(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】吸収性要素を有する電子蒸気供給装置及びそのコンポーネント
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240228BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20240228BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022090969
(22)【出願日】2022-06-03
(62)【分割の表示】P 2020193514の分割
【原出願日】2017-08-09
【審査請求日】2022-06-03
(32)【優先日】2016-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】フレイザー, ロリー
(72)【発明者】
【氏名】ロスウェル, ハワード
(72)【発明者】
【氏名】トラーニ, マリナ
(72)【発明者】
【氏名】ガーネット, キャロリン
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-506182(JP,A)
【文献】特表2015-509718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0073692(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子蒸気供給装置のコンポーネントであって、
前記電子蒸気供給装置が、原料液体を貯蔵するリザーバと、前記リザーバから
原料液体を吸い上げ、前記原料液体を気化して蒸気を前記電子蒸気供給装置を通る空気流路に供給する
多孔質導電性メッシュを有するアトマイザと、前記アトマイザに電力を供給する電源とを有し、
当該コンポーネントが、前記リザーバからの原料液体を捕集するため
に吸収性要素を備え、
当該コンポーネントが前記電子蒸気供給装置に組み込まれた場合に、前記吸収性要素が、前記空気流路に沿う空気流の方向に関して前記アトマイザの上流となるように配置され、前記吸収性要素が平坦な形状である、コンポーネント。
【請求項2】
前記吸収性要素が、組み立てられた前記電子蒸気供給装置における前記アトマイザから前記電源への液体流路に沿って前記アトマイザと前記電源との間にあるように配置されている、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項3】
前記吸収性要素が、前記リザーバからの前記原料液体が当該コンポーネントから出ることを抑制する、請求項1又は2に記載のコンポーネント。
【請求項4】
前記吸収性要素が、前記リザーバからの前記原料液体が前記電源に到達することを抑制する、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項5】
前記電源がバッテリーを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項6】
前記電源が、前記アトマイザへの電力の供給を制御するための制御回路を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項7】
前記吸収性要素が、当該コンポーネントの端面に隣り合って配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項8】
当該コンポーネントの前記端面が、前記電子蒸気供給装置の他のコンポーネントに接続可能である当該コンポーネントの端部にある、請求項7に記載のコンポーネント。
【請求項9】
当該コンポーネントが、前記リザーバと前記アトマイザとを収容するカトマイザコンポーネントであり、当該コンポーネントが、前記電源を収容する電源コンポーネントに接続可能であり、前記吸収性要素が、前
記原料液体が前記カトマイザコンポーネントから出ることを抑制するように且つ前記カトマイザコンポーネントが前記電源コンポーネントに接続されている場合に前
記原料液体が前記電源に到達することを抑制するように配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項10】
前記吸収性要素が、前記カトマイザコンポーネントのエンドキャップ内に取り付けられており、前記エンドキャップが、当該コンポーネントが接続可能である前記電子蒸気供給装置の電源コンポーネント内に収容された電源と電気的に接触することができるように構成されている、請求項9に記載のコンポーネント。
【請求項11】
当該コンポーネントが、前記電源を収容する電源コンポーネントであり、当該コンポーネントが、前記リザーバと前記アトマイザとを収容するカトマイザコンポーネントに接続可能であり、前記吸収性要素が、前記電源コンポーネントが前記カトマイザコンポーネントに接続されている場合に前
記原料液体が前記電源に到達することを抑制するように配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項12】
前記吸収性要素の、その平面に対して直交する方向の厚さが1mm~10mmの範囲内にある、請求項1~11のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のコンポーネントを備える電子蒸気供給装置。
【請求項14】
前記コンポーネントが、当該電子蒸気供給装置の他のコンポーネントに分離可能に接続することができる、請求項13に記載の電子蒸気供給装置。
【請求項15】
前記コンポーネントが、当該電子蒸気供給装置の恒久的なコンポーネントである、請求項13に記載の電子蒸気供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子蒸気供給装置、及び電子蒸気供給装置のコンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
eシガレット等のエアロゾル供給システム又は蒸気供給システムは、ニコチンが通常含まれる配合物を含有する原料液体(source liquid)のリザーバを一般に収容し、この原料液体からエアロゾルを気化又は他の手段によって生成する。したがって、蒸気供給システムのエアロゾル供給源は、リザーバからの原料液体の一部分と組み合わされる加熱要素を備え得る。一部のシステムでは、加熱要素及びリザーバは、電力を加熱要素に供給するバッテリーを収容する第2のセクション又はコンポーネントに接続される第1のセクション又はコンポーネントの中に設けられる。この第1のセクションはカトマイザと呼ばれることがあり、原料液体が消費されたときに交換されるように使い捨てにすることができる。使用時、使用者が装置を吸うと、少量の原料液体を気化する加熱要素が作動され、そうして原料液体は、使用者が吸い込むためのエアロゾルに変換される。
【0003】
リザーバは、自由流動性の原料液体を保持してもよく、又は原料液体に浸された何らかの吸収性材料を収容してもよい。リザーバは、原料液体がリザーバから出て加熱要素に到達し、加熱要素が高温になったときに気化されるように設計されている。これは、リザーバ内に達して加熱要素に物理的に結合されている多孔質の毛管作用要素の使用によるものである。しかしながら、原料液体についてのこの想定された結果とは別に、リザーバ及びアトマイザの構成は、例えばゆっくりとした浸透によって、又は周囲圧力若しくは温度、又は昇降を通る液体にかかる物理的な衝撃によって生ずる瞬間的な圧力波の変化によって、気化することなく原料液体をリザーバから漏洩させる場合がある。漏れを生じるおそれのある地点としては、リザーバ壁の別々のセクション間の接合部、リザーバが隣接するコンポーネントに接続される接合部、及びリザーバを充填するための取外し可能なキャップ又はプラグの周り、及び毛管作用要素がリザーバ壁を貫通する箇所がある。このような場所でリザーバから漏洩した液体は、加熱要素で十分に気化されない可能性があり、短絡又は腐食損傷を引き起こすおそれのあるバッテリー又は制御電子機器に到達したり、電子たばこ又はそのコンポーネント全体から漏れ出たり、使用者の所持品を汚したりする等、望ましくない箇所に流れていきやすい。
