(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】物品推薦装置、物品推薦方法、及び物品推薦プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q30/0251
(21)【出願番号】P 2019199838
(22)【出願日】2019-11-01
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】513257926
【氏名又は名称】株式会社インディージャパン
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 真吾
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛士
(72)【発明者】
【氏名】宋 コウン
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 翔太
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 七実
(72)【発明者】
【氏名】原 憲子
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-334257(JP,A)
【文献】特開2000-090094(JP,A)
【文献】特開2011-039909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の好みに関する質問に対するアンケートの結果であって、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを表す好意情報と、前記アンケートに回答したユーザの属性情報とを取得する取得部と、
複数のユーザの各々について前記取得部により取得された好意情報及びユーザの属性情報に基づいて、物品を薦める対象のユーザである対象ユーザの属性情報に対応する好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成された選好順位情報に基づいて、該選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を対象ユーザへ薦める対象物品として特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記対象物品の情報を出力する出力部と、
を有する物品推薦装置。
【請求項2】
前記生成部は、対象ユーザの属性情報が複数の属性に該当する場合、複数の属性の各々に対応する好意情報を集計した選好順位情報を生成し、
前記特定部は、生成された選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を前記ユーザへ薦める対象物品として特定する、
請求項1に記載の物品推薦装置。
【請求項3】
前記生成部は、対象ユーザの属性情報が複数の属性の何れにも該当しない場合、全ての好意情報を集計した選好順位情報を生成し、
前記特定部は、生成された選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を前記ユーザへ薦める対象物品として特定する、
請求項1又は請求項2に記載の物品推薦装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記特定部により特定された前記物品と異なる物品を更に提示する、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の物品推薦装置。
【請求項5】
物品の好みに関する質問に対するアンケートの結果であって、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを表す好意情報と、前記アンケートに回答したユーザの属性情報とを取得し、
複数のユーザの各々について取得された好意情報及びユーザの属性情報に基づいて、物品を薦める対象のユーザである対象ユーザの属性情報に対応する好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成し、
生成された選好順位情報に基づいて、該選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を対象ユーザへ薦める対象物品として特定し、
特定された前記対象物品の情報を出力する、
処理をコンピュータが実行する物品推薦方法。
【請求項6】
物品の好みに関する質問に対するアンケートの結果であって、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを表す好意情報と、前記アンケートに回答したユーザの属性情報とを取得し、
複数のユーザの各々について取得された好意情報及びユーザの属性情報に基づいて、物品を薦める対象のユーザである対象ユーザの属性情報に対応する好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成し、
生成された選好順位情報に基づいて、該選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を対象ユーザへ薦める対象物品として特定し、
特定された前記対象物品の情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させるための物品推薦プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品推薦装置、物品推薦方法、及び物品推薦プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的物品情報を推薦するためのシステムが知られている(例えば、特許文献1)。このシステムは、選択された複数の候補物品に関する情報を含む目的物品情報推薦要求を受信し、履歴カウント数、選択カウント数、または、それら両方を含む、複数の候補物品に関する選択履歴情報を決定し、候補物品の選択履歴情報の一部または全部をクライアントに送信する。
