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特許7444222ユーザ機器、SMF、並びにそれらにおいて実行される方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】ユーザ機器、SMF、並びにそれらにおいて実行される方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/34 20180101AFI20240228BHJP
   H04W 76/11 20180101ALI20240228BHJP
【FI】
H04W76/34
H04W76/11
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022178978
(22)【出願日】2022-11-08
(62)【分割の表示】P 2021154016の分割
【原出願日】2017-08-18
(65)【公開番号】P2023015225
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】16185042.5
(32)【優先日】2016-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】フェレフ ゲナディ
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
(72)【発明者】
【氏名】クンツ アンドレアス
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-526028(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02683183(EP,A1)
【文献】特開2014-096662(JP,A)
【文献】Qualcomm Incorporated,Extensions and corrections to Solution 4.3 to key issue 4 on Multiple PDU sessions to the same Data Network[online], 3GPP TSG-SA WG2#115 S2-163183,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_115_Nanjing_China/Docs/S2-163184.zip>,2016年05月27日
【文献】NEC,Session management per PDU session[online], 3GPP TSG-SA WG2#116bis S2-164953,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_116BIS_Sanya/Docs/S2-164953.zip>,2016年09月02日,(本願優先日以降に公開された同出願人による文献)
【文献】3GPP; TSG SA; Study on Architecture for Next Generation System (Release 14),3GPP TR 23.799 V0.7.0 (2016-08),2016年08月05日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)において実行される方法であって、
PDUセッションに関するUser Planeリソースを解放するための第1要求を、モビリティ管理を行うノードへ送信し、
前記第1要求は、前記PDUセッションに関する少なくとも1つのセッション識別子(ID)を含み、
前記少なくとも1つのセッション識別子(ID)は、セッション管理機能(SMF)に対応するものである方法。
【請求項2】
前記セッション管理機能(SMF)が前記モビリティ管理を行うノードから前記第1要求を受信した場合に、前記User Planeリソースは、前記セッション管理機能(SMF)により解放される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
セッション管理機能(SMF)において実行される方法であって、
第1要求を、モビリティ管理を行うノードから受信し、
前記第1要求の受信後、PDUセッションに関するUser Planeリソースを解放し、
前記第1要求は、前記PDUセッションを識別する少なくとも1つのセッション識別子(ID)を含み、
前記少なくとも1つのセッション識別子(ID)は、前記セッション管理機能(SMF)に関するものである方法。
【請求項4】
前記モビリティ管理を行うノードへ、プロトコルデータユニット(PDU)セッションリリースコマンドを送信する請求項記載の方法。
【請求項5】
PDUセッションに関するUser Planeリソースを解放するための第1要求を、モビリティ管理を行うノードへ送信する送信手段を有し、
前記第1要求は、前記PDUセッションを識別する少なくとも1つのセッション識別子(ID)を含み、
前記少なくとも1つのセッション識別子(ID)は、セッション管理機能(SMF)に対応するものであるユーザ機器(UE)。
【請求項6】
前記セッション管理機能(SMF)が前記モビリティ管理を行うノードから前記第1要求を受信した場合に、前記User Planeリソースは、前記セッション管理機能(SMF)により解放される、請求項記載のユーザ機器(UE)。
【請求項7】
第1要求を、モビリティ管理を行うノードから受信する受信手段と、
前記第1要求の受信後、PDUセッションに関するUser Planeリソースを解放する、解放手段を有し、
前記第1要求は、前記PDUセッションを識別する少なくとも1つのセッション識別子(ID)を含み、
前記少なくとも1つのセッション識別子(ID)は、セッション管理機能(SMF)に関するものである、セッション管理機能(SMF)。
【請求項8】
前記モビリティ管理を行うノードへ、プロトコルデータユニット(PDU)セッションリリースコマンドを送信する送信手段を有する、請求項記載のセッション管理機能(SMF)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムに関する。本開示は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)標準あるいはその同等物または派生物に従って動作する、無線通信システムおよびそのデバイスに特に関連するが、他を排除するものではない。本開示は、いわゆる「次世代」システムに特に関連するが、他を排除するものではない。
【背景技術】
【0002】
本開示は、ユーザ機器(UE)およびネットワーク(例えば、セッション管理機能(SMF)やユーザプレーン機能(UPF))におけるセッションコンテキストが、既に確立されている場合に、プロトコルデータユニット(PDU)セッションまたはネットワークスライスごとにユーザプレーンコネクションを独立して有効化(activation)または無効化(deactivation)する方法を含む。本解決策では、SMFまたはモビリティ管理機能(MMF)ネットワーク機能のいずれかにて維持され、確立された各PDUセッションに対する、(セッション管理(SM))状態機械を提案している。SM状態機械は、モビリティ管理(MM)状態機械とは独立に実行される。
【0003】
概要
下記の用語は、本明細書において使用され、2G(モバイル通信用グローバルシステム(GSM))、3G(ユニバーサルモバイル通信システム(UMTS))、4G(ロングタームエボリューション(LTE)/進化型パケットコア(EPC))、5G(New Radio(NR)/NextGen)など、どの世代のモバイルネットワークにも適用可能である。例えば、以下の説明において「UE」や「サービングノード」に言及する場合、それはどの世代のUEやサービングノードであってもよい。
【0004】
「サービングノード」、「モビリティ管理エンティティ(MME)/サービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(SGSN)」、「モバイルスイッチングセンタ(MSC)/SGSN/MME」、またはセルラーを使った物のインターネット(CIoT)サービングゲートウェイノード(C-SGN)といった用語は、コアネットワークと端末との間の制御プレーンシグナリング(非アクセス層(NAS)シグナリングとして知られる)を終端する、MSC、SGSN、MME、C-SGN、またはモバイルネットワーク内の他の考えうる制御プレーン機能エンティティといった機能エンティティを説明するために、本明細書の様々な実施形態において広く使用される。サービングノード(MME/SGSN)は、モビリティ管理およびセッション管理を担う次世代ネットワークの機能エンティティでもあってよい。
【0005】
ホーム加入者サーバ(HSS)/ホームロケーションレジスタ(HLR)といった用語は、UEの加入者データが保存されているリポジトリを意味し、HSSまたはHLRまたは複合エンティティであってもよい。HSSの代わりに、次世代ユーザデータ管理(UDM)、加入者データベース管理(SDM)、または認証認可アカウンティング(AAA)といった用語も同義に使用されうる。
【0006】
本明細書において別々のエンティティとして使用される機能エンティティまたはネットワーク機能は、一緒に配置することも、特定の配置でより細かく分離することも、または、アーキテクチャ図に記載のようにも、できる。
【0007】
「端末」、「装置」、「ユーザ端末」、「ユーザ機器(UE)」、または「モバイル端末(MT)」といった用語は相互交換可能な形式で使用され、これらの用語すべては、ネットワーク、モバイルネットワーク、または無線アクセスネットワークとデータやシグナリングの送受信を行うために使用される機器を同様に表す。
【0008】
「セッション」という用語は、「PDUセッション」、「パケットデータネットワーク(PDN)コネクション」、「アクセスポイント名(APN)コネクション」、または「特定のネットワークスライス用のコネクション」と同じ意味で使用される。既存のセッションは、コアネットワーク制御プレーンおよび/またはユーザプレーンおよびUE自体に既にUEコンテキストが存在している(確立されている)セッションである。「既存のセッション」は、「確立されたPDUセッション」または「確立されたPDNコネクション」と同じ意味を有する。各セッションは、「セッションID」で識別可能であり、これは、「進化型パケットシステム(EPS)ベアラID」、「APN」、「スライスID」、「スライスインスタンスID」、「サービスID」、あるいは、PDNコネクション、PDUセッションまたはUEが使用するサービスの一時的または永続的な識別子に類似してよい。
【0009】
「コネクション」という用語は、UEとPDUセッションを終端するユーザプレーンゲートウェイ(GW)との間でアップリンク(UL)またはダウンリンク(DL)データを送信するためのある種の「パス」が確立されている、ユーザプレーンコネクションに使用されることがほとんどである。文脈に応じて、コネクションは、PDUセッションのためのユーザプレーンパス全体であるか、あるいは、無線インタフェースを介したコネクションやNG3インタフェースを介したコネクション(次世代コアネットワーク(NG CN)のUPFと(無線)アクセスネットワーク((R)AN)との間)といった所定のインタフェースを介したコネクションのみであるか、のいずれかでありうる。
【0010】
以下の用語が手順に使用される。
セッションの確立:例えば、UEならびにNG CN制御プレーンおよび/またはユーザプレーンにSMコンテキストが存在する(確立されている)際の、PDUセッションの確立。
セッションの解放:PDUセッションの削除であり、SMコンテキストがUEならびにNG CN制御プレーンおよび/またはユーザプレーンにおいて削除される(解放される)ことを意味する。
セッション/コネクションの有効化:セッション用UPコネクションパスを有効化することであり、SMコンテキストはUEおよびNG CNに存在している。
セッション/コネクションの無効化:UEおよびNG CNのSMコンテキストを削除することなくUPコネクションパスを無効化することである。言い換えれば、UPコネクションを解放するだけである。
【0011】
UEのモビリティ状態は、登録解除、登録-待機(簡単に「待機」)、登録-準備完了(簡単に「準備完了」)と呼ばれる。これらの状態は、MM状態とも呼ばれる。なお、モビリティ状態(MM状態)とセッション状態(SM状態)には違いがある。
【0012】
電気通信業界は、第5世代(5G)ネットワークと呼ばれる新世代ネットワークに取り組み始めた。複数のバーティカルサービスプロバイダにサービスを提供し、多様な端末にサービスを提供する5Gネットワークを開発するために、複数の研究標準化機関において活動が開始された。特に、3GPPは、RAN分野においては「New Radio」(NR)という用語のもと、コアネットワーク(CN)においては「NextGen」(NG)という用語のもと、活動を開始した。なお、これらの用語は、5Gシステムが市場に導入される前におそらく変更されるだろう。したがって、本明細書で使用されるNG CN(またはNG AN)といった用語は、任意の5G CNまたはAN技術の意味を有する。
【0013】
3GPPはNGシステムアーキテクチャを研究し、対応する問題と解決策は3GPP TR 23.799[非特許文献1参照]に記録されている。図1は、明細書作成の時点までに[非特許文献1]に合意されている、複数のPDNコネクション(NG研究ではPDUセッションと呼ぶ)への同時アクセスのためのNGアーキテクチャを説明している。図1の上部には、加入者データベース管理(SDM)22と、ポリシー制御機能(PCF)24と、コア制御機能(CCF)26とを含むNG制御プレーン(NG CP)の一例を示す。NG CCF26は、とりわけ、モビリティ管理機能(MMF)とセッション管理機能(SMF)とを含む。設定されたPDUセッションごとに1つまたは複数のUPFが存在する可能性があるため、ユーザプレーン(UP)機能は、コアユーザプレーン機能(NG UPF)28として示されている。インタフェースおよびネットワーク機能の説明に関する詳細は、TR 23.799の第7.3項に記載されている[非特許文献1参照]。
