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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】充電制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240228BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240228BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240228BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240228BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240228BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240228BHJP
   B60L 58/13 20190101ALI20240228BHJP
   B60L 58/18 20190101ALI20240228BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/00 P
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
B60L50/60
B60L53/14
B60L58/13
B60L58/18
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022001630
(22)【出願日】2022-01-07
(65)【公開番号】P2023101178
(43)【公開日】2023-07-20
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 拓也
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-018092(JP,A)
【文献】特開平06-209532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02J 7/00
H01M 10/44
H01M 10/48
B60L 50/60
B60L 53/14
B60L 58/13
B60L 58/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に接続された充電器に複数のバッテリを並列に接続する接続部と、
前記複数のバッテリの電圧を取得する取得部と、
前記取得部で取得される電圧に基づいて、前記複数のバッテリのうち前記充電器に接続された接続バッテリと前記充電器に接続されていない未接続バッテリとの電位差を算出し、電位差が所定の電位範囲になった場合に前記未接続バッテリを前記充電器にさらに接続するように前記接続部を制御する制御部とを備え
前記制御部は、充電器が接続されたときに、前記取得部で取得される電圧に基づいて前記複数のバッテリの電位差を算出し、車両の負荷に接続されている基準バッテリと、前記基準バッテリとの電位差が前記所定の電位範囲に収まるバッテリとを前記充電器に接続するように前記接続部を制御する充電制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に充電器が接続されたときに充電器に対する複数のバッテリの接続状態を制御する充電制御装置が実用化されている。充電制御装置は、例えば、充電器と複数のバッテリとの間を接続するスイッチを切り換えることにより複数のバッテリの接続状態を制御することができる。このとき、充電制御装置は、バッテリの充電量が増加するように接続状態を制御することが求められる。
【0003】
そこで、バッテリの充電量を増加させる技術として、例えば、特許文献1には、各バッテリの充電量に片寄りが生じないよう各バッテリを短時間で充電するバッテリ充電装置が開示されている。この装置は、メインバッテリの放電状態が深い場合、メインバッテリ側の充電比率を大きくしてメインバッテリへの充電量を増加させるともに、メインバッテリの放電状態が浅くなるにしたがって、サブバッテリ側の充電比率を大きくして、サブバッテリの充電量を増加させる。これにより、バッテリの充電量を増加させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-209532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置は、バッテリを切り換えつつ充電を行うなど、充電を容易に行うことが困難であった。
【0006】
