示レイアウト設定の自由度が高いという特徴がある。
【0045】
RAM173は、記憶部として機能し、CPU171による演算処理の結果、操作に関する座標情報、操作されたソフトキーの履歴、ソフトキーの表示領域やサイズ、後述するタッチ操作が行われた位置(タッチ位置)、接触領域の履歴、印刷画像データ等を一時的に記憶する。ROM174は、CPU171が演算処理等で使用する各種パラメーター等を記憶している。CPU171は、制御プログラムを実行することにより、様々な機能を実現する。
【0046】
例えば、制御部170は、操作表示部160から受信した位置に関する情報を、操作されたソフトキーの情報に変換する。これにより、制御部170は、操作画面に表示されたソフトキーのうち、どのソフトキーが操作されたかを認識する。操作されたソフトキーの履歴は、RAM173に記憶される。操作表示部160および制御部170は、ユーザーインターフェース装置として機能する。
【0047】
また、制御部170は、コピーキー204(
図3参照)が操作されたと認識した場合、原稿を読み取り、印刷画像データを生成するよう画像生成部を制御し、生成された印刷画像データ、およびコピー設定に基づいて印刷ジョブを生成する。制御部170はジョブ実行部として機能し、印刷ジョブを実行し、画像形成部130は、制御部170の指示に従って印刷画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
【0048】
本実施形態の画像形成装置100は、通常モード、感染防止モード、およびスリープモードを含む複数のモードのうちのいずれかを実行できる。通常モードは、画像形成を含む、画像形成装置100が有する主要な機能を実行可能なモードである。また、感染防止モードは、通常モードの機能に加えて、タッチパネル上においてユーザーが接触する領域を限定することを目的として、操作画面の表示制御を行うモードである。また、スリープモードは、画像形成装置100の一部を除いて機能を停止するモードであり、制御部170は、タッチパネルの操作者による操作を検知するユニットや、ファクシミリ機能における着呼(電話回線の電圧変動)を検知するユニット等の一部のユニットを除いて電力供給を停止する。ユーザーは、例えば、モード設定を行うための操作画面において、設定を通常モードから感染防止モードに変更することにより、通常モードから感染防止モードへの移行を指示できる。
【0049】
以下では、画像形成装置100の動作モードが感染防止モードに設定されている場合について説明する。制御部170は、表示操作部として機能し、RAM173に記憶された位置に関する情報に基づいて、タッチパネルが表示する後続の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、ユーザーの操作が行われた位置と重なるように、すなわち、なるべく狭い範囲でのみユーザーの操作が行われるように、ソフトキーの表示領域を設定する。表示制御部の機能の詳細については後述する。
【0050】
<制御方法>
図2は
図1に示す画像形成装置100の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。同図の処理は、制御部170のCPU171が制御プログラムを実行することにより実現される。また、
図3は画像形成装置の初期状態の操作画面(カスタム操作画面)200を例示する模式図である。また、
図4は、画像形成装置100の後続の操作画面(カスタム操作画面)300を例示する模式図である。
【0051】
まず、
図2に示すように、タッチパネルは、操作画面(第1の操作画面)を表示する(ステップS101)。
図3に示すように、操作画面200は、例えば、コピー設定を行うためのカスタム操作画面であり、部数設定部201、印刷設定部202、ページ集約設定部203、およびコピーキー204を含む。部数設定部201、印刷設定部202、ページ集約設定部203、およびコピーキー204は、各々ソフトキーに該当し、背景領域205上に配置されている。なお、図中のグレーで示される領域TA1~TA4は、後述するステップS102において、ユーザーが操作画面200を操作する際に、タッチパネル上において手指等により接触した位置を含む領域(接触領域)である。
【0052】
以下、操作画面200に含まれるソフトキーの概要を説明する。部数設定は、コピー部数を設定するために使用される。部数設定部201の「+」または「-」の部分をユーザーが操作(例えば、タップ)することにより、設定される部数を各々増加または減少させることができる。また、印刷設定は、原稿および印刷物の各々について片面/両面の設定をするために使用される。印刷設定部202をユーザーが操作することにより、印刷設定の選択肢を同じ位置において順次表示させることができる。また、ページ集約設定は、複数ページを集約して印刷する場合に使用される。ページ集約設定部203をユーザーが操作することにより、ページ集約設定の選択肢を同じ位置において順次表示させることができる。図示の例では、部数設定は「1」、印刷設定は「片面→片面」、ページ集約設定は「オフ」に設定されている。また、コピーキー204は、画像形成装置100にコピーの実行開始を指示するためのソフトキーであり、コピーを実行する際にユーザーが必ず操作するため、使用される頻度が最も高いソフトキーであると考えられる。