【0014】
5Gシステムの1つの主な特徴は、ネットワークスライシングと呼ばれる。5Gのユースケースでは、非常に多様で、時には極端な要件を要求している。現在のアーキテクチャでは、比較的ひとかたまりのようなネットワークとトランスポートフレームワークを利用する。したがって、現在のアーキテクチャは、より幅広いビジネスニーズを効率的にサポートするのに十分な柔軟性とスケーラビリティを備えていないことが予想される。このようなニーズを満たすために、5G NGシステムは、ネットワークスライスインスタンス(NSI)と呼ばれる複数のネットワークインスタンスに「スライス」することができる。ネットワークスライスは、それぞれのネットワークスライスのリソース(処理、ストレージ、およびネットワーキングリソース)が分離されている論理的分離ネットワークと呼ぶことができる。ネットワークオペレータは、ネットワークスライステンプレート/ブループリントを使用してNSIを作成する。NSIは、サービスインスタンスによって要求されるネットワーク特性を提供する。UEが複数のNSIに同時に接続することを可能にするネットワークアーキテクチャの一例が、[非特許文献1]に記載されているように、図2に示されている。
【0015】
図2は、第1のネットワークスライスタイプ/カテゴリ(例えば、IoTサービス用)、第2のスライスタイプ(例えば、ブロードバンドサービス用)とを示す。第2のネットワークスライスタイプは、特定の第三者顧客に対して複数のNSIを有することができる。この図では、(R)ANが共有され、ネットワークスライシングがNG CNに適用されていることが示されている。しかしながら、将来のネットワークスライスにおいて、ベースバンド処理もしくは周波数スペクトルまたはその両方においてRANリソースがスライス/分離されるような(R)ANも可能である。
【0016】
[非特許文献1]ではまた、図3に詳細に示すように、共通制御ネットワーク機能(CCNF)32とスライス特有の制御プレーンネットワーク機能(SCNF)とが説明されている。CCNF32は、NSI間で共通の基本機能の動作をサポートする基礎制御プレーンネットワーク機能を含みうる。例えば、
1.加入者認証局
2.モビリティ管理
3.ネットワークスライスインスタンスセレクタ(NSIセレクタ)
4.NASルーティング機能、等である。
【0017】
一般に、NGシステム設計は、いかなる種類のデータの通信をも可能にすべきである。NGシステムは以下のPDUセッションタイプをサポートすると仮定する。
IPタイプ(例えば、IPv4またはIPv6またはその両方)、あるいは
非IPセッション(任意の非構造化データ)、あるいは
イーサネットタイプ。
【0018】
23.799の6.4.3項に記載されている1つのさらなる解決策を、図4に示す。UE34は、同じデータネットワークへの接続性を要する様々なアプリケーションの様々な接続要件(例えばセッション連続性)を満たすために、同じデータネットワークに複数のPDUセッションを確立してもよい。この解決策では、MM機能とSM機能とが分離される。ここで1つの主な概念は、MMコンテキストごとに複数のSMコンテキストを使用可能であるということである。また、PDUセッションごとに異なるセッション連続性タイプも可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
非特許文献1:3GPP TR 23.799 v0.6.0、2016-07「次世代システムのためのアーキテクチャに関する研究」
非特許文献2:3GPP TS 23.401 v14.0.0、2016-06「進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)のアクセスのための汎用パケット無線サービス(GPRS)の充実」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本明細書において検討されるシナリオは、UEがネットワークにアタッチされ、複数のUP-GW(UPF)と関連付け可能であるということである。異なるUPFが、(a)同じPDUセッションの一部、(b)異なるPDUセッションの一部、あるいは(c)異なるネットワークスライスインスタンス(NSI)の一部でありうる。言い換えれば、(R)ANと複数のUP-GWとの間の複数のNG3コネクション(例えば、NG3インタフェースを介したトンネル)が利用可能である。UEが複数のPDUセッションを確立済みである場合、複数のセッション管理機能(SMF)インスタンスがUEごとに存在してもよい。
【0021】
本明細書における一つの仮定において、UEの「セッション」(あるいは、特定のデータネットワークに対する「PDNコネクション」または「PDUセッション」とも呼ぶ)は、アイドル(インアクティブ(inactive))状態またはアクティブ(接続(connected))状態でありうる。この意味で、「アイドルセッション」または「アクティブセッション」という用語が使用される。セッションが「アイドル」状態である場合、UPFと(R)ANとの間に確立されたNG3コネクション/トンネルは存在しない。セッションが「アクティブ」状態である場合、UPFと(R)ANとの間に確立されたNG3コネクション/トンネルが存在する。また、ある確立されたUEのセッションに対してセッション管理機能(SMF)が制御プレーンにおいてインスタンス化/設定され、対応する1または複数のUPFがユーザプレーンにおいてインスタンス化/設定されると仮定する。制御プレーン機能(CPF)およびUPFのアイドルおよびアクティブセッション状態に関するさらなる詳細が下記にて分かる。
【0022】
ANと複数のUPFとの間に、データパケットを送信するためのNG3トンネル設定があると仮定すると、UEが待機モビリティ状態から準備完了モビリティ状態に移行するたびに、複数のNG3トンネルを確立、変更、解放するという問題が発生する。
【0023】
UEごとに1つのサービングGWが構成され、待機から準備完了に移行する間に1つのS1-Uトンネルが確立され解放されるEPCと比較した場合、複数のUPFを有するNGでは、NG3インタフェースを介して複数のトンネルが確立/解放される。したがって、1つのUPF(またはPDUセッション)が使用中だが複数のNG3トンネルが確立/解放されると、トンネル確立のためのシグナリングが増加する、という問題がある。
【0024】
また、すべての既存セッションがアイドル状態にあり、ダウンリンクデータが特定のセッションにおいて到達する場合、UEとNGシステムとの間でSM状態を同期させる方法が存在しなければならない。したがって、MT呼の場合に、UEが、MT呼をトリガーするセッションに関連付けられた1つのアプリケーションだけを有効化することは、現在は不可能である。
【0025】
さらに、UEがNGシステムにアタッチ/登録されている限り、モビリティ管理機構は、NGコアネットワーク(CN)においてMM状態を常に準備完了状態に維持することが可能である。これにより、NG CNは、UEの登録モビリティ状態および登録解除モビリティ状態のみを有する。このMM機構は主に、ページングエリアが比較的狭い据え置き型装置または移動の少ない装置のページングに有利である。このアーキテクチャでは、NG CNはUEの位置を把握しており、NG3トンネルは常にアクティブである。これは、セッション状態が常に「アクティブ」であることを意味する。本明細書はまた、そのような装置が、同時に別のセッションでアクセスするよう構成された他のアプリケーションを有する場合における潜在的な問題を解決することを目標としている。この場合、NG CNはセッション管理を行い、(R)ANはモビリティ管理を行う。その結果、すべてのセッションに対するすべてのNG3コネクション/トンネルが常に確立されている。つまり、すべてのセッションは常にアクティブセッション状態である。UEが移動して(R)ANノードを変更すると、すべてのトンネルが更新されなければならない。これは、CCNFおよびSMFがすべてのUPFを新しいトンネルエンドポイント情報で更新する必要があることを意味する。これにより、シグナリングの増加がもたらされる。
【0026】
本開示は、複数の既存のセッションのうちの特定のセッションの有効化が可能なNG3トンネル確立に対する必要なシグナリングを低減することによって、上記の問題を解決すること、あるいは、少なくとも軽減することを目指す。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本開示における例示の態様は、ユーザ機器(UE)であって、少なくとも1つのプロトコルデータユニット(PDU)セッション識別子(ID)を送信するよう構成された送信機を備えるUEである。各IDは、UEが送信すべきユーザデータを有する際に、アクセスネットワーク(AN)ノードを介してモビリティ管理機能(MMF)に、非アクセス層(NAS)サービス要求メッセージにて、UEが使用する必要のあるPDUセッションを示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、複数のPDNコネクション(NG研究においてはPDUセッションと呼ぶ)へのアクセスのためのNGアーキテクチャを表す。
図2図2は、UEが複数のNSIに接続することを可能にするネットワークアーキテクチャの一例を示す。
図3図3は、CCNFとSCNFとを表す。
図4図4は、23.799の6.4.3項に記載される1つのさらなる解決策を示す。
図5図5は、複数のネットワークスライスまたはPDUセッションを、対応する複数のCPFおよびUPFとともに示す、例示的なアーキテクチャを示す。
図6図6は、複数のセッション状態機械(確立されたセッションごとに1つ)と1つのモビリティ状態機械とを示す。
図7図7は、所定のUEに対して既に確立された2つのセッションの存在を示す。
図8図8は、無線リソース制御(RRC)コネクション確立要求の間に、1つのPDU/PDNセッションの有効化のためのセッションIDがUEに示される、ページング手順を示す。
図9図9は、他のセッションが既にアクティブ状態である際に追加セッションを有効化するための解決策2.1を示す。
図10図10は、SMF2とUEとの間のNAS SMシグナリングが、UPF2に向かうセッション2の有効化に使用される、他の代替的解決策2.2を示す。
図11図11は、UEがセッション#1とセッション#2に対する2つのコンテキストを有することを示す。
図12図12は、2つのセッションがアクティブであり、そのうち1つのセッションが、(R)ANノードによって決められた所定のUEインアクティビティ期間内にユーザプレーンアクティビティがないために、アイドルになる場合を表す。
図13図13は、対応するセッションのUPFによってセッション無効化手順が開始される、代替的解決策を表す。
図14図14は、図1に示すUEの主な構成要素を表すブロック図である。
図15図15は、図1に示すMMF/SMFノードの主な構成要素を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
上記の問題を解決するために、本明細書の様々な実施形態においてそれぞれの解決策を説明する。
【0030】
なお、「アイドル」セッションまたは「アクティブ」セッションといった用語は、SM状態に使用され、待機状態および準備完了状態は、UEのモビリティ状態に使用される。また、アイドルセッション状態からアクティブセッション状態への移行を「セッション有効化」、アクティブセッション状態からアイドルセッション状態への移行を「セッション無効化」と呼ぶことができる。これを図6に示す。
【0031】
「セッション有効化」手順または「セッション無効化」手順という用語は、NG3コネクション/トンネルの確立または解放に関するものである。これらの用語は、「セッション確立」手順や「セッション解放」手順とは異なる。「セッション確立」手順や「セッション解放」手順は、UEおよびNG CNの両方におけるSMコンテキストの確立を含む新たなセッションの確立、あるいはそれに対応する既存のセッションの削除、すなわち、UEおよびNG CNにおけるSMコンテキストの削除に関連する。
【0032】
本明細書の目的上、単一の確立されたセッション(ネットワークスライスまたはPDUセッション)の場合、図1に示す参考アーキテクチャが想定される。複数の確立されたセッションの場合、UEが3つの異なるセッションA、B、およびCを確立している、図5が参考アーキテクチャとして想定される。それぞれのセッションは、異なるネットワークスライスに属するか、同一だが複数のPDUセッションを有するネットワークスライスに属する。制御プレーンには、ネットワークスライスまたはPDUセッションの間で共有されるCCNF32を示すボックスがある。これらのCCNFは、モビリティ管理ネットワーク機能(NF)(MMFと呼ばれる)、認証/許可/セキュリティNF、NASシグナリングルーティングNF、およびその他を含む。図5に示すように、各PDUセッションまたはネットワークスライスは、独立した専用のCPFを持つことができる。専用CPFは下記の例示的なネットワーク機能を含むことができる。
SMF:本明細書において、この機能は特定のセッション(ネットワークスライスまたはPDUセッション)のセッション管理を担うと想定する。
GWのCPF(別名UPFのGW-C)は、EPCにおける制御プレーン/ユーザプレーン分離において、GWの制御プレーン(CP)がS/PGW-CP機能として知られているので、制御プレーンおよびユーザプレーンの分離(CUPS)と呼ばれる。
PCF:図1で説明したようなPCFの全部または一部。これは、PCFのある部分がCCNF32という部分であり、他の部分が専用CPFの一部となることが可能であることを意味する。
PDUセッションの特定のネットワークスライスに関する認証、認可、およびセキュリティ機能。
【0033】
