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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20240101AFI20240228BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240228BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B60K35/00
G09F9/00 324
G09F9/00 362
B60R11/02 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021035485
(22)【出願日】2021-03-05
(65)【公開番号】P2022135575
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】久次 信輔
【審査官】中野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-58414(JP,A)
【文献】特開2015-87138(JP,A)
【文献】特開2014-154931(JP,A)
【文献】特開2002-244581(JP,A)
【文献】特開2015-217815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
G09F 9/00
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象(102)に取り付けられる表示装置(10)であって、
画像(V)を表示する表示面(22)及び前記表示面とは反対側の表示背面(24)を有している画像表示部(20)と、
前記表示背面を覆っており、前記取付対象に連結される表示ケース(50)と、を備え、
前記表示ケースは、
前記表示面とは反対側を向いたケース背面(52)と、
前記ケース背面の長手方向(X)に延び、前記取付対象に連結されるケース基端部(58)と、
前記ケース背面の短手方向(Y)において前記ケース基端部とは反対側に設けられ、前記長手方向に延びたケース先端部(57)と、
を有しており、
前記画像表示部は、前記ケース先端部に沿って複数並べられており、
前記表示ケースには、前記表示ケースを補強する補強部(90)が前記ケース先端部に沿って延びるように、前記ケース先端部側及び前記ケース基端部側のうち前記ケース先端部側にだけ設けられており、
前記補強部は、隣り合う2つの前記画像表示部に前記長手方向にかけ渡された状態になっている、表示装置。
【請求項2】
前記補強部は、前記ケース先端部の1/2以上の長さ寸法を有しており、且つ前記ケース先端部よりも短い、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示ケースは、
前記短手方向に延び、前記ケース基端部と前記ケース先端部とにかけ渡された一対のケース短縁部(59)、を有しており、
前記補強部は、一対の前記ケース短縁部にかけ渡された状態になっている、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記短手方向において、前記補強部は前記ケース先端部と前記画像表示部との間に設けられている、請求項1~のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記補強部は、前記画像表示部よりも前記ケース先端部に近い位置に設けられている、請求項1~のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記補強部は、前記表示ケースよりも高い導電性を有している、請求項1~のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
車両(100)に搭載される表示装置であって、
前記車両は、前記取付対象として、車室(101)の内装を形成する内装パネル(102)を有しており、
前記表示ケースは、前記内装パネルに取り付けられる部材である、請求項1~のいずれか1つに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像を表示する表示装置について開示されている。この表示装置は、ディスプレイ及び背面カバーを有している。ディスプレイは、画像を表示するディスプレイ表示面を有している。背面カバーはディスプレイの背面側に設けられている。この表示装置は、車両に搭載されており、インストルメントパネルに埋め込まれた状態で設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-217815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像を視認する視認者などが背面カバーを掴むなどして、背面カバーに外力が加えられた場合、背面カバーが変形することが考えられる。このような背面カバーの変形に伴ってディスプレイに応力が集中すると、ディスプレイに異常が発生することが懸念される。
【0005】
本開示の1つの目的は、画像表示部に異常が発生することを抑制できる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
上記目的を達成するため、開示された1つの態様は、
取付対象(102)に取り付けられる表示装置(10)であって、
画像(V)を表示する表示面(22)及び表示面とは反対側の表示背面(24)を有している画像表示部(20)と、
表示背面を覆っており、取付対象に連結される表示ケース(50)と、を備え、
表示ケースは、
表示面とは反対側を向いたケース背面(52)と、
ケース背面の長手方向(X)に延び、取付対象に連結されるケース基端部(58)と、
ケース背面の短手方向(Y)においてケース基端部とは反対側に設けられ、長手方向に延びたケース先端部(57)と、
を有しており、
画像表示部は、ケース先端部に沿って複数並べられており、
表示ケースには、表示ケースを補強する補強部(90)がケース先端部に沿って延びるように、ケース先端部側及びケース基端部側のうちケース先端部側にだけ設けられており、
補強部は、隣り合う2つの画像表示部に長手方向にかけ渡された状態になっている、表示装置。
【0008】
これに対して、上記態様によれば、表示ケースにおいて、補強部がケース先端部に沿って延びている。この構成では、例えばケース先端部付近に外力が加えられたとしても、この外力が補強部の全体に分散されやすい。このため、ケース先端部が局所的に変形するということを補強部により抑制できる。したがって、表示カバーが局所的に変形して画像表示部に応力が集中し、画像表示部に異常が発生する、ということを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態における車両に搭載された状態の虚像表示装置を示す図。
図2】画像表示装置の縦断面図。
図3】ディスプレイユニットの構成を示す図。
図4】車室において虚像表示装置周辺の構成を示す図。
図5】画像表示装置の構成を示す斜視図。
図6】画像表示装置をフード背面側から見た平面図。
図7】バイザフードに外力が加わった場合について説明するための図。
図8】比較例のバイザフードに外力が加わった場合について説明するための図。
図9】第1実施形態の変形例1における画像表示装置をフード背面側から見た平面図。
図10】第1実施形態の変形例2における画像表示装置の縦断面図。
図11】第1実施形態の変形例3における画像表示装置の縦断面図。
図12】第1実施形態の変形例4における車室において虚像表示装置周辺の構成を示す図。
図13】第2実施形態における車両に搭載された状態の画像表示装置を示す図。
図14】画像表示装置の縦断面図。
図15】車室において画像表示装置周辺の構成を示す図。
図16】画像表示装置の斜視図。
図17】バイザフードに外力が加わった場合について説明するための図。
図18】比較例のバイザフードに外力が加わった場合について説明するための図。
図19】第2実施形態の変形例5における画像表示装置の斜視図。
図20】第2実施形態の変形例6における画像表示装置の縦断面図。
図21】第2実施形態の変形例7における画像表示装置の斜視図。
図22】第2実施形態の変形例8における車両において画像表示装置周辺の構成を示す図。
図23】第3実施形態における車室において虚像表示装置周辺の構成を示す斜視図。
図24】画像表示装置においてディスプレイユニットの配置を示す図。
図25】画像表示装置においてディスプレイの配置を示す図。
図26】画像表示装置の電気的な構成を示すブロック図。
図27】表示面が表示する画像について説明するための図。
図28】反射面により表示される虚像について説明するための図。
図29】比較例において表示面が表示する画像について説明するための図。
図30】比較例において反射面により表示される虚像について説明するための図。
図31】第3実施形態の変形例9における反射ミラーを示す斜視図。
図32】第4実施形態における車室において虚像表示装置周辺の構成を示す図。
図33】画像表示装置を表示面側から見た正面図。
図34図33のXXXIV-XXXIV線断面図。
図35】ディスプレイ重複部周辺の横断面図。
図36】反射面により表示された虚像を示す図。
図37】第4実施形態の変形例10におけるディスプレイ重複部周辺の横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0011】
<第1実施形態>
図1に示す画像表示装置10は車両100に搭載されている。画像表示装置10は、車両100の車室101に露出した状態でインパネ102に設けられている。インパネ102は、インストルメントパネルであり、運転席などの座席の前方に設けられている。インパネ102は、車室101の内装を形成する内装パネルである。内装パネルは、車室101において仕上げ加工が施された仕上げ面を形成している。運転席とインパネ102との間にはステアリング105がある。運転席の前方には、ステアリング105に加えてフロントウインドシールド106がある。フロントウインドシールド106は、インパネ102の上側にある。座席の前方は、車両100にとっての前方である。車両100のウインドシールドとしては、フロントウインドシールド106の他にサイドウインドシールドなどがある。
【0012】
画像表示装置10は、各種情報を画像Vとして表示する。画像表示装置10は表示装置に相当する。各種情報には、例えば車両情報及び走行情報が含まれている。車両情報は車載バッテリの蓄電量などを示す情報であり、走行情報は車両100の走行速度や走行モード、走行距離などを示す情報である。また、各種情報には、ナビゲーション情報やエンタメ情報、空調情報、カメラ情報などが含まれている。例えば、ナビゲーション情報は、車両100の現在値を示す情報や現在地から目的地までの経路を案内する情報などである。カメラ情報は、カメラ等の撮像装置により撮像された情報である。カメラ情報には、車両100の後方など車両周辺を撮像した情報が含まれている。
【0013】
画像表示装置10は、表示面22を有しており、この表示面22に画像Vを表示することが可能である。表示面22は、画像光を出力することで画像Vを表示する。画像表示装置10は、表示面22に加えてフード背面52を有している。画像表示装置10は、全体として板状に形成されている。フード背面52は、装置厚さ方向において表示面22とは反対側を向いている。装置厚さ方向は、画像表示装置10の厚さ方向であり、本実施形態では上下に延びる方向である。装置厚さ方向は、表示面22に直交する方向である。
【0014】
画像表示装置10は反射ミラー15と共に、虚像表示装置11に含まれている。虚像表示装置11は車両100に搭載されており、画像Vを虚像Viとして表示する。反射ミラー15は、画像光を反射する反射部材であり、反射鏡と称されることがある。反射ミラー15は、反射面16を有しており、反射面16で画像光を反射して虚像Viを表示する。反射面16は、反射ミラー15が有する一対の板面のうち一方に含まれている。反射ミラー15は、反射面16に入射する画像光について透過及び反射のうち反射を行う部材である。反射ミラー15は、画像光により虚像を表示する虚像表示部に相当する。
【0015】
反射ミラー15は、反射面16が車室101に露出した状態でインパネ102に設けられている。反射ミラー15は、インパネ102に埋め込まれた状態でインパネ102に固定されている。反射面16は、座席側を向くように斜め上方を向いている。座席に座った乗員にとっては反射面16を視認しやすくなっている。
【0016】
画像表示装置10は、表示面22からの画像光が反射面16で座席側に反射するように設けられている。画像表示装置10は、表示面22が下方を向き且つフード背面52が上方を向いた状態で、反射ミラー15の上側に設けられている。表示面22と反射面16とは互いに向き合った状態になっている。座席に座った乗員にとっては、画像光により表示された虚像Viがあたかも反射面16よりも奥側にあるかのように見える。
【0017】
虚像表示装置11においては、視認者としての乗員は表示面22を直接的に見るのではなく、反射面16を視認することで表示面22を間接的に見ることになる。本実施形態では、反射面16が乗員により視認される視認面Svである。乗員は、視認面Svである反射面16を視認することで虚像Viを視認することが可能である。
【0018】
図1図4に示すように、インパネ102は、手前部分102a、奥部分102b及び側方部分102cを有している。手前部分102aと奥部分102bとは車両前後方向に並べられている。車両前後方向は、車両100にとっての前後方向である。インパネ102において座席側を手前側と称すると、手前部分102aはインパネ102の手前側端部を形成している。奥部分102bはインパネ102の奥側端部を形成している。奥部分102bは、手前部分102aよりも高い位置にある。反射ミラー15は、手前部分102aと奥部分102bとの間に配置されている。反射ミラー15は、反射面16が斜め上方を向くように、手前部分102aと奥部分102bとにかけ渡された状態になっている。
【0019】
側方部分102cは、インパネ102が有する一対の側端部のそれぞれを形成しており、インパネ102に一対含まれている。一対の側方部分102cは、車両幅方向に並べられている。車両幅方向は、車両100にとっての幅方向であり、車両前後方向に直交する方向である。側方部分102cは、車両前後方向に延びており、画像表示装置10及び反射ミラー15を跨いで手前部分102aと奥部分102bとにかけ渡された状態になっている。
【0020】
画像表示装置10は、奥部分102bから手前側に向けて突出している。画像表示装置10は、奥部分102bに固定されている。画像表示装置10の奥側端部は、奥部分102bに固定された基端部である。画像表示装置10の手前側端部は、手前部分102aの上方に配置された先端部である。表示面22は反射面16に対して傾斜している。表示面22と反射面16との離間距離は、画像表示装置10の手前側端部に近い位置ほど大きくなっている。表示面22は、水平方向又は水平方向に対して少し傾斜した方向に延びている。
【0021】
画像表示装置10は、反射面16とフロントウインドシールド106との間に設けられており、反射面16を上から覆った状態になっている。フード背面52は、フロントウインドシールド106に対向している。太陽光がフロントウインドシールド106を透過して車室101に差し込んだ場合、この太陽光は、フード背面52に当たりやすい一方で、反射面16には当たりにくい。乗員は、視認面Svである反射面16に太陽光が当たらないことで、視認面Svで虚像Viを視認しやすくなっている。
