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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】エレベーターの滑車と滑車の点検方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/08 20060101AFI20240228BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20240228BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B66B11/08 M
B66B5/00 D
B66B3/00 R
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023504917
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(86)【国際出願番号】 JP2021009265
(87)【国際公開番号】W WO2022190205
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 康雅
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-137285(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0318615(US,A1)
【文献】国際公開第2020/213090(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/08
B66B 7/06
B66B 5/00
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのロープが巻き掛けられるロープ溝と前記ロープ溝の底部に形成されたアンダーカット溝とを有した本体と、
前記アンダーカット溝の内部の一部において、前記アンダーカット溝の底部よりも前記本体の外周の側に設けられた少なくとも一つの検知体と、
を備え
前記少なくとも一つの検知体は、前記本体において前記ロープ溝が形成された部分よりも硬いエレベーターの滑車。
【請求項2】
前記本体は、
回転軸に取付けられた軸受部と、
前記軸受部の外側において環状に形成され、前記ロープ溝と前記アンダーカット溝とを有した環状部と、
前記軸受部から前記環状部に向かって放射状に形成され、前記環状部を支持する複数の支持部と、
を備え、
複数の検知体は、前記環状部において前記複数の支持部に支持された位置にそれぞれ設けられた請求項1に記載のエレベーターの滑車。
【請求項3】
エレベーターのロープが巻き掛けられるロープ溝と前記ロープ溝の底部に形成されたアンダーカット溝とを有した本体と、
前記アンダーカット溝の内部の一部において、前記アンダーカット溝の底部よりも前記本体の外周の側に設けられた少なくとも一つの検知体と、
を備え、
前記ロープ溝の摩耗が進行するまで、前記検知体が設けられている位置と設けられていない位置とにおいて前記ロープが前記ロープ溝の内面にのみ接触し、
前記ロープ溝の摩耗が進行すると前記ロープが前記検知体に接触するエレベーターの滑車。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の滑車が用いられたエレベーターのかごに振動検知器を設置する振動検知器設置工程と、
前記振動検知器設置工程の後、前記かごの昇降を開始させるかご昇降工程と、
前記かご昇降工程の後、前記滑車の回転と前記かごの昇降とが連動する状態において、前記振動検知器により前記かごの振動を検知するかご振動検知工程と、
を備えたエレベーターの滑車の点検方法。
【請求項5】
前記かご振動検知工程の後、計算機により前記かご振動検知工程において検知された周期的な振動の大きさが予め設定された大きさよりも大きいか否かを判定する振動判定工程と、
前記振動判定工程において前記かご振動検知工程において検知された周期的な振動の大きさが予め設定された大きさよりも大きいと判定された場合に前記計算機から判定結果に対応した情報を出力する情報出力工程と、
を備えた請求項にエレベーターの滑車の点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターの滑車と滑車の点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターのロープ溝の測定治具を開示する。当該測定治具によれば、ロープ溝の状態を判定し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本特開2013-256341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の測定治具においては、ロープが巻き掛けられていない位置において、ロープ溝の摩耗状態を測定する必要がある。このため、作業しにくい位置においてロープ溝の摩耗状態を判定する必要がある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、ロープ溝の摩耗状態を容易に判定することができるエレベーターの滑車と滑車の点検方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターの滑車は、エレベーターのロープが巻き掛けられるロープ溝と前記ロープ溝の底部に形成されたアンダーカット溝とを有した本体と、前記アンダーカット溝の内部の一部において、前記アンダーカット溝の底部よりも前記本体の外周の側に設けられた少なくとも一つの検知体と、を備え、前記少なくとも一つの検知体は、前記本体において前記ロープ溝が形成された部分よりも硬い