なお、3つのセッション/スライスA、B、およびCに対応する3つの無線コネクションを表す(R)ANノード30に向かう3つの矢印を有することにより、UE34が図5に示されている。しかしながら、これは一例に過ぎない。UE34は、例えば、(セッションごとに)3つのユーザプレーン無線コネクションと1つの制御プレーン無線コネクションのみを有することができる。あるいは、UE34は、(セッションごとに)3つのユーザプレーン無線コネクションと、3つの制御プレーン無線コネクションとを有することができる。
【0034】
簡潔にするために、本明細書では、SMFという用語は、PDUセッションまたはネットワークスライスについて上記に列挙したすべての専用CPFを示すために使用される。各SMFは、UE34ごとにCCNF32とのシグナリングの関係を有する。確立された各セッションについて、CCNF(例えばMMF)32およびSMFは互いを把握しており、UEのモビリティ状態またはセッション状態とは無関係にいつでもシグナリングを送信することができる。また、CCNF32およびSMFは、(一時的または永続的な)UE IDまたは加入者IDを交換しておき、CCNF32内またはSMF内の対応するUEのコンテキストを示すために、各シグナリングメッセージ交換においてこのIDを使用する。
【0035】
さらに、ネットワークスライスまたはPDUセッションごとのUPF(例えば、サービス品質(QoS)またはトラフィックポリシーを適用するための、3GPPで規定したGW機能)が構成/インスタンス化される。(NG3)コネクションA、B、Cのそれぞれは、独立して管理可能であり、すなわち、他のコネクションとは独立して確立、変更、または解放することが可能である。なお、UPFは1つまたは複数存在する可能性がある。例えば、エッジに近いUPFをモビリティアンカーとして使用することができ、CNにおけるより深いUPFを(UEのIPアドレスをホストする)IPアンカーとして使用することができる。簡潔にするために、本明細書では、1つのUPFが使用される。しかしながら、複数のUPFが必要とされて特定のセッションに対してインスタンス化/構成されている場合、SMFは複数のUPFを構成することができる。
【0036】
図5に例示されるように、(R)ANとUPFとの間には、それぞれがスライス/セッションA36、スライス/セッションB38、およびスライス/セッションC40のための単一コネクションである3つのコネクション(例えばNG3を介したトンネル)があると仮定する。NG3を介するトンネリングが、(R)ANとUPF A36/B38/C40との間でUE34ごとに使用される場合、UE34が待機状態と準備完了状態との間で移行するたびに、3つのトンネルが有効化/変更/解放される。さらに悪いことに、NG3を介したトンネリングがIPフローごとまたはベアラごとである場合、待機モビリティ状態および準備完了モビリティ状態への移行ごとに、さらに多くのトンネルを有効化/変更/解放する必要がある。
【0037】
図5は、セッションCにおいて専用CPFがSMFおよびPCFを含むことができることを示す。なお、専用CPF内にPCFが存在することは、特定の使用例に基づいてもよい。例えば、あるネットワークスライスでは、スライスごとにPCFをインスタンス化/構成でき、他のネットワークスライスでは、PCFを共通CPNFとしてインスタンス化/構成することができる。
【0038】
本明細書では、複数のPDUセッションが存在している/確立している(または複数のネットワークスライスへの同時接続性がある)場合、システムアーキテクチャは1つのセッションを有効化/無効化することを可能にし、これは、1)対応するCPF、例えば、SMFにおいてセッション状態をアクティブにすること、2)(R)ANノード30とUPFとの間の対応するコネクション/トンネルを確立することによって、1つのUPセッションを有効化することを意味する。アップリンク(UL)またはダウンリンク(DL)に送信データがない場合は、他のUPセッション(他のPDUセッションまたは他のネットワークスライス)は有効化されない(すなわちアイドル状態にある)。
【0039】
図6に示すように、存在しているセッションごとに(すなわち、ネットワークスライスまたはPDUセッションごとに)独立したセッション状態機械が存在する。これは、セッションA状態機械とセッションB状態機械として示される。このセッション状態機械は、UE34およびNG CNの両方に適用可能である。UEセッションの確立中に、SMFエンティティがCCNF(MMF)によって選択され構成される。SMFエンティティは、このセッションに関するUEのコンテキストの維持を開始する。例えば、SMF内のUEのセッションコンテキストは、とりわけ、下記のパラメータを含むことができる。
UEの一時的または永続的なID、対応するセッションID
セッションタイプ(例えば、IPv4/IPv6、非IP、イーサネット)
セッション継続性および/またはサービス継続モード(例えば、セッションおよびサービス継続(SSC)モード1/2/3)
QoSパラメータ(例えば、非保証ビットレート(非GBR)、GBRパラメータ、最大セッションビットレート)
ポリシーパラメータ
必要なセッションサブスクリプションパラメータ
セッション状態機械、など。
【0040】
言い換えれば、SMF内のセッション状態機械の状態(アクティブまたはアイドル)とは無関係に、SMFは、上記のパラメータのようなUEのセッションコンテキストを維持する。
【0041】
さらに、UE34がNG CNの観点から見て永続的な準備完了モビリティ状態である場合、これはNG3インタフェースを介して永続的に有効化されるコネクション/トンネルをもたらし、それに対応して、NG CNにおいて永続的にアクティブセッション状態であるセッションをもたらす。セッション(SM)状態機械は、(R)ANまたはNG CNのいずれかで管理することが可能である。
【0042】
アイドルからアクティブへのセッション状態の遷移は、例えば、1)ULまたはDLにおける送信用データが利用可能である場合、または、2)予定されたセッション有効化がSMF内で設定される場合に起こる。アクティブセッション状態において、SMFは、データ転送のための(R)ANノードUPの詳細の観点から、UEの現在位置を把握している。これに対応して、UPFは、NG3インタフェースを介して(R)ANノード30とのコネクションを確立しており、ポリシーおよびQoSパラメータは、所与のセッションに対してUPFにおいて適用されている。ULまたはDLにデータがない場合、または特定のセッションに対してユーザプレーンコネクションを維持する必要がない場合、(R)ANノード30またはUPFは、アイドルセッション状態への遷移をトリガーすることが可能である。なお、コネクションの無効化ではUEのコンテキストがNG CN(例えばSMF)に保持されるので、UPコネクションの無効化はセッションの解放とは異なる。アイドルセッション状態において、UPFはNG3インタフェースを介して確立されたコネクションを持たず、SMFは(R)ANノードUPの詳細および正確なMMモビリティ状態(すなわち、登録待機または準備完了)を把握していない。
【0043】
所与のセッションのためのSMF(例えば、SMF-A)がアイドル状態にあるとき、CPにおいて、SMFは、IPアドレス、トンネル識別子、トランスポートのポートID、または他のパラメータといった(R)ANノードUPの詳細を把握していない。SMFは、例えば、QoSパラメータ、ポリシーパラメータ(例えば、課金ポリシーやアプリケーション検出ポリシー)、または必要なセッションサブスクリプションパラメータなどを含む、このセッションに関するUEのコンテキストを有する。UPでは、UPFは、(R)ANノード30へのコネクションを有していない(例えば、確立されたトンネルを有していない)。
【0044】
一方、SMインスタンスがアクティブ状態であれば、CPにおいて、SMF(例えば、SMF-A)は、IPアドレス、トンネル識別子、トランスポートのポートID、または他のパラメータといった(R)ANノードの詳細を把握している。UPにおいて、UPFは、(R)ANノード30に対して確立されたコネクション/トンネルを有する。
【0045】
本明細書では、セッションの有効化および無効化(つまり、UPコネクションの有効化/無効化)の手順に焦点を当てる。これは、新しいセッションの確立や存在しているセッションの解放の手順とは異なる。例えば、新しいセッションの確立とは、SMFにおけるUEのSMセッションコンテキストの確立、UE34自体におけるセッションコンテキスト、およびUE34とSMFとの間での対応するNAS SMメッセージの交換を意味する。確立されたセッションごとに、SMFおよびMMF32は、セッション関連のシグナリングを交換するためのシグナリングアソシエーションを維持すると仮定する。
【0046】
別の例では、存在しているセッションの解放は、SMF内、UPF内、およびUE内のSMコンテキストの削除を意味する。例えば、UE34がネットワークからデタッチされた場合、すなわち、MM状態が登録解除である場合、MMF32はセッション解放手順をトリガーするが、これも本明細書の範囲ではない。
【0047】
本明細書は、CCNF(例えばMMF)32が、SMF内のセッション(SM)状態に関する知識を含むUEコンテキストを維持することを提案する。言い換えれば、MMF32は、確立されたセッションに対するすべての設定されたSMFのセッション状態(アイドルまたはアクティブ)を把握している。モビリティ(MM)コンテキストに加えて、MMF32は、確立されたすべてのセッションのための情報も維持する。例えば、MMF32は、セッションAが有効化されているかどうか、すなわち、SMF-Aがアクティブ状態にあるかどうかを知る必要があるので、(R)ANノードが変わるたびに、MMF32は新しい(R)ANノードの詳細(例えばIPアドレス、トンネル識別子、トランスポートのポートID、または他のパラメータ)でSMFを更新することができる。一方、セッションAが無効化された場合、すなわちSMF-Aがアイドル状態にある場合、MMF32は、(R)ANノードが変わる際にSMFを更新する必要はない。1つの選択肢として、図6に示すようなセッション状態を、MMF32のみで、またはMMF32とSMFの両方で維持することもできる。
【0048】
この目的のために、SMFとMMF32との間のシグナリング交換は、様々な選択肢に基づいてよい。
SMFとMMF32との間(双方向)での直接的/明示的なシグナリングは、現在のセッション状態に関する情報を交換するために使用される。SMFは、セッション状態が変化するたびに、セッションの状態についてMMF32に通知することができる。特定のセッションがアクティブ状態にあることをMMF32が把握している場合、MMF32は、このセッションに対応するSMFに、(R)ANノードの変更、他の無線アクセス技術(RAT)イベント(例えばRAT変更)および他の起こりうるモビリティイベントを通知する。また、アクティブセッション状態の間、SMFは、例えばロードバランシングやこのセッションのUPFが変更可能な他のイベントによるUPF変更について、MMF32に通知してもよい。
あるいは、MMF32は、UE34とSMFとの間のNASシグナリングに基づいてセッション状態を導出してもよいので、セッション状態の変化を通知するために必要なSMFとMMF32との間での明示的なシグナリングが存在しなくてもよい。
【0049】
一般に、SMFは現在のMM状態情報を維持する必要はない。例えば、特定のセッションがアイドル状態にある場合、SMFは、他のセッションのためのULまたはDLデータの送信によりUE34が準備完了モビリティ状態から待機モビリティ状態に変化するかどうかを把握する必要はない。対照的に、セッションがアクティブ状態にある場合、対応するSMFは、(R)ANノードの詳細(IPアドレスおよび/またはトンネルエンドポイントIDのようなUPの詳細)、他のRATイベント(RAT変更)、および、準備完了MM状態から待機MM状態への変化について把握する必要がある。後者のイベントである準備完了MM状態から待機MM状態への変化は、SMFがUPFにNG3コネクション/トンネルを無効化させることをトリガーする結果となる。
【0050】
セッション状態(アイドル、アクティブ)がUE34およびSMF内に維持されると仮定すると、UE34とSMFとの間での直接的なシグナリング交換は有利である。このようなシグナリング交換は、セッションIDのような追加のパラメータで改良されたNAS SMシグナリング、または、UPコネクションの有効化または無効化の指示に基づく。
【0051】
様々なトリガーソースを考慮して、セッションの有効化と無効化とをカバーするいくつかの手順を以下に説明する。
【0052】
解決策1:他にアクティブセッションが存在しない(例えば、UEが待機MM状態である)際のセッション有効化
ここで説明する解決策は、複数のセッションが(例えば、異なるネットワークスライスまたは異なるPDUセッションに向けて)確立済みであり、UE34が待機モビリティ状態にある、というシナリオに関する。これは、すべてのセッションがアイドルセッション状態にあるということを意味する。ダウンリンクデータが所与のセッションのために到達した場合、ここで提案される解決策は、この特定のセッションのみを有効化し、あるいは、さらに別のセッションも有効化するが、他に存在しているセッションは引き続きアイドル状態とすることを可能にするものである。
【0053】
解決策1.1:ページング手順中におけるUEへのセッションIDの指示
特に、図7は、所与のUE34に対して既に確立された2つのセッションの存在を示す。これは、UE34がセッションごとにIP設定を有し、各セッション上でデータを送受信できることを意味する。UE34が待機モビリティ状態にある(待機状態のCCNF32と示される)際、対応するセッション#1の状態(CP内のSMF1 42で表される)およびセッション#2の状態(CP内のSMF2 44と表される) はアイドル状態である。UPにおいて、UPF1 46とUPF2 48は、(例えば、設定されたUEのIPアドレスに対するポリシー、および、SMFのような対応するCPFとの関連付け、を適用するための)UE関連のコンテキストを有するが、パケットを送信するための(R)ANノード30へのコネクション/トンネルはない。