【0003】
また、ユーザが嗜好するコンテンツを容易に見つける情報処理システムが知られている(例えば、特許文献2)。この情報処理システムは、対象ユーザと他のユーザの物品に対する嗜好を示す嗜好情報に基づいて、対象ユーザと他のユーザ間の類似度であるユーザ間類似度を算出し、該算出したユーザ間類似度に基づいて対象ユーザに類似する類似ユーザを抽出する。そして、情報処理システムは、抽出した類似ユーザが嗜好するコンテンツを対象ユーザへ提示する候補である提示候補コンテンツとして抽出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2015-536495号公報
【文献】特開2014-109844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の技術では、物品の履歴カウント数及び選択カウント数を用いて、ユーザに対して推薦する物品が選択される。また、上記特許文献2の技術では、類似するユーザの嗜好情報に基づいて、提示候補コンテンツが抽出される。
【0006】
ところで、ユーザに対するアンケート結果はユーザの嗜好を知る上で有用な情報である。アンケート結果はユーザから得られる信頼性の高い情報であるため、ユーザに対して推薦する物品を選定する際に利用することが考えられる。なお、アンケート結果は、物品を実際に購入していないユーザからも取得することが可能である。
【0007】
しかし、上記特許文献1,2の技術ではアンケートを用いることについては開示されていない。このため、従来技術では、複数のユーザに対するアンケート結果に基づいて、アンケートが行われたユーザとは異なる他のユーザに推薦する対象の物品を適切に特定することができない、という課題がある。
【0008】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、複数のユーザに対するアンケート結果に基づいて、アンケートが行われたユーザとは異なる他のユーザに推薦する対象物品を特定することができる物品推薦装置、物品推薦方法、及び物品推薦プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明に係る物品推薦装置は、物品の好みに関する質問に対するアンケートの結果であって、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを表す好意情報と、前記アンケートに回答したユーザの属性情報とを取得する取得部と、複数のユーザの各々について前記取得部により取得された好意情報及びユーザの属性情報に基づいて、物品を薦める対象のユーザである対象ユーザの属性情報に対応する好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成する生成部と、前記生成部により生成された選好順位情報に基づいて、該選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を対象ユーザへ薦める対象物品として特定する特定部と、前記特定部により特定された前記対象物品の情報を出力する出力部と、を有する物品推薦装置である。
【0010】
また、本発明に係る物品推薦方法は、物品の好みに関する質問に対するアンケートの結果であって、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを表す好意情報と、前記アンケートに回答したユーザの属性情報とを取得し、複数のユーザの各々について取得された好意情報及びユーザの属性情報に基づいて、物品を薦める対象のユーザである対象ユーザの属性情報に対応する好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成し、生成された選好順位情報に基づいて、該選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を対象ユーザへ薦める対象物品として特定し、特定された前記対象物品の情報を出力する、処理をコンピュータが実行する物品推薦方法である。
【0011】
また、本発明に係る物品推薦プログラムは、物品の好みに関する質問に対するアンケートの結果であって、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを表す好意情報と、前記アンケートに回答したユーザの属性情報とを取得し、複数のユーザの各々について取得された好意情報及びユーザの属性情報に基づいて、物品を薦める対象のユーザである対象ユーザの属性情報に対応する好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成し、生成された選好順位情報に基づいて、該選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を対象ユーザへ薦める対象物品として特定し、特定された前記対象物品の情報を出力する、処理をコンピュータに実行させるための物品推薦プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数のユーザに対するアンケート結果に基づいて、アンケートが行われたユーザとは異なる他のユーザに推薦する対象物品を特定することができる、という効果が得られる。
【0013】
