(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】人物特定装置、人物特定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06V 40/19 20220101AFI20240228BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20240228BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240228BHJP
【FI】
G06V40/19
G07C5/00 Z
G06T7/00 510F
(21)【出願番号】P 2022183225
(22)【出願日】2022-11-16
(62)【分割の表示】P 2021514194の分割
【原出願日】2020-04-15
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2019079335
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 洋介
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 和樹
【審査官】藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124733(JP,A)
【文献】特開2008-243217(JP,A)
【文献】特開2018-036891(JP,A)
【文献】特開2015-053032(JP,A)
【文献】特開2014-232421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00 - 7/90
G06V 10/00 -20/90
G06V 40/00 -40/70
G07C 1/00 -15/00
H04N 5/222- 5/257
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の搭乗者を撮影した撮影画像を取得し、前記撮影画像に映る人物が予め登録された人物と一致するか否かの一致判定を行い、前記一致判定により特定した人物を示す人物識別情報を生成する認証手段と、
前記一致判定により所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、前記撮影画像を生成するための撮影環境パラメータを変更するパラメータ変更手段と、
を備え、
前記認証手段は、前記人物識別情報と、前記人物識別情報が所定の人物を示す尤度に基づいて、前記人物の認証成功か認証不成功かを判定し、所定数の撮影画像に基づいて特定した前記人物識別情報と、前記人物識別情報が所定の人物を示す尤度について、所定の閾値以上の前記尤度で前記所定数の撮影画像から前記所定の人物を特定できない場合、前記所望の値以上の認証成功頻度を確保できないと判定する
人物特定装置。
【請求項2】
前記撮影環境パラメータは、1秒間当たりの撮影画像枚数、解像度、ズーム値または撮影するカメラの露出のうち少なくともいずれかを含む請求項1に記載の人物特定装置。
【請求項3】
前記パラメータ変更手段は、前記移動体の動力をオンオフする時間間隔が所定の時間より短い場合、前記撮影画像を生成するための前記撮影環境パラメータを変更する請求項2に記載の人物特定装置。
【請求項4】
さらに前記移動体の動力をオンオフする時間間隔が所定の時間より短い場合、認証間隔を短く更新する認証間隔更新手段を備える請求項1に記載の人物特定装置。
【請求項5】
前記認証手段は、時間の経過に応じて取得した複数の撮影画像のそれぞれに映る人物について前記一致判定により特定された前記人物識別情報と、前記人物識別情報が所定の人物を示す尤度に基づいて、前記人物の認証成功か認証不成功かを判定する、請求項1に記載の人物特定装置。
【請求項6】
移動体の搭乗者を撮影した撮影画像を取得し、前記撮影画像に映る人物が予め登録された人物と一致するか否かの一致判定を行い、前記一致判定により特定した人物を示す人物識別情報を生成し、
前記人物識別情報と、前記人物識別情報が所定の人物を示す尤度に基づいて、前記人物の認証成功か認証不成功かを判定し、所定数の撮影画像に基づいて特定した前記人物識別情報と、前記人物識別情報が所定の人物を示す尤度について、所定の閾値以上の前記尤度で前記所定数の撮影画像から前記所定の人物を特定できない場合、所望の値以上の認証成功頻度を確保できないと判定し、
前記一致判定により
前記所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、前記撮影画像を生成するための撮影環境パラメータを変更する、
人物特定方法。
【請求項7】
移動体の搭乗者を撮影した撮影画像を取得し、前記撮影画像に映る人物が予め登録された人物と一致するか否かの一致判定を行い、前記一致判定により特定した人物を示す人物識別情報を生成
し、前記人物識別情報と、前記人物識別情報が所定の人物を示す尤度に基づいて、前記人物の認証成功か認証不成功かを判定し、所定数の撮影画像に基づいて特定した前記人物識別情報と、前記人物識別情報が所定の人物を示す尤度について、所定の閾値以上の前記尤度で前記所定数の撮影画像から前記所定の人物を特定できない場合、所望の値以上の認証成功頻度を確保できないと判定する認証機能と、
