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特許7444384営業支援システム、営業支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】営業支援システム、営業支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20240228BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023200266
(22)【出願日】2023-11-27
【審査請求日】2023-11-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520121533
【氏名又は名称】株式会社ナレッジワーク
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】麻野 耕司
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-149364(JP,A)
【文献】特開2019-176386(JP,A)
【文献】特開2023-000760(JP,A)
【文献】特許第7337315(JP,B1)
【文献】特開2021-077220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
営業を支援するシステムであって、
カレンダーシステムにアクセスして商談先に対応するイベント情報を取得するイベント取得部と、
コミュニケーションシステムにアクセスして前記商談先との間のメッセージを取得するメッセージ取得部と、
前記商談先との商談に用いる資料の指定を受け付ける資料指定部と、
前記商談との商談に係る議題又は検討課題であるアジェンダの入力を受け付けるアジェンダ入力部と、
前記商談に対応付けて、指定された前記資料及び受け付けた前記アジェンダを管理する商談資料管理部と、
を備えることを特徴とする営業支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の営業支援システムであって、
社内コミュニケーションシステムにアクセスして前記アジェンダ及び前記資料を確認者に対して送信する共有部を備えること、
を特徴とする営業支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の営業支援システムであって、
前記資料を記憶するナレッジ記憶部と、
前記アジェンダに応じて前記ナレッジ記憶部から前記資料を検索し、検索した前記資料をユーザに提示する資料提示部と、
を備えることを特徴とする営業支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の営業支援システムであって、
前記商談に係るメモの入力を受け付けるメモ入力部と、
前記メモに基づいてTODO項目を作成するTODO作成部と、
を備えることを特徴とする営業支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の営業支援システムであって、
SFAシステムに登録する商談の管理情報の入力を受け付ける商談情報入力部と、
前記SFAシステムにアクセスして前記管理情報を登録する商談情報登録部と、
を備えることを特徴とする営業支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の営業支援システムであって、
前記商談に対応する前記資料を前記商談資料管理部から取得し、前記商談の前記商談先に前記資料を送信する資料送信部を備えること、
を特徴とする営業支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載の営業支援システムであって、
前記商談に対応する前記資料を読み出し、ビデオ会議システムにアクセスして、ビデオ会議中に前記資料を表示させる資料表示部を備えること、
を特徴とする営業支援システム。
【請求項8】
請求項1に記載の営業支援システムであって、
ビデオ会議システムにアクセスして、ビデオ会議中に音声をテキストに変換し、前記テキストに基づいて議事録を作成する議事録作成部を備えること、
を特徴とする営業支援システム。
【請求項9】
営業を支援する方法であって、
カレンダーシステムにアクセスして商談先に対応するイベント情報を取得するステップと、
コミュニケーションシステムにアクセスして前記商談先との間のメッセージを取得するステップと、
前記商談先との商談に用いる資料の指定を受け付けるステップと、
前記商談との商談に係る議題又は検討課題であるアジェンダの入力を受け付けるステップと、
前記商談に対応付けて、指定された前記資料及び受け付けた前記アジェンダを管理するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする営業支援方法。
【請求項10】
カレンダーシステムにアクセスして商談先に対応するイベント情報を取得するステップと、
コミュニケーションシステムにアクセスして前記商談先との間のメッセージを取得するステップと、
前記商談先との商談に用いる資料の指定を受け付けるステップと、
前記商談との商談に係る議題又は検討課題であるアジェンダの入力を受け付けるステップと、