【0022】
図2に示すように、画像表示装置10は、ディスプレイ20、断熱部30、放熱部40、バイザフード50、フードカバー60を有している。画像表示装置10においては、ディスプレイ20、断熱部30及び放熱部40が、後述するディスプレイユニット70に含まれている。
【0023】
ディスプレイ20は、表示面22及びディスプレイ背面24を有している。ディスプレイ20は、板状に形成されており、一対の板面を有している。ディスプレイ20においては、一方の板面がディスプレイ前面21であり、他方の板面がディスプレイ背面24である。ディスプレイ前面21は、表示面22及び枠面23(図3参照)を有している。表示面22は、横長の長方形状である。枠面23は、矩形枠状であり、表示面22の外周縁に沿って延びている。ディスプレイ20は、表示面22から画像光を出射させることが可能である。枠面23からは画像光が出射されない。表示面22は画像Vを表示する表示エリアであり、枠面23は画像Vを表示しない非表示エリアである。ディスプレイ20は画像表示部に相当し、ディスプレイ背面24は表示背面に相当する。ディスプレイ20は表示器と称されることがある。
【0024】
反射ミラー15は、表示面22の画像Vを虚像Viとして表示するとともに、枠面23を図示しない虚像V23として表示する。画像Vの虚像Viは画像光により表示されるのに対して、枠面23の虚像V23は単に枠面23が反射ミラー15に映ることで表示される。このため、乗員にとっては、画像Vを表示する虚像Viの方が、枠面23を映した虚像V23に比べて目立ちやすくなっている。例えば、虚像V23は、乗員がほとんど視認できないくらいにわずかに表示される程度である。
【0025】
枠面23の色は、虚像V23が目立ちにくい色になっている。例えば、枠面23の色は黒色になっている。また、枠面23の色は、表示面22が画像Vを表示していないオフ状態での表示面22の色と同色又は同系色になっていてもよい。さらに、枠面23の色は、彩度及び明度の少なくとも一方がオフ状態での表示面22の色よりも低い色になっていてもよい。加えて、枠面23の色は、画像Vに含まれる各種情報及び背景のうち背景と同色又は同系色になっていてもよい。
【0026】
ディスプレイ20は、自発光式の表示部である。ディスプレイ20は、例えば有機ELディスプレイを含んで構成されている。有機ELディスプレイは、有機発光ダイオードを含んで構成されている。有機発光ダイオードはOLEDと称されることがあり、OLEDはOrganic Light-Emitting Diodeの略称である。ディスプレイ20は有機EL素子等の表示素子を複数有している。複数の表示素子は、表示面22に沿って行列状に配置されており、それぞれ画像光になる光を発する。
【0027】
ディスプレイ20は、自発光式であることに起因して、光源としてのバックライトを必要としない。このようにバックライトを含まずに構成されたディスプレイ20では、発光素子の発光を停止することによって画像Vの黒色部分を表示することが可能である。これに対して、本実施形態とは異なり、バックライトを含んで構成されたバックライト付きのディスプレイでは、画像Vの黒色部分からバックライトの光が僅かに漏れることが考えられる。画像Vにおいて黒色部分からバックライトの光が僅かでも漏れると、黒色部分又はその周辺が白っぽく見えると考えられる。
【0028】
バイザフード50は、表示面22の画像光を反射ミラー15に向けて照射可能な状態で、ディスプレイ20、断熱部30及び放熱部40を収容している。バイザフード50は、樹脂材料等により形成されており、遮光性を有している。バイザフード50は全体として板状に形成されている。バイザフード50の厚さ方向は装置厚さ方向である。バイザフード50は、ディスプレイ20のディスプレイ背面24を覆っている。バイザフード50は、表示ケースに相当し、筐体ケースやメータフードと称されることがある。バイザフード50は、フード背面52に加えてフード前面51を有している。バイザフード50は、全体として板状に形成されており、一対の板面を有している。バイザフード50においては、一方の板面がフード背面52であり、他方の板面がフード前面51である。フード背面52が表示ケースの背面及びケース背面に相当する。
【0029】
バイザフード50は、フード前面51に設けられたフード凹部53を有している。フード凹部53は、フード前面51においてフード背面52に向けて凹んだ凹部である。フード凹部53は、フード背面52とは反対側に向けて開放されている。フード凹部53は、フード前面51の外周縁から内側に離間した位置に設けられている。フード前面51は、フード凹部53の外周縁に沿って延びており、枠状になっている。フード凹部53は、フード前面51に凹開口部56を形成している。凹開口部56は、フード凹部53の開放端により形成された開口である。
【0030】
フード凹部53の内面には、凹底面54及び凹壁面55が含まれている。凹底面54は、フード凹部53の底面であり、装置厚さ方向においてフード背面52とは反対側を向いている。凹底面54はフード背面52に沿って延びている。凹壁面55は、凹開口部56の外周縁に沿って延びている。凹壁面55は、装置厚さ方向において凹底面54の外周縁とフード前面51の内周縁とにかけ渡されている。
【0031】
ディスプレイ20は、表示面22を凹底面54とは反対側に向けた状態でフード凹部53に収容されている。凹底面54は、ディスプレイ背面24に対向しており、ケース対向面に相当する。凹底面54は、ディスプレイ背面24に沿って延びている。バイザフード50は、ディスプレイ20をディスプレイ背面24側から覆った状態になっている。バイザフード50は、ディスプレイ20とフロントウインドシールド106との間にあり、遮光板として機能する。フロントウインドシールド106を通じてディスプレイ20に向けて進む太陽光は、バイザフード50により遮られる。このため、ディスプレイ20が直接日射を受けることがバイザフード50により抑制される。
【0032】
バイザフード50は、フード先端部57及びフード基端部58を有している。フード先端部57は画像表示装置10の先端部を形成しており、フード基端部58は画像表示装置10の基端部を形成している。バイザフード50は、奥部分102bに固定されており、奥部分102bから手前側に向けて庇状に突出している。バイザフード50は、インパネ102に取り付けられる部材であり、車室101においてインパネ102に取り付けられている。バイザフード50は、奥部分102bにより片持ち支持された状態になっており、庇部材と称されることがある。バイザフード50は、車室101の内装を形成している。
【0033】
フードカバー60は、凹開口部56を覆った状態でバイザフード50に固定されている。フードカバー60は、透光性を有しており、例えば樹脂材料やガラス材料により形成されている。フードカバー60は、板状に形成されており、一対の板面を有している。フードカバー60においては、一方の板面がカバー前面61であり、他方の板面がカバー背面62である。カバー前面61及びカバー背面62はいずれも、表示面22に沿って延びている。カバー前面61は、表示面22とは反対側を向いている。カバー背面62は、表示面22側を向いており、表示面22に対向している。フードカバー60は、表示面22から手前側に離間した位置に配置されている。表示面22から出射された画像光は、フードカバー60を透過して反射ミラー15に照射される。
【0034】
放熱部40は、ディスプレイ20の熱をバイザフード50の外部に放出する。放熱部40は、放熱板部41及び放熱フィン44を有している。放熱板部41及び放熱フィン44はいずれも、金属材料などにより形成されており、熱伝導性を有している。
【0035】
放熱板部41は、ディスプレイ背面24に沿って延びており、ディスプレイ背面24と断熱部30との間に設けられている。放熱板部41は伝熱材であり、伝熱層を形成している。放熱板部41は放熱前面42及び放熱背面43を有している。放熱板部41は、板状に形成されており、一対の板面を有している。放熱板部41においては、一方の板面が放熱前面42であり、他方の板面が放熱背面43である。放熱前面42はディスプレイ背面24に重ねられており、放熱背面43は凹底面54に対向している。放熱前面42とディスプレイ背面24とが接着剤等により接合されていることで、放熱板部41とディスプレイ20とが互いに固定されている。
【0036】
放熱フィン44は、放熱板部41に熱的に接続されている。放熱フィン44は、放熱板部41からバイザフード50の外側に向けて延びており、放熱延び部に相当する。放熱フィン44は、複数のフィン部とこれらフィン部を接続する接続部とを有している。放熱フィン44は、バイザフード50の外側に露出している。放熱フィン44は、装置厚さ方向において放熱板部41からフード前面51側に向けて延びている。放熱フィン44は、フード凹部53からフード基端部58側に離間した位置に設けられている。放熱フィン44は、ディスプレイ20からフード基端部58側及びフード背面52側の両方に離間した位置にある。放熱フィン44は、バイザフード50及びインパネ102の少なくとも一方により上から覆われた状態になっている。車室101においては、放熱フィン44への太陽光の照射がバイザフード50及びインパネ102の少なくとも一方により遮られる。
【0037】
放熱フィン44は、放熱板部41に対して着脱可能に接続されている。放熱フィン44は、例えばネジ等の固定具により放熱板部41に固定されている。例えば、放熱フィン44の接続部と放熱板部41とがフード凹部53の内部にて接続されている。放熱部40においては、放熱板部41、放熱フィン44及び接続具が伝熱経路を形成している。ディスプレイ20の駆動に伴ってディスプレイ20が発熱した場合、この熱は、放熱板部41を介して放熱フィン44からインパネ102の下方に放出される。放熱部40の伝熱経路は、ディスプレイ20の熱をバイザフード50の外側に放出する放熱経路である。
【0038】
断熱部30は、バイザフード50の熱が凹底面54からディスプレイ20に伝わることを規制する。断熱部30は伝熱規制部と称されることがある。バイザフード50に付与される熱としては太陽熱がある。例えば、フード背面52に太陽光が照射された場合に、太陽光による太陽熱がバイザフード50に付与される。太陽光は、ウインドシールドを透過してフード背面52に照射される外光の一種である。フード背面52への外光の照射によりバイザフード50に付与される熱を外光熱と称すると、太陽光は外光熱の一種である。
【0039】
画像表示装置10においては、別系統の熱経路が2つある。2つの熱経路のうち1つは、断熱部30が太陽熱を遮断する断熱経路であり、もう1つは、放熱部40がディスプレイ20の熱を放出する放出経路である。断熱経路は画像表示装置10においてフード背面52側にあり、放熱経路はフード前面51側にある。断熱経路と放熱経路とは、装置厚さ方向において互いに反対側にある。
【0040】
断熱部30は、樹脂材料や繊維材料などにより形成された断熱材であり、断熱性を有している。断熱部30の熱伝導率は、例えば空気の熱伝導率とほぼ同じ又はそれよりも低くなっている。断熱材としては、樹脂発泡フォームや不織布とシリカエアロゲル等の高性能断熱部材を組み合わせたものや、柔軟性を持った真空断熱部材などがある。断熱部30は断熱層を形成している。例えば、断熱部30の断熱性はバイザフード50の断熱性よりも高くなっている。断熱部30の熱伝導率は、断熱部30の温度が変化しても変化しにくくなっている。これに対して、空気の熱伝導率は、空気の温度が変化すると変化しやすい。このため、例えば本実施形態とは異なり、空気により断熱層が形成された構成では、断熱層の温度変化に伴って断熱層の断熱性能が変化する、ということが懸念される。
【0041】
断熱部30は、弾性及び伸縮性を有する弾性部材であり、弾性変形可能である。断熱部30は、断熱部30に外力が加えられることに伴って弾性変形又は柔軟に伸縮変形する。断熱部30は、断熱部30の温度変化に応じて伸縮変形する。例えば、断熱部30は、温度上昇に伴って延び、温度低下に伴って縮む。また、断熱部30は、断熱部30の温度変化に応じて柔軟性が変化してもよい。例えば、断熱部30は、温度上昇に伴って柔軟性が高くなり、温度低下に伴って柔軟性が低くなってもよい。断熱部30はバイザフード50及び放熱板部41よりも線膨張しやすい、又は外力により変形しやすい。すなわち、断熱部30の線膨張係数は、バイザフード50及び放熱板部41の各線膨張係数よりも大きい、又は引っ張り強度やヤング率が低い。
【0042】
断熱部30は、凹底面54に沿って延びており、凹底面54と放熱板部41との間に設けられている。断熱部30は、板状に形成されており、一対の板面を有している。断熱部30においては、一方の板面が断熱前面31であり、他方の板面が断熱背面32である。断熱前面31は、放熱背面43に重ねられており、接着剤等により放熱背面43に接合されている。断熱前面31は、ディスプレイ背面24に対向している。断熱背面32は、凹底面54に重ねられており、接着剤等により凹底面54に接合されている。断熱部30は、放熱板部41及びバイザフード50の両方に固定されている。
【0043】
ディスプレイ20は、放熱板部41及び断熱部30を介して凹底面54に固定されている。弾性変形可能な断熱部30は、バイザフード50に対するディスプレイ20及び放熱板部41の相対的な変位に応じて弾性変形する。例えば、車両100の走行に伴う振動が画像表示装置10に付与された場合、バイザフード50に対するディスプレイ20の相対的な変位が生じてディスプレイ20の振動が増加する、ということが断熱部30の弾性変形により抑制される。同様に、バイザフード50に対する放熱板部41の相対的な変位が生じて放熱板部41及びディスプレイ20の振動が増加する、ということが断熱部30の弾性変形により抑制される。バイザフード50に対するディスプレイ20及び放熱板部41の相対的な変位には、バイザフード50、ディスプレイ20及び放熱板部41の少なくとも1つが変形することが含まれる。
【0044】
また、ディスプレイ20の振動は、振動の減衰や、プリロードによる背面支持によっても抑制される。例えば本実施形態とは異なり、ディスプレイ20の背面側に断熱部30ではなく空気層がある構成では、振動抑制についての付加効果が得られずに、ディスプレイ20が容易に振動することが懸念される。
【0045】
図3に示すように、ディスプレイ20はディスプレイユニット70に含まれている。ディスプレイユニット70は画像表示装置10に含まれている。ディスプレイユニット70は、ディスプレイ20に加えて、回路基板71及び接続ケーブル72を有している。回路基板71は、発光素子などの制御を行うことでディスプレイ20の制御を行う。回路基板71は、電子部品を搭載しており、例えばドライバ回路を構成している。接続ケーブル72は、回路基板71とディスプレイ20とを電気的に接続しており、回路基板71からの信号をディスプレイ20に入力する。接続ケーブル72は、可撓性を有する帯状のケーブルであり、例えばフレキシブルフラットケーブルである。接続ケーブル72は、ディスプレイ20の外面に沿って複数並べられている。
【0046】