前記一致判定により
前記所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、前記撮影画像を生成するための撮影環境パラメータを変更するパラメータ変更機能と、
をコンピュータに実装するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物特定装置、人物特定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公共施設、交通機関、建築物などに複数の監視用カメラが設けられており、人物の顔画像を撮影して人物を特定する技術が開発されている。また、車両の運転者の顔画像を撮影して顔認証するとともに運転者の状態を把握して操作指示や警告などを行う技術が開発されている。特許文献1は、車両に搭載されたデジタルタコグラフと管理サーバを用いた運行管理システムを開示しており、デジタルタコグラフは位置情報、時刻情報、運転者の画像情報などを含む運行情報を出力し、管理サーバは運行情報を運行指示書と照らし合わせて運転者の運行を指示する。特許文献2は、車載カメラを用いた人物検索システムを開示しており、車載カメラで撮影した運転者の顔画像と車両の位置情報をデータベースに送信して、検索対象者の顔画像と運転者の顔画像が一致するか判定して車両の位置情報を記憶する。特許文献3は、監視カメラで撮影された動画像に含まれる人物の顔認証を行う顔認証装置を開示しており、動画像に含まれる複数フレームの画像間で顔の特徴点の座標を比較して検出精度を検証するとともに、所定の検出精度に満たない顔の特徴点を除外または補正することにより、高い精度で顔認証を行う。特許文献4は、車両を運転する運転者の顔に関する顔情報(顔の向き、視線の向き、顔の特徴量など)を処理する情報処理装置を開示しており、顔情報の取得に失敗した場合に、その失敗の原因を詳細に特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2018-84935号公報
【文献】日本国特開2014-232421号公報
【文献】日本国特開2013-65119号公報
【文献】日本国特開2009-201756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の技術では、車両の運転者の顔の特徴情報と、データベースに記録される複数の人物の特徴情報とを照合して人物を特定している。しかし、車載カメラなどで撮影された人物の顔の特徴情報の計算や、人物の顔の特徴情報とデータベースに記録されている多数の人物の特徴情報との照合処理には、複雑な計算処理が必要である。また、多数の人物を撮影して顔認証により同時に特定する場合、通信ネットワークを介して接続された遠隔の撮影装置から撮影画像を取得する必要があり、遠隔の撮影装置を起動するのに一定の時間が必要となる。このため、所望の認証成功頻度で人物の顔認証を成功させて、人物を特定することが困難であった。特許文献4では、運転者の顔情報の取得に失敗すると、運転者に警告が発せられ、運転者がカメラとの位置関係を調整し、車内環境(運転席の窓の開閉、カメラの露光時間、照明の明るさなど)を調整して、顔認証の失敗原因を特定してその影響を排除しているが、運転者側の対応動作が必要となり煩雑であり、却って、顔認証を成功させることが困難である。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、高い認証成功頻度で人物を特定することができる人物特定装置、人物特定方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様によれば、人物特定装置は、移動体の搭乗者を撮影した撮影画像を取得し、撮影画像に映る人物が予め登録された人物と一致するか否かの一致判定を行い、一致判定により特定した人物を示す人物識別情報を生成する認証手段と、一致判定により所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、一致判定を実行する時間間隔を短く更新する認証間隔更新手段と、を具備する。
【0007】
本発明の第二の態様によれば、人物特定装置は、撮影装置から取得した撮影画像に映る人物が予め登録された人物と一致するか否かの一致判定を実行し、一致判定により特定された人物を示す人物識別情報を生成する認証手段と、一致判定により所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、一致判定を実行する時間間隔を短く更新する認証間隔更新手段と、を具備する。
【0008】
本発明の第三の態様によれば、人物特定方法は、移動体の搭乗者を撮影した撮影画像を取得し、撮影画像に映る人物が予め登録された人物と一致するか否かの一致判定を行い、一致判定により特定した人物を示す人物識別情報を生成し、一致判定により所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、一致判定を実行する時間間隔を短く更新する。
【0009】