前記商談に対応付けて、指定された前記資料及び受け付けた前記アジェンダを管理するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、営業支援システム、営業支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には連携可能なSaaSを特定してユーザに提案することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6440571号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、商談の準備や商談後の処理など営業担当者の商談に関する業務を直截的に支援することはできない。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、営業担当者の商談関連業務を支援することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、営業を支援するシステムであって、カレンダーシステムにアクセスして商談先に対応するイベント情報を取得するイベント取得部と、コミュニケーションシステムにアクセスして前記商談先との間のメッセージを取得するメッセージ取得部と、前記商談先との商談に用いる資料の指定を受け付ける資料指定部と、前記商談相手との商談に係るアジェンダの入力を受け付けるアジェンダ入力部と、前記商談に対応付けて、指定された前記資料及び受け付けた前記アジェンダを管理する商談資料管理部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、営業担当者の商談関連業務を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る営業支援システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】商談前における営業支援システムの動作を説明する図である。
図5】商談中における営業支援システムの動作を説明する図である。
図6】商談後における営業支援システムの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
営業を支援するシステムであって、
カレンダーシステムにアクセスして商談先に対応するイベント情報を取得するイベント取得部と、
コミュニケーションシステムにアクセスして前記商談先との間のメッセージを取得するメッセージ取得部と、
前記商談先との商談に用いる資料の指定を受け付ける資料指定部と、
前記商談相手との商談に係るアジェンダの入力を受け付けるアジェンダ入力部と、
前記商談に対応付けて、指定された前記資料及び受け付けた前記アジェンダを管理する商談資料管理部と、
を備えることを特徴とする営業支援システム。
[項目2]
項目1に記載の営業支援システムであって、
社内コミュニケーションシステムにアクセスして前記アジェンダ及び前記資料を確認者に対して送信する共有部を備えること、
を特徴とする営業支援システム。
[項目3]
項目1に記載の営業支援システムであって、
前記資料を記憶するナレッジ記憶部と、
前記アジェンダに応じて前記ナレッジ記憶部から前記資料を検索し、検索した前記資料をユーザに提示する資料提示部と、
を備えることを特徴とする営業支援システム。
[項目4]
項目1に記載の営業支援システムであって、
前記商談に係るメモの入力を受け付けるメモ入力部と、
前記メモに基づいてTODO項目を作成するTODO作成部と、
を備えることを特徴とする営業支援システム。
[項目5]
項目1に記載の営業支援システムであって、
SFAシステムに登録する商談の管理情報の入力を受け付ける商談情報入力部と、
前記SFAシステムにアクセスして前記管理情報を登録する商談情報登録部と、
を備えることを特徴とする営業支援システム。
[項目6]
項目1に記載の営業支援システムであって、
前記商談に対応する前記資料を前記商談資料管理部から取得し、前記商談の前記商談先に前記資料を送信する資料送信部を備えること、
を特徴とする営業支援システム。
[項目7]
項目1に記載の営業支援システムであって、
前記商談に対応する前記資料を読み出し、ビデオ会議システムにアクセスして、ビデオ会議中に前記資料を表示させる資料表示部を備えること、
を特徴とする営業支援システム。
[項目8]
項目1に記載の営業支援システムであって、
ビデオ会議システムにアクセスして、ビデオ会議中に音声をテキストに変換し、前記テキストに基づいて議事録を作成する議事録作成部を備えること、
を特徴とする営業支援システム。
[項目9]
営業を支援する方法であって、
カレンダーシステムにアクセスして商談先に対応するイベント情報を取得するステップと、
コミュニケーションシステムにアクセスして前記商談先との間のメッセージを取得するステップと、
前記商談先との商談に用いる資料の指定を受け付けるステップと、
前記商談相手との商談に係るアジェンダの入力を受け付けるステップと、
前記商談に対応付けて、指定された前記資料及び受け付けた前記アジェンダを管理するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする営業支援方法。
[項目10]