ディスプレイユニット70は、バイザフード50に収容されている。すなわち、バイザフード50は、ディスプレイ20に加えて回路基板71及び接続ケーブル72を収容している。バイザフード50においては、回路基板71がディスプレイ20からフード基端部58側に離間した位置に設けられている。ディスプレイユニット70においては、回路基板71及び接続ケーブル72への太陽光の照射がバイザフード50及びインパネ102の少なくとも一方により遮られる。なお、回路基板71及び接続ケーブル72への太陽光の照射が遮られるのであれば、回路基板71及び接続ケーブル72はバイザフード50に収容されていなくてもよい。
【0047】
図4に示すように、車両100においては、一対のAピラー108が車両幅方向に並べられている。Aピラー108は、車両幅方向においてフロントウインドシールド106に横並びに設けられている。Aピラー108は、ピラーに相当し、フロントピラーと称されることがある。フロントウインドシールド106は、車両幅方向において一対のAピラー108にかけ渡された状態になっている。
【0048】
虚像表示装置11は車両幅方向に延びている。虚像表示装置11は、装置幅方向が車両幅方向になるように車両100に設置されている。装置幅方向は、画像表示装置10の幅方向である。虚像表示装置11においては、画像表示装置10及び反射ミラー15がいずれも車両幅方向に延びている。画像表示装置10及び反射ミラー15は、少なくとも運転席の前方位置において車両幅方向に延びている。画像表示装置10では、バイザフード50及びフードカバー60が車両幅方向に延びている。例えば、バイザフード50、フードカバー60及び反射ミラー15はいずれも、車両幅方向においてインパネ102の両側端にかけ渡された状態になっている。この場合、バイザフード50、フードカバー60及び反射ミラー15はいずれも、一対のAピラー108にかけ渡された状態になっている。ディスプレイユニット70は、車両幅方向に複数並んでいる。複数のディスプレイユニット70においては、ディスプレイ20及び回路基板71のそれぞれが凹底面54に沿って車両幅方向に複数並べられている。
【0049】
虚像表示装置11においては、表示面22が車両幅方向に複数並べられている。これら表示面22のそれぞれにより表示される虚像Viは、反射ミラー15において車両幅方向に横並びに配置される。例えば、複数の虚像Viは、車両幅方向においてインパネ102の両側端にかけ渡されるように並んだ状態になる。
【0050】
図5に示すように、ディスプレイユニット70には、断熱部30及び放熱部40が含まれている。ディスプレイユニット70においては、車両幅方向におけるディスプレイ20、断熱部30及び放熱板部41の各端部が装置厚さ方向に並んでいる。画像表示装置10では、ディスプレイ20、断熱部30及び放熱板部41のそれぞれが凹底面54に沿って車両幅方向に複数並べられている。複数のディスプレイユニット70は、それぞれ個別に凹底面54に固定されている。このため、複数のディスプレイユニット70のそれぞれを個別にバイザフード50に対して着脱することが可能になっている。
【0051】
複数のディスプレイ20においては、それぞれのディスプレイ前面21が装置幅方向に複数並べられている。複数のディスプレイ前面21は、いずれも反射面16を向いている。これらディスプレイ前面21においては、それぞれの表示面22及び枠面23がいずれも反射面16を向いている。複数のディスプレイ前面21においては、それぞれの枠面23が互いに同色又は同系色になっている。これら枠面23の色はいずれも、例えば黒色になっており、彩度及び明度が同じになっている。なお、複数の枠面23については、色相、彩度及び明度の少なくとも1つが違っていてもよいが、その違いは小さいほど好ましい。
【0052】
虚像表示装置11においては、表示面22及び枠面23が複数ずつ設けられているのに対して、反射面16及びカバー前面61は1つずつ設けられている。虚像表示装置11においては、複数の画像Vにより生成された複数の虚像Viが、1つの反射面16にまとめて表示される。上述したように、反射面16では、画像Vを映した虚像Viが枠面23を映した虚像V23よりも目立ちやすい。このため、乗員にとっては、複数の虚像Viが、枠面23で仕切られた状態ではなく一体的な状態で視認されやすくなっている。
【0053】
複数のディスプレイ20は、それぞれが出射する画像光を互いに遮らない位置に設けられている。隣り合う2つのディスプレイ20においては、一方のディスプレイ20が、他方のディスプレイ20から出射された画像光を遮らない位置に設けられている。
【0054】
複数のディスプレイユニット70において、それぞれのディスプレイ20、断熱部30及び放熱板部41のそれぞれの厚さ寸法は揃っており、ほぼ同じになっている。複数のディスプレイユニット70において、それぞれの表示面22、断熱前面31及び放熱前面42は、いずれも車両幅方向に横並びに配置されている。複数のディスプレイユニット70において、それぞれの表示面22と反射ミラー15との離間距離は揃っており、ほぼ同じになっている。
【0055】
隣り合う2つのディスプレイユニット70は、互いに離間している。隣り合う2つのディスプレイユニット70においては、それぞれのディスプレイ20、断熱部30及び放熱板部41が互いに離間している。隣り合う2つのディスプレイユニット70においては、ディスプレイ20同士の隙間と、断熱部30同士の隙間と、放熱板部41同士の隙間とが、装置厚さ方向に並んでいる。ディスプレイ20、断熱部30及び放熱板部41はいずれも、装置幅方向に並んだ一対の側端部を有している。1つのディスプレイユニット70においては、ディスプレイ20、断熱部30及び放熱板部41のそれぞれの側端部が装置厚さ方向に並んでいる。
【0056】
図5に示すように、ディスプレイ20及び表示面22は、装置幅方向に複数並べられている。画像表示装置10については、互いに直交した方向をX方向、Y方向、Z方向と称し、X方向が装置幅方向であり、Z方向が装置厚さ方向であるとする。Z方向は装置奥行き方向である。装置奥行き方向は、画像表示装置10の奥行き方向である。車両100においては、X方向が車両幅方向であり、Z方向が上下方向であり、Y方向が車両前後方向である。なお、図5においては、断熱部30、放熱板部41及びフードカバー60の図示を省略している。
【0057】
画像表示装置10は、取付対象としてのインパネ102に取り付けられている。図6に示すように、バイザフード50はフード本体120及び連結部111~113を有している。バイザフード50は、連結部111~113によりインパネ102に連結されている。
【0058】
フード本体120は、バイザフード50の主要部分を形成しており、全体として横長板状になっている。例えば、フード本体120は、フード前面51、フード背面52、フード凹部53、フード先端部57、フード基端部58及びフード側端部59を形成している。
【0059】
フード先端部57及びフード基端部58は、全体としてX方向に延びている。フード側端部59は、画像表示装置10の側端部を形成している。フード側端部59は、バイザフード50に一対含まれている。一対のフード側端部59は、X方向に並べられている。フード側端部59は、Y方向に延びており、フード先端部57とフード基端部58とを接続している。フード側端部59は、フード先端部57及びフード基端部58よりも短く、ケース短縁部に相当する。フード先端部57及びフード基端部58は、ケース長縁部と称されることがある。フード先端部57はケース先端部に相当し、フード基端部58はケース基端部に相当する。
【0060】
バイザフード50は、全体としてフード先端部57側に膨らむように曲がった形状になっている。バイザフード50においては、フード先端部57がフード基端部58側に向けて凹むように曲がっており、例えば湾曲している。フード先端部57は、フード先端部57は先端頂部57aを有している。先端頂部57aは、フード先端部57においてフード基端部58側に向けて最も凹んだ位置にある。先端頂部57aは、フード先端部57において一対のフード側端部59の中間位置にある。フード基端部58は、フード先端部57とは反対側に向けて膨らむように曲がっており、例えば湾曲している。フード基端部58は基端頂部58aを有している。基端頂部58aは、フード基端部58においてフード先端部57とは反対側に向けて最も突出した位置にある。基端頂部58aは、フード基端部58において一対のフード側端部59の中間位置にある。
【0061】
バイザフード50のフード横線L1aは、全体としてX方向に延びている。フード横線L1aは、バイザフード50の中心を通ってバイザフード50の長手方向に延びる仮想の中心線であり、フード基端部58側に向けてY方向に膨らむように曲がっている。フード横線L1aは、一対のフード側端部59にかけ渡されるようにX方向に延びており、長手曲がり線に相当する。フード横線L1aは、フード先端部57及びフード基端部58の両方に沿って曲がっており、例えば湾曲している。フード横線L1aは、フード側端部59の側端中心C1を通っている。側端中心C1は、フード側端部59においてフード先端部57とフード基端部58との中間位置にある。バイザフード50においては、長手方向がX方向であり、短手方向がY方向である。
【0062】
バイザフード50のフード縦線L1bは、フード側端部59に沿ってY方向に直線状に延びている。フード縦線L1bは、バイザフード50の中心を通ってバイザフード50の短手方向に延びる仮想の中心線であり、一対のフード基端部58の中間位置にある。フード先端部57においては、フード縦線L1bが通る位置に先端頂部57aがある。フード基端部58においては、フード縦線L1bが通る位置に基端頂部58aがある。
【0063】
図2に示すように、フード本体120は、本体ベース部121及び本体枠部122を有している。本体ベース部121は板状に形成されており、本体枠部122は枠状に形成されている。本体ベース部121と本体枠部122とは、Z方向に直交する方向に並べて配置されている。本体枠部122は本体ベース部121からフード前面51側に突出しており、これによってフード凹部53が形成されている。フード凹部53においては、凹底面54が本体ベース部121により形成されており、凹壁面55が本体枠部122により形成されている。Z方向においては、本体枠部122の厚さ寸法が本体ベース部121の厚さ寸法より大きい。すなわち、本体枠部122は、本体ベース部121よりも肉厚になっている。バイザフード50においては、フード背面52が本体ベース部121により形成されている。また、フード前面51、フード先端部57、フード基端部58及びフード側端部59が本体枠部122により形成されている。
【0064】
図5に示すように、バイザフード50は、一対のフード側端部59の間に上端部が存在するように上方に向けて膨らむようにZ方向に曲がっており、例えば湾曲している。具体的には、バイザフード50が有する本体ベース部121が、上方に向けて膨らむようにZ方向に湾曲して曲がっている。本体ベース部121は、上方に凸になるように湾曲しており、アーチ状や円弧状になっている。本体ベース部121の曲率は、X方向において均一になっている。本体ベース部121のアーチは緩やかになっている。本体ベース部121の曲率半径は、例えばX方向における本体ベース部121の長さ寸法より大きい。
【0065】
フード横線L1aは、本体ベース部121の中心を通ってX方向に延びている。フード横線L1aは、上方に向けて膨らむようにZ方向に曲がっており、例えば湾曲している。フード横線L1aの曲率は、X方向において均一になっている。フード横線L1aの曲率半径は、例えばX方向における本体ベース部121の長さ寸法より大きい。フード背面52及び凹底面54はいずれも、フード横線L1aに沿って湾曲している。フード横線L1aは上曲がり線に相当する。
【0066】
本体ベース部121及びフード横線L1aにおいては、フード上下線L1c(図7参照)が通る部分が上端部になっている。フード上下線L1cは、本体ベース部121の中心を通ってZ方向に延びる仮想の中心線であり、一対のフード基端部58の中間位置にある。本体ベース部121及びフード横線L1aにおいては、上端部がZ方向において最も上方の位置にあり、下端部がZ方向において最も下方の位置にある。本体ベース部121の上端部には、先端頂部57a及び基端頂部58aが含まれている。本体ベース部121においては、先端頂部57a及び基端頂部58aが上端部に相当する。
【0067】
図6において、連結部111~113は、フード本体120をインパネ102のうち奥部分102b及び側方部分102cに連結している。連結部111~113は、インパネ102に対してフード本体120を位置保持している。連結部111~113は、締結具又は係合部を受ける受部が設けられた部位である。連結部111~113は、例えばZ方向に直交する方向においてフード本体120から側方に突出した耳部と、耳部に設けられた受部とを有している。締結具は、ボルト等の固定具であり、連結部111~113の受部に挿通された状態でバイザフード50とインパネ102とを締結している。係合部は、インパネ102に設けられたクリップ等の部位であり、受部に引き込まれるなどして係合する突起である。受部は、締結具又は係合部が挿入される孔又は凹部であり、例えば耳部の中央に配置されている。本実施形態では、連結部111~113の位置が、バイザフード50とインパネ102とが連結された位置である。連結部111~113は、保持締結部と称されることがある。
【0068】
連結部111~113は、フード本体120の外周縁に沿って並べられている。連結部111~113のうち、外連結部111及び内連結部112は、フード基端部58を奥部分102bに連結しており、基端連結部に相当する。外連結部111と内連結部112とは、フード基端部58に沿って複数ずつ並べられている。外連結部111及び内連結部112は、フード本体120からフード先端部57とは反対側に向けて突出した状態になっている。
【0069】
外連結部111は、X方向において内連結部112よりも外側に設けられている。すなわち、外連結部111は、内連結部112よりもフード側端部59に近い位置に設けられている。外連結部111は、一対のフード側端部59のそれぞれに対して設けられている。一対の外連結部111は、フード基端部58に沿って並べられている。一対の外連結部111はいずれも、フード側端部59からフード縦線L1b側に離間した位置にある。外連結部111は、X方向においてフード縦線L1bよりもフード側端部59に近い位置にある。外連結部111は、ベース連結部に相当し、主保持締結部と称されることがある。
【0070】
内連結部112は、X方向において一対の外連結部111の間に複数設けられている。これら内連結部112は、フード基端部58に沿って並べられている。複数の内連結部112はいずれも、Y方向において外連結部111よりもフード先端部57とは反対側に設けられている。内連結部112は、外連結部111に対してY方向にずれた位置にある。内連結部112は、ズレ連結部に相当し、副保持締結部と称されることがある。
【0071】
複数の内連結部112には、中間連結部112aが含まれている。中間連結部112aは、フード縦線L1bが通る位置に配置された内連結部112である。中間連結部112aは、フード基端部58において一対のフード側端部59の中間位置に配置されている。中間連結部112aは、複数の内連結部112で最もフード先端部57とは反対側にある。なお、中間連結部112aは、一対のフード側端部59の中間位置からX方向に多少ずれていても、フード縦線L1bが中間連結部112aの一部を通る位置にあればよい。
【0072】
