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特許7444160店舗システム、決済方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】店舗システム、決済方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240228BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20240228BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
G07G1/12 321N
G07G1/06 Z
G07G1/00 311D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021503488
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2020005124
(87)【国際公開番号】W WO2020179373
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】P 2019038666
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】三浦 和樹
(72)【発明者】
【氏名】高畠 真彩
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-156602(JP,A)
【文献】特開2016-126749(JP,A)
【文献】特開2011-003149(JP,A)
【文献】特開2013-025602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートを通過する商品を読み取る読取手段と、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、
前記読取手段によって読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信するクーポン通知手段と、
前記読取手段によって読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行する決済手段と、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する電子レシート送信手段と、
前記読取手段の動作を制御する制御手段と、を備え
前記制御手段は、
前記人物特定情報が取得されたこと、および、前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたこと、の少なくともいずれか一方に応じて、前記読取手段を動作させ、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記読取手段の動作を停止させる、
店舗システム。
【請求項2】
ゲートを通過する商品を読み取る読取手段と、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、
前記読取手段によって読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信するクーポン通知手段と、
前記読取手段によって読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行する決済手段と、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する電子レシート送信手段と、を備え、
前記人物特定情報取得手段は、前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで第1の人物が検出されたことに応じて、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過する第2の人物の人物特定情報を取得する処理を開始する、
店舗システム。
【請求項3】
前記読取手段は、個々の商品に付与されたRF(Radio Frequency)タグを読み取る、
請求項1または2に記載の店舗システム。
【請求項4】
前記決済手段は、前記決済処理の実行後に、前記クーポンの適用処理を実行する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の店舗システム。
【請求項5】
前記決済手段は、前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記決済処理を実行する、
請求項に記載の店舗システム。
【請求項6】
前記決済手段は、前記クーポンの適用処理の実行後に、前記決済処理を実行する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の店舗システム。
【請求項7】
前記人物特定情報取得手段は、前記人物の顔画像を前記人物特定情報として取得する、
請求項1からのいずれか1項に記載の店舗システム。
【請求項8】
前記人物特定情報取得手段は、前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記顔画像を生成するカメラに撮影動作を実行させる、
請求項に記載の店舗システム。
【請求項9】
前記決済手段は、予め設定された期間内に前記クーポン使用情報が取得できなかった場合に、前記決済処理を実行する、
請求項1からのいずれか1項に記載の店舗システム。
【請求項10】
少なくとも1つのコンピュータにより実行される決済方法であって、
ゲートを通過する商品を読み取り、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得し、
前記読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信し、
前記読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行し、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する、
ことを含み、
前記コンピュータが、
前記人物特定情報が取得されたこと、および、前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたこと、の少なくともいずれか一方に応じて、商品の読取動作を前記ゲートに実行させ、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記ゲートによる商品の読取動作を停止させる、
ことを更に含む、決済方法。
【請求項11】
少なくとも1つのコンピュータにより実行される決済方法であって、
ゲートを通過する商品を読み取り、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得し、
前記読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信し、
前記読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行し、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する、
ことを含み、
前記コンピュータが、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで第1の人物が検出されたことに応じて、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過する第2の人物の人物特定情報を取得する処理を開始する、
ことを更に含む、決済方法。
【請求項12】
少なくとも1つのコンピュータを、
ゲートを通過する商品を読み取る読取手段、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段、
前記読取手段によって読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信するクーポン通知手段、
前記読取手段によって読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行する決済手段、および、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する電子レシート送信手段、
として機能させ
前記コンピュータを、
前記人物特定情報が取得されたこと、および、前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたこと、の少なくともいずれか一方に応じて、前記読取手段を動作させ、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記読取手段の動作を停止させる手段、