また、本発明により、ユーザの官能的評価が強く選好に反映されるような物品を自動的にユーザ個別に推奨し、ユーザの満足度を高めることが可能となる。本発明は、例えば、嗅覚については日用品や香水などの香り製品、味覚については食品等、聴覚については楽器や再生機器や音楽等、視覚については色味や映像やデザイン等、あるいは複数の感覚にまたがる好みの推奨に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態の物品推薦システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の物品推薦装置の機能構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態のアンケートの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態の端末とユーザとを説明するための説明図である。
【
図5】本実施形態のユーザの属性情報と各物品に対する好意情報とが格納されるテーブルの一例を示す図である。
【
図6】ユーザの属性情報に応じて集計された各物品に対する好意情報の一例を示す図である。
【
図7】ユーザの属性情報に応じた選好順位情報の一例を示す図である。
【
図8】端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図9】物品推薦システムの各装置として機能するコンピュータの概略ブロック図である。
【
図10】本実施形態の物品推薦システムによって実行される処理を説明するための説明図である。
【
図11】本実施形態の物品推薦システムによって実行される処理を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
【0016】
<物品推薦システムのシステム構成>
【0017】
図1は、本実施形態の物品推薦システム10を示すブロック図である。
図1に示されるように、本実施形態の物品推薦システム10は、物品推薦装置12と、複数の端末14A,14B,14C,14Xとを備えている。物品推薦装置12と、複数の端末14A,14B,14C,14Xとは、例えばインターネット等のネットワーク15によって接続されている。なお、以下では、複数の端末14A,14B,14C,14Xを総称する場合には、単に端末14とも称する。
【0018】
本実施形態の物品推薦システム10の物品推薦装置12は、端末14A,14B,14Cからアンケート結果を収集する。そして、物品推薦装置12は、収集したアンケート結果を用いて、物品を推薦する対象のユーザである、端末14Xを操作するユーザに対して物品を推薦する。
【0019】
以下、具体的に説明する。
【0020】
図2は、本実施形態の物品推薦装置12の機能構成例を示す図である。
図2に示されるように、物品推薦装置12は、提示部20と、取得部22と、情報記憶部24と、生成部26と、特定部28と、出力部30とを備えている。なお、以下の説明は、端末14Aを操作するユーザのアンケート結果を取得する場合の説明である。
【0021】
提示部20は、端末14Aに対して、物品の好みに関する質問を含むアンケートを提示する。
図3に、本実施形態のアンケートの一例を示す。
図3に示されるように、本実施形態のアンケート32には、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを問う質問が含まれている。
図3の例では、物品A,B,Cについて、好きな度合いを表すスコアをユーザに入力するように求めるアンケートが示されている。
【0022】
また、
図3のアンケートには、ユーザの属性情報としてユーザのプロフィール等の入力を求める質問が含まれている。
【0023】
提示部20によりユーザの端末14の表示部にアンケート32が表示される。例えば、
図4に示されるように、ユーザUの端末14の表示部Hにアンケート32が表示され、ユーザUはタッチパネルを介してアンケートに回答する。
【0024】
取得部22は、提示部20によりユーザに提示されたアンケートの結果であって、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを表す好意情報と、当該アンケートに回答したユーザの属性情報とを取得する。
図3のアンケート32に対してユーザにより回答される好きな度合いを表すスコアは、好意情報の一例である。また、
図3のアンケート32に対してユーザにより回答されるプロフィール等の情報は、ユーザの属性情報の一例である。
【0025】
なお、本実施形態では、ユーザの属性情報がアンケートの結果として取得されるが、例えば、購買対象の物品が提示されているWebサイトに予めユーザの属性情報が登録されている場合には、取得部22は、予め登録されているユーザの属性情報を取得するようにしてもよい。または、取得部22は、ユーザがSNSのアカウントによりWebサイトにログインする場合には、当該SNSのアカウントからユーザの属性情報を取得するようにしてもよい。
【0026】
そして、取得部22は、アンケートの結果として得られた、ユーザの各物品に対する好意情報とユーザの属性情報とを対応付けて情報記憶部24へ格納する。
【0027】
情報記憶部24には、複数のユーザの各々について取得された、各物品に対する好意情報とユーザの属性情報とが格納される。
【0028】
図5に、情報記憶部24に格納される情報の一例を示す。
図5に示されるように、ユーザの各物品に対する好意情報とユーザの属性情報とは、例えば、テーブル形式で情報記憶部24へ格納される。
【0029】
図5に示されるように、情報記憶部24には、あるユーザの属性情報と当該ユーザの各物品に対する好意情報とが対応付けられて格納される。情報記憶部24には、複数のユーザの好意情報と属性情報とが格納される。
【0030】
生成部26は、物品を薦める対象のユーザである対象ユーザに対して物品を薦める際に、情報記憶部24に格納された各情報に基づいて、対象ユーザの属性情報に対応する好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成する。