本発明の第四の態様によれば、記録媒体は、移動体の搭乗者を撮影した撮影画像を取得し、撮影画像に映る人物が予め登録された人物と一致するか否かの一致判定を行い、一致判定により特定した人物を示す人物識別情報を生成する認証機能と、一致判定により所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、一致判定を実行する時間間隔を短く更新する認証間隔更新機能と、をコンピュータに実装するプログラムを記憶する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移動体の搭乗者を撮影した撮影画像に映る人物が予め登録された人物と一致するか否かの一致判定により人物特定処理(人物の認証処理)を行う場合、所望の有値以上の認証成功頻度を確保することができ、認証不成功となる頻度を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る人物特定装置を含む人物特定システムの概要を示すシステム図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る人物特定装置のハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る人物特定装置の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るドライブレコーダのハードウェア構成図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るドライブレコーダの制御装置の機能ブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るドライブレコーダの処理過程を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る人物特定装置の処理過程を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る人物特定装置による人物の認証結果のデータ例を示すデータ構造図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る人物特定装置の最小構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る人物特定装置の最小の処理過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る人物特定装置および人物特定方法について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る人物特定装置1を含む人物特定システム100の概要を示す。
図1に示す人物特定システム100において、複数のドライブレコーダ2が人物特定装置1と通信ネットワーク(例えば、無線通信ネットワークや有線通信ネットワーク)を介して通信接続されている。人物特定装置1は、例えば、人物特定システム100を運用する事業者が自身の社屋内に設置し通信ネットワークに接続したコンピュータサーバ(又はクラウドサーバ)である。複数のドライブレコーダ2が複数の移動体(例えば、車両20)に搭載されている。ドライブレコーダ2は、カメラを有しており少なくとも車両20を運転する運転者の顔を撮影し、その撮影画像を人物特定装置1へ送信する。
【0013】
図2は、人物特定装置1のハードウェア構成図である。人物特定装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read-Only Memory)102、RAM(Random-Access Memory)103、HDD(Hard-Disk Drive)104、通信モジュール105、データベース106などを備えたコンピュータである。
【0014】
図3は、人物特定装置1の機能ブロック図である。人物特定装置1は、電源が投入されると起動し、予め記憶された人物特定プログラムを実行する。これにより、人物特定装置1は、認証部11、認証間隔更新部12、撮影環境パラメータ変更部13、センシング情報記録部14などの機能部を実現する。
【0015】
認証部11は、カメラなどで人物を撮影した場合、その撮影画像に映る人物が予め登録された人物であるか否かの一致判定を行い、その一致判定により特定した人物を示す人物識別情報を出力する。認証間隔変更部12は、認証部11の一致判定により所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、認証部11の一致判定を行う時間間隔を短く更新する。本実施形態では、ドライブレコーダ2が撮影画像を人物特定装置1に送信する時間間隔を短く設定することにより、認証部11が一致判定を行う時間間隔を短くする。例えば、認証間隔更新部12は、運転者が車両20の動力(例えば、エンジンや電気モータなど)をオンオフする時間間隔が短いため所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合に、一致判定を行う時間間隔を短く更新する。また、認証間隔更新部12は、一致判定により認証が成功する確率が低いことにより所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、一致判定を行う時間間隔を短く更新する。撮影環境パラメータ変更部13は、所望の値以上の認証成功頻度が確保できない場合、ドライブレコーダ2(認証に供する撮影画像を生成する撮影装置の一態様)の撮影環境パラメータを更新する。撮影環境パラメータとして、例えば、1秒間当たりの撮影画像枚数(或いは、フレーム数)や解像度などのカメラの撮影に用いるパラメータや運転者のポジション(座高や座席位置)及び走行中の環境変化(運転者の顔に当たる光の変化など)などのパラメータが挙げられる。