【0054】
図7に示すステップは、以下のように詳細に説明される。
ステップ(1) ダウンリンクデータがUPF2 48に届く。セッション#2がアイドル状態にあるので、UPF2 48は、いかなる(R)ANノード30へも確立されたコネクション/トンネルを持たない。CPFとUPFとの間に所与のUE34について確立されたNG4セッションがあると仮定する。したがって、UPF2 48は、このセッションに対応するCPF(例えば、SMF2 44)にセッションの有効化を開始するよう要求する。
【0055】
ステップ(2) UPF2 48は、(R)ANへのユーザプレーンコネクション(例えば、NG3トンネル)を有効化する手順を開始する。UPF2 48は、Activate session requestをSMF2 44に送信する。このメッセージはまた、Create session
request、NG3/UP session request、またはTS23.214で規定された対応するSxインタフェース関連メッセージと同様のものと呼ばれる。Activate session requestは、以下の情報要素のうちの1つまたは複数、すなわち、UEの一時的または永続的な識別子、セッション識別子、DLパケットバッファリング指示子、および他のパラメータのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0056】
ステップ(3) SMF2 44は、UPF2 48からの要求を受信し、メッセージを検証して、有効化の必要がある対応するUEのコンテキストおよびセッションを決定する。SMF2 44は、CCNF(例えば、MMF)32に向けてActivate session requestを送信する。ステップ(2)と同様に、このメッセージは、そのメッセージが(R)ANノード30とUPFとの間のUPコネクションを有効化/確立することを目的とする限り、例えば、Create session request(またはNG3/UPsession request)というように異なって呼ばれてもよい。このメッセージはまた、Session activation requestまたは既存のPDN(PDU/ベアラ)コンテキストの有効化を表す他のもので呼ばれてもよい。SMF2 44からの要求は、UE ID、セッションID、UPF ID(例えば、IPアドレス、トンネリングエンドポイントID、および/またはトランスポート層ポートIDなど、NG3トンネル確立のために必要とされる)、必要なQoS指示子、任意でセキュリティキーおよび他のパラメータを含むことが可能である。省電力モードに応じて、Activate session requestにはバッファリング対象のユーザーパケットが含まれていてもよい。SMF2 44は、同じSMF2 44によるサービスを受ける別のUPFが既にアクティブセッションを有するかどうかを判断する。これが当てはまらない場合、SMF2 44は、必要に応じて、関連付けられたCCNF(例えばMMF)32に、(R)ANに向けてセッション有効化手順を実行するよう要求する。
【0057】
セキュリティキーは、特定のUPセッションに必要な別のセキュリティがあって、キーがSMFに保管されている場合に使用可能である。
【0058】
ステップ(4) CCNF(例えば、MMF)32は、UE34が待機モビリティ状態または準備完了モビリティ状態にあるかを判断する。この例において、UE34は待機状態であり、例えば、(R)ANの位置を把握していないので、CCNF32はページング手順を開始する。
【0059】
ステップ(5) CCNF32は、UE34がキャンプする見込みのある(R)ANノード30にページング要求を送信する。このページングメッセージにおいて、CCNF32は、1つまたは複数のセッションIDを有する。セッションIDは、APN、スライスID、スライスインスタンスID、またはサービスIDのいずれかでありうる。CCNF32は、HSSから取得したCCNF32内の加入者データに基づく複数のセッションIDを含む。追加セッションIDは、このフローにおけるSMF2 44に対応する元のセッションIDに関連していても、元のセッションIDとは完全に独立していてもよい。
【0060】
ステップ(6) (R)ANノード30は、無線インタフェースを介して、ステップ(5)で受信したセッションIDを含むページング手順を実行する。
【0061】
ステップ(7) UE34がページングメッセージを受信した後、UE34は、(R)ANノード30との無線コネクション確立を実行し、NG1を介してCCNF32にNASサービス要求メッセージを送信する。無線コネクション確立メッセージとNASサービス要求メッセージは両者とも、1つまたは複数のセッションIDを含んでもよい。UEの無線層は、内部アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して、この明示しているセッションに対応するサービス、アプリケーション、または既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストが有効化されるよう指示する。UE34におけるそのような内部のレイヤをまたいだやり取りは、ステップ(7)において、あるいは、ステップ(9)の後で実行可能である。
【0062】
UE34は、セッションIDがUE34において正しく処理されたことを(CCNF32の一部である)MMFに示すために、NASサービス要求メッセージにセッションIDを含めることができる。なお、CCNF32はNASシグナリングのためのフロントエンド機能を有することができるので、フロントエンドに到達した後のNASサービス要求メッセージは、さらなる処理のために正しいMMFに内部的に転送されることが可能である。セッションIDがサービス要求メッセージにおいて欠落している場合、これが、UE34がページングメッセージのセッションIDを処理できなかったという暗黙の指示子であるとしてもよい。
【0063】
ステップ(8) CCNF(例えばMMF)32は、NASサービス要求メッセージがページング手順の結果であると判断する(相互関係がある)。CCNF32は、SMF2 44によって要求されたセッションのみが有効化される必要があると判断する。CCNF32は、対応するUEコンテキストセットアップ要求メッセージを生成し、それを(R)ANノード30に送信する。UEコンテキストセットアップ要求メッセージは、必要なQoS指示子やセキュリティパラメータのような他のUEパラメータに加えて、セッションIDパラメータを含む。複数のセッションを有効化する必要がある場合は、このステップ(8)をセッションごとに実行するか、あるいは、1つの手順ですべての要求されたセッションを一挙に有効化する。
【0064】
ステップ(9) (R)ANノード30は、図中に無線リソース制御(RRC)コネクション再設定と示される無線コネクション再設定を実行する。この手順の間、(R)ANノード30はセッションIDパラメータをUE34に示す。
【0065】
受信したセッションIDに基づいて、UE34は対応するサービス、アプリケーション、または既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストを有効化することができる。UE34は、すべての既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストを有効化するわけではない。UE34は、ステップ(6)で受信されたセッションIDに対応するUE34内のSM状態を更新する。
【0066】
ステップ(10) (R)ANノード30は、無線コネクションの確立についてステップ(8)における要求に応答する。(R)ANノード30は、例えば、UEコンテキストセットアップ応答メッセージを送信する。この応答は肯定または否定でありうる。UEコンテキストセットアップ応答メッセージは、図中に(R)AN UPF IDと示される(R)ANノード30のUP識別子(IPアドレスおよびトンネリングエンドポイントID、および/またはトランスポート層ポートID)を含む。CCNF32がステップ(5)で追加セッションIDを追加することを決定した場合、CCNF32は各追加セッションに対して関連するUPFに向けてセッションの有効化を開始する。CCNF32は、図中に(R)AN UPF IDと示される(R)ANノード30のUP識別子(IPアドレス、トンネリングエンドポイントID、および/またはトランスポート層ポートID)を、関連するSMFを介してすべての関連するUPFに通知する。
【0067】
ステップ(11)CCNF32はステップ(3)での要求に対応するSMF2 44に応答する。例えば、CCNF32は、セッションIDに対応するセッションの成功または失敗した有効化に関する指示を含むことができるActivate session responseメッセージを送信する。このメッセージはまた、要求されたQoS指示(または変更されたQoSパラメータ)やセキュリティパラメータのような他のUEパラメータに加えて、セッションIDパラメータを含む。
【0068】
SMF2 44は、UPF2 48において適用されるべきポリシーおよびQoSパラメータを導出する。
【0069】
SMF2 44は、アイドルセッション状態からアクティブセッション状態に移行する。
【0070】
ステップ(12) SMF2 44は、ステップ(2)の手順に応答する。SMF2 44は、Activate session responseメッセージを送信することによって、UPF2 48において必要とされるUEコンテキストを確立または変更する。このメッセージは、とりわけ、ポリシーエンフォースメントのためのパラメータ(トラフィックQoS指示子、トラフィックゲーティング動作、セッション最大ビットレートなど)、(R)AN UPF ID((R)ANノードIPアドレス、トンネリングエンドポイントID、および/またはトランスポート層ポートIDを含む)、課金関連設定(例えば、課金データレコード(CDR)作成および/またはオンライン/オフライン課金セッション確立のため)、任意でセキュリティパラメータを含むことができる。
【0071】
なお、セキュリティパラメータは、UPF2 48のようなCN UPFノードでセキュリティが終端する場合に必要とされる。セキュリティが(R)ANノード30で終端する場合、セキュリティパラメータはこのステップでは必要ではない。
【0072】
ステップ(13)からステップ(15):NG3コネクション/トンネル確立のためのUPF情報がステップ(3)の間に交換されなかった場合、UPF2 48は、UPF ID(例えば、IPアドレス、トンネリングエンドポイントID、および/またはトランスポート層ポートID)と呼ばれるUPコネクション情報を更新するために、SMF2 44に向けてセッション更新手順を任意で実行してもよい。あるいは、SMF2 44は、そのようなNG-3関連UP情報自体を有していてもよく、したがって、SMF2 44は、CCNF(例えばMMF)32に向けて、(UPF IDを含むセッション更新要求メッセージを送信することによって)セッション更新手順を開始することができる。最終的に、CCNF(例えばMMF)32は、(R)ANノード30をUPF IDで更新する。
【0073】
解決策1.2:サービス要求または対応するRRC確立手順中における、UEへのセッションIDの指示
図8は、ページング要求メッセージにセッションIDパラメータを含めるようにページング手順が強化された代替的な解決策を示す。
【0074】
図8は、ページングメッセージがセッションIDを含まずに1つのPDU/PDNセッションの有効化のためのセッションIDを含む場合の、ページング手順が、RRCコネクション確立手順中にUE34に示されることを表す。残りのステップは図7と同様であるので、ステップ(5)-(9)のみを以下に詳細に説明する。
【0075】
ステップ(5) CCNF32は、UE34がキャンプする見込みのある(R)ANノード30にページング要求を送信する。ページング要求メッセージは、どのセッションが有効化されるべきかをUE34に指示するためのセッションIDパラメータを含まない。
【0076】
ステップ(6) (R)ANノード30は、無線インタフェースを介してページングを実行する。このメッセージは、ステップ(5)のようにセッションIDを含まない。
【0077】
ステップ(7) UE34がページングメッセージを受け取った後、UE34は、(R)ANノード30と無線コネクション確立を実行し、NG1を介してNASサービス要求メッセージをCCNF32に送信する。
【0078】
ステップ(8)CCNF32は、NASサービス要求メッセージがページング手順の結果であると判断する(相互関係がある)。CCNF32は、ステップ(3)でSMF2 44によって要求されたセッションのみを有効化する必要があると判断する。CCNF(例えばMMF)32は、UEのモビリティ状態を待機状態から準備完了状態に変更する。
【0079】
CCNF32は、対応するUEコンテキストセットアップ要求メッセージを生成し、それを(R)ANノード30に送信する。UEコンテキストセットアップ要求メッセージは、QoSおよびセキュリティパラメータといった他のUEパラメータに加えて、セッションIDパラメータも含む。複数のセッションを有効化する必要がある場合、このステップ(8)をセッションごとに実行するか、または、(例えば、すべてのセッションIDおよび対応するパラメータのリストを含むことによって)1つの手順ですべての要求されたセッションを一度に有効化する。
【0080】
ステップ(9) (R)ANノード30は、図中でRRCコネクション再設定と示される無線コネクション再設定を実行する。この手順の間、(R)ANノード30は、有効化されるべきセッションのためのセッションIDパラメータをUEに指示する。
【0081】