【0053】
次に、
図2に戻り、操作画面200に対するユーザーの操作を受け付ける(ステップS102)。タッチパネルの位置入力装置は、操作画面200に対するユーザーの操作を受け付け、ユーザーが操作により接触したタッチパネル上の位置(すなわち、ユーザーの操作が行われた位置)に関する情報を制御部170に送信する。
【0054】
次に、位置に関する情報を記憶する(ステップS103)。制御部170は、ユーザーの操作が行われた位置に関する情報をRAM173に記憶する。
【0055】
次に、後続の操作画面(第2の操作画面)におけるソフトキーの表示領域を設定する(ステップS104)。
【0056】
表示制御部は、RAM173に記憶された位置に関する情報に基づいて、後続の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、ユーザーの操作が行われた位置と重なるように、ソフトキーの表示領域を設定する。例えば、表示制御部は、後続の操作画面におけるコピーキーの表示領域の重心の位置が、操作画面200においてユーザーの操作が行われた位置と重なるように、コピーキーの表示領域を設定する。これにより、後続の操作画面において、ユーザーがタッチパネル上で接触した位置と同じ位置にコピーキーが表示される。
【0057】
また、ユーザーが同じソフトキーに対して複数回の操作を行う場合を想定し、
図3に示す接触領域TA1~TA4を設定し、後続の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、接触領域TA1~TA4に含まれるように、ソフトキーの表示領域を設定することもできる。
【0058】
図4に示すように、例えば、後続の操作画面300は、カラー設定、および用紙トレイ設定を行うためのカスタム操作画面であり、カラー設定部301、用紙トレイ設定部302、およびコピーキー303を含む。カラー設定部301、用紙トレイ設定部302、およびコピーキー303は、ソフトキーに該当し、背景領域304上に配置される。
【0059】
カラー設定は、印刷を行う際の色に関する設定するために使用される。ユーザーは、操作画面300において、カラー設定部301を操作することにより、カラー設定の選択肢を表示させることができる。
図4には、「オートカラー」が選択されている場合が例示されている。
【0060】
また、用紙トレイ設定は、印刷に使用する用紙が収容されたトレイを設定するために使用される。ユーザーが用紙トレイ設定部302を操作することにより、用紙トレイ設定の選択肢が順次表示される。用紙トレイの選択肢としては、「自動」、「バイパストレイ」、「トレイ1」~「トレイ5」があり、
図4には「自動」が選択されている場合が例示されている。
【0061】
接触領域TA1~TA4は、例えば、以下の手順で設定できる。ステップS102において、ユーザーが部数設定部201の表示領域内(例えば、「+」に対応する位置)を操作(例えば、タップ)した場合を想定する。制御部170は、操作画面200の各々のソフトキーの表示領域と、ユーザーの操作が行われた位置に関する情報とを比較し、操作が行われたソフトキーが部数設定部201であることを特定する。ソフトキーの表示領域に関する情報(例えば、左上の位置座標、および領域のサイズ)は、RAM173に予め記憶されている。
【0062】
表示制御部は、タッチ位置に対応するソフトキーを接触領域に設定する。表示制御部は、例えば、部数設定部201を含む、部数設定部201よりも少し広い領域(例えば、グレーで示す領域)を接触領域TA1として設定する。接触領域TA1を部数設定部201よりも少し広い領域とするのは、タッチパネルの表面と接するユーザーの指の面積を加味するためである。また、接触領域TA2~TA4に対応する位置で操作が行われた場合についても、接触領域TA1と同様に接触領域TA2~TA4の設定が行われる。設定された接触領域TA1~TA4は、RAM173に記憶される。
【0063】
あるいは、表示制御部は、操作画面200以前の操作画面において、操作が複数回行われた場合は、記憶された複数の操作の位置に関する情報の履歴に基づいて、接触領域を設定しうる。表示制御部は、例えば、これらの操作が行われた位置を含む領域よりも少し広い領域が接触領域として設定されうる。
【0064】