【0016】
図4は、ドライブレコーダ2のハードウェア構成図である。ドライブレコーダ2は、センサ21、通信装置22、カメラ23、制御装置24、記憶装置25などを含む。センサ21は、例えば、加速度センサ、速度センサ、走行距離センサ、GPS(Global Positioning System)センサなどであり、車両20の走行状態や位置情報、車両20の近傍の環境情報をセンシングするものである。通信装置22は、人物特定装置1と通信接続する。カメラ23は、車両20の内部の画像を撮影するものであるが、車両20の外部の画像(例えば、車両の前方の車両や道路標識など)を撮影してもよい。なお、カメラ23は運転者の顔が撮影できる向きに予め画角の範囲が設定されている。
【0017】
制御装置24は、ドライブレコーダ2の機能を制御する。記憶装置25は、カメラ23により撮影された動画像や静止画像を含むセンシング情報を記憶する。ドライブレコーダ2は、なお、ドライブレコーダ2の制御装置24は、CPU、ROM、RAMなどを備えたコンピュータである。
【0018】
図5は、ドライブレコーダ2の制御装置24の機能ブロック図である。制御装置24は、ドライブレコーダ2が起動すると制御プログラムを実行する。これにより、制御装置24は、アップロード画像生成部241、起動状態通知部242、画像送信部243、パラメータ記録部244、カメラ制御部245、センシングデータ送信部246などの機能部を実現する。
【0019】
アップロード画像生成部241は、カメラ23が車内画像を撮影した場合、カメラ23から動画像や静止画像の何れかを少なくとも含む画像データを取得し、その画像データに基づいてアップロード用の撮影画像(アップロード画像)を所定の時間間隔で生成する。
【0020】
起動状態通知部242は、車両20のエンジンのON/OFFを検知し、エンジンONやエンジンOFFの何れかを示す起動状態情報を人物特定装置1へ送信する。画像送信部243は、カメラ23の撮影画像を人物特定部1へ送信する。パラメータ記録部244は、通信装置22を介して人物特定装置1から撮影環境パラメータ(例えば、カメラ23の撮影に利用するパラメータ)を受信した場合、その撮影環境パラメータを記憶装置25に記録する。パラメータ記録部244は、撮影環境パラメータの記録を完了したことをカメラ制御部245に通知する。カメラ制御部245は、撮影環境パラメータを用いてカメラ23による運転者の撮影を制御する。センシングデータ送信部246は、センサ21センシングデータを取得し、そのセンシングデータを通信装置22を介して人物特定部1へ送信する。
【0021】
図6は、ドライブレコーダ2の処理過程を示すフローチャートである(ステップS101乃至S109)。車両20の運転者がスマートキーなどでエンジンを始動すると、ドライブレコーダ2はエンジンONを検知する(S101)。制御装置24の起動状態通知部242は、エンジンON(エンジン・オン・イベント)と、エンジンONの時刻と、ドライブレコーダ2の識別情報(ID)を含む起動状態情報を生成して、通信装置22に起動状態情報の送信を指示する。通信装置22は、起動状態情報(エンジンON)を人物特定装置1へ送信する(S102)。人物特定装置1は、起動状態情報に含まれるエンジンONと、エンジンONの時刻と、ドライブレコーダ2のIDとを対応付けて記憶する。
【0022】
車両20のエンジンの始動により、カメラ制御部245はカメラ23を起動する(S103)。例えば、カメラ制御部245はカメラ23へ電力を供給する。この場合、車両20のエンジン始動によりドライブレコーダ2が完全に起動するまでの時間、ドライブレコーダ2が起動した後にカメラ23を起動するまでの時間、ドライブレコーダ2が基地局装置などにアクセスして通信可能な状態に移行するまでの時間などの所定の時間が必要となる。
【0023】
ドライブレコーダ2の制御装置24のカメラ制御部245は、撮影環境パラメータを記憶装置25から読み出す。カメラ制御部245は、撮影環境パラメータを用いてカメラ23の撮影制御を行う(S104)。これにより、カメラ23は車両20の運転者の画像を撮影し、その撮影画像を制御装置24へ送出する。カメラ23は、所定の時間間隔で運転所の画像を撮影し、その撮影画像を制御装置24へ送出する。なお、カメラ23の撮影画像は静止画像でも動画像でもよい。カメラ23が静止画像を撮影する場合には、カメラ23はカメラ制御部245の制御により複数枚の撮影画像を制御装置24へ送出する。制御装置24のアップロード画像生成部241は、カメラ23からの撮影画像を含むアップロード画像を生成して、画像送信部243へ送出する。画像送信部243は、基地局装置などとアクセスすることにより通信可能な状態であれば、通信装置22へアップロード画像の送信を指示する。これにより、通信装置22は、アップロード画像を人物特定装置1へ送信する(S105)。
【0024】
カメラ制御部245は、所定の待機時間に応じてカメラ23の撮影を待機する(S106)。カメラ制御部245は、待機時間が経過したか否かを判定する(S107)。カメラ制御部245は、待機時間が終了すると、カメラ23の撮影を制御する。これにより、カメラ23は繰り返し運転者の画像を撮影して、その撮影画像を制御装置24へ送出する。