【0004】
このような問題を軽減することを目的とした手段が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本書に記載された特定の実施形態の第1の態様によれば、電子蒸気供給装置のコンポーネントが提供され、この電子蒸気供給装置は、原料液体を貯蔵するリザーバと、リザーバから原料液体を気化して蒸気を電子蒸気供給装置を通る空気流路に供給するアトマイザと、アトマイザに電力を供給する電源とを有し、当該コンポーネントは、リザーバから漏洩した原料液体を捕集するために吸収性要素を備え、当該コンポーネントが電子蒸気供給装置に組み込まれた場合に、吸収性要素は、空気流路に沿う空気流の方向に関してアトマイザの上流となるように配置される。吸収性要素は、組み立てられた電子蒸気供給装置におけるアトマイザから電源への液体流路に沿ってアトマイザと電源との間にあるように配置されるとよい。
【0006】
吸収性要素は、前記漏洩した原料液体が当該コンポーネントから出ることを抑制するようにすることがよい。代替的に又は追加的に、吸収性要素は、漏洩した原料液体が電源に到達することを抑制するようにすることがよい。電源はバッテリーを備えるものであるとよい。代替的に又は追加的に、電源は、アトマイザへの電力の供給を制御するための制御回路を備えるものであるとよい。
【0007】
吸収性要素は、当該コンポーネントの端面に隣り合って配置されるとよい。当該コンポーネントの前記端面は、電子蒸気供給装置の他のコンポーネントに接続可能である当該コンポーネントの端部にある場合がある。
【0008】
当該コンポーネントは、リザーバとアトマイザとを収容するカトマイザコンポーネントであり、当該コンポーネントはまた、電源を収容する電源コンポーネントに接続可能であるものとすることができ、その場合、吸収性要素は、漏洩した原料液体がカトマイザコンポーネントから出ることを抑制するように且つカトマイザコンポーネントが電源コンポーネントに接続されている場合に漏洩した原料液体が電源に到達することを抑制するように配置される。吸収性要素は、カトマイザコンポーネントのエンドキャップ内に取り付けられるとよく、エンドキャップは、当該コンポーネントが接続可能である電子蒸気供給装置の電源コンポーネント内に収容された電源と電気的に接触することができるように構成される。
【0009】
或いは、当該コンポーネントは、電源を収容する電源コンポーネントであり、当該コンポーネントが、リザーバとアトマイザとを収容するカトマイザコンポーネントに接続可能であるものとすることができ、その場合、吸収性要素は、電源コンポーネントがカトマイザコンポーネントに接続されている場合に漏洩した原料液体が電源に到達することを抑制するように配置される。
【0010】
吸収性要素は、平坦な形状であり、その平面に対して直交する方向の厚さが1mm~10mmの範囲内にあるものとすることができる。
【0011】
吸収性要素は、ポリプロピレンとポリエチレンとを含む吸収性材料から形成され得る。例えば、吸収性材料は、50%のポリプロピリン及び50%のポリエチレン、45%~55%の範囲のポリプロピレン及び55%~45%の範囲のポリエチレン、48%~52%の範囲のポリプロピレン及び52%~48%の範囲のポリエチレン、又は49%~51%の範囲のポリプロピレン及び51%~49%の範囲のポリエチレンを含むものとすることができる。
【0012】
吸収性要素は、完全に湿潤状態とされた場合に、1%以下、3%以下、5%以下、10%以下又は20%以下で体積が増加する吸収性材料から形成されるとよい。
【0013】
特定の実施形態の第2の態様によれば、第1の態様によるコンポーネントを備える電子蒸気供給装置が提供される。コンポーネントは、当該電子蒸気供給装置の他のコンポーネントに分離可能に接続することができるものであってもよく、又は、当該電子蒸気供給装置の恒久的なコンポーネントであってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態の上記及びさらなる態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、請求項に明示されているもの以外に、互いに、また独立請求項の特徴と組み合わせて、一緒にできることを理解されたい。さらに、本書に記載の手法は、以下に示されたような特定の実施形態に限定されるものではなく、本書に提示された特徴の任意の適切な組み合わせを含み、企図している。例えば、以下で説明する様々な特徴のうちの任意の一つ以上を適宜含む電子蒸気供給装置及びそのコンポーネントが、本書に記載の手法により実現され得る。
【0015】
次に、様々な実施形態について、単なる例として添付の図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】例示的な電子タバコすなわち電子蒸気供給装置の簡略化した概略断面図である。
【
図2】リザーバ及びアトマイザを含む、電子タバコの第1の例示的なエアロゾル供給源供給源を示す概略断面図である。
【
図3】リザーバ及びアトマイザを含む、電子タバコの第2の例示的なエアロゾル供給源供給源を示す概略断面図である。
【
図4】例示的な吸収性要素を含む電子タバコの例示的なカトマイザコンポーネントを示す概略断面図である。
【
図5A】例示的なカトマイザの部品を示す側面図である。
【
図5C】
図5B及び
図5Cのカトマイザから外したコネクタエンドキャップと吸収性要素を示す斜視図である。
【
図6A】カトマイザの別の例示的なエンドキャップを示す断面図である。
【
図6B】例示的な吸収性要素と共に
図6Aのエンドキャップを示す図である。
【
図7A】カトマイザの別の例示的なエンドキャップを示す内部斜視図である。
【
図7B】
図7Aのエンドキャップと共に用いられる例示的な吸収性要素を示す斜視図である。
【
図7C】
図7Aのエンドキャップを有する例示的なカトマイザを示す端部からの斜視図である。
【
図8】例示的な吸収性要素を含む電子タバコの例示的な電源コンポーネントを示す概略断面図である。
【
図9】別の例示的な吸収性要素を含む別のカトマイザコンポーネントを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
特定の例及び実施形態の態様及び特徴について、本書において論じられ説明されている。しかし、特定の例及び実施形態における幾つかの態様及び特徴は、従来一般に具現化されている場合もあり、それらは簡略化するために詳細には論じることも説明することもしない。したがって、詳細に説明していない本書で論じた装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を具現化するための任意の従来技術に従って具現化され得ることは理解されたい。
【0018】
上述したように、本開示はeシガレットのような電子エアロゾル供給システム又は電子蒸気供給システムに関する(但し、これに限定されない)。以下の説明全体を通して、用語「eシガレット」及び「電子タバコ」が場合によって使用されることがあるが、これらの用語はエアロゾル(蒸気)供給システム又は装置と互換的に使用され得ることを理解されたい。同様に、「エアロゾル」は「蒸気」と互換的に使用され得る。
【0019】
本書で使用される場合、用語「コンポーネント」は、電子タバコの部品、セクション、ユニット、モジュール、アセンブリ、その他の同様なものを指すために用いられ、この部品等はいくつかのより小さな部品又は要素を、多くの場合、外部ハウジング又は壁内に組み込んでいる。電子タバコは、一つ以上のこのようなコンポーネントから形成され又は組み立てられ、これらのコンポーネントは、互いに分離可能に接続されてもよく、或いは、電子タバコ全体を形成するための製造中に互いに永久的に結合されてもよい。