本実施形態では、表示制御部は、操作画面300におけるカラー設定部301、用紙トレイ設定部302、およびコピーキー303の表示領域が、接触領域TA1,TA2,TA4の各々に含まれるように、ソフトキーの表示領域を設定する。さらに、ユーザーがこれまでに複数の操作画面を操作している場合、表示制御部は、操作画面200に対する操作による接触領域のみならず、RAM173(記憶部)に記憶しているユーザーの接触領域の履歴に基づいて、ユーザーの接触領域のいずれかと重なる位置で、かつ接触領域以下の大きさになるように、表示するソフトキーの表示領域の位置、サイズ、および形状を設定する。
【0065】
例えば、表示制御部は、カラー設定部301の表示領域が、接触領域TA1に含まれるように、カラー設定部301の表示領域を設定する。より具体的には、表示制御部は、カラー設定部301の表示領域と接触領域TA1とが重なるとともに、接触領域TA1の上下および左右方向の長さを超えないように、カラー設定部301の表示領域の上下および左右方向の長さを設定する。
【0066】
また、表示制御部は、用紙トレイ設定部302の表示領域と接触領域TA2とが重なるとともに、接触領域TA2の上下および左右方向の長さを超えないように、用紙トレイ設定部302の表示領域の上下および左右方向の長さを設定する。そのため、用紙トレイ設定部302は、ユーザーの操作に応じて選択肢を同じ位置に順次表示するように構成されうる。
【0067】
なお、操作画面200には、部数設定部201、印刷設定部202、およびページ集約設定部203の3つの設定部があるが、操作画面300には、カラー設定部301、用紙トレイ設定部の2つの設定部しかない。このため、操作画面300において、接触領域TA3には何も表示されない。一方、操作画面200に表示されたソフトキーの数よりも、操作画面300に配置するソフトキーの数の方が多い場合は、すべてのソフトキーを接触領域内に配置することはできないので、予め設定した優先順位に基づいて、選択したソフトキーのみを接触領域内に配置する。操作頻度が高いと考えられるソフトキーを優先的に選択されるように、この優先順位付けがなされている。あるいは、後続する操作画面300に配置するソフトキーの数が多い場合には、リサイズ(縮小化またはトリミング)することで、全部のソフトキーを接触領域内に配置するようにしてもよい。
【0068】
また、表示制御部は、コピーキー303の表示領域と接触領域TA4とが重なるとともに、接触領域TA4の上下および左右方向の長さを超えないように、コピーキー303の上下および左右方向の長さを設定する。
【0069】
また、背景領域のうち、「カラー」の文字列を含む表示領域は、カラー設定部301と関連しているので、これらを別々に表示すると操作画面が分かりにくくなるおそれがある。そのため、表示制御部は、このような場合、カラー設定部301のみならず、これに関連する「カラー」の文字列を含む表示領域についても対象に含めて操作画面300の表示レイアウトを設定する。「用紙トレイ」および用紙トレイ設定部302の表示領域についても同様である。これに対して、コピーキー303のように、関連する背景領域を伴わない場合は、コピーキー303のみを対象として操作画面300の表示レイアウトを設定する。
【0070】
図5は、比較例として、通常モードで後続の操作画面を表示させた場合を例示する模式図である。後続の操作画面310は、
図4の後続の操作画面300の各々カラー設定部301および用紙トレイ設定部302に対応する、カラー設定部311および用紙トレイ設定部312を有するが、カラー設定部311および用紙トレイ設定部312の表示領域は、接触領域TA1~TA3の外側の表示領域にも及んでいる。したがって、ユーザーがカラー設定部311および用紙トレイ設定部312を操作する際に、接触領域T1~T3の外側の表示領域に接触する可能性がある。
【0071】
このように、
図2のフローチャートに示す処理では、タッチパネルは、操作画面200を表示し、操作画面200に対するユーザーの操作を受け付け、操作が行われたタッチパネル上の位置に関する情報を出力する。RAM173は、位置に関する情報を記憶し、表示制御部は、位置に関する情報に基づいて、後続の操作画面300におけるソフトキーの表示領域が、ユーザーの操作が行われた位置と重なるように、ソフトキーの表示領域を設定する。あるいは、接触領域TA1~TA4を設定し、操作画面300におけるソフトキーの表示領域が、接触領域TA1~TA4に含まれるように、ソフトキーの表示領域を設定する。
【0072】
以上で説明した本実施形態のユーザーインターフェース装置は、下記の効果を奏する。
【0073】
例えば、1つの印刷ジョブが完了するまでの期間等、同一ユーザーがタッチパネルを操作しているとみなされる期間において、ユーザーが接触するタッチパネル上の領域を限定できる。これにより、ウィルス、細菌等に感染しているユーザーがいた場合に、ウィルス、細菌等がタッチパネルに付着する領域が拡大することを防止または抑制できる。