また、本開示に係るエレベーターの滑車は、エレベーターのロープが巻き掛けられるロープ溝と前記ロープ溝の底部に形成されたアンダーカット溝とを有した本体と、前記アンダーカット溝の内部の一部において、前記アンダーカット溝の底部よりも前記本体の外周の側に設けられた少なくとも一つの検知体と、を備え、前記ロープ溝の摩耗が進行するまで、前記検知体が設けられている位置と設けられていない位置とにおいて前記ロープが前記ロープ溝の内面にのみ接触し、前記ロープ溝の摩耗が進行すると前記ロープが前記検知体に接触する。
【0007】
本開示に係るエレベーターの滑車の点検方法は、滑車が用いられたエレベーターのかごに振動検知器を設置する振動検知器設置工程と、前記振動検知器設置工程の後、前記かごの昇降を開始させるかご昇降工程と、前記かご昇降工程の後、前記かごの昇降に追従して前記滑車が回転する状態において、前記振動検知器により前記かごの振動を検知するかご振動検知工程と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、検知体は、アンダーカット溝の内部の一部において、アンダーカット溝の底部よりも本体の外周の側に設けられる。このため、ロープ溝14の摩耗状態を容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1におけるエレベーターの滑車が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車の正面図である。
図3】実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車の要部の断面図である。
図4】実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれた位置での断面図である。
図5】実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれた位置でのロープ溝の摩耗状態を示す断面図である。
図6】実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれていない位置でのロープ溝の摩耗状態を示す断面図である。
図7】実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれた位置での摩耗の進行状態を示す断面図である。
図8】実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれていない位置での摩耗の進行状態を示す断面図である。
図9】実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車の摩耗の進行状態を示す要部の正面図である。
図10】実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車の点検方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの滑車が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【0012】
図1のエレベーターシステムにおいて、昇降路1は、図示されない建築物の各階を貫く。巻上機2は、昇降路1の上部に設けられる。巻上機2は、滑車としての綱車2aを備える。主ロープ3は、綱車2aに巻き掛けられる。
【0013】
一対のかご側ガイドレール4は、昇降路1の内部に設けられる。一対のかご側ガイドレール4の各々の長手方向は、鉛直方向である。かご5は、昇降路1の内部に設けられる。かご5は、滑車としての一対のかご側吊り車5aを介して下方から主ロープ3の一側に支持される。かご5は、一対のかご側ガイドレール4に鉛直方向に案内される。
【0014】
一対のおもり側ガイドレール6は、昇降路1の内部に設けられる。一対のおもり側ガイドレール6の各々の長手方向は、鉛直方向である。つり合いおもり7は、昇降路1の内部に設けられる。つり合いおもり7の上部は、滑車としてのおもり側吊り車7aを介して主ロープ3の他側に支持される。つり合いおもり7は、一対のおもり側ガイドレール6に鉛直方向に案内される。
【0015】
ガバナ8は、滑車として昇降路1の上部に設けられる。張り車9は、滑車として昇降路1の下部に設けられる。ガバナロープ10は、無端状に設けられる。ガバナロープ10は、ガバナ8と張り車9とに巻き掛けられる。
【0016】
制御装置11は、昇降路1の上部に設けられる。制御装置11は、エレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。
【0017】
図1のエレベーターにおいて、制御装置11は、巻上機2を回転させる。綱車2aは、巻上機2の回転に追従して回転する。主ロープ3は、綱車2aの回転に追従して移動する。かご5とつり合いおもり7とは、主ロープ3の移動に追従して互いに反対方向に昇降する。この際、ガバナロープ10は、かご5の昇降に追従して移動する。ガバナ8は、ガバナロープ10の移動に追従して回転する。制御装置11は、ガバナ8の回転速度に基づいてかご5の鉛直方向の位置を認識する。
