(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】健康増進シール
(51)【国際特許分類】
A61N 1/04 20060101AFI20240228BHJP
A23B 7/157 20060101ALI20240228BHJP
A61H 39/04 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
A61N1/04
A23B7/157
A61H39/04 Z
(21)【出願番号】P 2020116412
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2023-07-04
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520187528
【氏名又は名称】ミラパ合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【氏名又は名称】中井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】加藤 成一
(72)【発明者】
【氏名】藤牧 秀建
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-208955(JP,A)
【文献】特開平11-319118(JP,A)
【文献】実開平03-078558(JP,U)
【文献】実開昭59-102036(JP,U)
【文献】登録実用新案第3049245(JP,U)
【文献】特開昭62-277970(JP,A)
【文献】特表2002-516120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00
A61H 39/00
A23B 7/157
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の皮膚や動植物に貼着する健康増進シールであって、
イオン化傾向の異なる複数種別の金属板を、
輪郭を同一にして層状に貼り合わせて構成され、
前記複数種別の金属板は、銅板を中間として、銅板の表面にアルミ板、銅板の裏面にステンレス板を貼り合わせている健康増進シール。
【請求項2】
請求項1において、
前記金属板の輪郭形状は、六角形状であることを特徴とする健康増進シール。
【請求項3】
請求項1において、
前記銅板を銀又は金箔で包み込んでいることを特徴とする健康増進シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動植物や食品などの細胞活性化のために有益な刺激を与えることが出来る新規な機能性シールに関する。
【背景技術】
【0002】
次の特許文献には、健康増進効果をうたったツボ電位圧調整器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前記特許文献のツボ電位圧調整器は、穏やかに経絡や生体のバランスを図るという効能を発揮すると言われているが、具体的な効果は明らかにされておらず、電池や電源コードが必要とされ、エネルギーを消費し扱い難い。
これに対して本発明は、電池や電源を必要とせず、適所に貼付するだけの簡易な構造で、動植物、食品等の酸化抑制、植物成長、健康増進促進等において顕著な効果が得られる金属シールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、同一輪郭かつイオン化傾向の異なる複数種別の金属板を貼り合わせてなり、複数種別の金属板は、銅板を中間として、銅板の表面にアルミ板、銅板の裏面にステンレス板を貼り合わせてなることを特徴としている。
【0006】
また対象物を前記小型効能器具が外表面に貼り付けられた状態として保存することを特徴とする酸化抑制方法を提案する。
【0007】
また、望ましい実施例では、銅板の表面にアルミ板、銅板の裏面にステンレス板を貼り付けて構成されている。
【0008】
更に望ましい実施例では、金属板の輪郭形状は少なくとも対向する2頂点の角度がいずれも略120度の六角形に形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明による健康増進シールは、適所に貼付するだけの簡単な構造体であり、食品等の酸化(腐敗)を抑制し、植物の成長を促進し、健康回復を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)、(b)は本発明シールの平面図及び正面図である。
【
図3】(a)~(d)は食品に対する酸化抑制効果(腐敗抑制)の実験例を示す写真である。
【
図4】(a)、(b)は植物の成長促進効果の一実験例を示す写真である。
【
図5】(a)、(b)は植物の成長促進効果の他の実験例を示す写真である。
【
図6】(a)、(b)は皮膚の健康回復効果の実験例を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
健康増進シールの構造的特徴
図1(a)、(b)は本発明のシールの平面図及び正面図、
図2は全体の分解斜視図である。
このシールAは、
イオン化傾向の異なる複数種別の金属板を、