本開示は、バッテリの充電量を容易に増加させる充電制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る充電制御装置は、車両に接続された充電器に複数のバッテリを並列に接続する接続部と、複数のバッテリの電圧を取得する取得部と、取得部で取得される電圧に基づいて、複数のバッテリのうち充電器に接続された接続バッテリと充電器に接続されていない未接続バッテリとの電位差を算出し、電位差が所定の電位範囲になった場合に未接続バッテリを充電器にさらに接続するように接続部を制御する制御部とを備え、制御部は、充電器が接続されたときに、取得部で取得される電圧に基づいて複数のバッテリの電位差を算出し、車両の負荷に接続されている基準バッテリと、基準バッテリとの電位差が所定の電位範囲に収まるバッテリとを充電器に接続するように接続部を制御するものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、バッテリの充電量を容易に増加させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態1に係る充電制御装置を備えた車両の構成を示す図である。
図2】選択されたバッテリを充電器に接続する様子を示す図である。
図3】未接続バッテリを充電器に接続する様子を示す図である。
図4】バッテリの容量を満たすように充電される様子を示す図である。
図5】実施の形態2において基準バッテリとの電位差が所定の電位範囲に収まるバッテリを探索する様子を示す図である。
図6】実施の形態2においてバッテリを充電器に接続する様子を示す図である。
図7】実施の形態2においてバッテリの容量を満たすように充電される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1に、本開示の実施の形態1に係る充電制御装置を備えた車両の構成を示す。この車両は、充電口1と、複数のバッテリ2a~2eと、充電制御装置3とを有する。
なお、車両は、例えば、電気自動車およびハイブリッド自動車などの電動車両から構成されている。また、車両としては、例えば、トラックなどの商用車が挙げられる。
【0012】
充電口1は、充電器Chから供給される電力を入力するもので、充電器Chを接続可能に設けられている。充電口1は、バッテリ2a~2eに接続されており、充電器Chの電力が充電口1を介してバッテリ2a~2eに供給される。
【0013】
なお、充電器Chは、充電スタンドなどの外部に設けられるもので、例えば普通充電器および急速充電器などが挙げられる。
【0014】
バッテリ2a~2eは、所定の容量Cを有し、充電器Chから供給される電力を充電する。バッテリ2a~2eとしては、例えば、リチウムイオンバッテリおよびニッケル水素バッテリなどが挙げられる。
【0015】
充電制御装置3は、接続部4と、取得部5と、制御部6とを有する。バッテリ2a~2eのそれぞれに取得部5を介して制御部6が接続され、この制御部6に接続部4が接続されている。
【0016】
接続部4は、充電口1に接続された充電器Chにバッテリ2a~2eを並列に接続する。ここで、接続部4は、バッテリ2a~2eにそれぞれ対応して配置されたスイッチ4a~4eを有する。このスイッチ4a~4eは、バッテリ2a~2eと充電器Chとを接続状態または切断状態に切り換えるものであり、このスイッチ4a~4eの切り換えに応じて、並列接続されるバッテリ2a~2eの数が変わることになる。スイッチ4a~4eとしては、例えば、リレースイッチなどから構成することができる。
【0017】
取得部5は、バッテリ2a~2eの電圧を取得するもので、例えば電圧計から構成することができる。取得部5は、バッテリ2a~2eの電圧をそれぞれ測定し、その測定された電圧を制御部6に出力する。
【0018】
制御部6は、充電器Chが接続されたときに、取得部5で取得される電圧に基づいてバッテリ2a~2eの電位差を算出し、その電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2aおよび2bを充電器Chに接続するように接続部4を制御する。すなわち、制御部6は、スイッチ4aおよび4bを接続状態とするように接続部4を制御する。
【0019】
このとき、制御部6は、充電器Chが接続されたときに、最も少ない蓄電量Sまたは最も低い電圧を有する基準バッテリ2aを選択し、その基準バッテリ2aと、基準バッテリ2aとの電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2bを充電器Chに接続するように接続部4を制御する。
【0020】
また、制御部6は、取得部5で取得されたバッテリ2a~2eの電圧に基づいて、バッテリ2a~2eのうち充電器Chに接続された接続バッテリ2aおよび2bと、充電器Chに接続されていない未接続バッテリ2c~2eとの電位差を算出する。そして、制御部6は、接続バッテリ2aおよび2bと未接続バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rとなった場合に、未接続バッテリ2c~2eを充電器Chにさらに接続するように接続部4を制御する。すなわち、制御部6は、スイッチ4c~4eを接続状態とするように接続部4を制御する。