【0025】
次に、起動状態通知部242は、車両20の運転者がエンジンを停止するとエンジンOFFを検出する(S108)。起動状態通知部242は、エンジンOFF(エンジン・オフ・イベント)と、エンジンOFFの時刻と、ドライブレコーダ2の識別情報(ID)を含む起動状態情報の送信を通信装置22へ指示する。通信装置22は、起動状態情報(エンジンOFF)を人物特定装置1へ送信する(S109)。人物特定装置1は、起動状態情報に含まれるエンジンOFFと、エンジンOFFの時刻と、ドライブレコーダ2のIDとを対応付けて記憶する。
【0026】
上述の処理により、カメラ23が定期的に運転者の顔を撮影した撮影画像がドライブレコーダ2から人物特定装置1へ送信される。ドライブレコーダ2の制御装置24のパラメータ記録部244は、認証間隔更新要求を受信した場合、その認証間隔更新要求に含まれる撮影画像枚数、解像度、撮影時間、撮影待機時間などを新たな撮影制御パラメータとして記憶装置25に記録する。上述の処理の傍ら、車両20のエンジンが始動している間、センシングデータ送信部246は、センサ21からセンシングデータを取得して、そのセンシングデータを通信装置22を介して継続的に人物特定装置1へ送信する。なお、センシングデータにはドライブレコーダ2の識別情報(ID)も含まれる。
【0027】
図7は、人物特定装置1の処理過程を示すフローチャートである(ステップS201乃至S212)。人物特定装置1は、複数の車両20に搭載されるドライブレコーダ2からアップロード画像を取得し、そのアップロード画像を用いて車両20の運転者に対する人物特定処理を実行する。
図7を参照して、一つの車両20のドライブレコーダ2から受信したアップロード画像を用いた人物特定処理について説明する。
【0028】
まず、人物特定装置1がアップロード画像を受信すると、そのアップロード画像が認証部11に送られる(S201)。認証部11は、アップロード画像に含まれる複数枚の撮影画像を取得する。撮影画像として、ドライブレコーダ2のカメラ23が所定の時間間隔で撮影した静止画像、或いは、カメラ23が撮影した動画像から抽出した複数フレームの画像であってもよい。例えば、人物特定装置1は、10枚の撮影画像を一度に取得できる。認証部11は、10枚の撮影画像に映る人物に対して人物特定処理を実行する(S202)。
【0029】
具体的には、認証部11は、一つの撮影画像に映る人物の顔の特徴情報を算出する。特徴情報は、公知の技術(人物の顔の特徴量算出技術)を用いて算出してもよい。人物特定装置1の記憶部(例えば、データベース106)には予め多数の人物(運転者)の顔の特徴情報が記録されている。これは、車両20の運転者となることが予定されている人物の顔の特徴情報である。認証部11は、ドライブレコーダ2から取得した撮影画像に映る人物の顔の特徴情報を検出し、その特徴情報に最も近似した特徴情報をデータベース106に記録されている複数の特徴情報から特定する。このとき、認証部11は、撮影画像から検出した人物の顔の特徴情報(以下、撮影画像の特徴情報という)と、その特徴情報に最も近似した特徴情報(以下、データベース106の記録特徴情報という)との類似度スコアを算出する。認証部11は、類似度スコアが所定の閾値(即ち、人物の特定に適した類似度スコアの値)以上であれば、認証成功と判定する。認証部11は、類似度スコアが所定の閾値未満であれば、認証不成功と判定する。認証部11は、認証成功したときに用いたデータベース106の記録特徴情報に紐づけて記録された人物識別情報(人物ID)をデータベース106から読み出す。認証部11は、認証処理対象の撮影画像を含むアップロード画像を送信したドライブレコーダ2のIDと、認証成功または認証不成功を示す認証結果と、認証成功したときの運転者を示す人物IDと、撮影画像の識別子とを対応付けて記憶部(例えば、RAM103)に記憶する(S203)。そして、認証部11は、アップロード画像に含まれる複数の撮影画像について上述の処理を繰り返し実行する。
【0030】
図8は、人物特定装置1の認証部11による人物の認証結果のデータ例を示すデータ構造図である。本実施形態は、人物特定に係るデータ構造(
図8の左側の図表)と、人物不特定に係るデータ構造(
図8の右側の図表)について2パターンの撮影画像の認証結果を例示する。データ構造は、10枚の撮影画像の認証結果を示しており(識別子1~10)、その認証結果(認証成功または認証不成功)と、認証成功のときに特定した人物のID(A~D)を含む。人物特定に係るデータ構造において、10枚の撮影画像のうち、識別子1、2、5、6、7、9、10の7枚の撮影画像について認証成功となり、その撮影画像に映る人物のIDが「A」と特定される。他の撮影画像において、識別子3の撮影画像は認証不成功となり、識別子4の撮影画像の人物IDは「B」であり、識別子8の撮影画像の人物IDは「C」である。このため、人物IDが「A」として認証成功した撮影画像の比率は70%となる。認証部11は、認証結果に基づいて人物が特定できたか否かを判定する(S204)。
【0031】