【0018】
次に、図2図3とを用いて、綱車2aを説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車の正面図である。図3は実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車の要部の断面図である。
【0019】
図2に示されるように、綱車2aは、本体12と複数の検知体13とを備える。
【0020】
本体12は、軸受部12aと環状部12bと複数の支持部12cとを備える。
【0021】
軸受部12aは、環状に形成される。軸受部12aは、巻上機2の回転軸に取付けられる。
【0022】
環状部12bは、軸受部12aの外側において環状に形成される。環状部12bは、軸受部12aの同心円上に配置される。環状部12bは、ロープ溝14とアンダーカット溝15とを有する。ロープ溝14は、綱車2aの外周面において無端状に形成される。アンダーカット溝15は、ロープ溝14の底部において無端状に形成される。
【0023】
複数の支持部12cは、軸受部12aから環状部12bに向かって放射状に等間隔で形成される。複数の支持部12cは、環状部12bを支持する。
【0024】
複数の検知体13は、本体12の環状部12bにロープ溝14が形成された部分よりも硬い材料で形成される。複数の検知体13は、等間隔で配置される。複数の検知体13は、環状部12bにおいて複数の支持部12cに支持された位置にそれぞれ設けられる。複数の検知体13は、それぞれの位置においてアンダーカット溝15の底部よりも本体12の環状部12bの外周の側に設けられる。
【0025】
例えば、図3に示されるように、検知体13は、ピンである。当該ピンは、本体12の環状部12bの外周の側からアンダーカット溝15の底部に打ち込まれる。この際、当該ピンの端面の高さは、アンダーカット溝15の底部から予め設定された高さに設定される。例えば、複数のピンが同じ高さになるように設定される。
【0026】
次に、図4を用いて、綱車2aと主ロープ3との位置関係を説明する。
図4は実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれた位置での断面図である。
【0027】
図4に示されるように、主ロープ3は、ロープ溝14に巻き掛けられる。ロープ溝14の摩耗が進行していない場合、アンダーカット溝15の内部において、主ロープ3と検知体13との間には、隙間が形成される。
【0028】
次に、図5図6とを用いて、ロープ溝14の摩耗状態を説明する。
図5は実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれた位置でのロープ溝の摩耗状態を示す断面図である。図6は実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれていない位置でのロープ溝の摩耗状態を示す断面図である。
【0029】
図5は、ロープ溝14の摩耗が進行して主ロープ3が検知体13の端面に接触した状態を示す。この状態になるまで、主ロープ3と検知体13との間には、隙間が残る。このため、主ロープ3は、検知体13が打ち込まれている位置と打ち込まれていない位置とにおいてロープ溝14の内面にのみ接触する。その結果、図5図6とに示されるように、ロープ溝14は、検知体13が打ち込まれている位置と打ち込まれていない位置とにおいて同等に摩耗する。
【0030】
次に、図7から図9を用いて、ロープ溝14の摩耗の進行状態を説明する。
図7は実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれた位置での摩耗の進行状態を示す断面図である。図8は実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車において検知体が打ち込まれていない位置での摩耗の進行状態を示す断面図である。図9は実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車の摩耗の進行状態を示す要部の正面図である。
【0031】
図7に示されるように、ロープ溝14の摩耗が進行した場合、検知体13が打ち込まれている位置において、主ロープ3は、ロープ溝14の内面と検知体13の端面とに接触する。これに対し、図8に示されるように、検知体13が打ち込まれていない位置において、主ロープ3は、ロープ溝14の内面にのみ接触する。その結果、図7図8とに示されるように、ロープ溝14は、検知体13が打ち込まれている位置と打ち込まれていない位置とにおいて異なる状態で摩耗する。具体的には、ロープ溝14は、検知体13が打ち込まれている位置においてより少なく摩耗する。ロープ溝14は、検知体13が打ち込まれている位置においてより多く摩耗する。
【0032】
このように、ロープ溝14の摩耗が進行する結果、図9に示されるように、ロープ溝14の摩耗状態は、円周方向にうねる。
【0033】
次に、図10を用いて、綱車2aの点検方法を説明する。
図10は実施の形態1におけるエレベーターの滑車としての綱車の点検方法を説明するための図である。
【0034】
図10に示されるように、綱車2aの点検の開始時において、振動検知器設置工程が行われる。振動検知器設定工程においては、スマートフォン16がかご5に設置される。(ここで示すスマートフォンは、加速度センサを備えたものに限る。)例えば、スマートフォン16がかご5の床に一時的に設置される。