外連結部111は、Y方向において中間連結部112aよりもフード先端部57側に配置されている。Y方向においては、外連結部111が基端頂部58aよりも先端頂部57aに近い位置にある。Y方向において、外連結部111と先端頂部57aとの離間距離Dbは、中間連結部112aと先端頂部57aとの離間距離Daよりも小さい。
【0073】
連結部111~113のうち、手前連結部113は、フード側端部59を側方部分102cに連結している。手前連結部113は、一対のフード側端部59のそれぞれに1つずつ設けられている。手前連結部113は、フード側端部59から側方に向けて突出している。手前連結部113は短縁連結部に相当し、左右端締結部と称されることがある。
【0074】
手前連結部113は、フード側端部59においてフード基端部58からフード先端部57側に離間した位置に設けられている。手前連結部113は、フード先端部57とフード基端部58との間にあり、フード先端部57及びフード基端部58のいずれからも離間した位置にある。手前連結部113は、例えばフード側端部59においてフード先端部57とフード基端部58との中間位置にある。手前連結部113にとっての中間位置は、手前連結部113が側端中心C1をY方向に跨ぐ位置である。この中間位置は、フード横線L1aが手前連結部113の一部を通る位置である。Y方向においては、手前連結部113がフード基端部58よりもフード先端部57に近い位置にある。
【0075】
本実施形態では、連結部111~113の位置を、それぞれの中心がある位置で設定している。例えば、外連結部111及び内連結部112は、Y方向においてフード基端部58よりも外側にはみ出した位置にあってもよく、フード基端部58よりも内側に入り込んだ位置にあってもよい。手前連結部113は、X方向においてフード側端部59よりも外側にはみ出した位置にあってもよく、フード側端部59よりも内側に入り込んだ位置にあってもよい。
【0076】
複数のディスプレイ20は、フード横線L1aに沿って並べられている。これらディスプレイ20は、フード先端部57及びフード基端部58の両方に沿って並んでいる。ディスプレイ20は、フード横線L1aが延びる方向に延びている。隣り合う2つのディスプレイ20のうち一方は他方に対して傾斜している。隣り合う2つのディスプレイ20を1セットと称すると、隣り合う2つのディスプレイ20のうち一方に対する他方の相対的な傾斜角度は、複数セットのそれぞれについて同じになっている。例えば、複数のディスプレイ20においては、X方向において一方の端にあるディスプレイ20から順番に見て相対的な傾斜角度は例えば10度ずつになっているなど全て同じになっている。
【0077】
Z方向においてフード背面52を見た平面視において、複数のディスプレイ20は、両端のディスプレイ20が最もフード先端部57側に配置されるようにフード横線L1aに沿って並べられている。複数のディスプレイ20においては、それぞれのディスプレイ横線L2aが全体としてX方向に延びている。ディスプレイ横線L2aは、フード横線L1aに沿って直線状に延びている。ディスプレイ横線L2aは、ディスプレイ20の中心を通ってディスプレイ前面21の長辺に沿って延びる仮想の中心線である。隣り合う2つのディスプレイ20のうち、一方のディスプレイ横線L2aは他方のディスプレイ横線L2aに対して傾斜している。
【0078】
ディスプレイ20のディスプレイ縦線L2bは、フード縦線L1bと同様に、Y方向に直線状に延びている。ディスプレイ縦線L2bは、ディスプレイ20の中心を通ってディスプレイ前面21の短辺に沿って延びる仮想の中心線である。隣り合う2つのディスプレイ20においては、それぞれのディスプレイ縦線L2bが互いに平行に延びている。複数のディスプレイ20には、Y方向においてバイザフード50の中心に配置されたディスプレイ20が含まれている。このディスプレイ20が有するディスプレイ縦線L2bは、フード縦線L1bに一致している。ディスプレイ縦線L2bは表示中心線に相当する。
【0079】
外連結部111及び内連結部112といった基端連結部は、複数のディスプレイ20のそれぞれに個別に設けられている。外連結部111及び内連結部112は、フード基端部58においてディスプレイ縦線L2bが通る位置に配置されている。外連結部111及び内連結部112の中心を通ってY方向に延びる中心線はディスプレイ縦線L2bに一致している。フード基端部58において、複数のディスプレイ縦線L2bのそれぞれが通る位置には、外連結部111及び内連結部112のうち一方が配置されている。
【0080】
複数のディスプレイ20は、Y方向における両端のディスプレイ20が最も下方に配置されるようにフード横線L1aに沿って並べられている。複数のディスプレイ20は、全体として上方に膨らんだ形状になるように並んでいる。これらディスプレイ20はいずれも、断熱部30、放熱板部41及びバイザフード50を介して互いに接続されている。すなわち、複数のディスプレイ20は互いに間接的に接続されている。
【0081】
図2図6に示すように、画像表示装置10は補強部材90を有している。補強部材90は、バイザフード50を補強しており、補強部に相当する。補強部材90は導電性を有している。補強部材90の導電性はバイザフード50の導電性よりも高くなっている。補強部材90は、バイザフード50よりも高い曲げ剛性を有している。補強部材90は、バイザフード50よりも高い弾性率を有しており、バイザフード50よりも変形しにくくなっている。例えば、バイザフード50は、弾性率が高い材料により形成されている。補強部材90は、バイザフード50よりも高い強度を有している。補強部材90については、強度及び曲げ剛性の少なくとも一方がバイザフード50よりも高くなっていればよい。
【0082】
補強部材90を形成している材料は、バイザフード50を形成している材料よりも強度及び弾性率の少なくとも一方が高くなっている。補強部材90を形成している材料としては、SUS、AL、CFRPなどがある。SUSはステンレスであり、ALはアルミニウムであり、CFRPは炭素繊維強化プラスチックである。
【0083】
補強部材90は、バイザフード50に埋め込まれており、バイザフード50に内蔵された状態になっている。補強部材90は、Y方向においてフード先端部57とディスプレイ20との間に設けられている。補強部材90は、Y方向においてフード先端部57とフード凹部53との間に設けられている。補強部材90は、フード先端部57及び凹壁面55の両方から離間した位置にある。補強部材90は、Z方向においてフード前面51とフード背面52との間に設けられている。補強部材90は、フード前面51及びフード背面52の両方から離間した位置にある。
【0084】
補強部材90は、ディスプレイ20よりもフード先端部57に近い位置に設けられている。Y方向においては、補強部材90とフード先端部57との離間距離が、補強部材90とディスプレイ20との離間距離よりも小さい。補強部材90は、凹壁面55よりもフード先端部57に近い位置にある。Y方向においては、補強部材90とフード先端部57との離間距離が、補強部材90と凹壁面55との離間距離より小さい。
【0085】
補強部材90は、例えば丸棒状の細長部材であり、フード先端部57に沿ってX方向に延びている。補強部材90は、フード先端部57の形状に合わせた形状になっている。補強部材90は、Y方向においてフード基端部58側に向けて膨らむように曲がっており、例えば湾曲している。補強部材90は、Z方向において上方に向けて膨らむように曲がっており、例えば湾曲している。
【0086】
補強部材90は、補強中間部91及び補強端部92を有している。補強部材90は一対の端部を有しており、これら端部が補強端部92である。補強中間部91は、一対の補強端部92の中間位置にあり、補強部材90の中心を含んでいる。補強部材90では、Y方向において、補強中間部91が最もフード基端部58側にあり、補強端部92が最もフード先端部57側にある。補強部材90では、Z方向において、補強中間部91が最も上方にあり、補強端部92が最も下方にある。
【0087】
補強部材90は、フード先端部57に沿って一対のフード側端部59にかけ渡された状態になっている。補強部材90は、フード先端部57の全体に対して設けられており、バイザフード50において梁状に配置されている。補強端部92は、フード側端部59から離間した位置にあり、フード側端部59から外部に露出していない。補強中間部91は、バイザフード50においてフード縦線L1bが通る位置に配置されている。補強部材90は、フード先端部57の1/2よりも長く、且つフード先端部57よりも短い。X方向においては、補強部材90の長さ寸法L1がフード先端部57の長さ寸法L2よりも小さい。一方で、長さ寸法L1は、長さ寸法L2の1/2よりも大きい。
【0088】
補強部材90は、複数のディスプレイ20にかけ渡された状態になっている。補強部材90は、隣り合う2つのディスプレイ20にかけ渡されている。X方向においては、補強端部92がディスプレイ20とフード側端部59との間にある。補強部材90は、X方向においてフード凹部53とフード側端部59との間にある。補強部材90は、複数のディスプレイ20のうち最もフード側端部59に近い位置にあるディスプレイ20よりも更にフード側端部59側に延びている。
【0089】
ここまで説明した本実施形態によれば、バイザフード50において補強部材90がフード先端部57に沿って延びている。この構成では、例えばフード先端部57に外力が付与された場合に、この外力が補強部材90の全体に分散されやすい。このため、フード先端部57が局所的に変形するということを補強部材90により抑制できる。したがって、バイザフード50が局所的に変形してディスプレイ20に応力が集中し、ディスプレイ20に異常が発生する、ということを抑制できる。
【0090】
画像表示装置10については、本実施形態とは異なり、バイザフード50等の筐体ケースが金属材料により形成されることがある。例えば、ノートパソコンやスマートフォン、タブレット、車載表示器などに対する薄型デザインへのニーズの高まりについて、筐体ケースをアルミやマグネシウム等の軽金属により作ることがある。これにより、製品の重量を減らし、且つデザイン性の良い製品を実現することが可能になる。ところが、金属製の筐体ケースを採用すると、重量が重たくなることや、部品製造の難易度が高くなること、価格が高くなること、などの不都合が考えられる。例えば、部品製造については、成形や金型加工などの難易度が高くなることがある。金型加工については、特殊な金型や技術が必要になることがある。
【0091】
これら不都合の解決策として、PBT樹脂にガラス繊維を分散させて補強した筐体ケースが使われることがある。また、PPS樹脂やナイロン樹脂にカーボン繊維を分散させて補強した筐体ケースが使われることがある。PBT樹脂やPPS樹脂、ナイロン樹脂は、金属より軽量であり、加工性や成形性が良く、安価である。例えば、部品製造が容易になることが考えられる。金型加工については、一般的な金型や技術を用いることが可能になる。PBT樹脂はポリブチレンテレフタレート樹脂であり、PPS樹脂はポリフェニレンサルファイド樹脂である。
【0092】
しかし、このように樹脂を補強しても、金属に比べて筐体ケースの強度が1/2~1/10などに低下しやすい。このため、乗員が筐体ケースに不用意に手をついたり筐体ケースを把持したりすると、筐体ケースの局部的な変形が容易に発生してしまう。換言すれば、筐体ケースについて軽量化やコストダウン観点で樹脂化を行うと、強度や剛性が金属より落ちやすい。筐体ケースの軽量化により車両重量の低減や燃費改善を実現しやすいと考えられる。これに対して、筐体ケースの薄型デザインを少しだけ緩和して、筐体ケースの撓みが少なくなるような対策が考えられる。この対策としては、筐体ケースについて、ケース板厚を厚くすることや、断面形状を深くして曲げ剛性をアップすることなどがある。ところが、この対策は、筐体ケースの薄型デザインを犠牲にすることになり、デザイン性が低下してしまう。
【0093】
これに対して、本実施形態によれば、補強部材90がフード先端部57に沿って延びている。この構成では、支持点を十分には付与できない筐体ケースの長辺や先端部に、強度や弾性率の高い補強部材90を梁状に配置することになる。このため、筐体ケースについて、曲げ剛性や強度を向上させることができる。また、X方向をワイド方向と称すると、補強部材90は、ワイド方向において局部的ではなく、筐体ケースの全体に配置されている。このため、筐体ケースへの荷重は、補強部材90を通じて広範囲に伝達されて分散される。したがって、例えば筐体ケースに補強部材90が設けられておらずに樹脂だけの構成とは異なり、荷重点付近の局所的な応力集中や、変形の発生、撓みの発生を低減できる。これらのことにより、ワイドな表示画面や筐体ケースを持つ計器や表示器について、樹脂ベースで軽量化を狙い、且つ薄型で高い強度及び剛性を実現できる。
【0094】
例えば、図7に示すように、乗員などがフード先端部57を上から押すなどしてフード先端部57に局所的に外力が加えられた場合、バイザフード50が変形するとしても、フード先端部57が補強部材90と共に全体的に緩やかに曲がる程度で済む。これは、バイザフード50においてフード先端部57に近い部分が補強部材90により補強されていることにより、バイザフード50が厚さ方向に変形しにくくなっているためである。また、補強部材90の弾性率がバイザフード50の弾性率よりも高いため、バイザフード50に塑性変形などの異常が発生するほどには補強部材90が変形しないようになっている。
【0095】
画像表示装置10について、例えば本実施形態とは異なる比較例10xを想定する。図8に示すように、比較例10xにおいては、バイザフード50に対して補強部材90が設けられていない。比較例10xでは、フード先端部57に局所的に外力が加えられた場合、フード先端部57において外力が加えられた部分が局所的に下方に向けて大きく曲がることが考えられる。このように、フード先端部57がバイザフード50の厚さ方向に局所的に曲がるように変形すると、この変形に伴ってディスプレイ20に異常が発生することが懸念される。
【0096】
本実施形態によれば、画像表示装置10が車両に搭載された状態で、バイザフード50がインパネ102に取り付けられている。車室101においては、乗員が手の届く位置にバイザフード50が配置されると考えられる。このため、フード先端部57が補強部材90により補強されていることは、乗員が触ったり手をついたりすることから画像表示装置10を保護するという観点で効果的である。
【0097】
本実施形態によれば、補強部材90は、フード先端部57の1/2以上の長さ寸法を有しており、且つフード先端部57よりも短い。この構成では、フード先端部57が局所的に変形することをバイザフード50の広範囲について補強部材90により抑制すること、及び補強部材90によりバイザフード50のデザイン性が低下することを抑制すること、の両方を実現できる。
【0098】
本実施形態によれば、補強部材90は一対のフード側端部59にかけ渡された状態になっている。この構成では、フード先端部57が局所的に変形することを、X方向におけるバイザフード50の全体について補強部材90により抑制できる。このため、例えば乗員がフード先端部57のどの部分に手をつくなどして外力を加えたとしても、バイザフード50の局所的な変形が生じにくくなっている。
【0099】
本実施形態によれば、補強部材90は、隣り合う2つのディスプレイ20にかけ渡された状態になっている。この構成では、バイザフード50のうち隣り合う2つのディスプレイ20の間の部分が局所的に変形する、ということを補強部材90により抑制できる。