【0074】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ユーザーがカスタム操作画面に対して操作する場合について説明した。第2の実施形態では、共通操作画面に対して操作する場合について説明する。第2の実施形態においては、共通操作画面を採用する構成を除き第1の実施形態と同一であるので、以下では説明の重複を避けるため、第1の実施形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
【0075】
図6は画像形成装置の操作画面(共通操作画面)を例示する模式図であり、
図7は画像形成装置の後続の操作画面(カスタム操作画面)を例示する模式図である。
【0076】
図6に示すように、操作画面210は、例えば、コピー設定を行うための共通操作画面であり、カラー設定部211、倍率設定部212、用紙設定部213、濃度設定部214、両面設定部215、ステープル設定部216、部数設定部220、およびフッター領域230を含む。
【0077】
カラー設定部211は、カラー設定を行うために使用される。ユーザーがカラー設定部211を操作することにより、カラー設定の選択肢が同じ位置に順次表示される。
図6には、設定値として「オートカラー」が選択されている場合が例示されている。
【0078】
同図に示す例では、カラー設定部211は、例えば、左から順に、アイコン、設定項目の「カラー」、および設定値の「オートカラー」を含む矩形状の領域を有する。例えば、矩形状の領域内のアイコン、設定項目の「カラー」、および設定値の「オートカラー」を除く領域を、ユーザーが操作できるソフトキーとして設定することができる。あるいは、矩形状の領域全体をソフトキーとして設定してもよい。
【0079】
また、倍率設定部212、用紙設定部213、濃度設定部214、両面設定部215、およびステープル設定部216の選択肢の表示方法についても、カラー設定部211と同様に設定できる。
【0080】
また、部数設定部220は、テンキー221および部数表示部222を含む。テンキー221は、「0」~「9」、および「C(クリア)」のソフトキーを備え、操作者がコピー部数を入力するために使用される。また、部数表示部222は、テンキー221によって入力された部数を表示する。
【0081】
また、フッター領域230は、操作画面210の最下部に位置し、ホーム画面キー231、リセットキー232、ストップキー233、およびスタートキー234を含む。このうち、スタートキー234は、印刷ジョブを実行する際に操作者が必ず操作するため、使用される頻度が最も高いと考えられる。
【0082】
例えば、ユーザーが、カラー設定、用紙設定、および両面設定を行い、画像形成装置100に原稿のコピーを指示する場合を想定する。ユーザーは、カラー設定部211、用紙設定部213、両面設定部215、およびスタートキー234を操作する。
【0083】
表示制御部は、ユーザーが行った操作の位置に関する情報に基づいて、後続の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、ユーザーの操作が行われた位置と重なるように、ソフトキーの表示領域を設定する。
【0084】
あるいは、表示操作部は、ユーザーが行った操作の位置に関する情報に基づいて、斜線で示す接触領域TA5~TA8を設定し、後続の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、接触領域TA1~TA4に含まれるように、ソフトキーの表示領域を設定することもできる。接触領域TA5は、例えば、操作画面210以前の操作画面において、ユーザーよって、カラー設定部211に対して行われた複数回の操作の位置に基づいて設定されうる。すなわち、接触領域TA5は、ユーザーによる複数回の操作の位置が含まれるように設定される。また、接触領域TA6~TA8についても、各々用紙設定部213、両面設定部215、およびスタートキー234に対して、ユーザーによる複数回の操作の位置が含まれるように設定される。
【0085】
図7に示すように、表示制御部は、後続の操作画面320における部数設定部321の表示領域が、接触領域TA5に含まれるように、部数設定部321の表示領域を設定する。同様に、表示制御部は、印刷設定部322、ページ集約設定部323、およびコピーキー324の表示領域が、各々接触領域TA6,T7,T8に含まれるように、印刷設定部322、ページ集約設定部323、およびコピーキー324の表示領域を設定する。
【0086】
このように、操作画面320の部数設定部321、印刷設定部322、ページ集約設定部323、およびコピーキー324の表示領域を、各々接触領域TA5~TA8に含まれる領域、すなわち各々接触領域TA5~TA8と重なる位置で、かつ各々接触領域TA5~TA8以下の大きさに限定する。これにより、操作画面320において、ユーザーが接触領域TA5~TA8の外側でソフトキーを操作することが抑制される。
【0087】
一方で、部数設定部321、印刷設定部322、ページ集約設定部323、およびコピーキー324の表示領域を小さくし過ぎると、これらのソフトキーの操作性が損なわれる可能性があるため、表示領域は、概ね、各々接触領域TA5~TA8と同じ大きさに設定されることが好ましい。