として更に機能させるためのプログラム。
【請求項13】
少なくとも1つのコンピュータを、
ゲートを通過する商品を読み取る読取手段、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段、
前記読取手段によって読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信するクーポン通知手段、
前記読取手段によって読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行する決済手段、および、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する電子レシート送信手段、
として機能させ、
前記コンピュータを、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで第1の人物が検出されたことに応じて、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過する第2の人物の人物特定情報を取得する処理を開始する手段、
として更に機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗での会計処理を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲートを通過する商品を読み取ることによって、店舗における会計処理の時間を短縮する技術がある。例えば、下記特許文献1には、ゲートに備えられたアンテナによって、カートに入れられた商品に付与された無線タグを読み取り、当該読み取られた無線タグのデータに基づいて商品の決済を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-267011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲートを通過する商品を読み取って決済を行うシステムにおいて、顧客が価格変動要素(例えば、物理的または電子的な媒体として発行された各種クーポンなど)を有する場合に、コンピュータの決済処理の速度が低下する恐れが生じ得る。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一つは、ゲートを通過する商品を読み取って決済を行うシステムにおいて、顧客が価格変動要素を有する場合に、コンピュータの決済処理の速度の低下を抑制する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の店舗システムは、
ゲートを通過する商品を読み取る読取手段と、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、
前記読取手段によって読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信するクーポン通知手段と、
前記読取手段によって読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行する決済手段と、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する電子レシート送信手段と、
を備える。
【0007】
本発明の決済方法は、
少なくとも1つのコンピュータにより実行される決済方法であって、
ゲートを通過する商品を読み取り、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得し、
前記読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信し、
前記読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行し、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する、
ことを含む。
【0008】
本発明のプログラムは、
少なくとも1つのコンピュータを、
ゲートを通過する商品を読み取る読取手段、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、
前記読取手段によって読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信するクーポン通知手段、
前記読取手段によって読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行する決済手段、および、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する電子レシート送信手段、
として機能させる。
【0009】
本発明の店舗装置は、
ゲートを通過するユーザを特定する人物特定情報を受信する人物特定情報受信手段と、
読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンのクーポン情報を、前記人物特定情報によって特定される前記ユーザの端末に送信するクーポン通知手段と、
前記ユーザが選択したクーポンを示すクーポン情報を前記端末から受信した場合に、該クーポン情報に基づいて、読み取られた前記商品の決済処理を実行する決済手段と、
を備える。
【0010】
本発明の第2の決済方法は、
コンピュータが、
ゲートを通過するユーザを特定する人物特定情報を受信し、
読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンのクーポン情報を、前記人物特定情報によって特定される前記ユーザの端末に送信し、
前記端末から前記ユーザが選択したクーポンを示すクーポン情報を受信した場合に、該クーポン情報に基づいて、読み取られた前記商品の決済処理を実行する、
ことを含む。
【0011】
本発明の第2のプログラムは、
コンピュータを、
ゲートを通過するユーザを特定する人物特定情報を受信する人物特定情報受信手段、
読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンのクーポン情報を、前記人物特定情報によって特定される前記ユーザの端末に送信するクーポン通知手段、及び
前記ユーザが選択したクーポンを示すクーポン情報を前記端末から受信した場合に、該クーポン情報に基づいて、読み取られた前記商品の決済処理を実行する決済手段、
として機能させる。
【0012】
本発明の第3のプログラムは、
コンピュータを、
ゲートで読み取られた商品に対して適用可能なクーポンを示す通知情報を取得し、前記適用可能なクーポンの情報を含む画面を表示するクーポン情報通知手段、
前記画面上でクーポンの使用宣言を受け付けるクーポン使用宣言受付手段、および、
前記クーポンの使用宣言に応じて、使用するクーポンを示すクーポン使用情報を、決済処理を行う店舗装置に送信するクーポン使用情報送信手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ゲートを通過する商品を読み取って決済を行うシステムにおいて、顧客が価格変動要素を有する場合に、コンピュータの決済処理の速度の低下を抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0015】
図1】第1実施形態に係る店舗システムの構成を例示する図である。
図2】店舗装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図3】第1実施形態の店舗システムにより実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図4】商品とRFタグとの対応関係を定義する情報の一例である。
図5】人物Pがゲートを通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。
図6】各人物が所持しているクーポンを管理する情報の一例を示す図である。
図7】各クーポンの内容を示す情報の一例を示す図である。
図8】端末で使用するクーポンを選択する流れを例示する図である。
図9】第2実施形態に係る店舗システムの構成を例示する図である。
図10】サービスを受けることができる場所に顧客を誘導する情報の一例を示す図である。
図11】アプリケーションプログラムの機能構成を例示する図である。
図12】アプリケーションプログラムによって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、特に説明する場合を除き、各ブロック図において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。また、図中の矢印の向きは、情報の流れを分かり易くするためのものであり、特に説明のない限り通信の方向(一方向通信/双方向通信)を限定しない。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る店舗システム1の構成を例示する図である。図1に示されるように、店舗システム1は、店舗装置10およびゲート20を含んで構成される。