受信したセッションIDに基づいて、UE34は、対応するサービス、アプリケーション、または既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストを有効化することができる。UE34は、すべての既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストを有効化するのではなく、指示されたものだけを有効化する。UE34は、ステップ(9)により受信されたセッションIDに対応するそのセッション/SM状態を更新する。
【0082】
図7のステップ(13)から(15)は、解決策1.2でも同様に実行可能である(図8には示さない)。
【0083】
図7または図8に示す解決策の選択肢間での選択は、(R)ANノード30の機能に基づいて、または、UE34の機能に基づいて、CCNF(例えばMMF)32において行うことが可能である。サポートされているページング機能に関するUEの機能は、NASMMシグナリングを介してアタッチ手順または他のモビリティ手順中に交換することができる。(R)ANノードの機能は、(R)ANノード30とCCNF32との間のインタフェースセットアップ中に交換可能である(例えば、NG2インタフェースまたはS1-MMEセットアップ交換)。
【0084】
解決策2:他のアクティブセッションが存在する(例えば、UEがMM準備完了状態にある)際のセッションの有効化
解決策1で解決されるシナリオでは、アクティブ状態にある他のセッションがない(例えば、UE34が待機モビリティ状態にある)と仮定する一方、解決策2では、DLデータがアイドル状態にあるセッションに届く間、UE34は準備完了モビリティ状態にあると仮定する。特に、図9を考慮すると、UE34は、UPF1 46で終端するセッション#1のためのアクティブセッションコンテキストを有すると仮定される。
【0085】
ここでの特有の問題は、UE34がアイドルセッション状態にある既存のPDUセッション(例えばSM)コンテキストを既に有し、確立される無線コネクションが複数の既存のPDUセッションコンテキストの中からこの1つのPDUコンテキストにリンクされなければならない、ということである。新しいデータ無線コネクション/ベアラとUE34内の既存のセッションコンテキストとの間のそのようなリンケージは、セッションIDを用いることで実行されることを提案する。
【0086】
図9は、他のセッションが既にアクティブ状態にある際に追加セッションを有効化するための考えうる解決策2.1を示す。本解決策2.1という代替案は、新しいUEコンテキスト変更要求手順に基づく。
【0087】
図9におけるステップは以下のように説明される。
【0088】
ステップ(1) 図7のステップ(1)に類似。
【0089】
ステップ(2) 図7のステップ(2)に類似。
【0090】
ステップ(3) 図7のステップ(3)に類似。
【0091】
ステップ(4) CCNF(例えばMMF)32は、UE34が準備完了モビリティ状態にあると判断する。CCNF32は、(R)ANノード30内のUEのコンテキストを新しいセッションパラメータで更新するために使用されるUEコンテキスト変更手順を開始する。
【0092】
ステップ(5) CCNF32は、例えば、UEコンテキスト変更要求メッセージを送信する。このメッセージは、QoSおよびセキュリティパラメータのような他のUEパラメータに加えて、ステップ(3)の間に受信されたセッションIDパラメータも含む。
【0093】
ステップ(6) (R)ANノード30は、図中でRRCコネクション再設定と示される無線コネクション再設定手順を実行する。この手順の間、(R)ANノード30はセッションIDパラメータをUE34に示す。(R)ANノード30は、新しいデータ無線ベアラをセットアップするか、または、既存のデータ無線ベアラを再利用することができる。(R)ANノード30は、新しいセッションおよび既に確立されているデータ無線ベアラに関連するQoSパラメータに基づいてこの決定を行う。
【0094】
受信したセッションIDに基づいて、UE34は、対応するサービス、アプリケーション、または既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストを有効化する。UE34は、既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストを追加で起動しない。言い換えれば、UE34は、セッションIDパラメータに基づいて、新たに確立されたデータ無線ベアラと既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストとを関連付ける。
【0095】
ステップ(7) (R)ANノード30は、CCNF32に応答する。例えば、(R)ANノード30は、ステップ(5)における要求について、UEコンテキスト変更応答メッセージを送信することができる。
【0096】
ステップ(8) 図7のステップ(11)に類似。SMF2 44は、アイドルセッション状態からアクティブセッション状態に移行する。
【0097】
ステップ(9) 図7のステップ(12)に類似。
【0098】
なお、図7のステップ(13)から(15)は解決策2.1でも同様に実行できる(図9には示さない)。
【0099】
図10は、SMF2 44とUE34との間のNAS SMシグナリングが、UPF2 48へ向かうセッション2の有効化に使用される、他の代替的な解決策2.2を示す。
【0100】
図10におけるステップは、以下のように説明される。
【0101】
ステップ(1) 図7のステップ(1)と類似
【0102】
ステップ(2) 図7のステップ(2)と類似
【0103】
ステップ(3) SMF2 44は、NAS SMメッセージ(例示的にNAS SM有効化要求と呼ぶ)を生成し、それをUE 34に向けて送信する。このNASメッセージは、UE ID、セッションID、原因値(例えば、有効化、変更、削除)および他のパラメータを含む。UE34へのNAS SM有効化要求メッセージの送信については、複数の選択肢がありうる。
【0104】
(A) NAS SM有効化要求メッセージをSMF2 44からMMF32へのActivate session requestメッセージにカプセル化することによって、MMF32を介して送信される。
【0105】
(B) SMF2 44とMMF32との間で別個の送信/トランスポートメッセージにて送信される。
【0106】
(C) CCNF32内のNASフロントエンド機能に送信され、NASフロントエンド機能はメッセージをUE34に転送する、すなわち、NAS SMメッセージはMMF32を通過しない。この後者のケース(C)では、セッション#2(UPコネクション)を有効化する必要性についてMMF32に通知するために、SMF2 44はMMF 32に他のメッセージ、例えば、Activate session requestメッセージを送る必要がある。
【0107】
ステップ(4) CCNF(例えばMMF)32は、UE34が準備完了モビリティ状態にあり、「セッションID」パラメータに対応するセッションが有効化される必要があると判断する。さらに、CCNF32は、(R)ANノード30へ向けてNAS SM有効化要求をルーティングしてカプセル化する必要がある。CCNF32は、(R)ANノード30内のUEのコンテキストを新しいセッションパラメータで更新するために使用されるUEコンテキスト変更手順を開始することができる。
【0108】
ステップ(5) CCNF32は、例えば、UEコンテキスト変更要求メッセージを送信する。このメッセージは、QoSパラメータおよびセキュリティパラメータのような他のUEパラメータに加えて、ステップ(3)の間に受信されたセッションIDパラメータも含む。CCNF32は、UEコンテキスト変更要求メッセージ内、または、NASシグナリングのトランスポートに使用される他のNG2メッセージ内、例えば、NG DLトランスポートメッセージ(図10には示さない)内のいずれかで、(R)ANノード30に向けてNAS SM起動要求を送信する。
【0109】
ステップ(6) このステップは、2つの独立したメッセージ送信を含みうる。ステップ(6.a)は、UE34に向けてNAS SM有効化要求を送るための無線リソース制御(RRC)DL直接転送メッセージの一例を表す。ステップ(6.b)において、(R)ANノード30は、図9のステップ(6)に類似する、RRCコネクション再設定と示される無線コネクション再設定手順を実行する。
【0110】
受信したNAS SM有効化要求に基づいて、UE34は、対応するサービス、アプリケーション、または既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストを有効化する。UE34は、既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストを追加で起動しない。言い換えれば、UE34は、セッションIDパラメータに基づいて、新たに確立されたデータ無線ベアラと既存のPDN/APN/PDU/ベアラコンテキストとを関連付ける。
【0111】
ステップ(7) (R)ANノード30はCCNF32に応答する。例えば、()ANノード30は、ステップ(5)の要求に対して、UEコンテキスト変更応答メッセージを送信することができる。
【0112】
ステップ(8) UE34は、NAS SM有効化応答メッセージを生成し、それをSMF2 44に送信する。このNAS SMメッセージは、RRC UL直接転送メッセージを介して送信することができる。
【0113】
ステップ(9) (R)ANノード30は、RRC UL直接転送メッセージを受信し、NAS SM有効化応答メッセージを抽出し、それをCCNF32に転送する。
【0114】
ステップ(10) 図7のステップ(11)と類似。さらに、CCNF(MMF)32は、Activate session responseメッセージの一部として、または、MMF32とSMF2 44との間の新しい転送メッセージの一部として、NAS SM有効化応答メッセージをSMF2 44に転送する。
【0115】
SMF2 44は、アイドルセッション状態からアクティブセッション状態に移行する。
【0116】
ステップ(11) 図7のステップ(12)と類似。
【0117】
なお、図7のステップ(13)から(15)は、解決策2.2でも同様に実行可能である(図10には示されない)。
【0118】
あるいは、解決策2.2において、SMF2 44は、UPF2 48によってトリガーされることなく、自身がセッションの有効化をトリガーしてもよい。これは、SMF2 44内に予定されたセッション有効化がある場合に可能である。そのようなスケジューリングは、SMF2 44内のUEのSMコンテキストの処理の一部として、SMF2 44内で動作するタイマやクロックに基づくことができる。SMF2 44は、このようなスケジューリング用のクロックに基づいて、MMF32に向けてステップ(3)を実行することによってUPコネクションの確立をトリガーし、UP関連情報をUPF2 48に向けて挿入するための新しいステップを実行する(基本的に上記のステップ(11))。
【0119】
要約すると、解決策2.1や解決策2.2は、他のUPコネクションが存在する間に個々のセッション(UPコネクション)を有効化することを可能にする。
【0120】
解決策3 (UEにおける)ULデータをトリガーとするセッションの有効化
解決策1および解決策2(それらの変形例とともに)が、(UPFにおける)DLデータをトリガーとするUPコネクションの有効化を説明する一方、本解決策は、(UEにおける)ULデータをトリガーとする1つのUPコネクションの有効化について説明する。
【0121】
図11は、UE34がセッション#1およびセッション#2について2つのセッションコンテキストを有することを示す。2つの異なるケースが説明されている。ケース(A)では、UE34は待機モビリティ(MM)状態にあり、したがって、すべてのセッション状態がアイドル状態である。ケース(B)では、UE34は準備完了モビリティ(MM)状態にあり、セッション#1は使用中、すなわち、無線コネクションとNG3コネクションとが確立されている。
【0122】
図11のステップは以下のように詳細に説明される。
【0123】
ステップ(1) 特定のアプリケーション/サービスからのULデータは、UE34によって、例えばセッション#2上で送信されなければならない。セッション#2はアイドル状態であるので、UE34は、データを送信するために、UPコネクションを有効化する必要がある。
【0124】
ステップ(2) UE34がMM待機状態にある場合、UE34はまず、サービス要求手順を開始することによって無線CPコネクション(RRC)およびNASコネクションを有効化する必要がある。この目的のために、UE34はまずRRCコネクションを確立する。
【0125】
ステップ(3) UE34がMM待機状態にある場合、UE34はNASサービス要求メッセージを送信して、NASシグナリングコネクションを有効化する。NASサービス要求メッセージは、とりわけ、「セッションID」パラメータも含むことができる。NASシグナリングコネクションがNASフロントエンド機能において終端している場合、NASフロントエンド機能は、NASサービス要求メッセージをMMF32に転送する。
【0126】
ステップ(4) CCNF(例えばMMF)32は、NASサービス要求メッセージを検証して処理する。「セッションID」パラメータに基づいて、MMF32は、どのセッションを有効化する必要があるかを判断する。この特定の例では、MMF32はセッション#2を有効化する必要があると判断する。MMF32は、SMF2 44に向けてUPコネクションを有効化するための手順を開始する。MMF32は、Activate session requestメッセージ(または図7のステップ(3)で既に説明したのと同様のメッセージ)を送信する。このメッセージは、他のパラメータの中でも特に、UE ID、セッションID、原因値(例えば、有効化、変更、削除)などを含む。
【0127】