【0088】
以上で説明した本実施形態のインターフェース装置は、第1の実施形態の効果に加えて、下記の効果を奏する。
【0089】
操作画面210に対して行ったユーザーの操作の位置に基づいて、後続の操作画面320において、ユーザーがタッチパネルに接触する領域を限定できる。
【0090】
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、操作画面を操作したユーザーと同一のユーザー(「第1のユーザー」と称する)に対して後続の操作画面のソフトキーの表示領域を設定する場合について説明した。第3の実施形態では、第1のユーザーとは異なる第2のユーザーに対して後続の操作画面のソフトキーの表示領域を設定する場合について説明する。以下では説明の重複を避けるため、第2の実施形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
【0091】
図8は第3の実施形態に係る画像形成装置100の構成を例示する概略ブロック図であり、
図9は
図8の画像形成装置100の操作画面(共通操作画面)を例示する模式図である。また、
図10は画像形成装置の後続の操作画面(カスタム操作画面)の表示レイアウトを例示する模式図であり、
図11は比較例として、初期状態のカスタム操作画面の表示レイアウトを例示する模式図である。
【0092】
本実施形態では、
図8に示すように、画像形成装置100は、画像読取部110、画像処理部120、画像形成部130、通信部140、給紙部150、操作表示部160、および制御部170に加えて、ユーザー認証部180を有する。
【0093】
ユーザー認証部180は、ユーザーが携帯するIDカードのID情報を、近距離無線方式のリーダー部(図示せず)によりスキャンしたデータを認証データと比較することにより、タッチパネルの操作者のユーザー認証を行うように構成されうる。ユーザー認証部180は、比較結果に基づいて、操作者のユーザーID、氏名、所属部署等のユーザー情報を出力する。制御部170は、ユーザー情報取得部として機能し、ユーザー情報(ユーザーに関する情報)を取得し、RAM173に記憶する。
【0094】
また、ユーザー認証部180は、カメラ等の撮像装置によって、タッチパネルの操作者の顔を撮像した画像から虹彩の形状等の生体情報を取得し、予め登録されている認証情報と生体情報とを照合することにより認証を行うように構成されてもよい。認証情報は、補助記憶部172に予め記憶されている。制御部170は、ユーザー認証部180によって出力されたユーザー情報に基づいてタッチパネルを操作しているユーザーを判定する。
【0095】
図9に示すように、操作画面240は、例えば、コピー設定を行うための共通操作画面であり、カラー設定部241、倍率設定部242、用紙設定部243、濃度設定部244、両面設定部245、ステープル設定部246、部数設定部250、およびフッター領域260を含む。これらは、
図6に示すカラー設定部211、倍率設定部212、用紙設定部213、濃度設定部214、両面設定部215、ステープル設定部216、部数設定部220、およびフッター領域230と各々同一の構成であるので、詳細な説明を省略する。
【0096】
例えば、第1のユーザーが、カラー設定、および倍率設定を行い、画像形成装置100に原稿のコピーを指示する場合を想定する。第1のユーザーは、カラー設定、および倍率設定を行うために各々カラー設定部241、および倍率設定部242を操作する。また、第1のユーザーは、コピーを指示するためにスタートキー264を操作する。
【0097】
本実施形態では、制御部170は、表示制御部として機能し、ユーザー情報に基づいて、第2のユーザーに対する後続の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、第1のユーザーの操作が行われた位置と重ならないように、ソフトキーの表示領域を設定する。
【0098】
あるいは、ユーザーが同じソフトキーに対して複数回の操作を行う場合を想定し、表示操作部は、第2のユーザーに対する後続の操作画面におけるソフトキーの表示領域が、第1のユーザーの接触領域TA9,TA10と重ならないように、ソフトキーの表示領域を設定することもできる。接触領域TA9,TA10は、第1のユーザーによって行われた操作の位置に関する情報に基づいて設定される。接触領域TA9は、例えば、操作画面240以前の操作画面において、ユーザーよって、カラー設定部241および倍率設定部242に対して行われた複数回の操作の位置に基づいて設定されうる。すなわち、接触領域TA9は、ユーザーによる複数回の操作の位置が含まれるように設定される。また、接触領域TA10についても、スタートキー264に対して、ユーザーによる複数回の操作の位置が含まれるように設定される。
【0099】