【0020】
図1は、eシガレット10のような例示的なエアロゾル/蒸気供給システムの非常に概略的な図である(正確な縮尺ではない)。eシガレットは、破線で示された長手方向軸線に沿って延びる略円筒形の形状を有し、二つの主要なコンポーネント、すなわち制御若しくは電源のコンポーネント又は制御若しくは電源のセクション20と、蒸気生成コンポーネントとして働くカートレッジアセンブリ又はカートリッジセクション30(カトマイザ、クリアマイザ又はアトマイザとも称される)とを備える。
【0021】
カートリッジアセンブリ30は、エアロゾルを生成するための、例えばニコチンを含有する液体配合物から成る原料液体を収容するリザーバ3を含む。一例として、原料液体は、約1~3%のニコチン及び50%のグリセロールを含み、残部には、概ね等量の水とプロピレングリコールが含まれ、また場合により香味料のような他の成分も含まれる。リザーバ3は貯蔵タンクの形態をしており、液体がタンクの範囲内で自由に移動し流れるように原料液体を貯蔵することができる容器又は受け器である。或いは、リザーバ3は、詰め綿又はガラス繊維等の、多孔質構造内で原料液体を保持する吸収性材料を収容したものでもよい。リザーバ3は、原料液体が用い尽くされた後に使い捨てができるように製造中の充填後に封止されてもよく、或いは、新しい原料液体を追加することができる入口ポート又は他の開口部を有してもよい。カートリッジアセンブリ30はまた、加熱による原料液体の気化によってエアロゾルを生成するための、リザーバタンク3の外部に配置された電気的な加熱要素又はヒータ4を備える。ウィック又は他の多孔質要素6のような構成体が、リザーバ3からヒータ4に原料液体の一部を送るために設けられてもよい。ウィック6は一つ以上の部分を有し、この部分は、毛細管現象又は毛管作用によって、原料液体を吸収して、その原料液体をヒータ4と接しているウィック6の他の部分に移送させることができるように、リザーバ3の内部に配置されている。それによってこの液体は加熱されて気化され、ウィック3によってヒータ4に移送される液体の新しい部分によって置き換えられる。したがって、ウィックは、リザーバタンク3の内部容積部を画定する壁を貫通して延び、リザーバ3とヒータ4との間の架橋部又は導管とみなすことができる。ヒータとウィック(又は同様のもの)の組合せはアトマイザと称されることがあり、原料液体を有するリザーバ及びアトマイザはエアロゾル供給源と総称されることがある。様々な設計構造が知られており、その部品は
図1の非常に概略的な図と比較して異なる配置とされる場合もある。例えば、ウィック6は、ヒータ4とは完全に別個の要素であってもよく、又はヒータ4は、多孔質であり、吸上げ機能を直接実行することができるように構成されてもよい(例えば、金属メッシュ)。実施形態にかかわらず、部品は、液体流路を形成するように構成され、その流路によって原料液体が加熱及び気化のためにリザーバ3の内部からヒータ4の近傍及び表面まで移動することができる。これは、想定された液体流路であり、それによって液体がヒータに供給され好適に気化され、それによっていかなる望ましくない位置にも到達することが防止されるべきである。
【0022】
カートリッジアセンブリ30はまた、開口部又は空気出口を有するマウスピース(吸い口)35を有し、その開口部又は空気出口を通して使用者はヒータ4によって生成されたエアロゾルを吸引することができる。
【0023】
電源コンポーネント20は、eシガレット10の電気コンポーネント、特にヒータ4に電力を供給するための電池又はバッテリー5(以下「バッテリー」と称し、これは再充電可能であるものとすることができる)を含む。さらに、eシガレットを全体的に制御するためのプリント回路基板28及び/又は他の電子機器若しくは回路がある。制御電子機器/制御回路は、例えば、電源コンポーネント20の壁に設けられた一つ以上の空気入口26を通して空気が流入している間にシステム10を吸引していることを検知する空気圧センサ又は空気流センサ(図示せず)からの信号に応答して、蒸気が必要とされるときにヒータ4をバッテリー5に接続する。加熱要素4がバッテリー5から電力を受けると、加熱要素4は、ウィック6によってリザーバ3から供給された原料液体を気化してエアロゾルを生成し、次いでこれはマウスピース35の開口部を通して使用者によって吸引される。エアロゾルは、使用者がマウスピース35を吸うと、空気入口26をエアロゾル供給源、そして空気出口に接続する空気チャネル(図示せず)に沿って、エアロゾル供給源からマウスピース35に移送される。したがって、電子タバコを通る空気流路は、アトマイザに通じる空気入口(電源コンポーネントにあってもよいし、なくてもよい)と、マウスピースの空気出口に至るところとの間に形成される。使用時には、この空気流路に沿った空気流の方向は空気入口から空気出口への方向であるので、アトマイザは空気入口の下流かつ空気出口の上流にあると説明することができる。
【0024】
本書では、用語「電源」は、バッテリーと制御回路の一方又は両方を指すのに使用される。
【0025】
この特定の例では、電源セクション20とカートリッジアセンブリ30とは、
図1の実線の矢印で示すように、長手方向軸線と平行な方向に分離することによって互いに取り外すことのできる別個独立の部品である。コンポーネント20,30は、装置10が使用されているときに、電源セクション20とカートリッジアセンブリ30との間を機械的に且つ電気的に接続する協働係合要素21,31(例えば、ねじ式又はバヨネット式の接続具)によって一体に接合される。これは単なる例示的な構成であり、様々なコンポーネントが電力セクション20とカートリッジアセンブリセクション30との間で種々配置されてもよく、他の部品や要素が含まれてもよい。二つのセクションは、
図1に示されるように、長手方向の形態において端部と端部が互いに接続するものとしてもよく、或いは、平行な並列配置等の別の形態であってもよい。システムは、略円筒形であってもよいし、略円筒形でなくてもよく、及び/又は、概ね長尺な形状であってもよいし、そうでなくてもよい。セクションの一方又は両方は、用い尽くされたとき(例えば、リザーバ又はバッテリーが空になったとき)に処分され交換されることが想定される場合があり、或いは、リザーバを再充填しバッテリーを再充電する等の行為によって複数回使用が可能とされることが想定される場合がある。或いはまた、eシガレット10は、二つの部分に分離することができない一体型の装置(使捨て式又は詰替え式/充電式)であってもよく、その場合、全てのコンポーネントは単一の本体又はハウジング内に包含される。本発明の実施形態及び例は、当業者にとり公知であるこれらの形態及び他の形態のいかなるものにも適用可能である。
【0026】
図1の例示的な装置は、極めて概略的な形式で示されている。
図2及び
図3は、例によるエアロゾル供給源をより詳細に示す図であり、タンク、ヒータ及びウィックの相対的な位置を示している。
【0027】
図2はエアロゾル供給源の断面図である。リザーバタンク3は外壁32と内壁34とを有し、これらの各々は略円筒形である。内壁34は、外壁32の内側の中央に配置され、二つの壁の間に環状の空間を形成している。この空間は原料液体を保持することを想定したタンク3の内容積部である。タンクは(図示の向きおいて)その下端部にて底壁33によって閉鎖され、その上端部にて上壁36によって閉鎖されている。内壁34によって囲まれた中央の空間は空気流通路又は空気流チャネル37であり、このチャネル37は、その下端部で(
図1に示されている空気入口26を通して等して)電子タバコに吸い込まれた空気を受け入れ、その上端部で(
図1のマウスピース35を通して等して)吸引ためにエアロゾルを送出する。
【0028】