ステップ(5) UE34がMM準備完了状態にある場合、UE34は、NG CNへ向けたシグナリングコネクションを既に有している。UE34は、NASコネクション有効化手順を開始することができる。この目的のために、UE34は、NAS SM session activation requestメッセージを、対応するSMF、この特定の例ではSMF2 44へ向けて送信する。NAS SM session activation requestメッセージは、共通のNASフロントエンド機能を介してSMF2 44へ向けて転送する、あるいは、MMF32を介してSMF2 44へ向けて転送することができる。NAS SM session activation requestメッセージは、とりわけ、UE ID、セッションID、および/または原因値(例えば、有効化、変更、削除)などのパラメータも含む。
【0128】
ステップ(6) SMF2 44は、ステップ(4)またはステップ(5)のいずれかでメッセージを受信して、それを処理する。SMF2 44は、UPF2 48において適用されるべきQoSパラメータおよび他のポリシーパラメータを決定する。SMF2 44は、UPF2 48に対してセッション有効化手順を開始する。SMF2 44は、とりわけ、QoSおよびポリシーパラメータと、任意でNG3固有のパラメータ(例えば、UPF2 48によって使用されるIPアドレスおよび/または汎用パケット無線サービストンネリングプロトコル(GTP)トンネルエンドポイント識別子(TEID)といったトンネリング情報)とを含むActivate session requestメッセージを、UPF2 48に送信する。
【0129】
ステップ(7) UPF2 48は、Activate session requestメッセージを受信して処理する。UPF2 48は、Activate session responseメッセージをSMF2 44に送信し、必要ならば、有効化結果原因値およびNG3固有のパラメータ(例えば、UPF2 48によって使用されるIPアドレスおよび/またはGTP TEIDといったトンネリング情報)を示す。
【0130】
ステップ(8) 必要ならば、SMF2 44は、NAS SMメッセージ、例えばNAS SM session activation responseメッセージをUE34に送信してもよい。このようなNAS SMメッセージは、様々なセッション管理パラメータ、例えば、セッションQoSまたはポリシー変更用のパラメータを含むことができる。
【0131】
ステップ(9) 前記選択肢(A)または(B)に応じて、SMF2 44は別の動作をしうる。1つの選択肢では、SMF2 44はステップ(4)に応答する。 他の選択肢では、SMF2 44は、CCNF(例えばMMF)32および(R)ANノード30に対してセッション有効化手順を開始してもよい。例えば、SMF2 44は、CCNF(例えばMMF)32に向けて、セッションIDと、UPF NG3関連の情報(例えば、UPF2 48のIPアドレスおよび/またはGTP TEIDといったトンネリング情報)とを含むActivate session request/responseメッセージを送信することができる。
【0132】
ステップ(10) UE34の当初のMM状態に応じて、すなわち選択肢(A)および(B)に応じて、CCNF(例えばMMF)32は異なる手順を開始する。
【0133】
選択肢(A)の場合、すなわち、UE34がMM待機状態にあった場合、CCNF32は、UEコンテキストセットアップ要求メッセージを送信することによって(R)ANノード30に向けてUEコンテキストセットアップ手順を開始する。このメッセージは、とりわけ、セッションID、QoSパラメータ、セキュリティパラメータ、および無線コネクションの確立に必要な他のパラメータ、例えば、UPF NG3関連情報(例えば、UPF2 48のIPアドレスおよび/またはGTP TEIDといったトンネリング情報)を含みうる。
選択肢(B)の場合、すなわち、UE34がMM準備完了状態にあった場合、CCNF(MMF)32は、(R)ANノード30に向けてUEコンテキスト変更手順を開始する。CCNF(MMF)32は、無線コネクションを変更し、かつ、UPF2 48へのNG3コネクションの確立をアシストするためのUEコンテキスト変更要求メッセージを(R)ANノード30に送信する。UEコンテキスト変更要求メッセージは、とりわけ、セッションID、QoSパラメータ、セキュリティパラメータ、および無線コネクションの確立に必要な他のパラメータ、例えば、UPF NG3関連情報(例えば、UPF2 48のIPアドレスおよび/またはGTP TEIDといったトンネリング情報)を含むことができる。
【0134】
ステップ(11) (R)ANノード30は、セッション#2のデータ無線コネクションを確立するためにRRCコネクション再設定を実行する。この目的のために、(R)ANノード30はRRCコネクション再設定手順を実行する。
【0135】
ステップ(12) (R)ANノード30はステップ(10)に応答する。(R)ANノード30は、(R)ANノードUP NG3関連情報(例えば、UPF2 48のIPアドレスおよび/またはGTP TEIDといったトンネリング情報)を含むUEコンテキストセットアップ応答メッセージをCCNF 32に送信する。
【0136】
なお、いくつかの選択肢が考えうる。
【0137】
選択肢1:(R)ANノード30は、UEコンテキストセットアップ応答メッセージをMMF32に送信する。
【0138】
選択肢2:(R)ANノード30は、UEコンテキストセットアップ応答メッセージをCCNF32内のNG2フロントエンド機能に送信する。フロントエンド機能は、UEコンテキストセットアップ応答メッセージの内容を、MMF32および/またはSMF2 44に転送することができる。
【0139】
選択肢3:(R)ANノード30は、UEコンテキストセットアップ応答メッセージをSMF2 44に送信する。
【0140】
選択肢4:(R)ANノード30は、2つの異なるメッセージをMMF32とSMF2 44とに送信する。MMF32へのメッセージは、新しいデータ無線コネクションの確立の成功を確認する一方、SMF2 44へのメッセージは、さらに、(R)ANノードUP NG3関連情報(例えば、UPF2 48のIPアドレスおよび/またはGTP TEIDといったトンネリング情報)を伝える。
【0141】
ステップ(13) 上記のステップ(12)の選択肢1の場合、MMF32は、(R)ANノードUP NG3関連情報(例えば、UPF2 48のIPアドレスおよび/またはGTP TEIDのようなトンネリング情報)を更新するために、SMF2 44に向けてセッション更新手順を開始する。
【0142】
ステップ(14) SMF2 44はUPF2 48に向けてセッション更新手順を開始する。SMF2 44は、(R)ANノードUP NG3関連情報(例えば、UPF2 48のIPアドレスおよび/またはGTP TEIDといったトンネリング情報)を含むUpdate session requestメッセージをUPF2 48に送信する。
【0143】
解決策4:他のセッションがアクティブ状態であり続ける間に1つのセッションを無効化すること
解決策4.1:RANノードによって開始されるセッション無効化
セッションを独立して(すなわちセッション毎に)管理するために、1つのセッションのUPコネクションを解放することが可能であるものとする(本明細書では「セッション無効化」と呼ぶ)。言い換えれば、残りの存在するセッションのコネクションをアクティブに保ちながら、1つの無線コネクションおよびNG3コネクションを解放することができる。
【0144】
1つの解決策では、(R)ANノード30がセッションの無効化をトリガーすると仮定する。通常、(R)ANノード30は、UEインアクティビティタイマ、アクティブ間欠受信(DRX)サイクル、アイドルDRXサイクルなどのような無線関連パラメータを管理する。本解決策は、そのような無線パラメータをセッションごとに維持することを提案する。これにより、複数のセッションのための複数の無線コネクションが有効化される場合、(R)ANノード30は、有効化されたセッションごとにいわゆる「セッションインアクティビティタイマ」を維持する。「セッションインアクティビティタイマ」は、1つのセッション(LTEのデータ無線ベアラ(DRB)のような無線コネクション)に適用されるため、UEインアクティビティタイマとは異なる。
【0145】
図12は、2つのセッションがアクティブであり、(R)ANノード30により決定された所定のUEインアクティビティ期間内にユーザプレーンのアクティビティがないために、上記2つのうちの1つのセッションがアイドルになる場合を説明する。最初に、太い矢印は、UE34とUPF1 46の間、および、UE34とUPF2 48の間における、ULおよびDLにおけるデータフローを示す。
【0146】
図12のステップは以下のように説明される。
【0147】
ステップ(1) (R)ANノード30内のUEインアクティビティタイマが、セッション#1について満了する。これは、(R)ANノード30が、セッション#1の「インアクティビティタイマ」として示される所与の期間において、ULまたはDLでデータが送信されなかったと判断したことを意味する。
【0148】
ステップ(2) (R)ANノード30は、残りのアクティブセッション(または無線コネクション)の数に応じた2つの選択肢を有する。
【0149】
選択肢(2.a) これが最後のアクティブセッションではない場合、(R)ANノード30はCCNF32に対してUEコネクション解放手順を開始する。(R)ANノード30は、UEコネクション解放要求メッセージをCCNF32に送信する。このメッセージは、UEの一時的/永続的なID、どのセッションを無効化しなければならないかの指示子(例えば、セッション#1)、原因値、および他のパラメータを含む。
【0150】
選択肢(2.b) これが最後のアクティブセッション(例えば、存在する無線コネクション)である場合、(R)ANノード30はUEコンテキスト解放手順を開始する。これにより、モビリティ(MM)状態が準備完了から待機へ変更される。このメッセージは、UEの一時的/永続的ID、原因値に関する指示子、および他のパラメータを含む。
【0151】
ステップ(3) CCNF32は、UEコネクション解放要求メッセージを処理し、どのSMFに連絡する必要があるかを判断する。CCNF32は、NG3解放要求をSMF1 42に送信する。なお、このメッセージはDeactivate session requestとも呼ばれる。これは、NG3コネクション/トンネルは解放されるべきであるが、SMF1 42内のUEのコンテキストは保持されてアクティブからアイドルに移行されるべきである、ということを意味する。このメッセージは、UEの一時的/永続的なID、特定のセッションID(例えば、セッション#1)の指示子、および他のパラメータを含む。
【0152】
ステップ(4) SMF1 42は、NG3解放要求メッセージをUPF1 46に送信する。このメッセージは、UEの一時的/永続的なID、特定のセッションID(例えば、セッション#1)の指示子、および他のパラメータを含む。UPF1 46は、NG3基準点に関してセッション#1に関連づけられたすべてのリソースを解放する。
【0153】
ステップ(5) UPF1 46は、UE ID、セッションID、および他のパラメータを含むNG3解放応答メッセージを、SMF1 42に送信する。この時点で、SMF1 42はセッション状態をアクティブからアイドルに変更する。
【0154】
ステップ(6) SMF1 42は、UE ID、セッションID、および他のパラメータを含むNG3解放応答メッセージをCCNF 32に送信する。
【0155】
ステップ(7) CCNF32は、残りのアクティブセッションの数に応じた2つの選択肢を有する。
【0156】
選択肢(7.a) これが最後のアクティブセッションではない場合、CCNF32は、UE ID、セッションID、および他のパラメータを含むUEコネクション解放コマンドメッセージを、(R)ANノード30に送信する。このメッセージには、セッション#1だけが無効化されることを示す情報が含まれる。
【0157】
選択肢(7.b) これが最後のアクティブセッションである場合、CCNF32は、UE ID、セッションID、および他のパラメータを含むUEコンテキスト解放コマンドメッセージを、(R)ANノード30に送信する。このメッセージには、セッション#1だけが解放されることを示す情報が含まれる。
【0158】
ステップ(8) 残りのアクティブセッションの数とCCNF32からの指示に応じた2つの選択肢がある。
【0159】
選択肢(8.a) (R)ANノード30は、RRCコネクション変更手順を実行する。この目的のために、(R)ANノード30は、関連するセッション#1へのデータ無線コネクションを解放するために、RRCコネクション再設定メッセージをUE34に送信する。他のアクティブ無線コネクションは解放されない。
【0160】
選択肢(8.b) これがUE34にとって最後の存在する無線コネクションである場合、(R)ANノード30は、RRCコネクション解放手順を実行する。この目的のために、(R)ANノード30は、関連するセッション#1への無線コネクションを解放するために、RRCコネクション再設定メッセージをUE34に送信する。
【0161】
選択肢(8.a)が実行された場合、UE34は、対応するセッション(例えば、セッション#1)の状態をアクティブ状態からアイドル状態に移行する。
【0162】
重要なことだが、UE34において、セッション#1のコンテキストは削除されずにアイドル状態に維持されるが、他のセッション状態はアクティブ状態であってもよい。
【0163】
ステップ(9) (R)ANノード30は、(9.a)UEコネクション解放完了メッセージをCCNF32に送信するか、あるいは、(9.b)UEコンテキスト解放完了メッセージをCCNF32に送信する。
【0164】
無効化されたセッション#1が最後のアクティブセッションではないと仮定して、図12の下部は、セッション#1の無効化手順を実行した後に、セッション#2の無線コネクションおよびNG3コネクション/トンネルが維持されることを示す。
【0165】