認証部11は、複数の撮影画像のうち所定の人物を特定できた撮影画像の比率(尤度)の閾値として65%が設定された場合、人物特定に係るデータ構造では、閾値以上の70%の確率で人物A(人物ID「A」が付与された人物)として特定できたため、人物Aの情報を人物特定情報として出力する。これにより、人物特定装置1は、ドライブレコーダ2から受信したアップロード画像に含まれる撮影画像に映る車両20の運転者が人物Aであると判定することができる。認証部11は、人物特定情報を記憶部(例えば、RAM103)に記憶する。認証部11は、人物Aの情報と、人物Aの特定に利用したアップロード画像に含まれるドライブレコーダ2のIDを人物特定情報に含めてセンシング情報記録部14へ送出する。センシング情報記録部14は、認証部11による認証処理の傍ら、ドライブレコーダ2からセンシングデータを受信する。センシング情報記録部14は、ドライブレコーダ2のIDに関連して人物Aの情報とセンシングデータとを紐づけてデータベース106に記録する(S205)。つまり、人物Aの情報と、人物Aの運転する車両20のドライブレコーダ2により検出されたセンシングデータとがデータベース106に記録される。これにより、人物特定装置1は、人物Aの運転結果情報として、人物Aの運転状況の解析をデータベース106を参照して行うことができる。その後、人物特定処理の終了判定を行う(S212)。
【0032】
人物不特定に係るデータ構造は、10枚の撮影画像に対する認証結果と、認証成功したときの人物IDを含む。10枚の撮影画像(識別子1~10)のうち、識別子1、5、6、9の4枚の撮影画像について認証成功となり、その撮影画像に映る人物のIDが「A」と特定される。他の撮影画像において、識別子2、3、7の3枚の撮影画像が認証不成功となり、識別子4の撮影画像の人物IDは「B」であり、識別子8の撮影画像の人物IDは「C」であり、識別子10の撮影画像の人物IDは「D」である。このため、10枚の撮影画像のうち人物Aが特定された撮影画像の比率は40%となる。複数の撮影画像のうち所定の人物を特定できた撮影画像の比率(尤度)の閾値として65%が設定された場合、人物不特定に係るデータ構造では、閾値以上の確率で人物を特定できないため、認証部11は、特定不可を示す情報を人物特定情報としてセンシング情報記録部14へ送出する。センシング情報記録部14は、ドライブレコーダ2のIDに関連して、特定不可を示す情報とドライブレコーダ2から受信したセンシングデータとを紐づけてデータベース106に記録する(S206)。認証部11による認証処理は、ドライブレコーダ2が時間の経過とともに連続して撮影した複数の撮影画像に映る人物についての一致判定により特定された人物識別情報と、その人物特定情報が所定の人物を示す尤度とに基づいて、人物の認証成功か認証不成功や、人物特定できたか否かを判定する処理手順の一態様である。
【0033】
人物特定情報にはドライブレコーダ2のIDが含まれている。センシング情報記録部14は、人物特定情報が特定不可を示す場合、その人物特定情報に含まれるドライブレコーダ2のIDに対応するセンシングデータを特定する。そして、センシング情報記録部14は、特定不可を示す人物特定情報に対応して特定したセンシングデータを破棄する(S207)。このように、人物特定装置1は、車両20を運転する人物が特定できない場合のセンシングデータを破棄することができる。
【0034】
ドライブレコーダ2は、所定の待機時間に応じて撮影を待機し、再度、アップロード画像を生成して人物特定装置1へ送信する。認証部11は、ドライブレコーダ2からアップロード画像を受信する度に、上述の人物特定処理を繰り返し実行する。認証部11は、人物不特定と判定した場合、撮影画像のアップロードリトライ情報を生成して、通信モジュール105を介してドライブレコーダ2へ送信する(S208)。ドライブレコーダ2がアップロードリトライ情報を受信すると、カメラ制御部245は、待機時間を待たずにカメラ23を制御して撮影を行う。これにより、ドライブレコーダ2は、アップロード画像を再度生成して人物特定装置1へ送信する。
【0035】
認証部11は、アップロードリトライ情報をドライブレコーダ2に送信する回数(リトライ回数)をカウントする。認証部11は、リトライ回数が所定の閾値以上となったか否かを判定する(S209)。認証部11は、リトライ回数が所定の閾値以上であると判定すると、認証処理の時間間隔(認証間隔)を短く更新すると判定する。これは、認証部11が、所定の枚数の撮影画像に基づいて特定した人物の人物識別情報と、その人物識別情報が所定の人物を示す尤度とに基づいて、所定の閾値以上の尤度で所定の人物の特定が所定割合以上できない場合に、認証成功頻度を所望の値以上確保できないと判定する処理手順の一態様である。認証部11は、認証間隔更新部12に対してドライブレコーダ2のIDに係る認証間隔を短くするよう指示する。
【0036】
認証間隔更新部12は、各ドライブレコーダ2について認証間隔に相当する撮影待機時間を記憶している。認証間隔更新部12は各ドライブレコーダ2の撮影待機時間を参照して、認証部11から取得したドライブレコーダ2のIDについての撮影待機時間を短く設定し直して、新たな撮影待機時間としてドライブレコーダ2へ送信する(S210)。なお、新たな撮影待機時間は、元の撮影待機時間を所定の時間短くして設定してもよい。認証間隔更新部12は、通信モジュール105を介して新たな撮影待機時間をドライブレコーダ2へ送信する。ドライブレコーダ2は新たな撮影待機時間を受信して、パラメータ記録部244が既に記録した撮影待機時間を新たな撮影待機時間に更新する。カメラ制御部245は、新たな撮影待機時間に応じてカメラ23による撮影を制御する。これにより、ドライブレコーダ2がアップロード画像を送信する時間間隔が短くなり、人物特定装置1による人物特定処理(即ち、認証部11の人物の認証処理の時間間隔)も短くなる。