同一輪郭にして層状に貼り合わせた簡単な構造である。
複数種別の金属板としては、例えばアルミ板10と銅板20とステンレス板30との3種類で構成してもよいし、アルミ板10と銅板20との2種類としてもよい。
金属板はこれらに限定されず、人体等に無害なものであれば適宜使用できる。
また、金属板の厚みは特に制限されないが、例えば数百ミクロン程度でよい。貼り合わせは接着剤等で行えばよく、その際に電気的に導通するものが好ましい。
アルミ板10、銅板20、ステンレス板30については、それぞれの粘着剤付金属テープが市販されているので、これらを使用すれば簡単かつ安価に製造できる。
複数種別の金属板は、イオン化傾向に基づいた順序で貼り合わせられている。
例えば、アルミ板10、銅板20、ステンレス板30の場合は、イオン化傾向はアルミ>銅>ステンレスになっているので、その順序で貼り合わせればよく、この場合は、銅板20が真ん中に位置する。
シールAの寸法、形状は、幅及び長さを1~2センチ程度とし、少なくとも
対向する2頂点の角度がいずれも略120度の六角形とするとよい。このような寸法、サイズは使い勝手がよく、また実験においても良好な結果が得られている。
【0012】
健康増進シールの動植物細胞に対する効果
本発明者によれば、次のような様々な効果を確認している。
食品等の対象物に、シールAを貼付けると(対象物に直接又はラップ等越しに接触させる)、対象物の酸化(腐敗)が抑制された。シールAの貼付には医療用テープを用いるとよい。
図3(a)~(d)はそのような酸化抑制効果の実験例を示す写真である。この実験では、カットした2つのリンゴ果実を用い、その一方の果実は
図3(a)に示すようにラップに包み更にシールAを貼付けた状態、他方の果実は
図3(b)に示すようにラップに包んだだけで両者の時間変化を観察比較した。
10日経過後、前者のリンゴ果実は黒く変色しているもののカビの発生はわずかであったのに対して、後者のリンゴ果実は黒く変色しかつカビの発生も顕著であった。
この実験から、シールAによる酸化抑制効果が確認できた。
【0013】
シールAを、水を入れた容器の外表面に貼付し、その水を対象植物に吸収させて育成させることで、野菜等、植物の成長効果が確認できた。
図4(a)、(b)はそのような植物の成長促進効果の実験例を示す写真である。
この実験では、豆苗の株を2つに分けて、その一方の豆苗には前記のように、シールAが外表面に貼り付けられた容器に水道水を入れて時間経過させたあとの水を与えて育成し、他方には水道水をそのまま与えて育成して、両者の成長具合を観察比較した。
6日経過後、前者の豆苗は背が高く葉も多く付けているのに対して、後者の豆苗は背も低く葉も少なかった。
この実験から、シールAによって前記のような成長促進効果が確認できた。
シールAを用いて生成された水は時間経過後も濁ったり、異臭、ヌメリ等を生じることがなく、植物による吸収量もずっと多かった。また、シールAを水に沈めて所定時間経過させたあとの水を用いた場合も同様の効果が得られた。
【0014】
また対象植物を、シールAが近傍に配置された状態で育成しても、植物の成長が促進された。具体的には、シールAを植物の近傍に埋めてもよく、植物の茎等に貼り付けてもよい。
図5(a)、(b)はそのような植物の成長促進効果の実験例を示す写真である。
この実験では、2つのチューリップの苗を用い、一方のチューリップ苗の根近傍にシールAを埋め、他方のチューリップ苗は小型効能器具Aを埋めず、両者の成長具体を観察比較した。
7日経過後、前者のチューリップ苗は葉の先端側が幅広く力強い印象なのに対して、後者のチューリップ苗は葉の先端側が幅広いということはなく力強い印象もなかった。
この実験から、シールAによって前記のような成長促進効果が確認できた。
【0015】
また人体の適所にシールAを貼り付けて生活させることで、健康増進が促進される。
図6(a)、(b)はそのような実験例を示す写真である。この実験では、外科手術による皮膚縫合部位にシールAを貼付けて時間経過を観察した。
貼付け部位は、「 ( )及び「 ) 」マークで示している。
シールAを貼付ける前の段階では、
図6(a)に示すように縫合部位の下側に内出血跡が目立ち患者もその部分に違和感を訴えていたが、21日経過後には内出血跡が縮小し患者もその部分の違和感を訴えなくなった。
この実験から、シールAによる健康増進、回復の促進作用が確認できた。
更に、シールAを構成する銅板20を銀箔あるいは金箔で包んだ場合は人体に対して低刺激性になって、同様な効果があることも他の実験によって確かめられた。
【0016】
以上説明したように、本発明シールAは様々な効果を発揮することが前記のような実験を繰り返すことによって確認できた。また、これらの実験に再現性もあるが、作用原理は現時点では明確になっていない。
しかしながら、本発明者らが敢えて推論すると、シールAを構成する銅板20による抗菌作用、また複数種別の金属板を貼り合わせることで形成される電池による微弱電流の刺激作用、対象物に貼り付けることによる電位レベルの調節作用、静電気の空中放電作用(形状が特定の六角形の場合に強い効果が確認された)等の複数の作用が複合的に加わったものであると推測している。
【符号の説明】
【0017】
A シール
10 アルミ板
20 銅板
30 ステンレス板