解決策4.2:UPFによって開始されるセッション無効化
図13は、セッション無効化手順が、対応するセッションのUPFによって開始される代替的な解決策を説明する。本解決策は、各UPFが「セッションインアクティビティタイマ」と呼ばれるインアクティビティタイマを管理することを提案する。このタイマは、セッションが有効化される際にSMFによって設定されうる。例えば、図7または図8のステップ(12)は、「セッションインアクティビティタイマ」パラメータを含むことができる。UPFは、DLまたはULデータがやりとりされていない時間を測定する。測定されたデータのインアクティブ時間が、パラメータである「セッションインアクティビティタイマ」の値に達すると、UPFはUPコネクション解放手順をトリガーする。
【0166】
最初に、UE34はMM準備完了状態にあり、セッション#1およびセッション#2が有効化される。これは、(R)ANノード30とUPF1 46の間、および(R)ANノード30とUPF2 48との間の2つの無線コネクションおよび2つのNG3コネクションに対応する太い矢印によって示されている。
【0167】
図13のステップは以下のように説明される。
【0168】
ステップ(1) UPF1 46は、セッションインアクティビティタイマが満了したことを検出する。これは、UPF1 46が、セッション#1の「インアクティビティタイマ」として示される所与の期間、ULまたはDLでデータが送信されていないと判断したことを意味する。
【0169】
ステップ(2) UPF1 46は、(R)ANに向けてUPコネクションのための解放要求手順を開始する。UPF1 46は、NG3解放要求メッセージ(または同様のメッセージ、例えばDeactivate session requestまたはRelease connection request)をSMF1 42に送信する。このメッセージは、UE ID、セッションID、原因値、および他のパラメータを含むことができる。
【0170】
ステップ(3) SMF1 42は、UPコネクション解放手順を開始する。SMF1 42は、NG3解放要求メッセージ(または同様のメッセージ、例えばDeactivate session requestまたはRelease connection request)をCCNF32に送信する。このメッセージは、UE ID、セッションID、原因値および他のパラメータを含むことができる。
【0171】
ステップ(4) CCNF(例えばMMF)32は、残っているアクティブセッション(または無線コネクション)の数に応じた、2つの選択肢を有する。
【0172】
選択肢(4.a) これが最後のアクティブセッションではない場合、CCNF32は、(R)ANノード30に向けてUEコネクション解放手順を開始する。CCNF32は、(R)ANノード30にUEコネクション解放要求メッセージを送信する。このメッセージは、UEの一時的/永続的なID、どのセッションを無効化しなければならないかの指示子(例えばセッション#1)、および他のパラメータを含む。
【0173】
選択肢(4.b) これが最後のアクティブセッションである(例えば、アクティブセッションおよび対応する無線またはNG3コネクションが他にない)場合、CCNF32は、UEコンテキスト解放手順を開始する。これにより、モビリティ(MM)状態が準備完了から待機へ変更される。
【0174】
ステップ(5) 残りのアクティブセッションの数とCCNF32からの指示に応じた、2つの選択肢がある。
【0175】
選択肢(5.a) (R)ANノード30は、RRCコネクション変更手順を実行する。この目的のために、(R)ANノード30は、セッション#1への関連する無線コネクションを解放するために、RRCコネクション再設定メッセージをUE34に送信する。解放されるべき無線データベアラ/コネクションは、無効化されるべきセッションに対応するNAS SMコンテキストと1対1の関連付けを有すると仮定する。また、RRCを介した無線シグナリングは、無効化されるべきセッションに関する指示子(セッションID)を含む。他のアクティブな無線コネクションは解放されない。
【0176】
選択肢(5.b) これがUE34にとって最後の存在している無線コネクションである場合、(R)ANノード30はRRCコネクション解放手順を実行する。この目的のために、(R)ANノード30は、セッション#1への関連する無線コネクションを解放するために、RRCコネクション再設定メッセージをUE34に送信する。
【0177】
選択肢(5.a)が実行された場合、UE34は、対応するセッション(例えばセッション#1)の状態をアクティブ状態からアイドル状態に移行する。
【0178】
ステップ(6) (R)ANノード30は、(6.a)UEコネクション解放完了メッセージをCCNF32に送信するか、あるいは、(6.b)UEコンテキスト解放完了メッセージをCCNF32に送信する。
【0179】
ステップ(7) CCNF32は、ステップ(3)のUPコネクション解放手順に応答する。CCNF32は、NG3解放応答メッセージ(または同様のメッセージ、例えばDeactivate session responseまたはRelease connection response)をSMF1 42に送信する。このメッセージは、UE ID、セッションID、原因値、および他のパラメータを含みうる。
【0180】
ステップ(8) SMF1 42は、ステップ(2)のUPコネクション解放手順に応答する。SMF1 42は、NG3解放応答メッセージ(または同様のメッセージ、例えばDeactivate session responseまたはRelease connection response)をUPF1
46に送信する。このメッセージは、UE ID、セッションID、原因値、および他のパラメータを含みうる。
【0181】
この時点で、SMF1 42はセッション状態をアクティブからアイドルに変更する。
【0182】
解決策4.2に対する他の代替案は、SMF1 42とUE34との間でNAS SMセッション無効化手順を使用することであろう。SMコンテキスト無効化についてUE34に通知するために、この手順をSMF1 42が使用することが可能であり、これにより、UE34におけるセッションSM状態がアクティブからアイドルに変更される。このようなNAS SM手順は、図13のステップ(3)、(4)および(5)と並行して、SMF1 42によって開始することができる。
【0183】
解決策4.3:UEによって開始されるセッション無効化
これは、手順がUE34によって開始されるという、セッション無効化(すなわちUPコネクションの解放)の他の代替的な方法である。UE34は、上位層で動作しているアプリケーションについて認識することができるので、UE34は、アプリケーションがデータ転送を終了したかどうかを把握することができる。そのような指示子が上位層からNAS層まで入手可能であれば、UE34におけるNAS層、具体的にはNAS SM部は、NG CNに向けてセッション無効化手順を開始することができる。
【0184】
ある特定の例において、セッションAに関連付けられたアプリケーションが、UE34内のNAS SMインスタンスに対してそのアプリケーションはこれ以上UPコネクションを必要としないことを示している場合、あるいは、NAS SMインスタンスが、アクティブUPコネクションは使用されていないことを何らかの手段により認識している場合に、セッションAに対するUEのNAS SMインスタンスは、NG CNに向けてセッション無効化手順を開始することができる。以下のステップが実行される。
【0185】
ステップ(1) UE34は、UPコネクションを解放可能であることをSMF1 42に通知するために、SMF1 42に向けてNAS SMセッション無効化手順を開始する。UE34は、NAS SM Deactivation session requestメッセージを生成してNASシグナリングでNG CNに向けて送信する。このメッセージは、通常のNAS SMパラメータの他に、UPコネクション無効化に関する指示子とセッションIDとを含む。NG CNはメッセージを処理して対応するSMF1 42に転送する。
【0186】
ステップ(2) SMF1 42は、UPF1 46に向けてNG3解放手順を開始する。
【0187】
ステップ(3) SMF1 42は、CCNF(例えばMMF)32に向けてNG3解放要求(またはDeactivate session request)手順を開始する。
【0188】
ステップ(4) MMF32は、SMF1 42からのNG3解放要求メッセージを処理する。MMF32は、(R)ANノード30に向けてNG3解放手順(またはセッション無効化手順)を開始する。
【0189】
ステップ(5) (R)ANノード30は、例えばRRCコネクション変更手順により、UE34に向けてNG3解放手順(またはセッション無効化手順)を実行する。また、(R)ANノード30は、対応するUPFノードのNG3パラメータを削除することによりUE34のコンテキストを変更する。(R)ANノード30は、NG3解放手順の結果をもってMMF32に返信する。
【0190】
ステップ(6) MMF32は、対応するセッションの状態をアイドルに変更する。MMF32は、NG3解放手順の結果をもってSMF1 42に返信する。
【0191】
ステップ(7) SMF1 42は、ステップ(1)におけるNAS SMセッション無効化要求メッセージを確認する。
【0192】
なお、上記のステップ(2)-(6)は、図13に示す解決策4.2のステップ(3)-(7)に類似する。解決策4.2と比較した解決策4.3の主な違いは、UE34とSMF1 42との間で実行されるNAS SMセッション無効化手順である。
【0193】
以下の説明は本明細書に記載されるすべての解決策に当てはまる。
【0194】
上記の例は、1つのセッションの有効化または無効化の解決策を説明している。しかしながら、複数のセッションを同時に有効化/無効化することも、対応するメッセージに複数のセッションIDを含めることにより可能である。データネットワークごとに複数のPDUセッションがある場合、同じSMFが複数のPDUセッションを制御すると仮定されるので、複数のセッションを同時に有効化することは有益となりうる。1つの解決策において、SMFは、1つのPDUセッション(例えば、DLデータが届くセッション)を有効化するか、あるいは、(おそらく、特定のネットワークスライスまたはデータネットワークに向けたいくつかのPDUセッションまたはすべてのPDUセッションを意味するであろう、)このSMFによって制御されるいくつかのPDUセッションまたはすべてのPDUセッションを有効化するかを決定する。
【0195】
なお、NG2インタフェースを介した(R)ANノード30への/からのシグナリングは、CCNF32内の共通フロントエンドNG2終端機能で終端することができる。共通フロントエンドNG2機能は、NG2メッセージの内容をMMF32および/またはSMF2 44にルーティング/転送することができる。また、(R)ANノード30は、2つの異なるNG2メッセージ、すなわち、MMF32への個別メッセージとSMF2 44への個別メッセージとを送信することが可能である。MMF32へのメッセージは、MM特有の動作を要求してもよく、あるいは、データ無線コネクションの確立/解放の成功を確認することもできる。SMF2 44へのメッセージは、主に、(R)ANノードUP NG3関連情報(例えば、UPF2 48のIPアドレスおよび/またはGTP TEIDといったトンネリング情報)を含むことができる。
【0196】
なお、上記のすべての図は、セッションごとに1つのUPFというシナリオを示す。しかしながら、本明細書は1つのSMFによるサービスを受ける複数の異なるUPFが存在するシナリオに適用可能である。そのような場合、同じデータネットワークに対して複数のPDUセッションがあると仮定することができる。これらのセッションはUPFごとに独立して有効化することが可能である。そのような場合、有効化されたセッションは、同じSMF2 44によるサービスを受ける他のUPFのために存在する(すなわち、UE34は準備完了モビリティ状態にあり、SMF2 44はアクティブセッション状態にある)。この際、SMF2 44はページング手順を開始する必要はないが、代わりにSMF2 44が既存のセッションを変更するか、あるいは、新しいUPセッションで有効化を開始することができる。この目的のために、SMは、UPF2 48の情報を含む新しいUPセッションを追加するようCCNF(MMF)32に要求する。
【0197】
共通の制御プレーン機能エンティティ内のMMFおよびSMFのような制御プレーン機能のコロケーションが可能である。
【0198】
提案された解決策は下記の原則に基づく。
セッション管理機能(SMF)とモビリティ管理機能(MMF)が異なるネットワーク機能に分離される。UEが複数のネットワークスライスインスタンスに登録されているという特定の場合には、UEは複数のSMFによってサービスを提供される、すなわち、複数のPDUセッションが確立される。
所与のUEのために、(同じまたは異なるネットワークスライスへの)複数のPDUセッションが確立される。PDUセッションは、アイドル状態またはアクティブ状態になりうる。
(データ無線コネクションとNG3トンネル確立を含む)UPコネクションは、1つのPDUセッションのために有効化できる。他のPDUセッションのための(同じまたは他のネットワークスライスへの)UPコネクションは、独立して有効化/無効化することが可能である。
PDUセッションの有効化および無効化の手順が提案される。
PDUセッションの有効化は、SMFにおける「アクティブ」セッション状態への遷移であり、UPコネクションが確立される。
PDUセッションの無効化は、SMFにおける「アイドル」セッション状態への遷移であり、UPコネクションは解放される。
【0199】
一般的なノードに関する説明
以下の説明は、本明細書に記載されているすべての解決策に適用される。
【0200】
UEの効果