図10に示すように、表示制御部は、ユーザー情報に基づいて、第2のユーザーに対する後続の操作画面330におけるソフトキーの表示領域が、第2のユーザーの接触領域TA11~TA14(グレーで示す)に含まれ、かつ第1のユーザーの接触領域TA9,TA10と重ならないように、ソフトキーの表示領域を設定する。接触領域TA11~TA14は、操作画面240よりも前にタッチパネルに表示された操作画面に対する第2のユーザーの接触領域である。
【0100】
表示制御部は、操作画面240以前の操作画面について、第1および第2のユーザーの接触領域の履歴に基づいて、操作画面330におけるソフトキーの表示領域が、第1のユーザーの接触領域外、かつ第2のユーザーの接触領域内になるように、ソフトキーの表示領域を設定する。
【0101】
例えば、表示制御部は、操作画面330における部数設定部331の表示領域が、第2のユーザーの接触領域TA11に含まれ、かつ第1のユーザーの接触領域TA9と重ならないように、部数設定部331の表示領域を右方向にずらした位置に設定する。また、部数設定部331の表示領域のみ左右方向の位置が異なると、表示が見にくくなるので、部数設定部331の表示領域に合わせて、印刷設定部332、およびページ集約設定部333の表示領域についても同様に接触領域TA9に対して右方向にずらした位置に設定する。
【0102】
図11に示すように、比較例としての初期状態の操作画面340は、部数設定部341、印刷設定部342、ページ集約設定部343、およびコピーキー344を含み、これらの表示領域は、
図3における部数設定部201、印刷設定部202、ページ集約設定部203、およびコピーキー204の表示領域と同じである。また、同図には、接触領域TA9,TA10が破線で示されている。
【0103】
部数設定部341の表示領域と接触領域TA9とは、その一部の領域において重なり、コピーキー344の表示領域と接触領域TA10とは、その一部の領域において重なっている。したがって、第2のユーザーが後続の操作画面340の部数設定部341、およびコピーキー344を操作する際に、接触領域TA9,TA10に接触する可能性がある。
【0104】
以上で説明した本実施形態のユーザーインターフェース装置は、第1および第2の実施形態の効果に加えて、下記の効果を奏する。
【0105】
第2のユーザーに対して表示される後続の操作画面340において、第2のユーザーがタッチパネル上の第1のユーザーの接触領域TA9,TA10に接触することを防止または抑制できる。
【0106】
(第4の実施形態)
上述の第1、第2の実施形態では、操作画面を操作したユーザーの接触領域内に、後続の操作画面のソフトキーを配置することについて説明した。また、第3の実施形態では、第1のユーザーの接触領域外に、第2のユーザーに対する後続の操作画面のソフトキーを配置することについて説明した。しかし、ユーザーが接触した面積の増加に伴い、接触領域内、または接触領域外にソフトキーを配置できない場合が生じうる。第4の実施形態では、ユーザーの認証結果に応じて、後続の操作画面において、接触領域内、または接触領域外にソフトキーを配置可能であるか否かを判定し、配置できない場合に、対応案を提示する場合について説明する。以下では説明の重複を避けるため、第1の実施形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
【0107】
図12は、第4の実施形態における画像形成装置100の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。同図のフローチャートの処理は、制御部170のCPU171が制御プログラムを実行することにより実現される。また、
図13は後続の操作画面において、ソフトキーを配置できない旨の通知を例示する模式図であり、
図14はソフトキーを配置できないことに対する対応案を例示する模式図である。また、
図15は画像形成装置100とネットワークで接続された他の画像形成装置を例示する模式図であり、
図16はソフトキーの表示を制限したカスタム操作画面の表示レイアウトを例示する模式図である。また、
図17は共通操作画面の表示レイアウトを例示する模式図であり、
図18は他のカスタム操作画面の表示レイアウトを例示する模式図である。
【0108】
図12のフローチャートにおけるステップS201~S204の処理は、
図2のフローチャートにおける各々ステップS101~S104の処理と同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0109】
ステップS205において、タッチパネルを操作しているユーザー情報を取得する。ユーザー認証部180は、タッチパネルを操作しているユーザーの認証結果に基づいて、ユーザー情報を出力し、制御部170は、ユーザー情報を取得する。
【0110】