【0018】
上記したように、ゲートを通過する商品を読み取って決済を行うシステムにおいて、顧客が価格変動要素(例えば、物理的または電子的な媒体として発行された各種クーポンなど)を有する場合に、コンピュータの決済処理の速度が低下する恐れが生じ得る。この課題は、後述する本実施形態の店舗システムが有する決済部の一例によって解決される。
【0019】
また、例えば特許文献1に例示されるような、ゲートを通過する商品を読み取って決済を行うシステムにおいて、顧客が価格変動要素(例えば、物理的または電子的な媒体として発行された各種クーポンなど)を有していても、クーポンを使用できないという別の課題もある。この課題については、後述する本実施形態の店舗システムの各機能構成部によって解決される。
【0020】
<基本的な決済処理の流れ>
図1に例示される店舗システム1では、以下のような流れの決済処理が行われる。
【0021】
まず、来店した人物P(顧客)は、入れ物C(買い物用の袋、かご、またはカート等)に購入する商品を入れる。ここで、個々の商品には、RFID(Radio Frequency IDentification)用のRF(Radio Frequency)タグTが付与されている。RFタグTはIC(Integrated Circuit)タグや電子タグとも呼ばれる。RFタグTは、パッシブ型のタグであってもよいし、アクティブ型のタグであってもよい。例えば、パッシブ型のRFタグは、読取装置220からの電波を受信することで動作電力を得て、RFタグ内の情報を信号化して読取装置220に発信する。また、アクティブ型のRFタグは、内蔵の電源を動力としてRFタグ内の情報を信号化し、読取装置220に発信する。ここで、RFタグTは、各個体固有の識別情報を記憶している。RFタグTを用いることにより、複数の同種商品(JAN(Japan Article Number)コードといった商品識別情報が同じである2つ以上の商品)を個別に認識することができる。
【0022】
人物Pは、来店前に、自身の端末30に専用のアプリケーションをインストールし、初期設定を完了させておく。例えば、人物Pの個人情報および人物Pの顔画像を登録する。登録される個人情報は、例えば、氏名、住所、電話番号、支払方法(クレジットカード番号、デビットカード番号、電子マネー決済種別、自動引き落とし用の口座番号など)を含む。なお、人物Pの顔画像は、店舗の専用端末において撮影して登録するようにしてもよい。店舗を訪れた人物Pは、購入する商品を入れ物Cに入れた後、その入れ物Cを持ってゲート20を通過する。人物Pがゲート20を通過する際、入れ物Cに入っている商品に付与されたRFタグTが読み取られ、その顧客の購入商品が店舗システム1において認識される。その後、その人物Pに紐付けられた支払手段の情報(クレジットカードの情報や引き落とし口座の情報など)を使って、店舗システム1で認識された商品について代金の支払い処理が実行される。その後、購入商品の情報や支払金額の情報などを含む電子レシートが、人物Pが所持する端末30に送信される。端末30は、電子レシートを受信すると、音声、振動、画面表示などによって電子レシートを受信したことを通知する。端末30上で通知に応答(例えば、画面上の表示をタッチするなど)すると、例えば後述の図8に示すような画面が端末30に表示される。人物Pは、当該画面を操作して決済処理の内容を示す電子レシートを閲覧することができる。
【0023】
<ゲート20の機能構成>
ゲート20は、当該ゲート20を通過する人物Pを特定するため情報(以下、「人物特定情報」とも表記)を取得する人物特定情報取得装置210(人物特定情報取得部)と、当該ゲート20を通過する商品を読み取る読取装置220(読取部)と、を備える。
【0024】
一例として、人物特定情報取得装置210はカメラモジュールを含んで構成される。この場合、人物特定情報取得装置210は、ゲート20に入場する人物P(顧客)の顔を含む画像(以下、「顔画像」とも表記)を生成できるように位置および向きが調整された状態で設置される。人物特定情報取得装置210は、カメラモジュールによって生成された顔画像を、人物特定情報として取得する。この顔画像は、ゲート20を通過する人物の顔認証処理に利用される。顔認証処理では、事前に登録された人物(例えば、店舗の会員など)の顔画像とのマッチングを行って、事前に登録された人物か否かが判定される。なお、顔認証処理は、人物特定情報取得装置210で実行されてもよいし、図示しないサーバ装置で実行されてもよい。
【0025】
他の一例として、人物特定情報取得装置210は、人物(顧客)を一意に特定可能な情報を有するカード(例えば、クレジットカード、電子マネーカード、店舗会員カードなど)を読み取るカードリーダーモジュールを含んで構成される。この場合、人物特定情報取得装置210は、各カードに記憶されている人物特定情報を、カードリーダーモジュールを介して取得する。そして、人物特定情報取得装置210が取得した人物特定情報と、事前に登録された各人物の情報(カード情報)とを照合して個人を認証する処理が行われる。なお、この認証処理は、人物特定情報取得装置210で実行されてもよいし、図示しないサーバ装置で実行されてもよい。
【0026】
他の一例として、人物特定情報取得装置210は、人物(顧客)を一意に特定可能な情報がエンコードされたコードシンボル(1次元コードや2次元コード)を読み取るコードリーダーモジュールを含んで構成される。この場合、人物特定情報取得装置210は、例えばスマートフォンなどの携帯端末にインストールされたアプリケーションによって当該携帯端末の画面上に表示されたコードシンボルや紙などの媒体に印字されたコードシンボルから人物特定情報を取得する。そして、人物特定情報取得装置210が取得した人物特定情報と、事前に登録された各人物の情報(例えば、アプリケーションインストール時に発行されるユーザIDなど)とを照合して個人を認証する処理が行われる。なお、この認証処理は、人物特定情報取得装置210で実行されてもよいし、図示しないサーバ装置で実行されてもよい。
【0027】
上述の人物特定情報を使った認証処理が成功した場合、当該認証された人物はゲート20を通過することを許可される。例えば、認証処理が成功した場合には、ゲート20の入り口側の図示しない扉が開放される。その他にも、図示しない通知装置(スピーカー、ディスプレイ、ランプ等)がゲート20に設けられており、認証処理が成功した場合に、当該通知装置が、通過が許可されたことを聴覚的または視覚的に通知するように構成されていてもよい。
【0028】
なお、人物特定情報取得装置210は、ここで例示した複数のモジュールを組み合わせて含むように構成されていてもよい。また、図示されていないが、人物特定情報取得装置210は、ゲート20とは別の単体の装置として、ゲート20とは異なる位置に設けられていてもよい。例えば、人物特定情報取得装置210は、ゲート20から少し離れた位置(例えば、ゲート20の入り口と待機場所との間の領域など)や店舗の出入り口などに設けられていてもよい。
【0029】
具体的な例として、カメラモジュールを有する人物特定情報取得装置210が店舗の出入口に設けられている場合を考える。この場合、人物特定情報取得装置210は、当該カメラモジュールで生成された画像を用いて顔認証等を行うことによって、その画像に写る人物の人物特定情報を取得することができる。またこの場合、店舗装置10は、当該人物がゲート20の付近に来たタイミング(時刻)と、読取装置220において商品が読み取られたタイミング(時刻)とを比較して、商品の読取結果と人物特定情報との対応関係を把握することができる。なお、人物がゲート20の付近に来たタイミングは、店舗内に設置したカメラの画像を用いて当該人物を追跡することによって把握される。例えば、店舗装置10は、人物の動線を生成する既知のアルゴリズムを用いて、認識した人物を追跡し、当該人物の動線の終端(現在位置)とゲート20の基準位置(例えば、入り口の位置)との差分が所定の閾値未満となったときに、「人物がゲート20の付近に来た」と判断できる。
【0030】
図1の例において、読取装置220は、人物Pがゲート20を通過する際、入れ物Cに入れられた個々の商品に付与されたRFタグを読み取るように構成されている。読取装置220は、ゲート20の側壁部(図中の符号20A、20Bで示す部分)に設けられる。なお、ゲート20の側壁部20Aおよび20Bは、入れ物Cと人物が同時に通過できるような幅で設けられている。読取装置220は、各商品に付与されたRFタグTと通信し、各RFタグTの記憶領域(図示せず)に格納されている情報を取得する。
【0031】
ここで、RFタグTの記憶領域には、個体固有の識別情報(タグID)が少なくとも格納されている。RFタグTの記憶領域には、そのタグが付与された商品に関する情報が更に格納されていてもよい。RFタグTの記憶領域に記憶されているタグ記録情報(タグID、または、タグIDおよび商品情報を含む情報)は、RFタグTから発せられる電波によって搬送される。