カレンダーシステムにアクセスして商談先に対応するイベント情報を取得するステップと、
コミュニケーションシステムにアクセスして前記商談先との間のメッセージを取得するステップと、
前記商談先との商談に用いる資料の指定を受け付けるステップと、
前記商談相手との商談に係るアジェンダの入力を受け付けるステップと、
前記商談に対応付けて、指定された前記資料及び受け付けた前記アジェンダを管理するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る営業支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の営業支援システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。管理サーバ2はまた、カレンダーサーバ31、メールサーバ32、チャットサーバ33、SFAサーバ34、及びビデオ会議サーバ35とも通信可能に接続される。
【0012】
ユーザ端末1は、営業担当者が操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。なお、ユーザ端末1は、営業担当者の上司や管理者などが操作するコンピュータを含めてもよい。
【0013】
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0014】
カレンダーサーバ31は、営業担当者のスケジュールを管理するカレンダーシステムを構成するコンピュータである。カレンダーサーバ31は、営業担当者の予定(イベント)に関する項目を取得及び設定するためのAPIを提供する。
【0015】
メールサーバ32は、電子メールの送受信を行うコンピュータである。例えばSMTPやIMAPなどのプロトコルによりメールサーバ32により電子メールのメッセージを送受信することができる。本実施形態では、社外とのコミュニケーションツールとして電子メールを使うことを想定しているが、後述するチャットを社外とのコミュニケーションとして使用するようにすることも可能であるし、電子メールを社内コミュニケーションのためのツールとして使用することも可能である。
【0016】
チャットサーバ33は、チャット形式によるメッセージの送受信を行うチャットシステムを構成するコンピュータである。チャットサーバ33は、メッセージの送受信を行うためのAPIを提供する。
【0017】
SFAサーバ34は、商談の進捗状況などを示す情報(以下、商談管理情報という。)を管理するSFAシステムを構成するコンピュータである。SFAサーバ34は、商談管理情報を取得及び登録するた めのAPIを提供する。
【0018】
ビデオ会議サーバ35は、ビデオ会議システムを構成するコンピュータである。ビデオ会議サーバ35は、ビデオ会議中の音声や映像を取得し、あるいはビデオ会議中の画面に資料を表示するためのAPIを提供する。
【0019】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0020】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、商談準備部21と、商談実行部22と、商談後管理部23と、情報記憶部24とを備える。商談準備部21は、日程調整部211と、商談進行準備部212と、商談資料準備部213とを備える。商談進行準備部212は、過去商談確認部2121と、業界企業分析部2122と、アジェンダ準備部2123とを備える。商談資料準備部213は、過去資料確認部2131と、参考資料確認部2132と、資料準備部2133とを備える。商談実行部22は、資料説明部221と、議事録作成部222とを備える。商談後管理部23は、TODO作成部231と、商談データ登録部232と、資料共有部233とを備える。情報記憶部24は、ナレッジ記憶部241と、商談内容記憶部242と、ユーザ情報記憶部243と、TODO記憶部244とを備える。
【0021】
<情報記憶部24>
ナレッジ記憶部241は、営業に用いる資料を記憶する。資料は例えばPDFファイル、プレゼンテーションファイル、ワードプロセッサファイル、テキストファイル、動画ファイル、画像ファイルなどとすることができる。
【0022】
商談内容記憶部242は、商談に用いられた情報(以下、商談内容情報という。)を記憶する(資料管理部)。商談内容情報には、商談を特定する情報に対応付けて、商談に使用する又は使用した資料を特定する情報(資料ID、複数あってもよい。)、アジェンダ、メモ、議事録を含めることができる。商談を特定する情報は、例えば、商談先を特定する情報と、商談の日付とを含むことができる。商談先を特定する情報は、例えば、企業ID、企業名のみならず部署ID、部署名、責任者ID、責任者などとすることができる。商談を特定する情報には、日付に加えて時間(開始時刻)を含めることができる。
【0023】
ユーザ情報記憶部243は、各営業担当者の営業に関する情報を確認する確認者を特定する情報を記憶する。確認者は、例えば、営業担当者の上司や管理者などとすることができる。ユーザ情報記憶部243は、営業担当者を特定する情報に対応付けて、確認者を特定する情報を記憶することができる。ユーザ情報記憶部243は、確認者にメッセージを送信するための情報(ユーザ名やメールアドレスなど)を記憶することができる。
【0024】