本明細書に記載の解決策は、NG UEとしてのUEを含めて大部分が説明されているが、2G、3Gおよび4Gアクセスシステム、すなわちUEが2G/3G/4G UEであっても解決策を適用することが可能である。
【0201】
上述の例示的な実施形態によれば、UE34は、(R)ANおよびCN機能エンティティ(例えば、(R)ANノード、MMF、SMF)へ/からのシグナリングを処理できるように変更される。さらに、UE34は、対応する情報を受信し、処理し、(R)ANおよびCN機能エンティティに送信することができる。UE34は、図14に示すようにブロック図によって概略的に説明することができる。
【0202】
図14は、例えば図1に示すユーザ機器(UE)34(図中では「NG UE」と表す)の主な構成要素を表すブロック図である。図示のように、UE34は、1つまたは複数のアンテナ52を介して無線アクセスネットワークノード30と信号の送受信を行うように動作可能なトランシーバ回路50を有する。このような無線アクセスネットワークノード30(図1では「NG(R)AN」、図2では「RAN」、図4では「AN」と表す)は、基地局および/または任意の他の適切なアクセスポイント/送信ポイントを含んでもよい。UE34は、UE34の動作を制御するためのコントローラ54を有する。コントローラ54は、メモリ56と関連付けられ、トランシーバ回路50に結合される。UE34は、従来の携帯機器/携帯電話(ユーザインタフェースなど)のすべての通常機能を有してもよいし、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアのうちの任意の1つまたは任意の組み合わせによって適宜提供されてもよい。ソフトウェアは、メモリ56に事前にインストールされてもよいし、例えば、電気通信ネットワークを介して、あるいは、取り外し可能なデータ記憶装置(RMD)からダウンロードされてもよい。
【0203】
コントローラ54は、この例では、メモリ56内に格納されたプログラム命令またはソフトウェア命令によって、UE34の全体的な動作を制御する。図示のように、これらのソフトウェア命令は、とりわけ、オペレーティングシステム58、通信制御モジュール60、およびトランシーバ制御モジュール62(通信制御モジュール60の一部を形成するものとして示される)を含む。
【0204】
通信制御モジュール60は、UE34と(R)ANの基地局/アクセスノードとの間の通信を制御する。通信制御モジュール60はまた、基地局/アクセスノード、および、モビリティ管理機能(MMF)やセッション管理機能(SMF)のような他のノードに(基地局/アクセスノードを介して)送信されるべき制御データ(制御プレーン)およびユーザデータ(ユーザプレーン、アップリンクとダウンリンクの両方)の別々のフローを制御する。
【0205】
MMF/SMFの効果
上記の例示的な実施形態によれば、モビリティ管理機能(MMF)またはセッション管理機能(SMF)は、提案された解決策に従って動作することができるように変更/拡張される。MMFまたはSMFは、図15のようにブロック図で概略的に説明できる。
【0206】
図15は、例えば図1に示すモビリティ管理機能(MMF)/セッション管理機能(SMF)ノードの主要構成要素を示すブロック図である。MMFとSMFは統合された制御機能エンティティの一部として示されているが、それらの機能は別々のノードに実装されてもよい。
【0207】
図示のように、MMF/SMFは、(UE34を含む)他のネットワークノードと信号の送受信を行うためのトランシーバ回路64とネットワークインタフェース66とを有する。MMF/SMFは、MMF/SMFノードの動作を制御するためのコントローラ68を有する。コントローラ68は、メモリ70と関連付けられている。ソフトウェアは、例えば、メモリ70に事前にインストールされてもよいし、通信ネットワークを介して、または、取り外し可能なデータ記憶装置(RMD)からダウンロードされてもよい。コントローラ68は、この例では、メモリ70内に格納されているプログラム命令またはソフトウェア命令によって、MMF/SMFの全体的な動作を制御するように構成されている。図示のように、これらのソフトウェア命令は、とりわけ、オペレーティングシステム72、通信制御モジュール74、およびトランシーバ制御モジュール76(通信制御モジュール74の一部を形成するものとして示される)を含む。
【0208】
通信制御モジュール74は、MMF/SMFと、MMF/SMFに接続されている他のネットワークエンティティ(例えば、基地局/アクセスノード、基地局/アクセスノードに接続される場合はUE34)との間の通信を制御する。
【0209】
概要
有益なことに、上述の例示的な実施形態は、以下の機能のうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない。
【0210】
1)UEは、データ無線コネクションの有効化または無効化手順を、UE内の既存のPDUセッション管理コンテキストとリンクさせることができる。
a)UEにおけるそのようなリンケージは、SMFからUEへ関連するシグナリングで送られるセッションID指示子に基づく。
【0211】
2)ユーザプレーンコネクションの無効化は、
a)コアネットワーク内のユーザプレーン機能によって、または
b)NAS SMシグナリングを介してUEによって
トリガーされたNG CN内のセッション管理機能によって実行される。
【0212】
上記の例示的な実施形態は、PDUセッションまたはネットワークスライスごとにユーザプレーンコネクションを独立して有効化または無効化する方法を説明していることが分かる。この方法は以下を含む。
1)ユーザプレーンコネクションの有効化または無効化は、以下に基づいてSMFから開始される。
a)(セッションの有効化のためのDLデータが届く、あるいは、セッションの無効化のためのタイマが満了することによる)UPFからのトリガー、
b)(セッションの有効化のためのULデータを送信する、あるいは、セッションの無効化のためのUPコネクションが不要になることによる)UEからのトリガー。
2)制御プレーンセッション管理機能、モビリティ管理機能、アクセスネットワーク、および端末は、同じセッションを参照するための参照IDとして、セッションIDを使用する。
【0213】
利点
上記実施形態は、以下を含むが限定されない、いくつかの利点を提供することが理解される。
(1)UEに対してインスタンス化/構成された複数のユーザプレーン機能があっても、アクティブなNG3コネクションの数は制限され、これはまた、UEモビリティの場合には無線およびNG2およびNG3インタフェースを介してシグナリングを制限する。
(2)UEが1つの特定のセッション上でデータを送受信する場合、この特定のセッションのみへのユーザプレーンコネクションが有効化され、これにより、待機状態と準備完了状態との間での頻繁なモビリティ状態変化が起こる場合に他のセッションに対するコネクション確立のシグナリングが減少する。
【0214】
変形例と代替案
例示的な実施形態が上記のとおり詳細に説明された。当業者には理解されるように、ここに具現化される発明からも利益を受ける一方で、上記の例示的な実施形態に対して多くの変形例および代替例をつくることができる。説明のために、これらの代替例および変形例のいくつかだけを説明する。
【0215】
上記の説明では、UEおよびMMF/SMFノードは、理解を容易にするために、いくつかの個別モジュール(通信制御モジュールなど)を有するものとして説明されている。これらのモジュールは、例えば既存のシステムが本発明を実施するように変更された或るアプリケーションのために、また、例えば最初から本発明の特徴を念頭に置いて設計されたシステムの他のアプリケーションにおいて、このように提供されうるが、これらのモジュールは、オペレーティングシステムやコード全体に組み込まれているため、個別のエンティティとして認識されない場合がある。これらのモジュールはまた、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせに実装してもよい。
【0216】
各コントローラは、例えば、次のものを含む(が、これらに限定されない)任意の適切な形態の処理回路を含んでもよい。すなわち、
1つ以上のハードウェア実装のコンピュータプロセッサ
マイクロプロセッサ
中央演算処理装置(CPU)
演算論理装置(ALU)
入出力(IO)回路
内部メモリ/キャッシュ(プログラムおよび/またはデータ)
処理レジスタ
通信バス(例えば、制御、データ、および/またはアドレスバス)
ダイレクトメモリアクセス(DMA)機能
ハードウェアまたはソフトウェア実装のカウンタ、ポインタ、および/またはタイマなど。
【0217】
上記の例示的な実施形態では、いくつかのソフトウェアモジュールが説明されている。当業者には理解されるように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされた形式またはコンパイルされていない形式で提供されてもよいし、コンピュータネットワークを介して、または記録媒体上で、信号としてUEおよびMMF/SMFノードに供給されてもよい。また、このソフトウェアの一部または全部によって実行される機能は、1つ以上の専用ハードウェア回路を使用して実行されてもよい。しかしながら、ソフトウェアモジュールの使用は、それらの機能を更新するためにUEおよびMMF/SMFノードの更新を容易にするので、好ましい。
【0218】
様々な他の変更は当業者には明らかであり、ここではこれ以上詳細に説明しない。
【0219】
略語の一覧
3GPP 3rd Generation Partnership Project: 第3世代パートナーシッププロジェクトAS Access Stratum: アクセス層(本明細書においてRRCシグナリングと同様に使用する)
CCF Core Control Functions: コア制御機能
CCNF Common Control Network Functions: 共通制御ネットワーク機能
CPF Control Plane Function: 制御プレーン機能
NB、eNB: Node B, evolved Node B: ノードB、進化型ノードB(ただし、2G、3G、4G、または将来の5G技術を実装している任意の「RANノード」とすることもできる)
E-UTRAN Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network: 進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(EUTRANとしても使用される)
GGSN Gateway GPRS Support Node: ゲートウェイGPRSサポートノード
GPRS General Packet Radio Service: 汎用パケット無線サービス
HPLMN Home Public Land Mobile Network: ホーム公衆陸上移動体ネットワーク
HSS Home Subscriber Server: ホーム加入者サーバ
IE Informational Element: 情報要素(シグナリングメッセージの一部として使用される)
MME Mobility Management Entity: モビリティ管理エンティティ
MMF Mobility Management Function: モビリティ管理機能
MNO Mobile Network Operator: モバイルネットワーク事業者
NAS Non Access Stratum: 非アクセス層
NFV Network Function Virtualization: ネットワーク機能仮想化
NNSF NAS/Network Node Selection Function: NAS/ネットワークノード選択機能
NSI Network Slice Instances: ネットワークスライスインスタンス
PCF Policy Control Function: ポリシー制御機能
PCRF Policy and Charging Rules Function: ポリシー/課金規則機能
PGW Packet Data Network Gateway: パケットデータネットワークゲートウェイ
PSM Power Saving Mode: 省電力モード
RAU Routing Area Update: ルーティングエリア更新
RNC Radio Network Controller: 無線ネットワークコントローラ
RRC Radio Resource Control: 無線リソース制御
PLMN Public Land Mobile Network: 公衆陸上移動体ネットワーク
SCNF Slice-specific Control Plane Network Functions: スライス固有の制御プレーンネットワーク機能
SMF Session Management Function: セッション管理機能
SGSN Serving GPRS Support Node: サービングGPRSサポートノード
SGW Serving Gateway: サービングゲートウェイ
TAU Tracking Area Update: トラッキングエリア更新
UE User Equipment: ユーザ機器
UPF User Plane Function: ユーザプレーン機能(EPCのSGW/PGWと同様に、ポリシー/QoSの実施、モビリティ、UEのIPアンカーに使用される任意のUP機能)
UTRAN UMTS Terrestrial Radio Access Network: UMTS地上無線アクセスネットワーク
VPLMN Visited Public Land Mobile Network: 訪問先公衆陸上移動体ネットワーク
【0220】
本出願は、2016年8月19日に特許出願された欧州特許出願第16185042.5号に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願に記載された内容は、全て本明細書に含まれるものとする。
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