【0032】
図1では示されていないが、複数のゲート20が並列して設けられていてもよい。複数のゲート20が並列して設けられる場合、図示しない電波シールド部材(例えば、アルミシートなど)を、各ゲート20の側壁部20A、20Bの外側に配置するのが好ましい。側壁部20A、20Bの外側に配置される電波シールド部材によって、例えば次のような効果が得られる。即ち、ある人物がゲート20を通過した際、その人物が購入する商品に付与されたRFタグTの電波を、隣接する他のゲート20が誤って受信する可能性を低減させるという効果が得られる。
【0033】
なお、ゲート20の構成は、図1の例に制限されない。例えば、読取装置220は、ゲート20の一部としてゲート20に組み込まれていてもよいし、ゲート20とは別の単体の装置として設けられていてもよい。また、例えば、読取装置220は、人物がゲート20を通過する際に入れ物Cに入れられている商品の画像を取得して、当該画像を処理することによって商品を読み取るように構成されていてもよい。この場合、個々の商品にRFタグが付与されていなくてもよい。
【0034】
<店舗装置10の機能構成>
図1に示されるように、本実施形態の店舗装置10は、受信部105、クーポン通知部110、決済部120、および電子レシート送信部130を備える。
【0035】
受信部105は、読取装置220による商品の読取結果と共に、人物特定情報取得装置210で取得された人物特定情報(ゲート20を通過する人物Pを特定する情報)を受信する。クーポン通知部110は、ゲート20を通過した人物Pが所有する端末30に、適用可能なクーポンを示す情報を通知する。具体的には、クーポン通知部110は、次のように動作する。まず、クーポン通知部110は、人物特定情報取得装置210により取得された人物Pの人物特定情報に紐付いているクーポンの情報を、人物毎に利用可能なクーポンを記憶するクーポンデータベース112から読み出す。なお、クーポンデータベース112は、ネットワークを介して通信可能に接続された他の外部装置(図示せず)に備えられていてもよい。そして、クーポン通知部110は、読み出したクーポンの中に読取装置220によって読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在するか否かを判定する。適用可能なクーポンが存在する場合、クーポン通知部110は、人物Pの人物特定情報に紐付いている端末30に、通知情報を送信する。
【0036】
ここで、通知情報は、上述の適用可能なクーポンを通知する情報である。例えば、通知情報は、適用可能なクーポンを使用するか否かを選択させる画面を端末30上に表示させるための情報である。人物Pは、適用可能なクーポンを使用する場合、端末30に表示された画面上でクーポンの使用意思を示す使用宣言操作(例えば、使用するクーポンを選択する操作を実行する。人物Pが端末30上で使用宣言操作を行った場合、当該人物Pが使用するクーポンを示す情報(以下、「クーポン使用情報」とも表記)が、端末30から店舗装置10に送信される。クーポン使用情報には、人物Pが使用するクーポンを識別するための情報(例えば、クーポン毎に割り当てられた識別情報など)が少なくとも含まれる。
【0037】
決済部120は、読取装置220により読み取られた商品の決済処理と、クーポン使用情報が示すクーポンの適用処理を実行する。なお、決済部120は、端末30からクーポン使用情報を取得した場合に、当該クーポン使用情報に基づいてクーポンの適用処理を実行する。
【0038】
電子レシート送信部130は、決済処理およびクーポン適用処理の実行に応じて電子レシートを端末30に送信する。例えば、電子レシート送信部130は、決済処理の対象となった商品の名称や価格などの内容を含む電子レシートデータを生成し、当該電子レシートデータを端末30に送信する。ここで、何らかのクーポンについてクーポン適用処理が実行された場合、電子レシート送信部130は、クーポンの内容を反映させた電子レシートを生成する。そして、電子レシート送信部130は、人物特定情報に予め紐付けられた端末30の宛先情報を使って、電子レシートデータを端末30に送信することができる。また、電子レシート送信部130は、生成した電子レシートデータを、決済処理において取得された人物特定情報と対応付けて図示しないサーバ装置などに記憶するように構成されていてもよい。この場合、顧客は、図示しないサーバ装置にアクセスして電子レシートデータを端末30にダウンロードすることによって、電子レシートを確認することができる。
【0039】
以上、本実施形態では、ゲート20を通過した商品を読み取って当該商品の決済処理を行うシステムにおいて、読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンがある場合、そのクーポンの通知情報が当該商品を購入する人物の端末30に送信される。そして、端末30からクーポンを使用することを示すクーポン使用情報が送信された場合、当該クーポン使用情報に対応するクーポンの適用処理が実行される。
【0040】
ゲート20を通過した商品を読み取って当該商品の決済処理を行うシステムにおいて、特許文献1に例示されるような技術では、顧客が使用可能なクーポンを有していた場合にそのクーポンを使用できなかった。上述の本実施形態の構成によれば、ゲート20を通過した商品を読み取って当該商品の決済処理を行うシステムで、顧客がクーポンを使用できるようになる。
【0041】
<店舗装置10のハードウエア構成例>
店舗装置10は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、店舗装置10がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0042】
図2は、店舗装置10のハードウエア構成を例示するブロック図である。
【0043】
店舗装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0044】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0045】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0046】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0047】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は店舗装置10の各機能(受信部105、クーポン通知部110、決済部120、電子レシート送信部130など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、各プログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0048】
入出力インタフェース1050は、店舗装置10と図示しない周辺機器とを接続するためのインタフェースである。周辺機器は、例えば、キーボードやマウスなどの入力機器、ディスプレイ(タッチパネルディスプレイ)やスピーカーなどの出力機器を含む。なお、入出力インタフェース1050には、上述したような入力機器や出力機器が接続されていなくてもよい。
【0049】
ネットワークインタフェース1060は、店舗装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。店舗装置10は、ネットワークインタフェース1060を介して、ゲート20の人物特定情報取得装置210や読取装置220、および、端末30といった外部装置と通信可能に接続される。
【0050】
図示しないが、人物特定情報取得装置210および読取装置220も、店舗装置10と同様に、プロセッサ、メモリ、ストレージデバイス、入出力インタフェース、ネットワークインタフェース等を備えている。人物特定情報取得装置210のストレージデバイスには、人物特定情報を取得する機能を実現するプログラムモジュールが記憶されている。人物特定情報取得装置210のプロセッサが、当該プログラムモジュールをメモリに読み込んで実行することによって、人物特定情報を取得する機能が実現される。また、読取装置220のストレージデバイスには、商品を読み取る機能(RFタグから読み取った情報に基づいて商品を認識する機能)を実現するプログラムモジュールが記憶されている。読取装置220のプロセッサが、当該プログラムモジュールをメモリに読み込んで実行することによって、商品を読み取る機能(RFタグから読み取った情報に基づいて商品を認識する機能)が実現される。
【0051】
ここで、RFタグから読み取った情報に基づいて商品を認識する機能部は、店舗装置10に備えられていてもよい。この場合、読取装置220はRFタグに記憶されている情報(タグID)を読み取って店舗装置10に送信する。そして、店舗装置10は、読取装置220から取得したタグIDに基づいて個々の商品とRFタグとの対応関係を示す情報を参照し、当該タグIDに紐付けられた商品の情報を得る。