【0021】
ここで、所定の電位範囲Rは、例えば、充電制御装置3の許容電圧(充電制御装置3の機能を維持するために許容できる電圧)に基づいて設定することができ、例えばスイッチ4a~4dの許容電圧に基づいて設定することができる。
また、バッテリ2a~2eと充電制御装置3は、一体に構成することができる。例えば、バッテリ2a~2eをそれぞれバッテリパックとして構成し、そのバッテリパックに充電制御装置3を内蔵してもよい。
【0022】
なお、充電制御装置3の機能は、コンピュータプログラムにより実現させることもできる。例えば、コンピュータの読取装置が、充電制御装置3の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置に記憶させる。そして、CPU(Central Processing Unit)が、記憶装置に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAMから順次読み出して実行することにより、充電制御装置3の機能を実現することができる。
【0023】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0024】
まず、図1に示すように、車両の電源がOFF状態、例えば図示しない車両操作部においてキーがOFF状態にされると、接続部4が、スイッチ4a~4eを切断状態にして待機する。
【0025】
続いて、充電器Chが充電口1に接続されると、制御部6が、充電器Chが接続されたことを示す接続信号を充電口1から受信し、取得部5で測定される電圧に基づいてバッテリ2a~2eの電位差を算出する。そして、制御部6は、電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2aおよび2bを選択する。このとき、制御部6は、取得部5で測定される電圧に基づいてバッテリ2a~2eの蓄電量Sを判定し、最も少ない蓄電量Sを有する基準バッテリ2aを選択する。なお、制御部6は、取得部5で測定される電圧に基づいて、最も低い電圧を有する基準バッテリ2aを選択してもよい。例えば、制御部6は、取得部5で測定される電圧に基づいてバッテリ2a~2eの蓄電量Sを算出することで、基準バッテリ2aを選択することができる。さらに、制御部6は、基準バッテリ2aの電圧に基づいて基準バッテリ2aとバッテリ2b~2eとの電位差を算出し、基準バッテリ2aとの電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2bを選択する。
【0026】
図2に示すように、制御部6は、選択された基準バッテリ2aとバッテリ2bとを充電器Chに接続するように接続部4を制御して、スイッチ4aおよび4bを切断状態から接続状態に切り換える。これにより、バッテリ2aとバッテリ2bとの間に電流が流れて蓄電量Sが一定となる。
【0027】
このとき、バッテリ2aに対して電位差が所定の電位範囲Rより大きいバッテリ2c~2eを接続すると、充電制御装置3に瞬間的に大きな電流が流れて不具合が生じるおそれがある。例えば、バッテリ2a,2c~2e間を接続するスイッチ4a,4c~4eに大きな電流が流れて、その接点が溶着するなどの不具合が生じるおそれがある。
【0028】
そこで、本開示では、制御部6が、電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2aおよび2bを充電器Chに接続するように接続部4を制御する。これにより、充電制御装置3に大きな電流が流れることを抑制し、充電制御装置3の不具合を防ぐことができる。
【0029】
また、バッテリ2a~2eにそれぞれ対応してスイッチ4a~4eを配置することにより、バッテリ2a~2eの接続と切断を容易に切り換えることができる。
【0030】
このようにして、スイッチ4aおよび4bが接続状態に切り換えられると、充電器Chからの電力の供給が開始され、充電器Chに接続された接続バッテリ2aおよび2bに電力が供給される。これにより、充電器Chからの充電量に応じて接続バッテリ2aおよび2bの蓄電量Sが増加することになる。
【0031】
このとき、取得部5は、バッテリ2a~2eの電圧を順次測定しており、制御部6は、取得部5で測定される電圧に基づいて、接続バッテリ2aおよび2bと未接続バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rか否かを判定する。制御部6は、接続バッテリ2aおよび2bと未接続バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rから外れている場合には、現在の接続状態、すなわち接続バッテリ2aおよび2bのみを充電器Chに接続した状態を維持する。
【0032】