次に、操作者が第1のユーザーか否かを判定する(ステップS206)。表示制御部は、タッチパネルの操作者が第1のユーザーである場合(ステップS206:YES)、後続の操作画面を表示する対象が第1のユーザーであるとみなし、後続の操作画面において、第1のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置することが可能であるか否かを判定する(ステップS207)。第1のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置することが可能であると判定した場合(ステップS207:YES)、後続の操作画面におけるソフトキーの表示領域を設定する。この処理は、
図2のフローチャートにおけるステップS105の処理と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0111】
一方、第1のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できないと判定した場合(ステップS207:NO)、ソフトキーを配置できない旨をタッチパネルに表示する(ステップS209)。
図13に示すように、表示制御部は、例えば、画面350に、「感染防止モードで動作しています。一部のボタンを配置できないため、操作画面を表示できません。」のように表示するように制御する。
【0112】
次に、後続の操作画面において、ソフトキーを配置できないことに対する対応案を表示する(ステップS210)。
図14に示すように、表示制御部は、例えば、対応案の選択肢(a)~(d)を操作画面360に表示するように制御する。ユーザーは、(a)画像形成装置100において、カスタム操作画面に表示するボタン(ソフトキー)を制限して表示する、(b)画像形成装置100において、共通操作画面を表示する、(c)他の画像形成装置において、カスタム操作画面を表示する、(d)画像形成装置100において、使用可能な他のカスタム操作画面を表示する、のうちから対応案を選択する。
【0113】
なお、ソフトキーを配置できない場合において、ユーザーが実行する処理が選択肢(a)~(d)のいずれか決まっている場合は、実行する処理に該当する選択肢を予め設定しておき、ステップS209のソフトキーを配置できない旨を通知する処理と、ステップS210の対応案の選択肢(a)~(d)を表示する処理とを省略するように構成してもよい。
【0114】
上記(c)に関して、
図15に示すように、他の画像形成装置は、例えば、ある企業の建物の1階に設置されたコピー機A、および3階に設置されたコピー機Bである。画像形成装置100のユーザーインターフェース装置は、ネットワーク102上の他の画像形成装置のユーザーインターフェース装置と通信し、他のユーザーインターフェース装置のタッチパネル上において他のユーザーの接触領域に関する情報を取得する。
【0115】
表示制御部は、接触領域に関する情報に基づいて、他のユーザーインターフェース装置の後続の操作画面において、接触領域外にソフトキーを配置できるか否かを判定する。表示制御部は、接触領域外にソフトキーを配置できると判定した場合、ソフトキーを配置できる他のユーザーインターフェース装置に関する情報(例えば、コピー機の設置場所、名称、IP(Internet Protocol)アドレス等)を通知する。
【0116】
次に、ユーザーによって選択された対応案に応じた処理を実行する(ステップS211)。例えば、
図16に示すように、上記(a)が選択された場合、表示制御部は、表示するソフトキーを制限してカスタム操作画面370に表示する。同図に示す例では、これまでの操作により、ソフトキーを配置可能な領域が限定されているため、部数設定部371、印刷設定部372、およびコピーキー373は、カスタム操作画面370の左右方向の中央よりに配置されている。また、カスタム操作画面の初期設定の表示レイアウト(
図11参照)では、ページ集約設定部343が配置されているが、カスタム操作画面370にはページ集約部設定が配置されていない。
【0117】
ソフトキーの一部の表示が制限されてもユーザーが不便を感じない場合、表示するソフトキーを制限してカスタム操作画面370に表示することにより、ユーザーは使い慣れたカスタム操作画面を継続して使用できる。
【0118】
また、
図17に示すように、上記(b)が選択された場合、表示制御部は、共通操作画面380を表示する。同図に示す例では、これまでの操作により、ソフトキーを配置可能な領域が限定されているため、印刷設定部382、およびページ集約設定部383が、共通操作画面380の下側に配置され、スタートキー384が共通操作画面380の左右方向の中央よりに配置されている。
【0119】
また、上記(c)が選択された場合、制御部170は、例えば、動作モードをスリープモードに移行し、タッチパネルの表示をオフする(画像形成装置100における操作の受け付けを停止する)。
【0120】