TODO記憶部244は、営業担当者が行うべき項目(TODO項目)を記憶する。TODO記憶部244は、営業担当者に対応付けてTODO項目を記憶することができる。なお、TODO記憶部244は、外部のTODO管理システムとして実装し、TODO管理システムにTODO項目を管理させるようにしてもよい。
【0025】
<商談準備部21>
商談準備部21は、商談の準備に関する処理を行う。
【0026】
日程調整部211は、営業担当者からの操作を受け付けて商談の日程調整に関する処理を行う。日程調整部211は、カレンダーシステムにアクセスして商談先に対応するイベント情報を取得することができる(イベント取得部)。カレンダーシステムへのアクセスは、営業担当者からカレンダーシステムへの呼び出しボタン等の操作により連携されていてもよい。また、他の方法として、例えば、近年日程調整用アプリケーションサービスなどを利用してカレンダーシステムと連携し社内の参加者の日程を確認後、当該日程の候補を営業担当者に送るとともに当該日程の候補から選択してもらい、確定した日程をカレンダーシステムに登録することとしてもよい。イベント情報には、日時、タイトル、場所、詳細情報などが含まれうる。本実施形態では、カレンダーサーバ31がカレンダーの予定(イベント)に関する情報(イベント情報)を取得及び/又は設定するAPIを提供し、日程調整部211は、カレンダーサーバ31のAPIを呼び出すことにより、例えば、商談先の名称がタイトルに設定され、あるいは場所が商談先を示し、又は商談先の名称がノートに含まれているイベント情報を検索して取得することができる。日程調整部211は、コミュニケーションシステムにアクセスして商談先との間のメッセージを取得することができる(メッセージ取得部)。本実施形態では、コミュニケーションシステムは、電子メールを想定し、日程調整部211は、メールサーバ32にアクセスして、商談先の電子メールアドレスが宛先又は送信元に設定された電子メールを検索して取得することができる。
【0027】
過去商談確認部2121は、営業担当者からの操作を受け付けてSFAシステムにアクセスして、商談に関してSFAシステムで管理されている商談管理情報を取得し、取得した商談管理情報を営業担当者に対して提示することができる。SFAサーバシステムを構成するSFAサーバ34は、例えば、商談管理情報を取得し及び/又は登録するためのAPIを提供し、過去商談確認部2121は、SFAサーバ34が提供するAPIを呼び出すことにより、過去の商談に係る商談管理情報を取得することができる。過去商談確認部2121には、本発明によるシステムの過去の利用状況を分析する利用状況部を含めることとしてもよい。これにより、主に既存顧客向けのクロスセル・アップセルのための営業活動に寄与することができる。例えば、ヘルススコア、ショーンエリステスト(Sean Ellis Test)などの決裁者や利用者に対するアンケート結果、DAU(Daily Active Users)などの利用者の行動ログのようなデータを分析することにより、顧客課題(ニーズやペイン)を予測して営業担当者に提示することとしてもよい。
【0028】
業界企業分析部2122は、商談に関する業界、商談先及び/又は競合企業に関する分析を支援する。業界企業分析部2122は、例えば、営業担当者からの操作を受け付けて商談に関する業界、商談先及び/又は競合企業に関する情報を、検索エンジンに問い合わせ、検索結果を一覧表示するようにすることができる。業界企業分析部2122は、また、例えば、企業情報のデータベースサービスにアクセスして企業に関する情報を取得するようにしてもよい。また、顧客担当者の情報を分析する機能を有していてもよい。即ち、仕組みのイメージとしてはリードカスタマーの行動情報(経由したチャネル、閲覧したホワイトペーパーを見たか、WEBサイト上での動き、送信されたフォームの内容など)を分析することとしてもよい。
【0029】
アジェンダ準備部2123は、商談のアジェンダ(議題、検討課題)の入力を受け付ける(アジェンダ入力部)。アジェンダ準備部2123は、営業担当者が商談先との商談に先立ってアジェンダの入力を受け付けるようにすることができる。アジェンダ準備部2123は、商談を特定する情報に対応付けて、アジェンダを商談内容記憶部242に登録することができる。アジェンダ準備部2123は、社内コミュニケーションシステムにアクセスしてアジェンダを確認者に対して送信することができる(共有部)。本実施形態では、社内コミュニケーションはチャットにより行うことを想定しており、アジェンダ準備部2123は、チャットサーバ33にアクセスしてアジェンダを確認するためのメッセージを確認者に送信することができる。アジェンダ準備部2123は、ユーザ情報記憶部243を参照して、営業者の確認者を特定することができる。なお、過去の商談の情報(参加者、議事録など)、SFAに登録された情報、商談先とのメールに基づいてアジェンダの下書きを自動生成することとしてもよい。この場合、例えば、過去の商談において、重要と思われるトピック、前回の会議で未解決だった問題点、参加者ごとの関心事項や意見の傾向などから生成することとしてもよい。生成されたアジェンダは、実際の商談の準備において、担当者が参考にし、必要に応じて調整を加えることができる。
【0030】
商談資料準備部213は、商談に用いる資料を準備する支援を行う。
【0031】