【0100】
本実施形態によれば、補強部材90はフード先端部57とディスプレイ20との間に設けられている。この構成では、フード先端部57と共にディスプレイ20が局所的に変形するということを補強部材90により抑制できる。仮に、フード先端部57が局所的に変形するほどの外力がフード先端部57に加えられたとしても、その外力がディスプレイ20に伝わることを、フード先端部57とディスプレイ20との間にある補強部材90により規制できる。
【0101】
例えば本実施形態とは異なり、Y方向において補強部材90よりもフード先端部57側にディスプレイ20が延びた構成を想定する。この構成では、フード先端部57に加えられた外力がディスプレイ20に伝わることが補強部材90により規制されにくい。このため、フード先端部57の局所的な変形と共にディスプレイ20に異常が発生する、ということが懸念される。
【0102】
また、補強部材90がフード先端部57とディスプレイ20との間に設けられているため、補強部材90をZ方向においてディスプレイ20に重なる位置に配置する必要がない。このため、Z方向においてバイザフード50が補強部材90の分だけ肉厚になるということを回避できる。したがって、画像表示装置10の薄型化を実現できる。
【0103】
特に、補強部材90はフード先端部57とディスプレイ20との間において、ディスプレイ20よりもフード先端部57に近い位置に設けられている。この構成では、補強部材90がフード先端部57に極力近い位置に配置されている。このため、仮に外力によってフード先端部57が変形したとしても、バイザフード50においてフード先端部57と共に変形する部分を極力小さくできる。換言すれば、Y方向においてバイザフード50の変形を補強部材90により抑制できる範囲を極力大きくできる。
【0104】
本実施形態によれば、補強部材90は、バイザフード50よりも高い導電性を有している。この構成では、バイザフード50に帯電していた電荷が外部に放出される場合に、この電荷は補強部材90を通りやすくなっている。このため、この電荷によって画像表示装置10に異常が発生するということを抑制できる。例えば、乗員がバイザフード50に触った時、バイザフード50に帯電していた電荷は、静電気として補強部材90を流れやすくなっている。したがって、補強部材90が静電気を積極的に引き受けることで、ディスプレイ20や回路基板71、接続ケーブル72を保護することができる。換言すれば、筐体ケース内の表示器や配線、基板等を保護する機能を補強部材90に付与できる。
【0105】
<構成群B>
本実施形態によれば、虚像表示装置11においては、複数の表示面22が反射面16を向いた状態で反射面16に沿って並べられている。この構成では、複数の表示面22のそれぞれに表示された画像Vが反射面16により複数の虚像Viとして表示される。このため、乗員にとっては、複数の虚像Viを1つの反射面16においてまとめて視認することが可能になる。乗員にとっては反射面16が視認面Svであるため、虚像表示装置11において視認面Svの大型化を図ることができる。
【0106】
しかも、反射面16においては、画像光により表示された虚像Viの方が、枠面23が映っただけの虚像V23よりも目立ちやすい。このため、複数の虚像Viを表示する1つの視認面Svにおいて虚像隙間領域が目立つことを緩和できる。虚像隙間領域は、隣り合う虚像Viの隙間を示す領域である。したがって、乗員が視認面Svを視認した際に、その乗員が虚像隙間領域に違和感を抱くということを抑制できる。換言すれば、視認面Svにより視認される複数の虚像Viについてシームレス感を高めることができる。
【0107】
さらに、ディスプレイ20として自発光式の表示部が採用されているため、画像Vの黒色部分などからバックライトの光が漏れるということが回避される。例えば、ディスプレイ前面21において、表示面22の外周縁と枠面23の内周縁との境界部にてバックライトの光が漏れるということが回避される。このため、虚像隙間領域において、バックライトの光で枠面23が目立つということを抑制できる。したがって、視認面Svでのシームレス感をバックライトの光漏れ防止によっても高めることができる。
【0108】
本実施形態によれば、複数のディスプレイ20が装置幅方向に並べられている。この構成では、隣り合う2つのディスプレイ20においては、一方のディスプレイ20から出射された画像光が他方のディスプレイ20により遮られる、ということを回避できる。このため、画像光が遮られることで虚像隙間領域が目立つということを回避できる。
【0109】
本実施形態では、隣り合う2つのディスプレイ20の間に隙間があるため、視認面Svにおいて、この隙間を映した虚像が虚像隙間領域に含まれる。また、虚像Viが画像光により表示されるため、隙間の虚像は、虚像隙間領域において枠面23の虚像Viと同様に目立ちにくい。これらのことにより、ディスプレイ20の着脱容易性などを優先して、隣り合う2つのディスプレイ20の間に隙間が確保されていても、この隙間を映した虚像に乗員が違和感を抱くということを抑制できる。
【0110】
本実施形態によれば、複数のディスプレイ20において、それぞれの枠面23が同系色になっている。この構成では、複数のディスプレイ20について、枠面23の虚像V23が目立たない度合いを揃えることができる。このため、枠面23について、視認面Svにより複数の虚像V23が表示された場合に、一部の虚像V23だけが目立つということを抑制できる。
【0111】
本実施形態によれば、ディスプレイ背面24を覆うバイザフード50が、複数のディスプレイ20にかけ渡された状態になっている。このため、複数のディスプレイ20が位置ずれするということをバイザフード50により抑制できる。例えば、隣り合う2つの表示面22が相対的にずれて、これら表示面22により表示される2つの虚像Viが位置ずれする、ということをバイザフード50により抑制できる。
【0112】
本実施形態によれば、車両100において、バイザフード50が一対のAピラー108にかけ渡されている。この構成では、バイザフード50がインパネ102に固定された部分をAピラー108に極力近い位置に配置できる。このため、インパネ102によるバイザフード50の支持強度を高めることができる。また、この構成では、車室101においてバイザフード50を車両幅方向に極力大きくできる。このため、バイザフード50に収容する画像表示装置10の数を増やすことができる。さらに、画像表示装置10の数に合わせて反射ミラー15を大型化することで、反射面16である視認面Svを大型化することができる。
【0113】
本実施形態によれば、バイザフード50がインパネ102に取り付けられる部材である。このため、車室101のデザイン性がバイザフード50により低下するということを抑制できる。したがって、バイザフード50により車室101のデザイン性を高めることができる。特に、視認面Svの大型化に伴ってバイザフード50も大型化された構成では、車室101においてバイザフード50が目立ちやすい。このため、バイザフード50により車室101のデザイン性を高めることは効果的である。
【0114】
<変形例1>
補強部材90は、フード先端部57及びフード側端部59の両方に沿って延びていてもよい。変形例1では、例えば第1実施形態において、図9に示すように、補強部材90が折れるように曲がった形状になっている。この折れ曲がった部分は、補強中間部91よりも補強端部92に近い位置にある。
【0115】
補強部材90は横延び部93及び縦延び部94を有している。横延び部93は、フード先端部57に沿ってX方向に延びている。縦延び部94は、フード側端部59に沿ってY方向に延びている。補強部材90において横延び部93と縦延び部94との境界部分は、フード先端部57側に向けて膨らむように湾曲している。横延び部93は、Y方向においてフード先端部57とフード凹部53との間に設けられている。縦延び部94は、X方向においてフード側端部59とフード凹部53との間に設けられている。縦延び部94は補強端部92を形成している。補強端部92は、Y方向においてフード先端部57とフード横線L1aとの間に設けられている。
【0116】
補強端部92は、Y方向においてフード先端部57よりもフード横線L1aに近い位置にある。なお、補強端部92は、Y方向においてフード横線L1aよりもフード先端部57に近い位置にあってもよく、フード横線L1aよりもフード基端部58側にあってもよい。換言すれば、縦延び部94がフード側端部59に沿って延びていればよい。例えば、横延び部93と縦延び部94とは、接続されずに互いに離間した位置に配置されていてもよい。
【0117】
補強部材90は、手前連結部113に接続されている。補強部材90は、例えば手前連結部113の耳部に接続されている。補強部材90は、手前連結部113に接続されていれば、手前連結部113の受部や締結具、係合部に接続されていてもよい。すなわち、補強部材90から手前連結部113を介してインパネ102に荷重が伝わる構成になっていればよい。また、補強部材90から手前連結部113に荷重が伝わる構成になっていれば、補強部材90と手前連結部113とは直接的に接続されていなくてもよい。例えば、補強部材90が手前連結部113の近くに配置されていればよい。
【0118】
手前連結部113は、車両100において車体フレーム等の車体に連結されている。補強部材90は、手前連結部113を介して車体に電気的に接続されている。補強部材90は、手前連結部113を介して電気的にグランドに接続され、アースがとられた状態になっている。このため、仮にバイザフード50に電荷が付与されたとしても、この電荷が車体を介してグランドに放出される。したがって、静電気により画像表示装置10に異常が発生するということを抑制できる。
【0119】
本変形例によれば、補強部材90が手前連結部113に連結されている。この構成では、フード先端部57に外力が加えられた場合に、この外力が補強部材90から手前連結部113を介してインパネ102に伝わりやすい。すなわち、補強部材90に加えられた荷重を手前連結部113からインパネ102に分散させることが可能である。したがって、バイザフード50が変形することインパネ102への力の分散により抑制できる。
【0120】
手前連結部113等の短縁連結部は、フード側端部59に複数設けられていてもよい。変形例1では、バイザフード50が、手前連結部113に加えて奥連結部114を短縁連結部として有している。手前連結部113及び奥連結部114はいずれも、一対のフード側端部59のそれぞれに設けられている。奥連結部114は、手前連結部113とフード基端部58との間に設けられている。手前連結部113が第1連結部に相当し、奥連結部114が第2連結部に相当する。
【0121】
奥連結部114は、手前連結部113と同様に、フード側端部59を側方部分102cに連結している。奥連結部114は、耳部及び受部を有しているなど、連結部111~113と同じ構成になっている。奥連結部114は、一対のフード側端部59のそれぞれに1つずつ設けられている。奥連結部114は、フード側端部59から側方に向けて突出している。奥連結部114は、手前連結部113と同様に短縁連結部に相当し、左右端締結部と称されることがある。外連結部111がフード側端部59からフード縦線L1b側に離間した位置にあることで、奥連結部114は外連結部111からフード側端部59側に離間した位置にある。
【0122】
奥連結部114は、フード側端部59において手前連結部113よりも奥側に設けられており、フード側端部59においてフード基端部58にある。奥連結部114は、フード基端部58からフード先端部57側に向けて延びている。奥連結部114は、フード側端部59において側端中心C1からフード基端部58側に離間した位置にある。なお、奥連結部114は、フード基端部58からフード先端部57側に離間した位置に設けられていてもよい。また、奥連結部114は、フード基端部58をY方向に跨ぐ位置に設けられていてもよい。要は、奥連結部114は、フード側端部59において手前連結部113よりもフード基端部58側に設けられていればよい。
【0123】
手前連結部113は、奥連結部114よりも手前側に設けられており、フード側端部59においてフード先端部57にある。手前連結部113は、フード先端部57からフード基端部58側に向けて延びている。手前連結部113は、フード側端部59において側端中心C1からフード先端部57側に離間した位置にある。なお、手前連結部113は、上記第1実施形態のように、フード先端部57からフード基端部58側に離間した位置に設けられていてもよい。また、手前連結部113は、フード先端部57をY方向に跨ぐ位置に設けられていてもよい。要は、手前連結部113は、フード側端部59において奥連結部114よりもフード先端部57側に設けられていればよい。
【0124】
<変形例2>
補強部材90は、バイザフード50において放熱部40に接続されていてもよい。変形例2では、例えば第1実施形態において、図10に示すように、補強部材90が放熱板部41に接続されている。放熱板部41は、凹壁面55よりもフード先端部57側に向けて延びている。放熱板部41においては、放熱フィン44とは反対側の端部が補強部材90に接続されている。補強部材90と放熱板部41とは、溶接や固定具などにより接続されている。放熱板部41は、例えば1mm前後の金属板により形成されている。
【0125】
補強部材90は、放熱板部41に電気的に接続されている。放熱板部41は、電気的にグランドに接続されており、アースがとられた状態になっている。このため、仮にバイザフード50に電荷が付与されたとしても、この電荷が放熱板部41を介してグランドに放出される。
【0126】
本変形例によれば、補強部材90が放熱板部41に接続されている。この構成では、フード先端部57に外力が加えられた場合に、この外力を補強部材90から放熱板部41に分散させることができる。したがって、バイザフード50が変形することを放熱板部41への力の分散により抑制できる。
【0127】
<変形例3>
補強部材90等の補強部は、バイザフード50において複数設けられていてもよい。変形例3では、例えば第1実施形態において、図11に示すように、補強部材90に加えて補強部材96がバイザフード50に設けられている。本変形例では、補強部材90を第1補強部材90と称し、補強部材96を第2補強部材96と称する。第2補強部材96は、バイザフード50よりも高い強度を有しているなど、第1補強部材90と同様の構成になっている。第2補強部材96は、第1補強部材90と同様に、バイザフード50を補強しており、補強部に相当する。
【0128】
第2補強部材96は、第1補強部材90と同様にバイザフード50に埋め込まれており、バイザフード50に内蔵された状態になっている。第2補強部材96は、第1補強部材90からフード基端部58側に離間した位置にある。例えば、第2補強部材96は、Y方向においてフード先端部57とフード基端部58との中間位置や、フード基端部58よりもフード先端部57に近い位置にある。第2補強部材96は、Z方向においてディスプレイ20に重なる位置に配置されている。例えば、第2補強部材96は、Z方向においてフード背面52と凹底面54との間に設けられている。
【0129】
第2補強部材96は、例えば板状の細長部材であり、X方向に延びている。第2補強部材96においては、一方の板面がディスプレイ背面24に対向している。第2補強部材96は、一対のフード側端部59にかけ渡された状態になっている。例えば、第2補強部材96は、X方向において第1補強部材90とほぼ同じ長さを有している。なお、第2補強部材96は複数設けられていてもよい。例えば、複数の第2補強部材96は、X方向、Y方向及びZ方向の少なくとも一方に並べられていてもよい。