【0037】
上述のように、車両20のエンジン始動によりドライブレコーダ2が完全に起動するまでの時間、ドライブレコーダ2の起動後にカメラ23を起動するまでの時間、ドライブレコーダ2が基地局装置などとアクセスして通信可能状態に移行するまでの時間などの所定の時間が必要となる。また、ドライブレコーダ2がカメラ23の撮影画像(アップロード画像)を人物特定装置1へ送信完了するまでの時間も必要となる。特に、ドライブレコーダ2と人物特定装置1との間の通信回線の容量が小さい場合、撮影画像の送信完了までに比較的長い時間がかかる。車両20の運転者がエンジンONとエンジンOFFを短時間で繰り返す場合、その運転者の撮影画像を人物特定装置1が処理できないような状況が発生し、人物特定装置1は車両20の運転者の特定に失敗する。例えば、車両20(荷物を配送するトラックなど)が配送センタから出発して所定のエリア(配送センタの管轄するエリアなど)の近隣の住戸を巡回して荷物の配達を行う場合、車両20の運転者は荷物の積み込みや配達のたびにエンジンONやエンジンOFFを比較的短時間に繰り返すことがある。この場合、人物特定装置1がドライブレコーダ2の撮影待機時間を短く設定することにより、人物特定処理の時間間隔(人物の認証処理の時間間隔)を短くして、ドライブレコーダ2から撮影画像(アップロード画像)を繰り返し人物特定装置1へ送信させることにより、撮影画像に映る人物の認証成功頻度を高めることができる。
【0038】
上述のように、人物特定装置1では、認証部11がドライブレコーダ2から送信される撮影画像に映る人物が所定の人物(データベース106に予め記録された人物)であるか否かの一致判定を行い、その一致判定による所望の認証成功頻度を確保できない場合、認証間隔更新部12は一致判定を行う時間間隔(認証間隔)を短く更新する。
【0039】
人物特定装置1は、認証間隔更新部12による認証間隔を短く更新する処理の代わりに、または、認証間隔を短く更新する処理に加えて、カメラ23の撮影環境パラメータを更新するようにしてもよい。なお、撮影環境パラメータの更新は、カメラ23が鮮明な人物の撮影画像を取得するためのものである。
【0040】
この場合、認証部11は、アップロードリトライ情報を送信する回数(リトライ回数)が所定の閾値以上になった場合、カメラ23の撮影環境パラメータを更新すると判定する。認証部11は、撮影環境パラメータ更新部13に対して、ドライブレコーダIDと、撮影環境パラメータによりカメラ23の撮影画像の画質を向上するような指示を送出する。撮影環境パラメータ変更部13は、予め記憶した複数の撮影環境パラメータを参照して、認証部11から取得したドライブレコーダIDについて新たに撮影環境パラメータを設定し、その新たな撮影環境パラメータをドライブレコーダIDが示すドライブレコーダ2へ送信する。
【0041】
なお、新たな撮影環境パラメータとして、予め定められた撮影環境パラメータの値を用いてもよい。撮影環境パラメータ変更部13が変更する撮影環境パラメータとして種々のパラメータが挙げられる。例えば、撮影環境パラメータに1秒間当たりの撮影画像枚数や解像度を含む場合、新たな撮影環境パラメータでは、1秒間当たりの撮影画像枚数を増加し、解像度を増加してもよい。撮影環境パラメータにカメラ23がズーム機能を有することが含まれている場合、新たな撮影環境パラメータでは、カメラ23のズーム値を増大して撮影画像を拡大するようにしてもよい。また、ドライブレコーダ2から得られたセンシングデータが車両20の車内の暗さの度合いを示す場合、その暗さが所定の閾値以下(例えば、夜間)のときにカメラ23の露出を上げることを撮影環境パラメータとして設定してもよい。或いは、カメラ23の撮影時間を長くする(例えば、1回の送信でアップロード画像に含まれる撮影枚数を多くする)ことを撮影環境パラメータとして設定してもよい。
【0042】
そして、撮影環境パラメータ変更部13は、新たな撮影環境パラメータをドライブレコーダIDが示すドライブレコーダ2へ送信する(S211)。ドライブレコーダ2は新たな撮影環境パラメータを受信して、パラメータ記録部244が既に記憶した撮影環境パラメータを新たな撮影環境パラメータに更新する。カメラ制御部245は、新たな撮影環境パラメータに従って、カメラ23の撮影を制御する。これにより、ドライブレコーダ2が送信するアップロード画像に含まれる撮影画像が人物特定しやすいものとなり、人物特定装置1による認証成功頻度が高くなる。
【0043】
上述の処理により、人物特定装置1は、認証部11の一致判定において認証成功確率が低いことに起因して所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、一致判定の時間間隔を短く更新する。これにより、カメラ23の撮影画像を含むアップロード画像の送信の時間間隔が短くなり、人物特定装置1は頻繁に人物特定処理を実行することになり、認証成功頻度を高くすることができる。
【0044】