【0052】
なお、図2に例示される構成はあくまで一例であり、店舗装置10を含むハードウエアの構成は図2の例に制限されない。
【0053】
<処理の流れ>
図3を用いて、本実施形態の店舗システム1により実行される処理の流れを説明する。図3は、第1実施形態の店舗システム1により実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
まず、人物特定情報取得装置210は、人物特定情報を取得する(S102)。そして、人物特定情報取得装置210は、取得した人物特定情報を使って、ゲート20を通過しようとしている人物が事前に登録された人物か否かを判定する、個人認証処理を実行する(S104)。例えば、人物特定情報取得装置210は、カメラモジュールにより生成された、ゲート20を通過する人物の顔画像を取得し、当該顔画像を使った顔認証処理を実行する。人物特定情報取得装置210は、ゲート20を通過する人物の認証に成功した場合、その人物の人物特定情報を店舗装置10に送信する。人物特定情報取得装置210から送信された人物特定情報は、受信部105によって受信される。
【0055】
人物特定情報取得装置210は、顔認証処理用の顔画像を生成するカメラモジュールを有している場合に、次のような機能を備えていてもよい。即ち、人物特定情報取得装置210は、ゲート20の手前側に位置する人物(ゲート20に入場する人物)を検出する入場者検出センサで人物が検出されたことに応じて、カメラモジュールに撮影動作を実行させる機能を備えていてもよい。これにより、ゲート20に入場しない人物を誤って認証してしまう可能性を低減させるといった効果が見込める。
【0056】
個人認証処理で認証に失敗した場合(S104:NO)、人物特定情報取得装置210は、所定のエラー処理を出力する。例えば、人物特定情報取得装置210は、図示しないスピーカー装置からエラー音を出力する処理や、ゲート20の入り口部に設けられた扉を閉めてゲート20への入場を妨げる処理などを実行する。なお、エラー処理が実行された場合、以下で説明する処理は実行されない。
【0057】
個人認証処理で認証に成功した場合(S104:YES)、認証された人物はゲート20へ入場できるようになる。人物がゲート20を通過することで、読取装置220によって商品が読み取られる(S106)。ここで「商品の読取」とは、商品情報(商品の識別情報、名称、価格などを含む情報)を取得することだけではなく、商品情報に紐付く情報(例えば、個々の商品に付与されたRFタグに記憶されているタグIDなど)を読み取ることを含む。
【0058】
一例として、読取装置220は、RFタグに記憶されている情報を読み取った後、当該読み取った情報を店舗装置10に送信する。そして、店舗装置10は、図4に示されるような情報を用いて、そのタグIDに紐付けられた商品情報を取得する。図4は、商品とRFタグとの対応関係を定義する情報の一例である。図4に例示される情報は、例えば、メモリ1030やストレージデバイス1040などの記憶領域に予め記憶されている。具体的な例として、読取装置220があるRFタグから「T1001」という情報を読み取り、当該情報が店舗装置10に送信された場合、店舗装置10は、読取装置220から取得した情報を基に「商品A」に関する商品情報を取得することができる。他の一例として、RFタグの記憶領域に商品情報が格納されている場合には、読取装置220が、RFタグから商品情報を読み取り、その読取結果を店舗装置10に送信する。読取装置220から送信された人物特定情報は、受信部105によって受信される。
【0059】
そして、クーポン通知部110は、読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在するか否かを判定する(S108)。適用可能なクーポンが存在しない場合(S108:NO)、決済部120は決済処理を実行する(S116)。このとき、決済部120は、クーポン適用処理を実行しない。一方、適用可能なクーポンが存在する場合(S108:YES)、クーポン通知部110は、当該適用可能なクーポンを通知する通知情報を生成する。そして、クーポン通知部110は、生成した通知情報を、S102の処理で取得された人物特定情報に紐付いている端末30に送信する(S110)。
【0060】
適用可能なクーポンを通知する通知情報を端末30に送信した後、当該端末30から使用するクーポンを示すクーポン使用情報が取得されなかった場合(S112:NO)、決済部120は、決済処理を実行する(S116)。このとき、決済部120は、クーポン適用処理を実行しない。一方、適用可能なクーポンを通知する通知情報を端末30に送信した後、当該端末30から使用するクーポンを示すクーポン使用情報が取得された場合(S112:YES)、決済部120は、決済処理とクーポン適用処理とを実行する(S114)。ここで、決済部120は、決済処理を先に実行して完了させた後、クーポン使用情報の取得に応じてクーポン適用処理を実行(一度確定した決済処理の結果を修正)してもよいし、クーポンの適用処理の実行後に決済処理を実行してもよい。
【0061】
そして、電子レシート送信部130は、決済処理(或いは、決済処理およびクーポン適用処理)の実行に応じて、電子レシートを発行する(S118)。例えば、電子レシート送信部130は、第1の人物が所持する端末30に、決済処理の結果に基づいて生成された電子レシートのデータを送信する。また、電子レシート送信部130は、決済処理の結果に基づいて生成された電子レシートのデータを、第1の人物の人物特定情報と対応付けて図示しないサーバ装置に送信してもよい。後者の場合、例えば、端末30にインストールされたアプリケーションなどを介して第1の人物の人物特定情報がサーバ装置に送信されることによって、その人物特定情報に対応付けられた電子レシートデータがサーバ装置から端末30に送信される。
【0062】
<処理の具体例>
以下、本実施形態の店舗システム1で実行される処理について、具体例を挙げて説明する。
【0063】
まず、個人認証処理に成功した人物Pがゲート20を通過することによって、当該人物Pに関する情報が、店舗装置10のメモリ1030やストレージデバイス1040といった所定の記憶領域に登録される(例:図5)。図5は、人物Pがゲート20を通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。図5によれば、人物Pがゲート20を通過した際、人物特定情報取得装置210が「U001」という人物特定情報を取得したことが分かる。また、人物Pがゲート20を通過した際、読取装置220が、タグID「T1001」、タグID「T2001」、タグID「T3001」、およびタグID「4001」によって個々に識別される4つのタグ(すなわち、4つの商品)を読み取ったことが分かる。これらの情報は、店舗装置10に送信される。
【0064】
また、クーポン通知部110は、図4に示すような情報を用いて、ゲート20で読み取られた商品を認識する。この場合、クーポン通知部110は、4つの商品(にんじん、たまねぎ、じゃがいも、豚肉)を認識する。そして、クーポン通知部110は、人物Pがゲート20を通過したときに読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在するか否かを判定する。
【0065】
まず、クーポン通知部110は、図6に示されるような情報を参照して、各人物が所持しているクーポンを特定する。図6は、各人物が所持しているクーポンを管理する情報の一例を示す図である。なお、図6に示すような情報は、例えばクーポンDB112に記憶されている。図6の例では、各人物の人物特定情報に対して、クーポンの情報が紐付けられている。図6の情報によれば、例えば、人物特定情報「U001」で特定される人物は、クーポンID「C001」、「C002」、および「C003」で識別される未使用のクーポンを所持していることが分かる。
【0066】
また、クーポン通知部110は、例えば図7に例示されるような情報を参照して、各クーポンの対象となる商品を特定する。図7は、各クーポンの内容を示す情報の一例を示す図である。なお、図7に示すような情報は、例えばクーポンDB112に記憶されている。図7の情報によれば、クーポンID「C001」、「C002」、および「C003」で識別されるクーポンは、それぞれ、「じゃがいも」、「冷凍食品」、「全商品」を対象としていることが分かる。
【0067】
ここで、クーポン通知部110は、「じゃがいも」を含む4つの商品を「読み取られた商品」と認識している。そのため、この場合、クーポン通知部110は「適用可能なクーポンが存在する」と判定する。具体的には、クーポン通知部110は、クーポンID「C001」および「C003」で識別されるクーポンが適用可能と判定する。適用可能なクーポンが存在すると判定された場合、クーポン通知部110は、人物特定情報「U001」で特定される人物の端末30に通知情報を送信する。なお、各人物の端末30のアドレス情報は、当該人物の人物特定情報と対応付けて、ストレージデバイス1040などに予め記憶されている。通知情報は、例えば、アプリケーションのプッシュ通知やメールなどの形で端末30に送信される。