【0130】
<変形例4>
補強部材90は、バイザフード50から外側に露出した状態になっていてもよい。変形例4では、例えば第1実施形態において、図12に示すように、補強部材90がバイザフード50の外側においてフード先端部57に設けられている。補強部材90は、バイザフード50に埋め込まれておらず、フード先端部57に対して接着剤やネジ等により固定されている。補強部材90は、例えば加飾モールのようなデザイン部材として配置されており、バイザフード50のデザイン性を向上させている。
【0131】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、反射面16が視認面Svとして視認者により視認されるように配置されていた。これに対して、第2実施形態では、カバー前面61が視認面Svとして視認者により視認されるように配置されている。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0132】
図13に示す車両100では、乗員は、視認面Svにおいて虚像Viではなく画像Vを視認することが可能になっている。車両100には、反射ミラー15が搭載されておらず、画像表示装置10は虚像表示装置11を構成していない。
【0133】
図13図16に示す画像表示装置10は、カバー前面61が視認されるように設置されている。カバー前面61は、座席側を向くように斜め上方を向いている。座席に座った乗員にとってはカバー前面61を視認しやすくなっている。本実施形態では、カバー前面61が乗員により視認される視認面Svである。乗員は、視認面Svであるカバー前面61を視認することで画像Vを視認することが可能である。表示面22から出射された画像光は、フードカバー60を透過して座席側に向かって進む。乗員は、上記第1実施形態のように表示面22を間接的に見るのではなく、フードカバー60を介して表示面22を直接的に見ることになる。なお、図15においては、フード前面51の図示を省略している。本実施形態では、装置厚さ方向が車両100の前後に延びる方向である。
【0134】
画像表示装置10は、カバー前面61及びフード背面52が車室101に露出した状態でインパネ102に設けられている。画像表示装置10は、インパネ102から上方に向けて延びている。画像表示装置10は、手前部分102aと奥部分102bとの間に入り込んだ状態になっている。画像表示装置10の下端部は、インパネ102の奥側に入り込んでおり、インパネ102に固定された基端部である。画像表示装置10の上端部は、奥部分102bの上方に配置された先端部である。カバー前面61は、鉛直方向又は鉛直方向に対して少し傾斜した方向に延びている。
【0135】
画像表示装置10はフロントウインドシールド106の下側に設けられている。表示面22及びカバー前面61は、フロントウインドシールド106とは異なる方向を向いている。太陽光がフロントウインドシールド106を透過して車室101に差し込んだ場合、この太陽光は、フード背面52に当たりやすい一方で、表示面22及びカバー前面61には当たりにくくなっている。
【0136】
図14に示すように、バイザフード50においては、フード先端部57が画像表示装置10の上端部を形成し、フード基端部58が画像表示装置10の下端部を形成している。バイザフード50は、フード基端部58が手前部分102a及び奥部分102bの下側に配置された状態でインパネ102に固定されている。
【0137】
放熱部40においては、放熱フィン44が、インパネ102により上から覆われた状態になっている。例えば、放熱フィン44は、奥部分102bの下方に配置されており、奥部分102bにより上から覆われた状態になっている。車室101においては、放熱フィン44への太陽光の照射がインパネ102により遮られる。なお、放熱フィン44の位置は、フード凹部53からフード基端部58側に離間した位置でなくてもよい。
【0138】
画像表示装置10は、上記第1実施形態と同様に、取付対象としてのインパネ102に取り付けられている。例えば、バイザフード50は、基端連結部によりインパネ102に連結されている。基端連結部は、上記第1実施形態の外連結部111及び内連結部112と同様の構成であり、フード基端部58をインパネ102に連結している。本実施形態では、バイザフード50がインパネ102から上方に向けて延びていることに伴って、フード側端部59はインパネ102に連結されていない。本実施形態では、バイザフード50が基端連結部を有している一方で、短縁連結部を有していない。
【0139】
図14図16に示すように、上記第1実施形態と同様に、画像表示装置10は補強部材90を有している。本実施形態と上記第1実施形態とでは、画像表示装置10の設置向きが異なるものの、画像表示装置10における補強部材90の構成は同じになっている。例えば、本実施形態では、バイザフード50がインパネ102から上方に向けて延びていることに伴って、補強部材90がフード先端部57の下方にある。
【0140】
本実施形態と上記第1実施形態とで異なる点は、主に、表示面22及びカバー前面61の向きが異なっていること、フード側端部59がインパネ102に連結されていないこと、という2点である。したがって、これら2点を除いて、上記第1実施形態の画像表示装置10が奏する効果は、本実施形態の画像表示装置10が奏することができる。
【0141】
例えば、図17に示すように、乗員などがフード先端部57を手前に引っ張るなどしてフード先端部57に局所的に外力が加えられた場合、フード先端部57が下方に膨らむように曲がるのではなく、乗員にとっての手前側に膨らむように曲がることが考えられる。このように、本実施形態では、上記第1実施形態に対して、表示面22の向きが異なっていることで、フード先端部57が曲がりやすい向きが異なるが、補強部材90により得られる効果は同じである。具体的には、フード先端部57に局所的に外力が加えられた場合、バイザフード50が変形するとしても、フード先端部57が補強部材90と共に全体的に緩やかに曲がる程度で済む。これは、表示面22の向きに関係なく、バイザフード50においてフード先端部57に近い部分が補強部材90により補強されていることにより、バイザフード50が厚さ方向に変形しにくくなっているためである。
【0142】
これに対して、上記第1実施形態と同様に、バイザフード50に対して補強部材90が設けられていない比較例10xを想定する。この比較例10xでは、フード先端部57に局所的に外力が加えられた場合、フード先端部57において外力が加えられた部分が局所的に乗員にとっての手前側に向けて大きく曲がることが考えられる。
【0143】
<変形例5>
補強部材90は、上記変形例1と同様に、フード先端部57及びフード側端部59の両方に沿って延びていてもよい。変形例5では、例えば第2実施形態において、図19に示すように、補強部材90が折れるように曲がった形状になっている。本変形例と上記変形例1とでは、画像表示装置10の設置向きが異なるものの、補強部材90の構成は同じになっている。例えば、本変形例では、横延び部93がフード先端部57に沿って水平方向に延びており、縦延び部94が横延び部93から下方に向けて延びている。本変形例では、上記変形例1と同様の効果を補強部材90により奏することができる。
【0144】
<変形例6>
補強部材90は、上記変形例2と同様に、バイザフード50において放熱部40に接続されていてもよい。変形例6では、例えば第2実施形態において、図20に示すように、補強部材90が放熱板部41に接続されている。本変形例と上記変形例2とでは、画像表示装置10の設置向きが異なるものの、補強部材90の構成は同じになっている。例えば、本変形例では、放熱板部41が凹壁面55よりもフード先端部57側に向けて上方に向けて延びている。補強部材90は、放熱板部41の上端部に接続されている。本変形例では、上記変形例2と同様の効果を補強部材90により奏することができる。
【0145】
<変形例7>
補強部材90等の補強部は、上記変形例3と同様に、バイザフード50において複数設けられていてもよい。変形例7では、例えば第2実施形態において、図21に示すように、第1補強部材90に加えて第2補強部材96がバイザフード50に設けられている。本変形例と上記変形例3とでは、画像表示装置10の設置向きが異なるものの、第1補強部材90及び第2補強部材96の構成は同じになっている。例えば、本変形例では、第1補強部材90がディスプレイ20の上方にあり、第2補強部材96がディスプレイ20を介して座席とは反対側にある。本変形例では、上記変形例3と同様の効果を第1補強部材90及び第2補強部材96により奏することができる。
【0146】
<変形例8>
補強部材90は、上記変形例4と同様に、バイザフード50から外側に露出した状態になっていてもよい。変形例4では、例えば第2実施形態において、図22に示すように、補強部材90がバイザフード50の外側においてフード先端部57に設けられている。本変形例と上記変形例4とでは、画像表示装置10の設置向きが異なるものの、補強部材90の構成は同じになっている。例えば、本変形例では、補強部材90がバイザフード50の上側に設けられている。本変形例では、上記変形例4と同様の効果を補強部材90により奏することができる。
【0147】
<第3実施形態>
第3実施形態では、虚像Viに歪みが生じないように画像Vについて補正処理が行われる。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第3実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0148】
図23に示すように、虚像表示装置11において、画像表示装置10及び反射ミラー15が全体として曲がった形状になっている。バイザフード50及び反射ミラー15は、一対のAピラー108にかけ渡された状態になっている。バイザフード50及び反射ミラー15は、それぞれの中央部分が車両前方に向けて膨らむように湾曲している。反射ミラー15が有する反射面16は、平坦面又は湾曲面であり、1つの連続した連続面になっている。フード先端部57は、車両幅方向におけるフード先端部57の中央部分がフード基端部58に向けて凹むように湾曲している。
【0149】
図24に示すように、画像表示装置10においては、複数のディスプレイユニット70がフード先端部57に沿って並べられている。複数のディスプレイユニット70は車両幅方向に並べられている。複数のディスプレイユニット70のそれぞれにおいては、ディスプレイ20と回路基板71とが車両前後方向に並べられている。
【0150】
図25に示すように、複数のディスプレイユニット70において、それぞれのディスプレイ20はフード先端部57に沿って並べられている。ディスプレイ20は、フード先端部57に沿って複数並べられていれば、車両幅方向に対して傾斜していてもよく、傾斜していなくてもよい。例えば、隣り合う2つのディスプレイ20のうち、一方のディスプレイ20が他方のディスプレイ20に対して傾斜していてもよく、傾斜していなくてもよい。なお、図24図25においては、フードカバー60の図示を省略している。
【0151】
図26に示すように、画像表示装置10は、制御部80及び検出部83を有している。制御部80は、複数のディスプレイ20のそれぞれに電気的に接続されており、これらディスプレイ20のそれぞれについて個別に制御を行う。制御部80は、例えばドライバ回路を介してディスプレイ20の制御を行う。
【0152】
制御部80は、例えばECUであり、制御装置に相当する。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。制御部80は、演算処理装置としてのCPU81と、記憶装置としてのメモリ82とを有している。CPU81はプロセッサである。制御部80は、例えばCPU81、メモリ82、I/O、これらを接続するバスを備えるマイクロコンピュータを主体として構成される。制御部80は、メモリ82に記憶された制御プログラムを実行することで、ディスプレイ20の駆動に関する各種の処理を実行する。このメモリ82は、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。
【0153】
検出部83は、制御部80に電気的に接続されている。検出部83は、反射面16に照射される外光の明るさを検出し、その明るさを示す検出信号を制御部80に対して出力する。検出部83は、インパネ102において反射面16よりも手前側の位置に設けられている。制御部80は、検出部83の検出信号を用いて、反射面16に照射される外光の明るさを外光明るさとして測定し、この外光明るさに応じてディスプレイ20を制御する。制御部80は、外光明るさに応じて、例えば画像Vの色や輝度、画質などを調整する。例えば、制御部80は、夕日又は朝日が反射面16に照射されるなどして外光明るさの測定値が高い場合には、画像Vの明度や輝度を高めに設定する。
【0154】
なお、検出部83は、表示面22に照射される外光の明るさを検出する位置に設けられていてもよい。また、検出部83は、反射面16に照射される外光の明るさを検出する位置、表示面22に照射される外光の明るさを検出する位置、の少なくとも一方に設けられていてもよい。この構成では、制御部80は、反射面16での外光明るさ、及び表示面22での外光明るさの少なくとも一方を測定し、測定した外光明るさに応じてディスプレイ20を制御する。
【0155】
反射面16により表示される虚像Viは、表示面22により表示される画像Vに対して歪むことが考えられる。虚像Viが歪む構成としては、例えば、表示面22に対して反射面16が装置厚さ方向や車両前後方向に相対的に湾曲している構成が挙げられる。
【0156】
制御部80は、虚像Viが歪まないように画像Vを補正する歪み補正処理を行う。制御部80は、歪み補正処理として、例えば、虚像Viの歪みを打ち消すように画像Vを表示面22に対して意図的に歪ませる処理を行う。例えば図27に示すように、制御部80は、画像Vの横中心線Lvaが表示面22の横中心線Laに対して傾斜し、且つ画像Vの縦中心線Lvbが表示面22の縦中心線Lbに対して傾斜するように、歪み補正を行う。画像V及び表示面22においては、横中心線Lva,Laが表示面22横方向に伸びており、縦中心線Lvb,Lbが表示面22の縦方向に伸びている。画像V及び表示面22においては、横方向が長手方向であり、縦方向が短手方向である。例えば、表示面22の横方向は車両幅方向であり、表示面22の縦方向は車両前後方向である。
【0157】
制御部80により歪み補正処理が行われた場合、虚像Viの歪みが解消される。例えば図28に示すように、複数の虚像Viのそれぞれについて歪みが解消された場合、これら虚像Viのそれぞれの横中心線Lvaが互いに平行になったり一致したりして、車両幅方向に延びた状態になる。また、これら虚像Viのそれぞれの縦中心線Lvbが互いに平行になったり一致したりして、車両前後方向に延びた状態になる。
【0158】
例えば、本実施形態とは異なり、制御部80が歪み補正を行わない場合、図29に示すように、画像Vが表示面22に対して歪んでいない状態になる。この状態では、画像V及び表示面22について、それぞれの横中心線Lva,Laが互いに平行になったり一致したりする。同様に、それぞれの縦中心線Lvb,Lbが互いに平行になったり一致したりする。このように画像Vが表示面22に対して歪んでいない状態では、図30に示すように、虚像Viが画像V及び反射面16の両方に対して歪むことになる。