一方、図3に示すように、制御部6は、接続バッテリ2aおよび2bと未接続バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rになった場合に、接続バッテリ2aおよび2bに加えて、未接続バッテリ2c~2eを充電器Chにさらに接続するように接続部4を制御する。すなわち、制御部6は、スイッチ4aおよび4bの接続状態を維持したまま、スイッチ4c~4eをさらに接続するように接続部4を制御する。
【0033】
このように、接続バッテリ2aおよび2bと未接続バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rになったところで、接続バッテリ2aおよび2bに未接続バッテリ2c~2eを接続するため、充電制御装置3に大きな電流が流れることを抑制し、充電制御装置3の不具合を防ぐことができる。
このとき、制御部6は、接続バッテリ2aおよび2bと未接続バッテリ2c~2eとの電位差がほぼ同じ値となったタイミングで、未接続バッテリ2c~2eを充電器Chに接続することが好ましい。これにより、充電制御装置3の不具合を確実に防ぐことができる。
【0034】
このようにして、バッテリ2a~2eが、充電器Chに接続されると、図4に示すように、充電器Chからバッテリ2c~2eにも電力が供給されて、バッテリ2a~2eの容量Cをそれぞれ満たすように蓄電量Sが増加する。
【0035】
このように、接続バッテリ2aおよび2bと未接続バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rになった場合に、未接続バッテリ2c~2eを充電器Chにさらに接続することにより、充電制御装置3の不具合を抑制しつつバッテリ2a~2eの充電量を容易に最大化することができる。
【0036】
また、バッテリ2a~2eを順次接続して充電するため、特定のバッテリのみが極端に多く接続されることを抑制し、バッテリ2a~2e間の劣化の偏りを抑制することができる。
【0037】
また、制御部6は、充電器Chが充電口1に接続されたときに、最も少ない蓄電量Sまたは最も低い電圧を有する基準バッテリ2aを選択し、基準バッテリ2aと、基準バッテリ2aとの電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2bとを充電器Chに接続するように接続部4を制御する。このため、全てのバッテリ2a~2eを充電することができ、充電制御装置3の不具合を抑制しつつバッテリ2a~2eの充電量をより最大化することができる。
【0038】
本実施の形態によれば、制御部6が、接続バッテリ2aおよび2bと未接続バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rになった場合に未接続バッテリ2c~2eを充電器Chにさらに接続するように接続部4を制御する。これにより、バッテリ2a~2eの充電量を容易に増加させることができる。
【0039】
(実施の形態2)
以下、本開示の実施の形態2について説明する。ここでは、上記の実施の形態1との相違点を中心に説明し、上記の実施の形態1との共通点については、共通の参照符号を使用して、その詳細な説明を省略する。
【0040】
上記の実施の形態1では、制御部6は、充電器Chが接続されたときに、最も少ない蓄電量または最も低い電圧を有する基準バッテリ2aを選択して充電器Chに接続したが、所定のバッテリを充電器Chに接続すればよく、これに限られるものではない。
【0041】
例えば、図5に示すように、制御部6は、充電器Chが接続されたときに車両の電源がON状態である場合には、車両の負荷に接続されている基準バッテリ2c~2eと、基準バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2bとを充電器Chに接続するように接続部4を制御することができる。
【0042】
ここで、例えば、車両が、充電器Chを接続する前の時点において、接続部4を介してバッテリ2c~2eをモータおよび空調装置などの負荷に接続して走行されているものとする。そして、車両の電源がON状態、例えば図示しない車両操作部においてキーがON状態のまま、充電器Chが充電口1に接続される。このように、充電器Chが接続されたときに車両の電源がON状態である場合には、制御部6は、車両の負荷に接続部4を介して接続されている基準バッテリ2c~2eを検知し、その基準バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2bを探索する。
【0043】
そして、図6に示すように、制御部6は、基準バッテリ2c~2eとバッテリ2bを充電器Chに接続するように接続部4を制御する。すなわち、制御部6は、スイッチ4c~4eの接続状態を維持したまま、スイッチ4bが切断状態から接続状態に切り換えられる。これにより、バッテリ2c~2eとバッテリ2bとの間に電流が流れて蓄電量Sが一定となる。
【0044】