空気流チャネル37内には、ヒータ4及びウィックを含むアトマイザ40である。例えばロッド状で繊維から形成され得る細長い多孔質要素であるウィックは、空気流路を横切って配置され(タンク3の下端部の近傍にあるように図示されているが、より高い位置に配置されてもよい)、その端部は内壁34の開口を貫通してタンク3の内容積部内に達してその中の原料液体を吸収するようになっている。開口(図示せず)は、タンク3から空気流路37内への原料液体の漏れを最小限に抑えるために封止することができる。しかし、それにもかかわらず、漏れは起こり得る。ヒータ4は、ウィック6の周りに巻き付けられたワイヤコイルの形態の電気により機能する加熱要素である。接続リード線4a,4bが、バッテリーから電力を供給するためにヒータを回路(図示せず)に接続する。エアロゾル供給源は電子タバコのカートリッジアセンブリセクション(カトマイザ)のハウジング内に配置され、その上端部にマウスピースが配置され、下端部に(場合によっては分離可能なコンポーネントに)コントローラ及びバッテリーが配置される。タンク3の外壁32は、カートリッジアセンブリのハウジングの壁であってもよいし、そうでなくてもよいことに留意されたい。これらの壁が共用される場合、カートリッジアセンブリは、原料液体が用い尽くされたときに使い捨てすることができることや、既存のバッテリー/電源セクションに接続可能な新しいカートリッジアセンブリと交換されることを想定したものとしてもよく、又は、カートリッジアセンブリは、リザーバタンク3が原料液体を補充できるように構成されてもよい。タンクの壁とハウジングの壁とが異なる場合、タンク3又はエアロゾル供給源全体は、原料液体が用い尽くされたときにハウジング内で交換可能とされてもよく、又は再充填の目的でハウジングから取外し可能とされてもよい。これらは単に例示的な構成であり、限定的なものであるとは意図していない。
【0029】
使用時に、アセンブリハウジング内のエアロゾル供給源が(電子タバコの設計に応じて分離可能に又は恒久的に)バッテリーセクションに接合され、使用者がマウスピースを通して吸引した場合、空気が一つ以上の入口を通して装置に引き込まれ、空気流チャネル37内に流入する。ヒータ4は熱を発生するように作動される。これにより、ウィック6によってヒータ4に運ばれた原料液体が加熱され気化される。蒸気は、流れる空気によって、さらに空気流チャネル37に沿って装置のマウスピースまで移送され、使用者によって吸引される。矢印Aは、装置を通る空気流路に沿った空気流及びその方向を示す。
【0030】
図3は、代替例のエアロゾル供給源の断面図を示す。
図2の例と同様に、タンク3は外壁32と内壁34との間に形成された環状空間であり、管状の内壁34の内部空間は空気流チャネル37を提供する。しかしながら、この例では、ロッド状のウィック及びコイル状の加熱要素は、単一体がウィック機能と加熱機能の両方を提供するアトマイザ40によって置き換えられている。この目的で、例えば、導電性メッシュが用いられることができ、その場合、メッシュ構造により毛管作用を可能としつつ、伝導性の特徴によってアトマイザが電力を受けると共に加熱される。アトマイザ40もまた、空気流チャネル37を横切って配置され、その一部は内壁34を貫通してタンク3の内容積部内に入っている。しかしながら、この例では、アトマイザ40は、細長い平坦な形状を有し、その長辺側の縁部がリザーバ内に達し且つその短辺側の端部が空気流路37の各端部にあるように配置されている。これらの端部4a,4bは、導電体(図示せず)の適切な配置によってバッテリーに接続されている。したがって、空気流チャネルを通って流れる空気に対して、より広い面積の気化面が提供される。アトマイザの縁部がアトマイザ内に延びる開口は、空気流チャネル37内への漏れを最小限に抑えるために封止されてもよいし奉仕されなくてもよいが、それにも拘わらず、いくらかの漏れが生じ得る。
【0031】
図2及び
図3は、エアロゾル生成を行うために利用可能な様々な代替案を説明するためのエアロゾル供給源の単なる例である。他の構成であっても同じ効果を奏することができ、本発明はこれに関しては限定するものではない。特に、リザーバは他の型式を有するものとしてもよく、また、リザーバとアトマイザとの間の結合形態が異なってもよい。いずれの構成が採用されても、タンク、容器、受け器、又は原料液体を保持するための同様の容積部の形態のリザーバを含むあらゆる設計構造において、その構成はリザーバからの原料液体の望ましくない漏れに対して潜在的に脆弱であり、そのような漏れは、それを気化することができる部位に原料液体を届けない経路、ルート及び方向に沿うとよい。リザーバの構造は、リザーバの壁の複数のセクションが互いに接合される場所、又はリザーバが隣接する部分に接合される場所等の潜在的な漏洩箇所を生じる可能性がある。また、ウィックがリザーバの壁を貫通する場所、又はリザーバを再充填するためにアクセスキャップ又は蓋が設けられる場所等の潜在的な脆弱箇所に設けられる可能性があるシールも不完全な場合がある。さらに、液体が気化を予定している経路に沿ってその移動を開始し、そしてヒータに又はヒータの近傍に到達したがその後気化されないという液体から問題が生じることもある。これは、例えば、作動時に、ヒータによって気化されるよりも速い速度で毛管作用が液体をヒータへと引き寄せる場合、又はヒータが作動されていない場合に毛管作用が続いているときに、起こり得る。その場合、液体は、多孔質構造内に保持されることができる量を超えてアトマイザ内に蓄積され、次いで自由液体として空気流チャネル内に放出され得るが、これは望ましくない液体の漏出や漏れを生じさせる。
【0032】
望ましくない漏れに対処するための可能性のある技術は、(例えば、コンポーネント間の接合部の数を減らすことによって)構造内のあらゆる脆弱点を最小限に抑えること、又はこれらの脆弱点における開口を可能な限り小さくすること、又は脆弱点に若しくは脆弱点上にシール材の形態を適用又は提供することである。しかしながら、完全に封止されたリザーバを提供することは望ましくない。そのような構造は水密性であり、したがって漏れ防止であるが、それはまた気密又は気密に近く、空気がリザーバに入るのを制限する。原料液体が消費されるときにリザーバ内部の圧力を均一にし、アトマイザに原料液体を連続的に外向きに流すためには、空気の進入が必要である。また、液体がリザーバを出てアトマイザに到達するための開口を維持することが必要であり、ヒータが気化のために作動されるか否かにかかわらず、毛細管現象によって液体はアトマイザに引き込まれ続ける。
【0033】
このため、漏れの問題に対処するための代替的な手段が提案されている。それは、リザーバからの漏れが起こらないようにすることを試みるのではなく、いくらかの漏れを許容し或いは想定し、電子タバコの他の部分への漏出や損傷等の問題が生じる前に、漏れた液体を捕集するようにすることが提案される。リザーバから漏洩し、気化を起こさない経路又はルートの途中にある可能性のある液体を捕集し吸収するために、吸収性材料から作られた要素が電子タバコの中に配置される。本書では、用語「漏洩された」は、リザーバから直接漏れるか又はウィック若しくはヒータから滴下した原料液体を含み、また、気化のためにリザーバからヒータへの想定した経路をたどるが、その後、吸引のための蒸気として供給されるよりも液体に凝縮される原料液体も含む。そのメカニズムにおいては、電子タバコの内部でリザーバからは外側にて自由となっており且つ気化できない原料液体をもたらす可能性があり、それが電源に達すると問題を引き起こすおそれがある。提案の吸収性要素はこのコースから外れた原料液体を捕集することができる。
【0034】