【0159】
<変形例9>
反射面16は、1つの連続面になっているのではなく、複数の連続面を有していてもよい。変形例9では、例えば第3実施形態において、図31に示すように、反射ミラー15は、センタミラー15aと、一対の側方ミラー15b,15cとを有している。センタミラー15aは、車両幅方向に延びており、座席側を向いている。センタミラー15aは、一対の側方ミラー15b,15cの間に設けられており、これら側方ミラー15b,15cを接続している。センタミラー15a及び側方ミラー15b,15cは、いずれも板状に形成されている。反射ミラー15では、車両幅方向において一方の端部が側方ミラー15bにより形成されており、他方の端部が側方ミラー15cにより形成されている。反射ミラー15においては、一対のAピラー108のうち一方に対して側方ミラー15bが固定され、他方に対して側方ミラー15cが固定されている。
【0160】
反射面16は、センタ面16aと、一対の側方面16b,16cとを有している。センタ面16aは、センタミラー15aが有する一方の板面により形成されており、座席側を向いている。側方面16b,16cは、側方ミラー15b,15cが有する一方の板面により形成されている。側方面16b,16cは、いずれもセンタ面16aに対して傾斜しており、センタ面16a側を向くようにして座席側を向いている。このため、車両幅方向に並んだ2つの座席のうち、一方の座席に近い側方面16bについても他方の座席から見やすくなっている。同様に、他方の座席に近い側方面16cについても一方の座席から見やすくなっている。
【0161】
側方面16b,16cは、センタ面16aに対して屈曲しており、その屈曲角度は例えば鈍角になっている。側方面16b,16cは、例えばそれぞれの中央部分が座席側に向けて膨らむように湾曲している。反射面16においては、車両幅方向において一方の端部が側方面16bにより形成されており、他方の端部が側方面16cにより形成されている。
【0162】
側方面16b,16cは、車両100の周辺を撮像した画像Vを虚像Viとして表示することが可能になっている。例えば、運転者にとっての右側に側方面16bがある場合には、この側方面16bに車両右側を撮像した画像Vが虚像Viとして表示される。運転者にとっての左側に側方面16cがある場合には、この側方面16cに車両左側を撮像した画像Vが虚像Viとして表示される。この場合、側方面16b,16cは、サイドミラーとしての機能を果たす電子ミラーに相当する。サイドミラーとしては、ドアミラーやフェンダーミラーがある。
【0163】
<第4実施形態>
第4実施形態では、隣り合う2つのディスプレイ20の一部が互いに画像表厚さ方向に重複している。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第3実施形態と同様である。第4実施形態では、上記第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0164】
図32に示す画像表示装置10においては、隣り合う2つのディスプレイ20のうち一方が他方よりも手前側に配置されている。これらディスプレイ20のうち、手前側に配置されたディスプレイ20を手前ディスプレイ20Aと称し、奥側に配置されたディスプレイ20を奥ディスプレイ20Bと称する。手前ディスプレイ20A及び奥ディスプレイ20Bはいずれも、凹底面54及びカバー前面61に平行に延びている。複数のディスプレイ20には、手前ディスプレイ20Aを介して隣り合う2つの奥ディスプレイ20Bが含まれている。手前ディスプレイ20Aにおいて一方の側端部25は、2つの奥ディスプレイ20Bのうち一方の奥ディスプレイ20Bの手前側にある。他方の側端部25は、2つの奥ディスプレイ20Bのうち他方の奥ディスプレイ20Bの手前側にある。側端部25は、ディスプレイ側端部25と称されることがある。
【0165】
手前ディスプレイ20Aが有するディスプレイ背面24の一部と奥ディスプレイ20Bが有するディスプレイ前面21の一部とは、互いに対向しており、互いに重なっている。手前ディスプレイ20Aが有する側端部25は、装置厚さ方向において奥ディスプレイ20Bに重複する位置に配置されている。手前ディスプレイ20Aが有する側端部25は、奥ディスプレイ20Bが有するディスプレイ前面21の手前側に配置されている。手前ディスプレイ20Aは、奥ディスプレイ20Bが出射した画像光を遮らない位置に配置されている。例えば、手前ディスプレイ20Aが有する側端部25は、奥ディスプレイ20Bが有する枠面23に重複する位置に配置されている一方で、奥ディスプレイ20Bが有する表示面22には重複しない位置に配置されている。
【0166】
複数のディスプレイユニット70には、手前ディスプレイユニット70A及び奥ディスプレイユニット70Bが含まれている。手前ディスプレイユニット70Aは手前ディスプレイ20Aを有しており、奥ディスプレイユニット70Bは奥ディスプレイ20Bを有している。
【0167】
図32に示すように、画像表示装置10では、手前ディスプレイ20A及び奥ディスプレイ20Bがそれぞれの表示面22を下方に向けて設けられている。手前ディスプレイ20Aが有する側端部25は、奥ディスプレイ20Bが有する表示面22の下側に配置されている。
【0168】
図33に示すように、画像表示装置10にはディスプレイ重複部26が存在する。ディスプレイ重複部26は、手前ディスプレイ20Aと奥ディスプレイ20Bとが、装置厚さ方向に重複した部分である。ディスプレイ重複部26では、手前ディスプレイ20Aが有するディスプレイ背面24と奥ディスプレイ20Bが有するディスプレイ前面21とが重なった状態になっている。
【0169】
図34に示すように、手前ディスプレイ20Aは、凹開口部56から突出した状態でバイザフード50に収容されている。一方で、奥ディスプレイ20Bは、凹開口部56から突出しない状態でバイザフード50に収容されている。奥ディスプレイ20Bは厚さ寸法D1を有している。手前ディスプレイ20Aの厚さ寸法は奥ディスプレイ20Bの厚さ寸法と同じになっている。凹開口部56からの奥ディスプレイ20Bの突出寸法D2は、厚さ寸法D1よりも小さくなっている。例えば、突出寸法D2は厚さ寸法D1の1/2以下になっている。なお、本実施形態では、画像表示装置10がフードカバー60を有していない。また、図34においては、断熱部30及び放熱部40の図示を省略している。
【0170】
図35に示すように、複数のディスプレイ20はいずれも、ディスプレイ本体201、偏光板202及びディスプレイ枠部203を有している。ディスプレイ本体201は、例えば、有機ELディスプレイであり、板状に形成されている。偏光板202は、ディスプレイ本体201の板面に重ねられており、ディスプレイ本体201に固定されている。偏光板202は、ディスプレイ前面21を形成している。偏光板202は、表示面22及び枠面23の両方を形成している。偏光板202は、例えば互いに直交する透過軸及び吸収軸を有しており、透過軸方向に変更した光を透過させ、吸収軸方向に変更した光を吸収する。
【0171】
ディスプレイ枠部203は、ディスプレイ本体201の外周縁に沿って延びており、枠状に形成されている。ディスプレイ枠部203は、側端部25及び枠面23を形成している。ディスプレイ枠部203は、樹脂材料等により形成されている。ディスプレイ枠部203は、例えば塗料がディスプレイ本体201及び偏光板202に塗布されることで形成されている。ディスプレイ枠部203は、明度が低い黒色等の暗色を有している。ディスプレイ枠部203においては、光の反射性が低くなっている。ディスプレイ枠部203は、光の反射を抑制する反射抑制部である。ディスプレイ枠部203に画像光等の光が当たった場合、その光はディスプレイ枠部203にて反射しにくくなっている。ディスプレイ枠部203を形成するために塗料を塗布するなどの処理は反射抑制処理である。
【0172】
ディスプレイ枠部203は、枠前面部203a及び枠縁部203bを有している。枠前面部203aは、枠面23を形成する部位であり、例えば偏光板202に重ねられている。枠縁部203bは、ディスプレイ20の縁面を形成する部位であり、例えばディスプレイ本体201及び偏光板202の各端面に重ねられている。側端部25は、枠縁部203bにより形成されている。
【0173】
手前ディスプレイ20Aが有するディスプレイ枠部203は、奥ディスプレイ20Bが有する表示面22と枠面23とを装置幅方向に跨いだ状態になっている。装置幅方向において、ディスプレイ重複部26の幅寸法W1は、枠前面部203aが形成する枠面23の幅寸法W2よりも大きくい。装置幅方向において、手前ディスプレイ20Aが有する表示面22と奥ディスプレイ20Bが有する表示面22との離間距離W3は幅寸法W2と同じになっている。一方で、離間距離W3は幅寸法W1よりも小さい。
【0174】
例えば本実施形態とは異なり、手前ディスプレイ20Aが有する側端部25が、奥ディスプレイ20Bが有する枠面23の前方に配置された構成を想定する。この構成では、装置幅方向では、手前ディスプレイ20Aが有する表示面22と、奥ディスプレイ20Bが有する表示面22との間において、奥ディスプレイ20Bが有する枠面23の少なくとも一部が露出する。このため、装置幅方向では、隣り合う2つの表示面22の間において、手前ディスプレイ20Aが有する枠面23及び奥ディスプレイ20Bが有する枠面23の両方が露出する。これにより、離間距離W3が幅寸法W2よりも大きくなる。
【0175】
これに対して、本実施形態によれば、奥ディスプレイ20Bが有する枠面23の全体が手前ディスプレイ20Aの奥側に隠れた状態になる。このため、装置幅方向では、隣り合う2つの表示面22の間において、奥ディスプレイ20Bが有する枠面23が露出しない。これにより、離間距離W3が幅寸法W2と同じになる。このように離間距離W3が幅寸法W2と同じになると、上述したような離間距離W3が幅寸法W2よりも大きい構成に比べて、虚像隙間領域の幅寸法が小さくなる。したがって、乗員が虚像Viを視認した場合に虚像隙間領域が目立つということを抑制できる。
【0176】
図36に示すように、視認面Svにおいては、隣り合う2つの虚像Viの間に虚像隙間領域が表示される。この虚像隙間領域には、手前ディスプレイ20Aが有する枠面23が虚像V23として表示される。ただし、この虚像V23は乗員がほとんど視認できないくらいにわずかに表示される程度である。虚像Viには、情報虚像Vi1及び背景虚像Vi2が含まれている。情報虚像Vi1は、車両情報などの各種情報を表示する虚像である。背景虚像Vi2は、情報虚像Vi1にとっての背景を表示する虚像である。背景虚像Vi2は、枠面23を表示する虚像V23に沿って延びており、虚像V23に隣接する位置に表示される。情報虚像Vi1と虚像V23との間には、背景虚像Vi2が表示されることが考えられる。情報虚像Vi1は第1虚像と称されることがあり、背景虚像Vi2は第2虚像と称されることがある。
【0177】
画像表示装置10は、上記第3実施形態と同様に制御部80を有している。制御部80は、枠面23を示す虚像V23と背景虚像Vi2とを乗員が識別できないような画像Vをディスプレイ20に表示させる。例えば、制御部80は、背景虚像Vi2が有する色相、彩度及び明度の少なくとも1つが虚像V23に同じ又は近くなるように、ディスプレイ20を制御する。これにより、背景虚像Vi2に対して虚像V23が目立って乗員が違和感を抱くということを抑制できる。
【0178】
本実施形態によれば、ディスプレイ枠部203が反射抑制部である。この構成では、奥ディスプレイ20Bから出射された画像光が、手前ディスプレイ20Aが有するディスプレイ枠部203に反射するということが生じにくい。このため、奥ディスプレイ20Bから出射された画像光が手前ディスプレイ20Aの縁面に反射し、その反射した光により背景虚像Vi2と虚像V23との境界部が目立つ、ということを抑制できる。
【0179】
本実施形態によれば、手前ディスプレイ20Aが有する側端部25は、奥ディスプレイ20Bが有する表示面22に装置厚さ方向に重複する位置に設けられている。このため、装置厚さ方向において手前ディスプレイ20Aと奥ディスプレイ20Bとの間に隙間がある構成とは異なり、隙間を映した虚像が虚像隙間領域に含まれない。したがって、虚像Viを視認した乗員にとって、隙間を映した虚像により虚像隙間領域が目立つということを抑制できる。
【0180】
<変形例10>
上記第4実施形態において、ディスプレイ枠部203は、ディスプレイ背面24側に回り込んだ形状になっていてもよい。変形例10では、例えば図37に示すように、ディスプレイ枠部203は、枠前面部203a及び枠縁部203bに加えて、枠背面部203cを有している。枠背面部203cは、ディスプレイ本体201を介して枠前面部203aとは反対側に設けられている。枠背面部203cは、ディスプレイ本体201が有する背面側板面に重ねられている。ディスプレイ枠部203においては、枠縁部203bが枠前面部203aと枠背面部203cとを接続している。枠背面部203cは、ディスプレイ背面24の一部を形成している。
【0181】
ディスプレイ重複部26においては、手前ディスプレイ20Aが有する枠背面部203cが、奥ディスプレイ20Bが有する表示面22と枠面23とを装置幅方向に跨ぐ位置に配置されている。すなわち、手前ディスプレイ20Aが有する枠背面部203cの少なくとも一部が、奥ディスプレイ20Bが有する表示面22に対向している。この構成では、奥ディスプレイ20Bが有する表示面22からの画像光が、手前ディスプレイ20Aにおいてディスプレイ本体201ではなく枠背面部203cに照射されても、枠背面部203cでは反射しにくくなっている。このため、奥ディスプレイ20Bから出射された画像光により、虚像Viと虚像V23との境界部が目立つ、ということを抑制できる。
【0182】
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0183】
<構成群A>
上記各実施形態において、補強部材90は、フード先端部57に沿って延びていれば、一対のフード側端部59にかけ渡された状態になっていなくてもよい。例えば、補強部材90は、X方向において一対のフード側端部59のうち一方に寄った位置に配置されていてもよい。補強部材90は、隣り合う2つのディスプレイ20にかけ渡された状態になっていれば、フード先端部57の1/2より短くてもよい。補強部材90は、隣り合う2つのディスプレイ20にかけ渡されずに、1つのディスプレイ20の長辺に沿って延びていてもよい。補強部材90は、フード側端部59から突出していてもよい。例えば、補強部材90がフード先端部57より長くてもよい。
【0184】
上記各実施形態において、補強部材90は、フード先端部57に沿って延びていれば、ディスプレイ20に対してZ方向に重なる位置に設けられていてもよい。バイザフード50について、例えばディスプレイ20とフード先端部57との間の部位を先端部分と称すると、この先端部分に補強部材90の少なくとも一部が設けられていればよい。補強部材90は、ディスプレイ20、断熱部30及び放熱部40の少なくとも1つに接触していてもよい。
【0185】
上記各実施形態において、上記変形例4,8のように、補強部材90の少なくとも一部がバイザフード50から外側に露出していてもよい。また、補強部材90の少なくとも一部がフード凹部53の内側に露出していてもよい。
【0186】