【0035】
その後、かご昇降工程が行われる。かご昇降工程において、かご5の昇降が開始される。例えば、エレベーターの運転モードが点検モードに切り替えられた後、かご5の昇降が開始される。この際、綱車2aの回転とかご5の昇降とは連動する。
【0036】
その後、かご振動検知工程が行われる。かご振動検知工程においては、スマートフォン16がかご5の振動を検知する。ロープ溝14の摩耗状態が円周方向にうねっている場合、綱車2aの振動は、複数の検知体13の位置に応じて周期的な振動となる。当該振動は、主ロープ3を介してかご5に伝わる。スマートフォン16は、当該振動を検知する。
【0037】
その後、振動判定工程が行われる。振動判定工程においては、スマートフォン16がかご5の振動を判定する。例えば、スマートフォン16は、かご5の周期的な振動の大きさが予め設定された大きさよりも大きいか否かを判定する。
【0038】
その後、情報出力工程が行われる。情報出力工程においては、スマートフォン16がかご5の振動の判定結果に対応した情報を出力する。例えば、かご5の周期的な振動の大きさが予め設定された大きさよりも大きい場合、スマートフォン16は、綱車2aを交換するべきであることを示す情報を表示したり外部へ送信したりする。
【0039】
以上で説明した実施の形態1によれば、複数の検知体13は、アンダーカット溝15の内部の一部において、アンダーカット溝15の底部よりも本体12の外周の側に設けられる。このため、かご5の周期的な振動を判定することで、ロープ溝14の摩耗状態を容易に判定することができる。
【0040】
この際、ロープ溝14から染み出した油がロープ溝周辺に固着しても、溶剤で当該油を拭き取ることなく、かご5の周期的な振動を判定することができる。このため、ロープ溝14の摩耗状態を短時間で判定することができる。
【0041】
また、複数の検知体13は、本体12においてロープ溝14が形成された部分よりも硬い。このため、ロープ溝14の摩耗が進行した際のロープ溝14の摩耗状態のうねりをより大きくすることができる。その結果、ロープ溝14の摩耗状態をより確実に判定することができる。
【0042】
なお、複数の検知体13の硬さは、主ロープ3を傷つけない程度の硬さであることが好ましい。
【0043】
また、複数の検知体13は、本体12の環状部において複数の支持部12cに支持された位置にそれぞれ設けられる。このため、複数の検知体13が設けられた位置において、ロープ溝14の摩耗の進行をより遅らせることができる。その結果、ロープ溝14の摩耗が進行した際のロープ溝14の摩耗状態のうねりをより大きくすることができる。
【0044】
なお、検知体13は、少なくとも一つあればよい。この場合も、かご5の周期的な振動を判定することで、ロープ溝14の摩耗状態を容易に判定することができる。
【0045】
また、環状部12bの側面から検知体13を打ち込んで、アンダーカット溝15の内部において、主ロープ3と検知体13との間に隙間を形成してもよい。この場合も、かご5の周期的な振動を判定することで、ロープ溝14の摩耗状態を容易に判定することができる。
【0046】
また、かご5の振動の検知、かご5の振動の判定、情報の出力についての一連の動作を行うためのアプリケーションをスマートフォン16にインストールしておけば、ロープ溝14の摩耗状態をより容易に判定することができる。
【0047】
この際、スマートフォン16をかご5に常時設置し、当該アプリケーションにおいて遠隔操作を許可する設定がなされていれば、エレベーターが設置された建築物に出向くことなく、ロープ溝14の摩耗状態を遠隔監視することができる。
【0048】
また、スマートフォン16以外の振動検知器でかご5の振動を検知してもよい。この場合でも、ロープ溝14の摩耗状態を容易に判定することができる。
【0049】
また、スマートフォン16以外の計算機によりかご5の振動を判定したり情報を出力したりしてもよい。この場合でも、ロープ溝14の摩耗状態を容易に判定することができる。
【0050】
また、少なくとも一つの検知体13を綱車2a以外の滑車に適用してもよい。例えば、少なくとも一つの検知体13をかご側吊り車5aに適用してもよい。例えば、少なくとも一つの検知体13をおもり側吊り車7aに適用してもよい。例えば、少なくとも一つの検知体13をおもり側吊り車7aに適用してもよい。これらの場合も、ロープ溝14の摩耗状態を容易に判定することができる。
【0051】
また、昇降路の下部に巻上機2、制御装置11が設けられるエレベーターまたは機械室に巻上機2、制御装置11が設けられるエレベーターに対し、実施の形態1の滑車を適用してよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本開示のエレベーターの滑車と滑車の点検方法は、エレベーターシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0053】
1 昇降路、 2 巻上機、 2a 綱車、 3 主ロープ、 4 かご側ガイドレール、 5 かご、 5a かご側吊り車、 6 おもり側ガイドレール、 7 つり合いおもり、 7a おもり側吊り車、 8 ガバナ、 9 張り車、 10 ガバナロープ、 11 制御装置、 12 本体、 12a 軸受部、 12b 環状部、 12c 支持部、 13 検知体、 14 ロープ溝、 15 アンダーカット溝、 16 スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10