図4は、第1の例による吸収性要素を含むカトマイザコンポーネントの縦断面図を示している。カトマイザコンポーネント30は、原料液体用のリザーバ3と、毛管作用コンポーネント(例えば、独立したウィック又はヒータ及びウィックの組合せ等)を有する関連のアトマイザ40とを収容し、アトマイザは、リザーバの内部に達するものであり、蒸気を生成し、その蒸気をマウスピース35を通して消費されるよう空気流路37内に供給するように配置されている。マウスピース35の反対側では、カトマイザ30はコネクタ31にて終端しており、このコネクタは、アトマイザ40内の加熱要素にバッテリーから電力を供給するためのバッテリーと回路とを収容する電源コンポーネントに機械的及び電気的に接続をするように構成されている。コネクタ31はカトマイザ30の端壁を形成し、この端壁は使用時に電源コンポーネント上の対応する端壁のコネクタに当接する。この例では、空気流路37は、カトマイザ30のこの端壁を貫通して延びており、その結果、コネクタ31は、空気流路37に空気を導入するための空気入口を形成する中央開口38を有する。他の空気入口の構成も可能であり、端壁には空気孔がない場合もある。
【0035】
リザーバ3は、
図2及び
図3の例と同様に、環状の形状を有しており、その貯蔵用の内容積部は外壁32と内壁34との間に形成されている。外壁32を貫通して漏洩するあらゆる原料液体は、(外側のカトマイザハウジング39内に画定される)カトマイザの内部に入り、コネクタ31に至る場合もある。また、内壁34を貫通して漏洩するいかなる原料液体も空気流路37に入り、この場合もコネクタ31に向かうことがある。原料液体は、直接的な漏れとして、又は上述したように湿潤状態にある毛管作用要素からの滴下により、空気流路に入ることがある。
【0036】
カトマイザ30がその電源コンポーネントから分離された場合、空気流路37内の液体は、コネクタ31の中央開口38を通って排出され得る。カトマイザハウジング39内の液体はまた、コネクタがカトマイザハウジングに接合する部位、又は(アトマイザ40内のヒータをカトマイザの外部のバッテリーに接続するための)電気接続部がコネクタを通って延びている部位に形成された任意の開口又は孔を通って排出される。したがって、原料液体は、カトマイザ30からこぼれるように漏洩する可能性があり、これは望ましくない。カトマイザ30がコネクタ31によって電源コンポーネント20に接続されると、このこぼれた液体が電源コンポーネントの内部に入り込み、制御回路及び/又はバッテリー(
図1に示す)に侵入して、電気部品が液体にさらされる場合に生じる通常の問題を引き起こすおそれがある。これにより、電子タバコは、安全でない状態になる可能性、又は動作不能になる可能性がある。
【0037】
これに対処するために、カトマイザ30にさらに吸収性要素50(この例では、コネクタ31の内面に隣り合うようにしてカトマイザハウジング内に配置された吸収性材料からなる平坦なパッドの形態を有するもの)を設けることとした。特に、吸収性要素50は、使用者が電子タバコを吸ったときに電子タバコを通る空気流チャネル37に沿った空気の流れの方向を考慮して、アトマイザの上流に配置される。アトマイザ40は、空気流チャネル37に沿った流れの方向に関して、吸収性要素50とマウスピース35との間にある。パッド50はコネクタ31の中央開口38と整列した中央開口を有し、それが空気流路37の側壁の一部を形成するようになっている。この例におけるこれらの開口の中心位置は単なる例示であることに留意されたい。空気流路は、中央になくてもよく、及び/又は二つ以上の空気入口の開口を有してもよい。このように配置された場合、吸収性材料は、空気流路37内の漏洩した原料液体をそれが空気入口38に達する前に捕集すると共に、そカトマイザハウジング39の内側の漏洩した原料液体をそれがコネクタ31に達する前に捕集することができる。捕集された液体は吸収性要素50によって吸収され、その結果、カトマイザからの液体の漏洩は減少し、抑制され、又は完全に防止される。代替手段として、吸収性要素は介在壁によって空気流路37から分離されてもよく、その結果、吸収性要素は、カトマイザハウジングの内部の漏洩した原料液体のみを捕集する。吸収性要素50は、コネクタ31からヒータへの必要な電気的接続を可能とするように形作られ配置されるべきである。電気的接続部は、例えば、吸収性要素を貫通してもよく、又は吸収性要素の周囲を通ってもよい。
【0038】
図5A~
図5Cは、
図4の例と同様に構成された例示的な電子タバコのカトマイザの一部を示す斜視図である。
図5Aは、空気流路の一部を形成する空間を画定するリザーバ3の壁を示しており、その空間内にアトマイザ(図示せず。この例では、これは
図3に関連して上述したような組み合わされたウィックとヒータの構成体である)が配置されている。アトマイザからマウスピース35への空気流路を画すために、空気流路管41がリザーバの一端に接合されている。リザーバの反対側の端部はコネクタ31に結合され、コネクタ31は、この例ではカトマイザの端壁を形成するエンドキャップと見なすことができる。エンドキャップ31は、電源コンポーネント(図示せず)に機械的に取り付けるように構成されており、取り付けられた電源コンポーネント内のバッテリー及び制御回路に電気的に接続するための一対の電気接点42を含む。
図5Aに示される部品は、外側のカトマイザハウジング(図示せず)内に配置される。
【0039】
図5Bは、カトマイザの端部に取り付けられたエンドキャップコネクタ31の端部からの斜視図を示している。カトマイザの円形断面はこの図から明らかである。電気接点42を見ることができ、これらは、互いに直径方向に対向して配置され、カトマイザの空気流路のための空気入口である中央開口38の両側に間隔を置いて配置されている。
【0040】
図5Cは、カトマイザから分離された、エンドキャップコネクタ31の別の斜視図を示している。コネクタ31は、使用時にはカトマイザの内部に面するその内面が見えるように配置される。コネクタ31は、カトマイザの端壁を形成する平坦な円形壁と、円形壁の周りにある直立した周壁43とを含む。円形の壁を貫通して形成された中央開口38を見ることができ、吸収性要素50(織り目加工表面として示されている)を、円形壁に接した状態でコネクタ31の基部に見ることができる。周壁はその外面に複数の突起を有し、それによってコネクタ31はカトマイザハウジング及び/又はリザーバ壁と係合する。
【0041】
図6A及び
図6Bは、例示的なエンドキャップコネクタの断面図を示している。
図6Aは、
図5A~
図5Cのコネクタと同様のコネクタ31を示す。円形の端壁は、カトマイザ用の空気入口としての中央開口38を有する。二つの電気接点42が端壁の下面にある。これらは実際の接点でもよいし、接点要素が通過することのできる開口でもよい。環状の周壁43は、円形の端壁から(図示の向きにおいて)上方に延びて、エンドキャップコネクタ31の内側に凹部を形成する。
【0042】
図6Bは、エンドキャップ31と、(矢印で示すように)コネクタ内部の凹部に挿入する準備ができている状態の吸収性要素50とを示す。吸収性要素はディスク形状であり、その厚さより大きい幅を有し、吸収性要素50が凹部内に収容されたときにエンドキャップの空気入口の開口と整列する中央開口51を有する。吸収性要素の幅は凹部の幅と実質的に同じであり、吸収性要素は凹部を完全に横切って延び、全てではないにしても大部分の入ってきた液体を捕集することができるようになっている。吸収性要素50は、それが端壁の内面に接するように凹部内に完全に押し込まれてもよく、或いはまた、例えば湿潤状態となった際に吸収性要素が膨張するための余裕を持たせるために吸収性要素と端壁との間に間隙があるように挿入されてもよい。
【0043】
使用者が電子タバコを通して吸引した場合に吸収性要素が吸込み抵抗を著しく増加させないときは、中央開口51は、空気入口の開口より小さくてもよく、全くなくてもよい。例えば、それは、吸入空気流速を殆ど又は全く妨げることなく空気が吸収性要素を通過することができるように十分に開いた構造を有する材料から作られてもよい。
【0044】
図7A~
図7Cは、別の例示的なエンドキャップコネクタ、吸収性要素及びカトマイザの斜視図を示す。
図7Aは、上述したもの同様に、その端壁に空気入口の中央開口38を有するコネクタ31の斜視図を示す。一対のさらなる開口42a(一つだけ見える)が端壁に形成され、中央開口38の周りで対向配置されている。これらはカトマイザへの電気的接触を可能にする。