上記各実施形態において、補強部材90は、フード先端部57に沿って延びていれば、細長部材でなくてもよい。補強部材90の断面形状は、円状や楕円状、矩形状などであってもよい。補強部材90は筒状の筒部材でもよい。補強部材90は、フード先端部57と同じ形状になっていなくてもよい。例えば、フード先端部57が湾曲しているのに対して、補強部材90は、真っすぐに延びていてもよく、フード先端部57とは反対側に向けて湾曲していてもよい。補強部材90は、導電性を有していなくてもよい。補強部材90は複数設けられていてもよい。例えば、複数の補強部材90は、X方向、Y方向及びZ方向の少なくとも一方に並べられていてもよい。また、複数の補強部材90により1つの補強部が形成されていてもよい。
【0187】
上記各実施形態において、フード先端部57とフード基端部58とで曲がり形状が異なっていてもよい。例えば、フード先端部57が湾曲している一方で、フード基端部58がX方向に真っすぐに延びていてもよい。
【0188】
上記各実施形態において、連結部111~114は、フード本体120からZ方向に突出していてもよい。連結部111~114は、フード本体120から突出していなくてもよい。例えば、フード本体120に受部が設けられた構成とする。また、連結部111~114には、受部ではなく、締結具や係合部が設けられていてもよい。
【0189】
上記各実施形態において、バイザフード50においては、フード縦線L1bが通る位置からX方向にずれた位置に上端部があってもよい。バイザフード50においては、一対のフード側端部59の高さ位置が異なっていてもよい。バイザフード50においては、フード側端部59よりもフード縦線L1bに近い位置に下端部があってもよい。
【0190】
上記各実施形態において、バイザフード50は、Z方向において膨らむように曲がっていれば、その曲がり態様は湾曲でなくてもよい。例えば、本体ベース部121及びフード横線L1aは、上方に向けて段階的に膨らむように曲がっていてもよく、上方に向けて直線的に曲がっていてもよい。バイザフード50は、フード先端部57及びフード基端部58の一方が上端部になるようにZ方向に曲がっていてもよい。
【0191】
上記各実施形態において、バイザフード50がY方向に膨らむように又は凹むように曲がっている構成では、その曲がり態様は湾曲でなくてもよい。例えば、フード先端部57、フード基端部58及びフード横線L1aの少なくとも1つが、Y方向に向けて段階的に膨らむように曲がっていてもよく、Y方向に向けて直線的に曲がっていてもよい。フード先端部57及びフード基端部58は、それぞれの一端が手前側端部又は奥側端部になるようにY方向に曲がっていてもよい。
【0192】
上記各実施形態において、フード側端部59は、X方向に膨らむように又は凹むように曲がっていてもよく、Z方向に膨らむように曲がっていてもよい。フード側端部59は、その一端が上端部又は下端部になるようにZ方向に曲がっていてもよく、その一端が側方端部になるようにX方向に曲がっていてもよい。
【0193】
上記各実施形態において、ディスプレイ20は上下方向に複数並べられていてもよい。装置幅方向が車両前後方向になるように画像表示装置10が車室101に設置された構成では、ディスプレイ20は車両前後方向に複数並べられていることが好ましい。画像表示装置10はディスプレイ20を1つだけ有していてもよい。
【0194】
上記各実施形態において、ディスプレイ背面24がバイザフード50により覆われていれば、ディスプレイ20はフード凹部53の内部に収容されていなくてもよい。例えば、バイザフード50がフード凹部53を有していない構成では、フード前面51がディスプレイ背面24に対向した状態で、バイザフード50がディスプレイ背面24を覆っていればよい。この構成では、フード前面51がケース対向面に相当する。バイザフード50は、本体枠部122を有していなくてもよい。例えば、本体ベース部121によりバイザフード50全体が形成された構成とする。
【0195】
上記各実施形態において、ディスプレイ20は、断熱部30及び放熱板部41のうち一方を介してバイザフード50に間接的に固定されていてもよい。ディスプレイ20は、断熱部30及び放熱板部41を介さずにバイザフード50に直接的に固定されていてもよい。ディスプレイ20がバイザフード50に直接的に固定された構成としては、ディスプレイ側端部25が凹壁面55に固定された構成や、ディスプレイ背面24が凹底面54に固定された構成がある。ディスプレイ20とバイザフード50とは接着剤やネジ等により固定されていればよい。
【0196】
上記各実施形態では、1つのディスプレイ20において、一方のディスプレイ側端部25が隣のディスプレイ20の前側に配置され、他方のディスプレイ側端部25が反対側の隣のディスプレイ20の奥側に配置されていてもよい。この構成では、これらディスプレイ20は、画像表示装置10の幅方向に対して傾斜した状態になっている。
【0197】
上記各実施形態において、バイザフード50は、インパネ102とは異なる内装パネルに取り付けられてもよい。内装パネルとしては、インパネ102の他に、ドアパネルや天井パネルなどがある。バイザフード50が連結部111~114により内装パネルに連結される構成では、内装パネルが取付対象に相当する。バイザフード50は、車両100において車体フレーム等の車体に連結部111~114により連結されていてもよい。例えば、連結部111~114がバイザフード50を内装パネル及び車体の少なくとも一方に連結した構成とする。この構成では、内装パネル及び車体の少なくとも一方が取付対象に相当する。
【0198】
<構成群B>
上記各実施形態において、断熱部30はバイザフード50に固定されていれば、凹底面54に接合されていなくてもよい。例えば、断熱部30は、ネジ等の固定具によりバイザフード50に固定されていてもよい。また、断熱部30は空気層により形成されていてもよい。さらに、ディスプレイ背面24と放熱板部41との間に断熱部30があってもよい。加えて、凹底面54と断熱部30との間に放熱板部41があってもよい。
【0199】
上記各実施形態において、画像表示装置10は、断熱部30及び放熱部40の少なくとも一方を有していなくてもよい。画像表示装置10が断熱部30及び放熱部40の両方を有していない構成では、ディスプレイ背面24が凹底面54に直接的に接合されていてもよい。
【0200】
<共通>
上記各実施形態において、ディスプレイ20は枠面23を有していなくてもよい。すなわち、ディスプレイ前面21の全体が表示面22になっていてもよい。画像表示装置10はフードカバー60を有していなくてもよい。
【0201】
上記各実施形態において、画像表示部としてのディスプレイ20は自発光式でなくてもよい。例えば、ディスプレイ20は、液晶パネル等の画像素子でもよい。ディスプレイ20が自発光式でない構成では、画像表示装置10がLED等の光源をバックライトとして有していることが好ましい。
【0202】
上記各実施形態において、隣り合う2つの表示面22は、隣り合う2つのディスプレイ20が装置厚さ方向に互いに重複した位置に配置されているか否かに関係なく、装置厚さ方向にずれた位置に配置されていてもよい。
【0203】
上記各実施形態において、反射ミラー15が装置幅方向に複数並べられていてもよい。この構成では、複数の反射面16が全体として1つの視認面Svを形成することになる。虚像表示部は、画像Vを虚像Viとして表示することが可能であれば、反射ミラー15でなくてもよい。虚像表示部は、例えばハーフミラーやレンズ部材であってもよい。ハーフミラーは、ミラー面を有しており、ミラー面に入射する画像光について透過及び反射の両方を行う部材である。車両100においては、ウインドシールドが虚像表示部として利用されてもよい。例えば、画像表示装置10からの画像光がウインドシールドに照射される構成とする。この構成では、ウインドシールドの内面が画像光を反射し、虚像Viを表示する。このため、ウインドシールドの内面の少なくとも一部が視認面Svになる。
【0204】
上記各実施形態において、表示装置10,11が搭載される車両100としては、自動運転及び手動運転の両方が可能な自動運転車両などがある。また、表示装置10,11が搭載される車両100としては、乗用車やバス、建設作業車、農業機械車両などがある。表示装置10,11が搭載される移動体としては、車両100の他に電車や飛行機、船舶などある。表示装置10,11は乗り物に搭載されていてもよい。乗り物としては、車両100などの移動用乗り物や、ゲーム機等の定置型の乗り物がある。表示装置10,11は、定置式の設備や機器に搭載されていてもよい。表示装置10,11は、ヘッドマウントディスプレイ等の携帯情報端末に適用されてもよい。表示装置10,11が車両100とは異なる機器や設備に搭載される構成では、これら機器や設備での仕上げ面の少なくとも一部がバイザフード50により形成されていてもよい。
【0205】
<構成群Aの特徴>
表示装置では、画像を視認する視認者などが背面カバーを掴むなどして、背面カバーに外力が加えられた場合、背面カバーが変形することが考えられる。この場合、背面カバーの変形に伴ってディスプレイに応力が集中し、ディスプレイに異常が発生する、ということが懸念される。これに対して、本明細書にて開示された構成には、下記のように構成群Aの特徴が含まれている。下記特徴A1によれば、表示装置において、画像表示部に異常が発生することを抑制できる。
【0206】
[特徴A1]
取付対象(102)に取り付けられる表示装置(10)であって、
画像(V)を表示する表示面(22)及び表示面とは反対側の表示背面(24)を有している画像表示部(20)と、
表示背面を覆っており、取付対象に連結される表示ケース(50)と、
を備え、
表示ケースは、
表示面とは反対側を向いたケース背面(52)と、
ケース背面の長手方向(X)に延び、取付対象に連結されるケース基端部(58)と、
ケース背面の短手方向(Y)においてケース基端部とは反対側に設けられ、長手方向に延びたケース先端部(57)と、
を有しており、
表示ケースには、表示ケースを補強する補強部(90)がケース先端部に沿って延びるように設けられている、表示装置。
【0207】
[特徴A2]
補強部は、ケース先端部の1/2以上の長さ寸法を有しており、且つケース先端部よりも短い、特徴A1に記載の表示装置。
【0208】
[特徴A3]
表示ケースは、
短手方向に延び、ケース基端部とケース先端部とにかけ渡された一対のケース短縁部(59)、を有しており、
補強部は、一対のケース短縁部にかけ渡された状態になっている、特徴A1又はA2に記載の表示装置。
【0209】
[特徴A4]
画像表示部は、ケース先端部に沿って複数並べられており、
補強部は、隣り合う2つの画像表示部に長手方向にかけ渡された状態になっている、特徴A1~A3のいずれか1つに記載の表示装置。
【0210】
[特徴A5]
短手方向において、補強部はケース先端部と画像表示部との間に設けられている、特徴A1~A4のいずれか1つに記載の表示装置。
【0211】
[特徴A6]
補強部は、画像表示部よりもケース先端部に近い位置に設けられている、特徴A1~A5のいずれか1つに記載の表示装置。
【0212】
[特徴A7]
補強部は、表示ケースよりも高い導電性を有している、特徴A1~A6のいずれか1つに記載の表示装置。
【0213】
[特徴A8]
車両(100)に搭載される表示装置であって、
車両は、取付対象として、車室(101)の内装を形成する内装パネル(102)を有しており、
表示ケースは、内装パネルに取り付けられる部材である、特徴A1~A7のいずれか1つに記載の表示装置。
【0214】
<構成群Bの特徴>
表示装置においては、画像に含まれる情報の多さなどに対して表示面の大きさが不足することが懸念される。これに対して、本明細書にて開示された構成には、下記のように構成群Bの特徴が含まれている。下記特徴B1によれば、虚像表示装置において視認者が視認する視認面の大型化を図ることができる。
【0215】
[特徴B1]
画像(V)を虚像(Vi)として表示する虚像表示装置(11)であって、
画像光を出射して画像を表示する表示面(22)、をそれぞれ有している複数の画像表示部(20,20A,20B)と、
画像光を反射し且つ視認者により視認される反射面(16)を有し、反射面により反射した画像光により虚像を表示する虚像表示部(15)と、
を備え、
複数の画像表示部は、それぞれの表示面が反射面を向いた状態で反射面に沿って並ぶように設けられている、虚像表示装置。
【0216】
[特徴B2]
隣り合う2つの画像表示部(20A,20B)のうち、一方の画像表示部(20A)は、他方の画像表示部(20B)から出射される画像光を遮らない位置に設けられている、特徴B1に記載の虚像表示装置。
【0217】
[特徴B3]
隣り合う2つの画像表示部(20A,20B)のうち、一方の画像表示部(20A)の側端部(25)は、反射面に直交する方向において他方の画像表示部(20B)に重複する位置に設けられている、特徴B1又はB2に記載の虚像表示装置。
【0218】
[特徴B4]
隣り合う2つの画像表示部(20A,20B)は、反射面に沿って互いに離間して並べられている、特徴B1又はB2に記載の虚像表示装置。
【0219】
[特徴B5]
画像表示部は、
表示面の外周縁に沿って延び、表示面と共に反射面を向いた枠面(23)、を有しており、
複数の画像表示部においてそれぞれの枠面は同色又は同系色である。特徴B1~B4のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
【0220】
[特徴B6]
複数の画像表示部にかけ渡された状態で、画像表示部の表示面とは反対側の表示背面(24)を覆っている表示ケース(50)、を備えている特徴B1~B5のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
【0221】
[特徴B7]
車両(100)に搭載される虚像表示装置であって、
表示ケースは、
車両のウインドシールド(106)を介して隣り合う2つのピラー(108)にかけ渡されている、特徴B6に記載の虚像表示装置。
【0222】
[特徴B8]
車両(100)に搭載される虚像表示装置であって、
表示ケースは、車両の車室(101)において内装を形成する内装パネル(102)に取り付けられる部材である、特徴B1~B7のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
【符号の説明】
【0223】
<構成群A>
10…表示装置としての画像表示装置、20…画像表示部としてのディスプレイ、22…表示面、24…表示背面としてのディスプレイ背面、50…表示ケースとしてのバイザフード、52…ケース背面としてのフード背面、57…ケース先端部としてのフード先端部、58…ケース基端部としてのフード基端部、59…ケース短縁部としてのフード側端部、90…補強部としての補強部材、100…車両、101…車室、102…取付対象及び内装パネルとしてのインパネ、V…画像、X…長手方向としてのX方向、Y…短手方向としてのY方向。
【0224】
<構成群B>
11…虚像表示装置、15…虚像表示部としての反射ミラー、16…反射面、20…画像表示部としてのディスプレイ、22…表示面、23…枠面、24…表示背面としてのディスプレイ背面、25…側端部、50…表示ケースとしてのバイザフード、100…車両、101…車室、102…内装パネルとしてのインパネ、106…ウインドシールドとしてのフロントウインドシールド、108…ピラーとしてのAピラー、V…画像、Vi…虚像。
図1
図2
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