【0068】
なお、図5の例において、取得された人物特定情報が「U002」あるいは「U003」であった場合、クーポン通知部110は「適用可能なクーポンが存在しない」と判定する。具体的には、取得された人物特定情報が「U002」で特定される人物は、未使用のクーポンとして「冷凍食品」を対象とするクーポンを所持している。しかしながら、今回読み取られた商品の中には冷凍食品が存在していない。そのため、取得された人物特定情報が「U002」であった場合には、クーポン通知部110は「適用可能なクーポンが存在しない」と判定する。また、取得された人物特定情報が「U003」で特定される人物は、使用済みのクーポンしか所持していない。そのため、取得された人物特定情報が「U003」であった場合には、クーポン通知部110は「適用可能なクーポンが存在しない」と判定する。この場合、クーポン通知部110は通知情報を送信しない。よって、決済部120は、クーポン適用処理を実行せずに、読み取られた商品の決済処理を実行する。そして、電子レシート送信部130は、実行された決済処理の内容を示す電子レシートデータを発行する。
【0069】
クーポン通知部110が「適用可能なクーポンが存在する」と判定し、通知情報を端末30に送った場合、当該通知情報を受け取った人物Pは、例えば図8に示すように所望のクーポンを使用することができる。但し、図8に示す例はあくまで一例であり、本発明は図8の例に制限されない。図8は、端末30で使用するクーポンを選択する流れを例示する図である。まず、ゲート20を通過した人物Pは、端末30にインストールされたアプリケーションやブラウザ上で表示される画面82を介して、決済結果の履歴を確認する。図8に例示されている画面82では、過去の決済結果の一覧が表示されている。ここで、クーポン通知部110から通知情報を受け取っている場合、所定の印822(図8の例では白地の星印)が対応する決済結果の行に付与される。所定の印822によって、人物Pが適用可能なクーポンがあることに気付きやすくなる。その後、人物Pは端末30を操作して、対象とする決済結果(図8の例では1行目)を選択する。対象とする決済結果が選択されると、次の画面として、使用するクーポンを選択する画面84が表示される。この画面84上で、人物Pは、所望のクーポン(図8の例では、「C003」のクーポン)を選択し、確定ボタン842を押下する。確定ボタン842が押下されたことに応じて、端末30からクーポン使用情報(ここで、「C003」のクーポンを使用すること示す情報)が店舗装置10に送信される。決済部120は、クーポン使用情報を端末30から取得したことに応じて、当該クーポン使用情報によって示されるクーポンの適用処理を実行する。そして、電子レシート送信部130は、実行されたクーポン適用処理および決済処理の内容を示す電子レシートデータを発行する。
【0070】
ここで、決済部120は、決済処理を先に実行して完了させた後、クーポン使用情報の取得に応じてクーポン適用処理を実行(一度確定した決済処理の結果を修正)することができる。例えば、決済部120は、人物Pがゲート20から退場したことに応じて決済処理を実行し、クーポン適用処理が行われる前に決済処理を完了させるように構成されていてもよい。この場合、決済部120は、例えばゲート20の出口側に設けられた、退場者を検出する退場者検出センサ(例:図5の符号230)の出力に基づいて、人物Pがゲート20から退場したことを認識することができる。退場者検出センサ230は、例えば赤外線を使って人物を検出するセンサである。決済部120は、人物がゲート20から退場したことを認識すると、読み取られた商品の決済処理を完了させる。その後、図8を用いて説明したように、端末30から送信されたクーポン使用情報が取得されると、決済部120は、一度完了した決済処理の結果を、クーポン使用情報に基づいて修正する。例えば、決済部120は、商品代金の支払いに関わる機関(例えばカード会社など)に既に送信した支払請求を撤回した上で、クーポンを適用した場合の請求金額を算出し、その請求金額に基づく支払請求を改めて送信する。
【0071】
このように、クーポン使用情報が取得されたか否かを問わず決済処理を完了させることによって、クーポンを使用する意思がない人物が、クーポンを使用しないことをシステム側に知らせるアクションをとる必要がなくなる。また、店舗装置10(コンピュータ)がクーポン使用情報の取得を待って決済処理を完了させる構成の場合、クーポン使用情報が取得されるまでの保留時間によって、決済処理における店舗装置10の単位時間あたりの情報処理量(処理速度)が低下してしまう。上述の構成によれば、クーポン使用情報が取得されるまでの保留時間が一切生じなくなるため、単位時間あたりに処理する情報量が低下する(コンピュータの処理速度が低下する)ことを防止する効果が得られる。また、上述の構成によれば、店舗装置10或いは決済処理で当該店舗装置10と連携するシステムの装置に保留中の決済処理が蓄積されて装置の処理負荷が増加するリスクを低減させる効果も期待できる。
【0072】
また、決済部120は、人物Pがゲート20から退場した後、クーポン使用情報が取得されるのを待って、決済処理を実行してもよい。この場合、クーポン使用情報によって示されるクーポンの適用処理が実行された後で(すなわち、クーポンが適用された状態で)、決済処理が実行される。また、この場合において、決済部120は、予め設定された期間内にクーポン使用情報が取得できなかった場合、クーポン適用処理を行わずに、決済処理を実行するように構成されていてもよい。このようにすることで、クーポンを使用する意思がない人物が、クーポンを使用しないことをシステム側に知らせるアクションをとる必要がなくなる。
【0073】
なお、予め設定された期間内にクーポン使用情報が取得されない場合には、端末30を所持する人物が、通知情報に気付いていない、あるいは、クーポンの利用宣言を行うことを忘れている可能性などが考えられる。そこで、クーポン通知部110は、予め設定された期間内にクーポン使用情報が取得されなかった場合に、適用可能なクーポンの使用意志を顧客に確認する通知を端末30に送信するように構成されていてもよい。例えば、クーポン通知部110は、適用可能なクーポンを示す通知情報を送信してから所定の期間が経過するタイミングあるいはそれよりも少し前のタイミングで、適用可能なクーポンがあることを再通知するメッセージ等を、端末30に送信する。端末30にインストールされたアプリケーションは、クーポン通知部110からの通知に応じてポップアップメッセージ等を表示して、適用可能なクーポンが使用されずに残っていることを端末30のユーザに通知する。このようにすることで、適用可能なクーポンの使用機会を顧客が逸することを防止できる。
【0074】
また、図5に示されるように、ゲート20の出口側付近に退場者検出センサ230が設けられている場合において、人物特定情報取得装置210は、ゲート20から退場する人物(第1の人物)が退場者検出センサ230によって検出されたことに応じて、当該第1の人物の次にゲートを通過する人物(第2の人物)の人物特定情報を取得する処理を開始するように構成されていてもよい。一例として、人物特定情報取得装置210は、第1の人物がゲート20から退場したことを示す信号を退場者検出センサ230から取得した場合に、カメラモジュールを起動させて顔認証用の顔画像の撮影するように構成されていてもよい。この場合、人物特定情報取得装置210は、人物特定情報が取得できた(例えば、ゲート20を通過する人物の顔画像が取得できた)タイミングで動作を停止する。このように人物特定情報取得装置210を必要なときに動作させる構成とすることで、システム全体での消費電力を削減するといった効果が見込める。
【0075】
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係る店舗システム1の構成を例示する図である。図9に示されるように、本実施形態における店舗システム1は、本実施形態の店舗システム1は、読取装置220の動作を制御する制御手段240を更に備える点で、第1実施形態と相違する。本実施形態の店舗システム1は、以下で説明する点を除き、第1実施形態と同様の構成を有する。
【0076】
制御手段240は、ある人物がこれからゲート20を通過すると推測できる場合に、読取装置220の動作を開始させ、当該人物がゲート20から退場したと推測できる場合に、読取装置220の動作を停止させる。一例として、制御手段240は、(1)ゲート20を通過する人物の人物特定情報が人物特定情報取得装置210によって取得されたこと、および(2)ゲート20に入場する人物を検出する入場者検出センサ250が備えられている場合において、当該入場者検出センサで人物が検出されたこと、の少なくともいずれか一方に応じて、読取装置220の動作を開始させる。また、制御手段240は、退場者検出センサ230によってゲート20から退場する人物が検出されたことに応じて、読取装置220の動作を停止させる。制御手段240は、ゲート20の出入り口付近を撮影する1以上のカメラ(例えば、監視用のカメラ)から、ゲートの出入り口付近の映像を取得し、当該映像を処理することによって、ゲート20に入場する人物およびゲート20から退場する人物を検出するように構成されていてもよい。