過去資料確認部2131は、営業担当者からの操作を受け付けて過去の商談に用いた資料を取得して営業担当者に提示する。過去資料確認部2131は、例えば、商談内容記憶部242から、商談先に対応する商談内容情報を検索し、検索した商談内容情報のうち過去の日付に対応するものに含まれる資料を特定する情報を取得して、過去に商談に用いた資料を特定することができる。過去資料確認部2131は、商談内容情報により特定される資料を、例えば、ファイルサーバなどから取得して営業担当者に提示することができる。
【0032】
参考資料確認部2132は、営業担当者からの操作を受け付けて商談を行う営業担当者に参考となる資料を提案する。参考資料確認部2132は、例えば、アジェンダに応じてナレッジ記憶部241から資料を検索し、検索した資料をユーザに提示することができる(資料提示部)。参考資料確認部2132は、例えば、商談先と類似する他の商談先に提案された資料を参考資料として営業担当者に提案することができる。参考資料確認部2132は、例えば、過去に成功又は失敗した商談に関して、その結果とともに、その商談に使用された資料を提示することができる。参考資料確認部2132は、例えば、営業担当者の属性に応じた資料をナレッジ記憶部241から検索して営業担当者に提示することができる。営業担当者の属性は、例えば、当該商談先に対する商談実績、営業の経験年数、過去に成功又は失敗した商談に関する業界などとすることができる。例えば、商談先に初めての商談を行う営業担当者に対して、参考資料確認部2132は、商談先の業界及び/又は商談先の企業情報を提示することができる。
【0033】
資料準備部2133は、営業担当者からの操作を受け付けて商談に用いる資料を登録する。資料準備部2133は、営業担当者から商談に用いる資料を受け付けることができる(資料指定部)。資料準備部2133は、例えば、営業担当者から資料を特定する情報を受け付けて、受け付けた資料を特定する情報を、商談を特定する情報に対応付けて商談内容記憶部242に登録することができる。資料準備部2133は、社内コミュニケーションシステムにアクセスして商談に使用する資料を確認者に対して送信することができる(共有部)。資料準備部2133は、例えば、チャットサーバ33にアクセスして、資料を確認するためのメッセージを確認者に送信することができる。資料準備部2133は、ユーザ情報記憶部243を参照して、営業者の確認者を特定することができる。
【0034】
<商談実行部22>
商談実行部22は、商談中の営業担当者の支援を行う。
【0035】
資料説明部221は、商談のために準備した資料を提示する。資料説明部221は、例えば、ビデオ会議システムにアクセスして、ビデオ会議中に資料を表示させることができる(資料表示部)。資料説明部221は、当該商談に対応する資料を商談内容記憶部242から特定し、特定した資料の一覧を営業担当者に対して提示し、営業担当者に資料を指定させ、指定された資料をビデオ会議中に表示させるようにすることができる。資料説明部221は、例えば、ビデオ会議サーバ35にアクセスして、資料を表示する映像を送信することで、ビデオ会議中に資料を表示させることができる。
【0036】
議事録作成部222は、営業担当者からの操作を受け付けて商談の議事録を作成する。議事録作成部222は、例えば、ビデオ会議システムにアクセスして、ビデオ会議中の音声を利用し、取得した音声をテキストに変換し、変換したテキストに基づいて議事録を作成することができる。なお、ビデオ会議中の動画から相手側のリアクションやジェスチャーなどの非言語の情報を取得して、当該非言語の情報から読み取れる相手の感情、そのときの情景、空気感などを適切な表現で議事録に含めることとしてもよい。議事録作成部222は、例えば、ビデオ会議サーバ35にアクセスして、ビデオ会議中の音声を取得することができる。議事録作成部222は、例えば、変換したテキストを、例えば、議事録の作成を指示するプロンプトとともに大規模言語モデルを用いた生成系AIに与えることにより、議事録を生成することができる。議事録作成部222は、例えば、議事録の入力フォームを表示して営業担当者から入力を受け付けるようにしてもよいし、上述のような例えば生成系AIにより生成した議事録を提示して、営業担当者から編集を受け付けるようにしてもよい。議事録作成部222は、作成した議事録を、商談に対応付けて商談内容記憶部242に登録することができる。議事録作成部222は、商談前、商談中、及び/又は商談後に営業担当者から商談に係るメモの入力を受け付けることもできる(メモ入力部)。議事録作成部222は、受け付けたメモを、商談に対応付けて商談内容記憶部242に登録することができる。
【0037】
<商談後管理部23>
商談後管理部23は、商談後の情報管理を支援する。
【0038】
TODO作成部231は、営業担当者のTODO項目を作成する。TODO作成部231は、例えば、議事録に基づいてTODO項目を作成することができる。TODO作成部231は、例えば、メモに基づいてTODO項目を作成することができる。TODO作成部231は、営業担当者に対応付けてTODO項目をTODO記憶部244に登録することができる。
【0039】