【0045】
図7Bは、
図7Aのエンドキャップコネクタの凹部に挿入するように構成された吸収性要素50の斜視図を示している。吸収性要素50はディスクとして形成され、その厚さの約3倍の直径と、約2.5mmの厚さとを有している。これらは単なる例示的な寸法であり、他のサイズ及び比率は実施に応じて選択され得るものである。吸収性要素50が凹部に挿入されると、中央開口51はコネクタ31の中央開口38と整列する。さらに、吸収性要素50はそのリムに切り込まれた一対のノッチ52を有する。これらは、コネクタ31の電気接点用の開口42aと整列するように対向して配置されている。ノッチ52は、図示の略正方形の切欠きとは異なる形状であってもよく、ノッチの代わりに吸収性要素50の材料を貫通する穴を含んでもよい。
【0046】
図7Cは、吸収性要素(この図では見えない)を含む、エンドキャップ31が取り付けられたカトマイザの斜視端面図である。電気接点42が開口部42aと整列して示されている。これらは、例えば、カトマイザの端面を覆う独立した端板に配置されてもよい。空気入口の中央開口38を見ることができる。エンドキャップの周壁43は、カトマイザ30の側壁の内側に保持される。
【0047】
これらの例は、コネクタキャップのようなカトマイザの端壁コンポーネントの内面に接するように又はその近くに、カトマイザの内側に配置された吸収性要素を示しているが、代わりに、カトマイザの端壁の外面に配置されてもよい。例えば、吸収性要素は接着剤で端壁に貼り付けられてもよく、或いは、周壁がおそらくは摩擦嵌合によって吸収性要素を受けて保持するための凹部を画定してもよく、或いは、カトマイザが電源コンポーネントから分離されたときにそれを無くさないように、一つ以上の保持ラッチ若しくはクリップ又は他の支持体によって吸収性要素を所定位置に保持してもよい。アトマイザの下流の他の位置もまた用いられ得る。
【0048】
これまでの例は、電子タバコのカトマイザコンポーネント内に吸収性要素を含んだものであるが、代替的に又は追加的に、吸収性要素が電子タバコの電源コンポーネントに含まれていてもよい。吸収性要素は、適切に位置決めされると、液体が電子部品又は電気部品に達する前に、コネクタ(液体浸入に関して電源コンポーネントの脆弱な部分である可能性が高い)を通して電源コンポーネントに入る液体を捕集し吸収するように配置できる。
【0049】
図8は、吸収性要素を備える例示的な電源コンポーネントを示す概略図である。電源コンポーネント20は、電池又はバッテリー5(電源コンポーネントを外部電源に接続することができる充電ポート52を介して再充電することができる)を収容する外側ハウジング22と、制御回路とを備える。これは、電子タバコを制御するように構成されたプリント回路基板、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、論理ゲート、スイッチ、及び同様のハードウェアアイテム、並びに場合によってはソフトウェアのいずれか又は全てを含むことができる。この制御は、接続されたカトマイザ内のバッテリーからヒータへの電力の供給を制御することや、電子タバコの複雑さに応じて他の制御機能を制御することを含む。これらの電気部品は、それらが液体と接触すると損傷及び/又は誤動作を起こすおそれがあるので、電源コンポーネントはさらに吸収性要素50を備える。これは、カトマイザに対して電気的及び機械的な接続が行われる端部コネクタ21と、電気部品(純粋に例示的である図示の構成とは異なるように配置されてもよい)との間に配置される。したがって、電源コンポーネントが接続されたカトマイザに収容されているリザーバから漏洩した可能性のある原料液体であって、接続されたコネクタ31(
図1及び
図4)及び21を通過する原料液体は、吸収性要素によって捕集され、バッテリー及び/又は制御回路(制御電子機器)に到達することが抑制され又は防止される。
【0050】
図8は、カトマイザの空気流路(
図4の流路37等)と整列される空気流路を示していないが、吸収性要素50及びコネクタ21は、(
図1の例に示されるように)電子タバコの主たる空気入口が電源コンポーネントにある場合、空気流のための適切な開口を含んでもよい。また、電気的接続を可能にするための適切な開口(孔、穴、ノッチ)が存在してもよい。また、吸収性要素は、その内面に隣接するのではなく、(例えば、カトマイザの端壁の外面に吸収性要素を有するカトマイザに関連して上述したように)コネクタ21の外側に配置されてもよい。
【0051】
吸収性要素は、入ってきた液体を吸収することができるよう多孔質構造を有するとよい。それは、軟質、柔軟性、非硬質又は半硬質の材料、おそらくは弾性のある材料から形成されるとよい。これらの特性により、適切に成形された吸収性要素をその想定された空間に好適に緊密に嵌合させることができ、空間を完全に横切ることができ、液体が吸収性要素を越えて容易に流れるのを防止することができる。この要素は、おそらく電子タバコを管理する規制要件からの制限を受けるであろうが、任意の吸収性材料から製造することができる。可能な材料としては、紙、ボール紙、綿、ウール及び他の合成布材料及び天然布材料を挙げることができる。これらの材料は全て、切断又は打抜き加工によって必要な形状に容易に形成することができ、様々な厚さで容易に入手可能である。さらなる代替物はスポンジ材料である。天然(動物繊維)スポンジ又は合成スポンジを使用することができる。合成スポンジ用の材料の例には、セルロース木繊維及び発泡プラスチックポリマーが含まれる。例えば、低密度ポリエーテル、ポリエステル、PVA(ポリ酢酸ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることもできる。スポンジ吸収性要素は、要求される形状及びサイズに切断又は成形することができる。しかしながら、他の吸収性材料が排除されるものではない。例としては、酢酸セルロースフィルター材料、詰め綿、ポリエステル詰め物、おむつ及び生理用ナプキンに使用される吸収性材料、レーヨン、ポリウレタン、セルローススポンジ、及びいわゆる「ポストオフィススポンジ(郵便局用スポンジ)」(天然の連続気泡スポンジゴム)が挙げられる。
【0052】
吸収性要素にとって特に重要な材料は、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物を含むポリオレフィン繊維から作られた多孔質合成繊維材料である。これら二つの材料の任意の割合は所望に応じて次のように組み合わせることができる。例えば、5%のポリプロピレンと95%のポリエチレン95%、10%のポリプロピレンと90%のポリエチレン、15%のポリプロピレンと85%のポリエチレン、20%のポリプロピレンと80%のポリエチレン、25%のポリプロピレンと75%のポリエチレン、30%のポリプロピレンと70%のポリエチレン、35%のポリプロピレンと65%のポリエチレン、40%のポリプロピレンと60%のポリエチレン、45%のポリプロピレンと55%のポリエチレン、50%のポリプロピレンと50%のポリエチレン、55%のポリプロピレンと45%のポリエチレン、60%のポリプロピレンと40%のポリエチレン、65%のポリプロピレンと35%のポリエチレン、70%のポリプロピレンと30%のポリエチレン、75%のポリプロピレンと25%のポリエチレン、80%のポリプロピレンと20%のポリエチレン、85%のポリプロピレンと15%のポリエチレン、90%のポリプロピレンと10%のポリエチレン、若しくは95%のポリプロピレンと5%のポリエチレン、又はこれらの値に近い範囲内である。この繊維材料は、正しいサイズ及び形状に切断又は打抜き加工することによる吸収性要素の形成にも、並びに空気流用の開口及び電気接点用の開口等の貫通孔の形成のための穿孔にも有利に役立つ半硬質構造を有する。
【0053】