このとき、制御部6が、基準バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2bを充電器Chに接続するように接続部4を制御する。これにより、充電制御装置3に大きな電流が流れることを抑制するため、充電制御装置3の不具合を抑制することができる。
【0045】
また、基準バッテリ2c~2eの接続が充電開始の前後で維持されるため、基準バッテリ2c~2eから負荷への電力の供給を維持することができ、充電に応じて負荷の機能が停止されることを抑制することができる。
【0046】
このようにして、スイッチ4bが接続状態に切り換えられると、充電器Chからの電力の供給が開始されて、充電器Chに接続された接続バッテリ2b~2eに電力が供給される。これにより、充電器Chからの充電量に応じて接続バッテリ2b~2eの蓄電量Sが増加することになる。
【0047】
このとき、取得部5が、実施の形態1と同様に、バッテリ2a~2eの電圧を順次測定しており、制御部6は、取得部5で測定される電圧に基づいて、接続バッテリ2b~2eと未接続バッテリ2aとの電位差が所定の電位範囲Rになった場合には、未接続バッテリ2aを接続する。
これにより、充電制御装置3の不具合を抑制しつつバッテリ2a~2eの充電量を容易に最大化することができる。
【0048】
一方、制御部6は、接続バッテリ2b~2eと未接続バッテリ2aとの電位差が所定の電位範囲Rから外れている場合には、現在の接続状態を維持する。
【0049】
このようにして、図7に示すように、充電器Chからの電力の供給に応じて、接続バッテリ2b~2eの容量Cを満たすように蓄電量Sが増加する。ここで、充電開始時において、基準バッテリ2c~2eだけでなく、バッテリ2bを充電器Chに接続することにより、バッテリ2a~2eの充電量を容易に最大化することができる。
【0050】
すなわち、充電開始時において、車両の負荷に接続されている基準バッテリ2c~2eと、基準バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2bとを充電器Chに接続することにより、負荷の機能が停止することを抑制しつつ充電量を最大化することができる。
【0051】
なお、制御部6は、バッテリ2b~2eの充電が完了した後に、バッテリ2aをさらに充電する場合には、スイッチ4b~4eを切断状態に切り換えると共にスイッチ4aを接続状態に切り換えてバッテリ2aを充電することができる。
【0052】
本実施の形態によれば、制御部6は、充電器Chが接続されたときに、車両の負荷に接続されている基準バッテリ2c~2eと、基準バッテリ2c~2eとの電位差が所定の電位範囲Rに収まるバッテリ2bとを充電器Chに接続するように接続部4を制御する。これにより、負荷の機能が停止することを抑制しつつ充電量を増やすことができる。
【0053】
なお、上記の実施の形態1および2では、充電制御装置3は、電動車両に搭載されたが、複数のバッテリ2a~2eが並列に接続されていればよく、これに限られるものではない。例えば、充電制御装置3は、エンジンで駆動する車両に搭載することもできる。
【0054】
また、上記の実施の形態1および2では、接続部4は、5つのバッテリ2a~2eを並列に接続したが、複数のバッテリを並列に接続すればよく、これに限られるものではない。
【0055】
また、上記の実施の形態1および2では、取得部5は、バッテリ2a~2eの電圧を測定したが、電圧を取得することができればよく、電圧を直接測定するものに限られるものではない。例えば、取得部5は、バッテリ2a~2eの電流値に基づいて電圧を取得することもできる。
【0056】
また、上記の実施の形態1では、制御部6は、バッテリ2a~2eの蓄電量Sを算出したが、最も少ない蓄電量Sを有する基準バッテリ2aを選択できればよく、これに限られるものではない。例えば、制御部6は、取得部5で測定された電圧から基準バッテリ2aを直接選択してもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態1および2では、接続部4は、スイッチ4a~4eから構成されたが、充電器Chにバッテリ2a~2eを並列に接続できればよく、これに限られるものではない。
【0058】
その他、上記の実施の形態は、何れも本発明の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。例えば、上記の実施の形態で説明した各部の形状や個数などについての開示はあくまで例示であり、適宜変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本開示に係る充電制御装置は、複数のバッテリを並列に接続する接続部を制御する制御装置に利用できる。
【符号の説明】
【0060】
1 充電口
2a~2e バッテリ
3 充電制御装置
4 接続部
4a~4b スイッチ
5 取得部
6 制御部
C 所定の容量
Ch 充電器
R 所定の電位範囲
S 蓄電量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7