【0031】
例えば、対象ユーザの属性情報の一つである「性別」が「女性」である場合、生成部26は、情報記憶部24に格納された情報のうちユーザの属性情報が「女性」である好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成する。この場合、属性情報が「女性」であるユーザの各物品に対する好意情報が集計され、好意情報の総和に応じて各物品の選好の順位を表す選好順位情報が生成される。
【0032】
なお、対象ユーザの属性情報が複数の属性に該当する場合、生成部26は、複数の属性の各々に対応する好意情報を集計して選好順位情報を生成する。例えば、
図6に示されるように、対象ユーザの属性情報が「女性」「30代」「B県」である場合、生成部26は、それらの属性をすべて満たすユーザの各物品に対する好意情報を集計して、各物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成する。例えば、
図6に示されるように、対象ユーザの属性情報が「女性」「30代」「B県」である場合、物品Aに対する好意情報の総和は「55」であり、物品Bに対する好意情報の総和は「255」であり、物品Cに対する好意情報の総和は「30」となる。この場合、各物品の選好の順位を表す選好順位情報は、
図7に示されるようになる。
図7に示されるように、物品A,B,Cの選好順位情報は、1位が物品Bであり、2位が物品Aであり、3位が物品Cである。
【0033】
また、生成部26は、対象ユーザの属性情報が複数の属性の何れにも該当しない場合又は対象ユーザの属性情報が得られない場合、全ての好意情報を集計した選好順位情報を生成する。対象ユーザの属性情報が複数の属性の何れにも該当しない場合又は対象ユーザの属性情報が得られない場合には、対象ユーザが全体母数の平均的な消費者とみなすことが可能であるため、生成部26は、全体のユーザから導かれる選好順位情報を生成する。
【0034】
特定部28は、生成部26により生成された選好順位情報に基づいて、当該選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を対象ユーザへ薦める対象物品として特定する。例えば、特定部28は、3位以上の物品を対象物品として特定する。
【0035】
出力部30は、特定部28により特定された対象物品の情報を出力する。具体的には、出力部30は、対象ユーザが操作する端末14Xの表示部に、対象物品の情報が表示されるように制御する。
【0036】
出力部30により、例えば、
図8に示されるような画面が端末14Xの表示部に表示される。対象ユーザは、推薦対象の対象物品を確認し、購入するか否かを判断する。また、出力部30は、対象ユーザの属性情報に基づき「物品Aをお勧めする理由は、XXの属性の方が~~と回答する傾向から導きました」といった情報を併せて表示するようにしてもよい。
【0037】
従来技術では、対象ユーザの過去の購入経歴又は類似の購入経歴を持つ他のユーザの情報から、対象データに対して推薦する物品が推定されていた。これに対し、本実施形態の物品推薦装置12は、複数の他のユーザから収集された物品に対するアンケート結果に基づいて、対象ユーザの好みを推定する。この場合、対象ユーザに対しては物品のアンケートを実施することなく、対象ユーザの属性情報から対象ユーザの好みを推定する。これにより、対象ユーザの属性情報に応じた適切な対象物品が推薦されるため、対象ユーザは快適に購買行動を行うことができる。
【0038】
物品推薦システム10の物品推薦装置12及び各端末は、例えば、
図9に示すコンピュータ70で実現することができる。コンピュータ70はCPU71、一時記憶領域としてのメモリ72、及び不揮発性の記憶部73を備える。また、コンピュータ70は、入出力装置等(図示省略)が接続される入出力interface(I/F)74、及び記録媒体に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するread/write(R/W)部75を備える。また、コンピュータ70は、インターネット等のネットワークに接続されるネットワークI/F76を備える。CPU71、メモリ72、記憶部73、入出力I/F74、R/W部75、及びネットワークI/F76は、バス77を介して互いに接続される。
【0039】
記憶部73は、Hard Disk Drive(HDD)、solid state drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部73には、コンピュータ70を機能させるためのプログラムが記憶されている。CPU71は、プログラムを記憶部73から読み出してメモリ72に展開し、プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0040】
<物品推薦システム10の作用>
【0041】
次に、本実施の形態の物品推薦システム10の作用について説明する。
【0042】
まず、物品推薦装置12は、複数のユーザの各々が操作する端末14A,14B,14Cに対してアンケートを提示し、その結果を収集する。具体的には、物品推薦装置12は、
図10に示す処理ルーチンを実行する。なお、以下の説明は、端末14Aを操作するユーザのアンケート結果を取得する場合の説明である。
【0043】
ステップS50において、提示部20は、端末14Aに対して、物品の好みに関する質問を含むアンケートを提示する。
【0044】
端末14Aを操作するユーザは、上記ステップS50で端末14のA表示部に表示されたアンケートを確認し、各物品の好意情報を入力する。また、端末14Aを操作するユーザは、自らの属性情報を入力する。