比較的等しい割合のポリプロピレンとポリエチレンとを含む材料が使用されるのがよい。例えば、材料は、40%~60%の範囲のポリプロピレン及び60%~40%の範囲のポリエチレン、45%~55%の範囲のポリプロピレン及び55%~45%の範囲のポリエチレン、48%~52%の範囲のポリプロピレン及び52%~48%の範囲のポリエチレン、又は49%~51%の範囲のポリプロピレン及び51%~49%の範囲のポリエチレンを含み得る。実質的に等しい割合のこれら二つの材料を使用することができ、その材料は実質的に50%のポリプロピレンと実質的に50%のポリエチレンを含む。ポリプロピレン又はポリエチレンの同程度又は同比率は、良好な親水性を有し(入ってきた液体をはじくのではなく吸収する)、また湿潤状態となったとき(すなわち液体を吸収したとき)に過度の膨張を示さない材料を製造する。しかしながら、より少ない割合のポリプロピレン及びポリエチレンから形成された材料もまた有用である。また、材料は、ポリプロピレン及びポリエチレンに加えて一つ以上の他の材料を含み得る。これらは、上述した様々な例示的な吸収性材料を含んでもよく、又は帯電防止特性を提供するための非イオン性乳化剤を含む仕上げ添加剤等の材料に、他の特性を付与する材料であってもよい。そのような添加剤は、例えば吸収性材料の約1%を含み得る。
【0054】
吸収性要素に使用される材料は、吸収性材料から自然に蒸発するまで漏れ液体を保持するのに十分な吸収性を有するものであってもよく、代わりに、吸収性材料がない場合と比べて漏れ液体の外部環境への放出を遅らせるように作用するものであってもよい。これは、使用される吸収性材料の量及び吸収特性と比較した漏れの割合に、少なくとも部分的に依存するであろう。
【0055】
湿潤状態となったときにあまり膨張しない吸収性材料が、吸収性要素にとって有用である。この特徴は、湿潤時に吸収性要素を収容するために電子タバコ内に膨張用の空間を殆ど又は全く設ける必要がないことを意味する。したがって、吸収性要素を備えることによって電子タバコのサイズを大幅に増大させる必要はなく、及び/又は所与の利用可能な空間に対してより大量の吸収性材料を含めることができる。例えば、吸収性要素は、湿潤時に膨張してその体積を0%~50%の範囲、又は0%~40%、又は0%~30%、又は0%~20%、又は0%~10%、又は完全に湿潤状態となったとき(すなわち、それがそれ以上の流入液体を吸収できないとき)0%~5%の範囲で増加させる吸収性材料から作られ得る。例えば、上で論じた実質的に50%のポリプロピレン及び50%のポリエチレンの繊維材料は、完全に湿潤状態となったときに3%未満しか膨張しないことが試験において見出されている。
【0056】
吸収性要素は、平らな平坦形状、例えば円形又は楕円形のディスク、正方形若しくは長方形又は他の多角形若しくは他の規則的ないし不規則な形状を有することができ、それは取り付けられる電子タバコの部分の内部断面や穴に依存する。上述したように、吸収性要素が設置される穴を満たすこと(すなわち、吸収性要素の側面とコンポーネントの周囲の壁又は電子タバコの他の部分との間に間隙が残らないようにすること)が吸収性要素にとって好適であり、その結果、入ってきた液体は吸収性要素を越えて移動することはできず、吸収を避けることができない。但し、これは必須ではない。吸収性要素は、例えば1mm~10mmの範囲の厚さを有することができるが、より小さい厚さ及び大きい厚さであっもよい。選択される厚さは、吸収性要素を収容するのに利用可能な空間の大きさと、吸収性要素に使用される材料の吸収性とに依存する。例えば、高吸収性材料は、低吸収性材料よりも薄い厚さで用いられてもよい。
【0057】
吸収性要素に使用される吸収性材料は、0.5g/cm3~2、3、4又は5g/cm3の範囲内等、0.5g/cm3~10g/cm3の範囲内の密度を有することができる。例えば、繊維状のポリプロピレン/ポリエチレン材料は、約0.9g/cm3の密度を有するものとすることができる。低密度材料は、吸収性要素を含めても電子タバコに加えられる質量を最小限に抑える。
【0058】
吸収性要素は、それを収容するコンポーネントの恒久的な特徴部として組み込まれてもよく、或いは、コンポーネントは、吸収性要素を使用者によって取り外させるように構成されてもよい。例えば、吸収性要素は、吸収性要素を引っ張り出すことができるように使用者によって取外し可能であるように構成されたカトマイザ又は電源コンポーネントのエンドキャップ(
図5~
図7のキャップと同様)に保持されてもよい。これにより、吸収性要素が湿潤状態になった場合、吸収性要素を乾燥のために一時的に取り外すことができ、又は吸収性要素を交換することができる。
【0059】
吸収性要素の位置は、これまでに図示し説明したものに限定されない。それは、リザーバ及び/又はアトマイザから漏れ出て、作動しているアトマイザ内で気化に至らない経路(漏れ流路)を辿る液体の通過を有効に遮断することができる電子タバコ内の任意の位置又は場所に設置するとよい。これには、アトマイザから直接離れていく経路、及び、すぐに気化されない場合に空気流経路への漏れとして漏洩する場合がある、アトマイザに液体を送る経路が含まれる。このため、吸収性要素は、
図6及び
図7の平坦なディスクのような平らなパッドの形状に限定されない。或いは、吸収性要素は、(例えば、平らではあるが柔軟性のある材料を曲げること又は被包することのいずれかによって、又は例えば成形により形成された湾曲形状を使用することによって)非平坦状の形状で設置することができる。これは、電子タバコ内の部分の平坦でない表面を吸収性材料のシートで被包すること又は被覆することを含む。また、吸収性要素は、液体を捕集してその液体を吸収性材料に吸収させるべく保持するのを助ける皿又はカップとして機能する、アトマイザに面する表面(すなわち吸収性要素の下流側の面)に一つ以上の窪み又は凹部を有するように形成することができる。
図9は、カトマイザ30の概略図であり、このカトマイザ30において、コネクタ31に隣接して配置された吸収性要素50がアトマイザ40の方を向いている皿状の面50aを有している。別言するならば、吸収性要素50はその下流側の面が凹状である。吸収性要素の他の位置は必要に応じて選択することができる。
【0060】
実施形態による吸収性要素は、
図1の例のようにカトマイザと電源コンポーネントとが端と端を接続している全体的に細長い構造のものだけでなく、あらゆる構成の電子タバコに利用することができる。電子タバコは全体的に円筒形又は非円筒形、長尺形状又は非長尺形状であり得、コンポーネントは、直線的(端と端とが接する形)に又は平行(横に並べた形)に配置され得るが、他の構成も含まれる。
【0061】
部品は、必要に応じて電子タバコのコンポーネント間に様々に分散させることができ、コンポーネントは互いに分離可能かつ再接続可能であってもよいし、恒久的に接合されるか又は互いに接続されてもよい。例えば、アトマイザは(
図4及び
図9の例におけるように)リザーバと同じコンポーネント内にあってもよく、又は別のコンポーネント内にあってもよい。或いは、制御回路は、(
図8の例におけるように)リザーバとは異なるコンポーネント内にあってもよく、又は同じコンポーネント内にあってもよい。或いは、バッテリーは、(
図8の例のように)リザーバとは異なるコンポーネント内にあってもよく、又は同じコンポーネント内にあってもよい。吸収性要素は、リザーバから自由となっており気化されることができない原料液体を遮断し、吸収によってその液体を捕集することができるならば、電子タバコ内の又は電子タバコのコンポーネント内のいずれの部位に有用に配置され得る。例えば、吸収性要素は、バッテリー及び/又は制御電子機器又は制御回路(PCB又はマイクロコントローラ等)を原料液体にさらされないように配置することができる。アトマイザ(及び/又はリザーバ)と、関連する電気部品との間に配置された吸収性要素はこれを達成することができる。分離可能な電子シガレットでは、吸収性要素はカトマイザコンポーネント又は電源コンポーネントのいずれかに組み込まれ得る。他の例では、吸収性要素は、そうしなければリザーバが収容されているコンポーネントから流出する可能性があると思われるあらゆる漏れ液体を捕集するように配置することができる。このコンポーネントは、接続状態又は未接続状態のコンポーネントが含まれる。したがって、吸収性要素は、リザーバコンポーネントを電源コンポーネント等の別のコンポーネントに結合するための接続継手部の近傍で液体を捕集するように、又は空気流路の入口及び/又は出口から漏れる可能性がある液体を捕集するように配置することができる。