【0077】
本実施形態では、読取装置220は、ゲート20を人物(商品)が通過すると推測されるときに商品の読取動作を実行し、人物がゲート20から退場したと推測されるとき商品の読取動作を停止するように、制御手段240によって制御される。言い換えると、商品の読取動作が必要と推測されるときにのみ読取装置220が動作することになる。これにより、店舗システム1全体での消費電力を削減する効果が得られる。また、複数のゲート20が並列に設けられている場合においては、他のゲート20を通過する商品を誤って検出する可能性を低減させるという効果も見込める。
【0078】
[第3実施形態]
本実施形態では、店舗の利用客(ユーザ)が使用する端末30で動作するアプリケーションプログラムについて説明する。
【0079】
<アプリケーションプログラムの機能構成>
図11は、アプリケーションプログラムの機能構成を例示する図である。図11に示されるように、端末30には、クーポン情報通知部310、クーポン使用宣言受付部320、およびクーポン使用情報送信部330として機能させるためのアプリケーションプログラム300がインストールされる。当該アプリケーションプログラム300は、図示しないサーバ装置から端末30の記憶領域にダウンロードされる。端末30のプロセッサが、アプリケーションプログラム300をメモリ上に読み込んで実行することによって、クーポン情報通知部310、クーポン使用宣言受付部320、クーポン使用情報送信部330などの機能が実現される。
【0080】
クーポン情報通知部310は、ゲート20で読み取られた商品に対して適用可能なクーポンを通知する通知情報を店舗装置10から取得し、適用可能なクーポンの情報を含む画面を端末30のディスプレイに表示させる。クーポン情報通知部310は、例えば図8で例示したような画面を、端末30のディスプレイに表示させる。クーポン使用宣言受付部320は、端末30のディスプレイに表示された画面上で、ユーザによるクーポンの使用宣言(例:使用するクーポンを選択する操作)を受け付ける。クーポン使用情報送信部330は、ユーザによるクーポンの使用宣言に基づいて、ユーザが使用するクーポンを示すクーポン使用情報を店舗装置11(決済処理を行う装置)に送信する。
【0081】
<処理の流れ>
図12は、アプリケーションプログラム300によって実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【0082】
まず、クーポン情報通知部310は、店舗装置10(クーポン通知部110)から送信された通知情報(適用可能なクーポンを通知する情報)を取得する(S202)。クーポン情報通知部310は、取得した通知情報に基づいて、適用可能なクーポンの情報を含む画面を端末30のディスプレイ部に表示する(S204)。クーポン情報通知部310は、例えば、図8に例示されるような画面を、端末30のディスプレイ部に表示する。
【0083】
そして、クーポン使用宣言受付部320は、端末30のディスプレイ部に表示された画面上で、クーポンの使用宣言を受け付ける(S206)。例えば、クーポン使用宣言受付部320は、図8に例示される画面82における、クーポンの対象となる決済処理を選択する操作や、図8に例示される画面84における、使用するクーポンを選択および確定する操作を受け付ける。
【0084】
そして、クーポン使用情報送信部330は、クーポンの使用宣言に応じて、顧客が使用するクーポンを示す情報(クーポン使用情報)を生成して店舗装置10に送信する(S208)。例えば、クーポン使用情報送信部330は、画面上での操作に基づいて、選択および確定されたクーポンを識別する情報を取得し、当該クーポンを識別する情報をクーポン使用情報として店舗装置10に送信する。
【0085】
以上、本実施形態では、顧客が商品を持ってゲート20を通過した場合に、読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンの情報がアプリケーションプログラム300を介して顧客に通知される。そして、顧客がアプリケーションプログラム300上でクーポンの使用宣言を実行すると、当該顧客が使用するクーポンを示すクーポン使用情報がクーポンの使用宣言に応じて店舗装置10に送信される。本実施形態で説明した、端末30にインストールされたアプリケーションプログラム300によれば、ゲート20を通過する商品を読み取って決済を行う店舗システム1において、顧客がクーポンを簡単に使用することができるようになる。
【0086】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態について述べたが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、改良等を行うことができる。
【0087】
例えば、RFタグを用いれば、店舗において提供されるサービス(無形の商品)をゲート20で読み取ることも可能である。具体的な例として、ズボンの裾上げサービスやジャケットの丈直しサービスなどを提供している衣料品店のケースを挙げる。この場合、以下のような処理が実行される。まず、顧客は、所望のサービスに対応するカードを持って、ゲート20を通過する。各カードにはRFタグが付与されており、読取装置220は、カードに付与されたRFタグに記憶されている情報(タグID)を読み取る。店舗装置10のストレージデバイス1040には、各カードに付与されたRFタグとサービスを示す情報との対応関係を示す情報が格納されており、店舗装置10はこの情報を参照して、ゲート20で読み取られたRFタグに対応するサービスを認識する。店舗装置10は、認識したサービスを受けることができる場所(例えば、サービスカウンターなど)に顧客を誘導する情報(例:図10)を、端末30に送信する。図10は、サービスを受けることができる場所に顧客を誘導する情報の一例を示す図である。図10には、ズボンの裾上げサービスが受けるためにどこへ向かうべきかを顧客に知らせる情報を含む画面1000が例示されている。顧客は、図10に例示されるような画面を確認することによって、所望のサービスを受けることができる場所を容易に把握することができる。また、画面1000には、所望のサービスを受けることができる場所を示すマップを表示する情報(図中の符号1002)が含まれていてもよい。
【0088】
また、実施形態に開示されている複数の構成要素は、適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0089】
また、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0090】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.
ゲートを通過する商品を読み取る読取手段と、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段と、
前記読取手段によって読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信するクーポン通知手段と、
前記読取手段によって読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行する決済手段と、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する電子レシート送信手段と、
を備える店舗システム。
2.
前記読取手段は、個々の商品に付与されたRF(Radio Frequency)タグを読み取る、
1.に記載の店舗システム。
3.
前記決済手段は、前記決済処理の実行後に、前記クーポンの適用処理を実行する、
1.または2.に記載の店舗システム。
4.
前記決済手段は、前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記決済処理を実行する、
3.に記載の店舗システム。
5.
前記決済手段は、前記クーポンの適用処理の実行後に、前記決済処理を実行する、
1.または2.に記載の店舗システム。
6.
前記人物特定情報取得手段は、前記人物の顔画像を前記人物特定情報として取得する、
1.から5.のいずれか1つに記載の店舗システム。
7.
前記人物特定情報取得手段は、前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記顔画像を生成するカメラに撮影動作を実行させる、
6.に記載の店舗システム。
8.