人物特定装置1は、車両20の動力(エンジンや電気モータなど)をオンオフする時間間隔が短いため所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、カメラなどで撮影した撮影映像に映る人物と予め登録された人物との一致判定を行う時間間隔を短く更新してもよい。具体的には、人物特定装置1の認証部11は、エンジンONやエンジンOFFの何れかを示す起動状態情報を記憶している。そして、エンジンONの期間とエンジンOFFの期間について過去の平均値を算出し、その平均値が所定閾値以下であり、かつ、アップロードリトライ情報の送信回数が所定の閾値以上の場合、認証部11は、認証間隔更新部12に対してドライブレコーダIDと認証間隔を短くする指示を送出する。認証間隔更新部12は、各ドライブレコーダ2について認証間隔に相当する撮影待機時間を記憶している。認証間隔更新部12は、その撮影待機時間のうち、認証部11から取得したドライブレコーダIDについて新たに短く設定した撮影待機時間をそのドライブレコーダIDが示すドライブレコーダ2へ送信する。これにより、車両20の動力をオンオフする時間間隔が短いことにより所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、一致判定を行う時間間隔を短く更新できるので、カメラ23の撮影画像を含むアップロード画像の送信の時間間隔が短くなり、人物特定装置1は比較的短時間に多くの人物特定処理を実行することができ、認証成功頻度を高めることができる。
【0045】
次に、本発明の一実施形態に係る人物特定装置1の技術的特徴について説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係る人物特定装置1の最小構成を示す。
図10は、本発明の一実施形態に係る人物特定装置1の最小の処理過程を示す(ステップS301、S302)。
図9に示すように、人物特定装置1は、少なくとも認証部11と認証間隔更新部12を備える。認証部11は、カメラなどで撮影した撮影画像に映る人物が予め登録された人物であるか否かの一致判定を行い、その一致判定により特定した人物を示す人物識別情報を生成する(S301)。認証間隔更新部12は、一致判定により所望の値以上の認証成功頻度を確保できない場合、一致判定を行う時間間隔を短く更新する(S302)。
【0046】
上述の説明では、人物特定装置1は、ドライブレコーダ2と無線通信で接続されたサーバ装置としているが、これに限定されるものではない。例えば、人物特定装置1を車両20の車内に配置してドライブレコーダ2と無線通信又は有線通信で接続してもよい。或いは、人物特定装置1の機能をドライブレコーダ2に組み込んでもよい。この場合、人物特定処理に係るプログラムがドライブレコーダ2の記憶装置25に記録されることになる。
【0047】
上述の装置(人物特定装置1やドライブレコーダ2など)は、コンピュータシステムを有しており、上述の処理過程はプログラムとしてコンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されている。このため、コンピュータ(例えば、CPUやプロセッサなど)がプログラムを読み取って実行することにより、上述の処理過程を実現している。コンピュータ読取可能な記憶媒体として、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。また、プログラムを通信回線経由でコンピュータに配信し、コンピュータがプログラムを実行するようにしてもよい。
【0048】
上述のプログラムは、上述の機能の一部を実現するものであってもよい。また、上述の機能をコンピュータシステムにプリインストールされているプログラムとの組み合わせで実現するような差分プロブラム(差分ファイル)としてもよい。
【0049】
最後に、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定した技術的範囲内における種々の設計変更や改変も包含するものである。
【0050】
本願は、2019年4月18日に、日本国に出願された特願2019-79335号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、車両に搭載されたカメラで撮影した運転者の顔画像が予め登録された人物と一致するか判定するものであるが、運転者以外の車内の人物や車外の人物(例えば、歩行者)の顔画像を撮影して人物を特定するようにしてもよい。また、撮影画像に映る人物が予め登録された人物と一致するかの一致判定を実行する時間間隔(または、人物の認証処理の時間間隔)を更新して認証成功頻度を向上させるという本発明の技術的特徴は、車両の搭乗者の認証処理に拘らず、交通システムや公共機関における人物の認証処理にも適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 人物特定装置
2 ドライブレコーダ
11 認証部(認証手段)
12 認証間隔更新部(認証間隔更新手段)
13 撮影環境パラメータ変更部(撮影環境パラメータ変更手段)
14 センシング情報記録部(センシング情報記録手段)
20 車両
241 アップロード画像生成部(アップロード画像生成手段)
242 起動状態通知部(起動状態通知手段)
243 画像送信部(画像送信手段)
244 パラメータ記録部(パラメータ記録手段)
245 カメラ制御部(カメラ制御手段)
246 センシングデータ送信部(センシングデータ送信手段)