【0062】
電子タバコ又はそのためのコンポーネントは、単一の吸収性要素を含んでもよいし、漏れを防止するレベルを高めるために二つ以上の吸収性要素を含んでもよい。複数の吸収性要素が、様々な漏れ流路の液体を遮断するため等、電子タバコ内の様々な部位に配置されてもよいし、同じ漏れ流路に沿って互いに接触して或いは互いに離間して並べられてもよい。様々な材料から作られた吸収性要素が、同じ電子タバコに含まれてもよい。
【0063】
代替として、吸収性要素は、液体がマウスピースを通って流出するのを止めるために空気流路内の漏洩した原料液体を捕集することができる、アトマイザの下流の位置に配置することができる。その場合、吸収性要素は、ポリプロピレンとポリエチレンとの上記の相対比率のいずれかの混合物から作られた多孔質合成スポンジ材料から作られるとよい。
図9は、そのような吸収性要素60を配置することができる位置を示し、その位置は仮想線で示されている。この目的で、電子蒸気供給装置が、原料液体を貯蔵するためのリザーバ、リザーバから原料液体を気化して蒸気を電子蒸気供給装置を通る空気流路に供給するためのアトマイザ、及びアトマイザに電力を供給するための電源を有する場合、電子蒸気供給装置のコンポーネントは、リザーバから漏洩した原料液体を捕集するように配置された吸収性要素を備えるとよく、この吸収性要素はポリプロピレンとポリエチレンの混合物から作られた吸収性材料から作製される。吸収性要素は、空気流路に沿った空気流方向に関してアトマイザの上流でも下流でもよい。
【0064】
本書で説明される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を助けるためにのみ提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表例としてのみ提供されており、網羅的及び/又は限定的なものではない。本書で説明される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造及び/又は他の側面は、請求項で定義された本発明の範囲を制限するもの、或いは請求項の均等物に対する制限と考えられるべきではないこと、並びに特許請求する発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態が使用されてもよく、変更が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本書で具体的に説明したもの以外の、開示されている要素、構成、特徴、部品、ステップ、手段等の適切な組み合わせを適切に含んでも、これらのみからなっていても、或いは実質的にこれらのみからなっていてもよい。また、本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載され得る他の発明を含み得る。
[発明の項目]
[項目1]
電子蒸気供給装置のコンポーネントであって、
前記電子蒸気供給装置が、原料液体を貯蔵するリザーバと、前記リザーバからの原料液体を気化して蒸気を前記電子蒸気供給装置を通る空気流路に供給するアトマイザと、前記アトマイザに電力を供給する電源とを有し、
当該コンポーネントが、前記リザーバから漏洩した原料液体を捕集するために吸収性要素を備え、
当該コンポーネントが前記電子蒸気供給装置に組み込まれた場合に、前記吸収性要素が、前記空気流路に沿う空気流の方向に関して前記アトマイザの上流となるように配置される、コンポーネント。
[項目2]
前記吸収性要素が、組み立てられた前記電子蒸気供給装置における前記アトマイザから前記電源への液体流路に沿って前記アトマイザと前記電源との間にあるように配置されている、項目1に記載のコンポーネント。
[項目3]
前記吸収性要素が、前記漏洩した原料液体が当該コンポーネントから出ることを抑制する、項目1又は2に記載のコンポーネント。
[項目4]
前記吸収性要素が、前記漏洩した原料液体が前記電源に到達することを抑制する、項目1~3のいずれか一項に記載のコンポーネント。
[項目5]
前記電源がバッテリーを備える、項目1~4のいずれか一項に記載のコンポーネント。
[項目6]
前記電源が、前記アトマイザへの電力の供給を制御するための制御回路を備える、項目1~5のいずれか一項に記載のコンポーネント。
[項目7]
前記吸収性要素が、当該コンポーネントの端面に隣り合って配置されている、項目1~6のいずれか一項に記載のコンポーネント。
[項目8]
当該コンポーネントの前記端面が、前記電子蒸気供給装置の他のコンポーネントに接続可能である当該コンポーネントの端部にある、項目7に記載のコンポーネント。
[項目9]
当該コンポーネントが、前記リザーバと前記アトマイザとを収容するカトマイザコンポーネントであり、当該コンポーネントが、前記電源を収容する電源コンポーネントに接続可能であり、前記吸収性要素が、前記漏洩した原料液体が前記カトマイザコンポーネントから出ることを抑制するように且つ前記カトマイザコンポーネントが前記電源コンポーネントに接続されている場合に前記漏洩した原料液体が前記電源に到達することを抑制するように配置されている、項目1~8のいずれか一項に記載のコンポーネント。
[項目10]
前記吸収性要素が、前記カトマイザコンポーネントのエンドキャップ内に取り付けられており、前記エンドキャップが、当該コンポーネントが接続可能である前記電子蒸気供給装置の電源コンポーネント内に収容された電源と電気的に接触することができるように構成されている、項目9に記載のコンポーネント。
[項目11]
当該コンポーネントが、前記電源を収容する電源コンポーネントであり、当該コンポーネントが、前記リザーバと前記アトマイザとを収容するカトマイザコンポーネントに接続可能であり、前記吸収性要素が、前記電源コンポーネントが前記カトマイザコンポーネントに接続されている場合に前記漏洩した原料液体が前記電源に到達することを抑制するように配置されている、項目1~8のいずれか一項に記載のコンポーネント。
[項目12]
前記吸収性要素が、平坦な形状であり、その平面に対して直交する方向の厚さが1mm~10mmの範囲内にある、項目1~11のいずれか一項に記載のコンポーネント。
[項目13]
前記吸収性要素が、ポリプロピレンとポリエチレンとを含む吸収性材料から形成されている、項目1~12のいずれか一項に記載のコンポーネント。
[項目14]
前記吸収性材料が、50%のポリプロピリン及び50%のポリエチレン、45%~55%の範囲のポリプロピレン及び55%~45%の範囲のポリエチレン、48%~52%の範囲のポリプロピレン及び52%~48%の範囲のポリエチレン、又は49%~51%の範囲のポリプロピレン及び51%~49%の範囲のポリエチレンを含む、項目13に記載のコンポーネント。
[項目15]
前記吸収性要素が、完全に湿潤状態とされた場合に、1%以下、3%以下、5%以下、10%以下又は20%以下で体積が増加する吸収性材料から形成されている、項目1~14のいずれか一項に記載のコンポーネント。
[項目16]
項目1~15のいずれか一項に記載のコンポーネントを備える電子蒸気供給装置。
[項目17]
前記コンポーネントが、当該電子蒸気供給装置の他のコンポーネントに分離可能に接続することができる、項目16に記載の電子蒸気供給装置。
[項目18]
前記コンポーネントが、当該電子蒸気供給装置の恒久的なコンポーネントである、項目16に記載の電子蒸気供給装置。