前記読取手段の動作を制御する制御手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記人物特定情報が取得されたこと、および、前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたこと、の少なくともいずれか一方に応じて、前記読取手段を動作させ、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記読取手段の動作を停止させる、
1.から7.のいずれか1つに記載の店舗システム。
9.
前記人物特定情報取得手段は、前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで第1の人物が検出されたことに応じて、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過する第2の人物の人物特定情報を取得する処理を開始する、
1.から8.のいずれか1つに記載の店舗システム。
10.
前記決済手段は、予め設定された期間内に前記クーポン使用情報が取得できなかった場合に、前記決済処理を実行する、
1.から9.のいずれか1つに記載の店舗システム。
11.
少なくとも1つのコンピュータにより実行される決済方法であって、
ゲートを通過する商品を読み取り、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得し、
前記読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信し、
前記読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行し、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する、
ことを含む決済方法。
12.
前記コンピュータが、
個々の商品に付与されたRF(Radio Frequency)タグを読み取る、
ことを更に含む11.に記載の決済方法。
13.
コンピュータが、
前記決済処理の実行後に、前記クーポンの適用処理を実行する、
ことを更に含む11.または12.に記載の決済方法。
14.
前記コンピュータが、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記決済処理を実行する、
ことを更に含む13.に記載の決済方法。
15.
前記コンピュータが、
前記クーポンの適用処理の実行後に、前記決済処理を実行する、
ことを更に含む11.または12.に記載の決済方法。
16.
前記コンピュータが、
前記人物の顔画像を前記人物特定情報として取得する、
ことを更に含む11.から15.のいずれか1つに記載の決済方法。
17.
前記コンピュータが、
前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記顔画像を生成するカメラに撮影動作を実行させる、
ことを更に含む16.に記載の決済方法。
18.
前記コンピュータが、
前記人物特定情報が取得されたこと、および、前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたこと、の少なくともいずれか一方に応じて、商品の読取動作を前記ゲートに実行させ、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記ゲートによる商品の読取動作を停止させる、
ことを更に含む11.から17.のいずれか1つに記載の決済方法。
19.
前記コンピュータが、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで第1の人物が検出されたことに応じて、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過する第2の人物の人物特定情報を取得する処理を開始する、
ことを更に含む11.から18.のいずれか1つに記載の決済方法。
20.
前記コンピュータが、
予め設定された期間内に前記クーポン使用情報が取得できなかった場合に、前記決済処理を実行する、
ことを更に含む11.から19.のいずれか1つに記載の決済方法。
21.
少なくとも1つのコンピュータを、
ゲートを通過する商品を読み取る読取手段、
前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報を取得する人物特定情報取得手段、
前記読取手段によって読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンを通知する通知情報を、前記人物特定情報に紐付いている端末に送信するクーポン通知手段、
前記読取手段によって読み取られた商品の決済処理と、前記端末から取得した、前記人物が使用するクーポンを示すクーポン使用情報に基づくクーポンの適用処理と、を実行する決済手段、および、
前記決済処理および前記クーポンの適用処理の実行に応じて電子レシートを前記端末に送信する電子レシート送信手段、
として機能させるためのプログラム。
22.
前記コンピュータを、
個々の商品に付与されたRF(Radio Frequency)タグを読み取る手段、
として更に機能させるための21.に記載のプログラム。
23.
前記コンピュータを、
前記決済処理の実行後に、前記クーポンの適用処理を実行する手段、
として更に機能させるための21.または22.に記載のプログラム。
24.
前記コンピュータを、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記決済処理を実行する手段、
として更に機能させるための23.に記載のプログラム。
25.
前記コンピュータを、
前記クーポンの適用処理の実行後に、前記決済処理を実行する手段、
として更に機能させるための21.または22.に記載のプログラム。
26.
前記コンピュータを、
前記人物の顔画像を前記人物特定情報として取得する手段、
として更に機能させるための21.から25.のいずれか1つに記載のプログラム。
27.
前記コンピュータを、
前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記顔画像を生成するカメラに撮影動作を実行させる手段、
として更に機能させるための26.に記載のプログラム。
28.
前記コンピュータを、
前記人物特定情報が取得されたこと、および、前記ゲートの手前側に位置する人物を検出する入場者検出センサで前記人物が検出されたこと、の少なくともいずれか一方に応じて、前記読取手段を動作させ、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで前記人物が検出されたことに応じて、前記読取手段の動作を停止させる手段、
として更に機能させるための21.から27.のいずれか1つに記載のプログラム。
29.
前記コンピュータを、
前記ゲートから退場する人物を検出する退場者検出センサで第1の人物が検出されたことに応じて、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過する第2の人物の人物特定情報を取得する処理を開始する手段、
として更に機能させるための21.から28.のいずれか1つに記載のプログラム。
30.
前記コンピュータを、
予め設定された期間内に前記クーポン使用情報が取得できなかった場合に、前記決済処理を実行する手段、
として更に機能させるための21.から29.のいずれか1つに記載のプログラム。
31.
ゲートを通過するユーザを特定する人物特定情報を受信する人物特定情報受信手段と、
読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンのクーポン情報を、前記人物特定情報によって特定される前記ユーザの端末に送信するクーポン通知手段と、
前記ユーザが選択したクーポンを示すクーポン情報を前記端末から受信した場合に、該クーポン情報に基づいて、読み取られた前記商品の決済処理を実行する決済手段と、
を備える店舗装置。
32.
コンピュータが、
ゲートを通過するユーザを特定する人物特定情報を受信し、
読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンのクーポン情報を、前記人物特定情報によって特定される前記ユーザの端末に送信し、
前記端末から前記ユーザが選択したクーポンを示すクーポン情報を受信した場合に、該クーポン情報に基づいて、読み取られた前記商品の決済処理を実行する、
ことを含む決済方法。
33.
コンピュータを、
ゲートを通過するユーザを特定する人物特定情報を受信する人物特定情報受信手段、
読み取られた商品のいずれかに対して適用可能なクーポンが存在する場合、前記適用可能なクーポンのクーポン情報を、前記人物特定情報によって特定される前記ユーザの端末に送信するクーポン通知手段、及び
前記ユーザが選択したクーポンを示すクーポン情報を前記端末から受信した場合に、該クーポン情報に基づいて、読み取られた前記商品の決済処理を実行する決済手段、
として機能させるためのプログラム。
34.
コンピュータを、
ゲートで読み取られた商品に対して適用可能なクーポンを示す通知情報を取得し、前記適用可能なクーポンの情報を含む画面を表示するクーポン情報通知手段、
前記画面上でクーポンの使用宣言を受け付けるクーポン使用宣言受付手段、および、
前記クーポンの使用宣言に応じて、使用するクーポンを示すクーポン使用情報を、決済処理を行う店舗装置に送信するクーポン使用情報送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【0091】
この出願は、2019年3月4日に出願された日本出願特願2019-038666号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
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図10
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