【0045】
ステップS52において、取得部22は、上記ステップS50でユーザに提示されたアンケートの結果である、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを表す好意情報を取得する。
【0046】
ステップS54において、取得部22は、上記ステップS50で提示されたアンケートの回答主であるユーザの属性情報を取得する。
【0047】
ステップS56において、取得部22は、アンケートの結果として得られた、ユーザの各物品に対する好意情報とユーザの属性情報とを対応付けて情報記憶部24へ格納する。
【0048】
図11に示す処理ルーチンが複数の端末に対して実行されることにより、複数のユーザの各物品に対する好意情報が収集される。
【0049】
次に、物品推薦装置12は、複数のユーザから収集された各物品に対する好意情報に基づいて、物品を推薦する対象の対象ユーザに対して物品を推薦する。具体的には、物品推薦装置12は、
図11に示す処理ルーチンを実行する。なお、以下の説明では、端末14Xを操作するユーザが、物品を推薦する対象の対象ユーザである。
【0050】
ステップS60において、生成部26は、対象ユーザの属性情報を取得する。例えば、生成部26は、ユーザのプロフィールに関するアンケートを対象ユーザの端末14Xへ提示し、対象ユーザによって入力された対象ユーザの属性情報を取得する。または、例えば、購買対象の物品が提示されているWebサイトに予めユーザの属性情報が登録されている場合には、生成部26は、予め登録されているユーザの属性情報を取得するようにしてもよい。または、生成部26は、ユーザがSNSのアカウントによりWebサイトにログインする場合には、当該SNSのアカウントからユーザの属性情報を取得するようにしてもよい。
【0051】
ステップS62において、情報記憶部24に格納された各情報に基づいて、対象ユーザの属性情報に対応する好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成する。これにより、対象ユーザの属性情報に応じた選好順位情報が生成される。
【0052】
ステップS64において、特定部28は、生成部26により生成された選好順位情報に基づいて、当該選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を対象ユーザへ薦める対象物品として特定する。
【0053】
ステップS66において、出力部30は、上記ステップS64で特定された対象物品の情報が、対象ユーザが操作する端末14Xの表示部に表示されるように制御する。なお、出力部30は、上記ステップS64で特定された対象物品と異なる物品を更に提示するようにしてもよい。例えば、出力部30は、ユーザのデータを取得するために有効な他の商品又は在庫状況等によって発生する販売したい商品も併せて提案するようにしてもよい。
【0054】
対象ユーザは、推薦対象の対象物品を確認し、購入するか否かを判断する。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態に係る物品推薦装置12は、物品の好みに関する質問に対するアンケートの結果であって、複数の物品の各々に対するユーザの好意の度合いを表す好意情報と、当該アンケートに回答したユーザの属性情報とを取得する。そして、物品推薦装置12は、複数のユーザの各々について取得された好意情報及びユーザの属性情報に基づいて、物品を薦める対象のユーザである対象ユーザの属性情報に対応する好意情報を集計して、複数の物品の選好の順位を表す選好順位情報を生成する。そして、物品推薦装置12は、選好順位情報に基づいて、当該選好順位情報に含まれる物品であって、かつ予め定められた順位以上の物品を対象ユーザへ薦める対象物品として特定する。そして、物品推薦装置12は、特定された対象物品の情報を出力する。これにより、複数のユーザに対するアンケート結果に基づいて、アンケートが行われたユーザとは異なる他のユーザに推薦する対象物品を特定することができる。このため、ユーザの属性情報に応じた適切な対象物品が推薦されるため、ユーザは快適に購買行動を行うことができる。また、従来では熟練した販売員による提案型販売をオンラインにて行うことができる。
【0056】
また、現在においては、ユーザの年齢、性別、及び収入等の情報の類似性に着目し、類似する消費者が購入した商品を提案するシステムは存在している。しかし、ユーザの好みは多様であり、単にユーザの年齢、性別、及び収入等の情報を用いるのみでは、適切な対象物品を推薦することはできない。
【0057】
この点、既知の機械学習によって学習済みモデルを生成し、学習済みモデルを用いて対象物品を特定することが考えられる。しかし、機械学習を用いて学習済みモデルを生成する場合には、教師データの信頼性を高いものにすることが必要となる。嗜好品に関する好みとなる教師データには、ゆらぎが多く、誤りが存在する。これにより誤った学習が行なわれ、学習済みモデルの精度低下が招かれる。教師データのゆらぎを補償するために、大量のデータを取得し平均化するなどが取られることがあるが、個人差と一個人のゆらぎ双方のノイズ除去には多大なコストがかかる。
【0058】
これに対し、本実施形態では、ユーザから得られた実際のアンケート結果に基づいて、対象ユーザへ薦める対象物品を特定する。このため、信頼性の高いデータであるアンケート結果に基づいて、適切な対象物品を選定することができる。
【0059】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0060】
10 物品推薦システム
12 物品推薦装置
14A,14B,14C,14X 端末
15 ネットワーク
20 提示部
22 取得部
24 情報記憶部
26 生成部
28 特定部
30 出力部
32 アンケート