また、上記(d)が選択された場合、表示制御部は、後続の操作画面として使用するカスタム操作画面を、ユーザーによってカスタマイズされた複数のカスタム操作画面から選択する。より具体的には、後続の操作画面が第1のユーザーに対する操作画面である場合、第1のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるカスタム操作画面を選択する。また、後続の操作画面が第2のユーザーに対する操作画面である場合、第1のユーザーの接触領域外、かつ第2のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるカスタム操作画面を選択する。複数のカスタム操作画面は、補助記憶部172に記憶されている。
【0121】
図18には、カラー設定部391、部数設定部392、印刷設定部393、ページ集約設定部394、およびコピーキー395を含む他のカスタム操作画面390が後続の操作画面として例示されている。
【0122】
図12に戻り、表示制御部は、タッチパネルの操作者が第1のユーザーではない(例えば、第2のユーザーである)場合(ステップS206:NO)、後続の操作画面において、第1のユーザーの接触領域外にソフトキーを配置できるか否かを判定する(ステップS212)。第1のユーザーの接触領域外にソフトキーを配置できない場合(ステップS212:NO)、ステップS209の処理に移行する。一方、第1のユーザーの接触領域外にソフトキーを配置できる場合(ステップS212:YES)、後続の操作画面において、第2のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できるか否かを判定する(ステップS213)。第2のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できる場合(ステップS213:YES)、ステップS208の処理に移行する。一方、第2のユーザーの接触領域内にソフトキーを配置できない場合(ステップS213:NO)、ステップS209の処理に移行する。
【0123】
以上で説明した本実施形態のユーザーインターフェース装置は、第1~第3の実施形態の効果に加えて、下記の効果を奏する。
【0124】
ユーザーの認証結果に応じて、後続の操作画面において、接触領域内、または接触領域外にソフトキーを配置可能であるか否かを判定し、配置できない場合に、ユーザーに対して対応案を提示できる。
【0125】
以上のように、実施形態において、ユーザーインターフェース装置、およびユーザーインターフェース装置を有する画像形成装置100について説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略できることはいうまでもない。
【0126】
例えば、上述の第1~第4の実施形態では、ユーザーインターフェース装置が画像形成装置である場合について例示して説明したが、本発明のユーザーインターフェース装置は画像形成装置に限定されない。本発明のユーザーインターフェース装置は、自動販売機、現金自動預け払い機(ATM:Automatic Teller Machine)等の、タッチパネルを有する情報機器にも適用できる。
【0127】
また、ユーザーが最後にタッチパネルを操作してから、所定のリセット時間に達したと判定した場合、操作画面の表示レイアウトを初期化、すなわち当初の表示レイアウト(例えば、
図3の操作画面の表示レイアウト)に戻すように構成してもよい。リセット時間は、操作者が触れたことによりタッチパネルの表面に付着したウィルスや細菌が死滅するのに十分な時間であり、例えば、想定されるウィルスや細菌の種類に応じて、1時間~数日程度に設定されうる。仮に、操作後にタッチパネルにウィルスや細菌が付着したとしても、操作からリセット時間が経過した後は、これらのウィルスや細菌は死滅、または大幅に低減していると考えられる。なお、リセット時間は、例えば、画像形成装置100の管理者が、想定されるウィルスや細菌の種類に応じて、適宜設定するように構成してもよいし、ネットワークを通じて外部のデータベース等から適切な値を取得するように構成してもよい。
【0128】
また、制御プログラムは、USBメモリー、フレキシブルディスク、CD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリーやストレージ等に転送され記憶される。また、この制御プログラムは、例えば、単独のアプリケーション・ソフトウェアとして提供されてもよいし、サーバーの一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0129】
また、実施形態において制御プログラムにより実行される処理の一部または全部を回路等のハードウェアに置き換えて実行されうる。
【符号の説明】
【0130】
100 画像形成装置、
110 画像読取部、
120 画像処理部、
130 画像形成部、
140 通信部、
150 給紙部、
160 操作表示部、
170 制御部、
171 CPU、
172 補助記憶部、
173 RAM、
174 ROM、
180 ユーザー認証部。