商談データ登録部232は、商談管理情報の入力を受け付けてSFAシステムに登録する。商談データ登録部232は、商談管理情報の入力フォームを表示し、営業担当者から商談管理情報の入力を受け付けて、SFAサーバ34にアクセスし、商談管理情報を登録することができる。商談データ登録部232は、カレンダーシステムのイベント項目、商談の議事録及び/又はメモに基づいて、商談管理情報を作成するようにしてもよい。商談データ登録部232は、カレンダーシステムのイベント項目、商談の議事録及び/又はメモに基づいて、一部の項目を埋めた商談管理情報を作成し、残りの項目を営業担当者に入力させるようにすることもできる。商談データ登録部232は、SFAシステムに商談管理情報を登録したことを、営業担当者の確認者に対して通知することができる。商談データ登録部232は、例えば、確認者をユーザ情報記憶部243から特定し、チャットサーバ33にアクセスして商談管理情報を特定する情報を含む、商談管理情報を登録した旨を示すメッセージを確認者に送信することができる。
【0040】
資料共有部233は、商談に関する資料を商談先と共有することができる。資料共有部233は、例えば、商談内容情報記憶部242から商談先及び商談に用いた資料を特定し、商談先に対して特定した資料を送信することができる。なお、商談先の連絡先については、商談内容情報に含めるようにしてもよいし、商談先を特定する情報に対応付けて商談先の連絡先を記憶するコンタクト情報記憶部を設けるようにし、コンタクト情報記憶部から連絡先を特定するようにしてもよい。資料共有部233は、例えば、電子メールに資料を添付して、商談先のメールアドレスに送信することができる。
【0041】
<動作>
図4は、商談前における営業支援システムの動作を説明する図である。
【0042】
管理サーバ2は、商談先とのメッセージをメールサーバ32から取得して表示し(S301)、カレンダーサーバ31から商談先とのイベント情報を取得して表示する(S302)。管理サーバ2は、営業担当者のユーザ端末1からアジェンダの内容を受信して商談内容記憶部242に登録する(S303)。管理サーバ2は、商談に必要と思われる資料を営業担当者に提案し(S304)、商談に用いる資料の指定を営業担当者のユーザ端末1から受信して商談内容記憶部242に登録する(S305)。管理サーバ2は、チャットサーバ33にアクセスして、アジェンダ及び商談に使用する資料を確認してもらうためのメッセージを確認者に送信する(S306)。
【0043】
図5は、商談中における営業支援システムの動作を説明する図である。
【0044】
管理サーバ2は、商談に紐付けられている資料を商談内容記憶部242から特定し、特定した資料の中から1つを営業担当者に選択させ、ビデオ会議サーバ35にアクセスして、ビデオ会議中に選択された資料を表示させ(S321)。また、管理サーバ2は、ビデオ会議サーバ35にアクセスして、ビデオ会議中の音声データを取得してテキストに変換する(S322)。なお、音声データからテキストへの変換処理(文字起こし処理)については、例えば、生成系AIを利用するなどの手法により行うことができる。管理サーバ2は、例えば変換したテキスト及びテキストから議事録を作成するように指示するプロンプトを生成系AIに与えることにより、テキストに基づいて議事録を生成する(S323)。
【0045】
図6は、商談後における営業支援システムの動作を説明する図である。
【0046】
管理サーバ2は、議事録や営業担当者が入力したメモなどからTODO項目を作成してTODO記憶部244に登録する(S341)。管理サーバ2は、イベント情報、議事録、メモなどに基づいて商談管理情報を作成し、SFAサーバ34にアクセスして商談管理情報を登録し(S342)、チャットサーバ33にアクセスして、商談管理情報を登録した旨を営業担当者の確認者に対して送信する(S343)。管理サーバ2はまた、商談に用いた資料を商談内容記憶部242から特定し、特定した資料を、電子メールに添付して商談先に送信する(S344)。
【0047】
以上のようにして、本実施形態の営業支援システムによれば、商談前、商談中、及び商談後に営業担当者が行うべき業務についてワンストップで支援することができる。なお、上述した各部は、営業担当者からの操作を受け付けて機能するものとして説明したが、一連の説明順序(図6等)に基づいて、または所定のワークフロー等に基づいて、営業担当者が必要な機能がシステムから自動で起動したり連携したりすることとしてもよい。
【0048】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
31 カレンダーサーバ
32 メールサーバ
33 チャットサーバ
34 SFAサーバ
35 ビデオ会議サーバ


【要約】
【課題】営業担当者の商談関連業務を支援することができる。
【解決手段】本発明は、営業を支援するシステムであって、カレンダーシステムにアクセスして商談先に対応するイベント情報を取得するイベント取得部と、コミュニケーションシステムにアクセスして商談先との間のメッセージを取得するメッセージ取得部と、商談先との商談に用いる資料の指定を受け付ける資料指定部と、商談相手との商談に係るアジェンダの入力を受け付けるアジェンダ入力部と、商談に対応付けて、指定された資料及び受け付けたアジェンダを管理する商談資料管理部と、を備えることを特徴とする営業支援システムに関するものである。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6